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技術 人の睡眠および睡眠段階を決定するシステムおよび装置

出願人 ヴィー-ウォッチソシエテ・アノニム
発明者 アランジルミュゼ
出願日 2012年5月15日 (8年6ヶ月経過) 出願番号 2014-510784
公開日 2014年7月17日 (6年4ヶ月経過) 公開番号 2014-516681
状態 特許登録済
技術分野 生体の呼吸・聴力・形態・血液特性等の測定
主要キーワード 突発的変化 比較器ユニット 組み合わせユニット 変化ユニット プリセット閾値 平均騒音レベル パルス間隔データ 環境光レベル
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (14)

課題・解決手段

人の睡眠睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定するシステムであって、該システムは、人の心拍数を検出する心拍数検出手段と、人の体の一部の動きを検出する動き検出手段とを備える。検出される動きは体の骨格筋により生ずる。本システムは、さらに、検出された心拍数および検出された体の一部の動きを記録する記録手段と、記録された人の心拍数を、少なくとも1つの心拍数分類および少なくとも1つの心拍数変動分類に分類する心拍数分類手段と、記録された動きを少なくとも1つの動き分類に分類する動き分類手段とを備える。本システムは、さらに、少なくとも1つの心拍数分類、少なくとも1つの心拍数変動分類および少なくとも1つの動き分類に少なくとも部分的に基づいて、人の睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定する決定手段とを備える。

概要

背景

多くの人々は、睡眠異常および睡眠障害に起因する問題を抱えている。たとえば、睡眠異常または睡眠病態は非常に多く、ナルコレプシー、遊行症、または、不眠または過睡眠などの異常な睡眠時間と同様に異なっている場合がある。さらに、人の睡眠は、いびき(しばしば閉塞性睡眠時無呼吸症候群に関係している)によって、または、光や騒音などの環境要因によって、妨げられることがある。これらの睡眠障害は自律性の(呼吸のまたは心臓の)または運動性修正などの突発的な生理学的変化の組み合わせである睡眠イベント(event)の発生により一般的に特徴づけられる。睡眠イベントは、睡眠時無呼吸下肢静止不能(むずむず脚)、異常動作、遊行症、不整脈悪夢夜驚症などの睡眠病態の兆候により引き起こされる場合もある。すなわち、いびきをかく睡眠者、または、悪夢もしくは夜驚症における独り言や叫び声は、通常、異常な睡眠イベントを引き起こす。異常睡眠または睡眠障害は、健康(管理)の観点から非常に重要であるが、社会経済学の観点からも非常に重要である。

人々の睡眠異常および睡眠障害の理由を検出するため、睡眠検査室では、人について睡眠の点数化、すなわち、睡眠段階および睡眠段階移行の決定が行われる。睡眠検査室では、生理学的パラメタが観察され、対応するデータが睡眠ポリグラフで記録される。睡眠ポリグラフにおけるこの記録には、脳電図EEG)、眼電図EOG)および筋電図EMG)などの一次データ、ならびに、心拍数、呼吸、酸素測定および体動などの二次データが含まれる。EEGは周波数および振幅に従って脳波を検出および定めるために用いられる。EOGを用いて、眼球動きが認識および分析される。EMGによって、骨格筋により生じる電気活動を評価および記録することができる。

古典的には、睡眠の点数化は、睡眠期間全体にわたって継続的に行われたEEG、EOGおよびEMGの記録に基づいている。これらの生理学的データは、被験者記録者頭皮および顔面の異なる複数箇所に取り付けられた小電極を用いて記録される電位の変動により表される。

これらの電位は、その後、睡眠の異なる段階を定義する国際的に受け容れられた規則に従って、睡眠の専門家によって解釈される。各睡眠段階は、記録上の特定のEEG波の存否によって特徴づけられる。また、EOGの記録によって検出される眼の動きは、急速眼球運動レムREM))睡眠段階の間に主に存在し、EMGは睡眠段階および同時の体動の存在に依存する緊張性および相動性ベルの両方における変動を示す。

睡眠ポリグラフには様々な欠点がある。たとえば、EEGの間、頭蓋のいくつかの側部に固定された電極、たとえば、顔面と頭蓋に接着された電極を用いて電位が記録される。

また、EOGおよびEMGでは、被験者の顔面、頭蓋または他の体の部分に、電極とセンサを取り付ける必要がある。睡眠時の眼球運動を検出するため、EOGでは人の眼の近くまたは目蓋の上に接着または他の方法で電極を取り付ける必要がある。

全てのこれらの電極には、さらに、電極に接続され、ベッドの頭の近くに配置された装置につながる配線が必要であり、被験者の動きの自由度を制限する。したがって、配線、普段と異なる睡眠環境および寝る状態において課されるスケジュールによって、このような記録は非常に気になるものである。したがって、このようなテストの結果は被験者の変わった環境のために歪められる可能性がある。

さらに、睡眠ポリグラフには、記録技術の複雑さによる制限がある。詳細には、睡眠検査室や特殊な設備等の特定の記録場所ならびに訓練されたスタッフが必要である。したがって、睡眠ポリグラフは、睡眠の評価のための例外的で費用のかかる方法のままである。

目蓋の運動(EOG)、頭の動きおよび心拍数信号(心電図(ECG))の検出に基づく睡眠ポリグラフシステムがUS5,902,250に記載されている。しかし、このシステムは、必要なセンサおよび配線の数量から、費用がかかり、睡眠障害を生じさせる。さらに、US5,902,250に記載のシステムは、睡眠段階の決定においてあまり正確でなく、睡眠段階移行を決定しない。

また、US7,351,206は一連パルス間隔データに基づいて睡眠状態を決定する睡眠状態決定装置に関する。体動データが決定され、体動のデータの変動量が所定閾値よりも大きい場合に、体動データと並行して測定された一連のパルス間隔データからパルス間隔データが除かれる。体動が非常に大きいか、または、持続時間が長い場合、欠損データによって睡眠段階の決定は不正確となる。したがって、得られた結果は信頼性よく睡眠段階を点数化するためには十分でない場合がある。

WO98/43536A1には、患者の睡眠状態を決定する方法が開示されている。この方法には、患者の心拍数変動監視し、心拍数変動に基づいて睡眠状態を決定することが含まれる。この方法には、さらに、目蓋の動きの周波数を監視し、目蓋の動きの周波数にも基づいて睡眠状態を決定することを含む。呼吸パターンを決定する方法には、心拍数信号の受信により心拍数変動を監視し、信号の強度から呼吸パターンを決定することが含まれる。在宅での、ウェアラブルで、自己完結型のシステムは、目蓋の動きの周波数、頭の動きの周波数および心拍数変動に基づいて、患者の睡眠状態、呼吸パターンを決定し、心肺リスクを評価する。

US2007/0106183A1には、ユーザの自律神経指標を得る自律神経指標取得ユニットと;自律神経指標の時間変化およびユーザの睡眠周期の変化に基づいて睡眠周期指標を計算する計算ユニットであって、ただし、睡眠周期指標は、ユーザの理想的な睡眠サイクルに従ってユーザが睡眠状態にあるか否かを示す計算ユニット、または、睡眠中のユーザに関する自律神経指標に含まれる交感神経指標に対する自律神経指標に含まれる副交感神経優位性を示す副交感神経優位指標を計算する優位指標計算ユニットと;を有する睡眠状態測定装置が開示されている。

US2009/0264715A1には、人から睡眠データ収集しおよび人によって睡眠時の環境データを収集することができるセンサを備える睡眠システムが開示されている。プロセッサは、このデータの評価および人の睡眠および人の周囲環境を制御する命令を実行する。典型的には、この命令がメモリにロードされ、ここで、人から睡眠データからの睡眠の質の客観的測定を生成し、人により睡眠時の環境データを集める命令が実行される。実効の際、命令は、睡眠後の人から睡眠の質の主観的測定を受け取り、睡眠の質の客観的測定および睡眠の質の主観的測定から睡眠の質の指標を生成し、睡眠の質の指標および現在の睡眠システムの設定を、履歴的な睡眠の質の指標および対応する履歴的な睡眠システムの設定と相関させる。命令はその後、睡眠の質の指標と履歴的な睡眠の質の指標との間の相関性に依存して、睡眠システムの設定の現在の組を修正できる。これらの睡眠システムの設定は、睡眠システムに付随する環境の1つ以上の異なる要素を制御および場合によっては変更する。

US2010/0125215A1には、睡眠分析システムおよびその分析方法が開示されている。この睡眠分析装置は、分析装置睡眠感知装置とを備える。睡眠感知システムは、ECG信号収集装置と、多軸加速度計と、無線送信ユニットと、制御ユニットとを備える。ECG信号収集装置は被験者に関するECG信号を収集するために用いられる。多軸加速度計は被験者に関する多軸加速度計信号を検出するために用いられる。制御ユニットは、無線送信ユニットを制御して、ECG信号および多軸加速度計信号を被験者の睡眠を分析する分析装置に送信させる。ノンレム睡眠の段階の間は区別されない。

概要

人の睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定するシステムであって、該システムは、人の心拍数を検出する心拍数検出手段と、人の体の一部の動きを検出する動き検出手段とを備える。検出される動きは体の骨格筋により生ずる。本システムは、さらに、検出された心拍数および検出された体の一部の動きを記録する記録手段と、記録された人の心拍数を、少なくとも1つの心拍数分類および少なくとも1つの心拍数変動分類に分類する心拍数分類手段と、記録された動きを少なくとも1つの動き分類に分類する動き分類手段とを備える。本システムは、さらに、少なくとも1つの心拍数分類、少なくとも1つの心拍数変動分類および少なくとも1つの動き分類に少なくとも部分的に基づいて、人の睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定する決定手段とを備える。

目的

本発明の課題は、十分正確で安価な一方で、被験者の睡眠をより妨げず、信頼性ある結果を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

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請求項1

人の睡眠睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定するシステムであって、前記人の心拍数を検出する心拍数検出手段(110)と、体の骨格筋により生ずる、前記人の体の一部の動きを検出する動き検出手段(120)と、前記検出された心拍数および前記検出された体の一部の動きを記録する記録手段(170)と、前記記録された人の心拍数を、少なくとも1つの心拍数分類および少なくとも1つの心拍数変動分類に分類する心拍数分類手段(310)と、前記記録された動きを少なくとも1つの動き分類に分類する動き分類手段(320)と、前記少なくとも1つの心拍数分類、前記少なくとも1つの心拍数変動分類および前記少なくとも1つの動き分類に少なくとも部分的に基づいて、前記人の睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定する決定手段(400)と、を備え、前記決定手段は一期間における心拍数分類、心拍数変動分類および動き分類の組み合わせを識別し、かつ、前記識別された組み合わせに基づいて、睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定する、ことを特徴とするシステム。

請求項2

前記記録された心拍数から、平均心拍数変動値リズム特性および/または心拍数イベントもしくは心拍数変化を計算する心拍数計算手段(210)を備え、前記心拍数分類手段は、前記計算された平均心拍数、変動値、リズム特性および/または心拍数イベントもしくは心拍数変化に基づいて、前記人の心拍数を分類する、請求項1記載のシステム。

請求項3

前記決定手段は、さらに、特定期間における心拍数分類、心拍数変動分類および動き分類の特定の組み合わせを識別し、前記決定手段は、前記識別した特定の組み合わせに基づいて、睡眠、睡眠段階、睡眠段階移行および/または睡眠イベントを決定する、請求項1または2記載のシステム。

請求項4

前記動き検出手段は、前記人の体の一部の加速度感知する動き感知手段(120)を備え、前記記録手段は、さらに、感知した加速度を記録し、前記システムは、前記記録された加速度の値に基づいて、少なくとも、前記人の体の一部の各動きの強さおよび/または持続期間を計算する動き計算手段(220)を備える、請求項1または3記載のシステム。

請求項5

前記動き分類手段は、計算した各動きの強さおよび/または持続期間に基づいて、前記体の一部の各動きを、少なくとも、大きな動き(LM)、小さな動き(SM)または痙攣(TW)に分類する、並びに/あるいは、大きな動き、小さな動きおよび/または痙攣のそれぞれを周波数分類および/または持続期間分類に分類する、請求項4記載のシステム。

請求項6

少なくとも1つの環境要因を感知する環境感知手段(130、140、150)と、なお、前記記録手段はさらに、感知した少なくとも1つの環境要因を記録し、前記少なくとも1つの記録した環境要因の少なくとも複数の値を、少なくとも1つの環境分類に分類する環境分類手段(330)とをさらに備え、前記決定手段は、さらに、前記少なくとも1つの環境分類に少なくとも部分的に基づいて、前記人の睡眠、睡眠段階、睡眠段階移行および/または睡眠イベントを決定する、請求項1から5のいずれか1項記載のシステム。

請求項7

前記環境感知手段は、騒音レベル環境温度および/または環境光を感知し、前記システムは、前記記録した騒音レベルに基づいて少なくとも1つの平均騒音レベルおよび/または騒音イベントを計算する、並びに/あるいは、前記記録した環境温度に基づいて少なくとも1つの平均環境温度ベルおよび/または変化および/または変動を計算する、並びに/あるいは、前記記録した環境光に基づいて少なくとも1つの環境光レベルおよび/または環境光レベルの変化を計算する環境計算手段(230)をさらに備える、請求項6記載のシステム。

請求項8

前記少なくとも1つの心拍数分類には、平均心拍数分類が含まれる、請求項1記載のシステム。

請求項9

前記決定手段は、さらに、覚醒から睡眠への移行、および/または、ある睡眠段階から別の睡眠段階への移行、および/または、睡眠から覚醒への移行、および/または、少なくとも1つの記録した環境要因の睡眠段階移行または睡眠から覚醒への移行についての直接因果効果を決定する、請求項1から8のいずれか1項記載のシステム。

請求項10

前記少なくとも1つの心拍数分類、前記少なくとも1つの心拍数変動分類、前記少なくとも1つの動き分類、前記少なくとも1つの環境要因および/またはこれらの任意の組み合わせに基づいて、前記人の覚醒状態または睡眠状態を評価する評価手段(410)をさらに備える、請求項1から9のいずれか1項記載のシステム。

請求項11

人の睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定するシステムであって、前記人の心拍数を検出および記録し、かつ、前記人の体の骨格筋により生じる体の一部の動きを検出および記録するウェアラブル装置と、前記記録した人の心拍数を、少なくとも1つの心拍数分類および少なくとも1つの心拍数変動分類に分類し、前記記録した動きを少なくとも1つの動き分類に分類し、前記少なくとも1つの心拍数分類、前記少なくとも1つの心拍数変動分類および前記少なくとも1つの動き分類に少なくとも部分的に基づいて、前記人の睡眠、睡眠段階、睡眠段階移行および/または睡眠イベントを決定する分析装置と、前記ウェアラブル記録装置から前記分析装置への前記記録された心拍数および前記記録された動きを表すデータを通信するデータ接続と、を備える、ことを特徴とするシステム。

請求項12

人の睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定する方法であって、前記人の心拍数を検出するステップ(510)と、検出した心拍数を記録するステップと、前記人の体の骨格筋により生じる体の一部の動きを検出するステップ(520)と、検出した動きを記録するステップと、前記記録した人の心拍数を、少なくとも1つの心拍数分類および少なくとも1つの心拍数変動分類に分類するステップ(530)と、前記記録した動きを少なくとも1つの動き分類に分類するステップ(540)と、前記少なくとも1つの心拍数分類、前記少なくとも1つの心拍数変動分類および前記少なくとも1つの動き分類に少なくとも部分的に基づいて、前記人の睡眠、睡眠段階、睡眠段階移行および/または睡眠イベントを決定するステップ(550)と、を含む、方法。

