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技術 PEG化脂質および薬剤送達のためのそれらの使用

出願人 アルニラム・ファーマシューティカルズ・インコーポレーテッド
発明者 カラントッタティル・ジー・ラジーヴムティアー・マノハランムトゥサミー・ジャヤラマンマーティン・メイヤーナラヤナンナイール・ケー・ジャヤプラカシュデヴィッド・バトラー
出願日 2012年1月11日 (9年6ヶ月経過) 出願番号 2013-549520
公開日 2014年2月27日 (7年4ヶ月経過) 公開番号 2014-505145
状態 特許登録済
技術分野 化合物または医薬の治療活性 医薬品製剤 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 フラン系化合物 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 突然変異または遺伝子工学 ポリエーテル ピロ-ル系化合物
主要キーワード 付与部分 カルボニル含有官能基 開始混合物 パック済み 水素結合受容基 フリンガー 三酸化二砒素 サブマイクロメートル
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課題・解決手段

本発明は、薬剤送達における使用のための、ポリエチレングリコール)−脂質複合体を提供する。

概要

背景

治療用核酸としては、例えば、低分子干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチドリボザイムプラスミド免疫刺激性核酸アンチセンスアンタゴmir(antagomir)、抗mir(antimir)、マイクロRNA模倣体スーパーmir(supermir)、U1アダプター、およアプタマーが挙げられる。これらの核酸は、様々な機序を介して作用する。siRNAまたはmiRNAの場合、これらの核酸は、RNA干渉(RNAi)と呼ばれるプロセスを介して、特定のタンパク質細胞内レベル下方制御することが出来る。細胞質中へのsiRNAまたはmiRNAの導入後、これらの二本鎖RNA構築物は、RISCと呼ばれるたんぱく質と結合することが出来る。siRNAまたはmiRNAのセンス鎖は、RISC複合体から離れ、結合したsiRNAまたはmiRNAの配列と相補的な配列を有するmRNAを認識して、それに結合することが出来る鋳型を、RISC内で提供する。相補的なmRNAに結合すると、RISC複合体はmRNAを切断し、切断した鎖を放出する。RNAiは、タンパク質合成をコードする、対応するmRNAの特異的破壊を標的とすることにより、特定のタンパク質を下方制御することが出来る。

siRNAおよびmiRNA構築物は、標的タンパク質に対するいかなるヌクレオチド配列を用いても合成することが出来るため、RNAiの治療用途は、極めて広範である。現在までに、siRNA構築物は、in vitroおよびin vivoモデルの両方において、標的タンパク質を特異的に下方制御する能力を持つことがわかっている。さらに、siRNA構築物は、現在、臨床研究において評価されている。

しかしながら、siRNAまたはmiRNA構築物が直面している2つの問題は、第1に、血漿中のヌクレアーゼ消化に対するそれらの感受性、第2に、遊離siRNAまたはmiRNAとして全身的に投与された際、それらがRISCと結合することが出来る細胞内コンパートメントに接近する、それらの限定された能力である。これらの二本鎖構築物は、分子内の化学修飾されたヌクレオチドリンカー、例えば、ホスホチオエート基の組み込みによって、安定化させることが出来る。しかしながら、これらの化学修飾は、ヌクレアーゼ消化からの限定的な保護を提供するだけであり、構築物の活性を減少させ得る。siRNAまたはmiRNAの細胞内の送達は、例えばポリマーカチオン性リポソームなどの担体系の使用により、または構築物の化学修飾、例えばコレステロール分子共有結合によって促進され得る。しかしながら、siRNAおよびmiRNA分子効力を増加させ、化学修飾の必要性を減少させるかまたは排除するために、改善された送達システムが必要とされている。

アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびリボザイムもまた、タンパク質へのmRNA翻訳阻害し得る。アンチセンス構築物の場合、これらの一本鎖デオキシ核酸は、標的タンパク質mRNAの配列と相補的な配列を有し、ワトソンクリック塩基対形成により、mRNAと結合し得る。この結合は標的mRNAの翻訳を妨げ、および/またはmRNA転写物リボヌクレアーゼH分解の誘因となる。結果として、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、作用特異性(すなわち、特定の疾患関連タンパク質の下方制御)においておびただしい潜在力を有する。現在までに、これらの化合物は、炎症性疾患がん、およびHIVのモデルを含む、いくつかのin vitroおよびin vivoモデルにおいて将来性を示している(Agrawal、Trendsin Biotech. 14:376-387 (1996)に概説)。アンチセンスはまた、染色体DNAと特異的にハイブリダイズすることにより、細胞活性にも影響を与え得る。いくつかのアンチセンス薬剤の、ヒトにおける高度な臨床評価が現在進行中である。これらの薬剤の標的には、bcl2およびアポリポタンパク質B遺伝子ならびにmRNA産物が含まれる。

免疫刺激性核酸には、デオキシリボ核酸およびリボ核酸が含まれる。デオキシリボ核酸の場合、ある特定の配列またはモチーフが、哺乳類において免疫刺激を誘発することが示されている。これらの配列またはモチーフには、CpGモチーフピリミジンリッチ配列およびパリンドローム配列が含まれる。デオキシリボ核酸中のCpGモチーフは、エンドソーム受容体であるtoll様受容体9(TLR−9)により特異的に認識され、それが次いで、先天的および後天的な免疫刺激経路の両方の誘因となると考えられている。ある特定の免疫刺激性リボ核酸もまた報告されている。これらのRNA配列が、toll様受容体6および7(TLR−6およびTLR−7)と結合することにより、免疫活性化の誘因となる考えられている。さらに、二本鎖RNAもまた、免疫刺激性であると報告されており、TLR−3との結合を介して活性化すると考えられている。

治療用核酸の使用に伴うよく知られている1つの問題は、ホスホジエステル核酸間結合の安定性およびこのリンカーのヌクレアーゼに対する感受性に関するものである。血清中エクソヌクレアーゼおよびエンドヌクレアーゼの存在が、ホスホジエステルリンカーを有する核酸の急速な消化を招き、それにより、治療用核酸は、血清の存在下または細胞内において、非常に短い半減期を有し得る(Zelphati, O., et al., Antisense. Res. Dev. 3:323-338 (1993);およびThierry, A.R., et al., pp147-161 in Gene Regulation: Biology of Antisense RNA and DNA (Eds. Erickson, RP and Izant,JG; Raven Press, NY (1992))。現在開発中の治療用核酸は、これらおよび他の公知の問題のため、天然の核酸にみられる基本的なホスホジエステル化学を使用していない。

この問題は、血清または細胞内の分解を減少させる化学修飾により、部分的に克服されている。ヌクレオチド間ホスホジエステル架橋(例えば、ホスホロチオエートメチルホスホネートまたはホスホルアミデート結合を用いる)、ヌクレオチド塩基(例えば、5−プロピニル−ピリミジン)、または糖(例えば、2’−修飾糖)において、修飾が試験されている(Uhlmann E., et al. Antisense: Chemical Modifications. Encyclopedia of Cancer, Vol. X., pp 64-81 Academic Press Inc. (1997))。他の研究者らは、2’−5’糖結合を用いて安定性の改善を試みている(例えば、米国特許第5,532,130号を参照のこと)。他の変更も試みられている。しかしながら、これらの解決策のいずれもが、完全に十分であるとは証明されておらず、in vivo における遊離治療用核酸は、未だ限定的な有効性しか有していない。

さらに、siRNAおよびmiRNAに関して上述のように、治療用核酸が細胞膜を通過する能力が限定されているという問題(Vlassov, et al., Biochim. Biophys. Acta 1197:95-1082 (1994)を参照のこと)、ならびに全身性の毒性、例えば補体媒介アナフィラキシー、変化した凝固特性、および血球減少に関連する問題が残っている(Galbraith, et al., Antisense Nucl. Acid Drug Des. 4:201-206 (1994))。
有効性の改善を試みるために、研究者らはまた、化学修飾された、または未修飾の治療用核酸を送達するために、脂質ベースの担体系をも使用している。Zelphati, O and Szoka, F.C., J. Contr. Rel. 41:99-119 (1996)において、著者らはアニオン性(従来の)リポソーム、pH感受性リポソーム、免疫リポゾーム融合性リポソーム、およびカチオン性脂質/アンチセンス凝集体の使用に言及している。Heyes, et. al., J. Contr. Rel. 112:280-290 (2006)において、著者らは、より安定したポリエチレングリコール)−脂質複合体の使用に言及している。同様に、カチオン性リポソームにおいて、siRNAを全身投与しており、これらの核酸−脂質粒子が、非ヒト霊長類を含む哺乳類において、標的タンパク質の下方制御を改善することが報告されている(Zimmermann et al., Nature 441: 111-114 (2006))。

概要

本発明は、薬剤送達における使用のための、ポリ(エチレングリコール)−脂質複合体を提供する。

目的

siRNAまたはmiRNAのセンス鎖は、RISC複合体から離れ、結合したsiRNAまたはmiRNAの配列と相補的な配列を有するmRNAを認識して、それに結合することが出来る鋳型を、RISC内で提供する

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
6件

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請求項1

以下の式(I)で表される化合物、またはその薬剤的許容される塩:式中、R1およびR2のそれぞれは、独立して、C10〜C30脂肪族基であり、ここで脂肪族基は、Raからそれぞれ独立して選択される1つまたは複数の基により随意置換され;およびここで脂肪族基は、シクロアルキレン、−O−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−N(Rc)−、−C(O)N(Rc)−、または−N(Rc)C(O)−により随意に中断され;Xは、−(CRaRb)i−、−O−、−S−、−C(O)−、−N(Rc)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−C(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−N(Rc)C(O)N(Rc)−、−SC(O)N(Rc)−、または−N(Rc)C(O)S−であり;Yは、−(CRaRb)i−、−O−、−S−、−C(O)−、−N(Rc)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−C(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−N(Rc)C(O)N(Rc)−、−SC(O)N(Rc)−、または−N(Rc)C(O)S−であり;Lは、−L1−Z1−(L2−Z2)c−L3−であり;L1は、結合、−(CR5R5’)i−、または−(CR5R5’)i−(C(Ra)=C(Rb))k−(C≡C)k−(CRaRb)j−であり;Z1は、−O−、−S−、−N(Rc)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−N(Rc)C(O)−、−C(O)N(Rc)−、−N=C(Ra)−、−C(Ra)=N−、−O−N=C(Ra)−、または−O−N(Rc)−であり;L2は、−(CRaRb)p−または−(CRaRb)j−(C(Ra)=C(Rb))k−(C≡C)k−(CRaRb)jであり;Z2は、−O−、−S−、−N(Rc)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−N(Rc)C(O)−、−C(O)N(Rc)−、−N=C(Ra)−、−C(Ra)=N−、−O−N=C(Ra)−、または−O−N(Rc)−であり;L3は、−(CRaRb)i−であり;各Aは独立して、−L4−、−NH−(L4)q−(CRaRb)r−C(O)−または−C(O)−(CRaRb)r−(L4)q−NH−であり;ここで各qは独立して、0、1、2、3、または4であり;および各rは、独立して、0、1、2、3、または4であり;各L4は独立して、−(CRaRb)sO−または−O(CRaRb)s−であり;ここで各sは独立して、0、1、2、3、または4であり;R3は−H、−Rc、または−ORcであり;R4およびR4’のそれぞれは、独立して、−H、ハロシアノ、ヒドロキシニトロ、アルキルアルケニルアルキニルシクロアルキルアルコキシ、またはシクロアルコキシであり;各R5および各R5’は、独立して、−H、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはシクロアルキルであるか;またはR4および1つのR5が一緒になって、5〜8員のシクロアルキルまたは複素環を形成し;各Raは独立して、−H、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、アミノアルキルアミノジアルキルアミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリールヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり;各Rbは独立して、−H、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり;各Rcは、−H、アルキル、アシル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり;aは0または1であり;bは1〜1,000の整数であり;cは0または1であり;iの各出現は、独立して、1、2、3、4、5、または6であり;jの各出現は、独立して、0、1、2、または3であり;kの各出現は、独立して、0、1、2、または3であり;およびPは1〜10であるが;但し、(i)XおよびYが同時に−CH2−であることは無く;ならびに(ii)aが1であり、L1が−CH2−である場合は、(a)XおよびYが同時に−O−であることは無く;ならびに(b)XおよびYが同時に−C(O)O−であることも無い。

請求項2

Xが−(CH2)i−である、請求項1に記載の化合物。

請求項3

Xが−CH2−であり、およびYが−O−、−S−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−SC(O)N(Rc)−、または−N(Rc)C(O)S−である、請求項1に記載の化合物。

請求項4

Xが−CH2−では無く;およびYが−(CRaRb)i−、−C(O)−、−N(Rc)−、−C(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−N(Rc)C(O)N(Rc)−、−SC(O)N(Rc)−、または−N(Rc)C(O)S−である、請求項1に記載の化合物。

請求項5

Z1が−C(O)O−または−C(O)N(Rc)−である、請求項4に記載の化合物。

請求項6

Xが、−N(Rc)−、−C(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−N(Rc)C(O)N(Rc)−、−SC(O)N(Rc)−、または−N(Rc)C(O)S−である、請求項1に記載の化合物。

請求項7

Yが、−N(Rc)−、−C(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−N(Rc)C(O)N(Rc)−、−SC(O)N(Rc)−、または−N(Rc)C(O)S−である、請求項1に記載の化合物。

請求項8

各AがL4であり、および各L4が独立して、−OCH2CH2−、−OCH2CH2CH2−、または−OCH2CH(CH3)−である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。

請求項9

R3がアルコキシである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物。

請求項10

前記化合物の分子量が、500g/mol〜5,000g/molの間である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。

請求項11

R1およびR2のそれぞれが独立して、C12〜C20アルキルまたはC12〜C20アルケニル基である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化合物。

請求項12

変数qおよびsがそれぞれ独立して、1、2、3、または4である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物。

請求項13

R1およびR2のそれぞれは、独立して、C12〜C20アルキルまたはC12〜C20アルケニル基であり;Xは、−CH2−、−O−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−NHC(O)−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、または−NHC(O)NH−であり;Yは、−O−、−S−、−OC(O)−、−NHC(O)−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−NHC(O)NH−、または−SC(O)NH−であり;aは1であり;L1は結合または−(CH2)i−であり,cは0であり;L3は−(CH2)i−であり;各Aは独立して、−L4−であり;各L4は独立して、−OCH2CH2−または−OCH2CH(CH3)−であり;およびR3は−ORcであり、ここでRcは−Hまたはアルキルである、請求項1に記載の化合物。

請求項14

以下から選択される化合物、およびその薬剤的に許容される塩:式中、nは、1〜1,000の整数であり;およびmは、1、2、3、4、5、または6である。

請求項15

請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物を含む、脂質粒子

請求項16

カチオン性脂質をさらに含む、請求項15に記載の脂質粒子。

請求項17

中性脂質およびステロールをさらに含む、請求項16に記載の脂質粒子。

請求項18

前記中性脂質が、DSPC、DPPC、POPC、DOPE、またはSMから選択される、請求項17に記載の脂質粒子。

請求項19

前記カチオン性脂質が約20%および約60%のモル比で存在し;前記中性脂質が約5%〜約25%のモル比で存在し;前記ステロールが約25%〜約55%のモル比で存在し;および請求項1に記載の化合物が約0.5%〜約15%のモル比で存在する、請求項18に記載の脂質粒子。

請求項20

活性物質をさらに含む、請求項15〜19のいずれか1項に記載の脂質粒子。

請求項21

前記活性物質が、プラスミド免疫賦活性オリゴヌクレオチド、siRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチドマイクロRNA、アンタゴmir(antagomir)、アプタマー、およびリボザイムからなる群から選択される核酸である、請求項20に記載の脂質粒子。

請求項22

請求項20または21に記載の脂質粒子および薬剤的に許容される担体を含む、医薬組成物

請求項23

細胞において標的遺伝子発現を調節する方法であって、請求項20または21に記載の脂質粒子を細胞に提供することを含む、方法。

請求項24

前記活性物質が、プラスミド、免疫賦活性オリゴヌクレオチド、siRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、マイクロRNA、アンタゴmir(antagomir)、アプタマー、およびリボザイムからなる群から選択される核酸である、請求項23に記載の方法。

請求項25

対象においてポリペプチド過剰発現を特徴とする疾患または障害治療する方法であって、前記方法が、前記対象に請求項22に記載の医薬組成物を提供することを含み、前記活性物質が、siRNA、マイクロRNA、およびアンチセンスオリゴヌクレオチドから成る群から選択される核酸であり、および前記siRNA、マイクロRNA、またはアンチセンスオリゴヌクレオチドが、前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたはその相補鎖と特異的に結合するポリヌクレオチドを含む、方法。

請求項26

対象においてポリペプチドの低発現を特徴とする疾患または障害を治療する方法であって、前記方法が、前記対象に請求項22に記載の医薬組成物を提供することを含み、前記活性物質が、前記ポリペプチドまたは機能的変異体またはその断片をコードするプラスミドである、方法。

請求項27

対象において免疫応答を誘発する方法であって、前記方法が、前記対象に請求項22に記載の医薬組成物を提供することを含み、前記活性物質が免疫賦活性オリゴヌクレオチドである、方法。

