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技術 緊急遮断弁制御装置及び緊急遮断弁制御方法

出願人 株式会社日立製作所
発明者 原直樹畑秀太朗今井美希山崎洋
出願日 2013年6月7日 (7年6ヶ月経過) 出願番号 2013-120869
公開日 2014年12月18日 (6年0ヶ月経過) 公開番号 2014-237954
状態 特許登録済
技術分野 上水用取水集水配水
主要キーワード 計測時刻データ 冷却水装置 人手操作 消防用水 量合計値 産業構造 目標水量 合計演算
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (11)

課題

地震発生時に複数の緊急遮断弁についての閉弁要否を迅速かつ的確に判定し、必要な応急給水量を確保した上で、可能な限り生活用水等の継続的な通水を可能にする。

解決手段

監視装置8のデータ記憶部83に、配水施設100A〜100Fが受け持つ配水地区20が必要とする緊急給水量と、緊急給水量を確保するために優先的に閉弁すべき緊急遮断弁7の情報を記憶する。監視装置8の閉弁要否演算部82は、データ記憶部83に記憶された情報と、配水施設に備えられた制御装置1から送信される各配水施設の現時点貯水量に基づいて、各緊急遮断弁7に関する閉弁要否を演算し、制御装置1に送信する。制御装置1は、地震計測装置2の地震計測データが規定値を超えたとき、監視装置8から送信された閉弁要否データに基づいて、対応する緊急遮断弁7を閉弁する。

概要

背景

浄水場造水された水道水は、各配水地区に備えられた複数の貯水槽から配水地区全域に供給されている。貯水槽には、貯水槽自体やこれに接続されている水道管の損傷等による水道水の流出を防止する目的で、緊急遮断弁が設置されている。緊急遮断弁は、制御装置からの閉弁信号を受信すると速やかに閉動作を開始して、閉弁状態移行する。

地震発生時には、配水地区全域で必要な応急給水量を確保して、医療機関避難所等への運搬給水に対応できるようにするため、災害発生後各貯水槽に備えられた緊急遮断弁を迅速に閉弁する必要がある。一方、水道水は、飲料水医療用水の他、生活用水都市活動水、産業動用水、消防用水としても使用されるため、災害発生後も可能な限りは通水を継続することが望まれる。必要とする応急給水量や生活用水量等は、各配水地区の人口構成や産業構造等によって、配水地区毎に異なる。また、閉弁された緊急遮断弁の開弁動作人手操作によるため、開弁状態復旧するまでに長時間を要するし、通水開始後はいわゆる赤水と呼ばれる濁水が蛇口から流れ出るので、緊急遮断弁の閉弁は、できるだけ避けることが望ましい。したがって、災害発生時に貯水槽の緊急遮断弁を閉めるか否かは、これらの諸事情を考慮した上で、配水地区毎に迅速かつ的確に判断する必要がある。

しかしながら、水道水の需要量は、人間の生活や経済活動の影響を受け、24時間内で大きな変動を示すので、個々の貯水槽の貯水量時々刻々と変動している。そのため、人が災害発生時に複数の緊急遮断弁の閉弁要否を迅速かつ的確に判断することは、極めて困難である。従来、このような事情に鑑みて、貯水槽の緊急時の状況を検知する地震計流量計又は水位計等の検知装置と、該検知装置からの検知信号に基づいて遮水弁の駆動装置を作動させる制御装置とを備え、制御装置が検知装置の検知データから自動的に遮水弁の閉弁要否を判断して、遮水弁の開閉制御を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1の請求項1参照)。また、地震発生時に緊急遮断弁の閉弁が遅れないようにするため、中央監視装置からの指令によって緊急遮断弁を閉弁するのではなく、各緊急遮断弁に対応して設けられた中継ユニットにより直接的に緊急遮断弁を閉弁する技術が提案されている(例えば、特許文献2の請求項1参照)。

特許文献1に開示の技術によれば、地震計、流量計又は水位計が予め設定された震度過大流量又は異常低水位を検知したとき、遮水弁を自動的に全開状態から全閉状態切り換えるので、地震発生時に迅速かつ確実に貯水槽の遮水を行うことができる。

また、特許文献2に開示の技術によれば、各緊急遮断弁に対応して設けられた中継ユニットにより直接的に緊急遮断弁を閉弁するので、操作員の判断により中央監視装置から緊急遮断弁に制御信号を送る場合に比べて、緊急遮断弁の閉操作を迅速化でき、大量の水の流出を防止することができる。

概要

地震発生時に複数の緊急遮断弁についての閉弁要否を迅速かつ的確に判定し、必要な応急給水量を確保した上で、可能な限り生活用水等の継続的な通水を可能にする。監視装置8のデータ記憶部83に、配水施設100A〜100Fが受け持つ配水地区20が必要とする緊急給水量と、緊急給水量を確保するために優先的に閉弁すべき緊急遮断弁7の情報を記憶する。監視装置8の閉弁要否演算部82は、データ記憶部83に記憶された情報と、配水施設に備えられた制御装置1から送信される各配水施設の現時点の貯水量に基づいて、各緊急遮断弁7に関する閉弁要否を演算し、制御装置1に送信する。制御装置1は、地震計測装置2の地震計測データが規定値を超えたとき、監視装置8から送信された閉弁要否データに基づいて、対応する緊急遮断弁7を閉弁する。

目的

本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、地震発生時に複数の緊急遮断弁についての閉弁要否を迅速かつ的確に判定し、必要な応急給水量を確保した上で、可能な限り生活用水等の継続的な通水を可能にすることを課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

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請求項1

複数の貯水施設と、これら複数の貯水施設の貯水状態を継続的に監視する監視装置と、前記貯水施設及び前記監視装置を相互に接続するネットワークとを備え、前記貯水施設は、貯水槽と、該貯水槽に連通する水道管に設置された緊急遮断弁と、該緊急遮断弁を開閉制御する制御装置と、地震計測装置を有し、前記監視装置は、前記ネットワークを介して前記制御装置から送信されるデータと予めデータ記憶部に格納された目標応急給水量を含む初期設定データとに基づいて、前記緊急遮断弁についての閉弁要否データ繰り返し演算すると共に、演算により求められた前記閉弁要否データを、前記ネットワークを介して前記制御装置に順次送信し、前記制御装置は、前記地震計測装置から出力される地震計測データが基準値を超えたとき、その時点で閉弁要否記憶部に記憶されている最新の閉弁要否データに基づいて、前記緊急遮断弁を開弁状態から閉弁状態切り換えるか、開弁状態のまま維持することを特徴とする緊急遮断弁制御装置

