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技術 真空アーク炉における電極ギャップの閉ループ制御のための方法および装置

出願人 エーエルデー・バキューム・テクノロジーズ・ゲーエムベーハー
発明者 オーラー,ラルフショルツ,ハラルドホフマン,フランク-ベルナー
出願日 2011年10月6日 (10年0ヶ月経過) 出願番号 2013-534244
公開日 2014年1月23日 (7年9ヶ月経過) 公開番号 2014-502004
状態 特許登録済
技術分野 放電加熱 金属の製造または精製 炉の細部、予熱、排出物処理(炉一般3)
主要キーワード 供給棒 品質特徴 電気消費機器 ネットワーク電源 二次プロセス 垂直送り 電極案内 送り棒
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (12)

課題・解決手段

本発明は、真空アーク炉(10)における電極ギャップ閉ループ制御のための方法および装置に関し、溶解材料の表面からの溶解電極の電極ギャップは、液滴短絡速度の関数である閉ループ制御を受ける。この目的のために、検出された液滴短絡(80)のヒストグラム(70)が、少なくとも1つの液滴短絡基準(76)に基づいて生成され、そのヒストグラム(70)はサブエリア(72)にさらに分割され、閉ループ制御の目的のためにヒストグラム(70)の特性サブエリア(74)が選択され、電極ギャップは、選択されたサブエリア(74)に関連し得る液滴短絡(80)に基づいた閉ループ制御を受ける。

概要

背景

真空アーク炉は、再溶解材料の化学特性および機械特性が改善された高品質金属ブランクを製造するための二次プロセスである。真空アーク再溶解プロセスは、航空機構造のための材料、ならびに、宇宙旅行および生物医療科学に関する用途の分野のための材料を製造するために特に用いられる。

概要

本発明は、真空アーク炉(10)における電極ギャップ閉ループ制御のための方法および装置に関し、溶解材料の表面からの溶解電極の電極ギャップは、液滴短絡速度の関数である閉ループ制御を受ける。この目的のために、検出された液滴短絡(80)のヒストグラム(70)が、少なくとも1つの液滴短絡基準(76)に基づいて生成され、そのヒストグラム(70)はサブエリア(72)にさらに分割され、閉ループ制御の目的のためにヒストグラム(70)の特性サブエリア(74)が選択され、電極ギャップは、選択されたサブエリア(74)に関連し得る液滴短絡(80)に基づいた閉ループ制御を受ける。

目的

本発明の1つの目的は、真空アーク炉における電極ギャップの可能な限りの高精度な閉ループ制御をもたらし、それによって再溶解材料の改善された品質を達成する、閉ループ制御のための改善された方法および装置を提供する

効果

実績

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請求項1

真空アーク炉(10)における電極ギャップ閉ループ制御のための方法であって、溶解材料の表面からの溶解電極の電極ギャップは、液滴短絡速度の関数である閉ループ制御を受け、前記方法において、検出された液滴短絡(80)のヒストグラム(70)が、少なくとも1つの液滴短絡基準(76)に基づいて生成され、前記ヒストグラム(70)は、サブエリア(72)に再分割され、前記ヒストグラム(70)の特性サブエリア(74)が閉ループ制御目的のために選択され、選択された前記サブエリア(74)に関連し得る前記液滴短絡(80)に基づいて、電極ギャップが閉ループ制御を受けることを特徴とする、方法。

請求項2

特性サブエリア(74)を選択するために、好ましくは再溶解プロセスのフェーズの関数である重み付け関数が、異なるサブエリア(72)に適用され、最も強く重み付けられた特性サブエリア(74)に対応して、予め定められたコントローラ挙動、特に対応する閉ループ制御増幅および対応するコントローラ挙動が選択され、前記電極ギャップの閉ループ制御は、前記特性サブエリア(74)に関連し得る前記液滴短絡(80)の関数である選択された前記コントローラ挙動に基づいて実現されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記液滴短絡基準(76)は、少なくとも、振幅低下値、短絡発生頻度、短絡継続期間、液滴間隔、または振幅プロファイルを含み、基準パラメータは、少なくとも2つのサブエリア(72)にさらに分割されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。

請求項4

前記ヒストグラム(70)は、サブエリア(72)が二次元または多次元のサブエリア(72)であるように、少なくとも2つの液滴短絡基準(76)を表わすことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。

請求項5

再溶解プロセスの開始または予め定められたフェーズにおいて、特性サブエリア(74)が新規に選択され、好ましくは、サブエリアに基づく閉ループ制御が、再溶解プロセスの特定のフェーズにおいてのみ実行されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。

請求項6

前記ヒストグラム(70)は、再溶解プロセスの少なくとも1つのフェーズの間繰り返され、特に連続的に新たに生成され、少なくとも、以前のヒストグラム(70)に対する新規に生成されたヒストグラム(70)の前記サブエリア(72)の偏差の場合において、プリセット可能な特性サブエリア(74)が新規に選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。

請求項7

電圧振幅降下値が、1mVから1Vの範囲で、好ましくは5mVから6Vの範囲で、特に1Vから3Vの範囲において、液滴短絡基準(76)として記録されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。

請求項8

短絡期間は、0.3μsから300msまでの範囲、好ましくは3μsから30msまでの範囲、特に10μsから70μsまでの範囲における液滴短絡基準(76)として記録されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。

請求項9

振幅プロファイルは、マルチスケールダイアグラムによって、特に液滴短絡信号(82)のウェーブレット変換によって記述され、前記マルチスケールダイアグラムは、振幅プロファイル基準として用いられることを特徴とする、請求項3に記載の方法。

請求項10

前記液滴短絡(80)が検出されると、電源ネットワークにおける障害が考慮されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。

請求項11

液滴短絡を検出するための液滴短絡検出装置(44)と、溶解材料(32)の表面からの溶解電極(30)の電極ギャップの閉ループ制御のための電極ギャップ閉ループ制御装置(46)とを備える真空アーク炉(10)における電極ギャップの閉ループ制御のための装置(40)であって、前記電極ギャップ閉ループ制御装置(46)は、前記電極ギャップに、検出された前記液滴短絡(80)の関数である閉ループ制御を適用し、ヒストグラム(70)における少なくとも1つの予め定められた液滴短絡基準(76)に応じて前記短絡を分配するための液滴短絡ヒストグラム装置(48)と、液滴短絡ヒストグラム(70)から特性サブエリア(74)を選択するためのサブエリア選択装置(50)とが含まれ、前記閉ループ制御装置(46)は、前記特性サブエリア(74)に関連し得る液滴短絡(80)に関して閉ループ制御を実行することができることを特徴とする、装置。

