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課題・解決手段

化合物に対する、耐性などの応答予測するためのバイオマーカーとしてのホスホAktの使用であって、ここで、ホスホAktが、一つまたは複数の残基上でリン酸化されているAktであり、但し、Akt1、Akt2、およびAkt3について、ホスホAktと言う名称は、それぞれT308、T309またはT305以外の部位でのリン酸化を示すために使用され、ここで、その化合物は、一般式I[式中、Rは、フェニルチエニルまたはピリジニルを表し、ここで、フェニルは、アルキルハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシアミノモノアルキルアミノジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニルカルボキシ、低級アルコキシカルボニルシアノ、ハロゲン、およびニトロより独立して選択される1または2個の置換基によって場合により置換されており;ここで、2個の隣接する置換基は、メチレンジオキシであり;ここで、ピリジニルは、低級アルコキシ、アミノまたはハロゲンによって場合により置換されており;Xは、基C=Yを表し(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくは低級アルコキシによって置換された窒素を表す);R1は、水素、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ低級アルキルまたはシアノ低級アルキルを表し;R2、R3およびR6は、水素を表し;R4およびR5は、互いに独立して、水素、低級アルキルもしくは低級アルコキシを表すか;または、R4とR5は、一緒になってメチレンジオキシを表す;あるいは式中、Rは、フェニルまたはピリジニルを表し、ここで、フェニルは、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ホルミル、シアノ、ハロゲン、およびニトロより独立して選択される1または2個の置換基によって場合により置換されており;ここで、2個の隣接する置換基は、メチレンジオキシであり;ここで、ピリジニルは、低級アルコキシ、アミノまたはハロゲンによって場合により置換されており;Xは、酸素を表し;R1は、水素、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ低級アルキルまたはシアノ低級アルキルを表し;R2、R3およびR6は、水素を表し;R4およびR5は、互いに独立して、水素、低級アルキルもしくは低級アルコキシを表すか;または、R4とR5は、一緒になってメチレンジオキシを表す]で示される化合物および薬学的に許容されうるその誘導体である、使用。これらの化合物を用いた腫瘍性疾患および自己免疫疾患処置方法も開示される。

概要

背景

概要

化合物に対する、耐性などの応答予測するためのバイオマーカーとしてのホスホAktの使用であって、ここで、ホスホAktが、一つまたは複数の残基上でリン酸化されているAktであり、但し、Akt1、Akt2、およびAkt3について、ホスホAktと言う名称は、それぞれT308、T309またはT305以外の部位でのリン酸化を示すために使用され、ここで、その化合物は、一般式I[式中、Rは、フェニルチエニルまたはピリジニルを表し、ここで、フェニルは、アルキルハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシアミノモノアルキルアミノジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニルカルボキシ、低級アルコキシカルボニルシアノ、ハロゲン、およびニトロより独立して選択される1または2個の置換基によって場合により置換されており;ここで、2個の隣接する置換基は、メチレンジオキシであり;ここで、ピリジニルは、低級アルコキシ、アミノまたはハロゲンによって場合により置換されており;Xは、基C=Yを表し(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくは低級アルコキシによって置換された窒素を表す);R1は、水素、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ低級アルキルまたはシアノ低級アルキルを表し;R2、R3およびR6は、水素を表し;R4およびR5は、互いに独立して、水素、低級アルキルもしくは低級アルコキシを表すか;または、R4とR5は、一緒になってメチレンジオキシを表す;あるいは式中、Rは、フェニルまたはピリジニルを表し、ここで、フェニルは、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ホルミル、シアノ、ハロゲン、およびニトロより独立して選択される1または2個の置換基によって場合により置換されており;ここで、2個の隣接する置換基は、メチレンジオキシであり;ここで、ピリジニルは、低級アルコキシ、アミノまたはハロゲンによって場合により置換されており;Xは、酸素を表し;R1は、水素、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ低級アルキルまたはシアノ低級アルキルを表し;R2、R3およびR6は、水素を表し;R4およびR5は、互いに独立して、水素、低級アルキルもしくは低級アルコキシを表すか;または、R4とR5は、一緒になってメチレンジオキシを表す]で示される化合物および薬学的に許容されうるその誘導体である、使用。これらの化合物を用いた腫瘍性疾患および自己免疫疾患処置方法も開示される。

目的

本発明の目的は、式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体に対する応答に関連する因子を同定すること、例えば、下記に同地の一般式Iで示される化合物、特にBAL27862または薬学的に許容されうるその誘導体に対する耐性に関連する因子を同定することである

効果

実績

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請求項1

化合物に対する応答予測するためのバイオマーカーとしてのホスホAktの使用であって、ここで、ホスホAktが、一つまたは複数の残基でリン酸化されているAktであり、但し、名称ホスホAktは、Akt1、Akt2、およびAkt3について、それぞれT308、T309またはT305以外の部位でのリン酸化を示すために使用され、ここで、該化合物は、一般式I[式中、Rは、フェニルチエニルまたはピリジニルを表し、ここで、フェニルは、アルキルハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシアミノモノアルキルアミノジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、該窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニルカルボキシ、低級アルコキシカルボニルシアノ、ハロゲン、およびニトロより独立して選択される1または2個の置換基によって場合により置換されており;ここで、2個の隣接する置換基は、メチレンジオキシであり;ここで、ピリジニルは、低級アルコキシ、アミノまたはハロゲンによって場合により置換されており;Xは、基C=Yを表し(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくは低級アルコキシによって置換された窒素を表す);R1は、水素、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ低級アルキルまたはシアノ低級アルキルを表し;R2、R3およびR6は、水素を表し;R4およびR5は、互いに独立して、水素、低級アルキルもしくは低級アルコキシを表すか;または、R4とR5は、一緒になってメチレンジオキシを表す]で示される化合物および薬学的に許容されうるその誘導体、あるいは[式中、Rは、フェニルまたはピリジニルを表し、ここで、フェニルは、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、該窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ホルミル、シアノ、ハロゲン、およびニトロより独立して選択される1または2個の置換基によって場合により置換されており;ここで、2個の隣接する置換基は、メチレンジオキシであり;ここで、ピリジニルは、低級アルコキシ、アミノまたはハロゲンによって場合により置換されており;Xは、酸素を表し;R1は、水素、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ低級アルキルまたはシアノ低級アルキルを表し;R2、R3およびR6は、水素を表し;R4およびR5は、互いに独立して、水素、低級アルキルもしくは低級アルコキシを表すか;または、R4とR5は一緒になってメチレンジオキシを表す]で示される化合物および薬学的に許容されうるその誘導体であり、ここで、接頭辞「低級」は、炭素原子を最大7個、特に最大4個有する基を意味する、使用。

請求項2

応答が、対象における疾患の応答であり、バイオマーカーであるホスホAktが、ヒトまたは動物の体から採取された、好ましくはヒトの体から採取された一つまたは複数の試料においてエキソビボで測定される、請求項1記載の使用。

請求項3

化合物が、一般式I[式中、Rは、フェニルまたはピリジニルを表し、ここで、フェニルは、低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、アセチルアミノ、ハロゲンおよびニトロより独立して選択される1または2個の置換基によって場合により置換されており;ここで、ピリジニルは、アミノまたはハロゲンによって場合により置換されており;Xは、基C=Oを表し;R1は、水素またはシアノ低級アルキルを表し;R2、R3、R4、R5およびR6は、水素を表す]で示される化合物および薬学的に許容されうるその誘導体であり、ここで、接頭辞「低級」は、炭素原子を最大7個、特に最大4個有する基を意味する、請求項1または2記載の使用。

請求項4

化合物が、次式[式中、R、YおよびR1は、以下のように定義される]または薬学的に許容されうるその誘導体によって表される、請求項1〜3のいずれか一項記載の使用。

請求項5

化合物が、または薬学的に許容されうるその誘導体である、請求項1〜4のいずれか一項記載の使用。

請求項6

薬学的に許容されうる誘導体が、請求項1〜5のいずれか一項と同義の一般式Iで示される化合物の塩、溶媒和物プロドラッグ、プロドラッグの塩、多形および異性体から成る群より選択される、請求項1〜5のいずれか一項記載の使用。

請求項7

プロドラッグが、請求項1〜5のいずれか一項と同義の一般式Iで示される化合物のR基内に存在するアミノ基と、グリシンアラニンまたはリシンカルボキシ基とから形成されるアミドである、請求項6記載の使用。

請求項8

化合物が、または薬学的に許容されうるその塩、好ましくはその塩酸塩、最も好ましくはその二塩酸塩である、請求項1〜7のいずれか一項記載の使用。

請求項9

化合物に対する対象における疾患の耐性を予測するための、請求項1〜8のいずれか一項記載の使用。

請求項10

ホスホAktが、以下のセリン残基上でリン酸化されているAktである、請求項1〜9のいずれか一項記載の使用:Akt1について:S473;Akt2について:S474;およびAkt3について:S472。

請求項11

疾患が、乳ガン前立腺ガン子宮頸ガン卵巣ガン胃ガン結腸直腸ガン膵臓ガン肝臓ガン悪性脳腫瘍神経内分泌ガン、ガン、腎臓ガン、血液悪性腫瘍メラノーマおよび肉腫から成る群より選択され、好ましくは、ガンが、乳ガン、子宮頸ガン、胃ガン、肺ガン、結腸直腸ガンおよびメラノーマから成る群より選択され、特に好ましくは、ガンが、胃ガン、結腸直腸ガン、肺ガンおよびメラノーマから成る群より選択される、請求項2〜10のいずれか一項記載の使用。

請求項12

標準値または標準値のセットに比べてより高い、対象からの試料中のホスホAktレベルが、耐性を予測する、請求項2〜11のいずれか一項記載の使用。

請求項13

i)同じ腫瘍組織型を有する対象からの標準値もしくは標準値のセットに比べて;またはii)正常組織からの標準値もしくは標準値のセットに比べて、より高い、一つまたは複数の試料中のホスホAktレベルが、耐性を予測する、請求項12記載の使用。

請求項14

バイオマーカーが、請求項1〜8のいずれか一項と同義の一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体を用いた処置のために、疾患、好ましくはガンを患うまたは患いやすい対象を選択するために使用される、請求項1〜13のいずれか一項記載の使用。

請求項15

試料が、腫瘍組織、正常組織、細胞系または循環腫瘍細胞由来し、好ましくは、該試料が腫瘍組織に由来する、請求項2〜14のいずれか一項記載の使用。

請求項16

請求項1〜8のいずれか一項と同義の一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体に対する、対象における疾患の応答を予測するための方法であって:a)該対象から予め入手された試料中の、請求項1または請求項10と同義のホスホAktのレベルを測定して、このレベルを表す一つまたは複数の値を得る工程;およびb)工程a)からの該一つまたは複数の値を標準値または標準値のセットと比較する工程を含む方法。

請求項17

予測される応答が耐性であり、ホスホAktレベルの測定が、対象から予め入手された試料からエキソビボで行われる、請求項16記載の方法。

請求項18

標準値または標準値のセットに比べてより高い、対象からの試料中のホスホAktレベルが、耐性を予測する、請求項16または17記載の方法。

請求項19

腫瘍性疾患または自己免疫疾患、好ましくはガンの処置を必要とする対象での該処置の方法であって、該対象からの試料中の請求項1と同義のホスホAktのレベルを測定して、このレベルを表す一つまたは複数の値を得ること、および該試料中のホスホAktレベルが標準値または標準値のセット以下であるならば、請求項1〜8のいずれか一項と同義の一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体を用いて該対象を処置することを含む、方法。

請求項20

対象からの試料中の請求項1と同義のホスホAktのレベルを測定して、このレベルを表す一つまたは複数の値を得ること、およびホスホAktのレベルが、標準値または標準値のセット以下であるならば、請求項1〜8のいずれか一項と同義の一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体を用いて該対象を処置することを含む、腫瘍性疾患または自己免疫疾患、好ましくはガンの処置に使用するためのホスホAkt。

請求項21

最初に、標準レベルまたは標準レベルのセットに比べてより高いホスホAktレベルの試料を有する対象において、請求項1と同義のホスホAktのレベルを減少させること、次に、請求項1〜8のいずれか一項と同義の一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体を用いて該対象を処置することによって、腫瘍性疾患または自己免疫疾患、好ましくはガンを処置する方法。

請求項22

試料中の請求項1と同義のホスホAktのレベルを測定するために必要な試薬を含み、好ましくは該試料中のホスホAktレベルが比較される標準値または標準値のセットを含むコンパレーターモジュールをさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項と同義の一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体に対する応答を予測するためのキット

請求項23

試薬が、ホスホAkt用の検出体を含む捕捉試薬、および検出体試薬を含み、好ましくはここで、捕捉試薬が抗体である、請求項22記載のキット。

請求項24

次式で示される化合物または薬学的に許容されうるその塩、特に二塩酸塩を含む、請求項22または23記載のキット

請求項25

試料中の請求項1と同義のホスホAktのレベルを測定するために必要な試薬、および該試料中のホスホAktレベルが比較される標準値または標準値のセットを含むコンパレーターモジュールを含む、請求項1〜8のいずれか一項と同義の一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体に対する応答を予測するための装置。

