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技術 原子力発電所の廃止措置に由来する廃棄物のコンディショニングのための方法

出願人 イーシーアイアール-エコイニチアティヴァイーリアリッツァチオーニ-エス.アール.エル.
発明者 コスタ,ピエールパオロコスタ,ロレンツォ
出願日 2011年11月11日 (9年1ヶ月経過) 出願番号 2013-538207
公開日 2014年1月30日 (6年10ヶ月経過) 公開番号 2014-502348
状態 特許登録済
技術分野 汚染除去及び汚染物処理
主要キーワード 液密容器 コンディショニング段階 ピクリング 上昇段階 pH計 ガス気密 核要素 定電位電解装置
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課題・解決手段

汚染された金属表面のピクリング工程において産生される、鉄性核廃棄物の処理のための方法が記載される。該方法は、処理されるべき液相の容積を最小化し、かつ、その副生成物を該処理過程へ再利用することを可能にする。

概要

背景

放射性物質が生成された、又は使用された処理過程、又は、より一般的には工程のすべての再使用ができない放射性副産物又は残留物は、「核廃棄物」として同定される。人類及び環境に対するその有害性によって、いかなる種類及び起源の核廃棄物は、非常に特異な方法論によって処理され、かつ、保管されなければならない。該方法論は、放射能及び核要素又は同位体が非常に長きに渡る時間でさえ制限されることを保証する。

核要素又は放射能が使用される多種類の方法があり、様々なレベルの濃度及び有害性で廃棄物を生み出す。提案されている分類は、イタリアで使用されているものであり、これらの廃棄物を次のように分類する:

カテゴリー1、低レベルの放射能を有するすべての廃棄物を含むもの;最大のカテゴリーであり、産生される廃棄物のおよそ90重量%を含むが、放射能はわずか1%である(例としては、核医学において使用される医療用材料原子力発電所への訪問中に供給される使い捨ての衣類などがある);

−カテゴリー2、中間レベルの放射能を有するすべての廃棄物を含むもの;当該カテゴリーは遮蔽を必要とするが、廃棄物のわずか7%を構成し、4%の総放射能を有する(例としては、原子炉燃料要素の覆いがある);

−カテゴリー3、高レベルの放射能を有するすべての廃棄物を含むものであり、廃棄物のわずか3%しか構成しないが、放射能の95%に相当する;当該廃棄物は偶発被曝が引き起こす高い放射線量に起因して、及びこれらが含む数種の放射性同位体のために何百万年というオーダー減衰に起因して最も危険である。

異なる種類の廃棄物は異なる処分手順を必要とする。この目的のための多数の技術が研究されており、及び過去60年間に説明されている。その結果物は公有に属し、かつ、一般的に容易にアクセス可能である;しかしながら、寿命が長く、及び/又は可動性が高い同位体を含む数種の廃棄物の長期間の保管に関する特定の方法については、結論が未だ不明確である。これらの研究に投資された資源は、推測上、巨大である;(関連する施設再生を含む)既存の核廃棄物のコンディショニング及び長期間の保管のために投資すべき資源は、部分的に知られている:米国一国に対して、それらは数千億ドル見積もられている。

これらの廃棄物の処分は、一般的に、保管に適した形態へ廃棄物を変換することにあるコンディショニング段階;及び、天然の又は産業的に産生された、適当な施設で調整された廃棄物の保管を必要とする。

戦略的に非常に重要である、特異種の核廃棄物は、もはや活動していない核原子炉及び陳腐化した核施設の再利用のための工程で生成されるものである。この場合、核廃棄物は、典型的には、大きな金属構造物除染及び回収の工程において生成され、放射性同位体の放射線及び/又は接触に曝されると、今度は、(放射能の活性化の下での)核突然変異又は化学的汚染によって、(曝露した表面に限定して)放射性になる。これらの再利用工程に関連する工程の複合体は、当該分野で「廃止措置」(decommissioning)とよばれており、及びこの用語はこれ以降使用されるであろう。金属表面の除染工程における主要な技術は、「ピクリング」(pickling)とよばれる。

