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技術 新規納豆およびその製造方法

出願人 株式会社MizkanHoldings株式会社Mizkan
発明者 小笠原靖市瀬秀之
出願日 2013年6月4日 (6年1ヶ月経過) 出願番号 2013-117991
公開日 2014年12月15日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 2014-233265
状態 特許登録済
技術分野 飼料または食品用豆類
主要キーワード 高温設定 気相温度 抑制度合い 自社開発 胞子状態 日常食品 ダンボールケース 日本古来
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年12月15日)のものです。
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図面 (5)

課題

納豆菌全般に対して適用可能な技術であり、風味,食感,糸引き性の観点から、従来の納豆とは全く異なる優れた嗜好性を有する納豆、を製造する技術を開発することを目的とする。

解決手段

蒸煮大豆又は煮大豆に納豆菌を植菌した後、6.5〜13.5時間の間、豆の品温を実質的に37〜53℃の温度帯で維持する通常発酵(第1発酵)を行い、その後1.5〜6.5時間の間、豆の品温を実質的に20℃以上37℃未満の温度帯で維持する低温発酵(第2発酵)を行うことを特徴とする、二次発酵が顕著に抑制された性質を有する納豆の製造方法を提供する。

概要

背景

大豆納豆菌発酵させた糸引き納豆(いわゆる納豆)は、日本古来発酵食品であり、大豆タンパク質豊富に含み栄養価が高い。また、栄養価に加えて、納豆はそれ自体の嗜好性が高いことから、日本人日常食品の一つとなっている。
さらに、近年、納豆にはプロバイオティック作用、抗菌作用機能性成分等による各種健康増進効果があることが報告されており、益々需要が期待されている食品である。

納豆菌による発酵過程では、発酵により強い粘りを有する糸引き成分が生成される。
当該糸引き成分は、独特風味食感を納豆に与える性質を有し、白米を炊いたご飯との相性が抜群に良い。
一方、納豆菌の発酵過程が進行すると、大豆に含まれる成分の変化が起こり、納豆臭,アンモニア臭,苦味が付与される代わりに、煮豆本来の風味が失われる傾向にある。このような独特な風味は、納豆を初めて食する場合の障壁となる場合がある。
そこで、納豆の風味等の嗜好性に関して、様々な改良が試みられており、特に特定納豆菌株を用いる様々な納豆製造技術が開示されている。例えば、納豆臭低減に関する特許文献1、納豆の硬さの低減に関する特許文献2などを挙げることができる。

しかしながら、これらの技術では、特定菌株の性質を利用して、特定性質に関する課題を解決する技術であり、納豆の嗜好性を全体的に向上させることができる技術ではなかった。また、特定の納豆菌株を用いることが必須となるため、他の優れた性質を有する納豆菌には応用できないという課題があった。

概要

納豆菌全般に対して適用可能な技術であり、風味,食感,糸引き性の観点から、従来の納豆とは全く異なる優れた嗜好性を有する納豆、を製造する技術を開発することを目的とする。蒸煮大豆又は煮大豆に納豆菌を植菌した後、6.5〜13.5時間の間、豆の品温を実質的に37〜53℃の温度帯で維持する通常発酵(第1発酵)を行い、その後1.5〜6.5時間の間、豆の品温を実質的に20℃以上37℃未満の温度帯で維持する低温発酵(第2発酵)を行うことを特徴とする、二次発酵が顕著に抑制された性質を有する納豆の製造方法を提供する。

目的

本発明は、上記課題を解決し、納豆菌全般に対して適用可能な技術であり、風味,食感,糸引き性の観点から従来の納豆とは全く異なる優れた嗜好性を有する納豆を製造する技術、を開発することを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

蒸煮大豆又は煮大豆に納豆菌植菌した後、下記(1)及び(2)に記載の工程を行うことを特徴とする、納豆の製造方法。(1):6.5〜13.5時間の間、豆の品温を実質的に37〜53℃の温度帯に維持して発酵を行う工程。(2):上記(1)に記載の工程を行った後、1.5〜6.5時間の間、豆の品温を実質的に20℃以上37℃未満の温度帯に維持して発酵を行う工程。

請求項2

上記(1)に記載の工程における温度帯の維持時間が7〜13時間である、請求項1に記載の納豆の製造方法。

請求項3

上記(2)に記載の工程における温度帯の維持時間が2〜6時間である、請求項1又は2に記載の納豆の製造方法。

請求項4

上記(1)及び(2)に記載の工程を行った後、豆の品温を3℃以上10℃未満に維持して熟成させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の納豆の製造方法。

請求項5

前記製造した納豆が、豆の品温を3℃以上10℃未満に冷却した際に納豆1gに含まれる栄養細胞の数が2×108個以下である性質を有するものである、請求項1〜4のいずれかに記載の納豆の製造方法。

請求項6

前記納豆菌の植菌量が、蒸煮大豆又は煮大豆1gに対して106個以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の納豆の製造方法。

請求項7

前記納豆菌が、10℃以上20℃未満の温度帯での生育能及び発酵能が抑制された低温感受性の性質を示す菌株である、請求項1〜6のいずれかに記載の納豆の製造方法。

請求項8

前記(1)に記載の工程が終了した後、又は、前記(2)に記載の工程が終了した後において、3.5時間以内の間、豆の品温を実質的に55〜75℃の温度帯に維持する加熱処理を行うことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の納豆の製造方法。

請求項9

請求項1〜8のいずれかに記載の方法によって製造された納豆。

請求項10

下記(A)及び(B)に記載の性質を有する請求項9に記載の納豆。(A):煮豆本来の甘い風味, 及び,枝豆様の香ばしい風味, を有する性質。(B):納豆50gを水100mLに攪拌し20℃で3時間の抽出を行って得た抽出液の粘度が、70〜500mPa・sとなる性質。

請求項11

下記(A)及び(B)に記載の性質を有する納豆。(A):煮豆本来の甘い風味, 及び,枝豆様の香ばしい風味, を有する性質。(B):納豆50gを水100mLに攪拌し20℃で3時間の抽出を行って得た抽出液の粘度が、70〜500mPa・sとなる性質。

技術分野

0001

本発明は、通常の発酵温度帯での発酵を短時間で行った後低温発酵を適切に行うことにより、風味,食感,糸引き性の観点から従来の納豆とは全く異なる優れた嗜好性を有する納豆を製造する技術に関する。

背景技術

0002

大豆納豆菌で発酵させた糸引き納豆(いわゆる納豆)は、日本古来発酵食品であり、大豆タンパク質豊富に含み栄養価が高い。また、栄養価に加えて、納豆はそれ自体の嗜好性が高いことから、日本人日常食品の一つとなっている。
さらに、近年、納豆にはプロバイオティック作用、抗菌作用機能性成分等による各種健康増進効果があることが報告されており、益々需要が期待されている食品である。