請求項12

前記サブエリア選択装置(50)は、前記ヒストグラム(70)の液滴短絡サブエリア(72)を規定するためのサブエリア規定部(52)と、前記ヒストグラム(70)のサブエリア(72)に重み付けするための重み付け関数部(54)とを含み、最も強く重み付けられたサブエリア(72)が、特性サブエリア(74)として選択され得ることを特徴とする、請求項11に記載の装置。

請求項13

前記特性サブエリア(74)に基づいて、一組の閉ループ制御パラメータ、特に閉ループ制御増幅および閉ループ制御挙動を選択するとともに、前記パラメータが前記閉ループ制御装置(46)に割り当てる、閉ループ制御パラメータ選択装置(56)が含まれることを特徴とする、請求項11または12に記載の装置。

請求項14

前記液滴短絡検出装置(44)は、液滴短絡検出の間、電源ネットワーク(42)における障害を抑制することができるネットワーク電圧フィルタ部(58)を含むことを特徴とする、請求項11〜13のいずれか1項に記載の装置。

技術分野

0001

本発明は、真空アーク炉における電極ギャップ閉ループ制御のための方法および装置に関し、溶解材料の表面からの溶解電力の電極ギャップは、液滴短絡速度の関数である閉ループ制御を受ける。

背景技術

0002

真空アーク炉は、再溶解材料の化学特性および機械特性が改善された高品質金属ブランクを製造するための二次プロセスである。真空アーク再溶解プロセスは、航空機構造のための材料、ならびに、宇宙旅行および生物医療科学に関する用途の分野のための材料を製造するために特に用いられる。

発明が解決しようとする課題

0003

真空アーク溶解炉においては、電極るつぼに向かって伸びており、真空または低圧雰囲気において電極とるつぼとの間に電圧印加することによって溶け、るつぼの底部には液状材料堆積している。そのようなアーク炉は、チタンまたはジルコンのようないわゆる難溶性能動素子を溶解するため、ならびに、ステンレス鋼および高温合金を製造するために特に用いられる。ここに印加される電圧は、通常10〜30ボルトであり、連続溶解プロセスを維持するために、数千アンペア直流または交流電流が流れる。標準的には、るつぼは、溶解速度を制御するために、水遮断を用いて冷却される。溶解プロセスの最中、溶解材料表面と溶解電極との間の均一の溶解ギャップを維持するために、電極は溶解材料に対して下向きに案内されなければならない。プロセス環境のために直接的なギャップ測定は不可能であるので、間接的に電極ギャップを決定し、閉ループ制御を行なうためのいくつかの方法が知られている。

0004

最新の技術から、特定の領域において短絡の発生の頻度を判定し、ギャップの閉ループ制御によって短絡の数を一定レベルに維持することが知られている。短絡回路が発生する発生頻度は、電極ギャップによって均一化される。改善されたギャップの閉ループ制御を用いて、不純物材料、特にいわゆる「ホワイトスポット」を低減することができる。これらは、凝固中に、ニオブやチタンのような合金要素欠乏し、ニッケルのような他の材料で補完された、混合結晶領域である。それらは、電極の中央空洞内にデンドライト樹状突起)を形成したり、あるいは、蓄積条件によって再溶解中にるつぼの壁にを形成し、そして、再溶解中に溶解池中に落下し、それらは二度と溶解しない。それらは、すでに作られた成分に到達し、その成分の安全性および耐久性に悪影響を及ぼし得る。そのような「ホワイトスポット」を回避するために、るつぼの溶解表面からの電極のギャップの規則的かつ連続した閉ループ制御が維持され、るつぼ冷却に関連して、溶解材料の品質を改善する。このように、電極先端におけるトロイドの形成であるいわゆる「リップ」の低減、ならびに、潜在的な蓄積ホワイトスポットおよび潜在的な樹木状のホワイトスポットのいわゆる二相領域進展を低減することができ、るつぼ内の蓄積材料収縮クラックのサイズを監視することができる。改善されたギャップの閉ループ制御は、したがって、より高品質の再溶解材料をもたらす。

0005

文献DE3544005 Cから、溶解電極と溶解塊表面との間において液滴によって生成される短絡の発生頻度が制御基準として用いられる真空アーク炉における溶解電極間のギャップを制御するための方法が公知である。滴下頻度設定値を滴下頻度実際値と比較するコントローラが用いられ、現時点の間隔において滴下速度を決定することによって、実際値が決定される。この方法は、再溶解プロセス全体を通して適用され、特定の広範に規定されたタイプの滴下が考慮される。

0006

ギャップの閉ループ制御の既存の方法においては、液滴短絡は、しきい値>4V、特に>8Vで開始され、0.1msから200msの滴下長さが単純なシュミットトリガを用いて記録され、ギャップの閉ループ制御のためにほとんどすべての測定された短絡が用いられる。しかしながら、実証的研究は、再溶解プロセスの異なるフェーズにおいて、異なるタイプの液滴が支配的に現れ、再溶解フェーズおよび再溶解条件に依存して、ある液滴短絡の発生が、他のものよりも電極ギャップの閉ループ制御により適していることを示している。しかしながら、最新技術から知られている方法は、異なるタイプの液滴短絡は考慮に入れておらず、たとえば、特定のタイプの液滴短絡間の区別ができない。たとえば、特定の直径または特定の合金を有する電極により、ほんの少しの、あるいは使用不可能な液滴短絡しか生じない場合には、最新技術から知られている方法は役に立たない。通常、4〜10ボルトの範囲およびそれより長い範囲の電圧降下は、100μsとして観察される。しかしながら、特定の直径または特定の合金を有する電極では、しばしば、0.1ms未満の範囲の液滴短絡しか生じず、あるいは、8ボルト未満または1ボルトより大きい直流電圧の電圧低下が生じ、これらの2つは、閉ループ制御目的のためには観察されない。特に、高電流では、大きな液滴はまれにしか生じず、このような場合においては、従来の測定範囲に基づく閉ループ制御は不利である。いままで用いられてきた閉ループ制御技術に基づけば、電圧および電流測定を用いて実現される従来の測定範囲を超える特に小さい液滴の液滴短絡は、電気的な観点から困難な状況のために、再溶解プロセスの間、不明確な態様でしか実行することができない。なぜなら、一方では、使用されるセンサが十分な感度を有していないからであり、他方では、電気ネットワーク故障の影響を非常に受けやすい溶解電圧を供給し、それによって、特に再溶解炉周辺に多くの高電流消費機器を有する異種電源ネットワークにおいては、小さい液滴の系統的な記録は困難であるからである。

