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課題

変圧器部品の製造に最適な平鋼製品の製造方法を提供することにある。

解決手段

本発明は、電気技術用部品の製造を意図しかつ最小磁気損の値および磁歪特性を有する方向性平鋼製品の製造方法であって、a)平鋼製品を用意する工程と、b)平鋼製品をレーザ処理する工程とを有し、レーザ処理中に、出力Pを有するレーザビーム源により放出されるレーザビームにより、間隔Lで配置されたリニア変形部が平鋼製品の表面に形成される方向性平鋼製品の製造方法に関する。上記課題は、50Hzの周波数および1.7テスラ分極で、レーザ処理(工程b))の前および後に平鋼製品の見掛け出力S1.7/50が測定されること、およびレーザ処理のパラメータは、レーザ処理の前に測定された見掛け出力S1.7/50とレーザ処理の後に測定された見掛け出力S1.7/50との差が40%より小さくなるように変化されることを特徴とする方向性平鋼製品の製造方法により達成される。

概要

背景

本願で対象とする、技術用語「HGO材料(HGO material, HGO-Material(英、独訳))」として知られた方向性平鋼製品として、「電気鋼ストリップ(electrical steel strips, Elektrobaender(英、独訳))」として知られた鋼ストリップまたは「電気鋼板(electrical steel sheets, Elektrobleche(英、独訳))」として知られた鋼板がある。電気技術部品は、この種の平鋼製品から製造される。

方向性電気鋼ストリップまたは方向性電気鋼板は、特に、再磁化損が極めて小さいことが重要である用途、および透過性または分極に関する要求が高い用途に適している。この種の要求は、特に、電源変圧器配電変圧器および高品質小型変圧器用の部品に生じる。

例えば下記特許文献1に詳細に開示されているように、一般に、平鋼製品の製造中に、最初に、2.5〜4.0重量%のSi、0.010〜0.100重量%のC、0.150重量%までのMn、0.065重量%までのAlおよび0.0150重量%までのN、これに加えて任意であるが、0.010〜0.3重量%のCu、0.060重量%のS、0.100重量%までのP、0.2重量%までのそれぞれAs、Sn、Sb、TeおよびBi、残余の鉄および不可避不純物を含有する鋼が、スラブ薄スラブまたは鋳造ストリップ等の一次材料として鋳造される。この一次材料は、次に、熱間ストリップ熱間圧延すべく、必ず焼きなまし処理を受ける。

巻回後、および任意であるが更に焼きなましを行った後、また同様に任意であるがデスケーリングおよびピックリング処理を行った後、冷間ストリップが複数の工程で熱間ストリップから圧延される。この場合、必要ならば冷間圧延工程同士の間に中間焼きなましを行うこともできる。この結果行われる脱炭焼きなましにおいて、冷間ストリップの炭素含有量は、磁気枯れを回避するため、通常かなり低減される。

脱炭焼きなまし後、ストリップの表面にはアニーリングセパレータ(一般に、MgO)が塗布される。アニーリングセパレータは、次の高温アニーリングにおいて冷間ストリップの巻回体が互いにくっ付かないように防止する。不活性ガス中のベル炉内で一般に行われる高温焼きなまし中に、選択的結晶粒成長の結果として、冷間ストリップに集合組織(texture, Textur(英、独訳))が生じる。また、ストリップの表面上には、「ガラスフィルム(glass film, Glasfilm(英、独訳))」として知られているフォルステライト層が形成される。更に、高温焼きなまし中に行われる拡散処理により鋼材料浄化される。

このようにして得られた平鋼製品は、高温焼きなましの後、絶縁層コーティングされ、加熱歪み取りが行われ、かつ次の「最終アニーリング」において応力弛緩焼きなましが行われる。この最終アニーリングは、上記方法で作られた平鋼製品のアセンブリの前または後で行われ、更なる処理を必要とするブランクを形成する。ここで、分割工程中に生じた付加応力は、ブランクの分割後の最終焼きなましにより弛緩される。このようにして作られる平鋼製品は、一般に0.15mm〜0.5mmの厚さを有する。