技術分野

0001

本発明は、3−(4−{1−[2−(4−アミノフェニル)−2−オキソ−エチル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−フラザン−3−イルアミノ)−プロピオニトリル(BAL27862)などの、一般式Iで示される化合物に対する腫瘍性疾患または自己免疫疾患などの疾患の、好ましくはガンの、応答予測するためのバイオマーカーとしてのホスホAktの使用に関する。他の局面では、本発明は、方法およびキット、ならびにバイオマーカーの使用を伴う処置方法に関する。

0002

微小管は、細胞骨格の構成要素の一つであり、α−チューブリンおよびβ−チューブリンのヘテロ二量体から構成される。微小管をターゲティングする薬剤は、広い活性スペクトルを有する、最も有効な細胞毒性化学療法剤に属する。微小管不安定化剤(例えば、ビンクリスチンビンブラスチンおよびビノレルビンなどのビンカアルカロイド)は、例えば、リンパ芽球性白血病およびリンパ腫のような数種の血液悪性腫瘍、ならびにガンなどの固形腫瘍処置に使用される。微小管安定化剤(例えば、パクリタキセルドセタキセルなどのタキサン)は、例えば、乳ガン、肺ガンおよび前立腺ガンを含めた固形腫瘍の処置に使用される。

0003

しかし、これらの公知の微小管ターゲティング剤に対する耐性が発生するおそれがある。耐性は、固有であるか、またはこれらの薬剤に曝露後に獲得されるかのいずれかでありうる。したがって、そのような耐性は、患者生存率および処置計画の選択に影響する。いくつかの潜在的な耐性メカニズムが同定されており、それらには、β−チューブリンサブタイプIIIのレベル上昇、およびタキサンの結合を減少させることが知られているβ−チューブリンサブタイプIの後天性突然変異などの、微小管ターゲットの異常が含まれる。そのうえ、流出ポンプP−糖タンパク質(P−gp、多剤耐性タンパク質1またはMDR1としても知られている)の過剰発現などの、他の細胞タンパク質の異常が、ある種の微小管ターゲティング剤に対する耐性と関連することが示唆されている。それで、そのような因子は、これらの従来の微小管ターゲティング剤に対する耐性のバイオマーカーとして使用されうる。

0004

比較的最近に発見されたクラスの微小管不安定化剤は、次式




[式中、
Rは、フェニル、チエニルまたはピリジニルを表し、
ここで、フェニルは、アルキルハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニルカルボキシ、低級アルコキシカルボニルシアノ、ハロゲン、およびニトロより独立して選択される1または2個の置換基によって場合により置換されており;
ここで、2個の隣接する置換基は、メチレンジオキシであり;
ここで、ピリジニルは、低級アルコキシ、アミノまたはハロゲンによって場合により置換されており;
Xは、基C=Yを表し(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくは低級アルコキシによって置換された窒素を表す);
R1は、水素、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ低級アルキルまたはシアノ低級アルキルを表し;
R2、R3およびR6は、水素を表し;
R4およびR5は、互いに独立して、水素、低級アルキルもしくは低級アルコキシを表すか;
または、R4とR5は、一緒になってメチレンジオキシを表す]
で示される化合物および薬学的に許容されうるその誘導体
あるいは[式中、
Rは、フェニルまたはピリジニルを表し、
ここで、フェニルは、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ホルミル、シアノ、ハロゲン、およびニトロより独立して選択される1または2個の置換基によって場合により置換されており;ここで、2個の隣接する置換基は、メチレンジオキシであり;
ここで、ピリジニルは、低級アルコキシ、アミノまたはハロゲンによって場合により置換されており;
Xは、酸素を表し;
R1は、水素、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ低級アルキルまたはシアノ低級アルキルを表し;
R2、R3およびR6は、水素を表し;
R4およびR5は、互いに独立して、水素、低級アルキルもしくは低級アルコキシを表すか;
または、R4とR5は一緒になってメチレンジオキシを表す]
によって包含される化合物および薬学的に許容されうるその塩であり;
ここで、接頭辞「低級」は、炭素原子を最大7個、特に最大4個有する基を意味する。

0005

これらの化合物は、国際公開公報第2004/103994A1号に開示されており、この公報は、相互参照により本明細書に組み入れられる。これらの化合物は、腫瘍細胞の増殖を停止させ、アポトーシス誘導することが示されている。

0006

式Iで示される化合物の合成は、国際公開公報第2004/103994A1号の、全般に29〜35ページ、具体的に39〜55ページに記載されており、その公報は、相互参照により本明細書に組み入れられる。これらの化合物は、本明細書開示のように、または本明細書記載の工程に類似の方法により調製することができる。

0007

BAL27862として知られ、国際公開公報第2004/103994A1号に実施例58として示され、参照により本明細書に具体的に組み入れられる、このクラスに属する一化合物は、下記の構造および化学名を有する:

0008

化学名:3−(4−{1−[2−(4−アミノ−フェニル)−2−オキソ−エチル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−フラザン−3−イルアミノ)−プロピオニトリル;または本明細書では化合物A。

0009

国際公開公報第2004/103994A1号にそれぞれ実施例50および79として例示されており、相互参照により本明細書に具体的に組み入れられるさらなる化合物は、下記の構造および化学名を有する:

0010

化学名:2−[2−(4−アミノ−フラザン−3−イル)−ベンゾイミダゾール−1−イル]−1−(4−アミノ−フェニル)−エタノン;または本明細書では化合物B
および




化学名:3−(4−{1−[2−(6−アミノ−ピリジン−3−イル)−2−オキソ−エチル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−フラザン−3−イルアミノ)−プロピオニトリル;または本明細書では化合物C。

0011

BAL27862は、実験的固形腫瘍異種移植モデルの広いパネルにわたり活性を有する。そのうえ、従来の微小管ターゲティング剤(ビンカアルカロイド微小管不安定化剤および微小管安定化剤パクリタキセルエポチロンBを含む)に対する耐性について選択される腫瘍モデルに対しても、活性は、保持される。in vitroで試験されたどのモデルでも、ヒト乳腫瘍異種移植片でも、BAL27862活性は、P−gpポンプの過剰発現によって影響されない。追加的に、β−チューブリンサブタイプIIIのレベル上昇およびチューブリンサブタイプIでの突然変異にもかかわらず、BAL27862はその活性を保持した。

0012

したがって、BAL27862活性は、従来の微小管ターゲティング剤に対する耐性を付与するいくつかの因子によって影響されない。

0013

そのうえ、一般式Iで示される化合物は、他の微小管不安定化剤を含めた他の微小管ターゲティング剤に比べて、細胞表現型に異なる作用を及ぼすことが知られている。図1に示すように、一般式Iで示される化合物を用いた処置は、多様な器官、例えば肺、子宮頸部および乳房から得られた腫瘍細胞系に一貫した微小管表現型を誘導する。抗α−チューブリン抗体を用いてこれらの細胞内の微小管を染色すると、未処置細胞の紡錘糸ではなく、処置細胞ではドット様構造だけが認識できることが示される。肺ガン細胞系A549に関しても、化合物CおよびBを使用してそれぞれ図2Aおよび2Bに、まさにこの作用が示される。しかし、それは、図3B、3C、3Dおよび4にそれぞれ示されるような、従来の微小管ターゲティング剤ビンブラスチン、コルヒチン、パクリタキセルおよびノコダゾールで観察された作用とは非常に異なる。微小管を抗α−チューブリン抗体で染色し、細胞を倍率1000倍で検査した(図3、4)。BAL27862で処置された細胞について、多数のドット様構造が認識でき、一方、全く対照的に、他方の従来薬は、線維状微小管構造または密な微小管集合体構造を作った。表現型レベルでのこれらの差異は、抗増殖作用に関して最適と見なされる化合物用量で、分子レベルでの作用機作が異なることを示している。

0014

さらに、BAL27862は、他の微小管ターゲティング剤の存在下で微小管の優性表現型を引き出すことが知られている。ビンブラスチン、コルヒチン、パクリタキセルまたはノコダゾール単独を用いた処置は、これらの薬剤に特徴的な微小管表現型を誘導した(それぞれ図5A、5D、5G、6C〜6F)。しかし、最後の4時間にBAL27862と組み合わせ処置する結果、ビンブラスチン、コルヒチン、パクリタキセルまたはノコダゾールが持続して存在するにもかかわらず、これらの表現型の破壊が生じた(それぞれ図5B、5E、5H、6G〜6J)。対照的に、最初にBAL27862で処置し、続いてビンブラスチン、コルヒチン、パクリタキセルまたはノコダゾールと組み合わせて4時間処置しても、BAL27862処置に一致する表現型の発生は影響を受けなかった(それぞれ図5C、5F、5I、6K〜6N)。

0015

これらのデータは、全て、BAL27862が従来の微小管ターゲティング剤と異なる方法で微小管の生物的性質に影響することを実証している。

0016

したがって、従来の微小管ターゲティング剤に関する情報から、特定の遺伝子が一般式Iで示される化合物の作用に関与するかどうか、またはどのように関与するかについて予測することはできない。

0017

本発明の目的は、式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体に対する応答に関連する因子を同定すること、例えば、下記に同地の一般式Iで示される化合物、特にBAL27862または薬学的に許容されうるその誘導体に対する耐性に関連する因子を同定することである。

0018

驚くことに、ホスホAktが、下記と同義の一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体を用いた処置に対する応答のバイオマーカーとして使用できることが見出された。

0019

本発明の好ましい一態様では、腫瘍試料中の比較的高いホスホAktレベルが、BAL27862に対する固有の耐性に関連する。

0020

今日までのところ、Aktファミリーは、アイソフォームAkt1、Akt2およびAkt3とも呼ばれる3種の公知の遺伝子から成る。これらの遺伝子は、核酸レベルおよびポリペプチド配列レベルで相同である。Akt遺伝子は、異なるグループがそれらを発見したことを反映して、多様な代替名でも知られている。Aktという名は、それがトランスフォーミングレトロウイルスAKT8のガン原遺伝子のヒト相同体として発見されたことから生じた。Aktは、これらのAktタンパク質がプロテインキナーゼAPKA)およびプロテインキナーゼC(PKC)と密接に関係することから、プロテインキナーゼB、またはRAC(Related to A and C kinases)としても知られている。このように、Aktファミリーは、以下の異名、すなわちc−AKT;ガン原遺伝子c−Akt;プロテインキナーゼB;PKB;RAC;RACセリントレオニンプロテインキナーゼ;racプロテインキナーゼおよびRAC−PKによって知られている。最初に発見された遺伝子であるAkt1は、c−AKT1;PKB;PKB−α;PRKBA;RAC;RAC−αセリン/トレオニン−プロテインキナーゼ;RAC−α;RAC−PK−αおよびMGC99656としても知られている。Akt2は、プロテインキナーゼAkt−2;プロテインキナーゼBβ;PKBβ;PRKBB;RAC−β;RAC−βセリン/トレオニンプロテインキナーゼおよびRAC−PK−βとしても知られている。Akt3は、PKB−γ;PKBG;PRKBG;RAC−γセリン/トレオニンプロテインキナーゼ;RAC−γ;RAC−PK−γ;DKFZP434N0250およびSTK−2としても知られている。これらの遺伝子のいくつかについて、選択的スプライス転写変異体も見出されている。Akt3について、別個のアイソフォーム、すなわち長さが異なるRAC−γセリン/トレオニンプロテインキナーゼアイソフォーム1およびRAC−γセリン/トレオニンプロテインキナーゼアイソフォーム2をコードする選択的スプライス転写変異体が記載されている。名称Aktは、本明細書において、3種の関連タンパク質Akt1、Akt2、Akt3およびアイソフォームを含めた上記全ての異名を包含するように使用されるものとする。

0021

Aktは、1個または複数の部位でのリン酸化によるものを含めて、翻訳後修飾されている場合がある。例えば、Akt1は、Ser−124、Thr−308、Thr−450、およびSer−473でリン酸化できることが知られている。1個よりも多い部位が同時にリン酸化されている場合がある。Aktの機能の調節は、特に2個の部位:トレオニン:T308(Akt1)、T309(Akt2)、T305(Akt3)、およびセリン:S473(Akt1)、S474(Akt2)、S472(Akt3)のリン酸化に関して確認されている。

0022

ホスホイノシチド依存性キナーゼ1(PDK1)は、トレオニン308をリン酸化すると考えられる。一方、mTOR複合体2(mTORC2)は、Akt1のセリン473をリン酸化すると考えられることから、最近になってPDK2として同定された。

0023

本明細書に使用されるホスホAktは、1個または複数の残基上でリン酸化されているAktを表すものとするが、但し、名称ホスホAktは、Akt1、Akt2、およびAkt3について、それぞれT308、T309またはT305以外の部位でリン酸化されていることを示すために使用される。これをさらに理解しやすくすると、ホスホAktは、それぞれAkt1、Akt2およびAkt3について、T308、T309またはT305でリン酸化されていても、されていなくてもよいが、名称ホスホAktは、これら以外の部位でリン酸化されていることを示す。ホスホAktは、場合により、リン酸化以外の方法でも翻訳後修飾されうる。

