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技術 洋上風力発電施設の建造・運搬方法

出願人 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所佐世保重工業株式会社
発明者 末福久義井上俊司星野和信大山光哉
出願日 2013年5月24日 (7年1ヶ月経過) 出願番号 2013-109863
公開日 2014年12月8日 (5年6ヶ月経過) 公開番号 2014-227966
状態 特許登録済
技術分野 船体構造 風車
主要キーワード 横倒状態 自航式 進行側 注水ポンプ 横臥状態 小規模試験 浮体構造体 ボックス構造
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年12月8日)のものです。
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図面 (20)

課題

洋上風力発電施設建造運搬における安全性、経済性を向上させ、ドック施設を有効に利用することができる洋上風力発電施設の建造・運搬方法を提供すること。

解決手段

本発明に対応した洋上風力発電施設10の建造・運搬方法は、ドック施設で架台手段20を準備し、横倒させた架台手段20内に、少なくとも洋上風力発電施設10の下部構造体11を横倒させて建造し、下部構造体11を架台手段とともにドック施設内に入渠させたバージ40に搭載し、バージ40をドック施設から出渠させて移動させることを特徴とする。

概要

背景

従来例として、環境省が平成22年度から開始している、我が国初となる2MW級の浮体式洋上風力発電実証機1基を実海域に設置する実証事業がある。平成24年度には『浮体式洋上風力発電実証事業小規模試験機設置』計画が実施され、実証機が建造されている。この小規模試験機の運搬に当っては、岸壁にて洋上風力発電施設横臥状態で完成させ、大型クレーンを用いて、一部分を保護枠で覆われた構造体を、保護枠ごと吊り上げ、運搬船に搭載して運搬する方法が採用されている。

特許文献1から特許文献4には、台船上に洋上風力発電施設を積載して設置場所に移動することが記載されている。

特に、特許文献3では、洋上風力発電施設をプレキャストコンクリートブロックを用いて横倒させた状態で組み立て、横倒させた状態にある洋上風力発電施設を半潜水台船の甲板上に積載することが記載されている(図4、段落番号(0016)〜(0020))。

また、特許文献4では、洋上風力発電施設をドック施設内にて起立して建造し、ドック施設を浸水した後に洋上風力発電施設を船に積載することが記載されている(図24A〜図24E、段落番号(0056))。そして、洋上風力発電施設を船に積載するために、甲板の後縁に装置を設け、この装置によって洋上風力発電施設を起立状態から横倒状態可動している(図21〜図23、段落番号(0054))。

概要

洋上風力発電施設の建造・運搬における安全性、経済性を向上させ、ドック施設を有効に利用することができる洋上風力発電施設の建造・運搬方法を提供すること。本発明に対応した洋上風力発電施設10の建造・運搬方法は、ドック施設で架台手段20を準備し、横倒させた架台手段20内に、少なくとも洋上風力発電施設10の下部構造体11を横倒させて建造し、下部構造体11を架台手段とともにドック施設内に入渠させたバージ40に搭載し、バージ40をドック施設から出渠させて移動させることを特徴とする。

目的

本発明は、洋上風力発電施設の建造・運搬における安全性、経済性を向上させ、ドック施設を有効に利用することができる洋上風力発電施設の建造・運搬方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

ドック施設架台手段を準備し、横倒させた前記架台手段内に、少なくとも洋上風力発電施設下部構造体を横倒させて建造し、前記下部構造体を前記架台手段とともに前記ドック施設内に入渠させたバージに搭載し、前記バージを前記ドック施設から出渠させて移動させることを特徴とする洋上風力発電施設の建造・運搬方法

請求項2

前記架台手段に浮力付与手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法。

請求項3

前記浮力付与手段が、浮力調整機能を有することを特徴とする請求項2に記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法。

請求項4

前記下部構造体を、前記洋上風力発電施設の立設時に下側となる部位を陸側に、上側となる部位を海側に向けて建造したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法。

請求項5

前記バージを、後部形状が平面視で凹型である凹型バージとしたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法。

