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技術 プロバイオティクス果実飲料

出願人 セーホーエル.ハンセンアクティーゼルスカブ
発明者 ティナホルンベークカロリネトレビエンゴットリエブティナマリングトールセンペーターソマー
出願日 2012年1月23日 (8年11ヶ月経過) 出願番号 2013-549838
公開日 2014年2月6日 (6年10ヶ月経過) 公開番号 2014-502849
状態 特許登録済
技術分野 非アルコール性飲料 食品の着色及び栄養改善
主要キーワード パック製品 冷凍凍結 生鮮植物 研究テーマ 消費者グループ 果実汁 果実濃縮物 混釈平板法
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図面 (10)

課題・解決手段

本発明は生存数の高い酸適応プロバイオティクス菌、例えばラクトバシラスパラカゼイ種(the species Lactobacillus paracasei)から成る果実飲料の製造方法に関し、及び当該方法により得られるプロバイオティクス果実飲料に関する。

概要

背景

一部の細菌は、プロバイオティック性質を有する、即ち、十分な生存数を接種した場合に宿主健康状態に利益をもたらすことが知られている。特にラクトバシラス(Lactobacillus)及びビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する細菌株は、多くの研究の対象となっており、これらの研究により、種々の分野において、且つ特定の生理学的作用について予防的な臨床効果を示すことについて多くの研究テーマとなっている。斯かるプロバイオティクスは概ね安全であり、しかも注目すべきことに、腸内細菌の適切な活動を促進することができる。細菌がプロバイオティクスとしての要件を満たすには、消費者の健康に有益な効果を及ぼすことを示す明確な証拠に加え、腸内で生存し、コロニーを作り、そして食品加工及び保存の過酷な工程において生存できることが必要である。臨床的証拠が示すところによれば、プロバイオティクス細菌の1日当たりの摂取量が最低109CFUでプロバイオティクスとしての効果が保証される。

プロバイオティクス製品市場成長を続けている。プロバイオティクスは乳酸菌培地に比較的良く適応するため、特に乳製品に用いられる。現在、オレンジジュースや他の同様の果実ジュース、並びに果実ピューレ及び果実汁を含む飲料は、果実とプロバイオティクスとの両方の利点を併せ持つ、重要なプロバイオティクス培養物ビヒクルとして認識されてきている。加えて、乳成分を含まない果実飲料は、例えばLカゼイ431登録商標(L. casei 431) (Chr. Hansen,Hoersholm, Denmark).のような低アレルギー性バイオティクスの優れた摂取方法である。

しかし、基準となるプロバイオティクス原料を、例えばオレンジジュースに加えた場合、果実ジュースの酸性環境は、初期細胞数の著しい減少を引き起こす。プロバイオティクス培養物の果実飲料への応用を成功させるには、保存期間中は十分なプロバイオティクス細胞濃度が保証されなければならない。即ち、オレンジジュース中又は他の果実飲料においてプロバイオティック培養物生存率を上昇させることは、非常に重要であると考えられている。

十分な量の生きたラクトバシリ(Lactobacilli)を含む果実飲料の製造方法は公知であり、例えば欧州特許EP0113055は、静菌性の成分を除去するために、果実ジュースを固体薬剤移送し接触させ、次いでpH4.0以下の果実ジュース中でラクトバチラス(Lactobacillus)を増殖させることを含む方法に関する。

しかし、そのような果実飲料においては、ガス及び異臭の生成を誘導し、果実飲料を消費に適さないものとしてしまう、菌の生長及び/又は活性が確認される可能性がある。

米国特許出願US2010/0086646は、生きたプロバイオティクス及び食用プロトン化モノアシッド(monoacid)を含む、pH3〜4の生鮮植物ジュース及び/又は乳を主原料とする食品を開示する。ここで、モノアシッド(monoacid)は、プロバイオティクスが当該食品内で好ましくない味及び/又はガスを生成することを防ぐ。

国際特許出願WO 2010/132017は、少なくとも1種のプロバイオティクス菌株、及びアセロラザクロクランベリーアロニアブラックカラントクロウメモドキ又はエルダベリーから選択される少なくとも1つのガス生成低減物を含むプロバイオティクス果実飲料を対象とする。

モノアシッド(monoacid)添加は食品の官能特性に影響し、またプロバイオティクス細菌の生存率に悪影響を及ぼすことも確認されてきた。また、酸生成低減剤の添加も、プロバイオティクス細菌の生存率に悪影響を及ぼすと考えられる。さらに、静菌性化合物除去剤、並びに/若しくは、食品中の異臭及び/又はガスの発生低減剤を添加することは、コスト高にも繋がる。

実際、当該技術分野では、高いプロバイオティクス値を有し、悪味又はガス発生の無い、良好な味を示し、長期保存が可能な、プロバイオティック果実飲料の新たな製造方法が依然として求められている。特に、固体薬剤、モノアシッド、又は果実飲料の官能特性に影響し得るその他の化合物の添加を含まない方法が求められている。

本発明は、果実飲料へ接種する前に酸適応化したプロバイオティック菌を含む果実飲料の製造のための代替方法提示するものである。

本発明の目的は、果実飲料の酸性環境下でも生存し得る強固なプロバイオティック細菌を含む、プロバイオティック飲料を提供することである。もう一つの本発明の目的は、良好な味のプロバイオティック果実飲料を提供することである。さらに他の本発明の目的は、長期保存可能なプロバイオティック果実飲料を提供することである。

過剰量のプロバイオティクス細菌を添加することなく高いCFU/mlのプロバイオティクス細菌を得るために、本発明の発明者等はプロバイオティクス細菌の酸適応化を進め、その結果、低いpHに対し強固なプロアバイオティクス細菌を完成した。

本発明は、プロバイオティック細菌を、pH調整剤を用いることなく酸性条件下で一定期間培養することにより、培養における収率に著しい影響を及ぼすことなく、酸適応化し得るものであるとの知見に基づく。

酸適応プロバイオティクス細菌は、低いpH(pH4.2未満)の果実飲料に加えるプロバイオティクス組成物として極めて有用である。プロバイオティクス細菌と、果物の高い栄養価との組合せにより有益な効能を発揮する。

本発明の方法は、果実飲料に対し、プロバイオティクス飲料の官能特性に影響し得る化学物質を加えることを含まない。

従って、第1の観点において、本発明はプロバイオティクス実飲料を製造する方法であり、当該方法は以下の方法を含む:
(a)少なくとも1種のプロバイオティクス細菌株を増殖中に酸適応化させ;
(b)工程(a)で得られた少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を、果実飲料中に接種し;
(c)任意により、プロバイオティクス果実飲料として包装する;
ことを含む、製造方法。

また、本発明のある実施形態において、プロバイオティック細菌を酸適応化する工程(a)は以下により行われる:
(i) 少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を、pH安定剤の非存在下、25℃から43℃の範囲で、好ましくは25℃から40℃の範囲で、初期pH値が約6.0〜約7.0である好適な培地中で増殖させ、ここで当該培地は、当該培地のpH値を約5.0〜約4.0まで到達させることが可能な組成を有し;
(ii) 少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を回収し;
(iii)任意により、少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を濃縮し;
及び、
(iv)任意により、少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を凍結又は凍結乾燥する。

より好ましい実施形態では、工程(i)の培地は、接種後少なくとも8時間で、当該培地のpH値を約5.0〜約4.0まで到達させることが可能な組成を有する。

さらに好ましい実施形態では、酸適応プロバイオティクス細菌株は工程(iii)において濃縮され、例えば酸適応細菌を回収後に行う。

本発明の第2の観点は、第1の観点の方法によって得られるプロバイオティック果実飲料に関する。また、本発明は、ラクトバシラスパラカゼイパラカゼイ亜種CRL431株(Lactobacillus paracasei subsp.paracasei strain CRL431 、L.カゼイ431登録商標(L. casei 431))を含むプロバイオティック果実飲料に関する。

