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課題・解決手段

液体培地を用いる懸濁培養法において増殖するよう構成したセイヨウスノキ細胞培養物細胞集団は、セイヨウスノキの1種以上の部位、例えば、植物の可食部(例えば、葉部又は果実部)又は茎部などに由来するものである。細胞集団は、比較的短期間(例えば、約7日)に増殖して高密度になるよう構成されている。更に、細胞集団は、高濃度ポリフェノール及び/又はプロシアニジンを産生し、かつ本質的にアントシアニンは産生しないよう構成されている。セイヨウスノキ細胞集団を懸濁培養法で増殖させて、ポリフェノール及び/又はプロシアニジンを産生する方法を開示する。

概要

背景

セイヨウスノキ(より一般的にはビルベリーと呼ばれる)の果実由来抽出物は、長らく治療用途に使用されてきた。ヨーロッパでは、数百年にわたって下痢及び赤痢、並びに肝臓、及び胃疾患処置に使用されている。更には、第二次世界大戦時には、英国操縦士は、暗視能力の改善を助けるとしてビルベリージャムを食べていたものと考えられている。最近では、セイヨウスノキの果実由来の抽出物は、抗がん活性を保有している可能性があることが示されている。セイヨウスノキの臨床効果の、栄養補助及び治療効果のいずれもが、ビルベリーに豊富に含まれるフラボノイド及びアントシアニンによるものである。これらの抗酸化化合物は、フリーラジカルとして知られる、体の損傷をきたす分子を除去し、細胞の損傷を予防する又は損傷から回復させる助けとなる。抗酸化物質は、これまでに、心疾患がん、及び黄斑変性症などの数多くの長期疾患を予防する助けとなることが示されている。セイヨウスノキの果実は、抗炎症剤及び収れん剤として作用することが知られているタンニンも含有している。

ポリフェノールは、植物、果実、及び野菜に広く含有されており、酸化防止活性抗変異原性、及びがん予防活性などを示し、ヒト及び動物の健康に対して生理的に作用することから、注目を集めている(Salvia et al.,J.Agric.Food Chem.39:1549〜1552,1991;Bomser et al.,Cancer Lett.,135:151〜157,1999;Zhao et al.,Carcinogenesis,20:1737〜1745,1999)。疫学試験により、ポリフェノールのうちのフラボノイドは心疾患のリスクを低下させ得ることが示唆されている(Hertog et al.,Lancet:342:1007〜1011,1993)。これに加えて、食物由来フラバン−3−オール及び/又はプロアントシアニジンが、実験動物において、アテローム性動脈硬化症及び冠動脈心疾患発生率を低下させることも示されている(Tijburg et al.,Atherosclorosis,135:37〜47,1997;Yamakoshi et al.,Atherosclerosis,142:139〜149,1999)。これらの作用に関与している可能性のある機序としては、例えば、低密度リポタンパク質(LDL)の酸化阻害が挙げられる(Steinberg,Circulation,85:2337〜2344,1992)。

スノキ属のベリーは、酸素ラジカル吸収能ORAC)、鉄還元抗酸化力(FRAP)、総酸素除去能(TOSC)、及び2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカルに対するフリーラジカル除去活性、並びにリノール酸メチルリポソーム、及びヒト低密度リポタンパク質(LDL)(Maata−Riihinen et al)の酸化阻害における酸化防止能に関するアッセイを用いる様々なインビトロモデルで、ラジカル除去能を保有していることが示されている。栽培種クランベリー(V.macrocarpon Ait.)、及び(Gu et.al.,Morimoto et.al.,Foo et.al.)野生種コケモモは、A型及びB型プロシアニジンの両方を含有している一方で、野生種(V.angustifolium Ait.)及び栽培種のブルーベリー(V.corymbosum L.,V.ashei L.)では主にB型プロシアニジンが同定されている(Foo et.al.;Prior et.al.;Schmidt et.al.)。野生種のコケモモ、クランベリー、ビルベリー、及びクロマメノキでは、その他の植物で一般的に見られるB型プロシアニジンよりも、希少なA型低分子量プロシアニジンの方が豊富に検出される(Maata−Riihinen et.al.)。希少なA型プロシアニジンは、内皮層への微生物繊毛接着を妨害するよう作用し、尿路感染の予防の助けとなることが知られている(Nowack and Schmidt;Foo et al2;)。ビルベリーに関しては、何十年も前から、腸の炎症を治療するにあたって一般的な抗炎症剤であることが知られている。更に、セイヨウスノキの葉は、35種の異なるフラボン−3−オール、プロシアニジン、フラボンオール及びこれらのグリコシド、並びに様々なフェノール酸複合体を含有する(Hokannen et.al.)。

概要

液体培地を用いる懸濁培養法において増殖するよう構成したセイヨウスノキ細胞培養物細胞集団は、セイヨウスノキの1種以上の部位、例えば、植物の可食部(例えば、葉部又は果実部)又は茎部などに由来するものである。細胞集団は、比較的短期間(例えば、約7日)に増殖して高密度になるよう構成されている。更に、細胞集団は、高濃度のポリフェノール及び/又はプロシアニジンを産生し、かつ本質的にアントシアニンは産生しないよう構成されている。セイヨウスノキ細胞集団を懸濁培養法で増殖させて、ポリフェノール及び/又はプロシアニジンを産生する方法を開示する。

目的

本発明のその他の利点及び特徴を更に明確にするために、添付の図面に例示される特異的な実施形態を参照することで、本開示の主題に関係するより詳細な記載を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

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請求項1

細胞培養物であって、細胞懸濁培養液に入っている柔らかいセイヨウスノキ細胞集団を含み、前記細胞集団が:実生胚軸子葉、葉部、茎部、若しくは根部;又は、ベリー部、節部若しくは節間部を含む茎部、若しくは成葉部;のうちの1つ以上に由来し、前記セイヨウスノキ細胞集団は、増殖7日目の液中細胞容積を少なくとも55%にし得るよう選択され、かつ前記セイヨウスノキ細胞集団の乾燥重量のうち、少なくとも5%がプロシアニジンから構成される、細胞培養物。

