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技術 哺乳動物の母親の子宮における着床率を増加させる方法、有効量のベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体の使用、ベータ−ガラクトシド結合レクチンまたは誘導体および製品

出願人 インプレニャバイオテクノロジアエデゼンボルビメントアバンサードソシエダッドアノニマウニベルシダーデデサンパウロ-ウーエスィペー
発明者 マルセロディアスバルッフィエリカダシルバカルバーリョモラーニマルセロロンコレッタカミッロデルシスティアアンドラーデリリアンカタルディロドリゲス
出願日 2011年12月9日 (9年8ヶ月経過) 出願番号 2013-544976
公開日 2014年1月9日 (7年7ヶ月経過) 公開番号 2014-500279
状態 特許登録済
技術分野 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 濃度倍率 実用寿命 バイオセキュリティ フラッシング後 回収場所 形態学的パラメータ 土地面積 機械受容器
関連する未来課題
重要な関連分野

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課題・解決手段

本発明は、有効量のベータガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体哺乳動物子宮投与することにより、哺乳動物の母親の子宮における着床率を増加させる方法ならびに該レクチンを含む製品に関する。

概要

背景

関連技術の説明
農業は、国民総生産におけるそのかなりのシェアおよび貿易収支への積極的な貢献のおかげで、ブラジル経済において重要な役割を演じる。

農産物市場におけるその採算性を確保するためには、高品質製品に対する消費者需要を満たすことを目的として、農業資産家畜の最大の繁殖効果を維持しなければならない。この意味で、適切な出産率の維持は、農業資産を採算性のあるものとする一連事象主要因子である。それにもかかわらず、ほとんどの場合、妊娠早期の損失の高い割合が原因で最適の繁殖レベルの維持は難しい課題である。

生殖は、順々に多様な因子に依存する一連の生理学的事象の後の、同じ種の生物起源として定義されることができる。農業分野において最先端生殖技術を使用することは、動物実用寿命の間の最大の生産性を確保するための家畜の遺伝的改良、妊娠能力(母親の子宮への胚着床)の増大において重要な役割を有しうる。

しかしながら、世界中で、胚損失はブリーダーへの経済的損失のもっとも一般的な原因の一つであり、したがって、妊娠の診断および維持に関与する複雑なメカニズムを考慮すると、早期の胚損失の予防はいまなお課題である。

哺乳動物の母親の子宮への胚の着床率を確認する早期診断は、ブリーダーが予防的手段を講じ、最終的な経済的損失を最小化することを可能とするため、農業手順のための重要なツールである。したがって、より良い繁殖成果を達成し、処置コストを低減するために、卵巣の生殖生理学に関する向上した知識を考慮した新しいテクノロジーが開発される。

市場ニーズにより、牛のインビトロ受精に類似した介助生殖技術がますます一般的になってきている。牛の効果的な繁殖成績は、多数の乳牛品種雌牛および肉牛品種の牡牛の誕生直接関係しているため、農業資産へ経済的利益を生み出している。

ブリーディング、農業およびバイオエネルギー領域のためのスペースに関する苦闘とともに、動物起源の製品の質、規模および標準化に対する世界的な消費者需要などの他の市場の特徴が、より高い生産性の追求を刺激し、生殖バイオ技術を速いペースで進歩させた。

世界的な一次市場の生産および消費ニーズと一致して、ブラジルの農業は、牛の群れの平均生産性を増大させるために介助生殖技術に依存しており、それは、該技術が遺伝的に優れた動物の誕生を実質的に増加させるからである。

農業資産において使用される主な繁殖技術は:(i)自然の手段による交配または生殖;(ii)人工授精;(iii)その後に胚移植が続く、インビボの産生;および(iv)その後に胚移植が続く、インビトロの産生、を含む。選ばれた技術にかかわらず、繁殖方法主要目的は、繁殖種の最高パフォーマンスを可能とし、肯定的な成果を達成することである。

交配は、ブリーダーにとって安価であるために、広く用いられる技術であるが、性感染症コントロールは限定的で、群れの遺伝的改良は遅い。この手順において、胚は由来の(したがって、母親由来の遺伝物質とは異なる)50%の遺伝物質で構成され、これは、多数のアロ抗原の形成を引き起こし、母子間寛容欠如による胚損失をもたらしうる。

アロ抗原は、同じ種に属する他の生物体由来の遺伝物質によりコードされる任意の分子である。該分子が異なる分子であり、他の生物体に導入されるため、後者の免疫系は、「外来の」物質に対する一連の反応を生じるように誘導される。一例は、新たに受精した胚であり、これは、半分の遺伝物質が母親由来で半分の遺伝物質が父親由来であり;後者である半分は、母親の免疫系に対して外来であることができ、したがって、母親の生物体によって拒絶されうる。(それによって母親の生物体が胎児に対する免疫反応を引き起こすことなく、胎児を認識/許容する過程である)母子間免疫寛容の欠如は、早期流産の主因の一つである。

農業分野で広く使用される他の繁殖技術は、人口授精AI)であり、これは、各雌の解剖学特殊性に適した特定の技術によって、雌の生殖管中に精液精子雄性配偶子および精漿)を人工的に沈着させることである。AIの成功は、妊娠率−または授精された雌の数に鑑みた、妊娠した雌の数により評価される。この手順において、生成された胚もまた、父親由来の(したがって、母親由来の遺伝物質とは異なる)50%の遺伝物質で構成され、したがって、これも多数のアロ抗原の形成を引き起こし、母子間寛容の欠如による胚損失をもたらしうる。

さらに、それに胚移植(ET)が続くインビボの産生は、(遺伝物質を提供する)ドナーの雌の生殖管中で数個の胚が生成され、出産まで妊娠を代行する同じ種のレセプターの雌の子宮に移植される、生殖技術である。ドナーの子宮中への胚の生成は、過剰排卵、人工授精および胚のフラッシング(flushing)技術を含む。フラッシング後、胚が評価され、そして、生存能力のあるものが移植されるかまたは凍結保存されることができる。インビボでの産生からレセプターの子宮または子宮角への胚の移植(沈着)は、発情同期化(すなわち、レセプターの子宮を胚発生と同じ段階に適合させること)のためのプロセスに依存する。この手順において、レセプターの生物体に移植される胚は、100%に至るアロ抗原で構成され、それは、それらが完全にドナーおよび父親の遺伝物質から成るからであり、これは母子間寛容の欠如による胚損失のより高いリスクを意味する。

一方、その後に胚移植が続くインビトロの受精は、実験室での胚の生成に関し、該胚は、出産まで妊娠を代行するレセプターである同じ種の雌の子宮へ移植される。胚の実験室における産生は、以下に依存する:(i)超音波誘導濾胞穿刺による、ドナーの卵巣からの卵母細胞吸引;(ii)IVM−それにインビトロの卵母細胞質および卵母細胞核の成熟の誘導が続く、インビトロの卵母細胞の成熟;(iii)IVF−インビトロの受精または成熟した卵母細胞と能力のある精子の配偶子合体プロセス:(iv)IVC−5〜7日の培養後の移植のための適切な段階(桑実胚および/または胚盤胞)に上記胚が到達するまでの、受精後の胚のインビトロの培養;(v)胚移植−培養期間後−この時、胚が評価されなければならず、優れた生存能力のあるものが移植され、凍結乾燥され、および/またはガラス化されることができる。インビトロで産生された胚の、レセプターの子宮または子宮角への移植も、発情同期化(すなわち、レセプターの子宮を胚発生と同じ段階に適合させること)のためのプロセスに依存する。この手順において、レセプターの生物体中で排卵される胚は、100%に至るアロ抗原(異なる遺伝物質)で構成され、それは、それらが完全にドナーおよび父親の遺伝物質から成るからであり、これは母子間寛容の欠如による胚損失のより高いリスクを意味する。

上記のとおり、母子間寛容は、母親の生物体の胚または胎児に対する反応を調節する免疫プロセスである。生物体の免疫系は、その正常な生理学的状態を害しうる外部因子および/または攻撃者に対する一連の複合的な反応に関与する。

妊娠中免疫調節反応は、排卵、交尾および受精により招かれる、何よりも受胎産物(胚または胎児および関連する膜)の成長および発達を目的とするものである。

この意味で、Lewis、S.K.et al, 2007(Gelectin−15 [LGALS15]:A Gene Uniquely Expressed in the Uteri of Sheep and Goats that Functions in Trophoblast Attachment)は、反芻動物において、MO期の胚(桑実胚、4日目〜6日目の間)が子宮に入り栄養外胚葉細胞と呼ばれる細胞の単層を含むBL期(胚盤胞、6日目〜7日目の間)までのその発生を継続することを観察した。透明帯破裂の後、ヒツジにおけるD12(12日目)またはヤギにおけるD15(15日目)まで、胚は伸長段階に留まる。該段階の間、栄養外胚葉は、インターフェロンタウ(IFNT)を産生し、これは、次に、黄体退行(黄体の退縮)に関与する。黄体(卵胞)が活性であるとき、プロゲステロン(P4)の産生は維持され、その後、子宮内膜(子宮壁を被覆する粘膜)が最終的な妊娠のために準備される。上記論文はまた、P4およびIFNTが子宮内膜上皮におけるガレクチン−15の転写を調節するとも述べている。ガレクチン−15は、受胎産物の栄養外胚葉の子宮内膜への固定/接着に参加することから、該ガレクチンは子宮環境内で作用し、こうして、妊娠の胚盤胞の伸長段階の間および結果的に娩出に至るまでの不可欠な事象である接着および遊走などの生理学的反応を刺激するだろう。

