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技術 熱間据込鍛造装置、及び熱間据込鍛造方法

出願人 株式会社神戸製鋼所
発明者 本田恭英長田卓荒木重臣村上昌吾小島壮一郎持田俊介
出願日 2013年6月11日 (7年0ヶ月経過) 出願番号 2013-122753
公開日 2014年12月25日 (5年6ヶ月経過) 公開番号 2014-240082
状態 特許登録済
技術分野 鍛造
主要キーワード フィレット加工 傾斜角η 耐衝撃破壊性 保持金型 押し金型 液体ガラス 金属スラグ 内側傾斜面
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課題

チタン合金など難加工材において、長尺被加工材を用いても座屈を防止することができると共に、鍛造品に高いひずみを付与することができる熱間据込鍛造装置及び熱間鍛造方法を提供する。

解決手段

軸状の孔部6と孔部6に連接された内側傾斜面7と内側傾斜面7に連接された据え込み部8を有する凹部5とを備え、凹部5に長尺の被加工材20が装入される下金型2と被加工材20を圧下する上金型とからなる熱間据込鍛造装置において、孔部6の内径Aが被加工材20下部の外径Cより大きく1.1倍以下の径とされ、孔部6の高さEが被加工材20の軸長Lに対して1/100より大きく1/10以下の高さとされ、据え込み部8の内径Bが被加工材20の上部又は中途部の外径Dより大きく1.5倍以下に設定され、内側傾斜面7の傾斜角θが凹部5の上下方向の軸心に対して、0°より大きく45°以下に設定される。

概要

背景

一般に、チタン合金ニッケル合金ステンレス鋼は、優れた機械特性耐熱性を有することから、航空機や車両などの輸送機器エンジン部材、あるいはシャーシなどの構造部材に用いられている。
このようなチタン合金などの加工が難しい被加工材を用いて、上述した鍛造品鍛造する方法として、熱間据込鍛造装置(金型)を用いた熱間据込鍛造方法が用いられる。熱間据込鍛造方法は、予め製品形状を模して形成された金型内に加熱された被加工材を装入し、被加工材を高温状態に保持したまま金型に沿った形状に引き伸ばすように変形させながら鍛造するものである。熱間据込鍛造方法を用いれば、鍛造中の変形において製品形状に沿ったメタルフローが得られるため他の加工方法に比べてより粘り強く、耐衝撃破壊性など機械的特性に優れた鍛造品を得ることができる。

熱間据込鍛造を行う技術としては、例えば、特許文献1〜特許文献3に開示されたものがある。
特許文献1には、加熱された軸状素材を軸方向に加圧し、素材の中央部を径外方向に膨出状塑性変形させつつ長さ方向に短縮する熱間据込鍛造法において、自由変形部分軸長外径の比が3以下になるように軸状素材の軸方向の一部が径外方向に変形するのを阻止して鍛造する熱間据込鍛造法が開示されている。

また、特許文献2には、柱状素材の一方端の型押し部となる第1押え型と、前記柱状素材の他方端の型押し部となる第2押え型と、これらの押え型の間にあって柱状の型空間を有する中間型とを具備する金型セットにより、据込鍛造を行なう鍛造材の製造方法であって、前記中間型の型空間に加熱した柱状素材を挿入し、前記第1押え型を下方に配置し、前記第2押え型を上方に配置して、前記第2押え型側から前記柱状素材を軸方向に所定長据込圧下する第1据込鍛造工程を行い、次いで前記柱状素材とともに前記金型セットの上下を反転させ、前記第2押え型を下方に配置し、前記第1押え型を上方に配置して、前記第1押え型側から前記柱状素材を軸方向に所定長さ据込圧下する第2据込鍛造工程を行う鍛造材の製造方法が開示されている。

また、特許文献3には、所定の細横比を有する金属スラグを加工するアプセット方法であって、鍛造操作の準備のために、細横比を減少させ、かつハウジングの断面と等しい断面を有する円筒形スラグを得るために、金属スラグが、アプセットの目的のために提供される円筒形のハウジングで金属スラグの長さの方向において、少なくとも部分的にアプセットポット中に配置され、金属スラグがハウジングの全断面を充たすまで、圧力が、パンチを用いて長さ方向に金属スラグに加えられるアプセット方法が開示されている。

概要

チタン合金など難加工材において、長尺の被加工材を用いても座屈を防止することができると共に、鍛造品に高いひずみを付与することができる熱間据込鍛造装置及び熱間鍛造方法を提供する。軸状の孔部6と孔部6に連接された内側傾斜面7と内側傾斜面7に連接された据え込み部8を有する凹部5とを備え、凹部5に長尺の被加工材20が装入される下金型2と被加工材20を圧下する上金型とからなる熱間据込鍛造装置において、孔部6の内径Aが被加工材20下部の外径Cより大きく1.1倍以下の径とされ、孔部6の高さEが被加工材20の軸長Lに対して1/100より大きく1/10以下の高さとされ、据え込み部8の内径Bが被加工材20の上部又は中途部の外径Dより大きく1.5倍以下に設定され、内側傾斜面7の傾斜角θが凹部5の上下方向の軸心に対して、0°より大きく45°以下に設定される。

目的

本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、チタン合金など難加工材において、長尺の被加工材を用いても座屈を防止することができると共に、鍛造品全体に高いひずみを付与することができる熱間据込鍛造装置、及び熱間鍛造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

軸状の孔部と当該孔部の上部に連接して形成された内側傾斜面と当該内側傾斜面の上部に連接して形成された据え込み部を有する凹部とを備え、且つ前記凹部に長尺被加工材装入される下金型と、前記下金型に装入された長尺の被加工材を上方から圧下する上金型とからなる熱間据込鍛造に用いられる熱間据込鍛造装置において、前記下金型の孔部の内径Aが、前記被加工材の下部の外径Cより大きく1.1倍以下の径とされ、前記下金型の孔部の高さEが、前記被加工材の軸長Lに対して、1/100より大きく1/10以下の高さとされ、前記下金型の凹部の据え込み部の内径Bが、前記被加工材の上部又は中途部の外径Dより大きく1.5倍以下に設定され、前記内側傾斜面の傾斜角θが、前記凹部の上下方向を向く軸心に対して、0°より大きく45°以下に設定されていることを特徴とする熱間据込鍛造装置。

請求項2

前記内側傾斜面の傾斜角θは、前記凹部の上下方向を向く軸心に対して、10°より大きく45°以下に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の熱間据込鍛造装置。

