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図面 (11)

課題

優れた抗腫瘍作用、優れた骨強化作用、若しくは、優れた体重増加抑制作用を有し、甘味料としても利用可能な新規化合物、及び該新規化合物の製造方法の提供。

解決手段

レンツィアエスピー(Lentzea sp.)ML457−mF8株(NITEP−01586)、などレンツィア(Lentzea)属に属する微生物培養物から新規構造式トレハロース誘導体を分離する。更に、遺伝子工学的手法による前記化合物の生産も可能である。

概要

背景

トレハロース(Trehalose)は、多くの動植物や、微生物に見られる化合物である。前記トレハロースは、生物種によって、栄養源として、保湿剤として、或いは細胞壁成分などとして働いている。例えば、昆虫では血糖の主成分であり、キノコ類では、乾燥重量の1%〜17%を占めていることが知られている。
前記トレハロースは、トレハレース(Trehalase)により分解され、グルコースとなる。なお、哺乳類自身は、前記トレハロースを持たないものの、前記トレハレースは持っている。
現在、前記トレハロースは、多くの食品に添加されているほか、化粧品臓器移植時の保護液などにも利用されている。

また、前記トレハロースは、マウスでの実験において、抗腫瘍作用(例えば、非特許文献1参照)、骨強化作用(例えば、非特許文献2参照)、脂肪細胞肥大化抑制作用などを有することが報告されている。

しかしながら、前記トレハロースが有する抗腫瘍作用などは満足のいくものとはいえず、より優れた抗腫瘍作用などを有する新規化合物の速やかな開発が強く望まれているのが現状である。また、甘味料として用いることができる新規化合物の開発も強く望まれている。

概要

優れた抗腫瘍作用、優れた骨強化作用、若しくは、優れた体重増加抑制作用を有し、甘味料としても利用可能な新規化合物、及び該新規化合物の製造方法の提供。レンツィアエスピー(Lentzea sp.)ML457−mF8株(NITEP−01586)、などレンツィア(Lentzea)属に属する微生物の培養物から新規構造式トレハロース誘導体を分離する。更に、遺伝子工学的手法による前記化合物の生産も可能である。なし

目的

本発明は、上記従来技術に鑑みて行われたものであり、以下の目的を達成することを課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

下記構造式(A)で表されることを特徴とする化合物

請求項2

請求項1に記載の化合物の製造方法であって、レンツィア(Lentzea)属に属し、請求項1に記載の化合物を生産する能力を有する微生物を培養する培養工程と、前記培養工程で得られた培養物から請求項1に記載の化合物を採取する採取工程とを含むことを特徴とする化合物の製造方法。

請求項3

レンツィア(Lentzea)属に属し、請求項1に記載の化合物を生産する能力を有する微生物が、受託番号NITEP−01586のレンツィアエスピー(Lentzeasp.)ML457−mF8株である請求項2に記載の化合物の製造方法。

請求項4

レンツィア(Lentzea)属に属し、請求項1に記載の化合物を生産する能力を有することを特徴とする微生物。

請求項5

受託番号NITEP−01586のレンツィアエスピー(Lentzeasp.)ML457−mF8株である請求項4に記載の微生物。

請求項6

請求項1に記載の化合物を含むことを特徴とする化合物含有組成物

請求項7

請求項1に記載の化合物を含むことを特徴とする抗腫瘍剤

請求項8

請求項1に記載の化合物を含むことを特徴とする骨強化剤

請求項9

請求項1に記載の化合物を含むことを特徴とする体重増加抑制剤

請求項10

請求項1に記載の化合物を含むことを特徴とする甘味料

技術分野

0001

本発明は、新規化合物、その製造方法、前記新規化合物を産生する能力を有する新規微生物、並びに前記新規化合物を含有する、組成物抗腫瘍剤骨強化剤体重増加抑制剤、及び甘味料に関する。

背景技術

0002

トレハロース(Trehalose)は、多くの動植物や、微生物に見られる化合物である。前記トレハロースは、生物種によって、栄養源として、保湿剤として、或いは細胞壁成分などとして働いている。例えば、昆虫では血糖の主成分であり、キノコ類では、乾燥重量の1%〜17%を占めていることが知られている。
前記トレハロースは、トレハレース(Trehalase)により分解され、グルコースとなる。なお、哺乳類自身は、前記トレハロースを持たないものの、前記トレハレースは持っている。
現在、前記トレハロースは、多くの食品に添加されているほか、化粧品臓器移植時の保護液などにも利用されている。

0003

また、前記トレハロースは、マウスでの実験において、抗腫瘍作用(例えば、非特許文献1参照)、骨強化作用(例えば、非特許文献2参照)、脂肪細胞肥大化抑制作用などを有することが報告されている。

0004

しかしながら、前記トレハロースが有する抗腫瘍作用などは満足のいくものとはいえず、より優れた抗腫瘍作用などを有する新規化合物の速やかな開発が強く望まれているのが現状である。また、甘味料として用いることができる新規化合物の開発も強く望まれている。

先行技術

0005

Ukawa et al, Antitumor Effect of Trehalose on Sarcoma 180 in ICR Mice, J. Appl. Glycosci., 52, 367−368(2005)
Nishizaki et al, Disaccharide−trehalose inhibits bone resorption in ovariectomized mice, Nutr. Res., 20, 653−664(2000)

発明が解決しようとする課題

0006

本発明は、上記従来技術に鑑みて行われたものであり、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れた抗腫瘍作用、優れた骨強化作用、若しくは、優れた体重増加抑制作用を有し、甘味料としても利用可能な新規化合物、及び該新規化合物の製造方法、前記新規化合物の生産菌である新規微生物、並びに、前記新規化合物を利用した、化合物含有組成物、抗腫瘍剤、骨強化剤、体重増加抑制剤、及び甘味料を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 下記構造式(A)で表されることを特徴とする化合物である。