請求項2

前記ベリーが果皮を含む、請求項1に記載の細胞培養物。

請求項3

前記セイヨウスノキ細胞集団の乾燥重量のうち、少なくとも10%、15%、又は20%がポリフェノールから構成される、請求項1に記載の細胞培養物。

請求項4

前記セイヨウスノキ細胞集団の乾燥重量のうち、少なくとも7.5%がプロシアニジンから構成される、請求項1に記載の細胞培養物。

請求項5

前記セイヨウスノキ細胞集団の乾燥重量のうち、少なくとも10%がプロシアニジンから構成される、請求項1に記載の細胞培養物。

請求項6

前記セイヨウスノキ細胞集団の乾燥重量のうち、少なくとも15%がプロシアニジンから構成される、請求項1に記載の細胞培養物。

請求項7

前記セイヨウスノキ細胞集団の乾燥重量のうち、0.5%未満がアントシアニンから構成される、請求項1に記載の細胞培養物。

請求項8

前記セイヨウスノキ細胞集団の乾燥重量のうち、0.1%未満がアントシアニンから構成される、請求項1に記載の細胞培養物。

請求項9

前記セイヨウスノキ細胞集団の乾燥重量のうち、0.01%未満がアントシアニンから構成される、請求項1に記載の細胞培養物。

請求項10

前記セイヨウスノキ細胞集団の乾燥重量のうち、0.001%未満がアントシアニンから構成される、請求項1に記載の細胞培養物。

請求項11

前記細胞懸濁培養液に含まれる細胞集団が、セイヨウスノキの細胞カルスに由来するものである、請求項1に記載の細胞培養物。

請求項12

前記細胞懸濁培養が、細胞の粒状懸濁液を含む、請求項1に記載の細胞培養物。

請求項13

前記細胞懸濁培養が、微細な細胞の懸濁液を含む、請求項1に記載の細胞培養物。

請求項14

前記細胞懸濁培養における柔らかいセイヨウスノキ細胞集団が、植物の可食部に由来する、請求項1に記載の細胞培養物。

請求項15

前記植物の可食部が、葉部又はベリー部のうちの1つ以上である、請求項14に記載の細胞培養物。

請求項16

細胞培養物であって、細胞懸濁培養液に入っている柔らかいセイヨウスノキ細胞集団を含み、前記細胞集団が、植物の可食部に由来し、前記セイヨウスノキ細胞集団は、増殖7日目の液中細胞容積を少なくとも55%にし得るよう選択され、かつ前記セイヨウスノキ細胞集団の乾燥重量のうち、少なくとも10%、15%、又は20%がポリフェノールから構成され、かつ前記セイヨウスノキ細胞集団のうち、少なくとも5%がプロシアニジンから構成される、細胞培養物。

請求項17

前記植物の可食部が、葉部又はベリー部のうちの1つ以上である、請求項16に記載の細胞培養物。

請求項18

前記ベリーが果皮を含む、請求項16に記載の細胞培養物。

請求項19

細胞培養物であって、細胞懸濁培養液に入っている柔らかいセイヨウスノキ細胞集団を含み、前記細胞集団が、少なくともベリー部に由来し、前記セイヨウスノキ細胞集団は、増殖7日目の液中細胞容積を少なくとも55%にし得るよう選択され、かつ前記セイヨウスノキ細胞集団の乾燥重量のうち、少なくとも10%、15%、又は20%がポリフェノールから構成され、かつ前記セイヨウスノキ細胞集団の乾燥重量のうち、少なくとも5%がプロシアニジンから構成される、細胞培養物。

請求項20

前記ベリーが果皮を含む、請求項19に記載の細胞培養物。

請求項21

セイヨウスノキ細胞集団の細胞培養物を調製する方法であって、前記方法が:実生の胚軸、子葉、葉部、茎部、若しくは根部;又は、ベリー部、節部若しくは節間部を含む茎部、若しくは成葉部;のうちの1つ以上に由来する、セイヨウスノキ細胞集団のカルス細胞を調製する工程と、カルスに由来する1個以上の細胞を液体培地に導入する工程と、前記液体培地中で前記1個以上の細胞を撹拌する工程と、前記液体培地を新鮮な液体培地に置き換え、あるいは前記細胞集団を新鮮な液体培地に移して、セイヨウスノキ細胞懸濁培養を樹立する工程と、液中細胞容積が少なくとも55%になるまで前記セイヨウスノキの細胞懸濁培養物を増殖させる工程と、前記セイヨウスノキ細胞集団の乾燥重量のうち、少なくとも10%、15%、又は20%がポリフェノールから構成され、かつ前記細胞集団の乾燥重量のうち、少なくとも5%がプロシアニジンから構成される、細胞懸濁培養物を選別する工程と、を含む、調製法

請求項22

前記セイヨウスノキ細胞集団が、植物の可食部に由来する、請求項21に記載の方法。

請求項23

前記植物の可食部が、葉部又はベリー部のうちの1つ以上である、請求項22に記載の方法。

請求項24

前記ベリーが果皮を含む、請求項23に記載の方法。

請求項25

前記セイヨウスノキの細胞懸濁培養物を、7日以内で液中細胞容積が少なくとも55%になるまで増殖させる工程を更に含む、請求項20に記載の方法。

請求項26

前記セイヨウスノキの細胞懸濁培養物を、7日以内で液中細胞容積が少なくとも60%になるまで増殖させる工程を更に含む、請求項21に記載の方法。

請求項27

前記セイヨウスノキ細胞集団の乾燥重量のうち、約10%がプロシアニジンから構成される、請求項21に記載の方法。

請求項28

前記セイヨウスノキ細胞集団が、約0.1%未満のアントシアニンを含有する、請求項21に記載の方法。

請求項29

前記セイヨウスノキ細胞集団が、アントシアニンを実質的に含有しない、請求項21に記載の方法。

請求項30

前記増殖させる工程を、暗条件下で実施する、請求項21に記載の方法。

請求項31

前記増殖させる工程を、室温条件下で実施する、請求項21に記載の方法。

請求項32

前記増殖させる工程を、23℃+/−5℃で実施する、請求項21に記載の方法。

請求項33

粒状の細胞集団の懸濁液を生成する工程を更に含む、請求項21に記載の方法。

請求項34

微細な細胞集団の懸濁液を生成する工程を更に含む、請求項21に記載の方法。

請求項35

前記液体培地が、VM1799、VM1831、VM1933、及びDC1151からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。

請求項36

前記撹拌する工程が旋回振盪器によるものである、請求項21に記載の方法。

請求項37

前記新鮮な液体培地を、1週間毎に添加するか、又は前記細胞集団を、1週間毎に前記新鮮な液体培地に移す、請求項21に記載の方法。

請求項38

前記懸濁培養時に、前記細胞集団の糖消費速度を測定する工程を更に含む、請求項21に記載の方法。

請求項39

前記糖消費速度が、屈折率RI)をもとに測定される、請求項38に記載の方法。

請求項40

前記RIが、前記新鮮な培地初期RIの半分以下である場合に、懸濁培養液に含まれる前記細胞集団に追加で新鮮な培地を与える、請求項39に記載の方法。

請求項41

継代培養後6日目にRI及び細胞重量を測定し、液体培地を交換する、請求項40に記載の方法。

請求項42

細胞懸濁培養時のセイヨウスノキ細胞集団の増殖性を増大させる方法であって、前記方法が、セイヨウスノキ細胞集団の懸濁培養細胞を調製する工程と、液体培地を用い、前記細胞集団を懸濁培養法により培養する工程と、液中細胞容積(PCV)が45%以上の細胞懸濁培養物を選別する工程と、を含む方法。

請求項43

前記液体培地中の糖濃度の増大に応じて、ポリフェノール及び/又はプロシアニジンの蓄積量が増大する細胞懸濁培養物を選別する工程を更に含む、請求項42に記載の方法。

請求項44

前記液体培地の糖濃度には、スクロースで約30〜60g/Lが含まれる、請求項43に記載の方法。

請求項45

懸濁培養時に、前記細胞集団におけるプロシアニジン蓄積量が、20g/Lスクロース下での1〜2g/LPCVから、30g/Lスクロース下での3〜7g/LPCVへと増大し、懸濁培養時に、前記細胞集団におけるポリフェノール蓄積量が、20g/Lスクロース下での2〜4g/LPCVから、60g/Lスクロース下での5〜10g/LPCVへと増大する、請求項43に記載の方法。