請求項3

前記下金型の凹部の据え込み部の内壁面は、前記凹部の上下方向を向く軸心に対して、上方に向かって放射形状に傾斜しており、前記据え込み部の内壁面の傾斜角ηは、0°より大きくtan-1[0.1×D/L]以下に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の熱間据込鍛造装置。

請求項4

前記上金型の圧下面周縁には、前記被加工材の上部に嵌合する下方突出部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱間据込鍛造装置。

請求項5

前記下方突出部は、断面視で矩形形状又は三角形状に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の熱間据込鍛造装置。

請求項6

前記上金型の圧下面の中央には、下方に向かって突出状の凸部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱間据込鍛造装置。

請求項7

前記上金型の圧下面の中央には下方に向かって突出状の凸部が形成され、且つ前記下金型の凹部の底部の中央には上方に向かって突出状の上方突出部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱間据込鍛造装置。

請求項8

長尺の被加工材を据込鍛造する熱間据込鍛造方法であって、請求項1〜5のいずれかに記載された熱間据込鍛造装置を用いて、前記長尺の被加工材を予め決定された寸法及び形状を有する被加工材になるまで熱間で据込鍛造を繰り返し行う据込鍛造工程と、請求項6又は7に記載された熱間据込鍛造装置を用いて、前記据込鍛造工程にて鍛造された被加工材の軸心方向中央部に、当該被加工材の軸長Lに対して、底部厚さが1/2以下の窪み部を形成し、且つ全体に0.2以上のひずみを付与した鍛造品を製造する中空鍛造工程と、を有することを特徴とする熱間据込鍛造方法。

請求項9

前記据込鍛造工程は、前記被加工材の上部と底部を反転させて熱間で据込鍛造を繰り返し行うことを特徴とする請求項8に記載の熱間据込鍛造方法。

請求項10

前記据込鍛造工程は、熱間で据込鍛造を繰り返し行う回数に準じて請求項1〜4のいずれかに記載された熱間据込鍛造装置に備えられたの異なる上金型及び下金型を複数個用意して、据込鍛造を行うたびに前記上金型及び下金型を短丈のものへと交換して、前記長尺の被加工材を予め決定された寸法及び形状を有する被加工材になるまで据込鍛造を行うことを特徴とする請求項8又は9に記載の熱間据込鍛造方法。

請求項11

前記中空鍛造工程は、前記鍛造品を断面視U字形状成形することを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の熱間据込鍛造方法。

請求項12

前記中空鍛造工程は、前記据込鍛造工程を終えた被加工材を前記下金型から離型せずに保持し、請求項5に記載された熱間据込鍛造装置が備える上金型に変更して熱間で据込鍛造を行い、前記鍛造品を製造することを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の熱間据込鍛造方法。

請求項13

前記中空鍛造工程を終えた鍛造品の軸心方向を向く中心部を貫通させる穿孔工程が備えられていることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載の熱間据込鍛造方法。

請求項14

前記鍛造品を、軸長L/外径Dの比が3以下とされる形状に成形することを特徴とする請求項8〜13のいずれかに記載の熱間据込鍛造方法。

技術分野

0001

本発明は、長尺被加工材を窪み部を有する鍛造品鍛造する熱間据込鍛造装置、及び熱間据込鍛造方法に関する。

背景技術

0002

一般に、チタン合金ニッケル合金ステンレス鋼は、優れた機械特性耐熱性を有することから、航空機や車両などの輸送機器エンジン部材、あるいはシャーシなどの構造部材に用いられている。
このようなチタン合金などの加工が難しい被加工材を用いて、上述した鍛造品を鍛造する方法として、熱間据込鍛造装置(金型)を用いた熱間据込鍛造方法が用いられる。熱間据込鍛造方法は、予め製品形状を模して形成された金型内に加熱された被加工材を装入し、被加工材を高温状態に保持したまま金型に沿った形状に引き伸ばすように変形させながら鍛造するものである。熱間据込鍛造方法を用いれば、鍛造中の変形において製品形状に沿ったメタルフローが得られるため他の加工方法に比べてより粘り強く、耐衝撃破壊性など機械的特性に優れた鍛造品を得ることができる。

0003

熱間据込鍛造を行う技術としては、例えば、特許文献1〜特許文献3に開示されたものがある。
特許文献1には、加熱された軸状素材を軸方向に加圧し、素材の中央部を径外方向に膨出状塑性変形させつつ長さ方向に短縮する熱間据込鍛造法において、自由変形部分軸長外径の比が3以下になるように軸状素材の軸方向の一部が径外方向に変形するのを阻止して鍛造する熱間据込鍛造法が開示されている。

0004

また、特許文献2には、柱状素材の一方端の型押し部となる第1押え型と、前記柱状素材の他方端の型押し部となる第2押え型と、これらの押え型の間にあって柱状の型空間を有する中間型とを具備する金型セットにより、据込鍛造を行なう鍛造材の製造方法であって、前記中間型の型空間に加熱した柱状素材を挿入し、前記第1押え型を下方に配置し、前記第2押え型を上方に配置して、前記第2押え型側から前記柱状素材を軸方向に所定長据込圧下する第1据込鍛造工程を行い、次いで前記柱状素材とともに前記金型セットの上下を反転させ、前記第2押え型を下方に配置し、前記第1押え型を上方に配置して、前記第1押え型側から前記柱状素材を軸方向に所定長さ据込圧下する第2据込鍛造工程を行う鍛造材の製造方法が開示されている。

0005

また、特許文献3には、所定の細横比を有する金属スラグを加工するアプセット方法であって、鍛造操作の準備のために、細横比を減少させ、かつハウジングの断面と等しい断面を有する円筒形スラグを得るために、金属スラグが、アプセットの目的のために提供される円筒形のハウジングで金属スラグの長さの方向において、少なくとも部分的にアプセットポット中に配置され、金属スラグがハウジングの全断面を充たすまで、圧力が、パンチを用いて長さ方向に金属スラグに加えられるアプセット方法が開示されている。

先行技術

0006

特開平7−171650号公報
特開2013−27925号公報
特開2006−123007号公報

発明が解決しようとする課題

0007

近年、チタン合金、ニッケル合金、ステンレス鋼など難加工材を熱間据込鍛造で大型の鍛造品に成形することが多くなってきている。この鍛造品の元材としては、軸長/外径の比が3を越える長尺の被加工材が用いられる。
ところが、このような被加工材を用いて熱間据込鍛造を行う際には、被加工材が長尺であるため、座屈を生じさせてしまう虞がある。被加工材がこのような状況下になってしまうと、所望の鍛造品を得ることが困難になる。また、大型の鍛造品は、過酷な環境下で使
用される場合が多く、鍛造品全体に高いひずみを付与して機械的特性に優れたものとすることが要望されている。