このようにして生成される廃止措置からの廃棄物の多くは、上述のカテゴリー3に属し、かつ、典型的には平均寿命が長く、及び可動性が高い同位体を含み、常に有害性の高い廃棄物のために特定のコンディショニングを必要とする。産業上承認されており、かつ、経済的に実行可能である処理過程は、カテゴリー1及び2に属する核廃棄物の完全な管理のために同一に扱われる一方、カテゴリー3のものとしては、得られている結果が重要ではあるが、特に必要とされるコンディショニングの非経済的な側面のために、未だ不完全であり、及び現在まで長期間の保管のために使用できる保管場所はない。

廃止措置の廃棄物のコンディショニング、及び典型的にはピクリングによって生成されるものに関して、専門家は、すべての寿命が長く及び/又は可動性が高い放射性同位体に対して、化学的及び熱機械的な、安定性が高いガラス質マトリックスを使用することが必要であるという結論に達している;例えば、E.Y.Vernazによる文献「数百万年間の保証されたガラス容器」、ClefsCEA、No.46(2002)、p.81−84を参照。産業レベルにあるものを含むカテゴリー3廃棄物のガラス化の多数の例が提案されているが、それらは処理過程の信頼性及び典型的にコストが高いという問題を抱えていた。

最近、放射性同位体を保持する目的のための最も有望なガラス質材料として、特に硫酸塩、クロム酸塩リン酸塩及びハロゲン化物が存在する場合において、鉄を含むリン酸塩ガラス化システムが公認されている。この種のシステムは、米国特許5,750,824号明細書及び米国特許5,840,638号明細書並びにドイツ特許出願2,371,542号明細書において記載されている。

これらの中で、米国特許5,750,824号明細書は特に興味深く、30〜70重量%の酸化リン(P2O5として)及び22〜50%の酸化鉄を含み、残りは核廃棄物に由来するものを含む他の金属の酸化物からなる、リン酸塩ガラスの産生を教示する;さらに、この文献は、鉄が酸化状態3、すなわち、Fe3+イオンとして、少なくとも50%まで、好ましくは少なくとも80%及びより好ましくは少なくとも90%まで存在するガラスを用いて最良の結果が得られることを教示する。この文献によれば、Fe3+/Fe2+比が高いリン酸塩ガラスが、化学的耐性(例えば、浸出すること、つまり、水で洗い流すこと)、密度及び熱機械的耐性の最良の特性によって特徴付けられる。

これらの文献において教示される方法は、所望の重量比リン及び鉄の酸化物又は塩類の粉沫の混合物の調製;この混合物の融解;前記融解の前又は最中に、処分すべき廃棄物の添加;及び適当な鋳型において融解物凝固することを構想する。

これらの方法で未解決の問題は、廃止措置の廃棄物がはじめに溶解される溶液の巨大容積液体の管理である。実際、ある場合には、該溶液は、リン及び鉄の酸化物又は塩類の融解物に直接添加されるが、その後、濃縮され、除染され、及び処分されなければならない巨大容積の蒸気を生成し;他の場合では、該溶液は最初に乾燥され、及び廃棄物は粉沫の形態で融解物に添加されるが、この場合においては再び、廃棄物の粉沫を得るためには大量の液体の蒸発を伴う。

概要

汚染された金属表面のピクリング工程において産生される、鉄性核廃棄物の処理のための方法が記載される。該方法は、処理されるべき液相の容積を最小化し、かつ、その副生成物を該処理過程へ再利用することを可能にする。

目的

これらの廃棄物の処分は、一般的に、保管に適した形態へ廃棄物を変換することにある

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

以下の段階を含む、原子力発電所廃止措置由来する廃棄物のコンディショニングのための方法:−リン酸を使用することによって原子力発電所の汚染された金属表面を溶解し、1.5より低いpH値を有する溶液を得ること;−9に相当する又は9より高いFe3+/Fe2+比を得るために、該溶液中の鉄イオンをFe2+からFe3+へ酸化すること;−このようにして得られた溶液のpHを1.5より高く、かつ、10より低い値に上げて、該溶液中に存在する金属イオン及び鉄のリン酸塩類沈殿を生じせしめること;−液相から沈殿した塩類を分離すること;及び−沈殿した固体の混合物ガラス化物を熱処理すること。