請求項28

前記標的遺伝子が、以下から成る群から選択される、請求項23に記載の方法:第VII因子、Eg5、PCSK9、TPX2、アポリポタンパク質B、SAA、TTR、RSV、PDGFβ遺伝子、Erb−B遺伝子、Src遺伝子、CRK遺伝子、GRB2遺伝子、RAS遺伝子、MEKK遺伝子、JNK遺伝子、RAF遺伝子、Erk1/2遺伝子、PCNA(p21)遺伝子、MYB遺伝子、JUN遺伝子、FOS遺伝子、BCL−2遺伝子、サイクリンD遺伝子VEGF遺伝子、EGFR遺伝子、サイクリンA遺伝子、サイクリンE遺伝子、WNT−1遺伝子、βカテニン遺伝子、c−MET遺伝子PKC遺伝子、NFKB遺伝子、STAT3遺伝子、サバイビン遺伝子、Her2/Neu遺伝子、SORT1遺伝子、XBP1遺伝子、トポイソメラーゼI遺伝子、トポイソメラーゼIIα遺伝子、p73遺伝子、p21(WAF1/CIP1)遺伝子、p27(KIP1)遺伝子、PPM1D遺伝子、RAS遺伝子、カベオリンI遺伝子、MIBI遺伝子、MTAI遺伝子、M68遺伝子、腫瘍抑制因子遺伝子類、およびp53腫瘍抑制因子遺伝子。

請求項29

前記標的遺伝子が、1つまたは複数の突然変異を含む、請求項28に記載の方法。

技術分野

0001

本出願は、2011年、1月11日に出願された、米国特許仮出願第61/431,684号に基づく利益を主張するものであり、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。

0002

本発明は、PEG化脂質、ならびにsiRNAおよびマイクロRNAなどの活性物質送達するための製剤におけるそれらの使用に関する。

背景技術

0003

治療用核酸としては、例えば、低分子干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチドリボザイムプラスミド免疫刺激性核酸アンチセンスアンタゴmir(antagomir)、抗mir(antimir)、マイクロRNA模倣体スーパーmir(supermir)、U1アダプター、およアプタマーが挙げられる。これらの核酸は、様々な機序を介して作用する。siRNAまたはmiRNAの場合、これらの核酸は、RNA干渉(RNAi)と呼ばれるプロセスを介して、特定のタンパク質細胞内レベル下方制御することが出来る。細胞質中へのsiRNAまたはmiRNAの導入後、これらの二本鎖RNA構築物は、RISCと呼ばれるたんぱく質と結合することが出来る。siRNAまたはmiRNAのセンス鎖は、RISC複合体から離れ、結合したsiRNAまたはmiRNAの配列と相補的な配列を有するmRNAを認識して、それに結合することが出来る鋳型を、RISC内で提供する。相補的なmRNAに結合すると、RISC複合体はmRNAを切断し、切断した鎖を放出する。RNAiは、タンパク質合成をコードする、対応するmRNAの特異的破壊を標的とすることにより、特定のタンパク質を下方制御することが出来る。

0004

siRNAおよびmiRNA構築物は、標的タンパク質に対するいかなるヌクレオチド配列を用いても合成することが出来るため、RNAiの治療用途は、極めて広範である。現在までに、siRNA構築物は、in vitroおよびin vivoモデルの両方において、標的タンパク質を特異的に下方制御する能力を持つことがわかっている。さらに、siRNA構築物は、現在、臨床研究において評価されている。

0005

しかしながら、siRNAまたはmiRNA構築物が直面している2つの問題は、第1に、血漿中のヌクレアーゼ消化に対するそれらの感受性、第2に、遊離siRNAまたはmiRNAとして全身的に投与された際、それらがRISCと結合することが出来る細胞内コンパートメントに接近する、それらの限定された能力である。これらの二本鎖構築物は、分子内の化学修飾されたヌクレオチドリンカー、例えば、ホスホチオエート基の組み込みによって、安定化させることが出来る。しかしながら、これらの化学修飾は、ヌクレアーゼ消化からの限定的な保護を提供するだけであり、構築物の活性を減少させ得る。siRNAまたはmiRNAの細胞内の送達は、例えばポリマーカチオン性リポソームなどの担体系の使用により、または構築物の化学修飾、例えばコレステロール分子共有結合によって促進され得る。しかしながら、siRNAおよびmiRNA分子効力を増加させ、化学修飾の必要性を減少させるかまたは排除するために、改善された送達システムが必要とされている。

0006

アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびリボザイムもまた、タンパク質へのmRNA翻訳阻害し得る。アンチセンス構築物の場合、これらの一本鎖デオキシ核酸は、標的タンパク質mRNAの配列と相補的な配列を有し、ワトソンクリック塩基対形成により、mRNAと結合し得る。この結合は標的mRNAの翻訳を妨げ、および/またはmRNA転写物リボヌクレアーゼH分解の誘因となる。結果として、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、作用特異性(すなわち、特定の疾患関連タンパク質の下方制御)においておびただしい潜在力を有する。現在までに、これらの化合物は、炎症性疾患がん、およびHIVのモデルを含む、いくつかのin vitroおよびin vivoモデルにおいて将来性を示している(Agrawal、Trendsin Biotech. 14:376-387 (1996)に概説)。アンチセンスはまた、染色体DNAと特異的にハイブリダイズすることにより、細胞活性にも影響を与え得る。いくつかのアンチセンス薬剤の、ヒトにおける高度な臨床評価が現在進行中である。これらの薬剤の標的には、bcl2およびアポリポタンパク質B遺伝子ならびにmRNA産物が含まれる。

0007

免疫刺激性核酸には、デオキシリボ核酸およびリボ核酸が含まれる。デオキシリボ核酸の場合、ある特定の配列またはモチーフが、哺乳類において免疫刺激を誘発することが示されている。これらの配列またはモチーフには、CpGモチーフピリミジンリッチ配列およびパリンドローム配列が含まれる。デオキシリボ核酸中のCpGモチーフは、エンドソーム受容体であるtoll様受容体9(TLR−9)により特異的に認識され、それが次いで、先天的および後天的な免疫刺激経路の両方の誘因となると考えられている。ある特定の免疫刺激性リボ核酸もまた報告されている。これらのRNA配列が、toll様受容体6および7(TLR−6およびTLR−7)と結合することにより、免疫活性化の誘因となる考えられている。さらに、二本鎖RNAもまた、免疫刺激性であると報告されており、TLR−3との結合を介して活性化すると考えられている。

0008

治療用核酸の使用に伴うよく知られている1つの問題は、ホスホジエステル核酸間結合の安定性およびこのリンカーのヌクレアーゼに対する感受性に関するものである。血清中エクソヌクレアーゼおよびエンドヌクレアーゼの存在が、ホスホジエステルリンカーを有する核酸の急速な消化を招き、それにより、治療用核酸は、血清の存在下または細胞内において、非常に短い半減期を有し得る(Zelphati, O., et al., Antisense. Res. Dev. 3:323-338 (1993);およびThierry, A.R., et al., pp147-161 in Gene Regulation: Biology of Antisense RNA and DNA (Eds. Erickson, RP and Izant,JG; Raven Press, NY (1992))。現在開発中の治療用核酸は、これらおよび他の公知の問題のため、天然の核酸にみられる基本的なホスホジエステル化学を使用していない。

0009

この問題は、血清または細胞内の分解を減少させる化学修飾により、部分的に克服されている。ヌクレオチド間ホスホジエステル架橋(例えば、ホスホロチオエートメチルホスホネートまたはホスホルアミデート結合を用いる)、ヌクレオチド塩基(例えば、5−プロピニル−ピリミジン)、または糖(例えば、2’−修飾糖)において、修飾が試験されている(Uhlmann E., et al. Antisense: Chemical Modifications. Encyclopedia of Cancer, Vol. X., pp 64-81 Academic Press Inc. (1997))。他の研究者らは、2’−5’糖結合を用いて安定性の改善を試みている(例えば、米国特許第5,532,130号を参照のこと)。他の変更も試みられている。しかしながら、これらの解決策のいずれもが、完全に十分であるとは証明されておらず、in vivo における遊離治療用核酸は、未だ限定的な有効性しか有していない。

0010

さらに、siRNAおよびmiRNAに関して上述のように、治療用核酸が細胞膜を通過する能力が限定されているという問題(Vlassov, et al., Biochim. Biophys. Acta 1197:95-1082 (1994)を参照のこと)、ならびに全身性の毒性、例えば補体媒介アナフィラキシー、変化した凝固特性、および血球減少に関連する問題が残っている(Galbraith, et al., Antisense Nucl. Acid Drug Des. 4:201-206 (1994))。
有効性の改善を試みるために、研究者らはまた、化学修飾された、または未修飾の治療用核酸を送達するために、脂質ベースの担体系をも使用している。Zelphati, O and Szoka, F.C., J. Contr. Rel. 41:99-119 (1996)において、著者らはアニオン性(従来の)リポソーム、pH感受性リポソーム、免疫リポゾーム融合性リポソーム、およびカチオン性脂質/アンチセンス凝集体の使用に言及している。Heyes, et. al., J. Contr. Rel. 112:280-290 (2006)において、著者らは、より安定したポリエチレングリコール)−脂質複合体の使用に言及している。同様に、カチオン性リポソームにおいて、siRNAを全身投与しており、これらの核酸−脂質粒子が、非ヒト霊長類を含む哺乳類において、標的タンパク質の下方制御を改善することが報告されている(Zimmermann et al., Nature 441: 111-114 (2006))。

先行技術

0011

米国特許第5,532,130号

発明が解決しようとする課題

0012

この進歩にもかかわらず、当技術分野において、一般の治療的使用に好適な、改善された脂質−治療用核酸組成物が依然として必要とされている。これらの組成物は、高効率で核酸をカプセル化し、高い薬剤:脂質比を有し、カプセル化された核酸を血清中での分解およびクリアランスから保護し、全身性の送達に好適であり、ならびにカプセル化された核酸の細胞内送達を提供することが好ましい。さらに、これらの脂質−核酸粒子は、有効量の核酸での患者の治療が、患者に対する著しい毒性および/またはリスクを伴わないように、良好な耐容性を示し、かつ適切な治療指数を提供するべきである。本発明は、疾患の治療用を含む、組成物、組成物の調製方法、および、組成物を使用して核酸を細胞に導入する方法を提供する。

0013

1つの態様において、本発明は、式(I):



で表される化合物、またはその薬剤的許容される塩に関し、
式中、
R1およびR2のそれぞれは、独立して、C10〜C30脂肪族基であり、ここで脂肪族基は、Raからそれぞれ独立して選択される1つまたは複数の基により所望により置換され;およびここで脂肪族基は、シクロアルキレン、−O−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−N(Rc)−、−C(O)N(Rc)−、または−N(Rc)C(O)−により所望により中断され;
Xは、−(CRaRb)i−、−O−、−S−、−C(O)−、−N(Rc)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−C(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−N(Rc)C(O)N(Rc)−、−SC(O)N(Rc)−、または−N(Rc)C(O)S−であり;
Yは、−(CRaRb)i−、−O−、−S−、−C(O)−、−N(Rc)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−C(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−N(Rc)C(O)N(Rc)−、−SC(O)N(Rc)−、または−N(Rc)C(O)S−であり;
Lは、−L1−Z1−(L2−Z2)c−L3−であり;
L1は、結合、−(CR5R5’)i−、または−(CR5R5’)i−(C(Ra)=C(Rb))k−(C≡C)k−(CRaRb)j−であり;
Z1は、−O−、−S−、−N(Rc)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−N(Rc)C(O)−、−C(O)N(Rc)−、−N=C(Ra)−、−C(Ra)=N−、−O−N=C(Ra)−、または−O−N(Rc)−であり;
L2は、−(CRaRb)p−または−(CRaRb)j−(C(Ra)=C(Rb))k−(C≡C)k−(CRaRb)jであり;
Z2は、−O−、−S−、−N(Rc)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−N(Rc)C(O)−、−C(O)N(Rc)−、−N=C(Ra)−、−C(Ra)=N−、−O−N=C(Ra)−、または−O−N(Rc)−であり;
L3は、−(CRaRb)i−であり;
各Aは独立して、−L4−、−NH−(L4)q−(CRaRb)r−C(O)−または−C(O)−(CRaRb)r−(L4)q−NH−であり;ここで各qは独立して、0、1、2、3、または4であり;および各rは、独立して、0、1、2、3、または4であり;
各L4は独立して、−(CRaRb)sO−または−O(CRaRb)s−であり;ここで各sは独立して、0、1、2、3、または4であり;
R3は−H、−Rc、または−ORcであり;
R4およびR4’のそれぞれは、独立して、−H、ハロシアノ、ヒドロキシニトロ、アルキルアルケニルアルキニルシクロアルキルアルコキシ、またはシクロアルコキシであり;
各R5および各R5’は、独立して、−H、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはシクロアルキルであるか;
またはR4および1つのR5が一緒になって、5〜8員のシクロアルキルまたは複素環を形成してもよく;
各Raは独立して、−H、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、アミノアルキルアミノジアルキルアミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリールヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり;
各Rbは独立して、−H、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり;
各Rcは、−H、アルキル、アシル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり;
aは0または1であり;
bは1〜1,000の整数であり;
cは0または1であり;
iの各出現は、独立して、1、2、3、4、5、または6であり;
jの各出現は、独立して、0、1、2、または3であり;
kの各出現は、独立して、0、1、2、または3であり;および
Pは1〜10であるが;但し、
(i)XおよびYが同時に−CH2−であることは無く;ならびに
(ii)aが1であり、L1が−CH2−である場合は、
(a)XおよびYが同時に−O−であることは無く;ならびに
(b)XおよびYが同時に−C(O)O−であることも無い。

0014

1つの実施形態において、Xは−(CH2)i−である。例えば、1つの実施形態において、Xは−CH2−であり、Yは−O−、−S−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−SC(O)N(Rc)−または−N(Rc)C(O)S−である。

0015

別の実施形態において、Xは−CH2−ではなく;Yは、−(CRaRb)i−、−C(O)−、−N(Rc)−、−C(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−N(Rc)C(O)N(Rc)−、−SC(O)N(Rc)−、または−N(Rc)C(O)S−である。

0016

1つの実施形態において、Z1は、−C(O)O−または−C(O)N(Rc)−である。

0017

1つの実施形態において、Xは、−N(Rc)−、−C(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−N(Rc)C(O)N(Rc)−、−SC(O)N(Rc)−、または−N(Rc)C(O)S−である。

0018

1つの実施形態において、Yは、−N(Rc)−、−C(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−N(Rc)C(O)N(Rc)−、−SC(O)N(Rc)−、または−N(Rc)C(O)S−である。

0019

1つの実施形態において、各AはL4である。例えば、1つの実施形態において、各AはL4であり、および各L4は独立して、−OCH2CH2−、−OCH2CH2CH2−、または−OCH2CH(CH3)−である。

0020

1つの実施形態において、R3はアルコキシ(例えば、メトキシ)である。

0021

1つの好ましい実施形態において、変数qおよびsはそれぞれ独立して、少なくとも1(すなわち、1、2、3、または4)である。

0022

さらなる実施形態において、bは、約1〜約500の範囲、例えば、約5〜約500、約10〜約500、約10〜約250、約25〜約100、約30〜約60または約40〜約50の範囲である。

0023

1つの実施形態において、式(I)の化合物の分子量は、約500g/mol〜約5,000g/molの間である。

0024

1つの実施形態において、R1およびR2のそれぞれは、独立して、C12〜C20アルキルまたはC12〜C20アルケニル基である。

0025

いくつかの実施形態において、R1およびR2のそれぞれは、独立して、C12〜C20アルキルまたはC12〜C20アルケニル基であり;Xは、−CH2−、−O−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−NHC(O)−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、または−NHC(O)NH−であり;Yは−O−、−S−、−OC(O)−、−NHC(O)−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−NHC(O)NH−、または−SC(O)NH−であり;aは1であり;L1は結合または−(CH2)i−であり、cは0であり;L3は−(CH2)i−であり;各Aは独立して、−L4−であり;各L4は独立して、−OCH2CH2−または−OCH2CH(CH3)−であり;およびR3は−ORcであり、ここでRcは−Hまたはアルキルである。

0026

1つの実施形態において、sは1、2、3または4である。別の実施形態において、qは1、2、3または4である。さらなる実施形態において、sおよびqはそれぞれ独立して、1、2、3または4である。

0027

別の態様において、本発明は、式(IA):



で表される化合物、またはその薬剤的に許容される塩に関し、
式中、
R1、R2、R3、R4、R4’、X、Y、L、aおよびbは、式(I)で定義される通りであり;
各Aは独立して、−L4−、−NH−(L4)q−(CRaRb)r−C(O)−または−C(O)−(CRaRb)r−(L4)q−NH−であり;ここで各qは独立して、1、2、3、または4であってもよく;および各rは、独立して、0、1、2、3、または4であり;ならびに
各L4は独立して、−(CRaRb)sO−または−O(CRaRb)s−であり;ここで各sは独立して、1、2、3、または4である。

0028

1つの実施形態において、式(I)の化合物は以下:



