材料の冶金学的特性、平鋼製品を製造するときに定められる冷間圧延加工変更度合い、および熱間処理工程のパラメータは、目標とする再結晶化が生じるように互いに適合される。これらの再結晶化処理により、材料にとって一般的な「ゴス組織(Goss-texture, Goss-Textur(英、独訳))」が生じる。この場合、最も容易な磁化性の方向は、完成したストリップの圧延方向にある。したがって、方向性平鋼製品は、強い異方性磁気挙動を有する。

方向性平鋼製品の磁化損を改善する種々の方法がある。例えば、平鋼製品のゴス組織の方向鮮鋭度(orientation sharpness, Orientierungsschaerfe(英、独訳))を改善できる。180°分域壁(domain walls, Domaenenwaende(英、独訳))同士の距離を縮小することにより、損失の更なる低減を達成できる。圧延方向の高い引っ張り応力(これは、鋼の表面の絶縁層を介して伝達される)も、分域間の距離の縮小、したがって、再磁化損の低減に寄与する。しかしながら、必要な引っ張り応力値は、一定範囲の技術的理由により実現されるに過ぎない。

例えば下記特許文献2および3において示唆された、損失を低減させる他の可能性は、平鋼製品の表面に部分塑性変形を発生できることである。これは、例えば、関連する平鋼製品の表面の機械スクラッチングまたは穿刺により達成できる。この方法で達成される磁気特性の大きな改善は、表面の機械的処理により、平鋼製品に塗布された絶縁層が損傷を受けるという欠点を有する。この欠点により、例えばこの種の平鋼製品から変圧器鋼板を製造する場合に、変圧器の積層鉄心短絡および局部的腐食が引き起こされる。

絶縁層を破壊することなく機械的スクラッチングまたは穿刺の長所を利用する試みは、レーザ源の使用に焦点を有している(下記特許文献4、5および6参照)。レーザの使用に基づいた方法の共通事項は、レーザビームが、処理すべき平鋼製品の表面上に合焦し、基礎材料に熱張力を発生させることである。これにより、磁気フローの成分が平鋼製品の表面から逃げる位置の移動がもたらされる。これにより、迷走磁界エネルギが局部的に増大し、これを補償するため「最終磁区(final domains, Abschlussdomaenen(英、独訳))」が形成され、これは「二次構造(secondary structures, Sekundaerstrukturen(英、独訳))」としても知られている。同時に、主磁区同士の距離が減少する。

異常な再磁化損は主磁区同士の距離に基づいて定まるので、損失は、適当なレーザ処理により最小になる。レーザ処理は、非処理状態と比較して10%以上大きい0.23mmの一般的な公称厚さを有する方向性平鋼製品の再磁化損を改善するのに使用できる。損失の改善は、結晶粒サイズおよび組織の鮮鋭度等の基礎材料の特性、およびレーザパラメータの両方に基づいており、レーザパラメータには、各平鋼製品上でレーザビームが案内されるラインの間隔、滞留時間tdwellおよび比エネルギ密度Usが含まれる。これらのパラメータの協働作用は、各場合に達成される再磁化損の低減に決定的な影響を及ぼす。

再磁化損に加え、ノイズの発生も変圧器に重要な役割を演じる。これは、磁歪として知られる物理的効果に基づいている。

磁歪は、強磁性材料の磁化方向の長さ変化である。例えば変圧器のような強磁性コンポーネント交流磁界内で作動させると、180°主磁区をシフトさせるが、これだけでは磁歪に寄与しない。しかしながら、180°主磁区から90°最終磁区への移行時に、材料内に磁歪張力が発生する。交流磁界内で作動するときには、これらはノイズ源となり、変圧器にノイズを発生させる。

レーザ処理により付加90°最終磁区すなわち二次構造を導入すると、一般に、磁歪を増大させ、したがって特に変圧器の作動時にノイズを発生させる。

変圧器の作動時のノイズ発生を最小にする要望絶えず増大している。これは、一方では、引き続き厳格化されている法的ガイドラインおよび基準によるものである。他方では、一般に消費者が、もはや、変圧器からの可聴バズうなり音)を発生する電気器具受け入れないことによる。したがって、住宅地域の近傍で大型変圧器許容されるか否かは、この種の変圧器の作動中に生じるノイズ発生に大きく左右される。

