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課題・解決手段

単純セルロース硫酸塩ベースマイクロカプセル化技術は、消化酵素を産生し放出する細菌や他の微生物細胞カプセル化に適用され、これによりこれら微生物細胞用の酸抵抗性シェルタを提供する。驚くべきことに、得られたスフェアは、カプセル化細胞酸性水溶液での処理からの十分な保護をもたらすことが見出された。これにより、プロバイオティクス等のセルロース硫酸塩マイクロカプセル化細胞は、現在、例えば、ヒトや動物による摂取後を通過しても、マイクロカプセル内にないものと比べて高い生存率で生き残ることが可能となる。胃の通過後、これらの細胞は、これらにより産生された産生物、例えば、酵素や他の栄養素輸送する。それゆえ、この技術は、消化酵素や他の有益酵素および/または生きている微生物細胞を下部消化管に供給することに非常に有用であることを立証し、下部消化管でそれらが宿主に有益な健康状態をもたらすものである。

概要

背景

消化酵素
消化酵素は、(食品に含まれるような)重合した高分子を、生体による吸収を促進するために、それらのより小さな構成ブロック(養分や老廃物等)に分解する酵素である。消化酵素は、動物、本発明の文脈では哺乳類が好ましいものの、とりわけ反芻動物および他の家畜魚類エビ等の水生養殖動物、ペットコンパニオンアニマル鳥類および/またはヒトのいずれかの消化管に見出され、食品の消化、同様に、細胞内で、とりわけ細胞の生存を維持するために機能するリソソーム支援する。消化酵素は様々であり、唾液腺により分泌される唾液胃部を覆う細胞により分泌される分泌液膵臓外分泌細胞により分泌される分泌液、腸(小腸および大腸)分泌液に見出され、消化管を覆うものの部分として見出される。消化酵素は、そのターゲットとなる基質に基づいて分類されるものであり:プロテアーゼペプチダーゼタンパク質をそのモノマであるアミノ酸に分解し;リパーゼ脂肪を3つの脂肪酸およびグリセリン分子に分割し;カルボヒドラーゼデンプン等の炭水化物を糖に分解し;ヌクレアーゼ核酸ヌクレオチドに分割する。

ヒト消化系において、消化の主要サイトは、口腔、胃および小腸である。消化酵素は、異なる外分泌腺により分泌されており:唾液腺、胃の分泌細胞、膵臓の分泌細胞、小腸の分泌腺を含む。膵臓は、小腸で作用するリパーゼ、アミラーゼおよびプロテアーゼ等の消化酵素を産生する。公知のプロテアーゼは、トリプシンクロモトリプシン(chromotrypsin)およびカルボキシペプチダーゼである。

身体が適切に食品を消化し栄養素を吸収するために十分な酵素を有していれば、食品および栄養補給剤最大限の利益が単にもたらされる。いくつかの消化酵素は、日常的に食べられることがなく、ほとんどの動物が摂取する日常の食物の一部ではない生の食品のみに見出される。動物の身体で産生される消化酵素は、動物の年齢とともに十分ではなくなり;動物が年をとるほど、身体でのそれらの産生が減少する。消化酵素の欠乏は、関節炎肥満症過敏性腸症候群胸やけ慢性疲労症候群、その他を含む多様な疾病の一因となる。プロテアーゼの欠乏は、アレルギや毒素生成を招く不完全な消化の原因となり得る。

消化酵素のレベルを増加させるためにサプリメントを摂取することは、エネルギ細胞増殖および創傷治癒のために食品栄養素にアクセスし使用するための身体能力を改善することが一般的に信じられている。個体での消化を改善することにより、サプリメントは、ガスや胸やけを減少させ、規則性を改善する。推定15%のアメリカ人は、痛み、膨潤硬直発赤等の炎症に対する形容詞で通常特徴付けられる関節炎で苦しんでいる。しかしながら、関節炎は、単一の障害ではなく、遺伝病感染症、身体的障害、アレルギ、ストレスおよび不完全消化等の可能性のある多くの原因から関節疾患名称である。トランスフォーメーションエンザイムコーポレーション(Transformation Enzyme Corporation)での臨床研究は、関節炎が炎症および消化に関連するため、関節炎で苦しむほとんどの患者がプロテアーゼや消化酵素サプリメントでの治療に良好な反応を示すことを明らかにした。いくつかの研究は、プロテアーゼ酵素が関節炎の痛み救済用の医薬であるメトトレキセート(Methotrexate)やインドメタシン(Indomethacin)と同様に効果的であり、ネガティブ副作用を伴わないことを示している。消化系や免疫系のサポートを増加させることにより、炎症が低減する。

消化酵素の欠乏に関連する健康問題に対する解決法は、消化酵素サプリメントを経口的に摂取することである。ほとんどの消化酵素は、単純に飲み込むことができるカプセルで手に入る。カプセルは、ゼラチンゲルカプセルと称される)または植物性セルロースブレンド(ベジィカプセルと称される)のいずれかで形成されている。ほとんどのサプリメント供給社では、過去10年以上かけて、すべてのカプセル化サプリメントをベジィカプセルに移行している。ほとんどの酵素カプセルは、開かれると粉末が出てくる。

消化酵素の増加量を単純に飲み込むことは、胃を通過するときに胃酸にさらされることで酵素に有害効果をもたらすため、理想的な解決法ではない。食品サプリメントとして酵素を提供することにおけるさらなる問題は、そのような酵素の風味であり、それらのいくつかは口内で「灼熱感(burning sensation)」を引き起こすことがあり、また、それらの水分に対する感受性である。非カプセル化酵素では、通常の空気中の水分にさらされるとその効力を失うことが報告されており、それゆえ、それらを飲料として摂取することや、多食物の成分として摂取することは、摂取の直前に添加されたとしても難しいことである。

灼熱感は、プロテアーゼが皮膚表面での死んだ層(the dead
layer)や細胞の幾分かを破壊し始めるときに引き起こされる。これらの酵素は、ダメージを受けた細胞、感染した細胞、または、死んだ細胞を取り除く。プロテアーゼが皮膚表面に長期間残り続けると、死んだ細胞を取り除き下部の健康な皮膚をさらすこととなる。これが炎症をもたらすこととなる。しばしば、酵素が飲料で摂取されると、上口唇に接触し、プロテアーゼが残り、発疹を引き起こす。

そして、胃酸に対して感受性を有する消化酵素もある。膵臓由来の酵素は、広範囲のpHや温度で安定ではなく、胃酸により分解される。このため、それらは、胃を通過する間、保護されることが必要である。

プロバイオティクス
ヒトおよび動物の両方の健康産業において最も早く成長するセグメントの1つは、プロバイオティック細胞(プロバイオティクス)の使用である。FAO/WHOにより現在承認されている定義では、プロバイオティクスは:「適切な量で投与したときに、宿主に健康上の有益さをもたらす生きた微生物」である。乳酸菌(LAB、Lb.)およびビフィズス菌は、プロバイオティクスとして使用される微生物の最も一般的なタイプであり、特定の酵母桿菌も有用である。

プロバイオティック微生物細胞は、pH、水分、温度、空気および光等の種々の環境条件に対して感受性である。これらの条件が適切にコントロールされていないと、生成物生存率(しばしば、コロニー形成単位(cfu)で、または、代謝活性率(mar)として測定される)、および、それゆえそ効能が実質的に低減する。

日常の食物において有益で、潜在的な治療的化合物として使用されるためには、プロバイオティック微生物細胞は、a)製造する過程の間、b)生成物での保存の間、c)消化管、特に胃を通過する間で保護されている必要がある。ヨーグルト等の乳製品生成物では、延長された時間、若干酸性の条件を生き残る必要がある。生成物におけるプロバイオティックの生存性は、pH、発酵生成物におけるポスト酸性化(保存の間)、過酸化水素生成、酸素毒性パッケージを通過する酸素透過)、保存温度、乾燥や凍結形態での安定性ミルク中での不十分な成長、乳タンパク質をより単純な窒素性物質に分解するプロテアーゼの欠乏、および、発酵の間の伝統的なスタータカルチャとの適合性を含む因子の範囲により影響される。これらすべてのストレスは、これらの細胞の顕著な割合での死の結果となる。それゆえ、国際酪農連盟(International Dairy Federation)(IDF)は、認められた健康上の有益さを達成するために、生成物のグラムあたりで最少107のプロバイオティック微生物細胞が摂取のときに生きているべきであることを示唆している。しかしながら、この数は、細胞死の主要原因、すなわち、胃における生細胞の酸性劣化がそのような酸性環境に対して細胞を保護し、それにより胃における細胞の生存率が増加することにより回避されれば、顕著に低下する。いくつかのプロバイオティック微生物細胞は、同様に、胃を通過し腸に至るときに、消化酵素を産生することも可能である。

マイクロカプセル化
例えば、発酵乳生成物での保存の間または胃酸にさらされる間のプロバイオティック微生物細胞の不十分な生存性の問題に対する1つの解決法は、マイクロカプセル化である。

カプセル化は、カプセル化材料コアとしてカプセル壁内に全体的に含有される内部マトリックスの周囲に連続的なコーティングを形成するプロセスである。マトリックス内またはマトリックス全体に材料をトラップすることに関連する「固定化(immobilization)」とは区別されるものである。カプセル化に対して、これは、不確定粒子サイズとなるランダムプロセスであり、固定化要素の一部が表面にさらされる。マイクロカプセル化は、コア材料を環境から分離するための助けとなり、それにより安定性を向上させ、コアの保存寿命(shelf
life)を延長する。マイクロカプセル化材によりコア物質の周囲に形成された構造は、壁として知られている。壁システム性質は、低分子を膜の内部へ通過し外部へ通過することを許容しながら、コアを保護し、特定の条件下でそれを潜在的に放出するために設計される。カプセルは、サイズをサブミクロンから数ミリメートルの範囲としてもよく、異なる形状とすることができる。

アルギン酸塩、デンプン、キサンタンガムグアガムローカストビーンガムおよびカラギーナンガム、同様にホエイタンパク質等のいくつかの食品グレード生体高分子は、サクセスを変えることで、酸感受性微生物細胞を保護するためのマイクロカプセル化材料としてテストされた。イスラムらの最近の報告を参照されたい(Islam et al. “Microencapsulation
of Live Probiotic Bacteria” J. Microbiol. Biotechnol. (2010), 20(10),
1367-1377)。今まで、微生物細胞の内部で産生される消化酵素にカプセル壁を通じて放出させることを許容するマイクロカプセル化技術の使用を報告した者はいない。

アルギン酸塩
アルギン酸は、D−マンヌロン酸残基およびL−グルロン酸残基が1−4グリコシド結合により直鎖状に結合し形成されたアニオン性天然多糖類である。アルギン酸塩は、海藻から回収される天然産物で、無毒性と考えられており、単純な調製、低価格および良好な生体適合性(材料がほとんどのタイプのカプセル化細胞の生存性に影響を及ぼさない)のために、アルギン酸塩カプセルが広く用いられる技術である。Ca2+アルギン酸塩から形成されたアルギン酸塩ゲルは、低pHで安定である。それらは、弱塩基溶液で膨潤する。けれども、pHがD−マンヌロン酸およびL−グルロン酸のpKa値より低下したときは、アルギン酸塩は、Ca2+の放出、および、水分損失によるより濃縮されたゲルの形成を伴い、アルギン酸に変換される。

カイラ カイラサパシィによる論文は、そのときまでに用いられた異なるマイクロカプセル化技術の良好な概要を提供するものである(Kaila Kailasapathy “Microencapsulation of
Probiotic Bacteria: Technology and Potential Applictions”, Curr. Issues Intest.
Microbiol. (2002), 3, 39-48)。

乳酸桿菌属は、カルシウムアルギン酸塩に封入されたときに、封入されないときと比べて、約40%を超える乳酸桿菌属がアイスミルクの凍結でも生き残ることが報告されている。ツイン80(Tween 80)(乳化剤)およびラウリル硫酸ナトリウム界面活性剤)を含む植物オイルでのアルギン酸塩またはカラギーナン水溶液は、プロバイオティック細菌細胞のカプセル化に用いられた。細菌細胞は、アルギン酸塩の溶液に混合され、カプセル化を達成するためにオイル滴下された。乳化剤および界面活性剤は、カプセル形成を促進するために添加された。

これらのマイクロカプセル化のいくつかの実験室的手順は、油中水型(water-in-oil)エマルジョン技術を含む。しかしながら、この技術は、第一に、カプセル化材料に残存するオイルが手触り感覚刺激特性に有害であり、低脂肪日常食品生産物の開発に適していないため、すべての食品生産物の応用に適していない。第二に、カプセル化材料に残存するオイル、乳化剤や界面活性剤は、生きている微生物細胞に毒性を有しており、過敏食品成分相互作用することもある。

また、改変されたアルギン酸塩−デンプンカプセル化法も開示されており、プレバイオティックハイマイズ(Hi-maize)デンプンがプロバイオティック細胞のカルシウム−アルギン酸塩マイクロカプセル化の間に組み込まれる。このデンプンの存在下でカプセル化された細胞は、このデンプンを用いることなくカプセル化されたものと比べて、長期の保存寿命を有する。プレバイオティクス(prebiotics)は、身体の健康に有益な消化系における微生物細胞の増殖および/または活性刺激する非消化性食品添加物である。典型的には、プレバイオティクスは、炭水化物(オリゴ糖、等)であるが、定義的には非炭水化物を含んでもよく、それらは宿主生物(哺乳類やヒト、等)により消化されるものではないが、それらを消化することができる微生物に有益さをもたらす。しかしながら、カプセル化微生物細胞は、インビトロ(in
vitro)テスト中の低pHや高胆汁酸塩の条件にさらしても顕著に増加した生存率を示さなかった。それらは、pH2、3または4に37℃で3時間の条件にさらされ、試料が1時間ごとに採取された。その結果、ラクトバチルスアシドフィルスビフィドバクテリウム属より感受性が高く、カプセル化は酸性水溶液による劣化に対して微生物細胞を保護しなかった(Sultana et al. “Encapsulation of probiotic microbial cells
with alginate-starch and evaluation of survival in simulated gastrointestinal
conditions and in yoghurt”, International Journal of Food Microbiology, (2000),
62(1-2), 47-55)。

しかしながら、プロバイオティクスは、食品の製造および保存条件を生き残ることができなければならないばかりか、最終的には腸に入ることに適していなければならない。それゆえ、それらは、腸内でその有益な効果を発揮する前に、胃酸、胆汁酸塩、酵素、毒性代謝物バクテリオファージ抗生物質および嫌気性条件に対しても生き残らなければならない。

従来生成された40−80μmの直径を有するアルギン酸塩カプセルは、pH2.0の人工胃分泌液にさらされたときに、より大きなアルギン酸塩マイクロスフェア(1−3mm)がカプセル化細胞をより大幅に保護したのに対し、ビフィズス菌の保護をほんのわずかに与えることが報告されている(Truelstrup-Hansen L, Allan-wojtas PM, Jin YL, Paulson AT, “Survival
of free and calcium-alginate microencapsulated Bifidobacterium spp. in simulated gastro-intestinal
conditions.”, Food Microbiol. (2002), 19: 35-45.)。