請求項2

前記方法の段階の後段に前記液相を回収かつ再利用することをさらに含む、請求項1に記載の方法。

請求項3

汚染された金属表面を溶解する段階において、金属及びリン酸の総重量に対して5〜12重量%からなる量で金属が添加される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。

請求項4

前記溶解段階の後、前記溶液の化学組成元素分析が実施され、かつ、モル比Fe/Pが33/66〜45/55からなる範囲の外側にあることが確認される場合、極めて低量で存在する成分が前記範囲内の前記比率の値になるようにするために該溶液に加えられる、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。

請求項5

前記酸化段階において、Fe3+/Fe2+比が24に相当する、又は24より高い値になるようにする、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。

請求項6

前記酸化段階が該溶液中への過酸化水素若しくは過マンガン酸塩イオンの添加によって、又は酸素バブリングによって実施される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。

請求項7

前記pHを上げる段階において、前記pHは1.7〜2.5からなる値になるようにする、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。

請求項8

前記pHの上昇が、固体状態にある塩基性化合物の該溶液への添加によって得られる、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。

請求項9

前記塩基性化合物はCa(OH)2である、請求項8に記載の方法。

請求項10

前記pHの上昇が、電気化学的反応によって得られる、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。

請求項11

以下の段階を含む、請求項10に記載の方法:−適当な分離要素によって2つの半セルに分割された電気化学的セルを提供すること;−第1の半セル中へ、処理すべき溶液及び第1の電極を導入すること;−第2の半セル中へ、処理すべき溶液の組成と類似する組成を有するが、沈殿すべき金属イオンを含まない溶液及び第2の電極を導入すること;−第1の電極をカソード電位の状態にし、かつ、第2の電極をアノード電位の状態にし、以下の反応を第1及び第2の半セルにおいてそれぞれ生じせしめること:2H2O+2e−→H2↑+2OH−及び2H2O→O2↑+4H++4e−OH−イオンの産生及び結果として生じる、処理すべき溶液を含む第1の半セルにおけるpHの上昇を有する。

請求項12

第2の半セルの反応において産生されるH+イオンが金属リン酸塩類の沈殿で消費されるリン酸を産生するために使用される、請求項11に記載の方法。

請求項13

前記熱処理が800℃〜1300℃からなる温度で実施される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。

技術分野

0001

本発明は、鉄性核廃棄物、典型的には汚染された金属表面のピクリング工程において産生される廃棄物を処理するための方法に関する。

背景技術

0002

放射性物質が生成された、又は使用された処理過程、又は、より一般的には工程のすべての再使用ができない放射性副産物又は残留物は、「核廃棄物」として同定される。人類及び環境に対するその有害性によって、いかなる種類及び起源の核廃棄物は、非常に特異な方法論によって処理され、かつ、保管されなければならない。該方法論は、放射能及び核要素又は同位体が非常に長きに渡る時間でさえ制限されることを保証する。

0003

核要素又は放射能が使用される多種類の方法があり、様々なレベルの濃度及び有害性で廃棄物を生み出す。提案されている分類は、イタリアで使用されているものであり、これらの廃棄物を次のように分類する:

0004

カテゴリー1、低レベルの放射能を有するすべての廃棄物を含むもの;最大のカテゴリーであり、産生される廃棄物のおよそ90重量%を含むが、放射能はわずか1%である(例としては、核医学において使用される医療用材料原子力発電所への訪問中に供給される使い捨ての衣類などがある);

0005

−カテゴリー2、中間レベルの放射能を有するすべての廃棄物を含むもの;当該カテゴリーは遮蔽を必要とするが、廃棄物のわずか7%を構成し、4%の総放射能を有する(例としては、原子炉燃料要素の覆いがある);

0006

−カテゴリー3、高レベルの放射能を有するすべての廃棄物を含むものであり、廃棄物のわずか3%しか構成しないが、放射能の95%に相当する;当該廃棄物は偶発被曝が引き起こす高い放射線量に起因して、及びこれらが含む数種の放射性同位体のために何百万年というオーダー減衰に起因して最も危険である。

