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技術 細胞担体、関連する細胞担体を作製する方法及び同担体を使用する細胞培養

出願人 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
発明者 ランガラジャン,アルヴィンドスサーラ,プラミーラミラー,スコット・マイケルスミス,レジナルド・ドノヴァンルビンシュタイン,スラヴォミールベレツスキー,アントン
出願日 2011年12月16日 (7年8ヶ月経過) 出願番号 2013-543815
公開日 2014年1月20日 (5年7ヶ月経過) 公開番号 2014-501099
状態 特許登録済
技術分野 微生物、その培養処理 微生物・酵素関連装置
主要キーワード アルミナブロック 対流運動 散布システム STR内 エンボス加工シート 低い壁 くぼみの深さ 当業技術分野
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年1月20日)のものです。
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図面 (20)

課題・解決手段

付着細胞成長させるための担体であって、1以上の外表面、及び外表面のうちの1以上にある1以上の構造的くぼみを含み、担体が長さ約0.2mm以上、幅約0.2mm以上、高さ約0.05mm〜1.2mmの範囲にあり、構造的なくぼみのそれぞれが長軸約0.1mm〜0.5mmの範囲、短軸約0.1mm〜0.5mmの範囲及び深さ約0.025mm〜約0.5mmの範囲にある担体を提供すること。担体は単一のくぼみ又は「カップ」様構造を含むことも、複数のくぼみを含むこともできる。担体を作製する方法、及び同担体を使用して間質細胞を培養する方法も提供される。

概要

背景

付着細胞は、従来ガラス表面上又はポリマー基材上で成長させてきた。細胞培養用の表面は、細胞の付着及び増殖を増強するためにしばしば前処理されている。様々な静置培養容器が、実験室における付着細胞の培養に利用可能である。T型フラスコ、Cell Factory(Nunc)又はCell Stack(登録商標)(Corning(登録商標))ユニットなどの静置培養容器は付着細胞の培養をいくらかスケールアップできるが、それは労働力を要し、手作業に起因する変動を生じ、容積生産性(例えばインキュベータ空間の体積当たりの細胞収量)に制限があるので、より大規模化するには制限がある。

細胞培養をスケールアップする好ましい方法として、バイオリアクタを使用する細胞培養が長く実践されてきた。バイオ処理など産業的実践においては、付着細胞培養用のマイクロキャリアを使用することが一般的である。マイクロキャリアビーズが開発されて、細胞が付着するための表面領域が増加し、産業規模での高密度付着細胞培養が可能になった。典型的なバイオリアクタ容器は、内部回転揺動又は振盪機構など、なんらかの撹拌手段を利用して細胞を懸濁し、栄養分、酸素及び代謝老廃物物質移動を可能にしている。しかし、撹拌は、細胞を流れ誘発ストレス曝す場合があり、そのストレスは細胞、特に感受性が高い細胞、例えば特定の哺乳動物細胞系及び初代細胞を損傷する可能性がある。バイオリアクタ内の流れ誘発ストレスは、容器壁回転翼又は他の容器構成部品に対する液体培地相対運動によって、及び培地に対する担体の相対運動によって起こり得る。細胞を保持するマイクロキャリアが互いに、又は容器構成部品若しくは撹拌器構成部品衝突する場合、細胞はバイオリアクタ容器内にある内部の可動部品で損傷される場合がある。従って、撹拌誘発損傷から細胞を保護する担体が求められている。特定の担体デザイン(例えばマクロ多孔質ビーズ、不織繊維マット)は細胞の保護を可能にするが、細胞の可視化及びそのような担体からの細胞の回収は困難である。

従って、撹拌又は剪断ストレスの影響から細胞を保護し、さらに細胞の増殖培養、可視化及び遊離を容易にする付着細胞成長用の担体の必要性がある。現在は静置培養容器で増殖培養されている間葉系間質細胞MSC)のような剪断感受性細胞を含めた付着細胞用の、高収量で産業規模の細胞培養工程には、効果的に細胞を増殖培養させることが特に重要である。従って、細胞の付着、増殖及び遊離を容易にし、細胞に対する剪断力を減少させる細胞培養担体の開発が、大いに求められている。

概要

付着細胞を成長させるための担体であって、1以上の外表面、及び外表面のうちの1以上にある1以上の構造的くぼみを含み、担体が長さ約0.2mm以上、幅約0.2mm以上、高さ約0.05mm〜1.2mmの範囲にあり、構造的なくぼみのそれぞれが長軸約0.1mm〜0.5mmの範囲、短軸約0.1mm〜0.5mmの範囲及び深さ約0.025mm〜約0.5mmの範囲にある担体を提供すること。担体は単一のくぼみ又は「カップ」様構造を含むことも、複数のくぼみを含むこともできる。担体を作製する方法、及び同担体を使用して間質細胞を培養する方法も提供される。 A

目的

付着細胞を培養する方法は、1以上の外表面、及び外表面のうちの1以上にある1以上の構造的なくぼみを含む担体を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
3件

この技術が所属する分野

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請求項1

付着細胞成長させるための担体であって、1以上の外表面、及び外表面のうちの1以上にある1以上の構造的くぼみを含み、担体が長さ約0.2mm以上、幅約0.2mm以上、高さ約0.05mm〜1.2mmの範囲にあり、構造的なくぼみのそれぞれが長軸約0.1mm〜0.5mmの範囲、短軸約0.1mm〜0.5mmの範囲及び深さ約0.025mm〜約0.5mmの範囲にある担体。

請求項2

付着細胞を成長させるための2つの外表面を含む、請求項1記載の担体。

請求項3

細胞培養システムバイオリアクタである、請求項1記載の担体を1以上含む細胞培養システム。

請求項4

請求項1記載の担体が予め装填されている使い捨ての筐体を含む細胞培養用キット

請求項5

付着細胞を成長させるための担体であって、1以上の外表面、及び少なくとも1つ表面にある単一の構造的なくぼみを含み、前記単一の構造的なくぼみが、長さ約1mm以上、幅約1mm以上、高さ約1mm〜10mmの範囲にあり、担体の壁厚が約0.05mm〜2mmの範囲にある担体。

請求項6

付着細胞を培養する方法であって、1以上の外表面、及び外表面のうちの1以上にある1以上の構造的なくぼみを含む、細胞を成長させるための担体を提供する段階であって、担体が、長さ約0.2mm以上、幅約0.2mm以上、高さ約0.05mm〜1.2mmの範囲を有し、構造的なくぼみのそれぞれが、長軸約0.1mm〜0.5mmの範囲、短軸約0.1mm〜0.5mmの範囲及び深さ約0.025mm〜約0.5mmの範囲にある段階と、担体上で細胞を成長させる段階とを含む方法。

請求項7

細胞を成長させるための担体を作製する方法であって、a)平らポリマー薄膜を提供する段階と、b)1以上の側面において、平らなポリマー薄膜上に1以上の構造的なくぼみを形成する段階と、c)コロナ放電処理気体プラズマ処理、化学的官能化又はコーティングのうちの1以上を含む表面処理薄膜に施す段階と、d)処理したポリマー薄膜を複数の部分に切断する段階とを含む方法。

請求項8

細胞を成長させるための担体を作製する方法であって、a)1以上の平らなポリマー薄膜を提供する段階と、b)1以上の側面において、平らなポリマー薄膜上に1以上の構造的なくぼみを形成する段階と、c)ポリマー薄膜を複数の部分に切断する段階と、d)コロナ放電処理、気体プラズマ処理、化学的官能化又はコーティングのうちの1以上を含む処理を前記部分に施す段階とを含む方法。

請求項9

担体が細胞親和性である請求項8記載の方法。

請求項10

細胞を成長させるための担体を作製する方法であって、a)2枚の平らなポリマー薄膜を提供する段階と、b)前記2枚の平らなポリマー薄膜に、前記2枚の薄膜のそれぞれにおける少なくとも1つの表面に複数の構造的なくぼみを形成する段階と、c)少なくとも2つの外側を向いている表面が複数の前記構造的なくぼみを含むように、前記2枚のポリマー薄膜を貼り合わせる段階と、d)貼り合わせたポリマー薄膜を複数の部分に切断する段階と、e)コロナ放電処理、気体プラズマ処理、化学的官能化又はコーティングのうちの1以上を含む処理を前記部分に施す段階とを含む方法。

