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技術 柔軟性に優れた熱接着性複合繊維とこれを用いた不織布

出願人 ESファイバービジョンズ株式会社イーエスファイバービジョンズホンコンリミテッドイーエスファイバービジョンズリミテッドパートナーシップイーエスファイバービジョンズアーペーエス
発明者 久保田仁井手口忠
出願日 2013年5月31日 (7年5ヶ月経過) 出願番号 2013-115739
公開日 2014年12月15日 (5年11ヶ月経過) 公開番号 2014-234559
状態 特許登録済
技術分野 複合繊維 不織物
主要キーワード メチル鎖 清掃用ワイパー 壁用シート 平面ジグザグ カバークロス 未変性ポリマー 物理的影響 熱処理加工
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年12月15日)のものです。
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課題

繊維の伸度を残した状態でも捲縮の形態安定性を維持することができ、不織布に嵩高性、且つ柔軟性を与える熱接着性複合繊維とこれを用いた不織布を提供することを目的とする。

解決手段

ポリエステル系樹脂を含む第1成分と、前記ポリエステル系樹脂の融点より15℃以上低い融点を有するポリオレフィン系樹脂を含む第2成分で構成され、繊維の長さ方向と直交する繊維断面において、前記第2成分が繊維外周の30%以上を占めるサイドバイサイド型または偏心鞘芯型の構造を有する熱接着性複合繊維であって、繊維の伸度が50〜120%であり、かつ、10〜20山/2.54cmの三次元顕在捲縮を有しており、捲縮弾性率が85〜100%の範囲である、熱接着性複合繊維とする。

概要

背景

従来、熱風加熱ロール熱エネルギーを利用して、熱融着による成形ができる熱接着性複合繊維は、嵩高性や柔軟性に優れた不織布を得ることが容易であることから、おむつ、ナプキンパッド等の衛生材料、或いは生活用品フィルター等の産業資材等に広く用いられている。特に衛生材料は、人肌に直接触れるものであることや、尿、経血等の液体を素早く吸収する必要から、嵩高性や柔軟性の重要度が極めて高い。嵩高性を得るためには、高剛性樹脂を用いる手法や繊度の太い繊維を用いる手法が代表的であるが、その場合、得られる不織布は、柔軟性が低下し、肌に対する物理的刺激が強くなる。一方で肌への刺激を抑制するために柔軟性を優先すると、得られる不織布は、嵩高性、特に体重に対するクッション性が大幅に低下し、液体吸収に劣ってしまう。

そのため、嵩高性や柔軟性の両立が可能な繊維及び不織布を得る方法が数多く提案されてきた。例えば、ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂芯成分とし、ポリオレフィン系樹脂鞘成分とする芯型複合繊維からなる、嵩回復性に優れた捲縮性複合繊維が提案されている(特許文献1参照)。また特許文献2では、ポリエステル系樹脂を芯成分とし、ポリオレフィン系樹脂を鞘成分とする鞘芯型複合繊維からなる、捲縮の形態安定性が優れた嵩高性の熱接着性複合繊維が提案されている。

概要

繊維の伸度を残した状態でも捲縮の形態安定性を維持することができ、不織布に嵩高性、且つ柔軟性を与える熱接着性複合繊維とこれを用いた不織布を提供することを目的とする。ポリエステル系樹脂を含む第1成分と、前記ポリエステル系樹脂の融点より15℃以上低い融点を有するポリオレフィン系樹脂を含む第2成分で構成され、繊維の長さ方向と直交する繊維断面において、前記第2成分が繊維外周の30%以上を占めるサイドバイサイド型または偏心鞘芯型の構造を有する熱接着性複合繊維であって、繊維の伸度が50〜120%であり、かつ、10〜20山/2.54cmの三次元顕在捲縮を有しており、捲縮弾性率が85〜100%の範囲である、熱接着性複合繊維とする。なし

目的

本発明の課題は、繊維の伸度を残した状態でも捲縮の形態安定性を維持することができ、不織布に嵩高性、且つ柔軟性を与える熱接着性複合繊維とこれを用いた不織布を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

ポリエステル系樹脂を含む第1成分と、前記ポリエステル系樹脂の融点より15℃以上低い融点を有するポリオレフィン系樹脂を含む第2成分で構成され、繊維の長さ方向と直交する繊維断面において、前記第2成分が繊維外周の30%以上を占めるサイドバイサイド型または偏心鞘芯型の構造を有する熱接着性複合繊維であって、繊維の伸度が50〜120%であり、かつ、10〜20山/2.54cmの三次元顕在捲縮を有しており、捲縮弾性率が85〜100%の範囲である、熱接着性複合繊維。

請求項2

前記ポリエステル系樹脂が、ポリエチレンテレフタレートポリプロピレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートポリ乳酸ポリブチレンサクシネート、及び、ポリブチレンアジペートテレフタレートからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の熱接着性複合繊維。

請求項3

前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレンポリプロピレン及びプロピレンを主成分とする共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1または請求項2に記載の熱接着性複合繊維。

請求項4

熱接着性複合繊維の繊度が、0.9〜8.0dtexである請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱接着性複合繊維。