0008

ここで、長尺の被加工材を大型の鍛造品に成形する場合に、特許文献1〜特許文献3に開示されている熱間据込鍛造の技術を用いることを検討してみる。
特許文献1は、被加工材の軸長より低い円筒型下金型にその被加工材を装入して、下金型から突出している被加工材上部を径外方向にバルジ状に据込鍛造する方法である。
しかしながら、特許文献1の技術によれば、同文献の図3に示すように、円柱状の被加工材の上部が下部に対して大きく拡径され、被加工材の高さ方向において外径寸法に差が生じてしまう。それゆえ、複数回かけて据込鍛造を行うと、被加工材の上部の外径と下部の外径との差がさらに大きくなってしまい、前述の外径寸法差が助長されることがあって好ましくない。また、1回の据込鍛造で圧下できる量が少ないため、据込鍛造の工程数が多くなり、効率的に大型の鍛造製品を製造する現場では適用できない。

0009

また、特許文献2は、上下に設けた一対の円筒形状の押し金型と、上側押し金型と下側押し金型との間に設けられ、且つ被加工材(ビレット)外径より大きい内径を有する円筒形状の保持金型とで構成される熱間据込鍛造装置に被加工材を装入して、所定長さに据込鍛造した後に、被加工材を装入したまま熱間据込鍛造装置ごと反転させて、再び据込鍛造する方法である。

0010

しかしながら、特許文献2では、被加工材を装入したまま熱間据込鍛造装置全体を反転させている間に、装入されている被加工材が冷却してしまい、熱間で鍛造することが困難となる。特に、被加工材がチタン合金など難加工材である場合、特許文献2の技術は適さない。
また、特許文献3は、被加工材の外径の1.35倍以下の内径と底部周縁突起を有する円筒形状の下金型に、軸長/外径の比が12を越える被加工材を装入して、圧下面周縁に突起を有するパンチ(上金型)で圧下し、被加工材の軸長/外径の比が3程度になるまで繰り返して据込鍛造する方法である。

0011

しかしながら、特許文献3では、下金型の底部周縁に突起を設けて被加工材を下金型の軸心方向中心に位置決めしようとしているが、このような突起だけで大型の被加工材を下金型の軸心方向中心に確実に保持することは困難であり、座屈を生じさせてしまう虞がある。
つまり、据込鍛造中に座屈を防止しつつ、被加工材全体に高いひずみを付与して機械的特性に優れた鍛造製品を得る技術は、未だ開発されていないのが現状である。

0012

本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、チタン合金など難加工材において、長尺の被加工材を用いても座屈を防止することができると共に、鍛造品全体に高いひずみを付与することができる熱間据込鍛造装置、及び熱間鍛造方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

上述した課題を解決するため、本発明では以下の技術的手段を講じている。
本発明の熱間据込鍛造装置は、軸状の孔部と当該孔部の上部に連接して形成された内側傾斜面と当該内側傾斜面の上部に連接して形成された据え込み部を有する凹部とを備え、且つ前記凹部に長尺の被加工材が装入される下金型と、前記下金型に装入された長尺の被加工材を上方から圧下する上金型とからなる熱間据込鍛造に用いられる熱間据込鍛造装置において、前記下金型の孔部の内径Aが、前記被加工材の下部の外径Cより大きく1.1倍以下の径とされ、前記下金型の孔部の高さEが、前記被加工材の軸長Lに対して、1/100より大きく1/10以下の高さとされ、前記下金型の凹部の据え込み部の内径Bが、前記被加工材の上部又は中途部の外径Dより大きく1.5倍以下に設定され、前記内側傾斜面の傾斜角θが、前記凹部の上下方向を向く軸心に対して、0°より大きく45°以下に設定されていることを特徴とする。

0014

好ましくは、前記内側傾斜面の傾斜角θは、前記凹部の上下方向を向く軸心に対して、10°より大きく45°以下に設定されているとよい。
好ましくは、前記下金型の凹部の据え込み部の内壁面は、前記凹部の上下方向を向く軸
心に対して、上方に向かって放射形状に傾斜しており、前記据え込み部の内壁面の傾斜角ηは、0°より大きくtan-1[0.1×D/L]以下に設定されているとよい。

0015

好ましくは、前記上金型の圧下面の周縁には、前記被加工材の上部に嵌合する下方突出部が形成されているとよい。
好ましくは、前記下方突出部は、断面視で矩形形状又は三角形状に形成されているとよい。
好ましくは、前記上金型の圧下面の中央には、下方に向かって突出状の凸部が形成されているとよい。

0016

好ましくは、前記上金型の圧下面の中央には下方に向かって突出状の凸部が形成され、且つ前記下金型の凹部の底部の中央には上方に向かって突出状の上方突出部が形成されているとよい。
本発明の熱間据込鍛造方法は、長尺の被加工材を据込鍛造する熱間据込鍛造方法であって、本発明の熱間据込鍛造装置に備えられる下金型と圧下面の周縁に下方突出部が形成された上金型とを用いて、前記長尺の被加工材を予め決定された寸法及び形状を有する被加工材になるまで熱間で据込鍛造を繰り返し行う据込鍛造工程と、本発明の熱間据込鍛造装置に備えられる下金型と、圧下面の中央に下方に向かって突出状の凸部が形成されている上金型とを用いて、前記据込鍛造工程にて鍛造された被加工材の軸心方向中央部に、当該被加工材の軸長Lに対して、底部厚さが1/2以下の窪み部を形成し、且つ全体に0.2以上のひずみを付与した鍛造品を製造する中空鍛造工程と、を有することを特徴とする。

0017

好ましくは、前記据込鍛造工程は、前記被加工材の上部と底部を反転させて熱間で据込鍛造を繰り返し行うとよい。
好ましくは、前記据込鍛造工程は、熱間で据込鍛造を繰り返し行う回数に準じて本発明の熱間据込鍛造装置に備えられたの異なる上金型及び下金型を複数個用意して、据込鍛造を行うたびに前記上金型及び下金型を短丈のものへと交換して、前記長尺の被加工材を予め決定された寸法及び形状を有する被加工材になるまで据込鍛造を行うとよい。