請求項46

前記培養が約7日間にわたる、請求項42に記載の方法。

請求項47

前記細胞集団の提供が、初期細胞密度15%PCV〜25%PCVから開始される、請求項42に記載の方法。

請求項48

前記細胞集団の提供が、初期細胞密度25%PCV以上から開始される、請求項42に記載の方法。

請求項49

前記細胞集団の提供が、初期細胞密度20%PCV以上から開始される、請求項42に記載の方法。

請求項50

50%超のPCVの細胞懸濁培養物を選別する工程を更に含む、請求項42に記載の方法。

請求項51

55%超のPCVの細胞懸濁培養物を選別する工程を更に含む、請求項42に記載の方法。

請求項52

60%超のPCVの細胞懸濁培養物を選別する工程を更に含む、請求項42に記載の方法。

請求項53

PCVが45%に到達するのに8日以上かかった細胞懸濁培養物を廃棄する工程を更に含む、請求項42に記載の方法。

請求項54

培養時の、セイヨウスノキ細胞集団からのポリフェノール産生量を増大させる方法であって、前記方法が:実生の胚軸、子葉、葉部、茎部、若しくは根部;又は、ベリー部、節部若しくは節間部を含む茎部、若しくは成葉部;のうちの1つ以上に由来するセイヨウスノキ細胞集団であり、かつ懸濁培養法で増殖させるのに適した、セイヨウスノキ細胞集団を選別する工程と、ポリフェノール産生量を増大させるのに十分な量の糖の存在下で、懸濁培養法を用い、前記セイヨウスノキ細胞集団を培養する工程と、を含む、方法。

請求項55

前記セイヨウスノキ細胞集団の乾燥重量のうち、少なくとも10%、15%、又は20%がポリフェノールから構成される、請求項54に記載の方法。

請求項56

20g/L超の糖を含有する液体培地を用い、細胞懸濁培養法により前記細胞集団を培養する工程を更に含む、請求項54に記載の方法。

請求項57

20g/L〜30g/Lの糖を含有する液体培地を用い、細胞懸濁培養法により前記細胞集団を培養する工程を更に含む、請求項54に記載の方法。

請求項58

30g/L超の糖を含有する液体培地を用い、細胞懸濁培養法により前記細胞集団を培養する工程を更に含む、請求項54に記載の方法。

請求項59

前記糖がスクロースである、請求項54に記載の方法。

請求項60

前記糖がグルコースである、請求項54に記載の方法。

請求項61

前記糖が、液中細胞容積(PCV)を3g/L超に増加させるためにポリフェノールを産生させるにあたって十分な量で存在する、請求項54に記載の方法。

請求項62

前記糖が、液中細胞容積(PCV)を少なくとも7g/Lに増加させるためにポリフェノールを産生させるにあたって十分な量で存在する、請求項61に記載の方法。

請求項63

前記ポリフェノールがプロシアニジンである、請求項54に記載の方法。

請求項64

暗条件下で前記細胞集団を培養する工程を更に含む、請求項54に記載の方法。

請求項65

培養物に含まれるセイヨウスノキ細胞集団からポリフェノールを抽出する方法であって、前記方法が、実生の胚軸、子葉、葉部、茎部、若しくは根部;又は、ベリー部、節部若しくは節間部を含む茎部、若しくは成葉部;のうちの1つ以上に由来するセイヨウスノキ細胞集団であり、かつ懸濁培養法で増殖させるのに適した、セイヨウスノキ細胞集団を選別する工程と、溶媒を用い、前記細胞集団からポリフェノールを抽出する工程と、を含み、前記セイヨウスノキ細胞集団の乾燥重量のうち、少なくとも10%、15%、又は20%がポリフェノールから構成され、かつ前記セイヨウスノキ細胞集団の乾燥重量のうち、少なくとも5%がプロシアニジンから構成される、方法。

請求項66

前記細胞集団がカルス細胞である、請求項65に記載の方法。

請求項67

前記溶媒がアセトンを含有する、請求項65に記載の方法。

請求項68

前記溶媒が酢酸を含有する、請求項65に記載の方法。

請求項69

前記溶媒が70%アセトン(v/v)及び0.5%酢酸(v/v)を含有する、請求項68に記載の方法。

請求項70

前記溶媒が水を更に含有する、請求項69に記載の方法。

請求項71

前記細胞集団及び前記溶媒を、細胞破砕機で合わせる工程と、前記細胞集団から前記ポリフェノールが抽出されるように、前記溶媒の存在下で、前記破砕機において前記細胞集団を破砕させる工程と、を含む、請求項65に記載の方法。

請求項72

前記破砕機がボールミルである、請求項71に記載の方法。

請求項73

前記破砕した細胞集団を遠心分離して、上清画分及び沈殿画分を生成する工程と、前記上清から、前記ポリフェノール抽出物を得る工程と、を更に含む、請求項71に記載の方法。

請求項74

前記細胞集団から抽出した前記ポリフェノールが、プロシアニジンを含有する、請求項65に記載の方法。

請求項75

前記細胞集団から抽出した前記ポリフェノールが、実質的にアントシアニンを含有していない、請求項65に記載の方法。

技術分野

0001

本開示は、セイヨウスノキ細胞培養によるポリフェノール産生に関する。

背景技術

0002

セイヨウスノキ(より一般的にはビルベリーと呼ばれる)の果実由来抽出物は、長らく治療用途に使用されてきた。ヨーロッパでは、数百年にわたって下痢及び赤痢、並びに肝臓、及び胃疾患処置に使用されている。更には、第二次世界大戦時には、英国操縦士は、暗視能力の改善を助けるとしてビルベリージャムを食べていたものと考えられている。最近では、セイヨウスノキの果実由来の抽出物は、抗がん活性を保有している可能性があることが示されている。セイヨウスノキの臨床効果の、栄養補助及び治療効果のいずれもが、ビルベリーに豊富に含まれるフラボノイド及びアントシアニンによるものである。これらの抗酸化化合物は、フリーラジカルとして知られる、体の損傷をきたす分子を除去し、細胞の損傷を予防する又は損傷から回復させる助けとなる。抗酸化物質は、これまでに、心疾患がん、及び黄斑変性症などの数多くの長期疾患を予防する助けとなることが示されている。セイヨウスノキの果実は、抗炎症剤及び収れん剤として作用することが知られているタンニンも含有している。

0003

ポリフェノールは、植物、果実、及び野菜に広く含有されており、酸化防止活性抗変異原性、及びがん予防活性などを示し、ヒト及び動物の健康に対して生理的に作用することから、注目を集めている(Salvia et al.,J.Agric.Food Chem.39:1549〜1552,1991;Bomser et al.,Cancer Lett.,135:151〜157,1999;Zhao et al.,Carcinogenesis,20:1737〜1745,1999)。疫学試験により、ポリフェノールのうちのフラボノイドは心疾患のリスクを低下させ得ることが示唆されている(Hertog et al.,Lancet:342:1007〜1011,1993)。これに加えて、食物由来フラバン−3−オール及び/又はプロアントシアニジンが、実験動物において、アテローム性動脈硬化症及び冠動脈心疾患発生率を低下させることも示されている(Tijburg et al.,Atherosclorosis,135:37〜47,1997;Yamakoshi et al.,Atherosclerosis,142:139〜149,1999)。これらの作用に関与している可能性のある機序としては、例えば、低密度リポタンパク質(LDL)の酸化阻害が挙げられる(Steinberg,Circulation,85:2337〜2344,1992)。