請求項5

熱接着性複合繊維中に、無機微粒子を含んでおり、当該無機微粒子の含有量は、前記熱接着性複合繊維の質量基準で0.1〜10質量%の範囲である請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱接着性複合繊維。

請求項6

請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱接着性複合繊維の製造方法であって、ポリエステル系樹脂を含む第1成分と、前記ポリエステル系樹脂の融点より15℃以上低い融点を有するポリオレフィン系樹脂を含む第2成分とを、該第2成分が繊維外周の30%以上を占めるサイドバイサイド型または偏心鞘芯型の断面形状となるように溶融紡糸して未延伸繊維を得る工程、得られた未延伸繊維を、該未延伸繊維における破断延伸倍率の75〜95%で延伸する工程、得られた延伸繊維を加熱し、熱収縮により三次元の顕在捲縮を付与する工程を含む熱接着性複合繊維の製造方法。

請求項7

延伸工程の後に、得られた延伸繊維に、二次元捲縮の捲縮数が5〜10山/2.54cmの範囲で機械捲縮を付与する工程を行う請求項6に記載の熱接着性複合繊維の製造方法。

請求項8

請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱接着性複合繊維を用いて得られた不織布。

請求項9

不織布の比容積が、80〜130cm3/gの範囲である請求項8に記載の不織布。

技術分野

0001

本発明は、熱接着性複合繊維に関し、より具体的には柔軟性に優れた不織布等が得られる熱接着性複合繊維に関する。更に詳しくは、おむつ、ナプキンパッド等の衛生材料用吸収性物品医療生材、生活関連材、一般医療材、寝装材フィルター材介護用品、及びペット用品等の用途に適した柔軟性に優れた不織布等が得られる熱接着性複合繊維とこれを用いた柔軟性に優れた不織布に関する。

背景技術

0002

従来、熱風加熱ロール熱エネルギーを利用して、熱融着による成形ができる熱接着性複合繊維は、嵩高性や柔軟性に優れた不織布を得ることが容易であることから、おむつ、ナプキン、パッド等の衛生材料、或いは生活用品フィルター等の産業資材等に広く用いられている。特に衛生材料は、人肌に直接触れるものであることや、尿、経血等の液体を素早く吸収する必要から、嵩高性や柔軟性の重要度が極めて高い。嵩高性を得るためには、高剛性樹脂を用いる手法や繊度の太い繊維を用いる手法が代表的であるが、その場合、得られる不織布は、柔軟性が低下し、肌に対する物理的刺激が強くなる。一方で肌への刺激を抑制するために柔軟性を優先すると、得られる不織布は、嵩高性、特に体重に対するクッション性が大幅に低下し、液体吸収に劣ってしまう。

0003

そのため、嵩高性や柔軟性の両立が可能な繊維及び不織布を得る方法が数多く提案されてきた。例えば、ポリトリメチレンテレフタレート系樹脂芯成分とし、ポリオレフィン系樹脂鞘成分とする芯型複合繊維からなる、嵩回復性に優れた捲縮性複合繊維が提案されている(特許文献1参照)。また特許文献2では、ポリエステル系樹脂を芯成分とし、ポリオレフィン系樹脂を鞘成分とする鞘芯型複合繊維からなる、捲縮の形態安定性が優れた嵩高性の熱接着性複合繊維が提案されている。

先行技術

0004

特開2003−3334号公報
特開2008−274448号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしこれらの方法は、嵩高性や嵩回復性に特化したものであり、不織布の柔軟性においては改善の余地があった。

0006

本発明の課題は、繊維の伸度を残した状態でも捲縮の形態安定性を維持することができ、不織布に嵩高性、且つ柔軟性を与える熱接着性複合繊維とこれを用いた不織布を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

本発明者らは上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた。その結果、ポリエステル系樹脂を含有する第1成分と、ポリオレフィン系樹脂を含有する第2成分とからなる複合繊維とし、延伸条件機械捲縮付与条件乾燥条件(以降、「熱処理条件」という場合がある。また、当該「乾燥」を行う工程を、「乾燥工程」または「熱処理工程」という場合がある。)を調整して、繊維の伸度が残った状態であっても熱によって剛性が減退しない顕在縮性の熱接着性複合繊維とすることによって上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。

0008

すなわち、本発明は以下のように構成される。
[1]ポリエステル系樹脂を含む第1成分と、前記ポリエステル系樹脂の融点より15℃以上低い融点を有するポリオレフィン系樹脂を含む第2成分で構成され、繊維の長さ方向と直交する繊維断面において、前記第2成分が繊維外周の30%以上を占めるサイドバイサイド型並列型ということもある。)または偏心鞘芯型の構造を有する熱接着性複合繊維であって、繊維の伸度が50〜120%であり、かつ、10〜20山/2.54cmの三次元の顕在捲縮を有しており、捲縮弾性率が85〜100%の範囲である、熱接着性複合繊維。
[2]前記ポリエステル系樹脂が、ポリエチレンテレフタレートポリプロピレンテレフタレートポリブチレンテレフタレートポリ乳酸ポリブチレンサクシネート、及び、ポリブチレンアジペートテレフタレートからなる群から選ばれる少なくとも1種である前記[1]に記載の熱接着性複合繊維。

