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技術 石膏ボード廃材中の石膏を二水石膏として再生する方法

出願人 学校法人日本大学
発明者 小嶋芳行
出願日 2013年5月29日 (8年5ヶ月経過) 出願番号 2013-112468
公開日 2014年12月11日 (6年11ヶ月経過) 公開番号 2014-231447
状態 特許登録済
技術分野 固体廃棄物の処理 アルカリ土類,Al,希土類金属化合物
主要キーワード 水和温度 スクリュウプレス 石膏ボード中 ドラムフィルター 石膏ボード廃材 解体工事 硫酸アルカリ ロータリースクリーン
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年12月11日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (6)

課題

石膏ボード廃材中の石膏から、何ら添加剤を使用することなく、石膏ボードへの再利用が可能な粒子径が大きく、かつ高純度二水石膏再生する方法の提供。

解決手段

石膏ボード廃材を加熱処理して石膏ボード廃材中の二水石膏を半水石膏とし、当該半水石膏を水性媒体中に懸濁した後、70〜85℃で7〜24時間攪拌し、短径40μm以上でアスペクト比1〜3の二水石膏を析出させることを特徴とする、石膏ボード廃材中の石膏を二水石膏として再生する方法。

概要

背景

石膏ボードは、石膏を板状にし、特殊な板紙で包んだ建築材料である。石膏ボード中で石膏は、二水石膏として存在しており、この結晶水により石膏ボードは優れた耐火性を有する。

石膏ボード廃材発生量は、年間約150万tあるといわれ、そのうち100万tは再利用されずに埋立処分されている。埋立処分にも費用を要し、再利用が望まれる。石膏ボード廃材の再利用手段としては、石膏ボード廃材から原紙を分離し、得られた石膏をそのまま利用する方法(特許文献1)、石膏ボード廃材の粉砕物炭素数4〜6のオキシカルボン酸アルカリ金属塩硫酸アルカリ硫酸アンモニウム等を添加することにより、二水石膏として再生する方法(特許文献2、3)、石膏ボード廃材の粉砕物に、水性媒体中種晶石膏を添加し、50〜80℃で0.2〜6時間攪拌して二水石膏として再生する方法(特許文献4)等が報告されている。

概要

石膏ボード廃材中の石膏から、何ら添加剤を使用することなく、石膏ボードへの再利用が可能な粒子径が大きく、かつ高純度の二水石膏を再生する方法の提供。石膏ボード廃材を加熱処理して石膏ボード廃材中の二水石膏を半水石膏とし、当該半水石膏を水性媒体中に懸濁した後、70〜85℃で7〜24時間攪拌し、短径40μm以上でアスペクト比1〜3の二水石膏を析出させることを特徴とする、石膏ボード廃材中の石膏を二水石膏として再生する方法。なし

目的

本発明は、石膏ボード廃材中の石膏から、何ら添加剤を使用することなく、石膏ボードへの再利用が可能な粒子径が大きく、かつ高純度の二水石膏を再生する方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

石膏ボード廃材加熱処理して石膏ボード廃材中の二水石膏半水石膏とし、当該半水石膏を水性媒体中に懸濁した後、70〜85℃で7〜24時間攪拌し、短径40μm以上でアスペクト比1〜3の二水石膏を析出させることを特徴とする、石膏ボード廃材中の石膏を二水石膏として再生する方法。

請求項2

得られる二水石膏が、短径40〜80μm、長径80〜120μm、アスペクト比1〜3の二水石膏である請求項1記載の再生方法

請求項3

攪拌時間が、7〜20時間である請求項1又は2記載の再生方法。

請求項4

半水石膏の水性媒体懸濁液中の濃度が、15〜35質量%である請求項1〜3のいずれか1項記載の再生方法。

請求項5

石膏ボード廃材の加熱処理が、150〜250℃で、30分〜5時間である請求項1〜4のいずれか1項記載の再生方法。

技術分野

0001

本発明は、石膏ボード廃材から石膏再生する方法に関し、更に詳細には、石膏ボード廃材中の石膏を二水石膏として再生する方法に関する。

背景技術

0002

石膏ボードは、石膏を板状にし、特殊な板紙で包んだ建築材料である。石膏ボード中で石膏は、二水石膏として存在しており、この結晶水により石膏ボードは優れた耐火性を有する。

0003

石膏ボード廃材の発生量は、年間約150万tあるといわれ、そのうち100万tは再利用されずに埋立処分されている。埋立処分にも費用を要し、再利用が望まれる。石膏ボード廃材の再利用手段としては、石膏ボード廃材から原紙を分離し、得られた石膏をそのまま利用する方法(特許文献1)、石膏ボード廃材の粉砕物炭素数4〜6のオキシカルボン酸アルカリ金属塩硫酸アルカリ硫酸アンモニウム等を添加することにより、二水石膏として再生する方法(特許文献2、3)、石膏ボード廃材の粉砕物に、水性媒体中種晶石膏を添加し、50〜80℃で0.2〜6時間攪拌して二水石膏として再生する方法(特許文献4)等が報告されている。