0007

電極と溶解材料表面との間の変動する、非常に小さい、または非常に大きなギャップによって、再溶解プロセスは不安定になり、不均一なブロック表面不純物混入数の増加、溶解速度の変動、および「ホワイトスポット」数の増加のような再溶解材料の品質低下が生じる。電極と溶解材料表面との間のギャップが大きすぎると、アークサイドクラウンの基部を溶かし、その基部安定性が失われるとサイドクラウンは溶解池内に傾いてしまう傾向にある。さらに、電極のリップが変動するアークギャップによって成長または減少し、それによって増加が生じたり、凝固誤差をもたらしたりする未制御振動が結果として生じる。このように、合金要素の損失増加も発生し得る。

0008

したがって、本発明の1つの目的は、真空アーク炉における電極のギャップの可能な限りの高精度な閉ループ制御をもたらし、それによって再溶解材料の改善された品質を達成する、閉ループ制御のための改善された方法および装置を提供することである。

0009

この目的は、独立請求項の教示に従った方法および装置によって解決される。有利なさらなる実施形態は、従属請求項主題である。

課題を解決するための手段

0010

本発明によれば、真空アーク炉における電極ギャップの閉ループ制御のための方法が提供され、それにおいては、溶解材料表面からの溶解電極の電極ギャップは、液滴短絡速度を関数とする閉ループ制御を受ける。本方法の内容においては、検出された液滴短絡のヒストグラムが、少なくとも1つの液滴短絡基準に基づいて生成され、そのヒストグラムはサブエリアにさらに分割され、特性サブエリアが閉ループ制御の目的のために選択され、そして、電極ギャップが選択されたサブエリアに関連する液滴短絡に基づいて閉ループ制御される。

0011

液滴短絡は、たとえば、高精度電流/電圧測定を用いて検出することができ、ヒストグラム内に表わされ得る。ヒストグラムは、少なくとも1つの液滴短絡基準に関して発生する液滴短絡のタイプを分割し、上記の液滴短絡に関する発生頻度分布を表わす。ヒストグラムは、等しいギャップを有するが可変な幅を有するいくつかのサブエリアに分割され、特に、少なくとも2つのサブエリアが解釈され得る。発生頻度分布の解析後、これらのサブエリアにおいて、閉ループ制御の目的のためにヒストグラムの特性サブエリアが選択され、少なくともいくつかのフェーズにおいて、選択された上記のサブエリアに関連し得る液滴短絡に基づいて、電極ギャップが閉ループ制御を受ける。したがって、電極ギャップの閉ループ制御は、発生するすべての液滴短絡に基づいて非特異的に実行されるのではなく、液滴短絡が分類され、1つの基準に対してヒストグラム内に少なくとも表わされ、そして1つまたはより多くの基準に関して、発生している液滴短絡の断片を表わす液滴短絡の1つのサブエリアのみが選択され、その発生している液滴短絡のサブセットに基づいて閉ループ制御が実行される。このように、フィルタ基準が生成され、それらの液滴短絡のみが、対応する電極の再溶解フェーズにおける電極ギャップの閉ループ制御に理想的に適した閉ループ制御のために用いられる。これは、高感度の電流/電圧測定方法高速プロセッサを利用することによって可能とすることができ、それによって液滴短絡、特に小さな液滴によって生じる液滴短絡のより精密な検出を可能とすることができる。他のサブエリア、特に小さな液滴に関する閉ループ制御は、多くの場合において変化した閉ループ制御挙動をもたらし、非常に改善された再溶解結果を達成することができる。

0012

サブエリアの選択および液滴短絡基準の選択は、経験値に基づいてまた自動的に実行することもでき、個々の再溶解フェーズに適合され得る。ヒストグラムは、液滴信号発生頻度の統計的分布を表わし、たとえば、液滴短絡の期間、形態および大きさにさらに分割され得る。ここで、短絡は、液滴短絡に対する従来の閉ループ制御のエリアのかなり上方または下方に位置しているエリアに記録されてもよい。液滴短絡信号は、特定の溶解状態における挙動および発生を一般的に考慮した信号とは異なり、改善されたより高速な閉ループ制御を可能にし、特定の溶解状況における液滴速度の選択および重み付けが実行され得る。特定の溶解状況においては、たとえば、従来の記録エリアに位置しているものよりも非常に頻繁に液滴が発生する。顕著な頻度で生じるこのようなタイプの液滴を考慮に入れ、閉ループ制御を発生している液滴サブエリアに焦点を当てることによって、より高速な反応および改善されたギャップの閉ループ制御を可能とすることができる。たとえば、小さい液滴と大きい液滴との間を区別することが可能であり、小さい液滴は短くて速い電圧降下を示し、厚い液滴は強くて長期間にわたる電圧降下を示す。液滴頻度は、たとえば、大小の液滴による液滴短絡液速度の統計的分布に表わされる。ここで、小さい液滴短絡は、たとえば、大きな液滴短絡よりも5〜100倍小さく、考えられるすべての測定エリアにおいて液滴特性の精密な測定が必要とされる。経験的に検出されるいわゆる液滴シャワーも発生し、そこからの電極ギャップについての有用な情報を抽出することができる。上記のシャワーは、再溶解プロセスの各フェーズにおいて、毎分1回のような不規則時間間隔で発生し、高頻度であり、ギャップの閉ループ制御のための従来の方法では主に無視されてきた。これらの結合によって、異なるタイプの液滴が異なる物理プロセス記述し、たとえば、大きな液滴は、およそ1cm3の大量の電極材料の再溶解を表わし、複数の小さな液滴は、電極材料の液滴シャワーによって影響をうけるより長い期間にわたる連続した再溶解を示す。アークは、液滴の特徴と同様の電圧の特徴を生成し、それは具体的な液滴のタイプに関連し得る。液滴が、特に大きい液滴から小さい液滴へと変化すると、液滴の発生頻度はサイズに比例して変化するが、材料減少のトータル量はほとんど一定であるということが注目に値する。