<2> 前記<1>に記載の化合物の製造方法であって、
レンツィア(Lentzea)属に属し、前記<1>に記載の化合物を生産する能力を有する微生物を培養する培養工程と、
前記培養工程で得られた培養物から前記<1>に記載の化合物を採取する採取工程とを含むことを特徴とする化合物の製造方法である。
<3> レンツィア(Lentzea)属に属し、前記<1>に記載の化合物を生産する能力を有することを特徴とする微生物である。
<4> 前記<1>に記載の化合物を含むことを特徴とする化合物含有組成物である。
<5> 前記<1>に記載の化合物を含むことを特徴とする抗腫瘍剤である。
<6> 前記<1>に記載の化合物を含むことを特徴とする骨強化剤である。
<7> 前記<1>に記載の化合物を含むことを特徴とする体重増加抑制剤である。
<8> 前記<1>に記載の化合物を含むことを特徴とする甘味料である。

発明の効果

0008

本発明によれば、前記目的を達成することができ、優れた抗腫瘍作用、優れた骨強化作用、若しくは、優れた体重増加抑制作用を有し、甘味料としても利用可能な新規化合物、及び該新規化合物の製造方法、前記新規化合物の生産菌である新規微生物、並びに、前記新規化合物を利用した、化合物含有組成物、抗腫瘍剤、骨強化剤、体重増加抑制剤、及び甘味料を提供することができる。

図面の簡単な説明

0009

図1は、前記構造式(A)で表される化合物のKB錠剤法で測定した、赤外線スペクトルチャートである。縦軸透過率(%)、横軸波数(cm−1)。
図2は、前記構造式(A)で表される化合物の紫外線吸収スペクトルのチャートである。縦軸:吸光度(Abs)、横軸:波長(nm)。
図3は、前記構造式(A)で表される化合物の重メタノール中で25℃にて測定した、600MHzにおけるプロトン核磁気共鳴スペクトルのチャートである。横軸:ppm単位。
図4は、前記構造式(A)で表される化合物の重メタノール中で25℃にて測定した、150MHzにおける炭素13核磁気共鳴スペクトルのチャートである。横軸:ppm単位。
図5は、試験例1の結果を示すグラフである。
図6は、試験例2−1の結果を示すグラフである。
図7は、試験例2−2の結果を示すグラフである。
図8は、試験例3−1の結果を示すグラフである。
図9は、試験例3−2の結果を示すグラフである。
図10は、試験例4の結果を示すグラフである。
図11は、試験例5の結果を示すグラフである。

0010

(新規化合物)
本発明の化合物は、下記構造式(A)で表される化合物であり、本発明者らが分離した新規化合物である(以下、「レンツトレハロース(Lentztrehalose)」と称することがある)。

0011

物理化学的性質
前記レンツトレハロースの物理化学的性質としては、次の通りである。
(1)外観: 白色飴状
(2)分子式: C17H32O13
なお、通常の状態では二水和物となり、元素分析ではC17H32O13・2H2Oとして表される。
(3)高分解能質量分析(HRESIMS:正イオンモード) :
実験値m/z 467.1739 (M+Na)+
計算値m/z 467.1735 (C17H32O13Naとして)
(4) 元素分析 :
実験値 C42.5 H7.7 N<0.1
計算値(C17H32O13・2H2O) C42.5 H7.5
(5)比旋光度: [α]D22=+137°(c 0.94, MeOH)
(6)赤外線吸収スペクトル
赤外線吸収スペクトルは、図1に示す通りである。
νmax(KBr)cm−1 : 3399.89、 2935.13、 1652.70、 1375.00、 1150.33、 1078.98、 1047.16、 991.23、 802.24、 610.36
(7)紫外線吸収スペクトル:
水溶液における紫外線吸収は、図2に示す通り、ほとんど見られない(200nmにおけるε値は、水中で202であり、0.005M HCl中で192である)。
(8)プロトン核磁気共鳴スペクトル:
600MHzにおいて重メタノール中で25℃にて測定した結果は、図3、及び表1に示す通りである。
(9)炭素13核磁気共鳴スペクトル:
150MHzにおいて重メタノール中で25℃にて測定した結果は、図4、及び表1に示す通りである。
(10)高速液体クロマトグラフィー
Hydrosphere C18 HS12S05−2520 WT(粒子径5μm、内径20mm×長さ250mm、株式会社ワイエムシィ製)カラム展開溶媒として水を用いて流速9.9mL/minで展開したときの保持時間は15分である。

0012

0013

化合物が、前記構造式(A)で表される構造を有するか否かは、適宜選択した各種の分析方法により確認することができ、例えば、前記質量分析法、前記赤外分光法、前記紫外分光法、前記プロトン核磁気共鳴分光法、前記炭素13核磁気共鳴分光法等の分析方法などが挙げられる。なお、前記各分析方法による測定値には、多少の誤差が生じることがあるが、当業者であれば、化合物が前記構造式(A)で表される構造を有することは容易に同定することが可能である。

0014

前記構造式(A)で表される化合物の態様は、通常、水和物の態様であるが、塩の態様であってもよい。
前記塩としては、薬理学的に許容され得る塩であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酢酸塩クエン酸塩等の有機塩塩酸塩炭酸塩などが挙げられる。

0015

前記構造式(A)で表される化合物は、前記構造式(A)で表される化合物を生産する微生物から得られたものであってもよいし、化学合成により得られたものであってもよいが、後述する本発明の化合物の製造方法により得られることが好ましい。

0016

<用途>
前記構造式(A)で表される化合物は、後述する試験例で示されるように、優れた抗腫瘍作用、優れた骨強化作用、若しくは、優れた体重増加抑制作用を有し、安全性の高い化合物である。また、甘味料の成分としても用いることができる。そのため、前記構造式(A)で表される化合物は、例えば、後述する本発明の、化合物含有組成物、抗腫瘍剤、骨強化剤、体重増加抑制剤、甘味料などの有効成分として好適に利用可能である。

0017

(化合物の製造方法)
本発明の前記構造式(A)で表される化合物の製造方法は、培養工程と、採取工程とを少なくとも含み、必要に応じてさらにその他の工程を含む。

0018

<培養工程>
前記培養工程は、レンツィア(Lentzea)属に属し、前記構造式(A)で表される化合物を生産する能力を有する微生物を培養する培養工程である。

0019

前記微生物としては、レンツィア(Lentzea)属に属し、前記構造式(A)で表される化合物を生産する能力を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明者らの分離したレンツィアエスピー(Lentzea sp.)ML457−mF8株(NITEP−01586、詳細は後述する本発明の微生物の項目に記す)が挙げられる。また、前記構造式(A)で表される化合物を生産できるその他の菌株についても、常法によって、自然界より分離することが可能である。なお、前記レンツィア エスピー(Lentzea sp.)ML457−mF8株を含め、前記構造式(A)で表される化合物の生産菌を、放射線照射やその他の変異処理に供することにより、前記構造式(A)で表される化合物の生産能を高めることも可能である。更に、遺伝子工学的手法による前記構造式(A)で表される化合物の生産も可能である。