第二に、Farmer,J.L.et al,2008による論文(Galectin−15(LGALS15) Functions in Trophectoderm Migration and Attachment)によれば、ガレクチン−15は、細胞増殖およびアポトーシス阻害を刺激し、これらはどちらも着床期の間の重要な事象である。該著者らは、ガレクチン−15遺伝子はヒツジ、ヤギおよびウシ種に存在するが、ガレクチン−15のmRNAメッセンジャーRNA)はヤギとウシの伸長期にのみ発現され、その発現は発情周期の相に従って変化することを証明した。さらに、雌がP4による処置を受けた場合、子宮注入による外来IFNTの投与だけがガレクチン−15の遺伝子発現を増加させると述べられ、したがって、ガレクチン−15のmRNA転写の誘導物質としてIFNTとP4を一緒に用いる必要性を証明している。

Satterfield,M.C. et al, 2006(Progesterone Regulation of Preimplantation Conceptus Growths and Galectin−15 [LGALS15] in the Ovine Uterus)は、P4が、受胎産物の生存および成長ならびに着床期の間の細胞接着調節物質であると考えられるガレクチン−15およびオステオポンチン(Secreted Phosphoprotein 1)(SPP1)などの子宮内膜によって分泌される数種のタンパク質の遺伝子発現を誘導する、と結論した。この意味で、Burghardt,R.C. et al, 2009による論文(Enhanced Focal Adhesion Assembly Reflects Increased Mechanosensation and Mechanotransduction at Maternal−Conceptus Interface and Uterine Wall During Ovine Pregnancy)は、SPP1およびガレクチン−15が、子宮環境−受胎産物の境界面における機械受容器であると述べている。

別の考え方によれば、Than,N.G. et al,2008(Emergence of Hormonal and Redox Regulation of Galectin−1 in Placental Mammals: Implication in Maternal−Fetal Immune Tolerance)により実施された研究は、ガレクチン−1が高いレベルの構造的保存、二量体化ならびに炭化水素およびインテグリン接着タンパク質)との結合特性を示すと結論づけ、これらの性質脊椎動物の間で保存され、異なる胎盤タイプ(脱落膜であるか否かのいずれか)の間で標準的な遺伝子発現を維持していると示唆した。該著者らは、ガレクチン−1が胎児アロ抗原に対する母性寛容を与え、子宮のナチュラルキラー(NK)細胞の作用を調節し、そして、T細胞調節剤および抑制剤(T細胞は細胞性免疫に関与する)として作用しうるということも観察した。最後に、該著者らは、子宮内膜によるガレクチン−1産生の刺激におけるP4の相乗作用を確認した。

受精研究のおかげで、ガレクチンの役割が、免疫反応ならびに胚の伸長(embyo elongation)および胚の子宮内膜への接着の調節に関係していると認めることができる。

ガレクチンは、哺乳動物のベータガラクトシドレクチンリガンドであり、多くの組織によって発現可能であることが知られている。これらのレクチンは、一般に、可溶性であり、ペプチドシグナルを含まず、小胞体およびゴルジ複合体から独立したメカニズムにより分泌される。今日現在、15種類の哺乳動物ガレクチンに関する記述があり、そのすべてが約130アミノ酸残基の糖認識ドメインを有する。

ガレクチンと細胞外スペース中の免疫系細胞面由来グリカン相互作用が、サイトカインおよびメディエーターの産生、細胞接着、アポトーシス、走化性ならびにエンドサイトーシスを調節することができることが知られている。細胞内環境においては、ガレクチンは情報伝達経路に参加し、そして、アポトーシス、細胞増殖およびmRNA前駆体スプライシングの制御などのいくつかの生物学的応答を調節することができる。

Farmer,J.L. et al, 2008(上記論文)は、ガレクチン−15およびガレクチン−1以外の他のガレクチンが、哺乳動物の子宮内膜および胎盤により発現され、子宮内膜の分化、胚盤胞の着床および栄養膜の分化などにおける重要な機能を示すことができる、とも開示している。Poppovich et al, 2005(Galectin−9:a New Endometrial Epithelial Marker for the Mid−and Late−Secretory and Decidual Phases in Human)は、ガレクチン−9の特性を開示し、そして、Lee et al, 1998(Spatio−Temporal Pattern for Expression of Galectin−3 in the Murine Utero−Placental Complex? Evidence for Differential Regulation)は、ガレクチン−3の発現に関する。さらに、該文献中には、組換えガレクチンまたはこれらタンパク質の特異的阻害剤の潜在的な治療用途報告する数報の他の記事がある。

ガレクチン−1は、接着、増殖、分化および細胞周期;アポトーシス;RNAスプライシング炎症過程及び適応免疫反応の制御などの生物学的過程に参加する多機能性分子である。内因性のガレクチン−1の発現は、胸腺上皮細胞抗原感作されたT細胞、活性化されたマクロファージ、(体液性免疫に関与する)活性化されたB細胞内皮細胞間質細胞、ならびに胸腺およびリンパ節などのマウスリンパ系器官において既に確認されていた。その免疫調節特性を考慮すると、(内因性または外因性のいずれかの)ガレクチン−1は、胎児損失および/または胚の死亡を予防するための重要なメディエーターである。

ガレクチン−1は、活性を有し、無菌で、アルキル化され、かつエンドドキシンを含まない形態で異種発現系によって哺乳動物(ヒト、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマおよび/またはブタ種)から得られることができる。組換えガレクチン−1を得るための方法は、文献中で広く知られており、一般に、以下のステップ:(i)ガレクチン−1を含む未加工の細菌抽出物を得るステップ;(ii)ガレクチン−1を精製するステップ;(iii)ヨードアセトアミドによるアルキル化を通じてガレクチン−1のレクチン活性を保存するステップ;および(iv)ヨードアセトアミドによりアルキル化されたガレクチン−1調製物細菌性エンドトキシンLPS)を除去するステップ、を含む。本実験中で実施された試験について上記文献中で開示された可能な選択肢の中でも、我々は、以下の手順に基づいてガレクチン−1を生成した。

組換えガレクチン−1を得るための最初のステップは、50μg/mLアンピリシン(USB Corporation, USA)を含む200mLのLB Broth Base(Invitrogen, Gibco, Carlsbad, CA, USA)中のガレクチン−1遺伝子を含む発現ベクター(好ましくは、pET29aプラスミド)で形質転換された細菌培養(好ましくは、大腸菌ロゼッタ株(E.coli rosetta strain))で開始し、これはオービタルシェーカーにおいて200rpmで16〜18時間、37℃で実施される。この期間の後、この培養の25mLが、500μLのアンピシリン(50μg/mL)を含む、先にオートクレーブにかけた半分のLB(half LB)1Lに移される。さらに、この細菌懸濁液が、さらに2時間、37℃、200rpmのオービタルシェーカーにおいてインキュベートされる。最適の細菌増殖速度は、600nmにおいて0.5〜0.5の間の光学密度OD)範囲を示す。さらに、形質転換された細菌によるガレクチン−1の発現を誘導するために、半分のLB1mLで希釈した0.36gのイソプロピル−D−チオガラクトピラノシドIPTG、Promega,WI,USA)が培養に添加される。再度、シェーカー(37℃−250〜300rpm)において培養が4時間実施される。この期間の後、細菌懸濁液が5000gで15〜20分、4℃で遠心分離され、培養ペレットが再度、3000gで15〜20分、4℃において遠心分離される。最後に、上清廃棄され、ペレットが使用の瞬間まで、−80℃で貯蔵される。

組換えガレクチン−1を得るための第二のステップは、上記細菌ペレットから続いて、これが氷浴中で融解され、次いで7mLのPBSリン酸塩緩衝食塩水−NaCl(136.8mM);KCl(2.7mM);Na2HPO4(6.4mM);KH2PO4(0.9mM、pH7.4);14mMメルカプトエタノール(2−ME)(Merk−Schuchardt, Germany)、1錠のEDTAを含まないプロテアーゼ阻害剤(Roche Diagnostics GmbH、M, Germany)1mLのリゾチーム−1mg/mL(Roche Diagnostics GmbH、M, Germany))、10μLのRNAse A Type 3A−10mg/mL(Sigma−Aldrich)および10μLのDNAse I Type IV−10mg/mL(Sigma−Aldrich)を含む溶解バッファー中に再懸濁され、その後、氷浴中で溶解バッファーとともに30分間、インキュベーションされる。さらに、該サンプルは、それぞれ40Wにおいて、20秒間で5サイクル超音波処理され(Sonics Vibra cell; SONICS & MATERIALSINC.);サイクルの合間に懸濁液を15秒間休ませる。その後、細菌ライセートが4℃において10,000gで45分間、遠心分離される。その後、上清が集められ、カラム体積5mLのアガロースラクトースカラム(Sigma−Aldrich)におけるアフィニティークロマトグラフィーかけられる。非リガンド物質(nonligand)は、バランスバッファー(14mMまで2−MEを加えた、pH7.4のPBS)で溶出され、2mLの分画が20個集められる。アフィニティーカラムリガンドが、(14mMラクトースを含む、pH7.4の)溶出バッファーで溶出され、0.5mLの分画が10個集められる。280nmにおける吸光度読み値(UV Mini 1240, Shimadzu)およびポリアクリルアミドゲル電気泳動により、クロマトグラフィー手順がモニターされる。ガレクチン−1溶液中のタンパク質濃度が、280nmの吸光度読み値を用いる分光分析または市販の比色アッセイによって決定され、ミリリッターあたりのタンパク質のミリグラム数(mg/mL)であらわされる。ガレクチン−1をアガロース−ラクトース上で精製するためのこの過程により得られたクロマト分画を、電気泳動(SDS−PAGE「Sodium Dodecyl Sulfate Polyacrylamide Gel Electrophoresis」)により分析する。還元および解離バッファー中に含まれるサンプル(最終体積20μL)が、ポリアクリルアミドゲル(15%)に加えられ、一定電圧(150V)で電気泳動される。未加工の細菌ライセートおよび非リガンド物質のクロマト分画がサンプルとして使用された。対照のためには、既知の分子量スタンダードが使用される(LMWH−Low Molecular Weight Calibration kit for Electrophoresis−GE, Amersham−Biosciences, Uppsala, Sweden)。ゲルは、「Coomassie Brilliant Blue」により着色される。アガロース−ラクトースにおけるクロマトグラフィーから得られたガレクチン−1溶液は、このタンパク質のレクチン活性を維持する目的で、溶出バッファー中に保存され、使用の瞬間まで−80℃で貯蔵される。アッセイのために、これらの溶液は、製造者の指示に従い、分子排除クロマトグラフィー(Sephadex−G25M;Pharmacia LKB,Uppsala, Sweden)によってPD10カラム中で脱塩される。脱塩されたガレクチン−1溶液の濃度は、上記の分光分析または比色反応によって決定される。アガロース−ラクトース樹脂中で精製されたガレクチン−1中のレクチン活性(ガレクチン−1の糖を認識する能力)の維持レベルを評価するために、このタンパク質のサンプルがPD−10カラム中で脱塩され、直ちにアガロース−ラクトースカラム中で再度クロマトグラフィーにかけられる。それぞれ1.0mLの20個の分画が集められた。溶出過程は、タンパク質濃度(mg/mL)によってモニターされる。この最後の手順において、洗浄バッファーによるガレクチン−1の溶出が、このタンパク質のレクチン活性損失の指標と考えられ、それは、かかる条件下では、ガレクチン−1はラクトースを認識できないことによってアガロース−ラクトース樹脂中に保持されないからである。ガレクチン−1のスルフヒドリル基酸化およびその変性は、この分子のいくつかの機能に関連する性質である、このタンパク質のレクチン活性の損失を促進しうる。精製されたガレクチン−1溶液が−80℃で貯蔵され、使用前に融解されなければならないことを考慮すると、このレクチンの赤血球凝集素活性(hemagglutinant activity)に対する上記手順の影響が評価されなくてはならない。赤血球凝集は、ガレクチン−1特異的なハプテン糖、すなわち、ラクトース(20mM)の存在下または非存在下で起こる。2μM以下の濃度で赤血球凝集素活性を示すガレクチン−1調製物のみが、異なるアッセイにおいて使用された。