0004

スノキ属のベリーは、酸素ラジカル吸収能ORAC)、鉄還元抗酸化力(FRAP)、総酸素除去能(TOSC)、及び2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカルに対するフリーラジカル除去活性、並びにリノール酸メチルリポソーム、及びヒト低密度リポタンパク質(LDL)(Maata−Riihinen et al)の酸化阻害における酸化防止能に関するアッセイを用いる様々なインビトロモデルで、ラジカル除去能を保有していることが示されている。栽培種クランベリー(V.macrocarpon Ait.)、及び(Gu et.al.,Morimoto et.al.,Foo et.al.)野生種コケモモは、A型及びB型プロシアニジンの両方を含有している一方で、野生種(V.angustifolium Ait.)及び栽培種のブルーベリー(V.corymbosum L.,V.ashei L.)では主にB型プロシアニジンが同定されている(Foo et.al.;Prior et.al.;Schmidt et.al.)。野生種のコケモモ、クランベリー、ビルベリー、及びクロマメノキでは、その他の植物で一般的に見られるB型プロシアニジンよりも、希少なA型低分子量プロシアニジンの方が豊富に検出される(Maata−Riihinen et.al.)。希少なA型プロシアニジンは、内皮層への微生物繊毛接着を妨害するよう作用し、尿路感染の予防の助けとなることが知られている(Nowack and Schmidt;Foo et al2;)。ビルベリーに関しては、何十年も前から、腸の炎症を治療するにあたって一般的な抗炎症剤であることが知られている。更に、セイヨウスノキの葉は、35種の異なるフラボン−3−オール、プロシアニジン、フラボンオール及びこれらのグリコシド、並びに様々なフェノール酸複合体を含有する(Hokannen et.al.)。

先行技術

0005

Maatta−Riihinen,K;Kahkonen,M;Toronnen,AR;Hainonen,IM;Catechins and Procyanidins in Berries of Vaccinium Species and Their Antioxidant Activity.J Agric.Food Chem.2005.53:8485〜8491。
Gu,L;Kelm,MA;Hammerstone,JF;Beecher,G;Holden,J;Haytowitz,D;Prior,RL Screening of foodscontaining proanthocyanidins and their structural characterization using LC−MS/MS and thiolytic degradation.J.Agric.Food Chem.2003.51:7513〜7521。
Morimoto,S;Nonaka,GI;Nishioka,I Tannins and related compounds.LX.Isolation and characterization of proanthocyanidins with a double−linked unit from Vaccinium Vitis−idaea L.Chem.Pharm.Bull.1988.36:33〜38。
Foo,LY;Lu,Y;Howell,AB;Vorsa,N.A−type proanthocyanidin trimers from cranberry that inhibit adherence of uropathogenic P−fimbriated Escherichia coli.J.Nat.Prod.2000.63:1225〜1228。
Prior,RL;Lazarus,SA;Cao,G;Muccitelli,H;Hammerstone,JF Identification of procyanidins and anthocyanins in blueberries and cranberries(Vaccinium spp.)using high performance liquid chromatography/mass spectrometry.J.Agric.Food Chem.2001.49:1270〜1276。
Schmidt,BM.;Howell,AB.;McEniry,B;Knight,CT;Seigler,D;Erdman,JW,Jr.;Lila,MA.Effective separation of potent antiproliferation and antiadhesion components from wild blueberry(Vaccinium angustifolium Ait.)fruits.J.Agric.Food Chem.2004.52:6433〜6442。
Nowack,R;Schmitt,W.Cranberry juice for prophylaxis of urinary tract infections conclusions from clinical experience and research.Phytomedicine.2008.15(9):653〜67。
Foo,LY;Lu,Y;Howell,AB.;Vorsa,N.The structure of cranberry proanthocyanidins which inhibit adherence of uropathogenic P−fimbriated Escherichia coli in vitro.Phytochemistry 2000.54:173〜81。
Madhavi,DL;Bomser,J;Smith,MAL.Singletary K.Isolation of bioactive constituents from Vaccinium myrtillus fruit and cell culture.Plant Sci 1998.131:95〜103。
Hokkanenm J;Mattila,S;Jaakola,L;Pirttila,AM;Tolonen,A.Identification of Phenolic Compounds from Lingonberry(Vaccinium vitis−idaea L.),Bilberry(Vaccinium myrtillus L.)and Hybrid Bilberry(Vaccinium x intermedium Ruthe L.)Leaves.J.Agric.Food Chem.2009.57:9437〜9447。
Slinkard,K;Singleton,VL.Total Phenol Analysis:Automation and Comparison with Manual Methods.American Journal of Enology and Viticulture 1977,28:49〜55。

発明が解決しようとする課題

0006

セイヨウスノキは育成が難しく、したがってあまり栽培されていない。結果として、果実は一般的に野生種の植物から、その限られた生育期間(5月〜9月)に採取されることになり、この生育期間には、降雨と温暖な気候の両方が満たされる必要がある。すなわち、ベリーの供給は不安定であり、また採取量は限られている。更には、セイヨウスノキの果実は同類のブルーベリーよりも柔らかく、かつ水分を多く含むため、収穫は手で行う必要があり、及び輸送も難しいことから、セイヨウスノキから新鮮な果実を収穫するには費用がかかる。また、熟した果実が必要とされていることから、収穫する際に未熟な果実及び葉は商品にならない。この未熟な果実及び葉は、プロシアニジンの植物体の大部分を占める。セイヨウスノキの有する臨床効果、及びこれらの植物の栽培にまつわる困難さを考慮すると、セイヨウスノキの安定的なインビトロ細胞培養系を開発することが求められている。

課題を解決するための手段

0007

本開示は、液体培地において懸濁培養により生育させるよう構成された、セイヨウスノキの細胞培養に関する。細胞は、セイヨウスノキの1箇所以上の部位、例えば、植物の可食部(例えば、葉部又は果実部)又は茎部などに由来するものである。細胞は、比較的短期間(例えば、約7日)に増殖して高密度になるよう構成されている。更に、細胞は、高濃度のポリフェノール及び/又はプロシアニジンを産生し、かつ本質的にアントシアニンは産生しないよう構成されている。懸濁培養でセイヨウスノキ細胞を増殖させて、ポリフェノール及びプロシアニジンを産生させる方法も開示する。

0008

一実施形態では、細胞培養法を開示する。細胞の懸濁培養には、柔らかいセイヨウスノキ細胞集団を含む。懸濁培養に用いる細胞は:実生胚軸子葉、葉部、茎部、又は根部;あるいはベリー部、節部若しくは節間部を含む茎部、又は成葉部;のうちの1つ以上に由来する。一実施形態では、細胞は、植物の可食部、例えば、葉部又はベリー部に由来し得る。細胞は、増殖7日目の液中細胞容積が少なくとも55%になるよう選別され、この場合、セイヨウスノキ細胞集団の乾燥重量のうち少なくとも10%がポリフェノールから構成され、セイヨウスノキ細胞集団の乾燥重量のうち少なくとも5%がプロシアニジンから構成される。

0009

好ましくは、セイヨウスノキ細胞集団は、乾燥重量で少なくとも12.5%、15%、又は20%以上がポリフェノールから構成される。好ましくは、セイヨウスノキ細胞集団は、乾燥重量で少なくとも7.5%、10%、15%、20%以上がプロシアニジンから構成される。細胞重量には本質的にアントシアニンが含まれないことも好ましい。例えば、セイヨウスノキ細胞の細胞集団に含有されるアントシアニン量は、乾燥重量で0.5%、0.1%、0.01%、0.001%未満であることが好ましい。

