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技術 生ウニ保存剤およびそれを用いた生ウニの身崩れを防止するための方法

出願人 奥野製薬工業株式会社
発明者 葛谷直也田中克幸市岡法隆
出願日 2013年6月7日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2013-121327
公開日 2014年12月18日 (5年1ヶ月経過) 公開番号 2014-236705
状態 特許登録済
技術分野 肉,卵の保存 食品の保存(凍結・冷却・乾燥を除く) 肉類、卵、魚製品 酵素・酵素の調製
主要キーワード ミョウバン水溶液 キタムラサキウニ 食味評価 容量基準 ムラサキウニ 寿司ネタ 身崩れ 離水防止剤
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年12月18日)のものです。
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課題

生ウニ本来食味を保持し、かつ身崩れを防止して保存期間の延長を可能にする、生ウニ保存剤およびそれを用いた生ウニの身崩れを防止するための方法を提供。

解決手段

生ウニ保存剤は、オキシダーゼを有効成分として含有する。前記オキシダーゼが、ラッカーゼペルオキシダーゼ、およびグルコースオキシダーゼからなる群から選ばれた少なくとも1種の酵素である。更に前記ウニ保存剤はグルコン酸カルシウムクエン酸第一鉄ナトリウム硫酸マグネシウムピロリン酸二水素カルシウム、および乳酸カルシウムから選択される少なくとも一種金属塩を含む。前記ウニ保存剤と水性媒体を含有する水溶液である生ウニ保存処理液

概要

背景

ウニは、例えば、寿司ネタとして人気のたかい商品である。その一方で、生ウニは鮮度の保持が難しく、通常は解体後約2日間の冷蔵保管の間に離水および身崩れが起こり、商品価値を低下させることが知られている。

このため、生ウニの身に対して収斂作用を有するミョウバン水溶液を生ウニに付与して生ウニの身崩れを防止する対応が行われている。しかし、ミョウバンはそれ自体独特苦味渋みえぐみを有するため、ミョウバンを処理した生ウニもまた不快な味覚を呈し、生ウニ本来食味を損なうことが懸念されている。

生ウニ保存剤として、ミョウバンに替わるいくつかの代替技術も知られている(特許文献1〜5)。しかし、生ウニ本来の食味を保持し、かつ身崩れを防止して保存期間の延長を可能にする点で、生ウニ処理剤のさらなる開発が所望されている。

概要

生ウニ本来の食味を保持し、かつ身崩れを防止して保存期間の延長を可能にする、生ウニ保存剤およびそれを用いた生ウニの身崩れを防止するための方法を提供。生ウニ保存剤は、オキシダーゼを有効成分として含有する。前記オキシダーゼが、ラッカーゼペルオキシダーゼ、およびグルコースオキシダーゼからなる群から選ばれた少なくとも1種の酵素である。更に前記ウニ保存剤はグルコン酸カルシウムクエン酸第一鉄ナトリウム硫酸マグネシウムピロリン酸二水素カルシウム、および乳酸カルシウムから選択される少なくとも一種金属塩を含む。前記ウニ保存剤と水性媒体を含有する水溶液である生ウニ保存処理液。なし

目的

本発明は、上記問題の解決を課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

オキシダーゼを有効成分として含有する、生ウニ保存剤

請求項2

前記オキシダーゼが、ラッカーゼペルオキシダーゼ、およびグルコースオキシダーゼからなる群から選択される少なくとも1種の酵素である、請求項1に記載の生ウニ保存剤。

請求項3

さらに金属塩を含有する、請求項1または2に記載の生ウニ保存剤。

請求項4

前記金属塩が、カルシウム塩マグネシウム塩、および鉄塩からなる群から選択される少なくとも1種の無機塩または有機塩である、請求項3に記載の生ウニ保存剤。

請求項5

前記金属塩が、グルコン酸カルシウムクエン酸第一鉄ナトリウム硫酸マグネシウムピロリン酸二水素カルシウム、および乳酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項3に記載の生ウニ保存剤。