多くの処理方法が示唆されており、これらによれば、適当なプロセスパラメータを選択することにより、損失の改善および磁歪特性の改善の両方を達成できる(例えば、下記特許文献7、8、9および10参照)。しかしながら、レーザ処理のパラメータの最適化は、再磁化損の改善の観点からのみ行われていた。

概要

変圧器の部品の製造に最適な平鋼製品の製造方法を提供することにある。本発明は、電気技術用部品の製造を意しかつ最小磁気損の値および磁歪特性を有する方向性平鋼製品の製造方法であって、a)平鋼製品を用意する工程と、b)平鋼製品をレーザ処理する工程とを有し、レーザ処理中に、出力Pを有するレーザビーム源により放出されるレーザビームにより、間隔Lで配置されたリニア変形部が平鋼製品の表面に形成される方向性平鋼製品の製造方法に関する。上記課題は、50Hzの周波数および1.7テスラの分極で、レーザ処理(工程b))の前および後に平鋼製品の見掛け出力S1.7/50が測定されること、およびレーザ処理のパラメータは、レーザ処理の前に測定された見掛け出力S1.7/50とレーザ処理の後に測定された見掛け出力S1.7/50との差が40%より小さくなるように変化されることを特徴とする方向性平鋼製品の製造方法により達成される。なし

目的

本発明の目的は、変圧器の部品の製造に最適な平鋼製品の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

電気技術部品の製造を意図しかつ最小磁気損の値および最適の磁歪特性を有する方向性平鋼製品の製造方法であって、a)平鋼製品を用意する工程と、b)平鋼製品をレーザ処理する工程とを有し、レーザ処理中に、出力Pを有するレーザビーム源により放出されるレーザビームにより、間隔Lで配置されたリニア変形部が平鋼製品の表面に形成される方向性平鋼製品の製造方法において、50Hzの周波数および1.7テスラ分極で、レーザ処理(工程b))の前および後に平鋼製品の見掛け出力S1.7/50が測定されること、およびレーザ処理のパラメータは、レーザ処理の前に測定された見掛け出力S1.7/50とレーザ処理の後に測定された見掛け出力S1.7/50との差が40%より小さくなるように変化されることを特徴とする方向性平鋼製品の製造方法。

請求項2

前記レーザ処理は連続的に行われることを特徴とする請求項1記載の方向性平鋼製品の製造方法。

請求項3

連続作業で行われるレーザ処理の前および後のそれぞれの見掛け出力S1.7/50は、オンラインで測定され、レーザ処理のパラメータは、見掛け出力S1.7/50同士の差に基づいてオンラインで変化されることを特徴とする請求項1または2記載の方向性平鋼製品の製造方法。

請求項4

前記平鋼製品のサンプルは或る間隔で採取され、レーザ処理の前または後のこれらの各サンプルの見掛け出力S1.7/50が決定され、レーザ処理のパラメータはこれらの測定の結果に基づいて変えられることを特徴とする請求項1または2記載の方向性平鋼製品の製造方法。

請求項5

前記リニア変形部同士の間隔L、レーザビームの滞留時間tdwell、比エネルギ密度Us、レーザ出力P、焦点サイズΔsまたはスキャン速度vscanは、レーザ処理のパラメータとして変化されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の方向性平鋼製品の製造方法。

請求項6

前記リニア変形部同士の間隔Lは、2〜10mmの範囲内で変化されることを特徴とする請求項5記載の方向性平鋼製品の製造方法。

請求項7

前記リニア変形部同士の間隔Lは、4〜7mmの範囲内で変化されることを特徴とする請求項6記載の方向性平鋼製品の製造方法。

請求項8

前記レーザビームの滞留時間tdwellは、1×10-5秒〜2×10-4秒の範囲内で変化されることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項記載の方向性平鋼製品の製造方法。

請求項9

前記レーザ源としてファイバレーザが使用され、出力Pは200〜3000Wの範囲内で変化されることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項記載の方向性平鋼製品の製造方法。

