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技術 神経疾患免疫治療のための方法及び組成物

出願人 ジェネンテック,インコーポレイテッド
発明者 アトウォル,ジャスビンダルチェン,ヨンメイチウ,セシリアプイチーラザロ,ロバートエー.ワン,ウエイルーワッツ,ライアンジェー.ウー,イェンチャン,インナン
出願日 2011年11月9日 (10年0ヶ月経過) 出願番号 2013-538846
公開日 2014年1月30日 (7年9ヶ月経過) 公開番号 2014-502150
状態 特許登録済
技術分野 微生物による化合物の製造 酵素・酵素の調製 生物学的材料の調査,分析 微生物、その培養処理 突然変異または遺伝子工学 化合物または医薬の治療活性 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 ペプチド又は蛋白質
主要キーワード 類似範囲 チャンネルベース ワンポイント 不同視 二セット 外部結合 オクトパス 飛蚊症
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年1月30日)のものです。
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図面 (20)

課題・解決手段

発明は特定の神経タンパク質への抗体及びその使用方法を提供する。

概要

背景

アミロイドーシスは、単一の疾患ではなく、むしろ一又は複数の臓器又は身体系に蓄積するアミロイドと呼ばれる蝋様デンプン様タンパク質細胞外組織沈着によって特徴付けられる進行性疾患プロセスの多様グループである。アミロイド沈着が蓄積すると、それらは臓器又は身体系の正常機能を干渉し始める。少なくとも15の異なるタイプのアミロイドーシスがある。主要形態は既知の前駆体を持たない一次アミロイドーシス、幾つかの他の条件後の二次アミロイドーシス、及び遺伝性アミロイドーシスである。

加齢の多くの疾患はアミロイド様タンパク質に基づくか又はそれを伴い、一つには、病変形成並びに疾患の進行に寄与するアミロイド又はアミロイド様物質の細胞外沈着の蓄積によって特徴づけられる。これらの疾患は、限定するものではないが、神経学的疾患、例えばアルツハイマー病(AD)、レビー小体型認知症ダウン症候群、アミロイドーシス(オランダ型)を伴う遺伝性脳出血グアムパーキンソン-認知症を含む。アミロイド様タンパク質に基づくか又はそれを伴う他の疾患は、進行性核上性麻痺多発性硬化症クロイツフェルトヤコブ病パーキンソン病HIV-関連認知症、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、成人発症型糖尿病老年性心アミロイドーシス、内分泌腫瘍、及び他(黄斑変性を含む)である。

ポリペプチドβ-アミロイド(Aβ)は、アルツハイマー病(AD)の病変形成において中心的役割を果たす。Vassar等, J. Neurosci. 29:12787-12794 (2009)。CNSにおけるAβポリペプチドの蓄積は、シナプス機能不全軸索変性及び神経細胞死をもたらす。AD患者の能は、主要な神経病理学的病変の特徴的病理、例えば神経原線維タングル(NFT)、及びアミロイドリッチ老人斑を示す。アミロイド斑の主要成分はAβである。これらの病変は中枢神経系(CNS)の大量消失を伴い、それらの進行はADに伴う臨床的認知症を伴う。

Aβは前駆体タンパク質ベータアミロイド前駆体タンパク質(β-APP又はAPP)のタンパク質分解産物である。APPは、2つのプロテアーゼ、β-及びγ-セクレターゼによって逐次的に切断されるタイプI膜貫通タンパク質である。β-部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素1(BACE1)として知られるβ-セクレターゼは、最初にAPPを切断してAβのN末端露出し、それによってC99として知られる膜結合断片を生成する。Vassar等, J. Neurosci., 29:12787-12794 (2009) and UniProtKB/Swiss-Prot Entry P56817 (BACE1_HUMAN)。そしてγ-セクレターゼはC99を切断可能になり、成熟Aβポリペプチドを生産する。Aβは不均一C末端により生産され、38アミノ酸〜43アミノ酸の長さの範囲のになる。Aβの42アミノ酸形態(Aβ42)はAβの原線維形成形態であり、ダウン症候群の患者において過剰生産され、ADの早期病変形成において役割を果たすことが示唆されている。Vassar等, J. Neurosci. 29:12787-12794 (2009)。このようにBACE1は、その阻害がAPP及びAβ生産をおそらく阻害することから治療標的となっている。

実際、BACE1ノックアウトマウス(BACE1−/−)は脳Aβを生産せず、BACE1が主要な、そうでなくても脳におけるAβ生産に関与する酵素であることを確認する。Roberds等, Human Mol.Genetics 10:1317-1324 (2001)。更に、ADモデルにおけるBACE1ノックアウトマウスはアミロイド斑を形成せず;認知障害及びコリン作動性機能障害も低減される。McConlogue等, J. Biol. Chem. 282: 26326-26334 (2007); Ohno等, Neuron 41: 27-33 (2004); and Laird等, J. Neurosci. 25:11693-11709 (2005)。加えて、BACE1ヘテロ接合性ノックアウトマウスは斑形成を低減させ、BACE1活性の完全な阻害がの低減に必要ではないことを示す。McConlogue等, J. Biol. Chem. 282: 26326-26334 (2007)。

最近、APPはカスパーゼ依存神経細胞体死及び軸索剪定トリガするデスレセプター6(DR6)のリガンドであることが示された。Nikolaev等, Nature 457: 981-989 (2009)。加えて、BACE1化合物阻害剤は軸索及び細胞体変性を低下させた。Id.これらの結果は、DR6結合によるAPPがADに寄与しうるモデルを示す。

神経疾患又は障害、例えばADを伴う患者におけるAPP及びAβ生産を低減するために、BACE1の効果的な治療阻害剤を有することが有益だろう。ここに提供される発明はこのような阻害剤に関し、様々な方法におけるそれらの使用を含む。

ここに引用される全ての参考文献は、特許出願及び刊行物を含め、出典明記によりその全体を援用する。

概要

発明は特定の神経タンパク質への抗体及びその使用方法を提供する。

目的

発明は、BACE1アンタゴニスト抗体及びその使用方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

BACE1ポリペプチド活性を低減又は阻害するBACE1に結合する単離された抗体又はその断片。

請求項2

抗体がBACE1の活性部位に結合する請求項1に記載の抗体。

請求項3

抗体がBACE1のエキソイトに結合する請求項1に記載の抗体。

請求項4

列番号:7−19、22−26、28−30、35−47、56−79及び118−122から成る群から選択される少なくとも一つの超可変領域(HVR)配列を含んでなる請求項1に記載の抗体。

請求項5

HVR-H1、HVR-H2及びHVR-H3から成る群から選択される少なくとも一つの配列を含んでなる請求項1に記載の抗体であって、HVR-H1がアミノ酸配列GFX30FX31X32X33X34IH(配列番号:45)を含み(上式中、X30=N又はT;X31=S、L又はY;X32=G又はY;X33=Y又はS;及びX34=A、G又はS);HVR-H2がアミノ酸配列X35X36ISPX37X38GX39TX40YADSVKG(配列番号:46)を含み(上式中、X35=A又はG;X36=W又はS;X37=A又はY;X38=G又はS;X39=S又はY;及びX40=D又はS);そしてHVR-H3がアミノ酸配列X41PX42X43X44X45X46X47MDY(配列番号:47)を含む(上式中、X41=Q又はG;X42=T又はF;X43=H又はS;X44=Y又はP;X45=Y又はW;X46=Y又はV、及びX47が配列YAKGYKA(配列番号:48)を含んでいてもよい)抗体。

請求項6

HVR-H1、HVR-H2及びHVR-H3から成る群から選択される少なくとも一つの配列を含んでなる請求項1に記載の抗体であって、HVR-H1がアミノ酸配列GX71X72X73X74X75X76X77IH(配列番号:120)を含み(上式中、X71=F又はY;X72=F、N又はT;X73=F又はY;X74=L、Q、I、S又はY;X75=G又はY;X76=Y又はS;及びX77=A、G又はS);HVR-H2がアミノ酸配列X78X79ISPX80X81GX82X83X84YADSVKG(配列番号:121)を含み(上式中、X78=A又はG;X79=W又はS;X80=A、S、Q又はY;X81=G又はS;X82=S、K、L又はY;X83=T又はY;及びX84=D又はS);そしてHVR-H3がアミノ酸配列X85PX86X87X88X89X90X91MDY(配列番号:122)を含む(上式中、X85=Q又はG;X86=T又はF;X87=H、Y又はS;X88=Y又はP;X89=Y又はW;X90=Y又はV、及びX91が配列YAKGYKA(配列番号:48)を含んでいてもよい)抗体。

請求項7

HVR-H1、HVR-H2及びHVR-H3から成る群から選択される少なくとも一つの配列を含んでなる請求項1に記載の抗体であって、HVR-H1がアミノ酸配列GX53X54X55X56GYGIH(配列番号:68)を含み(上式中、X53=F又はY;X54=T又はF;X55=F又はY;X56=L、Q又はI)、HVR-H2がアミノ酸配列GWISPX57X58GX59X60DYADSVKG(配列番号:69)を含み(上式中、X57=A、S又はQ;X58=G又はS;X59=S、K又はL;X60=T又はY)、HVR-H3配列がアミノ酸配列GPFX61PWVMDY(配列番号:70)(上式中、X61=S又はY)又は配列番号:79のアミノ酸配列を含んでなる抗体。

請求項8

アミノ酸配列GFTFX13GYX14IH(配列番号:26)(上式中、X13=S又はL及びX14=A又はG)を含んでなるHVR-H1配列を含んでなる請求項5に記載の抗体。

請求項9

配列番号:22;配列番号:23;配列番号:28及び配列番号:71−73から成る群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-H1配列を含んでなる請求項6に記載の抗体。

請求項10

配列番号:24;配列番号:29及び配列番号:74−78から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-H2配列を含んでなる請求項6に記載の抗体。

請求項11

配列番号:25;配列番号:30及び配列番号:79から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-H3配列を含んでなる請求項6に記載の抗体。

請求項12

図1(B)におけるクローンYW412.8、YW412.8.31、YW412.8.30、YW412.8.2、YW412.8.29及びYW412.8.51又は図24(A)−(C)におけるクローンに記載されるものに対応するHVR-H1、HVR-H2、及びHVR-H3配列を含んでなる請求項6に記載の抗体。

請求項13

図2(B)におけるクローンFab12、LC6、LC9及びLC10に記載されるものに対応するHVR-H1、HVR-H2、及びHVR-H3配列を含んでなる請求項6に記載の抗体。

請求項14

配列番号:22又は23のHVR-H1配列、配列番号:24のHVR-H2配列及び配列番号:25のHVR-H3配列を含んでなる請求項6に記載の抗体。

請求項15

HVR-H1配列が配列番号:23である請求項14に記載の抗体。

請求項16

配列番号:28のHVR-H1配列、配列番号:29のHVR-H2配列及び配列番号:30のHVR-H3配列を含んでなる請求項6に記載の抗体。

請求項17

配列番号:20、21、27及び80−98から成る群から選択されるアミノ酸配列を有するVH鎖を含んでなる請求項6に記載の抗体。

請求項18

VH鎖アミノ酸配列が配列番号:21である請求項16に記載の抗体。

請求項19

HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3の群から選択される少なくとも一つの配列を含んでなる請求項1に記載の抗体であって、HVR-L1がアミノ酸配列RASQX17VX18X19X20X21A(配列番号:42)を含み(上式中、X17=S、D又はV;X18=S又はA;X19=S、T又はN;X20=A又はS;X21=V又はL)、HVR-L2がアミノ酸配列X22ASX23LYS(配列番号:43)を含み(上式中、X22=S、W、Y又はL;X23=F、S又はW)、そしてHVR-L3がアミノ酸配列QQX24X25X26X27X28X29T(配列番号:44)を含む(上式中、X24=S、F、G、D又はY;X25=Y、P、S又はA;X26=Y、T又はN;X27=T、Y、D又はS;X28=P又はL;及びX29=F、P又はT)抗体。

請求項20

HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3の群から選択される少なくとも一つの配列を含んでなる請求項1に記載の抗体であって、HVR-L1がアミノ酸配列RASQX17VX18X19X20X21A(配列番号:42)を含み(上式中、X17=S、D又はV;X18=S又はA;X19=S、T又はN;X20=A又はS;X21=V又はL)、HVR-L2がアミノ酸配列X62ASX63X64YX65(配列番号:118)を含み(上式中、X62=S、W、Y、F又はL;X63=F、S、Y又はW;X64=L又はR;X65=S、P、R、K又はW)、そしてHVR-L3がアミノ酸配列QQX66X67X68X69X70X71T(配列番号:119)を含む(上式中、X66=S、F、G、D又はY;X67=Y、P、S又はA;X68=Y、T又はN;X69=T、Y、D又はS;X70=P、Q、S、K又はL;及びX71=F、P又はT)抗体。

請求項21

HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3から成る群から選択される少なくとも一つの配列を含んでなる請求項1に記載の抗体であって、HVR-L1がアミノ酸配列RASQX1VX2X3X4X5A(配列番号:17)を含み(上式中、X1=D又はV;X2=S又はA;X3=T又はN;X4=S又はA;X5=V又はL)で、HVR-L2がアミノ酸配列X48ASX49X50YX51(配列番号:56)を含み(上式中、X48=S又はF;X49=F又はY;X50=L又はR;X51=S、P、R、K又はW)、そしてHVR-L3がアミノ酸配列QQFPTYX52PT(配列番号:57)を含む(上式中、X52=L、Q、S又はK)抗体。

請求項22

アミノ酸配列RASQX1VX2X3X4X5A(配列番号:17)(上式中、X1=D又はV;X2=S又はA;X3=T又はN;X4=S又はA;X5=V又はL)を含んでなるHVR-L1配列を含んでなる請求項17に記載の抗体。

請求項23

アミノ酸配列X6ASFLYS(配列番号:18)又はX15ASX16LYS(配列番号:41)(上式中、X6=S又はL;X15=S、W又はY;及びX16=S又はW)を含んでなるHVR-L2配列を含んでなる請求項19に記載の抗体。

請求項24

アミノ酸配列QQX7X8X9X10X11X12T(配列番号:19)(上式中、X7=S、F、G、D又はY;X8=Y、P、S,又はA;X9=T又はN;X10=T、Y、D又はS;X11=P又はL;X12=P又はT)を含んでなるHVR-L3配列を含んでなる請求項19に記載の抗体。

請求項25

配列番号:7、配列番号:8又は列番号:35から成る群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1配列を含んでなる請求項19に記載の抗体。

請求項26

配列番号:9、配列番号:10、配列番号:36−39及び配列番号:58−64から成る群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2配列を含んでなる請求項20に記載の抗体。

請求項27

配列番号:11−16、配列番号:40及び配列番号:65−67から成る群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3配列を含んでなる請求項20に記載の抗体。

請求項28

図1(A)におけるクローンYW412.8、YW412.8.31、YW412.8.30、YW412.8.2、YW412.8.29及びYW412.8.51及び図23(A)−(C)におけるクローンに記載されるものに対応するHVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3配列を含んでなる請求項20に記載の抗体。

請求項29

図2(A)におけるクローンFab12、LC6、LC9及びLC10に記載されるものに対応するHVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3配列を含んでなる請求項20に記載の抗体。

請求項30

配列番号:7又は配列番号:8のHVR-L1配列;配列番号:9又は配列番号:10のHVR-L2配列;及び配列番号:11−16から成る群から選択されるHVR-L3配列を含んでなる請求項20に記載の抗体。

請求項31

HVR-L1配列が配列番号:7であり、HVR-L2配列が配列番号:9であり、そしてHVR-L3配列が配列番号:12である請求項30に記載の抗体。

請求項32

配列番号:35のHVR-L1配列;配列番号:36−39から成る群から選択されるHVR-L2配列及び配列番号:40のHVR-L3配列を含んでなる請求項20に記載の抗体。

請求項33

配列番号:1−6、31−34及び99−117から成る群から選択されるアミノ酸配列を有するVL鎖配列を含んでなる請求項20に記載の抗体。

請求項34

VL鎖アミノ酸配列が配列番号:2である請求項33に記載の抗体。

請求項35

配列番号:7のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1、配列番号:9のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2及び配列番号:12のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を更に含んでなる請求項15に記載の抗体。

請求項36

配列番号:21のアミノ酸配列を含んでなるVH鎖を更に含んでなる請求項34に記載の抗体。

請求項37

配列番号:49の314SER;316GLU;317LYS;327GLN;330CYS;331TRP;332GLN;335THR;及び378ASPから成る群から選択されるBACE1の少なくとも一つのアミノ酸残基を含んでなるエピトープに結合する単離された抗体又はその断片。

請求項38

エピトープが配列番号:49の314SER;316GLU;317LYS;327GLN;330CYS;331TRP;332GLN;335THR;及び378ASPを含む請求項37に記載の抗体。

請求項39

配列番号:49のアミノ酸315−318;配列番号:49のアミノ酸331−335;配列番号:49のアミノ酸370−381;及びその何れかの組合せから成る群から選択されるBACE1の少なくとも一つのアミノ酸領域を含んでなるエピトープに結合する単離された抗体又はその断片。

請求項40

エピトープが配列番号:49のアミノ酸315−318、331−335及び370−381を含む請求項39に記載の抗体。

請求項41

BACE1のエピトープに結合し、結合によりBACE1のP6及びP7部位の構造におけるコンホメーション変化をもたらす単離された抗体又はその断片。

請求項42

BACE1のエピトープに結合し、結合により配列番号:49のアミノ酸218−231がランダムループ構造を採用するように誘導する単離された抗体又はその断片。

請求項43

BACE1の活性を低減又は阻害する請求項37−42に記載の抗体。

請求項44

モノクローナル抗体である請求項1−43の何れか一項に記載の抗体。

請求項45

ヒト、ヒト化、又はキメラ抗体である請求項1−44の何れか一項に記載の抗体。

請求項46

抗体断片である請求項1−45の何れか一項に記載の抗体。

請求項47

完全長IgG1抗体である請求項1−45の何れか一項に記載の抗体。

請求項48

請求項1−47の何れか一項に記載の抗体をコードする単離された核酸

請求項49

請求項48の核酸を含んでなる宿主細胞

請求項50

抗体が生産されるように請求項49の宿主細胞を培養することを含んでなる抗体を生産する方法。

請求項51

請求項1−47の何れか一項に記載の抗体及び細胞傷害性物質を含んでなるイムノコンジュゲート

請求項52

請求項1−47の何れか一項に記載の抗体及び薬学的に許容可能な担体を含んでなる薬学的製剤

請求項53

有効量の請求項1−47の何れか一項に記載の抗体を個体に投与することを含んでなる、神経疾患又は傷害を有する個体を治療する方法。

請求項54

神経疾患又は障害を患っているか又は罹患する危険性がある患者におけるアミロイド斑を低減する方法であって、有効量の請求項1−47の何れか一項に記載の抗体を個体に投与することを含んでなる方法。