0024

より好ましくは、ホスホAktは、以下のセリン残基でリン酸化されているAktを表すものとする:
Akt1について:S473;
Akt2について:S474;および
Akt3について:S472。

0025

したがって、この好ましい態様は、RAC−γセリン/トレオニンプロテインキナーゼアイソフォーム2によってコードされるAkt3を包含しない(Akt3がセリン472を有さないことから)。

0026

ヒトAkt1、Akt2およびAkt3をコードするタンパク質配列は、National Center for Biotechnology Information(NCBI)アクセッションナンバーを介して入手可能である。
Akt1:NP_005154.2、配列番号1参照(NP_001014431およびNP_001014432も参照)、
Akt2:NP_001617.1、配列番号2参照、および
Akt3:NP_005456.1:RAC−γセリン/トレオニンプロテインキナーゼアイソフォーム1、配列番号3参照。

0027

本発明の一局面は、化合物に対する応答を予測するためのバイオマーカーとしてのホスホAktの使用に関し、
ここで、ホスホAktは、1個または複数の残基上でリン酸化されているAktであり、但し、名称ホスホAktは、Akt1、Akt2、およびAkt3について、それぞれT308、T309またはT305以外の部位でリン酸化されていることを示すために使用され、
ここで、化合物は、一般式I




[式中、
Rは、フェニル、チエニルまたはピリジニルを表し、
ここで、フェニルは、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、およびニトロより独立して選択される1または2個の置換基によって場合により置換されており;ここで、2個の隣接する置換基は、メチレンジオキシであり;
ここで、ピリジニルは、低級アルコキシ、アミノまたはハロゲンによって場合により置換されており;
Xは、基C=Yを表し(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくは低級アルコキシによって置換された窒素を表す);
R1は、水素、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ低級アルキルまたはシアノ低級アルキルを表し;
R2、R3およびR6は、水素を表し;
R4およびR5は、互いに独立して、水素、低級アルキルもしくは低級アルコキシを表すか;
または、R4とR5は、一緒になってメチレンジオキシを表す]
で示される化合物および薬学的に許容されうるその誘導体、
あるいは[式中、
Rは、フェニルまたはピリジニルを表し、
ここで、フェニルは、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ホルミル、シアノ、ハロゲン、およびニトロより独立して選択される1または2個の置換基によって場合により置換されており、ここで、2個の隣接する置換基は、メチレンジオキシであり;
ここで、ピリジニルは、低級アルコキシ、アミノまたはハロゲンによって場合により置換されており;
Xは、酸素を表し;
R1は、水素、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ低級アルキルまたはシアノ低級アルキルを表し;
R2、R3およびR6は、水素を表し;
R4およびR5は、互いに独立して、水素、低級アルキルもしくは低級アルコキシを表すか;
または、R4とR5は一緒になってメチレンジオキシを表す]
で示される化合物および薬学的に許容されうるその誘導体であり;
ここで、接頭辞「低級」は、炭素原子を最大7個、特に最大4個有する基を意味する。

0028

好ましくは、応答は、対象における疾患の応答でありうる。同様に好ましくは、応答は、処置に対する、すなわち一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体を用いた処置に対する応答でありうる。

0029

バイオマーカーであるホスホAktは、ヒトまたは動物の体から採取された、好ましくはヒトの体から採取された一つまたは複数の試料からエキソビボで測定される。一つまたは複数の試料は、ヒトまたは動物の体から予め入手され、好ましくはヒトの体から予め入手される。

0030

好ましい一態様では、本発明は、上記と同義の一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体に対する、対象での疾患の耐性を予測するためのバイオマーカーとしての、ホスホAktの使用に関する。

0031

好ましくは、薬学的に許容されうる誘導体は、一般式Iで示される化合物の塩、溶媒和物プロドラッグ、プロドラッグの塩、多形および異性体から成る群より選択される。プロドラッグは、好ましくは、天然アミノ酸小型ペプチドまたはPEG化ヒドロキシ酸エステルおよびアミドである。より好ましくは、プロドラッグは、一般式Iで示される化合物のR基内に存在するアミノ基と、グリシンアラニンまたはリシンカルボキシ基とから形成されるアミドである。

0032

特に好ましくは、化合物は、




または薬学的に許容されうるその塩、好ましくはその塩酸塩、最も好ましくはその二塩酸塩である。

0033

本発明の別の局面は、上記と同義の一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体に対する、対象での疾患の応答を予測するための方法であって、
a)対象から予め入手された試料中の、上記と同義のホスホAktのレベルを測定して、このレベルを表す一つまたは複数の値を得る工程;および
b)工程a)からの一つまたは複数の値を標準値または標準値のセットと比較する工程
を含む方法に関する。

0034

さらに好ましくは、予測される応答は耐性である。

0035

ホスホAktの一つまたは複数のレベルの測定は、対象から予め入手された試料からエキソビボで行われる。「予め入手された」は、その試料が、バイオマーカーのレベルを測定することを伴う任意の方法に供される前に得られるという事実を表し、「予め入手された」は、処置との関連で解釈してはならない。

0036

好ましい一態様では、標準値または標準値のセットに比べてより高い、対象からの試料中のホスホAktレベルは、耐性を予測する。

0037

同様に好ましくは、疾患は腫瘍性疾患または自己免疫疾患である。より好ましくは、疾患はガンである。特に好ましくは、ガンは、乳ガン、前立腺ガン、子宮頸ガン、胃ガン卵巣ガン結腸直腸ガン(すなわち結腸ガンおよび直腸ガンを含む)、膵臓ガン肝臓ガン悪性脳腫瘍神経内分泌ガン、肺ガン、腎臓ガン、血液悪性腫瘍、メラノーマおよび肉腫から成る群より選択される。より特に好ましくは、ガンは、乳ガン、子宮頸ガン、胃ガン、肺ガン、結腸直腸ガンおよびメラノーマから成る群より選択される。特に好ましくは、ガンは、胃ガン、肺ガン、結腸直腸ガンおよびメラノーマから成る群より選択される。

0038

さらなる一局面では、本発明は、腫瘍性疾患または自己免疫疾患、好ましくはガンを処置することを必要とする対象での、その疾患を処置する方法であって、対象からの試料中の上記と同義のホスホAktのレベルを測定して、このレベルを表す一つまたは複数の値を得ること、および前記試料中のホスホAktレベルが標準値または標準値のセット以下であるならば、上記と同義の一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体を用いて対象を処置することを含む方法に関する。

0039

なおさらなる一局面では、本発明は、対象からの試料中のホスホAktのレベルを測定して、このレベルを表す一つまたは複数の値を得ること、およびホスホAktのレベルが標準値または標準値のセット以下であるならば、上記と同義の一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体を用いて対象を処置することを含む、腫瘍性疾患または自己免疫疾患、好ましくはガンの処置に使用するための上記と同義のホスホAktに関する。

0040

ホスホAktレベルの測定は、対象から予め入手された試料からエキソビボで行われる。

0041

別の局面では、本発明は、また、最初に、標準レベルまたは標準レベルのセットに比べてより高いホスホAktレベルの試料を有する対象において、上記と同義のホスホAktのレベルを減少させること、次に、上記と同義の一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体を用いて対象を処置することによって、腫瘍性疾患または自己免疫疾患、好ましくはガンを処置する方法に関する。

0042

なお別の局面では、本発明は、試料中の上記と同義のホスホAktのレベルを測定するために必要な試薬を含む、上記と同義の一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体に対する応答を予測するためのキットに関する。より好ましくは、そのキットは、また、試料中のホスホAktレベルが比較される標準値または標準値のセットを含むコンパレーターモジュール(comparator module)を含む。

0043

より好ましくは、キットは、上記と同義の一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体を含む。特に好ましい一態様では、キットは、次式で示される化合物または薬学的に許容されうるその塩を含む。

0044

化学名:S−2,6−ジアミノヘキサン酸[4−(2−{2−[4−(2−シアノ−エチルアミノ)−フラザン−3−イル]−ベンゾイミダゾール−1−イル}−アセチル)−フェニル]−アミド

0045

特に好ましい一態様では、薬学的に許容されうる塩は二塩酸塩である。

0046

本発明の別のさらなる局面は、試料中の上記と同義のホスホAktのレベルを測定するために必要な試薬、および試料中のホスホAktレベルが比較される標準値または標準値のセットを含むコンパレーターモジュールを含む、上記と同義の一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体に対する応答を予測するための装置に関する。

0047

好ましい一態様では、キットまたは装置中の試薬は、ホスホAkt用の検出体を含む捕捉試薬、および検出体試薬を含む。特に好ましくは、捕捉試薬は抗体である。同様に好ましくは、ホスホAktが標準値または標準値のセットよりも高い場合、その疾患は、前記化合物を用いた処置に耐性であると予測される。好ましい一態様では、コンパレーターモジュールは、キットの使用説明に包含されている。別の好ましい態様では、コンパレーターモジュールは、ディスプレイ装置の形態である。

0048

添付の図面を参照して、本発明の態様を以下に例示として記載する。しかし、本発明は、これらの態様を限定するものと理解してはならない。

図面の簡単な説明

0049

50nM BAL27862を用いた、異なる組織型由来ヒト腫瘍細胞系の処置を示す図である。50nM BAL27862またはビヒクル対照を用いて24時間処置後に、有糸分裂細胞またはG2/M停止細胞の微小管を染色した。図1Aおよび1B:A549 NSCLC細胞図1Cおよび1D:HeLa子宮頸ガン細胞図1Eおよび1F:SKBR3乳ガン細胞ビヒクル対照処置:図1A、1Cおよび1E、BAL27862処置:図1B、1Dおよび1F。
化合物BおよびCを用いたA549 NSCLC細胞の処置を示す図である。それぞれ80nMまたは20nMの化合物BおよびCで24時間処置後に、有糸分裂A549 NSCLC細胞またはG2/M停止A549 NSCLC細胞の微小管を染色した。白のスケールバーは、10μmを表す。図2A:20nM化合物Cを用いた処理;図2B:80nM化合物Bを用いた処理。
図3:従来の微小管ターゲティング剤に比べた、BAL27862を用いた細胞処置の比較を示す図である。50nMのA:BAL27862;B:ビンブラスチン;C:コルヒチン;D:パクリタキセルで24時間処置後に、有糸分裂A549 NSCLC細胞またはG2/M停止A549 NSCLC細胞の微小管を染色した。1μm毎に取得した大量の画像を、ImageJソフトウェアを使用して処理した。
ノコダゾールに比べた、BAL27862を用いたA549 NSCLC細胞の処置の比較を示す図である。様々な濃度のノコダゾール(B、CおよびD)ならびにBAL27862(E、FおよびG)を用いて24時間処置後に、有糸分裂細胞またはG2/M停止細胞の微小管を染色した。A:対照、B:ノコダゾール50nM、C:ノコダゾール100nM、D:ノコダゾール200nM、E:BAL27862 20nM;F:BAL27862 30nMおよびG:BAL27862 50nM。白のスケールバーは、10μmを表す。観察された微小管表現型の代表的な画像を示す。
BAL27862および従来の微小管ターゲティング剤を用いた組み合わせ処置を示す図である。下記の時間だけ処置後に、有糸分裂A549 NSCLC細胞またはG2/M停止A549 NSCLC細胞の微小管を染色した。50nM BAL27862、50nMビンブラスチン、50nMコルヒチンおよび25nMパクリタキセルを使用した。白のスケールバーは、10μmを表す。図5A:24時間のビンブラスチン処置;図5B:24時間のビンブラスチン処置(最後の4時間はBAL27862を含む);図5C:24時間のBAL27862処置(最後の4時間はビンブラスチンを含む)。図5D:24時間のコルヒチン処置;図5E:24時間のコルヒチン処置(最後の4時間はBAL27862を含む);図5F:24時間のBAL27862処置(最後の4時間はコルヒチンを含む)。図5G:24時間のパクリタキセル処置;図5H:24時間のパクリタキセル処置(最後の4時間はBAL27862を含む);図5I:24時間のBAL27862処置(最後の4時間はパクリタキセルを含む)。
BAL27862およびノコダゾールの組み合わせ処置を示す図である。下記の時間だけ処置後に、有糸分裂A549 NSCLC細胞またはG2/M停止A549 NSCLC細胞の微小管を染色した。25nM BAL27862および下記濃度のノコダゾールを使用した。白のスケールバーは、10μmを表す。図6A:24時間の対照処置;図6B:24時間の25nM BAL27862処置;図6C:24時間の50nMノコダゾール処置;図6D:24時間の100nMノコダゾール処置;図6E:24時間の150nMノコダゾール処置;図6F:24時間の200nMノコダゾール処置;図6G:24時間の50nMノコダゾール処置(最後の4時間は25nM BAL27862を含む);図6H:24時間の100nMノコダゾール処置(最後の4時間は25nM BAL27862を含む);図6I:24時間の150nMノコダゾール処置(最後の4時間は25nM BAL27862を含む);図6J:24時間の200nMノコダゾール処置(最後の4時間は25nM BAL27862を含む);図6K:24時間の25nM BAL27862処置(最後の4時間は50nMノコダゾールを含む);図6L:24時間の25nM BAL27862処置(最後の4時間は100nMノコダゾールを含む);図6M:24時間の25nM BAL27862処置(最後の4時間は150nMノコダゾールを含む);図6N:24時間の25nM BAL27862処置(最後の4時間は200nMノコダゾールを含む)。
皮下に異種移植されたヌードマウスから得られた、患者由来の胃ガン(図7A)、肺ガン(図7B)、結腸直腸ガン(図7C)およびメラノーマ(図7D腫瘍から調製されたタンパク質抽出物を、ホスホAktおよびAktの発現についての免疫ブロットローディング対照としてアクチンを含む)により分析したもの示す図である。それぞれの場合に3個の独立した腫瘍を分析した(1〜3)。エキソビボコロニー成長アッセイを使用した腫瘍細胞のBAL27862、パクリタキセルおよびビンブラスチンに対する耐性および感受性は、表1に定義する通りである。
皮下に異種移植されたヌードマウスから得られた、患者由来の胃ガン(図7A)、肺ガン(図7B)、結腸直腸ガン(図7C)およびメラノーマ(図7D)腫瘍から調製されたタンパク質抽出物を、ホスホAktおよびAktの発現についての免疫ブロット(ローディング対照としてアクチンを含む)により分析したもの示す図である。それぞれの場合に3個の独立した腫瘍を分析した(1〜3)。エキソビボコロニー成長アッセイを使用した腫瘍細胞のBAL27862、パクリタキセルおよびビンブラスチンに対する耐性および感受性は、表1に定義する通りである。
皮下に異種移植されたヌードマウスから得られた、患者由来の胃ガン(図7A)、肺ガン(図7B)、結腸直腸ガン(図7C)およびメラノーマ(図7D)腫瘍から調製されたタンパク質抽出物を、ホスホAktおよびAktの発現についての免疫ブロット(ローディング対照としてアクチンを含む)により分析したもの示す図である。それぞれの場合に3個の独立した腫瘍を分析した(1〜3)。エキソビボコロニー成長アッセイを使用した腫瘍細胞のBAL27862、パクリタキセルおよびビンブラスチンに対する耐性および感受性は、表1に定義する通りである。
皮下に異種移植されたヌードマウスから得られた、患者由来の胃ガン(図7A)、肺ガン(図7B)、結腸直腸ガン(図7C)およびメラノーマ(図7D)腫瘍から調製されたタンパク質抽出物を、ホスホAktおよびAktの発現についての免疫ブロット(ローディング対照としてアクチンを含む)により分析したもの示す図である。それぞれの場合に3個の独立した腫瘍を分析した(1〜3)。エキソビボコロニー成長アッセイを使用した腫瘍細胞のBAL27862、パクリタキセルおよびビンブラスチンに対する耐性および感受性は、表1に定義する通りである。
エキソビボコロニー成長分析によってBAL27862耐性と定義された患者由来異種移植腫瘍モデルにおいて腫瘍細胞ホスホAktレベルが増加していることを示す図である。患者由来腫瘍異種移植片(ヌードマウスで維持)を調製し、固定し、免疫組織化学法を用いてホスホAktタンパク質の発現について染色した。エキソビボコロニー成長アッセイを使用した腫瘍細胞のBAL27862、パクリタキセルおよびビンブラスチンに対する耐性および感受性は、表1に定義する通りである。
Akt1(RAC−αセリン/トレオニンプロテインキナーゼ)[Homo sapiens]のタンパク質配列(配列番号1)を示す図である。
Akt2(RAC−βセリン/トレオニンプロテインキナーゼ)[Homo sapiens]のタンパク質配列(配列番号2)を示す図である。
Akt3(RAC−γセリン/トレオニンプロテインキナーゼアイソフォーム1)[Homo sapiens]のタンパク質酸配列(配列番号3)を示す図である。