本発明の第3の観点は、酸適応化プロバイオティクス細菌株培養物を得る方法に関し、当該方法は以下の工程を含む:
(a) 少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を、pH安定剤の非存在下、25℃から43℃の範囲で、好ましくは25℃から40℃の範囲で、初期pH値が約6.0〜約7.0である好適な培地中で増殖させ、ここで当該培地は、当該培地のpH値を約5.0〜約4.0まで到達させることが可能な組成を有し;
(b) 少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を回収し;
(c)任意により、少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を濃縮し;
及び、
(d)任意により、少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を凍結又は凍結乾燥する。

より好ましい実施形態では、工程(a)の培地は、接種後少なくとも8時間で、当該培地のpH値を約5.0〜約4.0まで到達させることが可能な組成を有する。

特に好ましい実施形態では、酸適応プロバイオティクス細菌株は工程(c)において濃縮され、例えば酸適応プロバイオティクス細菌を回収後に濃縮される。

第4の観点は、本発明の第3の観点の方法により得られる、酸適応プロバイオティクス細菌株の培養物に関する。

第5の観点は、本発明の第4の観点により得られる、酸適応プロバイオティクス細菌株の培養物の、プロバイオティクス果実飲料の製造のための使用に関する。

概要

本発明は生存数の高い酸適応プロバイオティクス菌、例えばラクトバシラスパラカゼイ種(the species Lactobacillus paracasei)から成る果実飲料の製造方法に関し、及び当該方法により得られるプロバイオティクス果実飲料に関する。

目的

本発明の目的は、果実飲料の酸性環境下でも生存し得る強固なプロバイオティック細菌を含む、プロバイオティック飲料を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

プロバイオティクス果実飲料の製造方法であって、(a)少なくとも1種のプロバイオティクス細菌株を増殖中に酸適応化させ、(b)工程(a)で得られた少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を、果実飲料中に接種し、(c)任意により、プロバイオティクス果実飲料として包装する、ことを含む、製造方法。

請求項2

工程(a)が、(i) 少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を、pH安定剤の非存在下、25℃から43℃の範囲で、好ましくは25℃から40℃の範囲で、初期pH値が約6.0〜約7.0である好適な培地中で増殖させ、ここで当該培地は、当該培地のpH値を約5.0〜約4.0まで到達させることが可能な組成を有し、(ii) 少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を回収し、(iii)任意により、少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を濃縮し、及び、(iv)任意により、少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を凍結又は凍結乾燥する、ことを含む、請求項1の方法。

請求項3

工程(i)における前記培地が、少なくとも2%の糖及び0.4%の酵母抽出物を含む、請求項2の方法。

請求項4

工程(b)において、少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株の含有量(果実飲料1ml当たりの初期CFU値)が、果実飲料1ml当たり1×104〜1×1010CFU、より好ましくは1×105〜1×109CFU、さらに好ましくは1×106〜1×108CFUとなるように接種される、請求項1〜3の何れか1項の方法。

請求項5

最低30日間、例えば最低42日間又は最低70日間、8℃で保存後の少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株の生存率が、果実飲料1ml当たりの初期CFU値に対し少なくとも50%である、請求項1〜3の何れか1項の方法。

請求項6

少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株の生存率が、果実飲料1ml当たりの初期CFU値に対し少なくとも60%、少なくとも70%又は少なくとも80%である、請求項5の方法。

請求項7

プロバイオティクス果実飲料のpH値が3.5〜4.2、例えば3.5〜3.9の範囲内である、請求項1〜6の何れか1項の方法。

請求項8

少なくとも1種のプロバイオティクス細菌株が、ラクトバシラス(Lactobacillus)及びビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)から成る群から選ばれる、請求項1〜7の何れか1項の方法。

請求項9

少なくとも1種のプロバイオティクス細菌株が、ラクトバシラスパラカゼイ種(the species Lactobacillus paracasei)に属する、請求項8の方法。

請求項10

少なくとも1種のプロバイオティクス細菌株が、米国培養細胞系統保存機関(AmericanTissue Type Collection)受託番号ATCC55544として寄託されるラクトバシラスパラカゼイパラカゼイ亜種CRL431株(Lactobacillus paracasei subsp.paracasei strain CRL431 (L. casei 431登録商標))、その突然変異体(mutant)及び変種(variant)から成る群から選ばれる、請求項9の方法。

請求項11

プロバイオティック果実飲料は果実ジュース又は果実ピューレの重量の20%〜99%である、請求項1〜10の何れか1項の製造方法。

請求項12

果実飲料が、イチゴバナナブドウ、オレンジマンゴモモブルーベリーパイナップルライムラズベリー及びブラックカラント、並びにそれらの混合から成る群から選択される果物より製造される、請求項1〜11の何れか1項の方法。

請求項13

請求項1〜12の何れか1項の方法により得られる、プロバイオティクス果実飲料。

請求項14

最低30日間、8℃の条件下で保存後、少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株の含有量(果実飲料1ml当たりの初期CFU値)が、果実飲料1ml当たり1×104〜1×1010CFU、より好ましくは1×105〜1×109CFU、さらに好ましくは1×106〜1×108CFUである、請求項13のプロバイオティクス果実飲料。

請求項15

酸適応プロバイオティクス細菌株の培養菌を得る方法であって、(a)プロバイオティクス細菌株を、pH安定剤の非存在下、25℃から43℃の範囲、好ましくは25℃から40℃の範囲の温度で、初期pH値が約6.0〜約7.0である好適な培地中で増殖させ、ここで当該培地は、当該培地のpH値を約5.0〜約4.0まで到達させることが可能な組成を有し、(b)細胞を回収し、(c)任意により、細胞を濃縮し、(d)任意により、凍結又は凍結乾燥を行うことを含む、方法。

請求項16

工程(a)における前記培地が、少なくとも2%の糖及び0.4%の酵母抽出物を含む、請求項15の方法。

請求項17

少なくとも1種のプロバイオティクス細菌株が、ラクトバシラス(Lactobacillus)及びビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属から成る群から選ばれる、請求項15又は16の何れか1項の方法。

請求項18

プロバイオティクス細菌株がラクトバシラスパラカゼイ種(the species Lactobacillus paracasei)に属する、請求項17の方法。

請求項19

プロバイオティクス細菌株が、米国培養細胞系統保存機関(AmericanTissue Type Collection)受託番号ATCC55544として寄託される、ラクトバシラスパラカゼイパラカゼイ亜種CRL431株(Lactobacillus paracasei subsp.paracasei strain CRL431 (L. casei 431登録商標))、その突然変異体(mutant)及び変種(variant)から成る群から選ばれる、請求項18の方法。

請求項20

請求項15〜19の方法により得られる、酸適応プロバイオティクス細菌株の培養物

請求項21

請求項20の酸適応プロバイオティクス細菌株の培養物の、プロバイオティクス果実飲料の製造のための使用。

技術分野

0001

本発明は生存数の高いプロバイオティクスから成る果実飲料の製造方法に関する。本発明はさらに、プロバイオティクス果実飲料の製造のための酸適応プロバイオティクス細菌の使用又は方法により得られる、プロバイオティクス果実飲料に関する。