0020

前記微生物が前記構造式(A)で表される化合物を生産する能力を有することを分析する方法としては、例えば、該微生物の培養物、好ましくは、液体培養後の培養上清中又は固体培養後の固体培地中の成分の、抗腫瘍作用、骨強化作用、若しくは体重増加抑制作用を分析する方法、各種分析法により前記構造式(A)で表される化合物を検出する方法などが挙げられる。

0021

前記培養は、前記構造式(A)で表される化合物を生産する生産菌(以下、単に「化合物生産菌」と称することがある)を栄養培地(以下、単に「培地」と称することがある)中に接種し、前記構造式(A)で表される化合物の生産に良好な温度で培養することによって行われる。

0022

前記栄養培地としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、従来放線菌の培養に利用されている公知のものを使用することができ、液体培地であってもよく、固体寒天)培地であってもよい。
前記栄養培地に添加する栄養源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、市販されている大豆粉小麦胚芽、押し麦、ペプトン綿実粕、酵母エキス肉エキスコーンスティープリカー硫酸アンモニウム硝酸ナトリウム尿素等の窒素源トマトペーストグリセリンデンプン、グルコース、ガラクトースデキストリンバクソイトン等の炭水化物脂肪等の炭素源;などが挙げられる。
更に、食塩炭酸カルシウム等の無機塩を培地に添加して使用することもでき、その他、必要に応じて微量の金属塩を培地に添加して使用することもできる。
これらの材料は、前記化合物生産菌が利用し、前記構造式(A)で表される化合物の生産に役立つものであればよく、公知の培養材料は全て用いることができる。

0023

前記構造式(A)で表される化合物の生産のための前培養液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、液体培地、平板培地、斜面培地、半斜面培地などの培地上で前記化合物生産菌を培養した生育物などを使用することができる。

0024

前記培養の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、振とう培養静置培養タンク培養などが挙げられる。
前記培養の温度としては、前記化合物生産菌の発育が実質的に阻害されずに、前記構造式(A)で表される化合物を生産し得る範囲であれば、特に制限はなく、使用する生産菌に応じて適宜選択することができるが、25℃〜35℃が好ましい。
前記培養のpHとしては、前記化合物生産菌の発育が実質的に阻害されずに、前記構造式(A)で表される化合物を生産し得る範囲であれば、特に制限はなく、使用する生産菌に応じて適宜選択することができる。
前記培養の期間としては、特に制限はなく、前記構造式(A)で表される化合物の蓄積に合わせて適宜選択することができる。

0025

<採取工程>
前記採取工程は、前記培養工程で得られた培養物から前記構造式(A)で表される化合物を採取する工程である。
前記構造式(A)で表される化合物は、上述した物理化学的性質を有するので、その性質に従って培養物から採取することができる。

0026

前記培養物としては、前記培養工程で得られ、前記構造式(A)で表される化合物を含むものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、菌体、液体培養後の培養上清、固体培養後の固体培地、及びこれらの混合物などが挙げられる。
なお、前記培養物として、前記菌体を用いる場合は、適当な有機溶媒を用いた抽出方法や、菌体破砕による溶出方法などにより、前記構造式(A)で表される化合物を菌体から抽出し、これを分離及び/又は精製に供してもよい。

0027

前記採取の方法としては、特に制限はなく、微生物の生産する代謝物を採取するのに用いられる方法を適宜選択することができる。例えば、溶媒抽出法、各種吸着剤に対する吸着親和性の差を利用する方法、クロマトグラフ法などが挙げられる。これらの方法を単独又は適宜組み合せて、場合によっては反復使用することにより、分離及び/又は精製された前記構造式(A)で表される化合物を採取することができる。

0028

前記溶媒抽出法に用いる溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノール、メタノール、アセトンブタノールアセトニトリルなどが挙げられる。

0029

前記吸着剤としては、特に制限はなく、公知の吸着剤の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン系吸着樹脂などが挙げられる。

0030

前記クロマトグラフ法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、薄層クロマトグラフ法順相あるいは逆相カラムを用いた分取高速液体クロマトグラフ(分取用HPLC)法などが挙げられる。
前記クロマトグラフ法に用いる担体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換樹脂ゲル濾過シリカゲルアルミナ活性炭などが挙げられる。
前記クロマトグラフ法に用いる担体の市販品の具体例としては、アンバーライト登録商標CG50(シグマアルドリッチ株式会社製)等のイオン交換樹脂;Sephadex(登録商標)LH−20(GEヘルスケアジャパン株式会社製)等のゲル濾過;Hydrosphere C18 HS12S05−2520 WT(株式会社ワイエムシィ製)等のシリカゲル;などが挙げられる。

0031

前記吸着剤や前記クロマトグラフ法における担体から前記構造式(A)で表される化合物を溶出させる方法としては、特に制限はなく、該吸着剤や該担体の種類や性質等に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリスチレン系吸着樹脂の場合には、溶出溶媒として、含水アルコール含水アセトン等を用いて溶出する方法などが挙げられる。

0032

以上のようにして前記構造式(A)で表される化合物を製造することができる。

0033

<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0034

(微生物)
本発明の微生物は、レンツィア(Lentzea)属に属し、上述した本発明の化合物、即ちレンツトレハロースを生産する能力を有する。前記微生物は、レンツトレハロースを生産する能力を有し、そのために、上述した本発明の化合物の製造方法において、レンツトレハロースの生産菌として使用され得る微生物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0035

このような微生物の中でも、特に、公益財団法人微生物化学研究会微生物化学研究所において、新県佐渡市の土壌より分離された放線菌で、ML457−mF8株の菌株番号が付された微生物を使用することが好ましい。前記ML457−mF8株の菌学的性状は、以下の通りである。