請求項6

請求項1から5のいずれかに記載の生ウニ保存剤および水性媒体を含有する水溶液である、生ウニ保存処理液

請求項7

前記オキシダーゼがラッカーゼであり、かつ前記水溶液のpHが3から5である、請求項6に記載の生ウニ保存処理液。

請求項8

前記ラッカーゼの含有量が、全体重量を基準として0.01重量%から0.2重量%である、請求項7に記載の生ウニ保存処理液。

請求項9

生ウニの身崩れを防止するための方法であって、生ウニに請求項6から8のいずれかに記載の保存処理液を付与する工程を包含する、方法。

請求項10

生ウニに請求項6から8のいずれかに記載の保存処理液が付与されてなる、生ウニ食品

技術分野

0001

本発明は、生ウニ保存剤およびそれを用いた生ウニの身崩れを防止するための方法に関し、より詳細には生ウニの鮮度を保持して保存期間の延長し得る、生ウニ保存剤およびそれを用いた生ウニの身崩れを防止するための方法に関する。

背景技術

0002

生ウニは、例えば、寿司ネタとして人気のたかい商品である。その一方で、生ウニは鮮度の保持が難しく、通常は解体後約2日間の冷蔵保管の間に離水および身崩れが起こり、商品価値を低下させることが知られている。

0003

このため、生ウニの身に対して収斂作用を有するミョウバン水溶液を生ウニに付与して生ウニの身崩れを防止する対応が行われている。しかし、ミョウバンはそれ自体独特苦味渋みえぐみを有するため、ミョウバンを処理した生ウニもまた不快な味覚を呈し、生ウニ本来食味を損なうことが懸念されている。

0004

生ウニ保存剤として、ミョウバンに替わるいくつかの代替技術も知られている(特許文献1〜5)。しかし、生ウニ本来の食味を保持し、かつ身崩れを防止して保存期間の延長を可能にする点で、生ウニ処理剤のさらなる開発が所望されている。

先行技術

0005

特開2009−124991号公報
特開2008−307039号公報
特開平2−177853号公報
特開2000−245336号公報
特開2007−061052号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、生ウニ本来の食味を保持し、かつ身崩れを防止して保存期間の延長を可能にする、生ウニ保存剤およびそれを用いた生ウニの身崩れを防止するための方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明は、オキシダーゼを有効成分として含有する、生ウニ保存剤である。

0008

1つの実施形態では、上記オキシダーゼは、ラッカーゼペルオキシダーゼ、およびグルコースオキシダーゼからなる群から選択される少なくとも1種の酵素である。

0009

1つの実施形態では、本発明の生ウニ保存剤はさらに金属塩を含有する、請求項1に記載の生ウニ保存剤。

0010

さらなる実施形態では、上記金属塩は、カルシウム塩マグネシウム塩、および鉄塩からなる群から選択される少なくとも1種の無機塩または有機塩である。

0011

さらなる実施形態では、上記金属塩は、グルコン酸カルシウムクエン酸第一鉄ナトリウム硫酸マグネシウムピロリン酸二水素カルシウム、および乳酸カルシウムからなる群から選択される少なくとも1種である。

0012

本発明はまた、上記生ウニ保存剤および水性媒体を含有する水溶液である、生ウニ保存処理液である。

0013

1つの実施形態では、上記オキシダーゼはラッカーゼであり、かつ上記水溶液のpHは3から5である。

0014

さらなる実施形態では、上記ラッカーゼの含有量は、全体重量を基準として0.01重量%から0.2重量%である。

0015

本発明はまた、グルコン酸カルシウムを有効成分として含有する、生ウニ保存剤である。

0016

1つの実施形態では、上記生ウニ保存剤は、マグネシウム塩、および鉄塩からなる群から選択される少なくとも1種の無機塩または有機塩を含有する。

0017

1つの実施形態は、上記生ウニ保存剤はさらにクエン酸第一鉄ナトリウムおよび硫酸マグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種の塩を含有する。