背景技術

0002

一部の細菌は、プロバイオティック性質を有する、即ち、十分な生存数を接種した場合に宿主健康状態に利益をもたらすことが知られている。特にラクトバシラス(Lactobacillus)及びビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属に属する細菌株は、多くの研究の対象となっており、これらの研究により、種々の分野において、且つ特定の生理学的作用について予防的な臨床効果を示すことについて多くの研究テーマとなっている。斯かるプロバイオティクスは概ね安全であり、しかも注目すべきことに、腸内細菌の適切な活動を促進することができる。細菌がプロバイオティクスとしての要件を満たすには、消費者の健康に有益な効果を及ぼすことを示す明確な証拠に加え、腸内で生存し、コロニーを作り、そして食品加工及び保存の過酷な工程において生存できることが必要である。臨床的証拠が示すところによれば、プロバイオティクス細菌の1日当たりの摂取量が最低109CFUでプロバイオティクスとしての効果が保証される。

0003

プロバイオティクス製品市場成長を続けている。プロバイオティクスは乳酸菌培地に比較的良く適応するため、特に乳製品に用いられる。現在、オレンジジュースや他の同様の果実ジュース、並びに果実ピューレ及び果実汁を含む飲料は、果実とプロバイオティクスとの両方の利点を併せ持つ、重要なプロバイオティクス培養物ビヒクルとして認識されてきている。加えて、乳成分を含まない果実飲料は、例えばLカゼイ431登録商標(L. casei 431) (Chr. Hansen,Hoersholm, Denmark).のような低アレルギー性バイオティクスの優れた摂取方法である。

0004

しかし、基準となるプロバイオティクス原料を、例えばオレンジジュースに加えた場合、果実ジュースの酸性環境は、初期細胞数の著しい減少を引き起こす。プロバイオティクス培養物の果実飲料への応用を成功させるには、保存期間中は十分なプロバイオティクス細胞濃度が保証されなければならない。即ち、オレンジジュース中又は他の果実飲料においてプロバイオティック培養物生存率を上昇させることは、非常に重要であると考えられている。

0005

十分な量の生きたラクトバシリ(Lactobacilli)を含む果実飲料の製造方法は公知であり、例えば欧州特許EP0113055は、静菌性の成分を除去するために、果実ジュースを固体薬剤移送し接触させ、次いでpH4.0以下の果実ジュース中でラクトバチラス(Lactobacillus)を増殖させることを含む方法に関する。

0006

しかし、そのような果実飲料においては、ガス及び異臭の生成を誘導し、果実飲料を消費に適さないものとしてしまう、菌の生長及び/又は活性が確認される可能性がある。

0007

米国特許出願US2010/0086646は、生きたプロバイオティクス及び食用プロトン化モノアシッド(monoacid)を含む、pH3〜4の生鮮植物ジュース及び/又は乳を主原料とする食品を開示する。ここで、モノアシッド(monoacid)は、プロバイオティクスが当該食品内で好ましくない味及び/又はガスを生成することを防ぐ。

0008

国際特許出願WO 2010/132017は、少なくとも1種のプロバイオティクス菌株、及びアセロラザクロクランベリーアロニアブラックカラントクロウメモドキ又はエルダベリーから選択される少なくとも1つのガス生成低減物を含むプロバイオティクス果実飲料を対象とする。

0009

モノアシッド(monoacid)添加は食品の官能特性に影響し、またプロバイオティクス細菌の生存率に悪影響を及ぼすことも確認されてきた。また、酸生成低減剤の添加も、プロバイオティクス細菌の生存率に悪影響を及ぼすと考えられる。さらに、静菌性化合物除去剤、並びに/若しくは、食品中の異臭及び/又はガスの発生低減剤を添加することは、コスト高にも繋がる。

0010

実際、当該技術分野では、高いプロバイオティクス値を有し、悪味又はガス発生の無い、良好な味を示し、長期保存が可能な、プロバイオティック果実飲料の新たな製造方法が依然として求められている。特に、固体薬剤、モノアシッド、又は果実飲料の官能特性に影響し得るその他の化合物の添加を含まない方法が求められている。

0011

本発明は、果実飲料へ接種する前に酸適応化したプロバイオティック菌を含む果実飲料の製造のための代替方法提示するものである。

0012

本発明の目的は、果実飲料の酸性環境下でも生存し得る強固なプロバイオティック細菌を含む、プロバイオティック飲料を提供することである。もう一つの本発明の目的は、良好な味のプロバイオティック果実飲料を提供することである。さらに他の本発明の目的は、長期保存可能なプロバイオティック果実飲料を提供することである。

0013

過剰量のプロバイオティクス細菌を添加することなく高いCFU/mlのプロバイオティクス細菌を得るために、本発明の発明者等はプロバイオティクス細菌の酸適応化を進め、その結果、低いpHに対し強固なプロアバイオティクス細菌を完成した。

0014

本発明は、プロバイオティック細菌を、pH調整剤を用いることなく酸性条件下で一定期間培養することにより、培養における収率に著しい影響を及ぼすことなく、酸適応化し得るものであるとの知見に基づく。

0015

酸適応プロバイオティクス細菌は、低いpH(pH4.2未満)の果実飲料に加えるプロバイオティクス組成物として極めて有用である。プロバイオティクス細菌と、果物の高い栄養価との組合せにより有益な効能を発揮する。

0016

本発明の方法は、果実飲料に対し、プロバイオティクス飲料の官能特性に影響し得る化学物質を加えることを含まない。

0017

従って、第1の観点において、本発明はプロバイオティクス実飲料を製造する方法であり、当該方法は以下の方法を含む:
(a)少なくとも1種のプロバイオティクス細菌株を増殖中に酸適応化させ;
(b)工程(a)で得られた少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を、果実飲料中に接種し;
(c)任意により、プロバイオティクス果実飲料として包装する;
ことを含む、製造方法。

0018

また、本発明のある実施形態において、プロバイオティック細菌を酸適応化する工程(a)は以下により行われる:
(i) 少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を、pH安定剤の非存在下、25℃から43℃の範囲で、好ましくは25℃から40℃の範囲で、初期pH値が約6.0〜約7.0である好適な培地中で増殖させ、ここで当該培地は、当該培地のpH値を約5.0〜約4.0まで到達させることが可能な組成を有し;
(ii) 少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を回収し;
(iii)任意により、少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を濃縮し;
及び、
(iv)任意により、少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を凍結又は凍結乾燥する。

0019

より好ましい実施形態では、工程(i)の培地は、接種後少なくとも8時間で、当該培地のpH値を約5.0〜約4.0まで到達させることが可能な組成を有する。

0020

さらに好ましい実施形態では、酸適応プロバイオティクス細菌株は工程(iii)において濃縮され、例えば酸適応細菌を回収後に行う。

0021

本発明の第2の観点は、第1の観点の方法によって得られるプロバイオティック果実飲料に関する。また、本発明は、ラクトバシラスパラカゼイパラカゼイ亜種CRL431株(Lactobacillus paracasei subsp.paracasei strain CRL431 、L.カゼイ431登録商標(L. casei 431))を含むプロバイオティック果実飲料に関する。

0022

本発明の第3の観点は、酸適応化プロバイオティクス細菌株培養物を得る方法に関し、当該方法は以下の工程を含む:
(a) 少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を、pH安定剤の非存在下、25℃から43℃の範囲で、好ましくは25℃から40℃の範囲で、初期pH値が約6.0〜約7.0である好適な培地中で増殖させ、ここで当該培地は、当該培地のpH値を約5.0〜約4.0まで到達させることが可能な組成を有し;
(b) 少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を回収し;
(c)任意により、少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を濃縮し;
及び、
(d)任意により、少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を凍結又は凍結乾燥する。