技術分野

0001

本発明は、細胞担体、及び細胞担体を作製し使用するための関連方法に関する。より具体的には、本発明は、細胞成長用のポリマー系細胞担体に関する。

背景技術

0002

付着細胞は、従来ガラス表面上又はポリマー基材上で成長させてきた。細胞培養用の表面は、細胞の付着及び増殖を増強するためにしばしば前処理されている。様々な静置培養容器が、実験室における付着細胞の培養に利用可能である。T型フラスコ、Cell Factory(Nunc)又はCell Stack(登録商標)(Corning(登録商標))ユニットなどの静置培養容器は付着細胞の培養をいくらかスケールアップできるが、それは労働力を要し、手作業に起因する変動を生じ、容積生産性(例えばインキュベータ空間の体積当たりの細胞収量)に制限があるので、より大規模化するには制限がある。

0003

細胞培養をスケールアップする好ましい方法として、バイオリアクタを使用する細胞培養が長く実践されてきた。バイオ処理など産業的実践においては、付着細胞培養用のマイクロキャリアを使用することが一般的である。マイクロキャリアビーズが開発されて、細胞が付着するための表面領域が増加し、産業規模での高密度付着細胞培養が可能になった。典型的なバイオリアクタ容器は、内部回転揺動又は振盪機構など、なんらかの撹拌手段を利用して細胞を懸濁し、栄養分、酸素及び代謝老廃物物質移動を可能にしている。しかし、撹拌は、細胞を流れ誘発ストレス曝す場合があり、そのストレスは細胞、特に感受性が高い細胞、例えば特定の哺乳動物細胞系及び初代細胞を損傷する可能性がある。バイオリアクタ内の流れ誘発ストレスは、容器壁回転翼又は他の容器構成部品に対する液体培地相対運動によって、及び培地に対する担体の相対運動によって起こり得る。細胞を保持するマイクロキャリアが互いに、又は容器構成部品若しくは撹拌器構成部品衝突する場合、細胞はバイオリアクタ容器内にある内部の可動部品で損傷される場合がある。従って、撹拌誘発損傷から細胞を保護する担体が求められている。特定の担体デザイン(例えばマクロ多孔質ビーズ、不織繊維マット)は細胞の保護を可能にするが、細胞の可視化及びそのような担体からの細胞の回収は困難である。

0004

従って、撹拌又は剪断ストレスの影響から細胞を保護し、さらに細胞の増殖培養、可視化及び遊離を容易にする付着細胞成長用の担体の必要性がある。現在は静置培養容器で増殖培養されている間葉系間質細胞MSC)のような剪断感受性細胞を含めた付着細胞用の、高収量で産業規模の細胞培養工程には、効果的に細胞を増殖培養させることが特に重要である。従って、細胞の付着、増殖及び遊離を容易にし、細胞に対する剪断力を減少させる細胞培養担体の開発が、大いに求められている。

先行技術

0005

SARA LINDSTROEMET AL: "High-Density Microwell Chip for Culture and Analysis of Stem Cells",PLOS ONE, vol. 4, no. 9, E6997, 1 January 2009 (2009-01-01), pages 1-9, XP055022128, ISSN:1932-6203,DOI:10.1371/journal.pone.0006997 figure2 Materials and Methods: Microwell chip design Materials and Methods: Pre-coating of the microwell chip

課題を解決するための手段

0006

本発明は、細胞培養用の担体及びその担体を作製し、使用する方法に関する。細胞培養用の担体の1以上の実施形態は、1以上のくぼみを含む。

0007

付着細胞を成長させるための担体の一実施形態は、1以上の外表面、及び外表面のうちの1以上にある1以上の構造的なくぼみを含み、担体が長さ約0.2mm以上、幅約0.2mm以上、高さ約0.05mm〜1.2mmの範囲にあり、構造的なくぼみのそれぞれが長軸約0.1mm〜0.5mmの範囲、短軸約0.1mm〜0.5mmの範囲及び深さ約0.025mm〜約0.5mmの範囲にある。

0008

付着細胞を成長させるための担体は、1以上の外表面、及び少なくとも1つの表面にある単一の構造的なくぼみを含み、1つの構造的なくぼみは長さ約1mm以上、幅約1mm以上、高さ約1mm〜10mmの範囲、及び担体の壁厚約0.05mm〜2mmの範囲にある。

0009

付着細胞を培養する方法は、1以上の外表面、及び外表面のうちの1以上にある1以上の構造的なくぼみを含む担体を提供する段階であって、担体が長さ約0.2mm以上、幅約0.2mm以上、高さ約0.05mm〜1.2mmの範囲にあり、構造的なくぼみのそれぞれが長軸約0.1mm〜0.5mmの範囲、短軸約0.1mm〜0.5mmの範囲及び深さ約0.025mm〜約0.5mmの範囲にある段階と、担体上で細胞を成長させる段階とを含む。

0010

細胞を成長させるための担体を作製する方法の1例は、a)平らポリマー薄膜を提供する段階と、b)1以上の側面において、平らなポリマー薄膜上に1以上の構造的なくぼみを形成する段階と、c)コロナ放電処理気体プラズマ処理、化学的官能化若しくはコーティングのうちの1以上を含む表面処理薄膜に施す段階と、d)処理したポリマー薄膜を複数の部分に切断する段階とを含む。

0011

細胞を成長させるための担体を作製する方法の別の例は、a)1以上の平らなポリマー薄膜を提供する段階と、b)1以上の側面において、平らなポリマー薄膜上に1以上の構造的なくぼみを形成する段階と、c)ポリマー薄膜を複数の部分に切断する段階と、d)コロナ放電処理、気体プラズマ処理、化学的官能化若しくはコーティングのうちの1以上を含む処理を部分に施す段階とを含む。

0012

細胞を成長させるための担体を作製する方法の別の例は、a)2枚の平らなポリマー薄膜を提供する段階と、b)2枚の平らなポリマー薄膜に、2枚の薄膜のそれぞれにおける少なくとも1つの表面に複数の構造的なくぼみを形成する段階と、c)2つの外側を向いている表面が複数の構造的なくぼみを含むように、2枚のポリマー薄膜を貼り合わせる(平らな面を互いに合わせる)段階と、d)貼り合わせたポリマー薄膜を複数の部分に切断する段階と、e)コロナ放電処理、気体プラズマ処理、化学的官能化若しくはコーティングのうちの1以上を含む処理を部分に施す段階とを含む。

0013

図面全体を通して同じ文字が同じ部分を表している添付図面を参照して下記の詳細な説明を読めば、本発明のこれら及び他の特徴、態様及び利点がよりよく理解されよう。

図面の簡単な説明

0014

担体の寸法を示している、複数のくぼみを含む本発明の担体の図である。
各くぼみの寸法を示している、同担体の図である。
基板の一方の側面に1つのくぼみを含む本発明の担体の図である。
基板の対向する2つの側面のそれぞれに1つのくぼみを含む本発明の担体の図である。
基板の一方の側面に複数のくぼみを含む本発明の担体の走査電子顕微鏡(SEM)画像である。
基板の両側面に複数のくぼみを含む、本発明の担体のSEM画像である。
バッチモードで小規模に本発明の担体を作製する方法の例のプロセスフロー図である。
おおよそ長方形の壁の横断面を持つ本発明の担体のSEM画像である。
別の壁形状(壁の横断面がおおよそ三角形)を有する本発明の担体の画像である。
1日目、4日目、7日目及び9日目の担体表面の上部及び底部における細胞成長を例示している、本発明の担体上で成長したhMSCの100x蛍光顕微鏡画像である。
スピナーフラスコ又はSTR内にある本発明の担体上でのhMSCの成長と、静置条件のTCPSにおけるその成長との比較を示すグラフである。
スピナーフラスコ内の本発明の担体上、及び比較として静置条件にある組織培養処理したプレート表面(TCPS)上での様々な供給元から調達したhMSCの成長を例示するグラフである。
スピナーフラスコにおけるhMSCのより大規模な培養を例示するグラフである。
24時間、96時間及び168時間における担体のくぼみの上部及び底部における細胞成長を例示している、本発明の担体上で成長したMDCK細胞の100x光学顕微鏡連続画像である。
本発明の担体上及び平らな担体上で成長した培養MDCK細胞に対する発光信号を時間の関数として描いているグラフである。
24時間、96時間及び168時間における担体のくぼみの上部及び底部における細胞成長を例示している、本発明の担体上で成長したMRC−5細胞の100x光学顕微鏡の連続画像である。
本発明の担体上及び平らな担体上で成長した培養MRC−5細胞の発光信号を時間の関数として描いているグラフである。
1日、4日、8日後及びトリプシン処理後に画像化した本発明の担体上で成長したCHO細胞の連続画像である。
静置条件下にある、及びスピナーフラスコ内にある本発明の担体上で成長したCHO細胞を示しているグラフである。
回収及び脂肪生成の後に、スピナーフラスコ内の本発明の担体上で培養したhMSCの蛍光顕微鏡画像である。
対照として使用したhMSCの蛍光顕微鏡画像である。
骨形成後のhMSCのカルシウム含量対照細胞と比較して示しているグラフである。