請求項6

前記バージが、バージ浮力調整機能を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法。

請求項7

前記架台手段を橋脚で支持したこと特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法。

請求項8

前記橋脚によって前記架台手段を傾斜させたことを特徴とする請求項7に記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法。

請求項9

前記橋脚を、前記架台手段と前記下部構造体とともに前記バージに搭載することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法。

請求項10

前記下部構造体に加えて、タワーナセル、及びローターを、横倒させた前記架台手段内に建造することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法。

請求項11

前記下部構造体を、浮力を有した浮体構造体としたことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法。

請求項12

前記ドック施設から出渠させた前記バージを、前記洋上風力発電施設の設置場所に移動し、前記下部構造体を前記設置場所に立設させて据付けた後に、前記架台手段を前記バージに撤収することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法。

請求項13

前記ドック施設に前記バージを帰させた後に、前記バージに撤収した前記架台手段を再利用することを特徴とする請求項12に記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法。

請求項14

複数基の前記架台手段とそれぞれの前記架台手段内に建造した前記下部構造体とを、それぞれ別の前記バージに搭載し、複数台の前記バージを一緒に移動させることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれかに記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法。

技術分野

0001

本発明は、洋上風力発電施設建造運搬方法に関する。

背景技術

0002

従来例として、環境省が平成22年度から開始している、我が国初となる2MW級の浮体式洋上風力発電実証機1基を実海域に設置する実証事業がある。平成24年度には『浮体式洋上風力発電実証事業小規模試験機設置』計画が実施され、実証機が建造されている。この小規模試験機の運搬に当っては、岸壁にて洋上風力発電施設を横臥状態で完成させ、大型クレーンを用いて、一部分を保護枠で覆われた構造体を、保護枠ごと吊り上げ、運搬船に搭載して運搬する方法が採用されている。

0003

特許文献1から特許文献4には、台船上に洋上風力発電施設を積載して設置場所に移動することが記載されている。

0004

特に、特許文献3では、洋上風力発電施設をプレキャストコンクリートブロックを用いて横倒させた状態で組み立て、横倒させた状態にある洋上風力発電施設を半潜水台船の甲板上に積載することが記載されている(図4段落番号(0016)〜(0020))。

0005

また、特許文献4では、洋上風力発電施設をドック施設内にて起立して建造し、ドック施設を浸水した後に洋上風力発電施設を船に積載することが記載されている(図24A〜図24E、段落番号(0056))。そして、洋上風力発電施設を船に積載するために、甲板の後縁に装置を設け、この装置によって洋上風力発電施設を起立状態から横倒状態可動している(図21〜図23、段落番号(0054))。

先行技術

0006

特開2013−29101号公報
特開2012−76622号公報
特開2009−13829号公報
特表2007−518912号公報

発明が解決しようとする課題

0007

従来例の方法では、クレーン船・運搬船と2隻の船舶が必要であり経済性効率性の面で検討の余地がある。また、将来の構造体の大型化への対応力も懸念されている。
特許文献1及び特許文献2では、台船上に洋上風力発電施設を建造し、積載する具体的な方法については何ら記載されていない。
また、特許文献3においても、横倒させた状態にある洋上風力発電施設を台船に積載する方法は何ら記載されていない。
また、特許文献4では、装置を用いて、起立状態にある洋上風力発電施設を、船の甲板上に横倒することが記載されているが、重量物である洋上風力発電施設を、船に設けた装置で横倒させることは、安定性に問題がある。

0008

本発明は、洋上風力発電施設の建造・運搬における安全性、経済性を向上させ、ドック施設を有効に利用することができる洋上風力発電施設の建造・運搬方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0009

請求項1記載の本発明に対応した洋上風力発電施設の建造・運搬方法においては、ドック施設で架台手段を準備し、横倒させた架台手段内に、少なくとも洋上風力発電施設の下部構造体を横倒させて建造し、下部構造体を架台手段とともにドック施設内に入渠させたバージに搭載し、バージをドック施設から出渠させて移動させることを特徴とする。請求項1に記載の本発明によれば、ドック施設を利用して洋上風力発電施設を建造でき、横倒させた架台手段内で建造することで作業性や安全性が高く、横倒させた状態で架台手段とともに少なくとも洋上風力発電施設の下部構造体を、ドック施設内にてバージに搭載するため、安全で容易に搭載、運搬でき、架台手段により洋上風力発電施設を保護することもできる。