2009年に、ナッツァーロらは、アルギン酸塩−イヌリン−キサンタンガムにラクトバチルス・アシドフィルス(L.
acidophilus)細菌をカプセル化し、発酵および保存後の細胞生存性が顕著に向上し(それぞれ、フリーな細胞についての4×1010および2×108に対して、6×1012および4×1010)、同様に、人工胃酸での生存率が改善されることを報告した(Nazzaro, F. et al., “Fermentative ability of
alginate-prebiotic encapsulated Lactobacillus
acidophilus and survival under simulated gastrointestinal conditions”,
Journal of Functional Foods(2009), 1(3), 319-323)。

また近年では、無細胞毒性ゲニピン架橋され、外部供給源や内部供給源からのカルシウムイオン(Ca2+)による架橋アルギン酸塩でコートされたゼラチンマイクロスフェアに基づく新規なマイクロカプセル化法が開示されている。アルギン酸塩コートゼラチンマイクロスフェアでのカプセル化は、不利な環境条件にさらされてもプロバイオティックなビフィドバクテリウム属の生存性を顕著に改善した(P<0.05)。pH2.0の人工胃分泌液に5分間さらした後の細胞生存性は、未コートのゼラチンマイクロスフェアおよびフリーな細胞のそれぞれについて、初期集団のほんの2%および1%であった。しかしながら、細菌が外部および内部それぞれのカルシウムイオン(Ca2+)供給源により生成されたアルギン酸塩コートマイクロスフェア内のときは、初期集団の54%および20%が生き残った。初期減少(5分間)後でも、ビフィズス菌集団は、2時間のインキュベーション時間を超えるすべての処理に対して同じ割合で低下した。フリーなビフィドバクテリウムアドレセンティス(B. adolescentis)細胞についての3.45ログ単位(log units)での生存集団における減少は、人工胃分泌液(SGJ、pH2.0)に2〜3時間さらされたビフィドバクテリウム・アドレセンティスについての約3ログcfu ml(log
cfu ml)の減少を観察した他者による知見に類似している(Annan N. T., Borza A. D.
and Truelstrup Hansen L., “Encapsulation in alginate-coated gelatin
microspheres improves survival of the probiotic Bifidobacterium adolescentis 15703T during exposure to simulated
gastro-intestinal conditions”, Food Research international, (2008), 41(2),
184-193)。

口を介して下部消化管に至る行程の開始と、胃からの放出との間の時間は、約90分間であることが報告されている。それゆえ、カーターらは、アルギン酸塩でカプセル化された−カプセル化はサルタナプロトコル(上述したようにハイマイズデンプンを含む)の改変バージョンに従い行われた−12の異なるプロバイオティック株の生存率を酸性ストレス下で比較したときに、酸性化した媒体で30、60および90分間の処理時間が用いられた(Khater & Ahmed, “Effect of Encapsulation on some Probiotic Criteria”, Journal of American
Science, (2010), 6 (10), 810-819)。細胞のストレスは、1.5程度の低さのpH値を有する胃で始まる。しかしながら、ほとんどのインビトロアッセイでは、酸抵抗性をテストするためにpH3.0が用いられる。アルギン酸塩カプセル化細胞は、それゆえ、pH2およびpH3で非カプセル化細胞と比較された。すべての非カプセル化株は、pH2.0で強く影響を受けたが、一方、アルギン酸塩カプセル化細菌はpH2.0でわずかに長く生き残った。しかしながら、全体の生存率は、カプセル化細胞についても、pH3.0でより高くなるものの、酸性ストレスの影響が完全には防げないことを示している。

また、カーターらは、異なる濃度の胆汁酸塩にさらした後に、アルギン酸塩カプセル化株および非カプセル化株の生存率を比較し、これら細菌の生存性における人工胃分泌液(pH1.4のSGJ)の影響をテストした。暴露時間がpH3.0で24時間プラス0.3%濃縮オックスゴール(oxgall)溶液で12時間に増加されたとき、これらの条件下では、アルギン酸塩カプセル化が低pHに続いて胆汁酸塩での処理におけるプロバイオティック細菌の生存率を増加させる結果が判明した。1つの株では36時間処理後の生存率が17%から34%に増加し、他の株では37%から50%に増加した。この実験では非カプセル化細胞でさえ生存率が89%および92%の間であるものの、すべての細胞株に明らかに有害であるほどではない処理である人工胃分泌液の条件に3時間さらされた後では、カプセル化細胞および非カプセル化細胞の生存率は、わずか約2%異なるものである。

しかしながら、これに対して、ラクトバチルス・ブルガリカスKFRI673のフリーな細胞はpH2.0の人工胃液(SGF)で60分間生き残らなかったけれども、その細胞は人工腸液(SIF)で2時間生き残ったことが報告されており、ラクトバチルス・ブルガリカスKFRI673がpH感受性であり、酸性pH条件では生き残れないことを示唆している(イスラムの報告、上掲)。

さらに、ポルブカン(Porubcan)は、フリーな細胞の約99%の生存性が胃にさらされた後に失われることを報告している。彼の実験は、pH1.6の人工胃酸に90分間さらすことがテストしたすべての培養の生存性を劇的に低下させることを示している(米国特許第7,122,370号の実施例1)。

ポルブカンの米国特許第7,122,370号および第7,229,818号は、アルギン酸塩での酸誘導カプセル化について、低pH条件に抵抗性であることを開示している。用いられた剤型は、プロバイオティック細胞のアルギン酸ナトリウム塩またはアルギン酸カリウム塩との混合物であって、実質的に水フリーな混合物を含む。この混合物は、腸溶コーティング、例えば、セルロースやゼラチン製のカプセルでアルギン酸塩/細菌混合物エンコーティング(コート化)することにより、基本的に水フリーな環境で形成され、維持される。この「マクロ」カプセルは、細菌細胞およびアルギン酸塩の混合物が水分を含むようになることから保護することを意味している。このため、基本的に、固体セルロースカプセルは、カプセルが胃で溶解されるまで、2成分の混合物を保護する腸溶コーティングを提供し、胃における酸性環境下に接触するやいなや、アルギン酸およびプロバイオティック細菌製の酸抵抗性マイクロカプセルを形成する。マイクロカプセルの酸誘導形成のため、プロバイオティック細菌細胞は、カプセル化されている間は、胃における胃分泌液から保護されると思われる。ポルブカンは、アルギン酸塩および細胞の混合物をカプセル化し、容易に飲み込むことができる剤型を提供することが開示された賦形剤としてのセルロースが胃における胃酸に関しては保護的ではないことを主張している(http://www.survivalprobiotics.com/randy_commentary.html、2010年11月15日に最終閲覧):「プロバイオティック細菌をタンク中、ブロス培地で約18時間増殖させ、遠心分離により回収し凍結乾燥した。凍結乾燥粉末をセルロース等の食品グレードの賦形剤とともにカプセルに満たした。この過程での大きな問題は、保存性(凍結したときでさえ)に乏しく、胃での生存性に乏しい生成物が得られることである−すべてのCFU、まさしく99.99%が胃酸により死滅した。」

このシステムは、消費者に生きたプロバイオティクスを供給するための1つの解決法を提供するものではあるが、そのまま飲み込むことが必要であり噛んで開けないほどの大きなカプセルが生成されるため、食品成分としてすべての使用に適するものではない。

既に1995年には、ラクトバチルス属のためのマイクロカプセル化の種々の方法を開示し、抗生作用に関連した下痢を回避するためにゼラチンカプセル等の薬学的に受容可能なカプセルにマイクロカプセル化されたプロバイオティックラクトバチルス属を経口投与することを示唆する特許出願が提出されており、そこには、細菌保存性を延長し、腸を通過する間の劣化から細菌を保護するための手段としてマイクロカプセル化が記載されている(米国特許第5,633,012号)。記載されているのは、アルギン酸ナトリウム塩の単独、または、アルギン酸塩およびポリL−リジンを用いるマイクロカプセル化システムである。1システムでは、細菌がヒドロキシプロピルメチルセルロースと混合され、フリーな水浸透性および部分的に水浸透性のアクリルメタクリル酸エステル共重合体の混合物のアセトンイソプロパノール溶液に添加されることが記載されている。セルロース誘導体キャリアとしてのみの役割を果たし、カプセルの一部を構成するものではない。ここに記載された他の2つのマイクロカプセル化プロセスは、ポリビニルピロリドンまたはポリビニルポビドン(polyvinylpovidone)の使用を含む。

シモンズ(Simmons)による放棄された米国特許出願2005/0266069A1は、安定なプロバイオティックマイクロスフェア成分を調製するための異なる方法に関する技術状勢における他の包括的な情報源である。ここには、どちらかといえば複合体であるプロバイオティックマイクロスフェアが開示されており、プロバイオティック細菌のコア、セルロース系賦形剤崩壊剤および添加剤、同様に、胃液抵抗性の腸溶コーティングを含む。胃液に対して抵抗性を有することが可能な腸溶コーティングは、アクリル酸および/またはメタクリル酸および/またはこれらのエステルセルロースアセテートフタレートポリビニルアセテートフタレートおよびシェラックポリマまたはコポリマで構成される。

そのようなカプセルを製造する方法に関しては、通常、2つの異なるアプローチがある。シモンズは、ポリマ溶液押し出し成型、続いて球体化(spheronization)を含む技術を開示しており、顆粒化(押し出し成型可能なペーストを形成するため)として公知の不連続ステージ、押し出し成型、球体化および乾燥を連続して含み、続いて、得られたマイクロスフェアをコーティングする他のステップを含む。

このような複合体製造法は、本発明によるセルロース硫酸塩マイクロカプセル化プロバイオティクスの生成に用いられる、より単純な技術と対照をなしている。後者は、細胞をセルロース硫酸塩溶液に分散させ、その混合物を、例えば、液滴の形態で、沈殿槽にも関連する固化溶液に導入する2つのステップを単純に含んでいる。基本的に予備形成され、帯電しそれゆえに互いに固着しない球状の液滴が固化溶液に滴下される。

セルロース硫酸塩マイクロカプセル
異なる分野、すなわち、生医学ヘルスケアの応用の領域では、生細胞が患者の体内にそれらを注入すること(つまり、それらの移植)を目的としてカプセル化されており、マイクロカプセルの膜を通過する治療上の生体分子、基質や酵素を輸送することが期待されるものであり、そのマイクロカプセルが生体の免疫系により攻撃されることからそれらを保護し局所化させる。

上述したアルギン酸塩の使用に対する代替技術、すなわち、反対に帯電したポリイオンによる高分子電解質複合体(PEC)マイクロカプセルを形成することは、単純で効果的な方法である。一般に用いられる高分子電解質カプセルシステムは、セルロース硫酸ナトリウム塩(ここでは、NaCSと記す。)/ポリ[ジアリルジメチルアンモニウムクロライド](ここでは、pDADMACと記す。)、キトサン/アルギン酸塩、キトサン/キサンタン、等である。pDADMACは、4級化アンモニウム塩ホモポリマである。pDADMACのCAS名称は、2−プロペン−1−アミニウム,N,N−ジメチル−N−プロペニル−,クロライドのホモポリマである。異なる分子量のものを購入することができる。

ポリアニオンであるNaCSの溶液をポリカチオンであるpDADMACの溶液に滴下することにより形成されるNaCS/pDADMACカプセル化システムは、系統的に研究されており、その単純さ、それによりプロセスのコストを低減し潜在的な汚染源を除去することで魅力的である。カプセルが比較的に小さなpDADMAC分子で形成されていれば、栄養素や老廃物のような分子は、セルロース硫酸塩マイクロカプセルの多孔を容易に通過することができる。材料が生体適合性であり、このシステムでカプセル化されたいくつかの細胞タイプについて、長期間の生存が証明されている。生医学的目的のために特徴付けられ最適化され、その後、マイクロカプセルは、例えば、癌治療の分野においてうまく応用されており、カプセル化生細胞が患者の体内でカプセルの多孔を通じて放出される抗体等の治療上の化合物を産生する(ガンツバーグら(Gunzburg et al.)の米国特許第6,540,995号およびピエザックら(Piechaczyk et al.)の米国特許第6,426,088号)。

社内で行われた最初の実験は、酸性プロトンH3O+がセルロース硫酸塩カプセル壁を容易に通過することを示した。炭酸カルシウム(CaCO3)粒子がセルロース硫酸ナトリウム塩および小サイズのpDADMACでカプセル化されると、酸性水溶液が添加されたときに完全に溶解した。溶解は、時間に依存して生じている。図2には、炭酸カルシウム結晶包埋するカプセルがpH6以下で時間に依存してゆっくり溶解する写真を示している。また、pH7.5からpH3にpHを低下させたときは、生成した二酸化炭素(CO2)がカプセル内で気泡を形成している。

従って、NaCS/pDADMACカプセルが微生物細胞を酸性環境の影響から保護することは驚くべきことである。

このNaCS/pDADMACシステムを用いることのアイディアは、微生物細胞を胃における胃分泌液を通じる劣化から保護するためのカプセル化技術に基づいており、また、腸を通過することがここでテストされている間、驚くべきことに、セルロース硫酸塩およびpDADMACで形成されたマクロポーラスなカプセル内の微生物細胞(図3)は、カプセルのポアサイズがむしろ大きく(マクロ分子の放出を許容することが米国特許第6,540,995号および第6,426,088に示されている)、賦形剤としてのセルロースが細胞を胃における胃分泌液を通じる劣化から保護しないという技術的な教示にもかかわらず、非カプセル化細胞(図4)よりはるかに長い時間酸処理を生き残った。さらに、細胞は、生きており、代謝的に活性であった。そして、ほとんどの細胞は、十二指腸分泌液等の腸液で処理される間、カプセル化されたままであり、このため、細胞は、例えば、マイクロカプセル内で腸を含む消化管を通過することが可能であり、それにより、それらが産生する酵素をカプセルの多孔を通じて周囲の環境に放出することが可能である。マイクロカプセル化の条件に依存して、腸におけるマイクロカプセル化微生物細胞の放出は、マイクロカプセルからの微生物細胞の放出を向上させるために調整されてもよい。

概要

単純セルロース硫酸塩ベースのマイクロカプセル化技術は、消化酵素を産生し放出する細菌や他の微生物細胞のカプセル化に適用され、これによりこれら微生物細胞用の酸抵抗性シェルタを提供する。驚くべきことに、得られたスフェアは、カプセル化細胞に酸性水溶液での処理からの十分な保護をもたらすことが見出された。これにより、プロバイオティクス等のセルロース硫酸塩マイクロカプセル化細胞は、現在、例えば、ヒトや動物による摂取後に胃を通過しても、マイクロカプセル内にないものと比べて高い生存率で生き残ることが可能となる。胃の通過後、これらの細胞は、これらにより産生された産生物、例えば、酵素や他の栄養素を輸送する。それゆえ、この技術は、消化酵素や他の有益酵素および/または生きている微生物細胞を下部消化管に供給することに非常に有用であることを立証し、下部消化管でそれらが宿主に有益な健康状態をもたらすものである。