0023

より好ましい実施形態では、工程(a)の培地は、接種後少なくとも8時間で、当該培地のpH値を約5.0〜約4.0まで到達させることが可能な組成を有する。

0024

特に好ましい実施形態では、酸適応プロバイオティクス細菌株は工程(c)において濃縮され、例えば酸適応プロバイオティクス細菌を回収後に濃縮される。

0025

第4の観点は、本発明の第3の観点の方法により得られる、酸適応プロバイオティクス細菌株の培養物に関する。

0026

第5の観点は、本発明の第4の観点により得られる、酸適応プロバイオティクス細菌株の培養物の、プロバイオティクス果実飲料の製造のための使用に関する。

図面の簡単な説明

0027

図1は、L.カゼイ431登録商標(L. casei 431)株によるMRS培地(ディフコ(Difco))の酸性化条件を示す。酸適応化細胞はpH5.0、pH4.5、及びpH4.0において遠心分離により回収した。

0028

図2は、大スケール産生中のL.カゼイ431登録商標(L. casei 431)の細胞数を表す。

0029

図3は、産生時に酸未適応の(菱形)、或いはpH4.0(三角形)又はpH5.0(四角形)に酸適応させたL.カゼイ431登録商標(L. casei 431)を、イチゴバナナジュースに対して低濃度(5x107 CFU/ml、黒塗)又は高濃度(1x108 CFU/ml, 白塗)で加えた場合の細胞数を示す。

0030

図4は、産生時に酸未適応の(菱形)、或いはpH4.0(三角形)又はpH5.0(四角形)に酸適応させたL.カゼイ431登録商標(L. casei 431)を、トロピカルジュースに対して低濃度(5x107 CFU/ml、黒塗)又は高濃度(1x108 CFU/ml, 白塗)で加えた場合の細胞数を示す。

0031

図5は、産生時に酸未適応の(菱形)、或いはpH4.0(三角形)又はpH5.0(四角形)に酸適応させたL.カゼイ431登録商標(L. casei 431)を、赤色果実ジュースに対して低濃度(5x107 CFU/ml、黒塗)又は高濃度(1x108 CFU/ml, 白塗)で加えた場合の細胞数を示す。

0032

図6は、産生時に酸未適応の(対照)、或いはpH4.0、pH4.5又はpH5.0に酸適応させたL.カゼイ431登録商標(L. casei 431)を、100%オレンジジュースに対して1.5×108CFU/mlで加えた場合の細胞数を示す。

0033

図7は、産生時に酸未適応の(対照)、又は、pHがpH4.0、4.5又は5.0に酸適応させたL.カゼイ431登録商標(L. casei 431)を、−50℃で冷凍ペレットとして保存し、解凍した培養物の生存性を一定時間ごとに混釈平板法により試験した場合の細胞数を示す。

0034

図8は、産生時に酸未適応の(対照)、又は、pHがpH4.0に酸適応させたL.カゼイ431登録商標(L. casei 431)を、−50℃で6か月間冷凍ペレットとして保存し、その後8℃で保存したオレンジジュースに添加した場合の細胞数を、x軸に表す時間の経過に沿って示す。

0035

図9は、L.カゼイ431登録商標(L. casei 431)の細胞数について、100%オレンジジュースに対し、産生時に酸未適応の(四角形)、又は、pH4.0に酸適応させた菌(三角形)につき、8℃で保存した場合の細胞数を示す。

0036

定義
本文中の「果実ジュース」なる用語は、新鮮な果実を、熱や溶媒を加えることなく、機械的に絞る又は潰すことにより自然に得られる液体のことをいう。「果実ジュース」は1種類の果物からなっていてもよく、又は1以上の果物の混合物からなっていてもよい。

0037

本文中の「果実ドリンク」なる用語は、0〜29%の果実ジュースを含む飲料を指す。

0038

本文中の「ネクター」なる用語は、30〜99%の果実ジュースを含む飲料を指す。

0039

本文中の「ピューレ」なる用語は、熱や溶媒を加えることなく、粉砕し、押し潰し、及び/又は裏ごし半固体の又は柔らかいペースト状の稠度とした果実のことを指す。「ピューレ」とは100%果実より製造され、単に果実のジュースから製造されるものとは対照的に区別される。

0040

本文中の「果実飲料」なる用語は、果実ジュース、果実濃縮物及び/又は果実ピューレを含む飲料をいう。ここで、「果実飲料」なる用語は、本明細書で定義される「果実ジュース」「果実ドリンク」「ネクター」を含む。「果実飲料」は果肉を含むものであってもよく、遠心分離などのような操作により果肉が除去されたものであってもよい。さらに、果実飲料はエンバク大豆アーモンドホエイ及び/又は非発酵牛乳を、例えば乳粉末の形態で含んでいてもよい。特に好適な実施態様によれば、本発明の果実飲料は、牛乳等の乳成分を含まない。

0041

本文中の「酸適応」(細菌)は、培養途中に徐々にpH値を下げる環境に曝すことにより低pH耐性化された生きた細菌のことをいう。そして、酸適応プロバイオティクス細菌株の製造工程は、通常、pH値を徐々に低下させる条件、例えばpH4.0〜5.0に達する条件における、当該菌株の培養を含む。好適に自身が酸適応化を受けるプロバイオティクス細菌は、培地中で累積して増殖する間に酸を産生する。より好適には、酸産生プロバイオティクス細菌は乳酸菌群に属する。これに代えて、また、酸適応化を受けるプロバイオティクス細菌が自発的に酸を産生しない条件でも、外からの酸の添加によりpH低下が達成される。

0042

酸適応化工程は、好ましくは、プロバイオティクス細菌を、pH安定化の非存在下、培地中で増殖させることにより行う。「pH安定化の非存在下」との表現は、pHが徐々に低下するのを防ぐ手段を講じないということを意味する。例えば、ある実施態様では、プロバイオティクス細菌を培養する培地は、酸の生成や増加に対してpHを一定に保つことのできる緩衝剤を通常含まない。代わりに、開始時にある一定濃度の緩衝剤を含む場合は、緩衝剤が用い尽くされるまで培養を継続させ、培養期間中はさらなる緩衝剤の追加は行わないとしてもよい。特に、低下したpHを中和させるために培養期間中に通常の化合物を加えることはない。

0043

「異臭」は食品中の異常な風味を意味する。「異臭」は消費者によって不快であり、そのため不要である。果物の性質に起因するいわゆる「良い」香りもまた製品中から感知し得るが、本発明による「異臭」には含めない。

0044

本文中でプロバイオティクス果実飲料を「包装する」との用語は、例えば、プロバイオティクス果実飲料が消費者又は消費者グループにより摂取することができるように、製品を最終的に包装することに関する。適切な包装は、瓶、パック又はそれに類似のもであり、適切な量は、より好ましくは、例えば10〜5000mlであり、実際は50ml〜1000ml、例えば200〜1000ml等が好ましい。