0013

一定のしきい値ステップを有するシュミットトリガしきい値コントローラが液滴短絡を検出するために用いられる従来の閉ループ制御方法とは対照的に、異なる液滴特性に関して調整することができる閉ループ制御のための適応しきい値テップおよび方法が用いられ得る。ここで、異なる物理プロセスの発生と異なる液滴特徴の発生との間の関係が用いられ、それは、溶解状況に応じて、ギャップの閉ループ制御用の他のものよりも、特定の特徴をより良好に利用可能とする。なぜなら、各場合に対応する物理プロセスは、電極ギャップについてのより良好な測定を表わすからである。これに関連して、閉ループ制御について調査される液滴ヒストグラムエリアが動的に選択され得る。複数のヒストグラムエリアが、同時に記録されるとともに、閉ループ制御のためにともに観察され、−必要であれば重み付けがされ−、または複数のエリアからの追加の情報が閉ループ制御を改善するために決定され得る。

0014

有利なさらなる実施形態によれば、特性サブエリアを選択するために、好ましくは溶解プロセスのフェーズの関数である重み付け関数が、異なるサブエリアに適用され、および最も強く重み付けされた特性サブエリアに対応して、予め定めることが可能なコントローラ挙動、特に対応する閉ループ制御増幅および対応するコントローラ挙動が選択される。それにおいて、特性サブエリアに関連し得る液滴短絡の関数である選択されたコントローラ挙動に基づいて、電極ギャップの閉ループ制御が実現される。このように、特性サブエリアを選択後、異なる閉ループパラメータ、特に閉ループ制御増幅、閉ループ制御挙動(積分、比例、または微分閉ループ制御挙動)が上記のサブエリアに関連し得る。たとえば、各基準に関して、異なるサブエリアへの分割、および各サブエリアに対して、再び特定の組の閉ループ制御パラメータが関連付けられる。たとえば、小さい高頻度液滴短絡は、より高速の閉ループ制御挙動、たとえば積分コントローラ挙動を必要とし、一方、遅い大きな液滴短絡は、比例閉ループ制御を生じ得る。したがって、再溶解プロセスのタイプ、度合い、およびフェーズに対応する閉ループ制御の改善されたファインチューニングを達成することができる。

0015

有利なさらなる実施形態によれば、液滴短絡基準は、少なくとも振幅低下値、短絡発生頻度、短絡持続時間、液滴間隔、または振幅プロファイルを含み、基準パラメータは少なくとも2つのサブエリアにさらに分割され得る。たとえば、液滴短絡基準として、DC供給電圧の電圧降下が適用され得る。ここで、たとえば、0〜2Vの小さな電圧降下と2〜10Vの大きな電圧降下との間が区別され得る。さらに、発生頻度または液滴短絡の頻度を基準として用いることができ、たとえば、速い液滴<0.1msと0.1〜20msの範囲の遅い液滴との間が区別され得る。最後に、短絡回路発生頻度、つまり所定の期間、特に溶解プロセスの特定のフェーズよりも十分に短い期間において発生する液滴短絡の数が調べられる。短絡発生頻度に関連して、液滴間の間隔、または、他の短絡基準の液滴とは対照的な短絡基準の液滴の間隔が用いられ、たとえば、短い液滴短絡と長い液滴短絡との間の発生頻度である。最後に、電圧および/または電流の低下の形態を調べることによって、短絡の振幅プロファイルが特徴付けられ、それは鋭く急峻な端部の短絡と、ゆっくりと増加またはゆっくりと減少する短絡とを区別することができる。このようにして、多次元ヒストグラムが生成され得、それにおいては、二次元または多次元の液滴短絡領域特性基準領域として選択され得る。ヒストグラムは、グラフィック的に−必要であれば多次元的に−表示され、電極ギャップおよび再溶解プロセスの品質に関する重要な指標をユーザに提供することができる。

0016

本発明の有利なさらなる実施形態によれば、ヒストグラムは、サブエリアが二次元または多次元サブエリアであるように、2つの液滴短絡基準を少なくとも表わし得る。したがって、ヒストグラムは、単一の短絡基準よりも多くの基準を、たとえば2つ以上の基準を考慮することができ、液滴短絡基準を選択するための多次元選択場を表わすことができる。このようにして、たとえば、振幅低下値、短絡発生頻度、および短絡継続期間が、基準として用いられ、強い短絡と弱い短絡、長い短絡と短い短絡、および、多数の短絡と少数の短絡との間を区別することがき、それに基づいて電極ギャップの閉ループ制御のための少なくとも8つの異なる閉ループ制御領域が用いられる。特性サブエリアは、たとえば、事前に、再溶解プロセスの経過における経験値を用いて固定することができ、あるいは、たとえばサブエリア内における短絡発生増加数または調査基準に対応する重大な短絡の発生のような重大基準を用いて選択することができる。ここで、単一の特性サブエリアは開始前に固定されてもよいし、または最初の液滴短絡が発生したときに固定されてもよく、上記のサブエリアは、全体の再溶解プロセス中に調べられる。二次元短絡基準は、疑似三次元手法で非常に容易に表示することができ、理解しやすくかつ複雑な、再溶解プロセスの品質およびフェーズについての情報を示す。