0050

詳細な説明
式Iで示される化合物
本発明による化合物は、一般式I:




[式中、
Rは、フェニル、チエニルまたはピリジニルを表し、
ここで、フェニルは、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、シアノ、ハロゲン、およびニトロより独立して選択される1または2個の置換基によって場合により置換されており;ここで、2個の隣接する置換基は、メチレンジオキシであり;
ここで、ピリジニルは、低級アルコキシ、アミノまたはハロゲンによって場合により置換されており;
Xは、基C=Yを表し(式中、Yは、酸素、またはヒドロキシもしくは低級アルコキシによって置換された窒素を表す);
R1は、水素、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ低級アルキルまたはシアノ低級アルキルを表し;
R2、R3およびR6は、水素を表し;
R4およびR5は、互いに独立して、水素、低級アルキルもしくは低級アルコキシを表すか;
または、R4とR5は、一緒になってメチレンジオキシを表す]
で示される化合物および薬学的に許容されうるその誘導体、
あるいは[式中、
Rは、フェニルまたはピリジニルを表し、
ここで、フェニルは、アルキル、ハロ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ低級アルキル、アシルオキシ低級アルキル、フェニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルコキシ、フェニル低級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルカルボニルアミノ、置換アミノ(ここで、窒素上の2個の置換基は、その窒素と一緒になってヘテロシクリルを形成している)、低級アルキルカルボニル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、ホルミル、シアノ、ハロゲン、およびニトロより独立して選択される1または2個の置換基によって場合により置換されており;ここで、2個の隣接する置換基は、メチレンジオキシであり;
ここで、ピリジニルは、低級アルコキシ、アミノまたはハロゲンによって場合により置換されており;
Xは、酸素を表し;
R1は、水素、低級アルキルカルボニル、ヒドロキシ低級アルキルまたはシアノ低級アルキルを表し;
R2、R3およびR6は、水素を表し;
R4およびR5は、互いに独立して、水素、低級アルキルもしくは低級アルコキシを表すか;
または、R4とR5は一緒になってメチレンジオキシを表す]
および薬学的に許容されうるその誘導体によって表され;
ここで、接頭辞「低級」は、炭素原子を最大7個、特に最大4個有する基を意味する。

0051

ヘテロシクリルは、好ましくは、窒素、酸素および硫黄より選択される1、2または3個のヘテロ原子を含む原子4〜10個を含有する、飽和部分飽和または不飽和の単環または二環を示し、その環は、特に述べない限り、炭素結合または窒素結合していてもよく、ここで、環の窒素原子は、低級アルキル、アミノ低級アルキル、アリール、アリール低級アルキルおよびアシルより選択される基によって場合により置換されていてもよく、環の炭素原子は、低級アルキル、アミノ低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、ヘテロアリール、低級アルコキシ、ヒドロキシまたはオキソによって置換されていてもよい。ヘテロシクリルの例は、ピロリジニルオキサゾリジニルチアゾリニルピペリジニルモルホリニルピペラジニルジオキソラニルおよびテトラヒドロピラニルである。

0052

アシルは、例えば、アルキルカルボニル、シクロヘキシルカルボニルアリールカルボニル、アリール低級アルキルカルボニル、またはヘテロアリールカルボニルを示す。低級アシルは、好ましくは低級アルキルカルボニル、特にプロピオニルまたはアセチルである。

0053

好ましくは、本発明による一般式Iで示される化合物は、R1が、水素、アセチル、CH2CH2CNおよびCH2CH2CH2OHから成る群より選択されると定義される。

0054

好ましい一態様では、本発明による一般式Iで示される化合物は:
4−(1−フェナシル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)−フラザン−3−イルアミン
4−[1−(4−ブロモフェナシル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミンオキシム
N−{4−[1−(4−クロロフェナシル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イル}−アセトアミド
4−[1−(4−クロロフェナシル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)−アミン
4−[1−(4−クロロフェナシル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イル−N−(3−ヒドロキシプロピル)−アミン、
4−[1−(3−アミノ−4−クロロフェナシル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミン、
4−[1−(3−メトキシ−4−メトキシメトキシ−フェナシル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミン、
および薬学的に許容されうるその誘導体から成る群より選択される。

0055

別の好ましい態様では、本発明による一般式Iで示される化合物は:




[式中、
R、YおよびR1は下記と同義である]
または薬学的に許容されうるその誘導体である。

0056

0057

なお別の好ましい態様では、本発明による一般式Iで示される化合物は:
4−(1−フェノキシメチル−1H−ベンズイミダゾール−2−イル)−フラザン−3−イルアミン、
4−[1−(4−フルオロフェノキシメチル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イルアミン、
4−[1−(3,4−ジメチルフェノキシメチル)−1H−ベンズイミダゾール−2−イル]−フラザン−3−イル−N−(2−シアノエチル)−アミン、
および式:




[式中、RおよびR1は、下記と同義である]
によって表される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体から成る群より選択される。

0058

0059

なおさらに別の好ましい態様では、本発明による一般式Iで示される化合物は:




[式中、R、R4およびR5は、下記と同義である]
または薬学的に許容されうるその誘導体である。

0060

0061

より好ましくは、本発明による化合物は、一般式I




[式中、
Rは、フェニルまたはピリジニルを表し、
ここで、フェニルは、低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、アセチルアミノ、ハロゲンおよびニトロより独立して選択される1または2個の置換基によって場合により置換されており;
ここで、ピリジニルは、アミノまたはハロゲンによって場合により置換されており;
Xは、基C=Oを表し;
R1は、水素またはシアノ低級アルキルを表し;
R2、R3、R4、R5およびR6は、水素を表す]
で示される化合物および薬学的に許容されうるその誘導体であり、
ここで、接頭辞「低級」は、炭素原子を最大7個、特に最大4個有する基を意味する。

0062

特に好ましくは、本発明による化合物は、次式




[式中、R、YおよびR1は、下記と同義である]
または薬学的に許容されうるその誘導体によって表される。

0063

0064

さらに特に好ましくは、本発明による化合物は、次式




[式中、R、YおよびR1は、下記と同義である]
または薬学的に許容されうるその誘導体によって表される。

0065

0066

特に好ましくは、本発明による一般式Iで示される化合物は、




または薬学的に許容されうるその誘導体である。

0067

一般式Iで示される化合物の一つまたは複数の「薬学的に許容されうる誘導体」という語句内の一つまたは複数の「誘導体」という用語は、その塩、溶媒和物および複合体、ならびにその塩の溶媒和物および複合体、ならびにそのプロドラッグ、多形、および異性体(光学幾何および互変異性体を含む)、ならびにまたそのプロドラッグの塩に関する。より好ましい一態様では、その用語は、塩およびプロドラッグ、ならびにそのプロドラッグの塩に関する。

0068

塩は、好ましくは酸付加塩である。塩、特に薬学的に許容されうる塩は、好ましくは、塩基性窒素原子を有する式(I)で示される化合物から、有機酸または無機酸と形成される。適切な無機酸は、例えば、塩酸などのハロゲン酸硫酸、またはリン酸である。適切な有機酸は、例えば、カルボン酸ホスホン酸スルホン酸またはスルファミン酸、例えば酢酸プロピオン酸オクタン酸デカン酸ドデカン酸グリコール酸乳酸フマル酸コハク酸アジピン酸ピメリン酸スベリン酸アゼライン酸リンゴ酸酒石酸クエン酸グルタミン酸またはアスパラギン酸などのアミノ酸マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸シクロヘキサンカルボン酸アダマンタンカルボン酸、安息香酸サリチル酸、4−アミノサリチル酸フタル酸フェニル酢酸マンデル酸ケイ皮酸メタンスルホン酸もしくはエタンスルホン酸2−ヒドロキシエタンスルホン酸エタン−1,2−ジスルホン酸ベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレン−ジスルホン酸、2−、3−もしくは4−メチルベンゼンスルホン酸、メチル硫酸エチル硫酸ドデシル硫酸、N−シクロヘキシルスルファミン酸、N−メチル−、N−エチル−もしくはN−プロピル−スルファミン酸、またはアスコルビン酸などの他の有機プロトン酸である。

0069

本発明による化合物は、式Iで示される化合物を得るために、ヒトまたは動物の体内で分解されるプロドラッグの形態で投与することができる。プロドラッグの例には、式Iで示される化合物の、in vivoで加水分解可能なエステルおよびアミドが含まれる。考慮される特定のプロドラッグは、天然アミノ酸のエステルおよびアミド、ならびに小型ペプチドの、特にアミノ酸最大5個、好ましくは2または3個から成る小型ペプチドのエステルまたはアミド、ならびにPEG化されたヒドロキシ酸、好ましくはヒドロキシ酢酸および乳酸のエステルおよびアミドである。プロドラッグ性エステルは、アミノ酸またはペプチドC末端酸官能基と、式Iで示される化合物内の適切なヒドロキシ基(一つまたは複数)とから形成される。プロドラッグ性アミドは、アミノ酸もしくはペプチドN末端のアミノ官能基と、式Iで示される化合物内の適切なカルボキシ基(一つもしくは複数)とから、またはアミノ酸もしくはペプチドC末端の酸官能基と式Iで示される化合物内の適切なアミノ基(一つもしくは複数)とから形成される。特に好ましくは、プロドラッグ性アミドは、式Iで示されるR基内に存在するアミノ基(一つまたは複数)から形成される。

0070

より好ましくは、プロドラッグは、式Iで示される化合物へのグリシン、アラニンまたはリシンの付加によって形成される。

0071

なおより好ましくは、一般式Iで示される化合物は、式:




で示される化合物より選択されるプロドラッグの形態である。

0072

特に好ましい一態様では、本発明による化合物は、次式




を有するプロドラッグの形態である。

0073

最も特に好ましい一態様では、本発明による化合物は、次式




で示される化合物の薬学的に許容されうる塩、好ましくはその塩酸塩、最も好ましくはその二塩酸塩である。

0074

この場合の薬学的に活性なin vivo代謝物は、BAL27862である。

0075

これらのプロドラッグは、本質的に公知の工程、特に式(II)




[式中、R1は、式(I)と同義であり、Zは、CHまたはNである]
で示される化合物、または官能基を保護された形態で含む当該化合物の誘導体、またはその塩が、
(1)式(III)




[式中、
R10は、水素(Gly);メチル(Ala)および保護されたアミノブチル(Lys)より選択され、R11は、適切なアミノ保護基である]
で示されるアミノ酸でアシル化され、
(2)結果として生じた化合物の保護された誘導体内の任意の保護基が除去されて、上に示すプロドラッグが生成し、所望により、
(3)前記プロドラッグが、酸処理によって塩に変換されるか、または式(II)で示される化合物の塩が、対応する式(II)で示される遊離化合物もしくは別の塩に変換され、かつ/または異性体性生成化合物の混合物が個別の異性体に分離される工程によって調製することができる。

0076

式(III)で示されるアミノ酸による式(II)で示される化合物のアシル化は、本質的に公知の方式で、通常は適切な極性または双極性非プロトン性溶媒の存在下で、必要に応じて冷却または加熱して、例えば約−80℃〜約+150℃、より好ましくは−30℃〜+120℃の温度範囲で、特におよそ0℃付近使用溶媒還流温度の範囲で行われる。場合により適切な塩基、特にピリジンもしくはコリジンのような芳香族塩基、またはトリエチルアミンもしくはジイソプロピルエチルアミンなどの第三級アミン、または無機塩基性塩、例えば炭酸カリウムもしくは炭酸ナトリウムが添加される。

0077

アシル化は、ペプチド化学において本質的に公知のアミド形成用条件で、例えばN,N’−ジエチル−、N,N’−ジプロピル−、N,N’−ジイソプロピル−、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドおよびN−(3−ジメチルアミノイソプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)のようなカルボジイミドなどのカルボキシ基用活性化剤を用いて、または1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートBOP)、O−(7−アザ−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、2−(2−オキソ−1−(2H)−ピリジル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレートTPTU)などの薬剤を用いて、場合により適切な塩基、触媒または共試薬(co-reagent)の存在下で行うことができる。カルボキシ基は、また、ハロゲン化アシル、好ましくは塩化アシルとして、例えば塩化チオニルもしくは塩化オキサリルとの反応によって、または対称性無水物もしくは不斉無水物として、例えばクロロギ酸エチルのようなハロゲノギ酸エステルとの反応によって、場合により適切な塩基、触媒または共試薬の存在下で活性化することができる。

0078

式(II)または(III)で示される化合物内で、一つまたは複数の他の官能基が、例えばカルボキシ、ヒドロキシまたはアミノが、反応に加わってはならないという理由で保護されるまたは保護される必要がある場合、これらは、特にペプチド化合物セファロスポリンペニシリン核酸誘導体および糖のようなアミドの合成に通常適用されるような当業者に公知の保護基である。アミノ基用の適切な保護基は、例えばt−ブチルカルバメートベンジルカルバメートまたは9−フルオレニルメチルカルバメートである。

0079

保護基は、前駆体にすでに存在してもよく、アルキル化、アシル化、エーテル化エステル化酸化加溶媒分解、および類似の反応のような望まれない二次反応から関係する官能基を保護するべきである。例えば生理条件に類似の条件で、保護基が、典型的には加溶媒分解、還元光分解による除去、またはさらに酵素活性による除去を、容易に、すなわち望まれない二次反応なしに受けやすいこと、および保護基が最終生成物中に存在しないことが、保護基の特徴である。専門家は、どの保護基が本明細書上述および下述の反応に適しているかを知っている、または容易に確定することができる。

0080

そのような保護基によるそのような官能基の保護、保護基自体、およびそれらの除去反応は、例えばペプチド合成に関する標準的な参考書および下記のような保護基に関する専門書に記載されている。
J. F. W. McOmie, "Protective Groups in Organic Chemistry", Plenum Press, Londonand New York 1973、"Methoden der organischen Chemie" (Methodsof organic chemistry), Houben-Weyl, 4th edition, Volume 15/I, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974、およびT. W. Greene, G. M. Wuts "Protective Groups in Organic Synthesis", Wiley, New York, 2006。

0081

疾患
本発明による一般式Iで示される化合物は、細胞増殖を停止させ、例えばアポトーシスによって、細胞死を誘導することが示されている。

0082

細胞増殖の脱調節(deregulation)または適切な細胞死の欠如は、広い臨床的意味を有する。そのような脱調節に関連するいくつかの疾患は、過剰増殖、炎症、組織リモデリングおよび修復を伴う。この種類のよく知られている徴候には、ガン、再狭窄新生内膜過形成血管新生子宮内膜症リンパ増殖性障害移植関連病態移植片拒絶)、ポリポーシス、組織リモデリングの場合の神経機能喪失などが含まれる。

0083

ガンは、異常な細胞増殖速度および異常な細胞死速度に関連する。大部分の種類の増殖性腫瘍性疾患ではアポトーシスが阻害または遅延されるので、特に古典的化学療法放射線療法および免疫療法に耐性を示す種類のガンでは、ガンの処置にアポトーシス誘導一選択肢である(Apoptosis and Cancer Chemotherapy, Hickman and Dive, eds., Blackwell Publishing, 1999)。自己免疫および移植に関係する疾患および病態でも、正常な細胞死過程回復するために、アポトーシスを誘導する化合物が使用される場合があり、したがって、それらの化合物は症状を根絶することができ、疾患を治癒しうる。アポトーシスを誘導する化合物は、さらに、再狭窄に、すなわち動脈壁への血管平滑筋細胞蓄積に、ならびに細菌感染細胞およびウイルス感染細胞一掃しないことによって起こる持続感染に適用されうる。さらに、上皮細胞内皮細胞筋細胞、および細胞外マトリックスとの接触を失った他の細胞でアポトーシスを誘導または回復することができる。

0084

一般式Iによる化合物または薬学的に許容されうるその誘導体は、ヒトまたは動物の体の予防的処置または特に治療的処置のために、特に腫瘍性疾患、自己免疫疾患、移植関連病態および/または変性疾患を処置するために使用することができる。そのような腫瘍性疾患の例には、非限定的に、上皮性腫瘍、扁平細胞腫瘍、基底細胞腫移行上皮乳頭腫および移行上皮癌腺腫およびガン、皮膚付属器腫瘍、粘液類上皮腫、嚢胞性腫瘍、粘液性腫瘍および漿液性腫瘍、管腫瘍、小葉性腫瘍および髄質腫瘍、腺房細胞腫瘍、複合上皮腫瘍、特殊性腺腫瘍、傍神経節腫およびグロムス腫瘍母斑およびメラノーマ、軟組織の腫瘍および肉腫、線維腫粘液腫混合腫瘍脂肪腫筋腫、複合混合腫瘍および間質性腫瘍、線維上皮腫瘍、滑液様腫瘍、中皮腫胚細胞腫瘍絨毛性腫瘍、中腎腫血管腫瘍、リンパ管腫瘍、骨性および軟骨性腫瘍、巨細胞腫瘍、その他の骨性腫瘍、歯原性腫瘍、神経膠腫神経上皮腫髄膜腫神経鞘腫瘍、顆粒細胞腫および胞巣状軟部肉腫ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫、他のリンパ細網細胞系腫瘍、形質細胞腫肥満細胞腫、免疫増殖性疾患白血病、その他の骨髄増殖性障害、リンパ増殖性障害、ならびに骨髄異形成症候群が含まれる。

0085

一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体は、自己免疫疾患の処置に使用することができる。そのような自己免疫疾患の例には、非限定的に、全身性円板状または亜急性皮膚エリテマトーデス慢性関節リウマチ抗リン脂質症候群、CREST、進行性全身硬化症混合性結合組織病シャープ症候群)、ライター症候群若年性関節炎寒冷凝集素病、本態性混合クリオグロブリン血症リウマチ熱強直性脊椎炎慢性多発性関節炎重症筋無力症多発性硬化症慢性炎症脱髄性多発ニューロパチーギランバレー症候群皮膚筋炎多発筋炎自己免疫性溶血性貧血血小板減少性紫斑病好中球減少症I型糖尿病甲状腺炎橋本病およびグレーブス病)、アジソン病、多発内分泌腺症候群、天疱瘡常性、落葉状皮脂腺性および増殖性)、水疱性および瘢痕性類天疱瘡妊娠性類天疱瘡、後天性表皮水疱症、線状IgA病、硬化性萎縮性苔癬デューリング病、尋常性乾癬、滴状、汎発性膿疱性および限局性膿疱性乾癬白斑円形脱毛症原発性胆汁性肝硬変自己免疫性肝炎全形式の糸球体腎炎肺出血グッドパスチャー症候群)、IgA腎症悪性貧血および自己免疫性胃炎炎症性腸疾患潰瘍性大腸炎およびクローン病を含む)、ベーチェット病セリアック病、自己免疫性ブドウ膜炎、自己免疫性心筋炎肉芽腫性睾丸炎、睾丸炎を伴わない精子形成欠如特発性および二次性肺線維症壊疽性膿皮症などの自己免疫性病因の可能性がある炎症性疾患紅色苔癬サルコイドーシス(ロフグレン型および皮膚/皮下型を含む)、環状肉芽腫、I型およびIV型アレルギー性免疫反応気管支喘息花粉症アトピー性接触性および空気伝播(airborne)皮膚炎、大型血管炎巨細胞性動脈炎および高安動脈炎)、中型血管炎(結節性多発動脈炎川崎病)、小血管炎(ヴェゲナー肉芽腫症チャーグ・ストラウス症候群、顕微鏡多発血管炎、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、本態性クリオグロブリン血症血管炎、皮膚白芽球血管炎)、過敏症症候群、中毒性表皮壊死症スティーブンスジョンソン症候群多形紅斑)、薬物副作用による疾患、l−vu型(クームス分類免疫学的反応形態による全形式の皮膚作用臓器特異的作用および全身作用、全臓器(皮膚、心臓、腎臓、骨髄、眼、肝臓脾臓、肺、筋肉中枢および末梢神経系、結合組織、骨、血管およびリンパ管泌尿生殖器系、軟骨、骨髄を含む一次および二次リンパ系リンパ節胸腺口咽頭食道、胃、小腸、結腸、および直腸を含む消化管が、上記臓器の部分から単一細胞レベルおよび下部構造、例えば幹細胞まで)に波及する急性および慢性移植片対宿主病および宿主対移植片病などの移植関連病状が含まれる。

0086

特に好ましくは、本発明による疾患は、腫瘍性疾患または自己免疫疾患である。特に好ましい一態様では、疾患はガンである。

0087

ガンの例は、罹患した臓器および身体部分に関して、非限定的に、乳ガン、子宮頸ガン、卵巣ガン、結腸ガン、直腸ガン(結腸および直腸、すなわち結腸直腸ガンを含む)、肺ガン(小細胞肺ガン、非小細胞肺ガン、大細胞肺ガンおよび中皮腫)、内分泌系ガン、骨ガン副腎ガン、胸腺ガン、肝臓ガン、胃ガン、腸ガン(胃ガンを含む)、膵臓ガン、骨髄ガン、血液悪性腫瘍(リンパ腫、白血病、骨髄腫またはリンパ系腫瘍など)、膀胱ガン尿路ガン、腎臓ガン、皮膚ガン甲状腺ガン、悪性脳腫瘍、頭部ガン、頸部ガン、前立腺ガンおよび精巣ガンが含まれる。好ましくは、ガンは、乳ガン、前立腺ガン、子宮頸ガン、卵巣ガン、胃ガン、結腸直腸ガン、膵臓ガン、肝臓ガン、悪性脳腫瘍、神経内分泌ガン、肺ガン、腎臓ガン、血液悪性腫瘍、メラノーマおよび肉腫から成る群より選択される。特に好ましくは、ガンは、乳ガン、子宮頸ガン、胃ガン、肺ガン、結腸直腸ガンおよびメラノーマから成る群より選択される。より特に好ましくは、ガンは、胃ガン、肺ガン、結腸直腸ガンおよびメラノーマから成る群より選択される。

0088

試料
ホスホAktレベルの測定は、対照から得られた生物学的材料の試料にin vitroで行うことができる。試料は、例えば、正常組織、腫瘍組織、細胞系、血漿血清全血脳脊髄液リンパ液循環腫瘍細胞細胞溶解物組織溶解物、尿および吸引物などの、体から分離された任意の生物学的材料でありうる。好ましくは、試料は、正常組織、腫瘍組織、細胞系および循環腫瘍細胞から成る群より得られる。より好ましくは、試料は、腫瘍組織または循環腫瘍細胞から得られる。特に好ましい一態様では、試料は、腫瘍組織から得られる。例えば、ホスホAktレベルは、新鮮腫瘍組織試料、凍結腫瘍組織試料またはホルマリン固定パラフィン包埋腫瘍組織試料から測定することができる。