0018

好ましくは、前記中空鍛造工程は、前記鍛造品を断面視U字形状に成形するとよい。
好ましくは、前記中空鍛造工程は、前記据込鍛造工程を終えた被加工材を前記下金型から離型せずに保持し、本発明の熱間据込鍛造装置が備える上金型に変更して熱間で据込鍛造を行い、前記鍛造品を製造するとよい。
好ましくは、前記中空鍛造工程を終えた鍛造品の軸心方向を向く中心部を貫通させる穿孔工程が備えられているとよい。

0019

好ましくは、前記鍛造品を、軸長L/外径Dの比が3以下とされる形状に成形するとよい。

発明の効果

0020

本発明の熱間据込鍛造装置、及び熱間据込鍛造方法によれば、チタン合金など難加工材において、長尺の被加工材を用いても座屈を防止することができると共に、鍛造品全体に高いひずみを付与することができる。

図面の簡単な説明

0021

本発明の熱間据込鍛造方法を示した図である。
本発明の熱間据込鍛造装置及び被加工材の形状を示した図である。
本発明の熱間据込鍛造方法において、鍛造される鍛造品に高いひずみが付与される過程を示す図である。
本発明の熱間据込鍛造方法を用いて鍛造された鍛造品の一例を示した側面図である。

実施例

0022

以下、本発明の熱間据込鍛造装置1、及び熱間据込鍛造方法について、図面に基づき詳しく説明する。
図1に示すように、本発明の熱間据込鍛造装置1は、加熱された被加工材20(以降、荒地と呼ぶ)を金型内に装入して、金型の形状に沿って荒地20を熱間状態で変形させることにより、所望の形状の鍛造品21を成形するものである。具体的には、この熱間据込
鍛造装置1は、鍛造品21を成形するための金型を有しており、この金型は、上下2つに分割できるようになっていて、荒地20が装入されて載置される下金型2と、この下金型2に載置された荒地20を上方から圧下する上金型3と、を有している。

0023

下金型2(コンテナ)は、軸状の孔部6と、当該孔部6の上部に連接して形成された内側傾斜面7と、当該内側傾斜面7の上部に連接して形成された据え込み部8を有するフランジ状の凹部5とで構成され、この孔部6、内側傾斜面7、及び据え込み部8(すなわち凹部5)に長尺の荒地20が装入されるようになっている。
詳しくは、図2(a)に示すように、下金型2の幅方向中央であって上部側には、その内径が荒地20の外径より大きく、且つフランジ状に形成された凹部5が形成されており、この凹部5の内部に荒地20を上方から下方に向かって装入可能となっている。この凹部5の据え込み部8の内径Bは、荒地20の外径D(例えば、荒地20の最大外径)に対して、荒地20の外径Dより大きく1.5倍以下に設定されている(D<B≦1.5D)。好ましくは、据え込み部8の内径Bは、荒地20の外径Dに対して、1より大きく荒地20の外径Dより大きく1.3倍以下に設定されているとよい(D<B≦1.3D)。

0024

なお、据え込み部8の内径Bを設定する理由としては、例えば荒地20の外径Dに対して、1.5より大きく設定した場合、荒地20が座屈するためである。
この凹部5の下部には、軸状の孔部6に向かうにしたがって内径が徐々に小さくなる(下方に向かって先細る形状)内側傾斜面7が連接して形成されている。すなわち、この内側傾斜面7は、据え込み部8の下部と孔部6の上部とを連接するものである。この内側傾斜面7の傾斜角θは、凹部5の上下方向を向く軸心に対して、0°より大きく45°以下に設定されている(0°<θ≦45°)。好ましくは、内側傾斜面7の傾斜角θは、凹部5の上下方向を向く軸心に対して、10°より大きく45°以下に設定されているとよい(10°<θ≦45°)。

0025

なお、内側傾斜面7の傾斜角θを設定する理由としては、例えば内側傾斜面7の傾斜角θを45°より大きくした場合、内側傾斜面7によって形成された荒地20の凹み部分が、次の据込鍛造工程で荒地20を圧下するときに荒地20の内側に折込むようになり、折込み疵となることがあるためである。
このように、内側傾斜面7を設定することで折込み疵を防ぐことができる。また、内側傾斜面7と孔部6との繋ぎ目部分を丸めて面取りフィレット加工)をしたり、内側傾斜面7と孔部6との繋ぎ目部分を傾斜角30°以下の面にすれば、さらに折込み疵を防ぐことができる。また、内側傾斜面7は、据込鍛造される際に荒地20と接触することで、凹部5による摩擦拘束されるくさび形状の領域が大きくなり、その分だけ鍛造品21に高いひずみを付与することも可能である。

0026

下金型2の幅方向中央であって下部側には、荒地20の下部の外径Cに近い径とされた軸状の孔部6が形成されている。この孔部6は、凹部5に装入された荒地20の下部が嵌り込む「嵌り込み部分」とされる。
孔部6の内径Aが、荒地20の下部の外径Cより大きく1.1倍以下の径とされている(C<A≦1.1C)。例えば、孔部6と孔部6に嵌め込まれた荒地20との間の空間(クリアランス)は、およそ2mm〜5mm程度である。それゆえ、荒地20の軸心は凹部5(孔部6と据え込み部8)の軸心のほぼ一致する。

0027

また、孔部6の高さEが、荒地20の軸長Lに対して、1/100より大きく1/10以下の高さとされている(L/100<E≦L/10)。例えば、荒地20の高さを1mとすると、孔部6の高さEは、およそ100mm以下である。それゆえ、荒地20を安定的に保持すると共に、荒地20の外径を広範囲に拡径する(荒地20の外径を大きくし、高さを縮める)ことができる。また、孔部6の高さEが荒地20の角部の面取りやフィレット加工(丸形状の面取り)を含みつつ、荒地20をセンタリングできる値であれば好ましい。

0028

なお、孔部6の内径Aを荒地20の下部の外径Cより大きく1.1倍以下とする理由としては、例えば孔部6の内径Aを荒地20の下部の外径Cに対して1.1倍を越えると、荒地20を中心に保持(センタリング)する効果が小さくなってしまい、据込鍛造中に荒
地20が座屈するためである。
また、孔部6の高さEを荒地20の軸長に対して1/10以下とする理由としては、例えば孔部6の高さEを荒地20の軸長に対して1/10より大きく(高くする)すると、荒地20の外径Dを拡径できる部分の軸長方向の長さが短くなってしまうためである。また、孔部6の高さEを荒地20の軸長に対して1/100より小さく(低くする)すると、荒地20が左右に倒れこむ状況になってしまい、据込鍛造中に荒地20が座屈するためである。