0017

しかしながら、有利なさらなる実施形態によれば、特性サブエリアは、再溶解プロセスの開始または所定のフェーズにおいて新たに選択され、好ましくは、サブエリアに基づく閉ループ制御は、再溶解プロセスの特定のフェーズにおいてのみ実行される。たとえば、電極が溶解るつぼにより近接して位置付けられている場合、初期には、液滴短絡に基づく閉ループ制御は実現されず、一方、再溶解プロセスの開始後、大きな液滴に基づく短絡の閉ループ制御が実現され、たとえば、再溶解プロセスの初期フェーズの後、高頻度液滴または他の特性に関する再方向付けが実現され得る。これに関して、新たなサブエリアが、個別の液滴短絡速度の発生の重要度に対応する各場合において選択され得る。記録された液滴短絡のヒストグラムは、閉ループ制御のための方法についての基礎を形成し、有利なさらなる実施形態によれば、再溶解プロセスの少なくとも1つのフェーズの間繰り返されて、特に連続的に新たに生成される。少なくとも、プリセットされる以前のヒストグラムに対する新たに生成されたヒストグラムのサブエリアの偏差の場合において特性サブエリアが新規に選択され得る。たとえば、ヒストグラムは、再溶解プロセスの最初のフェーズについて特定され、ヒストグラムへの発生短絡の再分割が実現され得る。他のタイプの短絡が増加的に発生する場合、ヒストグラムの再分割またはヒストグラムに考慮される基準数が適合され、新しい異なるヒストグラムが生成され、それに基づいてさらなる閉ループ制御が実現され得る。これは、再溶解プロセスの少なくとも1つのフェーズ内で実現することができ、しかしながら、特に、以前のヒストグラムの再分割およびヒストグラムの特性の構成が、理想的な方法で既存の再溶解プロセスを表わしているか否か、あるいは、新たな基準が考慮されるべきか否かが、継続的にチェックされ得る。

0018

電圧振幅低下値が液滴短絡基準として使用される場合、1mVから15Vまでの範囲、好ましくは5mV〜6V、特に1V〜3Vにおける電圧振幅低下値を記録することが有利である。2Vを超える大きな電圧振幅低下値は、大量の電極材料の損失、または短絡ブリッジの形成を示している。3V未満の範囲、多くは1V未満の範囲、またある場合には5mV未満の範囲の小さな低下は、電極液滴の落下を示しており、好ましくは再溶解フェーズの中間部における電極ギャップの閉ループ制御のために使用されるべきである。電圧振幅低下値領域およびできるだけ大きく選択することによって、電圧降下に基づく閉ループ制御を非常に精密に実現することができ、ヒストグラムは少なくとも2つのサブエリア、特に複数のサブエリアに再分割され得る。短絡継続期間も、液滴短絡基準として使用することができる。

0019

有利なさらなる実施形態によれば、0.3μs〜300msまでの範囲、好ましくは3μs〜30msまでの範囲、特に10μs〜70μsまでの範囲における短絡継続期間を記録することに意味がある。マイクロセカンドからミリセカンドの範囲における特に短い短絡継続期間を記録することによって、電極ギャップの高精度の閉ループ制御が、超短液滴短絡を調査することによって実現することができる。これにより、再溶解プロセスのすべてのフェーズにおいて、精度が増加された電極ギャップの閉ループ制御が達成され得る。したがって、液滴タイプの特徴化および「小液滴」の速度の測定絶縁が、ほとんどすべての溶解フェーズにおいて有利である。

0020

潜在的な液滴短絡基準として、液滴短絡の振幅プロファイルが調査され、それは、たとえば、短絡が生じたときの電圧降下および/または電流降下の時間的順序から推定され得る。これに関して、マルチスケールダイアグラムによって、特に液滴短絡信号のウェーブレット変換によって振幅プロファイルを記述することが有利であり、マルチスケールダイアグラムは、振幅プロファイル基準として用いられ得る。マルチスケール解析は、離散ウェーブレット記述を用いた形式の推定であり、互いに直交するスケーリング関数が、解析関数近似のために用いられ得る。任意の数のスケーリング関数を考慮することによって、連続的に改善される表現が達成され、解析関数は有限量のスケーリング関数によって近似される。生成された誤差は、より詳細なスケールにさらなるスケーリング関数を追加することによって全体的に低減される。マルチスケールダイアグラムによる振幅プロファイルの記述は、コンパクトな振幅プロファイルのデジタル的表現の生成および比較を高速化し、それによって、発生する振幅プロファイル特性に基づく単純の閉ループ制御が可能になる。

0021

再溶解プロセスは、通常、電源ネットワークに関しての障害に対して非常に敏感な環境において実行され、そのような環境においては、多くの高電流消費機器によって電源電圧ネットワーク内の低下が生じるとともに、ネットワーク電源電圧は周囲の電気消費機器の障害によって非常に乱される。多くの障害を有する電源ネットワーク電圧から開始すると、これも再溶解電圧、したがって再溶解電圧または再溶解電流に基づく液滴短絡の検出に影響を与える。適当なフィルタリング計測を用いることによって、ネットワークの障害を取り除くことができ、それによって、液滴信号を検出する場合に、品質を改善する短絡液滴信号を達成するために、電源ネットワーク障害が考慮され得る。この改善のための提案を用いて、液滴短絡によって生じる電源電圧または発生する電極電流における障害のみが液滴短絡の発生に関して解されるように、ネットワークの一部における障害を液滴信号から取り除くことができ、たとえば、ネットワーク障害フィルタを用いて、たとえば周期的に発生する障害がデジタル的またはアナログ的計測によって取り除かれる。このようにして、液滴短絡のより高精度な検出、そして改善された閉ループ制御が達成され得る。たとえば、ネットワーク期間に対するネットワーク障害の位相相関に基づいたフィルタが、周期的に発生する障害を取り除くために用いられ得る。