0089

試料は、バイオマーカーレベルを測定することを伴う方法ステップに供される前に、対象から予め入手される。試料を取り出す方法は、当技術分野で周知であり、試料は、生検、例えばパンチ生検コア生検、吸引細針生検、内視鏡生検、または表面生検によって対象から取り出すことができる。全血、血漿または血清試料を、静脈穿刺によって採取し、標準技法によりさらに処理することができる。循環腫瘍細胞は、また、例えばサイズ(例えばISET(サイズによる上皮腫瘍細胞単離法))または免疫磁気細胞濃縮(例えばCellSearch(登録商標), Veridex, Raritan, NJ)に基づいて血液から得ることができる。

0090

試料の比較
本発明による対象は、ヒトまたは動物でありうる。好ましくは、対象はヒトである。

0091

バイオマーカーであるホスホAktは、ヒトまたは動物の体から採取された、好ましくはヒトの体から採取された一つまたは複数の試料からエキソビボで測定される。一つまたは複数の試料または試料は、バイオマーカーのレベルを測定することを伴う方法ステップに供される前に、ヒトまたは動物の体から予め入手され、好ましくはヒトの体から予め入手される。

0092

バイオマーカーは、一般に、生物学的応答指標として、好ましくは、本出願では一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体を用いた処置である所与の処置に対する感受性の指標として、使用される物質である。

0093

特に好ましい一態様では、標準値または標準値のセットに比べてより高い、試料中ホスホAktレベルは、耐性を予測する。

0094

より高いホスホAktレベルは、より高い試料中合計Aktレベルおよび/またはより高いパーセンテージのリン酸化されるAktが原因で生じうる。

0095

本明細書に使用するように、標準レベルもしくは標準レベルのセットに比べて、増加、または比較的高いもしくは高いもしくはより高いレベルは、試料中のバイオマーカーの量または濃度が、標準レベルまたは標準レベルのセットに比べて試料中で検出可能な程度に大きいことを意味する。これは、標準に比べて少なくとも約1%の増加、または約1%高いレベル、好ましくは標準に比べて少なくとも約5%の増加を包含する。より好ましくは、それは、標準に比べて少なくとも約10%の増加、または少なくとも約10%高いレベルである。より特に好ましくは、それは、標準に比べて少なくとも約20%の増加、または少なくとも約20%高いレベルである。例えば、そのような「増加」または「より高いレベル」には、非限定的に、標準に比べて少なくとも約1%、約10%、約20%、約30%、約50%、約70%、約80%、約100%、約150%または約200%以上が含まれうる。

0096

好ましくは、
i)同じ腫瘍組織型を有する対象からの標準値もしくは標準値のセットに比べて;または
ii)正常な細胞、組織または体液からの標準値もしくは標準値のセットに比べて、
より高い、一つまたは複数の試料中のホスホAktレベルは、耐性を予測する。

0097

ホスホAktレベルの測定は、対象から予め入手された試料からエキソビボで行われる。

0098

特に好ましくは、同じ腫瘍組織型を有する対象からの標準値もしくは標準値のセットに比べてより高い、一つまたは複数の試料中のホスホAktレベルは、耐性を予測する。

0099

一つまたは複数の試料からの測定値が、被比較試料と同じ腫瘍組織型を有する対象由来の試料からの標準値または標準値のセットと比較される場合i)についての好ましい一態様では、その標準値または標準値のセットは、その型のガンを有する対象集団由来の試料から定められる。試料の起源が標準と被比較試料との間で一致している限り、これらの標準対象からの試料は、例えば腫瘍組織または循環腫瘍細胞から得ることができる。

0100

一つまたは複数の試料からの測定値が、正常な細胞または組織から採取された標準値または標準値のセットと比較される場合ii)についての別の好ましい態様では、その標準値または標準値のセットは、正常な(例えば非腫瘍性の)細胞、組織または体液の試料から定めることができる。そのようなデータは、標準値または標準値のセットを作るために対象集団から集めることができる。

0101

標準値または標準値のセットは、細胞系由来でありうる予め入手された試料から、または好ましくは少なくとも一つの対象から採取された生物学的材料から、より好ましくは対象の平均値(例えば、n=2〜1000以上)から、エキソビボで定められる。次に、標準値または標準値のセットは、一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体を用いた処置に対する同じ細胞系または同じ対象の応答データと対比することができる。この対比から、式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体に対する応答レベルのスペクトルに関連づけてバイオマーカーのレベルを表示するコンパレーターモジュールを、例えば相対尺度または採点システムの形態の、場合によりカットオフ値または閾値を含むコンパレーターモジュールを定めることができる。応答レベルのスペクトルは、化合物の治療活性に対する相対感受性(例えば高感受性低感受性)、および治療活性に対する耐性を含みうる。好ましい一態様では、このコンパレーターモジュールは、処置に対する耐性を予測するカットオフ値または値のセットを含む。

0102

例えば、免疫組織化学法が試料中のホスホAktレベルを測定するために使用されるならば、標準値は、採点システムの形態でありうる。そのようなシステムは、ホスホAktについての染色が存在する細胞のパーセンテージを考慮する場合がある。システムは、また、個別細胞中の相対染色強度または細胞局在を考慮する場合がある。次に、ホスホAktレベルの標準値または標準値のセットを、式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体の治療活性に対する対象または組織または細胞系の応答、特に耐性を示すデータと対比することができる。次に、そのようなデータは、コンパレーターモジュールの一部を形成することができる。

0103

応答は、一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体の治療活性に対する、細胞系の、または好ましくは対象の、またはより好ましくは対象での疾患の反応である。応答レベルのスペクトルは、化合物の治療活性に対する相対感受性(例えば高感受性〜低感受性)、および治療活性に対する耐性を含みうる。応答データは、例えば、奏功率疾患進行までの時間、無増悪生存率、および全生存率に関してモニターすることができる。

0104

ガン性疾患の応答は、ガンの処置分野の専門家に周知の基準、例えば非限定的に以下を使用することによって評価することができる:
固形腫瘍効果判定基準(RECIST)ガイドライン、出典:Eisenhauer EA, Therasse P, Bogaerts J, SchwartzLH, Sargent D, Ford R, Dancey J, Arbuck S Gwyther S, Mooney M, Rubinstein L, Shankar L, Dodd L, Kaplan R, Lacombe D, Verweij J. New response evaluation criteria in solid tumours: revised RECIST guideline (version 1.1). Eur J Cancer.2009 ;45:228-47;
高悪性度神経膠腫のためのRANO基準、出典:Wen PY, Macdonald DR, Reardon DA, Cloughesy TF, Sorensen AG, Galanis E, Degroot J, Wick W, GilbertMR, Lassman AB, Tsien C, Mikkelsen T, Wong ET, Chamberlain MC, Stupp R, Lamborn KR, Vogelbaum MA, van den Bent MJ, ChangSM. Updated response assessment criteria for high-grade gliomas: response assessment in neuro-oncology working group. J Clin Oncol. 2010;28(11):1963-72;
卵巣ガン応答のためのCA−125 Rustin基準、出典:Rustin GJ, Quinn M, Thigpen T, du Bois A, Pujade-Lauraine E, Jakobsen A, Eisenhauer E, Sagae S, Greven K, Vergote I, Cervantes A, Vermorken J. 参照: New guidelines to evaluate the response to treatment in solid tumors (ovarian Cancer). J Natl Cancer Inst. 2004; 96(6):487-8;
および
前立腺ガン応答のためのPSA作業グループ2の基準、出典:Scher HI, Halabi S, Tannock I, Morris M, Sternberg CN, Carducci MA, Eisenberger MA, Higano C, Bubley GJ, Dreicer R, Petrylak D, Kantoff P, Basch E, Kelly WK, Figg WD, Small EJ, Beer TM, Wilding G, Martin A, Hussain M; Prostate Cancer Clinical Trials Working Group. Design and end points of clinical trials for patients with progressive prostate cancer and castrate levels of testosterone: recommendations of the Prostate Cancer Clinical Trials Working Group. J Clin Oncol. 2008;26(7):1148-59。

0105

耐性は、以下の一つもしくは複数に観察可能および/もしくは測定可能な減少がないこと、または以下の一つもしくは複数が不在であることに関連する:異常細胞、好ましくはガン細胞の数の減少、または異常細胞、好ましくはガン細胞の不在;ガン性疾患について:腫瘍径の減少;さらなる腫瘍成長の阻害(すなわち、ある程度減速、好ましくは停止);PSAおよびCA−125などの腫瘍マーカーレベル減少;他の臓器へのガン細胞浸潤阻害(すなわち、ある程度減速、好ましくは停止)(軟組織および骨へのガンの拡散を含む);腫瘍転移の阻害(すなわち、ある程度減速、好ましくは停止);特定のガンに関連する一つまたは複数の症状の緩和;ならびに罹患率および死亡率の減少。

0106

好ましい一態様では、耐性は、以下の基準の一つもしくは複数に観察可能および/もしくは測定可能な減少がないこと、または以下の一つもしくは複数が不在であることを意味する:腫瘍径の減少;さらなる腫瘍成長の阻害;他の臓器へのガン細胞の浸潤阻害;および腫瘍転移の阻害。

0107

より好ましい一態様では、耐性は、以下の基準の一つまたは複数を表す:腫瘍径の減少なし;さらなる腫瘍成長の阻害なし;他の臓器へのガン細胞の浸潤阻害なし;および腫瘍転移の阻害なし。

0108

上述の耐性基準の測定は、ガン性疾患の応答を測定するための上掲のガイドラインなどの、ガンの処置分野の専門家に周知の臨床ガイドラインによる。

0109

応答は、また、細胞増殖および/または細胞死を判定することによってin vitroで定めることができる。例えば、細胞死または細胞増殖に対する作用は、以下の十分に確立されたアッセイの一つまたは複数によってin vitroで判定することができる:A)アポトーシスの特徴である核の形態およびDNAフラグメント化についての情報を与える、Hoechst33342を用いた核染色。B)形質膜の外側脂質二重層ホスファチジルセリン含量を反映するアネキシン結合アッセイ。この事象は、アポトーシスの初期特徴と見なされる。C)核酸末端をラベルすることによってDNAフラグメント化を測定することによりアポトーシスまたは壊死を受けている細胞を評価するための蛍光法であるTUNELアッセイ(末端デオキシヌクレオチドトランスフェラーゼ介在性UTニック末端ラベリングアッセイ)。D)細胞の代謝活性を測定するMTS増殖アッセイ。生存細胞は代謝的に活性であり、一方で呼吸鎖が損なわれた細胞は、この試験で活性低下を示す。E)細胞成分の直接染色により細胞数に対する作用がモニターされるクリスタルバイオレット染色アッセイ。F)ブロモデオキシウリジン(BrdU)の取り込みによりDNA合成をモニターする増殖アッセイ。成長/増殖に対する阻害作用を、直接決定することができる。G)細胞生存率を妨害せずに瀕死の(例えばアポトーシス)細胞の分析を可能にする、膜不透過性蛍光単量体シアニン核酸染色を伴うYO−PROアッセイ。細胞数に対する全体的な作用は、また、細胞の透過化後に分析することができる。H)異なる細胞周期相の間の分布に変化を示す、細胞周期分布のためのヨウ化プロピジウム染色。細胞周期停止点を決定することができる。I)単一細胞懸濁物軟寒天中でコロニーに成長する能力を判定するコロニー成長アッセイなどの足場非依存性成長アッセイ。

0110

in vitro耐性の決定に関する好ましい一態様では、耐性は、異常細胞の増殖速度の低下、および/または異常細胞数の減少がないことを意味する。より好ましくは、耐性は、ガン細胞の増殖速度の低下、および/またはガン細胞数の減少がないことを意味する。異常細胞、好ましくはガン細胞の数の減少は、多様なプログラム細胞死メカニズムおよび非プログラム細胞死メカニズムにより起こりうる。アポトーシス、カスパーゼ非依存性プログラム細胞死およびオートファジー細胞死は、プログラム細胞死の例である。しかし、本発明の態様に関係する細胞死の基準は、任意の一つの細胞死メカニズムに限定されると解釈してはならない。

0111

ホスホAkt
上記に定義したようなAktという用語は、本明細書において全ての上述の異名およびアイソフォームを包含するために使用され、ホスホAktは、一つまたは複数の残基でリン酸化されているAktであり、但し、名称ホスホAktは、Akt1、Akt2、およびAkt3について、それぞれT308、T309またはT305以外の部位でのリン酸化を示すために使用される。これをさらに理解しやすくすると、ホスホAktは、それぞれAkt1、Akt2およびAkt3について、T308、T309またはT305でリン酸化されていても、されていなくてもよいが、名称ホスホAktは、これら以外の部位でリン酸化されていることを示す。