請求項13

特定期間における心拍数分類、心拍数変動分類および動き分類の特定の組み合わせを識別するステップ(555)をさらに含み、前記決定ステップは、前記識別した特定の組み合わせに基づいて、睡眠、睡眠段階、睡眠段階移行を決定する、請求項12記載の方法。

請求項14

少なくとも1つの環境要因を感知するステップと、前記感知した少なくとも1つの環境要因を記録するステップと、前記少なくとも1つの記録した環境要因の少なくとも複数の値を少なくとも1つの環境分類に分類するステップと、前記少なくとも1つの環境分類に基づいて前記人の睡眠状態または覚醒状態を決定するステップと、を含む、請求項12または13記載の方法。

請求項15

前記少なくとも1つの環境分類に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの記録した環境要因の睡眠段階移行または睡眠から覚醒への移行についての直接因果効果を決定するステップを含む、請求項14記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、人の睡眠および/または睡眠段階を決定するシステムおよび方法に関し、特に、人の心拍数および動き由来する心拍数分類および動き分類に基づいて睡眠段階移行を決定するシステムおよび方法に関する。

背景技術

0002

多くの人々は、睡眠異常および睡眠障害に起因する問題を抱えている。たとえば、睡眠異常または睡眠病態は非常に多く、ナルコレプシー、遊行症、または、不眠または過睡眠などの異常な睡眠時間と同様に異なっている場合がある。さらに、人の睡眠は、いびき(しばしば閉塞性睡眠時無呼吸症候群に関係している)によって、または、光や騒音などの環境要因によって、妨げられることがある。これらの睡眠障害は自律性の(呼吸のまたは心臓の)または運動性修正などの突発的な生理学的変化の組み合わせである睡眠イベント(event)の発生により一般的に特徴づけられる。睡眠イベントは、睡眠時無呼吸下肢静止不能(むずむず脚)、異常動作、遊行症、不整脈悪夢夜驚症などの睡眠病態の兆候により引き起こされる場合もある。すなわち、いびきをかく睡眠者、または、悪夢もしくは夜驚症における独り言や叫び声は、通常、異常な睡眠イベントを引き起こす。異常睡眠または睡眠障害は、健康(管理)の観点から非常に重要であるが、社会経済学の観点からも非常に重要である。

0003

人々の睡眠異常および睡眠障害の理由を検出するため、睡眠検査室では、人について睡眠の点数化、すなわち、睡眠段階および睡眠段階移行の決定が行われる。睡眠検査室では、生理学的パラメタが観察され、対応するデータが睡眠ポリグラフで記録される。睡眠ポリグラフにおけるこの記録には、脳電図EEG)、眼電図EOG)および筋電図EMG)などの一次データ、ならびに、心拍数、呼吸、酸素測定および体動などの二次データが含まれる。EEGは周波数および振幅に従って脳波を検出および定めるために用いられる。EOGを用いて、眼球の動きが認識および分析される。EMGによって、骨格筋により生じる電気活動を評価および記録することができる。

0004

古典的には、睡眠の点数化は、睡眠期間全体にわたって継続的に行われたEEG、EOGおよびEMGの記録に基づいている。これらの生理学的データは、被験者記録者頭皮および顔面の異なる複数箇所に取り付けられた小電極を用いて記録される電位の変動により表される。

0005

これらの電位は、その後、睡眠の異なる段階を定義する国際的に受け容れられた規則に従って、睡眠の専門家によって解釈される。各睡眠段階は、記録上の特定のEEG波の存否によって特徴づけられる。また、EOGの記録によって検出される眼の動きは、急速眼球運動レムREM))睡眠段階の間に主に存在し、EMGは睡眠段階および同時の体動の存在に依存する緊張性および相動性ベルの両方における変動を示す。

0006

睡眠ポリグラフには様々な欠点がある。たとえば、EEGの間、頭蓋のいくつかの側部に固定された電極、たとえば、顔面と頭蓋に接着された電極を用いて電位が記録される。

0007

また、EOGおよびEMGでは、被験者の顔面、頭蓋または他の体の部分に、電極とセンサを取り付ける必要がある。睡眠時の眼球運動を検出するため、EOGでは人の眼の近くまたは目蓋の上に接着または他の方法で電極を取り付ける必要がある。

0008

全てのこれらの電極には、さらに、電極に接続され、ベッドの頭の近くに配置された装置につながる配線が必要であり、被験者の動きの自由度を制限する。したがって、配線、普段と異なる睡眠環境および寝る状態において課されるスケジュールによって、このような記録は非常に気になるものである。したがって、このようなテストの結果は被験者の変わった環境のために歪められる可能性がある。

0009

さらに、睡眠ポリグラフには、記録技術の複雑さによる制限がある。詳細には、睡眠検査室や特殊な設備等の特定の記録場所ならびに訓練されたスタッフが必要である。したがって、睡眠ポリグラフは、睡眠の評価のための例外的で費用のかかる方法のままである。

0010

目蓋の運動(EOG)、頭の動きおよび心拍数信号(心電図(ECG))の検出に基づく睡眠ポリグラフシステムがUS5,902,250に記載されている。しかし、このシステムは、必要なセンサおよび配線の数量から、費用がかかり、睡眠障害を生じさせる。さらに、US5,902,250に記載のシステムは、睡眠段階の決定においてあまり正確でなく、睡眠段階移行を決定しない。

0011

また、US7,351,206は一連パルス間隔データに基づいて睡眠状態を決定する睡眠状態決定装置に関する。体動データが決定され、体動のデータの変動量が所定閾値よりも大きい場合に、体動データと並行して測定された一連のパルス間隔データからパルス間隔データが除かれる。体動が非常に大きいか、または、持続時間が長い場合、欠損データによって睡眠段階の決定は不正確となる。したがって、得られた結果は信頼性よく睡眠段階を点数化するためには十分でない場合がある。

0012

WO98/43536A1には、患者の睡眠状態を決定する方法が開示されている。この方法には、患者の心拍数変動監視し、心拍数変動に基づいて睡眠状態を決定することが含まれる。この方法には、さらに、目蓋の動きの周波数を監視し、目蓋の動きの周波数にも基づいて睡眠状態を決定することを含む。呼吸パターンを決定する方法には、心拍数信号の受信により心拍数変動を監視し、信号の強度から呼吸パターンを決定することが含まれる。在宅での、ウェアラブルで、自己完結型のシステムは、目蓋の動きの周波数、頭の動きの周波数および心拍数変動に基づいて、患者の睡眠状態、呼吸パターンを決定し、心肺リスクを評価する。

0013

US2007/0106183A1には、ユーザの自律神経指標を得る自律神経指標取得ユニットと;自律神経指標の時間変化およびユーザの睡眠周期の変化に基づいて睡眠周期指標を計算する計算ユニットであって、ただし、睡眠周期指標は、ユーザの理想的な睡眠サイクルに従ってユーザが睡眠状態にあるか否かを示す計算ユニット、または、睡眠中のユーザに関する自律神経指標に含まれる交感神経指標に対する自律神経指標に含まれる副交感神経優位性を示す副交感神経優位指標を計算する優位指標計算ユニットと;を有する睡眠状態測定装置が開示されている。

0014

US2009/0264715A1には、人から睡眠データ収集しおよび人によって睡眠時の環境データを収集することができるセンサを備える睡眠システムが開示されている。プロセッサは、このデータの評価および人の睡眠および人の周囲環境を制御する命令を実行する。典型的には、この命令がメモリにロードされ、ここで、人から睡眠データからの睡眠の質の客観的測定を生成し、人により睡眠時の環境データを集める命令が実行される。実効の際、命令は、睡眠後の人から睡眠の質の主観的測定を受け取り、睡眠の質の客観的測定および睡眠の質の主観的測定から睡眠の質の指標を生成し、睡眠の質の指標および現在の睡眠システムの設定を、履歴的な睡眠の質の指標および対応する履歴的な睡眠システムの設定と相関させる。命令はその後、睡眠の質の指標と履歴的な睡眠の質の指標との間の相関性に依存して、睡眠システムの設定の現在の組を修正できる。これらの睡眠システムの設定は、睡眠システムに付随する環境の1つ以上の異なる要素を制御および場合によっては変更する。

0015

US2010/0125215A1には、睡眠分析システムおよびその分析方法が開示されている。この睡眠分析装置は、分析装置睡眠感知装置とを備える。睡眠感知システムは、ECG信号収集装置と、多軸加速度計と、無線送信ユニットと、制御ユニットとを備える。ECG信号収集装置は被験者に関するECG信号を収集するために用いられる。多軸加速度計は被験者に関する多軸加速度計信号を検出するために用いられる。制御ユニットは、無線送信ユニットを制御して、ECG信号および多軸加速度計信号を被験者の睡眠を分析する分析装置に送信させる。ノンレム睡眠の段階の間は区別されない。

先行技術

0016

US5,902,250
US7,351,206
WO98/43536A1
US2007/0106183A1
US2009/0264715A1
US2010/0125215A1

発明が解決しようとする課題

0017

しかし、古典的な視覚睡眠点数化と比した、睡眠段階および/または睡眠段階移行の決定における大きな不正確さによって、これらの睡眠評点付け手法と古典的な視覚的睡眠点数化手法との間の一致度は、睡眠の研究者および睡眠の臨床医からはあまりにも低いものとみなされている。したがって、これらの技術は、医学界では未だ用いられていない。

0018

本発明の課題は、十分正確で安価な一方で、被験者の睡眠をより妨げず、信頼性ある結果を提供する、睡眠状態および/または睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定するシステムおよび方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0019

上記課題は、独立請求項に記載の発明により解決される。好適な実施形態は、従属請求項に記載されている。

0020

心拍数変動、および、心拍数変動(HRV)信号の低周波成分LF)の高周波成分(HF)に対する比(LF/HF)を用いて、睡眠状態および睡眠段階を決定することができる。心拍数の過渡的(定常的)でない変動によって、交感神経活動および副交感神経活動の区別ができ、これらの活動は、心拍数変動(HRV)の低周波(LF)成分および高周波(HF)成分に関係している。得られるLF/HF比は、交感神経迷走神経バランス定量的指標であり、スペクトル分析によって計算できる。睡眠がより同期すると、LF/HF比はより低下し、一方で、LF/HF比はレム睡眠の間大きく上昇し、この期間における交感神経の優位性を示している。したがって、心拍数変動のスペクトル分析により、伝統的な心血管測定(平均心拍数血圧など)を超える、自律神経系機能の超日周期挙動の付加的な情報が得られる。

0021

このスペクトル分析手法の欠点は、この比を心拍数信号が安定している際に計算しなければならないことである。人が動くと、この比の計算は動きにより引き起こされる心拍数の変化により汚染される。換言すれば、LF/HF比は人が静かにしているときにしか使用できない。

0022

睡眠の点数化は特定の睡眠段階の決定だけでなく、ある段階から別の段階への移行の決定にも基づいている。LF/HF比を用いた睡眠状態、睡眠段階および/または睡眠段階移行の決定、特に、睡眠段階の正確な時間および/またはある睡眠段階から別の睡眠段階への移行の決定は非常に問題があり、心拍数が十分に安定していない場合には、睡眠段階および/または段階移行の決定における不確実性が数分である場合がある。

0023

たとえば、LF/HF比が高い値から低い値そしてその逆という正弦波のように変動する、LF/HF比の緩慢な移行がありうる。しかし、睡眠段階の間の移行を示すLF/HF比の値についての情報が無い場合、ノンレム睡眠段階からレム睡眠段階への移行は、この変動曲線を切る横線によって任意に固定される。しかし、この手法を用いると、移行時間は古典的な視覚的睡眠点数化と比べて十分正確に決定できず、したがって、睡眠段階の決定の精度は十分ではない場合がある。

0024

本発明の実施形態では、心拍数および体動を用いて、睡眠状態、睡眠段階および/または睡眠段階移行が決定される。好適な実施形態では、睡眠段階および/または睡眠段階移行の決定は、心拍数と体の動き(体動)の分類に基づいている。たとえば、睡眠段階移行は、心拍数およびありうる付随的な体の動きにおけるレベルおよび突発的に生じる変化を同時に見ることにより正確に決定できる。移行の兆候が観察されない場合、人は同じ状態(目覚めているまたはっている)に、または、眠っている場合には同じ睡眠段階にあり続ける。そうする際、本発明の実施形態は心拍数信号の定常性に全く依存せず、その突発的な修正を用いて、ある段階から別の段階への移行を数秒の不正確さで決定可能である。

0025

好適な実施形態によれば、本発明は人の睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定するシステムに関する。本システムは、人の心拍数を検出する心拍数検出手段と、人の体の一部の動きを検出する動き検出手段とを備える。検出される動きは体の骨格筋により生ずる。本システムは、さらに、検出された心拍数および検出された体の一部の動きを記録する記録手段と、記録された人の心拍数を、少なくとも1つの心拍数分類および少なくとも1つの心拍数変動分類に分類する心拍数分類手段と、記録された動きを少なくとも1つの動き分類に分類する動き分類手段とを備える。本システムは、さらに、少なくとも1つの心拍数分類、少なくとも1つの心拍数変動分類および少なくとも1つの動き分類に少なくとも部分的に基づいて、人の睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定する決定手段とを備える。

0026

この実施形態の一態様によれば、本システムは、記録された心拍数から、平均心拍数、変動値(古典的に用いられるスペクトルLF/HF比を含む)、リズム特性および/または心拍数イベントもしくは心拍数変化を計算する心拍数計算手段を備える。心拍数分類手段は、計算された平均心拍数、変動値、リズム特性および/または心拍数イベントもしくは心拍数変化に基づいて、人の心拍数を分類する。

0027

この実施形態の別の態様によれば、決定手段は、さらに、特定期間における心拍数分類および動き分類の特定の組み合わせを識別し、決定手段は、識別した特定の組み合わせに基づいて、睡眠、睡眠段階、睡眠段階移行および/または睡眠イベントを決定する。

0028

この実施形態の一態様によれば、動き検出手段は、人の体の一部の加速度感知する動き感知手段を備え、記録手段は、さらに、感知した加速度を記録する。本システムは、記録された加速度の値に基づいて、少なくとも、人の体の一部の各動きの強さおよび/または持続期間を計算する動き計算手段を備える。

0029

本実施形態の別の形態によれば、動き分類手段は、計算した各動きの強さおよび/または持続期間に基づいて、体の一部の各動きを、少なくとも、大きな動き(LM)、小さな動き(SM)または痙攣(TW)に分類する、並びに/あるいは、LM、SMおよび/またはTMのそれぞれを周波数分類および/または持続期間分類に分類する。

0030

本実施形態の別の態様によれば、本システムは、少なくとも1つの環境要因を感知する環境感知手段を備え、記録手段はさらに、感知した少なくとも1つの環境要因を記録し、本システムは少なくとも1つの記録した環境要因の少なくとも複数の値を、少なくとも1つの環境分類に分類する環境分類手段をさらに備える。決定手段は、さらに、少なくとも1つの環境分類に少なくとも部分的に基づいて、人の睡眠、睡眠段階、睡眠段階移行および/または睡眠イベントを決定する。

0031

この実施形態の別の態様によれば、環境感知手段は、騒音レベル環境温度および/または環境光を感知する。

0032

本実施形態のさらに別の態様によれば、本システムは、記録した騒音レベルに基づいて平均騒音レベルおよび/または騒音イベントの少なくとも1つを計算する、並びに/あるいは、記録した環境温度に基づいて少なくとも1つの平均環境温度レベルおよび/または変化および/または変動を計算する、並びに/あるいは、記録した環境光に基づいて少なくとも1つの環境光レベルおよび/または環境光レベルの変化を計算する環境計算手段をさらに備える。