請求項55

神経疾患又は障害を患っているか又は発症する危険性がある患者におけるアミロイド斑形成を阻害する方法であって、有効量の請求項1−47の何れか一項に記載の抗体を個体に投与することを含んでなる方法。

請求項56

神経疾患又は障害がアルツハイマー病(AD)、外傷性脳損傷、脳卒中、緑内障認知症筋ジストロフィー(MD)、多発性硬化症(MS)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、嚢胞性線維症アンジェルマ症候群、リドル症候群、パジェット病、外傷性脳損傷、レビー小体病、ポストポリオ症候群、シャイ・ドレーガー症候群、オリーブ橋小脳萎縮症、パーキンソン病多系統萎縮症線条体黒質変性症核上性麻痺ウシ海綿状脳症スクレピークロイツフェルトヤコブ病クールーゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、慢性消耗病致死性家族性不眠症球麻痺運動ニューロン疾患カナバン病、ハンチントン病神経セロイドリポフスチン症、アレキサンダー病、トゥレット症候群メンケスキンキーヘア症候群、コケイン症候群、Hallervorden-Spatz症候群、ラフォラ病レット症候群、肝レンズ核変性症、レッシュ・ナイハン症候群、及びUnverricht-Lundborg症候群、ピック病、及び脊髄小脳失調症から成る群から選択される請求項53−55の何れか一項に記載の方法。

請求項57

神経疾患又は障害がアルツハイマー病、脳卒中、脳外傷及び緑内障から成る群から選択される請求項56に記載の方法。

請求項58

患者におけるアミロイド-b(Ab)タンパク質を低減する方法であって、有効量の請求項1−47の何れか一項に記載の抗体を患者に投与することを含んでなる方法。

請求項59

患者が神経疾患又は障害を患っているか又は罹患する危険性がある請求項58に記載の方法。

請求項60

神経疾患又は障害がアルツハイマー病、脳卒中、脳外傷及び緑内障から成る群から選択される請求項59に記載の方法。

請求項61

患者における神経疾患又は障害を診断する方法であって、患者から単離された生体サンプルを、BACE1ポリペプチドへの抗体の結合に適切な条件下で請求項1−47の何れか一項に記載の抗体と接触させる工程、及び抗体及びBACE1ポリペプチド間で複合体が形成されたかを検出する工程を含んでなる方法。

請求項62

患者が抗BACE1抗体での治療に適格かを決定する方法であって、患者から単離された生体サンプルを、BACE1ポリペプチドへの抗体の結合に適切な条件下で請求項1−47の何れか一項に記載の抗体と接触させる工程、抗体及びBACE1ポリペプチド間で複合体が形成されたかを検出する工程を含んでなり、抗体及びBACE1間の複合体の存在が抗BACE1抗体での治療に適格な患者を示す方法。

請求項63

生体サンプルが血清血漿唾液胃液分泌粘液脳脊髄液リンパ液神経組織脳組織心臓組織又は血管組織から成る群から選択される請求項61又は62に記載の方法。

請求項64

医薬としての使用のための請求項1−47の何れか一項に記載の抗体。

請求項65

アルツハイマー病(AD)、外傷性脳損傷、脳卒中、緑内障、認知症、筋ジストロフィー(MD)、多発性硬化症(MS)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、嚢胞性線維症、アンジェルマン症候群、リドル症候群、パジェット病、外傷性脳損傷、レビー小体病、ポストポリオ症候群、シャイ・ドレーガー症候群、オリーブ橋小脳萎縮症、パーキンソン病、多系統萎縮症、線条体黒質変性症、核上性麻痺、ウシ海綿状脳症、スクレピー、クロイツフェルト・ヤコブ病、クールー、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、慢性消耗病、致死性家族性不眠症、球麻痺、運動ニューロン疾患、カナバン病、ハンチントン病、神経セロイドリポフスチン症、アレキサンダー病、トゥレット症候群、メンケスキンキーヘア症候群、コケイン症候群、Hallervorden-Spatz症候群、ラフォラ病、レット症候群、肝レンズ核変性症、レッシュ・ナイハン症候群、及びUnverricht-Lundborg症候群、ピック病、及び脊髄小脳失調症から成る群から選択される神経障害の治療における使用のための請求項1−47の何れか一項に記載の抗体。

請求項66

アミロイド-b(Ab)タンパク質生産の低下及び/又は阻害における使用のための請求項1−47の何れか一項に記載の抗体。

請求項67

医薬の製造における請求項1−47の何れか一項に記載の抗体の使用。

請求項68

医薬が、アルツハイマー病(AD)、外傷性脳損傷、脳卒中、緑内障、認知症、筋ジストロフィー(MD)、多発性硬化症(MS)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、嚢胞性線維症、アンジェルマン症候群、リドル症候群、パジェット病、外傷性脳損傷、レビー小体病、ポストポリオ症候群、シャイ・ドレーガー症候群、オリーブ橋小脳萎縮症、パーキンソン病、多系統萎縮症、線条体黒質変性症、核上性麻痺、ウシ海綿状脳症、スクレピー、クロイツフェルト・ヤコブ病、クールー、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、慢性消耗病、致死性家族性不眠症、球麻痺、運動ニューロン疾患、カナバン病、ハンチントン病、神経セロイドリポフスチン症、アレキサンダー病、トゥレット症候群、メンケスキンキーヘア症候群、コケイン症候群、Hallervorden-Spatz症候群、ラフォラ病、レット症候群、肝レンズ核変性症、レッシュ・ナイハン症候群、及びUnverricht-Lundborg症候群、ピック病、及び脊髄小脳失調症から成る群から選択される神経障害の治療のためである請求項67に記載の使用。

請求項69

医薬がアミロイド-b(Ab)タンパク質生産を低減及び/又は阻害するためである請求項67に記載の使用。

請求項70

配列番号:49の314SER;316GLU;317LYS;327GLN;330CYS;331TRP;332GLN;335THR;及び378ASPから成る群から選択されるアミノ酸に対応するBACE1の少なくとも一つのアミノ酸残基を含んでなる、抗体又はその断片によって特異的に認識されるBACE1エピトープ。

請求項71

エピトープが配列番号:49の314SER;316GLU;317LYS;327GLN;330CYS;331TRP;332GLN;335THR;及び378ASPに対応するアミノ酸を含む請求項70に記載のBACE1エピトープ。

請求項72

配列番号:49のアミノ酸315−318;配列番号:40のアミノ酸331−335;配列番号:49のアミノ酸370−381;及びその何れかの組合せから成る群から選択されるBACE1の少なくとも一つのアミノ酸領域を含んでなる、抗体又はその断片によって特異的に認識されるBACE1エピトープ。

請求項73

エピトープが配列番号:49のアミノ酸315−318、331−335及び370−381を含む請求項72に記載のBACE1エピトープ。

技術分野

0001

(関連出願)
この出願は、2010年11月10日に出願された米国仮出願第61/456,642号、2010年11月30日に出願された米国仮出願第61/418,310号、2010年12月1日に出願された米国仮出願61/418,850第、及び2010年12月22日に出願された米国仮出願第61/426,425号の優先権を主張するものであり、その全てをそれらの全体において出典明記によりここに援用する。

0002

(発明の分野)
本発明は一般的に、BACE1アンタゴニストであって例えばBACE1活性阻害又は低下する抗体、及びこのような抗体を含んでなる組成物に関する。更なる実施態様は、様々な神経学的疾患又は障害治療及び診断のための方法、並びに患者におけるAPP及び/又はAβポリペプチドを低減する方法を含む。

背景技術

0003

アミロイドーシスは、単一の疾患ではなく、むしろ一又は複数の臓器又は身体系に蓄積するアミロイドと呼ばれる蝋様デンプン様タンパク質細胞外組織沈着によって特徴付けられる進行性疾患プロセスの多様グループである。アミロイド沈着が蓄積すると、それらは臓器又は身体系の正常機能を干渉し始める。少なくとも15の異なるタイプのアミロイドーシスがある。主要形態は既知の前駆体を持たない一次アミロイドーシス、幾つかの他の条件後の二次アミロイドーシス、及び遺伝性アミロイドーシスである。

0004

加齢の多くの疾患はアミロイド様タンパク質に基づくか又はそれを伴い、一つには、病変形成並びに疾患の進行に寄与するアミロイド又はアミロイド様物質の細胞外沈着の蓄積によって特徴づけられる。これらの疾患は、限定するものではないが、神経学的疾患、例えばアルツハイマー病(AD)、レビー小体型認知症ダウン症候群、アミロイドーシス(オランダ型)を伴う遺伝性脳出血グアムパーキンソン-認知症を含む。アミロイド様タンパク質に基づくか又はそれを伴う他の疾患は、進行性核上性麻痺多発性硬化症クロイツフェルトヤコブ病パーキンソン病HIV-関連認知症、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、成人発症型糖尿病老年性心アミロイドーシス、内分泌腫瘍、及び他(黄斑変性を含む)である。

0005

ポリペプチドβ-アミロイド(Aβ)は、アルツハイマー病(AD)の病変形成において中心的役割を果たす。Vassar等, J. Neurosci. 29:12787-12794 (2009)。CNSにおけるAβポリペプチドの蓄積は、シナプス機能不全軸索変性及び神経細胞死をもたらす。AD患者の能は、主要な神経病理学的病変の特徴的病理、例えば神経原線維タングル(NFT)、及びアミロイドリッチ老人斑を示す。アミロイド斑の主要成分はAβである。これらの病変は中枢神経系(CNS)の大量消失を伴い、それらの進行はADに伴う臨床的認知症を伴う。

0006

Aβは前駆体タンパク質ベータアミロイド前駆体タンパク質(β-APP又はAPP)のタンパク質分解産物である。APPは、2つのプロテアーゼ、β-及びγ-セクレターゼによって逐次的に切断されるタイプI膜貫通タンパク質である。β-部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素1(BACE1)として知られるβ-セクレターゼは、最初にAPPを切断してAβのN末端露出し、それによってC99として知られる膜結合断片を生成する。Vassar等, J. Neurosci., 29:12787-12794 (2009) and UniProtKB/Swiss-Prot Entry P56817 (BACE1_HUMAN)。そしてγ-セクレターゼはC99を切断可能になり、成熟Aβポリペプチドを生産する。Aβは不均一C末端により生産され、38アミノ酸〜43アミノ酸の長さの範囲のになる。Aβの42アミノ酸形態(Aβ42)はAβの原線維形成形態であり、ダウン症候群の患者において過剰生産され、ADの早期病変形成において役割を果たすことが示唆されている。Vassar等, J. Neurosci. 29:12787-12794 (2009)。このようにBACE1は、その阻害がAPP及びAβ生産をおそらく阻害することから治療標的となっている。

0007

実際、BACE1ノックアウトマウス(BACE1−/−)は脳Aβを生産せず、BACE1が主要な、そうでなくても脳におけるAβ生産に関与する酵素であることを確認する。Roberds等, Human Mol.Genetics 10:1317-1324 (2001)。更に、ADモデルにおけるBACE1ノックアウトマウスはアミロイド斑を形成せず;認知障害及びコリン作動性機能障害も低減される。McConlogue等, J. Biol. Chem. 282: 26326-26334 (2007); Ohno等, Neuron 41: 27-33 (2004); and Laird等, J. Neurosci. 25:11693-11709 (2005)。加えて、BACE1ヘテロ接合性ノックアウトマウスは斑形成を低減させ、BACE1活性の完全な阻害がの低減に必要ではないことを示す。McConlogue等, J. Biol. Chem. 282: 26326-26334 (2007)。

0008

最近、APPはカスパーゼ依存神経細胞体死及び軸索剪定トリガするデスレセプター6(DR6)のリガンドであることが示された。Nikolaev等, Nature 457: 981-989 (2009)。加えて、BACE1化合物阻害剤は軸索及び細胞体変性を低下させた。Id.これらの結果は、DR6結合によるAPPがADに寄与しうるモデルを示す。

0009

神経疾患又は障害、例えばADを伴う患者におけるAPP及びAβ生産を低減するために、BACE1の効果的な治療阻害剤を有することが有益だろう。ここに提供される発明はこのような阻害剤に関し、様々な方法におけるそれらの使用を含む。

0010

ここに引用される全ての参考文献は、特許出願及び刊行物を含め、出典明記によりその全体を援用する。

0011

発明は、BACE1アンタゴニスト抗体及びその使用方法を提供する。特に、抗体はBACE1の活性を阻害又は低減する。

0012

一実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害する抗体が提供される。特に、抗体はBACE1の活性部位又はBACE1のエキソイトに結合する。

0013

別の実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、配列番号:7−19、22−26、28−30、35−47、56−79及び118−122から成る群から選択される少なくとも一つの超可変領域(HVR)配列を含む抗体が提供される。

0014

更なる実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、HVR-H1、HVR-H2及びHVR-H3から成る群から選択される少なくとも一つの配列を含み、HVR-H1がアミノ酸配列GFX30FX31X32X33X34IH(配列番号:45)を含み(上式中、X30=N又はT;X31=S、L又はY;X32=G又はY;X33=Y又はS;及びX34=A、G又はS);HVR-H2がアミノ酸配列X35X36ISPX37X38GX39TX40YADSVKG(配列番号:46)を含み(上式中、X35=A又はG;X36=W又はS;X37=A又はY;X38=G又はS;X39=S又はY;及びX40=D又はS);そしてHVR-H3がアミノ酸配列X41PX42X43X44X45X46X47MDY(配列番号:47)を含む(上式中、X41=Q又はG;X42=T又はF;X43=H又はS;X44=Y又はP;X45=Y又はW;X46=Y又はV、及びX47が配列YAKGYKA(配列番号:48)を含んでいてもよい)抗体が提供される。あるいは、抗体は、アミノ酸配列GFTFX13GYX14IH(配列番号:26)(上式中、X13=S又はL及びX14=A又はG);又は配列番号:22;配列番号:23;及び配列番号:28から成る群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-H1配列を含む。

0015

更なる実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、HVR-H1、HVR-H2及びHVR-H3から成る群から選択される少なくとも1つの配列を含み、HVR-H1がアミノ酸配列GX71X72X73X74X75X76X77IH(配列番号:120)を含み(上式中、X71=F又はY;X72=F、N又はT;X73=F又はY;X74=L、Q、I、S又はY;X75=G又はY;X76=Y又はS;及びX77=A、G又はS);HVR-H2がアミノ酸配列X78X79ISPX80X81GX82X83X84YADSVKG(配列番号:121)を含み(上式中、X78=A又はG;X79=W又はS;X80=A、S、Q又はY;X81=G又はS;X82=S、K、L又はY;X83=T又はY;及びX84=D又はS);そしてHVR-H3がアミノ酸配列X85PX86X87X88X89X90X91MDY(配列番号:122)を含む(上式中、X85=Q又はG;X86=T又はF;X87=H、Y又はS;X88=Y又はP;X89=Y又はW;X90=Y又はV及びX91が配列YAKGYKA(配列番号:48)を含んでいてもよい)抗体が提供される。あるいは、抗体は、アミノ酸配列GX53X54X55X56GYGIH(配列番号:68)(上式中、X53=F又はY;X54=T又はF;X55=F又はY;X56=L、Q又はI);又は配列番号:71−73から成る群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-H1配列を含む。あるいは、抗体は、アミノ酸配列GWISPX57X58GX59X60DYADSVKG(配列番号:69)(上式中、X57=A、S又はQ;X58=G又はS;X59=S、K又はL;X60=T又はY);又は配列番号:74−78から成る群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-H2配列を含む。あるいは、抗体は、アミノ酸配列GPFX61PWVMDY(配列番号:70)(上式中、X61=S又はY);又は配列番号:79のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H3配列を含む。

0016

一実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、配列番号:22、配列番号:23、配列番号:28及び配列番号:71−73から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-H1配列を含む抗体が提供される。

0017

一実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、配列番号:24、配列番号:29及び配列番号:74−78から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-H2配列を含む抗体が提供される。

0018

別の実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、配列番号:25、配列番号:30及び配列番号:79から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-H3配列を含む抗体が提供される。

0019

一実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、図1(B)におけるクローンYW412.8、YW412.8.31、YW412.8.30、YW412.8.2、YW412.8.29及びYW412.8.51に記載されるもの、又は図2(B)におけるクローンFab12、LC6、LC9及びLC10に記載されるもの、又は図24A−Cに記載されるクローンに対応するHVR-H1、HVR-H2、及びHVR-H3配列を含む抗体が提供される。

0020

一実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、配列番号:22又は23のHVR-H1配列、配列番号:24のHVR-H2配列及び配列番号:25のHVR-H3配列を含む抗体が提供される。別の実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、配列番号:23のHVR-H1配列、配列番号:24のHVR-H2配列及び配列番号:25のHVR-H3配列を含む抗体が提供される。更に別の実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、配列番号:28のHVR-H1配列、配列番号:29のHVR-H2配列及び配列番号:30のHVR-H3配列を含む抗体が提供される。

0021

一実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、配列番号:71−73から選択されるHVR-H1配列、配列番号:74−78から選択されるHVR-H2配列及び配列番号:79から選択されるHVR-H3配列を含む抗体が提供される。

0022

一実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、配列番号:20、21、27及び80−98
から成る群から選択されるアミノ酸配列を有する可変重(VH)鎖を含む抗体が提供される。一態様では、抗体は配列番号:21のVH鎖アミノ酸配列を含む。

0023

別の実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3の群から選択される少なくとも1つの配列を含み、HVR-L1がアミノ酸配列RASQX17VX18X19X20X21A(配列番号:42)を含み(上式中、X17=S、D又はV;X18=S又はA;X19=S、T又はN;X20=A又はS;X21=V又はL)、HVR-L2がアミノ酸配列X22ASX23LYS(配列番号:43)を含み(上式中、X22=S、W、Y又はL;X23=F、S又はW)、そしてHVR-L3がアミノ酸配列QQX24X25X26X27X28X29T(配列番号:44)を含む(上式中、X24=S、F、G、D又はY;X25=Y、P、S又はA;X26=Y、T又はN;X27=T、Y、D又はS;X28=P又はL;及びX29=F、P又はT)抗体が提供される。