0022

側面的な点において、本発明は、真空アーク炉における電極ギャップの閉ループ制御用装置を提供する。装置は、液滴短絡を検出するための液滴短絡検出装置と、溶解材料の表面からの溶解電極の電極ギャップの閉ループ制御のための電極ギャップ閉ループ制御装置とを備える。電極ギャップ閉ループ制御装置は、検出された液滴短絡の関数である閉ループ制御を電極ギャップに適用する。装置は、さらに、ヒストグラムにおける少なくとも1つの予め定められた液滴短絡基準に応じて短絡を分配するための液滴短絡ヒストグラム装置と、液滴短絡ヒストグラムから特性サブエリアを選択するためのサブエリア選択装置とが含まれ、閉ループ制御装置は、特性サブエリアに関連し得る液滴短絡に関して閉ループ制御を実行することができる。したがって、本発明は、原理的に知られている閉ループ制御用装置から始まり、電極ギャップは、検出された液滴短絡に基づいた閉ループ制御を受ける。液滴短絡ヒストグラム装置は、所定のあるいは自由に選択可能な液滴短絡基準に従って液滴短絡を再分割し、それらを、基準に対応する一次元または多次元ヒストグラムに分配し、各基準は少なくとも2つのサブエリアに再分割される。電極ギャップの閉ループ制御について、サブエリア選択装置は、ヒストグラムのサブエリアを選択し、閉ループ制御用装置は、選択されたサブエリアに基づいて閉ループ制御を実行する。本発明に従う閉ループ制御用装置は、上述した実施のうちの任意の1つに従う方法を実行するのに適しており、ヒストグラム内に発生する短絡を表わし、電極ギャップはヒストグラムのサブエリアに基づいた閉ループ制御を受ける。原理的に、ヒストグラム装置および選択装置を追加することによって、閉ループ制御のための既存の装置を本発明に従う閉ループ制御用装置に拡大、または改造することができる。

0023

閉ループ制御用装置の有利なさらなる実施形態によれば、サブエリア選択装置は、ヒストグラムの液滴短絡サブエリアを規定するためのサブエリア規定部と、ヒストグラムのサブエリアに重み付けするための重み付け関数部とを含み、最も強く重み付けられたサブエリアが、特性サブエリアとして選択され得る。したがって、サブエリア選択装置は、個別の基準をサブエリア内に再分割することができるサブエリア規定部を含み、この再分割は、再溶解フェーズに応じて、異なるように選択され得る。さらに、重み付け関数部は、個別のサブエリアに重み付けをすることができ、それによって、たとえば、特定の再溶解フェーズ中あるいは再溶解プロセスの開始時または終了時において、異なる特性が他よりも強く重み付けされ、閉ループ制御は上記のサブエリアおよび基準に関して徐々に実行される。可変規定部および重み付け関数部を選択装置に追加することによって、閉ループ制御のための方法の改善された精度が達成され得る。

0024

原理的に、コントローラは、不変の閉ループ制御パラメータおよび選択されたヒストグラムサブエリアに基づく特性を用いて、閉ループ制御を実行し得る。P(比例)、I(積分)、D(微分)、PI(比例積分)、PT、PID(比例積分微分)、または任意の他の種類のコントローラが適しており、それを用いて、以下の、比例項応答時間、微分および積分挙動の閉ループ制御用の増幅ファクタが定められ得る。優れた実施形態によれば、装置は、特性サブエリアに基づいて、一組の閉ループ制御パラメータ、特に閉ループ制御増幅および閉ループ制御挙動を選択する閉ループ制御パラメータ選択装置を含み、上記のパラメータを閉ループ制御用装置に適用する。したがって、一組の閉ループ制御パラメータおよび閉ループ制御挙動は、たとえば動的な態様で、ヒストグラムの各サブエリアに関連し、上記のサブエリアが閉ループ制御のための特性サブエリアとして選択されると、コントローラは、異なる液滴短絡に基づいて異なる閉ループ制御挙動が用いられ得るように、予め定められたまたは選択され得る閉ループ制御用のパラメータを用いて設定される。たとえば、短く速い液滴に基づく閉ループ制御によって、高いP(比例)比および低い積分比が選択され、一方、遅く大きな液滴短絡に基づいて、閉ループ制御挙動の低いP比および高いI比が基礎として採用される。このようにして、特に変化されたヒストグラムサブエリアが選択された場合には、異なる閉ループ制御挙動を設定することができ、それによって、異なる再溶解フェーズにおける改善された閉ループ制御を達成することができる。

0025

再溶解プロセスにおけるネットワーク電源は、しばしば、障害の影響を受けやすく、大電流でかつ高速で切換る周囲の電気消費機器の影響を受ける。上記の障害は、電極電圧および発生する電極電流の直流電源にも影響する。改善された液滴短絡検出のために、装置は、有利にも、液滴短絡検出を用いて電源ネットワークの障害の発生を抑制し得るネットワーク電圧フィルタ部を含む。上記のネットワーク電圧フィルタ部は、たとえば、ネットワーク電圧および周囲の消費機器に発生するネットワーク電流を決定し、それらを液滴短絡信号から差し引くことができ、または周期的に発生する障害を排除することができる。なぜなら、それらは、発生する液滴短絡電流のように実質的に不規則には分布していないからである。ネットワーク障害をフィルタリングすることによって、実際の液滴短絡の、改善され、かつより精密な検出が判断でき、このようにして、電極ギャップの品質増加を達成することができる。

0026

原理的に、再溶解プロセスにおいて1回以上、特に新たな材料を再溶解する場合や装置部品交換される修理に入る場合に、選択された閉ループ制御挙動の記録を保持するために、そして、さらなる再溶解プロセスにおいて、決定論的な「固い」閉ループ制御の点において記録された閉ループ制御挙動を使用するために、本発明に従う閉ループ制御のための適応方法を慣性的に実行することが考えられる。このように、本発明に従う方法は、固い閉ループ制御シーケンスの設定のための「教示」として実行され得、それによって、理想的なコントローラ挙動が見出され、さらに、固い閉ループ制御プログラムが再溶解製品の決定論的に達成可能な品質特徴保証する。

0027

本発明のさらなる利点は、本図面の説明からもたらされる。図面には、本発明の実施形態が示される。図面、説明、および特許請求の範囲は、結合されて多くの特徴を含む。当業者は、さらなる合理的な結合のために、個別の特徴を適切に組み合わせるであろう。

図面の簡単な説明

0028

真空アーク炉を示す概略図である。
真空アーク再溶解プロセスで発生する誤差を示す図である。
最新技術からのギャップ閉ループ制御用の装置を示す図である。
液滴短絡発生時電圧信号を示す図である。
異なる時間スケールにおける液滴短絡信号を示す図である。
発生する短絡のヒストグラムを示す図である。
本発明に従う電極ギャップの閉ループ制御のための方法のフローチャートである。
本発明に従う電極ギャップの閉ループ制御用装置の実施形態を示す図である。