0045

「プロバイオティクス細菌」との用語は、消費者において健康増進効果の促進を目的として消費者へ十分の量が摂取される、生きた細菌のことを意味する。プロバイオティクスは個別の投与形態、例えば、カプセル、懸濁液、及びそのようなものにより投与される。それに代えて、プロバイオティクス細菌は、食品や栄養サプリメントの形で投与される。プイロバイオティクス細菌は、摂取後消化管内の環境で生存することができ、消費者の腸内でコロニーを形成する。本発明において、プロバイオティクス細菌として、異なる型の細菌が用いられ、例として、ラクトバシラス属の細菌(genus Lactobacillus)、例えばラクトバシラスアシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバシラスパラカゼイ( Lactobacillus paracasei)、ラクトバシラスラムノサス( Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバシラスカゼイ( Lactobacillus casei)、ラクトバシラス デルブルエキ( Lactobacillus delbrueckii)、ラクトバシラスラクティス(Lactobacillus lactis)、ラクトバシラス プラタルム( Lactobacillus plantarum)、ラクトバシラスロイテリ( Lactobacillus reuteri)、及び ラクトバシラスジョンソニ(Lactobacillus johnsonii)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium,)属の細菌、例えば、ビフィドバクテリウムアニマリス(Bifidobacterium animalis)、ビフィドバクテリウムブレベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウムインファンティス(Bifidobacterium infantis)、ビフィドバクテリウムロングン(Bifidobacterium longum)等を含む。また、プロバイオティクス細菌株は、他の属由来のもの、例えばエスケリキア(Escherichia)及びバシラス(Bacillus)についても述べられてきた。

0046

本文中、「突然変異体(mutant)」との用語は、本発明の菌株(又は親株)に由来する、又は由来する可能性のある株であって、例えば遺伝子工学放射線照射及び/又は化学的処理等の手段により変異したものと解されるべきである。また、突然変異体は自然発生的にも変異が起こる可能性がある。好ましくは、変異体は機能的に等価の変異体であって、例として、親株と比較して実質的に同等か、又は進化した性質(例えば、香りに関すること、酸性化後酸性化速度、及び/又は酸性化能力)のものが挙げられる。そのような変異体は、本発明の一部分を構成する。特に、「変異体」との用語は、突然変異原となる化学物質、例えばメチルエチルスルホネートEMS)又はNメチル-N-ニトロソ-N-ニトログアニジンNTG)による処置UV照射による処置、等を含む任意の従来から用いられる変異生成処置による変異、又は自然発生的に起こる変異によって得られた菌株を意味する。変異体を複数の変異生成処置に供してもよい(ここで個々の処置は、1つの変異化工程に次ぐスクリーニング/選別工程であると理解される)。しかし、現在のところ、実施する処置(又はスクリーニング/選別工程)の数は20未満、又は10未満、又は5未満であるのが好ましい。ここでは、突然変異体は、親株と比べて、細菌ゲノム中の5%以下、又は1%以下、又は0.1%以下の核酸塩基が、他の核酸塩基に伴って移動又は消失することが好ましい。

0047

本文中、「変種(variant)」なる用語は、本発明の菌株と機能的に等価な菌株として理解されるべきであり、例として、実質的に同等、又は進化した性質(例えば香りに関すること、酸性化後、酸性化速度、及び/又は酸性化能力)が挙げられる。それらの変種は、適切なスクリーニング技術を使用することにより同定され、本発明の一部分を構成する。

0048

本発明の説明(特に添付の特許請求の範囲)中、詞(a, an, the)及び同様の指示語は、文中で別途指示する場合、或いは明らかに文意に矛盾する場合を除き、単数及び複数の両方を含むものとする。また、「構成する」(comprising)「有する」(having)及び「含む」(containing)の語は、特記される場合を除き、制限のない(例えば「含む」を意味するがそれに限定されるものではない)語と解釈される。

0049

明細書中数値範囲の記載は、特段の指示がない限り、範囲内にある個々の数値を個別に記載せず、簡略化して表記したものであり、これらの個々の数値は各々、個別に記載するのと同様に、本明細書中に組込まれる。本明細書で述べられるすべての方法は、特段の指示がない限り、又は明らかに文意に矛盾しない限り、適切な任意の順序で実施される。ここで、任意の全ての例、又は例示的表記(「例えば」(such as)等)は、本発明をより理解しやすくするためのものにすぎず、特許請求の範囲によって別途特定された発明に、何ら限定を加えるものではない。明細書中の何れの記載も、特許請求の範囲に記載されていない何らかの要素を、発明の実施に必須の要件であると示すものとして解釈してはならない。

0050

プロバイオティクス菌株、例えばラクトバチラス(Lactobacillus)及びビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属の菌株は、飲料に用いられる。しかし、それらは酸性環境に敏感であり、pH値が4.2以下の培地に接種した場合、細胞の生存数は急激に減少する。

0051

本発明者等は驚くべきことに、酸適応プロバイオティクス菌株を用いることにより、果実の酸のため通常のpHが3〜4と低い範囲である果実飲料中でも生存率が顕著に増加することを見出した。果実飲料中、酸適応プロバイオティクス細菌の生存能力は低pH値、10週間の冷蔵保存においても実質的に影響を受けることはなく、細菌の冷凍保存の間、酸性条件下における高い生存能力が維持された。

0052

さらに、酸適応プロバイオティクス細菌を、赤色果実、トロカルフルーツ及びストロベリー/バナナのような果実飲料に添加した場合、異臭は確認されなかった。

0053

実際、第1の観点において、本発明は、果実飲料に少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌を接種することによる、プロバイオティクス果実飲料の製造方法に関する。

0054

本発明の使用に好適な果実飲料の例は、低いpH値を示すものであり、特に、シトラス果実のジュース、例えばオレンジジュース、ブドウジュースライムジュースマンリンジュース及びそれらの混合物が挙げられる。果実飲料の他の実施例は、リンゴジュースからなる果実飲料を含む。

0055

本発明の使用に好適な果実飲料の例は、果実ジュース、濃縮果実ジュース、果実ドリンク及び果実ネクターであり、任意に果実ピューレ及び/又は水を含む。

0056

果実飲料中の果実ジュース及び/又は果実ピューレの含有量は、通常、約20〜約99.99重量%であり、好適には、約30〜95重量%であり、さらに好適には、約40〜90重量%であり、より好適には、約50〜80重量%であり、最も好適には、60〜70重量%である。

0057

ある実施形態では、果実飲料は、実質的に乳成分を含まないが、野菜ジュース野菜濃縮物及び/又は野菜ピューレを含む。

0058

ある実施形態では、当該果実飲料のpH値は3.2〜4.2、好適には3.5〜3.9の範囲内である。

0059

ある好適な実施形態では、果実飲料の全体又は一部は、イチゴ、バナナ、ブドウ、オレンジマンゴモモブルーベリーパイナップルライムラズベリー及びブラックカラント、並びにそれらの混合から成る群から選択される果物より製造される。

0060

本発明のより好適な実施形態によれば、果実飲料は、イチゴピューレ、バナナピューレ、ブドウピューレ、オレンジピューレ、マンゴピューレ及びブルーベリーピューレを含む。

0061

本発明のより好適な実施形態によれば、果実飲料は、パイナップルジュース、オレンジジュース、バナナピューレ、マンゴピューレ及びライムジュースを含む。

0062

本発明の更に好適な実施形態によれば、果実飲料は、ラズベリーピューレ、ブラックカラントジュース、ブルーベリーピューレ、ブドウジュース、イチゴピューレ及びバナナピューレを含む。

0063

少なくとも1種のプロバイオティクス細菌は、適切な培地上pH安定剤の非存在下で培養することにより酸適応化されたものである。ある実施形態において、少なくとも1種のプロバイオティクス細菌は、pH安定剤の非存在下、25〜43℃の範囲で、好ましくは25〜40℃の範囲で、初期pH値が約6.0〜7.0である好適な培地中で増殖させ、ここで当該培地は、当該培地のpH値を約5.0〜4.0まで到達させることが可能な組成を有し、好適には少なくとも8時間の培養後、それにより少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を製造し、該少なくとも一種の酸適応プロバイオティクス細菌株を回収し、好ましくは該少なくとも一種の酸適応プロバイオティクス細菌株を濃縮し、該少なくとも一種の酸適応プロバイオティクス細菌株を任意に凍結又は凍結乾燥させる。