0018

本発明はまた、上記生ウニ保存剤および水性媒体を含有する、生ウニ保存処理液である。

0019

1つの実施形態では、上記グルコン酸カルシウムの含有量は、全体重量を基準として0.05重量%から1重量%である。

0020

本発明はまた、クエン酸第一鉄ナトリウムを有効成分として含有する、生ウニ保存剤である。

0021

1つの実施形態では、上記生ウニ保存剤は、カルシウム塩、マグネシウム塩、および鉄塩からなる群から選択される少なくとも1種の無機塩または有機塩を含有する。

0022

本発明はまた、上記生ウニ保存剤および水性媒体を含有する、生ウニ保存処理液である。

0023

1つの実施形態では、上記クエン酸第一鉄ナトリウムの含有量は、全体重量を基準として0.1重量%から0.5重量%である。

0024

本発明はまた、生ウニの身崩れを防止するための方法であって、生ウニに上記保存処理液を付与する工程を包含する、方法である。

0025

本発明はまた、生ウニに上記保存処理液が付与されてなる、生ウニ食品である。

発明の効果

0026

本発明によれば、生ウニ本来の食味を保持したまま、身崩れを防止して保存期間を延長することができる。さらに、本発明の保存剤を用いることにより、複雑な操作や設備を必要とすることなく、身崩れが起こり難い生ウニ食品を簡易かつ大量に提供することができる。

0027

以下、本発明について詳述する。

0028

本発明の生ウニ保存剤は、保存助剤を有効成分として含有する。

0029

明細書中で用いられる「生ウニ」とは、食用を目的として生体を解体して得た可食部(例えば、卵巣または精巣生殖巣)を指して言う。生ウニとして用いられるウニの種類は、食用である限り特に限定されないが、例えば、ムラサキウニバフンウニ、エゾバフンウニ、キタムラサキウニアカウニ、およびシラヒゲウニが挙げられる。さらに、本明細書中で用いられる用語「生ウニ保存剤」とは、生ウニに対する保存性を高めるための製剤または組成物であって、例えば、保存期間中における生ウニに対する身崩れや離水を防止または遅延させ、鮮度を延長することができる製剤または組成物を包含していう。本発明の生ウニ保存剤は、後述するように水などの水性媒体と混合された水溶液の形態に調製することにより、生ウニ処理液として使用される。すなわち、本発明の生ウニ保存剤は、水溶液の形態に調製されることにより、生ウニに対する身崩れ防止剤または身崩れ抑制剤離水防止剤または身崩れ抑制剤、および/または鮮度保持剤として機能し得る。

0030

本発明において保存助剤の例としては、オキシダーゼおよび金属塩が挙げられる。

0031

オキシダーゼは、植物由来動物由来微生物由来のいずれのものであってよく、食品加工全般に使用されるものが用いられ得る。本発明においてオキシダーゼの例としては、ラッカーゼ、ペルオキシダーゼ(例えば、西ワサビペルオキシダーゼ)、およびグルコースオキシダーゼ、ならびにこれらの組合せが挙げられる。

0032

ここで、ラッカーゼは、フェノールオキシダーゼ一種であり、植物由来、動物由来、微生物由来のいずれのものであってよく、食品加工全般に使用され得るものが用いられる。金属塩は、食品加工全般に使用され得るものであり、金属塩の例としては、カルシウム塩、マグネシウム塩、および鉄塩、ならびにこれらの組合せが挙げられる。金属塩はまた無機塩または有機塩のいずれであってもよい。このような金属塩のより具体的な例としては、グルコン酸カルシウム、クエン酸第一鉄ナトリウム、硫酸マグネシウム、ピロリン酸二水素カルシウムおよび乳酸カルシウムが挙げられる。本発明においては、上記保存助剤のうち、生ウニに対する保存性が特に優れているとの理由から、ラッカーゼ、クエン酸第一鉄ナトリウム、グルコン酸カルシウム、および硫酸マグネシウムならびにこれらの組合せを用いることが好ましい。

0033

本発明の生ウニ保存剤は、浸透圧を調整して生ウニに対する上記保存助剤の機能を一層高める目的から、食塩を含有していてもよい。本発明において、当該食塩は、塩化ナトリウム、または当該塩化ナトリウムに各種ミネラル等を含有するものであり、食品加工全般に使用されるグレードのものであれば、その由来は特に限定されない。