請求項10

前記レーザ源としてCO2レーザが使用され、出力Pは1000〜5000Wの範囲内で変化されることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項記載の方向性平鋼製品の製造方法。

請求項11

前記平鋼製品は絶縁層コーティングされることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項記載の方向性平鋼製品の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、最小磁気損値および最適磁歪特性を有する方向性(grain-oriented, kornorientierten(英、独訳))平鋼製品の製造方法に関する。

背景技術

0002

本願で対象とする、技術用語「HGO材料(HGO material, HGO-Material(英、独訳))」として知られた方向性平鋼製品として、「電気鋼ストリップ(electrical steel strips, Elektrobaender(英、独訳))」として知られた鋼ストリップまたは「電気鋼板(electrical steel sheets, Elektrobleche(英、独訳))」として知られた鋼板がある。電気技術部品は、この種の平鋼製品から製造される。

0003

方向性電気鋼ストリップまたは方向性電気鋼板は、特に、再磁化損が極めて小さいことが重要である用途、および透過性または分極に関する要求が高い用途に適している。この種の要求は、特に、電源変圧器配電変圧器および高品質小型変圧器用の部品に生じる。

0004

例えば下記特許文献1に詳細に開示されているように、一般に、平鋼製品の製造中に、最初に、2.5〜4.0重量%のSi、0.010〜0.100重量%のC、0.150重量%までのMn、0.065重量%までのAlおよび0.0150重量%までのN、これに加えて任意であるが、0.010〜0.3重量%のCu、0.060重量%のS、0.100重量%までのP、0.2重量%までのそれぞれAs、Sn、Sb、TeおよびBi、残余の鉄および不可避不純物を含有する鋼が、スラブ薄スラブまたは鋳造ストリップ等の一次材料として鋳造される。この一次材料は、次に、熱間ストリップ熱間圧延すべく、必ず焼きなまし処理を受ける。

0005

巻回後、および任意であるが更に焼きなましを行った後、また同様に任意であるがデスケーリングおよびピックリング処理を行った後、冷間ストリップが複数の工程で熱間ストリップから圧延される。この場合、必要ならば冷間圧延工程同士の間に中間焼きなましを行うこともできる。この結果行われる脱炭焼きなましにおいて、冷間ストリップの炭素含有量は、磁気枯れを回避するため、通常かなり低減される。

0006

脱炭焼きなまし後、ストリップの表面にはアニーリングセパレータ(一般に、MgO)が塗布される。アニーリングセパレータは、次の高温アニーリングにおいて冷間ストリップの巻回体が互いにくっ付かないように防止する。不活性ガス中のベル炉内で一般に行われる高温焼きなまし中に、選択的結晶粒成長の結果として、冷間ストリップに集合組織(texture, Textur(英、独訳))が生じる。また、ストリップの表面上には、「ガラスフィルム(glass film, Glasfilm(英、独訳))」として知られているフォルステライト層が形成される。更に、高温焼きなまし中に行われる拡散処理により鋼材料浄化される。

0007

このようにして得られた平鋼製品は、高温焼きなましの後、絶縁層コーティングされ、加熱歪み取りが行われ、かつ次の「最終アニーリング」において応力弛緩焼きなましが行われる。この最終アニーリングは、上記方法で作られた平鋼製品のアセンブリの前または後で行われ、更なる処理を必要とするブランクを形成する。ここで、分割工程中に生じた付加応力は、ブランクの分割後の最終焼きなましにより弛緩される。このようにして作られる平鋼製品は、一般に0.15mm〜0.5mmの厚さを有する。

0008

材料の冶金学的特性、平鋼製品を製造するときに定められる冷間圧延加工変更度合い、および熱間処理工程のパラメータは、目標とする再結晶化が生じるように互いに適合される。これらの再結晶化処理により、材料にとって一般的な「ゴス組織(Goss-texture, Goss-Textur(英、独訳))」が生じる。この場合、最も容易な磁化性の方向は、完成したストリップの圧延方向にある。したがって、方向性平鋼製品は、強い異方性磁気挙動を有する。