0009

[3]前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレンポリプロピレン及びプロピレンを主成分とする共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種である前記[1]または[2]に記載の熱接着性複合繊維。
[4]熱接着性複合繊維の繊度が、0.9〜8.0dtexである前記[1]〜[3]のいずれか1に記載の熱接着性複合繊維。
[5]熱接着性複合繊維中に、無機微粒子を含んでおり、当該無機微粒子の含有量は、前記熱接着性複合繊維の質量基準で0.1〜10質量%の範囲である前記[1]〜[4]のいずれか1に記載の熱接着性複合繊維。
[6]前記[1]〜[5]のいずれか1に記載の熱接着性複合繊維の製造方法であって、
ポリエステル系樹脂を含む第1成分と、前記ポリエステル系樹脂の融点より15℃以上低い融点を有するポリオレフィン系樹脂を含む第2成分とを、該第2成分が繊維外周の30%以上を占めるサイドバイサイド型または偏心鞘芯型の断面形状となるように溶融紡糸して未延伸繊維を得る工程、
得られた未延伸繊維を、該未延伸繊維における破断延伸倍率の75〜95%で延伸する工程、
得られた延伸繊維を加熱し、熱収縮により三次元の顕在捲縮を付与する工程
を含む熱接着性複合繊維の製造方法。
[7]延伸工程の後に、得られた延伸繊維に、二次元捲縮の捲縮数が5〜10山/2.54cmの範囲で機械捲縮を付与する工程を行う前記[6]に記載の熱接着性複合繊維の製造方法。
[8]前記[1]〜[5]のいずれか1に記載の熱接着性複合繊維を用いて得られた不織布。
[9]不織布の比容積が、80〜130cm3/gの範囲である前記[8]に記載の不織布。

発明の効果

0010

本発明の熱接着性複合繊維は、繊維が良好な一定の伸度を有しながらも、三次元の顕在捲縮形状を保つことができるため、不織布化時における加熱接着の際でも捲縮の形態安定性が維持され、柔軟性が高く嵩高性に優れた不織布を作製することができる。

0011

以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明の熱接着性複合繊維は、ポリエステル系樹脂を含む第1成分と、前記ポリエステル系樹脂の融点より15℃以上低い融点を有するポリオレフィン系樹脂を含む第2成分で構成され、繊維の長さ方向と直交する繊維断面において、前記第2成分が繊維外周の30%以上を占めるサイドバイサイド型または偏心鞘芯型の構造を有する熱接着性複合繊維である。

0012

(第1成分)
本発明の熱接着性複合繊維(以下、単に「複合繊維」という場合がある。)の第1成分を構成するポリエステル系樹脂は、ジオールジカルボン酸とから縮重合によって得ることができる。
ポリエステル系樹脂の縮重合に用いられるジカルボン酸としては、テレフタル酸イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸アジピン酸セバシン酸等を挙げることができる。また、用いられるジオールとしては、エチレングリコールジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。

0013

本発明で使用するポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポリエステルが好ましく利用できる。また、上記芳香族ポリエステルの他に脂肪族ポリエステルも用いることができ、好ましい脂肪族ポリエステル樹脂としては、ポリ乳酸やポリブチレンサクシネートが挙げられる。
これらのポリエステル系樹脂は、単独重合体だけでなく、共重合ポリエステルコポリエステル)でもよい。このとき、共重合成分としては、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸成分、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等のジオール成分、L−乳酸等の光学異性体が利用できる。このような共重合体として、例えば、ポリブチレンテレフタレートアジペートなどが挙げられる。更に、これらポリエステル系樹脂の2種以上を混合して用いてもよい。
原料コスト、得られる繊維の熱安定性などを考慮すると、第1成分としては、ポリエチレンテレフタレートのみで構成された未変性ポリマーが最も好ましい。

0014

第1成分には、ポリエステル系樹脂が含まれていれば特に限定されないが、好ましくはポリエステル系樹脂が80質量%以上含まれていることであり、より好ましくはポリエステル系樹脂が90質量%以上含まれていることである。本発明の効果を妨げない範囲内で、さらに、酸化防止剤光安定剤紫外線吸収剤中和剤造核剤エポキシ安定剤滑剤抗菌剤難燃剤帯電防止剤顔料及び可塑剤等の添加剤適宣必要に応じて添加してもよい。

0015

(第2成分)
本発明の複合繊維の第2成分を構成するポリオレフィン系樹脂は、第1成分を構成するポリエステル系樹脂の融点よりも15℃以上低い融点を有するという条件を満たす限り、特に限定されるものではない。
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリヘキセン−1、ポリオクテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、ポリメチルペンテン、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエンなどが使用できる。更にこれらの単独重合体に、当該単独重合体を構成する単量体以外の成分であるという条件のもと、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1または4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンが共重合成分として少量含有されていてもよい。また、ブタジエンイソプレン、1,3−ペンタジエンスチレン及びα−メチルスチレン等の他のエチレン系不飽和モノマーが共重合成分として少量含有されていてもよい。