0112

Akt(ヒトAkt)のタンパク質配列の好ましい例を、配列番号1〜3、図9〜11に挙げる。しかし、Aktという用語は、これらの配列の相同体突然変異体型、アレル変異体、アイソフォーム、スプライス変異体および等価物も包含する。これらの配列のヒト相同体、突然変異体型、アレル変異体、アイソフォーム、スプライス変異体および等価物が、より好ましい態様である。より好ましくは、それは、配列番号1〜3によって表される任意の配列と少なくとも約75%の同一性、特に好ましくは少なくとも約85%の同一性、特に好ましくは少なくとも約95%の同一性を有する配列を包含する。特に好ましい一態様では、Aktは、配列番号1〜3によって表される任意の配列および任意のこれらの配列と少なくとも99%の同一性を有する配列に対応する。特に好ましい一態様では、Aktは、配列番号1によって表される配列およびこの配列と少なくとも95%の同一性、好ましくは少なくとも99%の同一性を有する配列に対応する。より特に好ましい一態様では、Aktは、配列番号1〜3のいずれかによって表される配列に対応する。さらにより特に好ましい一態様では、Aktは、配列番号1によって表される配列に対応する。

0113

特に好ましい一態様では、ホスホAktは、以下のセリン残基上でリン酸化されているAktを表すものとする(ここで、その好ましい態様は、前節に示す通りである):
Akt1(配列番号1)について:S473;
Akt2(配列番号2)について:S474;および
Akt3(配列番号3)について:S472。

0114

さらに別の特に好ましい態様では、ホスホAktは、配列番号1〜3によって表される任意の配列および任意のこれらの配列と少なくとも99%の同一性を有する配列に対応し、ここで、配列番号1によって表される配列について、S473がリン酸化されているか、または配列番号2によって表される配列について、S474がリン酸化されているか、または配列番号3によって表される配列について、S472がリン酸化されている。

0115

非常に特に好ましい一態様では、ホスホAktは、S473でリン酸化されている、配列番号1によって表される配列に対応する。

0116

ホスホAktのレベル
ホスホAktのレベルは、当業者に周知の技術的手段によって試料からアッセイすることができる。ホスホAktレベルをタンパク質レベルで測定するために適する、当業界で公知のタンパク質発現分析法の例には、非限定的に、i)免疫組織化学(IHC)分析、ii)ウエスタンブロッティング、iii)免疫沈降iv)酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、v)ラジオイムノアッセイ、vi)蛍光標識細胞分取FACS)、vii)質量分析マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI、例えばMALDI−MS)またはエレクトロスプレー(例えばESI−MS)を含む)が含まれる。

0117

上記方法のいくつかに関与する抗体は、モノクローナル抗体もしくはポリクローナル抗体抗体フラグメント、および/またはキメラ抗体を含めた様々な種類の合成抗体でありうる。抗体は、検出できるようにラベルされていてもよく、または一つもしくは複数のさらなる種との反応後に、例えばラベルされた二次抗体もしくは検出可能な結果を生成できる二次抗体を使用して、検出できてもよい。ホスホAktに特異的な抗体は、Cell Signalingから市販されており、または当業者に周知の従来の抗体発生法により調製することができる。

0118

タンパク質分析の好ましい方法は、ELISA、質量分析技法、免疫組織化学法およびウエスタンブロッティング、より好ましくはELISA、ウエスタンブロッティングおよび免疫組織化学法、特に好ましくはウエスタンブロッティングおよび免疫組織化学法である。免疫ブロッティングとしても知られているウエスタンブロッティングでは、タンパク質レベルを判定するためにラベルされた抗体を使用することができ、ここで、検出可能なラベルからのシグナル強度は、タンパク質の量に対応し、例えばデンシトメトリーによって定量することができる。

0119

免疫組織化学法もまた、バイオマーカーの存在および相対量を検出するために、ラベルされた抗体を使用する。それは、バイオマーカーが存在する細胞のパーセンテージを判定するために使用することができる。それは、個々の細胞中のバイオマーカーの局在または相対量を判定するためにも使用することもでき、後者は染色強度の関数として見なされる。

0120

ELISAが酵素結合免疫吸着アッセイを表すのは、特定タンパク質を検出するために、抗体または抗原に結合した酵素を使用するからである。ELISAは、(方法に他の変更があるものの)典型的には以下のように行われる:96ウェルプレートなどの固体基材に、バイオマーカーを認識する一次抗体コーティングする。次に、結合したバイオマーカーは、バイオマーカーに特異的な二次抗体によって認識される。これは、酵素に直接結合していてもよく、または酵素に結合している第三の抗免疫グロブリン抗体を使用してもよい。基質を添加し、酵素が反応を触媒し、特定の色が生じる。この色の吸光度を測定することによって、バイオマーカーの存在および量を決定することができる。

0121

バイオマーカーの使用
バイオマーカーは、上記と同義の一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体に対する対象での疾患の固有耐性を予測するために使用することができる。

0122

バイオマーカーは、上記と同義の一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体を用いた処置について、疾患を、好ましくはガンを患うまたは患いやすい対象を選択するために使用することができる。そのようなバイオマーカーのレベルは、そのような薬剤を用いた処置に応答するまたは応答しない見込みの対象を同定するために使用することができる。対象の層別化は、不必要な処置計画を避けるために行うことができる。特に、バイオマーカーは、得られた一つまたは複数の試料または試料が標準レベルまたは標準レベルのセットに比べて高いホスホAktレベルを示さない対象を同定するために使用することができ、そこで、次に、上記と同義の式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体を用いた処置のために、そのような対象を選択することができる。

0123

バイオマーカーは、また、量および投与スケジュールに関する処置計画の決定を補助するために使用することができる。追加的に、バイオマーカーは、一般式Iで示される一つまたは複数の化合物または薬学的に許容されうるその誘導体、および一つまたは複数の別の化学療法(細胞毒性)剤を含む、対象に与えるべき薬物の組み合わせの選択を補助するために使用することができる。さらに、バイオマーカーは、一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体を、ターゲット療法、内分泌療法、放射線療法、免疫療法もしくは外科的介入、またはこれらの組み合わせと組み合わせて投与すべきかどうかを含めて、対象における治療戦略の決定を補助するために使用することができる。

0124

ホスホAktは、また、一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体に対する応答を予測するため、および処置計画を決定するために、他のバイオマーカーと組み合わせて使用することができる。さらにそれは、耐性を予測するためおよび処置計画を決定するために、化学感受性検査と組み合わせて使用することができる。化学感受性検査は、対象から、例えば血液悪性腫瘍またはアクセス可能な固形腫瘍、例えば乳ガン、頭頸部ガンもしくはメラノーマを有する対象から採取された細胞に、一般式Iで示される化合物を直接適用して、その化合物に対する細胞の応答を決定することを伴う。

0125

処置方法
本発明は、また、いくつかの局面では処置方法および処置方法に使用するためのホスホAktを含み、ここで、最初にホスホAktレベルが、標準レベルまたは標準レベルのセットに比べて定められ、次に、前記試料中のホスホAktレベルが標準値または標準値のセット以下であるならば、上記と同義の一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体が投与される。当業者に周知なように、式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体は、薬学的組成物中に入れて投与することができる。適切な組成物および薬用量は、例えば、国際公開公報第2004/103994A1号35〜39ページに開示されており、この公報は、参照により本明細書に具体的に組み入れられる。温血動物、特にヒトへの鼻腔内、口内、直腸または特に、経口投与などの経腸投与用、および静脈内、筋肉内または皮下投与などの非経口投与用の組成物が、特に好ましい。より詳細には、静脈内投与用の組成物が好ましい。

0126

組成物は、活性成分および薬学的に許容されうる担体を含む。組成物の一例には、非限定的に以下が含まれる:それぞれ一般式(I)で示される一化合物0.05gを活性成分として含むゼラチン軟カプセル5000個は、以下のように調製される:粉砕された活性成分250gをLauroglykol(登録商標)(ラウリン酸プロピレングリコール、Gattefosse S.A., Saint Priest, France)2リットル中に懸濁し、湿式微粉機摩砕して粒子径約1〜3μmとする。次に、カプセル充填機を使用して混合物の0.419g分量をゼラチン軟カプセル中に導入する。

0127

また一局面では、本発明は、最初に、標準レベルまたは標準レベルのセットに比べてより高いホスホAktレベルの試料を有する対象においてホスホAktレベルを減少させること、次に、上記と同義の一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうる誘導体を用いてその対象を処置することによる、腫瘍性疾患または自己免疫疾患、好ましくはガンを処置する方法に関する。ホスホAktレベルは、直接または間接的な化学的または遺伝的手段によって減少させることができる。そのような方法の例は、ホスホAktレベルの減少を生じる薬物を用いた処置、ウイルス構築物プラスミド構築物、もしくはペプチド構築物のターゲット送達、またはホスホAktレベルをダウンレギュレーションするための抗体もしくはsiRNAもしくはアンチセンスである。例えばsiRNAは、発現されるリクター(rictor)のレベルを低下させ、したがって、mTORC2複合体の形成および活性を低下させ、それによって間接的にリン酸化Aktレベルを低下させるために使用することができる。次に、対象は、一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体を用いて処置することができる。

0128

一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体は、単独で、または一つもしくは複数の他の治療剤と組み合わせて投与することができる。可能性のある組み合わせ療法は、一定の組み合わせ、または本発明の化合物、および一つもしくは複数の他の治療剤の互い違いもしくは相互に独立した投与、または一定の組み合わせ、および一つもしくは複数の他の治療剤の組み合わせ投与の形態でありうる。一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体は、化学療法(細胞毒性)、ターゲット療法、内分泌療法、放射線療法、免疫療法もしくは外科的介入、またはこれらの組み合わせと組み合わせて、特に腫瘍療法のために、その上にまたは追加的に投与することができる。長期治療も、上記の他の処置戦略に関連した補助療法と同じく可能である。他の可能性のある処置は、腫瘍退縮後に患者の状態を維持するための治療、または例えばリスクのある患者での予防的化学療法でさえある。

0129

キットおよび装置
一局面では、本発明は、試料中のホスホAktレベルを測定するために必要な試薬を含む、好ましくは対象での疾患の、上記と同義の一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体に対する応答を予測するためのキットに、別の局面では装置に関する。好ましくは、試薬は、ホスホAkt用の検出体を含む捕捉試薬、および検出体試薬を含む。

0130

キットおよび装置は、また好ましくは、試料中のホスホAktレベルが比較される標準値または標準値のセットを含むコンパレーターモジュールを含みうる。好ましい一態様では、コンパレーターモジュールは、キットの使用説明に包含されている。別の好ましい態様では、コンパレーターモジュールは、ディスプレイ装置の形態、例えば、試料測定値の読み出し情報の隣に配置して抵抗レベルを表示するように設計された、カラーストリップまたは数値コード材料の形態である。標準値または標準値のセットは、上記のように決定することができる。

0131

試薬は、好ましくは、ホスホAktに選択的に結合する抗体または抗体フラグメントである。これらは、例えば、ホスホAktに結合する一つの特異的一次抗体、および一次抗体に結合する、それ自体検出用にラベルされている二次抗体の形態でありうる。一次抗体は、また、直接検出用にラベルされていてもよい。キットまたは装置は、洗浄後に他のバイオマーカーに比べて捕捉試薬に結合したバイオマーカーを選択的に保持させる洗浄溶液(一つまたは複数)も場合により収容しうる。次に、バイオマーカーのレベルを検出するために、そのようなキットを、ELISA、ウエスタンブロッティング、フローサイトメトリー、免疫組織化学法または他の免疫化学法に使用することができる。

0132

さらに、装置は、イメージング装置、または測定されたシグナルをさらに処理してシグナルをコンパレーターモジュール内のスケール転送する測定装置(例えば、非限定的に蛍光測定)を含みうる。

0133

より好ましくは、キットは、上記と同義の一般式Iで示される化合物または薬学的に許容されうるその誘導体を含む。次に、この化合物は、キット中に含まれる試薬によって測定されるような対象からの試料中のバイオマーカーのレベルに応じて、対象に投与することができる。したがって、本発明によるキットは、上記と同義の本発明による処置方法に使用することができる。特に好ましい一態様では、キットは、次式で示される化合物または薬学的に許容されうるその塩を含む。

0134

0135

キットの特に好ましい一態様では、薬学的に許容されうる塩は二塩酸塩である。別の局面では、本発明は、上記のようなキットの使用に関する。

0136

本明細書において、「含む(compriseもしくはcomprises)」または「含んでいる」という語句は、述べられた事項または事項の群の包含を意味するが、他の任意の事項または事項の群を除外することを意味しないと理解されたい。

0137

実験方法
培養細胞免疫蛍光染色
A549ヒト非小細胞肺ガン(NSCLC、ATCC参照番号CCL−185)細胞、HeLa子宮頸ガン細胞(ATCC参照番号CCL−2)およびSKBR3乳ガン細胞(ATCC参照番号HTB−30)を丸形顕微鏡カバーグラス上に密度50%で蒔き、10%FCS(FBSとも呼ぶ)を含有するRPMI−1640中で5%CO2下、37℃で24時間培養した。被験化合物DMSO中に溶解させた。細胞培養培地を、希釈された化合物(一つまたは複数)(パクリタキセル、ビンブラスチン、コルヒチンおよびノコダゾールはSigma-Aldrichから購入した)またはビヒクルを含有する培地交換した。図面の簡単な説明に示した時間だけ処置した後、カバーグラスを洗浄し、メタノールアセトン(1:1)中で細胞を室温で5分間固定し、続いてブロッキング緩衝液PBS中に0.5%BSAおよび0.1%TX−100)中にて室温で30分間インキュベーションした。次に、ブロッキング緩衝液中で検体を抗α−チューブリン抗体(Sigma、1:2000)と共に室温で1時間インキュベーションした。数回の洗浄工程の後に、AlexaFluor-488ヤギ抗マウスIgG(Molecular Probes、1:3000)と共に細胞を室温で1時間インキュベーションし、続いてブロッキング緩衝液で数回の洗浄工程を行った。次に、ProLong Gold antifade(Molecular Probes)で検体をマウントし、マニキュア液密封し、Leica免疫蛍光顕微鏡で観察した。冷却CCDカメラで画像を取得し、ImageJソフトウェアによって加工した。