目的

本発明は、消化酵素を産生し放出する細菌や他の微生物細胞をカプセル化することに適用される(単純)セルロース硫酸塩ベースのマイクロカプセル化技術に関し、これによりこれら微生物細胞用の酸抵抗性シェルタを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

カプセル化微生物細胞において、前記微生物細胞は多孔性カプセル壁を有するマイクロカプセルにカプセル化されており、前記多孔性カプセル壁はセルロース硫酸ナトリウム塩およびポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド)から形成された複合体を含んでおり、前記マイクロカプセルは酸性水溶液により劣化されることから微生物細胞を保護することを特徴とするカプセル化微生物細胞。

請求項2

前記細胞消化酵素を産生し排出し、前記多孔性カプセル壁は前記消化酵素に対して透過性であることを特徴とする請求項1に記載のカプセル化微生物細胞。

請求項3

前記酸性水溶液は、人工胃分泌液分泌液または胃酸であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。

請求項4

前記マイクロカプセルは、腸液または十二指腸液での処理に伴い前記微生物細胞により産生された酵素を放出することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のカプセル化微生物細胞。

請求項5

前記腸液は人工腸液(SIF)であり、前記十二指腸液は人工十二指腸液(SDF)であることを特徴とする請求項4に記載のカプセル化微生物細胞。

請求項6

前記カプセル化微生物細胞の大多数は、pH範囲が1.0および3.0の間、好ましくは1.5および2.5の間、最も好ましくは2.0である請求項3に記載の酸性水溶液で、少なくとも1.5時間、好ましくは少なくとも2.5時間、より好ましくは少なくとも4時間の処理を生き残ることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のカプセル化微生物細胞。

請求項7

前記微生物細胞の大多数は、動物の胃の通過を生き残ることを特徴とする請求項6に記載のカプセル化微生物細胞。

請求項8

前記大多数は、前記細胞の少なくとも51%で定義されることを特徴とする請求項7に記載のカプセル化微生物細胞。

請求項9

前記大多数は、前記細胞の60%から90%までで定義されることを特徴とする請求項7に記載のカプセル化微生物細胞。

請求項10

前記大多数は、前記細胞の60%から80%までで定義されることを特徴とする請求項7に記載のカプセル化微生物細胞。

請求項11

前記大多数は、前記細胞の60%で定義されることを特徴とする請求項7に記載のカプセル化微生物細胞。

請求項12

前記微生物細胞は、動物の腸管で少なくとも部分的に放出されることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載のカプセル化微生物細胞。

請求項13

前記動物は、哺乳類または鳥類であることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか1項に記載のカプセル化微生物細胞。

請求項14

前記鳥類は、七面鳥ニワトリおよびガチョウを含むグループから選択されることを特徴とする請求項13に記載のカプセル化微生物細胞。

請求項15

前記哺乳類は、ブタ反芻動物ネコイヌおよびヒトを含むグループから選択されることを特徴とする請求項13に記載のカプセル化微生物細胞。

請求項16

前記マイクロカプセルは、0.01および5mmの間、好ましくは0.05および3mmの間、最も好ましくは0.1および1mmの間の直径を有することを特徴とする請求項1ないし請求項15のいずれか1項に記載のカプセル化微生物細胞。

請求項17

前記多孔性カプセル壁の表面孔は、50および200kDaの間、好ましくは60−150kDaの間、最も好ましくは60および100kDaの間の分子量カットオフを有することを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれか1項に記載のカプセル化微生物細胞。

請求項18

前記微生物細胞は、細菌細胞酵母細胞真菌細胞およびプロバイオティック細胞を含むグループから選択されることを特徴とする請求項1ないし請求項17のいずれか1項に記載のカプセル化微生物細胞。

請求項19

前記微生物細胞は、異なる微生物細胞の混合物であることを特徴とする請求項18に記載のカプセル化微生物細胞。

請求項20

前記酵母細胞は、サッカロマイセス属、デバロマイセス属、カンディダ属、ピキア属およびトルロプシス属を含むグループから選択されることを特徴とする請求項18または請求項19に記載のカプセル化酵母細胞。

請求項21

前記真菌細胞は、アスペルギルス属リゾプス属ムコール属およびペニシリウム属を含むグループから選択されることを特徴とする請求項18または請求項19に記載のカプセル化真菌細胞。

請求項22

請求項23

前記プロバイオティック細胞は、サッカロマイセスセレビシエバチルスコアギュランス、バチルス・リケニフォルミス、バチルス・サブチリスビフィドバクテリウムアンギュラタム、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ラクティス、ビフィドバクテリウム・ロンガムエンテロコッカスフェシウム、エンテロコッカス・フェカリスラクトバチルスアシドフィルス、ラクトバチルス・アミロボラス、ラクトバチルス・アリメンタウス、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・カゼイ亜種カゼイ、ラクトバチルス・カゼイ・シロタ、ラクトバチルス・クルヴァトゥス、ラクトバチルス・デルブルッキイ亜種ラクティス、ラクトバチルス・ファーメンタム、ラクトバチルス・ファルシナス、ラクトバチルス・ガセリ、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・ジョンソニイ、ラクトバチルス・ラクティ、ラクトバチルス・パラカゼイ、ラクトバチルス・ペントサセウス、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・ラムノサス(ラクトバチルスGG)、ラクトバチルス・サケ、ラクトバチルス・サリヴァリウス、ラクトコッカス・ラクティス、マイクロコッカス・ヴァリアンス、ペディオコッカスアシディラクティシ、ペディオコッカス・ペントサセウス、ペディオコッカス・アシディラクティシ、ペディオコッカス・ハロフィラス、ストレプトコッカス・フェカリス、ストレプトコッカス・サーモフィラススタフィロコッカスカルノサスおよびスタフィロコッカス・キシロサスを含むグループから選択されることを特徴とする請求項18または請求項19に記載のカプセル化プロバイオティック細胞。

請求項24

前記プロバイオティック細胞は、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・カゼエイ、ラクトバチルス・デルブルッキイ亜種ブルガリカス、ラクトバチルス・ジョンソニイ、ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティス、ラクトコッカス・ラクティス亜種クレモリス、ストレプトコッカス・サーモフィラス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・アンギュラタムおよびビフィドバクテリウム・ロンガムを含むグループから選択されることを特徴とする請求項23に記載のカプセル化プロバイオティック細胞。

請求項25

前記細胞は、ラクトバチルス・アシドフィルス細胞であることを特徴とする請求項24に記載のカプセル化プロバイオティック細胞。

請求項26

前記微生物細胞は、請求項20ないし請求項23に記載のグループから独立して選択されることを特徴とする請求項19に記載のカプセル化微生物細胞。

請求項27

カプセル化ラクトバチルス・アシドフィルス細胞またはカプセル化バチルス・サブチリス細胞において、前記カプセル化細胞は消化酵素を産生し排出し、前記細胞は多孔性カプセル壁を有するマイクロカプセルにカプセル化されており、前記多孔性カプセル壁はセルロース硫酸ナトリウム塩およびポリ(ジメチルジアリル−アンモニウムクロライド)から形成された複合体を含み、これにより、これらカプセル化細胞がpH値が2の酸性水溶液で2〜4時間の処理に対して抵抗性を示すことを特徴とするカプセル化ラクトバチルス・アシドフィルス細胞またはカプセル化バチルス・サブチリス細胞。

請求項28

前記消化酵素は、アルファアミラーゼグルコアミラーゼアルファガラクトシダーゼプロテアーゼブロメラインプロテアーゼ、スブチリシンセルラーゼペクチナーゼおよびリパーゼを含むグループから選択されることを特徴とする請求項2ないし請求項27のいずれか1項に記載のカプセル化細胞。

請求項29

前記カプセル化細胞はバチルス・サブチリスであり、前記消化酵素はスブチリシンであることを特徴とする請求項28に記載のカプセル化細胞。

請求項30

請求項1ないし請求項29のいずれか1項に記載のカプセル化微生物細胞および選択的に適切なキャリアを含むことを特徴とする補助栄養食品

請求項31

請求項1ないし請求項29のいずれか1項に記載のカプセル化微生物細胞および適切なキャリアを含むことを特徴とする薬学的組成物

請求項32

マイクロカプセル化により酸性水溶液での処理で劣化されることから微生物細胞を保護するための方法であって、a)高分子電解質であるセルロース硫酸ナトリウム塩の水溶液に生きた微生物細胞を分散させ、b)反対に帯電した高分子電解質であるポリ(ジメチルジアリル−アンモニウムクロライド)の水溶液を含む沈殿槽に前記分散液を予備形成されたマイクロカプセルの形態で導入し、c)1〜10分後、好ましくは3〜5分後、より好ましくは4分後に前記槽内で反応を停止させ、d)前記槽からカプセル化細胞を回収する、ステップを含むことを特徴とする方法。

請求項33

請求項2ないし請求項29のいずれか1項に記載の消化酵素を産生し排出するカプセル化微生物細胞をセルロース硫酸ナトリウム塩およびポリ(ジメチルジアリル−アンモニウムクロライド)で製造する方法において、酸性水溶液での処理に対して抵抗性を示す微生物細胞を含むマイクロカプセルの結果となり、前記マイクロカプセルが前記産生された酵素が通過することを許容する多孔性壁を有するカプセル化微生物細胞を製造する方法であって、i)微生物細胞の培養をセルロース硫酸ナトリウム塩溶液、好ましくは、1.8%のセルロース硫酸ナトリウム塩および0.9%の塩化ナトリウムを含む溶液で分散させ、ii)沈殿槽、好ましくは、1.3%のポリ(ジメチルジアリル−アンモニウムクロライド)を含む沈殿槽に前記分散液を予備形成されたマイクロカプセルの形態で導入し、iii)前記槽から微生物細胞を含むマイクロカプセルを、好ましくは、それらを洗浄した後、回収する、ステップを含むことを特徴とする方法。

請求項34

下痢抗生物質に起因する下痢、関節炎肥満症過敏性腸症候群胸やけ慢性疲労症候群および腸内でのアンバランス細菌集団から受ける他の状態を治療し予防するための請求項1ないし請求項29のいずれか1項に記載のカプセル化微生物細胞または請求項31に記載の薬学的組成物の使用。

請求項35

動物の腸内に生きた微生物細胞を導入するための方法であって、請求項1ないし請求項29のいずれか1項に記載のカプセル化細胞を投与することを含むことを特徴とする方法。

請求項36

下痢、抗生物質に起因する下痢、関節炎、肥満症、過敏性腸症候群、胸やけ、慢性疲労症候群および腸内でのアンバランスな細菌集団から受ける他の状態を治療し予防するための方法であって、前記下痢、抗生物質に起因する下痢および腸内でのアンバランスな細菌集団から受ける他の状態を受けている動物または受けることが予想される動物に、請求項1ないし請求項29のいずれか1項に記載のカプセル化微生物細胞または請求項31に記載の薬学的組成物を投与することにより治療し予防するための方法。

技術分野

0001

本発明は、消化酵素を産生し放出する細菌や他の微生物細胞カプセル化することに適用される(単純)セルロース硫酸塩ベースマイクロカプセル化技術に関し、これによりこれら微生物細胞用の酸抵抗性シェルタを提供する。驚くべきことに、得られたスフェア(spheres)は、カプセル化細胞酸性水溶液での処理からの十分な保護をもたらすことが見出された。これにより、プロバイオティクス(probiotics)等のセルロース硫酸塩マイクロカプセル化細胞は、現在では、マイクロカプセル内にないものと比べて高い生存率で、例えば、ヒトや動物による摂取後の通過を生き残ることが可能である。胃を通過した後、これらの細胞は、これらにより産生された産生物、例えば、酵素や他の栄養素輸送する。それゆえ、この技術は、消化酵素や他の有益酵素および/または生きている微生物細胞を下部消化管に供給することに非常に有用であることを立証し、下部消化管でそれらが宿主に有益な健康状態をもたらすものである。開示されたものは、如何にして細胞をその材料でマイクロカプセル化するか、如何なる条件下でカプセル化細胞が胃の通過を生き残るか、および、如何にして微生物細胞やその微生物細胞により産生された酵素が、有益な健康状態をもたらすことを細胞および/またはマイクロカプセル内で産生された酵素に許容するマイクロカプセルから外に出ることができるか、である。この技術は、食品、特に、プロバイオティック(probiotic)食品の改善、または、ヒトや動物の健康状態を改善するための食品添加物の輸送に重要な役割を果たし、これらの細胞は、酸性環境に最初にさらされた後でも、産生した産生物、例えば、酵素および/または他の栄養素を周囲の環境に放出することが可能である。

背景技術

0002

消化酵素
消化酵素は、(食品に含まれるような)重合した高分子を、生体による吸収を促進するために、それらのより小さな構成ブロック(養分や老廃物等)に分解する酵素である。消化酵素は、動物、本発明の文脈では哺乳類が好ましいものの、とりわけ反芻動物および他の家畜魚類エビ等の水生養殖動物、ペットコンパニオンアニマル鳥類および/またはヒトのいずれかの消化管に見出され、食品の消化、同様に、細胞内で、とりわけ細胞の生存を維持するために機能するリソソーム支援する。消化酵素は様々であり、唾液腺により分泌される唾液胃部を覆う細胞により分泌される胃分泌液膵臓外分泌細胞により分泌される分泌液、腸(小腸および大腸)分泌液に見出され、消化管を覆うものの部分として見出される。消化酵素は、そのターゲットとなる基質に基づいて分類されるものであり:プロテアーゼペプチダーゼタンパク質をそのモノマであるアミノ酸に分解し;リパーゼ脂肪を3つの脂肪酸およびグリセリン分子に分割し;カルボヒドラーゼデンプン等の炭水化物を糖に分解し;ヌクレアーゼ核酸ヌクレオチドに分割する。

0003

ヒト消化系において、消化の主要サイトは、口腔、胃および小腸である。消化酵素は、異なる外分泌腺により分泌されており:唾液腺、胃の分泌細胞、膵臓の分泌細胞、小腸の分泌腺を含む。膵臓は、小腸で作用するリパーゼ、アミラーゼおよびプロテアーゼ等の消化酵素を産生する。公知のプロテアーゼは、トリプシンクロモトリプシン(chromotrypsin)およびカルボキシペプチダーゼである。

0004

身体が適切に食品を消化し栄養素を吸収するために十分な酵素を有していれば、食品および栄養補給剤最大限の利益が単にもたらされる。いくつかの消化酵素は、日常的に食べられることがなく、ほとんどの動物が摂取する日常の食物の一部ではない生の食品のみに見出される。動物の身体で産生される消化酵素は、動物の年齢とともに十分ではなくなり;動物が年をとるほど、身体でのそれらの産生が減少する。消化酵素の欠乏は、関節炎肥満症過敏性腸症候群胸やけ慢性疲労症候群、その他を含む多様な疾病の一因となる。プロテアーゼの欠乏は、アレルギや毒素生成を招く不完全な消化の原因となり得る。