組換えガレクチン−1の調製のための第三のステップは、赤血球凝集および/またはこれらの組換えガレクチン−1調製物のレクチン特性の維持の測定を可能とする他の方法によって、このレクチンのアルキル化調製物のレクチン活性を制御することを含む。ガレクチン−1のスルフヒドリル基の酸化は、このタンパク質の変性およびレクチン活性の損失を促進する。したがって、より安定なガレクチン−1サンプルを得るためには、このレクチンの調製物が、スルフヒドリル基と共有結合性に反応する還元性化合物であるヨードアセトアミドの使用によりアルキル化され、こうしてカルボキシアミドメチル−ガレクチン−1(アルキル化ガレクチン−1)を生成する。すなわち、0.037gのヨードアセトアミド(Protein−Iodoacetamide, Sigma−Aldrich;最終濃度20μM)が、100mMのラクトース存在下で、1.0mlの精製ガレクチン−1溶液中で希釈される。その後、この溶液は、光から保護された氷浴中で16〜18時間インキュベートされる。インキュベーション後、遊離のヨードアセトアミドおよびラクトースを除去するために、上記溶液はPD10における分子排除クロマトグラフィーにかけられる。上記のとおり、アルキル化ガレクチン−1調製物の濃度は、分光分析により決定され、mg/mLで表される。

組換えガレクチン−1の調製のための第四のステップは、細菌性エンドトキシン(LPS)の除去に関する。その細胞壁組成中にLPS(リポポリサッカライド)を有するグラム陰性細菌からガレクチン−1が得られたことを考慮すると、ヨードアセトアミドによるアルキル化ステップの後、ガレクチン−1調製物は、Polymixin B−agaroseカラム(Detoxi−Gel Endotoxin Removing Gel, Pierce,IL, USA)におけるアフィニティークロマトグラフィーにかけられる。アルキル化ガレクチン−1調製物からLPSを除去するための手順の有効性は、QCL−1000キット(Chromogenic Limulus Amebocyte Lysate Assay, Cambrex Company, MD, USA)を使用してLPSエンドトキシン量を測定することによって評価される。その後、活性を有し、かつ、エンドトキシンを含まないアルキル化ガレクチン−1調製物は、濾過(0.22mMの膜)により滅菌される。

組換えガレクチン−1の調製方法が開示されているため、非常に類似した手順により、任意の他のベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体が得られうることは注目すべきである。

したがって、ガレクチン−1が免疫不全の調節、免疫反応の阻害ならびにインビボおよびインビトロの両系におけるT細胞機能の調節において重要な役割を演じることが分かって、米国特許出願第US12/175,227号は、ホジキンリンパ腫を含む免疫不全を予防し、かつ、治療するための、上記レクチンの免疫反応の調節方法を開示する。

他の分子および/または細胞との相互作用の可能性に関して、ガレクチン−1の存在下では、樹状細胞寛容原性となり、かつ、哺乳動物における免疫反応を調節し、自己免疫疾患の発生を予防し、ならびに、移植片の拒絶を逆行させることができることが知られている。この意味で、米国特許出願第US12/137,004号は、新生物、ならびに自己免疫疾患および感染性疾患を治療することを目的として、上記レクチンの存在下で樹状細胞を含む製剤を調製する方法を開示する。

Blois, S.M.et al,2007による論文(A Pivotal Role for Galectin−1 in Fetomaternal Tolerance)は、騒音への曝露により引き起こされたストレス誘導性の胎児損失を評価するためにガレクチン−1が同種同系マウスに腹腔内投与される、実験的処置モデルの結果に基づく。マウス子宮中でのガレクチン−1の発現が環境の変化に非常に敏感であって、雌の妊娠を危険にさらすことがストレスにつながることは注目される。一方、マウスが組換えガレクチン−1で処置された場合、胎児損失の発生は顕著に減少する。

妊娠を維持するためには、母親の生物体は、ホルモンおよび免疫の変化を含むかなりの変化を受けることが知られている。胚着床のための子宮内膜の準備が、単なるホルモン刺激という問題ではなく、胚盤胞と子宮内膜の間の相互作用に依存し、かつ、子宮内膜および胚盤胞により産生され、分泌される、サイトカイン、成長因子および接着分子によっても仲介されるということが証明されている。そうであっても、異なる生理系の間の相互作用が、孤立した因子のみによっては説明できない妊娠損失をもたらすこともある。

農産物市場の観点からは、交配または人工授精のいずれかによる妊娠における母子間免疫寛容のメカニズムは、胎児アロ抗原に対する免疫反応の点から見て、生殖に関する獣医学医薬にとってはなお、課題である。

こうした面において、妊娠損失がブリーダーにとっての過激結末とともに経済的損失を生み、そして、消費者のニーズに適合し、彼ら自身の資産の採算性を維持するためには、満足のいくレベルの繁殖効果を維持しなければならないことには注目すべきである。

さらに、乳牛および肉牛のブリーダーは、生殖技術を使用して受精後に胚の性別を同定するのが一般的である。しかしながら、さらにレセプターの子宮に移植されるインビトロで産生された胚は、主に維持培地により招かれ、早期の胚損失をもたらす形態学的および構造的変化によって、満足のいく生存率を示さない。

さらに、生殖バイオ技術の商業的応用に関する制約の一つは、雄の(精液)もしくは雌の(卵子)ドナーの配偶子またはインビボもしくはインビトロのいずれかで作られた胚の回収部位および沈着部位の間の距離である。細胞機能の保存は、他の性質の中でもpHおよび温度の変化に直接関係し、したがって、胚の移動の瞬間まで最適の条件下にそれを保持することが課題である。

上記を考慮すると、本発明は、主に農産物市場において見出される現在の繁殖の困難性の解決策を開示し、その主な目的は、哺乳動物の子宮に有効量のベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体を供給することによって、母親の子宮内での胚の着床率の増加を促進することである。

概要

本発明は、有効量のベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体を哺乳動物の子宮に投与することにより、哺乳動物の母親の子宮における胚の着床率を増加させる方法ならびに該レクチンを含む製品に関する。

目的

それにもかかわらず、ほとんどの場合、妊娠早期の胚損失の高い割合が原因で最適の繁殖レベルの維持は難しい課題である

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

哺乳動物子宮における着床率を増加させるための方法であって、有効量のベータガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体を前記哺乳動物の子宮に投与することを特徴とする、方法。

請求項2

前記哺乳動物の体重1kgあたり、0.0000001〜1.0mgの量の活性形態のベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体が投与されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。

請求項3

前記活性形態のベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体が、6.8から7.4の間のpHを有する、無菌で安定な、エンドトキシンを含まない等張担体の形態であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。

請求項4

前記担体が緩衝溶液であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。

請求項5

前記緩衝溶液が、リン酸塩緩衝食塩水PBS)または生理学血清から選ばれることを特徴とする、請求項4に記載の方法。

請求項6

前記ベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体が、ガレクチン−1、ガレクチン−3、ガレクチン−9、ガレクチン−13、ガレクチン−15、またはその誘導体から選ばれることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。

請求項7

前記ベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体が、精液卵母細胞または胚と混合されて、前記哺乳動物の前記子宮に供給されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。

請求項8

前記ベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体が、精液、卵母細胞または胚とともに、別々にかつ同時に、前記哺乳動物の前記子宮に供給されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。

請求項9

前記ベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体が、精液、卵母細胞または胚とともに、別々にかつそれに続いて、前記哺乳動物の前記子宮に供給されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。