0010

他の実施形態では、セイヨウスノキ細胞集団の細胞培養物産生方法を記載する。この方法は、(1)実生の胚軸、子葉、葉部、茎部、又は根部、あるいはベリー部、節部又は節間部を含む茎部、又は成葉部のうちの1つ以上から、セイヨウスノキ細胞のカルス細胞誘導し、産生する工程、(2)カルスに由来する1個以上の細胞を液体培地に導入する工程、(3)液体培地中で1個以上の細胞を撹拌する工程、(4)液体培地を新鮮な液体培地に置き換え、あるいは細胞を新鮮な液体培地に移して、セイヨウスノキの細胞懸濁培養を樹立する工程、(5)液中細胞容積が少なくとも55%になるまでセイヨウスノキの細胞懸濁培養物を増殖させる工程、並びに(6)セイヨウスノキ細胞集団の懸濁培養物のうち、乾燥重量の少なくとも10%がポリフェノールから構成され、及び/又は少なくとも5%がプロシアニジンから構成されている培養物を選別する工程、を包含する。

0011

更に他の実施形態では、細胞懸濁培養時のセイヨウスノキ細胞の増殖性を増大させる方法を記載する。方法は、(1)セイヨウスノキの細胞懸濁培養細胞を用意する工程、(2)細胞を懸濁培養用液体培地で培養する工程、並びに(3)液中細胞容積(PCV)が45%超になるよう細胞懸濁培養物を選別する工程、を包含する。

0012

一実施形態では、細胞懸濁培養時のセイヨウスノキ細胞の増殖性を増大させる方法は、液体培地中の糖濃度の増大に応じて、ポリフェノール及びプロシアニジンの蓄積量が増大した細胞懸濁培養物を選別する工程を更に包含する。一実施形態では、液体培地は、糖濃度約30〜60g/Lになるようスクロースを含む。一実施形態では、懸濁培養時の細胞のプロシアニジン蓄積量は、スクロース濃度20g/L下での約1〜2g/L PCVから、スクロース濃度30g/L下での約3〜7g/L PCVにまで上昇する。一実施形態では、懸濁培養時の細胞のポリフェノール蓄積量は、スクロース濃度20g/L下の約2〜4g/L PCVから、スクロース濃度60g/L下の約5〜10g/L PCVにまで上昇する。

0013

更に他の実施形態では、培養時の、セイヨウスノキ細胞からのポリフェノール産生量を増大させる方法を記載する。方法は、(1)懸濁培養法で増殖させるのに適したセイヨウスノキ細胞集団を選別する工程、及び(2)ポリフェノール産生量を増大させるのに十分な量の糖の存在下で、細胞懸濁培養法により細胞を培養する工程、を包含する。

0014

一実施形態では、十分な量の糖とは、液体培地の糖含量を20g/L超、20g/L〜30g/L超、又は30g/L超にするのに十分な量の糖である。一実施形態では、糖はスクロースである。他の実施形態では、糖はグルコースである。一実施形態では、糖は、ポリフェノール産生量を、液中細胞容積(PCV)で3g/L超に上昇させるのに十分な量で含ませる。他の実施形態では、糖は、ポリフェノール産生量を、液中細胞容積(PCV)で少なくとも7g/Lに上昇させるのに十分な量で含ませる。

0015

更に他の実施形態では、培養時の、セイヨウスノキ細胞からポリフェノールを抽出する方法を記載する。この方法は、(1)懸濁培養法で増殖させるのに適したセイヨウスノキ細胞集団を選別する工程、及び(2)溶媒を用い、細胞からポリフェノールを抽出する工程、を含み、ここで、乾燥重量でセイヨウスノキ細胞集団の少なくとも10%がポリフェノールから構成され、かつ少なくとも5%がプロシアニジンから構成される。

0016

一実施形態では、溶媒は、アセトン酢酸、及び水を含む。一実施形態では、溶媒は、70%アセトン(v/v)と、0.5%酢酸(v/v)を含む。

0017

本発明の、これらの及びその他の目的及び特徴は、以降の説明及び添付の特許請求の範囲により完全に明らかになり、あるいは以降に記載の特許請求の範囲を実施することで認識される。

0018

上記の内容並びに本発明のその他の利点及び特徴を更に明確にするために、添付の図面に例示される特異的な実施形態を参照することで、本開示の主題に関係するより詳細な記載を提供する。これらの図面は、本開示の実施例を例示する目的でのみ掲載され、したがって、範囲を制限することを意図するものとは見なされない。本開示の主題は、添付の図面を通して、更に具体的に及び詳細に記載され、説明され得る。

図面の簡単な説明

0019

第一週目初期バイオマス量を25%から50%に増量した場合の糖の消費量。
異なる撹拌速度下での、(a)増殖、(b)RI、及び(c)産生。すべての500mLフラスコには20% PCVで細胞を播種し、かつPCV、RI及び収率は増殖開始後6日目で測定した。
茎部、胚軸、葉部及び子葉抽出物由来の細胞懸濁物を抽出し、蛍光検出器モードで検出した、HPLCクロマトグラム。表示1〜12により、プロシアニジンの重合度を示す。それぞれ、1は単量体、2は二量体、3は三量体、4は四量体、5は五量体、6は六量体、7は七量体、8は八量体、9は九量体である。
ビルベリー及びカカオ細胞懸濁物を抽出し、蛍光検出器モードで検出したHPLCクロマトグラム。表示1〜12により、プロシアニジンの重合度を示す。それぞれ、1は単量体、2は二量体、3は三量体、4は四量体、5は五量体、6は六量体、7は七量体、8は八量体、9は九量体である。この図によると、同様の手法でこれら2種の細胞株の細胞を抽出し、同様の条件下でHPLCを行った場合に、いずれも各オリゴマーについて同様の保持時間を有することから、ビルベリーのピークは、プロシアニジンオリゴマーのものであることが確認される。
280nmでの(a)カカオ抽出物及び(b)ビルベリー抽出物のUV吸収パターン。ビルベリーにプロシアニジンの存在及び検出が確認される。

0020

本開示は、液体培地において懸濁培養により生育させるよう構成された、セイヨウスノキの細胞培養に関する。細胞は、セイヨウスノキの1種以上の部位、例えば、植物の可食部(例えば、葉部又は果実部)又は茎部などに由来するものである。細胞は、比較的短期間(例えば、約7日)のうちに増殖して高密度になるよう構成されている。更に、細胞は、高濃度のポリフェノール及び/又はプロシアニジンを産生し、かつ本質的にアントシアニンは産生しないよう構成されている。本開示の主題は、以降の実施例を用いることで、更に具体的に及び詳細に記載し、説明され得る。

0021

(実施例1)表面殺菌及び種子発芽
セイヨウスノキ種子を、Horizon Herbs(Oregon)から得た。本実施例及び以降の実施例で使用した、セイヨウスノキの葉部、茎部、及び未熟なベリー(Erinのビルベリー)は、National Clonal Germplasm Repository(NCGR)(Corvallis、Oregon)より収集した。

0022

葉部、茎部、及び未熟なベリーを流水で20分すすぎ洗いし、75%エタノールで1分すすいだ。次に茎部を細断した。茎部、葉部、及び未熟なベリーを25%次亜塩素酸ナトリウム(v/v)で15分洗浄した後、殺菌蒸留水で5回すすいだ。

0023

種子(Horizon Herbs、Oregon)は、最初に75%エタノールで1分すすぎ洗いして表面殺菌した。次に、これらを25%次亜塩素酸ナトリウム(v/v)で15分洗浄した後、殺菌蒸留水で5回すすいだ。続いて、種子を0.1%アガロースに懸濁し、100×25mmペトリ皿に播種した(プレート1枚あたり種子約100個)。7g/L寒天を添加したMS(ムラシゲ・スクーグ)培地(4.43g/L)を用い、これらの種子を、23℃下、明期16時間、暗期8時間の光サイクルで4週間発させた。