実施例

0015

本発明の1以上の実施形態は、付着細胞を成長させるための担体に関し、担体はバイオリアクタに懸濁されており、担体は効果的な細胞付着、細胞成長及び細胞遊離に有用である。細胞培養を含めた様々な適用には高収量の細胞が必要であり、この担体はその要件を満たすことができる。

0016

より明確に及び簡潔に特許請求される発明の内容を記述するために、以下の定義が特定の用語に提供され、その用語は以下の説明及び添付の特許請求の範囲において使用される。明細書の全体を通して、特定の用語の実例は、非限定的な例と見なすべきである。

0017

文脈による別段の明確な指図がない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は複数の指示対象を含む。本明細書では明細書及び特許請求の範囲の全体を通して、近似的な語法は、関連する基本的な機能に変化を生じることのない許容範囲内で変えることができるあらゆる量的表現の修飾に適用できる。従って、「約」などの用語によって修飾される値は、特定の厳密な値に限定されるべきでない。いくつかの実例では、近似的な語法は、値を測定する機器の精度に対応することができる。必要な場合には、範囲が与えられ、これらの範囲はその間にある全ての部分的範囲を含む。

0018

本明細書において意味するように、「担体」又は「細胞を成長させるための担体」は、細胞を付着させ、培養するための支持体である。担体は、その上にくぼみを有することができる。担体の適切な材料には、ポリマー、コポリマー又はポリマーのブレンドがあるが、これに限定されない。細胞の付着及び増殖に有効な適切なコーティング材料を用いて、担体をさらにコートすることができる。

0019

本明細書において意味するように、「長軸」は担体表面上に存在している各くぼみの最長寸法である。例えば、長方形のくぼみの場合、くぼみの長さを「長軸」と呼ぶ。本明細書において意味するように、「短軸」は、担体表面上に存在している各くぼみのうち最長寸法ではない寸法を意味している。例えば、長方形のくぼみの場合、くぼみの幅を「短軸」と呼ぶ。例えば、図1Bの14及び16にそれぞれ示すように、正方形のくぼみの場合長さと幅は同じなので、長軸は同じであり、図2Bの14に示すように、円形のくぼみの場合長軸は直径であり、長方形のくぼみの場合長軸は長さであり、長軸は楕円形くぼみの長軸である。

0020

本明細書において意味するように、「アスペクト比」は構造的なくぼみのそれぞれの深さと長軸の比である。例えば、円形のくぼみのアスペクト比は、深さと直径の比である。

0021

浮遊状態の担体の実施形態は、1以上の外表面を含み、担体の外表面のうちの1以上は1以上の構造的なくぼみを含む。本発明は、担体を作製する方法並びに細胞成長用担体を使用する細胞を培養するための方法及びキットも含む。

0022

付着細胞を成長させるための担体は1以上の外表面、及び外表面のうちの1以上にある1以上の構造的なくぼみを含み、図1Aに示すように、担体2は、長さ4約0.2mm以上、幅6約0.2mm以上及び高さ8約0.05mm〜1.2mmの範囲にある。いくつかの実施形態において、担体は、長さ4約0.2mm〜5mmの範囲、幅6約0.2mm〜5mmの範囲、及び高さ8約0.05mm〜1.2mmの範囲にある。いくつかの実施形態において、担体は、約0.2〜25mmの幅及び長さを有する。いくつかの実施形態において、担体の壁厚10は、約0.05mm〜2mmの範囲にある。

0023

図1Bに示すように、構造的なくぼみの実施形態は、深さ12、長軸14及び短軸16を含み、くぼみの長軸14は約0.1mm〜0.5mmの範囲にあり、短軸16は約0.1mm〜0.5mmの範囲にあり、深さ12は約0.025mm〜約0.5mmの範囲にある。壁厚10は、約0.05mm〜2mmの範囲にある。本明細書ではくぼみの「深さ」という用語は、各くぼみの内壁の深さを意味している。本明細書では、「壁厚」という用語は、図1Bで示すように、1つのくぼみを持つ担体では1つの壁の厚さ、又は複数の構造的なくぼみを持つ担体では複数の壁のそれぞれの厚さを意味している。各構造的なくぼみは、約0.1〜約1.5の範囲のアスペクト比を有する。

0024

一実施形態において、担体は、図2Aに示すように担体の少なくとも1つの表面に1つのくぼみを含むことができる。この実施形態において、担体は、基板の1つの外表面上にある、担体の基板を囲む連続した壁を持つ「カップ」様構造をしている。代わりの実施形態において、担体は、図2Bに示すように担体の表面のそれぞれに1つのくぼみを含むことができる。この実施形態において、担体は、基板の対向する外表面にある、カップを囲む連続した壁を持つ2つの「カップ」様構造を有する。この担体は、特定の細胞培養条件又は特定の細胞型に有用となる可能性がある。単一の担体(図2A及び2B)は、長さ約0.1mm〜5mmの範囲、幅約0.1〜5mmの範囲、高さ8約1mm〜10mmの範囲、及び担体の壁厚10約0.05mm〜2mmの範囲である。図2A及び2Bに示すように、単一の「カップ」(図2A)又は基部の対向する側面にある2つの「カップ」(図2B)の場合、長さは長軸14と同じであり、図2Aに示すように、幅は短軸16と同じでありカップは深さ12である。

0025

いくつかの実施形態において、担体は、付着細胞を成長させるための少なくとも1つの表面を含み、1以上の構造的なくぼみが表面上に存在しており、例えば、図2CのSEM画像に示すように、担体は基板の1つの外表面に複数の構造的なくぼみを有する。一実施形態において、担体は少なくとも2つの外表面を含む。この実施形態において、図2Dに示すように、18及び20がそれぞれ上下の表面にある構造的なくぼみであるように、1以上の構造的なくぼみが外表面のそれぞれに形成されている。この実施形態において、担体は基板の反対の外表面に複数のくぼみを有する(図2D)。

0026

いくつかの実施形態において、担体は、実質的に平面な円盤様構造を有する。本明細書では、「実質的に平面な円盤」は、円盤を意味し、その円盤は成長細胞用の平面領域を提供する。担体の形状は、多角形でもよい。1以上の実施形態において、担体の形状は変わることができ、例えば、担体は円形、楕円形、三角形、長方形、正方形、五角形又は六角形である全周を有することができる。

0027

担体の円盤様構造は、例えば球面構造と比較して、細胞培養のための単位体積当たりより高い表面領域を得ることができる。その担体サイズ(長さ及び幅の両方が0.2〜5mm)は、継代当たり約10〜100倍のhMSCを増殖させることができる。担体と遊離した(例えばトリプシン処理した)細胞の効果的な分離は、細胞(15ミクロン未満)と担体(0.2mmより大きい)との著しいサイズ差により促進される。単純な濾過又は担体を沈殿させた後に上清を分離することにより、遊離した細胞を担体と分離できる。