0009

方向性平鋼製品の磁化損を改善する種々の方法がある。例えば、平鋼製品のゴス組織の方向鮮鋭度(orientation sharpness, Orientierungsschaerfe(英、独訳))を改善できる。180°分域壁(domain walls, Domaenenwaende(英、独訳))同士の距離を縮小することにより、損失の更なる低減を達成できる。圧延方向の高い引っ張り応力(これは、鋼の表面の絶縁層を介して伝達される)も、分域間の距離の縮小、したがって、再磁化損の低減に寄与する。しかしながら、必要な引っ張り応力値は、一定範囲の技術的理由により実現されるに過ぎない。

0010

例えば下記特許文献2および3において示唆された、損失を低減させる他の可能性は、平鋼製品の表面に部分塑性変形を発生できることである。これは、例えば、関連する平鋼製品の表面の機械スクラッチングまたは穿刺により達成できる。この方法で達成される磁気特性の大きな改善は、表面の機械的処理により、平鋼製品に塗布された絶縁層が損傷を受けるという欠点を有する。この欠点により、例えばこの種の平鋼製品から変圧器鋼板を製造する場合に、変圧器の積層鉄心短絡および局部的腐食が引き起こされる。

0011

絶縁層を破壊することなく機械的スクラッチングまたは穿刺の長所を利用する試みは、レーザ源の使用に焦点を有している(下記特許文献4、5および6参照)。レーザの使用に基づいた方法の共通事項は、レーザビームが、処理すべき平鋼製品の表面上に合焦し、基礎材料に熱張力を発生させることである。これにより、磁気フローの成分が平鋼製品の表面から逃げる位置の移動がもたらされる。これにより、迷走磁界エネルギが局部的に増大し、これを補償するため「最終磁区(final domains, Abschlussdomaenen(英、独訳))」が形成され、これは「二次構造(secondary structures, Sekundaerstrukturen(英、独訳))」としても知られている。同時に、主磁区同士の距離が減少する。

0012

異常な再磁化損は主磁区同士の距離に基づいて定まるので、損失は、適当なレーザ処理により最小になる。レーザ処理は、非処理状態と比較して10%以上大きい0.23mmの一般的な公称厚さを有する方向性平鋼製品の再磁化損を改善するのに使用できる。損失の改善は、結晶粒サイズおよび組織の鮮鋭度等の基礎材料の特性、およびレーザパラメータの両方に基づいており、レーザパラメータには、各平鋼製品上でレーザビームが案内されるラインの間隔、滞留時間tdwellおよび比エネルギ密度Usが含まれる。これらのパラメータの協働作用は、各場合に達成される再磁化損の低減に決定的な影響を及ぼす。

0013

再磁化損に加え、ノイズの発生も変圧器に重要な役割を演じる。これは、磁歪として知られる物理的効果に基づいている。

0014

磁歪は、強磁性材料の磁化方向の長さ変化である。例えば変圧器のような強磁性コンポーネント交流磁界内で作動させると、180°主磁区をシフトさせるが、これだけでは磁歪に寄与しない。しかしながら、180°主磁区から90°最終磁区への移行時に、材料内に磁歪張力が発生する。交流磁界内で作動するときには、これらはノイズ源となり、変圧器にノイズを発生させる。

0015

レーザ処理により付加90°最終磁区すなわち二次構造を導入すると、一般に、磁歪を増大させ、したがって特に変圧器の作動時にノイズを発生させる。

0016

変圧器の作動時のノイズ発生を最小にする要望絶えず増大している。これは、一方では、引き続き厳格化されている法的ガイドラインおよび基準によるものである。他方では、一般に消費者が、もはや、変圧器からの可聴バズうなり音)を発生する電気器具受け入れないことによる。したがって、住宅地域の近傍で大型変圧器許容されるか否かは、この種の変圧器の作動中に生じるノイズ発生に大きく左右される。

0017

多くの処理方法が示唆されており、これらによれば、適当なプロセスパラメータを選択することにより、損失の改善および磁歪特性の改善の両方を達成できる(例えば、下記特許文献7、8、9および10参照)。しかしながら、レーザ処理のパラメータの最適化は、再磁化損の改善の観点からのみ行われていた。