およびその薬剤的に許容される塩から選択され;
式中、
nは、1〜1,000の整数であり;および
mは、1、2、3、4、5、または6である。

0029

さらなる実施形態において、nは、約1〜約500の範囲、例えば約5〜約500、約10〜約500、約10〜約250、約25〜約100、約30〜約60または約40〜約50の範囲である。

0030

別の態様において、脂質粒子は、式(I)または(IA)の化合物を含む。脂質粒子は、カチオン性脂質をさらに含むことができる。脂質粒子は、中性脂質およびステロールをさらに含むことができる。中性脂質は、DSPC、DPPC、POPC、DOPE、またはSMから選択することができる。カチオン性脂質は約20%および約60%のモル比で存在することができ;中性脂質は約5%〜約25%のモル比で存在することができ;ステロールは約25%〜約55%のモル比で存在することができ;および式(I)または(IA)の化合物は、約0.5%〜約15%のモル比で存在することができる。

0031

脂質粒子は、活性物質をさらに含むことができる。活性物質は、プラスミド、免疫賦活性オリゴヌクレオチド、siRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、マイクロRNA、アンタゴmir(antagomir)、アプタマー、およびリボザイムから成る群から選択される核酸であることができる。

0032

別の態様において、医薬組成物は、脂質粒子および薬剤的に許容される担体を含むことができる。

0033

別の態様において、細胞における標的遺伝子発現を調節する方法は、細胞に脂質粒子を提供することを含む。活性物質は、プラスミド、免疫賦活性オリゴヌクレオチド、siRNA、アンチセンスオリゴヌクレオチド、マイクロRNA、アンタゴmir(antagomir)、アプタマー、およびリボザイムからなる群から選択される核酸であることができる。

0034

別の態様において、対象における、ポリペプチド過剰発現を特徴とする疾患または障害を治療する方法は、前記対象に、活性物質がsiRNA、マイクロRNA、およびアンチセンスオリゴヌクレオチドから成る群から選択される核酸である、医薬組成物を提供することを含み、およびここで前記siRNA、マイクロRNA、またはアンチセンスオリゴヌクレオチドは、前記ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたはその相補鎖と特異的に結合するポリヌクレオチドを含む。

0035

別の態様において、対象における、ポリペプチドの低発現を特徴とする疾患または障害を治療する方法は、前記対象に、活性物質がポリペプチドまたは機能的変異体またはその断片をコードするプラスミドである、前記医薬組成物を提供することを含む。

0036

別の態様において、対象における免疫応答を誘発する方法は、前記対象に、活性物質が免疫賦活性オリゴヌクレオチドである、医薬組成物を提供することを含み、。

0037

標的遺伝子は、以下から成る群から選択することができる:第VII因子、Eg5、PCSK9、TPX2、アポリポタンパク質B、SAA、TTR、RSV、PDGFβ遺伝子、Erb−B遺伝子、Src遺伝子、CRK遺伝子、GRB2遺伝子、RAS遺伝子、MEKK遺伝子、JNK遺伝子、RAF遺伝子、Erk1/2遺伝子、PCNA(p21)遺伝子、MYB遺伝子、JUN遺伝子、FOS遺伝子、BCL−2遺伝子、サイクリンD遺伝子VEGF遺伝子、EGFR遺伝子、サイクリンA遺伝子、サイクリンE遺伝子、WNT−1遺伝子、βカテニン遺伝子、c−MET遺伝子PKC遺伝子、NFKB遺伝子、STAT3遺伝子、サバイビン遺伝子、Her2/Neu遺伝子、SORT1遺伝子、XBP1遺伝子、トポイソメラーゼI遺伝子、トポイソメラーゼIIα遺伝子、p73遺伝子、p21(WAF1/CIP1)遺伝子、p27(KIP1)遺伝子、PPM1D遺伝子、RAS遺伝子、カベオリンI遺伝子、MIBI遺伝子、MTAI遺伝子、M68遺伝子、腫瘍抑制因子遺伝子類、およびp53腫瘍抑制因子遺伝子。前記標的遺伝子は、1つまたは複数の突然変異を含むことができる。

0038

他の特徴および態様は、本明細書および特許請求の範囲から明白となるであろう。

0039

一般的に、式(I)または(IA)の化合物は、脂質、より具体的には凝集抑制脂質と見なされる。これらの脂質を、例えば核酸−脂質粒子組成物に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の組成物は、核酸の活性を高め、および/または組成物のインビボでの認容性を改善する。これらのことにより、これまでに記載されてきた脂質−核酸粒子組成物よりも、治療係数が大いに高まる可能性がある。

0040

ある実施形態では、siRNA分子を送達するための組成物について説明する。これらの組成物は、標的タンパク質のタンパク質レベルおよび/またはmRNAレベルの抑制に有効である。カチオン性脂質の有無やカチオン性脂質のモル比がこれら組成物の活性に影響を及ぼす可能性がある。

0041

脂質粒子および組成物を様々な目的で、例えば関連する治療薬またはカプセル化した治療薬を、インビトロおよびインビボ双方において細胞へ送達するために使用することができる。従って、それを必要とする対象の疾患または障害の治療方法には、対象を、好適な治療薬を伴う脂質粒子とを接触させることを含み得る。

0042

本明細書に記載したように、脂質粒子は核酸、例えば、siRNA分子やプラスミドの送達に特に有用である。そのため、細胞と、標的遺伝子の発現を低下させる核酸(例えば、siRNA)または所望のタンパク質の発現を高めるのに使用することができる核酸(例えば所望のタンパク質をコードしているプラスミド)を伴う脂質と接触させることにより、インビトロおよびインビボの両方において、標的遺伝子およびタンパク質の発現の調節に脂質粒子および組成物を使用することができる。

0043

脂質、脂質粒子およびそれらを含む組成物、ならびに治療薬の送達、および遺伝子およびタンパク質発現の調節におけるそれらの使用の様々な例となる実施形態を以下で詳細に説明する。

0044

ある条件では、脂質粒子は、電荷誘導性凝集を起こす可能性があり、そのような状態は望ましくない場合がある。そのため、凝集を低下させる化合物を、例えば形成時に粒子を立体的に安定化することによって凝集を低下させる化合物を脂質粒子に含めることが望まれる場合がある。立体的安定性は、化合物が、立体的にかさ高いが荷電していない遮蔽物部分を有する場合、または脂質粒子に含まれる荷電した部分が他の脂質粒子に接近するのを遮断する場合に生じ得る。そのような構成要素は単に凝集を防ぐだけでなく、血中での残存期間延長し、脂質−核酸組成物標的組織への送達を改善する可能性もある。

0045

粒子を立体的に安定化させる方法の一つには、粒子の外側に立体的にかさ高い基をもつ脂質を含む脂質を含めることが挙げられる。好適な立体的にかさ高い基としては、親水性ポリマー、例えばポリ(エチレングリコール)またはポリ(プロピレングリコール)などのポリ(オキシアルキレン)が挙げられる。そのようなかさ高い基を有する脂質は、凝集抑制脂質とも言うことができる。かさ高い基がポリ(エチレングリコール)の場合には、この脂質をポリ(エチレングリコール)−脂質複合体、ペグ化脂質、または単にペグ脂質と言うこともできる。

0046

一実施形態において凝集抑制脂質は、式(I)の化合物、

0047

またはその薬剤的に許容される塩であり、
式中、
R1およびR2はそれぞれ独立してC10〜C30の脂肪族基であり、ここで前記脂肪族基はRaからそれぞれ独立して選択される1つ以上の基によって置換されていてもよく;前記脂肪族基は、シクロアルキレン、−O−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−N(Rc)−、−C(O)N(Rc)−、またはN(Rc)C(O)−によって中断されていてもよく;
Xは−(CRaRb)i−、−O−、−S−、−C(O)−、−N(Rc)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−C(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−N(Rc)C(O)N(Rc)−、−SC(O)N(Rc)−、またはN(Rc)C(O)S−であり;
Yは−(CRaRb)i−、−O−、−S−、−C(O)−、−N(Rc)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−C(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−N(Rc)C(O)N(Rc)−、−SC(O)N(Rc)−、またはN(Rc)C(O)S−であり;
Lは−L1−Z1−(L2−Z2)c−L3−であり;
L1は結合、−(CR5R5’)i−、または(CR5R5’)i−(C(Ra)=C(Rb))k−(C≡C)k−(CRaRb)j−であり;
Z1は−O−、−S−、−N(Rc)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−N(Rc)C(O)−、−C(O)N(Rc)−、−N=C(Ra)−、−C(Ra)=N−、−O−N=C(Ra)−、またはO−N(Rc)−であり;
L2は−(CRaRb)p−または(CRaRb)j−(C(Ra)=C(Rb))k−(C≡C)k−(CRaRb)jであり;
Z2は−O−、−S−、−N(Rc)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)O−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−N(Rc)C(O)−、−C(O)N(Rc)−、−N=C(Ra)−、−C(Ra)=N−、−O−N=C(Ra)−、または−O−N(Rc)−であり;
L3は−(CRaRb)i−であり;
Aはそれぞれ独立して、−L4−、−NH−(L4)q−(CRaRb)r−C(O)−またはC(O)−(CRaRb)r−(L4)q−NH−であり;ここでqはそれぞれ0、1、2、3、または4であり;かつ、rはそれぞれ独立して0、1、2、3、または4であり;
L4はそれぞれ独立して−(CRaRb)sO−または−O(CRaRb)s−であり;ここでsはそれぞれ独立して0、1、2、3、または4であり;
R3は−H、−Rc、またはORcであり;
それぞれのR4およびR4’は独立して、−H、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、またはシクロアルコキシであり;
R5およびR5’はそれぞれ独立して−H、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはシクロアルキルであるか;
またはR4および1つのR5は一緒になって5〜8員のシクロアルキルまたは複素環を形成することができ;
Raはそれぞれ−H、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり;
Rbはそれぞれ独立して−H、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり;
Rcはそれぞれ、−H、アルキル、アシル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり;
aは0または1であり;
bは1〜1,000までの整数であり;
cは0または1であり;
iの発生はそれぞれ独立して1、2、3、4、5、または6であり;
jの発生はそれぞれ独立して0、1、2、または3であり;
kの発生はそれぞれ独立して0、1、2、または3であり;ならびに
pは1〜10であり;ただし、
XおよびYは同時に−CH2−ではなく;および
(ii)aが1、かつ、L1が−CH2−の場合には、
(a)XおよびYは同時に−O−ではなく;および
(b)XおよびYは同時に−C(O)O−ではない。

0048

一実施形態では、Xは−(CH2)i−である。例えば一実施形態では、Xは−CH2−であり、かつ、Yは−O−、−S−、−OC(O)−、−C(O)O−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−SC(O)N(Rc)−、またはN(Rc)C(O)S−である。

0049

別の実施形態では、Xは−CH2−はなく;かつ、Yは−(CRaRb)i−、−C(O)−、−N(Rc)−、−C(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−N(Rc)C(O)N(Rc)−、−SC(O)N(Rc)−、またはN(Rc)C(O)S−である。

0050

一実施形態では、Z1は−C(O)O−またはC(O)N(Rc)−である。

0051

一実施形態では、Xは−N(Rc)−、−C(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−N(Rc)C(O)N(Rc)−、−SC(O)N(Rc)−、またはN(Rc)C(O)S−である。

0052

一実施形態では、Yは−N(Rc)−、−C(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)−、−OC(O)N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、−N(Rc)C(O)N(Rc)−、−SC(O)N(Rc)−、またはN(Rc)C(O)S−である。

0053

一実施形態では、AはそれぞれL4であり、例えば、一実施形態ではAはそれぞれL4であり、かつ、L4はそれぞれ独立して−OCH2CH2−、−OCH2CH2CH2−、またはOCH2CH(CH3)−である。

0054

一実施形態では、R3はアルコキシ(例えば、メトキシ)である。

0055

さらなる実施形態では、bは約1〜約500までの範囲であり、例えば約5〜約500、約10〜約500、約10〜約250、約25〜約100、約30〜約60または約40〜約50である。

0056

一実施形態では、式(I)の化合物の分子量は約500g/モル〜約5,000g/モルである。

0057

一実施形態では、それぞれのR1およびR2は独立してC12〜C20のアルキルまたはC12〜C20のアルケニル基である。

0058

いくつかの実施形態では、それぞれのR1およびR2は独立してC12〜C20のアルキル基またはC12〜C20のアルケニル基であり;Xは−CH2−、−O−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(O)NH−、−NHC(O)−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、またはNHC(O)NH−であり;Yは−O−、−S−、−OC(O)−、−NHC(O)−、−OC(O)NH−、−NHC(O)O−、−NHC(O)NH−、またはSC(O)NH−であり;aは1であり;L1は結合または(CH2)i−、cは0であり;L3は−(CH2)i−であり;Aはそれぞれ独立して−L4−であり;L4はそれぞれ独立して−OCH2CH2−またはOCH2CH(CH3)−であり;およびR3は−ORcであり、ここでRcは−Hまたはアルキルである。

0059

一実施形態では、sは1、2、3または4である。別の実施形態では、rは1、2、3または4である。さらなる実施形態では、sおよびrはそれぞれ独立して1、2、3または4である。

0060

別の態様では、本発明は式(IA)の化合物、



またはその薬剤的に許容される塩に関し、
式中、
R1、R2、R3、R4、R4’、X、Y、L、aおよびbは上記式(I)で定義したものと同様であり;
Aはそれぞれ独立して−L4−、−NH−(L4)q−(CRaRb)r−C(O)−またはC(O)−(CRaRb)r−(L4)q−NH−であり;ここでqはそれぞれ独立して1、2、3、または4であり;かつ、rはそれぞれ独立して0、1、2、3、または4であり;および
L4はそれぞれ独立して−(CRaRb)sO−またはO(CRaRb)s−であり;ここでsはそれぞれ独立して1、2、3、または4の場合がある。

0061

一実施形態において、R4およびR5の1つが一緒になって5〜8員の複素環を形成している場合、この化合物は式(II)によって表され、



式中、Cyは5〜8員の複素環であり、かつ、R1、R2、R3、R4’、R5’、X、Y、A、Z1、Z2、L2、L3、bおよびcは上記式(I)で定義したものと同様である。

0062

式(I)および(IA)の化合物は複数の不斉炭素を含むことができ、それによって立体異性体が生じる可能性がある。化合物は、ラセミ混合物、1種の鏡像異性体の割合が過剰な混合物、および実質的に1種類の鏡像異性体(例えば、過剰鏡像率が95%以上、98%以上、または99%以上)などのいくつかの異なる立体異性体のいずれとなってもよい。複数の不斉炭素原子が存在する場合、ジアステレオ異性の形態をとることも可能であり、メソ化合物も同様に可能である。これらはいずれも様々な純度で含まれ得る。従って、式(I)の化合物は複数のジアステレオ異性体の混合物の形態であっても、或いは実質的に純粋な単一のジアステレオ異性体の形態であることができる。

0063

基R1およびR2はそれぞれ疎水性の場合がある。R1およびR2はそれぞれ脂肪族基であってよく;例えば、主に飽和しているまたは不飽和の炭素水素を含むが、芳香族環を含まない場合がある。R1およびR2は脂肪酸テールであってもよく;そのような基のいくつかにはオクタニルノナニル、デシルラウリルミリスチルパルミチルステアリル、α−リノレイルステアリドニル、リノレイル、γ−リノレニル、アラカドニル、オレイルなどが含まれる。他の疎水性テールもまた適している。

0064

脂肪族基であるR1およびR2は、シクロアルキレン、−O−、−S−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−N(Rc)−、−C(O)N(Rc)−、またはN(Rc)C(O)−によって分断されていてもよい。シクロアルキレンによって分断されている脂肪族基の一例には、



がある。

0065

基−(A)b−はポリマー基、すなわち、反復単位−A−からなる基であることができる。上述のように、いくつかの例では、Aはそれぞれ独立して−L4−であってよい。L4はそれぞれ独立して−(CRaRb)sO−またはO(CRaRb)s−であってよく;この場合、sはそれぞれ独立して0、1、2、3、または4であってよい。従っていくつかの実施形態では、基−(A)b−はポリオキシアルキレン、例えばポリ(エチレングリコール)またはポリ(プロピレングリコール)である。いくつかの例では、それぞれ独立して−NH−(L4)q−(CRaRb)r−C(O)−、またはC(O)−(CRaRb)r−(L4)q−NH−である。この場合、基−(A)b−はポリアミドであり、このポリアミドは、例えば全体は参照することにより組み込まれる、米国特許第6,320,017に記載されているポリアミドに関連する。例えば、基−(A)b−は、−[NH(CH2CH2O)4CH2C(O)]b−で表される構造をとることができる。

0066

基−(A)b−は共重合体、すなわち、2種類以上の異なる種類のポリマーの重合体であることができる。共重合体の構造は、ランダムブロック、グラフト、または他の構造であることができる。例えば、基−(A)b−は、例えば−(CH2CH2O)−単位と−(CH2CH(CH3)O)−単位のランダム共重合体であることができる。別の例では、基−(A)b−は、−(CH2CH2O)−単位と−NH−(L4)q−(CRaRb)r−C(O)−のブロック共重合体であることができる。