0010

請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法において、架台手段に浮力付与手段を備えたことを特徴とする。請求項2に記載の本発明によれば、下部構造体の重量の相違を浮力付与手段によって調整し、バージの型式によっては浮力不足を補い、架台手段の横倒角度を調整できる。

0011

請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法において、浮力付与手段が、浮力調整機能を有することを特徴とする。請求項3に記載の本発明によれば、浮力付与手段によって架台手段の浮力調整を行えるため、バージ搭載時や運搬時の喫水調整に利用でき、またドック施設内や設置場所での架台手段の横倒角度の調整にも利用できる。

0012

請求項4記載の本発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法において、下部構造体を、洋上風力発電施設の立設時に下側となる部位を陸側に、上側となる部位を海側に向けて建造したことを特徴とする。請求項4に記載の本発明によれば、洋上風力発電施設の立設時に下側となる部位は、上側となる部位に比べて重くて寸法的にも大きいため、重くて大きな部位を陸側として建造することで、バージに搭載しやすく、バージの移動時における抵抗を少なくでき、立設も容易に行うことができる。

0013

請求項5記載の本発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法において、バージを、後部形状が平面視で凹型である凹型バージとしたことを特徴とする。請求項5に記載の本発明によれば、後部形状が平面視で凹型である凹型バージとすることで、凹型の位置に架台手段を配置でき、ドック施設内に後退しながら入渠することにより搭載が容易であり、バージの移動時や洋上での立設時における安定性にも優れる。

0014

請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法において、バージが、バージ浮力調整機能を有することを特徴とする。請求項6に記載の本発明によれば、特にドック施設への入出渠時、及び下部構造体のバージへの搭載時におけるバージ高さを調整できる。

0015

請求項7記載の本発明は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法において、架台手段を橋脚で支持したこと特徴とする。請求項7に記載の本発明によれば、橋脚によって建造時や運搬時における架台手段の支えを行える。

0016

請求項8記載の本発明は、請求項7に記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法において、橋脚によって架台手段を傾斜させたことを特徴とする。請求項8に記載の本発明によれば、架台手段の横倒角度を橋脚によって調整できる。

0017

請求項9記載の本発明は、請求項7又は請求項8に記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法において、橋脚を、架台手段と下部構造体とともにバージに搭載することを特徴とする。請求項9に記載の本発明によれば、バージ搭載時においても、建造時と同様に、架台手段を支えるとともに横倒角度を維持できる。

0018

請求項10記載の本発明は、請求項1から請求項9のいずれかに記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法において、下部構造体に加えて、タワーナセル、及びローターを、横倒させた架台手段内に建造することを特徴とする。請求項10に記載の本発明によれば、洋上風力発電施設をドック施設内で完成させて運搬することができる。

0019

請求項11記載の本発明は、請求項1から請求項10のいずれかに記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法において、下部構造体を、浮力を有した浮体構造体としたことを特徴とする。請求項11に記載の本発明によれば、浮体式の洋上風力発電施設として利用できる。また、例えば運搬に当って浮体構造体によってバージの浮力を補うことも可能である。

0020

請求項12記載の本発明は、請求項1又は請求項11のいずれかに記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法において、ドック施設から出渠させたバージを、洋上風力発電施設の設置場所に移動し、下部構造体を設置場所に立設させて据付けた後に、架台手段をバージに撤収することを特徴とする。請求項12に記載の本発明によれば、架台手段を再利用できる。

0021

請求項13記載の本発明は、請求項12に記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法において、ドック施設にバージを帰させた後に、バージに撤収した架台手段を再利用することを特徴とする。請求項13に記載の本発明によれば、架台手段を繰り返し利用することで経済性にも優れている。