0036

1.形態
ML457−mF8株は、分枝した基生菌糸より、直状もしくは曲状の気菌糸伸長する。成熟した胞子鎖は10〜20個の柱筒状の胞子を連鎖する。胞子の大きさは約0.4〜0.5×1.1〜1.5ミクロンで、胞子の表面は平滑である。

0037

2.各種培地における生育状態
色の記載について[ ]内に示す標準は、コンティナー・コーポレーションオブ・アメリカカラーハーモニーマニュアル(Container Corporation of America の color harmony manual)を用いた。
(1)イースト麦芽寒天培地(ISP−培地2、30℃培養)
うす黄[2 gc, Bamboo]の発育上に、白[Near gray series, 3 ba, Pearl]の気菌糸を着生する。可溶性色素は認められない。
(2)オートミール寒天培地(ISP−培地3、30℃培養)
うす黄[1 ca, Pale yellow]の発育上に、白[The gray scale, a, White]の気菌糸を着生する。可溶性色素は認められない。
(3)スターチ・無機塩寒天培地(ISP−培地4、30℃培養)
うす黄[3 ca, Shell]〜暗い黄[2 le, Mustard]の発育上に、白[The gray scale, a, White]の気菌糸を着生する。可溶性色素は認められない。
(4)グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP−培地5、30℃培養)
うす黄[1 1/2 ea, Lt Yellow]〜にぶ黄だいだい[3 ic, Lt Amber]の発育上に、白[Near gray series, 3 ba, Pearl]の気菌糸を着生する。可溶性色素は認められない。
(5)チロシン寒天培地(ISP−培地7、30℃培養)
うす黄[2 pe, Mustard Gold]の発育上に、白[Near gray series, 3 cb, Sand]の気菌糸を着生する。可溶性色素は認められない。
(6)シュクロース硝酸塩寒天培地(30℃培養)
うす黄[2 ca, Lt Ivory]〜にぶ黄[2 ic, Honey Gold]の発育上に、白[The gray scale, b, Oyster White]の気菌糸を着生する。可溶性色素は認められない。

0038

3.生理的性質
(1)生育温度範囲
イースト・スターチ寒天培地(溶性デンプン1%、Yeast extract 0.2%、ひも寒天2.6%、pH7.0)を用い、10℃、20℃、27℃、30℃、37℃、42℃及び50℃の各温度で試験した結果、10℃及び50℃での生育は認められず、20℃〜42℃の範囲で生育した。生育至適温度は30℃付近である。

0039

4.菌体成分
細胞壁中の2,6−ジアミノピメリン酸はmeso−型である。

0040

5.16SrRNA遺伝子解析
16S rRNA遺伝子の部分塩基配列(1,474bp)を決定し、DNAデータベースに登録された公知菌株のデータと比較した。その結果、ML457−mF8株の塩基配列は以下に示すように、レンツィア(Lentzea)属放線菌の16S rRNA遺伝子と高い相同性を示した。即ち、Lentzia waywayandensis(99.1%)、L. albida(99.0%)、L. violacea(98.5%)等である。なお、括弧内は塩基配列の相同値を表記した。

0041

以上の性状を要約すると、ML457−mF8株は、その形態上、分枝した基生菌糸より、直状および曲状の気菌糸を伸長する。その先端は柱筒状の胞子を連鎖する。種々の培地で、うす黄〜うすだいだいの発育上に白〜灰白の気菌糸を着生する。生育至適温度は30℃付近である。
ML457−mF8株の細胞壁中の2,6−ジアミノピメリン酸はmeso−型である。
ML457−mF8株の16SrRNA遺伝子の部分塩基配列を解析し、公知菌株のデータと比較したところ、レンツィア属放線菌と高い相同性を示した。

0042

以上の結果より、ML457−mF8株はレンツィア(Lentzea)属に属するものと考えられる。そこで、ML457−mF8株をレンツィアエスピー(Lentzea sp.)ML457−mF8とする。
なお、ML457−mF8株を独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに寄託申請し、平成25年4月9日、NITEP−01586として受託された。

0043

なお、他の菌にも見られるように、前記ML457−mF8株は、性状が変化し易いが、例えば、前記ML457−mF8株に由来する突然変異株(例えば、自然変異株や、紫外線エックス線放射線薬品等の変異処理により取得できる人工変異株)、形質接合体遺伝子組換体などであっても、前記構造式(A)で表される化合物を生産する能力を有するものは、本発明の微生物に含まれる。

0044

(化合物含有組成物、抗腫瘍剤、骨強化剤、体重増加抑制剤)
<化合物含有組成物>
本発明の化合物含有組成物は、前記構造式(A)で表される化合物を少なくとも含み、必要に応じて、更にその他の成分を含む。

0045

前記化合物含有組成物における前記構造式(A)で表される化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記化合物含有組成物は、前記構造式(A)で表される化合物そのものであってもよい。

0046

−その他の成分−
前記化合物含有組成物におけるその他の成分としては、特に制限はなく、薬理学的に許容され得る担体の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、添加剤補助剤、水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。

0047

前記添加剤又は前記補助剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、殺菌剤保存剤粘結剤増粘剤固着剤結合剤着色剤安定化剤pH調整剤緩衝剤等張化剤溶剤酸化防止剤紫外線防止剤結晶析出防止剤消泡剤、物性向上剤防腐剤などが挙げられる。

0048

前記殺菌剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩化ベンザルコニウム塩化ベンゼトニウム塩化セチルピリジニウム等のカチオン性界面活性剤などが挙げられる。

0049

前記保存剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類クロロブタノールクレゾールなどが挙げられる。

0051

前記結合剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、エタノール、プロパノール単シロップブドウ糖液デンプン液ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラックリン酸カルシウム、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。

0052

前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化チタン酸化鉄などが挙げられる。

0053

前記安定化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トラガント、アラビアゴム、ゼラチン、ピロ亜硫酸ナトリウムエチレンジアミン四酢酸EDTA)、チオグリコール酸チオ乳酸などが挙げられる。

0054

前記pH調整剤又は前記緩衝剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸ナトリウム酢酸ナトリウムリン酸ナトリウムなどが挙げられる。