0034

本発明の生ウニ保存剤は、上記保存助剤が奏する生ウニに対する保存性を阻害しない程度において他の成分を含有していてもよい。このような他の成分の例としては、pH調整剤乳化剤調味料、糖(例えば、オリゴ糖デキストリンなど)、魚介エキスなどの味覚改善のためのエキス類などが挙げられる。本発明の生ウニ保存剤における当該他の成分の含有量は、当業者によって適宜選択され得る。

0035

本発明の生ウニ保存剤は、例えば、上記保存助剤、ならびに必要に応じて食塩および/または他の成分を予め混合した、粉剤顆粒剤などの任意の剤形を有していてもよい。あるいは、本発明の生ウニ保存剤は、例えば、上記保存助剤、ならびに必要に応じて食塩および/または他の成分を個別に包装された1つのセットであってもよい。

0036

次に、生ウニに処理するための生ウニ保存処理液について説明する。

0037

本発明の生ウニ保存処理液は、上記生ウニ保存剤および水性媒体を含有する水溶液である。

0038

このような水溶液の調製は、上記生ウニ保存剤を、適切な水性媒体(すなわち、蒸留水イオン交換水、純水などの水、または保存性や殺菌等を高める目的で少量のエタノールが添加されたアルコール水溶液)に溶解することによって行われる。水性媒体の量は、上記保存剤等の含有量を考慮して、当業者によって任意の量が選択され得る。

0039

本発明の保存処理液において、含有される保存剤を構成する保存助剤としてラッカーゼが使用される場合、ラッカーゼの含有量は特に限定されないが、保存処理液の全体重量を基準として、好ましくは0.01重量%〜0.2重量%、より好ましくは0.02重量%〜0.1重量%、さらにより好ましくは0.03重量%〜0.09重量%である。特に、保存助剤としてラッカーゼ単独を用いる場合、ラッカーゼの含有量が0.01重量%未満であると、得られた処理液は、生ウニに対して充分な保存性を提供することができず、生ウニの身崩れや離水を発生させるおそれがある。同様に、ラッカーゼの含有量が0.2重量%を上回ると、もはや生ウニの保存性には顕著な差異が見られず、むしろ多量のラッカーゼを使用することにより生産性が劣るおそれがある。なお、このようなラッカーゼの含有量は、他の保存助剤と併用する場合においても適宜採用され得る。

0040

本発明の保存処理液において、含有される保存剤を構成する保存助剤としてグルコースオキシダーゼが使用される場合、グルコースオキシダーゼの含有量は特に限定されないが、保存処理液の全体重量を基準として、好ましくは0.01重量%〜0.2重量%である。特に、保存助剤としてグルコースオキシダーゼ単独を用いる場合、グルコースオキシダーゼの含有量が0.01重量%未満であると、得られた処理液は、生ウニに対して充分な保存性を提供することができず、生ウニの身崩れや離水を発生させるおそれがある。同様に、グルコースオキシダーゼの含有量が0.2重量%を上回ると、もはや生ウニの保存性には顕著な差異が見られず、むしろ多量のグルコースオキシダーゼを使用することにより生産性が劣るおそれがある。なお、このようなグルコースオキシダーゼの含有量は、他の保存助剤と併用する場合においても適宜採用され得る。

0041

本発明の保存処理液において、含有される保存剤を構成する保存助剤としてグルコン酸カルシウムが使用される場合、グルコン酸カルシウムの含有量は特に限定されないが、保存処理液の全体重量を基準として、好ましくは0.05重量%〜1重量%、より好ましくは0.1重量%〜0.8重量%、さらにより好ましくは0.2重量%〜0.5重量%である。特に、保存助剤としてグルコン酸カルシウム単独を用いる場合、グルコン酸カルシウムの含有量が0.05重量%未満であると、得られた処理液は、生ウニに対して充分な保存性を提供することができず、生ウニの身崩れや離水を発生させるおそれがある。同様に、グルコン酸カルシウムの含有量が1重量%を上回ると、もはや生ウニの保存性には顕著な差異が見られず、むしろ多量のグルコン酸カルシウムを使用することにより生産性が劣るおそれがある。なお、このようなグルコン酸カルシウムの含有量は、他の保存助剤と併用する場合においても適宜採用され得る。