0067

いくつかの例では、基R3は、化合物がアルコキシ基、例えばメトキシで終わるように選択される。いくつかの例では、−(A)b−R3がメトキシPEG(mPEG)部分となるように選択される。bの値はmPEG部分の分子量に基づいて選択され得る。例えば、分子量が2,000の場合には、bはおよそ45に対応する。ポリマーがポリマー鎖長の差の分布として見られることが多いことから、所与調製法においてnの値は、bの値の分布となる場合がある。

0068

スキーム1は、aが1、Xが−CH2−、Yが−O−、L1が−CH2−であり、かつ、Z1が例えば、−O−、−OC(O)−、−OC(O)N(Rc)−、−OC(O)O−、−O−N=CH(Ra)−、またはO−N(Rc)−であり得る、式(I)および(IA)の化合物の合成経路を示す。

0069

簡単に説明すると、α−オレフィンジヒドロキシル化に供し、次いで末端ヒドロキシル基トリチル基で保護する。次いで、二級ヒドロキシル基を、アルキル化してR2基を負荷してもよい。脱保護した後、末端ヒドロキシル基は、−(A)b−R3部分を付加する、さらなる修飾に用いることができる。最終化合物のZ1の価は、−(A)b−R3部分を付加するのに選択した特定の変換法に依存する。一例ではあるが、Z1が−OC(O)NH−である最終化合物が得られる変換を、スキーム2で提供する。

0070

スキーム3に、式(I)および(IA)の化合物の合成経路を示す。この場合、aは1、Xは−CH2−、Yは−O−、L1は−CH2−であり、かつ、Z1は例えば、−N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、またはN(Rc)C(O)−となることができる。

0071

スキーム3では、α−オレフィンをエポキシ化に供した後、例えばNH4OHを使用して開環する。末端のアミン基を、例えばTf2N3で処理することでアジ化物に変換する。次いで二級アルコールをアルキル化する。アジ化物を還元(例えばLAHを用いて)すると、合成中間体が形成される。この中間体は、Z1が例えば、−N(Rc)−、−N(Rc)C(O)O−、またはN(Rc)C(O)−となり得る化合物を作成するのに有用である。最終化合物のZ1の価は、−(A)b−R3部分を付加するのに選択した特定の変換法に依存する。そのような例の1つをスキーム4に示す。

0072

同じ化合物を生成するための別の経路をスキーム5に示す。ここでは、スキーム1の最終ステップで生成された中間体を使用する。

0073

ある特定の化合物、すなわち、Xが−O−、−C(O)O−またはNHC(O)−であり;Yが−O−またはC(O)O−であり;ならびに、L1が結合であり、およびZ1が−C(O)NH−であるか、またはL1が−CH2−であり、Z1が−OC(O)−である化合物は、



の、例えばR−、S−またはラセミ体から調製することができる。

0074

ある特定の化合物、すなわち、Xが−C(O)NH−、Yが−C(O)NH−、L1が結合、およびZ1が−C(O)NH−またはC(O)O−である化合物は、



の、例えば、R−、S−またはラセミ体から調製することができる。

0075

ある特定の化合物、すなわち、Xが−C(O)O−またはNHC(O)−;Yが−C(O)NH−;L1が結合、かつ、Z1が−C(O)NH−であるか、或いはL1が−CH2−で、活、Z1が−OC(O)NH−またはOC(O)−の化合物は、セリン



の、例えば、R−、S−またはラセミ体から調製することができる。

0076

ある特定の化合物、すなわち、Xが−C(O)NH−またはNHC(O)−、Yが−C(O)O−、L1が結合、かつ、Z1が−C(O)NH−であるか、或いはL1が−CH2−で、かつ、Z1が−NHC(O)O−またはNHC(O)−の化合物は、イソセリン



の、例えば、R−、S−またはラセミ体から調製することができる。

0077

ある特定の化合物、すなわち、Xが−C(O)NH−、Yが−C(O)NH−、およびL1が−CH2−、かつ、Z1が−OC(O)NH−またはOC(O)−の化合物は、



の、例えばR−、S−またはラセミ体から調製することができる。

0078

ある特定の化合物、すなわち、Xが−O−またはC(O)O−、Yが−C(O)NH−、およびL1が−CH2−、かつ、Z1が−OC(O)NH−の化合物を、



の、例えば、R−、S−またはラセミ体から調製することができる。

0079

ある特定の化合物、すなわち、Xが−O−、Yが−O−、Z1が−O−、およびR4またはR5がメチルである化合物を、



の、例えば、R−、S−、またはラセミ体から調製することができる。

0080

X、Y、R4、R5、L1およびZ1の他の組み合わせを調製するための出発材料として使用することができる他の化合物としては、



が挙げられる。これらはそれぞれ、R−、S−、またはラセミ体であることができる。式(I)の化合物を調製するための出発材料としては、さらに別の化合物を使用することもできる。

0081

典型的な本発明の化合物のいくつかとしては、表1に挙げるものが含まれる。
























式中、
nは1〜1,000までの整数であり;および
mは1、2、3、4、5、または6である。

0082

さらなる実施形態では、nは約1〜約500の範囲、例えば約5〜約500、約10〜約500、約10〜約250、約25〜約100、約30〜約60または約40〜約50の範囲である。

0083

いくつかの実施形態では、PEG化脂質が、少なくとも1つのカチオン性脂質と併せて脂質粒子に使われる。

0084

カチオン性脂質
カチオン性脂質は、頭部基、1つ以上の疎水性テール、および頭部基と1つ以上のテールの間にあるリンカーなどの設計上の特定の特徴を有し得る。頭部基にはアミンが含まれ得る。ある特定の条件下では、アミン窒素が正に荷電される部位となり得る。例えばアミンが第一級第二級または第三級アミンの場合、アミンのpKaは特徴的ものとなる。言い換えると、そのアミンは水性媒体中において可逆的にプロトン化される。正電荷度合水性媒体のpKaおよびpHの関数である。アミンは第四級アミンであってもよく、この場合アミンは、純粋な形態でなかったとしても、水性媒体中または水性媒体のpHでは、正電荷を有する。

0085

脂質の構造、特に頭部基の性質はpKaに影響を及ぼす場合がある。そのような頭部基の性質には例えば、頭部基の有無、および官能基、例えばアニオン官能基水素結合供与官能基、水素結合受容基疎水性基(例えば脂肪族基)、親水性基(例えばヒドロキシルまたはメトキシ)またはアリール基の位置が挙げられる。頭部基アミンはカチオンアミンならびに第一級、第二級、第三級、または第四級アミンであってよく;頭部基は、アミン基を1つ(モノアミン)、アミン基を2つ(ジアミン)、アミン基を3つ(トリアミン)を含んでいても、または、オリゴアミン若しくはポリアミンとして、より多くのアミン基を含むことができる。頭部基には、アミンよりも弱い塩基性の官能基、例えば、イミダゾールピリジン、またはグアニジウム基が含まれ得る。頭部基は双性イオンであることができる。他の頭部基もまた、適している。

0086

複数の疎水性テールは2本の疎水性鎖を含む場合があり、これら2本の鎖は同じであってもまたは異なっていてもよい。テールは脂肪族であってもよく、例えばテールは、炭素と水素から成り得、飽和であっても不飽和であることができるが、芳香族環を含まない。テールは脂肪酸テールであってもよく、そのような基のいくつかには、オクタニル、ノナニル、デシル、ラウリル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、α−リノレイル、ステアリドニル、リノレイル、γ−リノレニル、アラカドニル、オレイルなどが含まれる。他の疎水性テールもまた適している。

0087

リンカーは例えば、グリセリドリンカー、非環式グリセリド類似体リンカーまたは環状のリンカー(スピロリンカー、二環式リンカー、および多環式リンカーなど)を含み得る。リンカーは、エーテルエステルリン酸ホスホン酸、ホスホロチオエート、スルホネートジスルフィドアセタールケタールイミンヒドラゾン、またはオキシムなどの官能基を含む場合がある。他のリンカーおよび官能基もまた適している。

0088

カチオン性脂質は、1つ以上の生分解性結合を含むことができる。生分解性結合は、生物学的な環境で、例えば、生物内で、器官内で、組織内で、細胞内で、またはオルガネラ中で、結合切断反応を受け得る。生分解性結合を含む官能基のいくつかとしては、エステル、ジチオール、およびオキシムがある。生分解性は、対象に化合物を投与した場合、その化合物の体からの排出に影響を及ぼす要因となり得る。生分解性は細胞を用いたアッセイによって測定することができ、このアッセイでは、カチオン性脂質を含む製剤を細胞に曝露し、試料を様々な時点で回収する。脂質画分を細胞から抽出し、分離し、その後LC−MSで解析する。LC−MSのデータから、生分解速度を(例えば、t1/2の値として)測定することもできる。

0089

多数のカチオン性脂質およびそれらの作成方法は、例えば、国際公開第2010/054401号、同第2010/054401号、同第2010/054405号、および同第2010/054384号、同第2009/086558号;および同第2008/042973号、ならびにこれらで参照されている出願、例えば米国仮特許出願第61/104,219(2008年10月9日出願);同第61/113,179号(2008年11月10日出願);同第61/154,350号(2009年2月20日出願);同第61/171,439号(2009年4月21日出願);同第61/175,770号(2009年5月5日出願);同第61/185,438号(2009年6月9日出願);同第61/225,898号(2009年7月15日出願);および同第61/234,098号(2009年8月14日出願)に記載されており、これらの文献はそれぞれ、参照することによりその全体が組み入れられる。例えば、国際公開第2010/054401号(2009年11月10日出願)の表1(16〜21ページ)を参照のこと。

0090

特定の実施形態では、脂質はカチオン性脂質である。本明細書で使用する場合、用語「カチオン性脂質」は、1つ若しくは2つの脂肪酸または脂肪族鎖と、生理学的なpHでプロトン化されてカチオン性脂質を形成することができるアミノ頭部基(アルキルアミノまたはジアルキルアミノ基を含む)を有する脂質を含むことを意図する。いくつかの実施形態では、カチオン性脂質は、「アミノ脂質」と呼ばれる。

0091

他のカチオン性脂質には、アルキル置換基が異なるもの(例えば、N−エチル−N−メチルアミノ−、N−プロピル−N−エチルアミノ−など)を含む、別の脂肪酸基や他のジアルキルアミノ基を有するものが含まれる得る。R1およびR2が両方とも長鎖アルキル、アルケニル、アルキニルまたはアシル基である実施形態の場合、それらは、同じであってもまたは異なっていてもよい。一般的には、より飽和度が低いアシル鎖を有する脂質(例えば、カチオン性脂質)は、特にろ過滅菌する目的で複合体を約0.3ミクロンより小さい大きさで分類する場合、より簡単に大きさ別に分類することができる。典型的なカチオン性脂質は、炭素鎖の長さがC10〜C20の範囲の不飽和脂肪酸である。他の骨格を使用して、アミノ基(例えば、カチオン性脂質のアミノ基)と、カチオン性脂質の脂肪酸または脂肪アルキル部分とを分離することもできる。適切な骨格は当業者に公知である。

0092

ある特定の実施形態では、カチオン性脂質は、少なくとも1つのプロトン化可能な基または脱プロトン化可能な基を有しており、そのため脂質は、生理学的なpH(例えば、pH7.4)以下では正に荷電され、第2のpHでは、好ましくは生理学的なpHまたはそれを超えるpHでは中性である。そのような脂質もカチオン性脂質と呼ばれる。無論、pHの関数としてのプロトンの付加または脱離は平衡過程であり、荷電脂質または中性脂質への言及は、支配的な種の性質を指し、脂質の全てが荷電形態または中性形態にあることを必要としないことが理解されるだろう。この脂質は複数のプロトン化可能な基または脱プロトン化可能な基を有する場合があるか、或いは双性イオンである。

0093

ある特定の実施形態では、プロトン化可能な脂質(すなわちカチオン性脂質)のプロトン化可能な基のpKaは、約4〜約11の範囲である。典型的には、脂質粒子に組み込まれた際の脂質のpKaは、約4〜約7、例えば約5〜7、約5.5〜6.8などになる。そのような脂質は、pHがより低い製剤段階ではカチオン性であるが、pH7.4付近の生理学的なpHでは、粒子の表面の大部分が(完全でないが)中性化される。pKaが約4〜7の範囲であることの利点の1つは、粒子の外表面に結合している少なくともある程度の核酸が、生理学的なpHではその静電的相互作用喪失し、簡単な透析により除去されること、従って、クリアランスに対する粒子の感受性が大幅に低減されることである。脂質粒子に含まれている脂質のpKaの測定は、例えば、Cullis et al., (1986) Chem Phys Lipids40, 127−144に記載されている方法に従って、蛍光プローブである2−(p−トルイジノ)−6−ナフタレンスルホン酸(TNS)を使用することにより実施することができる。

0094

特定の実施形態では、脂質は荷電脂質である。本明細書で使用する場合、「荷電脂質」という用語は、1つ若しくは2つの脂肪アシル鎖または脂肪アルキル鎖と第四級アミノ頭部基を有する脂質を含むことを意図する。第四級アミンは、持続的に正電荷を有する。頭部基は、生理学的なpHでプロトン化することができる第一級、第二級または第三級アミンなどのイオン化可能な基を含むことができる。第四級アミンが存在すると、イオン化可能な基のpKaは、第四級アミンを欠損している類似した構造の化合物(例えば、第四級アミンが第三級アミンに置き換えられている化合物)のpKaとは異なる場合がある。いくつかの実施形態では、荷電脂質は、「アミノ脂質」と呼ばれる。例えば、その全体が参照することにより組み入れられる、国際特許出願PCT/US10/59206号(2010年12月7日出願)を参照のこと。

0095

カチオン性脂質による実際の組織内蓄積および長期にわたる毒性(もしあれば)は、所定の製剤に単一のカチオン性脂質を含める代わりに、カチオン性脂質の混合物を選択することによって、好ましいように調整することができる。そのような混合物によって、カプセル化および/または薬剤放出の向上がもたらされ得る。カチオン性脂質を組み合わせることは、製剤中に単一のものを加える場合と比較して、全身安定性に影響を及ぼし得る。例えば、その全体が参照することにより組み入れられる、国際特許出願PCT/US10/61058号(2010年12月17出願)を参照のこと。

0096

例えば、脂質粒子に、例えば、国際公開第2009/086558号および米国仮特許出願第第61/104,219号(2008年10月9日出願)、(これらの全体はそれぞれ、参照することにより組み入れられる)に記載されているカチオン性脂質およびそのエステル類似体の混合物を含めることができる。別の例では、脂質粒子に、例えば、PCT/US10/22614号(2010年1月29日出願)に記載されている脂質Aと、例えば米国仮特許出願第61/175,770号(2009年5月5日出願)に記載されている式Vまたは式VIの脂質の脂質混合物を含めることができる。

0097

具体的に上述のものに加えて、生理学的pH付近で正味正電荷担持する他のカチオン性脂質も、本発明の脂質粒子に含めることができる。そのようなカチオン性脂質には、N,N−ジオレイル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(「DODAC」);N−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル−N,N−N−トリエチルアンモニウムクロリド(「DOTMA」);N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムブロミド(「DDAB」);N−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(「DOTAP」);1,2−ジオレイルオキシ−3−トリメチルアミノプロパンクロリド塩(「DOTAP.Cl」);3β−(N−(N’,N’−ジメチルアミノエタン)−カルバモイルコレステロール(「DC−コレステロール」)、N−(1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N−2−(スペルミンカルボキサミド)エチル)−N,N−ジメチルアンモニウムトリフルオルアセテート(「DOSPA」)、ジオクタデシルアミドグリシルカルボキシスペルミン(「DOGS」)、1,2−ジレオイル−sn−3−ホスホエタノールアミン(「DOPE」)、1,2−ジオレオイル−3−ジメチルアンモニウムプロパン(「DODAP」)、N、N−ジメチル−2,3−ジオレイルオキシ)プロピルアミン(「DODMA」)、およびN−(1,2−ジミリスチルオキシプロプ−3−イル)−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(「DMRIE」)が含まれるがこれらには限定されない。加えて、例えば、LIPOFECTIN(DOTMAやDOPEなど。GIBCO/BRL社から入手可能)、およびLIPOFECTAMINE(DOSPAおよびDOPEを含む。GIBCO/BRL社から入手可能)などの、多くの市販のカチオン性脂質調製物を使用することができる。特定の実施形態では、カチオン性脂質は、アミノ脂質である。

0098

脂質粒子
脂質粒子には、以下で詳細に説明する1種類以上のカチオン性脂質を含み得る。脂質粒子はさらに、第2のアミノ脂質またはカチオン性脂質、中性脂質、ステロール、および脂質粒子の凝集を低下させるために選択される脂質、すなわち凝集抑制脂質、のうちの1つ以上が含まれ得る。脂質粒子はリポソームを含むがこれには限定されない。本明細書で使用する場合、リポソームとは、水性の内部を取り囲む脂質含有膜を有する構造である。リポソームは、1つ以上の脂質膜を有していてもよい。リポソームは単層のリポソーム(単層膜と呼ばれる)であっても多層のリポソーム(多重層膜と呼ばれる)であることができる。また、脂質粒子は、核酸と複合体化した際に、例えば、Felgner, Scientific Americanに記載されているような、DNA層の間に挟まれたカチオン性脂質二分子膜で構成されるリポプレックスであることができる。