0016

また、これらポリオレフィン系樹脂を2種以上混合して使用してもよい。これらは、通常のチーグラーナッタ触媒から重合されたポリオレフィン系樹脂だけでなく、メタロセン触媒から重合されたポリオレフィン系樹脂、及びそれらの共重合体も好ましく用いることができる。また、好適に使用できるポリオレフィン系樹脂のメルトマスフローレイト(以下、MFRと略す。)は、紡糸可能な範囲であれば特に限定されることはないが、1〜100g/10分が好ましく、より好ましくは、5〜70g/10分である。

0017

本発明の複合繊維の第2成分を構成するポリオレフィン系樹脂として好ましいのは、ポリエチレン、ポリプロピレン及びプロピレンを主成分とする共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種のポリオレフィン系樹脂である。例えば高密度ポリエチレン直鎖状低密度ポリエチレン低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(プロピレン単独重合体)、プロピレンを主成分とするエチレン−プロピレン共重合体、プロピレンを主成分とするエチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体が挙げられる。ここで、「プロピレンを主成分とする共重合体」とは、当該共重合体を構成する共重合成分中で、プロピレン単位が最も多量を占める共重合体をいう。

0018

尚、第1成分が2種以上のポリエステル系樹脂の混合物であり、及び/又は、第2成分が2種以上のポリオレフィン系樹脂の混合物である場合には、“第2成分を構成するポリオレフィン系樹脂が、第1成分を構成するポリエステル系樹脂の融点よりも15℃以上低い融点を有する”とは、第2成分を構成するポリオレフィン系樹脂の混合物において最も高い融点を有する樹脂が、第1成分を構成するポリエステル系樹脂の混合物において最も低い融点を有する樹脂の融点よりも15℃以上低い融点を有することをいう。

0019

上記MFR以外のポリオレフィンの物性、例えばQ値重量平均分子量/数平均分子量)、ロックウェル硬度分岐メチル鎖数等の物性は、本発明の要件を満たすものであれば、特に限定されない。
第2成分には、ポリオレフィン系樹脂が含まれていれば特に限定されないが、好ましくはポリオレフィン系樹脂が80質量%以上含まれていることであり、より好ましくはポリオレフィン系樹脂が90質量%以上含まれていることである。本発明の効果を妨げない範囲で、前記第1成分で例示した添加剤を適宣必要に応じて含んでいてもよい。

0020

(複合繊維)
本発明の複合繊維における第1成分と第2成分の組み合わせは、第2成分を構成するポリオレフィン系樹脂が、第1成分を構成するポリエステル系樹脂の融点よりも15℃以上低い融点を有するという条件を満たす限り、特に限定されず、前記で説明した第1成分及び第2成分から選択して使用できる。
具体的な第1成分/第2成分の組み合わせとしては、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/高密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/直鎖状低密度ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/低密度ポリエチレンなどが例示できる。この中でより好ましい組み合わせは、ポリエチレンテレフタレート/高密度ポリエチレンである。

0021

(偏心鞘芯型構造)
本発明の複合繊維が偏心鞘芯型の構造を有する場合、偏心鞘芯中実型複合繊維であってもよく、偏心鞘芯中空型複合繊維であってもよい。偏心鞘芯型とは、繊維の長さ方向と直交する繊維断面において、芯側と鞘側の重心が異なっている状態をいい、その偏心比は紡糸性や三次元の顕在捲縮(以下、単に「顕在捲縮」という場合がある。)の発現性から、0.05〜0.50が好ましく、より好ましくは0.15〜0.30である。尚、ここで偏心比とは特開2006−97157号公報に記載されている下記式にて表される。
偏心比=d/R
ここでd及びRは次のとおりである。
d:複合繊維の中心点と芯を構成する第1成分の中心点との距離
R:複合繊維の半径

0022

また、芯側の断面形状は円形だけでなく、異形にすることもでき、例えば、星形楕円形三角形四角形五角形、多葉形アレイ形、T字形及び馬蹄形等の異形を挙げることができる。しかし、芯側の断面形状は三次元の顕在捲縮の発現性の観点から円形、半円形、楕円形が好ましく、不織布強度の観点から円形が特に好ましい。

0023

(サイドバイサイド型構造)
本発明の複合繊維がサイドバイサイド型(並列型)の構造を有する場合、繊維の長さ方向と直交する繊維断面において、第2成分は、その繊維外周の30%以上を占める。これにより、三次元の顕在捲縮の発現性が良好となる。具体的には、第2成分は繊維外周の30%〜70%を占めるのが好ましく、40%〜60%であるのがより好ましい。

0024

本発明の複合繊維は三次元の顕在捲縮を有し、その捲縮数は、10〜20山/2.54cmである。
三次元の顕在捲縮とは、例えば螺旋オーム状(山谷の形が鋭角でなく丸みを帯びて三次元にねじれている形状)といった立体捲縮形状を有することをいい、一種単独の立体捲縮形状でもよいし、混在する立体捲縮形状でもよく、特に限定されるものではない。かかる立体捲縮形状を有することで、嵩高で柔軟な不織布を得やすくなる。
三次元の顕在捲縮の捲縮数は、10〜20山/2.54cmの範囲であり、12〜16山/2.54cmの範囲であることがより好ましい。かかる範囲の捲縮数にすることにより、不織布加工工程におけるカード工程でのカード通過性が安定し、嵩高で柔軟な不織布を得やすくなる。