0042

本発明の保存処理液において、含有される保存剤を構成する保存助剤としてクエン酸第一鉄ナトリウムが使用される場合、クエン酸第一鉄ナトリウムの含有量は特に限定されないが、保存処理液の全体重量を基準として、好ましくは0.1重量%〜0.5重量%、より好ましくは0.2重量%〜0.5重量%、である。特に、保存助剤としてクエン酸第一鉄ナトリウム単独を用いる場合、クエン酸第一鉄ナトリウムの含有量が0.1重量%未満であると、得られた処理液は、生ウニに対して充分な保存性を提供することができず、生ウニの身崩れや離水を発生させるおそれがある。同様に、クエン酸第一鉄ナトリウムの含有量が0.5重量%を上回ると、もはや生ウニの保存性には顕著な差異が見られず、むしろ多量のクエン酸第一鉄ナトリウムを使用することにより生産性が劣るおそれがある。なお、このようなクエン酸第一鉄ナトリウムの含有量は、他の保存助剤と併用する場合においても適宜採用され得る。

0043

本発明の保存処理液において、含有される保存剤を構成する保存助剤として硫酸マグネシウムが使用される場合、硫酸マグネシウムの含有量は特に限定されないが、全体重量を基準として、好ましくは0.1重量%〜1重量%、より好ましくは0.2重量%〜0.8重量%、さらにより好ましくは0.4重量%〜0.6重量%である。特に、保存助剤として硫酸マグネシウム単独を用いる場合、硫酸マグネシウムの含有量が0.1重量%未満であると、得られた処理液は、生ウニに対して充分な保存性を提供することができず、生ウニの身崩れや離水を発生させるおそれがある。同様に、硫酸マグネシウムの含有量が1重量%を上回ると、もはや生ウニの保存性には顕著な差異が見られず、むしろ多量の硫酸マグネシウムを使用することにより生産性が劣るおそれがある。なお、このような硫酸マグネシウムの含有量は、他の保存助剤と併用する場合においても適宜採用され得る。

0044

本発明の保存処理液において、上記保存剤に食塩を含有させる場合、保存処理液中に含まれる食塩の含有量は、必ずしも限定されないが、保存処理液体の全体重量を基準として、例えば0.5重量%〜5重量%、好ましくは1重量%〜4重量%である。

0045

本発明の生ウニ保存処理液は、上記保存助剤としてラッカーゼが使用される場合、水溶液全体としてのpHが好ましくは3〜5、より好ましくは4〜4.5を有する。この保存処理液におけるpHが3を下回ると、ラッカーゼの酵素活性が著しく低下するおそれがある。この保存処理液におけるpHが5を上回ると、生ウニに対して充分な保存性を提供することができず、生ウニの身崩れや離水を発生させるおそれがある。

0046

上記生ウニ保存処理液の調製は、必ずしも限定されないが、例えば、室温下で行われる。

0047

さらに、本発明の生ウニ保存処理液は、後述する生ウニへの処理直前に調製されてもよく、あるいは予め調製したものを、例えば、遮光性が保持された容器中で保存しておいてもよい。

0048

次いで、このようにして調製された生ウニ保存処理液を用いて生ウニの身崩れを防止するための方法について説明する。

0049

本発明の方法においては、生ウニに上記生ウニ保存処理液が付与される。

0050

生ウニは、鮮度がより効果的に保持できるという理由から、個体のウニを解体して取り出した直後の生ウニであることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。

0051

生ウニへの上記生ウニ保存処理液の付与には、当業者に周知の方法(例えば、スプレー刷毛塗り、浸漬)が採用される。あるいは、ペースト状の生ウニ製品に加工する場合は、生ウニに上記生ウニ保存処理液または生ウニ保存剤自体を添加して混合したものであってもよい。

0052

上記浸漬方法が採用される場合、生ウニに対して上記生ウニ保存処理液は、必ずしも限定されないが、生ウニの容量を基準として、好ましくは1倍〜5倍、より好ましくは2倍〜3倍となるように調製される。