0022

請求項14記載の本発明は、請求項1から請求項13のいずれかに記載の洋上風力発電施設の建造・運搬方法において、複数基の架台手段とそれぞれの架台手段内に建造した下部構造体とを、それぞれ別のバージに搭載し、複数台のバージを一緒に移動させることを特徴とする。請求項14に記載の本発明によれば、複数台の下部構造体を一緒に建造、運搬、及び設置でき、経済性に優れている。

発明の効果

0023

本発明によれば、ドック施設を利用して洋上風力発電施設を建造でき、横倒させた架台手段内で建造することで作業性や安全性が高く、横倒させた状態で架台手段とともに少なくとも洋上風力発電施設の下部構造体を、ドック施設内にてバージに搭載するため、安全で容易に搭載、運搬でき、架台手段により洋上風力発電施設を保護することもできる。

0024

また、架台手段に浮力付与手段を備えた場合には、下部構造体の重量の相違を浮力付与手段によって調整し、架台手段の横倒角度を調整し、バージの型式によっては浮力不足を補い、架台手段の横倒角度を調整できる。

0025

また、浮力付与手段が、浮力調整機能を有する場合には、浮力付与手段によって架台手段の浮力調整を行えるため、バージ搭載時や運搬時の喫水調整に利用でき、またドック施設内や設置場所での架台手段の横倒角度の調整にも利用できる。

0026

また、下部構造体を、洋上風力発電施設の立設時に下側となる部位を陸側に、上側となる部位を海側に向けて建造した場合には、洋上風力発電施設の立設時に下側となる部位は、上側となる部位に比べて重くて寸法的にも大きいため、重くて大きな部位を陸側として建造することで、バージに搭載しやすく、バージの移動時における抵抗を少なくでき、立設も容易に行うことができる。

0027

また、バージを、後部形状が平面視で凹型である凹型バージとした場合には、後部形状が平面視で凹型である凹型バージとすることで、凹型の位置に架台手段を配置でき、ドック施設内に後退しながら入渠することにより搭載が容易であり、バージの移動時や洋上での立設時における安定性に優れる。

0028

また、バージが、バージ浮力調整機能を有する場合には、特にドック施設への入出渠時、及び下部構造体のバージへの搭載時におけるバージ高さを調整できる。

0029

また、架台手段を橋脚で支持した場合には、橋脚によって建造時や運搬時における架台手段の支えを行える。

0030

また、橋脚によって架台手段を傾斜させた場合には、架台手段の横倒角度を橋脚によって調整できる。

0031

また、橋脚を、架台手段と下部構造体とともにバージに搭載する場合には、バージ搭載時においても、建造時と同様に、架台手段を支えるとともに横倒角度を維持できる。

0032

また、下部構造体に加えて、タワー、ナセル、及びローターを、横倒させた架台手段内に建造する場合には、洋上風力発電施設をドック施設内で完成させて運搬することができる。

0033

また、下部構造体を、浮力を有した浮体構造体とした場合には、浮体式の洋上風力発電施設として利用できる。また、例えば運搬に当って浮体構造体によってバージの浮力を補うことも可能である。

0034

また、ドック施設から出渠させたバージを、洋上風力発電施設の設置場所に移動し、下部構造体を設置場所に立設させて据付けた後に、架台手段をバージに撤収する場合には、架台手段を再利用できる。

0035

また、ドック施設にバージを帰港させた後に、バージに撤収した架台手段を再利用する場合には、架台手段を繰り返し利用することで経済性にも優れている。

0036

また、複数基の架台手段とそれぞれの架台手段内に建造した下部構造体とを、それぞれ別のバージに搭載し、複数台のバージを一緒に移動させる場合には、複数台の下部構造体を一緒に建造、運搬、及び設置でき、経済性に優れている。