0025

本発明の複合繊維の捲縮形状は、三次元の顕在捲縮が主体であるが、平面ジグザグ構造(屈曲形状)を付与させた機械捲縮による二次元捲縮が混在していてもよい。機械捲縮を有する場合、三次元の顕在捲縮が50%以上を占めることが好ましく、80%以上を占めることがより好ましい。

0026

本発明の複合繊維は、その長さ方向と直交する繊維断面において、第1成分と第2成分との複合比を10/90容量%〜90/10容量%の範囲にすることが好ましく、より好ましくは30/70容量%〜70/30容量%であり、特に好ましくは40/60容量%〜50/50容量%である。かかる範囲の複合比とすることにより、熱による顕在捲縮が発現しやすくなる。尚、以下の説明においても複合比の単位は容量%である。

0027

本発明の複合繊維の繊度は、特に限定されるものではないが、0.9〜8.0dtexが好ましく、具体的には、衛生材料資材に使われるような繊維に対しては、1.0〜8.0dtexが好ましく、より好ましくは1.7〜6.0dtex、さらに好ましくは2.6〜4.4dtexである。かかる範囲の繊度とすることにより嵩高性と柔軟性との両立を達成しやすくなる。

0028

本発明の複合繊維の強度は、特に限定されるものではないが、例えば衛生材料資材に使われるような繊維に対しては、1.5〜4.0cN/dtexが好ましく、より好ましくは、2.0〜3.0cN/dtexである。かかる範囲の強度とすることにより繊維の形態安定性と嵩高性との両立を可能とすることができる。

0029

本発明の複合繊維の伸度は、50〜120%の範囲であり、好ましくは70〜100%である。かかる範囲の伸度とすることにより不織布に柔軟性を付与することができる。
なお、本発明でいう伸度とは、JIS L 1015に準じ、引張試験機を用い、試料つかみ間隔を20mmとして引張試験を行い、破断したときの伸びをその繊維の伸度とする。

0030

本発明の複合繊維の捲縮弾性率は、85〜100%の範囲であり、好ましくは、90〜97%の範囲である。捲縮弾性率については、JIS L 2080において「繊維の捲縮を伸ばしたときの長さと,これを緩めて所定時間放置した後の長さとの差の,伸ばしたときの長さと元の長さとの差に対する百分率」と規定されている。具体的な測定方法はJIS L 1015に規定されている。捲縮弾性率が85%以上であることによって、不織布化工程において顕在捲縮の形態安定性が維持できる。それによって、不織布に嵩高性と柔軟性を与えることができる。

0031

また、本発明の複合繊維中には、本発明の効果を妨げない範囲内で、自重由来するドレープ感や滑らかな触感を与え、ボイドクラック等繊維内外の空隙を生成することによる柔軟性に優れた繊維を得るために無機微粒子を適宣必要に応じて添加してもよい。無機微粒子の添加量は、繊維中、好ましくは0〜10質量%であり、より好ましくは0.1〜10質量%であり、更に好ましくは1〜5質量%の範囲である。

0032

上記無機微粒子については、比重が高く、溶融樹脂中での凝集が起こり難い物であれば特に限定されないが、一例を挙げれば酸化チタン(比重3.7〜4.3)、酸化亜鉛(比重5.2〜5.7)、チタン酸バリウム(比重5.5〜5.6)、炭酸バリウム(比重4.3〜4.4)、硫酸バリウム(比重4.2〜4.6)、酸化ジルコニウム(比重5.5)、ケイ酸ジルコニウム(比重4.7)、アルミナ(比重3.7〜3.9)、酸化マグネシウム(比重3.2)或いはこれらとほぼ同等の比重を持つ物質が挙げられ、中でも酸化チタンが好ましく用いられる。これら無機微粒子は、隠蔽性抗菌性または消臭性などを目的に、繊維中に添加し用いることが一般に知られている。用いられる無機微粒子は、紡糸工程や延伸工程で糸切れ等の不具合を生じさせない粒径や形状であることが好ましい。

0033

無機微粒子の添加方法としては、第1成分や第2成分中に無機微粒子のパウダー直接添加する方法、或いは樹脂に無機微粒子を練り込み、マスターバッチ化して、第1成分や第2成分中に添加する方法などを挙げることができる。マスターバッチ化に用いる樹脂は、第1、第2成分と同じ樹脂を用いることが最も好ましいが、本発明の要件を満たすものであれば特に限定されず、第1、第2成分と異なる樹脂を用いてもよい。

0034

(複合繊維の製造方法)
本発明の複合繊維の製造方法について説明する。
前記複合繊維は、以下のように製造することができる。まず、本発明の複合繊維の原料となるポリエステル系樹脂を第1成分に配し、第1成分よりも15℃以上低い融点を有するオレフィン系樹脂を第2成分に配し、当該第2成分が、繊維の長さ方向と直交する繊維断面において、繊維外周の30%以上を占めるサイドバイサイド型または偏心鞘芯型を有する未延伸繊維とする。
当該構造の未延伸繊維は、それぞれ、公知のサイドバイサイド型用の紡糸ノズル、または、公知の偏心鞘芯型用の紡糸ノズルを用いて、サイドバイサイド型または偏心鞘芯型の断面形状となるように溶融紡糸することで製造することができる。