0028

図1A、1B、2A、及び2Bに示すように、構造的なくぼみは、担体の外表面に垂直に突き出す壁を有する。壁の高さは担体の様々な要件のバランスを満たすように選択され、例えば、低い壁(すなわち浅いくぼみ)により単位体積当たりより高密度に担体を詰めることが可能になり、従って反応装置の単位体積当たりより高い細胞収量を得ることができる。さらに、壁の高さがさらに低いと(すなわちより浅いくぼみ)、細胞に出入りする酸素、栄養分及び代謝廃棄物の輸送が促進される。しかし、高い壁(すなわちより深いくぼみ)は、バイオリアクタ内部の撹拌により起こる流体力からの高い保護を提供できる。さらに、高い壁又は深いくぼみは、あらゆる細胞分泌分子希釈も防ぐ微環境を形成できる。細胞−細胞情報伝達又は自己分泌因子が細胞培養又は処理操作の求める部分である場合、これが有利になり得る。担体の平面上に突き出た壁の望ましい高さ範囲は従ってこれらの因子を考慮して0.05mm〜1.2mmの範囲、いくつかの実施形態において約0.05mm〜約0.5mm、又はいくつかの実施形態において約0.08mm〜約0.2mmに最適化されている。

0029

担体は、細胞へ養分及び酸素を十分に輸送する対流運動がある液体を含むバイオリアクタ内部で浮遊状態である。細胞に対する流体誘発流体力学的ストレスの影響を最小化するような、十分な高さの平らな又は湾曲した壁を有する構造的なくぼみの表面に細胞は付着している。担体は、栄養分及び代謝物への接近を可能にする一方で液体運動によって生成する流体力学的剪断への曝露から細胞を保護するという、細胞に必要なバランスをとっている最適なくぼみの深さから成る。

0030

構造的なくぼみは、担体表面に凸型の特徴も形成する。凸型の特徴は担体の1以上の表面上に存在でき、その特徴は担体が互いに張り付くことを防いでいる。張り付き又は凝集している担体は、平らな又は平滑な担体の特定の型で問題となり得る。担体上の凸型の特徴は、担体が反応装置又は培養容器の内壁に張り付くことを防ぐのにも役立ち、これは細胞培養のバッチ間の反応装置/培養容器の清掃を容易にする。

0031

各くぼみの断面側面図は、非限定的な例として、多角形、円形又は楕円形をとることができる。多角形のくぼみのそれぞれは、非限定的な例として、三角形、長方形、正方形、五角計又は六角形をとることができる。くぼみの長軸及び短軸の寸法は、同じ又は異なることができる。

0032

担体は、ガラス、ポリマー、セラミック、金属又はその組合せで作製することができる。一実施形態において、担体は、ポリマー又はコポリマー又はポリマーのブレンドで作製されている。ポリマーには、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレンポリカーボネートポリアミドポリウレタンオレフィンポリマーデキストランシリコーン若しくはポリアクリレートを含めたポリエステルなどの合成及び天然ポリマー、又はそのポリマーのコポリマー若しくはブレンドがあるが、これに限定されない。1つの特定の実施形態において、担体はポリスチレン製である。

0033

ポリマーは透明であることができ、それにより光学顕微鏡下で細胞を観察できる。特定の実施形態において、担体は実質的に平面な円盤形状をとり、この形状はレンズ化の影響を防ぐことにより細胞の可視化を容易にする。光の屈折は、特定の屈折率球状担体において細胞の可視化の障害になり得る。細胞の可視化は、例えばワクチン製造又は幹細胞増殖の間に細胞を培養及びモニタリングするのに有用である。いくつかの実施形態において、ポリマー及び表面処理は、動物由来の構成要素を実質的に含まない。これは、治療適用において、例えば細胞療法用の細胞の製造において特に有益である。ポリマーは、室温/細胞培養温度で硬く、無孔であることができ、水、PBS又は成長培地中で非膨張特性を有することができる。ポリマーの硬く、非膨張であり、無孔の特性は、例えば標準的なトリプシン処理手順を使用するときに細胞の遊離を容易にできる。

0034

場合によっては、ポリマー系担体表面を官能基又はコーティングで修飾して、細胞の付着及び成長をより良くできる。いくつかの実施形態において、エンボス加工したポリマー薄膜に、コロナ放電処理、気体プラズマ処理、化学的官能化又はコーティングのうちの1以上を含む表面処理が施される。様々な生体分子を使用して担体表面を修飾し、細胞の付着を高めることもできる。生体分子の非限定的な例には、コラーゲンフィブロネクチンビトロネクチン及びラミニンがある。一実施形態において、表面を組換え型フィブロネクチンを用いて修飾して、表面細胞親和性を高め、細胞をより良く付着させる。表面修飾により、例えば、疎水性又は親水性が変化する。

0035

いくつかの実施形態において、表面をコロナ放電で処理して、担体の1以上の表面特性を修飾する。コロナ放電処理では、高電位を持つ電極から中性ガス(空気など)の中に電流が発生する。気体イオン化により電極の周囲にプラズマの層が生成する。生成したイオンは最終的に、より低電位周辺領域に電荷を渡す又は再結合して、中性ガス分子を形成する。コロナ放電表面処理によって反応性空気プラズマに短時間曝露すると、有機薄膜、例えばポリスチレン、ポリエステルなどの表面を酸化することができる。コロナ放電処理によって、ポリマー表面上の酸素含有量を高めることができ、水による薄膜ぬれ性が改善される。

0036

表面修飾は、プラズマ処理によって達成することもできる。いくつかの実施形態において、表面をプラズマ処理して担体の表面特性を修飾する。プラズマ処理はプラズマ反応装置中で実施され、反応装置は低気圧(通常は10〜1000mTorr)で気体を含む真空容器である。反応装置内高周波電界が生成されると、イオン、遊離基及び真空紫外光子のような反応種を含有するプラズマが形成される。これらの種はポリマー表面と反応し、気体の性質及びプラズマパラメータに応じて様々な特性を持つ化学修飾をもたらす。通常、酸素、アンモニア及びアルゴンなどの気体を使用して表面を修飾し、ポリマー表面の付着を改善する。一実施形態において、ポリマー表面は酸素プラズマ処理によって修飾されて、表面の細胞親和性が高められる。表面官能性は、過塩素酸若しくは過マンガン酸塩を使用する酸化処理又は強酸若しくは強塩基を使用する部分的加水分解などの湿式化学法によっても改変できる。

0037

各表面にコーティングを塗布して、担体の表面特性、例えば疎水性、親水性又はぬれ性を修飾することもできる。疎水性/親水性の1つの指標は、表面上の水滴接触角である。接触角は、当業技術分野において周知の技術によって測定できる。コートした担体表面に対する水接触角は約10°〜約90°の範囲にあり、いくつかの実施形態において水接触角は30°〜70°である。担体表面を修飾して、例えば細胞の遊離並びに細胞の付着を高めることができる。コーティングは、例えば、熱応答性ポリマー、pH応答性ポリマー又はその組合せで作製することができる。熱応答性のポリマーには、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)、ポリ(ジ(エチレングリコールメチルエーテルメタクリレート)(PDEGMA)があるが、これに限定されない。pH応答性ポリマーには、アクリル酸ジメチルアミノエチルアクリレート及びヒドロキシエチルアクリレートのコポリマーがあるが、これに限定されない。コーティングは、1以上の層を含むことができる。いくつかの実施形態において、コーティングが複数の層を含む場合、この層は均一又は不均一であることができる。1例として、1層を熱応答性ポリマーで作製することができ、別の層をpH応答性ポリマーで作製することができる。表面の熱応答性又はpH応答性ポリマーコーティングは、担体表面からの培養した細胞の簡単な遊離を容易にすることができる。

0038

細胞を成長させるための担体を作製する方法の例は、複数の平らな薄膜を提供する段階と、平らな薄膜を貼り合わせて固体支持体を形成する段階とを含む。固体支持体を、エンボス加工、注型熱成形又は射出成形などの方法に供して、構造的なくぼみを形成させる。いくつかの実施形態において、固体支持体をエンボス加工して構造的なくぼみを形成し、エンボス加工した固体支持体を作製し、この支持体をさらにプラズマ処理してプラズマ処理したエンボス加工固体支持体を形成し、その後にプラズマ処理したエンボス加工固体支持体を、複数の部分若しくは断片に切断又はダイシングして複数の担体を形成する。1例では、固体支持体のエンボス加工は、型を使用して実施される。