0055

前記等張化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩化ナトリウムブドウ糖などが挙げられる。

0056

前記化合物含有組成物における前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、前記構造式(A)で表される化合物の効果を損なわない範囲内で、目的に応じて適宜選択することができる。

0057

−用途−
前記化合物含有組成物は、前記構造式(A)で表される化合物を含むため、優れた抗腫瘍作用、優れた骨強化作用、及び優れた体重増加抑制作用の少なくともいずれかを有し、また、甘味も有し、安全性が高く、例えば、医薬組成物、抗腫瘍剤、骨強化剤、体重増加抑制剤、食品添加物などとして好適に利用可能である。
なお、前記化合物含有組成物は、単独で使用されてもよいし、他の成分を有効成分とする医薬と併せて使用されてもよい。また、前記化合物含有組成物は、他の成分を有効成分とする医薬中に、配合された状態で使用されてもよい。

0058

<抗腫瘍剤>
本発明の抗腫瘍剤は、前記構造式(A)で表される化合物を少なくとも含み、必要に応じて、更にその他の成分を含む。

0059

前記抗腫瘍剤における前記構造式(A)で表される化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記抗腫瘍剤は、前記構造式(A)で表される化合物そのものであってもよい。

0060

−その他の成分−
前記抗腫瘍剤におけるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記化合物含有組成物で記載したその他の成分と同様のものが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。

0061

前記抗腫瘍剤における前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、前記構造式(A)で表される化合物の効果を損なわない範囲内で、目的に応じて適宜選択することができる。

0062

−用途−
前記抗腫瘍剤は、前記構造式(A)で表される化合物を含むため、優れた抗腫瘍作用を有し、安全性が高く、肉腫などの予防剤又は治療剤として好適に利用可能である。
なお、前記抗腫瘍剤は、単独で使用されてもよいし、他の成分を有効成分とする医薬と併せて使用されてもよい。また、前記抗腫瘍剤は、他の成分を有効成分とする医薬中に、配合された状態で使用されてもよい。

0063

<骨強化剤>
本発明の骨強化剤は、前記構造式(A)で表される化合物を少なくとも含み、必要に応じて、更にその他の成分を含む。

0064

前記骨強化剤における前記構造式(A)で表される化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記骨強化剤は、前記構造式(A)で表される化合物そのものであってもよい。

0065

−その他の成分−
前記骨強化剤におけるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記化合物含有組成物で記載したその他の成分と同様のものが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。

0066

前記骨強化剤における前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、前記構造式(A)で表される化合物の効果を損なわない範囲内で、目的に応じて適宜選択することができる。

0067

−用途−
前記骨強化剤は、前記構造式(A)で表される化合物を含むため、優れた骨強化作用を有し、安全性が高く、例えば、骨粗鬆症の予防剤又は治療剤、骨強化用の食品の添加物として好適に利用可能である。
なお、前記骨強化剤は、単独で使用されてもよいし、他の成分を有効成分とする医薬と併せて使用されてもよい。また、前記骨強化剤は、他の成分を有効成分とする医薬中に、配合された状態で使用されてもよい。
また、後述する試験例で示すように、前記骨強化剤は、閉経後の雌の個体に対して好適に用いることが可能である。

0068

<体重増加抑制剤>
本発明の体重増加抑制剤は、前記構造式(A)で表される化合物を少なくとも含み、必要に応じて、更にその他の成分を含む。

0069

前記体重増加抑制剤における前記構造式(A)で表される化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記体重増加抑制剤は、前記構造式(A)で表される化合物そのものであってもよい。

0070

−その他の成分−
前記体重増加抑制剤におけるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記化合物含有組成物で記載したその他の成分と同様のものが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。

0071

前記体重増加抑制剤における前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、前記構造式(A)で表される化合物の効果を損なわない範囲内で、目的に応じて適宜選択することができる。

0072

−用途−
前記体重増加抑制剤は、前記構造式(A)で表される化合物を含むため、優れた体重増加抑制作用を有し、安全性が高く、例えば、肥満の予防剤又は治療剤、ダイエット用の食品の添加物として好適に利用可能である。
なお、前記体重増加抑制剤は、単独で使用されてもよいし、他の成分を有効成分とする医薬と併せて使用されてもよい。また、前記体重増加抑制剤は、他の成分を有効成分とする医薬中に、配合された状態で使用されてもよい。
また、後述する試験例で示すように、前記体重増加抑制剤は、成体の個体に対して好適に用いることが可能である。

0073

剤形
前記化合物含有組成物、抗腫瘍剤、骨強化剤、及び体重増加抑制剤の剤形としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、固形剤半固形剤液剤などが挙げられる。これらの剤形の前記化合物含有組成物、抗腫瘍剤、骨強化剤、及び体重増加抑制剤は、常法に従い製造することができる。

0074

−固形剤−
前記固形剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、内用剤として用いられる場合、例えば、錠剤チュアブル錠発泡錠口腔内崩壊錠トローチ剤ドロップ剤硬カプセル剤軟カプセル剤顆粒剤散剤丸剤ドライシロップ剤浸剤などが挙げられる。
前記固形剤が、外用剤として用いられる場合、例えば、坐剤パップ剤プラスター剤などが挙げられる。

0075

−半固形剤−
前記半固形剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、内用剤として用いられる場合、例えば、舐剤チューインガム剤、ホイップ剤、ゼリー剤などが挙げられる。
前記半固形剤が、外用剤として用いられる場合、例えば、軟膏剤クリーム剤ムース剤、インヘラー剤、ナザールジェル剤などが挙げられる。

0076

−液剤−
前記液剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、内用剤として用いられる場合、例えば、シロップ剤ドリンク剤懸濁剤酒精剤などが挙げられる。
前記液剤が、外用剤として用いられる場合、例えば、液剤、点眼剤エアゾール剤噴霧剤などが挙げられる。

0077

投与
前記化合物含有組成物、抗腫瘍剤、骨強化剤、及び体重増加抑制剤の投与方法、投与量、投与時期、及び投与対象としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記投与方法としては、例えば、局所投与法、経腸投与法、非経口投与法などが挙げられる。
前記投与量としては、特に制限はなく、投与対象個体の年齢、体重、体質、症状、他の成分を有効成分とする医薬や薬剤の投与の有無など、様々な要因を考慮して適宜選択することができる。
前記投与対象となる動物種としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヒト、サルブタウシヒツジヤギイヌネコ、マウス、ラットトリなどが挙げられるが、これらの中でもヒトに好適に用いることができる。