0035

溶融紡糸時温度条件は特に制限されるものではないが、紡糸温度は250℃以上であることが好ましく、より好ましくは280℃以上、更に好ましくは300℃以上である。紡糸温度が250℃以上であれば、紡糸時の断糸回数を少なくし、かつ延伸後の伸度を残しやすい未延伸糸が得られるので好ましく、280℃以上であればこれら効果がより顕著になり、300℃以上であれば更に顕著になるので好ましい。温度の上限は、好適に紡糸できる温度であればよく、特に限定されるものではない。

0036

また、紡糸速度は特に制限されるものではないが、300〜1500m/minであることが好ましく、より好ましくは600〜1000m/minである。紡糸速度が300m/min以上であれば、任意の紡糸繊度の未延伸糸を得ようとする際の単孔吐出量を多くし、満足できる生産性が得られるので好ましい。

0037

上記条件により得られた未延伸繊維を、延伸工程において延伸処理する。
延伸温度は、第1成分を構成するポリエステル系樹脂のガラス転移温度よりも30〜70℃高温で、かつ第2成分を構成するポリオレフィン系樹脂の融点未満の温度であり、好ましくは、ポリエステル系樹脂のガラス転移温度よりも40〜60℃高温で、かつポリオレフィン系樹脂の融点未満の温度である。

0038

ここで、延伸温度とは、延伸開始位置における繊維の温度を意味する。延伸温度が「第1成分であるポリエステル系樹脂のガラス転移温度+30℃」以上であれば、繊維の伸度を高い状態にでき、延伸後の伸度を残せるために好ましい。延伸温度がより高温であると、高い歪み速度で、すなわち高倍率で延伸してもその効果が得られるため好ましい。ただ、延伸温度があまりにも高くなり過ぎると、未延伸繊維が延伸されるまでの間に、第1成分に冷結晶化が生じてしまい、伸度を残すことを阻害することになる。この観点からは、延伸温度は「第1成分であるポリエステルのガラス転移温度+70℃」以下とする。また、延伸温度は第2成分であるオレフィン系樹脂の融点未満とし、繊維同士の融着による延伸過程不安定化を抑制する必要がある。
例えばガラス転移温度が70℃であるポリエチレンテレフタレートを第1成分に配し、融点130℃の高密度ポリエチレンを第2成分に配した未延伸繊維を延伸する場合には、100℃以上で130℃未満の延伸温度とする。延伸温度が100℃以上であると、繊維に対する熱量が多くなり、ポリエチレンテレフタレートと高密度ポリエチレンとの延伸性差異が小さくなる。これにより、不織布化工程でのカード加工時に鞘芯剥離を引き起こすおそれが減じる。

0039

延伸倍率は、未延伸繊維における破断延伸倍率の75〜95%であり、80〜95%が好ましく、85〜90%の範囲がより好ましい。なお。破断延伸倍率とは、未延伸繊維を延伸した場合、繊維に破断が生じたときの延伸倍率をいう。延伸倍率が破断延伸倍率の75%以上であると、熱による剛性の減退を抑制できる。延伸倍率が破断延伸倍率の95%以下であると、延伸に伴い、本発明の複合繊維の複合構造と、第1成分と第2成分が受ける応力歪の差とに起因して潜在捲縮が顕在化して、生じる顕在捲縮の発現性が小さくなる。そのため、その後の乾燥工程(熱処理工程)において、繊維の複合構造と、第1成分と第2成分が受ける熱収縮性の差とに起因して潜在捲縮が顕在化することで生じる顕在捲縮の発現割合を高めることが可能となる。

0040

次に、延伸工程で得られた延伸繊維を熱処理により乾燥し、三次元の顕在捲縮を付与する。
本発明において、繊維の乾燥工程(熱処理工程)で顕在捲縮を発現させる。顕在捲縮の発現は、本発明の複合繊維の複合構造と、複合成分間の熱収縮性の差とに由来し、繊維に内在する潜在捲縮が顕在化して顕在捲縮を発現する。

0041

延伸工程で発現する顕在捲縮に比べて、乾燥工程で発現する顕在捲縮は、その捲縮径が大きく、顕在捲縮数が適切な範囲となる。本発明においては、10〜20山/2.54cmの三次元の顕在捲縮を形成し、好ましくは12〜16山/2.54cmの顕在捲縮を形成する。上記範囲の数の顕在捲縮を有することで、顕在捲縮による繊維間の絡まりが低減されることになり、その後のカード工程でのカード通過性が良好となる。