0003

納豆菌による発酵過程では、発酵により強い粘りを有する糸引き成分が生成される。
当該糸引き成分は、独特の風味や食感を納豆に与える性質を有し、白米を炊いたご飯との相性が抜群に良い。
一方、納豆菌の発酵過程が進行すると、大豆に含まれる成分の変化が起こり、納豆臭,アンモニア臭,苦味が付与される代わりに、煮豆本来の風味が失われる傾向にある。このような独特な風味は、納豆を初めて食する場合の障壁となる場合がある。
そこで、納豆の風味等の嗜好性に関して、様々な改良が試みられており、特に特定納豆菌株を用いる様々な納豆製造技術が開示されている。例えば、納豆臭低減に関する特許文献1、納豆の硬さの低減に関する特許文献2などを挙げることができる。

0004

しかしながら、これらの技術では、特定菌株の性質を利用して、特定性質に関する課題を解決する技術であり、納豆の嗜好性を全体的に向上させることができる技術ではなかった。また、特定の納豆菌株を用いることが必須となるため、他の優れた性質を有する納豆菌には応用できないという課題があった。

先行技術

0005

特開平8-154616号公報
特開2008-263929号公報

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、上記課題を解決し、納豆菌全般に対して適用可能な技術であり、風味,食感,糸引き性の観点から従来の納豆とは全く異なる優れた嗜好性を有する納豆を製造する技術、を開発することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、通常の発酵温度帯での発酵を従来法より大幅に短い時間で行い(第1発酵工程)、その後、低温発酵温度帯で所定時間の低温発酵を行う(第2発酵工程)ことにより、風味,食感,糸引きの全ての嗜好性に優れた、新規の納豆を製造できることを見出した。特に風味の点では、従来の納豆にはない‘煮豆本来の甘い風味’及び‘枝豆様の香ばしい風味’を有する納豆になることを見出した。

0008

さらに、本発明者は、‘納豆菌の植菌量を所定量以上用いること’、‘低温感受性の納豆菌株を用いること’、又は‘第1発酵工程と第2発酵工程の間に所定の加熱処理を行うこと’によって、製造した納豆の二次発酵が顕著に抑制され、保管流通時の品質劣化を防止できることを見出した。

0009

本発明は、当該知見に基づいてなされたものである。
[請求項1]に係る発明は、蒸煮大豆又は煮大豆に納豆菌を植菌した後、下記(1)及び(2)に記載の工程を行うことを特徴とする、納豆の製造方法に関するものである。
(1):6.5〜13.5時間の間、豆の品温を実質的に37〜53℃の温度帯に維持して発酵を行う工程。
(2):上記(1)に記載の工程を行った後、1.5〜6.5時間の間、豆の品温を実質的に20℃以上37℃未満の温度帯に維持して発酵を行う工程。
[請求項2]に係る発明は、上記(1)に記載の工程における温度帯の維持時間が7〜13時間である、請求項1に記載の納豆の製造方法に関するものである。
[請求項3]に係る発明は、上記(2)に記載の工程における温度帯の維持時間が2〜6時間である、請求項1又は2に記載の納豆の製造方法に関するものである。
[請求項4]に係る発明は、上記(1)及び(2)に記載の工程を行った後、豆の品温を3℃以上10℃未満に維持して熟成させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の納豆の製造方法に関するものである。
[請求項5]に係る発明は、前記製造した納豆が、豆の品温を3℃以上10℃未満に冷却した際に納豆1gに含まれる栄養細胞の数が2×108個以下である性質を有するものである、請求項1〜4のいずれかに記載の納豆の製造方法に関するものである。
[請求項6]に係る発明は、前記納豆菌の植菌量が、蒸煮大豆又は煮大豆1gに対して106個以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の納豆の製造方法に関するものである。
[請求項7]に係る発明は、前記納豆菌が、10℃以上20℃未満の温度帯での生育能及び発酵能が抑制された低温感受性の性質を示す菌株である、請求項1〜6のいずれかに記載の納豆の製造方法に関するものである。
[請求項8]に係る発明は、前記(1)に記載の工程が終了した後、又は、前記(2)に記載の工程が終了した後において、3.5時間以内の間、豆の品温を実質的に55〜75℃の温度帯に維持する加熱処理を行うことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の納豆の製造方法に関するものである。
[請求項9]に係る発明は、請求項1〜8のいずれかに記載の方法によって製造された納豆に関するものである。
[請求項10]に係る発明は、下記(A)及び(B)に記載の性質を有する請求項9に記載の納豆に関するものである。
(A):煮豆本来の甘い風味, 及び,枝豆様の香ばしい風味, を有する性質。
(B):納豆50gを水100mLに攪拌し20℃で3時間の抽出を行って得た抽出液の粘度が、70〜500mPa・sとなる性質。
[請求項11]に係る発明は、下記(A)及び(B)に記載の性質を有する納豆に関するものである。
(A):煮豆本来の甘い風味, 及び, 枝豆様の香ばしい風味, を有する性質。
(B):納豆50gを水100mLに攪拌し20℃で3時間の抽出を行って得た抽出液の粘度が、70〜500mPa・sとなる性質。

発明の効果

0010

本発明の納豆製造方法により、風味,食感,糸引き性の観点から、従来の納豆とは全く異なる優れた嗜好性を有する納豆を製造することが可能となる。特に風味の点では、従来の納豆にはない‘煮豆本来の甘い風味’及び‘枝豆様の香ばしい風味’を有する納豆になることを見出した。
これにより本発明は、納豆自体が有する食品としての偏った嗜好性を改善し、納豆の魅力を向上させることに繋がる技術になることが期待される。

0011

具体的には、本発明の方法により、特に下記(i)〜(v)に記載の優れた性質を有する嗜好性に優れた納豆を製造することが可能となる。(i) 従来の納豆では発酵によって失われるはずの煮豆本来の風味(香りや甘さ)を有する性質。(ii) 煮豆の食感を保持している性質。(iii)枝豆様の香ばしい風味を有する性質。(iv)納豆臭やアンモニア臭が低減された性質。(v) 納豆としての良好な風味や食感に必要な十分な糸引き性を有する性質。

0012

さらに本発明の納豆の製造方法においては、さらに好適な態様を採用することにより、保管・流通時の品質劣化が大幅に防止された納豆を製造することが可能となる。
また、本発明の納豆の製造方法は、納豆菌の発酵特性が温度条件の違いに大きく依存した技術であるため、特定の納豆菌株,添加物,機器等の使用を必要とせずに実施することが可能となる。
また、本発明の納豆製造方法では、従来の納豆製造に要する通常の発酵時間(17時間程度)と比べて、短時間(発酵時間を最短とした場合の実施態様では8〜9時間)で、納豆の発酵を完了させることが可能となる。これにより、納豆製造の大幅な効率化に貢献する技術になることが期待される。

図面の簡単な説明

0013

本発明の納豆の製造方法において、発酵に関する温度条件及び時間条件を示した図である。
実施例3で製造した納豆について、二次発酵試験を行った場合の納豆の品温の経時変化を測定した結果図である。
実施例4で製造した納豆について、二次発酵試験を行った場合の納豆の品温の経時変化を測定した結果図である。
実施例5で製造した納豆について、二次発酵試験を行った場合の納豆の品温の経時変化を測定した結果図である。