0078

(甘味料)
本発明の甘味料は、前記構造式(A)で表される化合物を少なくとも含み、必要に応じて、更にその他の成分を含む。

0079

前記甘味料における前記構造式(A)で表される化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記甘味料は、前記構造式(A)で表される化合物そのものであってもよい。

0080

前記甘味料におけるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記化合物含有組成物で記載したその他の成分と同様のものが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。

0081

前記甘味料における前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、前記構造式(A)で表される化合物の効果を損なわない範囲内で、目的に応じて適宜選択することができる。

0082

−用途−
前記甘味料は、前記構造式(A)で表される化合物を含むため、優れた甘味を有し、安全性が高く、例えば、ダイエット用の食品の添加物として好適に利用可能である。
なお、前記甘味料は、単独で使用されてもよいし、他の成分を有効成分とする甘味料と併せて使用されてもよい。また、前記甘味料は、他の成分を有効成分とする甘味料中に、配合された状態で使用されてもよい。

0083

前記甘味料の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉末状、液状などが挙げられる。
前記甘味料の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。

0084

以下に本発明の製造例、及び試験例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの製造例、及び試験例に何ら限定されるものではない。また、以下の製造例、及び試験例中、「%」は、特に明記のない限り「質量%」と表す。

0085

(製造例1)
<構造式(A)で表される化合物の製造>
−前培養液の調製−
ロータリーフラスコにS培地(2%ガラクトース、2%デキストリン、1% soypeptone、0.5%コーン・スティープ・リカー粉末、0.2%(NH4)2SO4、0.2% CaCO3、シリコン消泡剤少量、pH7.4)を110mL入れ、レンツィアエスピー(Lentzea sp.)ML457−mF8株(受託番号NITEP−01586)を植菌し、30℃、220rpmで3日間培養し、前培養液を得た。

0086

−培養工程−
押し麦120gに水を150mL加えて、121℃、20分間オートクレーブした培地に、70mLの前記前培養液を加え、30℃で14日間、静置培養した。

0087

−採取工程−
前記培養物に320mLのエタノールを加え一晩抽出後、ペーパーフィルターにより濾過し、液体分回収した。残渣に70体積%エタノールを320mL加え、撹拌抽出後、同様に液体を回収し、初めの液体分と混ぜて、エバポレーターにより乾固した。
前記乾固したサンプルを1Lの水に溶解させ、そこに1Lの酢酸エチルを加え、よく混ぜた後、二層分配を行い、水層を回収し、エバポレーターにより乾固した。
前記水層乾固物を50mLの水で溶解し、Hydrosphere C18 HS12S05−2520 WT(株式会社ワイエムシィ製)を用いて、0.1% TFAの均一溶媒系によるHPLCを数回行い、分離した。
前記レンツトレハロースを含む画分をメタノールを溶媒としたSephadexLH−20(GEヘルスケアジャパン株式会社製)カラムにかけ夾雑物を取り除き、エバポレーターにより乾固して精製し、レンツトレハロースを439mg得た。

0088

−構造式(A)で表される化合物(レンツトレハロース)の物理化学的性質−
得られたレンツトレハロースの物理化学的性質は、以下の通りであり、これらのことから、前記レンツトレハロースが、下記構造式(A)で表される構造を有する新規化合物であることが確認された。
(1)外観: 白色飴状
(2)分子式: C17H32O13
なお、通常の状態では二水和物となり、元素分析ではC17H32O13・2H2Oとして表される。
(3)高分解能質量分析(HRESIMS:正イオンモード) :
実験値m/z 467.1739 (M+Na)+
計算値m/z 467.1735 (C17H32O13Naとして)
(4) 元素分析 :
実験値 C42.5 H7.7 N<0.1
計算値(C17H32O13・2H2O) C42.5 H7.5
(5)比旋光度: [α]D22=+137°(c 0.94, MeOH)
(6)赤外線吸収スペクトル:
赤外線吸収スペクトルは、図1に示す通りであった。
νmax(KBr)cm−1 : 3399.89、 2935.13、 1652.70、 1375.00、 1150.33、 1078.98、 1047.16、 991.23、 802.24、 610.36
(7)紫外線吸収スペクトル:
水溶液における紫外線吸収は、図2に示す通り、ほとんど見られなかった(200nmにおけるε値は、水中で202であり、0.005M HCl中で192であった)。
(8)プロトン核磁気共鳴スペクトル:
600MHzにおいて重メタノール中で25℃にて測定した結果は、図3、及び表2に示す通りであった。
(9)炭素13核磁気共鳴スペクトル:
150MHzにおいて重メタノール中で25℃にて測定した結果は、図4、及び表2に示す通りであった。
(10)高速液体クロマトグラフィー:
Hydrosphere C18 HS12S05−2520 WT(粒子径5μm、内径20mm×長さ250mm、株式会社ワイエムシィ製)カラム、展開溶媒として水を用いて流速9.9mL/minで展開したときの保持時間は15分であった。

0089

0090

0091

(試験例1:トレハレース反応試験
各量のトレハロース(Trehalose)、又はレンツトレハロース(Lentztrehalose)を135mMクエン酸バッファー(pH5.7)中で、0.24unit/mLのブタ腎臓トレハレース(Sigma社製、T8778)と37℃で20分間反応させた。
次いで、等量の500mM Tris−HCl(pH7.5)を加え反応を停止し、Glucose Assay Reagent(Sigma社製、G3293)を3倍量加え室温で15分間反応させた。
その後、340nmで吸光度を測定し、グルコースをスタンダードとした検量線より、反応により放出されたグルコースの量を算出した。結果を図5に示した。

0092

図5中、「○」はトレハロースの結果を示し、「●」はレンツトレハロースの結果を示す。
トレハロースは、トレハレースによって分解され、2分子のグルコースになるのに対し、図5に示されるように、レンツトレハロースは、トレハレースによって分解されにくく、グルコースの放出がほとんど見られなかった。
そのため、レンツトレハロースは、哺乳類(例えば、ヒト)の体内で、トレハロースよりも低濃度で、トレハロースと同様の生物活性を示す可能性があることが示唆された。