請求項2

請求項1の緊急遮断弁制御装置において、前記貯水施設に前記貯水槽内水位計測する水位計測装置を備え、前記監視装置は、前記制御装置から前記ネットワークを介して送信される水位計測データと前記データ記憶部に予め格納された前記貯水槽の底面積データとから、各貯水施設に貯えられた貯水量、及び前記複数の貯水施設に貯えられた貯水量の総量を算出することを特徴とする緊急遮断弁制御装置。

請求項3

請求項1に記載の緊急遮断弁制御装置において、前記データ記憶部に、地震発生時に配水地区全域で確保しなくてはならない応急給水の目標水量と、優先的に閉弁する緊急遮断弁の順位を決める順位条件を設定し、前記監視装置は、前記データ記憶部に設定された応急給水の目標水量、各貯水槽の貯水量及び優先的に閉弁する緊急遮断弁の順位適合条件から、地震発生時に優先的に閉弁する緊急遮断弁を演算することを特徴とする緊急遮断弁制御装置。

請求項4

請求項3に記載の緊急遮断弁制御装置において、前記順位条件は、前記データ記憶部83に記憶されたデータと、昇順降順、AND、OR又は四則演算組合せからなることを特徴とする緊急遮断弁制御装置。

請求項5

請求項4に記載の緊急遮断弁制御装置において、前記順位条件を、貯水量AND昇順としたことを特徴とする緊急遮断弁制御装置。

請求項6

請求項4に記載の緊急遮断弁制御装置において、前記順位条件を、貯水量AND降順としたことを特徴とする緊急遮断弁制御装置。

請求項7

請求項4に記載の緊急遮断弁制御装置において、前記順位条件を、貯水槽耐震化度AND昇順としたことを特徴とする緊急遮断弁制御装置。

請求項8

請求項3に記載の緊急遮断弁制御装置において、前記データ記憶部に、前記複数の貯水施設のそれぞれに備えられる貯水槽に関する情報と、各貯水槽についての耐震化度に関する情報と、前記複数の貯水施設のそれぞれから給水を受ける個別地区に関する情報をさらに設定することを特徴とする緊急遮断弁制御装置。

請求項9

請求項8に記載の緊急遮断弁制御装置において、前記複数の貯水施設のそれぞれに備えられる貯水槽に関する情報には、各貯水槽の底面積を含むことを特徴とする緊急遮断弁制御装置。

請求項10

請求項8に記載の緊急遮断弁制御装置において、前記各貯水槽についての耐震化度に関する情報には、各貯水槽の重要度を含むことを特徴とする緊急遮断弁制御装置。

請求項11

請求項8に記載の緊急遮断弁制御装置において、前記個別地区に関する情報には、前記個別地区に配管された水道管の耐震化度を含むことを特徴とする緊急遮断弁制御装置。

請求項12

貯水槽、該貯水槽に連通する水道管に設置された緊急遮断弁、該緊急遮断弁を開閉制御する制御装置及び地震計測装置を備えた複数の貯水施設の貯水状態を、ネットワークを介して前記制御装置と接続された監視装置で継続的に監視し、前記監視装置には、前記ネットワークを介して前記制御装置から送信されるデータと予めデータ記憶部に格納された目標応急給水量を含む初期設定データとに基づいて、前記緊急遮断弁の閉弁要否データを繰り返し演算させると共に、演算により求められた前記閉弁要否データを、前記ネットワークを介して前記制御装置に順次送信させ、前記制御装置には、前記地震計測装置から出力される地震計測データが基準値を超えたとき、その時点で閉弁要否記憶部に記憶されている最新の閉弁要否データに基づいて、前記緊急遮断弁を開弁状態から閉弁状態に切り換えさせるか、開弁状態のまま維持させることを特徴とする緊急遮断弁制御方法

技術分野

0001

本発明は、貯水槽配水地区とを繋ぐ水道管に設けられた緊急遮断弁の開閉制御を行う緊急遮断弁制御装置及び緊急遮断弁制御方法に関する。

背景技術

0002

浄水場造水された水道水は、各配水地区に備えられた複数の貯水槽から配水地区全域に供給されている。貯水槽には、貯水槽自体やこれに接続されている水道管の損傷等による水道水の流出を防止する目的で、緊急遮断弁が設置されている。緊急遮断弁は、制御装置からの閉弁信号を受信すると速やかに閉動作を開始して、閉弁状態移行する。

0003

地震発生時には、配水地区全域で必要な応急給水量を確保して、医療機関避難所等への運搬給水に対応できるようにするため、災害発生後各貯水槽に備えられた緊急遮断弁を迅速に閉弁する必要がある。一方、水道水は、飲料水医療用水の他、生活用水都市活動水、産業動用水、消防用水としても使用されるため、災害発生後も可能な限りは通水を継続することが望まれる。必要とする応急給水量や生活用水量等は、各配水地区の人口構成や産業構造等によって、配水地区毎に異なる。また、閉弁された緊急遮断弁の開弁動作人手操作によるため、開弁状態復旧するまでに長時間を要するし、通水開始後はいわゆる赤水と呼ばれる濁水が蛇口から流れ出るので、緊急遮断弁の閉弁は、できるだけ避けることが望ましい。したがって、災害発生時に貯水槽の緊急遮断弁を閉めるか否かは、これらの諸事情を考慮した上で、配水地区毎に迅速かつ的確に判断する必要がある。