0033

本実施形態の別の形態によれば、決定手段は、さらに、覚醒から睡眠への移行、および/または、ある睡眠段階から別の睡眠段階への移行、および/または、睡眠から覚醒への移行、および/または、少なくとも1つの記録した環境要因の睡眠段階移行または睡眠から覚醒への移行についての直接因果効果を決定する。

0034

本実施形態の一態様によれば、本システムは、少なくとも1つの心拍数分類、少なくとも1つの動き分類、少なくとも1つの環境要因および/またはこれらの任意の組み合わせに基づいて、人の覚醒状態または睡眠状態を評価する評価手段をさらに備える。

0035

別の実施形態によれば、人の睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定するシステムは、人の心拍数を検出する心拍数検出手段と、体の骨格筋により生ずる、人の体の一部の動きを検出する動き検出手段とを備える。本システムは、さらに、検出された心拍数および検出された体の一部の動きを記録する記録手段と、記録された人の心拍数を、少なくとも1つの心拍数分類および少なくとも1つの心拍数変動分類に分類する心拍数分類手段と、記録された動きを少なくとも1つの動き分類に分類する動き分類手段とを備える。本システムは、さらに、一期間における少なくとも1つの心拍数分類、少なくとも1つの心拍数変動分類および少なくとも1つの動き分類に少なくとも部分的に基づいて、人の睡眠、睡眠段階、睡眠段階移行および/または睡眠イベントを決定する決定手段を備え、決定手段は一期間における心拍数分類、心拍数変動分類および動き分類の組み合わせを識別し、かつ、識別された組み合わせに基づいて、睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定する。

0036

好適な実施形態では、少なくとも1つの心拍数分類は平均心拍数分類を含む。

0037

好適な実施形態では、平均心拍数分類は、所定期間にわたって平均された平均心拍数に基づいている。好適には、心拍数を平均する所定期間は、検出された人の体の動きに依存して変わる。たとえば、好適な実施形態では、平均心拍数は、何らかの体の動きがある場合には、第1の期間にわたって心拍数を平均することにより計算され、全くまたはほとんど体の動きがない場合には、第1の期間よりも長い第2の期間にわたって心拍数を平均することにより計算される。

0038

別の実施形態によれば、人の睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定するシステムは、人の心拍数を検出および記録し、かつ、人の体の骨格筋により生じる体の一部の動きを検出および記録するウェアラブル装置と、記録した人の心拍数を、少なくとも1つの心拍数分類および少なくとも1つの心拍数変動分類に分類し、記録した動きを少なくとも1つの動き分類に分類し、少なくとも1つの心拍数分類、少なくとも1つの心拍数変動分類および少なくとも1つの動き分類に少なくとも部分的に基づいて、人の睡眠、睡眠段階、睡眠段階移行および/または睡眠イベントを決定する分析装置とを備える。本システムはさらに、ウェアラブル記録装置から分析装置への記録された心拍数および記録された動きを表すデータを通信するデータ接続を備える。

0039

さらに別の実施形態によれば、人の睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定する方法は、人の心拍数を検出するステップと、検出した心拍数を記録するステップと、人の体の骨格筋により生じる体の一部の動きを検出するステップと、検出した動きを記録するステップと、記録した人の心拍数を、少なくとも1つの心拍数分類に分類するステップと、記録した動きを少なくとも1つの動き分類に分類するステップと、少なくとも1つの心拍数分類および少なくとも1つの動き分類に少なくとも部分的に基づいて、人の睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行および/または睡眠イベントを決定するステップとを含む。

0040

本実施形態の一態様によれば、本方法は、特定期間における心拍数分類および動き分類の特定の組み合わせを識別するステップをさらに含み、決定ステップは、識別した特定の組み合わせに基づいて、睡眠段階を決定する。

0041

本実施形態の別の形態によれば、本方法は、少なくとも1つの環境要因を感知するステップと、感知した少なくとも1つの環境要因を記録するステップと、少なくとも1つの記録した環境要因の少なくとも複数の値を少なくとも1つの環境分類に分類するステップと、少なくとも1つの環境分類に基づいて人の睡眠イベントを決定するステップとを含む。

0042

本実施形態の一態様によれば、本方法は、少なくとも1つの心拍数分類、少なくとも1つの動き分類、少なくとも1つの環境分類および/またはこれらの任意の組み合わせに基づいて、人の睡眠状態または覚醒状態を評価することを含む。

0043

本実施形態の別の形態によれば、本方法は、少なくとも1つの環境分類に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの記録した環境要因の睡眠段階移行または睡眠イベントまたは睡眠から覚醒への移行についての直接因果効果を決定するステップを含む。

0044

別の実施形態に関して、人の睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定するシステムは、人の心拍数を検出する心拍数検出手段と、体の骨格筋により生ずる、人の体の一部の動きを検出する動き検出手段と、検出された人の心拍数を、少なくとも1つの心拍数分類に分類する心拍数分類手段と、検出された動きを少なくとも1つの動き分類に分類する動き分類手段と、少なくとも1つの心拍数分類および少なくとも1つの動き分類に少なくとも部分的に基づいて、人の睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定する決定手段とを備える。

0045

本実施形態の一態様によれば、本システムは、記録された心拍数から、平均心拍数、変動値(スペクトルLF/HF比を含む)、リズム特性および/または心拍数イベントもしくは心拍数変化を計算する心拍数計算手段を備え、心拍数分類手段は、計算された平均心拍数、変動値、リズム特性および/または心拍数イベントもしくは心拍数変化に基づいて、人の心拍数を分類する。

0046

本実施形態の別の形態によれば、決定手段は、さらに、特定期間における心拍数分類および動き分類の特定の組み合わせを識別し、決定手段は、識別した特定の組み合わせに基づいて、睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行および/または睡眠イベントを決定する。

0047

本実施形態のさらに別の態様によれば、決定手段は、特定の組み合わせの心拍数分類および動き分類の連続した順序を識別する。

0048

本実施形態の別の態様に関して、決定手段は、特定の組み合わせとして、体の一部の動きに伴う心拍数上昇イベント、体の一部の動きの前の心拍数上昇イベント、特定期間における体の一部の動きのない心拍数上昇、および/または、体の一部の動きの後の心拍数上昇イベントを識別する。

0049

本実施形態の別の態様によれば、心拍数検出手段は、人の心臓のパルス波を感知するパルス波感知手段を備える。

0050

本実施形態の別の態様によれば、動き検出手段は、人の体の一部の加速度を感知する動き感知手段を備え、本システムは、感知された加速度の値に基づいて、少なくとも、人の体の一部の各動きの強さおよび/または持続期間を計算する動き計算手段を備える。

0051

本実施形態の別の態様によれば、動き分類手段は、計算した各動きの強さおよび/または持続期間に基づいて、体の一部の各動きを、少なくとも、大きな動き、小さな動きまたは痙攣に分類する。

0052

本実施形態の別の態様によれば、動き分類手段は、計算した各動きの強さおよび/または持続期間に基づいて、体の一部の各動きを、少なくとも、大きな動き(LM)、小さな動きまたは痙攣(TW)に分類する、並びに/あるいは、LM、SMおよび/またはTMのそれぞれを周波数分類および/または持続期間分類に分類する。

0053

本実施形態のさらに別の態様によれば、本システムは、少なくとも1つの環境要因を感知する環境感知手段と、少なくとも1つの感知した環境要因の少なくとも複数の値を少なくとも1つの環境分類に分類する環境分類手段とをさらに備える。

0054

本実施形態のさらに別の態様によれば、決定手段は、さらに、少なくとも1つの環境分類に少なくとも部分的に基づいて、人の睡眠イベントを決定する。

0055

本実施形態の別の形態に関して、環境感知手段は、騒音レベル、環境温度および/または環境光を感知する。

0056

本実施形態のさらに別の態様に関して、本システムは、記録した騒音レベルに基づいて少なくとも1つの平均騒音レベルおよび/または騒音イベントを計算する、並びに/あるいは、記録した環境温度に基づいて少なくとも1つの平均環境温度レベルおよび/または変化および/または変動を計算する、並びに/あるいは、記録した環境光に基づいて少なくとも1つの環境光レベルおよび/または環境光レベルの変化を計算する環境計算手段をさらに備える。

0057

本実施形態の別の形態によれば、決定手段は、さらに、ある睡眠段階から別の睡眠段階への移行、および/または、睡眠段階から覚醒および/または睡眠イベントへの移行を決定する。

0058

本実施形態のさらに別の態様によれば、決定手段は、移行が深化移行(descending transition)または浅化移行(ascending transition)であることを決定し、なお、深化移行は覚醒からまたはより浅い睡眠段階から始まってより深い睡眠段階へと続くものであり、浅化移行はより深い睡眠段階から始まってより浅い睡眠段階または覚醒へと続くものである。

0059

本実施形態の一態様では、本システムは、検出した心拍数、検出した動きおよび/または少なくとも1つの感知した環境要因の複数の値のうちの欠損値および/または異常な値を識別する識別手段をさらに備える。

0060

本実施形態の別の形態に関して、本システムは、少なくとも1つの心拍数分類、少なくとも1つの動き分類、少なくとも1つの環境要因および/またはこれらの任意の組み合わせに基づいて、人の覚醒状態または睡眠状態を評価する評価手段をさらに備える。

0061

さらに別の実施形態によれば、人の睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定するシステムは、人の心拍数を検出および記録し、かつ、人の体の骨格筋により生じる体の一部の動きを検出および記録するウェアラブル装置と、検出した人の心拍数を、少なくとも1つの心拍数分類に分類し、検出した動きを少なくとも1つの動き分類に分類し、少なくとも1つの心拍数分類および少なくとも1つの動き分類に少なくとも部分的に基づいて、人の睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行および/または睡眠イベントを決定する分析装置と、ウェアラブル記録装置から分析装置への検出された心拍数および検出された動きを表すデータを通信するデータ接続と、備える。

0062

本実施形態の一態様によれば、識別手段はさらに欠損データおよび/または異常なデータを回復する。

0063

本実施形態の別の態様によれば、データ接続は無線データ接続である。

0064

本実施形態の別の形態によれば、ウェアラブル装置は、人の肢、胴体および/または頭部に本人によって装着される。

0065

本実施形態の別の形態によれば、ウェアラブル装置は、少なくとも連続した心拍数間隔を表すデータを記録し、検出した動きを表すデータを記録し、データ接続は、ウェアラブル装置から分析装置への、少なくとも連続した心拍数間隔を表す記録したデータおよび/または検出した動きを表すデータを通信する。

0066

本実施形態の別の形態によれば、分析装置は、少なくとも1つの心拍数分類、少なくとも1つの動き分類および/またはこれらの任意の組み合わせに基づいて、人の睡眠状態または覚醒状態を評価する。

0067

別の実施形態によれば、人の睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定する方法は、人の心拍数を検出するステップと、人の体の骨格筋により生じる体の一部の動きを検出するステップと、検出した人の心拍数を少なくとも1つの心拍数分類に分類するステップと、検出した動きを少なくとも1つの動き分類に分類するステップと、少なくとも1つの心拍数分類および少なくとも1つの動き分類に少なくとも部分的に基づいて、人の睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行および/または睡眠イベントを決定するステップとを含む。

0068

本実施形態の一態様によれば、本方法は、特定期間における心拍数分類および動き分類の特定の組み合わせを識別するステップをさらに含み、決定ステップは、識別した特定の組み合わせに基づいて、睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行および/または睡眠イベントを決定する。

0069

本実施形態の別の形態によれば、本方法は、検出した心拍数から、平均心拍数、変動値、リズム特性および/または心拍数イベントもしくは心拍数変化を計算するステップを含み、人の心拍数を分類するステップは、計算した平均心拍数、変動値、リズム特性および/または心拍数イベントもしくは心拍数変化に基づいて、心拍数を分類するステップを含む。

0070

本実施形態の別の形態によれば、本方法は、少なくとも1つの環境要因を感知するステップと、少なくとも1つの感知した環境要因の少なくとも複数の値を少なくとも1つの環境分類に分類するステップと含む。

0071

本実施形態の別の形態に関して、決定するステップは、少なくとも1つの環境分類に少なくとも部分的に基づいて、人の睡眠イベントを決定するステップを含む。

0072

本実施形態の別の形態によれば、少なくとも1つの環境要因を感知するステップは、騒音レベル、環境温度および/または環境光を感知するステップを含む。

0073

本実施形態の一態様によれば、本方法は、少なくとも1つの心拍数分類、少なくとも1つの動き分類、少なくとも1つの環境分類および/またはこれらの任意の組み合わせに少なくとも部分的に基づいて、人の睡眠状態または覚醒状態を決定するステップを含む。

0074

別の実施形態によれば、本発明は人の睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定するシステムに関する。本システムは、人の心拍数を検出する心拍数検出器と、体の骨格筋により生ずる、人の体の一部の動きを検出する動き検出器とを備える。本システムは、検出された心拍数および検出された体の一部の動きを記録する記録ユニットと、記録された人の心拍数を、少なくとも1つの心拍数分類に分類する心拍数分類ユニットと、記録された動きを少なくとも1つの動き分類に分類する動き分類ユニットとをさらに備える。本システムは、少なくとも1つの心拍数分類および少なくとも1つの動き分類に少なくとも部分的に基づいて、人の睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行および/または睡眠イベントを決定する決定ユニットをさらに備える。

0075

本実施形態の一態様によれば、記録された心拍数から、平均心拍数、変動値、リズム特性および/または心拍数イベントもしくは心拍数変化を計算する心拍数計算ユニットを備える。心拍数分類ユニットは、計算された平均心拍数、変動値、リズム特性および/または心拍数イベントもしくは心拍数変化に基づいて、人の心拍数を分類する。

0076

本実施形態の別の態様によれば、決定ユニットは、さらに、特定期間における心拍数分類および動き分類の特定の組み合わせを識別し、決定ユニットは、識別した特定の組み合わせに基づいて、睡眠、睡眠段階、睡眠段階移行および/または睡眠イベントを決定する。

0077

本実施形態の一態様について、動き検出ユニットは、人の体の一部の加速度を感知する動きセンサを備え、記録ユニットは、さらに、感知した加速度を記録する。本システムは、記録された加速度の値に基づいて、少なくとも、人の体の一部の各動きの強さおよび/または持続期間を計算する動き計算手段を備える。

0078

本実施形態の別の形態によれば、動き分類手段は、計算した各動きの強さおよび/または持続期間に基づいて、体の一部の各動きを、少なくとも、大きな動き(LM)、小さな動き(SM)または痙攣(TW)に分類する、並びに/あるいは、LM、SMおよび/またはTMのそれぞれを周波数分類および/または持続期間分類に分類する。

0079

本実施形態の別の形態によれば、本システムは、少なくとも1つの環境要因を感知する環境センサを備え、記録ユニットはさらに、感知した少なくとも1つの環境要因を記録し、本システムは、少なくとも1つの記録した環境要因の少なくとも複数の値を、少なくとも1つの環境分類に分類する環境分類ユニットをさらに備える。決定ユニットは、さらに、少なくとも1つの環境分類に少なくとも部分的に基づいて、人の睡眠イベントを決定する。

0080

本実施形態の一態様によれば、環境センサは、騒音レベル、環境温度および/または環境光を感知する。

0081

本実施形態のさらに別の態様によれば、本システムは、記録した騒音レベルに基づいて少なくとも1つの平均騒音レベルおよび/または騒音イベントを計算する、並びに/あるいは、記録した環境温度に基づいて少なくとも1つの平均環境温度レベルおよび/または変化および/または変動を計算する、並びに/あるいは、記録した環境光に基づいて少なくとも1つの環境光レベルおよび/または環境光レベルの変化を計算する環境計算ユニットをさらに備える。