請求項10

前記ベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体が、精液、卵母細胞または胚とともに、それに続いて前記哺乳動物の前記子宮に供給され、かつ、前記ベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体の供給と前記精液、卵母細胞または胚の供給との間の経過時間が、17日以下であることを特徴とする、請求項9に記載の方法。

請求項11

前記精液、卵母細胞または胚が、維持培地中で提供されることを特徴とする、請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法。

請求項12

前記精液が、新鮮であるか、冷蔵されているか、または凍結されている、請求項11に記載の方法。

請求項13

前記胚が、新鮮であるか、凍結されているか、またはガラス化されており、かつ、胚移植(ET)またはインビトロ受精(IVF)に由来するか、クローンまたはトランスジェニック胚であることを特徴とする、請求項11に記載の方法。

請求項14

前記卵母細胞が、新鮮であるか、冷蔵されているか、またはガラス化されていることを特徴とする、請求項11に記載の方法。

請求項15

前記ベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体が、精液、卵母細胞または胚とともに、子宮または経路を介して投与されることを特徴とする、請求項7〜14のいずれか1項に記載の方法。

請求項16

有効量のベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体の使用であって、哺乳動物の子宮における胚の着床率を増加させることを目的とすることを特徴とする、使用。

請求項17

哺乳動物の子宮における胚の着床率を増加させるために使用されることを特徴とする、ベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体。

請求項18

ガレクチン−1、ガレクチン−3、ガレクチン−9、ガレクチン−13、ガレクチン−15、またはその誘導体であることを特徴とする、請求項17に記載のレクチン

請求項19

哺乳動物の子宮における胚の着床率を増加させるための、有効量のベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体を含むことを特徴とする、製品

請求項20

本特許出願またはそこに提示された実施例に当初開示された事項包含される、その任意の実施態様または請求項のカテゴリーとすることができることを特徴とする、発明。

技術分野

0001

本発明は、有効量のベータガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体哺乳動物子宮投与することにより、哺乳動物の母親の子宮における着床率を増加させる方法ならびに該レクチンを含む製品に関する。

背景技術

0002

関連技術の説明
農業は、国民総生産におけるそのかなりのシェアおよび貿易収支への積極的な貢献のおかげで、ブラジル経済において重要な役割を演じる。

0003

農産物市場におけるその採算性を確保するためには、高品質の製品に対する消費者需要を満たすことを目的として、農業資産家畜の最大の繁殖効果を維持しなければならない。この意味で、適切な出産率の維持は、農業資産を採算性のあるものとする一連事象主要因子である。それにもかかわらず、ほとんどの場合、妊娠早期の胚損失の高い割合が原因で最適の繁殖レベルの維持は難しい課題である。

0004

生殖は、順々に多様な因子に依存する一連の生理学的事象の後の、同じ種の生物起源として定義されることができる。農業分野において最先端生殖技術を使用することは、動物実用寿命の間の最大の生産性を確保するための家畜の遺伝的改良、妊娠能力(母親の子宮への胚着床)の増大において重要な役割を有しうる。

0005

しかしながら、世界中で、胚損失はブリーダーへの経済的損失のもっとも一般的な原因の一つであり、したがって、妊娠の診断および維持に関与する複雑なメカニズムを考慮すると、早期の胚損失の予防はいまなお課題である。

0006

哺乳動物の母親の子宮への胚の着床率を確認する早期診断は、ブリーダーが予防的手段を講じ、最終的な経済的損失を最小化することを可能とするため、農業手順のための重要なツールである。したがって、より良い繁殖成果を達成し、処置コストを低減するために、卵巣の生殖生理学に関する向上した知識を考慮した新しいテクノロジーが開発される。

0007

市場ニーズにより、牛のインビトロ受精に類似した介助生殖技術がますます一般的になってきている。牛の効果的な繁殖成績は、多数の乳牛品種雌牛および肉牛品種の牡牛の誕生直接関係しているため、農業資産へ経済的利益を生み出している。

0008

ブリーディング、農業およびバイオエネルギー領域のためのスペースに関する苦闘とともに、動物起源の製品の質、規模および標準化に対する世界的な消費者需要などの他の市場の特徴が、より高い生産性の追求を刺激し、生殖バイオ技術を速いペースで進歩させた。

0009

世界的な一次市場の生産および消費ニーズと一致して、ブラジルの農業は、牛の群れの平均生産性を増大させるために介助生殖技術に依存しており、それは、該技術が遺伝的に優れた動物の誕生を実質的に増加させるからである。

0010

農業資産において使用される主な繁殖技術は:(i)自然の手段による交配または生殖;(ii)人工授精;(iii)その後に胚移植が続く、インビボの産生;および(iv)その後に胚移植が続く、インビトロの産生、を含む。選ばれた技術にかかわらず、繁殖方法主要目的は、繁殖種の最高パフォーマンスを可能とし、肯定的な成果を達成することである。

0011

交配は、ブリーダーにとって安価であるために、広く用いられる技術であるが、性感染症コントロールは限定的で、群れの遺伝的改良は遅い。この手順において、胚は由来の(したがって、母親由来の遺伝物質とは異なる)50%の遺伝物質で構成され、これは、多数のアロ抗原の形成を引き起こし、母子間寛容欠如による胚損失をもたらしうる。

0012

アロ抗原は、同じ種に属する他の生物体由来の遺伝物質によりコードされる任意の分子である。該分子が異なる分子であり、他の生物体に導入されるため、後者の免疫系は、「外来の」物質に対する一連の反応を生じるように誘導される。一例は、新たに受精した胚であり、これは、半分の遺伝物質が母親由来で半分の遺伝物質が父親由来であり;後者である半分は、母親の免疫系に対して外来であることができ、したがって、母親の生物体によって拒絶されうる。(それによって母親の生物体が胎児に対する免疫反応を引き起こすことなく、胎児を認識/許容する過程である)母子間免疫寛容の欠如は、早期流産の主因の一つである。

0013

農業分野で広く使用される他の繁殖技術は、人口授精AI)であり、これは、各雌の解剖学特殊性に適した特定の技術によって、雌の生殖管中に精液精子雄性配偶子および精漿)を人工的に沈着させることである。AIの成功は、妊娠率−または授精された雌の数に鑑みた、妊娠した雌の数により評価される。この手順において、生成された胚もまた、父親由来の(したがって、母親由来の遺伝物質とは異なる)50%の遺伝物質で構成され、したがって、これも多数のアロ抗原の形成を引き起こし、母子間寛容の欠如による胚損失をもたらしうる。

0014

さらに、それに胚移植(ET)が続くインビボの産生は、(遺伝物質を提供する)ドナーの雌の生殖管中で数個の胚が生成され、出産まで妊娠を代行する同じ種のレセプターの雌の子宮に移植される、生殖技術である。ドナーの子宮中への胚の生成は、過剰排卵、人工授精および胚のフラッシング(flushing)技術を含む。フラッシング後、胚が評価され、そして、生存能力のあるものが移植されるかまたは凍結保存されることができる。インビボでの産生からレセプターの子宮または子宮角への胚の移植(沈着)は、発情同期化(すなわち、レセプターの子宮を胚発生と同じ段階に適合させること)のためのプロセスに依存する。この手順において、レセプターの生物体に移植される胚は、100%に至るアロ抗原で構成され、それは、それらが完全にドナーおよび父親の遺伝物質から成るからであり、これは母子間寛容の欠如による胚損失のより高いリスクを意味する。

0015

一方、その後に胚移植が続くインビトロの受精は、実験室での胚の生成に関し、該胚は、出産まで妊娠を代行するレセプターである同じ種の雌の子宮へ移植される。胚の実験室における産生は、以下に依存する:(i)超音波誘導濾胞穿刺による、ドナーの卵巣からの卵母細胞吸引;(ii)IVM−それにインビトロの卵母細胞質および卵母細胞核の成熟の誘導が続く、インビトロの卵母細胞の成熟;(iii)IVF−インビトロの受精または成熟した卵母細胞と能力のある精子の配偶子合体プロセス:(iv)IVC−5〜7日の培養後の移植のための適切な段階(桑実胚および/または胚盤胞)に上記胚が到達するまでの、受精後の胚のインビトロの培養;(v)胚移植−培養期間後−この時、胚が評価されなければならず、優れた生存能力のあるものが移植され、凍結乾燥され、および/またはガラス化されることができる。インビトロで産生された胚の、レセプターの子宮または子宮角への移植も、発情同期化(すなわち、レセプターの子宮を胚発生と同じ段階に適合させること)のためのプロセスに依存する。この手順において、レセプターの生物体中で排卵される胚は、100%に至るアロ抗原(異なる遺伝物質)で構成され、それは、それらが完全にドナーおよび父親の遺伝物質から成るからであり、これは母子間寛容の欠如による胚損失のより高いリスクを意味する。

0016

上記のとおり、母子間寛容は、母親の生物体の胚または胎児に対する反応を調節する免疫プロセスである。生物体の免疫系は、その正常な生理学的状態を害しうる外部因子および/または攻撃者に対する一連の複合的な反応に関与する。