0064

プロバイオティクス細菌の酸適応化に用いる培地は、好適には、プロバイオティクス細菌培養中、当該培地のpH値を約5.0〜4.0まで到達させることが可能な組成を有する。これは、プロバイオティクス細菌により、又はその代わりに継続的に又は段階的に培養物中に酸を添加することにより、酸が生成するため培地のpH値が減少することを意味する。培地は、pH約5.0〜4.0において、分解するか又は無効又は毒性を示す物質を必須のものとして含まない。培地中に必須の要素とは、プロビオティクス細菌の培養に必要とされる化合物であって、例えば栄養、炭素及び窒素源ビタミン類又はこれらに類似するものをいう。

0065

好適な実施態様において培養に用いられる培地は、少なくとも0.4%の酵母抽出物及び2%の糖を含む。

0066

プロバイオティクス細菌、特に乳酸菌について培養に用いられ得る好適な培地は、周知技術である。例えば、プロバイオティクス細菌のうち乳酸菌に対して用いられる場合、任意の市販の乳酸菌培養用の培地、例えばラクトバクシリMRS(Lactobacilli MRS, de Man, Rogosa and Sharpe)培地を用いることができる。プロバイオティクス細菌の培養に用いられ得る典型的なMRS培地組成は、ペプトン1.0%、肉抽出物0.8%、酵母抽出物0.4%、グルコース2.0%、酢酸ナトリウム水和物0.5%、ポリソルベート80(別名Tween 80)0.1%、リン酸水素カリウム0.2%、クエン酸アンモニウム(triammonium citrate)0.2%、硫酸マグネシウム7水和物0.02%、及び硫酸マグネシウム4水和物0.005%を含む。当該培地を酸適応プロバイオティクス細菌に用いる場合、特にリン酸水素2カリウム成分を除外することが望ましい。これは、細菌により、又は酸を系外から添加することにより酸が生成するのに対し、pHの安定化が起こらないようにするためである。さらにより好適な実施形態では、リン酸水素2カリウム及び酢酸ナトリウム3水和物成分をMRS培地から除外する。しかし、ここで、他の部分の概略に示されるように、酸適応化細菌に使用される培地中、緩衝成分がそのまま残される場合もある。この場合、緩衝能が消費し尽くされた後にpHの降下が起こる。プロバイオティクス細菌の培養は、他に外部からの塩基の添加を受けることはない。

0067

通常、当業者はプロバイオティクス細菌の培養に好適な培地を把握している。上記培地は、緩衝成分の存在又は非存在下、種培養物(starter cultures)での培養、例えば約100ml, や約500ml, 約1000ml, 約2000ml,約4000ml又はそれ以上の容量を有する種培養物れの培養に適している。また同様に、例えば約100l以上, 約200l以上, 約400l以上の容量の系を有する、大スケール細菌培養にも適している。そのような大スケールの培養は典型的には発酵槽内で行う。以下の実施例1は、好適な培地の使用について例証する。

0068

培地の初期pH値とは、プロバイオティクス細菌の添加前の培地中のpH値のことである。好適な実施態様においては、培地の初期pH値は約6.0〜約7.0の間であり、好適には、約6.2〜6.6の間である。

0069

本発明の1つの好適な実施態様においては、プロバイオティクス細菌の培養後、好適には最低6時間後、最低8時間後、最低10時間後、より好ましくはプロバイオティクス細菌の培養後最低12時間後、培地のpH値は約5.0〜約4.0に達する。特に好ましい実施態様においては、少なくとも約8時間後に、培地のpH値が約5.0〜約4.0に達する。

0070

プロバイオティクス細菌は、発酵中乳酸産生により、培養中のpH値の低下を引き起こす。好適な実施態様において、本発明の方法で用いられる培地は当該pH低下が許容される。なぜならば、培養中の乳酸生成に対し、pHの安定化が行われないようにするため、緩衝剤を含まない、又は実質的に含まない条件が必須となるためである。

0071

好適には、プロバイオティクス細菌はpH安定剤の非存在下、25℃から43℃の範囲、好適には25℃から40℃の範囲、より好適には30℃から40℃の範囲、最も好適には37℃の温度で、培養される。

0072

本発明の好適な実施態様においては、少なくとも1種のプロバイオティクス細菌株が、ラクトバシラス(Lactobacillus)及びビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)から成る群から選ばれる。

0073

本発明のより好適な実施態様においては、少なくとも1種のプロバイオティクス細菌株が、ラクトバシラスパラカゼイ種(the species Lactobacillus paracasei)に属する。ラクトバシラス パラカゼイ種(the species Lactobacillus paracasei)が用いられる場合、培養温度は37又は38℃が好適である。

0074

ラクトバシラスパラカゼイパラカゼイ亜種CRL431株(Lactobacillus paracasei subsp.paracasei strain CRL431 (L. casei 431登録商標))は、特許手続上の微生物寄託の国際承認に関するブダペスト条約により、米国培養細胞系統保存機関(American Tissue Type Collection、10801 University Blvd, Manassas, VA 20110, USA)、1994年1月24日付、受託番号ATCC55544として寄託された。周知のプロバイオティクス細菌はクリスチャン・ハンセンA/S(Chr. Hansen A/S, 10-12 Boege Aile, DK-2970 Hoersholm、Denmark,)より、製品名:Probio-Tec登録商標 F-DVS L. casei-431登録商標, 製品番号501749、及び製品名:Probio-Tec登録商標 C-Powder-30, 製品番号687018として購入可能である。

0075

本発明のより好適な実施態様において、少なくとも1種のプロバイオティクス細菌株が、米国培養細胞系統保存機関(American Tissue Type Collection)受託番号ATCC55544として寄託されるラクトバシラスパラカゼイパラカゼイ亜種CRL431株(Lactobacillus paracasei subsp.paracasei strain CRL431 (L. casei 431登録商標))、その突然変異体(mutant)及び変種(variant)から成る群から選ばれる。

0076

酸適応プロバイオティクス細菌の回収及び濃縮方法は周知技術である。例えば、細菌培養物を遠心分離し培養物の上清を除去することにより細菌の回収を達成できる。遠心分離は、細菌の破壊を回避できる程度の強度で行う。遠心分離による細胞の回収は通常知られるものであり、例えば、2000〜6000×gで2〜20分間行う例が含まれる。濃縮方法についても同様に知られるとおりである。例えば、細菌の濃縮は遠心分離により達成され、続いてより少量の体積中に再懸濁し、凍結乾燥又はフィルターろ過、例えばカラム又はフィルターを通すろ過を行う。

0077

通常、少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌の果実飲料への接種は、少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株の含有量(果実飲料1ml当たりの初期CFU値)が、果実飲料1ml当たり1×104〜1×1010CFU、より好ましくは1×105〜1×109CFU、さらに好ましくは1×106〜1×108CFUとなる量で行われる。

0078

驚くべきことに、プロバイオティクス細菌の生存率は、上記の酸性条件への適応後に特に高く、4〜10℃で数か月間保存後も高いままである。ある1つの実施態様において、最低30日間、例えば最低42日間又は最低70日間、8℃で保存後の少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株の生存率が、果実飲料1ml当たりの初期CFU値に対し少なくとも50%である。

0079

ある好適な実施態様では、少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株の生存率が、上述の保存条件において、果実飲料1ml当たりの初期CFU値に対し少なくとも60%、少なくとも70%又は少なくとも80%である。

0080

生存細胞数計測は、技術的に標準の方法にしたがい、連続希釈法におけるコロニー形成単位数(CFU)を、寒天プレート上のコロニー数を計上することにより同定した。好適な培地及びインキュベーション条件は以下の実施例に示す。