0007

異なる種類の廃棄物は異なる処分手順を必要とする。この目的のための多数の技術が研究されており、及び過去60年間に説明されている。その結果物は公有に属し、かつ、一般的に容易にアクセス可能である;しかしながら、寿命が長く、及び/又は可動性が高い同位体を含む数種の廃棄物の長期間の保管に関する特定の方法については、結論が未だ不明確である。これらの研究に投資された資源は、推測上、巨大である;(関連する施設再生を含む)既存の核廃棄物のコンディショニング及び長期間の保管のために投資すべき資源は、部分的に知られている:米国一国に対して、それらは数千億ドル見積もられている。

0008

これらの廃棄物の処分は、一般的に、保管に適した形態へ廃棄物を変換することにあるコンディショニング段階;及び、天然の又は産業的に産生された、適当な施設で調整された廃棄物の保管を必要とする。

0009

戦略的に非常に重要である、特異種の核廃棄物は、もはや活動していない核原子炉及び陳腐化した核施設の再利用のための工程で生成されるものである。この場合、核廃棄物は、典型的には、大きな金属構造物除染及び回収の工程において生成され、放射性同位体の放射線及び/又は接触に曝されると、今度は、(放射能の活性化の下での)核突然変異又は化学的汚染によって、(曝露した表面に限定して)放射性になる。これらの再利用工程に関連する工程の複合体は、当該分野で「廃止措置」(decommissioning)とよばれており、及びこの用語はこれ以降使用されるであろう。金属表面の除染工程における主要な技術は、「ピクリング」(pickling)とよばれる。

0010

このようにして生成される廃止措置からの廃棄物の多くは、上述のカテゴリー3に属し、かつ、典型的には平均寿命が長く、及び可動性が高い同位体を含み、常に有害性の高い廃棄物のために特定のコンディショニングを必要とする。産業上承認されており、かつ、経済的に実行可能である処理過程は、カテゴリー1及び2に属する核廃棄物の完全な管理のために同一に扱われる一方、カテゴリー3のものとしては、得られている結果が重要ではあるが、特に必要とされるコンディショニングの非経済的な側面のために、未だ不完全であり、及び現在まで長期間の保管のために使用できる保管場所はない。

0011

廃止措置の廃棄物のコンディショニング、及び典型的にはピクリングによって生成されるものに関して、専門家は、すべての寿命が長く及び/又は可動性が高い放射性同位体に対して、化学的及び熱機械的な、安定性が高いガラス質マトリックスを使用することが必要であるという結論に達している;例えば、E.Y.Vernazによる文献「数百万年間の保証されたガラス容器」、ClefsCEA、No.46(2002)、p.81−84を参照。産業レベルにあるものを含むカテゴリー3廃棄物のガラス化の多数の例が提案されているが、それらは処理過程の信頼性及び典型的にコストが高いという問題を抱えていた。

0012

最近、放射性同位体を保持する目的のための最も有望なガラス質材料として、特に硫酸塩、クロム酸塩リン酸塩及びハロゲン化物が存在する場合において、鉄を含むリン酸塩ガラス化システムが公認されている。この種のシステムは、米国特許5,750,824号明細書及び米国特許5,840,638号明細書並びにドイツ特許出願2,371,542号明細書において記載されている。

0013

これらの中で、米国特許5,750,824号明細書は特に興味深く、30〜70重量%の酸化リン(P2O5として)及び22〜50%の酸化鉄を含み、残りは核廃棄物に由来するものを含む他の金属の酸化物からなる、リン酸塩ガラスの産生を教示する;さらに、この文献は、鉄が酸化状態3、すなわち、Fe3+イオンとして、少なくとも50%まで、好ましくは少なくとも80%及びより好ましくは少なくとも90%まで存在するガラスを用いて最良の結果が得られることを教示する。この文献によれば、Fe3+/Fe2+比が高いリン酸塩ガラスが、化学的耐性(例えば、浸出すること、つまり、水で洗い流すこと)、密度及び熱機械的耐性の最良の特性によって特徴付けられる。

0014

これらの文献において教示される方法は、所望の重量比リン及び鉄の酸化物又は塩類の粉沫の混合物の調製;この混合物の融解;前記融解の前又は最中に、処分すべき廃棄物の添加;及び適当な鋳型において融解物凝固することを構想する。