0029

これにより、孔部6は、荒地20が嵌り込むように形成されており、下金型2(孔部6と凹部5を含む)の軸心と長尺の荒地20の軸心とが一致するようになっている。つまり、長尺の荒地20を容易かつ迅速に下金型2の中心に配置することができ、直立状態で安定的の保持することが可能になっている。
このように、孔部6の内径A及び据え込み部8の内径Bを設定することで、据込鍛造中における荒地20の軸心のずれを軽減することができるため、加圧時の座屈のリスクを低減することも可能となる。加えて、荒地20の折込み疵の発生を抑制することができる。また、内側傾斜面7の傾斜角θを設定することで、鍛造品21に0.2以上の高いひずみを付与することができる。

0030

図2(b)に示すように、下金型2の凹部5の据え込み部8の内壁面は、据込鍛造後の荒地20の離形性を高めるために、凹部5の上下方向を向く軸心に対して、上方に向かって放射形状に傾斜するとよい。据え込み部8は、内壁面が下部(内側傾斜面7側)に行くにつれて内径が小さくなるように傾斜することによって、すり鉢形状円筒体となる。以降、傾斜した据え込み部8の内壁面を据え込み傾斜面11と呼ぶ。

0031

この据え込み傾斜面11の傾斜角ηは、0°より大きくtan-1[0.1×D/L]以下に設定されていることがより好ましい(0°<η≦tan-1[0.1×D/L])。据え込み傾斜面11の傾斜角ηをtan-1[0.1×D/L] 以下とすることで、据込鍛造の荒地20の外径Dの拡大量を確保することができる。
なお、据え込み傾斜面11の傾斜角ηをtan-1[0.1×D/L] 以下とする理由としては、例えば傾斜角ηを大きくした場合、荒地20を離型しやすくなるが、上述したように座屈を防止するために「下金型2の据え込み部8の内径B÷荒地20の外径D≦1.5」(D<B≦1.5D)を設定しているため、据え込み傾斜面11の傾斜角ηをtan-1[0.25×D/L] 以上にすると、前述した「下金型2の据え込み部8の内径B÷荒地20の外径D≦1.5」が成り立たなくなるためである。

0032

一方、孔部6の下側には、据込鍛造が終了した鍛造品21を排出するノックアウト棒12と、このノックアウト棒12を上下方向に移動させるシリンダ機構(図示略)とが設けられている。ノックアウト棒12は、断面視でボルト形状に形成されており、下金型2の孔部6に対応した位置に上下方向に移動可能に配備されている。ノックアウト棒12は、シリンダ機構によって上方に移動して鍛造品21(鍛造後の荒地20)を押し上げている。そして、鍛造品21は、ノックアウト棒12によって下金型2から引き剥がされるようになっている。

0033

また、下金型2の下側には、金型支持機構(図示略)が設けられており、金型支持機構によって下金型2を床面などに対して支持できるようになっている。
本実施形態の下金型2は、熱間で据込鍛造を繰り返し行う回数に準じて複数個用意していて、据込鍛造を行うたびに据込鍛造された荒地20に対応するものに変更するようにしている。なお、据込鍛造後の荒地20の底部に空洞の下側窪み部を形成するために、凹部5の底部の中央に上方に向かって突出状の上方突出部が形成された下側窪み部形成用の下金型2が用意されていてもよい。

0034

上金型3は、下金型2の上方に配備されていて、下金型2に装入(載置)された荒地20に対して上方から近接離反とされている。上金型3の中央部には、荒地20を圧下するためのポンチ4が形成されていて、この上金型3を下降させることで荒地20の上面とポンチ4の圧下面とが面接触して、荒地20を上方から押しつぶすように圧下可能となっている。

0035

ポンチ4は、下金型2の凹部5の上側(据え込み部8)の開口径に比べてやや小さな外径を備えており、上金型3が下金型2に衝合するまで下降した際に凹部5に上方から嵌り込むようになっていて、荒地20の上部を上方から圧下する。
図1に示すように、本実施形態の上金型3には、熱間で据込鍛造を行うための据込鍛造上金型3aと、据込鍛造後に行われる荒地20の軸心方向中央に空洞の窪み部22を形成するための窪み部形成上金型3bとが用意されている。

0036

据込鍛造上金型3aは、長尺の荒地20を予め規定された形状及び寸法の荒地20に据込鍛造するもので、据込鍛造上金型3aの圧下面中央は略平坦に形成されている。また、据込鍛造上金型3a(据込鍛造ポンチ4a)の圧下面の周縁には、荒地20の上部に嵌合する下方突出部9が形成されている。
図2(c)、図2(d)に示すように、下方突出部9は、断面視で三角形状に形成されており、下方突出部9が荒地20の上部に沿うように面接触して、その荒地20を直立状態で保持する。すなわち、下方突出部9を有する据込鍛造上金型3aは、断面視で逆向きの凹状に形成された圧下面を有することとなる。

0037

このように、据込鍛造上金型3aの圧下面の周縁に下方突出部9を設けることで、据込鍛造中の荒地20を安定的に保持すると共に、荒地20の軸心のずれを軽減することができるため、圧下時の座屈の発生を防止することが可能となる。
なお、下方突出部9の形状は、荒地20の上部に嵌合する形状であれば、どのような形状であってもよい。例えば下方突出部9は、断面視で矩形形状に形成されていてもよい。

0038

一方、窪み部形成上金型3bは、予め規定された形状及び寸法に形成された荒地20の軸心方向中央に空洞の窪み部22を形成するためもので、窪み部形成上金型3b(窪み部形成ポンチ4b)の圧下面の中央は、下方に向かって突出状の凸部10が形成されている。
図1に示すように、凸部10は、断面視でボールペンの先端部(ペン先)形状に形成されている。詳しくは、凸部10は、窪み部形成ポンチ4bの圧下面より下方に向かって外径が徐々に小さく先細るように傾斜してゆき、その後所定の位置より下方は突出する垂下形状となっている。つまり、ペン先に備えられているカバーからペンの芯が突出するような形状となっている。この凸部10の上下方向の高さは、据込鍛造後の荒地20の高さの1/2より大きく、荒地20の高さを超えない程度に形成されている。なお、凸部10は、要求される鍛造品21の形状に合わせて、様々な形状にしてもよい。

