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図面 (7)

課題・解決手段

ウイルス侵入阻害する組成物および方法を本明細書に開示する。

概要

背景

HIV侵入は、非共有会合表面(gp120)および膜貫通(gp41)サブユニットを含むウイルスエンベロープ糖タンパク質によって媒介される。gp120は主に細胞受容体の認識に関係しているが、gp41は膜融合を直接媒介する。gp41N−およびC−ペプチド領域(N−およびC−ペプチド)から単離されたペプチドは、溶液に混合されると6ヘリックスバンドルを形成し、これは融合後のgp41構造を表す。3つのN−ペプチドは、両側に隣接するN−ペプチドの間の長い溝に横たわる3つの逆平行リックスC−ペプチドによって囲まれた、中心が平行な三量体コイルドコイル(N−三量体)を形成する。この構造の重要性は、N−およびC−ペプチドによるHIV侵入のドミナントネガティブ阻害によって示される。

阻害および構造の有効なデータによって、HIV膜融合のモデル(図1)が裏付けられる。先ず、gp120は細胞CD4およびケモカインコレセプター(典型的にはCXCR4またはCCR5)と相互作用し、gp120に大きな構造変化が生じ、これはgp41とgp120との界面を介してgp41に伝播する。その後gp41は構造的再編成を行い、これによってそのN−末端融合ペプチド開放し、これが標的細胞膜に入り込む。融合のこの段階で、gp41は、ウイルス膜細胞膜とを架橋する伸長した「プレヘアピン中間体立体配座となり、N−三量体領域を露出する。この中間体は比較的長寿命(数分間)であるが、各gp41単量体のN−およびC−ペプチドが会合してヘアピン構造を形成すると、最終的に崩壊する。3つのこのようなヘアピン(ヘアピンの三量体)は6へリックスバンドルを形成し、これはウイルス膜と細胞膜とを密接に付着させ、膜融合をもたらす。この構造はgp41の融合活性状態コアに相当すると見られ、インフルエンザ、モロニ−マウス白血病ウイルスサル免疫不全ウイルス(SIV)およびエボラウイルスからのエンベロープ融合タンパク質提唱される膜融合構成と類似している。

このモデルによれば、N−三量体に結合してヘアピン形成を妨げる阻害剤は、ウイルスの侵入を阻害することができる。このことはN−三量体に結合する多くのペプチド、タンパク質および小分子阻害剤によって十分に裏付けされてきた。N−三量体の特に興味深い特徴は、その17のC−末端残基によって形成される深い疎水性の「ポケット」である。このポケットは阻害剤標的として下記の魅力的な特徴を有している:(1)大変高度に保存された配列、(2)ウイルス侵入における重要な役割、(3)短鎖ペプチドによる阻害に弱い小さな結合部位、および(4)数種類のペプチド設計(例えば、ポケット構造忠実模倣するIQN17,IZN17,5へリックス、NCCGN13)。当技術分野において必要なのは、gp41の細胞内侵入を阻害することのできる、適切な薬物動態特性を有するペプチドである。

概要

ウイルス侵入を阻害する組成物および方法を本明細書に開示する。

目的

この「耐性コンデンサ」の特性は、耐性を与えるために結合する僅かな多重突然変異の段階的な蓄積を防止することである

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

ポリエチレングリコール(PEG)リンカーによって作用強度増強カーゴに連結された、少なくとも1つのD−ペプチドを含む組成物

請求項2

前記少なくとも1つのD−ペプチドがウイルス膜貫通タンパク質のN−三量体ポケットと結合可能である、請求項1に記載の組成物。

請求項3

前記PEGリンカーが少なくとも12のエチレングリコール反復単位を含み、前記少なくとも1つのD−ペプチドを前記作用強度増強カーゴに連結させる、請求項1または2に記載の組成物。

請求項4

前記PEGリンカーが、PEG12, PEG16,PEG24,PEG25,PEG26,PEG27,PEG28,PEG29,PEG30,PEG31,PEG32,PEG33,PEG34,PEG35またはPEG36のうちの1つである、請求項1〜3の何れか一項に記載の組成物。

請求項5

請求項6

前記作用強度増強カーゴがコレステロールまたはコレステロールの類似体である、請求項1〜5の何れか一項に記載の組成物。

請求項7

前記作用強度増強カーゴが脂肪酸である、請求項1〜4の何れか一項に記載の組成物。

請求項8

前記脂肪酸が少なくともC8脂肪酸、C16脂肪酸およびC18脂肪酸である、請求項7に記載の組成物。

請求項9

前記作用強度増強がアルカン鎖である、請求項1〜4の何れか一項に記載の組成物。

請求項10

前記アルカンはC6アルカン、C16アルカンおよびC18アルカンのうちの少なくとも1つである、請求項9に記載の組成物。

請求項11

前記少なくとも1つのD−ペプチドは、配列ID番号:1〜29のうちの少なくとも1つである、請求項1〜10の何れか一項に記載の組成物。

請求項12

前記少なくとも1つのD−ペプチドは、PIE7およびPIE12のうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜11の何れか一項に記載の組成物。

請求項13

chol−PEG24−PIE12からなる、請求項1に記載の組成物。

請求項14

少なくとも3つのD−ペプチドは、ポリエチレングリコール(PEG)リンカーを有する多量体骨格に連結される、多量体骨格に連結した少なくとも3つのD−ペプチドを含む組成物。

請求項15

前記少なくとも3つのD−ペプチドは、ウイルス膜貫通タンパク質のN−三量体ポケットと結合可能である、請求項14に記載の組成物。

請求項16

前記PEGリンカーは少なくとも2つのエチレングリコール反復単位を含む、請求項14または15の何れか一項に記載の組成物。

請求項17

前記PEGリンカーは、PEG4またはPEG5のうちの1つである、請求項14〜16の何れか一項に記載の組成物。

請求項18

前記多量体骨格は3つのNHSエステル基を含む三量体骨格である、請求項14〜17の何れか一項に記載の組成物。

請求項19

前記少なくとも3つのD−ペプチドは、前記NHSエステル基によって前記三量体骨格に連結される、請求項18に記載の組成物。

請求項20

前記多量体骨格は、トリス、ジリシンベンゼン環リン酸またはペプチドコアを含む、請求項14記載の組成物。

請求項21

前記少なくとも3つのD−ペプチドは同じD−ペプチドである、請求項14〜20の何れか一項に記載の組成物。

請求項22

前記少なくとも3つのD−ペプチドは少なくとも2つの異なるD−ペプチドを含む、請求項14〜20の何れか一項に記載の組成物。

請求項23

前記少なくとも3つのD−ペプチドは配列ID番号:1〜29のうちの少なくとも1つを含む、請求項14〜22の何れか一項に記載の組成物。

請求項24

前記少なくとも3つのD−ペプチドはPIE7およびPIE12のうちの少なくとも1つを含む、請求項14〜23の何れか一項に記載の組成物。

請求項25

PEG4−PIE12−三量体からなる請求項14に記載の組成物。

請求項26

前記少なくとも3つのD−ペプチドおよび多量体骨格に連結した少なくとも1つの作用強度増強カーゴを含む組成物。

請求項27

前記多量体骨格は、3つのNHSエステル基および第4直交基を含むヘテロ四量体骨格である、請求項26に記載の組成物。

請求項28

前記少なくとも3つのD−ペプチドは、前記3つのNHSエステル基を介してヘテロ四量体骨格に連結し、前記少なくとも1つの作用強度増強基は、前記第4直交基を介して前記ヘテロ四量体骨格に連結する、請求項27に記載の組成物。

請求項29

前記少なくとも1つの作用強度増強基は、ポリエチレングリコール(PEG)リンカーによって、前記第4直交基を介して前記ヘテロ四量体骨格に連結される、請求項28に記載の組成物。

請求項30

前記PEGリンカーは少なくとも12のエチレングリコール反復単位を含む、請求項29に記載の組成物。

請求項31

、前記PEGリンカーは、PEG12,PEG16,PEG24,PEG25,PEG26,PEG27,PEG28,PEG29,PEG30, PEG31,PEG32,PEG33,PEG34,PEG35,PEG36,PEG57,またはPEG132のうちの1つである、請求項29に記載の組成物。

請求項32

前記多量体骨格は、トリス、ジリシン、ベンゼン環、リン酸またはペプチドコアを含む、請求項26に記載の組成物。

請求項33

前記作用強度増強基は、マレイミド反応基を介して前記ヘテロ四量体骨格に連結される、請求項26に記載の組成物。

請求項34

前記作用強度増強カーゴが、ステロ−ル、アルブミン、ポリエチレングリコール、糖、マルトース結合タンパク質、血清アルブミン、コレステロール、ユビキチン、ストレプトアビジン、免疫グロブリンドメイン、キーホールリンペットヘモシアニン、マッコウクジラミオ−オボアルブミン、ウシ膵臓トリプシン阻害剤、緑色蛍光タンパク質、金粒子、磁粉、アガロースビーズ、ラクトースビーズまたは脂肪酸のうちの少なくとも1つである、請求項26〜33の何れか一項に記載の組成物。

請求項35

前記作用強度増強カーゴがコレステロールまたはコレステロールの類似体である、請求項26〜33の何れか一項に記載の組成物。

請求項36

前記作用強度増強カーゴが脂肪酸である、請求項26〜33の何れか一項に記載の組成物。

請求項37

前記脂肪酸は、C8脂肪酸、C16脂肪酸およびC18脂肪酸のうちの少なくとも1つである、請求項36に記載の組成物。

請求項38

前記作用強度増強カーゴがアルカン鎖である、請求項26〜33の何れか一項に記載の組成物。

請求項39

前記アルカン鎖がC6アルカン、C16アルカンおよびC18アルカのうちの少なくとも1つである、請求項38に記載の組成物。

請求項40

前記少なくとも3つのD−ペプチドが、配列ID番号:1〜29のうちの少なくとも1つを含む、請求項26〜39の何れか一項に記載の組成物。

請求項41

前記少なくとも3つのD−ペプチドが、PIE7およびPIE12のうちの少なくとも1つを含む、請求項26〜40の何れか一項に記載の組成物。

請求項42

chol−PEG12−PIE12−三量体、chol−PEG16−PIE12−三量体、chol−PEG24−PIE12−三量体、chol−PEG36−PIE12−三量体、chol− PEG57−PIE12−三量体、chol−PEG132−PIE12−三量体、C8脂肪酸−PEG24−PIE12−三量体、C16脂肪酸−PEG24−PIE12−三量体、C18脂肪酸−PEG24−PIE12−三量体、C8アルカン−PEG24−PIE12−三量体、C16アルカン−PEG24−PIE12−三量体およびC18アルカン−PEG24−PIE12−三量体のうちの少なくとも1つのからなる、請求項26に記載の組成物。

請求項43

前記組成物はウイルス細胞内への侵入阻害する、請求項1〜42の何れか一項に記載の組成物。

請求項44

請求項1〜43の何れか一項に記載の組成物を含む薬学的組成物

請求項45

請求項1〜42の何れか一項に記載の組成物にウイルスをさらし、ウイルスの細胞内への侵入を阻害するステップを含む、ウイルスの細胞内への侵入を阻害する方法。

請求項46

前記ウイルスはHIVである、請求項45に記載の方法。

請求項47

請求項1〜42の何れか一項に記載の組成物の有効な量を該被験者投与するステップを含む、被験者におけるウイルス感染治療する方法。

請求項48

前記ウイルスはHIVである、請求項47に記載の方法。

請求項49

前記被験者に、ウイルス複製阻害剤ウイルスプロテアーゼ阻害剤、ウイルス逆転写酵素阻害剤ウイルス侵入阻害剤、ウイルスインテグラーゼ阻害剤、ウイルスRev阻害剤、ウイルスTat阻害剤、ウイルスNef阻害剤、ウイルスVpr阻害剤、ウイルスVpu阻害剤およびウイルスVif阻害剤からなる群から選択した抗ウイルス剤を投与するステップを含む、請求項47に記載の方法。

技術分野

0001

連邦支援研究に関する記載)
この研究は国立保健研究機構(the National Institutes of Health)(認可番号AIRI076168)による援助を一部受けたものである。合衆国政府は本開示に対する特定の権利を有する。

背景技術

0002

HIV侵入は、非共有会合表面(gp120)および膜貫通(gp41)サブユニットを含むウイルスエンベロープ糖タンパク質によって媒介される。gp120は主に細胞受容体の認識に関係しているが、gp41は膜融合を直接媒介する。gp41N−およびC−ペプチド領域(N−およびC−ペプチド)から単離されたペプチドは、溶液に混合されると6ヘリックスバンドルを形成し、これは融合後のgp41構造を表す。3つのN−ペプチドは、両側に隣接するN−ペプチドの間の長い溝に横たわる3つの逆平行リックスC−ペプチドによって囲まれた、中心が平行な三量体コイルドコイル(N−三量体)を形成する。この構造の重要性は、N−およびC−ペプチドによるHIV侵入のドミナントネガティブ阻害によって示される。

0003

阻害および構造の有効なデータによって、HIV膜融合のモデル図1)が裏付けられる。先ず、gp120は細胞CD4およびケモカインコレセプター(典型的にはCXCR4またはCCR5)と相互作用し、gp120に大きな構造変化が生じ、これはgp41とgp120との界面を介してgp41に伝播する。その後gp41は構造的再編成を行い、これによってそのN−末端融合ペプチド開放し、これが標的細胞膜に入り込む。融合のこの段階で、gp41は、ウイルス膜細胞膜とを架橋する伸長した「プレヘアピン中間体立体配座となり、N−三量体領域を露出する。この中間体は比較的長寿命(数分間)であるが、各gp41単量体のN−およびC−ペプチドが会合してヘアピン構造を形成すると、最終的に崩壊する。3つのこのようなヘアピン(ヘアピンの三量体)は6へリックスバンドルを形成し、これはウイルス膜と細胞膜とを密接に付着させ、膜融合をもたらす。この構造はgp41の融合活性状態コアに相当すると見られ、インフルエンザ、モロニ−マウス白血病ウイルスサル免疫不全ウイルス(SIV)およびエボラウイルスからのエンベロープ融合タンパク質提唱される膜融合構成と類似している。

0004

このモデルによれば、N−三量体に結合してヘアピン形成を妨げる阻害剤は、ウイルスの侵入を阻害することができる。このことはN−三量体に結合する多くのペプチド、タンパク質および小分子阻害剤によって十分に裏付けされてきた。N−三量体の特に興味深い特徴は、その17のC−末端残基によって形成される深い疎水性の「ポケット」である。このポケットは阻害剤標的として下記の魅力的な特徴を有している:(1)大変高度に保存された配列、(2)ウイルス侵入における重要な役割、(3)短鎖ペプチドによる阻害に弱い小さな結合部位、および(4)数種類のペプチド設計(例えば、ポケット構造忠実模倣するIQN17,IZN17,5へリックス、NCCGN13)。当技術分野において必要なのは、gp41の細胞内侵入を阻害することのできる、適切な薬物動態特性を有するペプチドである。

0005

米国出願第12/526,071号
米国特許第3,610,795号
米国特許第6,031,071号
米国特許第5,824,520号
米国特許第5,596,079号
米国特許第5,565,332号
米国特許第5,084,824号
米国特許第5,288,514号
米国特許第5,449,754号
米国特許第5,506,337号
米国特許第5,539,083号
米国特許第5,545,568号
米国特許第5,556,762号
米国特許第5,565,324号
米国特許第5,565,332号
米国特許第5,573,905号
米国特許第5,618,825号
米国特許第5,619,680号
米国特許第5,627,210号
米国特許第5,646,285号
米国特許第5,663,046号
米国特許第5,670,326号
米国特許第5,677,195号
米国特許第5,683,899号
米国特許第5,688,696号
米国特許第5,688,997号
米国特許第5,698,685号
米国特許第5,712,146号
米国特許第5,721,099号
米国特許第5,723,598号
米国特許第5,741,713号
米国特許第5,792,431号
米国特許第5,807,683号
米国特許第5,807,754号
米国特許第5,821,130号
米国特許第5,831,014号
米国特許第5,834,195号
米国特許第5,834,318号
米国特許第5,834,588号
米国特許第5,840,500号
米国特許第5,847,150号
米国特許第5,856,107号
米国特許第5,856,496号
米国特許第5,859,190号
米国特許第5,864,010号
米国特許第5,874,443号
米国特許第5,877,214号
米国特許第5,880,972号
米国特許第5,886,126号
米国特許第5,886,127号
米国特許第5,891,737号
米国特許第5,916,899号
米国特許第5,919,955号
米国特許第5,925,527号
米国特許第5,939,268号
米国特許第5,942,387号
米国特許第5,945,070号
米国特許第5,948,696号
米国特許第5,958,702号
米国特許第5,958,792号
米国特許第5,962,337号
米国特許第5,965,719号
米国特許第5,972,719号
米国特許第5,976,894号
米国特許第5,980,704号
米国特許第5,985,356号
米国特許第5,999,086号
米国特許第6,001,579号
米国特許第6,004,617号
米国特許第6,008,321号
米国特許第6,017,768号
米国特許第6,025,371号
米国特許第6,030,917号
米国特許第6,040,193号
米国特許第6,045,671号
米国特許第6,045,755号
米国特許第6,060,596号
米国特許第6,061,636号
米国特許第6,025,371号
米国特許第6,017,768号
米国特許第5,821,130号
米国特許第5,976,894号
米国特許第5,972,719号
米国特許第5,965,719号
米国特許第5,962,337号
米国特許第5,958,792号
米国特許第5,948,696号
米国特許第5,942,387号
米国特許第5,925,527号
米国特許第5,919,955号
米国特許第5,916,899号
米国特許第5,859,190号
米国特許第5,856,496号
米国特許第5,856,107号
米国特許第5,847,150号
米国特許第5,840,500号
米国特許第5,831,014号
米国特許第5,721,099号
米国特許第5,712,146号
米国特許第5,698,685号
米国特許第5,506,337号
米国特許第5,618,825号
米国特許第5,288,514号