図面の簡単な説明

0037

本発明の実施形態による洋上風力発電施設をバージに積載した状態を示す構成図
ドック施設における架台手段の建造を示す図
架台手段内での下部構造体及びタワーの建造を示す図
架台手段内での洋上風力発電施設の建造を示す図
ドック施設内に注水した状態を示す図
ドック施設内へのバージの入渠を示す図
ドック施設内に入渠したバージを示す図
架台手段をバージに搭載した状態を示す図
バージの出渠を示す図
洋上風力発電施設の立設を示す図
架台手段をバージに撤収した状態を示す図
洋上風力発電施設を設置場所に立設させて据付けた後のバージのドック施設への入渠を示す図
入渠後に架台手段をバージから降ろす状態を示す図
架台手段を降ろしたバージの出渠を示す図
架台手段の再利用を示す図
バージが自航式の場合の複数基の架台手段と洋上風力発電施設を複数台のバージで移動させる状態を示す図
バージを他船曳航する場合の複数基の架台手段と洋上風力発電施設を複数台のバージで移動させる状態を示す図
複数台のバージをずらして連結している場合の複数基の架台手段と洋上風力発電施設を複数台のバージで移動させる状態を示す図
一部のバージの向きを変えて連結している場合の複数基の架台手段と洋上風力発電施設を複数台のバージで移動させる状態を示す図

実施例

0038

以下に、本発明の実施形態による洋上風力発電施設の建造・運搬方法について説明する。

0039

図1は本発明の実施形態による洋上風力発電施設をバージに積載した状態を示す構成図である。
本実施形態における洋上風力発電施設10は、下部構造体11、タワー12、ナセル13、及びローター14からなり、下部構造体11を、浮力を有した浮体構造体とした浮体式の洋上風力発電施設である。ただし、海底に着底させる固定式の洋上風力発電施設であっても適用できる。
本実施の形態では、下部構造体11、タワー12、ナセル13、及びローター14からなる洋上風力発電施設10を、ドック施設内にて建造・運搬し、洋上で据付ける場合を説明するが、少なくとも洋上風力発電施設10の下部構造体11をドック施設内にて建造するものであればよい。
洋上風力発電施設10は、架台手段20内で建造される。

0040

架台手段20は、横倒させた状態で、底面、背面、及び両側面をトラス構造枠体で構成し、洋上風力発電施設10又は少なくとも洋上風力発電施設10の下部構造体11を内部に格納する。
超重量物であり円筒状を成した洋上風力発電施設10の下部構造体11を架台手段20内で建造できることは、建造中の洋上風力発電施設10の保護のみならず下部構造体11の転動防止の上で意義がある。
架台手段20は浮力付与手段30を備えている。
浮力付与手段30は、洋上風力発電施設10又は少なくとも下部構造体11の立設時に、下側となる部位20Uに設けている。浮力付与手段30は、水密構造であるとともに、内部にバラスト水を導入できる浮力調整機能を有する。この浮力調整機能は、開閉バルブ注水ポンプ排水ポンプ、またバラスト水量検出手段等を適宜組み合わせて実行される。

0041

このように、架台手段20が浮力付与手段30を備えることで、洋上風力発電施設10又は少なくとも下部構造体11の重量の相違を浮力付与手段30によって調整し、バージ40の型式によっては浮力不足を補い、架台手段20の横倒角度を調整できる。また、浮力付与手段30によって架台手段20の浮力調整を行えるため、バージ40への搭載時や運搬時の喫水調整に利用でき、またドック施設内や設置場所での架台手段20の横倒角度の調整にも利用できる。また、浮力付与手段30を下側となる部位20Uに設けることで、架台手段20の横倒状態から起立状態への移行にともなって大きな浮力を発生させることができ、架台手段20が水中深く沈下せず、安定した挙動で洋上風力発電施設10又は少なくとも下部構造体11を立設させて据付けることができる。また、横倒状態から起立状態への移行に当り、浮力付与手段30へバラスト水を導入し浮力を調整することにより、超重量物である洋上風力発電施設を緩慢に、円滑に動作させて立設させることができ、安全性にも優れる。