0039

図1及び図2(a)に示すように、荒地20(被加工材)は、上下方向に長尺とされた略円柱部材であって、軸長L/外径Dに比が3を超えるものである。また、本発明の熱間据込鍛造装置1、及び熱間据込鍛造方法に用いられる荒地20は、チタン合金、ニッケル合金、ステンレス鋼など難加工材などである。本実施形態では、例えばTi-17(Ti-5Al-2Sn-2Zr-4Mo-4Cr)やTi-6246(Ti-6Al-2Sn-4Zr-6Mo)などのチタン合金の荒地20を用いることとする。

0040

荒地20は、その上部や下部の縁が斜めに面取りされており、荒地20の上部の面取り部分と、上述した据込鍛造上金型3aの下方突出部9とが面接触して、荒地20が据込鍛造中において直立状態に保持されている。なお、据込鍛造上金型3aの下方突出部9が矩形形状に形成されている場合、荒地20の上部は矩形形状に則した形状にしてもよい。
このように、荒地20の下部の外径Cを下金型2の孔部6の内径Aに沿うようにし、且つ荒地20の上部の形状を上金型3の圧下面に対応するように形成することで、荒地20の軸心のずれを軽減することができ、圧下時の座屈の発生を防止することが可能となる。

0041

また、この荒地20の表面には、下金型2との潤滑性や離形性を向上させるガラス潤滑剤液体ガラス及び/又は粉末ガラス)が塗布(被覆)されている。
ガラス潤滑剤は、荒地20(チタン合金などの難加工材)の表面を被覆することにより、鍛造時において金型と荒地20との間での潤滑性を高めると共に、鍛造終了後に荒地20又は鍛造品21を下金型2から引き剥がす際の離形性を向上させている。また、鍛造時における金型と荒地20との焼付発生を抑制すると共に、鍛造品21の割れや疵を防止している。

0042

ところで、本発明の熱間据込鍛造装置1で製造される鍛造品21は、航空機や車両などの輸送機器のエンジン部材、あるいはシャーシなどの構造部材に用いられ、過酷な環境下(高温・高応力等)で繰返し使用される。そのため、高い強度、延性靭性および疲労特性などの高くて安定した機械的特性が鍛造品21に要求される。
例えば、航空機などに用いられるチタン合金鍛造品21(特にTi-64合金のαβ鍛造)は、仕上げ鍛造工程(本実施形態では、中空鍛造工程としている)で付与される変形(ひずみ)に加えて、それ以前に行われる据込鍛造工程(ビレット鍛造工程、荒地鍛造工程など)で付与されるひずみも最終の鍛造品21の特性(例えば、引張強度耐力疲労寿命など)に影響する。そのため、鍛造品21(荒地20)全体にひずみを付与することは重要となる。

0043

そこで、本願発明者らは、上述した熱間据込鍛造装置1を用いて、据込鍛造を繰り返して鍛造品21ほぼ全体に0.2以上の高いひずみを付与し、所望とする高水準の機械的特性を有する鍛造品21を鍛造する熱間据込鍛造方法を開発した。
次に、上述した熱間据込鍛造装置1を用いて、高水準の機械的特性を有する鍛造品21を製造する方法、すなわち本発明の熱間据込鍛造方法について、図に基づいて説明する。

0044

図1に示すように、本発明に係る熱間押出鍛造方法は、軸長L/外径Dに比が3を超える長尺の荒地20(被加工材)を据込鍛造して、内部が空洞の窪み部22が形成された、断面視U字状の鍛造品21を製造する方法である。本発明の熱間押出鍛造方法は、上述した熱間据込鍛造装置1を用いて、長尺の荒地20を予め決定された寸法及び形状を有する荒地20になるまで熱間で据込鍛造を繰り返し行う据込鍛造工程と、据込鍛造工程にて鍛造された荒地20の軸心方向中央部に窪み部22を形成し、且つほぼ全体に高いひずみを付与した鍛造品21を製造する中空鍛造工程と、を有している。

0045

据込鍛造工程は、長尺の荒地20を、軸長L/外径Dに比が3以下になるまでになるまで熱間で据込鍛造を繰り返し行う(図1(a)〜図1(d)参照)。
図1(a)では、長尺の荒地20を下金型2の凹部5(据え込み部8)に装入して、その荒地20の底部を孔部6に嵌め込むように固定する。そして、熱間で据込鍛造を行い、予め決定された寸法及び形状を有する荒地20を製造する。

0046

ここでの下金型2は、長尺の荒地20の軸長Lよりやや低い高さとし、据え込み部8の内径Bが長尺の荒地20の外径Dより若干大きい程度のものとする。
ただし、孔部6の内径Aは荒地20の下部の外径Cより大きく1.1倍以下の径であり、孔部6の高さEは荒地20の軸長Lに対して、1/100より大きく1/10以下の高さである。据え込み部8の内径Bは、荒地20の外径Dより大きく1.5倍以下である。内側傾斜面7の傾斜角θは、凹部5の上下方向を向く軸心に対して、0°より大きく45°以下である。

0047

また、ここでの据込鍛造上金型3aの据込鍛造ポンチ4aは、上下に細長いものとされ、幅方向の径は凹部5に嵌り込むものとされる。また据込鍛造ポンチ4aは、圧下面の周縁に下方突出部9が形成されている。そして、第1の据込鍛造工程を終えた荒地20は、およそ1/4の軸長分だけ圧下されたものになっている。
ところで、図3は、本発明の熱間据込鍛造方法において、鍛造される鍛造品21に高いひずみが付与される過程を示した図である。

0048

図1(a)に対応する図3(a)に示すように、第1の据込鍛造工程で荒地20に付与される高いひずみは、荒地20の上部より少し下側から内側傾斜面7の上側に至るまでの間に付与される(間隔の広い斜線部)。なお、荒地20の上部及び内側傾斜面7の上側より下側には、低ひずみ部が残存している(間隔の狭い斜線部)。
次に、図1(b)では、まず第1の据込鍛造工程で据込鍛造された荒地20に対応する据込鍛造上金型3aと下金型2に変更する。そして、第1の据込鍛造工程で据込鍛造された荒地20の上部と下部を入れ替えて(上下反転させて)その凹部5の据え込み部8に装入し、その荒地20の底部を孔部6に嵌め込むように固定する。そして、熱間で据込鍛造を行い、予め決定された寸法及び形状を有する荒地20を製造する。