0093

(試験例2−1:急性毒性試験−1)
週齢の雌ICRマウスに生理食塩水で溶解した各濃度のレンツトレハロースを静脈注射し、その後、2週間の体重変化を観察した。結果を図6に示した。
図6中、「○及び実線」で示したものは、レンツトレハロースを投与しなかった場合(Normal)の結果であり、「●及び実線」で示したものは、レンツトレハロースを500mg/kg/0.4mLで投与した場合の結果であり、「■及び実線」で示したものは、レンツトレハロースを250mg/kg/0.2mLで投与した場合の結果であり、「▲及び実線」で示したものは、レンツトレハロースを125mg/kg/0.2mLで投与した場合の結果であり、「×及び実線」で示したものは、レンツトレハロースを62.5mg/kg/0.2mLで投与した場合の結果であり、「●及び破線」で示したものは、レンツトレハロースを31.25mg/kg/0.2mLで投与した場合の結果であり、「■及び破線」で示したものは、レンツトレハロースを15.6mg/kg/0.2mLで投与した場合の結果であり、「▲及び破線」で示したものは、レンツトレハロースを7.8mg/kg/0.2mLで投与した場合の結果である。

0094

また、各濃度のレンツトレハロースを静脈注射し、2週間後に解剖を行い、各臓器の重量を測定した。結果を表3に示した。

0095

0096

前記試験例2−1の経過観察の結果、全ての投与群において、特に異常は見られなかった。図6の結果から、レンツトレハロースによる毒性を示すような濃度依存的な体重の減少は、見られなかった。表3の結果から、解剖後の臓器重量についても、特にレンツトレハロースの濃度依存性は見られなかった。
以上の結果から、500mg/kgまでの投与量では、レンツトレハロースの静脈注射による毒性は無いといえる。

0097

(試験例2−2:急性毒性試験−2)
4週齢の雌ICRマウスに生理食塩水で溶解した各濃度のレンツトレハロースを経口投与し、その後、2週間の体重変化を観察した。結果を図7に示した。
図7中、「○及び実線」で示したものは、レンツトレハロースを投与しなかった場合(Normal)の結果であり、「●及び実線」で示したものは、レンツトレハロースを500mg/kg/0.4mLで投与した場合の結果であり、「■及び実線」で示したものは、レンツトレハロースを250mg/kg/0.2mLで投与した場合の結果であり、「▲及び実線」で示したものは、レンツトレハロースを125mg/kg/0.2mLで投与した場合の結果であり、「×及び実線」で示したものは、レンツトレハロースを62.5mg/kg/0.2mLで投与した場合の結果であり、「●及び破線」で示したものは、レンツトレハロースを31.25mg/kg/0.2mLで投与した場合の結果であり、「■及び破線」で示したものは、レンツトレハロースを15.6mg/kg/0.2mLで投与した場合の結果であり、「▲及び破線」で示したものは、レンツトレハロースを7.8mg/kg/0.2mLで投与した場合の結果である。

0098

また、各濃度のレンツトレハロースを経口投与し、2週間後に解剖を行い、各臓器の重量を測定した。結果を表4に示した。

0099

0100

前記試験例2−2の経過観察の結果、全ての投与群において、特に異常は見られなかった。図7の結果から、レンツトレハロースによる毒性を示すような濃度依存的な体重の減少は、見られなかった。表4の結果から、解剖後の臓器重量についても、特にレンツトレハロースの濃度依存性は見られなかった。
以上の結果から、500mg/kgまでの投与量では、レンツトレハロースの経口投与による毒性は無いといえる。

0101

(試験例3−1:抗腫瘍活性試験−1)
S−180細胞(4×105cells/100μL生理食塩水)をICRマウス(雌、5週齢、n=5)鼠蹊部に皮下接種し、図8矢尻で示されたスジュールでレンツトレハロース、トレハロース、又は生理食塩水を投与し、継時的腫瘍成長を測定した。結果を図8に示した。

0102

図8中、「○及び点線」で示したものは、コントロール(生理食塩水)の場合(Control(saline))の結果であり、「▲及び点線」で示したものは、トレハロースを50mg/kg経口投与した場合(Trehalose 50mg/kg p.o.)の結果であり、「●(黒)及び実線」で示したものは、レンツトレハロースを50mg/kg経口投与した場合(Lentztrehalose 50mg/kg p.o.)の結果であり、「●(グレー)及び実線」で示したものは、レンツトレハロースを12.5mg/kg経口投与した場合(Lentztrehalose 12.5mg/kg p.o.)の結果であり、「●(黒)及び点線」で示したものは、レンツトレハロースを50mg/kg静脈投与した場合(Lentztrehalose 50mg/kg i.v.)の結果である。
図8の結果から、試験例3−1ではトレハロースによる抗腫瘍効果は確認されなかった。一方、レンツトレハロースでは、経口投与群及び静脈投与群ともに腫瘍抑制効果が見られた(p<0.1、図8中の「*」)。

0103

(試験例3−2:抗腫瘍活性試験−2)
Ehrlich細胞(2×106cells/250μL生理食塩水)をICRマウス(雌、5週齢、n=7)に腹腔内接種後、図9の矢尻で示されたスジュールでレンツトレハロース、又は生理食塩水を投与し、マウスの生存期間を観察した。結果を図9に示した。

0104

図9中、「点線」は、コントロール(生理食塩水)の場合(Control(saline))の結果を示し、「実線」は、レンツトレハロースを50mg/kg経口投与した場合(Lentztrehalose)の結果を示す。
図9の結果から、レンツトレハロース投与群では、約14.7%の延命効果が見られた。