0042

浮力付与手段30は、架台手段20の下側(底面)となる部位20Uとともに背面となる部位20Bに配置することが好ましい。
架台手段20には、超重量物である洋上風力発電施設10又は少なくとも下部構造体11を格納するために、地面と架台手段20の接面は、相応の強度が求められる。従って、浮力付与手段30を強度の高いボックス構造とすることで、浮力付与手段30によって架台手段20を地面に対して支持することができる。浮力付与手段30は、架台手段20に溶接などによって接合する。また、ボックス構造とすることにより有効に浮力付与ができるだけでなく、内部にバラスト水を導入するだけで浮力調整が容易に可能となる。

0043

架台手段20は橋脚50で支持される。橋脚50によって建造時や運搬時における架台手段20の支えを行える。
また、橋脚50によって架台手段20を傾斜させることができる。複数の橋脚50の高さを変えることで、又は橋脚50の上面を傾斜させることで、架台手段20の横倒角度を調整できる。
橋脚50は、架台手段20と洋上風力発電施設10又は少なくとも下部構造体11とともにバージ40に搭載する。
橋脚50は、バージ40との接触部を有し、搭載時にはこの接触部で架台手段20や洋上風力発電施設10の荷重を支える構造であるため、横倒角度を持たせた状態でのバージ40への搭載が容易となる。橋脚50をバージ40に搭載することで、建造時と同様に、バージ40の搭載時に架台手段20を支えるとともに横倒角度を維持できる。
横倒角度を持たせることにより、建造時に突出したナセル13がドック施設の床面に接触することを防ぐとともに、洋上風力発電施設10の据付け時に架台手段20ごと滑動回動させて立設させることが容易となる。なお、洋上風力発電施設10の形態やバージ40の型式等によっては、横倒角度を持たせずに建造・運搬することも可能である。

0044

バージ40は、後部形状が平面視で凹型である凹型バージとしている。後部形状が平面視で凹型である凹型バージ40とすることで、凹型の位置に架台手段20を配置でき、ドック施設内に後退しながら入渠することにより搭載が容易であり、バージ40の移動時や洋上での立設時における安定性に優れる。なお、洋上風力発電施設10の形態や据付け方法によってはバージ40の型式は、凹型以外であってもよく、またバージ40は双胴船又は自航機能を持たない双胴船型バージであってもよい。
バージ40は、バージ浮力調整機能を有する。バージ浮力調整機能を有することで、特にドック施設への入出渠時、及び洋上風力発電施設10又は少なくとも下部構造体11のバージ40への搭載時におけるバージ40の高さを調整できる。また、運搬時においては、バージ40の高さを調整することにより、浮力付与手段30が水中に没入している場合は、没入量を調節し、浮力付与手段30の浮力ならびに摩擦抵抗を調整できる。

0045

図2から図15を用いて、本実施形態による洋上風力発電施設の建造・運搬方法について説明する。
図2は、ドック施設における架台手段の建造を示す図であり、図2(a)は側面図、図2(b)は平面図である。
図2に示すように、ドック施設で架台手段20を準備する。架台手段20の下側(底面)となる部位20Uとともに背面となる部位20Bには、浮力付与手段30を配置する。
また、架台手段20は、橋脚50によって横倒されて支持される。ここで、横倒角度は、洋上風力発電施設10又は少なくとも下部構造体11の建造時の作業性から、地面に対して10度程度が好ましい。
但し、洋上風力発電施設10のナセル13もドック施設内で建造する場合であって、下方に突出したナセル13の後部がドック施設の床面に接触する恐れがある場合は、この限りではない。
本実施形態では、複数の橋脚50の高さを変えるとともに橋脚50の上面を傾斜させることで、架台手段20の横倒角度を調整している。

0046

図3は、架台手段内での下部構造体及びタワーの建造を示す図であり、図3(a)は側面図、図3(b)は平面図である。
横倒させた架台手段20内に、下部構造体11及びタワー12を横倒させて建造する。

0047

図4は、架台手段内での洋上風力発電施設の建造を示す図であり、図4(a)は側面図、図4(b)は平面図である。
図4では、図3の状態から、更にナセル13及びローター14を建造した状態を示している。すなわち、横倒させた架台手段20内に、ナセル13及びローター14を横倒させて建造する。架台手段20の上部を開放させた構造とすることにより、建造作業がし易く、またナセル13及びローター14が架台手段20よりも突出していても、立設時の滑動、回動の支障が無いものとなっている。