0004

しかしながら、水道水の需要量は、人間の生活や経済活動の影響を受け、24時間内で大きな変動を示すので、個々の貯水槽の貯水量時々刻々と変動している。そのため、人が災害発生時に複数の緊急遮断弁の閉弁要否を迅速かつ的確に判断することは、極めて困難である。従来、このような事情に鑑みて、貯水槽の緊急時の状況を検知する地震計流量計又は水位計等の検知装置と、該検知装置からの検知信号に基づいて遮水弁の駆動装置を作動させる制御装置とを備え、制御装置が検知装置の検知データから自動的に遮水弁の閉弁要否を判断して、遮水弁の開閉制御を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1の請求項1参照)。また、地震発生時に緊急遮断弁の閉弁が遅れないようにするため、中央監視装置からの指令によって緊急遮断弁を閉弁するのではなく、各緊急遮断弁に対応して設けられた中継ユニットにより直接的に緊急遮断弁を閉弁する技術が提案されている(例えば、特許文献2の請求項1参照)。

0005

特許文献1に開示の技術によれば、地震計、流量計又は水位計が予め設定された震度過大流量又は異常低水位を検知したとき、遮水弁を自動的に全開状態から全閉状態切り換えるので、地震発生時に迅速かつ確実に貯水槽の遮水を行うことができる。

0006

また、特許文献2に開示の技術によれば、各緊急遮断弁に対応して設けられた中継ユニットにより直接的に緊急遮断弁を閉弁するので、操作員の判断により中央監視装置から緊急遮断弁に制御信号を送る場合に比べて、緊急遮断弁の閉操作を迅速化でき、大量の水の流出を防止することができる。

先行技術

0007

特開平9−256426号公報
特開2002−30702号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかしながら、特許文献1、2に記載の技術は、いずれも、検知装置が異常を検知したときに遮水弁(緊急遮断弁)を自動的に遮断する構成であるので、応急給水量の確保には効果的であるものの、配水地区への通水が全くできない状態となり、住民の生活が却って不便になる場合が生じる。即ち、地震等の災害発生時には、医療施設公共施設応急的に給水する応急給水量の確保が最も重要であるが、応急給水量が確保されていれば、余剰の水については、生活用水、都市活動水、産業活動用水、消防用水として、配水地区への給水を継続することが望ましい。特許文献1、2に記載の技術によっても、遮水弁(緊急遮断弁)を再度開弁することにより、生活用水等の給水が可能になるが、上述したように、遮水弁(緊急遮断弁)の開弁操作には長時間を要するし、通水開始後は濁水が蛇口から流れ出るので望ましくない。

0009

また、特許文献1には、過大流量及び異常低水位を検知して遮水弁を閉弁する技術が記載されているが、貯水槽における流出側の配管が破損したとしても直ちには異常が検出されず、漏水開始からある程度の時間が経過した後に初めて異常が検知されるので、特許文献1に記載の技術では、異常発生時に迅速に遮断弁を閉弁することができない。また、流量計又は水位計からの検知信号に基づいて遮水弁を閉弁するためには、流量計又は水位計からの検知信号を制御装置が継続的に収集する必要があるが、地震発生時には、検知装置の検出部や信号伝送部が損傷するリスクが高まるので、地震発生以降に流量計又は水位計からの検知信号を制御装置が継続的に収集できない場合を生じる。特許文献1に記載の技術は、流量計又は水位計からの検知信号を制御装置が継続的に収集できることを前提としているので、過大流量や異常低水位が生じているにも拘らず遮断弁を閉弁できない場合を生じ、貯水槽における貯留水の確保を保証することができない。このような不都合は、地震発生により検知装置の検出部や信号伝送部が損傷した場合のみならず、検知装置の電源が破損した場合や、時間の経過により蓄電池等の電源が喪失した場合にも、同様に発生する。

0010

本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、地震発生時に複数の緊急遮断弁についての閉弁要否を迅速かつ的確に判定し、必要な応急給水量を確保した上で、可能な限り生活用水等の継続的な通水を可能にすることを課題とする。

課題を解決するための手段

0011

上述の課題を解決するため、本発明は、複数の貯水施設と、これら複数の貯水施設の貯水状態を継続的に監視する監視装置と、前記貯水施設及び前記監視装置を相互に接続するネットワークとを備え、前記貯水施設は、貯水槽と、該貯水槽に連通する水道管に設置された緊急遮断弁と、該緊急遮断弁を開閉制御する制御装置と、地震計測装置を有し、前記監視装置は、前記ネットワークを介して前記制御装置から送信されるデータと予めデータ記憶部に格納された目標応急給水量を含む初期設定データとに基づいて、前記緊急遮断弁についての閉弁要否データ繰り返し演算すると共に、演算により求められた前記閉弁要否データを、前記ネットワークを介して前記制御装置に順次送信し、前記制御装置は、前記地震計測装置から出力される地震計測データが基準値を超えたとき、その時点で閉弁要否記憶部に記憶されている最新の閉弁要否データに基づいて、前記緊急遮断弁を開弁状態から閉弁状態に切り換えるか、開弁状態のまま維持することを特徴とする

発明の効果

0012

本発明によれば、制御装置からの送信データと予めデータ記憶部に格納された目標応急給水量を含む初期設定データとに基づいて、緊急遮断弁についての閉弁要否データを演算するので、各配水地区が必要とする応急給水量を確実に確保することができる。また、閉弁「要」と判定された緊急遮断弁以外の緊急遮断弁については開弁状態に維持するので、必要な応急給水量を確保した上で、生活用水等の通水も維持することができる。

図面の簡単な説明

0013

実施形態に係る緊急遮断弁制御装置の構成図である。
実施形態に係る監視装置のハードウェア構成を示す図である。
実施形態に係る監視装置のデータ記憶部に記憶される初期設定データの一例を示す図である。
実施形態に係る監視装置のデータ記憶部に記憶される時系列データの一例を示す図である。
実施形態に係る貯水量演算部の処理手順を示すフローチャートである。
実施形態に係る順位演算部の処理手順を示すフローチャートである。
実施形態に係る閉弁要否演算部の処理手順を示すフローチャートである。
実施形態に係る制御装置の構成を示す図である。
実施形態に係る制御装置のハードウェア構成を示す図である。
実施形態に係る判定処理部の処理手順を示すフローチャートである。