0024

別の実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、HVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3の群から選択される少なくとも1つの配列を含み、HVR-L1がアミノ酸配列RASQX17VX18X19X20X21A(配列番号:42)を含み(上式中、X17=S、D又はV;X18=S又はA;X19=S、T又はN;X20=A又はS;X21=V又はL)、HVR-L2がアミノ酸配列X62ASX63X64YX65(配列番号:118)を含み(上式中、X62=S、W、Y、F又はL;X63=F、S、Y又はW;X64=L又はR;X65=S、P、R、K又はW)、そしてHVR-L3がアミノ酸配列QQX66X67X68X69X70X71T(配列番号:119)を含む(上式中、X66=S、F、G、D又はY;X67=Y、P、S又はA;X68=Y、T又はN;X69=T、Y、D又はS;X70=P、Q、S、K又はL;及びX71=F、P又はT)抗体が提供される。

0025

ある実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、アミノ酸配列RASQX1VX2X3X4X5A(配列番号:17)(上式中、X1=D又はV;X2=S又はA;X3=T又はN;X4=S又はA;X5=V又はL)又は配列番号:7、配列番号:8又は配列番号:35から成る群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1配列を含む抗体が提供される。

0026

一実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、アミノ酸配列X6ASFLYS(配列番号:18)(上式中、X6=S又はL)又はX15ASX16LYS(配列番号:41)(上式中、X15=S、W又はY及びX16=S又はW)又は配列番号:9、配列番号:10、及び配列番号:36−39から成る群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2配列を含む抗体が提供される。

0027

一実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、アミノ酸配列QQX7X8X9X10X11X12T(配列番号:19)(上式中、X7=S、F、G、D又はY;X8=Y、P、S,又はA;X9=T又はN;X10=T、Y、D又はS;X11=P又はL;X12=P又はT)又は配列番号:11−16及び配列番号:40から成る群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3配列を含む抗体が提供される。

0028

ある実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、アミノ酸配列RASQX1VX2X3X4X5A(配列番号:17)(上式中、X1=D又はV;X2=S又はA;X3=T又はN;X4=S又はA;X5=V又はL)又は配列番号:7から成る群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1配列を含む抗体が提供される。

0029

一実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、アミノ酸配列X48ASX49X50YX51(配列番号:56)(上式中、X48=S又はF;X49=F又はY;X50=L又はR;X51=S、P、R、K又はW)又は配列番号:58−64から成る群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2配列を含む抗体が提供される。

0030

一実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、アミノ酸配列QQFPTYX52PT(配列番号:57)(上式中、X52=L、Q、S又はK)又は配列番号:65−67から成る群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3配列を含む抗体が提供される。

0031

一実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、図1(A)におけるクローンYW412.8、YW412.8.31、YW412.8.30、YW412.8.2、YW412.8.29及びYW412.8.51に記載されるもの、又は図2(A)におけるクローンFab12、LC6、LC9及びLC10に記載されるもの、又は図23A−Cにおけるクローンに記載されるものに対応するHVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3配列を含む抗体が提供される。

0032

一実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、配列番号:7又は配列番号:8のHVR-L1配列;配列番号:9、配列番号:10又は配列番号:58−64から成る群から選択されるHVR-L2配列;及び配列番号:11−16及び65−67から成る群から選択されるHVR-L3配列を含む抗体が提供される。別の態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、配列番号:7のHVR-L1配列、配列番号:9のHVR-L2配列及び配列番号:12のHVR-L3配列を含む抗体が提供される。

0033

更なる実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、配列番号:7、配列番号:8又は配列番号:35のHVR-L1配列を含む抗体が提供される。

0034

更なる実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、配列番号:9−10、36−39又は58−64のHVR-L2配列を含む抗体が提供される。

0035

更なる実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、配列番号:11−16、40又は65−67のHVR-L3配列を含む抗体が提供される。

0036

別の実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、配列番号:1−6、31−34及び99−117から成る群から選択されるアミノ酸配列を有する可変軽(VL)鎖配列を含む抗体が提供される。一態様では、VL鎖アミノ酸配列は配列番号:2である。

0037

更なる実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、配列番号:23のHVR-H1配列、配列番号:24のHVR-H2配列、配列番号:25のHVR-H3配列、配列番号:7のHVR-L1、配列番号:9のHVR-L2及び配列番号:12のHVR-L3を含む抗体が提供される。

0038

一実施態様では、BACE1に結合する単離された抗体であって、BACE1ポリペプチドの活性を低減又は阻害し、配列番号:2のアミノ酸配列を含んでなるVL鎖及び配列番号:21のアミノ酸配列を含んでなるVH鎖を含む抗体が提供される。

0039

別の実施態様では、配列番号:49の314SER;316GLU;317LYS;327GLN;330CYS;331TRP;332GLN;335THR;及び378ASPから成る群から選択されるBACE1の少なくとも一つのアミノ酸残基を含んでなるエピトープに結合する単離された抗体が提供される。ある実施態様では、抗体は、配列番号:49のアミノ酸:314SER;316GLU;317LYS;327GLN;330CYS;331TRP;332GLN;335THR;及び378ASPを含んでなるBACE1のエピトープに結合する。

0040

他の実施態様では、抗体は、配列番号:49のアミノ酸315−318;配列番号:49のアミノ酸331−335;配列番号:49のアミノ酸370−381;及びその何れかの組合せから成る群から選択されるBACE1の少なくとも一つのアミノ酸領域を含んでなるBACE1のエピトープに結合する。一実施態様では、抗体は、配列番号:49のアミノ酸315−318、331−335及び370−381を含んでなるBACE1のエピトープに結合する。

0041

別の実施態様では、抗体はBACE1のエピトープに結合し、結合によりBACE1のP6及びP7部位の構造におけるコンホメーション変化をもたらす。更なる実施態様では、抗体はBACE1のエピトープに結合し、配列番号:49のアミノ酸218−231にランダムループ構造を引き起こす。

0042

発明の抗体は、様々な形態でありうる。例えば、発明の抗体はヒト抗体ヒト化抗体又はキメラ抗体でありうる。他の態様では、発明の抗体は完全長抗体又はその断片(例えば抗原結合要素を含んでなる断片)である。発明の他の態様では、抗体はモノクローナル抗体である。別の態様では、発明の抗体は、薬剤又は部分、例えば細胞傷害剤に連結又はコンジュゲートされ、イムノコンジュゲートを作りうる。

0043

一実施態様では、薬学的製剤が提供され、発明の抗体及び薬学的に許容可能な担体を含む。更なる実施態様では、発明の抗体をコードする単離された核酸、並びに発明の抗体をコードする核酸を含むベクターが提供される。別の態様では、発明の抗体をコードする核酸を含んでなる宿主細胞、並びに発明の抗体を生産する方法であって、抗体の生産に適した条件下で、発明の抗体をコードする核酸を含んでなる宿主細胞を培養することを含んでなる方法が提供される。

0044

別の実施態様では、有効量の発明の抗体を個体に投与することを含んでなる、神経疾患又は傷害を有する個体を治療する方法が提供される。

0045

更なる実施態様では、神経疾患又は障害を患っているか又は罹患する危険性がある患者においてアミロイド斑を低減するか又はアミロイド斑形成を阻害する方法であって、有効量の発明の抗体を個体に投与することを含んでなる方法が提供される。

0046

一実施態様では、有効量の発明の抗体を患者に投与することを含んでなる、患者におけるAβタンパク質を低減する方法である。一態様では、患者は神経疾患又は障害を患っているか又は罹患する危険性がある。

0047

別の実施態様では、有効量の発明の抗体を患者に投与することを含んでなる患者における軸索変性を阻害する方法が提供される。

0048

更なる実施態様では、患者における神経疾患又は障害を診断する方法であって、患者から単離された生体サンプルを、BACE1ポリペプチドへの抗体の結合に適切な条件下で発明の抗体と接触させる工程、及び抗体及びBACE1ポリペプチド間で複合体が形成されたかを検出する工程を含んでなる方法である。

0049

一実施態様では、患者が抗BACE1抗体での治療に適格かを決定する方法であって、患者から単離された生体サンプルを、BACE1ポリペプチドへの抗体の結合に適切な条件下で発明の抗体と接触させる工程、抗体及びBACE1ポリペプチド間で複合体が形成されたかを検出する工程を含んでなり、抗体及びBACE1間の複合体の存在が抗BACE1抗体での治療に適格な患者を示す方法。一態様では、患者は神経疾患又は障害を患っているか又は罹患する危険性がある。

0050

一態様では、神経疾患又は状態の診断において;又はBACE1抗体での治療に対する患者の応答性予測、又は適格性の決定のために使用されうる生物学的サンプルは、限定するものではないが体液、例えば血清血漿唾液胃液分泌物、粘液脳脊髄液リンパ液等、又は生物から得られる組織又は細胞サンプル、例えばニューロン、脳、心臓又は血管組織を含む。

0051

発明の方法の一態様では、患者は哺乳類である。別の態様では、患者はヒトである。他の態様では、神経疾患又は障害はアルツハイマー病(AD)、外傷性脳損傷、脳卒中、緑内障、認知症、筋ジストロフィー(MD)、多発性硬化症(MS)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、嚢胞性線維症アンジェルマ症候群、リドル症候群、パジェット病、外傷性脳損傷、レビー小体病、ポストポリオ症候群、シャイ・ドレーガー症候群、オリーブ橋小脳萎縮症、パーキンソン病、多系統萎縮症線条体黒質変性症核上性麻痺ウシ海綿状脳症スクレピー、クロイツフェルト・ヤコブ病、クールーゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、慢性消耗病致死性家族性不眠症球麻痺運動ニューロン疾患カナバン病、ハンチントン病神経セロイドリポフスチン症、アレキサンダー病、トゥレット症候群メンケスキンキーヘア症候群、コケイン症候群、Hallervorden-Spatz症候群、ラフォラ病レット症候群、肝レンズ核変性症、レッシュ・ナイハン症候群、及びUnverricht-Lundborg症候群、認知症(限定するものではないが、ピック病、及び脊髄小脳失調症を含む)から成る群から選択される。一態様では、神経疾患又は障害はアルツハイマー病である。

0052

一実施態様では、配列番号:49の314SER;316GLU;317LYS;327GLN;330CYS;331TRY;332GLN;335THR;及び378ASPから成る群から選択されるアミノ酸に対応するBACE1の少なくとも一つのアミノ酸残基を含んでなる、抗体又はその断片によって特異的に認識されるBACE1エピトープが提供される。一態様では、BACE1エピトープは、配列番号:49の314SER;316GLU;317LYS;327GLN;330CYS;331TRY;332GLN;335THR;及び378ASPに対応するアミノ酸を含む。

0053

一実施態様では、配列番号:49のアミノ酸315−318;配列番号:49のアミノ酸331−335;配列番号:49のアミノ酸370−381;及びその何れかの組合せから成る群から選択されるBACE1の少なくとも一つのアミノ酸領域を含んでなる、抗体又はその断片によって特異的に認識されるBACE1エピトープである。一態様では、BACE1エピトープは配列番号:49のアミノ酸315−318、331−335及び370−381を含む。