0014

以下、具体的な実施形態を挙げて本発明を詳細に説明する。
本発明は、高温発酵温度帯と低温発酵温度帯での発酵を所定の条件にて適切に行うことにより、風味,食感,糸引き性の観点から、従来の納豆とは全く異なる優れた嗜好性を有する納豆を製造する技術に関する。

0015

大豆原料
本発明の納豆の製造方法では、通常の納豆の製造に用いることができる如何なる原料をも用いることができる。例えば、丸大豆半割大豆、割砕大豆(引き割り納豆の原料)、脱脂大豆などを使用できる。特に高品質納豆製造時に使用される中粒大粒のものが好適である。これらの大豆は、生のまま用いることもできるが、乾燥処理を行ったもの(乾燥品)を用いることが一般的である。

0016

本発明では、原料の大豆を常法により蒸煮大豆又は煮大豆にして用いる。成分の流亡を防ぐ意味では、蒸煮大豆が好適である。なお、蒸煮や煮る操作を行う前には、原料大豆を水に浸漬し、膨潤させて用いることが望ましい。
ここで、蒸煮大豆の具体的な調製手順としては、大豆を水中に6〜24時間程度浸漬した後、水切りして、100〜135℃の蒸気で10〜30分の蒸煮処理する方法を採用することができる。また、0.12〜0.22Mpaの高圧条件にて、加圧蒸煮する方法を採用することもできる。
また、煮大豆の具体的な調製手順としては、大豆を水中に6〜24時間程度浸漬した後、90〜100℃の湯で20〜50分間煮込む方法を採用することができる。

0017

[納豆菌]
本発明の方法では、通常の納豆発酵能を有する納豆菌であれば、如何なる納豆菌(菌株)であっても用いることができる。ここで納豆菌は、枯草菌バチルスサチリス(Bacillus subtilis)の変種(B. subtilis var.natto、B. subtilis (natto))として、又は、枯草菌の近縁種バチルス・ナットウ(B. natto)として、分類されている細菌である。
納豆菌の最大の特徴は、煮大豆等に接種して発酵させた際に、粘質物糸引物質)や納豆らしい風味を生成し、納豆としての特徴をつくり出す特性を有する点である。また、栄養的には、ビオチン要求性を示す。
本発明に用いることができる納豆菌として、具体的には、一般的な市販菌である宮城野菌、高橋菌、成菌等を用いることができるが、特定の性質を有する突然変異株,遺伝子組み換え株などの各種菌株(例えば、低温感受性菌、アンモニア生成制菌など)を利用することもできる。後述する実施例で例示した21541株は、通常の温度感受性を有する菌株であり、出願人が自社開発した菌株である。

0018

なお、本発明の方法により製造した納豆の二次発酵を抑制するためには、特には、低温感受性の性質を有する菌株を用いることが好適である。
ここで、‘低温感受性’とは、「通常の発酵が起こる温度帯(37〜53℃)では通常の納豆菌と同程度の生育能及び発酵能を示すが、常温よりやや低温の温度帯(特に10℃以上20℃未満)では通常の温度感受性の菌よりも生育能及び発酵能が大幅に低減された性質」を指す。

0019

このような性質を有する菌株としては、多くの種類の菌株が知られているが、具体的には、T-058株、T-072株, T-101株、K-2株、K-1株などを挙げることができる。
なお、T-058株は、2013年3月19日付けで独立行政法人製品評価技術基盤機構(千葉県木更津市かずさ足2-5-8)に寄託申請され、受託番号 NITEBP-1576としてBacillus subtilis T-058の名称国際寄託が認められている菌株である。
また、K-2株は、2013年3月19日付けで独立行政法人製品評価技術基盤機構(千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8)に寄託申請され、受託番号 NITE BP-1577としてBacillus subtilis K-2の名称で国際寄託が認められている菌株である。
また、低温感受性を有する菌株は、例えば、特開平1-191655号公報、特願2013-076211明細書に記載の方法により選抜して取得することも可能である。

0020

納豆菌の接種に用いる際の納豆菌の状態としては、即座に増殖発酵可能な栄養増殖状態のものを用いることも可能であるが、胞子状態のものを用いることが通常であり好適である。胞子状態の納豆菌は、安定保存が可能で取扱いが容易であるからである。また、胞子状態の納豆菌は、熱い煮豆等への接種の際にも死滅しないため、豆の雑菌汚染を防げる点で利点がある。また、胞子状態の納豆菌は、熱によるヒートショックにより、大豆への接種後速やかに発させることが可能となる。

0021

・添加態様
大豆等への納豆菌の植菌は、発酵を均一に行うため、大豆等と納豆菌が均一になるように添加(又は、接種,散布など)した後、混合等を行うことが望ましい。好ましくは、納豆菌液(納豆菌を液体に懸濁した状態)を調製し、液体状態にて添加して用いることが好適である。
ここで納豆菌液としては、(i) 市販の納豆菌胞子液の他、各種納豆菌の胞子形成培養液を用いることができる。また、(ii)グルタミン酸グルコース主原料とした合成培地,大豆煮汁,豆乳,酵母エキスなどを含む液体培地にて納豆菌を培養した培養液も用いることができる。また、(iii) 納豆菌の固体培養物、例えば大豆(大豆粉脱脂加工大豆も含む)に納豆菌を植菌し培養したもの(納豆そのもの)、から納豆菌を集菌し、溶液に懸濁して用いることができる。また、当該固形培養物の粉砕物等をそのまま溶液に懸濁して、用いることも可能である。

0022

・植菌量
植菌する納豆菌の量としては、常法に準じた菌濃度で特に限定はないが、蒸煮大豆1gあたり103個以上、さらには104個以上、105個以上となるように添加することが望ましい。
ここで、非低温感受性(通常の温度感受性)の菌株を用いる場合、植菌量を少なくして製造した納豆は、二次発酵が起こりやすくなる。本発明では、植菌量を多くすることで、製造した納豆の二次発酵を抑制することが可能となる。具体的には、蒸煮大豆1gあたり5×105個以上、好ましくは106個以上、より好ましくは5×106個以上、さらに好ましくは107個以上となるように添加することで、二次発酵を顕著に抑制することが可能となる。その原理としては、スタートの植菌量が多い場合には、発酵中の早い段階で納豆菌の生育密度過密となり、細胞胞子化が促されるためである。これにより、納豆の製造が終了した段階では、栄養細胞が大幅に減少した状態となる。

0023

なお、低温感受性の菌株を用いた場合では、植菌量を少なくして製造した納豆でも二次発酵が起こりにくい。低温感受性の菌株を植菌して製造した納豆では、植菌量に依存せずに栄養細胞数が大幅に減少した状態となるためである。

0024

上記納豆菌を植菌した大豆は、1〜数食分用の個容器充填した後、個容器内にて後述する発酵を行うことが好適である。また、伝統的な方法として、煮沸した藁に充填して行うことも可能である。
また、数リットル体積容の容器等にて発酵を行うことも可能であるが、表面積に対する体積の値が大きくなると、中央部の豆に温度変化伝わりにくくなることを考慮すると、大きめの容器を用いることは望ましくない。