実施例

0014

以下、本発明に係る緊急遮断弁制御装置及び緊急遮断弁制御方法の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。

0015

図1に示すように、実施の形態に係る緊急遮断弁制御装置は、地区Aに水道水を供給する施設100A、地区Bに水道水を供給する施設100B、地区Cに水道水を供給する施設100C、地区Dに水道水を供給する施設100D、地区Eに水道水を供給する施設100E、地区Fに水道水を供給する施設100Fの稼動を、監視装置8が集中制御する構成となっている。監視装置8は、個別地区A、B、C、D、E、Fの集合である配水地区全域20における水道水の需給を考慮して、各施設100A、100B、100C、100D、100E、100Fの稼動を制御する。

0016

施設100Aには、貯水槽4が備えられており、この貯水槽4には、浄水場や配水場等の図示しない上流水道施設からの送水が、流入管5を通って流入する。貯水槽4に貯水された水は、流出管6から配水地区20内の個別地区Aへ配水される。貯水槽4は、上流側水道施設からの送水量と下流側需要量の時間変動を調整する機能や、貯水量に応じて需要者への断水影響を軽減する機能や、地震災害発生時には飲料水や医療用水等生命維持に必要な応急給水を貯水する機能等を有している。貯水槽4の流出口側には、緊急遮断弁7が設置される。緊急遮断弁7は、地震発生時の水道施設の損壊や停止等に起因する貯留水の流出を防止し、主に飲料水や医療用水等の応急給水を確保する目的で設置されている。なお、緊急遮断弁7は、貯水槽4の流入側に設置してもよいし、貯水槽4の流入側及び流出口から離れた場所に設置してもよい。緊急遮断弁7は、制御装置1から閉弁信号を受信すると速やかに機械的に閉弁動作を開始する。

0017

また、施設100Aには、制御装置1、地震計測装置2及び水位計測装置3が備えられており、水位計測装置3は、貯水槽4の水位を連続的に計測して、例えば1〜5Vの水位計測データに変換して制御装置1に出力する。

0018

地震計測装置2は、地震の強度(地震強度)を例えば計測震度震度階級、最大加速度等として数値化する。地震計測装置2は、地震の強度を連続的に計測して、例えば1〜5Vの地震強度計測データに変換して制御装置1に出力する。

0019

制御装置1は、ネットワーク21を介して監視装置8と接続され、水位計測装置3により計測された水位計測データ及びタイマ1aから取得される計測時刻を、監視装置8に常時送信する。また、制御装置1は、監視装置8から送信される閉弁要否データを常時受信して保存する。閉弁要否データとは、監視装置8にて演算された緊急遮断弁7を閉弁するか否かのデータであり、詳細については後述する。制御装置1は、地震計測装置2からの地震強度計測データ及び監視装置8からの閉弁要否データに基づいて、緊急遮断弁7への閉弁信号を制御する。

0020

施設100B、100C、100D、100E、100Fについても、施設100Aと同様に構成される。但し、各施設100A、100B、100C、100D、100E、100Fの貯水槽4は、受け持つ個別地区A、B、C、D、E、Fの特性に応じて、底面積が異なる場合がある。

0021

監視装置8は、図1に示すように、データ通信部80、貯水量演算部81、閉弁要否演算部82、データ記憶部83、順位演算部84を備えており、各施設100B、100C、100D、100E、100Fに備えられた各貯水槽4の水位計測データから、各貯水槽4に備えられた緊急遮断弁7の閉弁要否データを演算する。また、演算により求められた閉弁要否データを、各施設100B、100C、100D、100E、100Fに備えられた各制御装置1に送信する。なお、データ記憶部83は、データ通信部80、貯水量演算部81、閉弁要否演算部82からアクセスされる。

0022

図2に、監視装置8のハードウェア構成を示す。この図から明らかなように、本例の監視装置8は、PC(Personal Computer)等で構成されており、CPU(Central Processing Unit)801、RAM(Random Access Memory)802、HD(Hard Disk)803、通信インタフェース804及び入出力インタフェース805が、バス806を介して互いに接続されている。入出力インタフェース805には、LCDなどの表示装置807及び入力装置であるマウスキーボード808が接続される。また通信インタフェース804には、ネットワーク21が接続される。

0023

図1に示したデータ通信部80、貯水量演算部81、閉弁要否演算部82、順位演算部84はRAM802に配置され、CPU801によって実行されることで具現化する。また、図1のデータ記憶部83はHD803に配置され、貯水量演算部81、閉弁要否演算部82、データ通信部80からアクセスされる。データ通信部80、貯水量演算部81、閉弁要否演算部82、順位演算部84の実行タイミングは、通信インタフェース804がネットワーク21からデータを受信したタイミング、入出力インタフェース805がマウス・キーボード808からの入力を受信したタイミング、データ記憶部83のデータが更新されたタイミング、データ通信部80、貯水量演算部81、閉弁要否演算部82、順位演算部84の処理が終了したタイミング、一定周期などで実行されることで具現化する。また、図1のデータ記憶部83に格納されているデータは、マウス・キーボード808により入力や修正され、データ記憶部83に格納されているデータは、表示装置807に出力表示される。

0024

データ通信部80は、ネットワーク21を介して、各施設100A、100B、100C、100D、100E、100Fに備えられた各制御装置1と接続され、これらの各制御装置1から最新の水位計測データを、例えば0.1秒周期、0.5秒周期、1秒周期、10秒周期などで受信する。また、水位計測データを受信したタイミングで水位計測時刻を生成する。これらの水位計測データ及び水位計測時刻データは、データ記憶部83に時系列的に保存する。保存タイミングは、例えば1秒周期、10秒周期、1分周期、10分周期などとすることができる。

0025

また、データ通信部80は、データ記憶部83に保存されている閉弁要否データを読出し、ネットワーク21を介して各制御装置1へ送信する。監視装置8から制御装置1へのデータ送信タイミングは、例えば、閉弁要否演算部82が処理を終了したイベントや、データ記憶部83に閉弁要否データが格納されたイベントとすることができる。