0053

生ウニへ上記生ウニ保存処理液の付与後、必要に応じて、当業者に周知の手段を用いて液切りが行われ余分な処理液が除去され得る。

0054

このようにして、生ウニの身崩れを防止することができる。

0055

上記方法によって得られた生ウニは可食期間において身崩れを防止または抑制することができる。さらに当該可食期間において、離水の発生をも防止または抑制することができる。

0056

本発明を通じて得られた生ウニは、例えば、生ウニ食品として、飲食店食品加工工場または一般家庭での寿司ネタ、丼ネタなどの材料に使用することができる。

0057

以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。

0058

(実施例1)
水道水に、3.0重量%の濃度となるように食塩およびラッカーゼ濃度が0.09重量%の濃度となるようにラッカーゼ製剤(ラッカーゼM120(天野エンザイム株式会社製)を溶解し、塩酸または水酸化ナトリウムを添加してpHを3.0に調整して、処理液を得た。

0059

この処理液に、ムラサキウニから得た生ウニを、まずその重量(W)を測定し、当該生ウニに対して容量基準で処理液が2倍量となる浴比で室温にて30分間浸漬した。処理した生ウニを処理液から取り出し、液切りし、当該処理した生ウニの重量(X)を測定し、その後蓋付きトレーに並べ、蓋をした後にトレーを傾斜させた状態で、5℃に保たれた冷蔵庫中で2日間保存した。

0060

その後、処理した生ウニを冷蔵庫から取り出し、処理した生ウニの固形重量(Y)と、当該生ウニから溶出し傾斜させたトレーに貯留したドリップの重量(Z)を測定し、以下の計算式に従って、離水率(%)を算出した。

0061

0062

さらに保存期間経過後の生ウニの外観(身崩れの状態)を目視観察し、以下の基準に従って評価した。

0063

生ウニ外観:
A:身崩れが確認できなかった。
B:一部にわずかな身崩れが確認された。
C:原形は留めているものの、全体にわたって身崩れが確認された。
D:全体にわたって原形を留めないまでに身崩れが確認された。

0064

またさらに、この保存期間経過後の生ウニを食し、食味について以下の基準に従って評価した。

0065

食味評価
◎:解体直後の鮮度の高い生ウニと略同等の食味が感じられた。
○:解体直後の鮮度の高い生ウニには劣るものの良好な食味が感じられた。
△:解体直後の鮮度の高い生ウニからの食味の劣化が感じられたが、燕窩可能であった。
×:著しい食味の低下が感じられ、燕窩困難と判断した。

0066

さらに食味について感じた他の感想を記録した。

0067

得られた結果を表1に示す。

0068

(実施例2)
ラッカーゼ製剤の代わりに、グルコースオキシダーゼ濃度が0.09重量%となるようにグルコースオキシダーゼ製剤(ハイデラーゼ15(天野エンザイム株式会社製))を溶解し、pHの調整を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして処理液を調製し、生ウニを処理した。さらに実施例1と同様にして処理した生ウニを保存し、保存期間経過後の生ウニについて、離水率、生ウニ外観、および食味評価を行った。得られた結果を表1に示す。

0069

(実施例3)
塩酸または水酸化ナトリウムの添加量を変更して処理液のpHを4.0に調整したこと以外は、実施例1と同様にして処理液を調製し、生ウニを処理した。さらに実施例1と同様にして処理した生ウニを保存し、保存期間経過後の生ウニについて、離水率、生ウニ外観、および食味評価を行った。得られた結果を表1に示す。

0070

(実施例4)
塩酸または水酸化ナトリウムの添加量を変更して処理液のpHを5.0に調整したこと以外は、実施例1と同様にして処理液を調製し、生ウニを処理した。さらに実施例1と同様にして処理した生ウニを保存し、保存期間経過後の生ウニについて、離水率、生ウニ外観、および食味評価を行った。得られた結果を表1に示す。

0071

(実施例5)
塩酸または水酸化ナトリウムの添加量を変更して処理液のpHを5.0に調整し、ラッカーゼの濃度が0.03重量%となるように添加量を変更したこと以外は、実施例1と同様にして処理液を調製し、生ウニを処理した。さらに実施例1と同様にして処理した生ウニを保存し、保存期間経過後の生ウニについて、離水率、生ウニ外観、および食味評価を行った。得られた結果を表1に示す。