0082

本実施形態の別の態様について、決定ユニットは、1つの睡眠段階から別の睡眠段階への浅化移行、および/または、睡眠から覚醒への移行、および/または、少なくとも1つの記録した環境要因または睡眠イベントの上昇睡眠段階移行および/または睡眠から覚醒への移行についての直接因果効果を決定する。

0083

本実施形態の一態様によれば、本システムは、少なくとも1つの心拍数分類、少なくとも1つの動き分類、少なくとも1つの環境分類またはこれらの任意の組み合わせに基づいて、人の覚醒状態または睡眠状態を評価する評価ユニットをさらに備える。

0084

本発明の別の実施形態によれば、人の睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定する方法が提供される。本方法は、人の心拍数を検出するステップと、検出した心拍数を記録するステップと、人の体の骨格筋により生じる体の一部の動きを検出するステップと、検出した動きを記録するステップと、記録した人の心拍数を、少なくとも1つの心拍数分類および少なくとも1つの心拍数変動分類に分類するステップと、記録した動きを少なくとも1つの動き分類に分類するステップと、少なくとも1つの心拍数分類、少なくとも1つの心拍数変動分類および少なくとも1つの動き分類に少なくとも部分的に基づいて、人の睡眠、睡眠段階、睡眠段階移行および/または睡眠イベントを決定するステップと、を含む。

0085

本方法の好適な実施形態によれば、少なくとも1つの心拍数分類には、平均心拍数分類が含まれる。

0086

好適な実施形態では、心拍数分類は、所定期間にわたって平均された平均心拍数に基づく。好適には、平均心拍数を計算する期間は検出された人の体の動きに依存して変わる。たとえば、好適な実施形態では、平均心拍数は、何らかの体の動きがある場合に第1の期間にわたって心拍数を平均し、体の動きがないまたはほとんどない場合には第1の期間よりも長い第2の期間にわたって心拍数を平均することにより計算される。

0087

本発明の異なる態様は他の言及しない限り組み合わせ可能である。

0088

上述のおよび他の利点および特徴を実現可能なやり方を記載するため、上述では簡単に記載した本発明について、添付図面に記載の特定の実施形態を参照してより詳細に記載される。これらの図面は典型的な実施形態を示すに過ぎず、したがって、範囲を限定するものと理解されるべきではなく、実施形態は添付図面を通してさらに特定して詳細に記載および説明されている。

図面の簡単な説明

0089

若年成人ヒプノグラムを示す。
本発明の実施形態にかかる記録装置およびデータ抽出ユニットの構成要素を示す。
本発明の実施形態にかかる分類ユニットの構成要素を示す。
本発明の実施形態にかかる決定装置の構成要素を示す。
本発明の実施形態にかかる睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行を決定する方法ステップを示す。
本発明の別の実施形態にかかる心拍数記録の検証の方法ステップを示す。
経時的な心拍数イベントまたは心拍数変化を示す。
覚醒状態と睡眠状態との間の関係を示し、これらの状態および段階の間の移行を示す。
心拍数を平均する期間を適合化する方法ステップを示す。
浅睡眠からレム睡眠への睡眠段階移行を示す。
深睡眠から浅睡眠への睡眠段階移行を示す。
浅睡眠の間の、覚醒状態への短時間の移行を示す。
レム睡眠の間の、覚醒状態への短時間の移行を示す。

実施例

0090

本発明は、心拍数と体の動きの携行的な記録に基づいて、人の覚醒(wake、waking、wakeful、wakefulness)期間と睡眠(sleep、sleeping)期間を点数化するため、および、この人が生活している周囲の物理環境の特徴および変動を記述するためのシステムおよび方法を提供する。睡眠期間の間、本方法によれば、睡眠ポリグラフの記録および視覚的点数化を通じて古典的に用いられているやり方と同様のやり方および同じ精度で、種々の睡眠段階を点数化することができる。したがって、本発明によれば、はるかに簡単かつ容易な記録方法で一般的な方法と十分に比する、詳細な睡眠の記述および評価を得ることができる。たとえば人の手首においてなされるこの記録は、一般の睡眠ポリグラフよりも電気アーチファクトまたは配線の制限をより受けない。さらに、本発明は、完全に自律的であり、睡眠期間だけでなく、生活している人の全ての活動を記録することができる。

0091

上述のように、本願書類において用いられるとき、人の覚醒状態(vigilance state)は、基本的に、覚醒または睡眠として定義できる。これらの状態は、交互に起こり、互いに依存している。

0092

睡眠時において、いくつかの睡眠段階を決定することができる。これらの睡眠段階は、高速眼球運動(レム)睡眠段階およびノンレム睡眠段階として分類できる。レム睡眠段階は、鮮明なを見ている段階である。これは、閉じた目蓋の下での高速眼球運動の発生、運動性アトニーおよび低電圧EEGパターンにより識別可能である。レム睡眠段階(レム睡眠ともいう)は、筋肉痙攣のバースト不規則な呼吸、心拍不整および自律神経活動の増大も伴う。レム睡眠の期間は逆説睡眠とも呼ばれる。さらに、人の睡眠は、1〜4のノンレム(NREM)段階に点数化できる。

0093

図1は、8時間睡眠における種々の睡眠段階の記録を示す、健常な若年成人のヒプノグラムの例を示す。ある段階から別の段階への移行は、従来は急激な段階と見なされていることに留意されたい。

0094

図示のように、睡眠の最初の1時間内で、覚醒状態から眠り落ちた人は、ノンレム睡眠段階1へと、さらに、段階2、3および4へと移行する。

0095

ノンレム睡眠の睡眠段階1の基準は、十分定義されているアルファ活動および3〜7Hz範囲のシータ周波数(場合により、頭頂棘波)を伴う低電圧EEG、ならびに、緩慢な眼球回転運動(SEM)からなる。この段階では、睡眠紡錘波K複合波および高速眼球運動がない。段階1は通常、睡眠時間全体の4〜5%に相当する。

0096

ノンレム睡眠の睡眠段階2は、比較的低い電圧の、混合周波数EEGバックグランドに対する睡眠紡錘波およびK複合波の発生により特徴づけられる。高電圧デルタ波は、たとえば、段階2の区分の20%以下を構成する。睡眠段階2は通常、睡眠時間全体の45〜55%に達する。

0097

ノンレム睡眠の睡眠段階3は、2cps秒当たりカウント)またはこれよりも遅い、75μVを超える振幅を有するEEG波(高振幅デルタ波)から構成される期間の20%以上50%以下により定義される。この段階は、段階4のノンレム睡眠としばしば混ざり、徐波睡眠(SWS)となる。これはこの2つの段階の間には、実証された生理学的な違いが無いためである。この段階3は、通常、健常な成人の睡眠期間の3分の1にしか表れず、通常、睡眠時間全体の4〜6%を構成する。

0098

ノンレム睡眠段階3に関する全ての上述の記載は、睡眠段階4にも当てはまるが、高電圧の、緩慢なEEG波が記録の50%以上を占める点を除く。ノンレム睡眠段階4は、通常、睡眠時間全体の12〜15%に相当する。たとえば、遊行症、夜驚症および夜尿症発症は、通常、段階4中、または、この段階からの微小覚醒(arousal)の間に始まる。

0099

浅いノンレム睡眠段階は、睡眠段階1および2に関する共通の用語であり、深いノンレム睡眠は、睡眠段階3および4の組み合わせに関する用語である。

0100

図1戻り、睡眠段階4の期間後、被験者の睡眠は睡眠段階2およびレム睡眠へと変わる。さらに、浅いノンレム睡眠段階のフェーズ続き、その後、別の深いノンレム睡眠段階へと戻る。

0101

図1に記載されるように、残りの睡眠には、レム睡眠期間から浅いノンレム睡眠段階たとえば段階1および2への移行が含まれている。

0102

被験者の覚醒状態を決定し、被験者の睡眠段階、睡眠段階移行および/または睡眠イベントを決定するため、本発明は、周囲の物理環境のいくつかの特徴とともに心拍数および体の動きなどの基本的な生理学的変化を数日または数週間まで継続的に感知し記録するためのシステムおよび方法を提供する。この方法により、被験者の起きている期間および眠っている期間などの基本的状態を点数化することができる。覚醒時、本発明によれば、活動期間とその他の期間とを区別することができる。睡眠時、睡眠状態は30秒区間ごとに点数化される。さらに、周囲の物理的変化ならびに生物的変化同時記録によって、物理的変化の生物学的変化へのありうる影響を評価することができる。

0103

図2は本発明の実施形態にかかる例示的な感知/記録システムの構成要素を示す。本発明は、装置および構成要素の記載の構成に限定されない。以下でより詳細に概略を示すように、記載の構成の変形が可能であり、本発明の範囲に含まれる。例示的なシステムは、センサおよびセンサ関連ユニットなどの検出手段を備える記録装置100を備える。さらに、記録装置100は、メモリ170を備える。

0104

記録装置100はたとえば、被験者の心拍数および心拍数を表す出力信号を検出可能な心拍数検出手段を備える。心拍数検出手段は、記録手段100の全体またはその一部であってよい。このような全体または一部は回路たとえば集積回路(IC)であってよく、これは、心拍数の検出および心拍数信号の出力ならびに上述の他の機能を実行するよう構成されている。あるいは、その全体または一部は、以下により詳細に概略されているように心拍数検出手段の機能を実行する特定のソフトウェアまたはファームウェアを実行可能な回路である。好適にかつ代替的に、その全体または一部は、プロセッサたとえばマイクロプロセッサであり、これはソフトウェアまたはファームウェアの概念的な構成要素を実行し、概念的な構成要素の実行によって心拍数検出手段の以下の機能が実行される。

0105

たとえば、心拍数検出手段は、センサとセンサ関連ユニットを備える。心拍数検出手段のこれらのセンサおよびセンサ関連ユニットは、被験者のパルス波を感知するパルスセンサ110を備えてよい。パルス波は末梢血管について測定できる。たとえば、記録装置100が被験者の手首に配置される場合には、パルス波は手首にある橈骨動脈について測定できる。本発明では、手首の動脈に限られず、被験者は足首または動脈にアクセス可能な他の位置に記録装置を装着してもよい。パルスセンサ110は、心臓の収縮すなわち心収縮期により出された血液による動脈血管容積の一時的な増大により形成される動脈拍動パルス)波を感知する。したがって、これらのパルスは心拍に正確に対応している。

0106

心拍数検出手段のセンサ関連ユニットは、たとえば、感知されたパルス波に基づいて被験者の心拍数(HR)を決定する瞬時心拍数ユニット112である。瞬時心拍数ユニット112は、特定の最小期間に検知されたパルス波をカウントし、心拍数すなわち毎分の心拍を決定する。

0107

さらに、心拍数検出手段は、2つの連続したパルス波の間の経過時間を測定し、経過時間(たとえばミリ秒)を出力するパルス間間隔ユニット114を備えてよい。この経過時間はパルス波間隔(PWI)または心拍期間ともいう。

0108

瞬時心拍数ユニット112およびパルス間間隔ユニット114の両方は、記録装置100のメモリ170への記録のためおよび/またはさらなる計算のためにデータを出力する。このデータは所定時点における心拍数を表し、たとえば毎秒または5秒毎に保存される。さらに、データはパルス間間隔ユニット114により出力された少なくとも1つのPWIの経過時間をも表しうる。メモリ容量に依存して、センサ110の生のセンサデータがメモリ170に記録および保存されても良い。

0109

別の実施形態では、瞬時心拍数ユニット112およびパルス間間隔ユニット114の機能は1つのユニットに組み合わされる。このような組み合わせユニットは、心拍数値およびPWIを表す値を、メモリ170での保存およびさらなる処理のために出力する。

0110

さらに、記載の実施形態では、装置100は、被験者の体の動き(体動(BM)ともいう)を検出可能な動き検出手段をさらに備える。動き検出手段は、記録装置100の全体またはその一部であってよい。上述のように、このような全体または一部は回路たとえば集積回路(IC)であってよく、以下で詳述する動き検出手段の機能を実行するよう構成されている。あるいは、その全体または一部は、これらの機能を実行する特定のソフトウェアまたはファームウェアを実行可能な回路である。好適にかつ代替的に、その全体または一部は、プロセッサたとえばマイクロプロセッサであり、これはソフトウェアまたはファームウェアの概念的な構成要素を実行し、概念的な構成要素の実行によって動き検出手段の以下の機能が実行される。

0111

睡眠段階または睡眠段階移行の点数化または被験者の睡眠イベントの検出に関して、骨格筋の動きが基本的に重要である。眼球運動並びに/あるいは人の心臓および/またはにより生じる動きによっても睡眠段階についての結論を導くことができるが、本発明は、骨格筋により生じる動きに依存している。

0112

動き検出手段は、センサの動きが生じたか否かを決定できる簡単なセンサ120であってよい。また、動き検出手段は、体動をより正確に検知可能な1つ以上の加速度センサ120であってよい。このような感知手段120は、1つ以上の軸に沿って加速度を感知する加速度センサ120であってよい。これによっても、体動の方向、持続時間および強さが決定できる。

0113

好ましい実施形態では、被験者の体動は記録装置100に設けられた、小型の三軸加速度計120により測定される。加速度計120はたとえば20秒ごとに加速度値を測定し、全ての絶対値は毎秒合計される。測定の周波数および合計期間は、装置100の感度を被験者の動きの癖に調整するように設定されても良い。

0114

上述のように、記録装置は、たとえば、被験者/記録者の手首に装着される。これは、記録装置が従来の睡眠ポリグラフ装置やセンサがするように睡眠を妨げないため、人には都合が良い。さらに、骨格筋により生じる全ての動きは体の一部、たとえば肢、胴体および/または頭部に生じる。これらの動きはほとんどの場合、手首の僅かな動きを伴う。したがって、システムの感度は、これらの動きを検出するために選択される。センサ120の感度は、装着者の動きにシステム100を個別化するよう調整可能である。

0115

図2に戻り、記録装置100の動き検出手段は、センサ120から出力信号を受け取る比較器ユニット122をさらに備えてもよい。比較器ユニット122は、これらの出力信号を所定の閾値と比較する。1つ以上の軸上の加速度が所定の閾値を超える場合のみ、センサ120の出力信号により表される特定の動きが記録される、すなわち、メモリ170に保存される。すなわち、加速度感知システムの感度は、所定の閾値を選択することにより調整可能である。また、本発明のシステムにより、各軸、または、記録装置100の各加速度センサ120に関する閾値を設定できる。システムは、腕に沿った方向の動きが腕に対して垂直な方向よりも弱いときに、手首の特定の動きを強調するよう調整できる。

0116

別の態様では、比較器ユニット122は、複数の閾値を保持しており、これらに対して検知された加速度が比較される。これにより、感知された加速度の大きさに基づいた、動きの前分類が可能である。

0117

センサ120の出力は、さらなる処理のためにメモリ170に保存される。上述のように、保存は、比較器ユニット122の出力信号に依存している。

0118

上記センサおよびユニットの他に、記録装置100は環境要因を感知するための環境感知手段をさらに備えても良い。上述のように、環境感知手段は記録装置100の全体またはその一部であってよい。全体または一部は回路たとえば集積回路(IC)であってよく、以下で詳述する環境感知手段の機能を実行するよう構成されている。あるいは、その全体または一部は、これらの機能を実行する特定のソフトウェアまたはファームウェアを実行可能な回路である。好適にかつ代替的に、その全体または一部は、プロセッサたとえばマイクロプロセッサであり、これはソフトウェアまたはファームウェアの概念的な構成要素を実行し、概念的な構成要素の実行によって環境感知手段の以下の機能が実行される。