実施例

0029

図において、等価なまたは同等な要素は、同じ参照符号を有する。
図1は、真空アーク炉10の設計の概略を示す。アーク炉10は、溶解材料32を受容する水冷炉室22を本質的に備える。高さが可変な電極30が、溶解材料内に垂直に浸され、あるいは電極供給棒20および電極駆動装置12によって上方へ引き上げられる。X−Y配向装置26を用いて、水冷炉室22内において電極30の水平位置を調整することができる。センサ装置28は、電極の垂直位置および水平位置を判定するとともに、駆動速度を記録する。水冷炉室22は、真空生成装置24を用いて真空下または低圧下に置かれ、それによって、周囲雰囲気による雰囲気純化を伴うことなく、溶解材料32への電極材料の溶落を認識することができる。電極は、電源ライン18を用いて電源装置16によって電力が供給され、電極端において、スパーク生成によって電力が溶解材料へと伝達され、そこから電源装置16へ電力が流れ戻る。できるだけ均一に溶解プロセスが実行されるように、電力ギャップの閉ループ制御用装置は、垂直送り速度および駆動装置12の位置に、閉ループ制御を実行する。液滴短絡に基づく閉ループ制御のための必要条件は、液滴短絡の信頼できる検出である。アーク電圧によって重なり合わされたパルス状短絡は、供給電極電圧から、フィルタおよびトリガの結合を介して分離され得る。

0030

図2は、最新技術から知られている電極ギャップの閉ループ制御用装置を示し、図1に示された真空アーク炉がセンサおよびアクチュエータを介して閉ループ制御用装置に接続される。電流および/または電圧計測機器機械変位センサなどのようなセンサを用いて、再溶解速度、液滴速度検出、および電極位置が記録されるとともに、データバスBUSを介して電極送りのためのサーボコントローラに伝達される。これらのデータは、再溶解閉ループ制御装置にさらに伝達され、電極送りの閉ループ制御および再溶解のリアルタイム閉ループ制御、たとえば、炉室22の冷却の閉ループ制御が実行される。最後に、データは、炉および真空機の閉ループ制御用装置に伝達され、たとえば、再溶解プロセス中の炉温、真空および他の影響するパラメータを制御する。さらに、I/Oインターフェースを介して、データバスBUSは、真空、炉温、電極前進を維持し、かつ真空アーク再溶解プロセスのためのパラメータを設定するために、制御データをアクチュエータに送受信する。内部ネットワークを介して、再溶解の閉ループ制御用装置および炉および真空機の閉ループ制御用装置がユーザ制御コンソールに結合され、ユーザ制御コンソールはメモリ周辺機器データサーバ、および記録装置、再溶解プロセスを監視するための監視装置を含み、それらを用いて内部または外部ネットワークにおけるユーザ、たとえばリモートに、再溶解プロセスの状態を通知することができ、パラメータの記録を維持できるとともにさらなるパラメータがシステムによって適用され得る。

0031

図3においては、再溶解プロセスで発生し得る典型的な材料欠陥が示される。図3では、溶解材料32に対するアークの形成によって液化された電極30の電極端が示され、それにおいては、個別の材料液滴は溶解材料へと落下し、それによって電極材料の再溶解プロセスが実行される。ここで、電極内の二次的空洞も再溶解され、その中に含まれる外部材料が溶解材料内に送られる。電極端の外縁においていわゆるリップまたはトロイドが形成され、それによって部分が落下したり潜在的な個別のホワイトスポットが生成され得る危険性がある。さらに、炉壁と反対側の溶解材料の外縁において、クラウンと称されるインジェクションカラーが形成され、電極とインジェクションカラーとの間で不正確に電極が案内される場合において短絡の危険性が生じる。上記のインジェクションカラーは、固定された酸素および窒素を含む。溶解材料が冷却されると、炉室に対して収縮クラックが形成され、それによって凝固した溶解材料は、炉室から容易に除去され得る。凝固プロセスの間、液状溶解材料の二相領域において、樹木状を有するホワイトスポットが形成され得る。不正確な電極案内は、そのようなホワイトスポットの形成を促進し、電極におけるリップが拡大するとともに、溶解材料のインジェクションカラーが危険な短絡および材料破裂を引き起こし得る。この理由のために、電極ギャップの高精度閉ループ制御が必要とされる。

0032

図4は、2分間の期間中の、再溶解プロセスの経過における電極電圧の典型的な電圧シーケンスを示す。図4aにおいては、大量の小型で規則的に発生する液滴短絡回路が示され、それにおいては、個別の大きな液滴短絡信号80が大きな電極片の落下を示している。図4bは、電力ギャップの高精度閉ループ制御の結果を示し、それによって、中サイズの液滴が電極から溶解材料内に落下しており、均一な電極短絡の分布が生じている。図4cにおいては、電極と溶解材料表面との間の非常に小さいギャップによって予測されるような、非常に小さい液滴短絡の量が検出され得る。しかしながら、長く高い短絡はなく、そのため、電極ギャップの的確な閉ループ制御が示唆され、均一な再溶解プロセスが示されている。

0033

図5においては、多数の異なる短絡、特に激しい液滴短絡80が生じる重大な障害に悩まされている電極信号が示されており、それは大きな電極の材料片が落下していることを示している。図5bは、図5aに示された液滴短絡信号のセクションAを示しており、それにおいては、大きな短絡振幅から離間して、多数の小さな液滴短絡が生じており、それによって、上記の小さな液滴短絡に関する閉ループ制御が、実質的に電極ギャップのより精密な閉ループ制御を可能としている。

0034

図6においては、一方が振幅低下値ΔVで他方が短絡継続期間Δtである2つの液滴短絡基準に従った、発生する液滴短絡のヒストグラムが、対数スケールで示される。z方向においては、液滴短絡数nが記録される。ここで、2つの特性サブエリア72が黒でマーキングされており、一方のサブエリア72においては、一定の振幅低下値を伴う、少量の特性液滴短絡のみが記録され得る。小さな振幅低下値の二次元特性サブエリア72における、非常に短い液滴短絡継続時間の範囲、つまり小さく高頻度の液滴短絡においては、その均一分布のために電極ギャップの閉ループ制御に例外的によく適した、液滴短絡の十分な表面が見られる。閉ループ制御は、上記のサブエリアにおいて発生する液滴短絡の量をできるだけ一定に維持できるようにする形式を採用し得る。このようにして、均一な再溶解プロセスが保証され得る。ヒストグラムは、異なる表示オプションを用いてユーザに容易に示すことができ、再溶解プロセスのためおよび品質制御のために用いることができる。