0081

回収後及び/又は濃縮後、酸適応細菌は任意に冷凍凍結乾燥される。例えば、プロバイオティクス細菌は約-20℃、好ましくは約-80℃、又はそれ以下で冷凍され得る。冷凍方法は、好ましくはできる限り急速に行われ、好ましくは衝撃凍結(shock-freezing)を、細胞損傷を避けるために行う。衝撃凍結は、例えば、細菌の入った容器液体窒素中に浸すことにより行う。実際、特に好ましい実施態様では、酸適応プロバイオティクス細菌は-196℃で衝撃凍結される。凍結乾燥法も同様に周知技術である。凍結乾燥においては、材料を冷凍後、周囲の圧力を低下させることにより、材料中の水分を固相から直接気相へと昇華させる。酸適応プロバイオティクス細菌を凍結又は衝撃凍結させた後、細菌は約20℃、約-55℃、-80℃又は液体窒素中の-196℃で保存される。特に好適には、酸適応プロバイオティクス細菌は約-55℃で保存される。

0082

本発明のある実施態様によれば、プロバイオティクス果実飲料は便宜的に、10〜5000ml、例えば50〜1000ml又は200〜1000mlの内容量のパック製品として密封包装される。

0083

第2の観点において、本発明は、本発明の第1の観点による方法にしたがい得られるプロバイオティクス果実飲料であって、プロバイオティクス果実飲料は少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌を含むものに関する。

0084

ある実施態様において、少なくとも1種のプロバイオティクス細菌が果実飲料中に存在し、その量は最低30日間、例えば最低42日間、8℃の条件下で保存後、少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株の含有量(果実飲料1ml当たりの初期CFU値)が、果実飲料1ml当たり1×104〜1×1010CFU、より好ましくは1×105〜1×109CFU、さらに好ましくは1×106〜1×108CFUである。

0085

生存細胞数の計測は、本技術分野の標準法にしたがい、連続希釈法におけるコロニー形成単位数(CFU)を、寒天プレート上のコロニー数を計上することにより同定した。好適な培地及びインキュベーション条件は以下の実施例に示す。

0086

第3の観点において、本発明は、酸適応プロバイオティクス細菌の、pH安定剤の非存在下での増殖による直接的な製造方法を示す。より好適な実施形態において、プロバイオティクス細菌はpH安定剤の非存在下、25〜43℃の範囲で、好ましくは25〜40℃の範囲で、初期pH値が約6.0〜7.0である好適な培地中で増殖させ、ここで当該培地は、当該培地のpH値を約5.0〜4.0まで到達させることが可能な組成を有し、好適には少なくとも8時間の培養後、それにより少なくとも1種の酸適応プロバイオティクス細菌株を製造し、該少なくとも一種の酸適応プロバイオティクス細菌株を回収し、好ましくは該少なくとも一種の酸適応プロバイオティクス細菌株を濃縮し、該少なくとも一種の酸適応プロバイオティクス細菌株を任意に凍結又は凍結乾燥させる。

0087

好適な1つの実施形態において、培地は少なくとも0.4%の酵母抽出物及び少なくとも2%の糖を含む。

0088

培地の初期pH値とは、プロバイオティクス細菌の添加前の培地中のpH値のことである。好適な実施態様においては、培地の初期pH値は約6.0〜約7.0の間であり、好適には、約6.2〜6.6の間である。

0089

本発明の1つの好適な実施態様においては、プロバイオティクス細菌の培養後、最低10時間後、好ましくはプロバイオティクス細菌の培養後、最低12時間後、培地のpH値は約5.0〜約4.0に達する。

0090

本発明の好適な実施態様においては、少なくとも1種のプロバイオティクス細菌株が、ラクトバシラス(Lactobacillus)及びビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)から成る群から選ばれる。

0091

本発明のより好適な実施態様においては、少なくとも1種のプロバイオティクス細菌株が、ラクトバシラスパラカゼイ種(the species Lactobacillus paracasei)に属する。

0092

本発明のより好適な実施態様において、少なくとも1種のプロバイオティクス細菌株が、米国培養細胞系統保存機関(American Tissue Type Collection)受託番号ATCC55544として寄託されるラクトバシラスパラカゼイパラカゼイ亜種CRL431株(Lactobacillus paracasei subsp.paracasei strain CRL431 (L. casei 431登録商標))、その突然変異体(mutant)及び変種(variant)から成る群から選ばれる。

0093

本発明の第4の観点は、本発明の第3の観点による、酸適応プロバイオティクス細菌の培養に関する。

0094

第5の観点は、第4の観点による培養物を用いてプロバイオティクス果実飲料を生産することを示す。

0095

1つの好適な実施形態では、プロバイオティクス果実飲料のpH値はほぼ4.2である。

0096

本発明は以下の実施例によりさらに説明されるが、これらに限定されるものではない。

0097

実施例1.酸適応L.カゼイ431登録商標(L. casei 431)株の産生
MRS培地(ディフコ(Difco)、ref.288110)に冷凍保存されたL.カゼイ431登録商標(L. casei 431)株を1%(V/V)となるように接種した。37℃、終夜、pHが3.9以下となるまで培養し、使用時まで5℃で保存した。終夜培養した培養物を、MRS培地(ディフコ(Difco)) 4リットル(1%V/V)に接種し、37℃、終夜、pHが3.9以下となるまでインキュベートし、使用時まで5℃で保存した。当該予備接種工程は、発酵に十分な接種量が確保できるまで行った。400lの適切な培地が入ったバイオリアクターに、予備接種工程で得られた全量を、10℃で接種した。温度を35℃まで上昇させて発酵を開始し、発酵に続いて炭水化物の代謝による乳酸産生が起こるとともにpHが低下するのを監視した。当該pHの低下に伴い細胞は徐々に低pHへ適応する。酸適応細胞をpH5.0、4.5及び4.0の各点において遠心分離により回収した。発酵時間は回収の時点に応じ10〜17時間であった(図1)。
濃縮物の細胞全量は直ちに液体窒素(-196℃)で凍結し、使用時まで-55℃で保存した。

0098

実施例2.酸適応L.カゼイ431登録商標(L. casei 431)株の回収基準の最適化
最大の生存細胞数を求めるため、以下のように最適な回収基準を決定した。バイオリアクターを予備接種により接種し、実施例1で述べたように発酵を開始した。予備接種(pH4.5相当)の11時間後から、30分毎にpHが4.0を下回るまで発酵物サンプルを取出し、コロニー形成単位(CFU)数を決定することにより生存数を評価した(図2)。CFUはMRS寒天培地で約10倍希釈した後、37℃、3日間嫌気性条件でインキュベートすることにより決定した。

0099

細胞数は接種後12時間後(pH4.24相当)まで増え続け、発酵完了後一定レベルで15が残存した。このことは、細胞が頑強でありpH4.0以下に低下した場合も生存していたことを意味する。実行可能な工程時間内では、酸適応化され生存する細胞を十分量供給し得るための好適な回収基準はpH4.0未満と決定された。

0100

実施例3.酸適応L.カゼイ431登録商標(L. casei 431)種々の果実飲料の、生存活性及び官能特性
実施例1で述べた手順により生産されたL.カゼイ431登録商標(L. casei 431)株を、以下の組成による、異なる果実による飲料に対する接種に使用した。

0101

イチゴ/バナナジュース(pH3.75)
31% イチゴピューレ
26%バナナピューレ
ブドウジュース、オレンジジュース、マンゴピューレ、モモピューレ及びブルーベリーピューレを加え合計100%とする。