0018

欧州特許第1 025 268(B1)号明細書
独国特許出願公告第18 04 208(B1)号明細書
欧州特許出願公告第0 409 389(A2)号明細書
欧州特許第0 008 385(B1)号明細書
欧州特許第0 100 638(B1)号明細書
欧州特許出願公開第1 607 487(A1)号明細書
独国特許第601 12 357(T2)号明細書/欧州特許第1 154 025 (B1)号明細書
独国特許第698 35 923(T2)号明細書/欧州特許第0 897 016 (B1)号明細書
欧州特許出願公開第2 006 397(A1)号明細書
欧州特許出願公開第1 607 487(A1)号明細書

先行技術

0019

IEC-TechnicalReport IEC 62581 TR
E. Reiplinger著「変圧器ノイズに関する方向性変圧器用薄板の評価(assessmentof grain-oriented transformer sheets with respect to transformer noise)」(Journal of Magnetism and Magnetic Materials 21巻(1980年)、第257〜261頁)

発明が解決しようとする課題

0020

上記従来技術の背景から、本発明の目的は、変圧器の部品の製造に最適な平鋼製品の製造方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0021

上記目的は、平鋼製品の製造に関し、本発明の特許請求の範囲の請求項1に記載の作業工程を実施することにより達成される。

0022

本発明の有利な実施形態は、特許請求の範囲の実施態様項に記載されており、本発明の広い概念とともに以下に詳細に説明する。

0023

上記従来技術にしたがって、最小磁気損の値および最適化された磁歪特性を有する方向性平鋼製品の本発明による製造方法は、
a)平鋼製品を用意する工程と、
b)平鋼製品をレーザ処理する工程とを有し、レーザ処理中に、出力Pを有するレーザビーム源により放出されるレーザビームにより、間隔Lで配置されたリニア変形部が平鋼製品の表面に形成される。

0024

作業工程a)にしたがって得られる平鋼製品の製造方法に関しては、特別な条件はない。このようにして、本発明による方法で製造される平鋼製品は、当業者により知られかつ冒頭で要約した手段、およびこれも従来技術から充分に知られている適当な基礎鋼合金を用いて製造できる。もちろん、未だ知られていない製造方法および合金を含むものである。

0025

ここで本発明によれば、レーザ処理(作業工程b))のパラメータは、本発明により製造される平鋼製品が最小の再磁化損を有するだけでなく、レーザ処理後に与えられる見掛け出力S1.7/50 NACHも最適化されるように定められる。

0026

この目的のため、本発明によれば、レーザビームで処理すべき平鋼製品の、50Hzの周波数および1.7テスラの分極で放出される見掛け出力S1.7/50が、レーザ処理(工程b))の前および後に測定される。

0027

次に、レーザ処理の前に測定された見掛け出力S1.7/50VORと、レーザ処理の後処理に測定された見掛け出力S1.7/50 NACHとの差に基づいて、レーザ処理のパラメータは、レーザ処理の前および後に測定された見掛け出力S1.7/50の差が40%より小さくなるように変化される。

0028

したがって本発明によれば、レーザ処理のパラメータは、レーザ処理後に測定された見掛け出力S1.7/50 NACHが下記条件すなわち、



を満たすようにレーザ処理のパラメータを定めることにより、レーザ処理中に定められる、本発明により製造される平鋼製品の見掛け出力S1.7/50の増大が制限されるように定められる。

0029

レーザ処理により引き起こされる見掛け出力の増大は、本発明により、レーザ処理後の見掛け出力が、レーザ処理前の同じワークでの値と比較して40%を越えて増大しないように制限される。

0030

したがって、本発明は、変圧器の設計において、一般に、処理される各平鋼製品の再磁化損に焦点を当てるのではなく、むしろ見掛け出力に焦点を当てることを考慮に入れた。本発明によれば、レーザ処理のパラメータは、再磁化損に関して最適化されるだけでなく、同じ分極での見掛け出力に関しても最適化される。

0031

したがって、本発明による方法の要旨は、再磁化損P1.7/50および見掛け出力S1.7/50の最小化に関するレーザパラメータの最適化にある。見掛け出力を最小にすることによって、ノイズの増大も最小化される。このことは、レーザ処理は、主として主磁区を精製することを意味する。これは、損失の所望の最小化をもたらすが、本発明によるレーザ処理の最適化の結果として、できる限り小さい見掛け出力に関する二次磁気構造により、比較的小さい体積レベルの増大をも達成できる。