0039

1例では、細胞を成長させるための担体を作製する工程は、一般的に図3に例示される。この工程は、2つの代替的な方法、方法(1)及び方法(2)を含む。方法(1)22は、エンボス加工の型を作る段階24と、ロールから薄膜を切断する段階26と、その後に薄膜をエンボス加工する段階28とを含み。エンボス加工した薄膜をプラズマ処理30に供して、プラズマ処理したエンボス加工薄膜を形成する。次いで場合によっては、エンボス加工した薄膜を、薄膜の反対側上でプラズマ処理32して、処理の均一性をより良くする。次いでプラズマ処理したエンボス加工薄膜を、複数の担体へとダイシングし又は別の方法で切り離す34。

0040

方法(2)も、エンボス加工した型を作る段階38と、ロールから薄膜を切断する段階40と、その後に薄膜をエンボス加工する段階42を含む方法36を含むことができる。エンボス加工した薄膜を、切断若しくはダイシングする又は別の方法で切り離して、エンボス加工した断片を生成する44。次いで、その断片をにかけてサイズ分布を狭くする46ことができる。次いで、水又は水とイソプロピルアルコールの混合物などの洗浄液を用いて担体を洗浄して、微粒子を取り除き、その後乾燥させる48。次いで、表面処理の均一性を確保するために混合52しながら、担体をバルクでプラズマ処理50に供して、プラズマ処理したエンボス加工担体を形成する。方法(1)及び(2)(上述の22及び36)を改変して、製造段階の一部若しくは全てに対してロールツーロール操作を使用して大規模に担体を製造することができる。例えば、エンボス加工又は構造生成段階はロールツーロール操作に拡大することができ、プラズマ処理操作は、ドラム方式処理器中で、バルクで行うことができ、切り離しは、ロールツーロール又はシート供給打抜き操作によって行うことができる。

0041

担体を作製する方法の別の例は、最初に2枚の平らなポリマー薄膜を提供することを含む。本方法は、例えばエンボス加工して、2枚のエンボス加工したポリマー薄膜(それぞれ1方の側をエンボス加工した)を作製することによって、2枚の平らなポリマー薄膜上で2枚の各薄膜の少なくとも1つの表面に1以上の構造的なくぼみを別々に形成し、外側を向いている表面が1以上の構造的なくぼみを含むように2枚のエンボス加工したポリマー薄膜を背中合わせに一緒に積層して、複合積層エンボス加工ポリマー薄膜を形成することをさらに含む。次いで積層したエンボス加工ポリマー薄膜をダイシングして、複数の無処理担体を形成することができる。次いで無処理担体をプラズマ処理で処理して、複数のプラズマ処理した担体を形成する。あるいは、構造的なくぼみを作製するには、平らなポリマー薄膜を注型熱成形若しくは射出成形に供することができ、又はバルクポリマー溶液中に作製し、型上に注型して、構造的なくぼみを持つ薄膜を形成することもできる。

0042

以下の方法のうちの1以上によって、構造的なくぼみを担体に形成できる。1例として、ロールツーロール工程において、型押ししたロールを使用して、加熱したポリマー薄膜上に構造的なくぼみを作製する。別の例として、金属ブロックに所望のくぼみの雌型切削又は機械加工することによって、平らな型を作る。次いで、金属ブロックはそのまま使用することができ、又は例えばポリマー注型工程を使用して最初に雄型として、次いで雌型として複製することもできる。次いで、バッチスタンプ又は熱エンボス加工工程において、雌型を使用してポリマー薄膜に模様をエンボス加工できる。別の例として、このように溶剤注型工程において形成した型を使用して、構造的なくぼみを持つポリマー薄膜を作製できる。ポリマー溶液を型又は型押したロールにコートし、乾燥及び/又は硬化させることができる。次いで乾燥/硬化した薄膜を剥ぎ取って、所望の構造的なくぼみを持つ薄膜を得る。熱成形又は射出成形などの代替方法も使用できる。

0043

本発明の細胞培養システムは、細胞を成長させるための1以上の担体を使用する。一実施形態において、細胞培養システムはバイオリアクタであり、より具体的には撹拌されているバイオリアクタである。本明細書において言及するように、バイオリアクタは、細胞成長を補助するどんな装置又はシステムも意味することができる。一態様において、バイオリアクタは、細胞培養又は組織工学において成長細胞又は組織用の装置又はシステムを意味することができる。バイオリアクタは、内部回転翼若しくはへらによって、外部から培養容器を揺動、回転若しくは振盪することによって、又は液体の送風誘発運動によって生成する撹拌を利用できる。バイオリアクタは、例えば、Wave Bioreactor(商標)などの揺動若しくは回転運動を備える反応装置、撹拌槽型バイオリアクタ、流動床バイオリアクタ、固定床バイオリアクタ、ローラーボトル又はエアリフトバイオリアクタであることができる。

0044

Wave Bioreactor(商標)は培養液を含有する容器を支持する揺動台を含み、培養液は培地に細胞を含む。台の搖動運動は、培養液に混合と物質輸送を誘発する。撹拌槽型バイオリアクタは一般に回転翼システム及び場合によって散布システムを含み、培養を混合し曝気する。エアリフトリアクタは上昇する気泡を利用して、培地を混合し曝気する。物質移動、混合効率及び細胞が受ける剪断ストレスなどの流体力学的な因子は、異なる型のバイオリアクタでは異なり得る。加えて、細胞成長速度及び細胞の質は、反応装置型の間の操作上の相違に左右される場合がある。

0045

付着細胞を培養する方法の例は、バイオリアクタ内に成長細胞用の1以上の担体を提供し、培地を添加し、担体に細胞の接種原を添加し、担体に細胞を付着させ、担体を連続的又は断続的に培地中に懸濁し、担体上で細胞を成長させることを含む。細胞は、培養フラスコ中で成長させた後に、担体に添加することができる。細胞は、例えば、血液、骨髄又は組織切片から抽出した後に担体上で成長させることができる。いくつかの他の実施形態において、担体は、スピナーフラスコ、積み重ねた培養フラスコ、撹拌槽型反応装置、Wave bioreactor(商標)又は他のいずれのin vitro細胞培養システムにも導入することができる。

0046

各種方法によって、培養した細胞を担体から分離又は遊離することができる。例えば、機械的方法酵素、熱応答性ポリマー、pH応答性ポリマー又はその組合せを使用することによって、細胞を遊離させることができる。機械的方法による細胞遊離は、細胞をかき集めることを含む。トリプシンなどのタンパク質分解酵素を用いて処理することによって、細胞を遊離させることもできる。非酵素的な方法の1つは、EDTAなどのカルシウムキレート剤を使用する。非酵素的な他の方法には、細胞の剥離を容易にする泡を生成する超音波を使用する物理的な方法があるが、これに限定されない。ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド(PNIPAAm)などの熱応答性のポリマーを含む担体から培養された細胞は、LCST以下の温度に担体を冷却することによって遊離させることができる。

0047

本発明の担体を使用して、初代細胞、幹細胞及び細胞系など様々な付着細胞を成長させることができる。いくつかの実施形態において、付着細胞は、hMSCなど剪断感受性細胞である。細胞は、ヒト組織、例えば、脂肪組織、骨髄又は臍帯血から得ることができる。高純度、高効率及び高収量での複数性並びに多能性細胞の培養及び遊離は、現在研究されており臨床的必要性がある。

0048

担体をバイオリアクタ又は培養容器と組み合わせて使用して、接着依存性細胞が付着し成長するための表面領域を提供し高めることができる。本発明の細胞培養用のキットのいくつかの実施形態は、1以上の担体を予め組み込んだ使い捨ての筐体又は容器を含む。一実施形態において、担体及び使い捨ての筐体又は容器を別々に提供することができる。一実施形態において、筐体は再使用することができる。筐体は、例えば、袋、フラスコ、タンクチューブペトリ皿又は瓶であることができる。キットは、細胞成長に適した培地をさらに含むことができる。キットは、凍結状態の細胞を含むことができ、担体を使用するための手順をさらに含むことができる。