先行技術

0004

特開平10−286553号公報
特開2006−273599号公報
特開2009−40638号公報
特開2010−13304号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、特許文献1記載の方法で得られた石膏には界面活性剤等が含まれており、再利用は困難であった。また、特許文献2及び3の方法で得られた二水石膏中にも添加した成分に由来するナトリウムイオンクエン酸イオンが二水石膏表面に吸着しており、再利用する際の硬化反応に悪影響を及ぼすという欠点があった。さらに、特許文献4の方法においては、種晶石膏が必要であることの他に、本発明者の追試では半水石膏と二水石膏の混合物しか得られず、さらに得られた混合物の粒子径が小さいため、再利用時の焼結反応高純度の半水石膏が得られないという問題があった。

0006

従って、本発明は、石膏ボード廃材中の石膏から、何ら添加剤を使用することなく、石膏ボードへの再利用が可能な粒子径が大きく、かつ高純度の二水石膏を再生する方法を提供することにある。

課題を解決するための手段

0007

そこで本発明者は、石膏ボード廃材から高純度で大粒子径の二水石膏を再生すべく種々検討したところ、石膏ボード廃材を加熱処理して半水石膏とし、これを水懸濁液とし、70〜85℃という高温で7〜24時間という長時間かけて析出させることにより、二水石膏だけが選択的に析出し、かつその粒子大形化することを見出し、本発明を完成した。

0008

すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔5〕の発明を提供するものである。

0009

〔1〕石膏ボード廃材を加熱処理して石膏ボード廃材中の二水石膏を半水石膏とし、当該半水石膏を水性媒体中に懸濁した後、70〜85℃で7〜24時間攪拌し、短径40μm以上でアスペクト比1〜3の二水石膏を析出させることを特徴とする、石膏ボード廃材中の石膏を二水石膏として再生する方法。
〔2〕得られる二水石膏が、短径40〜80μm、長径80〜120μm、アスペクト比1〜3の二水石膏である〔1〕記載の再生方法
〔3〕攪拌時間が、7〜20時間である〔1〕又は〔2〕記載の再生方法。
〔4〕半水石膏の水性媒体懸濁液中の濃度が、15〜35質量%である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の再生方法。
〔5〕石膏ボード廃材の加熱処理が、150〜250℃で、30分〜5時間である〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の再生方法。

発明の効果

0010

本発明方法によれば、石膏ボード廃材から短径40μm以上でアスペクト比1〜3という大形かつ粒子状の二水石膏が高純度で得られる。このようにして得られる大粒径かつ高純度の二水石膏は、焼成工程で半水石膏への移行がスムーズであることから、石膏ボード原料として直接再利用することができる。また、その他肥料地盤改良材等としても再利用可能である。

図面の簡単な説明

0011

60℃で6時間水和反応させて得られた石膏のSEM像を示す。
73℃で3〜8時間水和反応させて得られた石膏のX線回折スペクトルを示す。
73℃で5〜8時間水和反応させて得られた石膏のSEM像を示す。
40〜73℃で6〜8時間水和反応させて得られた石膏のSEM像を示す。
水和終了時間及び半水石膏の溶解度に及ぼす水和温度の影響を示す。
二水石膏の平均長径及び平均短径に及ぼす過飽和度の影響を示す。

0012

本発明方法においては、まず、石膏ボード廃材を加熱処理して石膏ボード廃材中の二水石膏を半水石膏とする。
原料である石膏ボード廃材としては、石膏ボードの生産工程及び建築現場施工工程で発生する端材残材改装解体工事で発生する石膏ボード廃材が挙げられる。石膏ボード廃材は、通常その大きさが一定でなく、また原紙を有しているので、粉砕し、原紙を除去して使用するのが好ましい。
上記破砕及び原紙の除去は、いずれも公知の方法によって行うことができる。例えば原紙の分離工程は、特開平10−286553号公報、特開2000−254531号公報等に記載された方法で行うことができる。
粉砕後の石膏ボード廃材の粒径は、機械的に運搬する際の容易さから、平均粒径として0.1〜10mmであることが好ましく、0.1〜5mmであることがより好ましい。この平均粒径は、ふるい分けにより測定することができる。

0013

石膏ボード廃材の加熱処理は、石膏ボード廃材中の二水石膏を半水石膏に変換できる条件であればよく、110〜250℃に10分〜10時間加熱するのが好ましく、150〜250℃に30分〜5時間加熱するのがより好ましく、150〜250℃に40分〜4時間加熱するのがさらに好ましい。加熱装置としては、熱風乾燥機伝導電熱乾燥機等を用いることができる。なお、ここで加熱した半水石膏はできるだけIII型無水石膏を含まないほうがよい。