0072

(実施例6)
ラッカーゼの代わりに0.2重量%の濃度となるように溶解したグルコン酸カルシウムを用い、かつpHの調整を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして処理液を調製し、生ウニを処理した。さらに実施例1と同様にして処理した生ウニを保存し、保存期間経過後の生ウニについて、離水率、生ウニ外観、および食味評価を行った。得られた結果を表1に示す。

0073

(実施例7)
ラッカーゼの代わりに0.5重量%の濃度となるように溶解したグルコン酸カルシウムを用い、かつpHの調整を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして処理液を調製し、生ウニを処理した。さらに実施例1と同様にして処理した生ウニを保存し、保存期間経過後の生ウニについて、離水率、生ウニ外観、および食味評価を行った。得られた結果を表1に示す。

0074

(実施例8)
ラッカーゼの代わりに0.5重量%の濃度となるように溶解したクエン酸第一鉄ナトリウムを用い、かつpHの調整を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして処理液を調製し、生ウニを処理した。さらに実施例1と同様にして処理した生ウニを保存し、保存期間経過後の生ウニについて、離水率、生ウニ外観、および食味評価を行った。得られた結果を表1に示す。

0075

(比較例1)
ラッカーゼの代わりに1.0重量%の濃度となるように溶解したミョウバンを用い、かつpHの調整を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして処理液を調製し、生ウニを処理した。さらに実施例1と同様にして処理した生ウニを保存し、保存期間経過後の生ウニについて、離水率、生ウニ外観、および食味評価を行った。得られた結果を表1に示す。

0076

0077

表1に示すように、実施例1〜8で得られた処理液は、従来より生ウニ保存剤として使用されているミョウバンを用いた処理液での結果(比較例1)と同等の、ウニ外観を呈する一方で、離水率は、当該比較例1の処理液の結果を下回り、優れた保存性を示していたことがわかる。さらに、実施例1〜8で得られた処理液での結果は、食味に関してミョウバンを用いた処理液のもの(比較例1)で呈した苦味や渋みが感じられず、特に実施例1〜7の処理液のものでは、ウニ独特の甘みも保持されていた。このことから、実施例1〜8で得られた処理液は、食味の保持という観点からも優れた生ウニの保存剤として機能していることがわかる。

0078

(実施例9)
水道水に、3.0重量%の濃度となるように食塩、ラッカーゼ濃度が0.09重量%の濃度となるように上記ラッカーゼ製剤、および0.5重量%となるようにグルコン酸カルシウムを溶解し、塩酸または水酸化ナトリウムを添加してpHを4.0に調整して、処理液を得た。この処理液を用いて生ウニを処理したこと以外は、実施例1と同様にして処理した生ウニを保存し、保存期間経過後の生ウニについて、離水率、生ウニ外観、および食味評価を行った。得られた結果を表2に示す。

0079

(実施例10)
水道水に、3.0重量%の濃度となるように食塩、ラッカーゼ濃度が0.09重量%の濃度となるように上記ラッカーゼ製剤、および0.5重量%となるように硫酸マグネシウムを溶解し、塩酸または水酸化ナトリウムを添加してpHを4.0に調整して、処理液を得た。この処理液を用いて生ウニを処理したこと以外は、実施例1と同様にして処理した生ウニを保存し、保存期間経過後の生ウニについて、離水率、生ウニ外観、および食味評価を行った。得られた結果を表2に示す。

0080

(実施例11)
水道水に、3.0重量%の濃度となるように食塩、ラッカーゼ濃度が0.09重量%の濃度となるように上記ラッカーゼ製剤、および0.5重量%となるようにクエン酸第一鉄ナトリウムを溶解し、塩酸または水酸化ナトリウムを添加してpHを4.0に調整して、処理液を得た。この処理液を用いて生ウニを処理したこと以外は、実施例1と同様にして処理した生ウニを保存し、保存期間経過後の生ウニについて、離水率、生ウニ外観、および食味評価を行った。得られた結果を表2に示す。