図面の簡単な説明

0054

図1A−1Bは実施例1(A)に記載のナイーブ天然多様性ファージディスプレイライブラリーから得られるクローンYW412.8及び親和性成熟形態のYW412.8の軽及び重鎖アミノ酸配列を示す。図1A軽鎖配列アラインメントを示す。図1B重鎖配列アラインメントを示す。図1A及び1B双方において、各クローンのHVR配列はボックス領域によって示され、第一ボックスはHVR-L1(配列番号:7及び8−図1A)又はHVR-H1(配列番号:22及び23−図1B)を示し、第二ボックスはHVR-L2(配列番号:9及び10−図1A)又はHVR-H2(配列番号:24−図1B)を示し、第三ボックスはHVR-L3(配列番号:11−16−図1A)又はHVR-H3(配列番号:25−図1B)を示す。
図2A−2Bは実施例1(B)に記載のナイーブな合成多様性ファージディスプレイライブラリーから得られるクローンFab12及び親和性成熟形態のFab12の軽及び重鎖アミノ酸配列を示す。図2Aは軽鎖配列アラインメントを示す。図2Bは重鎖配列アラインメントを示す。図2A及び2B双方において、各クローンのHVR配列はボックス領域によって示され、第一ボックスはHVR-L1(配列番号:35−図2A)又はHVR-H1(配列番号:28−図2B)を示し、第二ボックスはHVR-L2(配列番号:36−39−図2A)又はHVR-H2(配列番号:29−図2B)を示し、第三ボックスはHVR-L3(配列番号:40−図2A)又はHVR-H3(配列番号:30−図2B)を示す。
図3A及び3Bは、実施例1(B)に記載される合成多様性ファージディスプレイライブラリーから単離された軽及び重鎖FabからのHVR又はCDR配列を示す。番号付けはKabat等の命名法に従う。図3Aは、「CDRL1」配列を配列番号:133として、「CDRL2」配列を配列番号:134として、「CDRL3」配列を配列番号135−144、141、及び145−152として、そして「CDRH1」配列を配列番号153−159、158、160−161、159、158、162、161、及び163−167として開示し、全てそれぞれ出現の順である。図3Bは「CDRH2」配列を配列番号168−177、174、171、178−182、177、及び183として、そして「CDRH3」配列を配列番号184−202として開示し、全てそれぞれ出現の順である。
図4は、天然多様性及び合成多様性ファージディスプレイライブラリーから同定された様々なクローンによるBACE1の阻害を示すグラフを提供する。実施例1(A)に記載されるように、クローンをホモニア時間分解蛍光(HTRF)アッセイにおいてBACE1阻害について試験した。.全YWシリーズ抗体は、320nMの濃度で試験したYW434.6抗体以外は、500nMの濃度で使用した。抗体12.IgG、14.IgG LC6.IgG、LC9.IgG、LC10.IgG及びLC11.IgGを1μM濃度で試験した。
図5は実施例1(B)に記載のように、合成多様性ファージディスプレイライブラリーから同定された抗BACE1 Fabの存在中におけるHTRFアッセイにおけるBACE1の活性を示すグラフである。ラインはBACE1及び基質(PBSコントロール)の存在中における100%活性(0%阻害)及びBACE1の非存在中における100%阻害に対応する。
図6は実施例1(B)に記載する親和性成熟抗BACE1 FabのCDR又はHVR配列を示す。番号付けはKabat等の命名法に従う。競合ELISA比は実施例1(B)に示すように、1-ポイント競合ELISAアッセイにおける溶液中における競合として20nM BACE1の不在又は存在中におけるELISAシグナルの比である。図6は、「CDRL1」配列と配列番号133、133、133、133、133、及び203として、「CDRL2」配列を配列番号134、134、及び204−207として、「CDRL3」配列を配列番号208−209、145、145、及び145−146として、「CDRH1」配列を配列番号157、157、158、158、158、及び162として、「CDRH2」配列を配列番号172、172、171、171、171、及び178として、「CDRH3」配列を配列番号188、188、195、195、及び195−196として開示し、全て出現の順である。
図7A−7Cは実施例1(B)に記載される親和性成熟抗BACEクローンによる競合ELISAアッセイからのデータを示すグラフを含む。Fab-ディスプレイファージ及びプレート上に固定されたBACE1間の結合は、溶液中における段階希釈のBACE1と競合した。図7A、7B及び7Cは親及び対応する親和性成熟抗体の競合曲線を示す。
図8A−8Cは実施例1(B)に記載されるHTRF酵素アッセイにおける抗BACE1 FabによるBACE1の阻害を示すグラフを描く。個々の抗BACE1クローンの精製Fabの阻害活性をHTRF酵素アッセイにおいて測定した。OM99-2(CalBiochem(登録商標), catalog #496000)はBACE1の合成ペプチド阻害剤であり、ポジティブコントロールとして使用した。図8A、8B及び8Cは親及び対応する親和性成熟誘導体の阻害曲線である。このアッセイにおいてOM99-2のIC50は11nMである。
図9Aは実施例2(B)に記載のように、HTRFアッセイにおいてBACE1に対する増強感受性を有する長ペプチド基質(左パネル)、又はFRETアッセイにおいてBACE1に対する増強感受性を有する短ペプチド基質を使用した、ヒト組換えBACE1のインビトロ酵素活性に対する親和性成熟YW412.8.31抗BACE1抗体の影響を示すグラフを提供する。OM99-2(CalBiochem(登録商標), catalog #496000)、BACE1の合成ペプチド阻害剤、β-セクレターゼ阻害剤IV(CalBiochem(登録商標), catalog #565788)、BACE1の小分子阻害剤(BACE1SMI)及びBACE1に結合しないIgG抗体をコントロールとして使用した。図9B−1及び9B−2はまた、実施例2(B)に記載のように、YW412.8.31、又はコントロールIgG抗体の存在下において、BACE1に対し増強感受性を有する短ペプチドにおけるヒト組換えBACE1細胞外ドメイン、ヒト組換えBACE2細胞外ドメイン、又はカテプシンD細胞外ドメインのインビトロ酵素活性を示すグラフを提供する。
図10は実施例2(C)に記載される、293-HEK細胞における組換えアミロイド前駆体タンパク質(APP)のプロセシングへの、様々な抗BACE1抗体(LC6、LC9、YW412.8、YW412.8.30、YW412.8.31及びYW412.8.51)により実施された実験の結果を示す。BACE1に結合しないIgG抗体(Xolair(登録商標))をコントロールとして使用した。
図11A−11Dは実施例2(C)に記載される、組換え又は内因性アミロイド前駆体タンパク質(APP)のプロセシングへのYW412.8.31抗BACE1抗体の効果を示すグラフを提供する。図11Aは、野生型ヒトAPPを安定して発現する293-HEK細胞を使用した実験からの結果を示す。BACE1 SMIは、コントロールとして使用された小分子BACE1阻害剤である(Compound 8e - Charrier等, J. Med. Chem. 51:3313-3317 (2008)。図11Bは野生型CD1マウスから培養されたE13.5後根神経節ニューロンを使用した実験からの結果を示す。更なる実験を、野生型CD1マウスからのE16.5皮質ニューロン培養物(図11C)及びE16.5培養海馬ニューロン(図11D)を使用して実施した。
図12A−12Cは実施例2(D)に記載される一次マウスニューロンへのYW412.8.31抗BACE1抗体の取込みの画像を提供する。図12Aはニューロンにおける細胞小胞へのYW412.8.31抗BACE1抗体の内部移行を示す。胚性皮質ニューロンを記載の時間、37oCでインキュベートした。結合YW412.8.31を、α-ヒト-Alexa568によって表面(非透過処理)又は内部(透過処理)細胞コンパートメントにおいて検出した。大部分のシグナルは内部移行していた。内部移行YW412.8.31を血管コンパートメントについて記載のマーカーによって共染色することによって細胞内コンパートメント局在化した:初期エンドソーム(TfR);トランスゴルジネットワーク(VAMP4)及びリソソーム(LAMP1)。スケールバー=65μm(上)及び20μm(下)。図12Bは図に記載の2つの異なる温度及び3つの異なる時点でのE13.5後根神経節(DRG)ニューロンへの抗BACE1抗体の取込みを示す。細胞内BACE1抗体の標識化を可能にするために細胞を透過処理した。外部結合YW412.8.31抗BACE1抗体のみが、非透過処理細胞において標識化される。図12(C)はBACE1発現又はBACE1ノックアウトマウスからのYW412.8.31抗BACE1抗体のE16.5皮質ニューロンへの取込を示す。
図13は実施例3(A)からのELISA結果のグラフ表示を提供し、YW412.8抗BACE1抗体の、それ自身、他の抗BACE1抗体(LC6)、活性部位BACE1結合ペプチド(OM99-2(CalBiochem(登録商標), catalog #496000))及びエキソサイトBACE1結合ペプチド(BMS1) (Peptide 1 in Kornacker等, Biochemistry 44:11567-11572 (2005))との競合結合を比較する。
図14は実施例3(B)に記載のヒトBACE1細胞外ドメインと共結晶化されたFab YW412.8.31の2.8Å構造の異なる視点を示す。Fabはセクレターゼ活性部位から遠位のBACE1エキソサイトに結合し、BACE1阻害特性を有する特定のペプチド相互作用することが知られている他のエキソサイトと一部重複する。
図15はヒトBACE1細胞外ドメインとのFab YW412.8.31の相互作用のクローズアップ図を提供する。BACE1は表面表示において示され、Fabはリボンとして示されている。ドット面はBACE1エピトープを示す。
図16A及び16Bは野生型マウスにおけるAβ1−40レベルへのBACE1の寄与を調査する実験の結果を示す。BACE1+/+対BACE1−/−マウスにおけるAβ1−40レベルを調査した。マウスは実施例4に記載のように単一投与のコントロールIgG抗体又は抗BACE YW412.8.31抗体を投与された。図16AはマウスにおけるAβ1−40生産へのBACE1の寄与を調査する遺伝子検査の結果を示す。BACE1ノックアウトマウス(BACE1−/−)において観察されたAβ1−40のレベルは、BACE1の特定の阻害剤が野生型マウスにおけるAβ1-40生産をどのように変更するかについてのコントロールを提供する。図16Bは投与の24又は48後の結晶及びCNS(皮質)におけるAβ1−40生産への用量コントロールIgG又は抗BACE1 YW412.8.31(50mg/kg)の効果を示す。単一投与のコントロールIgG又は抗BACE1抗体(50mg/kg)をC57Bl/6マウスにIV注入によって送達した。24又は48時間後、Aβ1−40を分析するために血漿及び脳サンプルを収集した。血漿Aβ1−40は35%(24時間で)低減され、皮質Aβ1−40は〜20%であった。プロットされた値は平均(±SEM)*p<0.01;**p<0.001である。
図17A−17Bは実施例4に記載のインビボYW412.8.31抗BACE1抗体実験の結果を提供する。図17Aビヒクルコントロール処置と比較した、2つの異なる濃度のYW412.8.31抗BACE1抗体で処置されたマウスの血漿及び海馬において観察されるAβ1−40レベルのプロットを示す。図17Bは個々の薬物動態薬力学読み出しのプロットであり、YW412.8.31抗BACE1抗体についてこのマウスモデルにおいてPK/PD関係が存在することを示す。
図18A及び18Bは、hAPP-トランスジェニックマウスにYW412.8.31抗BACE1抗体を全身性に(パネルA、図17Aに記載のと同じ実験を比較のための再グラフ化)又は持続CV注入によって(パネルB)投与した実験からの比較を示す。図18Aでは、動物はIP注入(3投与@Q4D)によってビヒクル又は抗BACE1抗体(30又は100mg/kg)を受けた。最後の投与の2時間後、Aβ1−40及びAβ1−42を分析するために血漿及び脳サンプルを収集した。血漿Aβ1−40及びAβ1−42は30及び100mg/kg抗BACE1抗体双方で、〜30%コントロールレベルに低減された。海馬Aβ1−40及びAβ1−42は高用量の抗BACE1(100mg/kg)で低減され(13−22%)、皮質Aβ1−40及びAβ1−42は減少傾向を示した(12−18%)。図18Bでは、コントロールIgG又は抗BACE1抗体を7日間、一側性ICV注入によって送達した。皮質(15−23%)及び海馬(15−20%)双方における投与でAβ1−40及びAβ1−42に一貫した減少が見られた。パネルCは全身性対ICV送達後の脳における抗BACE1抗体のレベルを示す。プロットされた値は平均(±SEM)*p<0.05;**p<0.001である。
図19A及び19Bは、BALB/CマウスにIV注入によって送達された単一投与のYW412.8.31抗BACE1(1又は10mg/kg)のPK分析を示す(図19A)。血清PKを投与後21日まで分析した。2つの別個のPKアッセイを使用した:血清における抗BACE1を検出するアッセイ(全mAb)、及び血清における抗BACE1のみを検出するアッセイ(遊離mAb)。BACE1+/+、BACE1+/−、及びBACE1−/−マウスにおける単一投与PK分析は、初期研究において観察された非線形を確認し、増強クリアランスが確かに標的媒介であることを示す(図19B)。
図20A及び20BはIV送達によってコントロールIgG又はYW412.8.31抗BACE1抗体(30mg/kg)を投与されたカニクイザルのPK分析を示す。サル血清(図20A)及びCSFサンプル(図20B)における全抗BACE1又はコントロール抗体濃度を、実施例5に記載のようにサル吸着ヤギ抗ヒトIgGポリクローナル抗体(Bethyl, Montgomery, TX)を使用して測定した。
図21A−21Dは実施例5に記載の実験の結果であり、カニクイザルはIV送達によってコントロールIgG又は抗BACE1抗体YW412.8.31が投与された。斜線は個々の動物のデータを示し、実線グループ平均を示す。各個々のサルにおけるAβ1−40ベースライン平均値を設定するために、血漿及びCSFを投与の7日、2日及び直前サンプリングした。血漿Aβ1−40(図21A)及びCSF Aβ1−40(図21B)を様々な時間に測定した。ベースライン血漿(図21C)及びCSF(図21D)Aβ1−40における動物のばらつきをまた示す。
図22A及び22Bは野生型マウスにおけるYW412.8.31の全身性投与後のAβ生産を示す。図22AはC57Bl/6JマウスへIP注入によって投与されたコントロールIgG又はYW412.8.31(100mg/kg)の単一投与後のAβ1−40生産を示すグラフである。4時間後、Aβ1−40を分析するために血漿及び脳サンプルを収集した。血漿Aβ1−40は48%減少したが、前脳Aβ1−40はこのパラダイムでは減少しなかった。図22Bは各4日離した3のIP注入によるコントロールIgG又はYW412.8.31(30又は100mg/kg)投与後のAβ1−40生産を示すグラフである。最後の投与の4時間後、Aβ1−40を分析するために血漿及び脳サンプルを収集した。血漿Aβ1−40は50−53%は減少し、前脳Aβ1−40は30mg/kgでの投与によって減少せず、100mg/kgで投与されたとき42%減少する。プロットされた値は平均(±SEM)*p<0.0001である。
図23A−23CはクローンYW412.8.31及び親和性成熟形態のYW412.8.31の軽鎖アミノ酸配列を示す。図23A−23Cは完全軽鎖配列アラインメントを示す。各クローンのHVR配列をボックス領域で示し、第一ボックスはHVR-L1(配列番号:7−図23A)を示し、第二ボックスはHVR-L2(配列番号:9及び58−64−図23B)を示し、そして第三ボックスはHVR-L3(配列番号:12及び「66−67−図23C)を示す。
図24A−24CはクローンYW412.8.31及び親和性形態のYW412.8.31の重鎖アミノ酸配列を示す。図24A−24Cは完全重鎖配列アラインメントを示す。各クローンのHVR配列をボックス領域で示し、第一ボックスはHVR-H1(配列番号:24及び71−73−図24A)を示し、第二ボックスはHVR-H2(配列番号:24及び74−78−図24B)を示し、第三ボックスはHVR-H3(配列番号:25及び79−図24C)を示す。
図25A及びBは実施例6に記載のHTRFアッセイにおけるYW412.8.31及び親和性成熟クローンによるBACE1の阻害を示すグラフを示す。プロテアーゼ活性を阻害するクローンYW412.8.31.3S;YW412.8.31.9S;YW412.8.31.25S;YW412.8.31.58S;YW412.8.31.53;YW412.8.31.69;YW412.8.31.77;YW412.8.31.81S及びYW412.8.31.89Sの能力を試験した。

実施例

0055

(発明の実施態様の詳細な説明)
I.定義
ここでの目的のための「アクセプターヒトフレームワーク」は、下に定義するヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワーク由来軽鎖可変ドメイン(VL)フレームワーク又は重鎖可変ドメイン(VH)フレームワークのアミノ酸配列を含んでなる。ヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワーク「由来の」アクセプターヒトフレームワークは、その同じアミノ酸配列を含んでもよく、又はアミノ酸配列変化を有してもよい。幾つかの実施態様では、アミノ酸変化の数は、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、又は2以下である。幾つかの実施態様では、VLアクセプターヒトフレームワークは、VLヒト免疫グロブリンフレームワーク配列又はヒトコンセンサスフレームワーク配列と配列において同一である。

0056

「親和性」とは、分子(例えば抗体)の単一結合部位とその結合パートナー(例えば抗原)との間の非共有結合相互作用の強さの合計を指す。明記なき限り、ここで使用される場合、「結合親和性」とは結合対(例えば抗体及び抗原)のメンバー間の1:1相互作用を反映する内因性結合親和性を指す。分子XのそのパートナーYに対する親和性は一般的に解離定数(Kd)によって表される。親和性は当分野で知られている一般的な方法によって測定可能であり、ここに記載されるものを含む。結合親和性を測定するための具体的な説明的、例示的実施態様を以下に記載する。

0057

「親和性成熟」抗体とは、そのような変更を持たない親抗体と比較して一又は複数の超可変領域(HVR)における一又は複数の変更を有する抗体を指し、そのような変更は抗原に対する抗体の親和性における改善をもたらす。

0058

「抗β-セクレターゼ抗体」、「抗BACE1抗体」、「β-セクレターゼに結合する抗体」及び「BACE1に結合する抗体」なる用語は、十分な親和性でBACE1に結合可能であり、BACE1を標的にすることにおいて診断及び/又は治療剤として有用であるような抗体を指す。一実施態様では、無関係な非BACE1タンパク質への抗BACE1抗体の結合の程度は、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定され、BACE1への抗体の結合の約10%未満である。ある実施態様では、BACE1に結合する抗体は、?1μM、?100nM、?10nM、?1nM、?0.1nM、?0.01nM、又は?0.001nM(例えば10−8M以下、例えば10−8M〜10−13M、例えば10−9M〜10−13M)の解離定数(Kd)を有する。ある実施態様では、抗BACE1抗体は、異なる種及びアイソフォームからのBACE1間で保存されたBACE1のエピトープに結合する。

0059

ここにおいて「抗体」なる用語は、最も広い意味で使用され、様々な抗体構造包含し、限定するものではないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、及び所望の抗原結合活性を呈する限り抗体断片を含む。

0060

「抗体断片」とは、インタクトな抗体が結合する抗原に結合するインタクトな抗体の一部を含む、インタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例は、限定するものではないが、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2;ダイアボディ;線状抗体;単鎖抗体分子(例えばscFv);及び抗体断片から形成される多重特異性抗体を含む。

0061

参照抗体と「同じエピトープに結合する抗体」とは、競合アッセイにおいて参照抗体のその抗原への結合を50%以上阻止する抗体を指し、逆に、競合アッセイにおいて参照抗体は抗体のその抗原への結合を50%以上阻止する。例示的な競合アッセイがここに提供される。

0062

キメラ」抗体なる用語は、重及び/又は軽鎖の一部が特定の供給源又は種に由来し、重及び/又は軽鎖の残りが異なる供給源又は種に由来する抗体を指す。

0063

抗体の「クラス」とは、重鎖が持つ定常ドメイン又は定常領域のタイプを指す。抗体の5つの主要クラス:IgAIgDIgE、IgG、及びIgMがあり、これらの幾つかはIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2等のサブクラス(アイソタイプ)に更に分けられる。異なるクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。

0064

「細胞傷害剤」なる用語は、ここで使用される場合、細胞機能を阻害又は防止する及び/又は細胞死又は破壊を引き起こす物質を指す。細胞傷害剤は、限定するものではないが放射性同位体(例えばAt211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212及びLuの放射性同位体);化学療法物質又は薬物(例えば、メトトレキサートアドリアマイシンビンカアルカロイド(ビンクリスチンビンブラスチンエトポシド)、ドキソルビシンメルファランマイトマイシンCクロラムブシルダウノルビシン又は他の挿入剤);増殖阻害剤;酵素及びその断片、例えば核酸分解酵素抗生物質;細菌、真菌、植物又は動物起源の酵素活性毒素又は小分子毒素などの毒素(その断片及び/又は変異体を含む);及び下に開示される様々な抗腫瘍又は抗癌剤を含む。

0065

エフェクター機能」とは、抗体アイソタイプによって異なる抗体のFc領域起因しうるそれらの生物学的活性を指す。抗体エフェクター機能の例は:C1q結合及び補体依存性細胞傷害(CDC);Fc受容体結合;抗体依存性細胞傷害(ADCC);食作用細胞表面受容体(例えばB細胞受容体)の下方制御;及びB細胞活性化を含む。

0066

「有効な量」の物質、例えば薬学的製剤とは、所望の治療又は予防結果を得るための必要な容量及び期間での有効な量を指す。

0067

ここでの「Fc領域」なる用語は、定常領域の少なくとも一部を有する免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。該用語は、天然配列Fc領域及び可変Fc領域を含む。一実施態様では、ヒトIgG重鎖Fc領域は、Cys226から、又はPro230から重鎖のカルボキシル末端に延在する。しかしながら、Fc領域のC末端リシン(Lys447)は存在する場合とそうでない場合がありうる。明記しない限り、Fc領域又は定常領域におけるアミノ酸残基の番号付けは、EUindexとも呼ばれるEU番号付けシステムに従い、Kabat等, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed.Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD, 1991に記載されている。

0068

「フレームワーク」又は「FR」とは、超可変領域(HVR)残基以外の可変ドメイン残基を指す。可変ドメインのFRは一般的に4つのドメイン:FR1、FR2、FR3、及びFR4から成る。従って、HVR及びFR配列は一般的にVH(又はVL)において次の配列において出現する:FR1-H1(L1)-FR2-H2(L2)-FR3-H3(L3)-FR4。

0069

「完全長抗体」、「インタクトな抗体」、及び「全抗体」なる用語は、ここでは交換可能に使用され、天然の抗体構造に実質的に類似した構造を持ち、ここで定義されるFc領域を有する重鎖を持つ抗体を指す。

0070

「宿主細胞」、「宿主細胞株」、及び「宿主細胞培養物」なる用語は、交換可能に使用され、外因性核酸が導入されている細胞を指し、そのような細胞の子孫を含む。宿主細胞は、「形質転換体」及び「形質転換細胞」を含み、一次形転換細胞、及び継代の数に関わらずそれらに由来する子孫を含む。子孫は親細胞に対して核酸内容物において完全に同一でない場合があり、変異を含みうる。元の形質転換細胞についてスクリーニング又は選択されたのと同じ機能又は生物学的活性を有する変異体子孫はここに含まれる。

0071

「ヒト抗体」は、ヒト又はヒト細胞によって生産されるか、又はヒト抗体レパートリー又は他のヒト抗体コード配列を利用した非ヒト供給源から得られる抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有するものである。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含んでなるヒト化抗体を特異的に除く。

0072

「ヒトコンセンサスフレームワーク」は、ヒト免疫グロブリンVL又はVHフレームワーク配列の選択において最も一般的に生じるアミノ酸残基を表すフレームワークである。一般的に、ヒト免疫グロブリンVL又はVH配列の選択は、可変ドメイン配列サブグループからである。一般的に、配列のサブグループは、Kabat等, Sequences of Proteins of Immunological Interest, Fifth Edition, NIH Publication 91-3242, Bethesda MD (1991), vols. 1-3におけるサブグループである。一実施態様では、VLでは、サブグループはKabat等, supraのサブグループカッパIである。一実施態様では、VHでは、サブグループはKabat等, supraのサブグループIIIである。

0073

ヒト化」抗体は、非ヒトHVRからのアミノ酸残基及びヒトFRからのアミノ酸残基を含んでなるキメラ抗体を指す。ある実施態様では、ヒト化抗体は、実質的に全ての少なくとも一つ、典型的には2つの可変ドメインを含み、全て又は実質的に全てのHVR(例えばCDR)は非ヒト抗体のものに対応し、全て又は実質的に全てのFRはヒト抗体のものに対応する。ヒト化抗体は場合によっては、ヒト抗体由来抗体定常領域の少なくとも一部を含みうる。抗体、例えば非ヒト抗体の「ヒト化形態」は、ヒト化を経た抗体を指す。

0074

「超可変領域」又は「HVR」なる用語は、ここで使用される場合、配列において超可変である及び/又は構造的に定義されたループ(「超可変ループ」)を形成する抗体可変ドメインの領域の各々を指す。一般的に、天然の4鎖抗体は6つのHVR;VH(H1、H2、H3)に3つ、VL(L1、L2、L3)に3つを含む。HVRは一般的に超可変ループから及び/又は「相補性決定領域」(CDR)からアミノ酸残基を含み、後者は最も高い配列可変性であるか及び/又は抗原認識に関与する。例示的な超可変ループは、アミノ酸残基26−32(L1)、50−52(L2)、91−96(L3)、26−32(H1)、53−55(H2)、及び96−101(H3)で生じる。(Chothia and Lesk, J. Mol.Biol.196:901-917 (1987))。例示的なCDR(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3、CDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3)は、アミノ酸残基L1の24−34、L2の50−56、L3の89−97、H1の31−35B、H2の50−65、及びH3の95−102で生じる。(Kabat等, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed.Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991))。VHにおけるCDRを除き、CDRは一般的に超可変ループを形成するアミノ酸残基を含む。CDRはまた、抗原と接触する残基である「特異性決定領域」又は「SDR」を含む。SDRは、abbreviated-CDR、又はa-CDRと呼ばれるCDRの残基内に含まれる。例示的なa-CDR(a-CDR-L1、a-CDR-L2、a-CDR-L3、a-CDR-H1、a-CDR-H2、及びa-CDR-H3)は、アミノ酸残基L1の31−34、L2の50−55、L3の89−96、H1の31−35B、H2の50−58、及びH3の95−102で生じる。(Almagro and Fransson, Front.Biosci.13:1619-1633 (2008)を参照)。明記しない限り、可変ドメインにおけるHVR残基及び他の残基(例えばFR残基)は、ここではKabat等, supraに従って番号付けされる。