0005

消化酵素のレベルを増加させるためにサプリメントを摂取することは、エネルギ細胞増殖および創傷治癒のために食品栄養素にアクセスし使用するための身体能力を改善することが一般的に信じられている。個体での消化を改善することにより、サプリメントは、ガスや胸やけを減少させ、規則性を改善する。推定15%のアメリカ人は、痛み、膨潤硬直発赤等の炎症に対する形容詞で通常特徴付けられる関節炎で苦しんでいる。しかしながら、関節炎は、単一の障害ではなく、遺伝病感染症、身体的障害、アレルギ、ストレスおよび不完全消化等の可能性のある多くの原因から関節疾患名称である。トランスフォーメーションエンザイムコーポレーション(Transformation Enzyme Corporation)での臨床研究は、関節炎が炎症および消化に関連するため、関節炎で苦しむほとんどの患者がプロテアーゼや消化酵素サプリメントでの治療に良好な反応を示すことを明らかにした。いくつかの研究は、プロテアーゼ酵素が関節炎の痛み救済用の医薬であるメトトレキセート(Methotrexate)やインドメタシン(Indomethacin)と同様に効果的であり、ネガティブ副作用を伴わないことを示している。消化系や免疫系のサポートを増加させることにより、炎症が低減する。

0006

消化酵素の欠乏に関連する健康問題に対する解決法は、消化酵素サプリメントを経口的に摂取することである。ほとんどの消化酵素は、単純に飲み込むことができるカプセルで手に入る。カプセルは、ゼラチンゲルカプセルと称される)または植物性セルロースブレンド(ベジィカプセルと称される)のいずれかで形成されている。ほとんどのサプリメント供給社では、過去10年以上かけて、すべてのカプセル化サプリメントをベジィカプセルに移行している。ほとんどの酵素カプセルは、開かれると粉末が出てくる。

0007

消化酵素の増加量を単純に飲み込むことは、胃を通過するときに胃酸にさらされることで酵素に有害効果をもたらすため、理想的な解決法ではない。食品サプリメントとして酵素を提供することにおけるさらなる問題は、そのような酵素の風味であり、それらのいくつかは口内で「灼熱感(burning sensation)」を引き起こすことがあり、また、それらの水分に対する感受性である。非カプセル化酵素では、通常の空気中の水分にさらされるとその効力を失うことが報告されており、それゆえ、それらを飲料として摂取することや、多食物の成分として摂取することは、摂取の直前に添加されたとしても難しいことである。

0008

灼熱感は、プロテアーゼが皮膚表面での死んだ層(the dead
layer)や細胞の幾分かを破壊し始めるときに引き起こされる。これらの酵素は、ダメージを受けた細胞、感染した細胞、または、死んだ細胞を取り除く。プロテアーゼが皮膚表面に長期間残り続けると、死んだ細胞を取り除き下部の健康な皮膚をさらすこととなる。これが炎症をもたらすこととなる。しばしば、酵素が飲料で摂取されると、上口唇に接触し、プロテアーゼが残り、発疹を引き起こす。

0009

そして、胃酸に対して感受性を有する消化酵素もある。膵臓由来の酵素は、広範囲のpHや温度で安定ではなく、胃酸により分解される。このため、それらは、胃を通過する間、保護されることが必要である。

0010

プロバイオティクス
ヒトおよび動物の両方の健康産業において最も早く成長するセグメントの1つは、プロバイオティック細胞(プロバイオティクス)の使用である。FAO/WHOにより現在承認されている定義では、プロバイオティクスは:「適切な量で投与したときに、宿主に健康上の有益さをもたらす生きた微生物」である。乳酸菌(LAB、Lb.)およびビフィズス菌は、プロバイオティクスとして使用される微生物の最も一般的なタイプであり、特定の酵母桿菌も有用である。

0011

プロバイオティック微生物細胞は、pH、水分、温度、空気および光等の種々の環境条件に対して感受性である。これらの条件が適切にコントロールされていないと、生成物の生存率(しばしば、コロニー形成単位(cfu)で、または、代謝活性率(mar)として測定される)、および、それゆえそ効能が実質的に低減する。

0012

日常の食物において有益で、潜在的な治療的化合物として使用されるためには、プロバイオティック微生物細胞は、a)製造する過程の間、b)生成物での保存の間、c)消化管、特に胃を通過する間で保護されている必要がある。ヨーグルト等の乳製品生成物では、延長された時間、若干酸性の条件を生き残る必要がある。生成物におけるプロバイオティックの生存性は、pH、発酵生成物におけるポスト酸性化(保存の間)、過酸化水素生成、酸素毒性パッケージを通過する酸素透過)、保存温度、乾燥や凍結形態での安定性ミルク中での不十分な成長、乳タンパク質をより単純な窒素性物質に分解するプロテアーゼの欠乏、および、発酵の間の伝統的なスタータカルチャとの適合性を含む因子の範囲により影響される。これらすべてのストレスは、これらの細胞の顕著な割合での死の結果となる。それゆえ、国際酪農連盟(International Dairy Federation)(IDF)は、認められた健康上の有益さを達成するために、生成物のグラムあたりで最少107のプロバイオティック微生物細胞が摂取のときに生きているべきであることを示唆している。しかしながら、この数は、細胞死の主要原因、すなわち、胃における生細胞の酸性劣化がそのような酸性環境に対して細胞を保護し、それにより胃における細胞の生存率が増加することにより回避されれば、顕著に低下する。いくつかのプロバイオティック微生物細胞は、同様に、胃を通過し腸に至るときに、消化酵素を産生することも可能である。

0013

マイクロカプセル化
例えば、発酵乳生成物での保存の間または胃酸にさらされる間のプロバイオティック微生物細胞の不十分な生存性の問題に対する1つの解決法は、マイクロカプセル化である。

0014

カプセル化は、カプセル化材料コアとしてカプセル壁内に全体的に含有される内部マトリックスの周囲に連続的なコーティングを形成するプロセスである。マトリックス内またはマトリックス全体に材料をトラップすることに関連する「固定化(immobilization)」とは区別されるものである。カプセル化に対して、これは、不確定粒子サイズとなるランダムプロセスであり、固定化要素の一部が表面にさらされる。マイクロカプセル化は、コア材料を環境から分離するための助けとなり、それにより安定性を向上させ、コアの保存寿命(shelf
life)を延長する。マイクロカプセル化材によりコア物質の周囲に形成された構造は、壁として知られている。壁システム性質は、低分子を膜の内部へ通過し外部へ通過することを許容しながら、コアを保護し、特定の条件下でそれを潜在的に放出するために設計される。カプセルは、サイズをサブミクロンから数ミリメートルの範囲としてもよく、異なる形状とすることができる。

0015

アルギン酸塩、デンプン、キサンタンガムグアガムローカストビーンガムおよびカラギーナンガム、同様にホエイタンパク質等のいくつかの食品グレード生体高分子は、サクセスを変えることで、酸感受性微生物細胞を保護するためのマイクロカプセル化材料としてテストされた。イスラムらの最近の報告を参照されたい(Islam et al. “Microencapsulation
of Live Probiotic Bacteria” J. Microbiol. Biotechnol. (2010), 20(10),
1367-1377)。今まで、微生物細胞の内部で産生される消化酵素にカプセル壁を通じて放出させることを許容するマイクロカプセル化技術の使用を報告した者はいない。

0016

アルギン酸塩
アルギン酸は、D−マンヌロン酸残基およびL−グルロン酸残基が1−4グリコシド結合により直鎖状に結合し形成されたアニオン性天然多糖類である。アルギン酸塩は、海藻から回収される天然産物で、無毒性と考えられており、単純な調製、低価格および良好な生体適合性(材料がほとんどのタイプのカプセル化細胞の生存性に影響を及ぼさない)のために、アルギン酸塩カプセルが広く用いられる技術である。Ca2+アルギン酸塩から形成されたアルギン酸塩ゲルは、低pHで安定である。それらは、弱塩基溶液で膨潤する。けれども、pHがD−マンヌロン酸およびL−グルロン酸のpKa値より低下したときは、アルギン酸塩は、Ca2+の放出、および、水分損失によるより濃縮されたゲルの形成を伴い、アルギン酸に変換される。

0017

カイラ カイラサパシィによる論文は、そのときまでに用いられた異なるマイクロカプセル化技術の良好な概要を提供するものである(Kaila Kailasapathy “Microencapsulation of
Probiotic Bacteria: Technology and Potential Applictions”, Curr. Issues Intest.
Microbiol. (2002), 3, 39-48)。

0018

乳酸桿菌属は、カルシウムアルギン酸塩に封入されたときに、封入されないときと比べて、約40%を超える乳酸桿菌属がアイスミルクの凍結でも生き残ることが報告されている。ツイン80(Tween 80)(乳化剤)およびラウリル硫酸ナトリウム界面活性剤)を含む植物オイルでのアルギン酸塩またはカラギーナン水溶液は、プロバイオティック細菌細胞のカプセル化に用いられた。細菌細胞は、アルギン酸塩の溶液に混合され、カプセル化を達成するためにオイル滴下された。乳化剤および界面活性剤は、カプセル形成を促進するために添加された。

0019

これらのマイクロカプセル化のいくつかの実験室的手順は、油中水型(water-in-oil)エマルジョン技術を含む。しかしながら、この技術は、第一に、カプセル化材料に残存するオイルが手触り感覚刺激特性に有害であり、低脂肪日常食品生産物の開発に適していないため、すべての食品生産物の応用に適していない。第二に、カプセル化材料に残存するオイル、乳化剤や界面活性剤は、生きている微生物細胞に毒性を有しており、過敏食品成分相互作用することもある。

0020

また、改変されたアルギン酸塩−デンプンカプセル化法も開示されており、プレバイオティックハイマイズ(Hi-maize)デンプンがプロバイオティック細胞のカルシウム−アルギン酸塩マイクロカプセル化の間に組み込まれる。このデンプンの存在下でカプセル化された細胞は、このデンプンを用いることなくカプセル化されたものと比べて、長期の保存寿命を有する。プレバイオティクス(prebiotics)は、身体の健康に有益な消化系における微生物細胞の増殖および/または活性刺激する非消化性の食品添加物である。典型的には、プレバイオティクスは、炭水化物(オリゴ糖、等)であるが、定義的には非炭水化物を含んでもよく、それらは宿主生物(哺乳類やヒト、等)により消化されるものではないが、それらを消化することができる微生物に有益さをもたらす。しかしながら、カプセル化微生物細胞は、インビトロ(in
vitro)テスト中の低pHや高胆汁酸塩の条件にさらしても顕著に増加した生存率を示さなかった。それらは、pH2、3または4に37℃で3時間の条件にさらされ、試料が1時間ごとに採取された。その結果、ラクトバチルスアシドフィルスビフィドバクテリウム属より感受性が高く、カプセル化は酸性水溶液による劣化に対して微生物細胞を保護しなかった(Sultana et al. “Encapsulation of probiotic microbial cells
with alginate-starch and evaluation of survival in simulated gastrointestinal
conditions and in yoghurt”, International Journal of Food Microbiology, (2000),
62(1-2), 47-55)。

0021

しかしながら、プロバイオティクスは、食品の製造および保存条件を生き残ることができなければならないばかりか、最終的には腸に入ることに適していなければならない。それゆえ、それらは、腸内でその有益な効果を発揮する前に、胃酸、胆汁酸塩、酵素、毒性代謝物バクテリオファージ抗生物質および嫌気性条件に対しても生き残らなければならない。

0022

従来生成された40−80μmの直径を有するアルギン酸塩カプセルは、pH2.0の人工胃分泌液にさらされたときに、より大きなアルギン酸塩マイクロスフェア(1−3mm)がカプセル化細胞をより大幅に保護したのに対し、ビフィズス菌の保護をほんのわずかに与えることが報告されている(Truelstrup-Hansen L, Allan-wojtas PM, Jin YL, Paulson AT, “Survival
of free and calcium-alginate microencapsulated Bifidobacterium spp. in simulated gastro-intestinal
conditions.”, Food Microbiol. (2002), 19: 35-45.)。

0023

2009年に、ナッツァーロらは、アルギン酸塩−イヌリン−キサンタンガムにラクトバチルス・アシドフィルス(L.
acidophilus)細菌をカプセル化し、発酵および保存後の細胞生存性が顕著に向上し(それぞれ、フリーな細胞についての4×1010および2×108に対して、6×1012および4×1010)、同様に、人工胃酸での生存率が改善されることを報告した(Nazzaro, F. et al., “Fermentative ability of
alginate-prebiotic encapsulated Lactobacillus
acidophilus and survival under simulated gastrointestinal conditions”,
Journal of Functional Foods(2009), 1(3), 319-323)。

0024

また近年では、無細胞毒性ゲニピン架橋され、外部供給源や内部供給源からのカルシウムイオン(Ca2+)による架橋アルギン酸塩でコートされたゼラチンマイクロスフェアに基づく新規なマイクロカプセル化法が開示されている。アルギン酸塩コートゼラチンマイクロスフェアでのカプセル化は、不利な環境条件にさらされてもプロバイオティックなビフィドバクテリウム属の生存性を顕著に改善した(P<0.05)。pH2.0の人工胃分泌液に5分間さらした後の細胞生存性は、未コートのゼラチンマイクロスフェアおよびフリーな細胞のそれぞれについて、初期集団のほんの2%および1%であった。しかしながら、細菌が外部および内部それぞれのカルシウムイオン(Ca2+)供給源により生成されたアルギン酸塩コートマイクロスフェア内のときは、初期集団の54%および20%が生き残った。初期減少(5分間)後でも、ビフィズス菌集団は、2時間のインキュベーション時間を超えるすべての処理に対して同じ割合で低下した。フリーなビフィドバクテリウムアドレセンティス(B. adolescentis)細胞についての3.45ログ単位(log units)での生存集団における減少は、人工胃分泌液(SGJ、pH2.0)に2〜3時間さらされたビフィドバクテリウム・アドレセンティスについての約3ログcfu ml(log
cfu ml)の減少を観察した他者による知見に類似している(Annan N. T., Borza A. D.
and Truelstrup Hansen L., “Encapsulation in alginate-coated gelatin
microspheres improves survival of the probiotic Bifidobacterium adolescentis 15703T during exposure to simulated
gastro-intestinal conditions”, Food Research international, (2008), 41(2),
184-193)。