0049

実施例1細胞を成長させるための担体の製作
模様原版を作製する方法−樹脂に結合させたダイヤモンドの刃を備えたダイシングソーを使用して、平らなアルミニウムブロックに溝を切削することによって、模様原版を作った。一組の平行溝(この用語は「くぼみ」と互換的に使用される)が、最初に1方向に切削され、次いで第2の一組の平行溝が最初の組の溝に対して垂直に切削された。最終的に、切削工程の間に溝の最初の組において形成されたばりを取り除く取り組みが行われた。溝が完成した後、アルミニウムブロックを清掃して、その表面上にあるあらゆるばりを取り除いた。模様原版が、エンボス加工した担体の模様幾何学的配置を決定した。

0050

模様原版からの第1世代の型の形成−次いで、フルオロシリコーンゴムFSL7661(Momentive Performance Materials、Waterford、NYから購入した)を使用して、模様原版から第1世代の型を作製した。第1世代の型を製造するために、製造業者の指示に従ってHauschild SpeedMixerを使用して、2成分のフルオロシリコーンコンパウンドを1:1の比率で混合した。くぼんテフロン(登録商標)ブロック内に模様原版を置き、模様原版の表面に過剰量の未硬化フルオロシリコーンを加えた。クロムメッキした鋼鉄製のプレートをフルオロシリコーンの上に置き、加熱した水圧プレス機で4000ポンドの力で、170℃で30分間フルオロシリコーンを硬化させた。室温に冷却後、硬化したフルオロシリコーンゴム系第1世代の型を、模様原版から取り外し空気中で、200℃で終夜硬化させた。

0051

模様原版からの第2世代の型の形成−次いで上述のように、シリコーンゴム成形コンパウンドRTV664(Momentive Performance Materials、Waterford、NYから購入した)を使用して、第1世代の型から2つの第2世代の型を作った。製造業者の指示に従ってHauschild SpeedMixerを使用して、シリコーンコンパウンドを10:1の比率で混合した。模様表面を上にして第1世代の型を鋼鉄製のフレーム内に置き、第1世代の型の上に過剰量のシリコーンコンパウンドを分注した。平面ステンレス鋼プレートをシリコーンの上に置き、加熱した水圧プレス機で1000ポンドの力で、120℃で30分間シリコーンを硬化させた。室温に冷却後、硬化したシリコーンゴム第2世代の型を、フルオロシリコーンの第1世代の型から取り外した。

0052

エンボス加工したポリスチレンシートを作製する方法−複数枚二軸延伸ポリスチレン薄膜(Trycite 1003U、Dow Chemical Company)を、模様が内側を向いた状態にある2つの第2世代の型の間に置いた。ポリスチレンの体積が、第2世代の型の中の模様を満たし、型を隔てる少量のポリスチレンがさらに残るのに十分であるように、複数の薄膜を選択した。次いで加熱した水圧プレス機で1000ポンドの力で、5分間で150℃にまで増加させる温度サイクルで薄膜をエンボス加工し(28、図3)、次いで60℃以下に冷却した。エンボス加工工程は、複数枚の薄膜を、型及び模様原版の押し型を両面に複製した単一の一体構造に融合した。室温に冷却後、エンボス加工したポリスチレン薄膜を型から取り外した。

0053

エンボス加工した薄膜表面の化学的処理−細胞成長適合性を持つエンボス加工したポリスチレン薄膜を作製するために、図3で述べたとおりPlasma Therm SLR真空プラズマ反応装置を使用して、薄膜をO2プラズマ処理した(30、図3)。100sccm(1分当たりの標準立方センチメートル)のO2フロー及び反応性イオンエッチングRIE)モードで100Wの表面無線周波数(forward radio frequency)(RF)電力を使用して、100mtorrの圧力で1分間、エンボス加工した薄膜の両側面にプラズマ処理を実施した。

0054

薄膜をダイシングして担体を生成する−薄膜を5mm×5mm片若しくは2mm×2mm片に手作業で切断することによって、又は切り離し(44)その後に篩にかけて(46)特定のサイズ範囲を選択することによって、又は所望のサイズの円盤を打ち抜くことによって、プラズマ処理したエンボス加工シートから細胞培養用の担体を作った。

0055

担体製作工程の変法−いくつかの実例では、アルミニウムブロックの代わりにセラミックブロックを使用して模様原版を作製した。樹脂に結合させたダイヤモンドの刃を備えたダイシングソーを使用して、平らなアルミナブロックに溝を切削することによって、模様原版を作った(99.6%アルミナ焼き入れされ、Acumetにより20〜25μmに研磨した)。一組の平行溝が、最初に1方向に切削され、次いで第2の一組の平行溝が最初の組の溝に対して垂直に切削された。模様原版の幾何学的配置が、最終的にエンボス加工した担体の模様幾何学的配置を決定した。セラミックブロックが使用される場合、第1世代の型は少し違えて作られた。テフロン(登録商標)ブロックの代わりに、鋼鉄製のフレームを使用してセラミック模様原版を保持した。より高い温度170℃で15分間、次いで200℃で15分間、硬化を実施した。残りの手順は、上記と同じままだった。

0056

いくつかの例では、フルオロシリコーン第1世代の型を、RTVシリコーン第1世代の型と置きかえた。後述するように手順を修正した。そして、Momentive Performance Materials製のシリコーンゴム成形コンパウンド、RTV664を使用して、模様原版から第1世代の型を作製した。第1世代の型を製造するために、製造業者の指示に従ってHauschild SpeedMixerを使用して、シリコーンコンパウンドを10:1の比率で混合した。くぼんだテフロン(登録商標)ブロック内に模様原版を置き、模様原版の表面の全体に、過剰量の未硬化シリコーンコンパウンドを加えた。クロムメッキした鋼鉄製のプレートをシリコーンの上に置き、加熱した水圧プレス機で1000ポンドの力で、120℃で30分間シリコーンを硬化させた。室温に冷却後、硬化したシリコーンゴム第1世代の型を、模様原版から取り外した。第1世代の型を、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリクロロシランを用いて、750mtorrで45分間真空蒸着することによってコートした後に、任意の第2世代の型を作製する。上記の製作手順を使用して異なるデザインの細胞担体を作製した。本発明のエンボス加工した細胞担体は、代わりの壁形状を持つ担体を含むことができる。例えば、長方形の壁を持つ担体は図4Aに示すように作製され、断面が三角形の壁を持つ担体は図4Bに示すように作製された。

0057

実施例2担体上での細胞培養及びその後の細胞の遊離
細胞担体−以下の実施例において使用した担体は、長さ及び幅5mm、並びに高さ約0.5mmを有した。担体は、2つの外表面のそれぞれに複数の構造的なくぼみを含んだ。構造的なくぼみのそれぞれは、長軸及び短軸各0.45mm並びに深さ0.2mmを有した。

0058

細胞培養−細胞培養用の担体を使用して、CHO(チャイニーズハムスター卵巣ATCC)、MDCK(メイディンダービーイヌ腎臓細胞、ATCC)、MRC−5(ヒト肺線維芽細胞、ATCC)及びhMSC(ヒト間葉系幹細胞)細胞を培養及び遊離させた。これらの細胞は、以下の培地を使用してポリスチレン表面上で日常的に培養された。F−12K(EMEM、Invitrogen)及び10%FBSウシ胎仔血清)、及び100U/mLペニシリンストレプトマイシン(P/S、Invitrogen)を補充したEagle最小必須培地(EMEM、Invitrogen)及び10%FBS。培養方法は、5%CO2の加湿雰囲気中、37℃で実施された。PBS(リン酸緩衝食塩水)を用いて細胞層を軽くゆすぐ段階と、その後に培養フラスコに0.25%(w/v)トリプシン3.0mL及び0.53mMEDTA溶液を添加する段階と、細胞層が分散するまで倒立顕微鏡で細胞を観察する段階とを実施することにより、細胞を継代した。その後、完全成長培地7mLを細胞及び培地に添加し、穏やかに数回ピペット操作して細胞を混合した。細胞懸濁液の適切なアリコートを、新鮮な培地を含む新しい培養容器に移した。