0025

ここで個容器としては、豆の充填が可能なものであれば、どんな容器を用いることもできる。一般的には納豆で一般に用いられるようなPET、PE、PP、PSP等を用いた合成樹脂性の容器や、カップ状の紙製の容器を用いることができる。
また、容器の形状として、当該容器を用いて直接、喫食のための掻き混ぜ(攪拌)ができるような形状のものが好適である。
また、発酵後は、蓋やシーリングによる封を行うことができる態様のものが好適である。

0026

[発酵工程]
本発明の発酵は、納豆菌の発酵特性が、温度条件により大きく異なることを利用した方法である(図1 参照)。具体的には、本発明の方法は、上記大豆に納豆菌を植菌した後、通常の発酵温度帯での発酵を従来法より大幅に短い時間で行い(第1発酵工程)、;その後、低温発酵温度帯にて所定時間の低温発酵を行う(第2発酵工程)、;ことを要する方法である。

0027

発酵開始
本発明では、納豆菌を植菌した豆の品温が37〜53℃の温度になった時に、発酵が開始されたとみなすことができる。例えば、蒸煮等によって、豆の品温が37〜53℃となっている場合、植菌時点において発酵が開始したと判断できる。
また、豆の品温が53℃より高い場合、発酵室等に入れて品温が53℃以下に達した時点を発酵開始と判断できる。同様に、豆の品温が37℃未満の場合、発酵室等に入れて品温が37℃に達した時点を発酵開始と判断できる。

0028

ここで、発酵を行うための部屋や装置としては、20〜53℃を含む温度の調節が可能な発酵室、恒温室恒温器インキュベーター等を挙げることができる。
例えば、(i)昇温及び冷却機能を有する発酵室等を用いて温度調節する手段を採用することができる。当該手段を採用した場合、温度条件を正確に調節することが可能となる。
(ii) また、最初に発酵温度帯に温度設定された恒温室等で発酵を行い、所定時間経過後に異なる温度帯に設定された恒温室等に豆を容器ごと移動することによって、豆の品温を調節することもできる。当該温度調節手段を採用した場合、容器の移動を自動化することにより、温度調節の無駄を省き、納豆の大量生産を効率良く行うことが可能となる。

0029

通常発酵温度帯での短時間発酵(第1発酵工程)
本発明の発酵においては、発酵開始から所定時間の間、豆の品温を実質的に通常の発酵温度帯に維持することが必須となる。
ここで、通常の発酵温度帯とは37〜53℃の温度帯を指す。特に好ましくは40〜52℃、さらに好ましくは44〜51℃の温度帯を指す。豆の品温が当該温度にあると、植菌した納豆菌の発酵作用全般的活発となる発酵特性を示す。一般的には、納豆らしい風味の付与、豆の食感の消失、納豆臭やアンモニア臭の付与、糸引きの付与、菌膜の形成などが促進される。

0030

当該発酵では、上記温度帯の範囲に含まれる温度のうちの一定温度に維持して、発酵を行うことが望ましい。但し、上記温度帯に含まれる温度であれば、途中で温度を上昇及び/又は低下させる条件で発酵を行うことは勿論可能である。
ここで、当該発酵において「実質的に温度帯に維持する」とは、完全に当該温度帯を外れないことを意味するものではなく、例えば、若干の温度範囲(例えば、2℃以内, 好ましくは1℃以内)で、若干の時間(例えば、10分以内, 好ましくは5分以内)であれば、当該温度帯を外れた品温となった場合も、当該発酵条件を満たすことを意味する。

0031

本発明の方法において、当該発酵温度帯を維持する所定時間としては、6.5〜13.5時間を挙げることができる。発酵時間の下限としては、6.5時間以上、好ましくは7時間以上、さらに好ましくは8時間以上、を挙げることができる。発酵時間が所定より短い場合、発酵が十分に進まず、枝豆様の香ばしい風味が付与されず好ましくない。また、糸引き性の原因成分の生成も十分でなく、糸引き性も付与されないため好ましくない。
発酵時間の上限としては、13.5時間以内、好ましくは13時間以内、さらに好ましくは12時間以内を挙げることができる。発酵時間が所定より長い場合、発酵が進み過ぎて納豆臭が付与され、煮豆が本来有する風味が消失してしまい好ましくない。また、発酵が進み過ぎると一度付与された枝豆様風味が失われてしまい好ましくない。また、煮豆の食感が失われてしまうため好ましくない。
これらを総合的に考慮すると、通常発酵(第1発酵)を行う時間としては、6.5〜13.5時間、好ましくは7〜13時間、さらに好ましくは8〜12時間が望ましい。当該時間範囲は、煮豆本来の風味が十分に保持され且つ納豆中の枝豆様の香ばしい風味が十分に付与される時間帯に相当する。また、糸引き性もある程度付与された状態となる。

0032

・加熱処理
本発明においては、上記通常発酵(第1発酵)が終了した後、‘任意で’下記の所定条件での加熱処理を行うことにより、製造した納豆の二次発酵が顕著に抑制されたものとすることができる。その原理としては、当該加熱処理を行って製造した納豆では、納豆中に生存している納豆菌の栄養細胞が減少した状態となるためである。

0033

当該加熱処理の温度調整維手段としては、発酵工程で行った手段と同様の手段を採用することができる。また、当該加熱処理は、第1発酵終了後にそのまま加熱(昇温)して行うことが望ましい。また、第1発酵終了後、一度豆の品温を37℃未満に冷却し、その後に加熱処理を行う態様を採用することもできる。

0034

本発明における加熱処理では、上記温度帯の範囲に含まれる温度のうちの一定温度に維持して、加熱処理を行うことが望ましい。また、上記温度帯に含まれる温度であれば、途中で温度を上昇及び/又は低下させる条件で加熱処理を行ってもよい。
ここで、当該加熱処理において「実質的に温度帯に維持する」とは、完全に当該温度帯を外れないことを意味するものではなく、例えば、若干の温度範囲(例えば、2℃以内、好ましくは1℃以内)で、若干の時間(例えば、10分以内、好ましくは5分以内)であれば、当該温度帯を外れた品温となった場合も、当該加熱処理条件を満たすことを意味する。

0035

本発明の加熱処理においては、豆の品温を実質的に、55〜75℃、好ましくは55〜70℃、より好ましくは55〜65℃、さらに好ましくは58〜62℃、特に好ましくは59〜61℃、最も好ましくは60℃程度の温度帯に維持する温度帯が好適である。また、処理時間としては、3.5時間以内、好ましくは3時間以内、さらに好ましくは10秒〜3時間、さらに好ましくは30秒〜3時間、さらに好ましくは1分〜3時間、さらに好ましくは1分〜2時間、最も好ましくは1時間程度が好適である。
当該加熱処理条件は、第1発酵で増殖した栄養細胞の多くが死滅するが一部のものは生き残ることができる条件に相当する。なお、当該加熱処理の温度帯では、納豆菌の発酵が停止して発酵熱が発生しないため、室等の気相温度定常状態での品温がほぼ同じ温度になる。