0026

データ記憶部83には、図3に例示する初期設定データ830が記憶される。図3の例では、初期設定データ830が、目標水量フィールド831、貯水槽施設情報フィールド832、貯水槽耐振化フィールド833及び個別地区情報フィールド834から構成されている。

0027

目標水量フィールド831には、震災時に配水地区全域20で確保しなくてはならない応急給水の目標水量と、貯水槽の順位条件(適合条件)を初期設定する。ここで、配水地区全域20とは、施設100A、100B、100C、100D、100E、100Fに備えられた各貯水槽4から配水可能な配水地区であり、個別地区A、B、C、D、E、Fの集合である。また、個別地区A、B、C、D、E、Fとは、対応する施設に備えられた貯水槽4から水道水を供給可能な地区、つまり対応する施設に備えられた貯水槽4が損傷して水道水供給機能を喪失した場合に断水する地区である。

0028

目標水量とは、配水地区全域20で確保すべき応急給水量の目標値であり、配水地区20内に存在する医療機関及び公共機関の数、民家の数、及び事業所の数等を考慮して、配水地区20毎に設定される。例えば、医療機関及び公共機関の数が多い配水地区20ほど、目標水量値を高く設定する。

0029

また、貯水槽の順位条件(適合条件)とは、優先的に閉弁する緊急遮断弁7の順位であり、データ記憶部83に格納されている各種データと、昇順降順、AND、OR、四則演算組合せなどで記述される。例えば、図3に例示した「貯水量AND昇順」は、貯水量が大きい貯水槽4の順に緊急遮断弁7を閉弁する設定としたことを意味している。一般に、必要な応急給水量を確保するためには、貯水量が多い少数の貯水槽4について貯水を管理する方が、管理上有利である。したがって、各貯水槽4の耐震化度や水道管の耐震化度に差がない場合は、貯水槽の順位条件(適合条件)を「貯水量AND昇順」に設定する。これに対して、各貯水槽4の耐震化度に差があり、貯水量が多い貯水槽4の耐震化度が必ずしも高くない場合には、必要な応急給水量を確実に確保するため、貯水槽の順位条件(適合条件)を「貯水槽耐振化度AND昇順」とする。また、各水道管の耐震化度に差があり、貯水量が多い貯水槽4に繋がる水道管の耐震化度が必ずしも高くない場合には、必要な応急給水量を確実に確保するため、貯水槽の順位条件(適合条件)を「水道管耐振化度AND昇順」とする。さらには、医療機関や公共施設が少なく、民家や事業所が多い配水地区20については、貯水量が小さい貯水槽4で必要な応急給水量を確保できるため、多量の生活用水、都市活動水、産業活動用水、消防用水を配水地区に給水すべく、順位条件(適合条件)を「貯水量AND降順」等とすることもできる。このように、本実施形態に係る緊急遮断弁制御装置は、配水地区20の特性に合わせて貯水槽の順位条件(適合条件)を適宜に設定できるようにしたので、必要な応急給水量の確保と、生活用水等の給水維持とを両立させることができる。

0030

貯水槽施設情報フィールド832には、貯水槽番号(i)、施設名などの施設管理に関する情報、貯水槽4の底面積A(i)などの貯水施設100A〜100Fに関する情報を初期設定する。このように、本実施形態においては、データ記憶部83に貯水施設100A〜100Fに関する情報を記憶するので、何らかの事情、例えば保守清掃が行われるとか、事故が発生したなどの事情によって、貯水槽施設100A〜100Fのいずれかが運転停止の状態になっている場合にも、初期設定データ中の貯水槽施設情報832に設定するデータを変更するだけで対応できる。

0031

貯水槽耐振化フィールド833には、貯水槽4の重要度B(i)、貯水槽4の耐振化度C(i)など、貯水槽4の重要度や耐久性に関する情報を初期設定する。ここで、貯水槽4の重要度とは、例えば、震災時でも可能な限り通水すべき施設、配水本管直接接続されている施設、給水人口の多い施設、重大な二次災害を起こす可能性の高い施設などであり、0.0〜1.0の数値で表す。重要度1.0は最も重要度の高い施設であり、重要度が減るほど重要度が低くなり、重要度0.0は最も重要度の低い施設である。また、貯水槽4の耐振化度とは、貯水槽4の耐振化性能の程度であり、例えば0.0〜1.0の数値で表す。耐振化度1.0とは震災でも無被害運用可能な耐震化度、耐振化度0.8とは軽微の被害が生じても機能を保持可能な耐震化度、耐振化度0.5とは損傷が発生しても早期に復旧が可能な耐震化度、耐振化度0.3は損傷が発生した場合に復旧に時間を要する耐震化度などに分類する。このように、本実施形態に係る緊急遮断弁制御装置は、監視装置8のデータ記憶部83に貯水槽4の重要度B(i)を初期設定するので、重要度が高い貯水施設に貯えられた水道水を優先的に残すことができ、応急給水の確保を確実に行うことができる。また、必要な応急給水量を確保した上で、可能な限りの通水維持を図ることができる。

0032

配水地区情報フィールド834には、個別地区A、B、C、D、E、F毎の水道管の耐振化度D(i)、医療施設や公共施設の数E(i)、民家の数F(i)、事業所の数G(i)、消火槽の数などを初期設定する。このように、本実施形態に係る緊急遮断弁制御装置は、監視装置8のデータ記憶部83に、個別地区毎の水道管の耐振化度D(i)、医療施設や公共施設の数E(i)、民家の数F(i)、事業所の数G(i)、消火槽の数を初期設定するので、個別地区の実情に合わせて必要な応急給水量を確実に確保できると共に、可能な限り通水の維持を図ることができる。

0033

初期設定データ830の初期設定は、マウス・キーボード808による入力と表示装置807への表示により実施しても良いし、前回の目標水量フィールド831、貯水槽施設情報フィールド832、貯水槽耐振化フィールド833、個別地区情報フィールド834の初期設定データから自動的に演算しても良い。また、例えば、目標水量フィールド831の目標水量は、配水地区情報フィールド834の医療施設や公共施設の数、民家の数、事業所の数、消火槽の数などに基づいて自動的に演算しても良い。