先行技術

0006

Thorsonら、Methodsin Molec. Biol.77:43−73(1991), Zoller, Current Opinion in Biotechnology,3:348−354(1992)
Ibba,Biotechnology & Genetic Engineering Reviews 13:197−216(1995)
Cahillら、TIBS,14(10):400−403 (1989)
Benner,TIB Tech,12:158−163(1994)
IbbaおよびHennecke,Bio/technology,12:678−682(1994)
Spatola,A. F.in Chemistry and Biochemistry of Amino Acids, Peptides, and Proteins, B. Weinstein, eds., Marcel Dekker, New York, p. 267(1983)
Spatola,A.F.,Vega Data(March 1983), Vol.1, Issue 3, Peptide Backbone Modifications (general review)
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Spatolaら、Life Sci 38: 1243−1249(1986)(−−CH H2−−S)
Hann J. Chem. Soc Perkin Trans.1307−314(1982)(−−CH−−CH−−,cic and trans)
Almquistら、 J. Med.Chem.23: 1392−1398(1980)(−−COCH2−)
Jennings Whiteら、Tetrahedron Lett 23 :2533(1982)(−COCH2−−)
Szelkeら、 European Appln,EP 45665 CA (1982): 97:39405(1982)(−−CH(OH)CH2−−)
Holladayら、Tetrahedron. Lett 24:4401−4404(1983)(−−C(OH)CH2−−)
Hruby, Life Sci 31:189−199(1982)(−CH2−−S−−)
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LewisおよびDean,1989 Proc. R. Soc. Lond.236,125〜140および141〜162
Askewら、1989 J. Am. Chem. Soc. 1ll,1082〜1090
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ClarkLewis Iら、 Biochemistry, 30:3128 (1991)
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Schnolzer, Mら、Science,256:221(1992)
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Williamsら、PNAS,74:11285(1997)
M.Singhら、J.Mol.Biol、290:1031(1999)

発明が解決しようとする課題

0007

開示する方法および組成物のために使用することのできる、もしくはそれらと共に使用することのできる、またはそれらの調製において使用することのできる、あるいは開示する方法および組成物の製造物である材料、組成物および成分を開示する。これらの材料およびその他の材料を本明細書に開示するが、これらの材料の組み合わせ、サブセット、相互作用、群などの開示の際に、これらの化合物の種々の個別的および集合的な組み合わせ、ならびにこれらの化合物の順序が明白に開示されていない可能性があるが、各々が具体的に企図され、本明細書に記載されていると理解されたい。例えば、ポリペプチドが開示および考察され、ポリペプチドを含む多くの分子に対して多くの修飾が考察される場合、それとは反対のことが特に明記されていない限り、ポリペプチドのあらゆる組み合わせおよび順序ならびに可能な修飾が具体的に企図されている。よって、分子クラスA,B,Cおよび分子クラスD,E,Fが開示され、ならびに組み合わせ分子の例A−Dが開示されている場合、各々が個別に記載されていなくても、各々は個別および集合的に企図されている。よってこの例においては、A−E,A−F,B−D,B−E,B−F,C−D,C−E,C−Fの組み合わせの各々が、A,B,CおよびD,E,Fの開示ならびにA−Dの組み合わせ例から具体的に企図されているものと理解されたい。同様に、これらのクラスのサブセットまたは組み合わせも具体的に企図、開示されている。従って、例えばA−E,B−FおよびC−Eのサブグループは具体的に企図されたものであり、A,B,CおよびD,E,Fの開示ならびにA−Dの組み合わせ例から開示されていると見なされるべきである。この概念は、開示された組成物の製造および使用に関する方法のステップが含まれるが、これに限定されないアプリケーションの全ての態様に適用される。よって実行することのできる種々の追加のステップがある場合、これらの追加ステップの各々は、開示された方法の任意の特定の実施形態または実施形態の組み合わせによって実行でき、各々のこのような組み合わせは具体的に企図され、開示されていると見なされるべきであることを理解されたい。

課題を解決するための手段

0008

業者は、日常的な実験のみを使用して、本明細書に記載する方法および組成物の特定の実施形態の多くの同等物を認識、または確認することができるだろう。尚、これらは変わる可能性があるので、開示された方法および組成物は、記載された特定の方法論、実施要および試薬に制限されるものではないと理解されたい。また、本明細書において使用される用語は特定の実施形態を説明する目的のみに使用され、添付の請求項によってのみ制限される本発明の範囲を制限することを意図したものではないと理解されたい。

図面の簡単な説明

0009

本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、記載と共に、開示した組成物および方法の特定の実施形態を説明するものである。

0010

HIVの侵入経路の実施形態を示し、gp41融合ペプチドおよび膜貫通ドメインも示している。明確さのために、gp120をプレヘアピン中間体から削除している。
N−三量体ポケット領域(D−ペプチド結合部位)と標的細胞膜との間の予測距離を示している。
図3aは、本明細書に開示するホモ三量体PEG骨格の一実施形態を示している。図3bは、本明細書に開示するヘテロ四量体PEG骨格の一実施形態を示している。
図4aは、PEGリンカー長のchol−PIE12−三量体作用強度ポテンシー)への観測効果を示している。図4bは、種々のアルカン長のC8/C16/C18−PIE12−三量体作用強度への観測効果を示している。
PIE12−三量体の一実施形態と比較した、chol−PIE12−三量体の一実施形態の増強された薬物動態特性を示している。

実施例

0011

(A.定義)
特に定義されていない限り、本明細書に使用される全ての技術用語および科学用語は、本明細書の文脈において、当業者によって一般的に理解される意味を有している。

0012

本明細書および添付の特許請求の範囲において使用する場合、単数形「a」、「an」および「the」は、特に文脈において明確に指示のない限り、複数の指示対象を含む。従って、例えば、「a carrier」についての言及は、2つ以上のこのようなキャリアの混合物などを含む。

0013

本明細書において、範囲は、「約(about)」ある特定の値から、および/または「約」他の特定の値までとして表現されることができる。このような範囲が示される場合、他の実施形態は、1つの特定の値から、および/または他の特定の値までを含む。同様に、先行詞「約」を使用することによって、値を近似値として示す場合、その特定の値は別の実施形態を形成することを理解することができる。更に各範囲の終点は、他の終点との関連において、および他の終点と独立して、どちらにおいても重要であることが更に理解され得る。本明細書では多くの値が開示されているが、各値は、その値自体に加えて、本明細書においては「約」その特定の値としても開示されているものと理解されたい。例えば「10」という値が開示されている場合、「約10」も開示されている。また、当業者によって適切に理解されるように、ある値が開示されている場合、その値「以下または同等」の値、その値「以上または同等」の値、および複数の値の間の潜在的な範囲も開示されているものと理解されたい。例えば、「10」とう値が開示されている場合、「10以下」および「10以上」も開示されている。また、本明細書を通して、データが多くの異なる形式で提供されていること、そしてこのデータは終点および開始点、ならびにこれらのデータ点の任意の組み合わせの範囲を表しているものと理解されたい。例えば、特定のデータ点「10」および「15」が開示されている場合、それらを超える、以上、未満および以下、ならびに10と15の間も開示されていると理解されたい。また、2つの特定の値の間の各々の値も開示されていると理解されたい。例えば、10および15が開示されている場合、11、12、13および14も開示されている。

0014

本明細書およびそれに続く特許請求の範囲では、下記に示す意味を有すると規定される、多くの用語に関して述べられている。

0015

任意選択の」または「任意選択で」とは、続いて記載される事象または状況が起こるまたは起こらないことを意味しており、この記載はその事象または状況が起こる場合および起こらない場合を含んでいる。

0016

本明細書全体において種々の文献が参照されている。これらの文献の開示全体を参照としてこの明細書に援用し、これが属する技術分野をより完全に記載している。開示された文献はまた、文献が依拠される文章で論じられる、当該文献に含まれる資料のために、本明細書において個別的かつ具体的に援用される。

0017

(B.組成物)
開示された組成物の調製に使用される成分および本明細書に開示する方法において使用される組成物自体について開示する。

0018

DP178およびC34などの合成C−ペプチド(Cヘリックスに対応するペプチド)は、HIV−1膜融合の強力な阻害剤であり、実験室馴化株および初代分離株に対して有効である。gp41コアの構造的特性に基づき、これらのペプチドは、外因性C−ペプチドがgp41の中央コイルドコイルと結合してその不活性化を導く、ドミナントネガティブ機構を介して作用すると考えられている。これらのペプチドは、天然のgp41構造(すなわち、遊離ビリオンに存在する非融合性立体構造)がgp120/CD4/共受容体の相互作用よって撹乱される場合に形成される、gp41のプレヘアピン中間体に作用する可能性がある。このプレヘアピン中間体は露出されたN−コイルドコイルを有しており、これによって融合活性のヘアピン構造が形成される前に、C−ペプチドに結合してgp41を不活性化することができる。従って、このキャビティと高い親和力で結合して通常のN−およびC−ヘリックス対形成を阻止する化合物は、有効なHIV−1阻害剤である。さらにキャビティ内の残基は多様なHIV−1分離株間で高度に保存される。この高い構造的な保存性のため、この部位を標的とする薬物は、多様なHIV−1分離株に対して広い活性度を有していると考えられる。

0019

本明細書に記載するような、HIV−1エンベロープタンパク質gp41サブユニットのN−ヘリックスコイルドコイル表面上のポケットは、薬物標的である。同様に、AIDSを引き起こす可能性のあるその他の病原体(例えばHIV−2)または非ヒト哺乳動物にAIDSの様な症状を引き起こす病原体(例えばSIV)上のキャビティもまた薬物標的である。有効な方法(例えば、鏡像ファージディスプレイ法コンビナトリアルケミストリー計算的手法およびその他の薬物スクリーニングならびに医化学的方法)を、十分な親和性でHIV−1(および/またはHIV−2)のコイルドコイルキャビティに結合させ、ウイルスの細胞内侵入を妨いでウイルス感染を阻害する多量体を含むペプチドおよびD−ペプチドならびにペプチド模倣薬および小分子の同定に使用することができる。鏡像ファージディスプレイは、HIV−1 gp41のN−ヘリックスコイルドコイル表面上のキャビティに結合するD−ペプチドの同定に使用されてきた。

0020

本明細書では、ウイルス膜貫通タンパク質のN−三量体ポケットと相互に作用するD−ペプチドを含む組成物を開示する。例えば、D−ペプチドはHIVエンベロープ糖タンパクgp41(例えば、HIV−1,HIV−2)のN−ヘリックスコイルドコイルにおける表面のキャビティと結合することができる。このようなD−ペプチドは、それらがN−ヘリックスコイルドコイルキャビティとウイルスgp41のC−ペプチド領域のアミノ酸残基の相互作用を干渉し、ウイルスの細胞内侵入を阻止する、または阻害するようにキャビティに結合するための十分な長さであれば、どんな長さでもよい。例えば、ペプチドは長さが少なくとも2,3,4,5,6,7,8,9または10のコアアミノ酸残基を含むことができる。本明細書に記載するように、アミノ酸残基は、自然または非自然に発生させるか、または修飾することができる。HIV gp41のN−三量体に結合するペプチドの例は米国出願第12/526,071号に記載されており、その全体を本明細書に参照として援用する。

0021

D−ペプチドの体は、自然に発生するペプチドの掌体の反対である。従ってD−ペプチドは酵素に対して効率的な基質として機能しないので、L−ペプチドほどすぐに分解されない。さらに、D−ペプチドを標的とする周知の有効な免疫応答がないため、それらはLアミノ酸ペプチドによって誘発されるものに匹敵するような免疫応答を誘発しない。さらに、D−ペプチドにはL−ペプチドより優れた以下の潜在的な利点がある:(1)D−ペプチドはプロテアーゼ耐性があり、セラムの半減期を劇的に増大させる特性を有している、(2)L−ペプチドは消化を避けるために注入されなければならないが、短鎖D−ペプチドは経口投与して全身に吸収される、(3)D−ペプチドは、L−ペプチドにはできない、独特な界面幾何学形状を有する標的に結合することができるため、豊富な構造多様性を有している。

0022

本明細書に記載されるようにして同定されるD−ペプチドの例を下記に示す。特定の実施形態において、D−ペプチドはポケット特異的侵入阻害剤(PIE:Pocket−specific Inhibitors of Entry)と称される。このようなD−ペプチド阻害剤の例としてPIE7があり、これは配列AC−GACDYPEWQWLCAA−NH2(配列ID番号:6)で表される。特定の実施形態において、1つまたは複数のN−末端リジン残基をD−ペプチドに加え、水溶性を高めることができる。本明細書に開示するD−ペプチドの特定の実施形態は、アミノ酸配列前のリンカー配列「PEG」で示すことができる。

0023

表1には、本明細書に開示する方法および組成物に使用することのできるD−ペプチドの種々の例を示す:

0024

D−ペプチドの結合および中和

0025

本明細書で使用する「D−アミノ酸残基」という用語は、D−グリセルアルデヒドと同じ絶対配置を有するαアミノ酸残基を指す。

0026

本明細書に開示する組成物の実施形態は、HIVの細胞内侵入の阻害剤として使用することのできるペプチド、ペプチドの一部分およびペプチドの変異体誘導体を含んでいる。コイルドコイルのC−末端端部における疎水性ポケットに十分に適合し、C−ペプチド領域のgp41のN−ペプチド領域との相互作用を阻止する、本明細書に開示するペプチドまたはそのようなペプチドの一部の特定の実施形態は、HIV感染の阻害に有益であろう。説明する任意のペプチドの一部またはその誘導体の大きさは、2〜20(2〜20の任意の数の残基)のアミノ酸残基とすることができる。特定の実施形態において、コンセンサス配列EWXWL(配列ID番号:30)または配列WXWL(配列ID番号:31)を少なくとも含むD−ペプチドを使用することができる。本明細書に記載するD−ペプチドがコンセンサス配列に加えてアミノ酸残基を含む場合、付加されたアミノ酸残基およびD−ペプチドの大きさは、本明細書に記載されるペプチドを参照して選択するか、またはこれらのペプチドとは関係なく設計することができる。ただしこの場合、ペプチドは疎水性ポケットに適合して阻害剤として作用することのできるものとする。付加アミノ酸残基は本明細書に記載するD−ペプチドのN−末端、C−末端またはそのどちらにも存在することができ、より大きなペプチドを製造する。あるいは、結合親和性を増強させるために、他のアミノ酸残基を選択することができる。例えば、このようなペプチドは保存されたアミノ酸残基を含むことができ、これらの残基は、本明細書に開示するペプチドで発生するものと同じ場所に位置することができる。いくつかの実施形態において、ペプチドはコア配列「WXWL」(配列ID番号:31)を含むことができる。