0015

これらの方法で未解決の問題は、廃止措置の廃棄物がはじめに溶解される溶液の巨大容積液体の管理である。実際、ある場合には、該溶液は、リン及び鉄の酸化物又は塩類の融解物に直接添加されるが、その後、濃縮され、除染され、及び処分されなければならない巨大容積の蒸気を生成し;他の場合では、該溶液は最初に乾燥され、及び廃棄物は粉沫の形態で融解物に添加されるが、この場合においては再び、廃棄物の粉沫を得るためには大量の液体の蒸発を伴う。

0016

米国特許5,750,824号明細書
米国特許5,840,638号明細書
ドイツ特許出願2,371,542号明細書

先行技術

0017

E.Y.Vernaz、ClefsCEA、No.46(2002)、p.81−84

発明が解決しようとする課題

0018

本発明の目的は、廃止措置の廃棄物、特にピクリングからの廃棄物のコンディショニングのための改良方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0019

本発明によれば、この目的は、以下の段階を含む処理過程で達成される:
リン酸を使用することによる原子力発電所の汚染された金属表面を溶解して、pHが1.5より下である溶液を得ること;
−9に相当する又は9より大きいFe3+/Fe2+比を得るために、Fe2+からFe3+へ溶液中の鉄イオン酸化すること;
−結果として得られる溶液のpHを1.5より高く、かつ、10より低い値に上げて、溶液中に存在する金属イオン及び鉄のリン酸塩類沈殿を生じせしめること;
−液相から沈殿塩類を分離すること;及び
−沈殿した固体混合物のガラス化物を熱処理すること。

発明の効果

0020

本発明の方法には、既知のものと比較して様々な利点がある。特に、適当な割合で鉄−リン酸塩ガラスの前駆体にその後に添加されることになっている放射性金属の塩類を回収するための巨大容積の溶液の前処理を必要としない。なぜなら、本処理過程を用いて、リン及び金属の混合物は、ほぼ必要な割合で、溶液中にそのままで産生され、並びに次いでこのものから得られ、及び熱処理に送られる。一方、残っている液相は、新しい濃縮リン酸補給した後、別々に処分する必要なしに、溶解(ピクリング)、沈殿及び分離のその後のサイクルで再利用され得る。このように、二次汚染を生成し得るすべての処理が回避される。

図面の簡単な説明

0021

図1は、本発明の方法の1つの実施態様を実施するための電気化学的装置を示す。

0022

本処理過程の第1の工程は、原子力発電所の解体から得られる、表面が汚染された金属部品リン酸中洗浄及び溶解すること(ピクリング)からなる。これらは、適当な次元及び重量、例えば、キログラム又は数十キログラムのオーダーの破片都合よく縮小される。原子力発電所に由来する金属部品は、典型的には鋼で作られており、したがって、主に少量の鋼冶金学の典型的な元素クロムニッケルマンガンなど)を有する鉄からなり、及び表面に残された、又は放射性同位体若しくは放射能との接触によって産生された放射性元素からなる。酸性溶液中の金属の重量による適切な濃度は、全溶液の重量のおよそ5〜12%、好ましくは約10%であると観察している。この溶液は、次いで、所望の濃度及びpH(例えば、9重量%及びpH 1)に標準化される。リン酸中のこれらの条件下で作用すると、濃縮溶液が得られ、Fe2+からFe3+へ鉄を酸化する後段の工程にとって理想的であり、及び鉄−リン酸塩類の沈殿に対する飽和点に十分に接近する。結果として得られた溶液は、溶液中に当初存在する放射性金属のコンディショニングの目的のために必要な特性を有する鉄−リン酸塩ガラスの産生に適した鉄に対するリンの重量比を有する。該溶液の液相からの固体沈殿物の分離の後、得られた材料の元素組成最終検査があり、及び、必要であれば、欠損している成分を任意に添加して組成を調節する。本発明の目的のために、該溶液は、33/66〜45/55、好ましくは約40/60のモル比にある鉄及びリンを含まなければならなく、かつ、1.5を下回るpHを有しなければならない。

0023

得られた溶液は、任意に、その化学組成、特にモル比Fe/P及びFe3+/Fe2+比を測定するために分析され得る。

0024

本発明の目的のために、モル比Fe/Pは40/60程度であることが望ましく;この割合は、2つの成分が前記最適比に比べて不十分であるという分析によって示されたことに依存して、可溶性鉄塩又はリン酸を、ピクリングから直接得られた溶液に添加することによって最適値付近に調節され得る。