0025

口を介して下部消化管に至る行程の開始と、胃からの放出との間の時間は、約90分間であることが報告されている。それゆえ、カーターらは、アルギン酸塩でカプセル化された−カプセル化はサルタナプロトコル(上述したようにハイマイズデンプンを含む)の改変バージョンに従い行われた−12の異なるプロバイオティック株の生存率を酸性ストレス下で比較したときに、酸性化した媒体で30、60および90分間の処理時間が用いられた(Khater & Ahmed, “Effect of Encapsulation on some Probiotic Criteria”, Journal of American
Science, (2010), 6 (10), 810-819)。細胞のストレスは、1.5程度の低さのpH値を有する胃で始まる。しかしながら、ほとんどのインビトロアッセイでは、酸抵抗性をテストするためにpH3.0が用いられる。アルギン酸塩カプセル化細胞は、それゆえ、pH2およびpH3で非カプセル化細胞と比較された。すべての非カプセル化株は、pH2.0で強く影響を受けたが、一方、アルギン酸塩カプセル化細菌はpH2.0でわずかに長く生き残った。しかしながら、全体の生存率は、カプセル化細胞についても、pH3.0でより高くなるものの、酸性ストレスの影響が完全には防げないことを示している。

0026

また、カーターらは、異なる濃度の胆汁酸塩にさらした後に、アルギン酸塩カプセル化株および非カプセル化株の生存率を比較し、これら細菌の生存性における人工胃分泌液(pH1.4のSGJ)の影響をテストした。暴露時間がpH3.0で24時間プラス0.3%濃縮オックスゴール(oxgall)溶液で12時間に増加されたとき、これらの条件下では、アルギン酸塩カプセル化が低pHに続いて胆汁酸塩での処理におけるプロバイオティック細菌の生存率を増加させる結果が判明した。1つの株では36時間処理後の生存率が17%から34%に増加し、他の株では37%から50%に増加した。この実験では非カプセル化細胞でさえ生存率が89%および92%の間であるものの、すべての細胞株に明らかに有害であるほどではない処理である人工胃分泌液の条件に3時間さらされた後では、カプセル化細胞および非カプセル化細胞の生存率は、わずか約2%異なるものである。

0027

しかしながら、これに対して、ラクトバチルス・ブルガリカスKFRI673のフリーな細胞はpH2.0の人工胃液(SGF)で60分間生き残らなかったけれども、その細胞は人工腸液(SIF)で2時間生き残ったことが報告されており、ラクトバチルス・ブルガリカスKFRI673がpH感受性であり、酸性pH条件では生き残れないことを示唆している(イスラムの報告、上掲)。

0028

さらに、ポルブカン(Porubcan)は、フリーな細胞の約99%の生存性が胃にさらされた後に失われることを報告している。彼の実験は、pH1.6の人工胃酸に90分間さらすことがテストしたすべての培養の生存性を劇的に低下させることを示している(米国特許第7,122,370号の実施例1)。

0029

ポルブカンの米国特許第7,122,370号および第7,229,818号は、アルギン酸塩での酸誘導カプセル化について、低pH条件に抵抗性であることを開示している。用いられた剤型は、プロバイオティック細胞のアルギン酸ナトリウム塩またはアルギン酸カリウム塩との混合物であって、実質的に水フリーな混合物を含む。この混合物は、腸溶コーティング、例えば、セルロースやゼラチン製のカプセルでアルギン酸塩/細菌混合物エンコーティング(コート化)することにより、基本的に水フリーな環境で形成され、維持される。この「マクロ」カプセルは、細菌細胞およびアルギン酸塩の混合物が水分を含むようになることから保護することを意味している。このため、基本的に、固体セルロースカプセルは、カプセルが胃で溶解されるまで、2成分の混合物を保護する腸溶コーティングを提供し、胃における酸性環境下に接触するやいなや、アルギン酸およびプロバイオティック細菌製の酸抵抗性マイクロカプセルを形成する。マイクロカプセルの酸誘導形成のため、プロバイオティック細菌細胞は、カプセル化されている間は、胃における胃分泌液から保護されると思われる。ポルブカンは、アルギン酸塩および細胞の混合物をカプセル化し、容易に飲み込むことができる剤型を提供することが開示された賦形剤としてのセルロースが胃における胃酸に関しては保護的ではないことを主張している(http://www.survivalprobiotics.com/randy_commentary.html、2010年11月15日に最終閲覧):「プロバイオティック細菌をタンク中、ブロス培地で約18時間増殖させ、遠心分離により回収し凍結乾燥した。凍結乾燥粉末をセルロース等の食品グレードの賦形剤とともにカプセルに満たした。この過程での大きな問題は、保存性(凍結したときでさえ)に乏しく、胃での生存性に乏しい生成物が得られることである−すべてのCFU、まさしく99.99%が胃酸により死滅した。」

0030

このシステムは、消費者に生きたプロバイオティクスを供給するための1つの解決法を提供するものではあるが、そのまま飲み込むことが必要であり噛んで開けないほどの大きなカプセルが生成されるため、食品成分としてすべての使用に適するものではない。

0031

既に1995年には、ラクトバチルス属のためのマイクロカプセル化の種々の方法を開示し、抗生作用に関連した下痢を回避するためにゼラチンカプセル等の薬学的に受容可能なカプセルにマイクロカプセル化されたプロバイオティックラクトバチルス属を経口投与することを示唆する特許出願が提出されており、そこには、細菌保存性を延長し、腸を通過する間の劣化から細菌を保護するための手段としてマイクロカプセル化が記載されている(米国特許第5,633,012号)。記載されているのは、アルギン酸ナトリウム塩の単独、または、アルギン酸塩およびポリL−リジンを用いるマイクロカプセル化システムである。1システムでは、細菌がヒドロキシプロピルメチルセルロースと混合され、フリーな水浸透性および部分的に水浸透性のアクリルメタクリル酸エステル共重合体の混合物のアセトンイソプロパノール溶液に添加されることが記載されている。セルロース誘導体キャリアとしてのみの役割を果たし、カプセルの一部を構成するものではない。ここに記載された他の2つのマイクロカプセル化プロセスは、ポリビニルピロリドンまたはポリビニルポビドン(polyvinylpovidone)の使用を含む。

0032

シモンズ(Simmons)による放棄された米国特許出願2005/0266069A1は、安定なプロバイオティックマイクロスフェア成分を調製するための異なる方法に関する技術状勢における他の包括的な情報源である。ここには、どちらかといえば複合体であるプロバイオティックマイクロスフェアが開示されており、プロバイオティック細菌のコア、セルロース系賦形剤崩壊剤および添加剤、同様に、胃液抵抗性の腸溶コーティングを含む。胃液に対して抵抗性を有することが可能な腸溶コーティングは、アクリル酸および/またはメタクリル酸および/またはこれらのエステルセルロースアセテートフタレートポリビニルアセテートフタレートおよびシェラックポリマまたはコポリマで構成される。

0033

そのようなカプセルを製造する方法に関しては、通常、2つの異なるアプローチがある。シモンズは、ポリマ溶液押し出し成型、続いて球体化(spheronization)を含む技術を開示しており、顆粒化(押し出し成型可能なペーストを形成するため)として公知の不連続ステージ、押し出し成型、球体化および乾燥を連続して含み、続いて、得られたマイクロスフェアをコーティングする他のステップを含む。

0034

このような複合体製造法は、本発明によるセルロース硫酸塩マイクロカプセル化プロバイオティクスの生成に用いられる、より単純な技術と対照をなしている。後者は、細胞をセルロース硫酸塩溶液に分散させ、その混合物を、例えば、液滴の形態で、沈殿槽にも関連する固化溶液に導入する2つのステップを単純に含んでいる。基本的に予備形成され、帯電しそれゆえに互いに固着しない球状の液滴が固化溶液に滴下される。

0035

セルロース硫酸塩マイクロカプセル
異なる分野、すなわち、生医学ヘルスケアの応用の領域では、生細胞が患者の体内にそれらを注入すること(つまり、それらの移植)を目的としてカプセル化されており、マイクロカプセルの膜を通過する治療上の生体分子、基質や酵素を輸送することが期待されるものであり、そのマイクロカプセルが生体の免疫系により攻撃されることからそれらを保護し局所化させる。

0036

上述したアルギン酸塩の使用に対する代替技術、すなわち、反対に帯電したポリイオンによる高分子電解質複合体(PEC)マイクロカプセルを形成することは、単純で効果的な方法である。一般に用いられる高分子電解質カプセルシステムは、セルロース硫酸ナトリウム塩(ここでは、NaCSと記す。)/ポリ[ジアリルジメチルアンモニウムクロライド](ここでは、pDADMACと記す。)、キトサン/アルギン酸塩、キトサン/キサンタン、等である。pDADMACは、4級化アンモニウム塩ホモポリマである。pDADMACのCAS名称は、2−プロペン−1−アミニウム,N,N−ジメチル−N−プロペニル−,クロライドのホモポリマである。異なる分子量のものを購入することができる。

0037

ポリアニオンであるNaCSの溶液をポリカチオンであるpDADMACの溶液に滴下することにより形成されるNaCS/pDADMACカプセル化システムは、系統的に研究されており、その単純さ、それによりプロセスのコストを低減し潜在的な汚染源を除去することで魅力的である。カプセルが比較的に小さなpDADMAC分子で形成されていれば、栄養素や老廃物のような分子は、セルロース硫酸塩マイクロカプセルの多孔を容易に通過することができる。材料が生体適合性であり、このシステムでカプセル化されたいくつかの細胞タイプについて、長期間の生存が証明されている。生医学的目的のために特徴付けられ最適化され、その後、マイクロカプセルは、例えば、癌治療の分野においてうまく応用されており、カプセル化生細胞が患者の体内でカプセルの多孔を通じて放出される抗体等の治療上の化合物を産生する(ガンツバーグら(Gunzburg et al.)の米国特許第6,540,995号およびピエザックら(Piechaczyk et al.)の米国特許第6,426,088号)。

0038

社内で行われた最初の実験は、酸性プロトンH3O+がセルロース硫酸塩カプセル壁を容易に通過することを示した。炭酸カルシウム(CaCO3)粒子がセルロース硫酸ナトリウム塩および小サイズのpDADMACでカプセル化されると、酸性水溶液が添加されたときに完全に溶解した。溶解は、時間に依存して生じている。図2には、炭酸カルシウム結晶包埋するカプセルがpH6以下で時間に依存してゆっくり溶解する写真を示している。また、pH7.5からpH3にpHを低下させたときは、生成した二酸化炭素(CO2)がカプセル内で気泡を形成している。

0039

従って、NaCS/pDADMACカプセルが微生物細胞を酸性環境の影響から保護することは驚くべきことである。

0040

このNaCS/pDADMACシステムを用いることのアイディアは、微生物細胞を胃における胃分泌液を通じる劣化から保護するためのカプセル化技術に基づいており、また、腸を通過することがここでテストされている間、驚くべきことに、セルロース硫酸塩およびpDADMACで形成されたマクロポーラスなカプセル内の微生物細胞(図3)は、カプセルのポアサイズがむしろ大きく(マクロ分子の放出を許容することが米国特許第6,540,995号および第6,426,088に示されている)、賦形剤としてのセルロースが細胞を胃における胃分泌液を通じる劣化から保護しないという技術的な教示にもかかわらず、非カプセル化細胞(図4)よりはるかに長い時間酸処理を生き残った。さらに、細胞は、生きており、代謝的に活性であった。そして、ほとんどの細胞は、十二指腸分泌液等の腸液で処理される間、カプセル化されたままであり、このため、細胞は、例えば、マイクロカプセル内で腸を含む消化管を通過することが可能であり、それにより、それらが産生する酵素をカプセルの多孔を通じて周囲の環境に放出することが可能である。マイクロカプセル化の条件に依存して、腸におけるマイクロカプセル化微生物細胞の放出は、マイクロカプセルからの微生物細胞の放出を向上させるために調整されてもよい。

発明が解決しようとする課題

0041

本発明は、特有のマイクロカプセル化材料の使用に関し、また、細菌、および、真菌や酵母等の他の微生物、特に、特別な酵母、特別な真菌および特別な細菌で構成する異種グループであるプロバイオティック細胞の生きた微生物細胞を酸性水溶液での酸性劣化から保護し、それらが消化管を生きたまま通過することを可能とするための方法に関する。また、それによる健康状態の有益さを増大させるために、脊椎動物であり、好ましくは鳥類や哺乳類である動物の酸性胃分泌液を生き残った後に、カプセルの多孔を通じて周囲の環境に酵素を放出する微生物細胞のカプセル化に関する。明細書全体を通じて開示された本発明は、同様に、異なる他のサブグループの動物に適用され得ることが理解されるべきである。しかしながら、好適な動物は、鳥類、特に、ガチョウニワトリ七面鳥のように食品産物として役立つ鳥類、魚類、エビ類、または、げっ歯類イヌネコのような哺乳類、特に、反芻動物((cattle)、(goats)、山羊(sheep)、野牛(bison)、ムース(moose)(大鹿)、エルク(elk)(大鹿)、水牛(buffalo)、鹿(deer))やブタのように食品産物として役立つ哺乳類である。最も好適なのは、消化管のアンバランスを予防し治療するためのヒトである。消化酵素を産生する微生物細胞や特にプロバイオティクス等の微生物細胞を含むマクロポーラスなセルロース硫酸塩カプセルは、塩酸で酸性化された水溶液、特に胃酸や胃液での処理に対して、少なくとも1時間の延長された時間で抵抗性であり、また、人工腸液(SIF)や十二指腸分泌液等の腸液での処理に対して抵抗性である。微生物細胞をマイクロカプセル化するためのプロセスは、驚くべきことに単純である。ここに示された実験的データは、微生物細胞の硫酸ナトリウム塩(NaCS)およびポリ(ジアリル−ジメチル−アンモニウムクロライド)(pDADMAC)でのマイクロカプセル化が、カプセル化微生物細胞を酸性環境における劣化、同様に、むしろ腸分泌液の塩基性環境(pHが基本的におよそ8である)における劣化から十分に保護するマクロポーラスなマイクロカプセルの結果となることを明らかにしている。pH2.0の塩酸での処理に対して90分後でさえも、カプセル化微生物細胞の代謝活性は、非カプセル化細胞と比べてまだ高いレベルである。このことは、セルロース硫酸塩カプセル化細胞がそのカプセル壁のポアを通じて抗体と同じ程度の大きさの物質の通過を許容することを立証した報告に示されているように、比較的大きなポアサイズ(約80kDAまたはそれ以上)のために水素イオン(H3O+)がカプセル内に急速に拡散することが推測されるため、驚くべきことである。どういうわけか、マクロポーラスなカプセル表面の結果となるセルロース硫酸ナトリウム塩およびpDADMACでのカプセル化は、それでも、酸性溶液での劣化からの重要な保護をもたらす。十二指腸分泌液等の腸液で処理したときはマイクロカプセルは無傷のままである。しかしながら、ポアサイズは、微生物細胞により分泌された酵素をカプセル壁を通過させ、例えば、消化管に放出することを許容するために十分な大きさである。このことは、かなりの数の生きている代謝的に活性な細胞、例えば、プロバイオティック細胞に、胃を通じて腸への通過を可能とする。