0027

本明細書に開示するペプチドのいくつかの実施形態において、ペプチドは、本明細書に開示する任意のペプチドにおけるこれらの位置のアミノ酸残基とは異なるアミノ酸残基を含むことができ(例えば、本明細書に開示するペプチドに発現しないイソロイシンもしくはアスパラギン、またはその他のアミノ酸残基であってもよい)、または、別のペプチドの特定の位置にあるアミノ酸残基によって置換することができる。天然タンパク質に見られる20L−アミノ酸のD型以外のアミノ酸残基を使用してもよい。このような変更は、例えば、ペプチドの生物学的利用能、結合親和性またはその他の特徴を高めるために行うことができる。D−ペプチドは本明細書に開示するペプチドに存在する、保存されたアミノ酸残基を含むことができるが、これらは表1に示す、介在するアミノ酸残基の数よりも少ない(または多い)アミノ酸残基で分離することができる。例えば、5未満のアミノ酸残基は、コンセンサス配列内の第1システイングルタミン酸との間に存在することができる。あるいは、これら2つの残基は5以上のアミノ酸残基で分離することができる。内部修飾も行うことができる(例えば、結合を高める、またはペプチドの溶解度を増大させるため)。例えば、D10p5の第1ロイシンアルギニンと置換して溶解度を増大させることができる。D−ペプチドはそのN−末端に付加部分(moiety)またはアミノ酸を有することができる。例えば、N−末端に存在するN−末端をブロックする、または電荷を取り除く部分を付加することができる。その部分は、例えば、グリシン(G)に直接連結したアセチル基などのブロック部分、または1つまたは複数のリジン残基に連結し、それがN−末端Gに連結するアセチル基のような、GのN−末端に連結する1つまたは複数の付加アミノ酸残基に連結するアセチル基であってもよい。

0028

本明細書に開示するペプチドの一実施形態において、2つのリジン残基をN−末端G(KKGAC...,配列ID番号:32)に連結させて、例えばペプチドの溶解度を増大させ、その後アセチル基のようなブロック部分を末端リジン(アセチル基−KKGAC..., 配列ID番号:32)に連結させることができる。他の実施形態では、4つのリジン残基をN−末端Gに連結させる。さらにD−ペプチドは、付加および/または変化部分またはアミノ酸をそのC−末端に有することができる。例えば、C−末端のアラニン残基のうちの1つまたは両方を変化させ、および/または1つまたは複数の残基をC−末端に付加し、例えば結合を増強させることができる。あるいは、アミノ酸残基以外の官能化学)基を含有させて、本明細書に開示する実施形態における阻害剤を製造することができる。例えば、これらの付加的な化学基は、N−末端およびC−末端の末端または内部の何れにも存在することができる。

0029

2つ以上のD−ペプチドを適切なリンカー(例えばアミノ酸残基またはその他の化学部分のリンカー)で連結して、阻害の有効性を増大させることができる。あるいは、1つまたは複数のD−ペプチドを適切なリンカーを介して、HIVgp120,CD4,CCR5,CXCR4またはHIV gp41の非ポケット領域に結合する分子(薬物)に連結させ、阻害の有効性を増大させることができる。

0030

本明細書に開示するペプチドの命名法に関しては、ペプチドの異なるファミリ−をx−merと称し、この場合、xはシステイン残基間の残基数みなす。x−merは「コアペプチド」と称される。例えば、配列ID番号:6(KGACDYPEWQWLCAA)は15の残基で構成され、よって従来技術では15−merと称される。しかしながら、本明細書に開示する特定の実施形態では、システイン(C)間の残基長は8であり、よって8−merと考えられ(そして8つのコア残基を有するものと称され)、明細書全体でそのように称される。特定の実施形態では、2つのシステイン残基以外のアミノ酸は「フランキング配列」と称される。この命名法では、2つのシステイン残基において残基数の異なるペプチドに異なるファミリ−が可能になるが、全体のペプチド長は、フランキング配列の違いにより、区別するために変えることができる。例えば、配列ID番号:6(KGACDYPEWQWLCAA)は15残基長であり、8−merペプチドファミリ−のメンバーである(8つのコア残基を持っているため)、そしてKGAのN−末端フランキング配列とAAのC−末端フランキング配列とを有している。比較すると、配列ID番号:2(KKGACESPEWRWLCAA)は16残基のペプチド全長を有しているが、8−merペプチドファミリ−のメンバーでもあり、KKGAのN−末端フランキング配列とAAのC−末端フランキング配列とを含んでいる。本明細書に開示するペプチドに存在するコア残基およびフランキング残基に加え、本明細書に開示する全てのペプチドは、ブロックされたN−末端およびC−末端を含んでおり、N−末端はアセチル基(Ac)によってブロックされ、C−末端はアミノ基(NH2)によってブロックされている。

0031

本明細書に記載するように、本開示によるD−ペプチドは、D−ペプチドを同定するために使用されるライブラリーの設計において、N−末端でGAに、C−末端でAAに隣接させることができる。これらのアミノ酸残基のうちのいくつかまたは全ては、例えば、吸収、分配、代謝および/または排出を変えることによって、変更、置換または除去することができる。一実施形態では、C−末端アミド化の直前グリシン残基を付加することによって、C−末端を修飾する。別の実施形態では、ほとんどのC−末端Aを、異なるアミノ酸残基によって改変/修飾または置換する、または除去する。さらなる実施形態では、アミノ酸をC−末端および/またはN−末端に付加する。よって本明細書では、N−末端GAおよびC−末端AAの両方を置換または付加的に隣接させて作用強度を増強することを企図している。例えば、1つまたは2つのリジンをC−末端AAに付加して、特定のPIEの単一または二重のリジン変異体を製造することができる。また、例えば、N−末端リジンを修飾して、N−末端がHPを含有するようにすることもできる。

0032

本開示によって企図されるD−ペプチドの1つの配列は、AC−HPCDYPEWQ LCELGK−NH2(配列ID番号:26)であり、これはPIE12とも称される。別の実施形態では、D−ペプチドは配列AC−GACDYPEWQWLCAAGK−NH2(配列ID番号:23)を有するPIE7−GKであってもよい。このペプチドは、リジンがC−末端に移動しているのを除き、PIE7と同じである。この移動により、僅かに作用強度が高まり、それらのC−末端を介したペプチドの架橋が可能となる。PIE7変異体の別の例には、PIE7−GKK(GACDYPEWQWLCAAGKK,配列ID番号:24)がある。これはPIE7−GKの二重リジン変異体であり、三量体PIE7(中心のPIE7−GKKは2つの両側に隣接するPIE7−GKペプチドに連結される)の特定の実施形態において中心ペプチドとして機能する。これらの連結は全てC−末端を介するものである。また、K−PIE7−GK(KGACDYPEWQWLCAAG,配列ID番号:25)も開示する。PIE7−GKのこの二重リジン変異体は、三量体PIE7のその他の実施形態の特定の実施形態において中心ペプチドとして機能する(中心K−PIE7−GKは2つの両側に隣接するペプチド、PIE7−GKおよびPIE7に連結される)。これらの連結によって、N−端末を両側に隣接するペプチドのC−端末に連結する。本明細書に開示するペプチド変異体のさらなる例は下記のPIE12変異体である:PIE13,HPCDYPEWQWLCKLGK(配列ID番号:27);PIE14, HPCDYPEWQWLCRLGK(配列ID番号:28);およびPIE15,HACDYPEWQWLCELGK(配列ID番号:29)。

0033

特定の実施形態において、本明細書に開示するペプチドは、二量体または三量体のような多量体として存在することもできる。例えば、多量体が二量体の場合、この二量体は2つの同一のペプチドまたは2つの異なるペプチドから構成することができる。あるいは、多量体は三量体であってもよい。多量体が三量体の場合、この三量体は2つの同一のペプチドと1つの異なるペプチド、3つの同一のペプチドまたは3つの異なるペプチドであってもよく、その各々を相互に区別できるペプチドで構成することができる。
(1.多量体)

0034

本明細書にペプチドの多量体を開示する。特定の実施形態において、本明細書に開示する多量体は少なくとも1つのD−ペプチドを含むことができ、これはウイルス膜貫通タンパク質のN−三量体ポケットと相互作用する。多量体は二量体、三量体または四量体などのより高次の多量体とすることができるが、5,6,7,8,9,10,11または12のD−ペプチドを有する多量体を含むこともできる。よって本明細書で開示するのは、1つまたは複数のD−ペプチドポケットに特有の侵入阻害剤(PIE)を含む多量体を含有する組成物である。

0035

本明細書では、開示するD−ペプチドを架橋して多量体が形成されると理解され、そしてそれが企図されている。特定の実施形態において、多量体は多量体骨格を使用して架橋してもよい。架橋剤の例として、NHS−エステル(リジンに反応する)またはマレイミド(システインに反応する)で誘導化されるポリエチレングリコール(PEG)がある。他の実施形態において、架橋剤は2つの別個の連結ケミストリー(例えば片方はNHS−エステルでもう片方はマレイミド)を含むこともできる。特定の実施形態において、D−ペプチドは2つのシステイン残基間の直接ジスルフィド結合形成によって連結することもできる。

0036

特定の実施形態例において、多量体骨格は3つのNHSエステル基を含む三量体骨格とすることができる。特定の実施形態において、多量体骨格はホモ三量体骨格または3つのNHSエステル基を含むヘテロ三量体骨格であってもよい。さらに他の実施形態において、多量体骨格は3つのNHSエステル基と4つめの直交基とを含む四量体骨格であってもよい。このような実施形態において、多量体骨格は、3つのNHSエステル基と4つめの直交基とを含むヘテロ四量体骨格であってもよい。さらに特定の実施形態において、開示する架橋剤および多量体骨格は、トリス(tris)、ジリシンベンゼン環リン酸またはペプチドコアを含むことができる。開示する組成物に使用することのできる、本明細書に開示するその他の架橋剤には、チオール反応性基、例えば、ハロアセチル(ヨ−ド酢酸)、ピリジルジスルフィド(例えばHPDP)およびその他のチオールがある。

0037

連結するD−ペプチドは本明細書に開示するもののうちの任意のものとすることができ、D−ペプチドは互いに同一のものまたは異なるものであってもよい。二量体が存在する場合、両方のD−ペプチドのN−末端を相互に架橋することができる。あるいは、D−ペプチドのC−末端を架橋することができる。また、片方のD−ペプチドのN−末端およびもう片方のD−ペプチドのC−末端を架橋する三量体が存在する場合、D−ペプチドのN−末端およびC−末端はどのような組み合わせにも連結させることができる。例えば、これらは下記の配置のうちの何れかに連結させることができる:N−N/C−C−ペプチド1のN−末端をペプチド2のN−末端に連結;ペプチド2のC−末端をペプチド3のC−末端に連結。この命名を使用すると、16の可能な三量体系列がある、つまり、X/Yであり、この場合、XおよびY=N−N,N−C,C−N−またはC−Cである。D−ペプチドは、N−またはC−末端、内部場所またはこれらの組み合わせによって中心骨格にも連結させることができる。よって例えば本明細書では、1つまたは複数のD−ペプチドを、末端架橋よりも、内部残基で架橋することが企図されている。さらに三量体において、内部架橋剤を一組のペプチド(例えば、ペプチド1とペプチド2)に使用し、末端架橋剤(N−またはC−末端)をペプチド2とペプチド3の架橋に使用することが企図されている。

0038

本明細書で使用するように、多量体の命名法は、ペプチドが連結される方法を示している。例えば、C5C−PIE7−三量体は、3つのPIE7ペプチドが、Cを介して、PEG5スペーサを使ってC−末端に連結されることを意味している。N9C−PIE7−三量体は、3つのPIE7ペプチドが、N−を介して、PEG9スペーサを使用してC−末端に結合されることを意味している。二量体のいくつかの例として、N9C−PIE7−二量体、C9C−PIE7−二量体、N5N−PIE7−二量体、N5C−PIE7−二量体、C5C−PIE7−二量体、N0N−PIE7−二量体、N0C−PIE7−二量体およびC0C−PIE7−二量体がある。尚、長さゼロスペーサは、任意の種々の短架橋剤(例えば、BS3,DSGまたはDST)とすることができる。DSGの構造は以下の通りである:

0039

0040

本明細書に開示する組成物のいくつかの実施形態において、C5C連結幾何学形状は、二量体および三量体を製造する結合として使用することができる。このような二量体の例には、C5C−PIE12−二量体およびPEG5−PIE13−二量体(このペプチドは内部リジン残基を有し、従って、二量体はこの内部リジンを介した架橋によって製造することができる)がある。特定の実施形態において、例えばPEGリンカーを使用することができる。三量体の例には、C5C−PIE7−三量体、C5C−PIE12−三量体およびC0C−PIE7−三量体がある。

0041

本明細書において使用する「PIE12−三量体」という用語は多量体の総称であり、これは、3つのPIE12単量体が種々の架橋戦略によって連結される、僅かに異なる化学組成物を有する分子の数を表している。特定の実施形態において、PIE12−三量体の1つのクラスは、中心骨格を使用せず、種々の長さのPEG架橋剤を使って単量体を連結することによって構成することができる。このような実施形態において、三量体は例えば、CxC−PIE12−三量体として示してもよく、この場合、「CxC」はリジン側鎖の唯一第一級アミンを介するPIE12単量体の結合を表しており、リジン残基はペプチド単量体のC−末端にある。他の実施形態において、NxN−PIE12−三量体は、N−末端にあるリジンによる結合を表している。「x」はこの文脈において、個々の単量体を連結する架橋剤におけるPEGの数を表している。特定の実施形態において、2つのリジンを含む中心単量体をこの種の三量体の製造に使用することができる。この種の三量体の別の名称として、例えばC5C(PIE12)3があり、この場合、「3」は三量体を示している。

0042

本明細書に記載するPIE12−三量体のいくつかの実施形態は、PIE12単量体を三量体に連結させる種々の長さの3つのPEGリンカーまたは「アーム」を有する3価原子(すなわち窒素)をコアに含有する、中心多量体骨格を使用して構成することができる。他の実施形態において、中心多量体骨格は、個々の単量体に連結する、例えば種々の長さの3つのPEGリンカーを有する4価原子を、多量体骨格(すなわち炭素)のコアに含有することができる。

0043

特定の実施形態において、作用強度を増強させたPIE12−三量体は、作用強度増強カーゴ積み荷)部分が4価骨格の第4アームを使用してPIE12−三量体に付着された、炭素コア骨格を用いて構築することができる。このような実施形態において、種々の長さ(すなわち2〜132)のPEGユニットを、第4アームの種々の部分への連結に使用することができる。PIE12−三量体の1つの例としてchol−PEG24−PIE12−三量体があり、この場合、「chol」はチオコレステロール省略形であり、「PEG24」は第4アームに含まれるPEGユニットの数を指している。特定の実施形態において、作用強度増強カーゴは、マレイミドケミストリーを含む種々の化学反応により、第4アームPEGに付着させることができる。この三量体化の命名法は、本明細書に記載する他のD−ペプチド(例えば、PIE7またはPIE7−GK)に適用される。

0044

本明細書に開示する多量体は、表1に開示するものを含むペプチドまたはそれらの変異体の任意の組合せにより、多量体がウイルスの細胞内侵入を阻害するように製造することができる。特定の実施形態において、多量体は、本明細書に開示するペプチドのうちの1つ、2つ、または3つ以上によって製造することができる。このような実施形態において、全てのペプチドは同一のものとすることができる、または開示されている、または具体的に開示されていないペプチドの組合せとすることができる。特定の実施形態において、ペプチドのうちの少なくとも1つは配列WXWL(配列ID番号:31)を含むことができる。他の実施形態において、本明細書に開示する多量体は、少なくとも1つのD−ペプチド、2つ以上の異なるD−ペプチド、またはその他の成分によっても製造することができる。
a)多量体骨格

0045

多量体を製造する別の戦略として、中心多量体骨格を、1つまたは複数のD−ペプチドの付着に使用することができる。特定の実施形態において、本明細書に開示する多量体骨格は、TSATのような中心三官能架橋剤トリス(スクシンイミジル)アミノトリアセテ−トを含むことができ、これは3つのN−ヒドロキシこはくイミド(NHS)エステル基を含んでいる。いくつかの実施形態において、この幾何学形状は「爪」と称される、というのも、構造が鷲の爪と似ているからである。この戦略の2つの例として、(1)短い爪(TSATをペプチドに直接連結させる) および(2)長い爪(TSATとペプチドとの間に、6つの付加原子スペーサを含む、TSAT(LC−TSAT)の延長形を使用)がある。その他のスペーサ長さまたは組成物(例えばPEG)も使用することができる。様々な爪の構成には、PIE7−GK(長い爪)およびPIE7−GK(短い爪)が含まれる。

0046

以下にLC−TSATの代表例を示す:

0047

0048

また、下記にTSATの代表例を示す:

0049

0050

未来型のD−ペプチドを「超設計(Over-engineering)する」とは、作用強度の限界に達した後も親和性を改善されることを意味している。このような阻害剤は改善されたインビトロ抗ウイルス作用強度を示さないが、潜在的な耐性変異(すなわち、結合親和性に穏やかに影響を与える耐性変異は、作用強度に影響を与えない)を防ぐ「耐性キャパシタ(resistance capacitor)」として作用する結合エネルギー(親和性)の蓄えを有している。この「耐性コンデンサ」の特性は、耐性を与えるために結合する僅かな多重突然変異の段階的な蓄積を防止することである。個々の突然変異は阻害剤の作用強度に影響を与えず、阻害剤の存在に増殖優位性を与えない。この「耐性コンデンサ」は三量体D−ペプチド阻害剤に特に有益である、というのも、耐性突然変異は3つのポケット全てに同時に影響を与えるからである。特定の実施形態において、耐性発現へのさらなる防御として、本明細書に開示する三量体D−ペプチドを、各々がはっきりとした耐性プロファイルを有する、3つの異なるD−ペプチド配列を使って構成することもできる。このようなヘテロ三量体は耐性発現に対して顕著な付加的バリヤーを示すだろう。
b)ヘテロ四量体

0051

本明細書に開示するように、PIE12−三量体はHIV侵入の強力な阻害剤である。本明細書に開示する組成物の特定の実施形態において、以下のさらなる修飾が企図される、その修飾は、PIE12が、1)より簡単かつ高い収率で合成できるような修飾;2)増強された薬物動態特性を有する(例えば、腎糸球体ろ過分画分子量よりも小さいため、腎臓ろ過を減少させることによる)ような修飾;および3)HIV侵入の発生する細胞の表面へ局所的に集中し、キネティックポテンシーの限界を克服することにより、作用強度が改善されるような修飾、である。特定の実施形態において、これらの改善された特性のうちのいくつか、またはそれらを全て有するPIE12−三量体変異体を製造するために、カスタム設計のヘテロ四量体PEG骨格を用いることができる。この骨格は典型的には、PIE D−ペプチドを付着させるための、一種類の反応基(例えばNHSエステル)を持つ3つのアームを有している。典型的にはより長いPEGアームを有する第4アームは、他の3つのアーム(例えば、3つのアームがNHSエステルを有している場合はマレイミド)に直交する反応基を有している。この分子ヘテロ四量体骨格設計により、任意のPEGアームの直接的な修飾が可能となり、三量体PIEの、付加された作用強度増強カーゴとの合成が著しく簡素化される。以下に本説明によるヘテロ四量体PEG骨格の例を示す。

0052

0053

特定の実施形態において、開示する組成物はヘテロ四量体骨格などの多量体骨格を含んでおり、これは作用強度増強カーゴを含むように修飾することができる。本明細書において、作用強度増強カーゴとは、本明細書に開示する組成物の作用強度を増強させるカーゴである。いくつかの実施形態において、作用強度増強カーゴは薬物動態増強特性を有するカーゴを含んでいる。他の実施形態において、作用強度増強カーゴは、膜局在化特性を有するカーゴを含んでいる。特定の実施形態において、作用強度増強カーゴは、ペプチドのクリアランスを減少させる任意の基を含む薬物動態増強カーゴを含むことができる。例えば、本明細書では、作用強度増強カーゴを有する多量体骨格を含む組成物を開示しており、この場合、作用強度増強カーゴは、ステロ−ル(例えばコレステロール)、アルブミン、ポリエチレングリコール、糖、マルトース結合タンパク質血清アルブミンユビキチンストレプトアビジン免疫グロブリンドメインキーホールリンペットヘモシアニンマッコウクジラミオオボアルブミン(myoovalbumin)、ウシ膵臓トリプシン阻害剤緑色蛍光タンパク質金粒子磁粉アガロースビーズラクトースビーズまたは脂肪酸である。他の実施形態において、作用強度増強カーゴは、(分子量を増やし、腎臓ろ過を減らすための)複数の三量体の連結などの、複数の多量体の結合であってもよい。よって、例えば, 本明細書では、1つまたは複数のD−ペプチドポケット特異的侵入阻害剤(PIE)、多量体骨格および作用強度増強カーゴを含む組成物を開示し、この場合、作用強度増強カーゴはコレステロールまたはその類似体である。

0054

特定の実施形態において、本明細書に開示する組成物は、以下に例示する薬物動態増強カーゴを有するPIE12−三量体を含んでいる:

0055

0056

また本明細書ではPEGリンカーも開示する。特定の実施形態において、多量体を製造するPEG化により、PEGリンカーの長さが様々となる。特定の実施形態において、このようなPEGリンカーの使用により、作用強度増強カーゴとD−ペプチドポケット標的侵入阻害剤との間に空間が提供される。PEGリンカーの長さは、IC50および組成物の半減期を改善することができると理解され、本明細書ではそれが企図されている。しかしながらリンカーがかさ高くなりすぎると有害な影響を与えることもある。よって本明細書に開示する組成物において、PEGリンカーは、12〜48のエチレングリコール反復単位を含む、作用強度増強カーゴとD−ペプチドポケット標的侵入阻害剤との間のリンカーである。従って本明細書では、それぞれPEG12,PEG13,PEG14,PEG15,PEG16,PEG17,PEG18,PEG19,PEG20,PEG21,PEG22,PEG23,PEG24,PEG25,PEG26,PEG27,PEG28,PEG29,PEG30,PEG3I,PEG32,PEG33,PEG34,PEG35,PEG36,PEG37,PEG38,PEG39,PEG40,PEG41,PEG42,PEG43, PEG44,PEG45,PEG46,PEG47,PEG48と称される、12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47および48のエチレングリコール反復単位を含むPEGリンカーを開示する。

0057

PEGリンカーはPIEアームを骨格に連結するために使用されることも理解されたい。特定の実施形態では、D−ペプチドポケット標的侵入阻害剤の骨格への連結において、PEGリンカーは2,3,4,5,6,7または8のエチレングリコール反復単位を含むことができる。

0058

よって開示する組成物は、1つまたは複数のD−ペプチド、多量体骨格、作用強度増強カーゴ、D−ペプチドの隣接領域の修飾およびPEGリンカーなどの、本明細書に開示する全ての特徴を含んでいると理解されたい。従って、本明細書には、1つまたは複数のD−ペプチドおよび作用強度増強カーゴを含む組成物を開示し、この1つまたは複数のD−ペプチドは多量体骨格で連結され、この多量体骨格はD−ペプチドにPEGリンカーを介して連結され、この作用強度増強カーゴは多量体骨格にPEGリンカーを介して連結される。

0059

本明細書に開示する多量体骨格は、多量体D−ペプチド薬物最適化(ペプチドの幾何学的形状および共役局在化カーゴを介した活性化部位への局在化の両方)のための多量体骨格ベース設計方法に使用してもよい。特定の実施形態において、多量体骨格ベースの設計により、種々のカーゴおよびケミストリー(例えば「クリック」ケミストリー)ならびにPEGアーム長さの迅速な最適化に対応するための骨格の変化が可能になる。例えばHIVやエボラのような、エンドソーム内で膜融合を行うウイルスに関しては、本明細書に開示する多量体骨格ベースの戦略を用いて、エンドソーム標的部分を同定して付着させ、阻害剤をウイルス部位に局在化させて阻害剤作用強度を増大させることができる。さらに、本明細書に開示する多量体骨格ベース戦略の特定の実施形態では、種々の作用強度増強カーゴの同定および種々の作用強度増強カーゴへの抱合による薬物動態特性(例えば、大きく分岐したPEG、アルブミンまたはアルブミン結合ペプチド)の調節、および膜の局在化が可能である。
c)多量体の結合活性

0060

本明細書には、本明細書に開示する多量体およびN−三量体分子を含む組成物を開示し、多量体はN−三量体分子と会合されると、N−三量体分子の単一のペプチドまたは対照コントロール)ペプチドの親和性と比べて増大されたN−三量体分子への親和性を有している。単一のペプチドまたは対照ペプチドは、多量体の成分のうちの1つと同一であってもよい、または単一のペプチドは、多量体に含まれていない異なるペプチドであってもよい。

0061

多量体は、多量体のみの成分のうちの1つの親和性と比較した場合、約2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、25倍、30倍、40倍、50倍、100倍、200倍、300倍、400倍、500倍、1000倍、2000倍、3000倍、4000倍、5000倍または10,000倍の、N−三量体への親和性の増加を呈することができる。

0062

多量体は、本明細書に開示する特徴または特性の何れかを有することができる。本明細書に開示する多量体は何れも、本明細書に記載するような結合活性を有することができ、 それらのうちの何れも、本明細書に開示するウイルス侵入の阻害を増大させる方法を用いて、使用することができる。
d)ペプチド変異体

0063

また本明細書には、本明細書に記載および本明細書において企図される、ペプチドの変異体も開示する。ペプチド変異体および誘導体は当業者に十分理解されており、アミノ酸配列修飾を含むことができる。ウイルス侵入の阻害に使用することのできる、本明細書に開示するペプチドは、そのようなアミノ酸配列修飾を含むことができる。当業者であれば、ペプチドの活性を保持するためにどの修飾を行えばよいのかすぐに決定することができるだろう。

0064

本明細書に開示するペプチドの類似体もまた企図される。これらの類似体には、ペプチド構造の1つまたは複数のD−アミノ酸が含まれ、これらは、本来のペプチドの特性が維持されるように、同族アミノ酸と置換される。特定の実施形態では、1つまたは複数のアミノ酸残基において、保存アミノ酸置換を行うことができる。「保存アミノ酸置換」とは、アミノ酸残基が類似した側鎖を有するアミノ酸残基と交換されることである。類似した側鎖を有するアミノ酸残基のファミリ−には、当技術分野では、基性側鎖(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミンセリントレオニンチロシン、システイン)、非電極側鎖(例えば、アラニンバリン、ロイシン、イソロイシン、プロリンフェニルアラニンメチオニントリプトファン)、分岐側鎖(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)があると定義されている。本明細書に開示するペプチドのペプチド構造において行うことのできる同族置換の非限定的例には、D−フェニルアラニンのD−チロシン、D−ピリジルアラニンまたはD−ホモフェニルアラニンとの置換、D−ロイシンのD−バリンまたはその他の脂肪族側鎖を有する天然または非天然アミノ酸との置換、および/またはD−バリンの脂肪族側鎖を有するD−ロイシンまたはその他の天然または非天然アミノ酸との置換が含まれる。これは例として示すものであり、制限することを意図するものではない。当業者であれば、D−ペプチドへの保存的置換を行うことができるだろう。

0065

本明細書に開示する各々のD−ペプチドは、gp41のN−三量体領域における深い溝のポケットと接触する特定の残基を含むと理解されたい。例えば、残基2,3,4,8,9,11,12および15はPIE7の接触残基であり、残基2,3,7,8,10,11および14はPIE12の接触残基である。PIE7およびPIE12の両方において、E,WならびにWおよびLに対応する残基はコア配列EWXWL(配列ID番号:30)を形成し、内部で最も接触する残基(internal most contact residues)(PIE7には残基8,9,11,12およびPIE12には残基7,8,10,11)が含まれている。本明細書では、接触残基で置換が行われると、深い溝に対するD−ペプチドの結合親和性に大きな影響を与えることができると企図されている。変化をより受け入れることのできる残基は、非接触残基ならびにペプチドのC−末端およびN−末端の接触残基である。

0066

記載する保存性突然変異および相同性は、変異体が保存性突然変異である特定の配列に対する少なくとも70%の相同性を有する実施形態のように、任意に組み合わせることができると理解されたい。

0067

自然に発生するペプチドの反対の立体異性体およびペプチド類似体の立体異性体を開示する。これらのアミノ酸は、最適なアミノ酸をtRNA分子に担持させること、およびアミノ酸類似体ペプチド鎖に部位特異的な方法で挿入するために、例えばアンバーコドンを用いる遺伝的構築体を操作することにより、ポリペプチドに容易に取り込ませることができる(Thorsonら、Methodsin Molec.Biol.77:43−73(1991), Zoller,Current Opinion in Biotechnology,3 :348−354(1992);Ibba,Biotechnology & Genetic Engineering Reviews 13:197−216(1995), Cahillら、TIBS,14(10):400−403 (1989);Benner,TIB Tech,12:158−163(1994);IbbaおよびHennecke,Bio/technology,12:678−682(1994)これらは全て、少なくともアミノ酸類似体関連材料に関して、参照として本明細書に援用する)。

0068

ペプチドに似せた分子であるが、天然のペプチド結合を介して連結されないものを製造することができる。例えば、アミノ酸またはアミノ酸類似体への結合には、CH2NH−,−−CH2S−,−−CH2−−CH2−−,−−CH=CH−−(シスおよびトランス),−−COCH2−−,−−CH(OH)CH2−−および−−CHH2SO−がある(これらの結合およびその他の結合は、下記に見つけることができる:Spatola,A.F.in Chemistry and Biochemistry of Amino Acids,Peptides,and Proteins, B. Weinstein, eds., Marcel Dekker, New York, p. 267(1983);Spatola,A. F.,Vega Data(March 1983), Vol.1, Issue 3, Peptide Backbone Modifications (general review); Morley, Trends Pharm Sci (1980)pp.463−468;Hudson,Dら、Int J Pept Prot Res 14:177−185(1979)(−−CH2NH−−,CH2CH2−−);Spatolaら、Life Sci 38:1243−1249(1986)(−−CH H2−−S);Hann J. Chem.Soc Perkin Trans.1307−314(1982)(−−CH−−CH−−,cic and trans);Almquistら、J. Med.Chem.23: 1392−1398(1980)(−−COCH2−);Jennings−Whiteら、Tetrahedron Lett 23:2533(1982)(−COCH2−−);Szelkeら、European Appln,EP 45665 CA (1982):97:39405(1982)(−−CH(OH)CH2−−);Holladayら、Tetrahedron.Lett 24:4401−4404(1983)(−−C(OH)CH2−−);および Hruby Life Sci 31:189−199(1982)(−CH2−−S−)。これらはそれぞれ参照として本明細書に援用する。代替的な非ペプチド結合は −−CH2NH−−である。ペプチド類似体は結合原子の間に、b−アラニン、g−アミノブチル酸など、2以上の原子を有していると理解されたい。

0069

大抵のアミノ酸類似体およびペプチド類似体は、より経済的な製造、より大きな化学安定性、増強された薬理作用(半減期、吸収、作用強度, 有効性など)、変化した特異性(例えば、生物活性の広いスペクトル)、低減された抗原性などの、増強された、または所望の特性を有している。
2.医薬担体/医薬品の送達

0070

本明細書に開示するペプチドおよび多量体(あるいは組成物と称する)は、薬学的に許容可能な担体インビボ投与することもできる。「薬学的に許容可能な」とは、生物学的に、またはその他の意味において望ましくない材料でない材料のことである。すなわち、そのような材料は、望ましくない生物学的効果を何れも引き起こすことなく、その材料が含まれる医薬組成物のその他の成分の何れとも有害に相互作用することなく、本明細書に開示するペプチドと共に被験者に投与することのできる材料である。当事者に周知のように、このような担体は、有効成分の分解を最小限に抑え、被験者の副作用を最小限に抑えるように、自然に選択される。

0071

組成物は、局所鼻腔内投与吸入による投与を含む経口、非経口(例えば静脈注射)、筋肉注射、腹腔内注射皮下注射経皮的、体外的、局所的投与によって投与することができる。本明細書において使用する、「局所鼻腔内投与」とは、鼻孔の片方または両方を通して組成物をおよび鼻腔送達することであり、噴霧機構もしくは滴下機構またはエアロゾル化によるものを含んでいる。組成物の吸入による投与は、噴霧または滴下機構によって鼻または口に送達する。送達はまた、挿管を介して呼吸器系(例えば)などの部分にも直接行うことができる。必要とされる組成物の正確な量は、被験者の種、年齢、体重および全身状態、疾患の重症度、投与様式などにより、被験者によって異なる。よってあらゆる組成物について正確な量を特定するのは不可能である。しかしながら当業者は、本明細書に教示する日常的な実験を使って、適量を決定することができる。

0072

組成物の非経口投与は、一般的に注射によって行われる特徴がある。注入材料は、溶液または懸濁液、注射前の液体内の懸濁液に適切な固形、または乳濁液として、従来の形式によって調製することができる。近年見直された非経口投与の手法には、一定の用量が保たれるような、緩効性または徐放性のシステム(すなわちデポー持効性製剤))の使用が含まれている。本明細書に参照として援用する米国特許第3,610,795号を参照されたい。
a)薬学的に許容可能な担体

