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技術 高炉への装入物装入方法

出願人 新日鐵住金株式会社
発明者 松井耕祐門脇正具坪根洋平西河良諭
出願日 2013年5月16日 (7年6ヶ月経過) 出願番号 2013-103933
公開日 2014年12月4日 (5年11ヶ月経過) 公開番号 2014-224291
状態 特許登録済
技術分野 鉄の製造
主要キーワード 送風流量 経済状態 ガス流れ分布 設備保全 俯仰角度 堆積形状 炉内ガス流れ 堆積状況
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (10)

課題

高炉操業が不安定になる前に、不安定化兆候キャッチし、高炉の不安定化を未然に防止すること。

解決手段

コークスバッチ(C)と鉱石バッチ(O)を1チャージとして炉内に装入するベルレス高炉において、前記コークスバッチ(C)を装入する前に、高炉中心部にコークスバッチ(Cc)を装入する高炉への装入物装入方法であって、 高炉のシャフト中部炉内圧力炉口部の炉内圧力の差が、定常時に対し、1.5倍以上になったときに、1チャージの総コークス量(Cc+C)に対し、5質量%以上20質量%以下の前記コークス(Cc)を1チャージ〜10チャージ、高炉中心部に装入することを特徴とする高炉への装入物装入方法。

概要

背景

高炉は、製鉄所の上工程にあり、安定して銑鉄生産することが重要である。しかし、高炉は、いろいろな原因により、安定した操業の維持ができなくなることがある。高炉の安定操業が損なわれると、次工程以降への原料供給ができなくなり、製鉄所全体の生産に支障をきたす。

高炉操業不調に陥る原因はいろいろある。例えば、入荷原料性状が悪化し高炉装入原料品質が悪化する場合、又は、高炉の炉壁が損傷し炉内ガスの流れに変調をきたす場合等がある。又、経済状態が良い場合は増産を、景気悪化で、需要減退した場合は、減産をしなければならない。高炉の生産弾力性は、必ずしも良いとは言えず、特に、高炉の減産操業は困難を極める場合がある。

高炉は、設備保全のため一定期間、送風を停止する休風を余儀なくされることもある。長時間休風を行うと、休風中は、高炉内でのコークス燃焼が停止するので、高炉内の装入物半溶融物は、保有熱を失う。従って、長時間休風後の送風立ち上がりは、高炉に炉熱をつけ、早期に定常の高炉操業に戻ることが肝要である。
休風立ち上がりに限らず、定常操業時においても、前述のように、原料の品質悪化その他の原因で高炉の炉熱が低下することがあり、操業不安定状態からの早期に回復する高炉操業方法が望まれる。

高炉の炉内状況は、炉内における融着帯の形状で説明される。図1(A)に高炉の安定操業時の融着帯1のプロフィルAを示す。高炉装入物であるコークスと鉱石は、炉頂から炉内に層状に装入される。鉱石層は、羽口4の前でコークスの燃焼により発生し炉内を上昇する炉内ガスにより加熱され、1000℃程度で、軟化を開始し、融着帯1を形成する。融着帯1は、融着層2とその間にあるコークススリット3から成る。融着層2の温度が上昇し、鉱石の還元が進行すると、融着層2の温度は1200〜1300℃に達し、鉱石は溶融し、融着層2の下面は溶け落ちる。融着層2の内部では、鉱石の軟化・溶融により鉱石間の空隙は減少し、炉内ガスは、通過が困難となる。その結果、炉内ガスは、融着層2と融着層2の間のコークススリット3に限られ、通気抵抗が急激に上昇する。このように、融着層2とコークススリット3から形成された融着帯1のプロフィルは、高炉内の通気抵抗に影響を与える。
安定操業時の融着帯1の形状は、炉内中心部にある融着層2の頂部の位置が、ある程度の高さの位置にあり、融着層2の頂部の幅は、炉周辺にある融着層2の幅より小さい。その結果、炉中心部の通気抵抗は、炉周辺部より小さく、炉中心部の炉内ガス流れが多くなる。そして、融着帯1の全体のプロフィルはスリムであり、個々の融着層2の幅が狭いので、全体としての通気抵抗は小さく、安定操業が可能となる。