0105

(試験例4:骨強化作用試験)
20週齢のICR雌マウス卵巣摘出後、以下の各群に分けて5週間飼育した。前記飼育後、大腿骨を以下のようにして採取し、計量した。各群の大腿骨と体重との比(大腿骨/体重(mg/g))を図10に示した。
<群>
H2O:飲料水を、通常の飲料水とした群(n=16)
LTH: 飲料水を、レンツトレハロースを0.6mg/mL含む飲料水とした群(n=17)
TH H: 飲料水を、トレハロースを1.2mg/mL含む飲料水とした群(n=16)
TH L: 飲料水を、トレハロースを0.6mg/mL含む飲料水とした群(n=15)
なお、比較として、全く手術をしなかった20週齢のICR雌マウス(以下、「Intact」と称することがある。n=10)と、皮膚を切開し、一旦卵巣を取り出した後、切らずにそのまま戻した20週齢のICR雌マウス(以下、「Sham」と称することがある。n=16)について、飲料水を通常の飲料水として同様に試験した。
<大腿骨の採取及び計量>
前記大腿骨の採取は、前記マウスの両脚大腿骨周辺切り離し、解剖ばさみにより出来るだけ筋肉を取り除いた後、0.5mg/mLのcollagenase Type I(Gibco社製、17100−017)と、3.3mg/mLのdispase(Gibco社製、17105−041)とを含むリン酸緩衝液(pH7.5)で、37℃、10時間処理を行った。その後、水とアセトンで1度ずつ洗浄し、十分に乾燥させて計量した。

0106

図10中、各棒グラフは、左から順に、「Intact群」、「Sham群」、「H2O群」、「LTH群」、「TH H群」、「TH L群」の結果を示す。
図10の結果から、「LT H群」では、「H2O群」に比べて骨重量が増加する傾向が見られた。また、レンツトレハロースは、トレハロースよりも低い濃度で同等以上の効果が見られた。

0107

(試験例5:体重増加抑制作用試験)
20週齢のICR雌マウスの卵巣を摘出後、以下の各群に分けて5週間飼育し、マウスの体重変化を観察した。結果を図11に示した。
<群>
OVX H2O:飲料水を、通常の飲料水とした群(n=16)
OVX 0.6mg/mL Lentztrehalose: 飲料水を、レンツトレハロースを0.6mg/mL含む飲料水とした群(n=17)
OVX 0.3mg/mL Lentztrehalose: 飲料水を、レンツトレハロースを0.3mg/mL含む飲料水とした群(n=16)
OVX 1.2mg/mL Trehalose: 飲料水を、トレハロースを1.2mg/mL含む飲料水とした群(n=16)
OVX 0.6mg/mL Trehalose: 飲料水を、トレハロースを0.6mg/mL含む飲料水とした群(n=15)

0108

図11中、「●及び実線」で示したものは、「OVX H2O群」の結果であり、「■及び実線」で示したものは、「OVX 0.6mg/mL Lentztrehalose群」の結果であり、「□及び実線」で示したものは、「OVX 0.3mg/mL Lentztrehalose群」の結果であり、「▲及び実線」で示したものは、「OVX 1.2mg/mL Trehalose群」の結果であり、「△及び実線」で示したものは、「OVX 0.6mg/mL Trehalose群」の結果である。
図11に示されるように、レンツトレハロースは、トレハロースの半分から1/4の量で、同等の体重増加抑制(又は体重減少)効果を示した。また、レンツトレハロースを投与したマウスでは、投与開始1週間後には約5%の体重減少が見られ、その効果は投与を続ける限り試験終了時まで継続した。なお、各投与群の間で、摂、摂水量に違いは見られず、また、体重増加抑制群で下痢嘔吐などの作用も見られなかった。トレハロースでは、脂肪細胞肥大化抑制作用が報告されており、レンツトレハロースの作用も毒性ではなく、脂質代謝の変化によるものと考えられる。

0109

(試験例6:甘味試験)
前記レンツトレハロースの甘味試験を以下のようにして行った。
サンプルとして、レンツトレハロース、トレハロース、及びシュクロースのそれぞれについて、500mg/mLの水溶液を作製した。被験者10名が、前記各水溶液を10μL舐め、シュクロースの甘さを10とし、水のみの甘さを0として、前記レンツトレハロース、及びトレハロースの甘さを点数化した。なお、前記レンツトレハロース、及びトレハロースのサンプルを舐める際には、サンプル名を伏せて試験を行った。結果を表5に示した。

0110

実施例

0111

表5の結果から、レンツトレハロースは、トレハロースと同程度の甘味を有しており、甘味料としても用いることができることがわかった。

0112

NITEP−01586

0113

本発明の態様としては、例えば、以下のものなどが挙げられる。
<1> 下記構造式(A)で表されることを特徴とする化合物である。



<2> 前記<1>に記載の化合物の製造方法であって、
レンツィア(Lentzea)属に属し、前記<1>に記載の化合物を生産する能力を有する微生物を培養する培養工程と、
前記培養工程で得られた培養物から前記<1>に記載の化合物を採取する採取工程とを含むことを特徴とする化合物の製造方法である。
<3> レンツィア(Lentzea)属に属し、前記<1>に記載の化合物を生産する能力を有する微生物が、受託番号NITEP−01586のレンツィアエスピー(Lentzea sp.)ML457−mF8株である前記<2>に記載の化合物の製造方法である。
<4> レンツィア(Lentzea)属に属し、前記<1>に記載の化合物を生産する能力を有することを特徴とする微生物である。
<5> 受託番号NITE P−01586のレンツィア エスピー(Lentzea sp.)ML457−mF8株である前記<4>に記載の微生物である。
<6> 前記<1>に記載の化合物を含むことを特徴とする化合物含有組成物である。
<7> 前記<1>に記載の化合物を含むことを特徴とする抗腫瘍剤である。
<8> 前記<1>に記載の化合物を含むことを特徴とする骨強化剤である。
<9> 前記<1>に記載の化合物を含むことを特徴とする体重増加抑制剤である。
<10> 前記<1>に記載の化合物を含むことを特徴とする甘味料である。

0114

本発明の構造式(A)で表される新規化合物(レンツトレハロース)は、優れた抗腫瘍作用、優れた骨強化作用、及び優れた体重増加抑制作用の少なくともいずれかを有し、安全性の高い化合物であり、また、甘味料の成分としても用いることができるため、医薬組成物、抗腫瘍剤、骨強化剤、体重増加抑制剤、甘味料などの有効成分として好適に利用可能である。

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    【課題】 有用な機能を有するケール含有経口組成物を提供すること。【解決手段】 ケールとプロテオグリカンとを含有し、好ましくは、さらに、プラセンタ、アスタキサンチン、コラーゲン、ヒアルロン酸及び抹茶... 詳細

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