0119

環境感知手段は、複数のユニット、たとえば、騒音センサ130、光センサ140および/または温度センサ150を備えても良い。

0120

たとえば、被験者の環境物的特徴が感知される。騒音は、たとえば、秒ごとの積分値として記録され、環境騒音レベルは1dBの精度で20〜100dBの範囲内で毎秒(Leq1sec)測定される。環境光は、1ルクスの精度で10〜1000ルクスの範囲で毎秒測定される。環境温度は、0.5℃の精度で、−20〜50℃の範囲内で専用の温度センサ150を用いて毎秒測定される。全ての物理値は装置100の内部メモリ170に記録される。

0121

図2に戻り、記録装置100は付加的な感知手段180をさらに備えても良い。上述のように、付加的な感知手段180は記録装置100の全体またはその一部であってよい。上述のように、このような全体または一部は回路たとえば集積回路(IC)であってよく、以下で詳述する付加的な感知手段の機能を実行するよう構成されている。あるいは、その全体または一部は、これらの機能を実行する特定のソフトウェアまたはファームウェアを実行可能な回路である。好適にかつ代替的に、その全体または一部は、プロセッサたとえばマイクロプロセッサであり、これはソフトウェアまたはファームウェアの概念的な構成要素を実行し、概念的な構成要素の実行によって感知手段の以下の機能が実行される。

0122

付加的な感知手段180は、たとえば、酸素の血中飽和度の測定(「パルス酸素測定」ともいう)のために特別に形成された生理学的センサを備える。このセンサは、循環血液中の酸素飽和度を測定する。この値は、通常、健常な睡眠者では100%に近い。90%以下の値の不飽和度は、睡眠時無呼吸症候群で観察される場合がある。

0123

さらに付加的なセンサ180は、皮膚温度を測定するセンサまたは皮膚の電位変動を検出するセンサのパルス送信時間を測定するセンサであってよい。

0124

パルス送信時間は動脈の血圧に直接関連している。動脈壁弾性があり、血管の直径を調整可能な小筋肉を有している。心臓の各収縮の間、所定の血量が所定の力で動脈血管内に放出される。この血液の圧力は動脈壁の張力に依存している。この張力が大きい場合血圧は上昇し、張力が低下した場合血圧は低下する。心拍に対応するパルス速度は動脈壁の硬さに依存している。したがって、パルスは壁の張力が大きい場合に加速され、張力がより低ければ低下する。同じ動脈上の数センチ離間した2つの位置の間で、送信時間が計算される。同じ通過パルスがこれらの2つの離間した位置で測定され、経過時間が動脈壁の張力または血圧に直接関係している。この時間の減少と血圧の上昇に対応し、この経過時間の増大は血圧の低下に対応している。この経過時間の値は、2つの位置の間の距離に依存し、この時間の変動によって血圧の変動値が得られ、これは較正可能である。

0125

皮膚温度は皮膚表面に取り付けた小型センサにより測定可能である。皮膚温度は皮膚と環境との間の熱量交換の良い指標を与える。皮膚温度の変動は、周囲温度の変化への適合または覚醒状態の修正の指標となりうる。適切なセンサを用いることにより皮膚の電位変動を測定することもできる。この測定は、交感神経系活動の間接的な指標である。それは、環境への特定の応答性、または、存在しうる人のストレスを含む特定の感情状態の指標となりうる。

0126

本発明の一実施形態では、記録装置は、2つ以上のモジュールに分離されている。これらのモジュールの1つは、上述の生理学的センサ110および120および/またはセンサ関連ユニット112、114および122のみを備える。かかる装置は、コンパクトであり、たとえば腕時計のサイズを超えない。第2のモジュールは、たとえば、環境センサ130、140および/または140を備える。第3のモジュールは、たとえば付加的なセンサ180を備える。付加的なセンサ180は、可能なら、第1および第2のモジュールの1つにも含まれていても良い。

0127

このような分けることは、夜間、人が床についているとき、生理学的変化に対する専用のモジュールを人に取り付けたままにする一方で、環境要因に対する専用のモジュールを分離し、ベッドテーブルの上など、そばに置くことができるという利点がある。これにより、より安定な環境値が得られ、シーツの動きによる騒音のアーチファクト、または、睡眠者の姿勢に応じて光センサがたびたび覆われてしまうことによる光レベルの変化を避けることができる。

0128

このような分離した各モジュールは、自身のメモリを備えるか、または、第1のモジュールのみメモリを備え、第2および/または第3のモジュールは、保存のために、第1のモジュールにそのセンサおよびセンサ関連ユニットからデータを送信する。データ送信は、以下により詳細に説明されているように、たとえば、無線接続により実現できる。

0129

2つ以上の分離モジュールはこれらを接続して、1つの装置を形成するように構成されても良い。このような場合、1つの装置として機能するために、各モジュールは取り付け手段および電気コネクタを備える。たとえば、1つのモジュールのみがメモリを有する場合、電気コネクタは1つのモジュールから他のモジュールへデータを送信するために使用できる。

0130

いずれの場合でも、上述の実施形態にかかる記録装置100はクロック160をさらに備えても良い。クロック160の出力信号は、上述のセンサまたはユニット110〜150および180のそれぞれに送信される。センサ110、120、130、140、150および/または180およびユニット112、114および/または122は、時間に依存した値を決定するための出力されたクロック信号を用いることができる。例としてのみであるが、瞬時心拍数ユニット112および/またはパルス間間隔ユニット114は、それぞれクロック信号を用いて、被験者の心拍数を決定し、2つの連続したパルス波の間の経過時間を測定してもよい。

0131

上述のように、記録装置100は、検出した心拍数、体動および/または環境要因を記録するための記録手段を備えても良い。記録手段は、記録装置100の記録装置100の全体またはその一部であってよい。全体または一部は回路たとえば集積回路(IC)であってよく、以下で詳述する記録手段の機能を実行するよう構成されている。あるいは、その全体または一部は、これらの機能を実行する特定のソフトウェアまたはファームウェアを実行可能な回路である。好適にかつ代替的に、その全体または一部は、プロセッサたとえばマイクロプロセッサであり、これはソフトウェアまたはファームウェアの概念的な構成要素を実行し、概念的な構成要素の実行によって記録手段の以下の機能が実行される。

0132

記録手段は、記録装置100の上述のセンサおよびユニットに接続されたメモリ170を備えてもよい。メモリ170は、バスを介してセンサおよびユニットと接続可能であり、バスを介して受信したセンサ110、120、130、140、150および/または180の出力信号を保存できる。

0133

感知した値を正確に保存するために、記録手段はバスだけでなくクロック160に接続されたメモリコントローラ172をさらに備えても良い。したがって、メモリコントローラ172は、感知した値の保存を制御し、タイムスタンプまたは感知した各値と組み合わされる他の信号を加えてもよい。これにより、感知した値についての、さらなる評価および/または計算が可能となる。

0134

メモリコントローラ172は、ユニット112、114および/または122の出力値の保存を管理してもよい。メモリ170のメモリコントローラ172は、これらのユニットの出力値および場合によりタイムスタンプまたは各出力値に付随する期間の表示をメモリ170に保存する。

0135

別の実施形態では、装置100はメモリ170およびメモリコントローラ172を備えない。この場合、センサ110、120、130、140、150および/または180および関連するユニット112、114および/または122は、装置100に存在する。上述のセンサおよびユニットの出力信号は、保存および/またはさらなる計算のための別の装置に送信される。たとえば、このような感知装置は、データを受信し、受信したセンサの値および/または上述のユニットの出力値を保存する装置に、感知した値を継続的に送信する。データ送信は、たとえは、無線接続(無線LAN、Bluetooth(登録商標)、赤外データ通信)または有線接続汎用シリアルバス(USB)、Firewire(登録商標)、LANまたは他のネットワーク接続)として実現可能である。

0136

本発明の別の態様によれば、記録装置100は、ボタンまたは他の起動装置(図示せず)を備えてよい。被験者/記録者がたとえばボタンの押下によりこれを起動すると、記録装置は、ボタンの起動の表示とともに現在時間を保存する。これにより、人によるボタンの簡単な押下で特定のイベントがマーク可能である。一例として、人が、たとえば、入浴するため、または、起床直後に再度眠りに入る前に、自発的に記録システムを止めることを決めたときのみ、人はボタンを押下する。これらのマークされたイベントは、以下の記載から明らかとなる特定のイベントをより容易に識別するためにシステムの後段で用いることができる。

0137

記録装置100は、様々な所定のイベントを識別するために複数の起動装置を備えても良い。別の態様では、起動装置は、特定のやり方で、たとえば、1、2または3秒保持するまたは1回、2回など押下して、種々のイベントを識別するように用いることができる。

0138

全ての実施形態について、メモリ170に保存された記録データは、データ抽出ユニット200によるさらなる計算および決定のために用いてもよい。したがって、データはメモリ170からデータ抽出ユニット200に通信される。このデータ通信についてのデータ接続は、無線接続または有線接続で実現可能である。たとえば、無線接続は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、赤外データ通信または他の無線接続技術に基づく。有線接続は、汎用シリアルバス(USB)、Firewire(登録商標)、LANまたは他のネットワーク接続として実現可能である。

0139

別の態様では、データ抽出ユニット200は、後述の少なくとも複数のサブユニットを備え、記録装置100は、1つの装置に統合されても良い。この場合、データ抽出装置200は、たとえばバスを介してメモリ170に直接アクセスを有してもよい。かかる装置は、たとえば、装置を装着する人の心拍数および/または体動を検出および記録するためのウェアラブル装置として構成されて良い。睡眠時の被験者の障害を減らすため、ウェアラブル装置は、人の手首に装着される腕時計と同様に形成されても良い。人が腕時計を装着するとき、人は睡眠ポリグラフの電極や配線によるよりも、かかる装置は睡眠をより妨げない。

0140

図2および抽出装置200に示される実施形態に戻り、心拍数計算手段210はデータ抽出装置210の一部であってよい。記録装置100の手段に関してすでに概略したように、心拍数計算手段210も、全体またはその一部であってよい。全体または一部は回路たとえば集積回路(IC)であってよく、以下で詳述する心拍数計算手段の機能を実行するよう構成されている。あるいは、その全体または一部は、これらの機能を実行する特定のソフトウェアまたはファームウェアを実行可能な回路である。好適にかつ代替的に、その全体または一部は、プロセッサたとえばマイクロプロセッサであり、これはソフトウェアまたはファームウェアの概念的な構成要素を実行し、概念的な構成要素の実行によって心拍数計算手段の以下の機能が実行される。

0141

心拍数計算手段210はパルスセンサ110、瞬時心拍数ユニット112および/またはパルス間間隔ユニット114からの記録データを評価する。たとえば、心拍数計算手段210は、上述の連続的なパルス波間隔(PWI)の生の値から詳細な心拍数データを抽出する。心拍数計算手段210により計算され出力されたデータは平均心拍数、心拍数変動値、リズム特性および/または心拍数イベントまたは心拍数変化を含み、以下でより詳細に説明される。

0142

詳細には、平均心拍数は2つの種類、全体平均心拍数(GHRA:global heart rate average)および静止時平均心拍数(RHRA:resting heart rate average)からなる。GHRAは日中または夜間の時間に依存したたとえば5〜10分の比較的長い期間にわたって計算される。また、この平均の標準偏差考慮期間にわたる心拍数変動(HRV:heart rate variability)を定量化するために用いられる。したがって、GHRAの計算は、体動(BM)のない期間ならびに体動のある期間を含む。GHRAの計算により、環境要因、たとえば、騒音、温度または光の変動の影響を反映する全体的な平均心拍数も与えられる。RHRAは、より短い期間、たとえば、覚醒状態に依存した10〜60秒の期間にわたって計算され、この期間中に体動は存在しないかまたは従前の10秒間に体動が存在しない。この平均の標準偏差は心拍リズムを特性化するため、すなわち、心拍リズムが規則的であるか、または、不規則であるか否かを特性化するために計算される。したがって、RHRAは被験者の運動活動に依存しないが、それは環境要因によっては依然として影響されうる。

0143

平均心拍数、たとえば、GHRAまたはRHRAの計算は、所定の時間間隔(期間)にわたって心拍数を平均することによりなされる。平均心拍数たとえばGHRAまたはRHRAを計算する時間間隔は、一定であってもよい。たとえば、GHRA(体動のある期間とない期間を含む)は、5分、10分などにわたって心拍数を平均することにより計算され、RHRAは、5秒、10秒、30秒、60秒などにわたって心拍数を平均することにより計算される。

0144

平均心拍数は、種々の所定時間間隔にわたって心拍数を平均することによっても計算できる。詳細には、平均心拍数は、第1の状態の第1の時間間隔にわたって心拍数を平均することにより、および、第2の状態の第2の時間間隔にわたって心拍数を平均することにより計算できる。たとえば、同時に発生する体動がある状態では、平均心拍数はより短い時間間隔(たとえば5心拍)にわたって心拍数を平均することにより計算され、体動がないまたはわずかな(有意な)体動しかない状態では、平均心拍数は、より長い時間間隔(たとえば、30心拍)になわって心拍数を平均することにより計算される。平均する間隔は、複数段階で(たとえば、2、3、4、5など)変えてよく、または、連続的に(たとえば、体動の量および/または強さの逆)で変えてよい。多段階で時間間隔を変える場合、体動の閾値は、心拍数を平均するための適切な時間間隔を選択するために用いることができる。たとえば、体動の量および/または強さが閾値以下にある場合、心拍数を平均するためにより長い時間間隔を用いても良い。異なる時間間隔長さを選択するための体動の閾値は、以下にさらに記載される体動の分類と同様に定めることができる。平均心拍数を計算するための時間間隔は、以下に記載の検出された体動の分類に応じて変えてもよい。

0145

平均心拍数を計算するための時間間隔を変えることによって、たとえば体動がある状態で、より高い精度が求められる場合に、正確性および時間解像度を向上できる。体動がある場合、短い時間間隔にわたってなされる平均は心拍数曲線の変動を依然として示す一方、より長い時間間隔についてなされる平均はそれをあまりにもなだらかにする。たとえば、誤って検出される睡眠段階移行の数を減少させることにより、分類の質を高めるため、(有意な)体動がないまたは比較的少ない状態では平均する時間間隔を増大して良い。

0146

平均する間隔は心拍数を基準として決定でき、または、秒および/または分を基準としても決定できる。さらに、平均心拍数を計算するための時間間隔は、現在の心拍数および/または平均心拍数に依存しても良い。

0147

図9は、心拍数を平均化するための時間間隔を適合化する方法ステップの例示的な組を示す。ステップ910において、体動の量および/または強さが所定時間にわたって検出される。検出は、たとえば、リアルタイムで行われ、または、データが数秒間、数時間または数日間記録された後に、行われても良い。ステップ920において、検出された体動の量または強さは、所定の閾値と比較される。閾値は、たとえば、睡眠段階、睡眠段階移行などを示す閾値に関連してもよい。

0148

検出される体動の量/強さが閾値よりも大きい場合、方法ステップはステップ930に進む。検出された体動の量/または強さが閾値以下である場合、方法ステップはステップ940に進む。ステップ930において、心拍数を平均する時間間隔が第1の時間間隔t1に設定され、ステップ940において、心拍数を平均する時間間隔は第2の時間間隔t2に設定される。好適には、時間間隔t2は、第1の時間間隔t1よりも長い。