図1(C)に操業不安定状態の融着帯1のプロフィルCの一例を示す。前記の高炉不安定化要因があると、安定操業時の炉中心部の炉内ガス流れが抑制され、中心流が確保されなくなる。その結果、炉内ガスによる炉中心部の装入物の加熱が遅れ、炉内中心部にある融着層2の頂部の位置が低下する。炉中心部の炉内ガス流の抑制により、ガスは、通気抵抗が大きい炉中間部、炉周辺部に回り、炉内ガス流れは不安定となる。ガス流の不安定化により、中間部、炉周辺部の装入物の加熱が遅れ、炉中間部、炉周辺部の融着帯1の位置も低下する。一方、炉内中心部にある融着層2の頂部の位置の低下により、融着帯1の幅方向の長さが長くなる。その結果、融着層間のコークススリット3の通気抵抗も増大し、ガス流は不安定化する。コークススリット3を通過するガスによる融着層2の加熱も遅れ、鉱石の溶融滴下が遅れ、その結果、融着帯1の中間、周辺部の位置も低下する。
炉内中心部にある融着層2の頂部の位置は低く、融着層2の幅が長くなっている。融着帯1の全体のプロフィルは、ずんぐり型になり、最下部の融着帯1で炉壁に接する部分(以下、融着帯の根と記す。)は、分厚く幅が長い。高炉の炉熱低下時は、融着帯1の上面軟化速度に対し、融着帯1の下面の鉱石の溶け落ち速度が遅く、融着帯1が肥大化してしまい、炉中間部、炉周辺部の炉内ガスの通気抵抗は増大する。

高炉操業が不安定となり、融着帯1がプロフィルCになった場合の高炉操業方法として、炉内中心に多量のコークスを装入する中心コークス装入法がある(特許文献1)。

高炉操業が不安定となり、融着帯1がプロフィルCになった場合の高炉操業方法として、高炉操業が安定化するまで、コークス層と鉱石層の質量比(以下、O/Cと記す。)を連続して低下させる方法がある。この方法は、高炉操業が不安定化し、炉熱が低下した場合に、コークス装入量を増加することにより、炉熱を回復させ、融着帯1をプロフィルCからプロフィルAに戻す方法であり、従来から、一般的に用いられている方法である(以下、従来法と記す。)。

概要

高炉操業が不安定になる前に、不安定化の兆候キャッチし、高炉の不安定化を未然に防止すること。コークスバッチ(C)と鉱石バッチ(O)を1チャージとして炉内に装入するベルレス高炉において、前記コークスバッチ(C)を装入する前に、高炉中心部にコークスバッチ(Cc)を装入する高炉への装入物装入方法であって、 高炉のシャフト中部炉内圧力炉口部の炉内圧力の差が、定常時に対し、1.5倍以上になったときに、1チャージの総コークス量(Cc+C)に対し、5質量%以上20質量%以下の前記コークス(Cc)を1チャージ〜10チャージ、高炉中心部に装入することを特徴とする高炉への装入物装入方法。

目的

本発明の課題は、高炉操業が不安定になる前に、不安定化の兆候をキャッチし、高炉の不安定化を未然に防止することを課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

コークスバッチ(C)と鉱石バッチ(O)を1チャージとして炉内に装入するベルレス高炉において、前記コークスバッチ(C)を装入する前に、高炉中心部にコークスバッチ(Cc)を装入する高炉への装入物装入方法であって、高炉のシャフト中部炉内圧力炉口部の炉内圧力の差が、定常時に対し、1.5倍以上になったときに、1チャージの総コークス量(Cc+C)に対し、5質量%以上20質量%以下の前記コークス(Cc)を1チャージ〜10チャージ、高炉中心部に装入することを特徴とする高炉への装入物装入方法。ただし、高炉のシャフト中部の炉内圧力とは、羽口からストックラインまでの高さに対し羽口から48〜55%の部分の炉内圧力をいい、炉口部の炉内圧力とは、羽口からストックラインまでの高さに対し羽口から70〜80%の部分の炉内圧力をいう。