0017

妊娠中免疫調節反応は、排卵、交尾および受精により招かれる、何よりも受胎産物(胚または胎児および関連する膜)の成長および発達を目的とするものである。

0018

この意味で、Lewis、S.K.et al, 2007(Gelectin−15 [LGALS15]:A Gene Uniquely Expressed in the Uteri of Sheep and Goats that Functions in Trophoblast Attachment)は、反芻動物において、MO期の胚(桑実胚、4日目〜6日目の間)が子宮に入り栄養外胚葉細胞と呼ばれる細胞の単層を含むBL期(胚盤胞、6日目〜7日目の間)までのその発生を継続することを観察した。透明帯破裂の後、ヒツジにおけるD12(12日目)またはヤギにおけるD15(15日目)まで、胚は伸長段階に留まる。該段階の間、栄養外胚葉は、インターフェロンタウ(IFNT)を産生し、これは、次に、黄体退行(黄体の退縮)に関与する。黄体(卵胞)が活性であるとき、プロゲステロン(P4)の産生は維持され、その後、子宮内膜(子宮壁を被覆する粘膜)が最終的な妊娠のために準備される。上記論文はまた、P4およびIFNTが子宮内膜上皮におけるガレクチン−15の転写を調節するとも述べている。ガレクチン−15は、受胎産物の栄養外胚葉の子宮内膜への固定/接着に参加することから、該ガレクチンは子宮環境内で作用し、こうして、妊娠の胚盤胞の伸長段階の間および結果的に娩出に至るまでの不可欠な事象である接着および遊走などの生理学的反応を刺激するだろう。

0019

第二に、Farmer,J.L.et al,2008による論文(Galectin−15(LGALS15) Functions in Trophectoderm Migration and Attachment)によれば、ガレクチン−15は、細胞増殖およびアポトーシス阻害を刺激し、これらはどちらも着床期の間の重要な事象である。該著者らは、ガレクチン−15遺伝子はヒツジ、ヤギおよびウシ種に存在するが、ガレクチン−15のmRNAメッセンジャーRNA)はヤギとウシの伸長期にのみ発現され、その発現は発情周期の相に従って変化することを証明した。さらに、雌がP4による処置を受けた場合、子宮注入による外来IFNTの投与だけがガレクチン−15の遺伝子発現を増加させると述べられ、したがって、ガレクチン−15のmRNA転写の誘導物質としてIFNTとP4を一緒に用いる必要性を証明している。

0020

Satterfield,M.C. et al, 2006(Progesterone Regulation of Preimplantation Conceptus Growths and Galectin−15 [LGALS15] in the Ovine Uterus)は、P4が、受胎産物の生存および成長ならびに着床期の間の細胞接着調節物質であると考えられるガレクチン−15およびオステオポンチン(Secreted Phosphoprotein 1)(SPP1)などの子宮内膜によって分泌される数種のタンパク質の遺伝子発現を誘導する、と結論した。この意味で、Burghardt,R.C. et al, 2009による論文(Enhanced Focal Adhesion Assembly Reflects Increased Mechanosensation and Mechanotransduction at Maternal−Conceptus Interface and Uterine Wall During Ovine Pregnancy)は、SPP1およびガレクチン−15が、子宮環境−受胎産物の境界面における機械受容器であると述べている。

0021

別の考え方によれば、Than,N.G. et al,2008(Emergence of Hormonal and Redox Regulation of Galectin−1 in Placental Mammals: Implication in Maternal−Fetal Immune Tolerance)により実施された研究は、ガレクチン−1が高いレベルの構造的保存、二量体化ならびに炭化水素およびインテグリン接着タンパク質)との結合特性を示すと結論づけ、これらの性質脊椎動物の間で保存され、異なる胎盤タイプ(脱落膜であるか否かのいずれか)の間で標準的な遺伝子発現を維持していると示唆した。該著者らは、ガレクチン−1が胎児アロ抗原に対する母性寛容を与え、子宮のナチュラルキラー(NK)細胞の作用を調節し、そして、T細胞調節剤および抑制剤(T細胞は細胞性免疫に関与する)として作用しうるということも観察した。最後に、該著者らは、子宮内膜によるガレクチン−1産生の刺激におけるP4の相乗作用を確認した。

0022

受精研究のおかげで、ガレクチンの役割が、免疫反応ならびに胚の伸長(embyo elongation)および胚の子宮内膜への接着の調節に関係していると認めることができる。

0023

ガレクチンは、哺乳動物のベータ−ガラクトシドレクチンのリガンドであり、多くの組織によって発現可能であることが知られている。これらのレクチンは、一般に、可溶性であり、ペプチドシグナルを含まず、小胞体およびゴルジ複合体から独立したメカニズムにより分泌される。今日現在、15種類の哺乳動物ガレクチンに関する記述があり、そのすべてが約130アミノ酸残基の糖認識ドメインを有する。

0024

ガレクチンと細胞外スペース中の免疫系細胞面由来グリカン相互作用が、サイトカインおよびメディエーターの産生、細胞接着、アポトーシス、走化性ならびにエンドサイトーシスを調節することができることが知られている。細胞内環境においては、ガレクチンは情報伝達経路に参加し、そして、アポトーシス、細胞増殖およびmRNA前駆体スプライシングの制御などのいくつかの生物学的応答を調節することができる。

0025

Farmer,J.L. et al, 2008(上記論文)は、ガレクチン−15およびガレクチン−1以外の他のガレクチンが、哺乳動物の子宮内膜および胎盤により発現され、子宮内膜の分化、胚盤胞の着床および栄養膜の分化などにおける重要な機能を示すことができる、とも開示している。Poppovich et al, 2005(Galectin−9:a New Endometrial Epithelial Marker for the Mid−and Late−Secretory and Decidual Phases in Human)は、ガレクチン−9の特性を開示し、そして、Lee et al, 1998(Spatio−Temporal Pattern for Expression of Galectin−3 in the Murine Utero−Placental Complex? Evidence for Differential Regulation)は、ガレクチン−3の発現に関する。さらに、該文献中には、組換えガレクチンまたはこれらタンパク質の特異的阻害剤の潜在的な治療用途報告する数報の他の記事がある。

0026

ガレクチン−1は、接着、増殖、分化および細胞周期;アポトーシス;RNAスプライシング炎症過程及び適応免疫反応の制御などの生物学的過程に参加する多機能性分子である。内因性のガレクチン−1の発現は、胸腺上皮細胞抗原感作されたT細胞、活性化されたマクロファージ、(体液性免疫に関与する)活性化されたB細胞内皮細胞間質細胞、ならびに胸腺およびリンパ節などのマウスリンパ系器官において既に確認されていた。その免疫調節特性を考慮すると、(内因性または外因性のいずれかの)ガレクチン−1は、胎児損失および/または胚の死亡を予防するための重要なメディエーターである。

0027

ガレクチン−1は、活性を有し、無菌で、アルキル化され、かつエンドドキシンを含まない形態で異種発現系によって哺乳動物(ヒト、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマおよび/またはブタ種)から得られることができる。組換えガレクチン−1を得るための方法は、文献中で広く知られており、一般に、以下のステップ:(i)ガレクチン−1を含む未加工の細菌抽出物を得るステップ;(ii)ガレクチン−1を精製するステップ;(iii)ヨードアセトアミドによるアルキル化を通じてガレクチン−1のレクチン活性を保存するステップ;および(iv)ヨードアセトアミドによりアルキル化されたガレクチン−1調製物細菌性エンドトキシンLPS)を除去するステップ、を含む。本実験中で実施された試験について上記文献中で開示された可能な選択肢の中でも、我々は、以下の手順に基づいてガレクチン−1を生成した。

0028

組換えガレクチン−1を得るための最初のステップは、50μg/mLアンピリシン(USB Corporation, USA)を含む200mLのLB Broth Base(Invitrogen, Gibco, Carlsbad, CA, USA)中のガレクチン−1遺伝子を含む発現ベクター(好ましくは、pET29aプラスミド)で形質転換された細菌培養(好ましくは、大腸菌ロゼッタ株(E.coli rosetta strain))で開始し、これはオービタルシェーカーにおいて200rpmで16〜18時間、37℃で実施される。この期間の後、この培養の25mLが、500μLのアンピシリン(50μg/mL)を含む、先にオートクレーブにかけた半分のLB(half LB)1Lに移される。さらに、この細菌懸濁液が、さらに2時間、37℃、200rpmのオービタルシェーカーにおいてインキュベートされる。最適の細菌増殖速度は、600nmにおいて0.5〜0.5の間の光学密度OD)範囲を示す。さらに、形質転換された細菌によるガレクチン−1の発現を誘導するために、半分のLB1mLで希釈した0.36gのイソプロピル−D−チオガラクトピラノシドIPTG、Promega,WI,USA)が培養に添加される。再度、シェーカー(37℃−250〜300rpm)において培養が4時間実施される。この期間の後、細菌懸濁液が5000gで15〜20分、4℃で遠心分離され、培養ペレットが再度、3000gで15〜20分、4℃において遠心分離される。最後に、上清廃棄され、ペレットが使用の瞬間まで、−80℃で貯蔵される。