0075

「イムノコンジュゲート」は、限定するものではないが細胞傷害剤を含む一又は複数の異種性分子にコンジュゲートされた抗体である。

0076

「個体」又は「被験体」とは、哺乳類である。哺乳類は、限定するものではないが家畜(例えば、ウシ、ヒツジネコイヌ、及びウマ)、霊長類(例えばヒト及び非ヒト霊長類、例えばサル)、ウサギ、及び齧歯類(例えばマウス及びラット)を含む。ある実施態様では、個体又は被験体はヒトである。

0077

「単離された」抗体は、それの天然環境の成分から分離されたものである。幾つかの実施態様では、抗体は95%又は99%超の純度に精製され、例えば電気泳動(例えばSDS-PAGE、等電点電気泳動(IEF)、キャピラリー電気泳動)又はクロマトグラフィー(例えばイオン交換又は逆相HPLC)で決定される。抗体純度の評価の方法の総説として、例えばFlatman等, J. Chromatogr.B 848:79-87 (2007)を参照のこと。

0078

「単離された」核酸は、それの天然環境の成分から分離された核酸分子を指す。単離された核酸は、核酸分子を元々有した細胞に含まれる核酸分子を含むが、核酸分子は染色体外に、又はそれの天然染色体位置とは異なる染色体位置に存在する。

0079

「抗BACE1抗体をコードする単離された核酸」とは、抗体重及び軽鎖(又はその断片)をコードする一又は複数の核酸分子を指し、単一ベクター又は異なるベクターにおけるこのような核酸分子を含み、このような核酸分子は宿主細胞における一又は複数の位置に存在する。

0080

「モノクローナル抗体」なる用語は、ここで使用される場合、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団を構成する個々の抗体は、ありうる可変抗体を除き同一であるか及び/又は同じエピトープに結合し、例えば自然に生じる変異又はモノクローナル抗体調製物の生産中に生じるものを含み、このような変異体は一般的に少量で存在する。典型的には異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を含むポリクローナル抗体調製物と比較して、モノクローナル抗体の各モノクローナル抗体調製物は抗原における単一決定基に向けられる。従って、「モノクローナル」なる修飾詞は、抗体の実質的に均一な集団から得られる抗体の特性を意味し、何れかの特定の方法による抗体の生産を必要とすると解釈されるべきではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、様々な技術によって作られ得、限定するのもではないが、ハイブリドーマ法、組換えDNA法、ファージディスプレイ法、及びヒト免疫グロブリン座の全部又は一部を有するトランスジェニック動物を利用する方法を含み、モノクローナル抗体を作成するためのこのような方法及び他の例示的な方法がここに記載されている。

0081

「ネイキッド抗体」は、異種性部分(例えば細胞傷害部分)又は放射性標識にコンジュゲートされていない抗体を指す。ネイキッド抗体は薬学的製剤中に存在しうる。

0082

「天然抗体」は、様々な構造を有する天然に生じる免疫グロブリン分子を指す。例えば、天然IgG抗体は、ジスルフィド結合された2つの同一な軽鎖及び2つの同一な重鎖から成る約150,000ダルトンヘテロ四量体糖タンパク質である。N-からC-末端へ、各重鎖は可変重ドメイン又は重鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VH)、その後に3つの定常ドメイン(CH1、CH2、及びCH3)を有する。同様に、N-からC-末端へ、各軽鎖は可変軽ドメイン又は軽鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VL)、その後に定常軽(CL)ドメインを有する。抗体の軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、カッパ(κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる2つのタイプの内一つに割り当てられうる。

0083

パッケージ挿入物」なる用語は、治療用製品の商用パッケージに習慣的に含まれている説明書を指すために使用され、適応症使用法、用量、投与、併用療法禁忌及び/又はこのような治療用製品の使用に関する警告についての情報を含む。

0084

参照ポリペプチド配列に関する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」とは、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば間隙を導入し、如何なる保存的置換も配列同一性の一部と考えないとした後の、特定の参照ポリペプチド配列のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセントとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を測定する目的のためのアラインメントは、当業者の技量の範囲にある種々の方法、例えばBLAST、BLAST-2、ALIGN、又はMegalign(DNASTAR)ソフトウエアのような公に入手可能なコンピュータソフトウエアを使用することにより達成可能である。当業者であれば、比較される配列の完全長に対して最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、配列をアラインメントするための適切なパラメータを決定することができる。しかし、ここでの目的のためには、%アミノ酸配列同一性値は、配列比較コンピュータプログラムALIGN-2を使用することによって得られる。ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムはジェネンテック社によって作製され、ソースコードは米国著作権,ワシトンD.C., 20559に使用者用書類とともに提出され、米国著作権登録番号TXU510087で登録されている。ALIGN-2プログラムはジェネンテック社、サウスサンフランシスコ,カリフォルニアから公的に入手可能であり、ソースコードからコンパイルしてもよい。ALIGN-2プログラムは、デジタルUNIX(登録商標)V4.0Dを含むUNIX(登録商標)オペレーティングシステムでの使用のためにコンパイルされる。全ての配列比較パラメータは、ALIGN-2プログラムによって設定され変動しない。

0085

アミノ酸配列比較にALIGN-2が用いられる状況では、与えられたアミノ酸配列Aの、与えられたアミノ酸配列Bとの、又はそれに対する%アミノ酸配列同一性(あるいは、与えられたアミノ酸配列Bと、又はそれに対して或る程度の%アミノ酸配列同一性を持つ又は含む与えられたアミノ酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される:
分率X/Yの100倍
ここで、Xは配列アラインメントプログラムALIGN-2のA及びBのプログラムアラインメントによって同一であると一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。特に断らない限りは、ここでの全ての%アミノ酸配列同一性値は、直ぐ上のパラグラフに示したようにALIGN-2コンピュータプログラムを用いて得られる。

0086

「薬学的製剤」なる用語は、そのような形態においてそこに含まれる活性成分の生物学的活性を有効にし、製剤が投与されるであろう被験体に容認し難いほど毒性である更なる成分を含まない調製物を指す。

0087

「薬学的に許容可能な担体」とは、被験体に非毒性である活性成分以外の薬学的製剤中の成分を指す。薬学的に許容可能な担体は、限定するものではないがバッファー賦形剤、安定剤、又は保存剤を含む。

0088

「BACE1」なる用語は、ここで使用される場合、別段の定めがある場合を除き、哺乳類、例えば霊長類(例えばヒト)及び齧歯類(例えばマウス及びラット)を含む何れかの脊椎動物供給源からの何れかの天然β-セクレターゼ1(β-部位アミロイド前駆体タンパク質切断酵素1、膜結合アスパラギン酸プロテアーゼ2、メマプシン2、アスパルチルプロテアーゼ2又はAsp2とも呼ばれる)を指す。用語は「完全長」の非プロセシングBACE1並びに細胞におけるプロセシングから得られる何れかの形態のBACE1を包含する。用語はまた、BACE1の天然に生じる変異体、例えばスプライスバリアント又は対立遺伝子多型を包含する。例示的BACE1ポリペプチドのアミノ酸配列は下の配列番号:49に示され、Vassar等, Science 286:735-741 (1999)に報告されるヒトBACE1、アイソフォームAの配列であり、出典明記によってその全体をここに援用する。
MAQALPLLLWMGAGVLPAHGTQHGIRLPLRSGLGGAPLGLRLPRETDEEPEEPGRRGSFVEMVDNLGKSGQGYYVEMTVGSPPQTLILVDTSSFAVGAAPHPFLHRYYQRQLSSTYRDLRKGVYVPYTQGKWEGELGTDLVSIPHGPNVTVRANIAAIESDFFINGSNWEGILGLAYAEIARPDDSLEPFFDSLVKQTHVPNLFSLQLCGAGFPLNQSEVLASVGGSMIIGGIDHSLYTGSLWYTPIRREWYYEVIIVRVEINGQDLKMDCKEYNYDKSIVDSGTTNLRLPKKVFEAAVKSIKAASSTEKFPDGFWLGEQVCWQAGTTPWNIFPVISLYLMGEVTNQSFRITILPQQYLRPVEDVATSQDDCYKFAISQSSTGTVMGAVIMEGFYVVFDRARKRIGFAVSACHVHDEFRTAAVEGPFVTLDMEDCGYNIPQTDESTLMTIAYVMAAICALFMLPLCLMVCQWCCLRCLRQQHDDFADDISLLK(配列番号:49)

0089

ヒトBACE1の幾つかの他のアイソフォームが存在し、アイソフォームB、C及びDを含む。UniProtKB/Swiss-Prot Entry P56817を参照のこと(出典明記によってその全体をここに援用する)。アイソフォームBは配列番号:50に示され、アミノ酸190−214を欠く点においてアイソフォームA(配列番号:49)と異なる(すなわち、配列番号:49のアミノ酸190−214の欠失)。アイソフォームCは配列番号:51に示され、アミノ酸146−189を欠く点においてアイソフォームA(配列番号:49)と異なる(すなわち、配列番号:49のアミノ酸146−189の欠失)。アイソフォームDは配列番号:52に示され、アミノ酸146−189及び190−214を欠く点においてアイソフォームA(配列番号:49)と異なる(すなわち、配列番号:49のアミノ酸146−189及び190−214の欠失)。

0090

ここで使用される場合、「治療(treatment)」(及び「治療(treat)」又は「治療(treating)」などのその文法的変異)とは、治療されている個体の自然の経過を変更する目的での臨床的介入を指し、予防のため又は臨床病理学の経過中に実施されうる。治療の所望される効果は、限定するものではないが、疾患の発生又は再発の防止、症状の軽減、疾患の何れかの直接的又は間接病理学的結果の縮小転移の防止、疾患進行の割合の低下、疾患状態の改善又は緩和、及び寛解予後改善を含む。幾つかの実施態様では、発明の抗体は、疾患の展開遅延するため又は疾患の進行を遅くするために使用される。

0091

「可変領域」又は「可変ドメイン」なる用語は、抗原への抗体の結合に関与する抗体重又は軽鎖のドメインを指す。天然抗体の重鎖及び軽鎖の可変ドメイン(それぞれVH及びVL)は一般的に類似した構造を有し、各ドメインは4つの保存フレームワーク領域(FR)及び3つの超可変領域(HVR)を含んでなる。(例えばKindt等Kuby Immunology, 6th ed., W.H.Freeman and Co., page 91 (2007)を参照)。単一VH又はVLドメインが抗原結合特異性を付与するのに十分でありうる。更に、特定の抗原に結合する抗体は、それぞれ相補VL又はVHドメインのライブラリーをスクリーニングするために、抗原に結合する抗体からVL又はVHドメインを使用して単離されうる。例えばPortolano等, J. Immunol.150:880-887 (1993); Clarkson等, Nature 352:624-628 (1991)を参照のこと。

0092

「ベクター」なる用語は、ここで使用される場合、それが連結される別の核酸を増殖可能な核酸分子を指す。用語は、自己複製核酸構造のベクター並びに導入された宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターを含む。あるベクターは、作動的に連結された核酸の発現を指示することができる。このようなベクターは、ここでは「発現ベクター」と呼ばれる。

0093

神経障害」又は「神経疾患」なる用語は、哺乳類における中枢及び/又は末梢神経系の疾患又は障害を指すか又は説明する。神経障害の例は、限定するものではないが以下の疾患及び障害を含む。ニューロパチー障害は不適切な又は非制御的な神経シグナル伝達又はその欠如に特徴付けられる神経系の疾患又は異常であり、限定するものではないが慢性疼痛(例えば侵害受容性疼痛(外傷による体組織への疼痛癌性疼痛を含む)、神経障害性疼痛(神経、脊髄、又は脳における異常による疼痛)、及び心因性疼痛(完全に又はほぼ心理学的疾患に関する)、頭痛片頭痛、ニューロパチー、及びめまい又は吐き気等のニューロパチー障害をしばしば伴う症状及び症候群を含む。アミロイドーシスはCNSにおける細胞外タンパク質沈着を伴う疾患及び障害のグループであり、限定するものではないが二次性アミロイドーシス、加齢性アミロイドーシス、アルツハイマー病(AD)、軽度認知障害(MCI)、レビー小体型認知症、ダウン症候群、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(オランダ型);グアム‐パーキンソン認知症、脳アミロイド血管症、ハンチントン病、進行性核上性麻痺、多発性硬化症;クロイツフェルト・ヤコブ病、パーキンソン病、伝達性海綿状脳症、HIV-関連認知症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、封入体筋炎(IBM)、及びβアミロイド沈着に関連する眼疾患(すなわち、黄斑変性、ドルーゼン関連視神経症、及び白内障)を含む。CNSの癌は一又は複数のCNS細胞(すなわち神経細胞)の異常増殖を特徴とし、限定するものではないが神経膠腫多形神経膠芽腫髄膜腫星状細胞腫聴神経腫瘍、軟骨腫乏突起神経膠腫髄芽腫神経節膠腫シュワン腫、神経線維腫神経芽腫、及び硬膜外内又は硬膜内腫瘍を含む。眼疾患又は障害は眼の疾患又は障害であり、ここでの目的ではBBBに影響されるCNS臓器が考えられる。眼疾患又は障害は、限定するものではないが、強膜角膜虹彩及び毛様体の障害(すなわち、強膜炎角膜炎角膜潰瘍、角膜擦過傷雪眼炎アークアイ、タイゲソン点状表層角膜症角膜血管新生フックスジストロフィー円錐角膜乾性角結膜炎虹彩炎及びぶどう膜炎)、水晶体の障害(すなわち、白内障)、脈絡膜及び網膜の障害(すなわち、網膜剥離網膜分離症高血圧性網膜症糖尿病性網膜症網膜症未熟児の網膜症、加齢黄斑変性症黄斑変性症(ウェット又はドライ)、網膜上膜網膜色素変性症及び黄斑浮腫)、緑内障、飛蚊症視神経及び視覚路の障害(すなわち、レーベル遺伝性視神経症及び視神経乳頭ドルーゼン)、眼筋両眼運動調節/屈折の障害(すなわち、斜視、眼麻痺、進行性外眼筋麻痺内斜視外斜視遠視近視乱視不同視老視及び眼筋麻痺)、視覚障害及び盲目症(すなわち、弱視レーバー先天性黒内障暗点色覚異常(color blindness)、色覚異常(achromatopsia)、夜盲症、盲目症、河川盲目症及び小眼球症コロボーマ)、充血アーガイル・ロバートソン瞳孔角膜真菌症眼球乾燥症及びandaniridiaを含む。CNSのウィルス又は微生物感染は、限定するものではないが、ウィルス(すなわち、インフルエンザ、HIV、ポリオウイルス風疹、)、細菌(すなわち、ナイセリア菌種ストレプトコッカス菌種、シュードモナス菌種、プロテウス菌種、大腸菌黄色ブドウ球菌肺炎球菌種、髄膜炎菌種、ヘモフィルス菌種、及びマイコバクテリウムツベルクローシス)及び他の微生物、例えば真菌(すなわち、酵母クリプトコッカスネオフォルマンス)、寄生虫(すなわち、トキソプラズマゴンディ)又はアメーバによる感染を含み、限定するものではないが、急性又は慢性でありうる髄膜炎脳炎脊髄炎血管炎及び膿瘍を含むCNS病態生理をもたらす。CNSの炎症は、物理的損傷(すなわち、事故手術頭部外傷脊髄損傷脳振盪に起因する)又はCNSの一又は複数の他の疾患又は障害に起因又は関連する損傷(すなわち、膿瘍、癌、ウィルス又は微生物感染)でありうるCNSへの損傷により引き起こされる炎症である。CNSの虚血は、ここで使用される場合、脳における異常な血流又は血管挙動又はその要因に関する障害の群を指し、限定するものではないが局所脳虚血全脳虚血、脳卒中(すなわち、くも膜下出血及び脳出血)、及び動脈瘤を含む。神経変性疾患は、CNSにおける神経細胞の機能欠如又は死に伴う疾患又は障害の群であり、限定するものではないが副腎白質ジストロフィー、アレキサンダー病、アルパース病、筋萎縮性側索硬化症、毛細血管拡張性運動失調症バッテン病、コケーン症候群大脳皮質基底核変性症、アミロイドーシスにより引き起こされるか又はそれに伴う変性、フリードライヒ運動失調症前頭側頭葉変性症、ケネディー病、多系統萎縮症、多発性硬化症、原発性側索硬化症、進行性核上性麻痺、脊髄性筋萎縮症横断性脊髄炎、レフサム病、及び脊髄小脳失調症を含む。CNSの発作疾患又は障害はCNSにおける不適切及び/又は異常な電気伝導を含み、限定するものではないがてんかん(すなわち、欠神発作脱力発作良性ローランドてんかん、小児欠神てんかん間代発作、複雑部分発作前頭葉てんかん、熱性発作、点頭てんかん若年性ミオクローヌスてんかん、若年性欠神てんかん、レノクスガストー症候群、ランドウ・クレフナー症候群、ドラベ症候群、大田原症候群、ウエスト症候群、ミオクローヌス発作、ミトコンドリア障害進行性ミオクローヌスてんかん心因性発作、反射てんかんラスムッセン症候群、単純部分発作、二次性全身性発作、側頭葉てんかん強直間代発作、強直性発作精神運動発作辺縁系てんかん、部分発症発作、一般発症発作、てんかん重積症、腹部てんかん、無動発作、自律神経発作、巨大両側性ミオクローヌス(massive bilateral myoclonus)、月経随伴性てんかん、くず折れ発作、情動性発作、焦点発作笑い発作、ジャクソン発作、ラフォラ疾患、運動発作、多巣性発作、夜間発作、光過敏性発作発作、感覚発作、微発作、シルヴァン発作、離脱発作、及び視覚反射発作)を含む。行動障害は被験体の異常行動を特徴とするCNSの障害であり、限定するものではないが睡眠障害(すなわち、不眠睡眠随伴症、夜驚症概日リズム睡眠障害、及びナルコレプシー)、気分障害(すなわち、うつ病自殺鬱病、不安、慢性情動障害恐怖症パニック発作強迫性障害注意欠陥多動障害(ADHD)、注意欠陥障害(ADD)、慢性疲労症候群広場恐怖症心的外傷後ストレス障害双極性障害)、摂食障害(すなわち、食欲不振又は過食症)、精神病発達性行動障害(すなわち、自閉症、レット症候群、アスペルガー症候群)、人格障害及び精神障害(すなわち、統合失調症妄想性障害等)を含む。リソソーム蓄積症は、場合によってはCNSに関連するか又はCNS特異的症状を有する代謝障害であり、限定するものではないがテイサックス病、ゴーシェ病ファブリー病ムコ多糖症(タイプI、II、III、IV、V、VI及びVII)、糖原病GM1-ガングリオシドーシス異染性白質ジストロフィーファーバー病、カナバン白質ジストロフィー、及び神経セロイドリポフスチン症タイプ1及び2、ニーマン・ピック病、ポンペ病、及びクラッベ病を含む。