0081

(実施例12)
水道水に、3.0重量%の濃度となるように食塩、ラッカーゼ濃度が0.09重量%の濃度となるように上記ラッカーゼ製剤、0.5重量%となるようにグルコン酸カルシウム、および0.5重量%となるようにクエン酸第一鉄ナトリウムを溶解し、塩酸または水酸化ナトリウムを添加してpHを4.0に調整して、処理液を得た。この処理液を用いて生ウニを処理したこと以外は、実施例1と同様にして処理した生ウニを保存し、保存期間経過後の生ウニについて、離水率、生ウニ外観、および食味評価を行った。得られた結果を表2に示す。

0082

(実施例13)
水道水に、3.0重量%の濃度となるように食塩、ラッカーゼ濃度が0.09重量%の濃度となるように上記ラッカーゼ製剤、0.5重量%となるように硫酸マグネシウム、および0.5重量%となるようにクエン酸第一鉄ナトリウムを溶解し、塩酸または水酸化ナトリウムを添加してpHを4.0に調整して、処理液を得た。この処理液を用いて生ウニを処理したこと以外は、実施例1と同様にして処理した生ウニを保存し、保存期間経過後の生ウニについて、離水率、生ウニ外観、および食味評価を行った。得られた結果を表2に示す。

0083

(実施例14)
水道水に、3.0重量%の濃度となるように食塩、ラッカーゼ濃度が0.09重量%の濃度となるように上記ラッカーゼ製剤、0.5重量%となるようにグルコン酸カルシウム、および0.5重量%となるように硫酸マグネシウムを溶解し、塩酸または水酸化ナトリウムを添加してpHを4.0に調整して、処理液を得た。この処理液を用いて生ウニを処理したこと以外は、実施例1と同様にして処理した生ウニを保存し、保存期間経過後の生ウニについて、離水率、生ウニ外観、および食味評価を行った。得られた結果を表2に示す。

0084

(実施例15)
水道水に、3.0重量%の濃度となるように食塩、ラッカーゼ濃度が0.02重量%の濃度となるように上記ラッカーゼ製剤、0.5重量%となるようにピロリン酸二水素カルシウム、0.5重量%となるように硫酸マグネシウムおよび0.15重量%となるように乳酸カルシウムを溶解して、処理液を得た。この処理液を用いて生ウニを処理したこと以外は、実施例1と同様にして処理した生ウニを保存し、保存期間経過後の生ウニについて、離水率、生ウニ外観、および食味評価を行った。得られた結果を表2に示す。

0085

(比較例2)
改めて、ラッカーゼの代わりに1.0重量%の濃度となるように調製したミョウバンを用い、かつpHの調整を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして処理液を調製し、生ウニを処理した。なお、本比較例で使用した生ウニは、上記実施例9〜15で使用したものとは同一購入日のものであるが、比較例1とは購入日が異なるものを使用した。さらに実施例1と同様にして処理した生ウニを保存し、保存期間経過後の生ウニについて、離水率、生ウニ外観、および食味評価を行った。得られた結果を表2に示す。

0086

実施例

0087

表2に示すように、実施例9〜15で得られた処理液での結果は、従来より生ウニ保存剤として使用されているミョウバンを用いた処理液(比較例2)のものと同等またはそれ以上のウニ外観を呈する一方で、離水率は、当該比較例2の処理液のものを大幅に下回り、優れた保存性を示していたことがわかる。さらに、実施例9〜15で得られた処理液での結果は、食味に関してミョウバンを用いた処理液(比較例2)のもので呈した苦味や渋みが感じられず、特に実施例9、10、14および15の処理液のものでは、ウニ独特の甘みも保持されていた。さらに、実施例11〜13の処理液のものでは、幾分鉄独特の風味が残っていたが、市場流通する食品としては特に懸念すべきほどではないものであった。このことから、実施例9〜15で得られた処理液もまた、食味の保持という観点からも優れた生ウニの保存剤として機能していることがわかる。

0088

本発明によれば、生ウニ本来の食味を保持したまま、身崩れを防止して保存期間を延長することができる。このため、本発明の生ウニ保存剤は、例えば、生ウニ食品を製造または取扱う食品加工業および飲食業の分野の他、一般家庭用製剤としての分野において有用である。

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