0099

脂質粒子は、1つ以上のさらなる脂質および/またはコレステロールなどの他の成分をさらに含むことができる。脂質酸化を防止するためまたはリポソーム表面リガンドを結合させるためなどの様々な目的で、リポソーム組成物に他の脂質を含めてもよい。両親媒性、中性、カチオン性、およびアニオン性脂質を含む多数の脂質のいずれをも、本発明のリポソームに加えてもよい。そのような脂質は、単独で使用しても或いは組み合わせて使用してもよい。存在していてもよいさらなる脂質成分の具体例を以下に記載する。

0100

脂質粒子に存在していてもよいさらなる成分には、ポリアミドオリゴマーなどの二分子膜安定化成分(例えば米国特許第6,320,017号を参照のこと)、ペプチド、タンパク質、界面活性剤脂質誘導体、例えばホスファチジルエタノールアミンに結合されたPEGやセラミドに結合されたPEGなど(米国特許第5,885,613号を参照のこと)が含まれる。

0101

脂質粒子には、2種類以上のカチオン性脂質が含まれる場合がある。脂質は、異なる利点に寄与するように選択され得る。例えば、アミンのpKa、化学安定性血中半減期、組織内での半減期、実際の組織内蓄積または毒性などに関する特性が異なるカチオン性脂質が脂質粒子に使用され得る。具体的には、混合脂質粒子の特性が単一の脂質からできた単一脂質粒子の特性よりも望ましくなるように、カチオン性脂質を選択することができる。

0102

凝集抑制脂質
形成中の粒子の凝集抑制脂質の例としては、ポリエチレングリコール(PEG)修飾脂質モノシアロガングリオシドGm1、および例えば米国特許第6,320,017号に記載されているもののようなポリアミドオリゴマー(「PAO」)がある。PEG、Gm1またはATTAのような、製剤化している間の凝集を防ぐ、電荷のない、親水性の、立体障害部分を有する他の化合物も脂質に結合させることができる。ATTA−脂質は例えば、米国特許第6,320,017号に記載されており、PEG−脂質複合体は例えば、米国特許第5,820,873号、同第5,534,499号および同第5,885,613号に記載されており、これらはそれぞれ、その全体が参照することにより組み入れられる。通常、凝集を低下させるために選択される脂質成分の濃度は、(脂質のモル百分率で)約1〜15%である。凝集を低下させ、および/またはPEG部分を含む他の脂質については、例えば米国特許第7,803,397号および国際公開第2009/082607号に記載されており、これらはそれぞれ、その全体が参照することにより組み入れられる。

0103

PEG部分を脂質小胞の表面に固定するための様々な「アンカリング脂質部分を有すし得るPEG修飾脂質(または脂質−ポリオキシエチレン複合体)の具体例としては、PEG修飾ホスファチジルエタノールアミンおよびホスファチジン酸、参照することにより本明細書に組み入れられる米国特許第5,820,873号に記載されているPEG−セラミド複合体(例えば、PEG−CerC14またはPEG−CerC20)、PEG修飾ジアルキルアミン、PEG修飾1,2−ジアシルオキシプロパン−3−アミン、PEG修飾ジアシルグリセロールおよびジアルキルグリセロールが挙げられる。

0104

立体的にかさ高い部分(例えば、PEGまたはATTA)が脂質アンカーに結合されている実施形態では、脂質アンカーの選択は、複合体が脂質粒子とどのような種類の結合を有することになるかによって決まる。mPEG(分子量:2000)−ジアステアロイルホスファチジルエタノールアミン(PEG−DSPE)は、粒子が血中から除去されるまで、おそらくは数日間、リポソームと結合し続けることがよく知られている。PEG−CerC20などの他の複合体も同様の滞留能をもつ。しかしながら、PEG−CerC14は、血清に暴露されると、製剤から速やかに排出され、いくつかのアッセイでは、T1/2は60分未満となる。

0105

米国特許第5,820,873号に示されているように、少なくとも3つの特徴、すなわち、アシル鎖の長さ、アシル鎖の飽和、および立体障害頭部基の大きさが交換速度に影響を与え得る。適したこれらの特色の変化を有する化合物が本発明に有用であり得る。治療用途のいくつかでは、PEG修飾脂質がインビボで核酸−脂質粒子から速やかに失われることが好ましい場合があり、従って、PEG修飾脂質が比較的短い脂質アンカーを保有することになる。他の治療用途では、核酸−脂質粒子の血漿中での持続期間がより長いことが好ましい場合があり、従って、PEG修飾脂質は比較的長い脂質アンカーを保有することになる。

0106

凝集を防ぐ化合物が適切に機能するためには、必ずしも脂質との結合を必要とするわけではないことに留意すべきである。凝集を防ぐには、溶液中に遊離しているPEGまたは遊離しているATTAで十分な場合がある。製剤化した後に粒子が安定である場合、対象に投与する前に透析して、PEGまたはATTAを除去してもよい。

0107

中性脂質およびステロール
中性脂質は、脂質粒子中に存在する場合、生理的pHで電荷のない形態、或いは中性の双性イオン形態として存在するいくつかの脂質種のいずれであることができる。このような脂質としては、例えば、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、セラミド、スフィンゴミエリンジヒドロスフィンゴミエリン、セファリン、およびセレブロシドが挙げられる。本明細書に記載の粒子中で使用される中性脂質の選択は、通常、例えば、リポソームの大きさや血流中のリポソームの安定性を考慮して判断される。好ましくは、中性脂質成分は、2つのアシル基を有する脂質(すなわち、ジアシルホスファチジルコリンやジアシルホスファチジルエタノールアミン)である。様々な鎖長および飽和度の種々のアシル鎖基を有する脂質が利用可能であるか、または周知の技術により単離若しくは合成することができる。一群の実施形態では、炭素鎖長がC10〜C20の範囲の飽和脂肪酸を含有する脂質が好ましい。別の群の実施形態では、炭素鎖長がC10〜C20の範囲の単不飽和脂肪酸または二不飽和脂肪酸を有する脂質を用いる。さらに、飽和脂肪酸鎖と不飽和脂肪酸鎖の混合物を含む脂質を用いることができる。好ましくは、使用される中性脂質は、DOPE、DSPC、POPC、DPPCまたは任意の関連したホスファチジルコリンである。有用な中性脂質はまた、スフィンゴミエリン、ジヒドロスフィンゴミエリン、または他の頭部基を有するリン脂質、例えば、セリンやイノシトールで構成されていてもよい。

0108

脂質混合物のステロール成分は、存在する場合、リポソーム、脂質小胞または脂質粒子調製の分野で従来使用されているステロールのうちのいずれであることもできる。好ましいステロールはコレステロールである。

0109

アニオン性脂質および両親媒性脂質
脂質粒子に使用するのに好適なアニオン性脂質には、これらには限定されないが、ホスファチジルグリセロールカルジオリピン、ジアシルホスファチジルセリン、ジアシルホスファチジン酸、N−ドデカノイホスファチジルエタノロアミン(N−dodecanoyl phosphatidylethanoloamine)、N−スクシニルホスファチジルエタノールアミン、N−グルタリルホスファチジルエタノールアミン、リシルホスファチジルグリセロール、および中性脂質に結合した他のアニオン性修飾基が含まれる。

0110

多くの実施形態では、両親媒性脂質が脂質粒子に含まれる。「両親媒性脂質」とは、脂質材料の疎水性部分が疎水性相に向けて配置され、親水性部分が水相に向けて配置されている任意の好適な物質を指す。そのような化合物には、これらには限定されないが、リン脂質、アミノ脂質、およびスフィンゴ脂質が含まれる。代表的なリン脂質には、スフィンゴミエリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、パルミトイルオレオイルホスファトルコリン(palmitoyloleoyl phosphatdylcholine)、リゾフォスファチジルコリン、リゾフォスファチジルエタノールアミンジパルミトイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、またはジリノレオイルホスファチジルコリンが含まれる。スフィンゴ脂質、スフィンゴ糖脂質ファミリー、ジアシルグリセロール、およびβ−アシルオキシ酸などの他のリン欠失化合物を使用することもできる。加えて、そのような両親媒性脂質は、トリグリセリドおよびステロールなどの他の脂質と、容易に混合することができる。

0111

融合促進脂質
プログラム可能な融合脂質もまた、脂質粒子に含めるのに適している。そのような脂質粒子は細胞膜と融合する傾向をほとんど示さず、また、所定のシグナル事象が生じるまで、それらのペイロードを送達する。そのため、脂質粒子は生物または疾患部位注入されるとより均一に分布し、その後、細胞との融合を開始することができる。シグナル事象は、例えば、pHの変化、温度、イオン環境、または時間である可能性がある。融合促進脂質は例えば、上述の式(I)の化合物であってよい。いくつかの例では、シグナル事象は例えば、細胞外環境と細胞内環境との間のpHの差、または細胞内環境とエンドソーム環境との間のpHの差のような、pHの差である場合がある。

0112

時間がシグナル事象である場合、ATTA−脂質複合体またはPEG−脂質複合体などの融合遅延成分または「外套(cloaking)」成分は、時間経過と共に単純に入れ替わって脂質粒子膜から外に出ていくことができる。脂質粒子は体内で適切に分布するまでに十分な被覆剤を失って、膜融合性になる。他のものをシグナル事象とする場合、炎症部位での温度上昇などの、疾患部位または標的細胞に関連するシグナルを選択することが望ましい。

0113

ある特定の実施形態では、細胞型または組織に特異的な標的指向性部分を使用して、脂質粒子を標的指向性にすることが望ましい。リガンド、細胞表面受容体糖タンパク質ビタミン(例えば、リボフラビン)、およびモノクローナル抗体などの様々な標的指向性部分を使用した脂質粒子の標的指向化に関しては、既に記載がある(例えば、その全体が参照することにより組み入れられる、米国特許第4,957,773号および同第4,603,044号を参照のこと)。標的指向性部分は、タンパク質全体またはその断片を含み得る。標的指向性の機序では、一般的に、標的指向性部分が標的、例えば細胞表面受容体と相互作用できるように、標的指向性物質が脂質粒子の表面に配置されていることが必要とされる。様々な標的指向性物質および標的指向化方法が当該分野において公知かつ利用可能であり、例えば、Sapra, P. and Allen, TM, Prog. Lipid Res. 42(5):439−62 (2003);およびAbra, RM et al., J. Liposome Res. 12:1−3, (2002)に記載されているものが挙げられる。

0114

標的指向化に、ポリエチレングリコール(PEG)鎖などの親水性ポリマー鎖で表面がコーティングされている脂質粒子、すなわちリポソームの使用が提唱されている(Allen, et al., Biochimica et Biophysica Acta 1237: 99−108 (1995);DeFrees, et al., Journal of the American Chemistry Society 118: 6101−6104 (1996);Blume, et al., Biochimica et Biophysica Acta 1149: 180−184 (1993);Klibanov, et al., Journal of Liposome Research 2: 321−334 (1992);米国特許第5,013556号;Zalipsky, Bioconjugate Chemistry 4: 296−299 (1993);Zalipsky, FEBSLetters 353: 71−74 (1994);Zalipsky, in Stealth Liposomes Chapter 9 (Lasic and Martin, Eds)CRCPress, Boca Raton Fl (1995))。1つの手法では、脂質粒子を標的指向化するためのリガンド、例えば抗体を、脂質粒子を形成する脂質の極性頭部基に結合させる。別の手法では、親水性ポリマーコーティングを形成しているPEG鎖遠位端部に、標的指向性リガンドを結合させる(Klibanov, et al., Journal of Liposome Research 2: 321−334 (1992);Kirpotin et al., FEBS Letters 388: 115−118 (1996))。

0115

標的指向性物質を結合させるには標準的な方法を使用することができる。例えば、標的指向性物質の結合を活性化することができるホスファチジルエタノールアミン、または脂質誘導体化ブレオマイシンなどの誘導体化親油性化合物を使用することができる。抗体標的化リポソームは、例えば、プロテインAが組み込まれているリポソームを使用して構築することができる(Renneisen, et al., J. Bio. Chem., 265:16337−16342 (1990)およびLeonetti, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. (USA), 87:2448−2451 (1990)を参照のこと)。抗体結合の他の例は、米国特許第6,027,726号に開示されており、それらの教示は、参照することにより本明細書に組み入れられる。標的指向性部分の例には、新生物または腫瘍に関連する抗原を含む細胞成分に特異的な他のタンパク質も含まれ得る。標的指向性部分として使用されるタンパク質は、共有結合によりリポソームに結合させることができる(Heath, Covalent Attachment of Proteins to Liposomes, 149 Methodsin Enzymology 111−119 (Academic Press, Inc. 1987)を参照のこと)。他の標的指向化法としては、ビオチンアビジン系が挙げられる。

0116

脂質粒子製剤
いくつかの実施形態では、脂質粒子は、カチオン性脂質と融合促進脂質の混合物を含む。脂質粒子はさらに、中性脂質、ステロール、凝集抑制脂質、またはこれらの組み合わせをさらに含む場合もある。例えば脂質粒子は、カチオン性脂質、融合促進脂質、および中性脂質を含むが、ステロール或いは凝集抑制脂質を含まない場合がある。脂質粒子がカチオン性脂質、融合促進脂質、および中性脂質を含むが、ステロール或いは凝集抑制脂質を含まない場合がある。脂質粒子がカチオン性脂質、融合促進脂質、および凝集抑制脂質を含むが、ステロール或いは中性脂質を含まない場合がある。脂質粒子がカチオン性脂質、融合促進脂質、ステロール、および中性脂質を含むが、凝集抑制脂質を含まない場合がある。脂質粒子がカチオン性脂質、融合促進脂質、ステロール、および凝集抑制脂質を含むが、中性脂質を含まない場合がある。脂質粒子がカチオン性脂質、融合促進脂質、中性脂質、および凝集抑制脂質を含むが、ステロールを含まない場合がある。脂質粒子がカチオン性脂質、融合促進脂質、ステロール、中性脂質、および凝集抑制脂質を含む場合がある。

0117

一つの例示となる実施形態において脂質粒子は、カチオン性脂質、融合促進脂質、中性脂質(カチオン性脂質以外)、ステロール(例えば、コレステロール)および凝集抑制脂質(例えば、式(I)の化合物、PEG−DMGまたはPEG−DMA)の混合物を含む。ある特定の実施形態において脂質混合物は、カチオン性脂質、融合促進脂質、中性脂質、コレステロール、および凝集抑制脂質からなるか、または本質的にそれらからなる。さらに好ましい実施形態では、脂質粒子は、モル比で、約20〜70%のカチオン性脂質:0.1〜50%の融合促進脂質:5〜45%の中性脂質:20〜55%のコレステロール:0.5〜15%の凝集抑制脂質の上述の脂質混合物を含む。いくつかの実施形態では、融合促進脂質は、0.1〜50%、0.5〜50%、1〜50%、5%〜45%、10%〜40%、または15%〜35%のモル比で含まれ得る。いくつかの実施形態では、融合促進脂質は、0.1〜50%、0.5〜50%、1〜50%、5%〜45%、10%〜40%、または15%〜35%のモル比で含まれ得る。いくつかの実施形態では、融合促進脂質は、0.1〜50%、10〜50%、20〜50%、または30〜50%のモル比で含まれ得る。いくつかの実施形態では、融合促進脂質は、0.1〜50%、0.5〜45%、1〜40%、1%〜35%、1%〜30%、または1%〜20%のモル比で含まれ得る。

0118

さらに好ましい実施形態では、脂質粒子は、モル比で、約20〜70%カチオン性脂質:0.1〜50%融合促進する脂質:5〜45%中性脂質:20〜55%コレステロール:0.5〜15%凝集抑制脂質の上述の脂質混合物からなるか、または本質的にそれらからなる。

0119

特定の実施形態では、脂質粒子は、カチオン性脂質、DSPC、コレステロール、および凝集抑制脂質の1種類以上の混合物を含むか、それらからなるか、或いは本質的にそれらからなる。例えば脂質粒子は、モル比が約20〜60%カチオン性脂質:0.1〜50%融合促進脂質:5〜25%DSPC:25〜55%コレステロール:0.5〜15%凝集抑制脂質の混合物を含むか、それらからなるか、或いは本質的にそれらからなる。特定の実施形態において、脂質のモル比(つまり、カチオン性脂質/DSPC/コレステロール/凝集抑制脂質のモル%)は、およそ40/10/40/10、35/15/40/10または52/13/30/5であり、この混合物をさらに、モル比が0.1〜50%、0.1〜50%、0.5〜50%、1〜50%、5%〜45%、10%〜40%、または15%〜35%の融合促進脂質と組み合わせる。言い換えれば、脂質/DSPC/コレステロール/凝集抑制脂質の40/10/40/10混合物とモル比が50%の融合促進ペプチドを組み合わせると、得られる脂質粒子の総モル比(カチオン性脂質/DSPC/コレステロール/凝集抑制脂質/融合促進ペプチドのモル%)は、20/5/20/5/50となり得る。別の群の実施形態では、これらの組成物に含まれる中性脂質、DSPCをPOPC、DPPC、DOPEまたはSMで置き換える。