0025

さらに、Fe3+/Fe2+比は、高い値、9より高い値、及び典型的には24より高い値を有することが好ましい。前記金属部品の溶解の後、鉄は、ほぼ完全にFe2+イオンの形態で溶液中に存在する。前記割合は、任意の既知の方法、例えば、過酸化水素の添加、過マンガン酸塩イオンの添加によって、該溶液における酸素バブリングによって、又は他の任意の既知の方法によって、元の溶液を酸化することにより、好ましい範囲に入るようにし得る。条件Fe3+/Fe2+>9(又は好ましい条件Fe3+/Fe2+>24)の取得は、酸化段階前後のFe2+の濃度を滴定し(例えば、当該分野で知られているとおりに、KMnO4を用いる)、次いで2つの測定値を比較することによる化学分析を用いて確認し得る;第2の測定値が酸化段階後のFe2+濃度の代表値である一方で、第1の測定値は、酸化段階後の該溶液中のFe2+及びFe3+イオンの濃度の合計の代表値である(Fe3+の濃度は単純な差異によって得られ得る)。実際には、必要とされる酸化剤の量を素早く見積もることにより操作することが都合がよいかもしれない;これは次のことを想定してなされ得る。すなわち、出発金属部品の総重量を鉄によって表わし、この近似に基づいて鉄のモル数を得て、及び鉄の見積もられたモル0.9を超過する(又は、好ましい条件Fe3+/Fe2+>24が望まれる場合に、前記見積もられたモル0.96を超過する)酸化剤の量を使用する。

0026

本発明の処理過程の第3の工程は、溶液中に存在する金属塩類の沈殿を引き起こすことからなり、これは容積を増大することなく、後者のpHを上げることによる。この工程では、該溶液のpHは、1.5〜10、好ましくは1.7〜2.5の間の値になるようにする。

0027

この条件は、該溶液に、適当な固体塩基、例えばCa(OH)2を加えることにより結果として起こすことができる;添加すべき水酸化物の量は、該溶液の容積及び当初のpHを知り、得られることになっているpHの値、例えば2に相当する値(pHのこれらの値では、Ca2+イオンの加水分解は計算の目的のために無視することができる)と仮定して、又は水酸化物の逐次添加中に、攪拌しつつ、該溶液のpHをpH計モニタリングすることにより、予め定められ得る。溶液中に当初存在する鉄及び他の金属のリン酸塩類の沈殿中に、極めて不溶性であるリン酸カルシウム、Ca3(PO4)2もまた沈殿する;しかしながら、これは問題とはならなく、むしろ該方法の別の利点になる。なぜなら、該塩類は鉄−リン酸塩ガラスと共によくガラス化し、上記されている良好な特性に悪影響を及ぼさない。そして、該塩類は、溶液に残らないので、上清を汚染せず、再利用に適したままであるに違いないので、非常に重要である。本発明者らは、典型的に、pHが約2に相当する値の状態に至るとき、当初の溶液からの塩類の沈殿によって得られるカルシウム鉄リン酸塩ガラスが約11.5に相当するP/Caモル比を有することを観察した;この種のガラスは、本発明の目的に適していると判明した。

0028

好ましくは、pH上昇は、電気化学的に得られる。

0029

当該条件を達成する可能性のある手段は、電気化学的セルの半セルにおいてピクリングから得られた溶液を処理することである。より具体的には、この方法は、一般的に次のことからなる:
−適当なセパレーターによって2つの半セルに分離された電気化学的セルを提供すること;
−処理すべき溶液は第1の半セルへ導入され、該方法の工程中にカソード電位の状態に至り;第1の電極(カソード)は該溶液に挿入される;
−処理すべき溶液のものと類似しているが、沈殿すべき金属イオンを含まない組成の溶液が第2の半セルへ導入され、該方法の工程中にアノードの電位の状態に至り;例えば、処理すべき溶液のものと類似する濃度のリン酸の溶液は、この目的にとって適当である;第2の電極(アノード)は当該溶液へ導入される;
−電極は次いでこれらの作用電位の状態に至り、水の電気分解を引き起こす;
還元反応は第1の半セルの中で起こる:
2H2O+2e−→H2↑+2OH−
(2つの水分子を2つのH+イオン及び2つのOH−イオンへ解離した後);この反応では、H+イオンは消費され、及びOH−イオンが形成され、処理すべき溶液を含む半セルにおいてpHが上昇する;
並行して、第2の半セルでは(水の解離の後再び)、酸化反応が起こる:
2H2O→O2↑+4H++4e−
これはピクリングに再利用する前に、回収された液体を補給するために、最適な濃度かつゼロコストで、リン酸を調製するために利用され得る。