0059

以下の実験に使用した細胞は、加湿した5%CO2雰囲気インキュベータ内で、37℃で成長させた後に、細胞培養フラスコから新たに前培養され回収された。静置細胞培養試験の場合、ウェル当たり1mLの成長培地を含む24穴プレートに、2000細胞/cm2となるように、前培養した細胞を播種した。組織培養処理したプレート(TCPS表面、Nunc)及び/又は非接着性プレート(Corning(登録商標)製)を対照として使用し、非付着プレート(Corning(登録商標))に、本発明のエンボス加工した円盤形ポリスチレン担体を、ウェルにぴったりと収まるように嵌入させた。撹拌槽型反応器(STR)内の担体上の動的条件下で成長させた細胞の場合、125mLの使い捨てスピナーフラスコ(Corning(登録商標))内の担体に、2000細胞/cm2となるように、前培養した細胞をまた播種した。細胞及び担体を、撹拌サイクルを調節するためにタイマーに接続したスピナー底部で60回転数/分で攪拌した。連続的に又は断続的に細胞を撹拌した。断続的条件では、例えば、撹拌機は1サイクルにつき1分間スイッチを入れ、45分間スイッチを切った。

0060

トリプシンによる細胞の遊離−細胞が約80〜90%コンフルエントのとき、細胞をPBSで洗浄し、トリプシン−EDTA(Invitrogen、10分未満)によって回収した。細胞を成長表面から遊離させた後、10%血清を含有する培地を少なくとも同量添加することによってトリプシンを中和した。細胞を回収した後に、NucleoCounter(登録商標)自動細胞計数器(ChemoMetec製)を使用して、細胞数及び細胞生存率を測定した。

0061

細胞成長の質的な及び定量的な評価
細胞染色及び画像化−画像化用サンプルを、室温で4%パラホルムアルデヒド(PFA)に固定し、パラホルムアルデヒドは琥珀色ガラス瓶中にアルゴン存在下で保管されている16%ストックから新たにPBSに希釈した。一旦固定したら、染色し、画像化するまで4℃でサンプルを保管した。0.1%Triton X−100界面活性剤シグマ)を用いて透過化処理した後に、固定化細胞をHoechst33342色素(Invitrogen製)を用いて染色して核を強調し、ファロイジン−Alexa−568(Invitrogen製)を用いて細胞骨格アクチン)を可視化した。染色した細胞を、Nikon Eclipse TE2000−U倒立蛍光顕微鏡で画像化し、顕微鏡には使用する蛍光団に適切なフィルターキューブ及び光源を取り付けた。

0062

CellTiter−Glo(登録商標)による細胞生存率の測定−担体のサンプルを採取し、総ATP含有量を測定する又は蛍光顕微鏡用に固定及び染色することによって、間隔をおいて細胞の成長及び形態を評価した。Promega製CellTiter−Glo(登録商標)発光細胞生存率アッセイ試薬によって、細胞成長をアッセイした。この試薬は、代謝的に活性な細胞の存在を表すATPの存在の定量に基づいて培養液中の生細胞数を決定する。その工程は、血清を補充した培地中で培養した細胞に単一の試薬(CellTiter−Glo(登録商標))を直接添加することを含む。均一な試薬は、細胞を溶解し、存在するATP量に比例した発光信号を生成する。ATPの量は、培養液中に存在する細胞数に正比例する。アッセイには耐熱性ルシフェラーゼを利用し、この酵素はMg+2、ATP及び分子酸素の存在下にルシフェラーゼによって触媒されたオキシルフェリンから発生する安定した「グロー型(glow type)」発光信号を生成する。細胞を溶解させた10分後に、細胞可溶化物200μLアリコートを不透明な96穴プレートに移し、穏やかに混合し、Molecular Devices製SpectraMax(登録商標)発光マイクロプレートリーダーに読み込んで、細胞生存率の測定値を生成した。このアッセイの発光測定値は、サンプル中に存在する生細胞数に比例しており、そのため細胞成長の進展をモニタリングするために使用することができる。

0063

実施例3−ヒト間充織間質細胞(hMSC)成長の特徴づけ
hMSC−この実験で使用するhMSCは、Lonza(品番PT−2501)(Basel、Switzerland)から購入した。hMSCを、撹拌槽型反応器(STR)内の担体(本明細書において「エンボス加工した担体」と互換的に使用される)上で成長させた。図5Aは1日目(56、58)、4日目(60、62)、7日目(64、66)及び9日目(68、70)における細胞の成長を示しており、培養液中の細胞数の経時的な増加を明確に表している。細胞は、エンボス加工した担体のくぼみの上部及び底部両方で成長することが観察された。図5Aは、くぼみの上部より底部において高い細胞成長をさらに例示している。2つの異なる型のスピナーフラスコ、1つはCorning製及びもう1つはWheaton製(Magna−Flex(登録商標))中のエンボス加工した細胞担体上で細胞を成長させた。陽性対照として、静置培地で組織培養ポリスチレン(TCPS)上に細胞を成長させた。

0064

実施例4−hMSC成長の定量的推定
CellTiter−Glo(登録商標)測定値によって及び質的には画像化によって、細胞成長をモニタリングした。図5Bに示すように、STR内の担体上でのhMSCの成長速度は、TCPS上と同等である。細胞の発光は細胞数を表し、発光は経時的な細胞数の増加に伴って増加している(図5B)。従って図5Bにおいて、50時間未満の倍加時間で11日間、本発明の担体上でのhMSCの強い成長が実証されている。

0065

実施例5−様々な供給元からのhMSCの成長の特徴づけ
担体が、様々な供給元/ドナー由来するhMSCの成長を支持することを実証するために、さらに2社からhMSCを調達した−(Poietics(登録商標) Lonza細胞は実施例3及び4に参照されている、Promocell(品番C−12974)及びMillipore(品番SCR108))。図6はhMSCの強い細胞成長を実証しており、細胞はPromocell及びMilliporeから購入し、STR内で培養させた。成長は静置条件で、TCPS上で成長させた細胞と同等である。

0066

実施例6−大規模培養におけるhMSC成長の特徴づけ
hMSC培養を、500mLの培地を含む1Lスピナーフラスコに拡大した。図7は、約85時間の倍加時間で12日間、hMSC(Lonza、品番PT−2501)の強い成長を示している。

0067

実施例8−メイディンダービーイヌ腎臓(MDCK)細胞成長の特徴づけ
メイディンダービーイヌ腎臓細胞(MDCK)−複数のくぼみ(又は「エンボス加工した担体」)を含む担体上でのMDCK細胞の成長が図8A及び8Bに示されている。図8Aは、担体のくぼみの上部(72、74、76)及び底部(78、80、82)で成長しているMDCK細胞を示している。細胞数は、24時間〜168時間まで経時的に増加している。CellTiter Glo(登録商標)発光アッセイによるMDCK成長の定量的測定が、図8B提示されている。比較例として、MDCK細胞を、断続的に撹拌するSTR内の平らなポリスチレン担体(くぼみなし)上で成長させた。対照として、静置ウェルプレート(TCPS)内の、及び静置条件で平らな担体上での細胞数も、図8Bに示されている。図8Bに示すように、エンボス加工した担体(図8Bにおいて「エンボス加工した−STR」と示した)上でのMDCK細胞成長は、平らなポリスチレン担体(図8Bにおいて「平らな担体−STR」と示した)上の成長より、著しく高かった。

0068

実施例9−ヒト肺線維芽細胞の細胞成長の特徴づけ
ヒト肺線維芽細胞(MRC−5)−上述のとおり類似の実験を、MRC−5細胞を用いて実施した(図9A)。図9Aにおいて、担体のくぼみの上部(84、86、88)及び底部(90、92、94)におけるMRC−5細胞成長の質的な測定が提示されている。細胞数は、24時間(84及び90)〜168時間(88及び94)まで経時的に増加している。細胞成長の定量的測定は、CellTiter Glo(登録商標)発光(上記実施例にて説明したとおり)として図9Bに提示されている。比較例として、MRC−5細胞を、断続的に撹拌するSTR内の平らなポリスチレン担体(くぼみなし)上で成長させた。対照として、静置ウェルプレート(TCPS)内の、及び静置条件で平らな担体上での細胞数も、図9Bに示されている。図9Bに示すように、本発明のエンボス加工した細胞担体上の細胞成長は、平らなポリスチレン細胞担体上より大きい。