技術分野

0001

本発明は、高炉への装入物装入方法に関する。特に、高炉操業不安定化を未然に防止する高炉への装入物装入方法に関する。

背景技術

0002

高炉は、製鉄所の上工程にあり、安定して銑鉄生産することが重要である。しかし、高炉は、いろいろな原因により、安定した操業の維持ができなくなることがある。高炉の安定操業が損なわれると、次工程以降への原料供給ができなくなり、製鉄所全体の生産に支障をきたす。

0003

高炉操業が不調に陥る原因はいろいろある。例えば、入荷原料性状が悪化し高炉装入原料品質が悪化する場合、又は、高炉の炉壁が損傷し炉内ガスの流れに変調をきたす場合等がある。又、経済状態が良い場合は増産を、景気悪化で、需要減退した場合は、減産をしなければならない。高炉の生産弾力性は、必ずしも良いとは言えず、特に、高炉の減産操業は困難を極める場合がある。

0004

高炉は、設備保全のため一定期間、送風を停止する休風を余儀なくされることもある。長時間休風を行うと、休風中は、高炉内でのコークス燃焼が停止するので、高炉内の装入物半溶融物は、保有熱を失う。従って、長時間休風後の送風立ち上がりは、高炉に炉熱をつけ、早期に定常の高炉操業に戻ることが肝要である。
休風立ち上がりに限らず、定常操業時においても、前述のように、原料の品質悪化その他の原因で高炉の炉熱が低下することがあり、操業不安定状態からの早期に回復する高炉操業方法が望まれる。

0005

高炉の炉内状況は、炉内における融着帯の形状で説明される。図1(A)に高炉の安定操業時の融着帯1のプロフィルAを示す。高炉装入物であるコークスと鉱石は、炉頂から炉内に層状に装入される。鉱石層は、羽口4の前でコークスの燃焼により発生し炉内を上昇する炉内ガスにより加熱され、1000℃程度で、軟化を開始し、融着帯1を形成する。融着帯1は、融着層2とその間にあるコークススリット3から成る。融着層2の温度が上昇し、鉱石の還元が進行すると、融着層2の温度は1200〜1300℃に達し、鉱石は溶融し、融着層2の下面は溶け落ちる。融着層2の内部では、鉱石の軟化・溶融により鉱石間の空隙は減少し、炉内ガスは、通過が困難となる。その結果、炉内ガスは、融着層2と融着層2の間のコークススリット3に限られ、通気抵抗が急激に上昇する。このように、融着層2とコークススリット3から形成された融着帯1のプロフィルは、高炉内の通気抵抗に影響を与える。
安定操業時の融着帯1の形状は、炉内中心部にある融着層2の頂部の位置が、ある程度の高さの位置にあり、融着層2の頂部の幅は、炉周辺にある融着層2の幅より小さい。その結果、炉中心部の通気抵抗は、炉周辺部より小さく、炉中心部の炉内ガス流れが多くなる。そして、融着帯1の全体のプロフィルはスリムであり、個々の融着層2の幅が狭いので、全体としての通気抵抗は小さく、安定操業が可能となる。