0048

図5は、ドック施設内に注水した状態を示す図であり、図5(a)は側面図、図5(b)は平面図である。
図5に示すように、横倒させた架台手段20内に、洋上風力発電施設10を横倒させて建造した後に、ドック施設内に注水を行う。従って、横倒させた架台手段20の周囲は水60で満たされる。

0049

図6は、ドック施設内へのバージの入渠を示す図であり、図6(a)は側面図、図6(b)は平面図である。
図6に示すように、ドック施設内は水60で満たされているため、ドック施設外からバージ40を入渠させることができる。

0050

図7は、ドック施設内に入渠したバージを示す図であり、図7(a)は側面図、図7(b)は平面図である。
図7に示すように、凹型の位置に架台手段20が配置されるようにバージ40を位置決めする。この状態では、架台手段20は地面で支えられている。

0051

図8は、架台手段をバージに搭載した状態を示す図であり、図8(a)は側面図、図8(b)は平面図である。
図8に示す状態で、バージ40は浮力調整機能によって浮上し、この浮上によって架台手段20をバージ40に搭載する。洋上風力発電施設10を格納した架台手段20は、橋脚50及び浮力付与手段30とともにバージ40に搭載される。

0052

図9は、バージの出渠を示す図であり、図9(a)は側面図、図9(b)は平面図である。
バージ40は主機を備えて自航できるものでも、他船による曳航であってもよい。
バージ40は、洋上風力発電施設10を格納した架台手段20を搭載してドック施設から出渠する。
出渠後の運搬時に波浪によるバージ40の動揺があっても、架台手段20が洋上風力発電施設10に集中した荷重がかかることを防止する。

0053

本実施形態では、洋上風力発電施設10を建造した場合を示したが、図3に示すように、下部構造体11とタワー12とを建造した状態で、バージ40に搭載してもよい。
また、本実施形態に示すように、洋上風力発電施設10を、洋上風力発電施設10の立設時に下側となる部位(下部構造体11)を陸側に、上側となる部位(ローター14)を海側に向けて建造することが好ましい。洋上風力発電施設10の立設時に下側となる部位(下部構造体11)は、上側となる部位(ローター14)に比べて重くて寸法的にも大きいため、重くて大きな部位(下部構造体11)を陸側として建造することで、バージ40に搭載しやすく、バージ40の移動時における抵抗を少なくでき、立設も容易に行うことができる。
特に、洋上風力発電施設10の運搬時に下部構造体11が水没する運搬方法である場合に、移動時に寸法的に小さい方が進行側となることにより、移動時の摩擦抵抗が小さくできる。

0054

図10は、洋上風力発電施設の立設を示す図であり、図10(a)は側面図、図10(b)は平面図である。
ドック施設から出渠させたバージ40は、洋上風力発電施設10の設置場所に移動し、洋上風力発電施設10を設置場所に立設させて据付ける。
据付けに当っては、横倒角度を持たせて積載した架台手段20及び洋上風力発電施設10の固定手段を開放したり緩めることにより、また浮力付与手段30やバージ40の浮力を調整することにより、橋脚50上を滑動、回動させて立設させることができる。

0055

図11は、架台手段をバージに撤収した状態を示す図であり、図11(a)は側面図、図11(b)は平面図である。
洋上風力発電施設10を設置場所に立設させて据付けた後に、架台手段20をバージ40に撤収する。

0056

図12は、洋上風力発電施設を設置場所に立設させて据付けた後のバージのドック施設への入渠を示す図であり、図12(a)は側面図、図12(b)は平面図である。
架台手段20を搭載したバージ40はドック施設に帰港する。 なお、ドック施設への帰港は、次の洋上風力発電施設10の建造計画によっては他のドック施設であってもよい。