0029

組換えガレクチン−1を得るための第二のステップは、上記細菌ペレットから続いて、これが氷浴中で融解され、次いで7mLのPBSリン酸塩緩衝食塩水−NaCl(136.8mM);KCl(2.7mM);Na2HPO4(6.4mM);KH2PO4(0.9mM、pH7.4);14mMメルカプトエタノール(2−ME)(Merk−Schuchardt, Germany)、1錠のEDTAを含まないプロテアーゼ阻害剤(Roche Diagnostics GmbH、M, Germany)1mLのリゾチーム−1mg/mL(Roche Diagnostics GmbH、M, Germany))、10μLのRNAse A Type 3A−10mg/mL(Sigma−Aldrich)および10μLのDNAse I Type IV−10mg/mL(Sigma−Aldrich)を含む溶解バッファー中に再懸濁され、その後、氷浴中で溶解バッファーとともに30分間、インキュベーションされる。さらに、該サンプルは、それぞれ40Wにおいて、20秒間で5サイクル超音波処理され(Sonics Vibra cell; SONICS & MATERIALSINC.);サイクルの合間に懸濁液を15秒間休ませる。その後、細菌ライセートが4℃において10,000gで45分間、遠心分離される。その後、上清が集められ、カラム体積5mLのアガロースラクトースカラム(Sigma−Aldrich)におけるアフィニティークロマトグラフィーかけられる。非リガンド物質(nonligand)は、バランスバッファー(14mMまで2−MEを加えた、pH7.4のPBS)で溶出され、2mLの分画が20個集められる。アフィニティーカラムリガンドが、(14mMラクトースを含む、pH7.4の)溶出バッファーで溶出され、0.5mLの分画が10個集められる。280nmにおける吸光度読み値(UV Mini 1240, Shimadzu)およびポリアクリルアミドゲル電気泳動により、クロマトグラフィー手順がモニターされる。ガレクチン−1溶液中のタンパク質濃度が、280nmの吸光度読み値を用いる分光分析または市販の比色アッセイによって決定され、ミリリッターあたりのタンパク質のミリグラム数(mg/mL)であらわされる。ガレクチン−1をアガロース−ラクトース上で精製するためのこの過程により得られたクロマト分画を、電気泳動(SDS−PAGE「Sodium Dodecyl Sulfate Polyacrylamide Gel Electrophoresis」)により分析する。還元および解離バッファー中に含まれるサンプル(最終体積20μL)が、ポリアクリルアミドゲル(15%)に加えられ、一定電圧(150V)で電気泳動される。未加工の細菌ライセートおよび非リガンド物質のクロマト分画がサンプルとして使用された。対照のためには、既知の分子量スタンダードが使用される(LMWH−Low Molecular Weight Calibration kit for Electrophoresis−GE, Amersham−Biosciences, Uppsala, Sweden)。ゲルは、「Coomassie Brilliant Blue」により着色される。アガロース−ラクトースにおけるクロマトグラフィーから得られたガレクチン−1溶液は、このタンパク質のレクチン活性を維持する目的で、溶出バッファー中に保存され、使用の瞬間まで−80℃で貯蔵される。アッセイのために、これらの溶液は、製造者の指示に従い、分子排除クロマトグラフィー(Sephadex−G25M;Pharmacia LKB,Uppsala, Sweden)によってPD10カラム中で脱塩される。脱塩されたガレクチン−1溶液の濃度は、上記の分光分析または比色反応によって決定される。アガロース−ラクトース樹脂中で精製されたガレクチン−1中のレクチン活性(ガレクチン−1の糖を認識する能力)の維持レベルを評価するために、このタンパク質のサンプルがPD−10カラム中で脱塩され、直ちにアガロース−ラクトースカラム中で再度クロマトグラフィーにかけられる。それぞれ1.0mLの20個の分画が集められた。溶出過程は、タンパク質濃度(mg/mL)によってモニターされる。この最後の手順において、洗浄バッファーによるガレクチン−1の溶出が、このタンパク質のレクチン活性損失の指標と考えられ、それは、かかる条件下では、ガレクチン−1はラクトースを認識できないことによってアガロース−ラクトース樹脂中に保持されないからである。ガレクチン−1のスルフヒドリル基酸化およびその変性は、この分子のいくつかの機能に関連する性質である、このタンパク質のレクチン活性の損失を促進しうる。精製されたガレクチン−1溶液が−80℃で貯蔵され、使用前に融解されなければならないことを考慮すると、このレクチンの赤血球凝集素活性(hemagglutinant activity)に対する上記手順の影響が評価されなくてはならない。赤血球凝集は、ガレクチン−1特異的なハプテン糖、すなわち、ラクトース(20mM)の存在下または非存在下で起こる。2μM以下の濃度で赤血球凝集素活性を示すガレクチン−1調製物のみが、異なるアッセイにおいて使用された。

0030

組換えガレクチン−1の調製のための第三のステップは、赤血球凝集および/またはこれらの組換えガレクチン−1調製物のレクチン特性の維持の測定を可能とする他の方法によって、このレクチンのアルキル化調製物のレクチン活性を制御することを含む。ガレクチン−1のスルフヒドリル基の酸化は、このタンパク質の変性およびレクチン活性の損失を促進する。したがって、より安定なガレクチン−1サンプルを得るためには、このレクチンの調製物が、スルフヒドリル基と共有結合性に反応する還元性化合物であるヨードアセトアミドの使用によりアルキル化され、こうしてカルボキシアミドメチル−ガレクチン−1(アルキル化ガレクチン−1)を生成する。すなわち、0.037gのヨードアセトアミド(Protein−Iodoacetamide, Sigma−Aldrich;最終濃度20μM)が、100mMのラクトース存在下で、1.0mlの精製ガレクチン−1溶液中で希釈される。その後、この溶液は、光から保護された氷浴中で16〜18時間インキュベートされる。インキュベーション後、遊離のヨードアセトアミドおよびラクトースを除去するために、上記溶液はPD10における分子排除クロマトグラフィーにかけられる。上記のとおり、アルキル化ガレクチン−1調製物の濃度は、分光分析により決定され、mg/mLで表される。

0031

組換えガレクチン−1の調製のための第四のステップは、細菌性エンドトキシン(LPS)の除去に関する。その細胞壁組成中にLPS(リポポリサッカライド)を有するグラム陰性細菌からガレクチン−1が得られたことを考慮すると、ヨードアセトアミドによるアルキル化ステップの後、ガレクチン−1調製物は、Polymixin B−agaroseカラム(Detoxi−Gel Endotoxin Removing Gel, Pierce,IL, USA)におけるアフィニティークロマトグラフィーにかけられる。アルキル化ガレクチン−1調製物からLPSを除去するための手順の有効性は、QCL−1000キット(Chromogenic Limulus Amebocyte Lysate Assay, Cambrex Company, MD, USA)を使用してLPSエンドトキシン量を測定することによって評価される。その後、活性を有し、かつ、エンドトキシンを含まないアルキル化ガレクチン−1調製物は、濾過(0.22mMの膜)により滅菌される。

0032

組換えガレクチン−1の調製方法が開示されているため、非常に類似した手順により、任意の他のベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体が得られうることは注目すべきである。

0033

したがって、ガレクチン−1が免疫不全の調節、免疫反応の阻害ならびにインビボおよびインビトロの両系におけるT細胞機能の調節において重要な役割を演じることが分かって、米国特許出願第US12/175,227号は、ホジキンリンパ腫を含む免疫不全を予防し、かつ、治療するための、上記レクチンの免疫反応の調節方法を開示する。

0034

他の分子および/または細胞との相互作用の可能性に関して、ガレクチン−1の存在下では、樹状細胞寛容原性となり、かつ、哺乳動物における免疫反応を調節し、自己免疫疾患の発生を予防し、ならびに、移植片の拒絶を逆行させることができることが知られている。この意味で、米国特許出願第US12/137,004号は、新生物、ならびに自己免疫疾患および感染性疾患を治療することを目的として、上記レクチンの存在下で樹状細胞を含む製剤を調製する方法を開示する。

0035

Blois, S.M.et al,2007による論文(A Pivotal Role for Galectin−1 in Fetomaternal Tolerance)は、騒音への曝露により引き起こされたストレス誘導性の胎児損失を評価するためにガレクチン−1が同種同系マウスに腹腔内投与される、実験的処置モデルの結果に基づく。マウス子宮中でのガレクチン−1の発現が環境の変化に非常に敏感であって、雌の妊娠を危険にさらすことがストレスにつながることは注目される。一方、マウスが組換えガレクチン−1で処置された場合、胎児損失の発生は顕著に減少する。

0036

妊娠を維持するためには、母親の生物体は、ホルモンおよび免疫の変化を含むかなりの変化を受けることが知られている。胚着床のための子宮内膜の準備が、単なるホルモン刺激という問題ではなく、胚盤胞と子宮内膜の間の相互作用に依存し、かつ、子宮内膜および胚盤胞により産生され、分泌される、サイトカイン、成長因子および接着分子によっても仲介されるということが証明されている。そうであっても、異なる生理系の間の相互作用が、孤立した因子のみによっては説明できない妊娠損失をもたらすこともある。

0037

農産物市場の観点からは、交配または人工授精のいずれかによる妊娠における母子間免疫寛容のメカニズムは、胎児アロ抗原に対する免疫反応の点から見て、生殖に関する獣医学医薬にとってはなお、課題である。

0038

こうした面において、妊娠損失がブリーダーにとっての過激結末とともに経済的損失を生み、そして、消費者のニーズに適合し、彼ら自身の資産の採算性を維持するためには、満足のいくレベルの繁殖効果を維持しなければならないことには注目すべきである。

0039

さらに、乳牛および肉牛のブリーダーは、生殖技術を使用して受精後に胚の性別を同定するのが一般的である。しかしながら、さらにレセプターの子宮に移植されるインビトロで産生された胚は、主に維持培地により招かれ、早期の胚損失をもたらす形態学的および構造的変化によって、満足のいく生存率を示さない。

0040

さらに、生殖バイオ技術の商業的応用に関する制約の一つは、雄の(精液)もしくは雌の(卵子)ドナーの配偶子またはインビボもしくはインビトロのいずれかで作られた胚の回収部位および沈着部位の間の距離である。細胞機能の保存は、他の性質の中でもpHおよび温度の変化に直接関係し、したがって、胚の移動の瞬間まで最適の条件下にそれを保持することが課題である。

0041

上記を考慮すると、本発明は、主に農産物市場において見出される現在の繁殖の困難性の解決策を開示し、その主な目的は、哺乳動物の子宮に有効量のベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体を供給することによって、母親の子宮内での胚の着床率の増加を促進することである。

発明が解決しようとする課題

0042

発明の目的
本発明の目的は、いろいろな種の中でもウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、バッファローイヌネコ及びヒト種の母親の子宮における胚の着床率を高め、母親の免疫系による胚の排除を予防するために、有効量のベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体、好ましくは、ガレクチン−1、ガレクチン−3、ガレクチン−9、ガレクチン−13もしくはガレクチン−15、またはその誘導体から成る群のメンバーを使用することである。