0042

均質に(homogenously)硫酸化されたセルロースまたは不均質に(heterogeneously)硫酸化されたセルロースのいずれとしてもよいセルロース硫酸ナトリウム塩およびpDADMACの使用に基づく細胞マイクロカプセル化技術は、これまで、酸性劣化や保存の延長期間を通じた劣化またはそれらの両者から、カプセル化された細菌やプロバイオティクスを保護するために適用されていなかった。

課題を解決するための手段

0043

本発明の1実施形態は、この技術を食品産業における使用のために提供することである。カプセル化微生物細胞は、特に、家畜の体重増加を高めるために有効である。例えば、より効果的な酵素成分を産生する微生物株による固有微生物集団置換は、向上された食品利用をもたらす。このため、食品産業における上述した技術およびマイクロカプセルの使用は、本発明の他の実施形態である。

0044

化学的に定義された開始材料から始め、機械的な高強度および良好な生体適合性となるばかりではなく、酸性条件による影響を受けにくくし、腸を通過するときにカプセルから細胞および/または細胞産生物を放出することで周囲の環境における変化に応答することが可能なセルロースベースのPECカプセルで細胞を取り囲むことにより、食事療法の生産物や経口投与された食品添加物におけるプロバイオティクス等の大多数の細胞の低生存性の問題に対する解決が達成される。

図面の簡単な説明

0045

カプセル化に用いられる高分子電解質の化学構造を示し、(a)はセルロース硫酸ナトリウム塩(NaCS)の化学構造、(b)はポリ(ジアリル−ジメチル−アンモニウムクロライド)(pDADMAC)の化学構造をそれぞれ示す。
本発明に従い、炭酸カルシウムを含む異なるpH値で、セルロース硫酸塩およびpDADMACで形成されたカプセルを示す一連の写真である。最初のカプセルは、pH7.5で炭酸カルシウムの結晶を含む。最後の写真は、pH3でのカプセルを示し、炭酸カルシウムの結晶が溶解し、二酸化炭素の気泡がカプセル内に視認できる。このことは、酸(H3O+)が自由にカプセルに入り込み、炭酸カルシウムの結晶を溶解させることを明らかにするものである。このため、NaCS/pDADMACカプセルが酸性環境の影響から微生物細胞を保護することのできることは非常に驚くべきことである。
NaCS/pDADMACカプセル化ラクトバチルス・アシドフィルス細胞の光学顕微鏡写真である。
ラクトバチルス・アシドフィルスのフリーな状態(四角)と、NaCS/pDADMACカプセル化された状態(菱形)との酸性条件(塩酸、pH2)における4時間までの生存性を示す。生存率は、アラマルブルー(Alamar Blue(登録商標))アッセイにより決定され、相対蛍光単位(RFU)で測定した。

0046

本発明の主題は、微生物細胞、特に、カプセル化していないときに酸性水溶液での処理に敏感な細菌細胞のカプセル化であり、多孔質カプセル壁を有するカプセルを含んでおり、多孔質カプセル壁がセルロース硫酸塩およびポリ(ジメチルジアリル−アンモニウムクロライド)から形成された複合体を有し、酸性水溶液での処理に対して抵抗性であるものとして特徴付けられる。ここで用いられる細胞マイクロカプセル化技術は、均質に硫酸化されたセルロースまたは不均質に硫酸化されたセルロースのいずれとしてもよいセルロース硫酸ナトリウム塩の使用に基づいている。本発明の方法で用いられるpDADMACは、ダウツェンベルクら(1999b)により開示されたようにどちらかといえば低分子量のものである(Dautzenberg H, Schuldt U, Grasnick G, Karle P, Muller P, Lohr M,
Pelegrin M, Piechaczyk M, Rombs KV, Gunzburg WH, Salmons B, Saller RM., “Development of cellulose sulfate-based polyelectrolyte complex
microcapsules for medical applications.”, Ann. N. Y. Acad. Sci. (1999), 875, 46-63)。ここには、カプセル壁の最適な機械的強度が約20kDaのpDADMACで達成され得ることが開示されている。その方法で作製されたカプセルは、少なくとも80kDaであり150kDaまでのサイズにより、タンパク質やモノクローナル抗体の通過を許容するために十分な大きさのポアを有するものであるとして特徴付けられる。ポアサイズおよび用いられるpDADMACサイズの依存性は、ダウツェンベルクら(1999a)により開示されている(Dautzenberg
et al., “Size exclusion properties of
polyelectrolyte complex microcapsules prepared from sodium cellulose sulphate
and pDADMAC”, Journal of Membrane Science, (1999), 162(1-2), 165-171)。より低い分子量のpDADMACがより大きなポアサイズの結果となることが明らかである。マイクロカプセルが消化酵素を産生し排出する微生物細胞からの酵素の放出を許容するための十分な大きさのポアサイズを有していることが好ましい。

0047

本発明の1実施形態では、カプセルは、直径0.01および5mmの間、好ましくは0.05および3mmの間、最も好ましくは0.01および1mmの間の球状マイクロカプセルの形態を有している。また、カプセルが上述した消化酵素に対して透過性の多孔質カプセル壁を有することが好ましい。マイクロカプセルは、酵素が通過することを許容する表面ポアを含むものとして特徴付けられる。多孔質カプセル壁の表面ポアサイズは、酵素が通過することを許容するために、80および150nmの間であることが好ましい。多孔質カプセル壁の表面ポアは、50および200kDaの間、好ましくは60−150kDa、最も好ましくは60および100kDaの間の分子量カットオフ(molecular weight cut off)(MWCO)を有することが特に好ましい。

0048

消化酵素およびそのサイズの例としては、約27kDaのサイズを有するバチルスサブチリス(B. Subtilis)からのスブチリシン等のプロテアーゼ、約63kDAのアルファ−アミラーゼ、約82kDaのアルファ−ガラクトシダーゼ、約25kDAのブロメラインプロテアーゼ、約32kDaのセルラーゼ、約78kDaのグルコアミラーゼ、約35kDaのペクチナーゼおよびサイズ約20kDaのバチルス・サブチリスからのリパーゼが挙げられる。正確なサイズは、生物から生物へ変わるものである。また、これらの酵素のいくつかは、ダイマーとして作用する。

0049

その細胞は、本発明に従う動物に対して摂取後に有益な細胞であることが好ましい。細胞は、サッカロマイセス属(Saccharomyces)、デバロマイセス属(Debaromyces)、カンディダ属(Candida)、ピキア属(Pichia)およびトルロプシス属(Torulopsis)等の酵母類アスペルギルス属(Aspergillus)、リゾプス属(Rhizopus)、ムコール属(Mucor)およびペニシリウム属(Penicillium)等の真菌類、トルロプシス(Torulopsis)類、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、バクテロイデス属(Bacteroides)、クロストリジウム属(Clostridium)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、メリソコッカス属(Melissococcus)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、ペプトストレプトコッカス属(Peptostrepococcus)、バチルス属(Bacillus)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、マイクロコッカス属(Micrococcus)、リューコノストック属(Leuconostoc)、ワイセラ属(Weissella)、アエロコッカス属Aerococcus)、オエノコッカス属(Oenococcus)、ジオバチルス属(Geobacillus)等の細菌類、および、ラクトバチルス属(Lactobacillus)等のプロバクテリア(probacteria)類を含むグループから選択されることが好ましい。本発明の文脈において、微生物細胞は、酵母類、真菌類および細菌類および/またはプロバイオティクスを含むグループから選択されるものであり、本発明のさらなる実施形態として微生物細胞は、これらのグループから組み合わされてもよい。本発明の文脈では、用語プロバイオティクスまたはプロバイオティック細胞は、交換可能に用いられる。

0050

これらのカプセル化微生物細胞、特に、消化酵素を分泌する微生物細胞は、サッカロマイセス属、ビフィドバクテリウム属、ラクトバチルス属、エンテロコッカス属、ストレプトコッカス属、バチルス属、ラクトコッカス属、リューコノストック属、ペディオコッカス属、プロピオニバクテリウム属およびジオバチルス属を含むグループから選択されることが好ましい。

0051

より好ましくは細胞は、サッカロマイセスセレビシエ(Saccharomyces
cereviseae)、バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus
licheniformis)、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、ビフィドバクテリウム・アンギュラタム(Bifidobacterium
angulatum)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacterium animalis)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium
bifidum)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium
infantis)、ビフィドバクテリウム・ラクティス(Bifidobacterium lactis)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium
longum)、エンテロコッカスフェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus
faecalis)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・アミロボラス(Lactobacillus
amylovorus)、ラクトバチルス・アリメンタウス(Lactobacillus alimentarius)、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチルス・カゼイ亜種カゼイ(Lactobacillus casei
subsp. casei)、ラクトバチルス・カゼイ・シロタ(Lactobacillus casei Shirota)、ラクトバチルス・クルヴァトゥス(Lactobacillus
curvatus)、ラクトバチルス・デルブルッキイ亜種ラクティス(Lactobacillus delbrueckii subsp. lactis)、ラクトバチルス・ファーメンタム(Lactobacillus
fermentum)、ラクトバチルス・ファルシナス(Lactobacillus farciminus)、ラクトバチルス・ガセリ(Lactobacillus
gasseri)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバチルス・ジョンソニイ(Lactobacillus
johnsonii)、ラクトバチルス・ラクティ(Lactobacillus lacti)、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacillus
paracasei)、ラクトバチルス・ペントサセウス(Lactobacillus pentosaceus)、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus
plantarum)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus
rhamnosus)(ラクトバチルスGG)、ラクトバチルス・サケ(Lactobacillus sake)、ラクトバチルス・サリヴァリウス(Lactobacillus
salivarius)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、マイクロコッカス・ヴァリアンス(Micrococcus varians)、ペディオコッカスアシディラクティシ(Pediococcus
acidilactici)、ペディオコッカス・ペントサセウス(Pediococcus pentosaceus)、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococcus
acidilactici)、ペディオコッカス・ハロフィラス(Pediococcus halophilus)、ストレプトコッカス・フェカリス(Streptococcus
faecalis)、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)、スタフィロコッカスカルノサス(Staphylococcus
carnosus)およびスタフィロコッカス・キシロサス(Staphylococcus xylosus)を含むグループから選択される。

0052

細胞がプロバイオティック細胞であることが特に好適である。プロバイオティック細胞は、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・カゼエイ(Lactobacillus
caseei)、ラクトバチルス・デルブルッキイ亜種ブルガリカス(Lactobacillus delbrueckii subsp bulgaricus)、ラクトバチルス・ジョンソニイ、ラクトコッカス・ラクティス亜種ラクティス(Lactococcus lactis
subsp lactis)、ラクトコッカス・ラクティス亜種クレモリス(Lactococcus lactis subsp cremoris)、ストレプトコッカス・サーモフィラス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・アンギュラタムおよびビフィドバクテリウム・ロンガムを含むグループから選択されることが特に好ましい。1つの特徴的な実施形態では、細胞は、ラクトバチルス・アシドフィルス細胞またはバチルス・サブチリス細胞である。

0053

それゆえ、多孔質カプセル壁を有するカプセルを含んでおり、多孔質カプセル壁が均質に硫酸化されたセルロースまたは不均質に硫酸化されたセルロースのいずれとしてもよいセルロース硫酸塩およびポリ(ジメチルジアリル−アンモニウムクロライド)から形成された複合体を含み、それによりこれらのカプセル化細胞がpH値2の酸性水溶液で2から4時間までの処理に対して抵抗性であることをもたらすカプセル化ラクトバチルス・アシドフィルスは、本発明の特有の実施形態である。好適な実施形態では、細胞が2時間の期間で抵抗性である。

0054

用語「抵抗性(resistant)」は、状態を含むものであり、微生物細胞の大多数(majority)がそのような処理の後にまだ生きているものであると理解されてもよい。

0055

これら細胞の大多数が酸性水溶液でのそのような処理の後にまだ生きていることが好ましい。特に、細胞の大多数がそのような処理の後にまだ代謝的に活性であり、細胞が酵素を産生し放出することが好ましい。この文脈では、大多数は、少なくとも51%の細胞であると理解される。60%から90%までの細胞が生き残っていることが好ましい。細胞の60%から80%までが生き残っていることがより好ましい。酸処理後に60%の細胞が生き残っていることが特に好適な実施形態である。

0056

酸性水溶液での処理の後に、カプセル化されずに同じ条件下で処理された同じタイプの細胞と比べて、少なくともより多くのカプセル化細胞が、代謝的に活性であることが理解される。

0057

好適な実施形態では、酸性水溶液での処理時間が0.5および2.5時間の間、好ましくは1および2時間の間、最も好ましくは1.5時間である。また、本発明の好適な実施形態では、酸性水溶液が1.0および3.0の間、好ましくは1.5および2.5の間のpH範囲を有しており、最も好ましくはpH2.0である。

0058

好適な実施形態では、本発明によるカプセル化細胞は、アルファアミラーゼ等のアミラーゼ、ガラクトシダーゼ、特にアルファ−ガラクトシダーゼ、プロテアーゼ、特にブロメラインプロテアーゼおよびスブチリシン、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼおよびリパーゼを含むグループから選択される消化酵素を産生し放出する。酵素は、上述したものを含むグループから選択されることが好ましい。カプセル化細胞は、ビフィドバクテリウム属、ラクトバチルス属、エンテロコッカス属、ストレプトコッカス属、バチルス属、ラクトコッカス属、リューコノストック属、ペディオコッカス属、プロピオニバクテリウム属およびジオバチルス属のグループから選択されることが特に好ましい。

0059

この発明の好適な実施形態では、微生物細胞はバチルス・サブチリス細胞であり、分泌される酵素はプロテアーゼ、特にスブチリシンである。本発明の他の実施形態は、カプセル化プロバイオティック細胞に関するものであり、多孔質カプセル壁を有するカプセルを含んでおり、多孔質カプセル壁が反対に帯電したセルロース硫酸塩およびポリ(ジメチルジアリル−アンモニウムクロライド)から形成された高分子電解質複合体を含み、それによりこれらカプセル化プロバイオティック細胞が酸性水溶液での処理に対して抵抗性であることをもたらし、そのカプセルが腸液での処理において生きたプロバイオティック細胞の少なくとも一部を放出するものであるとして特徴付けられる。酸性水溶液は、胃分泌液や胃液であってもよい。腸液での処理は、鳥類の腸やヒトを含む哺乳類の腸を通過することを含む。好ましくは、腸液は、十二指腸分泌液や十二指腸液を含む。好適な実施形態は、カプセル化プロバイオティック細胞が、上述したカプセルを含み、人工胃液(SGF)での処理を生き残るものとして特徴付けられ、人工十二指腸液や人工腸液(SIF)での処理がプロバイオティック細胞の少なくとも一部のカプセル外への放出のトリガーまたは原因となる。