0138

コロニー成長アッセイ:
患者由来腫瘍異種移植片(ヌードマウスで維持)の単一細胞懸濁物を調製した。コロニー成長アッセイのために、Hamburger & Salmon(Primary bioassay of human tumour stem cells, Science, 1977,197:461-463)によって導入されたアッセイにしたがって24ウェルプレートに入れた軟寒天中に細胞を蒔いた。0.4%寒天含有培地0.2mL中の2×104〜6×104個細胞を0.75%寒天基層上に蒔いた。被験化合物を培地0.2mLに加えた。各24ウェルプレートは未処置対照および試料を3回繰り返しで含有した。培養物を7.5%CO2下、37℃で5〜28日間インキュベーションした。分析の24時間前に、生存コロニーは、代謝可能なテトラゾリウム塩溶液(Alley MC et al、Life Sci. 1982, 31:3071-3078)で染色し、自動イメージ解析システム(Omnicon 3600, Biosys GmbH)で計数した。

0139

処置ウェルと対照ウェル中の平均コロニー数の比によって相対薬物作用表現した。相対コロニー数に対して化合物濃度プロットすることによってIC70値を決定した。

0140

タンパク質の抽出
50mMHEPES(pH7.5)、150mM NaCl、25mM β−グリセロホスフェート、25mM NaF、5mM EGTA、1mMEDTA、0.1%NP40、15mMピロホスフェート、2mMオルトバナジン酸ナトリウム、10mMモリブデン酸ナトリウムロイペプチン(10μg/mL)、アプロチニン(10μg/mL)および1mMPMSFを含有する氷冷緩衝液中に腫瘍を抽出した(腫瘍45mgあたり抽出体積1mL)。Polytronによって均質化後に、溶解液を1%NP40に調整し、上で20分間インキュベーションした。溶解液を遠心分離によって透明化し、−80℃で凍結した。

0141

免疫ブロッティング/ウエスタンブロッティング
免疫ブロッティングは、1レーンにつき合計タンパク質20μgを使用して行った。タンパク質濃度は、BCA Protein Assay(Pierce)を用いて決定した。10%SDSゲルでタンパク質を分離し、湿式ブロッティングを用いてPVDFメンブラン移行させた(45分、250mA/ゲル)。免疫ブロッティングのために使用される一次抗体は、以下の通りであった:
ホスホAkt(セリン473)(Cell Signalling、参照番号9271から入手可能)、起源:ウサギポリクローナル抗体、希釈1:1000、緩衝液の状態:0.5%ミルク/0.1%tweenを含有するPBS;
Aktタンパク質(Epitomics、参照番号1085−1から入手可能)、起源:ウサギモノクローナル抗体、希釈1:2000、緩衝液の状態:0.5%ミルク/0.1%tweenを含有するPBS;
アクチン:(Chemicon、参照番号MAB1501から入手可能)、起源:マウスモノクローナル、希釈1:5000、緩衝液の状態:0.5%ミルク/0.1%tweenを含有するPBS。

0142

免疫ブロッティングに使用される二次抗体は、ペルオキシダーゼ結合ヤギ抗ウサギまたはヤギ抗マウス抗体(Jackson ImmunoResearch Laboratories INC:参照番号111−035−144JIRおよび115−035−146JIRから入手可能)、希釈1:5000、緩衝液の状態:PBS/0.1%Tween中に0.5%ミルクであった。ラベルされたバンドは、Raytest Stella 3200 High Performance Imaging Systemを用いて明らかにした。

0143

免疫組織化学法
4%ホルムアルデヒドを含有する10%中性緩衝ホルマリン中で患者由来腫瘍異種移植片(ヌードマウス中に維持)の固定を室温で20〜28時間行った。固定された検体を70%エタノール溶液中で最大1週間保存してから、下述の条件を用いて標準手順にしたがって脱水およびパラフィン包埋を行った:

0144

0145

約2μmのパラフィン切片切り出し、標準処理工程で動作している自動免疫染色装置Benchmark XT(登録商標)(Roche)を使用することによって処理した。特異的抗体染色の視覚化は、発色基質として濃度5mg/mLのDAB(3,3−ジアミノベンジジン)を用いて行った。染色のために、以下の一次抗体および処理条件を使用した:

0146

0147

詳細な実施例
実施例1:一般式Iで示される化合物によって誘導される異なる有糸分裂表現型
化合物A(BAL27862)または化合物Bまたは化合物Cを用いた処置は、全ての被験腫瘍細胞系で高度に再現可能で別個の微小管表現型を誘導した(A549細胞、HeLa細胞およびSKBR3細胞でのBAL27862については図1に、A549細胞での化合物Cおよび化合物Bについては図2に示す)。分裂中の細胞では、紡錘体見かけ断片化が起こった結果、ドット様構造が形成した(図1)。この表現型は、微小管安定化剤パクリタキセルならびに微小管不安定化剤ビンブラスチンおよびコルヒチン(図3)およびノコダゾール(図4)などの従来の微小管ターゲティング剤で観察された表現型と異なることが示された。

0148

実施例2:BAL27862は、従来の微小管ターゲティング薬によって誘導される微小管表現型に優位打ち勝つ
微小管に対するその活性の独特さを示すために、BAL27862をビンブラスチン、コルヒチンおよびパクリタキセル(図5)ならびにノコダゾール(図6)と組み合わせてA549細胞を用いて試験した。ビンブラスチン、コルヒチン、パクリタキセルまたはノコダゾール単独を用いた処置は、これらの薬剤に特徴的な有糸分裂微小管表現型を誘導した。しかし、最後の4時間にBAL27862と組み合わせて処置した結果、微小管構造の破壊が生じ、ビンブラスチン、コルヒチン、パクリタキセルまたはノコダゾールが継続して存在するにもかかわらずBAL27862単独処置に一致する表現型が生じた。対照的に、最初にBAL27862で、続いてビンブラスチン、コルヒチン、パクリタキセルまたはノコダゾールと組み合わせて4時間処置することは、BAL27862処置に一致する、観察された微小管表現型に影響を及ぼさなかった。

0149

これらのデータは、式Iで示される化合物が微小管の生物学的性質に一貫して影響するが、従来の微小管ターゲティング剤とは異なる方法で影響することを実証している。

0150

本発明による詳細な実施例
実施例3:高いホスホAkt発現レベルと、BAL27862処置に耐性の患者由来腫瘍細胞との関連
コロニー成長アッセイに基づき、8人の患者から得られた、マウスでの異種移植片として維持した腫瘍から得られた腫瘍細胞を使用して、胃ガン、結腸直腸ガン、メラノーマ、および肺ガンからBAL27862感受性腫瘍細胞または耐性腫瘍細胞を同定した(表1参照)。対照に比べて70%の成長阻害が観察された濃度(IC70)を表1に示す。この表では、BAL27862感受性腫瘍細胞は、低ナノモル濃度範囲のIC70値を有した細胞であり、一方でBAL27862耐性腫瘍細胞は、>600ナノモル濃度のIC70値を有した。同じエキソビボアッセイを用いて、8種の腫瘍モデル中7種についてパクリタキセルおよびビンブラスチンのデータが入手可能であった。これらの7種のモデルのうち、全てがパクリタキセル処置に耐性であり、一方で6種がビンブラスチン処置に感受性であった。

0151

0152

異種移植片として維持された同じ腫瘍中のホスホAkt(リン酸化セリン−473を認識する抗体を使用)およびAktタンパク質のレベルを測定するために、免疫ブロッティング分析を行った。ローディング対照としてアクチンのレベルを免疫ブロットに含めた。

0153

ホスホAktレベルの分析から、ホスホAktレベルが腫瘍により異なることが示された(図7)。

0154

コロニー成長アッセイおよび同じIC70基準に基づき、パクリタキセルまたはビンブラスチン耐性と高いホスホAkt発現レベルとの間に関連はなかった(図7と表1を比較)。これは、例えば、胃ガンモデルで明らかである。GXF251およびGXF97はどちらもパクリタキセルに耐性であったものの、GXF251についてホスホAktレベルは事実上検出不能であり、一方でGXF97についてそのレベルは明らかにより高かった。同じ関連性欠如は、胃モデルにおいてビンカアルカロイドであるビンブラスチンに当てはまった。それは、これらの腫瘍の両方が、ビンブラスチン感受性であったからである。この関連性欠如は、メラノーマモデルおよび結腸直腸ガンモデルでも再現された。したがって、ホスホAktレベルは、患者由来腫瘍モデルにおける従来の微小管剤パクリタキセルおよびビンブラスチンに対する耐性の高信頼性バイオマーカーとしては不適当であることが示された。

0155

驚くことに、対照的に、コロニー成長アッセイによって定義されたBAL27862耐性データをホスホAktレベルと比較した場合、同じ腫瘍組織型から得られた感受性腫瘍ではなく、耐性腫瘍でのみ、ホスホAktの発現がより高いことが示された(図7と表1を比較)。したがって、発現レベルの増加は、BAL27862耐性を一貫して示した。このように、ホスホAktレベルは、本発明による化合物BAL27862についての耐性のバイオマーカーであることが示された。

0156

実施例4:胃腫瘍異種移植片の免疫組織化学分析
胃腫瘍異種移植片に免疫組織化学分析を行い(図8)、腫瘍モデルGXF97においてホスホAktがより高いレベルであることを明らかにした。今回も、より高いホスホAktレベルとBAL27862耐性の間に明らかな相関が見られた(コロニー成長アッセイ、表1によって定義されたように、腫瘍モデルGXF97はBAL27862耐性であり、一方で、腫瘍モデルGXF251はBAL27862感受性であった)。したがって、今回もホスホAktレベルは、本発明による化合物BAL27862についての耐性のバイオマーカーであることが示された。

0157

略語リスト
A549:ヒト非小細胞肺ガン細胞系
BCA:ビシンコニン酸
BrdU:ブロモデオキシウリジン
BSA:ウシ血清アルブミン
CA−125:ガン抗原
CCD:電荷結合素子
CREST:限局性強皮症症候群
DAB:3,3−ジアミノベンジジン
DMSO:ジメチルスルホキシド
DNA:デオキシリボ核酸
dUTP:2’−デオキシウリジン5’−三リン酸
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
EGTA:エチレングリコールビス(β−アミノエチル)N,N,N’,N’−四酢酸
ELISA:酵素結合免疫吸着アッセイ
ESI−MS:エレクトロスプレーイオン化質量分析
EtOH:エタノール
FACS:蛍光標識細胞走査/分取
FCS/FBS:ウシ胎児血清
G2/M:細胞周期でのG2から有糸分裂期への移行
HeLa:ヒト扁平細胞ガン細胞系
HEPES:4−(2−ヒドロキシエチルピペラジン−1−エタンスルホン酸
Hoe33342:2’−(4’−エトキシフェニル)−5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2,5’−ビス−1H−ベンズイミダゾール三塩酸塩三水和物
IC70:シグナルの70%が阻害される濃度
IgG:免疫グロブリンG
IHC:免疫組織化学法
ISET:上皮腫瘍細胞のサイズによる単離
MALDI:マトリックス支援レーザー脱離/イオン化質量分析
mTORC2:哺乳類ラパマイシン標的タンパク質複合体2
MTS:3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム
NaF:フッ化ナトリウム
NCBI:国立バイオテクノロジー情報センター
NSCLC:非小細胞肺ガン
NP40:ノニデットP40
PBS:リン酸緩衝食塩水
P−gp:P−糖タンパク質
PKB:プロテインキナーゼB
PMSF:フェニルメチルスルホニルフルオリド
PSA:前立腺特異抗原
PVDF:フッ化ポリビニリデン
RAC:AおよびCキナーゼ関連タンパク質
RANO:高悪性度神経膠腫に関する応答判定
RECIST:固形腫瘍での応答評価基準
RICTOR:mTORのラパマイシン非感受性コンパニオン
RPMI−1640:トランスフォーメーションおよび非トランスフォーメーションされた真核細胞および真核細胞系を培養するために使用される細胞培養培地
SDS:ドデシル硫酸ナトリウム
SEQ. ID No.:配列番号
siRNA:低分子阻害性リボ核酸
SKBR3:ヒト乳ガン細胞系
TUNEL:末端デオキシヌクレオチドトランスフェラーゼdUTPのニック末端ラベリング
Tween:非イオン洗剤
YO−PRO:蛍光モノマー性シアニン核酸染色

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