0094

II.組成物及び方法
一態様では、発明は、一つには、BACE1に結合し、BACE1活性を低減及び/又は阻害する抗体に基づく。ある実施態様では、BACE1の活性部位又はエキソサイトに結合する抗体が提供される。

0095

A.例示的な抗BACE1抗体
一態様では、発明は、(a)配列番号:22、23、26、28、45、68、71、72、73又は120のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H1;(b)配列番号:24、29、46、69、74、75、76、77、78又は121のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H2;(c)配列番号:25、30、47、70、79又は122のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H3;(d)配列番号:7、8、17、35又は42のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(e)配列番号:9、10、18、36−39、41、43、56、58、59、60、61、62、63、64又は118のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(f)配列番号:11−16、19、40、44、57、65、66、67又は119のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3から選択される少なくとも1、2、3、4、5、又は6のHVRを含んでなる抗BACE1抗体を提供する。

0096

一態様では、発明は、(a)配列番号:22、23、26、28、45、68、71−73又は120のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H1;(b)配列番号:24、29、46、69、74−78又は121のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H2;及び(c)配列番号:25、30、47、70、79又は122のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H3から選択される少なくとも1、少なくとも2、又は全3のVHHVR配列を含んでなる抗体を提供する。

0097

一実施態様では、抗体は、アミノ酸配列配列番号:22又は配列番号:23又は配列番号:28又は配列番号:71又は配列番号:72又は配列番号:73を含んでなるHVR-H1を含む。別の実施態様では、抗体は、アミノ酸配列配列番号:24又は配列番号:29又は配列番号:74又は配列番号:75又は配列番号:76又は配列番号:77又は配列番号:78を含んでなるHVR-H2を含む。更なる実施態様では、抗体は、アミノ酸配列配列番号:25又は配列番号:30又は配列番号:79を含んでなるHVR-H3を含む。一実施態様では、抗体は、アミノ酸配列配列番号:28を含んでなるHVR-H1を含む。別の実施態様では、抗体は、アミノ酸配列配列番号:29を含んでなるHVR-H2を含む。更なる実施態様では、抗体は、アミノ酸配列配列番号:30を含んでなるHVR-H3を含む。

0098

別の実施態様では、抗体は(a)配列番号:22のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H1;(b)配列番号:24のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H2;及び(c)配列番号:25のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:23のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H1;(b)配列番号:24のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H2;及び(c)配列番号:25のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H3を含む。更なる実施態様では、抗体は、(a)配列番号:28のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H1;(b)配列番号:29のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H2;及び(c)配列番号:30のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H3を含む。更なる実施態様では、抗体は(a)配列番号:23のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H1;(b)配列番号:74のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H2;及び(c)配列番号:25のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:23のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H1;(b)配列番号:75のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H2;及び(c)配列番号:25のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:71のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H1;(b)配列番号:24のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H2;及び(c)配列番号:25のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:72のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H1;(b)配列番号:24のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H2;及び(c)配列番号:25のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:23のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H1;(b)配列番号:76のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H2;及び(c)配列番号:25のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:23のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H1;(b)配列番号:77のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H2;及び(c)配列番号:79のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:73のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H1;(b)配列番号:78のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H2;及び(c)配列番号:25アミノ酸配列を含んでなるHVR-H3を含む。

0099

別の態様では、発明は(a)配列番号:7、8、17、35及び42のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:9、10、18、36−39、41、43、56、58−64又は118のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:11−16、19、40、44、57、65−67又は119のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3から選択される少なくとも1、少なくとも2、又は全3のVLHVR配列を含んでなる抗体を提供する。

0100

一実施態様では、抗体は、アミノ酸配列配列番号:7又は列番号:8を含んでなるHVR-L1を含む。別の実施態様では、抗体は、アミノ酸配列配列番号:9又は配列番号:10又は配列番号:58又は配列番号:59又は配列番号:60又は配列番号:61又は配列番号:62又は配列番号:63又は配列番号:64を含んでなるHVR-L2を含む。更なる実施態様では、抗体は、配列番号:11又は配列番号:12又は配列番号:13又は配列番号:14又は配列番号:15又は配列番号:16又は配列番号:65又は配列番号:66又は配列番号:67のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含む。別の実施態様では、抗体は、アミノ酸配列配列番号:35を含んでなるHVR-L1を含む。別の実施態様では、抗体は、配列番号:36−39から成る群から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2を含む。更なる実施態様では、抗体は、アミノ酸配列配列番号:40を含んでなるHVR-L3を含む。

0101

別の実施態様では、抗体は(a)配列番号:7のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:9のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:11のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:7のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:9のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:12のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:7のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:9のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:13のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:7のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:9のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:14のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:7のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:9のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:16のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:8のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:10のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:15のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含む。更なる実施態様では、抗体は(a)配列番号:35のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:36のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:40アミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:35のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:37のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:40のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:35のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:38のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:40のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:35のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:39のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:40のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含む。

0102

別の実施態様では、抗体は(a)配列番号:7のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:58のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:12アミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:7のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:9のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:65のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:7のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:59のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:12のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:7のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:9アミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:66のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:7のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:9のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:67のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:7のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:60のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:67のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:7のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:61アミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:65のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:7のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:59のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:66のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:7のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:62のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:67のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:7のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:63のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:12のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含むか、又は抗体は(a)配列番号:7のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:64のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:12のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含む。

0103

別の態様では、発明の抗体は、(a)(i)配列番号:22、23、26、28、45、68、71−73又は120から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-H1(ii)配列番号:24、29、46、69、74−78又は121から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-H2及び(iii)配列番号:25、30、47、70、79又は122から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-H3から選択される少なくとも1、少なくとも2、又は全3のVHHVR配列を含んでなるVHドメイン;及び(b)(i)配列番号:7、8、17、35又は42から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1、(ii)配列番号:9、10、18、36−39、41、43、56、58−64又は118から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2、及び(c)配列番号:11−16、19、40、44、57、65−67又は119から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3から選択される少なくとも1、少なくとも2、又は全3のVLHVR配列を含んでなるVLドメインを含む。

0104

別の態様では、発明は、(a)配列番号:23のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H1;(b)配列番号:24のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H2;(c)配列番号:25のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H3;(d)配列番号:7のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(e)配列番号:9のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(f)配列番号:12から選択されるアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3を含んでなる抗体を提供する。

0105

ある実施態様では、抗体はHVR-H1、HVR-H2、HVR-H3から選択される少なくとも一つの配列を含み、HVR-H1はアミノ酸配列GFX30FX31X32X33X34IH(配列番号:45)を含み(上式中、X30=N又はT;X31=S、L又はY;X32=G又はY;X33=Y又はS;及びX34=A、G又はS);HVR-H2はアミノ酸配列X35X36ISPX37X38GX39TX40YADSVKG(配列番号:46)を含み(上式中、X35=A又はG;X36=W又はS;X37=A又はY;X38=G又はS;X39=S又はY;及びX40=D又はS);そしてHVR-H3は配列X41PX42X43X44X45X46X47MDY(配列番号:47)を含む(上式中、X41=Q又はG;X42=T又はF;X43=H又はS;X44=Y又はP;X45=Y又はW;X46=Y又はV及びX47は配列YAKGYKA(配列番号:48)を含んでいてもよい)。

0106

ある実施態様では、抗体はHVR-H1、HVR-H2及びHVR-H3から選択される少なくとも一つの配列を含み、HVR-H1はアミノ酸配列GX71X72X73X74X75X76X77IH(配列番号:120)を含み(上式中、X71=F又はY;X72=F、N又はT;X73=F又はY;X74=L、Q、I、S又はY;X75=G又はY;X76=Y又はS;及びX77=A、G又はS);HVR-H2はアミノ酸配列X78X79ISPX80X81GX82X83X84YADSVKG(配列番号:121)を含み(上式中、X78=A又はG;X79=W又はS;X80=A、S、Q又はY;X81=G又はS;X82=S、K、L又はY;X83=T又はY;及びX84=D又はS);そしてHVR-H3はアミノ酸配列X85PX86X87X88X89X90X91MDY(配列番号:122)を含む(上式中、X85=Q又はG;X86=T又はF;X87=H、Y又はS;X88=Y又はP;X89=Y又はW;X90=Y又はV及びX91は配列YAKGYKA(配列番号:48)を含んでいてもよい)。

0107

ある実施態様では、抗体はHVR-L1、HVR-L2、HVR-L3から選択される少なくとも一つの配列を含み、HVR-L1はアミノ酸配列RASQX17VX18X19X20X21A、(配列番号:42)を含み(上式中、X17=S、D又はV;X18=S又はA;X19=S、T又はN;X20=A又はS;X21=V又はL)、HVR-L2はアミノ酸配列X22ASX23LYS(配列番号:43)を含み(上式中、X22=S、W、Y又はL;X23=F、S又はW)、そしてHVR-L3はアミノ酸配列QQX24X25X26X27X28X29T(配列番号:44)を含む(上式中、X24=S、F、G、D又はY;X25=Y、P、S又はA;X26=Y、T又はN;X27=T、Y、D又はS;X28=P又はL;及びX29=F、P又はT)。

0108

ある実施態様では、抗体はHVR-L1、HVR-L2及びHVR-L3の群から選択される少なくとも一つの配列を含み、HVR-L1はアミノ酸配列RASQX17VX18X19X20X21A(配列番号:42)を含み(上式中、X17=S、D又はV;X18=S又はA;X19=S、T又はN;X20=A又はS;X21=V又はL)、HVR-L2はアミノ酸配列X62ASX63X64YX65(配列番号:118)を含み(上式中、X62=S、W、Y、F又はL;X63=F、S、Y又はW;X64=L又はR;X65=S、P、R、K又はW)、そしてHVR-L3はアミノ酸配列QQX66X67X68X69X70X71T(配列番号:119)を含む(上式中、X66=S、F、G、D又はY;X67=Y、P、S又はA;X68=Y、T又はN;X69=T、Y、D又はS;X70=P、Q、S、K又はL;及びX71=F、P又はT)。

0109

ある実施態様では、抗体はHVR-L1、HVR-L2、HVR-L3から選択される少なくとも一つの配列を含み、HVR-L1はアミノ酸配列RASQX1VX2X3X4X5A(配列番号:17)を含み(上式中、X1=D又はV;X2=S又はA;X3=T又はN;X4=S又はA;X5=V又はL)、HVR-L2はアミノ酸配列X6ASFLYS(配列番号:18)を含み(上式中、X6=S又はL)、そしてHVR-L3はアミノ酸配列QQX7X8X9X10X11X12T(配列番号:19)を含む(上式中、X7=S、F、G、D又はY;X8=Y、P、S,又はA;X9=T又はN;X10=T、Y、D又はS;X11=P又はL;X12=P又はT)。

0110

ある実施態様では、抗体はHVR-L1、HVR-L2、HVR-L3から選択される少なくとも一つの配列を含み、HVR-L1はアミノ酸配列RASQX1VX2X3X4X5A(配列番号:17)を含み(上式中、X1=D又はV;X2=S又はA;X3=T又はN;X4=S又はA;X5=V又はL)、HVR-L2はアミノ酸配列X48ASX49X50YX51(配列番号:56)を含み(上式中、X48=S又はF;X49=F又はY;X50=L又はR;X51=S、P、R、K又はW)、HVR-L3はアミノ酸配列QQFPTYX52PT(配列番号:57)を含む(上式中、X52=L、Q、S又はK)。

0111

ある実施態様では、抗体はHVR-H1、HVR-H2、HVR-H3から選択される少なくとも一つの配列を含み、HVR-H1はアミノ酸配列GFTFX13GYX14IH(配列番号:26)を含み(上式中、X13=S又はL及びX14=A又はG)、HVR-H2はアミノ酸配列GWISPAGSTDYADSVKG(配列番号:24)を含み、そしてHVR-H3はアミノ酸配列GPFSPWVMDY(配列番号:25)を含む。

0112

ある実施態様では、抗体はHVR-H1、HVR-H2、HVR-H3から選択される少なくとも一つの配列を含み、HVR-H1はアミノ酸配列GX53X54X55X56GYGIH(配列番号:68)を含み(上式中、X53=F又はY;X54=T又はF;X55=F又はY;X56=L、Q又はI)、HVR-H2はアミノ酸配列GWISPX57X58GX59X60DYADSVKG(配列番号:69)を含み(上式中、X57=A、S又はQ;X58=G又はS;X59=S、K又はL;X60=T又はY)、そしてHVR-H3配列はアミノ酸配列GPFX61PWVMDY(配列番号:70)を含む(上式中、X61=S又はY)。

0113

ある実施態様では、抗体はHVR-L1、HVR-L2、HVR-L3から選択される少なくとも一つの配列を含み、HVR-L1はアミノ酸配列RASQSVSSAVA(配列番号:35)を含み、HVR-L2はアミノ酸配列X15ASX16LYS(配列番号:41)を含み(上式中、X15=S、W又はY及びX16=S又はW)、そしてHVR-L3はアミノ酸配列QQYSYSPFT(配列番号:40)を含む。

0114

ある実施態様では、上記の抗BACE1抗体の何れか一又は複数のアミノ酸は、次のHVR位置で置換される:
HVR-H1(配列番号:26):位置5及び8;
HVR-L1(配列番号:17):位置5、7、8、9及び10;
HVR-L2(配列番号:18):位置1又はHVR-L2(配列番号:41)位置1及び4;及び
HVR-L3(配列番号:19):位置3、4、5、6、7及び8。

0115

ある実施態様では、ここに提供されるように置換は保存的置換である。ある実施態様では、何れか一又は複数の次の置換が任意の組合せにおいてなされうる:
HVR-H1(配列番号:26):位置5にセリン又はロイシン及び位置8にアラニン又はグリシン
HVR-L1(配列番号:17):位置5にアスパラギン酸又はバリン;位置7にセリン又はアラニン;位置8にスレオニン又はアスパラギン;位置9にセリン又はアラニン及び位置10にバリン又はロイシン;
HVR-L2(配列番号:18):位置1にセリン又はロイシン又はHVR-L2(配列番号:41)位置1にセリン、チロシン又はトリプトファン又は位置4にチロシン、セリン又はトリプトファン;及び
HVR-L3(配列番号:19):位置3にセリン、フェニルアラニン、グリシン、アスパラギン酸又はチロシン;位置4にチロシン又はプロリン、位置5にセリン、アラニン、スレオニン又はアスパラギン;位置6にチロシン、スレオニン、アスパラギン酸又はセリン、位置7にアスパラギン酸、セリン、プロリン又はロイシン及び位置8にプロリン又はスレオニン。

0116

ある実施態様では、ここに提供されるように置換は保存的置換である。ある実施態様では、何れか一又は複数の次の置換が任意の組合せにおいてなされうる:
HVR-H1(配列番号:26):S5L及びA8G;
HVR-L1(配列番号:17):D5V;S7A;T8N;S9A及びV10L;
HVR-L2(配列番号:18):S1L又はHVR-L2(配列番号:41)位置S1W又はY及びS4W;及び
HVR-L3(配列番号:19):位置S3F、G、D又はYl;Y4P、S又はA;T5N;T6Y、D又はS;P7L及びP8T。

0117

ある実施態様では、上記の抗BACE1抗体の何れか一又は複数のアミノ酸は、次のHVR位置で置換される:
HVR-H1(配列番号:120):位置2、3、5、6、7及び8;
HVR-H2(配列番号:121):位置1、2、6、7、9、10、及び11;
HVR-H3(配列番号:122)位置1、3、4、5、6、7、及び8
HVR-L1(配列番号:42):位置5、7、8、9及び10;
HVR-L2(配列番号:118):位置1、4、5及び7;及び
HVR-L3(配列番号:119):位置3、4、5、6、7及び8。
ある実施態様では、ここに提供されるように置換は保存的置換である。

0118

上記置換のありうる組合せは、上記の配列番号:42−47及び118−122のコンセンサス配列に包含される。

0119

上記実施態様の何れかでは、抗BACE1抗体はヒト化である。一実施態様では、抗BACE1抗体は上記実施態様の何れかにおけるHVRを含み、更にアクセプターヒトフレームワーク、例えばヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワークを含む。別の実施態様では、抗BACE1抗体は上記実施態様の何れかにおけるHVRを含み、配列番号:1−6、20、21、27、31−34、80−98及び99−117のFR1、FR2、FR3、又はFR4配列を含んでなるVH又はVLを更に含む。

0120

別の態様では、抗BACE1抗体は、配列番号:20、21、27及び80−98から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含む。ある実施態様では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するVH配列は参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を有するが、その配列を含んでなる抗BACE1抗体はBACE1に結合する及び/又はBACE1活性を阻害又は低減する能力を保持する。ある実施態様では、配列番号:20、21、27及び80−98において合計で1〜10のアミノ酸が置換、挿入及び/又は欠失されている。ある実施態様では、置換、挿入、又は欠失はHVR外の領域(すなわち、FR)において生じる。場合によっては、抗BACE1抗体は配列番号:20、21、27又は80−98においてVH配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。特定の実施態様では、VHは(a)配列番号:22、23、26、28、45、68、71、72、73又は120のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H1、(b)配列番号:24、29、46、69、74、75、76、77、78又は121のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H2、及び(c)配列番号:25、30、47、70、79又は122のアミノ酸配列を含んでなるHVR-H3から選択される1、2又は3のHVRを含む。

0121

一態様では、発明は、(a)図1(B)、2(B)及び24(A)におけるアミノ酸配列を含んでなるHVR-H1;(b)図1(B)、2(B)及び24(B)におけるアミノ酸配列を含んでなるHVR-H2;(c)図1(B)、2(B)及び24(C)におけるアミノ酸配列を含んでなるHVR-H3;(d)図1(A)、2(A)及び23(A)におけるアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(e)図1(A)、2(A)及び23(B)におけるアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(f)図1(A)及び2(A)及び23(C)におけるアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3から選択される少なくとも1、2、3、4、5、又は6のHVRを含んでなる抗BACE1抗体を提供する。