0049

ここでの下金型2(交換後の下金型2)は、交換前の下金型2より短丈で荒地20の軸
長Lよりやや低い高さとし、据え込み部8の内径Bが長尺の荒地20の外径Dより若干大きい程度のものである。ただし、孔部6の内径Aは荒地20の下部の外径Cより大きく1.1倍以下の径であり、孔部6の高さEは荒地20の軸長Lに対して、1/100より大きく1/10以下の高さである。据え込み部8の内径Bは、荒地20の外径Dより大きく1.5倍以下である。内側傾斜面7の傾斜角θは、凹部5の上下方向を向く軸心に対して、0°より大きく45°以下である。

0050

また、ここでの据込鍛造上金型3aの据込鍛造ポンチ4aは、第1の据込鍛造工程で用いられた据込鍛造上金型3aの据込鍛造ポンチ4aより若干短尺に形成されたものとされ、幅方向の径は凹部5に嵌り込むものとされる。また据込鍛造ポンチ4aは、圧下面の周縁に下方突出部9が形成され、この下方突出部9の傾斜面は第1の据込鍛造工程で用いられた据込鍛造上金型3aの下方突出部9の傾斜面より長く形成されている。そして、第2の据込鍛造工程を終えた荒地20は、およそ1/4の軸長分だけ圧下されたものになっている。

0051

図1(b)に対応する図3(b)に示すように、第2の据込鍛造工程で荒地20に付与される高いひずみは、荒地20の上部より少し下側から荒地20の下部より少し上側に至るまでの間に付与される(間隔の広い斜線部)。なお、荒地20の上部及び下部には、低ひずみ部が残存している(間隔の狭い斜線部)。
図1(c)では、まず第2の据込鍛造工程で据込鍛造された荒地20に対応する据込鍛造上金型3aと下金型2に変更する。そして、第2の据込鍛造工程で据込鍛造された荒地20の上部と下部を入れ替えて(上下反転させて)その凹部5の据え込み部8に装入し、その荒地20の底部を孔部6に嵌め込むように固定する。そして、熱間で据込鍛造を行い、予め決定された寸法及び形状を有する荒地20を製造する。

0052

ここでの下金型2(交換後の下金型2)は、交換前の下金型2より短丈で荒地20の軸長Lとほぼ同じ高さとし、据え込み部8の内径Bが長尺の荒地20の外径Dより若干大きい程度のものである。ただし、孔部6の内径Aは荒地20の下部の外径Cより大きく1.1倍以下の径であり、孔部6の高さEは荒地20の軸長Lに対して、1/100より大きく1/10以下の高さである。据え込み部8の内径Bは、荒地20の外径Dより大きく1.5倍以下である。内側傾斜面7の傾斜角θは、凹部5の上下方向を向く軸心に対して、0°より大きく45°以下である。

0053

また、ここでの据込鍛造上金型3aの据込鍛造ポンチ4aは、第2の据込鍛造工程で用いられた据込鍛造上金型3aの据込鍛造ポンチ4aより若干短尺に形成されたものとされ、幅方向の径は凹部5に嵌り込むものとされる。また据込鍛造ポンチ4aは、圧下面の周縁に下方突出部9が形成され、この下方突出部9の傾斜面は第2の据込鍛造工程で用いられた据込鍛造上金型3aの下方突出部9の傾斜面より長く形成されている。そして、第3の据込鍛造工程を終えた荒地20は、およそ1/4の軸長分だけ圧下されたものになっている。

0054

図1(c)に対応する図3(c)に示すように、第3の据込鍛造工程で荒地20に付与される高いひずみは、荒地20の上部より少し下側から荒地20の下部より少し上側に至るまでの間に付与される(間隔の広い斜線部)。なお、荒地20の上部及び下部には、低ひずみ部が残存している(間隔の狭い斜線部)。
図1(d)では、まず第3の据込鍛造工程で据込鍛造された荒地20に対応する据込鍛造上金型3aと下金型2に変更する。そして、第3の据込鍛造工程で据込鍛造された荒地20の上部と下部を入れ替えて(上下反転させて)その下金型2の凹部5に装入し、その荒地20の底部を孔部6に嵌め込むように固定する。そして、熱間で据込鍛造を行い、予め決定された寸法及び形状を有する荒地20を製造する。

0055

ここでの下金型2(交換後の下金型2)は、交換前の下金型2より短丈で荒地20の軸長Lよりやや低い高さとし、据え込み部8の内径Bが長尺の荒地20の外径Dより若干大きい程度のものである。ただし、孔部6の内径Aは荒地20の下部の外径Cより大きく1.1倍以下の径であり、孔部6の高さEは荒地20の軸長Lに対して、1/100より大きく1/10以下の高さである。据え込み部8の内径Bは、荒地20の外径Dより大きく
1.5倍以下である。内側傾斜面7の傾斜角θは、凹部5の上下方向を向く軸心に対して、0°より大きく45°以下である。

0056

また、ここでの据込鍛造上金型3aの据込鍛造ポンチ4aは、第3の据込鍛造工程で用いられた据込鍛造上金型3aの据込鍛造ポンチ4aより若干短尺に形成されたものとされ、幅方向の径は凹部5に嵌り込むものとされる。そして、第4の据込鍛造工程を終えた荒地20は、およそ1/4の軸長分だけ圧下されたものになっている。
図1(d)に対応する図3(d)に示すように、第4の据込鍛造工程で荒地20に付与される高いひずみは、荒地20の上部中央と、荒地20の下部中央とを除く広範囲に付与される(間隔の広い斜線部)。つまり、荒地20の上部中央及び下部中央に低ひずみ部(間隔の狭い斜線部)が残存し、径外方向外側(荒地20の表層)に高いひずみが付与される。

0057

そして、据込鍛造工程を終えた荒地20は、中空鍛造工程に送られる。
中空鍛造工程は、据込鍛造工程にて鍛造された荒地20の軸心方向中央部に窪み部22を形成した鍛造品21を製造する(図1(e)参照)。
図1(e)では、第4の据込鍛造工程を終えた荒地20を下金型2から離型せずにそのまま保持する。そして、圧下面の中央に下方に向かって突出状の凸部10が形成された窪み部形成ポンチ4bを有する窪み部形成上金型3bに変更して熱間で据込鍛造を行い、荒地20の高さ(軸長方向)の1/2以下の底部厚さを有し且つ均等の肉厚となるように形成された、断面視U字形状(カップ形状)の鍛造品21を製造する。なお、鍛造品21の底部厚さが1/2を超えると、鍛造品21の中央部以外にひずみが付与されていない部分(低ひずみ部)が生じやすくなるため、鍛造品21の底部厚さが1/2以下とされている。