0069

実施例10−チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞成長の特徴づけ
チャイニーズハムスター卵巣(CHO)−類似の細胞成長実験を、本発明の担体上でCHO細胞を使用して実施した(図10A及び10B)。図10Aに示すように、細胞を、1日(96)、4日(98)、8日(100)後及びトリプシン処理後(102)に画像化した。0.2×106個の細胞を、0日目(ゼロ)に播種した。図10Aに示すように、細胞数は経時的に増加し、トリプシン処理後の細胞回収は約13×106個であった。標準的な方法であるトリプシン処理によるエンボス加工した担体からのCHO細胞の効果的な遊離も、図10Aに示されている。本発明のエンボス加工した担体は、他の市販の担体と比較して、より良好な細胞遊離を示した(データ不掲載)。スピナーフラスコ内のエンボス加工した細胞担体上、静置ウェルプレート内、及び静置ウェルプレート内でのTCPS上のCHO細胞成長も、図10Bに量的に示されている。これら異なる3条件における細胞成長はそれぞれ同等であり(図10B)、図10Bに示すとおり、CHO細胞は約21時間の倍加時間で8日間に約67倍の増殖を伴う強い細胞成長を示した。

0070

表現型及び機能的アッセイ
本発明の担体上で成長したhMSCがバイオリアクタ中で増殖した後もその表現型を維持していることを実証するために、脂肪細胞及び骨形成分化アッセイによって表現型の特徴づけを行った。フローサイトメトリーによって表面マーカープロファイルも特徴づけられた。

0071

実施例11−脂肪細胞分化アッセイ
脂肪生成−脂肪生成を示すために、MSCを、細胞を培養するために上で使用したのと同じ成長培地、Lonza MSCGM(品番PT−3001)を用いて2000〜3000細胞/ウェルとなるようにサンプル当たり3〜6ウェルで、96ウェルプレートに播種し、細胞が100%コンフルエントになるまで成長させた。成長培地を、脂肪細胞誘導培地(Lonza、品番PT−3004)と置きかえて37℃で3〜4日間インキュベートした。その後、脂肪細胞誘導培地を、維持又は成長培地(Lonza)と置きかえて37℃で3〜4日間インキュベートした。これらの2つの段階をさらに2回繰り返した。維持培地が添加され、3日目に培地を置きかえ、7日間インキュベートした。得られた脂肪細胞を、ナイルレッドを用いて染色した。陰性対照として、MSCを維持培地中で維持した。培地を除去し、4%パラホルムアルデヒド(PFA)を添加して、5分間細胞を固定した。5分後にPFAを取り除き、ナイルレッド及びHoechst染色バッファを添加し、その後30〜60分間インキュベーションした。DMSO中に1:1000の比(1mg/mLDMSO溶液)のナイルレッドストック、1:1000の比のHoechstバッファ溶液、及び0.1%Triton X100を使用してリン酸緩衝食塩水(PBS)中にバッファを調製した。ウェル当たり0.2mLのPBSを添加することにより、細胞をPBSで2回すすいだ。Nikon Eclipse TE2000−U倒立蛍光顕微鏡を用いてDAPI及びCy3染色を使用して細胞を画像化した。図11Bで示すように、対照MSCに対して脂質の蓄積を表している赤い液胞図11Aは示している。液胞内の脂質の蓄積は、バイオリアクタ条件でこれらの担体上で成長した細胞が、MSCに求められる特性である脂肪細胞に分化する能力を保持していることを表している。Lonza製のhMSCをこの実験に使用した。実施例3に記載したとおり細胞を成長させた。

0072

実施例12骨形成性分化アッセイ
骨形成−20〜30k/ウェルの濃度で、3つ組で24ウェル組織培養プレートにMSCを播種し、細胞を成長培地中で、37℃で終夜培養した。成長培地を骨形成誘導培地と置きかえ、3日毎に細胞に同じ培地を供給した。この手順を2〜3週間続けた。紡錘形から立方体形状への形態変化が注目された。カルシウム含量が、以下の方法によって測定された。細胞をCa2+を含まないPBSで洗浄し、0.5M HCl 100μLを添加して、細胞を均一に溶解し、70μLアリコートを96−ウェルプレートに添加した。呈色試薬100μL、続いて塩基性試薬100μL(STANBIO、Cat#0150−250、Calcium Liquid Color)を添加した。試薬を混合し、1分間インキュベートした。試薬混合後60分以内に、550nmで光学密度(O.D)を測定した。図12は、分化した骨形成細胞のカルシウム含量が対照細胞より約7倍高いことを示している。分化した細胞におけるカルシウム含量の増加は、これら担体上で成長したMSCが、MSCと定義される細胞に求められる造骨細胞の表現型に分化する能力を保持していることを表している。

0073

実施例13 −フローサイトメトリー分析FACS)によるMSCの特徴づけ
hMSCは、いくつかの表面タンパク質マーカー発現しており同時にいくつかの他のマーカーを欠いていると期待される。陽性マーカーにはCD105、CD90、CD166、CD29、CD44及びCD73を含み、陰性マーカーはCD14、CD29、CD19、CD45及びCD3が挙げられる。各マーカー用として、アッセイは試験管に150,000個以上の細胞を含有した。PBS及び10%正常ヤギ血清(NGS)中で、4℃で30分間、細胞をブロッキングした。以下の細胞表面マーカーに対する抗体を使用した。CD105、CD90、CD166、CD45、CD73、CD34、CD44、CD14、CD29、CD19及びCD31。実施例3に記載の条件を使用して、Millipore製のhMSC(品番SCR108)を、静置T型フラスコ(対照)中で、又はスピナーフラスコ中のエンボス加工した担体上で成長させた。トリプシンを用いて回収した後、細胞を標識抗体と一緒にPBS及び1%NGS中で、4℃で1時間インキュベートし、次いで遠心分離して細胞をペレット化することによってPBS及び1%NGSで洗浄した。ペレットを150μL PBS及び1%NGSバッファに再懸濁した。製造業者(Beckman Coulter−Cytomics FC500MPL)の指示に従って、フローサイトメーターで細胞を分析した。hMSC及び製造業者の成長培地がMilliporeから供給されており、細胞を実施例5に記載のとおり成長させた。

0074

FACS分析の結果を下の表1に示しており、バイオリアクタ条件のエンボス加工した担体上で成長したMSCが、これら細胞に求められるものと一致するマーカープロファイルを示した(T型フラスコ中の静置条件下で成長した対照細胞によっても示された)ことを表している。表の最上列は、FACSでアッセイした特定の標識を表している。プラス(+)記号はそのマーカーが存在した(>90%)ことを表し、マイナス(−)印は検出されなかった(<5%)マーカーを表している。細胞の>90%において発現が観察された場合、上記6つの陽性マーカーの発現は陽性であることを意味し、細胞の<5%について発現が観察された場合、5つの陰性マーカーを意味した。

0075

本明細書においては、本発明の特定の特徴しか例示及び記載されていないが、多くの変更及び改変が当業者に見出されることになる。従って、添付の請求の範囲が、全てのそのような変更及び改変を本発明の範囲に該当するものとして保護することを目的としていることが理解されよう。

0076

2担体
4 長さ
6 幅
8 高さ
10壁厚
12 深さ
14長軸
16短軸
18上表面の構造的なくぼみ
20 下表面の構造的なくぼみ
22 方法1
24エンボス加工の型を作る
26ロールからの薄膜の切断
28 エンボス加工
30プラズマ処理
32 反対側のプラズマ処理
34 担体の打ち抜き/切断
36 方法2
38 エンボス加工した型を作る
40 ロールからの薄膜の切断
42 エンボス加工
44エンボス化した担体の切り離し
46 狭いサイズ分布に篩かけ
48 担体の洗浄、微粒子除去、乾燥
50 プラズマ処理
52 混合
54 繰り返し
56 1日目
58 1日目
60 4日目
62 4日目
64 7日目
66 7日目
68 9日目
70 9日目
72 担体のくぼみの上部
74 担体のくぼみの上部
76 担体のくぼみの上部
78 担体のくぼみの底部
80 担体のくぼみの底部
82 担体のくぼみの底部
84 担体のくぼみの上部24時間
86 担体のくぼみの上部96時間
88 担体のくぼみの上部168時間
90 担体のくぼみの底部24時間
92 担体のくぼみの底部96時間
94 担体のくぼみの底部168時間
96 1日後
98 4日後
100 8日後
102 トリプシン処理後

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