0057

図13は、入渠後に架台手段をバージから降ろす状態を示す図であり、図13(a)は側面図、図13(b)は平面図である。
図13に示す状態で、バージ40は浮力調整機能によって沈み、バージ40が下方に移動することによって架台手段20をバージ40から降ろす。架台手段20は、橋脚50及び浮力付与手段30とともに地面に着底される。

0058

図14は、架台手段を降ろしたバージの出渠を示す図であり、図14(a)は側面図、図14(b)は平面図である。
バージ40を出渠させることで、ドック施設内には、橋脚50及び浮力付与手段30とともに架台手段20が残る。

0059

図15は、架台手段の再利用を示す図であり、図15(a)は側面図、図15(b)は平面図である。
ドック施設から排水することで、図2に示す架台手段20を建造した状態を得ることができ、架台手段20を再利用することができる。
本実施形態によれば、架台手段20を繰り返し利用することで経済性にも優れている。

0060

図16から図19は、複数基の架台手段と洋上風力発電施設を複数台のバージで移動させる状態を示す図である。それぞれ、(a)は側面図、(b)は平面図である。
図16に示す運搬方法では、バージ40が自航式の場合を示している。複数台のバージ40を連結することで、安定した運送を実現でき、経済性にも優れている。
複数台のバージ40を図示のように連結して運搬する場合には、いずれかのバージ40が自航のための主機を備えていればよい。

0061

図17に示す運搬方法では、バージ40を他船で曳航する場合を示している。複数台のバージ40を連結することで、1艘の船で曳航することができ、安定した運送を実現でき、経済性にも優れている。
図16及び図17に示すように、複数台のバージ40を連結する場合には、一部の洋上風力発電施設10については、例えば一部のローター14を取り外して運搬してもよい。

0062

図18に示す運航方法では、複数台のバージ40をずらして連結している。図18に示すように、複数台のバージ40をずらすことで、全ての洋上風力発電施設10を完成状態で運搬することができる。

0063

図19に示す運航方法では、複数台のバージ40の内、一部のバージ40の向きを変えて連結している。図19に示すように、一部のバージ40の向きを変えることで、全ての洋上風力発電施設10を完成状態で運搬することができる。

0064

以上のように、本実施形態による洋上風力発電施設10の建造・運搬方法は、ドック施設で架台手段20を準備し、横倒させた架台手段20内に、少なくとも洋上風力発電施設10の下部構造体11を横倒させて建造し、下部構造体11を架台手段20とともにドック施設内に入渠させたバージ40に搭載し、バージ40をドック施設から出渠させて移動させることで、ドック施設を利用して洋上風力発電施設10を建造でき、横倒させた架台手段20内で建造することで作業性や安全性が高く、横倒させた状態で架台手段20とともに少なくとも洋上風力発電施設10の下部構造体11を、ドック施設内にてバージ40に搭載するため、安全で容易に搭載、運搬でき、架台手段により洋上風力発電施設を保護することもできる。
また、架台手段20が浮力付与手段30を備えることで、洋上風力発電施設10又は少なくとも下部構造体11の重量の相違を浮力付与手段30によって調整し、バージ40の型式によっては浮力不足を補い、架台手段20の横倒角度を調整できる。
また、立設時に大きな浮力を発生させることができ、架台手段20が水中深く沈下せず、安定した挙動で洋上風力発電施設10又は少なくとも下部構造体11を据付けることができる。
さらに、浮力付与手段30によって架台手段20の浮力調整を行えるため、バージ40への搭載時や運搬時の喫水調整に利用でき、またドック施設内や設置場所での架台手段20の横倒角度の調整にも利用できる。また、横倒状態から起立状態への移行に当り、浮力付与手段30へバラスト水を導入し浮力を調整することにより、超重量物である洋上風力発電施設10を緩慢に、円滑に動作させて立設させることができる。

0065

本発明の洋上風力発電施設の建造・運搬方法は、浮体式の洋上風力発電施設だけでなく、固定式の洋上風力発電施設にも利用できる。

0066

10洋上風力発電施設
11下部構造体
12タワー
13ナセル
14ローター
20架台手段
30浮力付与手段
40バージ
50 橋脚

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