0149

方法はステップ950に進み、ステップ930または940により決定された設定時間間隔を用いて心拍数を平均する。

0150

方法は、別の時点について繰り返されても良い。そうするために、評価時間はたとえば、一定時間分シフトされるか、または、可変時間分、たとえばステップ930または940で選択された時間間隔分シフトされる。好適には、方法は、全てのデータサンプルが評価されるまで繰り返される。

0151

さらに、図2に戻り、心拍数イベントユニット212は、たとえばメモリ170からデータを抽出する。心拍数イベントユニット212は、心拍数変動の直接の値を与える2つの連続したパルスの間の間隔の変動を決定する。この時間間隔の減少は、心拍数上昇に対応し、この間隔の長期化はより低い心拍数に対応する。すなわち、心拍数変化の2つの種類、すなわち、心拍数増加(HRA)および心拍数減少(HRD)がメモリ170のデータから抽出できる。これらの変化は、覚醒状態および日中の時間に依存して、数秒間から数十秒間継続する。これらは、数秒間にわたって、スライドした窓平均を計算し、対応する分析を行うことにおいて検出される。心拍数増加および心拍数減少に関する時間にわたる例示的な心拍数変化が図7に示されている。

0152

特に、心拍数増加は被験者が動いているときまたは活動または微小覚醒が起きているときに見られる。これは初期心拍数増加を伴う二相性変動であり、その後に心拍数減少が続く。この減少は強調でき、たとえば最低の心拍数値は初期平均レベルよりも低い。覚醒時、すべての体動または物理環境の外部刺激に対する反応は、心拍数増加を伴う。睡眠時、心拍数増加はすべての体動または微小覚醒により生じる。このような微小覚醒は、内的であるか、または、外部原因たとえば騒音によるものである。心拍数増加は、その振幅、すなわち、最大瞬時心拍数値と次の最低瞬時心拍数値との差、および、その持続時間、すなわち、増加の開始から初期心拍数値に戻るまでの時間で定めることができる(図7も参照)。

0153

さらに、心拍数減少は体動または微小覚醒が全くない場合に見られる。これは1つのレベルからより低いレベルへの平均心拍数の漸減を伴う単相性変動である。これは、一般的に、被験者がリラックスしているか、または、覚醒から浅睡眠または浅睡眠から深睡眠への移行があるときに見られる。後者の場合、心拍数減少はたとえば数分間継続する。

0154

さらに、心拍数計算手段210はまた、複数のパルス波間隔(PWI)データ要素の有無を決定することができる。心拍数データの分類を向上するため、本発明によれば、さらに、欠損するまたは異常なパルス波間隔データの回復が提供される。したがって、心拍数計算ユニット210は、図6に関して以下により詳細に概略するようなPWIの回復を実行することができる。

0155

図2に戻り、データ抽出ユニット200は体動計算手段220をさらに備えてよい。前述のように、体動計算手段220は、全体またはその一部であってよい。全体または一部は回路たとえば集積回路(IC)であってよく、以下で詳述する体動数計算手段の機能を実行するよう構成されている。あるいは、その全体または一部は、これらの機能を実行する特定のソフトウェアまたはファームウェアを実行可能な回路である。好適にかつ代替的に、その全体または一部は、プロセッサたとえばマイクロプロセッサであり、これはソフトウェアまたはファームウェアの概念的な構成要素を実行し、概念的な構成要素の実行によって体動計算手段の以下の機能が実行される。

0156

この体動計算手段220は、記録された加速度に基づいて、人の各体動の強さおよび/または持続時間を計算する。たとえば、体動計算手段220は、加速度センサ120および比較器ユニット122からの記録されたデータにアクセスし、これを評価する。

0157

上述のように、記録された体動の生データは所定期間に関して得られる。たとえば、処理能力とメモリ容量に依存して、この期間は1秒未満から5または10秒超で調整可能である。好適には、記録された体動の生データは毎秒得られる。

0158

カウンタ222は、体動計算手段220の一部であってよく、または、データ抽出ユニット200内の独立した1つのユニットであってもよい。カウンタ222は毎秒の体動の数をカウントすることにより、動きの強さを決定する。

0159

体動計算手段220に含まれるかまたはこれに接続されている別のユニットは、持続時間決定ユニット224であってよい。ユニット224は、体動の持続時間、すなわち、体動のカウントがカウンタ222により決定された連続した秒の数を計算する。

0160

別の実施形態では、カウント222および/または持続時間決定ユニット224は記録装置100の一部であってもよい。記録装置100がクロック160を提供するとき、センサ120により感知された加速度は、カウンタ222および持続時間決定ユニット224により直接用いられてもよい。また、このような実施形態では、カウンタ222および持続時間決定ユニット224はメモリ170にその結果出力を保存する。

0161

図2に示される実施形態に戻り、データ抽出ユニット200は、さらに、騒音センサ130、光センサ140および/または温度センサ150により感知された記録データの特定の値を計算する環境計算手段230をさらに備えてよい。環境計算手段230はデータ抽出ユニット200の、全体またはその一部であってよい。このような全体または一部は回路たとえば集積回路(IC)であってよく、以下で詳述する環境数計算手段の機能を実行するよう構成されている。あるいは、その全体または一部は、これらの機能を実行する特定のソフトウェアまたはファームウェアを実行可能な回路である。好適にかつ代替的に、その全体または一部は、プロセッサたとえばマイクロプロセッサであり、これはソフトウェアまたはファームウェアの概念的な構成要素を実行し、概念的な構成要素の実行によって環境計算手段の以下の機能が実行される。

0162

環境計算手段230は、騒音レベルユニット231を備えてよく、これは、環境騒音が所定のレベルまたは閾値を超えるか否か決定する。さらに、騒音レベルユニット231は、メモリ170に保存された感知された騒音値を、複数の閾値と比較して、異なる騒音レベルを決定してもよい。

0163

騒音イベントユニット232が環境計算手段230に設けられ、感知された騒音データから、特定の騒音イベントが発生したか否かを評価してもよい。騒音イベントは、たとえば、所定の期間にわたって特定のレベル、たとえば、騒音レベルユニット231により決定されるレベルを超える騒音である。

0164

さらに、環境計算手段230は、所定期間にわたって環境温度の平均値を計算する平均温度ユニット233を備えて良い。たとえば、環境温度は、10分間隔、30分間隔または1時間間隔にわたって平均される。本発明は、環境騒音を平均するための特定の期間に限定されない。すなわち、任意の他の期間、たとえば2、4または6時間も可能である。

0165

さらに、環境計算手段230は、温度変化ユニット234を備えても良い。温度変化ユニットは、温度変化が所定時点の間で変化したか否かを決定する。たとえば、温度変化ユニット234は、ある時点と、たとえば、5または10分後との間で所定温度値分変化したか決定してもよい。温度変化ユニット234はプリセット可能な特定の期間にわたる温度変化を決定してもよい。これらの期間は、5分間、10分間、30分間、60分間またはそれ以上であってもよい。本発明は、特定の期間に限定されないが、他のプリセット期間に基づいていてもよい。

0166

環境計算手段230に設けられた光レベルユニット235は、記録された光データに基づいて、光が特定の値を超えるが否かを決定する。光レベルユニットは記録された光データが比較される、複数のプリセット閾値を有してよい。

0167

また、計算手段は、記録された光データの値の変化を決定する光変化ユニット236を有しても良い。

0168

また、データ抽出ユニット200は、さらに、付加的なセンサ180により感知される記録されたデータの特定の値を計算する付加的な計算手段240をさらに備えても良い。付加的な計算手段240は、データ抽出ユニット200の全体またはその一部であってよい。このような全体または一部は回路たとえば集積回路(IC)であってよく、これは、環境計算手段240の機能を実行するよう構成されている。あるいは、その全体または一部は、これらの機能を実行する特定のソフトウェアまたはファームウェアを実行可能な回路である。好適にかつ代替的に、その全体または一部は、プロセッサたとえばマイクロプロセッサであり、これはソフトウェアまたはファームウェアの概念的な構成要素を実行し、概念的な構成要素の実行によって環境計算手段の以下の機能が実行される。

0169

付加的な計算手段240は、付加的なセンサ180の種類に基づいて全ての必要な計算を実行するよう適合されていても良い。たとえば、付加的なセンサ180がパルス酸素測定を感知する場合、付加的な計算手段240は1つ以上の所定の閾値に基づいて1つ以上のレベルの血中飽和度を計算することができる。さらに、付加的なセンサによってパルス送信時間(PTT)が決定可能な場合、付加的な計算手段240は上述したPTTの計算を行う。

0170

さらに、付加的な計算手段240は、感知した皮膚温度に基づいて、皮膚と環境との間の熱量交換を計算しても良い。また、付加的な計算手段240により、交感神経系の活動を、感知した皮膚の電位を1つ以上の閾値と比較することにより、決定しても良い。すなわち、皮膚温度および/または皮膚の電位の1つ以上のレベルが計算できる。

0171

データ抽出ユニット200および全てのその構成要素、たとえば、手段またはユニット210〜240は、記録装置100のメモリ170に保存された記録データにアクセスする。上述のように、このデータアクセスは、バスまたはデータ接続を介して実現可能である。データ抽出ユニット200のユニット210〜240の出力は、さらなる決定のために、データ抽出ユニット200のメモリ(図示せず)にも保存される。

0172

さらなる実施形態では、データ抽出ユニット200は、記録装置100の一部である。この場合、ユニット210〜240は、記録されたデータ値読み取りのため、および、計算された出力値の書き込みのためにメモリ170を用いることができる。この実施形態に関して、組み合わされた装置は、データ抽出ユニット210〜240により抽出されたデータを、上述の有線または無線インタフェースおよびデータ接続を介して別の装置に送信することができる。

0173

さらに別の実施形態では、記録装置100およびデータ抽出ユニット200は、1つ以上のモジュールに分離されている。上述のように、このようなモジュールはすべての生理学的センサおよびユニット(110〜122)、環境センサおよびユニット(130〜150)および付加的なセンサ180を含んで良い。さらに、各モジュールは、データ抽出ユニット200に関して記載した対応する計算ユニット(210〜224;230〜236;240)を備える。図3は、分類ユニット300のブロック図を示し、これは心拍数分類手段310、体動分類手段320、環境分類手段330および/または付加的な分類手段340を備えて良い。各手段310〜340は、分類ユニット300の全体またはその一部であってよい。全体または一部は回路たとえば集積回路(IC)であってよく、各手段310〜340の機能を実行するよう構成されている。あるいは、その全体または一部は、これらの機能を実行する特定のソフトウェアまたはファームウェアを実行可能な回路である。好適にかつ代替的に、その全体または一部は、プロセッサたとえばマイクロプロセッサであり、これはソフトウェアまたはファームウェアの概念的な構成要素を実行し、概念的な構成要素の実行によって以下に詳述する機能が実行される。

0174

業者には理解されるように、分類ユニット300は、記録装置100に設けられたセンサに依存する1つまたは全てのユニットまたは手段310〜340を備えても良い。たとえば、環境センサ130〜150が記録装置100にない場合、分類ユニット300は環境分類ユニット330を必要としない場合がある。

0175

分類ユニット300はデータ抽出ユニット200およびそのサブユニットが出力したデータが保存されたメモリにアクセス可能である。したがって、分類ユニット300は、無線または有線のデータ送信のためのインタフェース、たとえばネットワークインタフェースシリアルまたはパラレルバスインタフェースなどを備える。

0176

心拍数分類手段310は、心拍数計算ユニット210が、ユニット210から直接にまたはメモリたとえばメモリ170を介して出力した記録されたデータを分類する。この出力データは平均心拍数、心拍数変動値、リズム特性および/または心拍数イベントまたは変化を含んで良い。これらの値それぞれは、心拍数計算ユニット210によって決定されれば、分類可能である。

0177

たとえば、平均心拍数は、高平均、中平均および低平均に分類される。また、心拍数の変動は、たとえば、非常に大きい、大きい、中または低に分類される。古典的なLF/HF比は、心拍間隔のスペクトル分析から得られる。他の分類は、種々の数の分類、たとえば、5、7または10のレベルを有して良い。本発明は、特定の数の分類に限られない。心拍数分類手段310は、必要に応じて、より多くのまたはより少ない分類の間で区別するよう修正可能である。

0178

覚醒時、平均心拍数は、静止時の60〜80拍/分から、非常に激しい運動をしているときの170〜190拍/分まで、非常に大きく変動する。心拍数の最大値は、人の年齢および従前の訓練に依存する。睡眠時、たとえば、平均心拍数は40拍/分程度に低い。肉体的に十分に訓練された若年成人は、睡眠時にさらに低い値、たとえば35拍/分に達することもある。すなわち、心拍数分類手段310が記録データを分類する分類は、覚醒状態と睡眠状態とで異なって設定されてよい。さらに、分類は、被験者/記録者の年齢および肉体の訓練状態に基づいて被験者/記録者に対して調整可能である。

0179

さらに、心拍数のリズムはたとえば,非常に不規則、不規則、規則的などとして分類できる。同様に、心拍数イベントまたは変化は、増加、減少または誘発反応として分類できる。上述のように、本発明は、これらの分類に限定されず、より多くのまたはより少ない分類を含んで良い。将来の発見対処するため、心拍数分類手段310の分類は、必要に応じて変更可能である。

0180

また、上述のように、分類ユニット300は、記録された体動データを分類できる体動分類手段またはユニット320を備える。各動きは、その持続時間(秒)およびその強さ(カウント毎秒)に従って分類可能である。上述のように、各秒間の動きの数が装置100に記録される。動きがない場合、カウントはその秒について0である。

0181

体動分類手段320は、体動計算ユニット220から、ユニット220から直接またはメモリたとえばメモリ170を介して出力されたデータを得る。体動分類手段320は、体動計算手段220により計算された体動の強さおよび/またはその持続時間を用いることができる。体動分類手段320は、体動の1つ以上の分類を行うことができる。たとえば、体動分類手段320は、被験者の体動を3つの異なる3つの分類、姿勢の変化などの大きな動き(LM)、肢や手の動きなどの小さな動き(SM)、および、レム睡眠時に発生する体の末端の非常に短い動きなどの痙攣(TM)、に分類する。さらに、体動の強さは、所定の範囲、たとえば、1〜2、3〜5および6〜10カウント毎秒に分類できる。分類はより低い精度であってよく、たとえば、多い、限られた数、時々またはわずか、であってもよい。2つの分類または連続した分類の組み合わせも可能であり、たとえば、しばしば継続的に生じる多くの動き、長期間痙攣無し、数度別個の小さな体動、であってもよい。

0182

分類ユニット300はまた環境計算ユニット230および/またはサブユニット231〜236の記録された環境要因値を分類する環境分類手段330を備えても良い。たとえば、騒音レベルユニット231からの計算された騒音レベルは、たとえば、低レベル、中レベルまたは高レベルの騒音に分類される。また、騒音イベントユニット232により決定される騒音イベントは、その振幅、持続時間、上昇および低下期間の勾配により分類可能である。たとえば、騒音イベントは、非常に変動、短いが大きい騒音イベントまたは低レベルだが長期間、として分類できる。

0183

環境分類手段またはユニット330は、さらに、平均温度ユニット233および温度変化ユニット234によりそれぞれ計算される平均温度または温度変化を分類してもよい。たとえば、特定期間にわたる平均温度は、高、中または低あるいは変動として分類される。この場合、環境分類手段330は、平均温度が計算された日の時間を考慮しても良い。たとえば、特定の平均温度は、夜間としては高いとみなされるが、同じ平均温度は、日中では中レベルと分類される。同様にして、温度変化は、温度変化ユニット234により決定される変化の持続時間に依存して、変動または安定、あるいは、突発的変化または長期的変化として分類できる。