0035

図7においては、本発明の電極ギャップの閉ループ制御のための方法の実施形態が概略的に示される。ここで、ステップS1にて、特性液滴短絡サブエリアが固定され、それによって、考慮されるべき液滴短絡基準および調査されるべきサブエリアが規定される。ステップS2にて、短絡速度分布の特性サブエリアに基づく電極ギャップの閉ループ制御が実行され、それによって、上記およびサブエリアにおいて発生する短絡を一定に維持するように、または、特定の短絡基準に対応するようにそれらを維持するようにされる。上記サブエリアにおける短絡の増減は、拡大された電極ギャップまたはより小さくされた電極をもたらす。電極ギャップの閉ループ制御の点において、ステップS3にて、液滴短絡が検出されるとともに、ステップS4にてヒストグラムが生成される。上記のヒストグラムは、継続的にまたは特定の間隔で新たに生成され、ステップS5にて、たとえば再溶解フェーズ、電極長さまたは電流あるいは使用される電極電圧の関数であり得る、ヒストグラムのサブエリアの重み付けが実行される。材料のタイプ、炉温、または他の外部パラメータのようなプロセスパラメータを考慮することもできる。ヒストグラムが重み付けされた後、ステップS6にて特性サブエリアが選択されるとともに、ステップS7にて特性サブエリアが変化したかどうかが比較される。この場合には、ステップS7−1にて、ステップS2における電極ギャップコントローラのために新たな閉ループ制御パラメータが選択され得る。もしその場合でなければ、溶解プロセスが終了したか否かがチェックされ、そうでなければ、ステップS2にて、以前のサブエリアに基づいて、電極ギャップがさらに継続される。電極再溶解プロセスが終了した場合には、プロセスは停止されて、溶解した電極が炉室から引き戻される。

0036

最後に、図8は、本発明の閉ループ制御用装置の実施形態を示す。環境電源装置16の電源ライン18の端子が、炉室22の下部領域と電極駆動装置12の近傍の電極30に接続される。再溶解電源装置16は、電極30を溶解材料32内へ再溶解するための数千アンペアの量の電気を生成し、真空生成装置34は炉室22内を真空または低圧雰囲気に維持する。電極駆動装置12は、電極材料の均一な再溶解を達成するために、電極30が取り付けられた送り棒20を垂直方向に移動させ、溶解材料32の表面までのギャップをできるだけ安定に維持する。電極ギャップを決定するために、液滴短絡センサ60、この場合には電圧測定装置によって電極30の印加電圧が観察され、電圧降下が液滴短絡として調べられ、液滴短絡検出回路44によって認識される。液滴短絡速度検出装置44は、ネットワーク電圧フィルタ部58を含み、ネットワーク電圧フィルタ部は電源ネットワーク42によって供給される電源電圧を観測するとともに、電源ライン18の記録された信号から電源電圧の障害をフィルタリングして取り除く。フィルタリングされた電力または電圧信号から、液滴短絡が非常に精密に検出され、液滴短絡ヒストグラム装置48においてヒストグラム内に表わされる。1つ以上の液滴短絡特性に対応する液滴短絡の分布に基づいて、サブエリア規定部52によって事前に規定されたヒストグラムのサブエリアが、サブエリア規定部52および重み付け関数54を含むサブエリア選択装置50によって重み付けされる。重み付けされたサブエリアに基づいて、閉ループ制御パラメータ選択装置56は、線形増幅P、積分定数I、または無駄時間Tのような、閉ループ制御用装置46の閉ループ制御パラメータを選択するとともに、上記パラメータを閉ループ制御用装置46に与える。閉ループ制御用装置46は、そのような態様で、特性サブエリアにおける液滴短絡の発生が一定にされ、または予め選択された設定値に対応して適合されるような閉ループ制御を駆動装置12に適用する。このように、溶解材料32の表面からの電極30のギャップの改善された閉ループ制御を達成することができる。

0037

本発明は、電極からの液状の金属液滴の落下によって調べることができる液滴信号速度すなわち溶解電圧変動に、その安定性に応じて、異なる液滴短絡信号が調査されるとともに電極ギャップの閉ループ制御のために用いられ得る態様で閉ループ制御を適用することを目的とする。最先端技術から、異なる測定範囲および液滴短絡特性とは独立して、一定しきい値記録および静的基準に基づく閉ループ制御を実行するシュミットトリガを用いて、液滴信号が記録される。たとえば、従来の電極ギャップコントローラは、どれだけ頻繁に溶解電圧が特定の値だけ降下するかを測定することだけが可能であり、通常は4〜10Vの大きな範囲が調べられる。特定の溶解条件、特に大きな溶解電流においては拡大された測定範囲に範囲付けられる液滴が発生し、これは従来の記録範囲によっては考慮されていない。

0038

本発明は、たとえば、継続期間、形態、および振幅に関する液滴信号の発生頻度の統計的分布を表わすとともにそのヒストグラムを生成し、それにおいては、1つ以上の適当なエリアが選択され、それに基づいて電極ギャップの閉ループ制御が実現される。ここで、重み付け関数は、ヒストグラムの個別の領域に異なる態様で重みを付け、上記の重み付け関数は、溶解条件およびヒストグラムのタイプの関数であり得る。この点において、1〜10μsの時間間隔または10mV〜4Vまでの電圧降下のような、以前においてはアクセスが不可能であり考慮されなかった液滴短絡情報が調査され得る。液滴短絡信号は、溶解材料または真空度または温度範囲に応じて、特定の溶解条件においては顕著に異なり、以前は考慮されなかった液滴短絡信号が、改善されたより高速な閉ループ制御を可能とする。特定の溶解条件において、高速かつ短い信号を考慮しながら、ヒストグラムのサブエリアに対応する異なる液滴短絡速度を選択し重み付けすることによって、電極ギャップの改善された閉ループ制御を達成することができる。

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