0120

アポリポタンパク質
製剤は、アポリポタンパク質をさらに含むことができる。本明細書で使用する場合「アポリポタンパク質」または「リポタンパク質」という用語は、当業者に公知のアポリポタンパク質ならびにその変異体および断片、ならびに以下に記載するアポリポタンパク質アゴニスト、その類似体または断片を指す。

0121

好適なアポリポタンパク質には、これらには限定されないが、ApoA−I、ApoA−II、ApoA−IV、ApoA−V、およびApoE、ならびに活性多形型形態アイソフォーム、変異体、および突然変異体、ならびにそれらの断片または切断型形態が含まれる。ある特定の実施形態では、アポリポタンパク質は、チオール含有アポリポタンパク質である。「チオール含有アポリポタンパク質」は、少なくとも1つのシステイン残基を含有するアポリポタンパク質、変異体、断片、またはイソ型を指す。最も一般的なチオール含有アポリポタンパク質は、1つのシステイン残基を含有するApoA−I Milano(ApoA−IM)およびApoA−I Paris(ApoA−IP)である(Jia et al., 2002, Biochem. Biophys. Res. Comm. 297: 206−13;Bielicki and Oda, 2002, Biochemistry 41: 2089−96)。ApoA−II、ApoE2、およびApoE3もチオール含有アポリポタンパク質である。単離されたApoEおよび/またはその活性断片およびポリペプチド類似体(その組換え的に産生された形態を含む)は、米国特許第5,672,685号;同第5,525,472号;同第5,473,039号;同第5,182,364号;同第5,177,189号;同第5,168,045号;同第5,116,739号に記載されており、これらの開示は、参照することにより本明細書に組み入れられる。ApoE3は、Weisgraber, et al.,「Human E apoprotein heterogeneity: cysteine−arginine interchanges in the amino acid sequence of the apo−E isoforms,」J. Biol. Chem. (1981) 256: 9077−9083;およびRall, et al.,「Structural basis for receptor binding heterogeneity of apolipoprotein E from type III hyperlipoproteinemic subjects」 Proc. Nat. Acad. Sci. (1982) 79: 4696−4700に開示されている。GenBank受入番号K00396も参照されたい。

0122

ある特定の実施形態では、アポリポタンパク質はその成熟形態であっても、そのプレプロアポリポタンパク質形態であることも、またはそのプロアポリポタンパク質形態であることができる。プロApoA−Iおよび成熟ApoA−I(可能な場合)のホモダイマーおよびヘテロダイマー(Duverger et al., 1996, Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 16(12):1424−29)、ApoA−I Milano(Klon et al. , 2000, Biophys. J. 79:(3)1679−87;Franceschini et al., 1985, J. Biol. Chem. 260: 1632−35)、ApoA−I Paris(Daum et al., 1999, J. Mol. Med. 77:614−22)、ApoA−II(Shelness et al., 1985, J. Biol. Chem. 260(14):8637−46; Shelness et al., 1984, J. Biol. Chem. 259(15):9929−35)、ApoA−IV(Duverger et al., 1991, Euro. J. Biochem. 201(2):373−83)、およびApoE(McLean et al., 1983, J. Biol. Chem. 258(14):8993−9000)も使用することができる。

0123

ある特定の実施形態においてアポリポタンパク質は、アポリポタンパク質の断片、変異体、またはイソ型であることができる。「断片」という用語は、天然のアポリポタンパク質のアミノ酸配列よりも短いアミノ酸配列を有し、かつ、脂質結合特性を含む天然のアポリポタンパク質の活性を保持している、いずれものアポリポタンパク質を指す。「変異体」とは、アポリポタンパク質のアミノ酸配列に含まれる置換または変更を意味し、そのような置換または変更、例えばアミノ酸残基の付加および欠失は、脂質結合特性を含む天然のアポリポタンパク質の活性を消失させない。従って変異体は、1つ以上のアミノ酸残基が化学的に類似しているアミノ酸と保存的に置換された、本明細書で提供される天然アポリポタンパク質と実質的に同一のアミノ酸配列を有するタンパク質またはペプチドを含み得る。保存的置換の例には、イソロイシンバリンロイシン、またはメチオニンなどの少なくとも1つの疎水性残基をそのうちの別の残基に置換することが含まれる。同様に、例えば、アルギニンリジン間、グルタミンアスパラギン間、およびグリシンとセリン間などの、少なくとも1つの親水性残基間の置換も保存的置換である(米国特許第6,004,925号、同第6,037,323号、および同第6,046,166号を参照のこと)。「イソ型」という用語は、同じ機能、より大きな機能、または部分的な機能、および類似した配列、同一の配列、または部分的な配列を有するタンパク質を指し、同じ遺伝子の産物であってもなくてもよく、かつ、通常は組織特異的である(Weisgraber 1990, J. Lipid Res. 31(8):1503−11;Hixson and Powers 1991, J. Lipid Res. 32(9):1529−35;Lackner et al., 1985, J. Biol. Chem. 260(2):703−6;Hoeg et al., 1986, J. Biol. Chem. 261(9):3911−4;Gordon et al., 1984, J. Biol. Chem. 259(1):468−74;Powell et al., 1987, Cell 50(6):831−40;Aviram et al., 1998, Arterioscler. Thromb. Vase. Biol. 18(10):1617−24;Aviram et al., 1998, J. Clin. Invest. 101(8):1581−90;Billecke et al., 2000, Drug Metab. Dispos. 28(11):1335−42;Draganov et al., 2000, J. Biol. Chem. 275(43):33435−42;Steinmetz and Utermann 1985, J. Biol. Chem. 260(4):2258−64;Widler et al., 1980, J. Biol. Chem. 255(21):10464−71;Dyer et al., 1995, J. Lipid Res. 36(1):80−8; Sacre et al., 2003, FEBSLett. 540(1−3):181−7;Weers, et al., 2003, Biophys. Chem. 100(1−3):481−92;Gong et al., 2002, J. Biol. Chem. 277(33):29919−26;Ohta et al., 1984, J. Biol. Chem. 259(23):14888−93、および米国特許第6,372,886号)。

0124

ある特定の実施形態において方法および組成物は、アポリポタンパク質のキメラ構築物の使用を含む。例えば、アポリポタンパク質のキメラ構築物は、虚血再灌流保護特性を有するアポリポタンパク質ドメインに結合している、高い脂質結合能を有するアポリポタンパク質ドメインで構成されていてもよい。アポリポタンパク質のキメラ構築物は、1つのアポリポタンパク質に含まれる別個の領域を含む構築物(つまり、相同性構築物)であってもよく、或いは、異なるアポリポタンパク質に含まれる別個の領域を含む構築物(つまり、異種性構築物)であることができる。キメラ構築物を含む組成物は、特定の特徴(例えば、脂質結合、受容体結合、酵素性、酵素活性化抗酸化特性、または酸化還元特性)を有するように設計されたアポリポタンパク質変異体またはセグメントであるセグメントを含む場合もある(Weisgraber 1990, J. Lipid Res. 31(8):1503−11;Hixson and Powers 1991, J. Lipid Res. 32(9):1529−35;Lackner et al., 1985, J. Biol. Chem. 260(2):703−6;Hoeg et al, 1986, J. Biol. Chem. 261(9):3911−4;Gordon et al., 1984, J. Biol. Chem. 259(1):468−74;Powell et al., 1987, Cell 50(6):831−40;Aviram et al., 1998, Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 18(10):1617−24;Aviram et al., 1998, J. Clin. Invest. 101(8):1581−90;Billecke et al., 2000, Drug Metab. Dispos. 28(11):1335−42;Draganov et al., 2000, J. Biol. Chem. 275(43):33435−42;Steinmetz and Utermann 1985, J. Biol. Chem. 260(4):2258−64;Widler et al., 1980, J. Biol. Chem. 255(21):10464−71;Dyer et al., 1995, J. Lipid Res. 36(1):80−8;Sorenson et al., 1999, Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol. 19(9):2214−25;Palgunachari 1996, Arterioscler. Throb. Vasc. Biol. 16(2):328−38:Thurberg et al., J. Biol. Chem. 271(11):6062−70;Dyer 1991, J. Biol. Chem. 266(23):150009−15;Hill 1998, J. Biol. Chem. 273(47):30979−84を参照のこと)。

0125

使用されるアポリポタンパク質には、組換え、合成、半合成、または精製されたアポリポタンパク質も含まれる。アポリポタンパク質またはその均等物を得るための方法は、当該分野で周知である。例えば、アポリポタンパク質は、例えば密度勾配遠心分離または免疫親和性クロマトグラフィーで血漿または天然産物から分離することができ、または合成的に、半合成的に、若しくは当業者に公知の組換えDNA技術を使用して生成することができる(例えば、Mulugeta et al., 1998, J. Chromatogr. 798(1−2): 83−90;Chung et al., 1980, J. Lipid Res. 21(3):284−91;Cheung et al., 1987, J. Lipid Res. 28(8):913−29;Persson, et al., 1998, J. Chromatogr. 711:97−109;米国特許第5,059,528号、同第5,834,596号、同第5,876,968号、および同第5,721,114号;ならびに国際公開第86/04920号および国際公開第87/02062号を参照のこと)。

0126

アポリポタンパク質には、ApoA−I、ApoA−I Milano(ApoA−IM)、ApoA−I Paris(ApoA−IP)、ApoA−II、ApoA−IV、およびApoEの活性を模倣するペプチドおよびペプチド類似体などのアポリポタンパク質アゴニストがさらに含まれる。例えば、アポリポタンパク質は、米国特許第6,004,925号、同第6,037,323号、同第6,046,166号、および同第5,840,688号に記載されているもののいずれであってもよく、それらの内容は、参照することによりその全体が本明細書に組み入れられる。

0127

アポリポタンパク質アゴニストペプチドまたはペプチド類似体は、当該分野で知られているペプチド合成技術のいずれかを使用して、合成または製造することができる。そのような技術としては例えば、米国特許第6,004,925号、同第6,037,323号、および同第6,046,166号に記載されているものが挙げられる。例えば、Merrifield(1963, J. Am. Chem. Soc. 85:2149−2154)によって最初に記載された固相合成技術を使用して、ペプチドを調製することができる。他のペプチド合成技術は、Bodanszky et al., Peptide Synthesis, John Wiley & Sons,第2版 (1976)、および当業者が容易に入手可能な他の文献に見ることができる。ポリペプチド合成技術の概要は、Stuart and Young, Solid Phase Peptide. Synthesis, Pierce Chemical Company, Rockford, Ill., (1984)に見ることができる。ペプチドは、The Proteins, Vol. II。第三版、 Neurath et. al., Eds., p. 105−237, Academic Press, New York, N.Y. (1976)に記載されているような溶液法で合成することもできる。様々なペプチド合成法で使用するのに適した保護基は、前述の文献ならびにMcOmie, Protective Groups in Organic Chemistry, Plenum Press, New York, N.Y. (1973)に記載されている。ペプチドは、より大きな部分から、例えばアポリポタンパク質A−Iのより大きな部分から、化学的にまたは酵素的に切断することで調製することもできる。

0128

ある特定の実施形態では、アポリポタンパク質はアポリポタンパク質の混合物であることができる。一実施形態では、アポリポタンパク質は同種の混合物、すなわち単一の型のアポリポタンパク質であることができる。別の実施形態では、アポリポタンパク質は、異種のアポリポタンパク質の混合物、すなわち2種類以上の異なるアポリポタンパク質の混合物であることができる。異種のアポリポタンパク質の混合物の実施形態には、例えば、動物供給源由来するアポリポタンパク質と半合成的供給源に由来するアポリポタンパク質の混合物が含まれ得る。ある特定の実施形態では、異種混合物は例えば、ApoA−IとApoA−I Milanoの混合物を含み得る。ある特定の実施形態では、異種性混合物は例えば、ApoA−I MilanoとApoA−I Parisの混合物を含み得る。本明細書に記載の方法および組成物に使用するのに適した混合物は、当業者には明かである。

0129

アポリポタンパク質を天然の供給源から得る場合、アポリポタンパク質は、植物または動物の供給源から得ることができる。アポリポタンパク質を動物供給源から得る場合、アポリポタンパク質は、いずれの種に由来するものであることもできる。ある特定の実施形態では、アポリポタンパク質を動物供給源から得ることができる。ある特定の実施形態では、アポリポタンパク質をヒト供給源から得ることができる。好ましい実施形態では、アポリポタンパク質は、アポリポタンパク質を投与する個体と同じ種に由来するものである。

0130

治療薬−脂質粒子組成物および製剤
脂質粒子と活性物質を含み、活性物質が脂質粒子と結合している組成物を提供する。特定の実施形態では、活性物質は治療薬である。特定の実施形態では、活性物質は脂質粒子の水性内部に封入されている。他の実施形態では、活性物質は脂質粒子の脂質層の1つ以上に存在する。他の実施形態では、活性物質は、脂質粒子の脂質表面の外側または内側に結合している。

0131

本明細書で使用する場合「完全封入」とは、粒子中の核酸が、血清または遊離核酸を著しく分解するであろうヌクレアーゼアッセイに曝露された後でも、著しくは分解されないことを示す。完全封入した系では、通常は遊離核酸を100%分解する処理によって、好ましくは粒子核酸の25%未満が、より好ましくは粒子核酸の10%未満が、最も好ましくは粒子核酸の5%未満しか分解されない。あるいは、完全封入化は、Oligreen(登録商標)アッセイにより決定することができる。Oligreen(登録商標)は、溶液中のオリゴヌクレオチドおよび一本鎖DNAを定量するための超高感度蛍光核酸染色法である(Invitrogen Corporation社、カールバッドカリフォルニア州から入手可能)。完全封入化は、粒子が血清安定性であること、すなわちインビボ投与時にそれらの構成成分へと急速には分解しないことも示唆する。

0132

本明細書で使用する場合、活性物質には、細胞、組織、器官、または対象に所望の効果を及ぼすことができる分子または化合物のいずれもが含まれる。そのような効果は、例えば、生物学的であっても、生理学的であっても、または美容的であることができる。活性物質は、いずれの型の分子または化合物であってもよく、それらには例えば、核酸、ペプチド、およびポリペプチドが含まれ、例えば、それらには、例えばポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、抗体断片などの抗体;ヒト化抗体組換え抗体組換えヒト抗体、およびPrimatized(商標)抗体、サイトカイン成長因子アポトーシス因子分化誘導因子、細胞表面受容体およびそのリガンド;ホルモン;および有機小分子または化合物を含む小分子が含まれる。

0133

一実施形態において活性物質は、治療薬またはその塩若しくは誘導体である。治療薬誘導体は、それら自体が治療効果をもつものであってもよく、またはさらに修飾された際に活性となるプロドラッグであることができる。従って治療薬誘導体は、一実施形態では修飾されていない薬剤と比較して、多少の或いは全ての治療活性を保持するが、別の実施形態では、治療薬誘導体は治療活性を欠如する。

0134

様々な実施形態において治療薬には、抗炎症性化合物抗うつ薬刺激剤鎮痛薬抗生物質避妊薬解熱薬血管拡張薬抗血管新生薬、細胞血管薬(cytovascular agent)、シグナル伝達阻害剤心血管薬、例えば抗不整脈薬血管収縮薬、ホルモン、およびステロイドなどの、治療上有効な任意の薬剤または薬物が含まれる。

0135

ある特定の実施形態において治療薬は、抗腫瘍薬抗癌薬腫瘍薬、または抗悪性腫瘍薬などとも呼ばれる腫瘍学的な薬物である。使用することができる腫瘍学的薬物の例としては、アドリアマイシンアルケラン、アロプリノール、アルトレタミンアミホスチンアナストロゾール、araC、三酸化二砒素アザチオプリンベキサロテン、biCNU、ブレオマイシン、静脈ブスルファン、経口ブスルファン、カペシタビン(Xeloda)、カルボプラチンカルマスティン、CCNU、セレコキシブクロラムブシルシスプラチンクラドリビンサイクロスポリンAシタラビン、サイトシンアラビノサイドダウノルビシンシトキサン、ダウノルビシン、デキサメタゾンデクスラゾキサン、ドデタキセルドキソルビシン、ドキソルビシン、DTIC、エピルビシンエストラムスチンエトポシドホスフェート、エトポシドおよびVP−16、エキセメスタン、FK506、フルダラビンフルオロウラシル、5−FU、ゲムシタビンジェムザール)、ジェムツマブ−オゾガミシン酢酸ゴセレリンハイドレアヒドロキシ尿素イダルビシンイホスファミドメシル酸イマチニブインターフェロンイリノテカンカンプトスター(Camptostar)、CPT−111)、レトロゾールロイコボリン、ロイスタチン、ロイプロリドレバミソール、リトレチノインメガストロール(megastrol)、メルファラン、L−PAM、メスナメトトレキサートメトキサレンミトラマイシンミトマイシン、ミトキサントロンナイトロジェンマスタードパクリタキセルパミドロネート、ペガデマーゼ、ペントスタチンポルフィマーナトリウムプレドニゾンリツキサンストレプトゾシン、STI−571、タモキシフェンタキソテール、テモゾロルアミド(temozolamide)、テニポシド、VM−26、トポテカンハイカムチン)、トレミフェン、トレチノイン、ATRA、バルルビシン、ベルバンビンブラスチンビンクリスチン、VP16、およびビノレルビンが挙げられるが、これらには限定されない。使用することができる腫瘍学的薬物の他の例には、エリプチシンおよびエリプチシン類似体または誘導体、エポチロン、細胞内キナーゼ阻害剤、ならびにカンプトテシンが含まれる。