0006

図1(C)に操業不安定状態の融着帯1のプロフィルCの一例を示す。前記の高炉不安定化要因があると、安定操業時の炉中心部の炉内ガス流れが抑制され、中心流が確保されなくなる。その結果、炉内ガスによる炉中心部の装入物の加熱が遅れ、炉内中心部にある融着層2の頂部の位置が低下する。炉中心部の炉内ガス流の抑制により、ガスは、通気抵抗が大きい炉中間部、炉周辺部に回り、炉内ガス流れは不安定となる。ガス流の不安定化により、中間部、炉周辺部の装入物の加熱が遅れ、炉中間部、炉周辺部の融着帯1の位置も低下する。一方、炉内中心部にある融着層2の頂部の位置の低下により、融着帯1の幅方向の長さが長くなる。その結果、融着層間のコークススリット3の通気抵抗も増大し、ガス流は不安定化する。コークススリット3を通過するガスによる融着層2の加熱も遅れ、鉱石の溶融滴下が遅れ、その結果、融着帯1の中間、周辺部の位置も低下する。
炉内中心部にある融着層2の頂部の位置は低く、融着層2の幅が長くなっている。融着帯1の全体のプロフィルは、ずんぐり型になり、最下部の融着帯1で炉壁に接する部分(以下、融着帯の根と記す。)は、分厚く幅が長い。高炉の炉熱低下時は、融着帯1の上面軟化速度に対し、融着帯1の下面の鉱石の溶け落ち速度が遅く、融着帯1が肥大化してしまい、炉中間部、炉周辺部の炉内ガスの通気抵抗は増大する。

0007

高炉操業が不安定となり、融着帯1がプロフィルCになった場合の高炉操業方法として、炉内中心に多量のコークスを装入する中心コークス装入法がある(特許文献1)。

0008

高炉操業が不安定となり、融着帯1がプロフィルCになった場合の高炉操業方法として、高炉操業が安定化するまで、コークス層と鉱石層の質量比(以下、O/Cと記す。)を連続して低下させる方法がある。この方法は、高炉操業が不安定化し、炉熱が低下した場合に、コークス装入量を増加することにより、炉熱を回復させ、融着帯1をプロフィルCからプロフィルAに戻す方法であり、従来から、一般的に用いられている方法である(以下、従来法と記す。)。

先行技術

0009

特開平7−268412号公報

発明が解決しようとする課題

0010

特許文献1に記載の発明は、炉内ガスを中心流化し、高炉の通気性を確保し、炉中心部の炉熱を上げることによりプロフィルCで押し潰された炉中心部の融着帯1の位置を高く持ち上げることができる。しかし、プロフィルCで肥大化した融着帯1の根を改善するものではなく、高炉操業には、時間がかかるという問題がある。

0011

前記の従来法によれば、高炉操業が不安定時に、O/Cを低下させることで、炉熱が回復し、融着帯プロフィルは改善されるが、低O/Cチャージが羽口に到るまで、低O/Cチャージを連続して装入するので、炉内の熱が過剰となり、熱バランスを崩してしまう。その結果、熱バランスの調整に時間がかかるという問題がある。

0012

高炉操業が不安定化し融着帯1の形状が、プロフィルCになると、その回復に大幅な燃料比の増加と、長い回復期間が必要であるが、高炉操業が不安定になる前に、不安定化の兆候キャッチし、高炉の不安定化を未然に防止することができれば、高炉操業の安定化に大きく寄与できる。

0013

本発明の課題は、高炉操業が不安定になる前に、不安定化の兆候をキャッチし、高炉の不安定化を未然に防止することを課題とする。
本発明の目的は、高炉操業の不安定化を未然に防止する高炉への装入物装入方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0014

本発明者は、高炉のシャフト中部炉口部の炉内圧力の差により高炉の不安定化の兆候をキャッチし、差圧所定値以上になった場合に、高炉中心部に所定のコークスを装入することで、高炉操業の不安定化を未然に防止することができるという知見を得た。本発明は、かかる知見に基づくものであり、その要旨は、以下のとおりである。