0036

当該条件にて加熱処理を行った場合、後述する低温発酵(第2発酵)は、生き残った栄養細胞により行われる。
ここで、所定温度より高い場合, 又は, 所定時間より長い場合、栄養細胞が完全に死滅してしまい、低温発酵(第2発酵)自体が起こらなくなる。また、加熱により糸引き性や風味も失われる。そのため、所望の嗜好性を有する納豆を製造することができなくなり好適でない。
一方、加熱条件が所定温度より低い場合, 又は, 所定時間より短い場合、栄養細胞の死滅が十分でないため、納豆製造後の二次発酵が抑制できなくなり好適でない。

0037

・低温発酵(第2発酵工程)
本発明の発酵では、上記通常発酵(第1発酵)が終了した後又は加熱処理が終了した後に、所定時間が経過するまで豆の品温を実質的に低温発酵温度帯に維持して低温発酵を行うことが必須となる。
ここで、低温発酵温度帯とは20℃以上37℃未満の温度帯を指す。特に好ましくは24〜36℃の温度帯を指す。当該温度帯では、発酵活性全般が抑制され、納豆臭の付与や菌膜形成は不活発化するが、糸引き成分の生成は比較的活発に行われる発酵特性を示す。

0038

当該発酵では、上記温度帯の範囲に含まれる温度のうちの一定温度に維持して、発酵を行うことが望ましい。但し、上記温度帯に含まれる温度であれば、途中で温度を上昇及び/又は低下させる条件で発酵を行うことは勿論可能である。
ここで、当該発酵において「実質的に温度帯に維持する」とは、完全に当該温度帯を外れないことを意味するものではなく、例えば、若干の温度範囲(例えば、2℃以内, 好ましくは1℃以内)で、若干の時間(例えば、10分以内, 好ましくは5分以内)であれば、当該温度帯を外れた品温となった場合も、当該発酵条件を満たすことを意味する。

0039

当該加熱処理の温度調整手段としては、発酵工程で行った手段と同様の手段を採用することができる。即ち、(i) 室や装置の設定温度の変更、(ii)高温設定した室や装置への移動により、品温を上昇させる手段を採用することができる。また、室や装置としても、発酵工程で用いるものと同じものを用いることができる。

0040

当該低温発酵温度帯における品温維持の態様としては、品温を徐々に冷却する態様で行うことが好適である。好ましくは、冷却速度が一定になるように冷却することが望ましい。なお、当該温度変化の態様としては、一定速度で冷却させる態様以外にも、例えば、当該温度帯の一定温度にて一定時間維持した後に、急激に冷却する態様で行うことも可能である。また、一度低下させた温度を再上昇させる態様で行うことも可能である。

0041

本発明の方法において、当該発酵温度帯を維持する所定時間としては、1.5〜6.5時間を挙げることができる。発酵時間の下限としては、1.5時間以上、好ましくは2時間以上、より好ましくは2.5時間以上、さらに好ましくは3時間以上を挙げることができる。発酵時間が所定より短い場合、糸引き性の原因成分の生成が十分でなく、好適な嗜好性の納豆を製造することができない。
発酵時間の上限としては、6.5時間以内、好ましくは6時間以内、さらに好ましくは5.5時間以内、より好ましくは5時間以内を挙げることができる。発酵時間が所定より長い場合、発酵が進み過ぎて納豆臭が付与され、煮豆が本来有する風味が消失してしまい好ましくない。また、発酵が進み過ぎると一度付与された枝豆様風味が失われてしまい好ましくない。また、煮豆の食感が失われてしまうため好ましくない。
これらを総合的に考慮すると、低温発酵(第2発酵)を行う時間としては、1.5〜6.5時間、好ましくは2〜6時間、さらに好ましくは3〜5時間が望ましい。当該時間範囲であると、煮豆本来の風味及び枝豆様の香ばしい風味を消失させることなく、糸引き性の原因成分を十分に生成させることが可能となる。

0042

・加熱処理
また、上記通常発酵(第1発酵)終了後の加熱処理を行わない場合においては、低温発酵(第2発酵)が終了した後、‘任意で’加熱処理を行うことにより、製造した納豆の二次発酵が顕著に抑制されたものとすることができる。その原理としては、当該加熱処理を行って製造した納豆では、納豆中に生存している納豆菌の栄養細胞が減少した状態となるためである。
当該加熱処理の温度調整手段及び加熱処理条件としては、上記第1発酵終了後の加熱処理の条件と同条件を採用することができる。

0043

[熟成工程]
本発明における納豆の製造においては、上記低温発酵温度帯での品温維持が終了した納豆の品温が10℃未満になった時点で、製造が完了したとみなすことができる。
なお、製造した納豆の二次発酵を抑制するという点では、本発明の納豆の製造における好適な態様としては、上記発酵を経て製造した納豆の品温を3℃以上10℃未満、好ましくは3〜6℃の低温になるようにして熟成させることが望ましい。当該温度帯での熟成工程を行うことにより、納豆が二次発酵を起こし難くなる。
ここで、低温での熟成を行う場合における時間的制約はないが、例えば、6時間〜3日間、好ましくは8時間〜2日間程度の熟成を行うことが好適である。

0044

[保管]
製造後の納豆を保管する際には、二次発酵による納豆の品質の劣化タンパク質等の分解を抑えるために、好ましくは3℃以上10℃未満、より好ましくは3〜6℃の品温になるように冷蔵状態にて保管することが好適である。

0045

[製造された納豆の性質]
上記工程を経て製造された納豆は、風味,食感,糸引き性の観点から、従来の納豆とは全く異なる優れた嗜好性を有する納豆となる。具体的には、以下に示す性質を有する。

0046

(i)煮豆本来の甘い風味の保持
本発明の納豆は、従来の納豆では発酵によって失われるはずの煮豆本来の甘い風味を保持したものとなる。これは、通常の発酵温度帯での発酵を短時間で行うことにより、蒸煮大豆や煮大豆に由来する1オクテン3オール、β-ダマセノンマルトール、γ-ノナラクトン、2-アセチル-1-ピロリンなどの成分が、上記発酵後にも高い含有量で残存し且つ当該風味を妨げる成分が生成されないことによって奏されるものと認められる。

0047

(ii)煮豆の食感の保持
本発明の納豆は、煮豆の食感を保持したものとなる。これは、発酵を大幅に短時間で行うことにより、通常発酵を行った場合では失われる煮豆の食感が保持されるからである。

0048

(iii)枝豆様の香ばしい風味の付与
本発明の納豆は、通常の納豆にはない枝豆様の香ばしい風味が付与されたものとなる。
当該枝豆様の風味は、蒸煮大豆や煮大豆に由来する2-アセチル-1-ピロリンに加えて、発酵によりアセトインや2,3-ブタンジオール等の成分が生成されることにより奏される風味と推測される。ところが、当該風味は、通常の発酵時間で発酵を行うと失われてしまう。
本発明の方法では、通常の発酵温度帯での発酵を短時間で行うことにより、当該風味成分が高い含有量で残存し且つ当該風味を妨げる成分が生成されないことによって奏されるものと認められる。