0024

(実施例2)インビトロで実生セイヨウスノキを増殖させることによるカルス誘導
カルスの増殖性がより高くかつカルスが柔らかいことが、成功した細胞株の非常に重要な特徴である。本実施例には、インビトロで増殖させた実生セイヨウスノキ由来の各種外植片からカルスを生成及び維持するにあたって最適化した方法及び培地条件を記載する。

0025

カルスは、インビトロで増殖させた実生の胚軸、子葉、葉部、茎部、及び根部から生成した。植物は5mm大に細断した。すべての培地は、別途記載のない限り、オートクレーブにより121℃かつ103.4kPaにて20分間殺菌した(15PSI(平方インチあたりのポンド数))。別途記載のない限り、すべての増殖因子は、オートクレーブ後にろ過殺菌し添加した。別途記載のない限り、すべての培養物は、暗所で25℃にて維持した。

0026

外植片を各種カルス誘導培地(表1)に配置した。プレートは暗所で25℃にて維持した。カルス形成の最初の兆候は、VM1445培地、VM1196培地、VM1204培地、及びVM1233培地を入れたプレートに外植片を配置してから2週間後に観察された(VM1233はMadhavi et al.,Plant Science,131:95〜103,1998に記載されている)。カルス誘導率はそれぞれ83%、85%、85%、及び70%であった。しかしながら、いずれも24mM硫酸アンモニウム及び8mM硝酸カリウムを含有させた培地VM1196及びVM1204(基本塩類が異なり、それぞれMS基本塩類(窒素不含)、及びB5改変主要塩類を含有;表1)で生成したカルスは、1mM硫酸アンモニウム及び24mM硝酸カリウムを添加した培地(VM1445)で生成したカルスよりも柔らかかった。培地VM1233(Madhavi et al.,Plant Science,131:95〜103,1998)で生成したカルスは非常に小さく、非増殖性であった。Madhavi et al.は、カルスをこの培地で3週間間隔で3回継代培養したと示しているが、この培地でのカルスの品質参照文献中では議論されていなかった。Madhavi et al.の条件を用い継代培養したカルスでは、参照に記載されているのと同様の初期結果が得られたが、継代培養する毎にカルスは硬質になり、増殖性が低下したことには留意すべきである。すなわち、培地VM1233を用いたカルスの品質は、継代培養毎に低下した。VM1233培地からポリビニルピロリドンPVP)を除去し(VM1204培地)、軟質カルスの生成を補助した。培地VM1491及びDC1152において、それぞれ50%及び10%の外植片から持続性のカルスを生成した。3週間毎に、外植片及びカルスを新鮮な培地へと移し替えた。カルスを外植片から分離し、非常に増殖性の高いカルスを2週間毎に継代培養した。継代培養には、増殖性の高い細胞株を選別した。連続的に継代培養し、カルスの形態を、より望ましい柔らかい形態を持つものに変化させるよう補助した。

0027

高濃度硫酸アンモニウム及び低濃度硝酸カリウムを添加した培地で持続的に継代培養を行った所、カルスはストレスから濃い褐色に変色し、最終的には増殖を停止した。カルスがストレスを受けたことは、カルスが、硫酸アンモニウム又は硝酸カリウムを無添加の通常濃度ガンボーグB5(B5)培地からなるVM1445培地では褐色化せず、死に至らなかったという事実から明白である。カルスに望ましくない褐色化が生じたため、VM1196培地及びVM1204培地での培養は9週目に中止した。褐色化及び細胞死を生じさせずにカルスの持続的な増殖を支持し得る培地を特徴づけるため、様々な培地(表1)を試験した。MS塩をすべて通常濃度で含むVM1516培地では、増殖性は高くかつ持続的であった。VM1445及びVM1516を比較した場合、VM1516では、カルスの増殖性が非常に高く、かつ形態も、まとまった形状から粒状に変化し、最終的には柔らかいカルスへと変化を遂げるよう働きを受けていた。培地VM1516が、実生セイヨウスノキから誘導したカルスを安定的に維持するのに最も適していることも判明した。VM1516が、様々な実生セイヨウスノキ外植片から新しくカルス生成を開始させるのに最も適した培地であることも判明した(成功率83%)。

0028

(実施例3)NCGRから回収されたセイヨウスノキ組織からのカルス誘導
本実施例は、屋外栽培したセイヨウスノキに由来する様々な外植片(ベリー部、節部、節間部、又は葉部由来)からカルス生成を開始し、及び維持するための方法及び培地の配合を記載する。

0029

成葉部及び茎部、並びに未熟なベリーを上記の通りに表面殺菌した。植物を5mm大に細断した後、VM1516培地及びVM1491培地に外植した。ベリーは滅菌条件下で切り開き、培地を入れた培養プレート果皮を配置した。果肉は外植前に除去した。

0030

培養プレートを暗所にて25℃下で保管した。全体的に、植物片を外植し始めてから、VM1516培地では4週間後、VM1491培地では6週間後にカルスが観察された。葉部外植片に関しては、全体のカルス誘導率は53%であった。葉部外植片からのカルス生成はVM1491培地(初期外植片の73%)及びVM1516培地(初期外植片の76%)で見られ、かつVM1672培地及びTC1596培地ではカルスは観察されなかった。VM1516では、VM1491よりも活発なカルス生成が観察された。節部に関しては、VM1516において外植片のうちの47%がカルスを生成した。節間部を異なる3種の培地、VM1516、VM1491、及びTC1596に配置した。VM1516では、外植片の51%がカルスを生成した一方、VM1491では20%がカルスを生成し、TC1596ではカルスは生成されなかった。ベリー部由来の外植片では、VM1516で59%がカルスを生成した。

0031

セイヨウスノキの組織由来のカルスを3週間毎にVM1516で継代培養した。このカルスは非常に増殖性が高かった。更に維持するために柔らかい株を選別した。これらの組織由来のカルスを8ヶ月以上培地VM1516で維持したところ、カルスの品質は変化せずに一貫して増殖性が維持されることが例証された。

0032

(実施例4)実生セイヨウスノキ由来のカルスの懸濁液の生成
懸濁を開始するにあたって、実施例2に記載の通りに生成した柔らかい細胞株を選別した。滅菌125mL三角フラスコに入れた15mLの液体培地(VM1799、VM1831又はDC1151;表2)に、新鮮な2週齢実生セイヨウスノキカルス(実施例2に記載の通りに調製)(約)1gを導入し、細胞懸濁液を生成した。フラスコに滅菌シリコン発泡体キャップで蓋をし、施回振盪器において120毎分回転(rpm)で撹拌した。懸濁液を暗所にて23℃下で保管した。細胞培養を樹立するため、一週間毎に、使用した培地を除去し新鮮な培地を加えて2回継代培養した。培地の屈折率(RI)(BRIX度(すなわち、BRIX(%))として測定)の差分を測定し、糖の消費速度をもとに、細胞の増殖率を測定した。RIが培地の初期RI以下であった場合、新鮮な培地を細胞に加えた。RIが1/2よりも大きかった場合、新鮮な培地は2週間後にのみ添加した。継代培養は、週ごとにあるいは隔週で必要に応じて行った。

0033

粒状の細胞又は微細懸濁物のいずれかを形成した培養物を保持し、懸濁培養物を形成しなかった培養物は廃棄した。懸濁培養が樹立されたならば(3〜4回の継代期間)、毎週25〜35%の細胞を、新鮮な培地を入れたフラスコに移した。継代培養毎に液中細胞容積(PCV)及びRIを記録し、細胞増殖を測定した。