0060

本発明の他の実施形態は、そのようなカプセル化微生物細胞を含む栄養補助食品を提供することであり、上述した異なる実施形態によれば、本発明の実施形態として理解されるべきものでもある。さらに、剤型、好ましくは薬剤の剤型またはカプセル化微生物細胞、好ましくはプロバイオティック細菌細胞、または、カプセル化酵母、上述したプロバイオティック真菌細胞が好適であるカプセル化真菌細胞を含む薬学的組成物は、本発明の他の実施形態である。

0061

カプセル化微生物細胞は、医薬品または予防剤として用いられてもよい。これらは、抗生物質や、抗生物質治療またはそれ以外に応じて生じる腸でのアンバランスな細菌集団から受ける他の形態により引き起こされる下痢を含む下痢の治療や予防のために用いられてもよい。

0062

本発明の方法で用いられるセルロース硫酸ナトリウム塩は、セルロースリンタで開始する均一な硫酸化法により製造されたものである。しかしながら、不均一に硫酸化されたセルロースを用いることも可能であり、ダウツェンベルクら(1999b)によるこの材料が少なくとも80kDaの大きなポアを有するカプセルの形成の結果となる(Dautzenberg et al., “Development of Cellulose
Sulphate-based Polyelectrolyte
Complex Microcapsules for Medical Applications”, Ann. N. Y.
Acad. Sci., (1999), 875, 46-63)。

0063

また、そのようなカプセル化微生物細胞やカプセル化プロバイオティクスを含む栄養補助食品は、本発明の実施形態であると理解される。さらに、剤型、好ましくはカプセル化細菌細胞やプロバイオティクスを含む薬学的剤型は、上述したように、本発明の他の実施形態である。

0064

国際公開WO/2006/095021号(米国特許出願20090011033号)には、方法が記載されており、十分な品質のセルロース硫酸塩の製造が記載されている。用いられるセルロース硫酸塩は、100−500kDaの間、好ましくは200−400kDa、最も好ましくは250−350kDaの間の分子量である。本出願の実施例欄における実験は、ドイツのポツダムフラウンホーファインスティチューオブアプライドポリマリサーチ(the
Fraunhofer Institute of Applied Polymer Research)(IAP)により提供されたNaCS材料(09−Sul−592)で行われた。

0065

セルロース硫酸塩カプセルの調製は、ダウツェンベルクのドイツ特許公開公報(DE 40 21 050 A1)に十分に開示されている。セルロース硫酸塩の合成についてもその公報に記載されており、セルロース硫酸塩カプセルの包括的な特徴づけのための方法がダウツェンベルクらの報告に広範に論じられている(H. Dautzenberg et al., Biomat. Art. Cells &
Immob. Biotech., (1993), 21(3), 399-405)。他のセルロース硫酸塩カプセルは、英国特許(GB 2 135 954)に開示されている。セルロースカプセルの性質、すなわち、サイズ、ポアサイズ、壁厚および機械的性質は、例えば、カプセルが調製される物理的環境、沈殿槽の粘度、イオン強度、温度、細胞/セルロース硫酸塩懸濁液の添加の迅速性、セルロース硫酸塩の構造、同様に、ダウツェンベルクのグループにより開示された他のパラメータ等の種々の因子に依存する。

0066

通常、カプセルを形成するために、セルロース硫酸ナトリウム塩は、例えば、いくつかの名称を挙げれば米国のアルドリッチ社やカトポル ヒェミィ社から入手されるpDADMAC水溶液と接触させられる。これに代えて、ポリ(ジメチルジアリル−アンモニウムクロライド)(pDADMACまたはPDMDAACとも記される)は、(ドイツ、テルトウのポツダム大学化学学部に従い)ジメチル−ジアリルアンモニウムクロライドのラジカル重合により調製されてもよい。マンスフルドおよびダウツェンベルク(Mansfeld and Dautzenberg)は、蒸留水におけるPDMDAAC(pDADMAC)の1.2%(w/v)溶液を使用することを示唆している。pDADMACは、異なるサイズの種々のものを入手できる。ダウツェンベルクが分子量10,000−30,000DaのpDADMACを示唆しているのに対して、ツァンらは、200,000−350,000Daの分子量を有するpDADMACを用いている(Zhang,
Yao and Guan, 2005, Preparation of macroporous sodium cellulose sulphate/poly(dimethyldiallylammonium
chloride) capsules and their characteristics., Journal of Membrane Science,
Volume 255, Issues 1-2, 2005, Pages 89-98)。

0067

国際公開WO/2006/095021号(米国特許出願20090011033号)には、十分な品質のセルロース硫酸塩の試料の結果となる方法が記載されている。このプロセスでは、n−プロパノールおよび硫酸の反応混合物が硫酸化する媒体および薬剤として作用する。

0068

セルロース硫酸ナトリウム塩(図1a)はポリアニオンとして作用し、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)(pDADMAC)(図1b)はポリカチオンとして作用する。NaCS溶液はカプセルコア構築するために用いられ、沈殿槽としてのpDADMAC溶液は液滴表面でのPEC形成のための第2反応成分を輸送し、固体膜で液滴を覆うことによりカプセルを形成する。市販のカプセル化装置がマイクロカプセルを形成するために用いられてもよく、本発明全体の文脈からビーズまたはマイクロスフェアにも関連する。そのカプセル化装置はNaCS溶液を既定流速ノズルから押し出すパフューザドライブ(perfussor drive)を有しており、連続的な液体流を生成する。液体流は、パルセーションユニット(pulsation unit)により振動させられ、重畳した振動が放出口での液体流出または噴出の等量のビーズ状への分断を引き起こす。ビーズの単分散性を向上させ、同時に合体を減少させるために、そのようなカプセル装置ノズル出口電界かけられる。自由相静電帯電は、個々のビーズの斥力を引き起こし、複合体形成槽に導入されるまで個々のビーズの凝集が実質的に抑制される。

0069

このような方法で形成された球状のビーズは、複合体形成槽に滴下され、カプセル外膜が、例えば、NaCSおよびpDADMAC溶液の間の静電的相互作用によりカプセル周囲に形成される。一定に撹拌しながら、カプセルは、対応するコンテナでの所望のかたさの程度に達するまで、この系に維持され、さらなるプロセス用に有効となる。

0070

カプセル化装置や他のエアジェット液滴生成システムがなければ、シリンジが、内径0.2から1.0mmまでの注射針とともに、できれば適切なシリンジポンプ押し出しシステムとともに用いられてもよい。代わりに、例えば、内径1.5mmのパスツールピペットの使用でも、本発明による酸抵抗性カプセルを生成することができる。

0071

得られたカプセルは、80kDaまで、または、150kDaまでのマクロ分子、例えば、抗体タンパク質が通過することを許容するために十分な大きさのポアサイズを有している。このような方法で生成されたカプセルは、これらカプセル中でのハイブリドーマ細胞から産生される抗体を、これらのポアを通じて放出するために十分な大きさのポアサイズを有することが報告されている。ダウツェンベルクら(1999b)により開示されたセルロース硫酸塩カプセル化技術は(Dautzenberg
et al., “Development of Cellulose
Sulphate-based Polyelectrolyte Complex Microcapsules for Medical Applications”)、モノクローナル中和抗体インビボ(in vivo)での産生がFr−CasEレトロウイルスに対してマウスを保護することができるかどうかをテストするために行われた(Pelegrin et al., “Immunotherapy of Viral Disease rapeutic
Monoclonal Antibodies”, Human Gene Therapy (2000), 11, 1407-1415)。これらの結果から、カプセルは、モノクローナル抗体が通過することを許容するために十分な大きさのポアを有していることが明らかである。

0072

しかしながら、本発明の物質や方法は、ここに記載された特殊な成分の使用に制限されるものではなく;これに代えて、本発明が他の供給源から入手した成分や上述した方法により製造された成分の使用も含むものであると理解されるべきである。

0073

カプセル化の前に、微生物細胞は、600nmでのODが1まで最良に増殖され回収された。しかしながら、他のOD600でも開始点として同様に適している。そして、それらは、次のようにして、セルロース硫酸塩およびpDADMACでカプセル化される:

0074

微生物細胞は、ダウツェンベルクらの方法に従い、NaCSでマイクロカプセル化される(Dautzenberg et al., “Preparation and
Performance of Symplex Capsules”, Makromol. Chem., Suppl. 9, 203-210, 1985; “A
new method for the encapsulation of mammalian cells”, Merten et al.,
Cytotechnology 7:121-120, 1991; “Development of Cellulose Sulphate-based
Polyelectrolyte Complex Microcapsules for Medical Applications”, Annals of the
New York Academy of Sciences, 875 (Bioartificial Organs II: Technology,
Medicine, and Materials), 46-63, 1999b)。簡単には、NaCSは、ポリアニオンとして機能し、カプセルコアを構築する。ポリカチオンとしてのポリ(ジアリルジメチル−アンモニウムクロライド)溶液は、セルロース硫酸塩カプセルコアの表面で高分子電解質複合体の形成用の第2反応成分をもたらす沈殿槽を提供し、NaCSコア液滴を固体膜でカバーすることによりマイクロカプセルを形成する。

0075

微生物の培養は、完全に生きている状態であることを示す光学密度まで増殖させ、ほとんどの微生物細胞についてこの光学密度が1であることが最適である。その一部、例えば、細菌培養の50μl、100μlまたは200μlが1.8%のセルロース硫酸ナトリウム塩(09−Sul−592、フラウンホーファインスティチュート ゴルム(Fraunhofer Institute Golm)、ドイツ)および0.9%から1%の塩化ナトリウムを含むセルロース硫酸ナトリウム塩溶液の約20倍量と混合される(100μlが2mlと混合される)。その溶液の少量、例えば、液滴が24kDa(21−25kDa平均サイズ)pDADMACの1.3%の槽に導入される。上述したカプセル化装置や液滴生成システムが利用できなければ、シリンジおよび注射針の使用により行うようにしてもよい。硬化時間の4分間および数回の洗浄ステップの後、カプセル化細胞は、槽から取り出され、使用の準備をするか保存される。

0076

本発明の他の実施形態として、これらのカプセル化細胞は、さらに、食品成分として異なるタイプの食品に添加される。代わりに、それらは、薬学的組成物や薬学製剤として摂取されてもよい。例えば、それらは、腸の健康や機能をサポートすることに加えて、抗生物質療法の後に腸を再生させる(repopulating)こと、ラクトース不耐性を相殺すること、免疫システムをサポートすること、および、コレステロールを減少させること等を含む(選択された細菌株に依存する)所望の健康状態の有益さを達成するために適正量のマイクロカプセルを飲み込むことを適切にさせるように、腸溶コーティングを有する(マクロ)カプセルとして提供されてもよい。栄養上の有益さは、カルシウム、亜鉛、鉄、マンガン、銅およびリンバイオアベイラビリティビタミンの合成を向上させる役割を含む。これら微生物細胞の治療上の有益さは、抗微生物活性、コレステロール消化能、改善されたラクトース不耐性および抗発癌活性を含む。

0077

カプセル化の後、カプセル化微生物細胞は、顕微鏡での密集した大きさ(a
dense mass)としてみられるような、カプセル容の全体が微生物細胞で満たされるまで、さらに培養される。カプセルが微生物細胞で満たされさらに密集するほど、一層それらが酸性環境から保護され、より多くの微生物細胞が胃の通過または酸性水溶液や胃液での培養を生き残る。

0078

従って、カプセル化により、酸性水溶液での処理により劣化することから細胞を保護するための方法を提供することが本発明の他の態様であり、カプセル化は、a)高分子電解質であるセルロース硫酸ナトリウム塩の水溶液に生きた細胞を分散させ、b)反対に帯電した高分子電解質であるポリ(ジメチルジアリル−アンモニウムクロライド)の水溶液を含む沈殿槽に分散液を予備形成された粒子の形態で導入し、c)1から60分後、好ましくは3−10分後、より好ましくは3−5分後、最も好ましくは4分後に槽内で反応を停止させ、d)槽からカプセル化細胞を回収し、e)選択的に、他の栄養成分を含む培地または溶液でカプセル化細胞をインキュベートし、f)選択的に、カプセルが完全に細胞で満たされるまでカプセル化細胞をインキュベートし、g)カプセル化されていなければ、そのような細胞を劣化させることが知られている酸性水溶液での処理にカプセル化細胞をさらし、これにより大多数のカプセル化細胞が生きたまま残される。この文脈では、大多数は、細胞の少なくとも51%、少なくとも60%、60および90%の間であると理解される。好適な実施形態では、60%および80%の間の細胞が生きたまま残される。

0079

クレームされた方法が、水溶液で0.5および3時間の酸性処理からの保護をもたらすことは、本発明の好適な実施形態である。好適な実施形態では、期間は1および2時間の間であり、特に好適には90分である。ここで、大多数の細胞がまだ生きているか、代謝的に活性であれば、または、同じ条件下で処理される無カプセル化細胞と比べたときに、より多くのカプセル化細胞が生き残ったままであれば、保護が達成されると理解される。代謝的な活性は、蛍光性レゾルフィン還元されるレサズリンとのインキュベーション後に、紫外可視分光光度計における570nmでの読み取りを示すものであり、バックグラウンドまたはネガティブコントロール値と大きく異なるものとして理解される。

0080

また、細胞が処理される酸性水溶液は、胃分泌液(gastric
juice)、胃液(gastric fluid)、人工胃液(simulated gastric fluid)および人工胃分泌液(simulated
gastric juice)のいずれかであることが好ましい。酸性溶液での処理のための暴露酸性水溶液中でのインキュベーションであってもよく、そのような処理が生理学的条件下で行われることが好適な実施形態である。さらに、カプセル化細胞は、人工腸液(simulated
intestinal fluid)や十二指腸分泌液(duodenal juice)等の腸液で処理されることに対しても抵抗性である。

0081

用語「人工胃液」は、文献に開示されている人工的に調製された異なる胃液を含むものと理解される。その1つは、例としてここに記載される:人工胃液は、例えば、基本的な胃液およびペプシンで調製されてもよい。基本的な胃液は、クラベルらに従い(Clavel et al., J. Appl. Microbiol. (2004), 97(1), 214-219)、いくつかの改変を加えて調製される。それは、蒸留水の1Lに溶解された4.8gの塩化ナトリウム(NaCl)(POCH、ポーランド)、1.56gの炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)(POCH、ポーランド)、2.2gの塩化カリウム(KCl)(POCH、ポーランド)および0.22gの塩化カルシウム(CaCl2)(POCH、ポーランド)を含む。121℃/15分間のオートクレーブ処理の後、基本的胃液のpHを1Mの塩酸を用いて2.4±0.2に調整し、人工胃液の50mLあたりに2mgのペプシン(シグマアルドリッチ社(Sigma
Aldrich)、アメリカ合衆国)を添加した。