0014

前記加熱処理により、石膏ボード廃材中の二水石膏が半水石膏に変換される。

0015

次に、得られた半水石膏を水性媒体中に懸濁する。用いられる水性媒体としては、水が好ましい。半水石膏の水性媒体懸濁液中の濃度は、10〜35質量%が好ましく、15〜35質量%がより好ましく、20〜35質量%がさらに好ましい。懸濁液中の半水石膏濃度がこの範囲にあると、攪拌性及び粒径の大きな二水石膏が得られる点で好ましい。なお、この懸濁は、室温、例えば10〜35℃の条件で行うことができる。

0016

次に懸濁液を70〜85℃で7〜24時間攪拌して、短径40μm以上でアスペクト比1〜3の二水石膏を選択的に析出させる。反応温度が70℃未満又は反応時間が7時間未満では、大粒径の二水石膏は得られるが、アスペクト比が大きくなる。例えば60℃で攪拌した場合には、長時間攪拌すれば二水石膏は得られるが、その粒子はアスペクト比の大きい針状であり、大粒径のものが得られない。一方、70℃を超える温度で攪拌しても攪拌時間が6時間程度では半水石膏と二水石膏の混合物となってしまう。
より好ましい攪拌条件水和反応条件)は、70〜85℃で7〜20時間であり、さらに好ましくは70〜85℃で7〜15時間である。
また、攪拌速度は、特に限定されず、100r/min以上が好ましく、100〜400r/minがより好ましく、100〜300r/minがさらに好ましい。
また、攪拌前に種晶を添加する必要はないが、得られる二水石膏の粒子径が小さくならず、アスペクト比が大きくならない範囲で添加してもよく、例えば、0〜1質量%濃度の排煙脱硫石膏を添加してもよい。

0017

本発明方法により得られる二水石膏は、短径40μm以上でアスペクト比1〜3という粒状であり、石膏ボードに再利用する際の焼結反応が効率的に進行する。二水石膏のより好ましい形状は、短径40〜80μm、長径80〜120μm、アスペクト比1〜3のものである。また、本発明方法により得られる二水石膏は高純度であり、純度90%以上であり、より好ましくは95%以上である。

0018

析出した二水石膏は、粒径が大きく、かつアスペクト比が小さいのでろ過性が極めて良好であり、通常のろ過手段、遠心分離手段により容易に採取することができる。具体的には、ロータリースクリーンドラムフィルターディスクフィルターヌッチェフィルターフィルタープレススクリュウプレスチューブプレス等のろ過装置スクリュウデカンタースクリーンデカンター等の遠心分離機等により、水と分離する方法を採用することができる。

0019

得られた二水石膏は、例えばメタノール等により洗浄して乾燥を促進させることもできる。

0020

本発明方法により得られる二水石膏は、高純度でかつ粒子径が大きいため、石膏ボードとして利用する際の焼結反応が効率的に進行する。従って、石膏ボードへの再利用が促進できる。

0021

次に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。

0022

実施例1
(1)操作条件
石膏ボード廃材(原紙除去、粉砕済、粒径0.1〜1mm)を220℃に60分間加熱し、半水石膏を得た。室温下、得られた半水石膏に純水を添加し、11〜33質量%の半水石膏懸濁液を得た。半水石膏懸濁液を、攪拌速度200r/min、40〜73℃で180分〜480分攪拌(水和反応)した。析出した石膏をろ取し、メタノールで洗浄した。

0023

(2)水和温度60℃で180分(3時間)水和反応させ、得られた石膏の走査型電子顕微鏡(SEM写真撮影した。結果を図1に示す。懸濁液濃度11質量%、20質量%、28質量%及び33質量%のいずれにおいても、得られた結晶は針状でありアスペクト比の大きいものであった。この結晶のろ過性は低かった。この結果、特許文献4の攪拌条件では、アスペクト比が小さく、大粒径の二水石膏は得られないことが判明した。

0024

(3)懸濁濃度28質量%、水和温度を73℃とし、水和時間を180分〜480分に変化させ、得られた石膏のX線回折スペクトルを測定した。
その結果、図2に示すように、水和温度73℃の場合、水和時間6時間までは半水石膏又は半水石膏と二水石膏の混合物が生成するが、水和時間が7時間以上になると高純度の二水石膏が得られることが判明した。

0025

また、得られた石膏のSEM写真を図3に示す。図3より、水和時間7時間以上の場合に、アスペクト比が小さく大粒径の二水石膏が生成していることがわかる。

実施例

0026

(4)懸濁液濃度28質量%で、水和温度を40〜73℃に変化させ、水和時間を6〜8時間に変化させた場合に得られる石膏のSEM写真を図4に示す。
また、水和反応終了時間(二水石膏生成時間)及び石膏の溶解度に及ぼす水和温度の影響を図5に示す。
また、得られた二水石膏の平均長径及び平均短径に及ぼす過飽和度の影響を図6に示す。
図4より、水和温度70℃以上、かつ水和時間7時間以上の場合に短径40μm以上アスペクト比1〜3の大粒径の二水石膏が選択的に生成することが判明した。また、図5及び図6より、過飽和度〔(半水石膏の溶解量−二水石膏の溶解量)/二水石膏の溶解量〕が0.76以下の時にアスペクト比の小さな二水石膏が選択的に生成することがわかる。

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