0030

以上で例証されている反応は、処理すべき溶液を含む半セルにおけるpHを上げるために使用することができる、可能性のある酸化還元対のうちのわずかな1例である;他の反応は電気化学解説書において挙げられている表から得ることができる。

0031

電気化学的沈殿の方法が理想的である。なぜなら、本方法は他の溶液をピクリングに由来する溶液に加えなければならないこと、これは本処理過程の終わりに、適当なコンディショニング処理の後、処理及び処分すべき液体の総容積を増大するであろうことを回避する。このように操作するとき、ガラス化に対して有用な成分(主にリン酸第二鉄からなるリン酸塩類、及び微量の単に吸着された金属又は当初から溶液中にある金属の他のリン酸塩類)は、ガラスの品質を落とすことなく、及びさらなるピクリング・サイクルのためにリン酸の出発溶液を保存することなく、すなわち、当初の廃棄物及び処理過程副産物のすべての成分を再使用することなく、最適な割合で沈殿される;したがって、このルートは、いかなる二次汚染も回避する理想的な方法を構成する。

0032

リン酸塩類が溶液から沈殿されるとすぐに、それらは、上清の液相を除去することにより、例えば、簡潔デカントにより、回収することができる。必要であるならば、沈殿物は次いで遠心分離され、液相からよりよい分離を結果として起こすことができる。次いで、湿潤したリン酸塩類の混合物は好ましくは機械的に混合され、均質化する。実際に、pH上昇段階の間、様々なリン酸塩類が、異なる時間で沈殿し、相違するリン酸塩類が沈殿の順序によって分類される沈殿を生じせしめる可能性がある。このように得られた不均一の湿潤ケーキは、完全には均質ではないガラスを生じせしめるかもしれない:該沈殿物は融解に供されるけれども、融解物の粘性は、完全には均質でない組成の最終的なガラスを得る危険を有する、融解中に完全な均質化を認めないような状態かもしれない。したがって、その割合(特に鉄の低い割合)は本願にとって必要とされる特性を有しなくてもよい。

0033

次いで、該沈殿物はガラス化され、放射能の存在が必要とするすべての予防措置を履行する。典型的には、沈殿物FePO4は、1100℃を超えない温度で融解かつガラス化する。リン酸鉄共沈殿された他の陽イオンの存在は、ガラス化が起こる比較的広い温度範囲、典型的には800℃〜1300℃の間で生成することができる。

0034

さらに顕著な量のリン酸及び潜在的に様々な金属イオン、微量の放射性同位体さえ含む、液相は、当業界で知られる典型的な工程、例えば、デカント及び/又は遠心分離によって回収され、沈殿で消費された量を補充するためにリン酸を補給した後、金属部品の溶解及びリン酸塩類の沈殿の後段のサイクルに再使用することができる。

0035

本発明の処理過程は、先行技術の処理過程の典型的な、多量の液相を処理する必要を回避して、廃止措置に由来する金属部品を処分するという効果をこのようにして奏する。実際に、先行技術の処理過程では、生成される液相の容積は、前記金属部品の重量に比例する(なぜなら、金属部品の単位重量の処理の各サイクルについては、所定の容積の溶液を使用することが必要である)。一方、本発明においては、液相の容積は、金属部品の一定分量の溶解の単一工程にとって必要とされる量にあたる。