0073

ペプチドおよびその多量体を含む組成物は、薬学的に許容可能な担体と組み合わせて治療的に使用することができる。

0074

適切な担体およびそれらの製剤は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(19th ed.)ed. A.R. Gennaro, Mack Publishing Company, Easton,PA 1995に記載されている。典型的には、適量の薬学的に許容可能な塩を製剤に使用して、製剤を等張にする。薬学的に許容可能な担体の例には、生理食塩水リンゲル液およびブドウ糖液があるが、これらに限定されない。溶液のpHは約5〜約8、あるいは約7〜約7.5である。さらなる担体は、抗体を含む固体疎水性ポリマー半透性マトリックスなどの持続放出製剤を含んでおり、そのマトリックスは例えば、フィルムリポソ−ムまたは微粒子などの成形体の形状である。当業者にとって、例えば、投与ル−トおよび投与される組成物の濃度により、特定の担体がより好適となることは明らかであろう。

0075

薬学的担体は当業者には周知である。最も典型的には、これらはヒトへ薬物投与を行うための標準的な担体であり、無菌水、生理食塩水および生理的pHの緩衝液が含まれる。組成物は、筋肉注射または皮下注射によって投与することができる。その他の化合物は当業者によって使用される標準的な手順に沿って投与される。

0076

薬学的組成物は、最適な分子に加え、担体、増粘剤希釈剤緩衝剤防腐剤界面活性剤などを含むことができる。薬学的組成物はまた、抗菌剤消炎剤麻酔剤などの1つまたは複数の有効成分も含むことができる。

0077

薬学的組成物は、局所的な処置が所望されるのか、全体的な処方が所望されるのか、または処置の行われる部分により、多くの方法で投与することができる。投与は、局所的(眼内、内、直腸内、鼻腔内を含む)、経口、吸入または点滴、皮下注射、腹腔内注入または筋肉注射などの非経口によって行うことができる。開示するペプチドおよびその多量体は、静脈注射、腹腔内注射または筋肉注射により、皮下、腔内または経皮で投与することができる。

0078

非経口投与の製剤として、無菌水または非水溶液、懸濁液および乳濁液がある。非水溶液の例には、プロビレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油およびオレイン酸エチルなどの注入可能な有機エステルがある。水性担体として、生理食塩水および緩衝化媒体を含む、水、アルコール水溶液、乳濁液および懸濁液がある。非経口媒体には、塩化ナトリウム溶液リンガーデキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム乳酸加リンガー液または固定油がある。静脈内媒体には、流動体および栄養補給電解質補給(リンガー・デキストロースに基づくもののような)などが含まれる。例えば、抗菌剤、抗酸化剤、照合剤、不活性ガスなどの防腐剤およびその他の添加剤も存在させることができる。

0079

局所投与の製剤には、軟膏ローションクリームジェル点滴剤座薬、噴霧、液体および粉末が含まれる。従来の薬学的担体、水溶液、粉末または油性基剤、増粘剤などは必要または望ましい

0080

経口投与の組成物には、粉末または顆粒、懸濁液または水溶液、非水性媒体カプセル小袋または錠剤がある。増粘剤、香料希釈液乳化剤分散補助剤または結合剤は望ましい。さらに本明細書において、経口投与のために設計された組成物は、消化管透過剤をさらに含むことができると企図されている。

0081

組成物の中には、塩酸臭化水素酸過塩素酸硝酸チオシアン酸硫酸およびリン酸などの無機酸および/またはぎ酸、酢酸、プロピオン酸グリコール酸乳酸ピルビン酸シュウ酸マロン酸コハク酸マレイン酸およびフマル酸のような有機酸の反応、または水酸化ナトリウム水酸化アンモニウム水酸化カリウムおよび/またはモノ−、ジ−、トリアルキルおよびアリールアミンのような有機塩基との反応によって形成される、薬学的許容可能な酸または塩基付加塩として投与される可能性のあるものがある。
b)治療上の使用

0082

本明細書に開示するペプチドおよびペプチドの多量体を含む、本明細書に開示する組成物を投与する場合の効果的な投与量および投与スケジュールは経験的に決定され、このような決定は、当業者が備えている技能の範囲内で決定されることができる。組成物の投与量の範囲は、症状/疾患が影響を受ける望ましい効果の製造に十分な範囲である。投与量は、好ましくない交差反応アナフィラキシー反応のような副作用を引き起こすほど多量であってはならない。一般に投与量は患者の年齢、状態、性別および疾患の広がり投与経路または投薬スケジュールに他の薬物が含まれているか否かによって変えられ、当事者によって決定されることができる。投与量は、禁忌の場合には、各医師によって調節することができる。投与量は変更でき、日々一回または複数回の投与を一日または数日間行うことができる。ガイダンスは、特定のクラスの医薬品、特にD−ペプチドの適切な投与量の文献に見つけることができる。このようなガイダンスの例は、文献全体に見つけることができる。例えば、FDA認証ペプチドFUZEON(登録商標)は、本明細書に開示するペプチドに必要とされる投与量のガイドとして使用することができる。一実施形態では、単独で使用されるペプチドまたはペプチドの多量体の典型的な一日の投与量は、上述の要因により、体重の約1μGKg〜100mGKgである。さらに、本明細書に開示するペプチドは、被験者の状態、治療のその他の方法などにより、一日、一週間、一ヶ月または一年に数回投与することができる。当業者であれば、適切な投与スケジュールが容易にわかるであろう。

0083

HIVなどのウイルス感染の治療、阻害または防止のための、ペプチドなどの開示する組成物の投与に続き、ペプチドまたはペプチドの多量体の有効性を、当業者に周知の種々の方法によって評価することができる。例えば当事者は、本明細書に開示するD−ペプチドなどの組成物がウイルス感染の治療または阻害に有効であることを、その組成物がウイルス侵入を阻害することを観察することによって理解するだろう。開示する組成物の投与の有効性は、感染した被験者内における感染していない細胞の数を測定することによっても決定することができる。被験者または患者における感染していない細胞の初期における、またはその後の減少を阻害する治療、または、例えばHIV陽性被験者における、未感染細胞数の増加となる治療は、有効な治療である。予防治療(すなわち予防薬)の有効性も、CD4+細胞カウント抗ウイルス抗体ベルおよびウイルスRNAレベルを検出するPCRなどの、間接的な感染測定によっても評価することができる。

0084

本明細書に開示するウイルス侵入を阻害する組成物、すなわち殺菌剤は、HIVなどのウイルスにさらされるリスクのある、またはHIVに新たにさらされた患者または被験者に予防的に投与することができる、HIVなどのウイルスに新たにさらされたが、ウイルスの存在が血液中またはその他の体液中にまだ表れていない(ウイルス検出用のPCTまたはその他のアッセイでの測定による)被験者における、ペプチドまたはペプチドの多量体による治療には、本明細書に記載する組成物、ペプチドまたは多量体の治療的に有効な投与量を被験者に投与して、細胞に感染するウイルスの能力を部分的または完全に阻害することが含まれる。

0085

開示するペプチドは、ウイルス膜貫通タンパク質を阻害することによって、ウイルス侵入を阻害するために使用することができる。「ウイルス膜貫通タンパク質の阻害」という用語は、細胞内に侵入することのできるウイルス粒子数の低減を指している。これは完全な阻害を意味し、換言すれば、細胞に侵入することのできるウイルス粒子がないことであり、また、部分的な阻害を意味する。つまり、あるシステムにおいて、治療されていない、またはコントロール(対照)システムと比較して、細胞に侵入することのできるウイルス粒子数が低減した、または抑制されたことを意味する。細胞に侵入することのできるウイルス粒子数の低減には、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,60,61,62,63,64,65,66,67,68,69,70,71,72,73,74,75,76,77,78,79,80,81,82,83,84,85,86,87,88,89,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99または100%低減、あるいはこれらの量以上、以下またはこれらの量の間の量がある。さらに「ウイルス侵入を阻害する」とは、ウイルスの細胞への融合および侵入の低減を意味する。
3.チップおよびマイクロアレイ

0086

少なくとも1つのアドレスが、本明細書に開示する任意のペプチド配列に規定された配列または配列の一部であるチップを開示する。

0087

また、少なくとも1つのアドレスが、本明細書に開示する任意のペプチド配列に規定された配列の変異体または配列の一部であるチップも開示する。
4.コンピュータ読み取り可能な媒体

0088

開示するペプチドは、アミノ酸で構成される配列として表示されることができることを理解されたい。これらの配列を表示する種々の様式があり、例えばアミノ酸バリンはValまたはVで表すことができる。当業者は、存在する種々の様式の何れかで任意のペプチド配列をどのように表示すればよいかを理解し、その各々は本明細書において考慮される。本明細書では特に、市販のフロッピーディスクテープ、チップ、ハードドライブコンパクトディスクおよびビデオディスク、またはその他のコンピュータ読み取り可能な媒体などにおけるこれらの配列の表示について検討する。また、開示する配列の2進コードによる表示も開示する。当業者であればコンピュータ読み取り可能な媒体が何れであるかを理解するだろう。よってコンピュータ読み取り可能媒体にはペプチド配列が記録、格納または保存される。
5.開示する組成物によるスクリーニングによって同定される組成物
a)コンビナトリアルケミストリー

0089

開示するペプチドは、所望の様式で、開示する組成物と相互作用する分子または高分子分子を同定する、任意のコンビナトリアル技術の標的として使用することができる。本明細書に開示するペプチドおよび関連分子は、コンビナトリアル手法の標的として使用することができる。また、例えば配列ID番号:1〜36に開示される組成物またはその一部分が、コンビナトリアルまたはスクリーニングプロトコルにおいて鋳型として使用される、コンビナトリアル技術またはスクリーニング技術プロトコルによって同定される組成物も開示する。

0090

開示する組成物をコンビナトリアル技術またはスクリーニング方法で使用する場合、高分子分子などの分子は、gp41相互作用の阻害または刺激などの特定の望ましい特性を有するものとして同定される。その他のペプチドなどの、開示する組成物を使って同定、単離される分子も開示する。よって、コンビナトリアル手法またはスクリーニング手法を使って製造される、ペプチドなどの開示する組成物を含む製造物も、本明細書において考慮される。
b)コンピュータを使った薬物設計

0091

開示するペプチドおよびペプチドの多量体は、任意の分子モデリング技術の標的として、開示するペプチドまたは多量体の何れかの構造の同定、または所望の様式で開示する組成物と相互作用する、小分子のような潜在的または実際の分子を同定するために使用することができる。本明細書に開示するペプチドおよび関連分子は、任意の分子モデリングプログラムまたは手法において標的として使用することができる。

0092

開示する組成物をモデリング技術で使用する場合、高分子分子などの分子は、ウイルス阻害などの特定の特徴を有するものとして同定されることを理解されたい。ペプチドおよびペプチドの多量体などの、開示する組成物を使って同定および単離される分子も開示する。よって、開示する組成物を含む分子モデリング手法を使って製造される製造物も、本明細書に開示されると考えられる。

0093

一般に、最適な分子に結合する分子を単離する1つの方法は、合理的設計によるものである。これは、構造情報およびコンピュータモデリングによって達成される。コンピュータのモデリング技術により、選択された分子の三次元原子構造可視化され、分子と相互作用する新しい化合物の合理的な設計が可能となる。三次元構造は、典型的には選択された分子のX線結晶学分析またはNMR分析からのデータに依存する。分子動力学シミュレションは、力場データを必要とする。コンピュータグラフィックスシステムにより、新規化合物がどのように標的分子に連結するのかの予測が可能となり、結合特異性を完全なものにするために、化合物および標的分子の構造の実験的操作が可能となる。片方または両方において小さな変化が作製される場合の分子/化合物間の相互作用の予測には、通常、分子設計プログラムとユーザとの間の、ユーザーフレンドリーなメニュー方式インターフェースと連結される、分子力学ソフトウエアおよび演算集約的コンピュータが必要である。

0094

分子モデリングシステムの例として、CHARMmおよびQUANTAプログラム(Polygen Corporation、Waltham, MA)がある。CHARMmはエネルギーの最小化および分子動力学の機能を行う。QUANTAは分子構造の構成、グラフィックモデリングおよび分析を行う。QUANTAは双方向性構築、改変、可視化および相互の分子挙動の分析を可能にする。

0095

多くの論文が、特定のタンパク質と相互作用するコンピュータモデリングについて記載しており、例えば、Rotivinenら、1988 Acta Pharmaceutica Fennica 97, 159〜166;Ripka, New Scientist 54〜57 (June 16, 1988); McKinalyおよびRossmann、1989 Annu. Rev. Pharmacol. Toxiciol. 29、111〜122;PerryおよびDavies, QSAR:Quantitative Structure−Activity Relationships, in Drug Design pp.189〜193(Alan R. Liss, Inc. 1989);LewisおよびDean,1989 Proc. R. Soc. Lond. 236,125〜140および141〜162があり、核酸成分のモデル酵素に関しては、Askewら、1989 J. Am. Chem. Soc. 1ll,1082〜1090がある。化学薬品をスクリーニングし、グラフィック描写するその他のコンピュータプログラムは、BioDesign, Inc., Pasadena, CAAllelix, Inc,MississauGA, Ontario, CanadaおよびHypercube, Inc., Cambridge, Ontarioから入手可能である。

0096

結合を変化させ得る化合物の設計および製造に関して説明したが、天然物または合成化学薬品およびタンパク質を含む生物活性材料を含む、周知の化合物を含む化合物ライブラリーをスクリーニングすることができる。
6.キット

0097

本明細書に開示する方法の実施に使用することのできる試薬に引き込むキットを開示する。これらのキットは、本明細書に論じるか、または開示する方法に必要とされるまたは有益であると理解される任意の試薬または試薬の組み合わせを含むことができる。例えば、これらのキットは、本明細書に開示するペプチドまたはペプチドの多量体を含む薬学的組成物を含むことができる。例えば、本明細書に開示するペプチドまたはペプチドの多量体を含む薬学的組成物を含む、HIV治療用のキット開示する。
7.類似の機能を有する組成物

0098

本明細書に開示するペプチドは、ウイルス侵入の阻害など、特定の機能を有することを理解されたい。本明細書に開示するのは、開示する機能を行う特定の構造的要求事項であり、開示する構造に関連する同じ機能を行うことのできる種々の構造があり、これらの構造は、例えばウイルス侵入阻害など、最終的に同じ結果を達成することを理解されたい。
C.組成物の作製方法

0099

本明細書に開示する組成物および方法を行うために必要な組成物は、特に指定のない限り、その特定の試薬または化合物に関する、当業者に周知の方法によって作製することができる。
1.ペプチド合成

0100

本明細書に開示するペプチドは、例えばジスルフィド架橋結合によって結合することができる。例えば、本明細書に開示するD−ペプチドは、ペプチドを環状化させてより小さく構成されたペプチドを製造するジスルフィド結合によって結合された、2つのシステイン残基を有している。このジスルフィドは、増強された抗ウイルス特性を有していることが知られている。当業者に周知の、ペプチドを環状化する代替方法が多数ある。例えば、ペプチドはラクタムまたはその他の化学架橋、PEGまたはその他の化学架橋剤、ペプチドライゲーションまたファージセレン結合(セレノシステイン間)を使って環状化することができる。

0101

2つ以上のペプチドまたはポリペプチドは、タンパク質化学技術によって結合することができる。例えば、ペプチドまたはポリペプチドは、Fmoc(9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基)またはBoc(tert−ブチルオキシカルボニル基)を使った、現在利用可能な実験室設備を使って化学的に合成することができる(Applied Biosystems,Inc.,FosterCity,CA)。当事者は、例えば開示するタンパク質に対応するペプチドまたはポリペプチドが、標準的な化学反応によって合成されることを容易に理解することができる。例えば、ペプチドまたはポリペプチドは合成することができ、その合成樹脂から開裂することはできないが、他のペプチドまたはタンパク質の断片は合成することができ、よって樹脂から開裂され、その結果、他の断片において機能的にブロックされている末端基さらす。ペプチド縮合反応により、これらの2つの断片は、ペプチド結合によってそれらのカルボキシルおよびアミノ末端のそれぞれにおいて共有結合され、抗体またはその断片を形成することができる(Grant GA(1992) SynthetiC−Peptides:A User Guide. W.H. Freeman and Co.,N.Y.(1992);Bodansky MおよびTrost B.,Ed.(1993)Principles of Peptide Synthesis.SpringerVerlag Inc.,NY、これらを少なくともペプチド合成に関する資料として、参照のため、本明細書に援用する)。一旦単離されると、同様のペプチド縮合反応により、これらの独立したペプチドまたはポリペプチドを連結して、ペプチドまたはその断片を形成することができる。