0042

なお、本発明において、乾燥工程の前に機械捲縮の付与を行ってもよい。機械捲縮を行うことにより、カード工程でのカード通過安定性を向上させることができる。機械捲縮を行う場合は、5〜10山/2.54cmの機械捲縮を付与することが望ましい。より好ましいのは、7〜9山/2.54cmの範囲である。
乾燥工程で発現する顕在捲縮の捲縮径が小さい(捲縮が細かい)と、その繊維及びその繊維を用いて得られる不織布は硬い触感を帯びるものとなるが、5〜10山/2.54cmの機械捲縮が付与されていると、この機械捲縮付与時に、繊維は熱と強い応力を受けて、繊維内部に、そしてその繊維の形状として、その熱力学的・物理的影響が記憶・固定されることになる。

0043

乾燥工程では、繊維内部に予め記憶・固定された熱力学的・物理的影響を引きずりながら潜在捲縮が顕在化することになるために、機械捲縮を付与しない場合に比べて、それらの記憶・形状の影響を受けて捲縮径の大きい顕在捲縮が発現しやすくなる。捲縮径が大きくなることで、繊維の柔軟性が向上し、また、機械捲縮工程で予め熱力学的・物理的作用を受けていることで、乾燥工程で得られる繊維は、特に、顕在捲縮の形態安定性に優れた繊維となる。
この機械捲縮を付与する前に、必要に応じて乾熱湿熱蒸気等の雰囲気下でアニーリング処理を施すことにより、熱履歴を改善し、応力緩和の抑制を行い、熱処理工程での熱収縮の微調整を行うことも可能である。

0044

乾燥工程(熱処理工程)は、例えば、熱風乾燥機等を用いて、第2成分の融点より低いが融点よりも15℃を超えて低くない温度、より好ましくは第2成分の融点より低いが融点よりも10℃を超えて低くはない温度で行うのが好ましい。これによって、顕在捲縮の発現と結晶化の促進が図られる。これによって、適度な伸度を有し捲縮径が大きく柔軟で、形態安定性に優れた捲縮を得ることができる。顕在捲縮の発現性は、上記延伸倍率、機械捲縮数、機械捲縮付与前の熱履歴によっても制御できる。

0045

かかる乾燥工程(熱処理工程)によって、潜在捲縮が顕在化して得られた三次元の顕在捲縮の捲縮数は、10〜20山/2.54cmの範囲であり、好ましくは12〜16山/2.54cmの範囲である。得られる捲縮の形状は、三次元の顕在捲縮であるが、機械捲縮に由来する平面ジグザグ捲縮(二次元捲縮)が残存していてもよい。

0046

本発明の複合繊維の製造法の本質は、延伸工程において、繊維の伸度を充分残す程度の延伸倍率で、潜在捲縮を発現させず又は抑制するように延伸しておき、後工程の繊維の熱処理工程、特に、不織布形成以前の繊維の乾燥工程において、繊維の顕在捲縮を発現させる点にある。
また、前記乾燥工程以前の工程で、比較的少ない数、具体的には繊維に5〜10山/2.54cmの機械捲縮を付与しておくのが、好ましい。

0047

その後、繊維を短繊維カットすることができる。短繊維の繊維長は、用途に応じて選択でき特に限定されないが、カーディング処理を行う場合には20〜102mmが好ましく、より好ましくは30〜51mmである。

0048

(不織布)
本発明の複合繊維を用いることによって、比容積が80cm3/g以上の嵩高の不織布を好適に得ることができる。具体的には、80〜130cm3/gの範囲の不織布を好適に得ることができる。不織布の加工条件は特に限定されるものではないが、例えばローラーカード機を用いて得たカードウェブを130〜145℃で熱処理加工して、目付けが20〜30g/m2の不織布とする方法が挙げられる。熱処理方法としては、特に限定されるものではないが、スルーエアー加工法などは不織布の柔軟性を良好に加工することができる点で好ましい。

0049

本発明の複合繊維を用いて製造した不織布は、例えばおむつ、ナプキン、失禁パット等の吸収性物品、ガウン、術衣等の医療衛生材、壁用シート障子紙床材等の室内内装材カバークロス清掃用ワイパー、生ゴミカバー等の生活関連材、使い捨てトイレトイレ用カバー等のトイレタリー製品ペットシートペット用おむつペットタオル等のペット用品、ワイピング材、フィルター、クッション材油吸着材インクタンク用吸着材等の産業資材、一般医療材、寝装材、介護用品など、嵩高性及び耐圧縮性が要求される様々な繊維製品への用途に利用することができる。

0050

以下、実施例により本発明を記述するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。なお、各例においての物性評価は以下に示す方法で行った。

0051

熱可塑性樹脂
複合繊維を構成する熱可塑性樹脂として以下の樹脂を用いた。
樹脂1:密度0.96g/cm3、MFR(190℃荷重21.18N)が16g/10min、融点が130℃である高密度ポリエチレン(略記号PE)
樹脂2:MFR(230℃ 荷重21.18N)が5g/10min、融点が162℃である結晶性ポリプロピレン(略記号PP)
樹脂3:固有粘度が0.64、ガラス転移点が70℃であるポリエチレンテレフタレート(略記号PET)

0052

(無機微粒子の添加方法)
複合繊維への無機微粒子の添加方法は、以下の方法を用いた。
無機微粒子の粉体をマスターバッチ化後、第1成分及び/又は第2成分へ添加する。マスターバッチ化に用いる樹脂は、第1、第2成分と同じ樹脂を用いた。