0082

用語「人工腸液」は、文献に開示されている人工的に調製された異なる腸液や十二指腸液を含むものと理解される。その1つは、例としてここに記載される:人工十二指腸液は、基本的な十二指腸液および酵素複合体で調製されてもよい。基本的な十二指腸液は、マーチュウらに従い(Marteau et al., J. Dairy Sci. 1997: 80(6), 1031-37)、いくつかの改変を加えて調製される。それは、1mol/Lの炭酸水素ナトリウム(POCH、ポーランド)の1Lに溶解させた5.0gの塩化ナトリウム(POCH、ポーランド)、0.6gの塩化カリウム(POCH、ポーランド)、0.03gの塩化カルシウム(POCH、ポーランド)および17gの胆汁酸塩(メルク社(Merck)、ドイツ)を含む。121℃/15分間のオートクレーブ処理の後、基本分泌液のpHを1Mの水酸化ナトリウム(NaOH)を用いて7.0±0.2に調整し、酵素複合体を添加した。パンクレアチン酵素:20000F.I.P.ユニットのリパーゼ、16000F.I.P.ユニットのアミラーゼ、1200F.I.P.ユニットのプロテアーゼで構成される酵素複合体(=アメリカ合衆国のソルベイファーマシューティカル社(Solvay
Pharmaceuticals)から入手したクレオン(登録商標)10000の2カプセル(300mgパンクレアチン酵素))を液体の50mLあたりに添加した。

0083

消化酵素を産生し排出するカプセル化微生物細胞をセルロース硫酸ナトリウム塩およびpDADMACで製造する方法であって、結果として、微生物細胞を含み、酸性水溶液での処理に対して抵抗性であり、産生された酵素が通過することを許容する多孔質壁を有するマイクロカプセルを製造する方法を提供することは、本発明の他の実施形態であり、以下のステップ、すなわち、
i)その微生物細胞の培養を、好ましくは1.8%のセルロース硫酸ナトリウム塩および0.9から1%の塩化ナトリウムを含むセルロース硫酸ナトリウム塩溶液で分散させ、
ii)分散液を、好ましくは1.3%の24kDa(20−25kDa)pDADMACを含む沈殿槽に予備形成された粒子の形態で導入し、微生物細胞を含むマイクロカプセルを槽から回収する、ステップを含む。沈殿槽での反応は、1−60分後、好ましくは1−10分、より好ましくは3−5分、最も好ましくは4分後に、例えば、過剰量の洗浄液を添加することにより停止させることが好ましい。

0084

本発明の他の実施形態は、セルロース硫酸ナトリウム塩およびpDADMACでのカプセル化によりプロバイオティック微生物細胞の酸性劣化を妨げるための方法を含み、以下のステップ、すなわち、プロバイオティック細胞の培養を、1.8%のセルロース硫酸ナトリウム塩および0.9から1%の塩化ナトリウムを含むセルロース硫酸ナトリウム塩溶液で分散させ、分散液を、1.3%の24kDaのpDADMACを含む沈殿槽に、例えば、5mlシリンジおよび23Gの注射針を用いることで、予備形成された粒子の形態で導入し、ここで24kDaのpDADMACが平均サイズとして理解されるべきであり、そして、プロバイオティック細胞を含むマイクロカプセルを槽から回収する、ステップを含む。沈殿槽での反応は、3−5分後、好ましくは4分後に停止させることが好ましい。供給社であるカトポル ヒェミィ社(Katpol Chemie)からの24kDaのpDADMACは、20−25kDaの範囲を包含することが条件とされる。

0085

ラクトバチルス・アシドフィルス(L. acidophilus)細胞のマイクロカプセル化について、培養から得られた細胞が上述したNaCSと混合されてもよく、マイクロカプセルが上述した実施例のようにシリンジおよび注射針で手動で製造されてもよい。

0086

さらに、本発明は、カプセル化されていなければ胃酸に対して感受性の生細胞を、ヒトを含む動物の腸に導入するための方法であって、カプセル化細胞を上述したように投与することを含む方法についても提供する。

0087

また、下痢、抗生物質に起因する下痢および腸でのアンバランスな細菌集団から受ける他の形態を治療し予防するための方法であって、そのような下痢、抗生物質に起因する下痢および腸でのアンバランスな細菌集団から受ける他の形態を受けている、または、受けることが推測される哺乳類に本発明のカプセル化細胞を投与することを含む方法についても提供される。

0088

業者は、細胞密度、同様に、塩化ナトリウムの濃度を変えるようにしてもよいことを承知している。また、カプセルの形成は、240秒の硬化時間を厳密にすることに制限されるものではない。さらに、塩化ナトリウム溶液は、PBS溶液や他のバッファ溶液に置き換えてもよい。

0089

以前はイノテック社(Inotech)により供給された、スイスのエンカプバイオシステムズ社(EncapBioSystems、Switzerland)からのカプセル化装置IE−50RやIEM−40等の装置を含む自動化されたプロセスで製造されれば、カプセルのサイズは、直径で200μmから1200μmまで変わりうる。カプセルサイズが200−700μmであることが本発明の好適な実施形態であり、より好ましくは、カプセルサイズが200−500μmである。

0090

代替の製造法は、パスツールピペットの使用を含む。カプセルの製造にパスツールピペットを手動で用いるときは、マイクロカプセルの直径が3,000−5,000μmに達する。

0091

この点に関し、大きなサイズのカプセルでは、完全なマイクロカプセルにおける細胞の胃酸からの十分な保護を許容するために、まず噛まずに食事療法のサプリメントを飲み込むことを要することを理解しているような、告知された消費者や患者による取り込みの異なるモードを明らかに要求する。その他の点では、サイズは、加工や保存中の生存時間に影響するものではない。

0092

カプセルのサイズが直径500μmおよび700μmの間であることは、本発明の好適な実施形態である。

0093

手動、すなわち、カプセル化装置等の装置を使用せずに調製したときに、カプセルが少なくとも3,000μmの直径を有することは、本発明の他の好適な実施形態である。

0094

カプセル化細胞が胃酸処理を生き残ることをもたらす場合は、そのカプセル化細胞は、食品への添加物として使用されてもよい。また、それらは、室温(RT)で長時間保存することもできる。

0095

上述した方法によるカプセル化微生物細胞を含む薬学的剤型等の剤型は、本発明の他の実施形態である。

0096

全体の記載を通じて、酸性液体に対して抵抗性のカプセル化微生物細胞等の新しい物質や方法の農業分野についての応用も、本発明の実施形態である。ヒト消化系との類似性のために、本発明の方法や物質は、食物消化、栄養吸収の増加による腸に関連する問題を低減するために、動物、特に、ヒトへの有益なプロバイオティクスの輸送に使用され得るものである。農業目的に関連して、有益なプロバイオティクスの輸送は、食肉生産を増加させるために使用されてもよい。明細書全体を通じて開示された本発明は、鳥類、特にガチョウ、ニワトリ、七面鳥のような食品生産に役立つ鳥類、魚類、エビ類等の動物や反芻動物(牛、羊、山羊、野牛、ムース、エルク、水牛、鹿)のような食品生産に役立つ哺乳類の異なるサブグループに適用してもよいことが理解されるべきである。

0097

上述したように、消化酵素を産生し排出するカプセル化微生物細胞であって、そのカプセルがそれら消化酵素に対して透過性であり、酸性水溶液での処理に対して抵抗性である多孔質カプセル壁を有するカプセル化微生物細胞を調製するための方法が提供される。その方法は、消化酵素を産生する細胞を高分子電解質の水溶液に分散させ、その後、分散液を液滴等の予備形成された粒子の形態で、反対に帯電した高分子電解質の水溶液を含む沈殿槽に導入することを含む。

0098

以下の実施例では、細胞の代謝活性を測定するために、アラマルブルー(登録商標)アッセイと称されるアッセイを行った。「アラマルブルー」は、例えばインビトローゲン社(Invitrogen)やプロメガ社(Promega)により供給されるアッセイについて、トレックダイアグスティックシステムズ(TREK
Diagnostic Systems)による登録商標名である。以下、アラマルブルーの呼称を、青色で事実上無蛍光性の細胞透過性化合物であるレサズリンを変換する生細胞の活性成分自然還元力を用いるアッセイに関連するものとして使用する。代謝的に活性な細胞に入り込むと、無蛍光性のインジケータ色素であるレサズリンは、鮮紅色で蛍光性のレゾルフィンに還元される。生成した蛍光量は、生細胞の数に比例する。アラマルブルー(登録商標)の10μlを細胞分散液の100μlに添加し37℃で2時間インキュベートした。アラマルブルー(登録商標)アッセイプレートの蛍光をティキャンインフィニットM200(Tecan
Infinite M200)読取装置で読み取った。蛍光は、いずれのプレート読取装置で検出してもよく、560EXnm/590EMnmを用いるフィルタをセットした蛍光分光光度計で検出してもよい。代わりに、アラマルブルー(登録商標)の吸光度を紫外可視分光光度計での570nmで読み取ることもできる。

0099

カプセル化に用いられる微生物細胞やプロバイオティクスは、その供給社から凍結乾燥状態で供給され、液体培地で培養した。これら培養のサンプルを、個別の実験での使用のためにグリセリンストックとして凍結状態を維持した。

0100

(実施例1:ラクトバチルス・アシドフィルスのOD1.0までの増殖)
ラクトバチルス・アシドフィルスの培養では、解凍した細菌ストックからの20μlのサンプルを50mlのEMフラスコ内における50mlのMRS(創案者であるドゥマン(de Man)、ロゴサ(Rogosa)およびシャープ(Sharpe)により名付けられ、1960年に開発された;MRS培地の1リットルの調製:51gのMRSブロス粉末、1gのポリソルベート80、0.5gのL−システイン塩酸塩および999mlの水、pH6.2に調整)に注入することにより開始した。ストックは−80℃に保持されており、DSMカタログ番号DSM20079)(モロ(Moro))ハンセン(Hansen)およびモクォット(Mocquot)(ATCC4356)から入手した。培養は、50rpmで振盪させながら、37℃で一晩インキュベートした。実験の1日めに、細菌培養の光学密度を、ティキャンインフィニットM200を用いて600nmで測定した。一般に、読取値1となる600nmでの光学密度は、細菌増殖対数期に対応する。ストレステストを行う前に細胞が対数期にあることを確保するために、細胞をOD600nmの読取値1まで増殖させた(表1参照)。

0101

ラクトバチルス・アシドフィルスの一晩の増殖における培養プロファイル

0102

(実施例2:非カプセル化ラクトバチルス・アシドフィルス細胞の塩酸中での生存性)
PBSリン酸緩衝生理食塩水)の500mlに37%塩酸の4.2mlを添加することで、PBS中0.01M塩酸溶液を調製した。5M塩酸を用いてpH値を正確に2.0に調整した。

0103

ラクトバチルス培養の5μlを、滅菌したエッペンドルフチューブ(Eppendorf
tube)内のPBS(リン酸緩衝生理食塩溶液)中塩酸の1mlに、3回添加した。コントロールとして、0時の時点で、同じラクトバチルス培養の5μlを、滅菌したエッペンドルフチューブ内のPBSの1mlに、3回添加した。塩酸テストを、異なる時点、すなわち、暴露時間の1時間後、1.5時間後および2時間後に行った。

0104

種々の時点で、塩酸を除去するために、すべてのエッペンドルフチューブを3000×gのスピードで1分間遠心分離し沈殿させた。MRS培地で2回それらを洗浄し、MRS培地の100μlをペレットに加えた。ペレットを再分散させ、すべてを96ウェルのプレートに移した。

0105

細菌細胞の代謝活性を測定するために、上述したアラマルブルーアセイを行った。

0106

塩酸に対する異なる暴露時間後にRFUのアラマルブルー読取値として測定したフリーなラクトバチルス・アシドフィルス細胞の生存性

0107

(実施例3:ラクトバチルス・アシドフィルスのNaCSおよびpDADMACでのカプセル化)
光学密度1の細菌培養の100μlを、セルロース硫酸ナトリウム塩(フラウンホーファインスティチュートにより供給された09−Sul−592)の1.8%および塩化ナトリウムの1%を含むセルロース硫酸ナトリウム塩溶液の2mlと混合し、24kDaのpDADMACが1.3%の槽の150mlに、5mlのシリンジおよび23Gの注射針の使用により滴下した。

0108

pDADMACの槽におけるカプセルの硬化時間を4分間とした。そして、カプセルを、1×PBSの300mlで8分間の1回および1×PBSの300mlで4分間の1回の洗浄を行った。続いて、これらを1×リン酸緩衝生理食塩水のそれぞれ30mlで3回洗浄し、MRS培地のそれぞれ30mlで3回洗浄した。その後、カプセルを、新鮮なMRS培地の100mlを入れた250mlのコニカルフラスコに移した。これらのカプセルを、50rpmのスピードで、37℃のインキュベータで培養した。

0109

カプセル化ラクトバチルス細胞について、上述したアラマルブルーアッセイを行った。ブランクLB培地の100μl+アラマルブルーの10μl)およびカプセル(MRS培地の100μl+アラマルブルーの10μl)について、3回のアッセイを行った。分散させた細胞およびインジケータ色素を含むサンプルを、プレート中で、37℃、2時間インキュベートし、そして測定した。

0110

カプセル化後2日めにRFUのアラマルブルー読取値として測定したカプセル化ラクトバチルス・アシドフィルスの生存性

0111

(実施例4:塩酸中でのカプセル化ラクトバチルス細菌の生存性)
カプセルが生きていることを確認した後、ラクトバチルスカプセルについて塩酸テストを行った。リン酸緩衝生理食塩水中の塩酸の1mlに対し1カプセルを、4時間、3時間、2時間および1時間の異なる時点で3回、24ウェルプレートのそれぞれのウェルに入れた。実験に対するコントロールとして、リン酸緩衝生理食塩水の1mlに対し1カプセルを0時間の時点で3回、添加した。

0112

0時間で、塩酸を含むリン酸緩衝生理食塩溶液をMRS培地で置換した。カプセルをMRS培地で2回洗浄し、1つずつ96ウェルプレートに移した。新鮮なMRS培地の100μlおよびアラマルブルーの10μlを加え、2時間インキュベートした。アラマルブルーアッセイプレートをティキャンインフィニットM200で読み取った。

0113

塩酸に対する異なる暴露時間後にRFUのアラマルブルー読取値として測定したカプセル化ラクトバチルスの生存性

0114

塩酸テスト後におけるラクトバチルスのフリー細菌およびカプセル化細菌のアラマルブルー読取値の比較では、塩酸中で2時間後にはフリー細菌の生存性がドラスティックに低下しており、フリー細菌が塩酸での2時間の暴露時間を生き残ることができないことを示している。しかしながら、カプセル化細菌のRFU読取値は、塩酸に対する暴露の4時間後でも高い値を残しており、より高い生存性を示し、塩酸環境におけるカプセルでの生存性が改善されたことを示している。

実施例

0115

非カプセル化ラクトバチルス細菌がpH2の塩酸塩溶液環境において1.5時間を超えて生き残ることがないのに対して、代謝的に活性なカプセル化ラクトバチルス株は、pH2.0の塩酸塩溶液の環境において4時間を超えて高度に生き残っている(図4)。

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