0102

例えば、クローン化または合成されたペプチドセグメントの酵素ライゲーションにより、比較的短いペプチドセグメントを結合させ、大きなペプチドセグメント、ポリペプチドまたは全タンパク質ドメインの製造が可能になる(Abrahmsen Lら、Biochemistry,30:4151(1991))。あるいは、合成ペプチドの天然化学ライゲーションを利用して、短いペプチドセグメントから大きなペプチドまたはポリペプチドを合成的構築することができる。この方法は、2つのステップの化学反応より構成される(Dawsonら、Synthesis of Proteins by Native Chemical Ligation.Science,266:776779(1994))。第1ステップでは、無保護の合成ペプチドチオエステルとアミノ末端システイン残基を含む別の無保護のペプチドセグメントとの官能基選択的反応により、最初の共有性製造物として、チオエステル結合中間体を製造する。反応条件の変更を行わずに、この中間体は自発性迅速分子内反応を経て、連結部位において本来のペプチド結合を形成する(Baggiolini Mら、(1992)、FEBSLett.307:97〜101;ClarkLewis Iら,J.Biol.Chem.,269:16075(1994);ClarkLewis Iら、 Biochemistry,30:3128(1991); Rajarathnam Kら、Biochemistry 33:6623〜30(1994))。

0103

あるいは、化学ライゲーションの結果として、ペプチドセグメント間に形成される結合が非天然(非ペプチド)結合である場合は、無保護のペプチドセグメントを化学的に連結させる(Schnolzer, Mら、Science,256:221(1992))。この技術は、タンパク質ドメインの類似体、および十分な生物学的活性を有する大量の比較的に純粋なタンパク質の合成に用いられてきた(deLisle Milton RCら、Techniques in Protein Chemistry IV. Academic Press, New York, pp.257〜267(1992))。

0104

鏡像ファージディスプレイを使用して、N−三量体ポケットと結合してHIV侵入を穏やかな作用強度で阻害するD−ペプチドを発見することができる。例えば、D−ペプチドのスクリーニングにおける鏡像ファージディスプレイの使用において、第1D−ペプチドを、HIV糖タンパク質由来の第1L−ペプチドから合成することができる。この第1L−ペプチドは、自然発生するL−ペプチド、または設計されたペプチド配列および天然ペプチド配列のキメラとすることができる。この方法はさらに、第1D−ペプチドと特異的に結合する第2L−ペプチドのスクリーニングを含むことができ、その後第2L−ペプチドの鏡像である第2D−ペプチドを合成することができる。本明細書に記載するD−ペプチドスクリーニング方法の一態様では、N−三量体標的を先ずD−アミノ酸と合成させて、天然L−N−三量体標的の鏡像を製造する。D−N−三量体標的は、ファージディスプレイ、リボゾ−ムディスプレイおよび/またはCISディスプレイなどの標準ペプチドベーススクリーンに使用して、D−N−三量体に結合するL−ペプチドを同定することができる。それから同定されたL−ペプチドはD−アミノ酸と合成させることができる。対称律により、結果として生じるD−ペプチドは天然のL−N−三量体と結合させ、HIVプレヘアピン中間体のN−三量体領域を標的とし、これによってHIV感染の治療または阻害を行う。このスクリーニング法は、Schumacherらによる、Identification of D−peptide ligandsthrough mirror−image phage display, Science,1996 Mar 29;271(5257):1854〜1857にも記載されており、この全体を本明細書において参照として援用する。
D.組成物の使用方法
1.組成物を研究ツ−ルとして使用する方法

0105

本明細書に、10未満のコアの残基長のペプチドを含む組成物の能力を、細胞へのウイルス侵入阻害能力について評価する方法を開示し、この方法には、当該成分が相互作用するのに十分な条件において、組成物および細胞をインキュベ−ションするステップ;当該成分をウイルスと接触させるステップ;およびウイルスの細胞内侵入を阻害する組成物の能力を評価するステップを含んでいる。ペプチドは、7,8,9または10未満のコアアミノ酸残基を含むことができる。ペプチドは上述の開示のように、多量体として存在することができる。組成物は、HIVgp41などのウイルス貫通膜タンパク質と相互作用することにより、ウイルスの侵入を阻害することができる。ペプチドはD−ペプチドとすることができる。さらに、ウイルス侵入を阻害する組成物の能力の評価は、レポーター手段の検出によって行うことができる。このようなレポーター手段の例として、放射性同位体蛍光化合物生物発光化合物、化学発光化合物金属キレート剤または酵素があるが、これらに限定されない。ウイルス侵入を阻害する組成物の能力の評価は、その結合部位(gp41 N−三量体ポケット)から他の化合物(例えば、ペプチド、小分子、核酸、天然物)によって転位される組成物の能力を評価することによって行うことができる。「転位される」とは、組成物が結合を阻害される、または結合部位とのその相互作用を妨害されることを意味する。これは、結合部位から試験組成物の5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70,75,80,85,90,95または100%転位において発生し得る。

0106

ウイルス侵入を阻害する組成物の能力は、ウイルス侵入アッセイまたは細胞間融合アッセイを使用して測定することができる。ウイルス侵入アッセイは、細胞間融合アッセイとして当事者に周知である。当事者は、試験組成物を他の結合部位から転位することのできる、その他の化合物を含む転位アッセイを使用することができる。例として、ペプチド、小分子、核酸または天然物が含まれるが、これらに限定されない。このような転位アッセイは当業者に周知である。

0107

また、単一ペプチドのうちの1つの親和性と比較して、N−三量体分子のために増大された親和性を有する多量体を同定する方法も開示し、この方法は、多量体およびN−三量体分子をインキュベ−ションするステップ;N−三量体分子の多量体の親和性を測定するステップ;およびN−三量体分子の多量体の親和性を単一ペプチドのN−三量体分子の親和性と比較するステップを含む。

0108

さらに、単一ペプチドの抗ウイルス活性と比べてN−三量体分子の増強された抗ウイルス活性を有する多量体を同定する方法を開示し、この方法は、多量体を細胞でインキュベ−ションするステップ;ステップ(a)の成分をウイルスと接触させるステップ;多量体の抗ウイルス活性を測定するステップ;および多量体の抗ウイルス活性を単一ペプチドの抗ウイルス活性と比較するステップを含んでいる。単一ペプチドは多量体の成分のうちの1つと同じであってもよいし異なってもよい。多量体はウイルスgp41のN−三量体ポケットと相互作用する、少なくとも1つのペプチドを含むことができる。

0109

gp41の複合体形成の阻害は、蛍光アッセイ(例えばFRET)などの手段により、複合体の2つのメンバーの結合の発生する程度を決定することによって評価することができる。この手段において、C34およびN36はそれぞれ、一組のドナーアクセプター分子のメンバーによって標識化される、またはペプチドのうちの1つのペプチドの片方の端部(例えば、C34のN−末端)がそのような対(EDANS)のうちの片方によって標識化される、そしてN36ペプチドに存在する天然の蛍光性トリプトファンが、ドナーアクセプター対のもう片方のメンバーによって標識化される。C34とN36との結合は、アクセプターモデルから発光が生じる程度、および/または放出された光の波長スペクトルが変化する程度によって評価される。候補薬物による結合の阻止により、発光の程度が変化する、および/またはC34とN36の結合が発生した場合における波長の変化が阻止される。あるいは、C34は(例えば、キナーゼまたは放射性ATPで標識化することのできるキナーゼ認識部位を有する変異体C34を合成することにより)放射標識などの検出可能な標識によって標識化することができる。放射標識化されたC34および候補薬物は、固体面(例えば、ビーズまたはプラスチックウェル)に固定化されたN36と合わせて、このようにして試験試料を製造する。標識化されたC34と固定化されたN36との結合発生の程度を決定し、候補薬物(対照試料内において)は存在しないが、試験試料が受ける条件と同じ条件下で、標識化されたC34の固定化されたN36との結合が生じる程度と比較する。典型的には、この評価は、C34とN36の結合が生じる適切な条件下で試料を十分な時間保持し、その後結合していないC34および薬物候補洗浄して除去した後に行う。試験試料において、固定化されたN36に結合した放射標識が対照試料よりも少ないことによって明らかなように、試験試料において、結合が対照試料よりも少ない程度で生じた場合、その候補薬物はC34とN36の結合の阻害剤である。あるいは、C34における標識またはタグを結合対のメンバーとすることができ、もう片方のメンバーをN36への結合を検出するために使用することができる。例えば、C34はビオチンデータグ付けすることができ(例えば、標準的な固相ペプチド合成によって)、これを候補薬物(試験試料)と共に、または候補薬物(対照薬物)を欠いた状態においてN36と合わせる。このN36は溶液状態であってもよいし、あるいはビーズ、ウェルまたは平坦/平面状の表面などの固体表面に結合させてもよい。C34のN36への結合は、標識化されたストレプトアビジン(例えば、ストレプトアビジン−−HRP,ストレプトアビジン−−APまたはヨウ素化ストレプトアビジン)を使用することにより、N36に会合するビオチンの存在を検出することによって評価することがでる。ストレプトアビジンはC34上のビオチンをに結合し、それ自身その標識化によて検出される。結合が候補薬物(試験試料)の存在する場合の方が候補薬物(対照試料)の存在しない場合よりも少なく生じた場合、試験試料内の方が対照試料内よりもN36に検出されるビオチンが少ないことによって示されるように、その候補薬物はC34/N36結合の阻害剤である。このような候補薬物は、例えば合成有機化合物またはランダムなペプチド配列のライブラリーから得ることができ、合成的に、または組換え技術によって製造することができる。

0110

同様に、C34/N36の結合を破壊する候補薬物の能力を評価して、C34/N36の阻害剤、よってHIV感染の阻害剤を同定することができる。本実施形態では、予め形成するC34/N36複合体を候補薬物と結合させ、これに関してこの結合を破壊する能力について評価し、そうすることによって試験試料を製造する。対照試料は試験試料と同じであるが、対照試料は候補薬物を含んでおらず、試験試料と同じ様に処理する。C34/N36結合が候補薬物の存在下で破壊され、対照試料の存在下では破壊されない場合、または複合物の破壊が対照試料内よりも試験試料内において多く発生する場合、その候補薬物はC34/N36の阻害剤(破壊剤)である。C34/N36結合の検出/阻止/妨害を検出するための結合破壊の検出は、上述の様に行うことができる(例えばFRETまたは蛍光アッセイ、放射標識またはビオチンなどその他の検出可能標識の検出により)。

0111

別の実施形態において、本発明は、HIVgp41のN−ヘリックスコイルドコイルキャビティに結合する薬物を同定する方法に関するものである。この場合も、アッセイは結合の欠失または減少の評価に基づくものであるが、HIV gp41のN−ヘリックス領域によって形成される溝の任意の部分との相互作用を含む、または検出するより一般的なアッセイである、上述のC34/N36複合体アッセイとは異なり、本実施形態ではHIV gp41疎水性ポケット(N−ヘリックスコイルドコイルキャビティ)に注目している。本実施形態において、この方法は、HIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルキャビティに結合する能力について評価する候補薬物を、タンパク質のコイルドコイル領域の三量体形態およびHIV gp41キャビティを含むのに十分な部分のHIV gp41のN−ペプチド部分を含む融合タンパク質と、ペプチドまたはその他の分子による結合のためにHIV gp41キャビティを提示するのに適切な条件下において合わせるステップ;およびその候補薬物が融合タンパク質に結合するかどうかを決定するステップ(例えば、高処理スクリーニングによって)を含んでいる。結合が生じる場合、その候補薬物は「ヒット(hit)」であり、この候補薬物はHIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルキャビティに結合する薬物である可能性がある。結合が生じる場合、その候補薬物はN−ヘリックスコイルドコイルと結合しており、コイルドコイルキャビティと結合していると決定することができる。このような「ヒット」は、細胞間融合アッセイおよびHIV感染性アッセイなどの二次アッセイでスクリーニングを行い、その候補薬物が薬物となるかどうかを決定する。あるいは、またはさらに、このような「ヒット」は、ポケット結合分子が結合しない他の融合タンパク質(またはペプチド)を用いた対照スクリーニングによって、さらに評価することができる。

0112

さらなる実施形態では競合アッセイを実行する。本実施形態では、HIVgp41のN−ヘリックスコイルドコイルキャビティに結合するペプチドまたはタンパク質を、候補薬物および融合タンパク質と合わせ、その候補薬物がHIV gp41キャビティに結合するかどうかを、HIV gp41のN−ヘリックスコイルドキビティと結合するペプチドの存在下で決定する。その候補薬物が融合タンパク質と結合する場合、それはHIV gp41キャビティに結合する薬物である。例えば、GCN4の三量体形態のコイルドコイル領域と、N−ヘリックスコイルドコイルキャビティを含むHIV gp41のN−ペプチドのC−末端とを含む融合タンパク質(IQN17)を、N−ヘリックスコイルドコイルキャビティと、HIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルキャビティに結合する能力を評価される候補薬物と結合する「参照」D−ペプチド(例えば、本明細書に記載する任意のD−ペプチドまたはその変異体)と合わせて試験試料を製造し、これをD−ペプチドのキャビティへの結合に適切な条件で維持する。候補薬物を除いて試験試料と同じ成分を含み、試験試料と同様に取り扱われる対照試料も評価する。両方の試料において、参照D−ペプチドの結合を評価する。参照D−ペプチドの結合が、候補薬物(試験試料内)の存在する方が、それが存在しない(対照試料内)よりも少なく発生する場合、その候補薬物はHIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルキャビティに結合する薬物である。結合の検出は、例えば本開示のC34/N36実施形態として上記に示すものと同じ様に評価する。例えば、D−ペプチドは放射標識または結合対の第1メンバー(例えばビオチン)などの検出可能な標識によって標識化し、N−ヘリックスコイルドコイルキャビティが標識化されている範囲(参照D−ペプチドのキャビティへの結合に適切な条件下で試料を維持した後に)を決定する。放射標識化を使用する場合、融合タンパク質が放射標識化されている範囲を試験試料内で評価し、対照試料において融合タンパク質が放射標識化されている範囲と比較する。検出可能な標識が結合対の第1メンバー(例えばビオチン)である場合、その対の第2メンバー(結合パートナー)を試料に加え、融合タンパク質が参照D−ペプチドに結合されている範囲を検出する。これは直接的または間接的に行うことができる(例えば、結合対の第2メンバーに結合する抗体またはその他の部分などの分子を付加することによって)。その候補薬物がD−ペプチドのキャビティへの結合を阻害する(全体的または部分的に)場合、融合タンパク質(N−ヘリックスコイルドコイルキャビティ)上にはより小さな範囲の標識が存在する。対照試料(候補薬物が存在しない)内よりも試験試料 (候補薬物が存在する)内の方が少ない範囲で結合が起こる場合、その候補薬物はHIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルキャビティに結合する薬物である。