0058

ここでの、窪み部形成上金型3bの凸部10は、断面視でボールペンの先端部(ペン先)形状に形成されており、この凸部10は荒地20を貫通しないようになっている。また、窪み部形成上金型3bの窪み部形成ポンチ4bの幅方向の径は、第4の据込鍛造工程で用いられた据込鍛造上金型3aの据込鍛造ポンチ4aの径と同じである。
そして、中空鍛造工程を終えた鍛造品21は、軸長L/外径Dの比が3以下とされた断面視でU字形状に成形される。なお、鍛造品21の軸心方向中央部が圧下されて窪み部22が形成されるため、第4の据込鍛造工程での荒地20の高さ(軸長L)よりやや高くなっている。

0059

図3(e)に示すように、中空鍛造工程で鍛造品21に付与される0.2以上の高いひずみは、荒地20の下部中央を除く全体に付与される(間隔の広い斜線部)。言い換えると、0.2未満の低ひずみ部(間隔の狭い斜線部)が、荒地20の下部中央にわずかに残存するだけであって、荒地20の本体部分(ひずみが要求されている部分)に0.2以上の高いひずみが付与される。

0060

図1(f)及び図3(f)に示すように、鍛造品21は、下金型2(孔部6)の下方に備えられているノックアウト棒12により下金型2から引き剥がされるように排出される。
その後、中空鍛造工程を終えた鍛造品21は、穿孔工程に送られて、打抜き鍛造・せん断加工などによって鍛造品21の軸心方向を向く中心部が穿孔(貫通)されると共に、鍛造品21に残存した低ひずみ部を除去される。低ひずみ部が除去され、且つ中心部が貫通された鍛造品21(最終の鍛造製品)の断面の一例を図4に示す。なお、機械加工などによって、断面視U字状の鍛造品21の底部を貫通させてもよい。

0061

以上述べたように、本発明の熱間据込鍛造装置1、及び熱間鍛造方法は、チタン合金など難加工材において、長尺の荒地20(被加工材)を用いても座屈を防止することができると共に、荒地20の高さ(軸長方向)の1/2以下の底部厚さを有する、断面視U字形状(カップ形状)の鍛造品21に成形して、その鍛造品21の中央部を除く部分(ほぼ鍛造品21全体)に0.2以上の高いひずみを付与することができる。また、荒地20を反転させて据込鍛造を繰り返し行うことで、荒地20の軸長方向に亘って広範囲に荒地20の外径Dを拡径させることができる。また、本発明の熱間据込鍛造装置1、及び熱間鍛
造方法は、下金型2の孔部6の内径A及び据え込み部8の内径Bを設定することで、据込鍛造中における荒地20の軸心のずれを軽減することができるため、加圧時の座屈のリスクを低減することも可能となる。加えて、荒地20の折込み疵の発生を抑制することができる。また、内側傾斜面7の傾斜角θを設定することで、鍛造品21に高いひずみを付与することができ、高い水準で安定した機械的特性を得ることができる。

0062

具体的には、下金型2の孔部6の径Aが、荒地20の下部の外径Dより大きく1.1倍以下の径(孔部6に荒地20が嵌合される)とされ、孔部6の高さEが、荒地20の軸長方向に対して、1/100より大きく1/10以下の高さとされる。
下金型2の据え込み部8の内径Bが、荒地20の外径Dより大きく1.5倍以下に設定され、据え込み部8に連接される内側傾斜面7の傾斜角θが、凹部5の上下方向を向く軸心に対して、0°より大きく45°以下に設定されることで、据込鍛造中に生じる鍛造品21及び荒地20の座屈を防止すると共に、高いひずみを付与することが可能である。好ましくは、内側傾斜面7の傾斜角θは、凹部5の上下方向を向く軸心に対して、10°より大きく45°以下に設定されているとよい。

0063

また、凹部5の据え込み部8の内壁面を、凹部5の上下方向を向く軸心に対して、上方に向かって放射形状に傾斜させて、その内壁面の傾斜角ηを0°より大きくtan-1[0.1×D/L]以下に設定することで、鍛造終了後の鍛造品21及び荒地20を下金型2から容易に離形させることができる。また、据込鍛造上金型3aの圧下面(据込鍛造ポンチ4a)の周縁に、荒地20の上部に嵌合する断面視で矩形形状又は三角形状の下方突出部9が設けられていることで、据込鍛造中の荒地20を据込鍛造上金型3aの中心に安定的に直立状態で保持し、圧下時の座屈の発生を抑止することが可能となる。

0064

このように、本発明の熱間据込鍛造装置1、及び熱間鍛造方法で製造された鍛造品21は、過酷な環境下で使用される航空機や車両などの輸送機器のエンジン部材、あるいはシャーシなどの構造部材に最も適している。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。

0065

本実施形態では、荒地20(被加工材)は長尺の円柱部材を用いて鍛造品21を製造したが、円筒状の棒材を用いて製造してもよい。また、中空鍛造工程において、上金型3と下金型2を両方変更してもよい。例えば、上金型3を圧下面の中央に下方に向かって突出状の凸部10が形成されているものに変更し、下金型2を凹部5の底部の中央に上方に向かって突出状の上方突出部が形成されているものに変更してもよい。このような上金型3及び下金型2で製造される鍛造品21は、断面視でH型形状に成形される。また、本実施形態では、円柱状の荒地20(被加工材)を用いて据込鍛造を行ったが、円筒状の荒地20を用いて据込鍛造を行ってもよい。

0066

なお、鍛造品21及び荒地20の軸長L/外径Dの比を3以下に据込鍛造した後の据込鍛造工程(中空鍛造工程の前工程)に用いられる下金型2及び上金型3については、本実施形態のものを用いてもよいし、別のものを用いてもよい(例えば、図1(d)に該当する据込鍛造工程で用いられる金型)。
特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件操業条件、各種パラメータ構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。

0067

1 熱間据込鍛造装置
2下金型
3上金型
3a 据込鍛造上金型
3b 窪み部形成上金型
4ポンチ
4a 据込鍛造ポンチ
4b 窪み部形成ポンチ
5 凹部
6 孔部(嵌り込み部分)
7内側傾斜面
8 据え込み部
9 下方突出部
10 凸部
11 据え込み傾斜面
12ノックアウト棒
20被加工材(荒地)
21鍛造品
22 窪み部

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