0102

トロピカルジュース(pH3.88)
32%パイナップルジュース
32%オレンジジュース
26%バナナピューレ
7%マンゴピューレ
3%ライムピューレ

0103

赤色果実ジュース(pH3.55)
16%の異なる赤色果実(ラズベリーピューレ、ブラックカラントジュース、ブルーベリーピューレ)
グレープジュース、イチゴピューレ及びバナナピューレを加え合計100%とする。

0104

プロバイオティクスF-DVS培養物をペプトン生理食塩水で希釈し、異なる果実ジュースの包装単位に対し1% v/vとなるよう接種し、初期細胞数5x107 又は1x108 CFU/mlのいずれかを得た。当該ジュースに、pH4.0、5.0適応の、及び対照として非適応のL.カゼイ431登録商標(L. casei 431)を接種した。官能分析のための対照として、包装単位に対し同量のペプトン生理食塩水を接種した。接種済のジュースは遮光条件下8℃で保存された。L.カゼイ431登録商標(L. casei 431)の細胞数は、一定時間ごとに、MRS寒天培地で約10倍希釈した後、37℃、3日間嫌気性条件でインキュベートすることにより決定した。保存期間中、官能評価訓練された官能評価者3名により行われた。

0105

異なる果実ジュース中のL.カゼイ431登録商標(L. casei 431)の細胞数を図3、4及び5に示す。pH3.5-3.9の酸性条件下で最低30日間保存した場合、酸適応L.カゼイ431登録商標(L. casei 431)菌は生存率に影響を受けなかったのに対し、非適応のL.カゼイ431登録商標(L. casei 431)菌の場合、果実飲料中の生存率が1000倍低下した。

0106

30日保管後の官能評価では、L.カゼイ431登録商標(L. casei 431)株を添加したものは、同種類の対応するペプトン生理食塩水を加えたものと比較して、いずれも官能特性に変化は認められなかった。

0107

実施例4.3種の異なるpH値で適応化されたL.カゼイ431登録商標(L. casei 431)の、オレンジジュース中での生存率
実施例1で説明された手順により生産されたL.カゼイ431登録商標(L. casei 431)菌を、100%オレンジジュース(pH3.8)に接種した。プロバイオティクスF-DVS培養物をペプトン生理食塩水で希釈し、オレンジジュースの包装単位に対し1% v/vとなるよう接種し、初期細胞数1.5×108CFU/mlを得た。当該ジュースに、pH4.0、4.5、5.0適応の、及び対照として非適応のL.カゼイ431登録商標(L. casei 431)を接種した。ジュースは遮光条件下8℃で42日間保存され、細胞数は通常どおり、サンプルをMRS寒天培地で約10倍希釈した後、37℃、3日間嫌気性条件でインキュベートすることにより決定した。

0108

図6に示すように、L.カゼイ431登録商標(L. casei 431)の細胞数は、pH4.0、4.5、5.0適応のものはほぼ一定であったのに対し、非適応のL.カゼイ431登録商標(L. casei 431)を用いた場合は、細胞数の顕著な減少が観察された。

0109

実施例5.冷凍保存における酸適応Lカゼイの安定性
実施例1に従って産生されたL.カゼイ431登録商標(L. casei 431)菌を-50℃の冷凍ペレットとして保存し、通常の生存率試験を行った。細胞数は、解凍培養物をMRS寒天培地で5プレートを約10倍希釈後、37℃、3日間嫌気性条件でインキュベートすることにより決定した。図7に示すように、-50℃、6か月間保存した場合、非適応、及びpH4.0、4.5、5.0適応のL.カゼイ431登録商標(L. casei 431)のいずれを用いた場合も、細胞数は非常に安定していた。

0110

本明細書には、本発明を実施する上で本発明者等が知る限り最良の形態を含む、本発明の好適な態様を記載した。以上の記載に接した当業者には、これらの好適な実施態様に対し種々の変形を加え得ることは自明であろう。本発明者等の理解によれば、当業者であれば斯かる種々の変形を適宜採用するであろうし、また、本明細書に具体的に記載された態様とは異なる形で本発明を実施するのは、発明者等が意図するところでもある。従って、本発明は、適用法許す限り、添付の特許請求の範囲に記載の主題に対するあらゆる変更や等価物が含まれるものとする。さらに、別段特段の指示や、文意との明らかな矛盾が無い限り、上述の要素の考え得るあらゆる変形を含む任意の組合せが、本発明に含まれる。

0111

実施例6.長期冷凍保存後の、ジュース中のL.カゼイ431登録商標(L. casei 431)の生存率
-50℃、6か月間、冷凍ペレットとして保存後、100%オレンジジュース中、pH4.0適応L.カゼイ431登録商標(L. casei 431)の25バッチの生存率を決定した。プロバイオティクスF-DVS培養物をペプトン生理食塩水で希釈し、オレンジジュースのパック単位に対し1% v/vとなるよう接種し、初期細胞数1.5×108CFU/mlを得た。対照として、他の包装単位の100%オレンジジュースに対し非適応L.カゼイ431登録商標(L. casei 431)を加え、-50℃で6か月間保存した。
ジュースは遮光条件下8℃で42日間保存され、一定間隔でのL.カゼイ431登録商標(L. casei 431)サンプルの細胞数は、プレートをMRS寒天培地で約10倍希釈した後、37℃、3日間嫌気性条件でインキュベートすることにより決定した。

0112

図8に示されるように、pH4.0適応産生のものを用い、6か月-50℃で保存後、オレンジジュース中で6週間冷蔵保存した場合でもなお、L.カゼイ431登録商標(L. casei 431)の細胞数は一定に保たれた。一方、非適応L.カゼイ431登録商標(L. casei 431)を用いた場合は、6か月-50℃で保存後、オレンジジュース中に加えた場合、細胞数は著しく減少した。このことは、培養物が-50℃で長期凍結保存後であっても、pH4.0適応産生のL.カゼイ431登録商標(L. casei 431)は、オレンジジュース中の生存率が高いことを示す。

0113

実施例7.適応L.カゼイ431登録商標(L. casei 431)菌の、オレンジジュース中での長期保存安定性
実施例1の方法により産生されたL.カゼイ431登録商標(L. casei 431)を用いて100%オレンジジュース(pH3.8)に接種を行った。プロバイオティクスF-DVS培養物をペプトン生理食塩水で希釈し、おおよその初期細胞数を確定した。果実ジュースの包装単位に対し1% v/vとなるよう接種したところ初期細胞数は1e08 CFU/mlであった。当該ジュースに、pH4.0に適応の、及び対照として非適応の「対照」L.カゼイ431登録商標(L. casei 431)を接種した。接種済のジュースは遮光条件下8℃で70日間保存し、一定間隔でサンプルを採取し、採取サンプルの細胞数は、プレートをMRS寒天培地で約10倍希釈した後、37℃、3日間嫌気性条件でインキュベートすることにより決定した。

0114

図9に示すように、L.カゼイ431登録商標(L. casei 431)の細胞数は、pH4.0適応産生のものを用い、オレンジジュース中10週間冷蔵保存後も一定していた。一方、非適応L.カゼイ431登録商標(L. casei 431)をオレンジジュース中で冷蔵保存した場合、3週間後、最初のサンプル摘出時点で細胞数の顕著な減少が見られた。このことは、オレンジジュース中10週間冷蔵保存後でも、pH4.0適応のLカゼイの生存率はより高いことを示す。

0115

参考文献:
欧州特許0113055号
米国特許出願2010/0086646号
PCT特許出願2010/132017号

実施例

0116

本明細書に引用する全ての文献は、その全体が、参照により本明細書に組込まれる。

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