0184

さらに、光レベルユニット235により計算される光レベルが、環境分類手段330によって、特定の分類たとえば、変動または安定あるいは明、暗などとして分類されてもよい。また、光変化ユニット236により計算される光レベルの変化は環境分類手段330によって特定の分類、たとえば、緩慢な変化、急速な変化などとしても分類可能である。環境分類手段330は環境計算手段230のユニット、たとえば、ユニット231〜236のうちのユニットにより計算される複数の値から、分類を形成しても良い。たとえば、決定された光のレベルは、温度変化を分類する際に考慮されても良い。たとえば、建物を出て暑い外気内に出る人は、温度の急激な変化および光レベルの上昇による影響を受ける。

0185

最後に、付加的な分類手段またはユニット340は、付加的な計算手段240により抽出または計算されたデータを分類する(図2)。たとえば、血中酸素飽和度のレベルは低、中および高に分類される。また、他の分類および異なる分類の数も可能である。さらに、パルス送信時間(PTT)が付加的な計算手段240によって計算された場合、PTTはさらに複数の分類、たとえば、短、中、長に分類されてもよい。用いた付加的なセンサ180に依存して、他のデータ分類を得てもよい。皮膚温度は低、中または高などの分類に分類される。同様に、皮膚電位は、多い、中程度またはわずか等の分類に分類される。

0186

心拍数分類手段310、体動分類手段320、環境分類手段330および付加的な分類手段340に関して、特定のデータが分類される分類はユーザにより調整可能であることは留意されるべきである。たとえば、特定の分類が将来的に重要である場合、分類ユニット300は新たな分類を考慮するように適合されてもよい。他方、比較的重要でない既存の分類は分類手段またはユニット310〜340から除かれてもよい。さらに、手段310〜340の1つに保存された任意の閾値は、分類ユニット300の機能を調整するために修正されてもよい。

0187

ここで図4を参照し、図4には、被験者の覚醒状態、睡眠段階、睡眠段階高および/または睡眠イベントを決定する決定手段400が示されている。決定手段または決定装置400は、評価手段410、たとえば覚醒状態決定ユニット410を備えて良い。決定手段または決定装置400はさらに睡眠段階決定ユニット420および活動決定ユニット430を備えて良い。

0188

決定手段400およびそのサブユニット410〜430は、それぞれ全体または一部であってよい。全体または一部は回路たとえば集積回路(IC)であってよく、以下で詳述する決定および他の機能を実行するよう構成されている。あるいは、その全体または一部は、以下でより詳細に概略される決定手段400の機能を実行する特定のソフトウェアまたはファームウェアを実行可能な回路である。好適にかつ代替的に、全体または一部は、プロセッサたとえばマイクロプロセッサであり、これはソフトウェアまたはファームウェアの概念的な構成要素を実行し、概念的な構成要素の実行によってこれらの機能が実行される。

0189

記録装置は被験者/記録者の睡眠時にのみ使用されるため、評価手段410は任意選択的に用いられる。記録装置が、覚醒期間および睡眠期間を含めてより長い期間装着される場合、評価手段410は被験者が覚醒期間または睡眠期間にあるのか評価する。この評価(覚醒状態決定ともいう)は、分類ユニット300の詳細なデータを分析することにより(図3)、データ抽出ユニット200により計算されるデータを分析することにより、および/または、分類および計算データの組み合わせにより行うことができる。換言すれば、感知され、記録されたデータから決定される分類は、被験者の覚醒状態を決定する際に考慮される。また、記録データまたは記録データと分類データとの組み合わせは、さらなる決定のための基礎を形成しうる。これは、(ユニット210/310からの)心拍数データおよび/または(ユニット220/320からの)体動データおよび/または分類を特に含みうる。さらに、存在する場合、ユニット230/330および240/340からの環境分類および/または付加的な分類が、覚醒状態を決定するために、または、少なくとも覚醒状態を検証するために、さらに用いられてもよい。

0190

以下の表1は、心拍数、体動および環境分類の例を示し、これより覚醒状態決定ユニット410は被験者が覚醒状態または睡眠状態にあることを決定することができる。

0191

0192

基本的に、心拍数の変動および/または多数の動き、特に大きな動きの発生は、覚醒時に存在し、睡眠時には存在しない。また、環境物理要因の急激な変動、たとえば多数の騒音または環境温度または環境光の頻繁な変化は、移動、したがって、目覚めている時の人間の指標である。

0193

被験者の覚醒状態が、覚醒状態として決定された場合、活動決定ユニット430は活動レベル、たとえば、静止、穏やかな活動または非常に活動的、を決定する。この決定は、大きな動きおよび小さな動きの数(たとえば、活動している人間では多く、静止時の人間では少ない)に基づいて、ならびに、詳細な心拍数データ(たとえば、静止している人よりも非常にまたは穏やかに活動している人においては、より高い平均レベル、より多い心拍数イベントまたは変化、より大きい心拍数変動およびより不規則なリズム)に基づいている。目覚めて、活動している人間の心拍数分類および体動分類の例が下記表IIの「覚醒(W)」の欄に示されている。

0194

被験者の覚醒状態が、睡眠状態として決定された場合、睡眠段階決定ユニット420は種々の睡眠段階を区別し、および/または、睡眠イベントを識別する。この区別および識別は、ユニット310により識別される心拍数分類に基づいて行うことができる。また、区別および識別は、ユニット320により識別される体動分類および/または心拍数変動分類に基づいていてもよい。

0195

さらに、睡眠段階決定ユニット420は、種々の睡眠段階を区別し、睡眠段階移行および/または睡眠イベントを心拍数データおよび体動データの相互比較を用いて識別することができる。相互比較は、たとえば、心拍数分類および体動分類を、時間関係において比較することができる。このような時間関係は、分類が、同じ時点で、または、同じ期間内に感知されたデータに基づいていることを含む。さらに、分類は、体動データの感知の前または後に感知された心拍数データに基づいても、またはその逆でもよい。相互比較は、下記表IIに例示的に示されているような、特定の規則および基準値に従ってなしうる。

0196

0197

表IIに示されるように、大きな動き(LM)および小さな動き(SM)が覚醒時および睡眠時の両方に見られる。しかし、その数および主にその連続はこれらの2つの異なる覚醒状態で全く異なっている。覚醒時、LMおよびSMは多く、時折継続的に生じている。これは被験者の活動に依存しており、これらの運動活動の量は、強い運動活動の期間および低運動活動の期間を定めるために用いられる。睡眠時、LMおよびSMはほとんど起こらず、ほとんどが動きのない長い期間である。

0198

さらに、痙攣(TM)は、睡眠時にのみ、特にレム睡眠フェーズの間に見られる。TMは1または2秒間しか続かず、カウント毎秒の数は低い。TMは2秒または10秒分かれたバーストで生じる。

0199

また、覚醒状態決定ユニット410および睡眠段階決定ユニット420は、体動が筋肉への酸素送達の必要性を増大させるため、心拍数および体動が関連していることを考慮する。したがって、全ての体動は、心拍数増加(HRA)の一種である心拍数の上昇を伴う。大きいまたは持続する体動は、より大きく、持続的な心拍数の上昇を伴う。体動の停止の後には、可変時間後、心拍数が減少し、従前のレベルに戻る。心拍数と体動との時間的関係は現在の状態に関する良い指標を与える。

0200

たとえば、被験者が自発的に動いている場合、心拍数増加が体動と共に生じる。被験者が(睡眠時に)内的に微小覚醒する場合、心拍数増加が体動より約6〜8心拍分先行する。被験者が騒音などの外的刺激応答する場合、心拍数増加が体動の有無に関わりなく生じる。これらが関係している場合、体動は心拍数増加の最初の5心拍未満で生じうる。被験者が他人たとえば共に寝ている者によって非自発的に動かされる場合、体動が最初に生じ、その後、心拍数増加が数秒後に生じる。さらに、付加的なセンサ(図2参照)で実現されたパルス酸素測定が存在する場合、上述の体動と心拍数との相互関係が、同じ期間の分類された血中飽和レベルによって検証可能である。

0201

微小覚醒とは急激な脳の活性化である。それは、ノンレム睡眠の「深い」段階からノンレム睡眠の「より浅い」段階への、または、レム睡眠から覚醒への急激な変化に関連し、最終的には目覚める可能性を伴う。微小覚醒は心拍数の上昇ならびに体動を伴う場合がある。

0202

さらに、環境要因は記録の必要がないが、識別された睡眠段階、睡眠段階移行または睡眠イベントの決定または検証のために、その各値および組み合わせを覚醒状態決定ユニット410および睡眠段階決定ユニット420が用いてもよい。被験者が同じ環境に居続ける場合、騒音レベル、環境温度および環境光は多かれ少なかれ一定である。睡眠時、たとえば、環境温度および環境光はあまり変化すべきでない。この値および安定度はきわめて安定な環境条件を示す。一方で、覚醒期間では、被験者が場所を移動する、たとえば車で外出するなどの場合、これらの環境値は頻繁に変化する。極端な値は厳しい環境条件(非常に低いまたは非常に高い環境温度、高い騒音レベルなど)を表す。これらの環境条件の心拍数への影響は、被験者の物理環境へのありうる制約および影響を測定するため、決定手段400のユニット410〜430によって評価される。

0203

さらに、睡眠段階決定ユニット420は睡眠イベントを識別することができる。睡眠イベントは睡眠時に自発的に生じるか、または、外部刺激に応じて生じる。たとえば、睡眠時無呼吸、むずむず脚、悪夢、夜驚などの睡眠病態の兆候が心拍数および体動の両方における特定の変化により識別可能である。これらの場合、環境騒音レベルなどの環境データは、多くの場合非常に有用である。睡眠者の睡眠時無呼吸およびいびきにおける最後の喘ぎ、または、悪夢や夜驚における独り言や叫びの騒音は、生理学的変化を確認する付加的な徴候である。環境の騒音による突然の目覚めなどの睡眠イベントは、生理学的変化および先の騒音イベントの両方により識別される。しかしここでも、主な変化は生理学的データに見られ、環境値は、睡眠イベントの原因を確認または識別するために用いられる。

0204

付加的なセンサ180(図2)から記録された使用される情報の例は、パルス送信時間(PTT)である。これらのセンサから計算され分類されたデータが利用可能である場合、結論は特定期間の被験者/記録者の動脈血圧について導くことができる。血圧は、特定の睡眠段階および/または睡眠段階移行および/または睡眠イベントを決定するために、睡眠段階決定ユニット420により用いられる。すなわち、血圧の突然の変化は、騒音などの環境イベントによる睡眠障害の指標となりうる。

0205

睡眠イベントを検出する別の例は、付加的なセンサ180(図2)を用いて「パルス酸素測定」と呼ばれる血中酸素飽和度を測定することを含む。測定および分類されたこの「パルス酸素測定」のデータは、睡眠段階決定ユニット420によって、分類された動きデータおよびノイズレベルに関連づけることができる。検出された騒音、たとえば、無呼吸終わりに生じる騒音(喘ぎ)がある場合、睡眠段階決定ユニット420は短い動きと関連する血中酸素飽和度の低下があったかを決定することができる。これらの決定が陽性である場合、これは睡眠時無呼吸に関連する睡眠イベントとして自動的に識別される。

0206

すなわち、睡眠時、いかなる騒音イベントの発生も検出され、心拍数および体動へのありうる影響が評価される。被験者の睡眠は騒音により妨げられる場合があり、結果は睡眠の構造および睡眠の断片化に関して重要な場合がある。したがって、睡眠への夜間の騒音の影響が決定できる。

0207

さらに、環境温度の突然の変動は、被験者が静止または眠っている場合に予測されない。これらの変化は被験者が位置を変える時に生じうる。睡眠時、環境温度は中間的な条件とは異なる場合がある。には温かすぎ、には寒すぎる場合がある。これらの条件は睡眠に影響し、睡眠を妨げる場合がある。このような極端な値が観察される場合、睡眠構造および起こりうる障害の評価がなされる。

0208

最後に、環境光のレベルは、被験者が生活している場所に依存して異なっている場合がある。それは日中の被験者の移動に依存しても変わる。その値は、睡眠環境条件が予想されるような低い輝度レベルのものであるのか否か決定するために重要である。

0209

上述のように、記録装置100(図2参照)は、被験者/記録者によって特定のイベントをマークするために、ボタンなどの起動装置を備えても良い。決定装置400、すなわち、ユニット410、420および/または430は、記録データ内のマークされたイベントを識別し、覚醒状態、睡眠状態または睡眠段階移行および/または睡眠イベントをそれぞれ決定する際にこの情報を使用する。マークされるイベントはシステムに予め定められていてよく、決定装置400は関連する覚醒状態または睡眠状態を明確に識別できる。さらに、複数(種)のイベントが異なるボタンまたは起動の種類を用いてマークされてよい。これは、さらに決定装置400をそのタスクで助けうる。それは、以下に詳述するように、装置400の決定、または、装置300による分類を学習可能とする。

0210

決定装置400はさらに、これらは健常な被験者において図8に示されるように、ある段階から別の段階への移行を決定する。これらの移行は覚醒状態決定ユニット410および/または覚醒状態決定ユニット420によって決定されてもよい。図8は、覚醒状態ならびに深睡眠、浅睡眠および逆説睡眠(レム)段階を示す。矢印にて示されるように、ある状態/段階から別のものへの移行はほとんどのものの間で起こりうる。しかし、覚醒から深睡眠または逆説睡眠から深睡眠への移行は中間的な浅睡眠状態無しには起こらない。

0211

ある段階から別のものへの移行は深化移行および浅化移行に分けられ、深化移行は覚醒またはより浅い睡眠段階から始まり、より深い段階へと進む移行であり、浅化移行はより深い段階からより浅い段階または覚醒へと進む移行である。これらの2つの種類の移行は特定の変化の前後に起こる。2種類の移行に関する覚醒状態決定ユニット410および睡眠段階決定ユニット420により用いられる例示的な基準は、表III(深化移行)および表IV(浅化移行)に記載されている。

0212

0213

0214

本発明の別の態様では、決定装置400は自身で自動的に回復できる。装置は直近の数日または数週間のデータを記録するため、装置は被験者/記録者の挙動に応じて、決定ユニットを調整することができる。睡眠、特定の睡眠段階、睡眠段階移行または睡眠イベントを明確に識別する、心拍数または体動の分類および/またはデータの第1の組み合わせが見いだされる場合、決定装置400は、第1の組み合わせほど特徴的ではないが、より頻繁に見いだされる同様の組み合わせを検索することができる。すなわち、装置400は睡眠、睡眠段階、睡眠段階移行および睡眠イベントの識別のための基準を調整してもよい。

0215

さらに、決定装置400は、分類アルゴリズムを構成するため、分類ユニット300にデータを送信してもよい。このようにして、分類は、睡眠、睡眠段階、睡眠段階移行および/または睡眠イベントをよりよく識別するために、調整可能である。

0216

これらの技術は、よりよい覚醒状態の検出のために、装置400およびユニット300を回復するためにも用いることができる。記録データを用いて、装置400は、心拍数、体動および/または他の感知データの平均レベル、ピークおよび変動を得るために、被験者のプロフィール構築してもよい。これは、ユニット300および装置400の分類および決定を、被験者の日中の/夜間の挙動に対して調整するために用いることもできる。それは、被験者の新たな医療処置により誘起される変化を識別するため、または、この治療がこの人の健康状態の回復または悪化をもたらすか否か評価するためにも用いることができる。

0217

同様に、装置400は、記録者の大きい群から得られる情報を集めることにより回復できる。すなわち、装置は、特定の年齢や性別の群からのデータをよりよく評価することができる。睡眠生理小児、若年成人または高齢者において非常に異なるが、年齢群の中では睡眠特性は非常に類似している。したがって、装置400は、同じ年齢および性別の群の特性に比較して個々の記録データの正規性をよりよく評価するために、収集したデータをまとめてもよい。