0053

(熱接着性複合繊維の製造)
表1又は表2に示す熱可塑性樹脂を用い、第1成分を芯側、第2成分を鞘側に配し、同様に表に示す押出温度と、複合比(容量比)、断面形状で紡糸し、その際、アルキルフォスフェートK塩を主成分とする繊維処理剤オイリングロールにより、紡糸した繊維に接触させて、該繊維処理剤を付着させた。
得られた未延伸繊維を、延伸機を用い、延伸温度(熱ロール表面温度)90〜125℃に設定し、表1、2に示す条件で延伸工程および捲縮(機械捲縮)付与工程を行った。その後、熱風循環乾燥機を用いて、表1、2に示す乾燥温度熱処理温度)で5分間乾燥工程(熱処理工程)を施して熱接着性複合繊維を得た。
次いで、当該繊維をカッターでカットして短繊維とし、これを試料繊維として用いた。

0054

(不織布加工)
熱接着性複合繊維をローラーカード機に掛けウェブ採取し、熱風循環式の熱処理機を用い、加工温度138℃で熱処理して鞘成分を熱融着させ、目付け約25g/m2の不織布とした。

0055

(メルトマスフローレイト(MFR)の測定)
JIS K 7210に準拠し、メルトマスフローレイトの測定を行った。ここで、MIは、附属書A表1の条件D(試験温度190℃、荷重2.16kg)に準拠し、MFRは、条件M(試験温度230℃、荷重2.16kg)に準拠して測定した。

0056

(繊維引っ張り強伸度測定)
JIS L 1015に準拠し、試料繊維の繊度及び引っ張り強伸度の測定を行った。

0057

(捲縮数測定)
25mm(或いは20mm)の試料繊維に0.18mN/texの初荷重をかけた時の長さを測定し、その時の捲縮数を数え、25mm(或いは20mm)間あたりの捲縮数を求めた。

0058

(捲縮弾性率測定)
25mm(或いは20mm)の試料繊維に0.18mN/texの初荷重をかけた時の長さを測定した。次に4.41mN/texの荷重をかけた時の長さを測定した。その後全荷重を除き、2分間放置後、初荷重をかけて長さを測定し、捲縮弾性率(%)を算出した。

0059

(比容積)
不織布を、デジマチクインジケータ(Mitutoyo製)を用いて、3.5g/cm2の荷重をかけた状態で厚みを測定した。測定した厚みから下記の数式を用いて比容積を算出した。
不織布の比容積(cm3/g)=不織布の厚み(mm)/不織布の目付け(m2/g)×1000
得られた比容積の値からか嵩高性を評価した。

0060

平均荷重
上記不織布加工の方法で得られた不織布を4枚重ねて100g/m2のサンプルとし、これを3点用意した。それぞれのサンプルは、予め厚みを測定し、仕事量の測定および荷重の算出時に用いた。1つのサンプルにつき、4箇所のサンプルの厚みをノギスで測定し、その算術平均値を用いた。
カトーテック(株)製の圧縮試験機KES−G5)を用いて、それぞれのサンプルを加圧板(2cm2の円盤)によって、0.4mm/secの速度で、サンプルの厚みが50%になるまで圧縮し、そのときの仕事量を測定した。
荷重(gf/cm2)は、得られた仕事量を、サンプルの50%の厚み(圧縮した距離)で除することで算出した。
平均荷重は、3点のサンプルから算出された荷重の算術平均値として求めた。
得られた平均荷重の値からか柔軟性を評価した。

0061

0062

実施例

0063

以上の結果から明らかなとおり、本発明に係る実施例1〜6は、繊維の伸度が50〜120%でかつ捲縮弾性率が大きくなっている。このことから、繊維の伸度を残した状態でも捲縮の形態安定性が確保できていることがわかる。また、本発明の複合繊維を用いて作製した不織布の嵩高性(比容積による評価)と柔軟性(平均荷重による評価)も向上していることがわかる。
比較例3の複合繊維は、繊維の伸度が136%と非常に高い値を示していることから、この複合繊維を用いて作製した不織布の柔軟性は向上しているものの、嵩高性は実施例と比較して不良となっていることがわかる。

0064

本発明の熱接着性複合繊維は、繊維の伸度を残し、かつ捲縮の形態安定性を維持することで柔軟性が高く嵩高性に優れた不織布を作製することができる。本発明の熱接着性複合繊維から得られる不織布は優れた柔軟性、嵩高性に優れているので、嵩高性と柔軟性の双方を要求される用途、例えばおむつ、ナプキン、失禁パット等の吸収性物品、ガウン、術衣等の医療衛生材、壁用シート、障子紙、床材等の室内内装材、カバークロス、清掃用ワイパー、生ゴミ用カバー等の生活関連材、使い捨てトイレ、トイレ用カバー等のトイレタリー製品、ペットシート、ペット用おむつ、ペット用タオル等のペット用品、ワイピング材、フィルター、クッション材、油吸着材、インクタンク用吸着材等の産業資材、一般医療材、寝装材、介護用品など様々な嵩高性、柔軟性を要求される繊維製品への用途に利用することができる。

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