0032

実際に、電気鋼板または鋼板セクションをレーザ処理することが考えられる。ストリップ材料として存在する平鋼製品を、レーザ処理を連続的に行うように加工するのが特に実用的であることが証明されている。

0033

連続レーザ処理の前および後の適切な見掛け出力S1.7/50がオンラインで測定されかつレーザ処理のパラメータが、測定された見掛け出力S1.7/50同士の差に基づいて変化されるならば、レーザ処理の結果に対する変化を特に迅速に反映させることができる。

0034

しかしながら、レーザ処理の前および後の見掛け出力を測定しかつ時間とは別のレーザパラメータを較正することもできる。このために、平鋼製品のサンプルを或る間隔で採取し、レーザ処理の前および後のこれらの各サンプルの見掛け出力S1.7/50を測定し、かつレーザ処理のパラメータをこれらの測定値結果に基づいて変えることができる。この設計は、本発明による方法を、関連する加工工学および測定技術を用いて実施することを可能にする。

0035

レーザ処理の結果を最適化すべく変化させることができるパラメータとして、例えば、リニア変形部同士の間隔L、レーザビームの滞留時間tdwell、比エネルギ密度Us、レーザ出力P、焦点サイズΔsおよびスキャン速度vscanがある。

0036

実際の試験によれば、最適見掛け出力S1.7/50を達成するには、リニア変形部同士の間隔Lを、2〜10mm、より詳しくは4〜7mmの範囲内で変化させるのが好ましいことが証明されている。

0037

レーザ処理の結果として生じる見掛け出力S1.7/50の変化の最小化は、オンラインで測定され、レーザ処理のパラメータは、レーザビームの滞留時間tdwellを、1×10-5秒〜2×10-4秒の範囲内で変化させることにより達成できる。

0038

レーザ処理の結果として生じる見掛け出力S1.7/50の変化を最小にするため、レーザ源としてファイバレーザを使用する場合には、レーザ出力Pは、現に利用できるファイバレーザにおいて200〜3000Wの範囲内で変化される。ファイバレーザは、レーザビームの焦点を小さくできるという特別な長所を有している。これにより、ファイバレーザでは、により20μmより小さいトラック幅を達成できる。

0039

しかしながら、本発明の方法を実施する場合に、レーザ源としてCO2レーザを使用することもできる。現に利用できるCO2レーザでは、レーザビームの焦点を非常に小さくすることはできないので、レーザ処理の結果として生じる見掛け出力S1.7/50の変化を最小にする目的で、1000〜5000Wの範囲内のレーザ出力Pの変化が必要とされる。

0040

もちろん、本発明による方法は、少なくとも1つの絶縁層がコーティングされた種類の平鋼製品で実施するのが好ましい。これに加え、例えば、絶縁層と平鋼製品の鋼基板との間に、ガラスまたはフォルステライトの層を配置することもできる。

0041

本発明による方法の以下の例は、本発明の効果の証拠として考察されたい。

図面の簡単な説明

0042

再磁化損ΔP1.7/50の改善および見掛け出力ΔS1.7/50の変化を、レーザトラックの間隔Lに亘って拡大して示すグラフである。
測定した長さの変化から計算したノイズNを、分極Jの関数として示すグラフである。

実施例

0043

系統的試験の一部として、作動レーザ器械の種々のパラメータは、1kWのマルチモードファイバレーザにより変化される。最適化すべきパラメータは、レーザラインの間隔L、レーザ出力P、焦点サイズΔs、およびスキャン速度vscanである。

0044

実験マトリックス実験的評価によれば、再磁化損に明らかな改善をもたらす上記パラメータは、同時に、見掛け出力にも劇的変化をもたらすことが証明されている。

0045

一例として、図1は、レーザトラック同士の間隔Lに対する再磁化損ΔP1.7/50の改善(黒四角形プロットで示す)および見掛け出力の変化ΔS1.7/50(白抜き丸のプロットで示す)を示すものである。レーザ照射前の状態、すなわちレーザ処理前の状態(作業工程b))と比較した出力損P1.7/50の変化ΔP1.7/50および見掛け出力S1.7/50の変化ΔS1.7/50が、基準値として与えられる。