0034

また、データ記憶部83には、図4に例示する時系列データ850が記憶される。時系列データ850は、水位計測時刻851毎のレコードから構成される。レコードには、水位計測時刻毎及び貯水槽4毎の水位計測データが格納される。また、レコードには、水位計測データに基づいて演算された貯水量、貯水量合計値及び貯水槽4毎の閉弁要否データなどの演算データが格納される。図4の例では、1つのレコードが、時刻フィールド851、貯水槽フィールド852、貯留量合計値フィールド853及び確保水量フィールド834から構成されている。これらの各レコードは、監視装置8が水位計測データを受信したタイミングで、時系列データ850に順次時系列的に追加される。

0035

時刻フィールド851には、水位計測データを取得したタイミングで生成された水位計測時刻を、レコード作成と同時に格納する。貯水槽フィールド852には、時刻フィールド851の水位計測時刻に取得した貯水槽毎の水位計測データL(i)を、レコード作成と同時に格納する。また、水位計測データL(i)に基づいて貯水量演算部81で演算された貯水量W(i)と、閉弁要否演算部83で演算された閉弁要否データY(i)を格納する。貯留量合計値フィールド853には、貯水槽フィールド852の貯水量W(i)に基づいて貯水量演算部81で演算された貯水量合計値Xを格納する。確保水量フィールド834には、貯水槽フィールド852の貯水量W(i)と閉弁要否データY(i)に基づいて閉弁要否演算部83で演算された確保水量Zを格納する。

0036

貯水量演算部81は、データ記憶部83の水位計測データと貯水槽底面積との積演算により、貯水槽毎に貯水量を演算し、さらに各貯水量の合計演算により貯水量合計値を演算する。これら演算されたデータは、データ記憶部83の時系列データに保存する。貯水量演算部81は、データ記憶部83に水位計測データが格納されたタイミングで起動する。また、貯水量演算部81は、例えば0.1秒周期、0.5秒周期、1秒周期、10秒周期などで起動しても良い。

0037

次に、図3及び図4を参照しつつ、図5に沿って貯水量演算部81における処理手順を説明する。

0038

まず、ステップS810で、図4に例示する新規レコードが作成されているかを判定する。例えば、レコードの時刻フィールド851に水位計測時刻が存在し、かつ貯水槽フィールド852に水位計測データが存在するにも拘わらず、貯水槽フィールド852に貯水量が存在しないと判定した場合(S810で有りと判定した場合)にはS811に移行し、それ以外(S810でなしと判定した場合)には開始に戻る。

0039

ステップS811では、貯水槽番号iを「1」に初期化する。ステップS812では、貯水槽番号iを「1」として、新規レコードの貯水槽フィールド852に格納されている水位計測データL(i)を読み出す。ステップS813では、図3に例示した初期設定データ830の貯水槽施設情報フィールド832に格納されている貯水槽番号iの貯水槽底面積A(i)を読み出す。ステップS814では、下記の(1)式により水位計測データと貯水槽底面積との積を演算して貯水槽番号iの貯水量W(i)を演算する。

0040

W(i)=A(i)×L(i) ・・・(1)式
i:貯水槽番号(i=1〜N、N:全貯水槽数)
W(i):貯水槽番号=iの貯水量
A(i):貯水槽番号=iの底面積
L(i):貯水槽番号=iの水位計測データ
次いで、ステップS815では、ステップS814の演算結果を貯水槽フィールド852の貯水量W(i)に保存する。ステップS816では、貯水槽番号iに「1」を加算して、貯水槽番号iと全貯水槽数Nとを比較する。未完(i≦N)と判定した場合は、ステップS811に戻り、再びステップS811〜S815を実行する。また、ステップS816で完了(i>N)と判定して場合は、ステップS810に戻り、再び新規レコードの有無を判定する。

0041

以上のように、貯水量演算部81は、データ記憶部83に水位計測時刻と水位計測データが格納されたタイミングでステップS810からステップS816の処理を実行することにより、貯水量を演算する。このように、本実施形態に係る緊急遮断弁制御装置は、水位計測装置3により検出された水位計測データL(i)と、監視装置8のデータ記憶部83に記憶された各貯水槽4の底面積A(i)とから各貯水槽4の貯水量を求めるので、緊急遮断弁制御装置の構成及び貯水量の算出を簡略なものにすることができる。

0042

順位演算部84は、データ記憶部83に格納されている順位条件に従い順位テーブルを生成する。閉弁要否演算部82の起動タイミングは、貯水量演算部81の処理が終了したイベントでも良いし、データ記憶部83に貯水量が保存されたイベントでも良い。

0043

次に、図3及び図4を参照しつつ、図6に沿って順位演算部84における処理手順を説明する。

0044

まず、ステップS841では、図3に例示する初期設定データ830の目標水量フィールド831に格納されている順位条件を読み出す。

0045

ステップS842では、S841で読み出された順位条件を実行し、結果を順位テーブルR(j)に格納する。ここで、jは順位であり1,2,3・・・Nの値を示す。例えば順位条件が「貯水量AND昇順」の場合、図4に例示した貯水槽フィールド851に格納されている貯水量W(i)が大きい順に貯水槽番号を並び替えて、順位テーブルR(j)に出力する。このように、目標水量フィールド831に格納されている順位条件と、貯水槽フィールド851に格納されている貯水量により、貯水槽番号が格納された順位テーブルR(j)が生成される。

0046

閉弁要否演算部82は、前記順位テーブルと、データ記憶部83に格納されている貯水量と目標水量と順位条件に基づいて、各貯水槽の閉弁要否データを演算する。閉弁要否演算部82の演算結果は、データ記憶部83の時系列データに保存する。また、閉弁要否演算部82の起動タイミングは、順位演算部84が順位テーブルを生成したイベントなどとすることができる。

0047

次に、図3及び図4を参照しつつ、図7に沿って閉弁要否演算部82における処理手順を説明する。なお、以下においては、順位条件が「貯水量AND昇順」である場合を例にとって説明する。