0036

本発明は以下の実施例によってさらに例証されるであろう。

0037

原子力発電所の廃止措置に由来する鋼部の溶解によって得られる典型的な液体廃棄物シミュレーションする溶液が調製される。該溶液は、60gの金属鉄粉末アルドリッチ社カタログ製品番号209309、純度97%)、3gの金属ニッケル粉末アルドリッチ、製品番号266981、99%)、4.4gの塩化コバルト(アルドリッチ、製品番号232696、97%)並びにそれぞれ0及び1gの硝酸セシウム(アルドリッチ、製品番号289337、99%)及び酢酸アンチモン(アルドリッチ、製品番号483265、99.99%)を溶解した1lの2.5M H3PO4を用いて産生される。セシウム及びアンチモンは、原子力発電所に由来する鋼に存在する典型的な汚染物質を表わす。

0038

該粉沫を溶解した後、420mlの2.7M H2O2溶液(はじめの30%wt/wt溶液が約1.11kg/lの密度を有しており、かつ、得た溶液は、約9%wt/wtであり、約1.03kg/lの密度を有することを考慮に入れて、1lの市販の30%wt/wt H2O2水溶液を合計3.67lにまで希釈して得られる)が添加され;得た溶液は、次いで、ガス気密容器中に置かれる。電気化学的セルは、別々に用意され、図1に概略的に表わされる。カソード半セル1は、その上側部において開口した「デュラン」ガラスで作られている円筒状の液密容器であり、4cmの半径R及び20cmの高さh(全体的な容積は約1000cm3)を有する。アノード半セル2は、その上側部が開口した円筒状をしており、2cmの半径r及び20cmの高さh(容積、約250cm3)を有する;この半セルはポリテトラフルオロエチレンからなる円盤状の基礎(厚さ約1cm)を有する。一方、外側壁は半浸透性アノード膜補強するビニルポリマーの網からなり、酸に対して耐性が高く、カチオンではなくアニオンの通過を可能にする特性を有する。アノード半セルは、図中で示されているとおりに、カソード半セルの内側に位置し、それによりカソード半セルの容積を約750cm3に減じる。

0039

カソード半セル内部には、カソード3が挿入され、かつ、アノード半セル中には、アノード4が挿入される。両極は、表面積が大きいプラチナフォームコーティングされたチタンからなる。2つの電極は、プリンストンアプライド・リサーチ社の定電位電解装置モデルVersaSTAT3Fに連結され、0〜20Vの範囲内で正確かつ制御された電圧値を供給することができ、及び0〜2Aの範囲内で生じた電流強度を測定することができる。

0040

上記されているとおりに得られた700mlの溶液は、カソード半セル1に導入され、及び220mlの2.5M H3PO4溶液がアノード半セル2に導入され、該2つの半セル内で同一の液位が原則的に得られる。

0041

16Vの電圧電極間に適用される;2つの別個アスピレーター装置がカソード及びアノードの上に位置付けられ、電極に放出された排気ガスを除去し、及び個別に保管する。軽度の活性が、まずカソードに沿って、同様に次いでアノードに沿って形成する小さな泡の形態で観察される。短い導入時間の後、電流は、約1.1Aの一定値に達する。これらの動作状況は24時間にわたって維持される。この期間、時間とともに増大する濁度は、カソード半セルの底にある固形物質の沈殿とともにカソード半セルにおいて観察される。

0042

24時間後、電源が切られ、電極は該装置から分離され、アノード半セルは撤去され、カソード半セルの内容物は、遠心分離によって分離され、490mlの上清及び183gの固形残留物を得る。該固形残留物は、50℃で乾燥される。

0043

化学分析では、該固形物は、主にリン酸鉄、FePO4からなり、及び粉沫の形態で装置に初めに導入される他の金属元素のリン酸塩類からなるという結果を示し、その重量比は出発混合物における鉄に対する重量比を本質的に再生する重量比である。このリン酸塩類の混合物は熱処理によって即時的なガラス化物を用意する。

0044

固形産物の遠心分離によって分離される上清は、新しい濃縮H3PO4を補給した後、後段のピクリング工程に対して直接再利用可能である。

実施例

0045

本発明の処理過程は、このように、安定した固体形態で核廃棄物を保管すること、及び同一の処理過程をさらに循環して他の産物を再使用することを可能にし、処分することが必要である副産物の相当な量の形成を回避することができる。

0046

1カソード半セル
2アノード半セル
3 カソード
4 アノード
R カソード半セルの半径
r アノード半セルの半径
h 半セルの高さ

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