0136

核酸−脂質粒子
ある特定の実施形態では、脂質粒子は核酸と結合し、核酸−脂質粒子を生じる。特定の実施形態では、核酸は、脂質粒子に完全に封入されている。本明細書で使用する場合「核酸」という用語は、任意のオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドを含むことを意味する。50個までのヌクレオチドを含有する断片は一般的にオリゴヌクレオチドと呼ばれ、より長い断片はポリヌクレオチドと呼ばれる。特定の実施形態においてオリゴヌクレオチドは、15〜50個の長さのヌクレオチドである。

0137

「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」という用語は、天然に存在する塩基、糖、および糖間(骨格)結合からなるヌクレオチドまたはヌクレオシドモノマーのポリマーまたはオリゴマーを指す。「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」という用語は、同じように機能する天然に存在しないモノマーまたはその部分を含むポリマーまたはオリゴマーも指す。そのような修飾されたまたは置換されたオリゴヌクレオチドは、例えば、細胞取り込みが高いおよびヌクレアーゼの存在下での安定性が高いなどの特性があるため、天然の形態より好ましいことが多い。

0138

脂質−核酸粒子中に存在する核酸は、既知のいかなる形態の核酸も含む。本明細書で使用される核酸は、一本鎖DNA若しくはRNA、または二本鎖DNA若しくはRNA、またはDNA‐RNAハイブリッドであることができる。二本鎖DNAの例には、構造遺伝子、制御領域および終止領域を含む遺伝子、およびウイルスDNAまたはプラスミドDNAなどの自己複製系が含まれる。二本鎖RNAの例には、siRNAおよび他のRNA干渉試薬が含まれる。一本鎖核酸には、例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム、マイクロRNA、三重鎖形成オリゴヌクレオチドが含まれる。脂質−核酸粒子中に存在する核酸は、以下に記載するオリゴヌクレオチド修飾の1つ以上を含み得る。

0139

核酸の長さは様々であってよいが、一般的には、核酸の特定の形態に依存する。例えば、特定の実施形態では、プラスミドまたは遺伝子は、約1,000〜100,000個の長さのヌクレオチド残基であり得る。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、約10〜100個の範囲の長さのヌクレオチドであり得る。種々の関連実施形態する実施形態では、一本鎖、二本鎖、三本鎖のオリゴヌクレオチドは、約10〜約50個のヌクレオチド、約20〜約50個のヌクレオチド、約15〜約30個のヌクレオチド、約20〜約30個の範囲の長さのヌクレオチドであり得る。

0140

特定の実施形態では、オリゴヌクレオチド(またはその鎖)は、標的ポリヌクレオチドと特異的にハイブリダイズするか、または標的ポリヌクレオチドに相補的である。「特異的にハイブリダイズ可能な」および「相補的な」という用語は、DNAまたはRNA標的とオリゴヌクレオチドとの間に安定で特異的な結合が生じるような、十分な度合いの相補性を示すために使用される。オリゴヌクレオチドは、特異的にハイブリダイズ可能なその標的核酸配列に100%相補的である必要はないことが理解される。オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドと標的との結合が標的分子の機能を妨害し、標的分子に由来する効果または発現の消失が生じる場合であって、かつ、特異的な結合が望まれる条件(すなわちインビボアッセイまたは治療の場合には生理学的条件下で、またはインビトロアッセイの場合にはアッセイが実施される条件)ではオリゴヌクレオチドと非標的配列との非特異的な結合が回避されるように十分な程度の相補性がある場合に、特異的にハイブリダイズ可能である。従って他の実施形態では、このオリゴヌクレオチドは、それが標的とするかまたはそれが特異的にハイブリダイズする遺伝子またはmRNA配列の領域と比較して、1つ、2つまたは3つの塩基置換、例えばミスマッチを含む。

0141

RNA干渉核酸
特定の実施形態では、核酸−脂質粒子は、RNA干渉(RNAi)分子と結合している。RNAi分子を用いたRNA干渉法は、目的の遺伝子またはポリヌクレオチドの発現を妨害するために使用することができる。低分子干渉RNA(siRNA)は、本質的に、開発中の次世代標的オリゴヌクレオチド薬として、アンチセンスODNおよびリボザイムに取って代わっている。

0142

siRNAは、RNAi誘導サイレンシング複合体(RISC)として知られている細胞質多タンパク質複合体と結合することができる、通常16〜30個の長さのヌクレオチドのRNA二本鎖である。siRNAを含むRISCは、相同なmRNA転写産物の分解を仲介する。そのため、タンパク質発現を高い特異性でノックダウンするように、siRNAを設計することができる。他のアンチセンスの技術とは異なり、siRNAは、非コードRNAによって遺伝子発現を制御するように進化した天然の機構を介して機能する。このことが、siRNAの活性が、インビトロおよびインビボで、アンチセンスODNまたはリボザイムのいずれよりも強力である理由であると一般的に考えられている。臨床に関連する標的を標的とするsiRNAを含む様々なRNAi試薬が現在、製剤開発の段階にあり、例えば、その全体が参照することにより組み入れられる、de Fougerolles, A. et al., Nature Reviews 6:443−453 (2007)に記載されている。

0143

最初に記載されたRNAi分子は、RNAセンス鎖およびRNAアンチセンス鎖の両方を含むRNA:RNAハイブリッドであったが、DNAセンス:RNAアンチセンスのハイブリッド、RNAセンス:DNAアンチセンスのハイブリッド、およびDNA:DNAハイブリッドがRNAiを仲介できることが、今では実証されている(Lamberton, J.S. and Christian, A.T., (2003) Molecular Biotechnology 24:111−119)。従って、これらの異なる型の二本鎖分子のいずれかを含むRNAi分子の使用が考えられる。加えて、RNAi分子を様々な形態で使用することおよび細胞に導入することができることが理解される。従って本明細書で使用する場合RNAi分子は、細胞でのRNAi応答を誘導可能なあらゆる分子を包含し、このようなRNAi分子には、2つの別々の鎖、つまりセンス鎖およびアンチセンス鎖を含む二本鎖オリゴヌクレオチド、例えば低分子干渉RNA(siRNA);非ヌクレオチジルリンカーにより共に結合された2つの別々の鎖を含む二本鎖オリゴヌクレオチド;二本鎖領域を形成する相補的配列ヘアピンループを含むオリゴヌクレオチド、例えばshRNAi分子;および単独でまたは別のポリヌクレオチドと組み合わせて二本鎖ポリヌクレオチドを形成可能な1つ以上のポリヌクレオチドを発現する発現ベクターが含まれるがこれらには限定されない。

0144

本明細書で使用する場合「一本鎖siRNA化合物」は、単一の分子で構成されているsiRNA化合物である。一本鎖siRNA化合物は、鎖内対合により形成された二本鎖領域を含んでいてもよく、例えば、ヘアピンまたはパンハンドル構造であり得る。一本鎖siRNA化合物は、標的分子のアンチセンスであり得る。

0145

一本鎖siRNA化合物は、RISCに入り込み、RISCが介在する標的mRNAの切断に関与することができるのに十分な長さであり得る。一本鎖siRNA化合物は、少なくとも14個の長さのヌクレオチドであり、他の実施形態では、少なくとも15、20、25、29、35、40または50個の長さのヌクレオチドである。ある特定の実施形態では、一本鎖siRNA化合物の長さは、200、100、または60個ヌクレオチド未満である。

0146

ヘアピンsiRNA化合物は、少なくとも17、18、19、29、21、22、23、24、若しくは25個のヌクレオチド対か、または17、18、19、29、21、22、23、24、若しくは25個のヌクレオチド対の二本鎖領域を有する。二本鎖領域の長さは、200、100、または50以下であり得る。ある特定の実施形態では、二本鎖領域の長さは、15〜30、17〜23、19〜23、および19〜21個のヌクレオチド対の範囲である。ヘアピンは、一本鎖の突出した領域または対合していない末端領域を有してもよい。ある特定の実施形態では、突出しているヌクレオチドの長さは2〜3個である。いくつかの実施形態では、突出はヘアピンのセンス側にあり、いくつかの実施形態では、ヘアピンのアンチセンス側にある。

0147

本明細書で使用する場合「二本鎖siRNA化合物」は、鎖間ハイブリダイゼーション二本鎖構造の領域を形成することができる、複数の、いくつかの例では2本の、鎖を含むsiRNA化合物である。

0148

二本鎖siRNA化合物のアンチセンス鎖は、少なくとも14、15、16、17、18、19、25、29、40、若しくは60個の長さのヌクレオチドであってもよく、または14、15、16、17、18、19、25、29、40、若しくは60個の長さのヌクレオチドであり得る。二本鎖siRNA化合物のアンチセンス鎖は、200、100、または50個以下の長さのヌクレオチドであり得る。ヌクレオチドの長さは、17〜25、19〜23、および19〜21個の範囲であり得る。本明細書で使用する場合「アンチセンス鎖」という用語は、標的分子、例えば標的RNAに十分相補的なsiRNA化合物の鎖を意味する。

0149

二本鎖siRNA化合物のセンス鎖は、少なくとも14、15、16、17、18、19、25、29、40、若しくは60個の長さのヌクレオチドであってもよく、または14、15、16、17、18、19、25、29、40、若しくは60個の長さのヌクレオチドであり得る。二本鎖siRNA化合物のセンス鎖は、200、100、または50個以下の長さのヌクレオチドであり得る。ヌクレオチドの長さは、17〜25、19〜23、および19〜21個の範囲であり得る。

0150

二本鎖siRNA化合物の二本鎖部分は、少なくとも14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、29、40、若しくは60個の長さのヌクレオチドであってよく、または14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、29、40、若しくは60個の長さのヌクレオチドであり得る。二本鎖siRNA化合物の二本鎖部分は、200、100、または50個以下の長さのヌクレオチドであり得る。ヌクレオチドの長さは、15〜30、17〜23、19〜23、および19〜21個の範囲であり得る。

0151

多くの実施形態では、siRNA化合物は十分に大きく、内生の分子、例えばダイサーによって切断されて、より小さなsiRNA化合物、例えばsiRNA薬剤を生成することができる。

0152

二本鎖siRNA化合物が分子の片方または両方の末端に一本鎖または未対合領域を含むように、センス鎖およびアンチセンス鎖を選択してもよい。従って二本鎖siRNA化合物は、対合して、例えば、1〜3個のヌクレオチドの5’突出または3’突出の一方または両方、或いは3’突出を含有する、センス鎖およびアンチセンス鎖を含み得る。突出は、一方の鎖が他方より長いことによる場合もあるし、或いは同じ長さの2本の鎖がずれている結果である場合もある。いくつかの実施形態は、少なくとも1つの3’突出を有する。一実施形態では、siRNA分子の両端が3’突出を有する。いくつかの実施形態では、突出しているヌクレオチドは2個である。

0153

ある特定の実施形態では、二本鎖領域の長さは、15〜30、または18、19、20、21、22、および23個のヌクレオチドの範囲にあり、例えば上で論じたssiRNA化合物の範囲内にある。ssiRNA化合物は、天然のダイサーによって長いdsiRNAからプロセシングされた産物と、長さおよび構造が類似している場合がある。ssiRNA化合物の2本の鎖が結合している、例えば共有結合で結合している実施形態も含まれる。必要な二本鎖領域および3’突出を提供するヘアピンまたは他の一本鎖構造も企図される。

0154

二本鎖siRNA化合物および一本鎖siRNA化合物を含む、本明細書に記載のsiRNA化合物は、標的RNA、例えばmRNA、例えばタンパク質をコードする遺伝子の転写産物のサイレンシングを仲介することができる。便宜上、そのようなmRNAは、本明細書ではサイレンシングされるmRNAとも呼ばれる。そのような遺伝子は、標的遺伝子とも呼ばれる。一般的に、サイレンシングされるRNAは、内生の遺伝子または病原体の遺伝子である。加えて、mRNA以外のRNA、例えばtRNAおよびウイルスRNAも標的とすることができる。

0155

本明細書で使用する場合、「RNAiを仲介する」という表現は、配列特異的に標的RNAをサイレンシングする能力を指す。理論により束縛されることは望まないが、サイレンシングでは、RNAi機構またはプロセシング、およびガイドRNA、例えば21〜23個のヌクレオチドのssiRNA化合物が使用されると考えられている。

0156

一実施形態では、siRNA化合物は、標的RNA、例えば標的mRNAに対して「十分に相補的」であり、そのためsiRNA化合物は、標的mRNAによりコードされているタンパク質の生産をサイレンシングする。別の実施形態では、siRNA化合物は、標的RNA、例えば標的RNAと「完全に相補的」であり、siRNA化合物はアニーリングする。例えば、完全に相補的な領域で、主にワトソンクリック塩基対で作られるハイブリッドを形成する。「十分に相補的」な標的RNAは、標的RNAと完全に相補的な内部領域(例えば、少なくとも10個のヌクレオチド)を含む場合がある。さらにある特定の実施形態では、siRNA化合物は、単一ヌクレオチドの相違を特異的に識別する。この場合、siRNA化合物は、その領域(例えば、7個以内のヌクレオチド)に完全な相補性が見られる場合にのみ、RNAiを仲介する。

0157

マイクロRNA
マイクロRNA(miRNA)は、動物および植物のゲノムDNAから転写されるがタンパク質には翻訳されない、高度に保存されたクラスの小さいRNA分子である。プロセシングされたmiRNAは、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)に組み込まれる約17〜25個のヌクレオチド(nt)の一本鎖のRNA分子であり、発生、細胞増殖、アポトーシス、および分化の重要な調節因子として特定されている。それらは、特定のmRNAの3’非翻訳領域に結合することにより、遺伝子発現の制御に関与していると考えられている。RISCは、翻訳阻害、転写産物の切断、またはその両方を介して遺伝子の発現を下方制御する。RISCは、広範囲真核生物の核における転写サイレンシングにも関与している。

0158

現在までに多数のmiRNA配列が特定されており、特定された配列の数は増え続けいている。それらの事例は、例えば、「miRBase: microRNA sequences, targets and gene nomenclature」 Griffiths−Jones S, Grocock RJ, van Dongen S, Bateman A, Enright AJ. NAR, 2006, 34, Database Issue, D140−D144;「The microRNA Registry」 Griffiths−Jones S. NAR, 2004, 32, Database Issue, D109−D111に見ることができ、また、http://microrna.sanger.ac.uk/sequences/にも見ることができる。

0159

アンチセンスオリゴヌクレオチド
一実施形態では、核酸は、標的ポリヌクレオチドに向けられるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。「アンチセンスオリゴヌクレオチド」または単に「アンチセンス」という用語は、標的ポリヌクレオチド配列に相補的なオリゴヌクレオチドを含むことを意味する。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、選択された配列、例えば標的遺伝子mRNAに相補的な一本鎖のDNAまたはRNAである。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、相補的mRNAと結合することにより遺伝子発現を阻害すると考えられている。相補的mRNAに結合してその翻訳を阻害するか、または標的mRNAの分解を誘導するかのいずれかによって、標的mRNAとの結合は遺伝子の発現を阻害することができる。アンチセンスDNAは、特定の相補的な(コードしているまたはコードしていない)RNAを標的とするために使用することができる。結合が生じると、酵素であるRNaseHがこのDNA/RNAハイブリッドを分解することができる。特定の実施形態では、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、約10〜約50個のヌクレオチド、より好ましくは約15〜約30個のヌクレオチドを含む。この用語は、所望の標的遺伝子に完全に相補的でない場合があるアンチセンスオリゴヌクレオチドも包含する。従って、アンチセンスとの標的特異的でない活性が見られる場合、または特定の使用に関して、アンチセンス配列が標的配列との1つ以上のミスマッチ含むことが最も好ましい場合も企図される。

0160

アンチセンスオリゴヌクレオチドは、タンパク質合成の有効な標的阻害剤であることが実証されている。従ってアンチセンスオリゴヌクレオチドを、標的遺伝子によるタンパク質合成の特異的阻害に使用することができる。タンパク質合成を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチドの効果は、十分に確立されている。例えば、ポリガラタウロナーゼ(polygalactauronase)および2型ムスカリンアセチルコリン受容体の合成は、それらそれぞれのmRNA配列に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドにより阻害される(米国特許第5,739,119号および米国特許第5,759,829号、これらは参照することにより組み入れられる)。さらに、アンチセンス阻害の例は、核タンパク質であるサイクリン、多剤耐性遺伝子(MDG1)、ICAM−1、E−セレクチン、STK−1、線条体GABAA受容体、およびヒトEGFで実証されている(Jaskulski et al. , Science. 1988 Jun 10;240(4858):1544−6;Vasanthakumar and Ahmed, Cancer Commun. 1989;1(4):225−32;Peris et al., Brain Res Mol Brain Res. 1998 Jun 15;57(2):310−20;米国特許第5,801,154号;米国特許第5,789,573号;米国特許第5,718,709号、および米国特許第5,610,288号)。さらに、様々な異常な細胞増殖(例えば癌)の阻害および治療にアンチセンス構築物を使用することができることも記載されている(米国特許第5,747,470号、米国特許第5,591,317号、および米国特許第5,783,683号、これらはそれぞれ、参照することにより組み入れられる)。