0113

D−エナンチオマーにおけるIQN17またはその変異体は、ライブラリーまたはコレクションのメンバーであり、gp41のN−ヘリックスコイルドコイルに結合する分子または化合物の同定に有益である。例えば、ファージディスプレイライブラリーなどの分子または化合物のライブラリーもしくはコレクションは、D−エナンチオマーにおいてIQN17でスクリーニングを行い、ポケットに結合するメンバーを同定することができる。これは本明細書に記載するように問題なく行われる。IQN17の鏡像またはその変異体は、標識分子として使用する。本明細書で使用する「ポリペプチのD−エナンチオマー」および「D−ペプチド」という用語は、天然の掌体における分子の正確な鏡像を指す。よって、IleおよびThrなどの第2キラル中心を含むアミノ酸残基において、自然に発生するアミノ酸残基の正確な鏡像は、ポリペプチドのD形態の製造に使用される。また本明細書で使用する「D−アミノ酸」および「L−アミノ酸」という用語は、どちらも非キラルアミノ酸グリシンを含むことを意味する。D−IQN17は、結合対の片方のメンバー(例えばビオチン)をそれに付加し、さらに対のもう片方のメンバー(例えばストレプトアビジン)を固体表面に付加することなどにより、固体表面に固定化することができる。これら2つのメンバーの結合により、ファージパンニングなどのための、D−IQN17の固定面へ固定化される。酵素認識部位(例えば、L−リジン残基が使用されるGly−Lys−Glyなどのアミノ酸リンカー)であるリンカーを、D−IQN17配列と結合対メンバーとの間(ビオチンとD−IQN17との間)に配置して、酵素認識部位 (この場合はトリプシン認識部位)を提供し、結合ファージを酸添加などの非特定溶出よりも、トリプシン消化によって溶出するようにする。ファージディスプレイライブラリーは、適切なファージ遺伝子に融合された任意の適切な長さのL−アミノ酸ペプチドのライブラリーとすることができる。一実施形態において、これはM13ファージのgIII遺伝子に融合されるL−アミノ酸ペプチドのファージディスプレイライブラリーである。一実施形態において、ペプチドは、システインまたはセリンガー両側に隣接する10のランダムにコード化されたアミノ酸残基を含んでいる。典型的には、一連のパンニングを数回行う。D−IQN17特異的結合ファージを同定する。D−IQN17のgp41領域のみに結合するファージは、抗原欠くウェルに対するスクリーニング、および分子のパネルに対するさらなる試験などの、パンニング後の評価によって同定することができる。例えば、特異的なポケットに結合するファージには、D−IQN17には結合するが、D−GCN4−pIQI(IQN17と同様に3つの表面突然変異がある)または疎水性ポケットに点突然変異のあるD−IQN17の形態、グリシン39がトリプトファンに突然変異し、ポケット内へ大きく突出してしまうD−IQN17(G39W)とは結合しないものが含まれる。このようにして同定されるD−ペプチドは、細胞間融合アッセイおよびHIV感染性アッセイなどの周知のアッセイを使用して、HIVgp41を阻害する能力について評価することができる。本明細書に記載する鏡像ファージディスプレイ法は、IQN17およびIQN17(G39W)、ならびにそれらのD−エナンチオマーの、gp41ポケットに結合するHIV−1侵入阻害剤を同定する価値を実証した。同定された9つの特異的なポケット結合ファージ配列(D−IQN17には結合するがD−IQN17(G39W)には結合しないファージ)のうち、8つはコンセンサスEWXWL配列を含んでおり、D−ペプチドとして試験した際に、HIV−1 gp41により誘導されるシンシチウム形成を阻害する。9番目のペプチドは細胞に有毒であったため、さらなる試験は行わなかった。

0114

IQN17およびIQN17(G39W)のD形態を、天然酵素による酵素的分解を受けない他のポケット結合分子を発見するために、他の生物学的にコード化されたライブラリーと同様の方法で使用することができる。例えば、他のファージディスプレイライブラリーを使用して、新しいD−ペプチド阻害剤(例えば、両側に隣接するシステイン残基間で異なる数の残基を有するもの、および/またはシステイン残基の両側に隣接する領域の外にランダムにコード化されたアミノ酸残基を有するもの、および/または2つ以上のシステイン残基を有するもの)を同定することができる。ファージを使用せずにペプチドライブラリーをコード化するための戦略(例えば、コード化するmRNAをペプチドに付着させる)を、D−ペプチド阻害剤の同定に使用することができる。RNAまたはDNAライブラリーを使用して(例えばSELEX法により)、疎水性ポケットには結合するが、天然のヌクレアーゼの基質には結合しないL−リボ−スまたはL−デオキシリボース塩基RNAまたはDNAアプタマーをそれぞれ同定することができる(例えば、Williamsら、PNAS,74:11285(1997)参照のこと)。

0115

天然のL−掌体にあるIQN17およびIQN17(G39W)の形態も同様に、生物学的にコード化されたライブラリーと共に使用することができるが、最も可能性のある適用は、他の非生物学的にコード化されたライブラリーとの使用であろう。例えば、(1ビーズに1化合物の多様性を有する)ビーズにおける化学的なコンビナトリアルライブラリーを、(例えば、放射性または発色基により)標識化されたIQN17を用いてスクリーニングを行い、IQN17に結合する分子を含むビーズを同定することができる。この例において、IQN17(G39W)を対抗スクリーニングとして使用し、ビーズ上の分子がIQN17のポケットに結合するかどうかを決定することができる(分子がIQN17(G39W)に結合した場合、それらはポケット結合分子であるとは考えられない)。別の例として、IQN17が予め結合しているビーズを、潜在的なポケット結合分子の混合物(例えば、化学材料または天然抽出物の混合物)とインキュベーションすることができる。その後(ビーズに結合している)IQN17を混合物から分離し、洗浄し、次いで、ビーズ上のIQN17に結合している分子を溶出させる条件(例えば、有機溶媒、低pH、高温度)に供することができる。溶出された分子(すなわち潜在的なポケット結合分子)を分析化学的方法(例えば、HPLC質量分析法)によって同定することができる。IQN17(G39W)を用いた対抗スクリーニングは、真のポケット結合分子の同定を助けるために有用である。

0116

上述の方法によって同定された薬物を、その後、HIVgp41の機能(膜融合)、すなわち細胞内侵入を(完全または部分的に)阻害するその能力についてさらに試験する。これは、本明細書中に記載するシンシチウムアッセイおよび/または感染性アッセイあるいは当業者に周知であるその他のアッセイなどのインビトロアッセイ、および/または適切な動物モデルもしくはヒトにおけるインビボアッセイをさらに使用して行う。

0117

本発明の一実施形態は、HIVgp41のN−ヘリックスコイルドコイル、特にN−ヘリックスコイルドコイルポケットに結合する薬物を同定する方法である。この方法は、HIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルポケットを結合する能力についての評価対象の候補薬物と、可溶性三量体のコイルドコイル、およびHIV gp41ポケットを含むために充分なHIV gp41のN−ペプチド部分を含むペプチドとを、分子または化合物(例えば薬物)による結合に関して、HIV gp41ポケットの提示に適切な条件下で合わせるステップ;および、その候補薬物がHIV gp41ポケットに結合するかどうかを決定するステップを含む。候補薬物とHIV gp41ポケットとの結合が生じた場合、その候補薬物は、HIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルのポケットを結合する薬物である。任意選択により、候補薬物の結合は、N−ヘリックスコイルドコイルポケットに結合するペプチド(ポケットに結合するペプチドとして以前に同定されたペプチド)を候補薬物およびペプチドと合わせることを除き、上記に記載するアッセイで評価することができる。このような競合アッセイにおいて、N−ヘリックスコイルドコイルのポケットに対する候補薬物の結合を、周知の結合部分(ポケットに結合する分子または化合物)の存在下で評価する。候補薬物の結合がその周知の結合部分の存在下で生じた場合、その候補薬物は、周知の結合部分と充分に競合する充分な親和性でN−ヘリックスコイルドコイルのポケットに結合する薬物である。この実施形態において使用する融合タンパク質は、可溶性三量体形態のコイルドコイル、例えば、タンパク質の可溶性三量体形態のコイルドコイル領域と、HIV gp41のキャビティを含むのに充分な部分のHIV gp41のN−ペプチドとを含む。あるいは、本明細書中に示すHIV gp41の配列変異体、ヒトウイルスの別の株(例えば、HIV−2)に由来する配列、または別の種(例えば、SIV、ネコ免疫不全症ウイルス、Visnaウイルス(M.Singhら、J.Mol.Biol、290:1031(1999))に由来する配列を、融合タンパク質または可溶性モデルにおいて使用することができる。融合タンパク質は、任意のタンパク質の可溶性の三量体状のコイルドコイルを含むことができる。ただしそれがHIV成分を有する融合タンパク質にある場合、HIVキャビティは結合が得られるような方法で提供される。これは例えば、GCN4−pIQI、GCN4−pII、モロニ−マウス白血病ウイルス(Mo−MLV)またはABCヘテロ三量体の融合タンパク質であり得る。一実施形態において、融合タンパク質はD型のIQN17である。別の実施形態において、融合タンパク質は天然のL掌体のIQN17である。

0118

競合アッセイ形式において、N−ヘリックスコイルドコイルのキャビティに結合することが知られているペプチドはどれも、周知の結合部分として使用することができる。例えば、本明細書中に記載するペプチドの何れか、あるいはその変異体またはその一部を使用することができる。また、ペプチドでない任意のポケット結合分子を競合アッセイ形式において使用することができる。競合アッセイは溶液中、ビーズ上または固体表面で実行することができる。

0119

一実施形態において、候補薬物を検出可能に標識化し、候補薬物のHIVgp41のN−ヘリックスコイルドコイルへの結合を、HIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイル上の検出可能な標識の存在を検出することによって決定する(標識化された候補薬物のN−ヘリックスコイルドコイルへの結合の結果として)。可溶性モデルのヘリックスコイルドコイルポケット上の標識の検出により、候補薬物のN−ヘリックスコイルドコイルのポケットへの結合が示され、候補薬物がN−ヘリックスコイルドコイルのポケットに結合する薬物であることが示される。標識化された候補薬物が融合タンパク質上で検出された場合、その候補薬物はN−ヘリックスコイルドコイルのキャビティに結合する薬物である。

0120

HIVgp41のN−ヘリックスコイルドコイルのポケットに結合する薬物を同定する方法の別の実施形態において、薬物による結合に利用できるような方法で、ポケットを提示する可溶性モデルを候補薬物と合わせ、候補薬物と可溶性モデルのN−ヘリックスコイルドコイルとの結合が生じるかどうかを決定する。結合が生じる場合、その候補薬物は、ポケットに結合する薬物である。この場合もまた、競合アッセイ形式を使用することができる。競合アッセイの成分(例えば、IQN17およびD−ペプチド)を、蛍光基消光基の組み合わせを含む様々な検出可能な標識のうちの何れかによって標識化することができる。候補薬物を、上述の様に、様々な検出可能な標識のうちの何れかで標識化することができる。この実施形態において使用する可溶性モデル(融合タンパク質)の成分、および競合アッセイ形式において使用する競合部分もまた、上述の通りとすることができる。

0121

本発明はまた、HIVgp41のN−ヘリックスコイルドコイルポケットに結合する薬物を製造する方法に関するものである。一実施形態において、この方法を下記のように行う;HIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルのポケットを提示する可溶性モデル、または可溶性の三量体コイルドコイルを含む融合タンパク質を、薬物による結合のためのHIV gp41ポケットの提示に適切な条件下で、HIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルのポケットと結合させ、細胞内への侵入を阻害するその能力について評価される候補薬物と合わせる。その候補薬物がHIV gp41のポケットと結合するかどうかを決定し、この場合、候補薬物のHIV gp41におけるN−ヘリックスコイルドコイルのポケットへの結合が生じる場合、その候補薬物は、HIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルキャビティに結合する薬物である。本実施形態において、融合タンパク質として、可溶性三量体コイルドコイルと、HIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルのポケットを含むのに充分な部分のHIV gp41のN−ペプチドとを含む、本明細書中に記載するIQN17をこの方法において使用することができる;IQN17のDエナンチオマーもまた、(例えば、鏡像ファージ適用において)使用することができる。HIVの細胞内侵入を阻害するために製造された薬物の能力は、本明細書中に記載するように、例えば、シンシチウムアッセイおよび/または感染性アッセイにて評価する。そのような能力は、適切な動物モデル、またはヒトにおいてさらに評価することができる。

0122

本発明はまた、HIVgp41のN−ヘリックスコイルドコイルのポケットに結合する薬物を製造する方法に関するものである。この方法は、HIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルポケットの可溶性モデルを製造、または得るステップ;HIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルのポケットに結合するその能力について評価する候補薬物(分子または化合物)と、HIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルポケットの可溶性モデルとを合わせるステップ;およびその候補薬物がHIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルのポケットに結合するかどうかを決定するステップを含む。その候補薬物がHIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルのポケットに結合する場合、その候補薬物は、HIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルのポケットに結合する薬物である。その結果、HIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルキャビティに結合する薬物を製造する。本実施形態において使用する融合タンパク質は本明細書中に記載されており、例えば、IQN17、IQN17のDエナンチオマー、またはその変異体であり得る。あるいは、HIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルのポケットに結合して、HIVの細胞内侵入を阻害する薬物は、下記のステップを含む方法によって製造することができる:本明細書中に記載する、HIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルポケットの可溶性モデルを製造、または得るステップ;この可溶性モデルと、HIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルのポケットを結合するその能力について評価される候補薬物とを合わせるステップ;その候補薬物が可溶性モデル(融合タンパク質)のN−ヘリックスコイルドコイルのポケットに結合するかどうかを決定するステップ、この場合、結合が生じる場合、その候補薬物は、HIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルに結合する薬物である;およびN−ヘリックスコイルドコイルに結合してHIVの細胞内侵入を阻害する薬物の能力を評価するステップ、この場合、その薬物がHIVの細胞内侵入を阻害する場合、その薬物は、HIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルポケットに結合してHIVの細胞内侵入を阻害する薬物である。HIVの細胞内侵入を阻害するその能力は、(例えば、シンシチウムアッセイ、感染性アッセイにおいて)インビトロで、あるいは(例えば、適切な動物モデルまたはヒトにおいて)インビボで評価することができる。可溶性モデルは、タンパク質の可溶性三量体コイルドコイルなどの可溶性三量体コイルドコイルおよび、HIV gp41のポケットを含むのに十分な部分のHIV gp41のN−ペプチドを含むペプチドであり得る。

0123

本明細書中に記載する方法および他の方法によって同定または製造される薬物であって、HIVgp41の特定のN−ヘリックスコイルドコイルに結合してHIVの細胞内侵入を阻害する薬物もまた本発明の課題である。

0124

本明細書中に記載する方法および他の方法によって同定または製造される薬物であって、HIVgp41の2つ以上のN−ヘリックスコイルドコイルに結合して、HIVの細胞内侵入を阻害する薬物もまた本発明の課題である。そのような薬物は、阻害の有効性を増大させるために、例えば、適切なリンカー(例えば、アミノ酸残基または他の化学的部分)を介して、2つ以上のポケット結合分子(薬物)を連結することによって得ることができる。連結されるポケット結合分子は同じであっても、異なっていてもよい。本明細書中に記載する方法または他の方法によって同定または製造される薬物であって、HIV gp120,CD4,CCR5,CXCR4,またはHIV gp41の非ポケット領域への結合に加え、HIV gp41のN−ヘリックスコイルドコイルポケットに結合する薬物もまた本発明の課題である。

0125

HIVgp41を阻害する薬物はまた、本明細書中に示すIQN17と2K−PIE1との複合体のX線結晶構造を参照して設計または改善することができる。あるいは、またはさらに、HIV gp41を阻害する薬物は、本明細書中に示す、遊離IQN17のX線結晶構造を参照して設計または改善することができる。

0126

本明細書中に記載するようにして同定された化合物および分子(薬物)は、HIVの細胞内侵入を(部分的または完全に)阻害し、よって、未感染個体(ヒト)および感染個体において、(例えば、未感染個体における感染を防止または低減するために、感染個体におけるさらなる感染を低減または予防するために)治療的に有用であり、そして、gp41により誘導される膜融合の機構を研究するための研究用試薬、および個体によるウイルスクリアランス速度を評価するための研究用試薬の両方として有用であり、また、HIVの細胞内侵入を阻害する他の化合物および分子(薬物)を発見または開発するための試薬として有用である。本明細書中に記載するるD−ペプチド(例えば、D10pep5,D10pep1)は、本明細書中に記載するる感染性アッセイにより、細胞の感染を阻害することが分かっている。その他のD−ペプチドは、感染性を阻害するその能力について同様に評価することができる。

0127

上述の様に、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を使って推定阻害剤を同定し、相互作用を迅速に同定することができる。この技術の根底にある理論は、2つの分子が空間的に接近している場合、すなわち、自然に存在するよりも近いレベルで相互作用する場合、信号が製造される、または信号をクエンチすることができるというものである。そして、例えば推定阻害剤の添加を含む、種々の実験を行うことができる。その阻害剤が2つの信号分子間の相互作用と競合する場合、それらの信号を空間で相互に取り除き、そうすることにより、使用する信号の種類に応じて信号が増減する。このような信号の増減は、推定阻害剤の存在または不在と関連づけることができる。任意の信号手段を使用することができる。例えば、開示する任意の2つの分子間の相互作用の阻害剤を特定する方法を開示する。この方法は下記のステップを含む;推定阻害剤の存在下で、第1分子と第2分子とを接触させるステップであって、第1分子または第2分子は蛍光ドナーを含み、ドナーを含まない第1分子または第2分子は、典型的には蛍光アクセプターを含むステップ;および、推定阻害剤の存在する場合と存在しない場合において蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を測定するステップ。このステップにおいて、推定阻害剤が存在する場合のFRETの減少は、それが存在しない場合のFRET測定と比べて、推定阻害剤が2つの分子間の結合を阻害することを示している。このような方法は、細胞システムにおいても行うことができる。