0043

本発明の他の目的は、人工授精、インビトロもしくはインビボの胚移植、または交配によって、哺乳動物の生殖管に、ベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体を移すことによって、哺乳動物の子宮における胚の着床率を高めることである。

0044

さらに、本発明の目的は、以下の:(i)新鮮であるか、冷蔵されているかまたは凍結されている精液;(ii)新鮮であるか、凍結されているかまたはガラス化されている卵母細胞;および(iii)新鮮であるか、凍結されているかまたはガラス化されている、胚移植もしくはインビトロの受精由来の胚、またはクローンもしくはトランスジェニック胚の受精を促進するために、有効量のベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体を使用することである。

0045

本発明の他の目的は、哺乳動物の子宮における胚の着床率を高めるために、ベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体を提供することである。

0046

最後に、本発明の目的は、哺乳動物の子宮における胚の着床率を高めるために、有効量のベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体を含む製品を使用することである。

0047

発明の簡単な説明
本発明の目的は、以下の:
(a)有効量のベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体を哺乳動物の子宮に投与することによって、哺乳動物の子宮における胚の着床率を増加させるための方法;
(b)哺乳動物の子宮における胚の着床率を増加させるための、有効量のベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体の使用;
(c)哺乳動物の子宮における胚の着床率を増加させるために使用される、ベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体;および
(d)哺乳動物の子宮における胚の着床率を増加させるための、有効量のベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体を含む製品、
によって達成される。

0048

発明の詳細な説明
本発明において、着床率は、介助生殖技術によるか否かにかかわらず、受精(雄性および雌性配偶子合体)後に、実際に哺乳動物の子宮内膜に接着した胚の数に関する。

0049

本発明の目的は、慣用緩衝溶液中の有効量のベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体の活性形態を、単独でまたは維持培養液中の精子、卵母細胞もしくは胚と混合して、子宮または経路のいずれかにより哺乳動物の母親の子宮に供給することによって、達成される。

0050

緩衝溶液は、精液、卵母細胞または胚を維持し、取扱いおよび移植することを目的とし、好ましくは、緩衝食塩水(リン酸塩緩衝食塩水−PSB)またはpHが6.8から7.4の間の、無菌で安定な、エンドトキシンを含まない等張の生理学的血清から成る担体である。

0051

維持培地は、温度に従う可変時間の間、大気下で胚を維持するための、複合的かつ血清を含まない培地である。維持培地は通常、等張の緩衝溶液から成り、必須アミノ酸、成長因子、酵素エネルギー基質、細胞栄養素および抗生物質を含む。

0052

維持培地の例は、希釈剤、すなわち、精液の受精能力を維持するために、精液に添加されるかまたは混合される、希釈用液体である。凍結のための特別な希釈剤も、極低温貯蔵に適した性質を有し、したがって、輸送、凍結および融解を可能とする。希釈剤は、等張緩衝剤、エネルギー基質および細胞栄養素、抗生物質、抗酸化剤および凍結保護物質から成る。

0053

本発明の目的は、ベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体を精液、卵母細胞または胚と同時にまたはそれに続いて、哺乳動物の子宮に供給することによっても達成されることができる(これらのステップはさらに定義される)。

0054

本発明によって提供される利益のいくつかは、本明細書で以下に記載するいろいろな態様の中でも、以下の:家畜の繁殖効率の増加;子孫における質的および量的改善;誕生と屠殺の間の時間の短縮;飼養コストの低減;ヘテロ接合の可能性の増大;取扱いの改善ならびに技術的な、健康および繁殖のための支出の低減である。

0055

本発明は、哺乳動物の子宮における胚の着床率を増加させるための、ベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体、好ましくは、ガレクチン−1、ガレクチン−3、ガレクチン−9、ガレクチン−13およびガレクチン−15の使用を含む。

0056

生殖バイオ技術による哺乳動物の子宮における胚の着床率の増加は、それが技術の結果および/または成功を、経済的に実行可能なレベルまで改善することを考慮すると、遺伝的進歩のためのツールとしてかかる手順を使用する実行可能性を直接反映する。

0057

さらに、遺伝的に優れた個体からの遺伝物質を生殖技術に使用することはより好ましく、それは、これらの動物の普及を最大化し、明らかに優れた個体の不足に対する代替物を提供するからである。生殖バイオ技術は、世代間隔の減少も可能とする。

0058

さらに、今日の世界的な課題の一つは、耕作可能な土地面積縮小し、これから25年にわたる人口増加が50%と推定される地球上の地域における飢餓を克服することである。したがって、ウシ、ブタ、ヒツジ、および他の種の母親の子宮における胚の着床率の増加は、全体としての食物生産の増加を意味し、これは、それに対する需要がこれからの25年間で2倍となり、1年あたり127,000,000トン超に達すると予想される、食肉生産を含む。

0059

生産性の高い群れの哺乳動物の子宮における胚着床率増加の影響は以下のとおりである:
・子孫における質的および量的改善−肉牛においては、体重および質の両方−毎日体重増加量の増大、サシの質の改善、柔らかさ、肉の風味、そしてまた、最終製品にさらなる価値を付加する(肉の)最高の部分の生産の改善。乳牛の群れにおいては、それは、生産性の増大および改善されたミルクの質を提供する。
・それは、屠殺までの時間の短縮も提供し、すなわち、遺伝的改善に由来する毎日の体重増加量の増大が、誕生から屠殺までの時間を最大30%短縮する。したがって、動物の初期成長が顕著に増加する。
・飼養コストの低減:優れた遺伝子の質を達成するために必要な投資の増大にもかかわらず、屠殺までの時間を短縮する早熟性の増大という主な理由による動物の生産コストの低減は十分に満足できるものである。上記の観点から、生産コストは少なくとも10%低減される。
・ヘテロ接合の可能性の増大:ブラジルの熱帯性気候に適さないが、群れの屠殺体、早熟性および多産生の改善を提供するウシ品種を異種交配させることがより実行可能になる。
・取扱いの改善ならびに技術的、健康および繁殖のための支出の低減:生殖バイオ技術の使用は、ウシへの性的感染症蔓延を予防することからより良い健康状態を提供し、病気を治療するための薬剤への支出を低減し、ひいては、生産コストを低減する。

0060

より具体的には、本発明は、ガレクチン−1の存在下での哺乳動物の子宮における胚の着床率の増加を証明するための、雌牛においてインビボで産生された胚の移植についての試験の成果である。

0061

22μL中、無菌で活性を有し、アルキル化され、かつエンドトキシンを含まない組換えヒトガレクチン−1の100μgの単回投与量を、子宮経路を介して胚のレシピエントに投与した。上記投与量がウシの体重に比べて劇的に低く、(通常、実験動物として使用される)マウスと違って一回に単胎妊娠する備えができた体を有する、処置される雌のバイオセキュリティーの面から好ましい、ということは注目すべきである。

0062

哺乳動物における受精の調節剤としてのガレクチン−1の効果を評価するために、我々は非同種同系の限定された動物を、通常の取扱い条件で使用した。

0063

ドナーの雌ウシを、過剰排卵させ、受精のD0(0日目)に授精させた。D0に排卵させるために、レシピエントは並行して発情同期化プロトコールを受けた。

0064

D7(7日目)に、ドナーは桑実胚期および/または胚盤胞段階の胚の回収および評価の相に入った。黄体の発達に従って先に選ばれたレシピエントに同じ日に移植するために、不良(グレード3)、良(グレード2)および優良(グレード1)の胚をボトルに入れた。

0065

一般に、胚の分類は、形態学的パラメータの観点から実施し、それらの発達段階によって定めた3つの主要段階を包含する。最良では、胚は目に見える断片を有してはならず、細胞は均一なサイズでなければならない。また、優秀な形態を有する胚のすべてが内面的に健康であるわけでないことは注目すべきで、それは、それらが未受精卵、精子および受精過程自体に関係する条件にさらされるからである。

0066

TQC登録商標)維持培地のカラム上の胚および他のカラム上の無菌の生理学的血清で希釈したガレクチン−1を同じストロー中に詰め(詰める時点で、胚がガレクチン溶液と接触しない)、そして、授精ピペットの助けによってドナーと同期化したレシピエントの子宮に移植する。すべてのストロー内容物を直ちに移植し、この実施態様において、胚およびガレクチン−1は別々にかつ同時にレシピエントの子宮に到達する。

0067

試験の目的は、胚移植日の30および60日後に、(i)ガレクチン−1による局所処置を受けたレシピエント、(ii)ガレクチン−1の非存在下で移植した胚のレシピエントにおいて確認した哺乳動物の子宮における胚の着床数を分析することであった。この目的のために、移植胚のレシピエントを、各交配(ドナー×精液)ついての以下の:対照群(ガレクチン−1非存在下の胚)および処置群(ガレクチン−1存在下の胚)の2つの異なる群に分けた。

0068

妊娠の診断を、処置群および対照群の両方について、2つの異なる時点における超音波試験によって実施した:(以下の表に「P30」と表す)第一の測定を胚移植の30日後に実施し、(以下の表に「P60」と表す)哺乳動物の子宮における胚の着床率の第二の評価を胚移植の60日後に実施した。

0069

方法論
レシピエントは、ミルク産生が良好で既知の繁殖評価を有する雌ウシであった。レシピエントは、ミルク産生量が高く、既知の繁殖評価を有するホルスタインの雌であった。

0070

交配の選択手順は、各ドナーのための繁殖動物(精液投与)の選択を意味する。胚の回収および評価の後、生成した胚の約半分を対照群に属するレシピエントの子宮に移植し、胚のもう半分を処置群に属するレシピエントの子宮に移植した。対照群と処置群を同等とするために、示す質の程度によって胚を両群間で等しく分けるように努めた。