0218

決定装置400は、分類ユニット300(図3)にデータ接続を介して接続されて、分類ユニット300が出力する種々の分類にアクセスすることができる。このようなデータ接続は、無線または有線の接続として実現可能である。たとえば、無線接続は、無線LAN,Bluetooth(登録商標)、赤外データ通信または別の無線通信技術に基づいている。有線データ通信は、汎用シリアルバス(USB)、Firewire(登録商標)、LANまたは別のネットワーク接続として実現されてよい。

0219

記載される装置とユニット100〜400との間のデータ接続は、分類ユニット300、データ抽出ユニット200および/または記録装置100に分析結果を送信するために用いられても良い。これらの各装置は、たとえば、分析結果を表示またはそうではければ出力することができる。たとえば、ウェアラブル装置の場合、表示は、被験者/記録者が分析結果全体をスクロールできる場所に一体化されていてもよい。また、プリンタが分析結果を印刷するために、装置100〜400の1つに接続されても良い。

0220

さらに、決定装置400は、たとえば、ネットワーク接続を介して結果を含む分析報告送信可能である。たとえば、装置400は、電子メールまたはパケットデータを所定の受信者、たとえば、被験者/記録者または管理医療スタッフまたは医師に送信できる。決定措置400は、たとえば、記録された生データ(図2のメモリ170参照)、データ抽出ユニット200の出力および/または分類ユニット300の出力を送信またはこれにアクセスすることができる。訓練された人は、受け取ったまたはアクセスされたデータのさらなる分析を行い、分析結果を検証する、または、図2〜4に関して上述した手段および装置に対して調整を行うことができる。記録が数日または数週間連続する場合には、長期にわたって発生する有意な変化の記述が状態に応じて強調され、注釈されてもよい。例として、それは患者に対する医療処置の間またはアスリート訓練期間または旅行者時差ぼけの間であってもよい。

0221

別の実施形態では、分類ユニット300は、決定装置400の一部であり、ともに分析装置を構成する。この場合、データ接続が決定装置400とデータ抽出ユニット200(図2)または抽出データが保存されるメモリ170などのメモリとの間で確立される。データ接続は、上述と同様にして実現可能である。

0222

また別の実施形態では、装置およびユニット100、200、300および400は1つの装置に組み込まれている。この場合、装置およびユニットのプロセッサおよびメモリは共有可能であり、これは製造コストを低減させる。このような組み込み装置は、表示装置またはプリンタに接続されて、記録時間にわたって決定された覚醒状態および/または睡眠段階を出力してもよい。

0223

しかし、本発明は、種々の装置およびユニット100、200、300および400の特定の実施に限定されない。これらの装置、ユニットおよびこれらの構成要素の任意の組み合わせも本発明の範囲内に含まれる。

0224

図5を参照して、本発明は、図2〜4に関して上述した装置およびユニットにより行われるような睡眠段階の決定方法をさらに定める。図5に示される方法は、ステップ510において被験者から心拍数を検出することから開始される。この心拍数の検出はセンサ、たとえば、被験者のパルス波を感知し、それから心拍数を得るセンサにより行うことができる。

0225

また、ステップ520において、被験者の体動が検出される。このような検出は、加速度センサに基づくか、または、人の動きを登録可能な他のセンサに基づいても良い。上述のように、体動の検出は、骨格筋の動きに集中している。たとえば、眼の動きまたは人の任意の腸または心臓の動きは重要ではない。それはすべての睡眠段階の決定はこれらの動きのみからでは不可能だからである。骨格筋の動きは、人の肢たとえば腕および脚、胴体または頭の動きであってよい。このような動きのそれぞれは、通常、人の手首および足首の動きを形成し、ここで、ステップ520の検出が行われうる。

0226

検出された心拍数は、その後、図3に関して上記にて概略したように、ステップ530において特定の分類に分類される。図2に関して概略したような平均心拍数、心拍数変動、心拍数変化またはリズム特性の計算は、心拍数の分類の前であってもよい。

0227

検出された体動は、図3に関して上記にて説明したようにステップ540において分類される。また、体動の持続時間および強さの計算は、分類の前であってもよい。

0228

識別された心拍数分類および体動分類に基づいて、人の睡眠段階および/または睡眠段階移行がステップ550において決定可能である。このような決定は、覚醒状態の決定の後であってもよい。ステップ550における決定は、図4に関して上記にてより詳細に記載されている。

0229

また、ステップ560に従って、1つ以上の睡眠イベントが図4に関して上記にて概略したように検出される。

0230

さらに、ステップ555において、特定の心拍数分類および体動分類が、相互比較を行うことにより識別される。このような識別は、特定の期間に関連して行われても良い。たとえば、上記に概略したように、同じ時間の間に、または、近い時間関係において感知されたデータから特定の心拍数分類および体動分類が判別されたか否かが決定される。他の組み合わせは、特定の心拍数分類が特定の体動分類の前であるかまたはこれに続く、あるいは、その逆であってもよい。

0231

これらの識別された組み合わせの全ては、ステップ550における睡眠段階の決定のために用いられてもよい。例示的な組み合わせが上記表Iに示されている。

0232

図6を参照して、心拍数データの分類を向上するため、本発明は、欠損したまたは異常なパルス波間隔(PWI)データの回復をも提供する。たとえば、心拍数計算ユニット210(図2)は、図6に関して記載されたステップを実行することができる。

0233

詳細には、上記にて説明したように、連続したパルス波間隔(PWI)がステップ610にて記録され、瞬時心拍数が得られる。2500ミリ秒を超えるPWIは24拍/分未満の瞬時心拍数に相当する。このようなPWIは、欠損PWIデータとみなされる。さらに、300ミリ秒未満の間隔は200拍/分を超える瞬時心拍数に相当し、疑わしいPWIと見なされる。したがって、ステップ620において、記録されたPWIが300ミリ秒〜2500ミリ秒(0.3秒〜2.5秒)の範囲にあるか否かが判別される。

0234

PWIがこの範囲内にある場合、PWIは正しいと見なされ、心拍数データのさらなる計算または分類に用いることができる。

0235

PWIがこの範囲内にない場合、PWIが2500ミリ秒を超えれば、方法はステップ640に進む。ステップ650では、PWIが10秒を超えるか否か判別される。yesの場合、この期間は欠損データに相当すると見なされる。

0236

PWIが300ミリ秒未満である場合(ステップ680)、方法はステップ690に進み、300ミリ秒未満のPWIの数が3未満であるか否か判別する。この短いPWIの数が3以上の場合、これらの期間も欠損データに相当すると見なされる。

0237

欠損データは、記録過程における技術的な問題に関係するため、回復されない。欠損データのみがパルス波記録に関係する場合、それはパルス検出システムのエラーにより生じ、または、記録装置の誤った配置により生じる。欠損データが全ての記録チャネルに関係している場合、これはメモリまたはバッテリのエラーによる。

0238

欠損PWIおよび疑わしいPWIは記録の一時的な停止または記録装置の移動により生じるアーチファクトによるものである。所定条件化では、欠損PWI(2.5<PWI<10秒)および疑わしいPWI(PWI<0.3秒、かつ、#PWI<3)はステップ670にて回復可能である。そうするために、欠損PWIまたは疑わしいPWIの前の少なくとも10個のPWI、および、これらに続く少なくとも10個のPWIが通常範囲(0.3秒<PWI<2.5秒)にあることが最初に検証される。そうである場合、欠損PWIまたは疑わしいPWIは、先行する10個の通常のPWIおよび後続の10個の通常のPWIの平均値で置き換えられる。

0239

本発明は、睡眠段階における変化が栄養的(vegetative)(心拍数)機能および運動的(motor)(動き)機能における変化を伴うということを利用している。これらの2つの変動およびその時間関係を考慮して、本発明によれば、これらの段階を区別するだけでなく、睡眠段階移行がまさに生じる時間を非常に正確に決定することができる。このような移行のいくつかの特定の例が図10〜13に示されている。

0240

たとえば、図10は、浅睡眠からレム睡眠への移行を示している。この図は20分間の記録を表している。図の上部には、2つの脳電図(EEG)および2つの眼電図(EOG)が示されている。垂直方向の矢印は、上方の4つの軌線を視覚的に分析することによる従来の睡眠段階の点数化を用いて決定された、浅睡眠からレム睡眠へのきっちりした移行を示している。

0241

図の下部には、短時間の平均心拍数(測定時間は約5秒)および体動が示されている。図の左半分は心拍数の変動が、浅睡眠では睡眠者が動いている時を除いて小さいことを示している。浅睡眠において生じた2つの動きは、心拍数の大きな上昇を伴っている(約20拍の心拍数変化)。図の右半分は、レム睡眠時に、心拍数の変動が大きく、観察される多くの心拍数変化(最も大きい1つを除いて)が動きを伴わないことを示している。すなわち、心拍数と体動との間のこの突然の変化は、浅睡眠からレム睡眠への移行について特定的である(表IIIも参照)。

0242

図11は、深睡眠から浅睡眠への移行を表している。ここでまた、20分の期間を考慮している。図10と同じ軌線がここでも存在している。EEGとEOGの可視的分析により決定された、深睡眠から浅睡眠へのきっちりした移行が垂直の矢印によって示されている。図の左半分には、深睡眠では心拍数変動が非常に小さく、体動はこの睡眠段階において存在しないことが観察される(表IIおよびIVも参照)。浅睡眠への移行は、大きな心拍数変化を誘起する2つの動きを伴っている。その後、心拍数変動は深睡眠においてより大きい。

0243

図12には、浅睡眠から覚醒への短い移行と浅睡眠への戻りが表されている。このとき、夜間の目覚めの持続時間が短いことから、記録の長さは5分のみである。2つの移行は垂直線で示されている。ここで、覚醒の発症は1分と40秒間だけ続いている(2つの灰色の垂直線の間の距離は10秒に対応)。浅睡眠から覚醒への移行は、大きく長い体動(約30秒)を伴い、心拍数は非常に上昇している。動きの直後、心拍数は前の浅い眠りにおけるよりもより高い値を維持し、これは、被験者の覚醒状態の徴候である(表IVも参照)。覚醒の発症の前に見られるものと比較してはるかに低い心拍数値へ戻った後、覚醒から浅睡眠への移行が続いている。

0244

図13はレム睡眠から覚醒への短い移行と、その後のレム睡眠の段階への戻りを示している。ここで、変化する特徴をよりよく理解するため、記録時間は5分のみであり、覚醒の発症の持続時間は1分と10秒のみである。図の左側には、レム睡眠が、非常に変動する心拍数により特徴づけられており、ここで、変化は体動によるものではなく、非常に不規則な心拍による(表IIも参照)。覚醒の発症は、約30秒続く大きな体動を伴う心拍数の大きな上昇を伴う。目覚め前に見られるものと同等の心拍数に戻った後、被験者はレム睡眠に戻り、その特徴的な変動する心拍数は体動に関係しない。

0245

これらのいくつかの例は、睡眠段階、睡眠段階移行および/または睡眠イベントが心拍数および体動およびこれらの時間関係を分析することにより決定可能であることを実証している。上述のように、この分析は、たとえば、平均心拍数、心拍数変動、体動などのパラメタを定め、かつ、これらの各パラメタを少なくとも1つの分類に分類することにより行うことができる。上述の確立された睡眠段階を定める基準とともに、これらのデータによって、睡眠、睡眠段階および/または睡眠段階移行を正確に定めることができる。この相補的な手法は、睡眠ポリグラフの可視的分析から得られるものと同様の客観的なヒプノグラムを得る唯一の方法である。

0246

本発明によれば、記録され分類されたデータの活用後に、睡眠の構造および睡眠の質についての全体的な報告を生成するために、生理学的および/または環境データを記録し、計算し、分類することができる。報告には、目覚めている時間、静止している時間、床についている時間、眠っている(asleep)時間、睡眠の効率、眠りに落ちた時間、種々の睡眠段階に費やされた時間および割合、睡眠段階変化の数、動きの数、目覚めた回数などの静的データが含まれる。ある夜の眠りの構造は、必要に応じて、同じ人の以前の記録と比較される。これは、生活環境における変化による睡眠の構造および質における変化を評価するために、または、薬物治療の効果を評価するために、または、時差ぼけなどによる睡眠の修正を経過観察するために行われる。

0247

本発明の別の利点は、環境物理要因が睡眠期間のこれらの要因のありうる変動に関連した睡眠の障害の評価に役立つことである。環境騒音は、睡眠を妨げ、睡眠の長さの短時間化は眠りに落ちる時間の起こりうる遅れ、夜間の目覚めおよび早い最終的な目覚めに起因する。ある場合は、騒音は眠っている人を目覚めさせないが、微小覚醒、睡眠段階変化および心血管の修正を生じさせる。環境温度もまた睡眠の構造および質に強い影響を与えうる。すなわち、高いまたは低い環境温度は、頻繁な目覚め、深睡眠段階およびレム睡眠段階の量の減少、体動の増加を伴う。このような障害は、よく眠れない者が経験する日常的な疲労を説明することができ、夜間の環境に無意識に関係している。これらの全ての影響は本発明のシステムおよび方法によって検出される。睡眠の構造および質についての最終的な報告には、睡眠者を妨げている可能性のある環境要因についての特定の情報を含みうる。

0248

また、睡眠時または睡眠病態における異常なイベントの存在は、しばしば母集団では無視される。本発明のシステムは、生物学的変動から来る情報、および/または、装置により記録された環境要因からくる情報を用いることにより、これらのイベントおよび病態のいくつかを検出できる。

0249

たとえば、いびきおよびこれにしばしば関連する閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、無呼吸の終わりに発生する体動および心拍数の変動により、さらには、いびきおよび最後の喘ぎを検出する騒音記録からも検出される。酸素測定(血液の酸素飽和レベル)および動脈圧の特定の測定は、症状の重症度を評価するため、本発明の特定の記録に容易に関連づけられる。睡眠イベント、たとえば、異常な動き、たとえば、むずむず脚症候群は加速度計により検出可能である。夢中歩行は、環境パラメタにおける上述の修正および刺激の変化により検出可能である。異常な睡眠の長さたとえば不眠症または過睡眠は測定および定量化可能である。ナルコレプシーは覚醒時に生じる突発的な短い睡眠の発症により、および、レム睡眠の開始または進んだ最初のレム睡眠フェーズによっても検出可能である。他の睡眠イベント、たとえば、夜驚症発作および悪夢もまた生物学的および物理的測定の組み合わせにより検出可能である。最後に、システムは神経精神障害の分野においても非常に有用である。実際、いくつかの観察では、睡眠と精神障害との間の重要な関係が示唆されている。神経精神障害に関して、たとえば、主要な気分障害、たとえば、抑鬱、統合失調症加齢変性障害およびパーキンソン病との関係がもっとも明らかである。上述のこれらの障害のほとんどに関して、睡眠はよいバイオマーカーであり、これは薬物治療または心理治療のいずれかの治療効果の、よりよい診断的ならびにより正確な評価および定量化に寄与する。十分興味深いことに、これらの病態において観察される認知障害のいくつかは、睡眠が改善または正常化されると大きく改善されることが、いっそう明白となってきた。

0250

時間生物学的観点から、数日または数週間にわたって本発明によりなされる継続的な記録によって、人の基本的な概日リズムおよび超概日リズムの正常性を評価することもできる。いくつかの病態では、これらのリズムは非常に妨げられ、その正常な状態への回復は病気臨床的進展または所定の治療の効力を高度に表すものとなりうる。

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