0122

別の態様では、抗BACE1抗体であって、配列番号:1−6、31−34及び99−117から選択されるアミノ酸配列に少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%,又は100%配列同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)を含む抗体が提供される。ある実施態様では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するVL配列は参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を有するが、その配列を含んでなる抗BACE1抗体はBACE1に結合する及び/又はBACE1活性を阻害又は低減する能力を保持する。ある実施態様では、配列番号:1−6、31−34及び99−117において合計で1〜10のアミノ酸が置換、挿入及び/又は欠失されている。ある実施態様では、置換、挿入、又は欠失はHVR外の領域(すなわち、FR)において生じる。場合によっては、抗BACE1抗体は配列番号:1−6、31−34又は99−117においてVL配列を含み、その配列の翻訳後修飾を含む。特定の実施態様では、VLは(a)配列番号:7、8、17、35又は42のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L1;(b)配列番号:9、10、18、36−39、41、43及び56、58−64又は118のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L2;及び(c)配列番号:11−16、19、40、44、57、65、66、67又は119のアミノ酸配列を含んでなるHVR-L3から選択される1、2又は3のHVRを含む。

0123

別の態様では、抗BACE1抗体であって、上記の実施態様の何れかにおけるVH、及び上記の実施態様の何れかにおけるVLを含む抗体が提供される。一実施態様では、抗体は配列番号:21及び配列番号:2においてそれぞれVH及びVL配列を含み、これらの配列の翻訳後修飾を含む。

0124

更なる態様では、発明はここに提供される抗BACE1抗体と同じエピトープに結合する抗体を提供する。例えば、ある実施態様では、配列番号:20、21、27及び80−98から選択されるVH配列及び配列番号:1−6、31−34及び99−117から選択されるVL配列を含んでなる抗BACE1抗体と同じエピトープに結合する抗体が提供される。ある実施態様では、配列番号:21及び配列番号:2においてそれぞれVH及びVL配列を含んでなる抗BACE1抗体と同じエピトープに結合する抗体が提供される。

0125

ある実施態様では、配列番号:49のアミノ酸314SER、316GLU、317LYS、318PHE、319PRO、327GLN、328LEU、329VAL、330CYS、331TRP、332GLN、333ALA、335THR、337PRO、340ILE、375THR、378ASP、380CYS、426PHEに対応する少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9のアミノ酸を含んでなるBACE1内のエピトープに結合する抗体が提供される。

0126

ある実施態様では、配列番号:49のアミノ酸314SER;316GLU;317LYS;327GLN;330CYS;331TRP;332GLN;335THR;及び378ASPに対応する少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9のアミノ酸を含んでなるBACE1内のエピトープに結合する抗体が提供される。他の実施態様では、コンホメーションエピトープは、配列番号:49の314SER;316GLU;317LYS;327GLN;330CYS;331TRP;332GLN;335THR;及び378ASPに対応するアミノ酸を含む。BACE1エピトープにおいて同定されるアミノ酸はヒトBACE1アイソフォームAに対応することが理解されるだろう。しかしながら、記載したBACE1コンホメーションエピトープはまた、BACE1の他の変異体及びアイソフォームにおける対応するアミノ酸を包含し、エピトープは記載した残基以外のアミノ酸を含みうる。

0127

ある実施態様では、配列番号:49のアミノ酸315−318;配列番号:49のアミノ酸331−335;配列番号:49のアミノ酸370−381;又はその何れかの組合せに対応するBACE1の少なくとも1、少なくとも2又は少なくとも3のアミノ酸領域を含んでなるBACE1内のエピトープに結合する抗体が提供される。一実施態様では、抗体は、配列番号:49のアミノ酸315−318、331−335及び370−381を含んでなるBACE1のエピトープに結合する。

0128

別の実施態様では、抗体結合がないBACE1と比較して、結合によりBACE1のP6及び/又はP7部位(Turner等, Biochemistry 44:105-112 (2005))におけるコンホメーション変化をもたらすBACE1内のエピトープに結合する抗体が提供される。更なる実施態様では、BACE1のエピトープに結合し、BACE1の配列番号:49のアミノ酸218−231にランダムなループ構造を引き起こす抗体が提供される。BACE1の配列番号:49のアミノ酸218−231は、基質結合複合体ではα-ヘリックス構造において存在する。

0129

別の実施態様では、図14及び15に示され、BACE1及び抗BACE1抗体、YW412.8.31の結晶構造に記載されるBACE1内の部位に結合する抗体が提供される(実施例3(B))。

0130

他の実施態様では、BACE1内のエキソサイトに結合する抗体が提供される。一実施態様では、BACE1内のエキソサイトはKornacker等, Biochem. 44:11567-11573 (2005)によって同定されているのと同じエキソサイトである。一実施態様では、BACE1への結合についてKornacker等, Biochem.44:11567-11573 (2005)(出典明記によってその全体をここに援用する)に記載のペプチド(すなわち、ペプチド1、2、3、1−11、1−10、1−9、1−8、1−7、1−6、2−12、3−12、4−12、5−12、6−12、7−12、8−12、9−12、10−12、4、5、6、5−10、5−9、Y5A、P6A、Y7A、F8A、I9A、P10A及びL11A)と競合する抗体が提供される。

0131

別の実施態様では、ここに記載の何れかの抗BACE1抗体と結合について競合する(例えば、同じエピトープに結合する)抗体が提供される。

0132

発明の更なる態様では、上記実施態様の何れかによる抗BACE1抗体はキメラ、ヒト化又はヒト抗体を含むモノクローナル抗体である。一実施態様では、抗BACE1抗体は抗体断片、例えばFv、Fab、Fab’、scFv、ダイアボディ、又はF(ab’)2断片である。別の実施態様では、抗体は完全長抗体、例えばインタクトなIgG1抗体又はここに定義されるほかの抗体クラス又はアイソタイプである。

0133

更なる態様では、上記実施態様の何れかによる抗BACE1抗体は、下のセクション1−7に記載されるような何れかの特徴を単独又は組合せにおいて組み入れうる。

0134

1.抗体親和性
ある実施態様では、ここに提供される抗体は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、又は≦0.001nM(例えば10−8M以下、例えば10−8M〜10−13M、例えば10−9M〜10−13M)の解離定数(Kd)を有する。

0135

一実施態様では、Kdは、次のアッセイによって記載されるように、対象の抗体のFab型とその抗原を用いて実施される放射標識抗原結合アッセイ(RIA)によって測定される。抗原に対するFabの溶液結合親和性は、一連力価非標識抗原の存在下で、最小濃度の(125I)標識抗原でFabを均衡にし、ついで抗Fab抗体被覆プレート結合抗原捕獲することによって測定する(例えばChen等, J. Mol. Biol. 293:865-881(1999)を参照)。アッセイ条件を確率するために、MICROTITER(登録商標)マルチウェルプレート(Thermo Scientific)を5μg/mlの50mM炭酸ナトリウム(pH9.6)中の捕獲抗Fab抗体(CappelLabs)で一晩被覆し、その後PBS中の2%(w/v)のウシ血清アルブミンで室温(およそ23℃)で2から5時間、ブロックする。非吸着プレート(Nunc #269620)において、100pM又は26pMの[125I]抗原を段階希釈した対象のFabと混合する(例えば、Presta等, Cancer Res. 57: 4593-4599(1997)における抗VEGF抗体Fab-12の評価と一致する)。ついで対象のFabを一晩インキュベートする;しかし、インキュベーション平衡状態に達したことを確認するまでより長い時間(例えば約65時間)継続する場合がある。その後、混合物捕獲プレートに移し、室温で(例えば1時間)インキュベートする。ついで、溶液を取り除き、プレートをPBS中の0.1%ポリソルベート20(Tween-20(登録商標))で8回洗浄した。プレートが乾燥したら、150μl/ウェル閃光物質(MicroScint-20TM;Packard)を加え、プレートをTOPCOUNTTMγカウンター(Packard)で10分間計数する。最大結合の20%か又はそれ以下を与える各Fabの濃度を選択して競合結合測定に用いる。

0136

他の実施態様によれば、〜10反応単位(RU)の固定した抗原CM5チップで25℃のBIAcore(登録商標)-2000又はBIAcore(登録商標)-3000(BIAcore, Inc., Piscataway, NJ)を使用して表面プラズモン共鳴アッセイを行ってKdを測定する。簡単に言うと、カルボキシメチル化デキストランバイオセンサーチップ(CM5, BIAcore Inc.)を、提供者指示書に従ってN-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDC)及びN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)で活性化する。抗原を10mMの酢酸ナトリウム(pH4.8)で5μg/ml(〜0.2μM)に希釈した後、結合したタンパク質の反応単位(RU)がおよそ10になるように5μl/分の流量で注入する。抗原の注入後、未反応群をブロックするために1Mのエタノールアミンを注入する。動力学的な測定では、2倍の段階希釈したFab(0.78nMから500nM)を25℃、およそ25μl/分の流量で0.05%ポリソルベート20(Tween-20TM)界面活性剤(PBST)を含むPBSに注入する。会合及び解離センサーグラムを同時にフィットさせることによる単純一対一ラングミュア結合モデル(simple one-to-one Langmuir binding model)(BIAcore Evaluationソフトウェアバージョン3.2)を用いて、会合速度(kon)と解離速度(koff)を算出する。平衡解離定数(Kd)をkoff/kon比として算出する。例えば、Chen等, J. Mol Biol 293:865-881(1999)を参照のこと。上記の表面プラスモン共鳴アッセイにより結合速度が106M−1S−1を上回る場合、分光計、例えば、ストップフロー具備分光光度計(stop-flow equipped spectrophometer)(Aviv Instruments)又は撹拌キュベットを備えた8000シリーズSLM-Aminco分光光度計(ThermoSpectronic)で測定される、漸増濃度の抗原の存在下で、PBS(pH7.2)、25℃の、20nMの抗抗原抗体(Fab型)の蛍光放出強度(励起=295nm;放出=340nm、バンドパス=16nm)の増加又は減少を測定する蛍光消光技術を用いて結合速度を測定することができる。

0137

2.抗体断片
ある実施態様では、ここに提供される抗体は抗体断片である。抗体断片は、限定しないが、Fab、Fab'、Fab'-SH、F(ab')2、Fv、及びscFv断片、及び以下に記載の他の断片を含む。所定の抗体断片の概説については、Hudson等 Nat. Med. 9:129-134 (2003)を参照のこと。scFv断片の概説については、例えばPluckthun, The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg及びMoore編,(Springer-Verlag, New York), pp. 269-315 (1994)を参照のこと;また国際公開第93/16185号;及び米国特許第5571894号及び第5587458号を参照のこと。サルベージレセプター結合エピトープ残基を含みインビボ半減期が増加したFab及びF(ab')2断片の検討については、米国特許第5869046号を参照のこと。

0138

ダイアボディは、二価又は二重特異性でありうる二つの抗原結合部位を有する抗体断片である。例えば、欧州特許出願公開第404097号;国際公開第1993/01161号;Hudson等, Nat. Med. 9:129-134 (2003);及びHollinger等 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 6444-6448 (1993)を参照のこと。トリアボディ及びテトラボディはまたHudson等, Nat. Med. 9:129-134 (2003)に記載されている。

0139

単一ドメイン抗体は抗体の重鎖可変ドメインの全て又は一部又は軽鎖可変ドメインの全て又は一部を含む抗体断片である。ある実施態様では、単一ドメイン抗体はヒト単一ドメイン抗体である(Domantis, Inc., Waltham, MA;例えば米国特許第6248516B1号を参照)。

0140

抗体断片は、限定しないが、ここに記載されるようにインタクトな抗体のタンパク質消化並びに組換え宿主細胞(例えば大腸菌又はファージ)による生産を含む様々な技術によって作製されうる。

0141

3.キメラ及びヒト化抗体
ある実施態様では、ここで提供される抗体はキメラ抗体である。あるキメラ抗体は、例えば米国特許第4816567号;及びMorrison等, PNAS USA, 81:6851-6855 (1984)に記載されている。一例では、キメラ抗体は非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、又は非ヒト霊長類、例えばサル由来の可変領域)とヒト定常領域を含む。更なる例では、キメラ抗体はクラス又はサブクラスが親抗体のものとは変化せられた「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体はその抗原結合断片を含む。

0142

ある種の実施態様では、キメラ抗体はヒト化抗体である。典型的には、非ヒト抗体は、親非ヒト抗体の特異性及び親和性を保持しながら、ヒトに対する免疫原性を低下させるためにヒト化される。一般的に、ヒト化抗体は、HVR、例えばCDR(又はその一部)が非ヒト抗体由来であり、FR(又はその一部)がヒト抗体配列由来である一又は複数の可変ドメインを含む。場合によっては、ヒト化抗体は、ヒト定常領域の少なくとも一部を含むであろう。幾つかの実施態様では、ヒト化抗体における幾つかのFR残基は、非ヒト抗体(例えば、HVR残基が誘導される抗体)からの対応する残基で置換され、例えば抗体特異性又は親和性が回復又は改善される。

0143

ヒト化抗体及びそれらを作製する方法は、例えばAlmagro 及び Fransson, Front. Biosci. 13:1619-1633 (2008)に概説されており、更に例えば、Riechmann等, Nature 332:323-329 (1988);Queen等, PNAS USA 86:10029-10033 (1989);米国特許第5821337号、同7527791号、同6982321号、及び同7087409号;Kashmiri等, Methods36:25-34 (2005)(SDR(a-CDR)グラフトを記載);Padlan, Mol. Immunol. 28:489-498 (1991)(「リサーフシング(resurfacing)」を記載);Dall'Acqua等, Methods 36:43-60 (2005) (「FRシャッフリング」を記載);及びOsbourn等, Methods 36:61-68 (2005) 及び Klimka等, Br. J. Cancer, 83:252-260 (2000)(FRシャッフリングに対する「案内選別(guided selection)」アプローチ法を記載)に記載されている。

0144

ヒト化に使用されうるヒトフレームワーク領域には、限定されるものではないが、「ベストフィット法」を使用して選択されるフレームワーク領域(例えば、Sims等 J. Immunol. 151:2296 (1993)を参照);軽鎖又は重鎖可変ドメインの特定のサブグループのヒト抗体のコンセンサス配列から誘導されるフレームワーク領域(例えば、Carter等 PNAS USA, 89:4285 (1992);及び Presta等 J. Immunol., 151:2623 (1993));ヒト成熟(体細胞的に変異された)フレームワーク領域又はヒト生殖系列フレームワーク領域(例えば、Almagro及びFransson, Front. Biosci. 13:1619-1633 (2008)を参照);及びFRライブラリーのスクリーニング由来のフレームワーク領域(例えば、Baca等, J. Biol. Chem. 272:10678-10684 (1997) 及び Rosok等, J. Biol. Chem. 271:22611-22618 (1996)を参照)が含まれる。

0145

4.ヒト抗体
ある実施態様では、ここで提供される抗体はヒト抗体である。ヒト抗体は、当該技術分野で知られている様々な技術を使用して産生せしめることができる。ヒト抗体は、一般的に、van Dijk及びvan de Winkel, Curr. Opin. Pharmacol. 5: 368-74 (2001)及びLonberg, Curr. Opin. Immunol. 20:450-459 (2008)に記載されている。

0146

ヒト抗体は、抗原投与に反応してインタクトなヒト抗体又はヒト可変領域を有するインタクトな抗体を産生するように修飾されたトランスジェニック動物に免疫源を投与することによって調製することができる。このような動物は、ヒト免疫グロブリン座位の全て又は一部を典型的には含み、内在性免疫グロブリン座位を置き換えるか、又は染色体外、又は動物の染色体内にランダムに組み込まれて存在する。このようなトランスジェニックマウスにおいて、内在性免疫グロブリン座位は、一般的に不活性化される。トランスジェニック動物からヒト抗体を得る方法の概説は、Lonberg, Nat. Biotech. 23:1117-1125 (2005)を参照のこと。また、XENOMOUSETM技術を記載する米国特許第6075181号及び同6150584号;HUMAB(登録商標)技術を記載した米国特許第5770429号;K-M MOUSE(登録商標)技術を記載した米国特許第7041870号;VELOCIMOUSE(登録商標)技術を記載した米国特許出願公開第2007/0061900号を参照。このような動物により産生されるインタクトな抗体からのヒト可変領域は、例えば異なるヒト定常領域と組合せることにより、更に修飾することができる。

0147

また、ヒト抗体は、ハイブリドーマベース法により作製することもできる。ヒトモノクローナル抗体の生産のためのヒトミエローマ及びマウス-ヒトヘテロミエローマ細胞株が記載されている。(例えば、Kozbor J. Immunol., 133: 3001 (1984);Brodeur等, Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications, pp. 51-63 (Marcel Dekker, Inc., New York, 1987);及びBoerner等, J. Immunol., 147: 86 (1991)を参照)。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して産生されるヒト抗体は、Li等, PNAS. USA, 103:3557-3562 (2006)にまた記載されている。付加的な方法には、例えば米国特許第7189826号(ハイブリドーマ細胞株からのモノクローナルヒトIgM抗体の生産を記載)、及びNi, Xiandai Mianyixue, 26(4):265-268 (2006)(ヒト-ヒトハイブリドーマを記載)に記載されている。また、ヒトハイブリドーマ技術(トリオーマ技術)は、Vollmers 及びBrandlein, Histology and Histopathology, 20(3):927-937 (2005) 及び Vollmers及びBrandlein, Methodsand Findings in Experimental and Clinical Pharmacology, 27(3):185-91 (2005)にも記載されている。

0148

ヒト抗体は、ヒト由来ファージディスプレイライブラリーから選択されるFvクローン可変ドメイン配列を単離することにより産生せしめることもできる。ついで、このような可変ドメイン配列は、所望のヒト定常ドメインと組合せられうる。抗体ライブラリーからヒト抗体を選択するための技術を以下に記載する。

0149

5.ライブラリー由来抗体
本発明の抗体は、所望の活性を有する抗体についてコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることにより単離することができる。例えば、ファージディスプレイライブラリーを作製し、所望の結合特性を有する抗体について、そのようなライブラリーをスクリーニングするための様々な方法が当該技術分野で知られている。このような方法は、例えばHoogenboom等 Methodsin Molecular Biology 178:1-37 (O'Brien等編, Human Press, Totowa, NJ, 2001)において概説され、更に例えばMcCafferty等, Nature 348:552-554;Clackson等, Nature 352: 624-628 (1991);Marks等, J. Mol. Biol. 222: 581-597 (1992);Marks及びBradbury, Methods in Molecular Biology 248:161-175(Lo編, Human Press, Totowa, NJ, 2003);Sidhu等, J. Mol. Biol. 338(2): 299-310 (2004);Lee等, J. Mol. Biol. 340(5): 1073-1093 (2004);Fellouse, PNAS USA 101(34): 12467-12472 (2004);及びLee等, J. Immunol. Methods 284(1-2): 119-132(2004)に記載されている。