0015

(1)コークスバッチ(C)と鉱石バッチ(O)を1チャージとして炉内に装入するベルレス高炉において、前記コークスバッチ(C)を装入する前に、高炉中心部にコークスバッチ(Cc)を装入する高炉への装入物装入方法であって、
高炉のシャフト中部の炉内圧力と炉口部の炉内圧力の差が、定常時に対し、1.5倍以上になったときに、1チャージの総コークス量(Cc+C)に対し、5質量%以上20質量%以下の前記コークス(Cc)を1チャージ〜10チャージ、高炉中心部に装入することを特徴とする高炉への装入物装入方法。
ただし、高炉のシャフト中部の炉内圧力とは、羽口からストックラインまでの高さに対し羽口から48〜55%の部分の炉内圧力をいい、炉口部の炉内圧力とは、羽口からストックラインまでの高さに対し羽口から70〜80%の部分の炉内圧力をいう。

発明の効果

0016

高炉操業の不安定化を未然に防止する高炉への装入物装入方法高炉への装入物装入方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0017

融着帯プロフィルを示す。(A)は、安定操業の融着帯プロフィルである。(B)は、融着層の頂部の位置が低下した融着帯プロフィルである。(C)は、不安定操業の融着帯プロフィルである。
実炉における炉内圧力の検出位置を示す図。
1/3縮尺模型実験装置を示す図。
1/3縮尺実験装置におけるコークス及び鉱石を投入する方法を示す図。
1/3縮尺模型実験により、中心LC装入時の装入物堆積状況を示す図。
1/3縮尺模型実験により、中心LC装入時の装入物の層厚比を示す図。
実炉における中心LC実施時の高炉操業を示す図。
実炉における中心LC実施時の炉内ガスフロー検出情報を示す図。
実炉における中心LC実施時の上部ゾンデηCO(%)分布を示す図。

0018

高炉が不安定化するのは、炉内の中心ガス量が抑制され、融着帯頂部が低下することに起因する。
本発明は、高炉のシャフト中部の炉内圧力と炉口部の炉内圧力の差により融着帯頂部の低下をキャッチし、差圧が所定値以上になったときに、高炉中心部に少量のコークス(ライトチャージ、以下、中心LCと記す。)を装入することで、高炉操業の不安定化を未然に防止することを特徴とする。
以下、(1)融着帯頂部の低下による高炉の不安定化、(2)高炉のシャフト中部と炉口部の炉内圧力の差による融着帯頂部低下のキャッチ及び(3)中心LCによる高炉操業の不安定化の未然防止について述べる。

0019

(融着帯頂部の低下による高炉の不安定化)
前述のように、図1(A)は、高炉の安定操業時の融着帯1のプロフィルAであり、図1(C)は、高炉の不安定状態の融着帯1のプロフィルCである。図1(B)は、高炉の安定操業時に対し、融着帯1の頂部の位置が低下した融着帯プロフィルである。図1(A)から図1(C)に移行する際、まず、炉内中心ガスが抑制され、中心ガス量の減少により、中心部分の装入物の加熱が遅れ、融着帯頂部が低下する。融着帯1のプロフィルが図1(B)のようになっていることを早期にキャッチできれば、それに対応することにより、融着帯1がプロフィルCに移行することなく、高炉の安定操業が維持できると考えられる。

0020

(高炉のシャフト中部と炉口部の炉内圧力の差による融着帯頂部低下のキャッチ)
本発明者は、高炉の操業においての融着帯頂部の低下を早期にキャッチする方法を検討した。図2に炉内の圧力を測定する検出端位置を示す。羽口からストックライン(SL)の間隔に対する羽口からの割合で示している。その他の検出端としては、ステーブクーラリブに埋め込まれたリブ温度計がある。また、スキンフロー温度は、炉口部のステーブクーラを貫通して設置してある温度計である。