0046

焦点サイズΔsおよびスキャン速度vscan、すなわちレーザ移動速度を変えることにより、ストリップ材料として存在する平鋼製品の表面上でのレーザビームの異なる長さの滞留時間tdwellが生じる。tdwellと、Δsと、vscanとの間の関係は、次式で表わされる。

0047

1×10-5秒から2×10-4までの滞留時間のスパンは、異なる大きさの見掛け出力の変化ΔS1.7/50を有する同じレベルの再磁化損P1.7/50の改善が見られる或る範囲を形成する。見掛け出力の最小変化ΔS1.7/50により、関連する処理すべき平鋼製品の最適ノイズ挙動が得られることが証明されている。

0048

次の例は、再磁化損P1.7/50および見掛け出力S1.7/50に与える滞留時間tdwellの影響を示す。

0049

0.23mmの厚さを有する鋼ストリップをレーザで処理した。滞留時間tdwellは、上記説明に基づいて変化させた。

0050

磁気パラメータの測定後に得られた再磁化損P1.7/50および見掛け出力S1.7/50のそれぞれの変化ΔP1.7/50およびΔS1.7/50が、下記表1に要約されている。

0051

0052

サンプルは、磁歪特性および該磁歪特性から計算される作動中に期待されるノイズに関して下記のように試験される。磁歪測定からノイズを計算するため、上記非特許文献1および2の両方に開示された方法を使用した。

0053

図2は、分極Jの関数として測定される長さの変化から計算されたノイズNを示す。

0054

図2連続曲線は、レーザ処理前の基準状態(レーザ処理を行わない基準状態)を示すものであり、この曲線基礎を形成する測定値は、黒円形でプロットされている。

0055

図2破線(白抜き四角形でプロットした測定値)は、レーザ処理中のノイズの発生を示し、このノイズの発生は、見掛け出力S1.7/50に+70%の変化をもたらす。

0056

図2において白抜き三角形でプロットした測定値を示す細かい破線は、レーザ処理中のノイズの発生を示し、このノイズの発生は、見掛け出力S1.7/50に+46%の変化をもたらす。

0057

図2において白抜き丸でプロットした測定値を示す破線は、レーザ処理中のノイズの発生を示し、この場合、レーザ処理のパラメータは、本発明にしたがって、見掛け出力S1.7/50の変化が+18%に制限されるように選択される。

0058

レーザ処理により達成される出力損P1.7/50の変化ΔP1.7/50は、レーザ処理前の初期状態と比較して、各場合において−13%であった。

0059

したがって、本発明により達成される見掛け出力の最適化された変化(ΔS=+18%)を用いて計算されたノイズは、常に最初のノイズより小さい。

0060

しかしながら、損失の同等の改善に見掛け出力を考慮に入れない場合には、1.1〜1.5dBのノイズの増大が見られる。

0061

したがって図2から、例えば1.7テスラでの変圧器の高変調では、本発明により処理された平鋼製品と慣用方法で処理された平鋼製品との間のノイズ発生の差は極く僅かであるといえる。しかしながら、これらは、ここでは依然として系統的に与えられたものである。これに加え、これらの差は、変圧器の低変調では、すなわち低磁気分極では非常に明白である。

0062

本発明によるレーザパラメータは、レーザ処理の前および後に測定した見掛けS1.7/50の差が40%より小さくなるように最適化されるので、一方では出力損P1.7/50の有効な最小化を達成でき、他方では作動中のノイズ発生も最小化できる。レーザ処理の前および後に測定した見掛け出力S1.7/50の値の本発明により行われる比較が、連続ストリップのオンラインで行われるか、時間的に別々に生じるキャブレーションの一部として行われるかとは無関係である。

0063

J分極
Lレーザラインの間隔
Nノイズ
Pレーザ出力
P1.7/50再磁化損
Δs焦点サイズ
S1.7/50見掛け出力
tdwell滞留時間
vscanスキャン速度

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