0128

新規(de novo)活性化または修飾活性化を有するタンパク質を単離させる多くの方法がある。例えば、ファージディスプレイライブラリーは、特定の標的と相互作用する多数のペプチドを単離させるために使用されてきた。(例えば米国特許第6,031,071号、5,824,520号、5,596,079号および5,565,332号参照のこと。これらを、少なくともファージディスプレイ関連材料およびコンビナトリアルケミストリーに関する方法に関して、本明細書に参照として援用する。)

0129

当業者に周知である方法論を用い、種々のコンビナトリアルなライブラリーと併せて、所望の標的と結合または相互作用する小分子を単離し、特徴づけることができる。当業者に周知の競合的な結合研究を使って、これらの化合物の相対的結合親和性を比較し、最適な化合物を同定することができる。

0130

所望の標的に結合する分子を単離させるためのコンビナトリアルなライブラリーの作製およびコンビナトリアルなライブラリーのスクリーニング技術は当業者に周知である。代表的な技術および方法は、下記の米国特許に見つけることができるが、それらに限定されない;米国特許第5,084,824号、5,288,514号、5,449,754号、5,506,337号、5,539,083号、5,545,568号、5,556,762号、5,565,324号、5,565,332号、5,573,905号、5,618,825号、 5,619,680号、 5,627,210号、5,646,285号、5,663,046号、5,670,326号、5,677,195号、5,683,899号、5,688,696号、5,688,997号、5,698,685号、5,712, 146号、 5,721 ,099号、 5,723,598号、 5,741,713号、5,792,431号、5,807,683号、5,807,754号、 5,821 ,130号、5,831 ,014号、 5,834,195号、 5,834,318号、 5,834,588号、 5,840,500号、 5,847,150号、 5,856,107号、 5,856,496号、 5,859,190号、5,864,010号、5,874,443号、 5,877,214号、 5,880,972号、 5,886,126号、5,886,127号、5,891,737号、5,916,899号、 5,919,955号、5,925,527号、5,939,268号、 5,942,387号、5,945,070号、5,948,696号、5,958,702号、 5,958,792号、 5,962,337号、5,965,719号、 5,972,719号、5,976,894号、5,980,704号、 5,985,356号、 5,999,086号、6,001,579号、 6,004,617号、6,008,321号、 6,017,768号、6,025,371号、 6,030,917号、 6,040,193号、 6,045,671号、6,045,755号、 6,060,596号および6,061,636号。

0131

コンビナトリアルなライブラリーは、多くの様々な合成技術を使って、多岐にわたる分子から作製することができる。例えば、融合2,4−ピリミジンジオン(米国特許第6,025,371号)、ジヒドロベンゾピラン(米国特許第6,017,768号および第5,821,130号)、アミドアルコール(米国特許第5,976,894号)、ヒドロキシアミノ酸アミド(米国特許第5,972,719号)、炭水化物(米国特許第5,965,719号)、l,4−ベンゾジアゼピン−2,5−ジオン(米国特許第5,962,337号)、サイクリック(米国特許第5,958,792号)、ビアリールアミノ酸アミド(米国特許第5,948,696号)、チオフェン(米国特許第5,942,387号)、三環テトラヒドロキノリン(米国特許第5,925,527号)、ベンゾフラン(米国特許第5,919,955号)、イソキノリン(米国特許第5,916,899号)、ヒダントインおよびチオヒダントイン(米国特許第5,859,190号)、インドール(米国特許第 5,856,496号)、イミダゾールピリドインドールおよびイミダゾールピリドベンゾチオフェン(米国特許第5,856,107号)置換2−メチレン2,3−ジヒドロチアゾール(米国特許第 5,847,150号)、キノリン(米国特許第5,840,500号)、PNA(米国特許第5,831,014号)、含有タグ(米国特許第5,721,099号)、ポリケタイド(米国特許第 5,712,146号)、モルフォリノーサブユニット(米国特許第5,698,685号および第5,506,337号)、スルファミド(米国特許第5,618,825号)およびベンゾジアゼピン(米国特許第 5,288,514号)を含むライブラリーがある。

0132

本明細書では、コンビナトリアルな方法およびライブラリーを含む従来のスクリーニング法およびライブラリー、ならびに反復ステップにおいて使用される方法およびライブラリーを使用する。本発明によるペプチドは、研究ツールとして種々の様式で使用することができる。例えば、配列ID番号:1〜22などの本発明によるペプチドは、例えば、ウイルス侵入またはタンパク質の適切な折り畳みの阻害剤として作用することにより、gp41の研究に使用することができる。
2.ウイルス侵入阻害方法

0133

本明細書に、ウイルスの細胞への感染を阻害する方法、またはウイルス侵入を阻害する方法を開示し、これらの方法には、ウイルスを本明細書に開示する組成物、ペプチドまたは多量体にさらし、そうすることによってウイルスの細胞への感染を阻害するステップを含んでいる。ウイルスはHIVであり得る。ペプチドまたは多量体は薬学的組成物に含有させることができる。また、本明細書に記載する薬学的組成物を投与する方法も開示する。

0134

特定の実施形態において、本明細書に開示する、ウイルスの細胞への感染を阻害する方法は、ポリエチレングリコール(PEG)リンカーで作用強度増強カーゴに連結する、少なくとも1つのD−ペプチドを含む組成物を投与するステップを含む。特定の実施形態において、この方法は、少なくとも1つのD−ペプチドおよび作用強度増強カーゴを含む組成物を投与するステップを含んでおり、この少なくとも1つのD−ペプチドは配列ID番号:1〜29のうちの少なくとも1つであり、作用強度増強カーゴは、コレステロール、脂肪酸およびアルカン鎖のうちの少なくとも1つである。このような一実施形態において、この方法はchol−PEG24−PIE12を含む組成物を投与するステップを含んでいる。

0135

他の実施形態において、本明細書に開示する、ウイルスの細胞への感染を阻害する方法は、多量体骨格に連結する少なくとも3つのD−ペプチドを含む組成物を投与するステップを含んでおり、この少なくとも3つのD−ペプチドはPEGリンカーで多量体骨格に連結している。このような特定の実施形態において、この方法は、多量体骨格に連結する少なくとも3つのD−ペプチドを含む組成物を投与するステップを含んでおり、この少なくとも3つのD−ペプチドは、配列ID番号:1〜29のうちの少なくとも1つを含んでいる。このような一実施形態において、これらの方法は、PEG4−PIE12−三量体を含む組成物を投与するステップを含んでいる。

0136

いくつかの実施形態において、本明細書に開示する、ウイルスの細胞への感染を阻害する方法は、多量体骨格に連結する少なくとも3つのD−ペプチドおよび少なくとも1つの作用強度増強カーゴを含む組成物を投与するステップを含んでいる。いくつかの特定の実施形態において、これらの方法は、多量体骨格に連結する少なくとも3つのD−ペプチドおよび少なくとも1つの作用強度増強カーゴを含む組成物を投与するステップを含んでおり、この場合、多量体骨格は、3つのNHSエステル基および4つめの直交基を含むヘテロ四量体骨格である。さらに別の実施形態において、これらの方法は、多量体骨格に連結する少なくとも3つのD−ペプチドおよび少なくとも1つの作用強度増強カーゴを含む組成物を投与するステップを含んでおり、ここで、少なくとも1つの作用強度増強基は、4つめの直交基を介して、PEGリンカーによって多量体骨格に連結している。いくつかの特定の実施形態において、これらの方法は、多量体骨格に連結する少なくとも3つのD−ペプチドおよび少なくとも1つの作用強度増強カーゴを含む組成物を投与するステップを含んでおり、ここで、少なくとも1つの作用強度増強基は、コレステロール、脂肪酸またはアルカン鎖である。このような実施形態において、これらの方法は、chol−PEG12−PIE12−三量体、chol−PEG16−PIE12−三量体、chol−PEG24−PIE12−三量体、chol−PEG36−PlE12−三量体、chol−PEG57−PIE12−三量体、chol−PEG132−PIE12−三量体、C8脂肪酸−PEG24−PIE12−三量体、C16脂肪酸−PEG24−PIE12−三量体、C18脂肪酸−PEG24−PIE12−三量体、C8アルカン−PEG24−PIE12−三量体、C16アルカンPEG24−PIE12−三量体およびC18アルカン−PEG24−PIE12−三量体のうちの少なくとも1つを含む組成物を投与するステップを含んでいる。

0137

本明細書に開示する方法は、他のウイルス療法すなわち抗ウイルス剤と併せて使用することができる。これらの抗ウイルス剤のうちの1つまたは複数を使用することができ、それらは本明細書に開示する組成物による治療の前、治療中または治療後に投与することができる。例えば、治療中、被験者には、本明細書に記載する組成物を他の処置と一緒に投与することができる、つまり他の処置は、本発明の組成物による処置の約48時間、24時間、12時間、8時間、4時間、2時間、1時間、30分、20分、10分、5分または1分前に投与することができる。他の方法の処置も、本明細書に開示する組成物で処置を行う前に投与することができる。「治療前」とは、現在の治療の前に、別の形態による処置が与えられ、そして中止されることを意味する、または、現在の抗ウイルス剤の直前に与え、後から再度投与することも意味する。この場合、他の方法による抗ウイルス治療は、数年、数ヶ月、数週間、数日、数時間または数分前に行うことができる。他の方法による処置も、本明細書に開示する組成物による処置後に与えることもできる。「処置後」とは、現在の治療が行われた後に別の形態の処置を行うこと、または、現在の治療前に行い、後に再度行うことを意味する。この追加の抗ウイルス剤は、現在の治療後、数年、数ヶ月、数週間、数日、数時間または数分後に与えることができる。

0138

さらなる抗ウイルス剤はウイルス複製阻害剤、ウイルスプロテアーゼ阻害剤、ウイルス逆転写酵素阻害剤、ウイルス侵入阻害剤、ウイルスインテグラーゼ阻害剤、ウイルスRev阻害剤、ウイルスTat阻害剤、ウイルスNef阻害剤、ウイルスVpr阻害剤、ウイルスVpu阻害剤およびウイルスVif阻害剤からなる群より選択することができる。

0139

抗ウイルス化合物のさらなる例として、インフルエンザおよびその関連症状の治療に用いられる、アマンタジン、リマンジンおよびオセルタミビルタミフル)があるが、これらに限定されない。HIVの治療に有益な抗ウイルス化合物には、Combivir(登録商標)(ラミブジンジドブジン)、CRIXIVAN(登録商標)(インジナビル)、EMRIVA(登録商標)(エムトリシタビン)、EPIVIR(登録商標)(ラミブジン)、FORTOVASE(登録商標)(サキナビル−sg)、HIVID(登録商標)(ザルシタビン)、INVIRASE(登録商標)(サキナビル−hg)、KALETRA(登録商標)(ロピナビルリトナビル)、LEXIVA(商標)(ホスアンプレナビル)、NORVIR(登録商標)(リトナビル)、RITROVIR(登録商標)(ジドブジン)、SUSTIVA(登録商標)(エファビレンツ)、VEDEX EC(登録商標)(ジダノシン)、VIDEX(登録商標)(ジダノシン)、VIRACEPT(登録商標)(ネルファナビル)、VIRAMUNE(登録商標)(ネビラピン)、ZERIT(登録商標)(スタブジン)、ZIAGEN(登録商標)(アバカビル)、FUZEON(登録商標)(エンビルチド)、RESCRIPTOR(登録商標)(デラビルジン)、REYATAZ(登録商標)(アタザナビル)、TRIZIVIR(登録商標)(アバカビル/ラミブジン/ジドブジン)、VIREAD(登録商標)(テノホビルジソプロキシルフマル酸塩)、ISENTRESS(登録商標)(ラルテグラビル)、SELZENTRY(登録商標)(マラビロク)およびAGENERASE(登録商標)(アンプレナビル)がある。

0140

ウイルス感染の例には、(マイナス鎖RNAウイルスプラス鎖RNAウイルス二重鎖RNAウイルスおよびレトロウイルスを含む)あらゆるRNAウイルスおよびDNAウイルスによって生じる感染があるが、これらに限定されない。ウイルスの例には、(HIV−1およびHIV−2を含む)HIV、パルボウイルス、パピロ−マウイルス、麻疹フィロウイルス(例えば、エボラ、マールブルク)、SARS(重症急性呼吸器症候群)ウイルス、ハンタウイルスインフルエンザウイルス(例えば、インフルエンザA,BおよびCウイルス)、肝炎ウイルスA〜G、カリシウイルスアストロウイルスレオウイルスコロナウイルス(例えば、ヒト呼吸器多核体ウイルスおよびSARS多核体ウイルス (SARS−CoV)、ピコルナウイルス(例えば、ヒトライノウイルスおよびエンテロウイルス)、エボラウイルス、ヒトヘルペスウイルス(例えば、帯状疱疹を含むHSV−1−9、エプスタインバ−およびヒトサイトメガロウイルス)、口蹄疫ウイルスヒトアデノウイルスアデノ関連ウイルス、呼吸系発疹ウイルス(RSV)、天然痘ウイルス(痘瘡)、牛痘、サルワクシニアポリオウイルス性髄膜炎およびハンタウイルスがあるが、これらに限定されない。

0141

動物に関しては、ウイルスには、任意の上述のヒトウイルスの動物対応ウイルス、トリインフルエンザ(例えば、H5N1,H5N2,H7N1,H7N7およびH9N2株)およびサル免疫不全ウイルス、トリ免疫不全ウイルス、偽牛痘、ウシ免疫不全ウイルス、ネコ免疫不全ウイルスウマ伝染性貧血ウイルスヤギ関節炎脳炎ウイルスなどの動物レトロウイルスがあるが、これらに限定されない。
E.実施例

0142

下記の例は、本明細書に記載する化合物、組成物、物品、装置および/または方法をいかに作製して評価するかを当業者に提供するものであり、純粋に例示的な提示を意図し、開示を制限することを意図していない。数字(例えば、数量、温度など)に関する正確性を確保するための努力を行ったが、多少の誤記誤差は考慮されるべきである。他に記載のない限り、部分とは重量部のことであり、温度は周囲温度(℃)であり、圧力は大気圧または大気圧近傍である。
例1:阻害D−ペプチド
a)ペプチド合成

0143

本実施例では、全ての合成ペプチドをN−末端アセチル基とC−末端アミド基とでキャップし、それらの質量をMALDI−TOFで確認した。粗ペプチドをC18カラム(Vydac)上で逆相HPLC(RP−HPLC)によって洗浄し、凍結乾燥した。D−ペプチド阻害剤を(≦0.4mg/mL)で一晩、37℃、50mMトリス中、pH8.0、2%DMSOで酸化し、RP−HPLCを使って再洗浄した。

0144

PEG−(PDE7)2を、新鮮に調製した架橋剤(Bis−dPEG9(商標)、NHSエステル、Quanta BioDesign,#10246)で、1:0.6(ペプチド:PEG)のモル比で、50mMのNaHPO4中で、pH7.室温で0、2時間、PIE7(〜2mM)をインキュベ−ションして作製した。PEG−(PIE2−AAA)2を同様のプロトコルを使って製造した。PEG−PIE7を、同様のプロトコルで、NHS−m−dPEG(商標)(Quanta BioDesign,#10260)を使い、モル比1:2(ペプチド:PEG)で作製した。
b)ウイルス感染性アッセイ:

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  • ミナト製薬株式会社の「 乾燥桑葉の製造方法、乾燥桑葉および桑葉粉末」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題】フェオホルバイドの生成を抑えつつ、有効成分である1−デオキシノジリマイシンの損失が少ない乾燥桑葉の製造方法、および、桑葉粉末の製造方法の提供。【解決手段】枝付き桑葉を熱湯ブランチングする工程(... 詳細

  • 株式会社堀場製作所の「 エクソソーム表面分子を特定する方法」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題・解決手段】本発明はエクソソーム表面分子に対する結合性分子が固相化された担体をカゼイン溶液またはカゼイン分解物溶液でブロックおよび洗浄すること、ならびに該担体とエクソソームを含む被験試料の接触前... 詳細

  • 森永乳業株式会社の「 エネルギー消費促進用組成物」が 公開されました。( 2020/10/29)

    【課題・解決手段】エネルギー消費を促進させることが可能な技術を提供する。平均分子量が220ダルトン以上かつ1000ダルトン以下である乳タンパク質分解物、又はMet−Lys−Proからなるペプチド、又は... 詳細

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