0049

(iv)納豆臭及びアンモニア臭の低減
本発明の納豆は、従来の納豆では発酵によって付与される納豆臭及びアンモニア臭が大幅に低減された納豆となる。これは、発酵を短時間で行うことにより、従来法では付与されるはずの納豆臭及びアンモニア臭の付与が抑制されるからである。
ここで納豆臭の原因成分としては、イソ吉草酸,イソ絡酸等の低級分岐脂肪酸類、;2,5ジメチルピラジン,トリメチルピラジン,テトラメチルピラジン等のピラジン類、;などを挙げることできる。

0050

(v) 十分な糸引き性
本発明の納豆は、納豆としての良好な風味や食感に必要な十分な糸引き性を有するものである。具体的には、納豆を掻き混ぜた時に得られるネバが十分に発生したものを指す。
当該糸引き性は、納豆の抽出液の粘度として数値的により表現することが可能である。当該粘度の値が高いほど、糸引き性が高いことを示す。
具体的には、納豆50gを水100mLに攪拌し常温(20℃)で3時間の抽出を行って得られた水抽出液の粘度(Pa・s)が、70mPa・s以上, 好ましくは80mPa・s以上のものが好適である。
なお、当該値があまりにも高すぎる場合、ネバの発生量が多すぎて喫食し難くなる可能性がある。そのため、上限としては、例えば500mPa・s以下, 好ましくは400mPa・s以下, さらには300mPa・s以下を挙げることができる。

0051

(vi)二次発酵抑制性
二次発酵とは、製造した納豆中に生存する納豆菌の栄養細胞の活動により保管流通時に二次的に発酵する現象を指し、納豆の品質を大きく劣化させる要因となる。具体的には、アンモニアや納豆臭の原因物質の過剰生成、糸引き成分及び風味成分の分解、などを引き起こす反応をいう。
上記製造工程おいて「納豆菌植菌量を所定量以上用いる態様」、「低温感受性の納豆菌株を用いる態様」、又は「第1発酵工程と第2発酵工程の間に所定の加熱処理を行う態様」を採用した場合、当該製造した納豆は、低温感受性菌の温度特性により二次発酵が顕著に抑制された性質の納豆となる。即ち、保管流通時の品質劣化が顕著に防止された納豆となる。特に、常温における二次発酵が著しく抑制されたものとなる。
なお、ここで、‘保管流通時’とは、製造業者が製造後の商品(納豆)を保管・貯蔵する時、メーカー流通業者が商品(納豆)を運搬配達する時、販売業者によって商品(納豆)として保管・陳列されている時、消費者購入した商品(納豆)を自宅に保管している時、等の商品が物流している時の全体を意味する。

0052

当該製造納豆の二次発酵の抑制度合いは、当該製造納豆を低温に維持した際の品温(発酵熱)を指標として判定することができる。
具体的には、当該納豆を気相温度15℃で48時間静置した際の品温を測定する試験において、;K-2菌株(NITEBP-1577)を用いて製造した納豆の最大品温が15.0〜17.0℃である場合に、;当該納豆の最大品温が17℃以下(最大発酵熱2℃以下)を指標として判定することができる。当該品温(最大発酵熱)が当該指標値以下であれば、二次発酵が抑制されていると判定することができる。

0053

また、当該製造納豆の二次発酵の抑制度合いは、納豆に含まれる栄養細胞の密度によっても判定することができる。発酵終了後における栄養細胞密度が低い(発酵活性が低い)の納豆では、二次発酵が起こりにくいからである。
具体的に、製造した納豆1gあたりの栄養細胞の数が2×108個以下、好ましくは1.5×108個以下、さらに好ましくは1×108個以下、より好ましくは7.5×107個以下、特に好ましくは5×107個以下、一層好ましくは3×107個以下であるか、;を指標として判定することができる。当該栄養細胞密度が当該指標値以下であれば、二次発酵が抑制されているものと判定することができる。

0054

以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらにより限定されるものではない。

0055

[実施例1]『通常発酵温度帯での発酵時間が納豆に与える影響』
納豆の発酵において、通常の発酵温度帯での発酵時間を変化させた場合に、納豆の性質にどのような影響が現れるかを検討した。

0056

(1)「納豆の製造」
乾燥大豆を水に16時間浸漬し、水切りした後、1.65kg/cm2で30分間加圧蒸煮した。蒸煮した大豆1gあたり104個の納豆菌(K-2株:NITEBP-1577)を含むように納豆菌液を添加し、軽く均一化した。
その後、50gずつをPSP製納豆容器に入れて蓋をし、41℃の発酵室に静置し、表1に示す各所定時間静置した。静置後の品温は、発酵熱により表1に示す温度となっていた。その後、40〜60分かけて品温を37℃(通常の発酵温度帯の下限の温度)まで冷却した。
次いで、各試料を、冷却機能を備えたインキュベーター内に移動し、品温を37℃から20℃まで冷却する操作を4時間かけて行うことで、低温発酵を行った。
最後に、各試料の品温が20℃に到達した後、4℃の冷蔵室に移動して8時間静置し、品温を5℃以下になるように冷却した。

0057

得られた各納豆について、以下の項目官能評価を行なった。
納豆の風味について、‘煮豆本来の甘い風味’が強く感じられる場合を「○」、やや感じられる場合を「△」、感じられない場合を「×」と評価した。
また、‘枝豆様の香ばしい風味’が強く感じられる場合を「○」、やや感じられる場合を「△」、感じられない場合を「×」と評価した。
また、納豆の糸引き性について、‘糸引き性’が強い場合を「○」、やや強い場合を「△」、糸引きがない場合を「×」と評価した。
これらの結果を表1に示した。

0058

(2)「結果」
その結果、通常の発酵温度帯(37〜53℃)での発酵を7〜13時間行い、その後に適切な低温発酵を行った場合、製造した納豆は、煮豆本来の甘い風味,枝豆様の香ばしい風味を有し、さらに糸引き性も十分に強くなることが示された(試料1-2〜1-6)。

0059

一方、当該温度帯での発酵を5時間40分(約5.67時間)しか行わなかった場合、枝豆様の香ばしい風味が付与されず、納豆に糸引き性が付与されなかった(試料1-1)。これは、発酵時間が短すぎたことで、枝豆様の風味成分の生成,糸引き成分の生成が十分でなかったためと推測された。
逆に、当該温度帯での発酵を14時間かけて行った場合、煮豆本来の甘い風味が失われ、枝豆様の香ばしい風味も失われた(試料1-7)。これは、発酵時間が長すぎたことで納豆臭の原因成分が増加し、さらに煮豆風味, 枝豆様風味を阻害する成分も増加したためと推測された。

0060

(3)「考察」
これらの結果から、通常の発酵温度帯(37〜53℃)での発酵時間に関して、一般的な発酵時間(約17時間)より大幅に短い7〜13時間(特には8〜12時間)で発酵を行うことによって、煮豆本来の甘い風味,枝豆様の香ばしさを有する納豆を製造することができることが明らかになった。