0150

ある種のファージディスプレイ法では、VH及びVL遺伝子のレパートリーが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により別々にクローニングされ、ファージライブラリーにおいてランダムに組換えられ、これがついで、Winter等, Ann. Rev. Immunol., 12: 433-455 (1994)に記載されているように、抗原-結合ファージについてスクリーニングされうる。ファージは、典型的には、単鎖Fv(scFv)断片又はFab断片として、抗体断片をディスプレイする。免疫化されたソースからのライブラリーにより、ハイブリドーマを構築する必要なく、免疫原に対して高親和性の抗体が提供される。あるいは、天然レパートリーを、Griffiths等,EMBO J, 12: 725-734 (1993)に記載されているように、免疫化をすることなく、広範囲非自己、更には自己抗原に対するヒト抗体の単一供給源を提供するために(例えばヒトから)クローニングすることができる。最後に、ナイーブライブラリーは、幹細胞から再配置されていないV遺伝子セグメントをクローニングし、ランダム配列を含むPCRプライマーを使用することで合成的に作製することができ、高頻度可変CDR3領域をコードし、Hoogenboom 及び Winter, J. Mol. Biol., 227: 381-388 (1992)により記載されているような、再配置をインビトロで達成することができる。ヒト抗体ファージライブラリーを記載する特許文献には、例えば米国特許第5750373号、及び米国特許出願第2005/0079574号、同2005/0119455号、同2005/0266000号、同2007/0117126号、同2007/0160598号、同2007/0237764号、同2007/0292936号、及び同2009/0002360号が含まれる。

0151

ヒト抗体ライブラリーから単離される抗体又は抗体断片は、ここでのヒト抗体又はヒト抗体断片と考えられる。

0152

6.多重特異性抗体
ある実施態様では、ここで提供される抗体は多重特異性抗体、例えば二重特異性抗体である。多重特異性抗体は、少なくとも二つの異なる部位に対して結合特異性を有するモノクローナル抗体である。ある種の実施態様では、結合特異性の一つはBACE1に対してであり、他方は任意の他の抗原に対してである。ある実施態様では、二重特異性抗体は、BACE1の二つの異なるエピトープに結合しうる。また二重特異性抗体はBACE1を発現する細胞に細胞傷害剤を局在化させるために使用することができる。二重特異性抗体は、完全長抗体又は抗体断片として調製することができる。

0153

多重特異性抗体を作製するための技術には、限定されるものではないが、異なる特異性を有する二つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖対の組換え同時発現(Milstein及びCuello, Nature 305: 537 (1983)を参照)、国際公開第93/08829号、及びTraunecker等,EMBO J. 10: 3655 (1991))、及び「ノブ-イン-ホール」技術(例えば、米国特許第5731168号を参照)が含まれる。また、多重特異性抗体は、抗体ヘテロ二量体分子を作製するための静電操縦効果の設計(国際公開第2009/089004A1号);2又はそれ以上の抗体又は断片の架橋(例えば、米国特許第4676980号、及びBrennan等, Science, 229: 81 (1985)を参照);二重特性抗体の産生のためのロイシンジッパーの使用(例えば、Kostelny等, J. Immunol., 148(5):1547-1553 (1992));二重特異性抗体断片を作製するための「ダイアボディ」技術の使用(例えば、Hollinger等, PNAS USA, 90:6444-6448 (1993)を参照);及び単鎖Fv(sFv)二量体の使用(例えば、Gruber等, J. Immunol., 152:5368 (1994)を参照);及びTutt等 J. Immunol. 147: 60 (1991)に記載されているような三重特異性抗体の調製により、作製することができる。

0154

オクトパス抗体」を含む3又はそれ以上の機能的抗原結合部位を有する操作抗体もここに含まれる(例えば、米国特許出願公開第2006/0025576A1号を参照)。

0155

また、ここでの抗体又は断片は、BACE1並びに他の異なる抗原に結合する抗原結合部位を含む「二重作用FAb」又は「DAF」も含む(例えば、米国特許出願公開第2008/0069820号を参照)。

0156

7.抗体変異体
ある実施態様では、ここに提供される抗体のアミノ酸配列変異体が考えられる。例えば、抗体の結合親和性及び/又は他の生物学的性質を改善させることが望ましい場合がある。抗体のアミノ酸配列変異体は、抗体をコードするヌクレオチド配列中に適切な修飾を導入して、又はペプチド合成により調製されうる。そのような修飾は、抗体のアミノ酸配列内の残基の、例えば、欠失、及び/又は挿入及び/又は置換を含む。最終コンストラクトが所望の特性、例えば抗原結合性を有している限り、欠失、挿入、及び置換をどのように組合せて、最終コンストラクトに到達してもよい。

0157

a)置換、挿入、及び欠失変異体
ある実施態様では、一又は複数のアミノ酸置換を有する抗体変異体が提供される。置換突然変異誘発のために関心ある部位はHVR及びFRを含む。保存的置換は、「保存的置換」と題して表1に示す。より実質的な変化は「例示的置換」との項目で表1に提供され、アミノ酸側鎖クラスを基準にして以下に更に記載される。アミノ酸置換は関心ある抗体に導入され得、生成物が所望の活性、例えば保持された/改善された抗原結合性、低減した免疫原性、改善されたADCC又はCDCについて、スクリーニングされる。

0158

アミノ酸は共通の側鎖特性に基づいて群に分けることができる:
(1)疎水性ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性:Asp、Glu;
(4)塩基性:His、Lys、Arg;
(5)鎖配向に影響を及ぼす残基:Gly、Pro;
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。

0159

非保存的置換は、これらのクラスの一つのメンバーを他のクラスに交換することを必要とするであろう。

0160

一タイプの置換変異体は、親抗体(例えばヒト化又はヒト抗体)の一又は複数の高頻度可変領域残基を置換することを含む。一般的に、更なる研究のために選択される得られた変異体は、親抗体に対して所定の生物学的性質(例えば親和性の増加、免疫原性の減少)に修飾(例えば改善)を有するか、及び/又は親抗体の実質的に保持された所定の生物学的性質を有しているであろう。例示的な置換変異体は、親和性成熟抗体であり、これは、例えばここに記載されたもののようなファージディスプレイベースの親和性成熟技術を使用して簡便に産生せしめることができる。簡潔に言えば、一又は複数のHVR残基を変異させ、変異体抗体をファージにディスプレイさせ、特定の生物学的活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングされる。

0161

改変(例えば置換)は、例えば抗体親和性を改善するために、HVRにおいてなされうる。このような改変はHVR「ホットスポット」、つまり体細胞成熟プロセス中に高頻度で変異を受けるコドンによってコードされる残基(例えばChowdhury, MethodsMol. Biol. 207:179-196 (2008)を参照)、及び/又はSDRs(a-CDRs)においてなされる場合があり、得られる変異体VH又はVLが結合親和性について試験される。二次ライブラリーを構築しそれから再選択することによる親和性成熟は、例えばHoogenboom等 Methods in Molecular Biology 178:1-37 (O’Brien等編, Human Press, Totowa, NJ, (2001))に記載されている。親和性成熟の幾つかの実施態様では、様々な方法(例えばエラープローンPCR、鎖シャッフリング、又はオリゴヌクレオチド特異的突然変異誘発)の何れかによって成熟のために選択された可変遺伝子中に多様性が導入される。ついで、二次抗体が作製される。ついで、ライブラリーがスクリーニングされ、所望の親和性を有する任意の抗体変異体が同定される。多様性を導入する他の方法は、幾つかのHVR残基(例えば一度に4−6残基)が無作為化されるHVR指向性アプローチを含む。抗原結合に関与するHVR残基が、例えばアラニンスキャン突然変異誘発又はモデリングを使用して、特に同定されうる。特にCDR-H3及びCDR-L3がしばしば標的とされる。

0162

ある実施態様では、置換、挿入、又は欠失は、そのような改変が抗原に結合する抗体の能力を実質的に低下させない限り、一又は複数のHVR内で生じうる。例えば、結合親和性を実質的に減少させない保存的改変(例えばここで提供される保存的置換)をHVRにおいてなすことができる。そのような改変はHVR「ホットスポット」又はSDRの外側でありうる。上に提供された変異VH及びVL配列の所定の実施態様では、何れかの各HVRが改変されず、又は一、二又は三のアミノ酸置換を含む。

0163

突然変異誘発の標的とされうる抗体の残基又は領域を同定するための有用な方法は、Cunningham及びWells (1989) Science 244:1081-1085 (1989)によって記載されている「アラニンスキャンニング突然変異誘発法」と呼ばれる。この方法において、残基又は標的残基の群(例えば、Arg、Asp、His、Lys、及びGluなどの荷電残基)が同定され、中性の又は負に荷電したアミノ酸(例えばアラニン又はポリアラニン)で置換され、抗体の抗原との相互作用に影響があるかどうかが決定される。最初の置換に対して機能的感受性を示しているアミノ酸位置に更なる置換を導入することができる。あるいは、又は付加的に、抗原-抗体複合体の結晶構造が抗体と抗原間の接触点を同定する。そのような接触残基及び近傍の残基は置換のための候補として標的にされるか又は削除されうる。変異体は、それらが所望の性質を含むかどうかを決定するためにスクリーニングされうる。

0164

アミノ酸配列挿入は、長さが1残基から百以上の残基を含むポリペプチドまで及ぶアミノ末端及び/又はカルボキシ末端融合体、並びに単一又は複数のアミノ酸残基の配列内挿入を含む。末端挿入の例は、N末端メチオニル残基を有する抗体を含む。抗体分子の他の挿入変異体は、抗体の血清半減期を増加させる酵素(例えばADEPT)又はポリペプチドへの抗体のN又はC末端の融合を含む。

0165

b)グリコシル化変異体
ある実施態様では、ここで提供される抗体は、抗体がグリコシル化される度合いを増大又は減少させるように改変される。抗体へのグリコシル化部位の付加又は欠失は、アミノ酸配列を、一又は複数のグリコシル化部位が作られ又は除去されるように改変させることによって、簡便に達成されうる。

0166

抗体がFc領域を含む場合、そこに結合される炭水化物が改変されうる。哺乳動物細胞により産生される天然抗体は、典型的には、Fc領域のCH2ドメインのAsn297に対してN結合により一般的に結合する分枝状で二分岐オリゴ糖を含む。例えば、Wright等 TIBTECH 15:26-32 (1997)を参照。オリゴ糖は様々な炭水化物、例えばマンノースN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトース、及びシアル酸を含み得、並びにフコースが二分岐オリゴ糖構造の「」のGlcNAcに結合される。幾つかの実施態様では、本発明の抗体におけるオリゴ糖の修飾が、ある改善された特性を有する抗体変異体を生じせしめるために、なされうる。

0167

一実施態様では、Fc領域に(直接又は間接的に)結合したフコースを欠く炭水化物構造を有する抗体変異体が提供される。例えば、かかる抗体におけるフコースの量は、1%から80%、1%から65%、5%から65%、又は20%から40%でありうる。フコースの量は、例えば国際公開第2008/077546号に記載されているように、MALDI-TOF質量分析法によって測定して、Asn297(例えば複合のハイブリッド及び高マンノース構造)に結合した全ての糖構造の合計に対してAsn297の糖鎖内のフコースの平均量を計算することによって決定される。Asn297はFc領域内の約297位(Fc領域のEu番号付け)に位置したアスパラギン残基を意味する;しかしながら、Asn297は、抗体中のマイナー配列変異のために、297位から約±3アミノ酸上流又は下流に、つまり294位と300位の間に位置している場合がありうる。そのようなフコシル化変異体は改善されたADCC機能を有しうる。例えば、米国特許出願公開第2003/0157108号(Presta, L.);米国特許出願公開第2004/0093621号(Kyowa Hakko Kogyo Co., Ltd)を参照。「脱フコシル化された」又は「フコース欠損」抗体変異体に関連した刊行物の例には、米国特許出願公開第2003/0157108号;国際公開第2000/61739号;国際公開第2001/29246号;米国特許出願公開第2003/0115614号;米国特許出願公開第2002/0164328号;米国特許出願公開第2004/0093621号;米国特許出願公開第2004/0132140号;米国特許出願公開第2004/0110704号;米国特許出願公開第2004/0110282号;米国特許出願公開第2004/0109865号;国際公開第2003/085119号;国際公開第2003/084570号;国際公開第2005/035586号;国際公開第2005/035778号;国際公開第2005/053742号;国際公開第2002/031140号;Okazaki等 J. Mol. Biol. 336:1239-1249(2004);Yamane-Ohnuki等 Biotech. Bioeng. 87: 614 (2004)が含まれる。脱フコシル化抗体を生産可能な細胞株の例には、タンパク質フコシル化に欠けているLec13CHO細胞(Ripka等 Arch. Biochem. Biophys. 249:533-545 (1986);米国特許出願公開第2003/0157108A1号, Presta, L;及び国際公開第2004/056312A1号, Adams等,特に実施例11)、及びノックアウト細胞株、例えばアルファ-1,6-フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8、ノックアウトCHO細胞(例えば、Yamane-Ohnuki等 Biotech. Bioeng. 87: 614 (2004);Kanda, Y等, Biotechnol. Bioeng., 94(4):680-688 (2006);及び国際公開第2003/085107号を参照)が含まれる。

0168

例えば抗体のFc領域に結合した二分オリゴ糖がGlcNAcにより二分される二分オリゴ糖を有する抗体変異体が更に提供される。そのような抗体変異体は、フコシル化が低減され、及び/又はADCC機能が改善されている場合がある。そのような抗体変異体の例は、例えば国際公開第2003/011878号(Jean-Mairet等);米国特許第6602684号(Umana等);及び米国特許出願公開第2005/0123546号(Umana等)に記載されている。Fc領域に結合したオリゴ糖に少なくとも一のガラクトース残基を有する抗体変異体も提供される。このような抗体変異体は、改善されたCDC機能を有している場合がある。このような抗体変異体は、例えば国際公開第1997/30087号(Patel等);国際公開第1998/58964号(Raju, S.);及び国際公開第1999/22764号(Raju, S.)に記載されている。

0169

c)Fc領域変異体
ある実施態様では、一又は複数のアミノ酸修飾が、ここに提供される抗体のFc領域に導入され、それによりFc領域変異体を産生せしめてもよい。Fc領域変異体は、一又は複数のアミノ酸位置にアミノ酸修飾(例えば、置換)を含んでなるヒトFc領域配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4Fc領域)を含みうる。

0170

ある実施態様では、本発明は、幾つかであるが全てではないエフェクター機能を持つ抗体変異体を考察し、これは、抗体を、インビボでの抗体の半減期は重要であるが、あるエフェクター機能(例えば、補体及びADCC)は不要か又は有害である用途のために望ましい候補とする。CDC及び/又はADCC活性の減少/喪失を確認するために、インビトロ及び/又はインビボ細胞傷害性アッセイが実施されうる。例えば、Fcレセプター(FcR)結合アッセイは、抗体がFcγR結合を欠く(よってADCC活性を欠くと思われる)が、FcRn結合能力を保持していることを確かめるために実施されうる。ADCCを媒介する一次細胞であるNK細胞はFcγRIIIのみを発現するのに対し、単球はFcγI、FcγII及びFcγIIIを発現する。造血細胞上のFcR発現は、Ravetch及びKinet, Annu. Rev. Immunol 9:457-492(1991)の464頁の表3に要約されている。対象とする分子のADCC活性を評価するための非限定的なインビトロアッセイが米国特許第5500362号(例えばHellstrom, I.等 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:7059-7063 (1986)) and Hellstrom, I等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:1499-1502 (1985); 5,821,337 (see Bruggemann, M.等, J. Exp. Med. 166:1351-1361 (1987)を参照)に記載されている。別法では、非放射性アッセイ法が用いられ得る(例えば、フローサイトメトリーのためのACTI(商標)非放射性細胞傷害性アッセイ(CellTechnology, Inc. Mountain View, CA;及びCyto Tox96(登録商標)非放射性細胞傷害性アッセイ(Promega, Madison, WI)を参照)。このようなアッセイのために有用なエフェクター細胞は、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞を含む。あるいは、又は付加的に、対象とする分子のADCC活性は、例えばClynes等 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:652-656 (1998)に記載されているような動物モデルにおいてインビボで評価されうる。Clq結合アッセイが、抗体がClqに結合できず、よってCDC活性を欠くことを確認するためにまた実施されうる。例えば、国際公開第2006/029879号及び国際公開第2005/100402号におけるC1q及びC3c結合ELISAを参照。補体活性化を評価するために、CDCアッセイを実施することができる(例えばGazzano-Santoro等, J. Immunol. Methods202:163 (1996);Cragg, M.S.等, Blood 101:1045-1052 (2003);及びCragg, M.S. and M.J. Glennie, Blood 103:2738-2743 (2004)を参照)。FcRn結合及びインビボクリアランス/半減期定量も当該技術分野で知られている方法を使用して実施することがまたできる(例えば、Petkova, S.B.等, Intl. Immunol. 18(12):1759-1769 (2006)を参照)。

0171

減少したエフェクター機能を有する抗体は、Fc領域残基238、265、269、270、297、327及び329の一又は複数の置換を有するものを含む(米国特許第6737056号)。このようなFc変異体は、二又はそれ以上のアミノ酸位265、269、270、297及び327に置換を有するFc変異体を含み、アラニンへの残基265及び297の置換を有するいわゆる「DANA」Fc変異体を含む(米国特許第7332581号)。

0172

FcRへの改良又は減少された結合を有するある種の抗体変異体が記載されている(例えば米国特許第6737056号;国際公開第2004/056312号、及びShields等, J. Biol. Chem. 9(2): 6591-6604 (2001)を参照)。

0173

ある実施態様では、抗体変異体は、ADCCを改善する一又は複数のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の位置298、333、及び/又は334での置換(残基のEU番号付け)を有するFc領域を含む。

0174

幾つかの実施態様では、例えば米国特許第6194551号、国際公開第99/51642号、及びIdusogie等 J. Immunol. 164: 4178-4184 (2000)に記載されているように、改変された(つまり、改善され又は減少した)Clq結合及び/又は補体依存性細胞傷害性(CDC)を生じる改変がFc領域に改変がなされる。

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