0048

まず、ステップS822では、順位演算部84が生成した順位テーブルR(j)を読出す。ステップS823では、貯水槽番号iの閉弁要否データY(i)を全て「否」に初期化する。ここで、閉弁要否データY(i)は、貯水槽番号iの緊急遮断弁7を閉弁する必要がある場合は「要」、閉弁が不要である場合は「否」が格納される。また、確保水量Zを「0」に初期化する。さらに、1次元配列テーブルである順位テーブルR(j)の順位jを「1」に初期化する。

0049

ステップS824では、順位テーブルR(j)の順位jに格納されている貯水槽番号iを読み出す。ステップS825では、ステップS824で読み出した貯水槽番号iの貯水量W(i)を読み出す。ステップS826では、確保水量ZにステップS825で読み出した貯水量W(i)を加算すると共に、貯水槽番号iの閉弁要否データY(i)を「要」とする。ステップS827では、順位jに「1」を加算する。ステップS828では、初期設定データ830の目標水量フィールド831(図3参照)に格納されている目標水量と時系列データ850(図4参照)に格納されている確保水量Zとを比較し、Z≧目標水量であるか否かを判定する。また、順位jと全貯水槽数Nとを比較し、j≧Nであるか否かを判定する。ステップS828で、確保水量Zが目標水量未満であり、かつ順位jが全貯水槽数N以下であると判定(NO)した場合は、ステップS824に移行して、ステップS823からステップS828を繰り返し実行する。ステップS828で、確保水量Zが目標水量以上であるか、又は順位jが貯水槽数Nを超えと判定(YES)した場合は、ステップS829に移行する。ステップS829では、配水地区全域20の確保水量Zと、貯水槽毎の閉弁要否データY(i)を、図4に示す時系列データ850の貯水槽フィールド852に格納して、処理を終了する。

0050

なお、図6及び図7のフローチャートでは順位条件を「貯水量AND昇順」として説明したが、記憶部83の初期設定データ830に格納されている重要度B(i)、貯水槽耐振度C(i)、個別地区の水道管耐振度D(i)、個別地区の医療・公共施設割合E(i)、個別地区の民家割合F(i)、個別地区の事業所割合G(i)などの昇順や降順としても良い。例えばソート条件を貯水槽の耐振化度の高い順、配水地区の水道管路の耐振化度が小さい順、配水地区に医療施設や公共施設が多い順、配水地区に配水地区に民家が少ない順、配水地区に民家が少ない順、配水地区に事業所が少ない順などとしても良い。また、順位条件を「貯水量AND昇順」AND「貯水槽耐振化度AND昇順」のように、複数の順位条件を組み合わせても良い。このようにすることで、データ記憶部82に、貯水槽毎の水位計測データに対応した貯水量、貯水槽毎の緊急遮断弁の閉弁要否、配水地区の確保水量を演算して保存することができる。

0051

次に、図8を用いて、制御装置1の構成を説明する。

0052

図8に示すように、制御装置1は、信号入力部11、閉弁要否記憶部12、判定処理部13、データ通信部14を有している。

0053

信号入力部11は、地震計測装置2から地震強度計測データを、水位計測装置3から水位計測データをそれぞれ連続的に取得し、これらの各データを計測時刻データと共に保存する。また、信号入力部11は、水位計測データ及び計測時刻データを判定処理部13及びデータ通信部14に出力すると共に、地震強度計測データ及び計測時刻データを判定処理部13に出力する
データ通信部14は、信号入力部11から受信した水位計測データをネットワーク21を経由して監視装置8に送信する。またデータ通信部14は、監視装置8からネットワーク21を経由して緊急遮断弁7の閉弁要否データを連続的に受信し、閉弁要否記憶部12に格納する。

0054

閉弁要否記憶部12には、データ通信部14から出力された閉弁要否データが格納される。閉弁要否記憶部12には、最新の閉弁要否データのみを格納しても良いし、計測時刻が異なる複数の閉弁要否データを時系列的に格納しても良い。

0055

判定処理部13は、信号入力部11から出力される地震強度計測データと、閉弁要否記憶部12から出力される閉弁要否データに基づいて、緊急遮断弁7の閉弁要否を判定する。判定処理部13は、地震強度計測データが基準値以上であるか、或いは、閉弁要否データが「要」であるかなどの条件により、緊急遮断弁7の閉弁要否を判定する。さらに、判定処理部13は、閉弁要と判定すると、閉弁出力信号を例えば電気信号により緊急遮断弁7に出力する。

0056

図9に、実施形態に係る制御装置1のハードウェア構成を示す。

0057

この図から明らかなように、実施形態に係る制御装置1はコントローラ等で構成されており、CPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、通信インタフェース304及び入出力インタフェース305が、バス306を介して互いに接続されている。入出力インタフェース305には地震計測装置2、水位計装置3、緊急遮断弁7が接続される。また通信インタフェース304には、ネットワーク21が接続される。

0058

図1の信号入力部11、閉弁要否記憶部12、判定処理部13、データ通信部14は、RAM302に配置され、CPU301によって実行されることで具現化する。信号入力部11は、例えば0.1秒周期、0.5秒周期、1秒周期などで入出力インタフェース305から地震計測装置2や水位計測装置3からの入力信号を受信することで具現化する。閉弁要否記憶部12は、データ通信部14、判定処理部13からアクセスされる。判定処理部13は、信号入力部11に最新の地震強度計測データを格納したタイミング、或いは例えば0.1秒周期、0.5秒周期、1秒周期などで実行することで具現化する。データ通信部14は、通信インタフェース304が監視装置8から閉弁要否データを受信したタイミング、或いは信号入力部11に最新の水位計測データを格納したタイミングで実行することで具現化する。