0061

0062

[実施例2]『低温発酵の効果』
通常の発酵温度帯での発酵を短時間しか行わずに納豆を製造した場合において、付加的に低温発酵を行った場合の効果を検討した。

0063

(1)「納豆の製造」
以下に記載した条件を採用したことを除いては、実施例1に記載の方法と同様にして、各納豆を製造した。
納豆菌液を添加した蒸煮大豆(K-2株を納豆1gあたり104個添加したもの)について、通常発酵温度帯での発酵を10時間行った。次いで、各試料の品温を37℃から20℃まで冷却する操作を、表2に示す各所定時間を要するようにして行うことで、低温発酵を行った(試料2-1〜2-6)。そして、各試料の品温が20℃に到達した後、4℃の冷蔵室に移動して8時間静置し、品温を5℃以下になるように冷却した。

0064

得られた各納豆について、実施例1と同様にして、煮豆本来の甘い風味,枝豆様の香ばしい風味, 納豆の糸引き性, について官能評価を行なった。結果を表2に示した。

0065

(2)「結果」
その結果、通常の発酵温度帯(37〜53℃)にて所定時間の発酵を行い、その後に低温発酵温度帯(20℃以上37℃未満)での発酵を2〜6時間行った場合、製造した納豆は、煮豆本来の甘い風味,枝豆様の香ばしい風味を有し、さらに糸引き性も十分に強くなることが示された(試料2-2〜2-6)。

0066

一方、低温発酵を1時間しか行わなかった場合、納豆に糸引き性が付与されなかった(試料2-1)。これは、低温発酵の時間が短すぎて、糸引き成分の生成が十分でなかったためと推測された。
逆に、低温発酵を7時間かけて行った場合、煮豆本来の甘い風味が失われた(試料2-7)。これは、低温発酵時間が長すぎたことで、納豆臭の原因成分が増加し、さらに煮豆風味を阻害する成分も増加したためと推測された。

0067

(3)「考察」
これらのことから、通常の発酵温度帯(37〜53℃)での発酵を短時間(10時間)しか行わない場合でも、2時間以上(特には3時間以上)の低温発酵を行うことによって、十分な糸引き性を有する納豆を製造できることが明らかになった。
また、風味の消失を抑えるためには、低温発酵時間の上限は、6時間以内(特には5時間以内)が好適であることが明らかになった。

0068

0069

[実施例3]『納豆菌の菌株の性質の違いが納豆に与える影響』
実施例1,2に示した本発明の納豆の製造方法において、製造に用いる納豆菌の低温感受性の違いが、製造される納豆にどのような影響を与えるかを検討した。

0070

(1)「納豆の製造」
以下に記載した条件を採用したことを除いては、実施例1に記載の方法と同様にして、各納豆を製造した。
納豆菌液を添加した蒸煮大豆(表3に示す菌株を納豆1gあたり5×104個添加したもの)について、49℃の発酵室に静置し、通常発酵温度帯での発酵を9.5時間行った。次いで、各試料の品温を37℃から20℃まで冷却する操作を4時間かけて行うことで、低温発酵を行った。最後に、各試料の品温が20℃に到達した後、4℃の冷蔵室に移動して8時間静置し、品温を5℃以下になるように冷却した。

0071

得られた各納豆について、実施例1と同様にして、煮豆本来の甘い風味,枝豆様の香ばしい風味, 納豆の糸引き性, について官能評価を行なった。結果を表3に示した。

0072

(2)「二次発酵試験」
得られた各試料(PSP製トレー容器内の納豆50g)について、15トレー3列×5段)を密接して積んだ状態にしてダンボールケースに入れた。気相温度を15℃に設定された恒温室内で48時間静置し、中央の納豆の品温を経時的に測定した。測定結果を図2に示した。ここで、気相温度と当該品温の温度差が1.5℃以内の場合には、発酵熱の発生が抑制されていると判定できる。即ち、二次発酵が抑制されていると判定することができる。
また、当該静置後の各試料について、上記と同様にして糸引き性の評価を行った。結果を表3に示した。ここで、当該静置後でも良好な糸引き性が保持されている場合、二次発酵が抑制されていると判定することができる。

0073

(3)「結果」
その結果、低温感受性の納豆菌株であるK-2株(試料3-1), T-058株(試料3-2)を用いて納豆を製造した場合、15℃に設定した恒温機に48時間静置した後でも、良好な糸引き性が保持されることが示された。
なお、これらの試料における48時間静置後の品温は、それぞれ15.2℃(試料3-1), 15.7℃(試料3-2)であり、設定温度(15℃)からの温度上昇(発酵熱の発生)は、極めて僅かであった。

0074

一方、低温感受性でない(通常の温度感受性の)納豆菌株であるN64株(試料3-3), 21541株(試料3-4)を用いて納豆を製造した場合、15℃に設定した恒温機に48時間静置した後では、糸引き性が失われる傾向があることが示された。
これらの試料における48時間静置後の品温は、それぞれ17.3℃(試料3-3), 18.3℃(試料3-4)であり、設定温度(15℃)から2℃以上の温度上昇(発酵熱の発生)が認められた。

0075

(4)「考察」
これらの結果から、本発明に係る納豆の製造方法において、‘低温感受性の納豆菌株’を採用した場合、製造後の納豆の二次発酵を顕著に抑制できることが示された。
即ち、これらの菌株を用いて製造した納豆(製品)は、当該納豆の品質を長期間保持するのに適したものとなることが示された。

0076

0077

[実施例4]『植菌量が納豆に与える影響』
実施例1,2に示した本発明の納豆の製造方法において、製造に用いる納豆菌の植菌量の違いが、製造される納豆にどのような影響を与えるかを検討した。

0078

(1)「納豆の製造」
以下に記載した条件を採用したことを除いては、実施例1に記載の方法と同様にして、各納豆を製造した。
納豆菌液を添加した蒸煮大豆(1gあたり表4に示す菌量の21541株を添加したもの)について、通常発酵温度帯での発酵を9.5時間行った。なお、ここで発酵に用いた21541株は、非低温感受性(通常の温度感受性)の菌株である。次いで、各試料の品温を37℃から20℃まで冷却する操作を4時間かけて行うことで、低温発酵を行った。最後に、各試料の品温が20℃に到達した後、4℃の冷蔵室に移動して8時間静置し、品温を5℃以下になるように冷却した。

0079

得られた各納豆について、実施例1と同様にして、煮豆本来の甘い風味,枝豆様の香ばしい風味, 納豆の糸引き性, について官能評価を行なった。結果を表4に示した。

0080

(2)「二次発酵試験」
得られた各試料について、実施例3に記載の方法と同様にして、気相温度15℃に設定された恒温室内にて48時間静置した時の品温の経時変化を測定した。結果を図3に示した。また、当該静置後の糸引き性について上記と同様にして評価を行った。結果を表4に示した。

0081

(3)「結果」
その結果、21541株(通常の温度感受性の菌株)を用いた場合であっても、植菌量を107個/g(試料4-1)で添加して納豆を製造した場合、15℃に設定した恒温機に48時間静置した後でも、良好な糸引き性が保持されることが示された。
なお、当該試料における48時間静置後の品温は15.1℃であり、設定温度(15℃)からの温度上昇(発酵熱の発生)は極めて僅かであった。