0071

方法論:対照群
対照群における胚移植手順を、そのようなイベントへの伝統的アプローチにしたがって実施した、すなわち、レシピエントの(発情期に排卵が起こった)黄体と同側の子宮角において胚移植が生じた。使用したストローは、3つの主なカラムから成り、TQC(登録商標)維持培地の1つのカラム、次に、空気を入れたカラム、それに続いて、胚を含むTQC(登録商標)維持培地のカラム、それに続いて空気を入れた別のカラム、それに続いて、TQC(登録商標)維持培地の別のカラムを詰めた。ストローの内容物をすべて一度に移植した。

0072

方法論:処置群
処置群の胚移植手順を、伝統的アプローチにしたがって実施した、すなわち、レシピエントの(発情期に排卵が起こった)黄体と同側の子宮角において胚移植が生じた。使用したストローは、3つの主なカラムから成り、TQC(登録商標)維持培地の1つのカラム、次に、空気を入れたカラム、それに続いて、胚を含むTQC(登録商標)維持培地のカラム、それに続いて空気を入れた別のカラム、それに続いて、ガレクチン−1を含む維持培地の他のカラムを詰めた。ストローの内容物をすべて一度に移植し、この実施態様においては、胚およびガレクチン−1は、別々にかつ同時にレシピエントの子宮に到達した。

0073

結果:以下に例示する2つの表において、一番左側の列(反復)は、全部で12回に相当する、各雌ウシにより生成された胚の移植の反復回数を示す。一方、2つの他の列は、さらに分割して、得られた結果を対照群および処置群によって分け、それに続く2つの他の列は、手順においてガレクチン−1を使用して得られた、レシピエントの子宮における胚の着床率の増加の間の関係を示す。

0074

「対照数量」に相当する列は、ガレクチン−1の非存在下での胚移植から生成した胚の数を示す。右側に続く列(対照P30)は、さらに分割して、胚移植の30日後の着床数(数量30)と同期間の間の着床率に対応する各パーセンテージ(T30)の両方を示す。さらに分割して、胚移植の60日後の着床数(数量60)と同期間の間の着床率に対応する各パーセンテージ(T60)の両方を示す、右側の次の列(対照P60)に同じ論法を用いる。

0075

「処置数量」に相当する列は、ガレクチン−1の存在下での胚移植から生成した胚の数を示す。右側に続く列(処置P30)は、さらに分割して、胚移植の30日後の着床数(数量30)と同期間の間の着床率に対応する各パーセンテージ(T30)の両方を示す。さらに分割して、胚移植の60日後の着床数(数量60)と同期間の間の着床率に対応する各パーセンテージ(T60)の両方を示す、右側の次の列(処置P60)に同じ論法を用いる。

0076

「Δ着床率」に相当する列は、さらに分割して、対照群および処置群のP30で得られた着床率の差(Δ30)ならびに対照群および処置群のP60で得られた着床率の差(Δ60)を示す。
表:

0077

0078

表1に見られるとおり、結果全体の分析は、胚移植の30日後、処置群が、60.3%の着床という、対照群の43.7%よりも高い母親の子宮における着床率を示したことを示している。胚移植の60日後の最終結果の分析は、処置群の着床率が、母親の子宮において50%であった一方、対照群は35.9%であったことを示した。

0079

表1の結果を考慮すると、ガレクチン−1の使用が、母親の子宮における胚着床数を、30日後に16.7%、および60日後に14.1%増加させたと結論することができる。

0080

0081

表2に列挙した結果は、グレード2の胚の胚移植の30日後に、処置群が、56.8%の着床率という、対照群により達成された41.3%の着床よりも高い、母親の子宮における着床数を示すことを示した。グレード2の胚の移植60日後の最終結果の分析は、処置群の着床が母親の子宮において48.6%であった一方、対照群は33.9%の割合であったことを示した。

0082

表2に列挙された結果を考慮すると、処置群のウシレシピエントの子宮に供給されたガレクチン−1が、着床数を、30日後に15.5%、および60日後に15.3%増加させ、雌牛の雌雄におけるグレード2の胚の着床率を高めた、と結論することができる。

0083

組換えヒトガレクチン−1が、それが異なる種由来であるという主な理由によってウシの母親の子宮中で抗原として作用することを考慮すると、(i)ガレクチンと同じ種由来のグリカンの間のより大きな相互作用、および、結果としての(ii)哺乳動物の母親の子宮における胚の着床率の増加におけるガレクチン−1のより優れた能力、を証明するためにこの実験において研究が行われている。

0084

哺乳動物の子宮における胚の着床率の増加を可能とするガレクチン−1により引き起こされる生理学的メカニズムは、いまなお研究されており、それは、胚が移植されたウシレシピエントの妊娠がいまだ出産予定日に達していなかったからである。

0085

牛においては、胎盤は異なるサイズおよび形状を有する多数の構成単位を有し、これらは、子宮内で再結合された隠れた陥入を有する胎児の絨毛で覆われた表面とお互いに入れ込まれて膨らみとなる。妊娠の維持のために、胚は、IFNTの産生を介してその存在のサインを送ることによって子宮環境に参加しなければならない。したがって、黄体退縮は阻害されたままであり、その結果としてP4レベルが高く保たれる。したがって、IFNTとP4の両方が、mRNAを刺激して子宮内のガレクチンのレベルを増加させる。母親の環境が胚を認識し、許容した後、胚盤胞細胞が分化し、子宮上皮の細胞と一体化し、こうして母親組織と直接に接触することとなる。

0086

したがって、哺乳動物の母親の子宮における胚の着床率の増加は、免疫寛容に関するメカニズムの調節および/または胚盤胞の伸長ならびに子宮内膜における胚の接着を促進することへのガレクチン−1の参加によって説明されると考えられる。

0087

本発明はさらに、ベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体、好ましくは、ガレクチン−1、ガレクチン−3、ガレクチン−9、ガレクチン−13もしくはガレクチン−15、またはその誘導体が、精液、卵母細胞または胚の生殖能力を調節するための作用物質としての役割を果たすために使用可能であり、それによって哺乳動物の子宮における胚の着床率を増加させることを開示する。

0088

哺乳動物の母親の子宮に供給されるベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体の量は、種の体重に従って変化してよく、その濃度倍率は、好ましくは哺乳動物の体重1kgあたり0.0000001〜1.0mgでなければならない。

0089

一実施態様において、ベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体は、緩衝溶液、好ましくは、リン酸塩緩衝食塩水(PBS)または生理学的血清で希釈し、(取扱い、輸送、凍結および融解の間に、細胞の生存および生物学的一体性を維持することのできる)維持培地中に保存された精液、卵母細胞または胚と混合し、慣用のストローによって、該ストローの内容物全体を一度に哺乳動物の子宮に供給するように、子宮に供給する。

0090

好ましい変法において、ベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体は、2つのステップで、別々に、精液、卵母細胞または胚に続いて詰められ、この手順において、2つの充填用ストローが使用される。最初の適用において、精液、卵母細胞または胚を維持培養液中に入れ、すべての内容物を哺乳動物の子宮に供給するように、慣用のストローに詰める。第二の適用において、緩衝溶液で希釈したベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体を異なるストローに詰め、その後、哺乳動物の子宮に供給する。ベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体の供給と精液、卵母細胞または胚の供給の間の経過時間は、本質的に、取り扱われる哺乳動物および使用される処置方法に依存し、かつ、使用される処置に従って最大17日であってよい。

0091

緩衝溶液で希釈したベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体を、すべてのストロー内容物がその後、哺乳動物の子宮に供給されるように、維持培地中の精液、卵母細胞または胚を含む他のカラムの間に組み入れられた所与の慣用のストローのカラムに詰めることも開示される。

0092

提供されるすべての変法において、ベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体は、精液、卵母細胞または胚と一緒に子宮または膣経路を介して投与される。該精液は、新鮮であるか、冷蔵されているか、または凍結されていてよく;該卵母細胞は、新鮮であるか、凍結されているか、またはガラス化されていてよく;そして、該胚は、新鮮であるか、凍結されているか、またはガラス化されていてよく、胚移植、インビトロの受精に由来しても、ならびにクローンまたはトランスジェニック胚であってもよい。

0093

さらに、インビトロの胚産生系が、受精後の胚の性別決定を可能とし、したがって、上記系が乳牛および肉牛ブリーダーの重要なツールであることが知られている。それにもかかわらず、インビトロで産生された胚は、哺乳動物の子宮内で満足のいく生存率を示さない。したがって、本発明は、精液、卵母細胞または胚の生殖能力を調節し、ひいては哺乳動物の子宮における胚の着床率を増加させるための解決策を提供する。

0094

一方、生殖バイオ技術の商業的応用に関する制約の一つは、雄の(精液)または雌の(卵子)ドナーの配偶子またはインビボもしくはインビトロのいずれかで作られた胚の回収場所とレシピエント種のいる場所の間の移動距離;ならびに、ドナー種をレシピエント種から隔てている距離である。この意味で、凍結保存(凍結過程)およびガラス化(超速凍結方法)が動物の生産における一般的な方法になっている。しかしながら、凍結保存およびガラス化技術が商業的利益を有するにもかかわらず、精子は、凍結中に、その生殖能力を危険にさらす膜の変化、早期の能力、DNA変化および酸化ストレス被る可能性がある。

0095

好ましい実施態様において、本発明は、哺乳動物の子宮における胚の着床率を高めるための有効量のベータ−ガラクトシド結合レクチンまたはその誘導体を含む製品の使用を開示する。

実施例

0096

好ましい実施態様の数個の例が開示されたため、本発明の範囲が他の可能な実施態様を包含し、それが、可能性のある同等なものを含んで、添付された請求項の内容によってのみ制限されることは理解されるはずである。

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