0034

カルスから懸濁液を生成後6回以内の継代培養にて、安定的な持続性懸濁液を得た。

0035

(実施例5)NCGRより収集したセイヨウスノキ組織由来のカルスからの懸濁液生成
懸濁液を生成するにあたって、柔らかい細胞株を選別した。滅菌三角フラスコを用い、セイヨウスノキカルス(実施例3に記載の通りに、節部、節間部、葉部、及びベリー部)を液体培地(VM1933;表2)に播種し、細胞懸濁液を生成した。滅菌シリコン(発泡体)キャップでフラスコに蓋をし、施回振盪器において120毎分回転(rpm)で撹拌した。懸濁液を暗所にて25℃下で保管した。細胞培養を樹立するにあたって、使用した培地は除去し、新鮮なVM1933培地を添加した。培地の屈折率(RI)の差分を測定し、糖の消費速度をもとに、細胞の増殖率を測定した。RIが培地の初期RI以下であった場合、新鮮な培地を細胞に加えた。RIが1/2よりも大きかった場合、新鮮な培地は1週間後のみに添加した。

0036

(実施例6)細胞増殖の最適化
本例は、懸濁液の細胞増殖を向上させるために使用した方法を記載する。細胞培養物の生産性は、細胞の増殖速度並びに細胞増殖停止時の密度に応じ上昇する。最適播種密度を決定するため、セイヨウスノキ細胞の初期細胞密度を、液中細胞容積(「PCV」)で15%及び25%にして懸濁培養を開始し、7日間増殖させた。細胞密度15% PCVで培養を開始したところ、7日目にも最大密度に達しなかった。培地VM1831(表1)を用い、細胞密度25% PCVで培養を開始したところ、7日以内で密度(すなわち、総細胞容積)が2倍になり、最大平均細胞密度は7日以内に45〜50% PCVに達し、一部の細部株培養物では、7日目に55〜60% PCVを超過した。細胞選別をし、7日以内に45% PCV以上に達する(急速に細胞培養物を増殖させる)培地を決定する助けとした。45% PCVに到達するのに8日以上かかる培養物は廃棄した。

0037

糖消費量が大きく、かつ増殖が良好な(図1)細胞を、生成された細胞数をもとに注意深く選別したところ、25%濃度でフラスコに播種した場合に、7日目の最終細胞密度が非常に高かった(PCV約65.8±0.63)。これにより、125mLフラスコを用いる40mL容量での細胞の適切な振盪は阻害された。したがって、接種量を最適化するには、細胞選別過程により再度細胞株を選別し直す必要があった。倍加時間を算出したところ、20% PCVで播種を行った場合、7日目の最終密度は約60%であった。実験データによりこれが支持され、最終PCVにおいて有意差(P=0.008)が示されたが(59.9±0.77)、生産率又は増殖率に有害な効果は(P=0.39)示されなかった。したがって、播種量を20% PCVに変更した。

0038

(実施例7)細胞懸濁培養に関係する細胞選別及び培地最適化による、ビルベリー懸濁培養物由来のポリフェノール産生の最適化
増殖最適化後培地組成を変更し、更に細胞選別に関し基準を加え、ポリフェノール産生を実施した。

0039

7日目にRIが0〜0.6に到達した培養物では、糖消費が急速であった。糖飢餓のため、VM1831においてポリフェノール及び/又はプロシアニジンが産生される可能性は低かった。培地VM1831のスクロース濃度は20g/Lであった。糖濃度を調節し、液体培地を最適化して、栄養飢餓状態にさせず培養を維持した。30g/Lスクロースを添加した新しい培地VM1933(表1)を配合し、細胞が糖飢餓状態になることを回避した。この培地では、RIは0.8〜1.0に低下した。ポリフェノール産生量は、4継代培養以内に、20g/Lスクロースにて約2〜4g/L PCVから、60g/Lスクロースにて約5〜10g/L PCVへと増大し、高産生量を維持した。プロシアニジン産生量は、4継代培養以内に、20g/Lスクロースにて約1〜2g/L PCVから、30g/Lスクロースにて約3〜7g/L PCVへと増大し、高産生量を維持した。

0040

各継代培養時に、平均ポリフェノール量がより大きかったフラスコについて、ハイスループットな手法を用い選別する細胞選別工程を行い、ポリフェノール及びプロシアニジン産生量の更なる改善を行った。

0041

(実施例8)実生ビルベリーの各部分に由来する懸濁液におけるポリフェノール及びプロシアニジン産生の検出及び確認
本実施例では、実施例4及び5に記載の通りに植物の各部位(根部、胚軸、ベリー部、子葉、茎部、及び葉部)から調製したすべての懸濁液から、プロシアニジンを製造可能であったことを実証する。図3は、各部分についてのクロマトグラムを示す。確認されているカカオプロシアニジンクロマトグラムと重ねあわせたところ(図4)、示されているクロマトグラムがプロシアニジンのものであること、各オリゴマーの保持時間がカカオにおけるものと同様であること、ビルベリーでも、その他の二量体、三量体、及び四量体の異性体が示されることを更に確認した。280nmでのUV吸収でも、パターンがカカオと類似していることが示され、かつプロシアニジンの存在が確認された(図5)。

0042

(実施例9)ビルベリーのカルス培養物及び懸濁培養物からのポリフェノールの抽出
本例は、実施例1〜5で調製したビルベリー培養物のカルス及び細胞懸濁液からポリフェノールを抽出するにあたり開発した手法を記載する。0.4mLの70%(v/v)アセトン/0.5%酢酸を用い、懸濁液由来の約0.4mLの新鮮な細胞からポリフェノールを抽出した。堅調なハイスループットな手法を次の通りに用いた:解析する細胞培養物を入れた各フラスコについて、試料の液中細胞容積(PCV)を記録した後、0.4mLを96ウェルディープウェルプレートに移した。プラスチックピペットを用い、各ウェルから上清を除去し、廃棄した。次に、各ウェルに0.4mLの抽出溶媒(70%アセトン、29.5%水、0.5%酢酸)、及びタングステンカーバイドビーズを加え、プレートを混合ミルに設置して、細胞を18Hzで4分粉砕した。次に、プレートを遠心分離機に配置して、6000rpmで4分間遠心処理し、抽出物から細胞を分離した。

0043

(実施例10)培養時のポリフェノール生産予備解析
プロシアニジンの反応解析を実施する際に使用した方法は、オリジナルのSwain及びHillisの手法(J.SCI.Food Agric.10:63,1959)並びにPorter et al.の手法(Phytochemistry,25(1):223,1986)におおよそ類似するよう設計した。ブタノール−HCl抽出アッセイを用い、セイヨウスノキ懸濁細胞の抽出物に含まれるポリフェノールを測定した。アセトン水溶液抽出物0.1mL及びブタノール−HCl試薬(95:5v/v)1.0mLを組み合わせ、Qiagenディープウェルブロック(Valencia,CA,USA)を用いこの溶液を75℃で60分加熱し、ポリフェノールを(−)−エピカテキン及びシアニジンモノマー加水分解した。色の呈色から、加水分解した試料中に含まれるシアニジンの存在を観察した。520nmで吸光度を測定し、Chromadex,Inc.(Irvine,CA)から購入したプロシアニジンB2を様々な濃度で用い作成した検量線から生成されたシアニジン量をもとに、プロシアニジン含量を算出した。定色される桃色が鮮やかである程、懸濁培養物に含まれるプロシアニジン濃度は高くなる。この測定法によると、複数の懸濁培養物に関し、プロシアニジン含量は1g/L〜10g/Lの範囲であった。