0082

また、植菌量を106個/g(試料4-2)で添加して納豆を製造して場合も、15℃で48時間静置した後の糸引き性は十分に保持されたものとなることが示された。
この時の品温は、16.3℃であり、設定温度(15℃)からの温度上昇(発酵熱の発生)は、1℃強の差異であった。

0083

一方、植菌量を105個/g(試料4-3)又は104個/g(試料4-4)で添加して納豆を製造した場合、15℃に設定した恒温機に48時間静置した後では、糸引き性が失われる傾向があることが示された。
これらの試料における48時間静置後の品温は、それぞれ17.4℃(試料4-3), 18.3℃(試料4-4)であり、設定温度(15℃)から2℃以上の温度上昇(発酵熱の発生)が認められた。

0084

(4)「考察」
これらの結果から、本発明に係る納豆の製造方法において、非低温感受性(通常の温度感受性)の菌株を採用した場合でも、植菌量を106個/g以上(特には107個/g)にして発酵を行うことによって、製造後の納豆の二次発酵を大幅に抑制できることが示された。
即ち、所定以上の量の菌を用いて製造した納豆(製品)は、当該納豆の品質を長期間保持するのに適したものとなることが示された。

0085

0086

[実施例5]『通常発酵と低温発酵の間の加熱処理が納豆に与える影響』
実施例1,2に示した本発明の納豆の製造方法において、通常発酵と低温発酵の間に加熱処理が、製造される納豆にどのような影響を与えるかを調べた。

0087

(1)「納豆の製造」
以下に記載した条件を採用したことを除いては、実施例1に記載の方法と同様にして、各納豆を製造した。
納豆菌液を添加した蒸煮大豆(1gあたり105個の21541株を添加したもの)について、プログラムインキュベーターにて通常発酵温度帯での発酵を8時間行った。次に、気相温度を60℃に設定して試料の品温を60℃に上昇させ、品温55〜60℃の状態(加熱状態)にて1時間40分間維持した。当該加熱後、約90分かけて品温を37℃まで冷却した。次いで、品温を37℃から20℃まで冷却する操作を4時間かけて行うことで、低温発酵を行った。最後に、試料の品温が20℃に到達した後、4℃の冷蔵室に移動して8時間静置し、品温を5℃以下になるように冷却した。

0088

得られた納豆について、実施例1と同様にして、煮豆本来の甘い風味,枝豆様の香ばしい風味, 納豆の糸引き性, について官能評価を行なった。結果を表5に示した。

0089

(2)「二次発酵試験」
得られた試料について、実施例3に記載の方法と同様にして、気相温度15℃に設定された恒温室内にて48時間静置した時の品温の経時変化を測定した。結果を図4に示した。また、当該静置後の糸引き性について上記と同様にして評価を行った。結果を表5に示した。

0090

(3)「結果」
その結果、21541株(通常の温度感受性の菌株)を105個/gにて添加して納豆を製造した場合であっても、通常発酵と低温発酵の間に「55〜60℃で1時間40分間の加熱処理」を行うことによって、15℃に設定した恒温機に48時間静置した後でも、良好な糸引き性が保持されることが示された(試料5-1)。
なお、当該試料における48時間静置後の品温は15.0℃であり、設定温度(15℃)からの温度上昇(発酵熱の発生)は全く認められなかった。

0091

一方、試料5-1と同様の条件にて加熱処理を行わなかった場合では(実施例4の試料4-3 参照)、15℃設定した恒温機に48時間静置した後で糸引き性が失われる傾向にあった。

0092

(4)「考察」
これらの結果から、本発明に係る納豆の製造方法において、通常発酵と低温発酵の間に所定の加熱処理を行うことによって、製造後の納豆の二次発酵を大幅に抑制できることが示された。
即ち、当該加熱処理を行って製造した納豆(製品)は、当該納豆の品質を長期間保持するのに適したものとなることが示された。

0093

0094

[実施例6]『二次発酵抑制能と納豆に含まれる納豆菌の状態との関係』
実施例3〜5で製造した納豆の二次発酵抑制能に関して、納豆に含まれる納豆菌の細胞状態との関係を検証した。

0095

(1)「栄養細胞密度および胞子化率の測定」
表6に示した各試料(実施例3〜5にて製造した5℃に冷却した納豆)について、納豆1gあたりの栄養細胞数(栄養細胞密度)を計測した。また、全細胞数に対する胞子数の割合を算出し、胞子化率を求めた。結果を表6に示した。なお、表6には、実施例3〜5で明らかになった二次発酵抑制能に関する評価を併記した。

0096

(2)「結果」
・温度感受性について
その結果、低温感受性のK-2株を植菌して製造した納豆(試料3-1:二次発酵が抑制された納豆)の栄養細胞数は、2.9×107個/gであった。また、胞子化率は33%であり、約3割の細胞が胞子化し活動を休止していた。
一方、通常の温度感受性のN64株(試料3-3)を植菌して製造した納豆(試料3-3:二次発酵が抑制されていない納豆)には、2.3×108個/gもの栄養細胞が存在していた。これは試料3-1よりも約8倍も多い値であった。また、胞子化率は0%であり、ほとんど全ての細胞が活動状態にあると考えられた。

0097

・植菌量について
また、通常の温度感受性の菌株である21541株について、植菌量を107個/g(試料4-1), 106個/g(試料4-2)で添加して製造した納豆(二次発酵が抑制された納豆)では、胞子化率は100%であり、ほとんど全ての細胞が活動を休止しているものと思われた。
一方、植菌量が105個/g(試料4-3)で添加して製造した納豆(二次発酵が抑制されていない納豆)には、2.1×108個/gもの栄養細胞が存在していた。また、胞子化率は16%であり、ほとんどの細胞がまだ活動状態にあった。

0098

・加熱処理について
また、通常発酵と低温発酵の間に所定の加熱処理を行って製造した納豆(試料5-1:二次発酵が抑制された納豆)の栄養細胞数は、1.46×108個/gであった。また、胞子化率は30%であり、約3割弱の細胞が胞子化し活動を休止していた。
一方、加熱処理を行わずに製造した納豆(試料4-3:二次発酵が抑制されていない納豆)の栄養細胞数は、2.1×108個/gであった。また、胞子化率は16%であり、ほとんどの細胞がまだ活動状態にあった。

0099

(3)「考察」
これらの結果から、二次発酵が抑制された納豆における納豆菌は、栄養細胞数が少ない状態になっていることが示された。また、二次発酵抑制能が発揮されるための栄養細胞数の臨界値は、1.46〜2.1×108個/gの間にあると推定された。
また、二次発酵が抑制された納豆における納豆菌は、胞子化した細胞を多く含む状態となっていることが示された。

0100

0101

実施例

0102

0103

本発明により、従来の納豆とは全く異なる優れた嗜好性を有する納豆を製造することが可能となる。
また、本発明の納豆製造方法は、特定の納豆菌株,添加物,機器等の使用を必要とせずに、納豆の製造全般に実施に即座に適用することが可能な技術である。
これにより、本発明は、納豆自体が有する食品としての偏った嗜好性を改善し、納豆の魅力を向上させることに繋がる技術になることが期待される。

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