0059

次に、図8及び図9を参照しつつ、図10に沿って制御装置1における処理手順を説明する。

0060

まず、ステップS131で、判定処理部13は、地震計測装置2から地震強度計測データを受信し、この受信された地震強度計測データと基準値とを比較して、受信された地震強度計測データが基準値よりも大きいか否か判定する。 ステップS131で、地震強度計測データが基準値未満であると判定した場合、判定処理部13は処理を終了する。これに対して、ステップS131で、地震強度計測データが基準値以上であると判定した場合、判定処理部13はステップS132に移行し、閉弁要否の判定を行う。即ち、ステップS132で、判定処理部13は、図8及び図9に示した閉弁要否記憶部12から閉弁要否データを読み出し、読み出された閉弁要否データから、閉弁が「要」であるか「否」であるかを判定する。ステップS132で、閉弁要否データが「否」であると判定した場合、判定処理部13は、処理を終了する。つまり、制御装置1は緊急遮断弁7を閉弁しない。これに対して、ステップS132で、閉弁要否データが「要」であると判定した場合、判定処理部13は、ステップS133に移行する。ステップS133で、判定処理部13は、緊急遮断弁7に閉弁指令を出力し、処理を終了する。

0061

実施形態に係る緊急遮断弁制御装置及び緊急遮断弁制御方法は、下記の効果を有する。

0062

(1)実施形態に係る緊急遮断弁制御装置及び緊急遮断弁制御方法は、時々刻々と変化している水位の連続計測データに基づいて、緊急遮断弁7の閉弁要否を連続的に判定するので、震災発生時に、応急給水を確保するために必要な貯水槽4の緊急遮断弁7を迅速に閉弁することができ、応急給水の確保或いは通水継続の運用を適切に行うことができる。

0063

(2)実施形態に係る緊急遮断弁制御装置及び緊急遮断弁制御方法は、データ記憶部83に格納された個別地区A〜Fの情報834を含む初期設定データ830に基づいて緊急遮断弁7の閉弁要否を演算するので、各個別地区A〜Fの水道管耐震化度、医療・公共施設の数、民家の数及び事業所の数等に合わせて、適切な応急給水量を確保できる。

0064

(3)実施形態に係る緊急遮断弁制御装置及び緊急遮断弁制御方法は、データ記憶部83に格納された貯水槽施設情報832を含む初期設定データ830に基づいて緊急遮断弁7の閉弁要否を演算するので、貯水槽施設100A〜100Fのいずれかにおいて保守清掃が行われる場合や、何らかに事情により貯水槽施設100A〜100Fのいずれかが運転停止の状態に場合にも、初期設定データ中の貯水槽施設情報832を変更するだけで対応できる。

0065

(4)実施形態に係る緊急遮断弁制御装置及び緊急遮断弁制御方法は、監視装置8に備えられたデータ記憶部83に時系列データ850を格納すると共に、監視装置8に備えられた閉弁要否演算部82で緊急遮断弁7の閉弁要否データを演算するので、これらのデータを随時運転管理者に提供できる。よって、日常の運用においても震災時運用を想定することが可能になり、震災発生時に迅速な初動展開できる。

0066

(5)実施形態に係る緊急遮断弁制御装置及び緊急遮断弁制御方法は、貯水槽施設100A〜100Fのそれぞれについて、繰り返し閉弁要否を演算して時系列データ850に記憶するので、貯水槽施設100A〜100Fの耐振化工事計画する際には、記憶部83に格納された閉弁要否データについて、「要」の頻度の大きい貯水槽を優先的に実施するように計画することで、投資に見合った震災対策効果が期待できる。

0067

(6)実施形態に係る緊急遮断弁制御装置及び緊急遮断弁制御方法は、監視装置8の閉弁要否演算部82にて求められた閉弁要否データを、連続的に制御装置1の閉弁要否記憶部12に保存するので、地震計測装置2の計測データが規定値よりも大きい場合、閉弁要否記憶部12に保存された閉弁要否データに基づいて、緊急遮断弁7を直ちに閉弁できる。よって、地震発生後における地震計測装置2の破損や、電源喪失による地震計測装置2、水位計測装置3、ネットワーク21及び監視装置8の停止といったリスクを排除でき、システム信頼性を高めることができる。

0068

なお、本発明に係る緊急遮断弁制御装置は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変形することができる。以下に、本発明に係る緊急遮断弁制御装置の他の実施形態を列挙する。

0069

前記実施形態では、地震計測装置2における地震強度計測データとして、最大加速度を用いたが、震度、震度階級、加速度等を使用することもできる。

0070

前記実施形態では、制御装置1にタイマ1aを備えたが、かかる構成に代えて、制御装置1に時刻生成機能を具備し、信号入力部11が地震強度計測データや水位計測データを取得したタイミングで時刻を生成して、データ通信部14から監視装置8に送信しても良い。さらに、閉弁要否記憶部12が監視装置8から閉弁要否データを取得したタイミングで時刻を生成して、閉弁要否記憶部12に保存しても良い。

0071

前記実施形態では、信号入力部11及び閉弁要否記憶部12において、過去のデータを時系列的に蓄積したが、かかる構成に代えて、過去のデータは破棄することもできるし、所定期間前までのデータのみを保存し、それ以前のデータを破棄するようにすることもできる。

0072

前記実施形態では、各施設100A〜100Fに、制御装置1、地震計測装置2、水位計測装置3及び貯水槽4を1つずつ備えたが、各施設100A〜100Fについてこれらの機器を複数設置することもできる。

0073

前記実施形態に係る緊急遮断弁制御装置は、ビル集合住宅などの給水装置、事業所内で使用している工業用水冷却水装置にも適用できる。

0074

各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、RAMに格納すること以外に、SSD(Solid State Drive)等の記録装置や、IC(IntegratedCircuit)カード、SD(Secure Digital)カード、DVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体に格納することができる。

0075

前記実施形態に係る各部の構成、機能、処理部、各記憶部は、それらの全部又は一部を、集積回路で設計されたハードウェアで実現することもできる。

0076

なお、実施形態を説明する図面においては、説明上必要と考えられる制御線情報線のみを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんどすべての構成が相互に接続されていると考えてよい。

0077

1制御装置(遮断弁制御装置
1aタイマ
2地震計測装置
3水位計測装置(水位計測部)
4貯水槽(貯水部)
5流入管
6流出管
7緊急遮断弁(遮断弁)
8監視装置
11信号入力部
12閉弁要否記憶部
13判定処理部
14データ通信部
20配水地区
21ネットワーク
80 データ通信部
81貯水量演算部
82 閉弁要否演算部
83データ記憶部
84 順位演算部
100A〜100F施設(貯水施設)

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