0161

アンチセンスオリゴヌクレオチドの製造方法は、当該分野で公知であり、任意のポリヌクレオチド配列を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドを製造するために容易に適合することができる。所定の標的配列に特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチドの選択は、選択された標的配列や二次構造の決定、Tm、結合エネルギー、および相対的な安定性の分析に基づく。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、宿主細胞中での標的mRNAとの特異的な結合を低減または阻害することになる二量体、ヘアピン、または他の二次構造を形成しないそれらの相対的能力に基づいて選択することができる。特に好ましいmRNAの標的部位は、AUG翻訳開始コドンの領域またはその付近の領域、およびmRNAの5’領域に対して実質的に相補的な配列を含む。これらの二次構造の分析および標的部位の選択に関する判断は、例えば、OLIGOプライマー分析ソフトウェア(Molecular Biology Insights社製)のv.4、および/またはBLASTN 2.0.5アルゴリズムソフトウェア(Altschul et al., Nucleic AcidsRes. 1997, 25(17):3389−402)を使用して実施することができる。

0162

アンタゴmir
アンタゴmirは、RNAse保護、ならびに組織および細胞取り込みの増強などの薬理学的特性に関する種々の修飾を内包するRNA様オリゴヌクレオチドである。アンタゴmirは、例えば、糖の完全な2’−O−メチル化、ホスホロチオアート骨格、および例えば3’末端のコレステロール部分により、通常のRNAと区別される。アンタゴmirは、アンタゴmirと内生miRNAを含む二本鎖を形成することで内生miRNAを効率的にサイレンシングし、それによってmiRNA誘導性遺伝子サイレンシングを防止するために使用することができる。アンタゴmir介在性miRNAサイレンシングの一例としてはmiR−122のサイレンシングがあり、参照することによりその全体が具体的に本明細書に組み入れられる、Krutzfeldt et al, Nature, 2005, 438: 685−689に記載されている。アンタゴmir RNAは、標準的な固相オリゴヌクレオチド合成の手順で合成することができる。米国特許出願第2007/0123482号、および米国特許出願第2007/0213292号を参照のこと(これらそれぞれの開示は、参照することにより本明細書に組み入れられる)。

0163

アンタゴmirは、オリゴヌクレオチド合成用のリガンド結合モノマーサブユニットおよびモノマーを含むことができる。モノマーの例は、米国特許出願第2005/0107325号に記載されており、その全体は参照することにより組み入れられる。アンタゴmirは、国際公開第2004/080406号(その全体は参照することにより組み入れられる)に記載されているものなどの、ZXY構造を有することができる。アンタゴmirは、両親媒性部分と複合体を形成することができる。オリゴヌクレオチド薬と共に使用する両親媒性部分の例は、国際公開第2004/080406号に記載されており、その全体は参照することにより組み入れられる。

0164

アプタマー
アプタマーは、特定の目的の分子と高い親和性と高い特異性で結合する核酸またはペプチド分子である(Tuerk and Gold, Science 249:505 (1990);Ellington and Szostak, Nature 346:818 (1990)、これらそれぞれの全体は参照することにより組み入れられる)。大きいタンパク質から小さい有機分子までの多数の異なる物質に結合するDNAまたはRNAアプタマーの生成が成功している。これらそれぞれの全体は参照することにより組み入れられる、Eaton, Curr. Opin. Chem. Biol. 1:10−16 (1997)、Famulok, Curr. Opin. Struct. Biol. 9:324−9(1999)、およびHermann and Patel, Science 287:820−5 (2000)を参照のこと。アプタマーは、RNAに基づく物であってもDNAに基づくものであってもよく、リボスイッチを含み得る。リボスイッチは、小さい標的分子に直接結合することができ、標的との結合が遺伝子の活性に影響を及ぼすmRNA分子の一部分である。従って、リボスイッチを含有するmRNAは、標的分子が存在するかまたは存在しないかに応じて、それ自体の活性の制御に直接関与する。低分子、タンパク質、核酸などの様々な分子標的、ならびに細胞、組織、および生物にさえ結合するように、アプタマーは一般的に、インビトロで選抜を繰り返すこと、または同様にSELEX(systematic evolution of ligandsby eXponential enrichment)により操作される。アプタマーは、合成、組換え、および精製法を含む既知の方法のいずれによって調製してもよく、単独でまたは同じ標的に特異的な他のアプタマーと組み合わせて使用してもよい。

0165

本明細書により詳しく記載するように、「アプタマー」という用語はさらに、所定の標的に対する複数の既知のアプタマーを比較することで分かるコンセンサス配列を含む「第2のアプタマー」を特に含む。

0166

リボザイム
別の実施形態によれば、核酸−脂質粒子はリボザイムに結合している。リボザイムは、エンドヌクレアーゼ活性を有する特異的な触媒ドメインを有するRNA分子複合体である(Kim and Cech, Proc Natl Acad Sci U S A. 1987 Dec;84(24):8788−92;Forster and Symons, Cell. 1987 Apr 24;49(2):211−20)。例えば、多くのリボザイムは、高い特異性でリン酸エステル転移反応加速し、オリゴヌクレオチド基質に含まれるいくつかのリン酸エステルのうちの1つだけを切断することが多い(Cech et al., Cell. 1981 Dec;27(3 Pt 2):487−96;Michel and Westhof, J Mol Biol. 1990 Dec 5;216(3):585−610;Reinhold−Hurek and Shub, Nature. 1992 May 14;357(6374):173−6)。この特異性は、基質が、化学反応の前に、特異的な塩基対合相互作用によりリボザイムの内部ガイド配列(「IGS」)に結合する必要があることに起因している。

0167

天然生じる酵素活性をもつRNAとしては、現在のところ、少なくとも6種類の基本的な型があることが分かっている。これらはそれぞれ、生理学的条件下で、トランス位にあるRNAリン酸ジエステル結合加水分解触媒することができる(従って、他のRNA分子を切断することができる)。一般的に、酵素活性をもつ核酸は、まず標的RNAと結合することによって作用する。そのような結合は、標的RNAを切断するように作用する分子の酵素活性をもつ部分の近くに保持される酵素活性をもつ核酸の標的結合部分を介して生じる。したがって、酵素活性をもつ核酸は、相補的な塩基対合によって、まず標的RNAを認識し、次いで標的RNAと結合し、正しい部位に結合すると酵素活性を発揮して標的RNAを切断する。このような戦略的な標的RNAの切断によって、コードされたタンパク質の合成を指示する標的RNAの能力が破壊される。酵素活性をもつ核酸は、そのRNA標的と結合してRNA標的を切断した後、そのRNAから放出されて別の標的を探索し、新しい標的との結合および標的の切断を繰り返すことができる。

0168

酵素活性をもつ核酸分子は、例えば、ハンマーヘッド、ヘアピン、肝炎δウイルス、グループIイントロン、またはRNaseP RNA(RNAガイド配列と結合する)、またはニューロスポラVS RNAモチーフの形に形成され得る。ハンマーヘッドモチーフの具体例は、Rossi et al. Nucleic AcidsRes. 1992 Sep 11; 20 (17):4559−65に記載されている。ヘアピンモチーフの例は、Hampelら(欧州特許出願公開第0360257号)、Hampel and Tritz, Biochemistry 1989 Jun 13;28(12):4929−33;Hampel et al., Nucleic Acids Res. 1990 Jan 25;18(2):299−304;および米国特許第5,631,359号)に記載されている。肝炎δウイルスモチーフの例は、Perrotta and Been, Biochemistry. 1992 Dec 1;31(47):11843−52に記載されており;RNasePモチーフの例は、Guerrier−Takada et al., Cell. 1983 Dec;35(3 Pt 2):849−57に記載されており;ニューロスポラ VS RNAリボザイムモチーフは、Collins(Saville and Collins, Cell. 1990 May 18;61(4):685−96;Saville and Collins, Proc Natl Acad Sci U S A. 1991 Oct 1;88(19):8826−30;Collins and Olive, Biochemistry. 1993 Mar 23;32(11):2795−9)に記載されており;およびグループIイントロンの例は、米国特許第4,987,071号に記載されている。使用される酵素活性をもつ核酸分子の重要な特徴は、酵素性核酸分子が、標的遺伝子のDNAまたはRNA領域の1つ以上に相補的な特定の基質結合部位を有することと、その基質結合部位内にまたはその周囲に分子にRNA切断活性を与えるヌクレオチド配列を有するということである。従ってリボザイム構築物を、本明細書で言及した特定のモチーフに限定する必要はない。

0169

任意のポリヌクレオチド配列に対して標的化したリボザイムの製造方法は、当該分野で公知である。リボザイムは、各々が参照により本明細書に具体的に組み込まれる国際公開第93/23569号および国際公開第94/02595号(それぞれ参照することにより本明細書に組み入れられる)に記載されているように設計することができ、インビトロおよびインビボで試験するためにそれらに記載されているように合成することができる。

0170

リボザイム結合アームの長さを変更することによって、または血清リボヌクレアーゼによるそれらの分解を阻止する修飾を有するリボザイムを化学的に合成することによって(国際公開第92/07065号;国際公開第93/15187号;国際公開第91/03162号;欧州特許出願公開第92110298.4号;米国特許第5,334,711号;および国際公開第94/13688号、これらには、酵素活性をもつRNA分子の糖部分に行うことができる様々な化学修飾が記載されている)、細胞内でのそれらの効力を高める修飾によって、およびステムII塩基を取り除いてRNA合成時間を短縮し化学的な要求を減らすことによって、リボザイムの活性を最適化することができる。

0171

免疫賦活性オリゴヌクレオチド
脂質粒子に結合された核酸は、免疫賦活性であってもよく、それらには、対象に投与された際に免疫応答を誘導可能な免疫賦活性オリゴヌクレオチド(ISS;一本鎖または二本鎖)が含まれる。対象は哺乳動物であってもまたは他の患者であり得る。ISSには、例えば、ヘアピン型の二次構造を生じるパリンドローム(その全体が参照することにより組み入れられる、Yamamoto S., et al. (1992) J. Immunol. 148: 4072−4076を参照のこと)、またはCpGモチーフ、ならびに既知のISSの他の特徴(多重Gドメインなど。その全体が参照することにより組み入れられる、国際公開第96/11266号を参照のこと)が含まれる。

0172

免疫応答は、先天性の免疫応答であっても、或いは適応性の免疫応答であり得る。免疫系は、より先天性の免疫系と脊椎動物後天性適応免疫系に分類され、後者はさらに、体液性の細胞成分に分類される。特定の実施形態では、免疫応答は粘膜性であり得る。

0173

特定の実施形態では、免疫賦活性核酸は、脂質粒子と組み合わせて投与された場合にのみ免疫賦活性であり、その「遊離形態」で投与された場合は免疫賦活性ではない。そのようなオリゴヌクレオチドは、免疫賦活性であるとみなされる。

0174

免疫賦活性核酸は、免疫応答を惹起するために標的ポリヌクレオチドと特異的に結合して標的ポリヌクレオチドの発現を低減させることが必要とされない場合、配列特異的ではないとみなされる。従って、ある特定の免疫賦活性核酸は、天然に生じる遺伝子またはmRNAの領域に相当する配列を含む場合があるが、それらは、依然として配列特異的ではない免疫賦活性核酸であるとみなされる。

0175

一実施形態では、免疫賦活性核酸または免疫賦活性オリゴヌクレオチドは、CpGジヌクレオチドを少なくとも1つ含む。オリゴヌクレオチドまたはCpGジヌクレオチドは、メチル化されていなくても、またはメチル化されていてもよい。別の実施形態において免疫賦活性核酸は、メチル化されたシトシンを有する少なくとも1つのCpGジヌクレオチドを含む。一実施形態において核酸は、CpGジヌクレオチドを1つ含み、前記CpGジヌクレオチドに含まれているシトシンはメチル化されている。特定の実施形態では、核酸は、5’TAACGTTGAGGGGCAT3’の配列を含む。代替的な実施形態では、核酸は、少なくとも2つのCpGジヌクレオチドを含み、前記CpGジヌクレオチドに含まれているシトシンの少なくとも1つはメチル化されている。さらなる実施形態では、配列中に含まれているCpGジヌクレオチドのシトシンはそれぞれメチル化されている。別の実施形態では、核酸は、複数のCpGジヌクレオチドを含み、前記CpGジヌクレオチドの少なくとも1つは、メチル化されたシトシンを含む。

0176

特定の一実施形態では、核酸は、5’TTCCATGACGTTCCTGACGT3’の配列を含む。別の特定の実施形態では、核酸配列は、5’TCCATGACGTTCCTGACGT3’の配列を含み、太字で示す2つのシトシンがメチル化されている。特定の実施形態では、ODNは、以下に示すODN#1、ODN#2、ODN#3、ODN#4、ODN#5、ODN#6、ODN#7、ODN#8、およびODN#9からなるODNの群から選択される。
表2.免疫賦活性オリゴヌクレオチド(ODN)の例









「Z」はメチル化されたシトシン残基を表す。ODN14は15−merのオリゴヌクレオチドであり、ODN1はその5’末端にチミジンが1つ付加された同じオリゴヌクレオチドである。その結果、ODN1は16−merとなっている。ODN14とODN1の間の生物学的活性には違いは見られず、両方とも同様の免疫賦活化活性を示す(Mui et al.、2001)。

0177

好適なオリゴヌクレオチド(ODN)のさらなる特定の核酸配列は、その全体が参照することにより組み入れられる、Raney et al., Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, 298:1185−1192 (2001)に記載されている。ある特定の実施形態では、本発明の組成物および方法で使用されるODNは、リン酸ジエステル(「PO」)骨格またはホスホロチオアート(「PS」)骨格、および/またはCpGモチーフ中にある少なくとも1つのメチル化シトシン残基を有する。

0178

デコイオリゴヌクレオチド
転写因子は、周辺のゲノムDNAが存在しない場合でさえ、比較的短い結合配列を認識するため、特定の転写因子の保存された結合配列を保持する短鎖オリゴヌクレオチドを、生細胞での遺伝子発現を操作するためのツールとして使用することができる。この戦略には、そのような「デコイオリゴヌクレオチド」を細胞内に送達することが関与し、その後デコイオリゴヌクレオチドは、標的因子によって認識され、結合される。デコイが転写因子のDNA結合部位占有することによって、その後、転写因子は標的遺伝子のプロモーター領域に結合できなくなる。転写因子により活性化される遺伝子の発現を阻害するため、または転写因子の結合により抑制される遺伝子を上方制御するためのいずれの治療薬としても、デコイを使用することができる。デコイオリゴヌクレオチドの使用例は、Mann et al., J. Clin. Invest., 2000, 106: 1071−1075に見ることができ、これは、参照することによりその全体が明示的に本明細書に組み入れられる。

0179

スーパーmir
スーパーmirは、リボ核酸(RNA)またはデオキシリボ核酸(DNA)またはその両方またはその修飾体の、一本鎖、二本鎖、または部分的に二本鎖のオリゴマーまたはポリマーであり、miRNAと実質的に同一で、その標的のアンチセンスであるヌクレオチド配列を有するものである。この用語には、天然に生じる核酸塩基、糖、および共有結合のヌクレオシド(骨格)間結合で構成されており、同様に機能する少なくとも1つの天然に生じない部分を含むオリゴヌクレオチドが含まれる。そのような修飾されたまたは置換されたオリゴヌクレオチドは、例えば、細胞取り込みの向上、核酸標的に対する親和性の増強、およびヌクレアーゼの存在下における安定性の増加などの望ましい特性をもつため、天然形態より好ましい。好ましい実施形態では、スーパーmirは、センス鎖を含んでおらず、別の好ましい実施形態では、スーパーmirは、それほど自己ハイブリダイズしない。スーパーmirは二次構造を有していてもよいが、生理学的条件下では実質的に一本鎖である。実質的に一本鎖であるスーパーmirとは、それ自体と二本鎖を形成するスーパーmirが約50%未満(例えば、約40%、30%、20%、10%、または5%未満)の一本鎖である。スーパーmirは、自己ハイブリダイズして二本鎖領域を形成することができるヘアピンセグメント、例えば配列、を好ましくは3’末端に含む場合があり、二本鎖領域は例えば、少なくとも1、2、3、または4個のヌクレオチド、好ましくは8、7、6、またはn個未満のヌクレオチド、例えば5個のヌクレオチドである。二本鎖領域は、リンカー、例えばヌクレオチドリンカー、例えば3、4、5、または6個のdT、例えば修飾dTによって結合されていてもよい。別の実施形態では、スーパーmirは、より短いオリゴ、例えば5、6、7、8、9、または10個の長さのヌクレオチドと、例えば、3’および5’末端の一方または両方で、或いはスーパーmirの一端と非末端または中間部で、二本鎖を形成する。

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