0044

フォリン−シオカルトーアッセイ(Slinkard,K.;Singleton,V.L.Total Phenol Analysis:Automation and Comparison with Manual Methods.American Journal of Enology and Viticulture 1977,28:49〜55)を用い、ビルベリー細胞抽出物総ポリフェノール含量を測定した。70%アセトン/0.5%酢酸に含まれる細胞培養抽出物を、総ポリフェノール含量について解析した。この際、抽出物を25μL採取し、水を0.975mL添加して試希釈した後、アッセイを開始した。ポリフェノールを定量するにあたって、0.790ml水及び50μlフォリン−シオカルトー試薬の混合物に希釈抽出物20μlを加えた。次に150μL炭酸ナトリウム溶液を添加し、反応を停止させた。細胞抽出物中の総ポリフェノール濃度を測定するために用いたものと同様のアッセイ法を用い、得られた溶液を765nmで測定し、没食子酸溶液の各種希釈用液から作成した検量線と比較した。

0045

(実施例11)新鮮なビルベリー細胞又は凍結乾燥細胞粉砕物からのポリフェノールの小規模抽出
培養液を除去したビルベリー細胞(0.5mL)又は50mgの粉砕ビルベリー細胞を、2.0mLマイクロチューブ又は96ウェルブロック(Qiagen,Inc.)の1.2mLチューブに採取した。各ビルベリー細胞試料には、酸水溶液(0〜2%クエン酸、酢酸又はアスコルビン酸)抽出溶媒(30〜80%のアセトン、エタノール、メタノール)を適量加え、超音波処理機又はビーズミルに配置して、ポリフェノール及び/又はプロシアニジンを抽出した。試料を6000rpm(RCF 5996)で4分間遠心分離した。解析前に、上清を0.45um膜フィルタでろ過し、同様の抽出溶媒水溶液で10倍希釈してもよい(必要に応じて)。更なる解析に備え、残りの抽出物を−20℃の冷凍庫で保管した。

0046

(実施例12)ビルベリー培養におけるプロシアニジン産生の解析
CTC Analytics PALオートサンプラー(Leap Technologies,Carrboro,NC,USA)、600Sコントローラを備えたWaters 626型ポンプ、並びにWaters 2996光ダイオードアレイ検出器(PDA)を取り付けたWaters(Milford、Massachusetts、USA)AllianceHPLCシステムを用い、ビルベリー細胞抽出物に対しLC解析を実施し、190〜780nmをスキャンした。0.3mL/分の一定流量で、水−0.1%ギ酸(溶媒A)及びアセトニトリル−0.1%ギ酸(溶媒B)を用い、勾配溶出を実施した。溶媒Bを次の割合(v/v)で用い直線勾配を適用した(時間(分)、%B):(0、7)、(5、15)、(20、75)、(25、100)、(35、100)、(35.1、7)、(45、7)。カラムは、Ultra Aqueous C18カラム(100×2.1mm i.d.,3.5μm)(Restek,Bellefonte,PA.USA)を使用した。プロシアニジンモノマーの(+)−カテキン、(−)−エピカテキン、及びプロシアニジンオリゴマー(二量体から六量体)を280nmで監視した。Waters Quattroマイクロトリプル四重極型質量検出器(Milford、Massachusetts、USA)を使用し、MSデータを得、MassLynx(商標ソフトウェアで解析した。m/z 150〜1800でスキャンを行い、フルスキャンデータを取得した。カテキン、エピカテキンの標準品をSigma−Aldrich,Inc.(St.Louis、MO)から購入し、希釈し、代謝産物を検出及び定量するための検量線を作成した。

0047

Waters 2795分離モジュール、Waters 996PDA検出器及びWaters 474蛍光検出器からなる順相HPLC系により、プロシアニジンの定量的な解析を実施した。極性プロトン性モノマー及び/又はオリゴマーの分離及び単離に関し改良された解析法である、Kelm et al.出典の手法により、Develosil Diol(250×4.6mm ID,粒径5μ)を用い、ビルベリー細胞抽出物に含まれるプロシアニジンの特性評価及び分離条件を得た。(米国特許第0075020号)。移動相は、溶媒(A)、アセトニトリル:酢酸(98:2、v/v)並びに溶媒(B)、メタノール:水:酢酸(95:3:2、v/v/v)の二相からなる。30℃にて、流速0.8mL/分で次のように直線勾配を用い溶出を実施した:0〜35分、100〜60% A;35〜40分、60% A;40〜45分、60〜100%A。プロシアニジンオリゴマーの分離を、蛍光検出励起波長276nm、放出波長316nm)、UV検出280nm(図10A)(Lazarus et al.J.Agric.Food Chem.47(1999),3693)並びにPDA(図10B)により監視した。

0048

この解析手法は、新鮮なビルベリー細胞又は凍結乾燥細胞に含まれる10種の異なるプロシアニジンをそれぞれ定量することを目的とする。検出することのできるプロシアニジンは、単量体、二量体、三量体、四量体、五量体、六量体、七量体、八量体、九量体及び十量体である。

0049

カカオ豆から調製したプロシアニジンの内部標準を用い、実施例2のHPLCを実施し、新鮮なビルベリー細胞、凍結乾燥したビルベリー細胞、並びにビルベリー細胞抽出物のそれぞれから調製した試料に含まれるプロシアニジンを定量した。

0050

(実施例13)ビルベリー懸濁培養のスケールアップ
植物細胞培養物を使用する際、目的生成物を安定的に得るということが共通して問題になる(Kim et al.,Biotechnol Prog.20(6)1666,2004)。したがって、首尾よく植物細胞大規模培養するには、安定的に生産性を維持することが重要になる。ビルベリー細胞の懸濁培養を125mLのフラスコから250mLのフラスコにスケールアップし、次に500mLのフラスコにスケールアップするという工程を首尾よく実施した。125mLフラスコを用いた場合の増殖性及び産生量と同等になるよう、振盪器の速度を500mLフラスコ用に最適化した。3種の異なる振盪器速度、100、110及び120RPMを試験した。すべての条件に関し、7日目の平均PCVは50〜55%であり、初期PCVの20%の約2.5倍以上であった。しかしながら、100RPMの場合と比較して、110RPMでの産生収率(PY)は優位に大きかった(P値=0.005)。しかしながら、110RPM及び120RPM間では、PYに有意差は存在せず、120RPMで処理したフラスコでは色味がわずかに暗くなっていたため、500mLフラスコに好ましい振盪器速度として、110RPMを選択した。培養の7日毎に、培地中のバイオマス濃度、糖濃度、並びにポリフェノール及び/又はプロシアニジン生産性を測定した。

0051

2.8Lフラスコへのスケールアップを実施し、振盪速度(rpm)及び振盪ストローク幅を最適化した。これにより、125mL及び500mLフラスコにおいて、首尾よく同様の増殖率及び収率が得られる。

0052

0053

0054

0055

0056

実施例

0057

本開示は、趣旨又は本質的な特徴から逸脱させずに、その他の特定の形態で実施することもできる。記載の実施例は、すべての点において、例示目的のみのものであり、制限を意図したものではないと見なされる。したがって、本開示の範囲は、ここまでに記載した内容ではなく、添付の特許請求の範囲により指定される。特許請求の範囲と同等である及び同等の範囲に含まれるすべての変更は、本発明の範囲内に包含される。

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