0021

本発明者は、高炉の操業において、融着帯頂部が低下する際に、上記の各種検出端のうちシャフト中部と炉口部に設置した炉内圧力計の圧力差により、最も早く融着帯頂部の低下の兆候をキャッチできることを見出した。融着帯頂部が低下しかかると、炉内ガス流が変化し、シャフト中部と炉口部間の炉内圧力が変動し、圧力差に変化をもたらすものと考えられる。
ここで、高炉のシャフト中部の炉内圧力とは、羽口からストックラインまでの高さに対し羽口から48〜55%の部分の炉内圧力をいう。シャフト中部の炉内圧力と炉口部の炉内圧力の差の変動を察知する。この範囲の炉内圧力が、図1に示す融着帯の頂部の低下に敏感に変動するからである。

0022

(中心LCによる高炉操業の不安定化の未然防止について)
従来は、融着帯1がプロフィルCになり、高炉が不安定状態になった際は、鉱石層とコークス層の比(以下O/Cと記す。)を、例えば、O/C=5.0から、O/C=3.0程度まで大幅に下げ、更に回復までの長時間にわたり低O/Cを継続してプロフィルAへの回復を図ってきた。その結果、高炉熱バランスを失し、回復に長時間を要したことは、すでに述べたところである。これに対し、本発明は、融着帯頂部の低下の兆候が表れた際に対応するものであるから、O/Cの低下は小さくてもよい。
表1に5000m3クラスの大型炉における中心LCの一例を示す。表1において、中心C(以下Ccと記す。)は、中心に装入するコークス質量を示し、ベース条件でCc比率は、1チャージの総コークス量(Cc+C)に対し、8.3質量%である。これに対し、中心LC操業では、1チャージの総コークス量(Cc+C)に対し、17.9質量%×5ch+13.4質量%×5chを装入するケースである。本発明に係る中心LCは、1チャージのコークス量(Cc+C)に対し、5質量%〜20質量%の中心コークス比率(Cc比率)を1チャージ〜10チャージ、高炉中心部に装入する。
尚、表1で、ベース3ダンプとは、1チャージをCc、C、Oの3ダンプで装入する方式であり、Cc比率とはCc/(Cc+C)×100で計算される、塊CB中のCcの比率を指す。

0023

0024

(中心LCによる高炉装入時の装入物堆積状況について)
中心LCによる高炉装入時の装入物堆積状況を1/3縮尺模型実験装置により調査した。
図3に5000m3級高炉を対象とした1/3縮尺模型実験装置を示す。サージホッパー11から装入コンベア12、炉頂ホッパー13、旋回シュート14、炉体シャフト部15までを対象としている。また、装置下部の切り出し装置16により炉内荷下がりを考慮し、装置下部からの送風によりガス流分布を考慮している。

0025

図4に1/3縮尺の実験装置における装入物の投入方法を示す。旋回シュート14は、俯仰角度が変更でき、原料落下位置を炉壁位置から炉中心位置に変更させながら、かつ、炉軸を中心に旋回させながら、原料をリング状に炉壁位置から炉中心位置に装入する(順傾動)。

0026

表1に示す装入物の装入条件で、1/3縮尺模型実験装置により測定した装入物の堆積状況を図5に示す。横軸は、炉中心を0とし、炉壁位置を1.0とした場合の相対位置であり、縦軸は、ストックライン(SL)の下1800mmの位置を1.0とした場合の相対位置を示している。ベース3ダンプにおいては、中心部に8.3質量%のCCが存在し、中心流の確保に貢献している。中心LC装入時は、Ccが17.9質量%の場合である。図1(B)のように融着帯頂部が低下した際に、中心部Ccの堆積量が増加し、融着帯頂部が低下に対して、その上昇に寄与すると考えられる。
表1に示す装入物の装入条件で、1/3縮尺模型実験装置により測定した装入物の層厚比を図6に示す。Loは、鉱石層の厚み、Lcは、コークス層の厚みを示す。中心LC装入時は、低層厚比の領域が中心から0.22位置までの範囲に拡大し、コークス単独層の領域が広がっている。中心から0.22〜0.50の範囲は、ベースに対して層厚比が上昇しており、Ccにより鉱石の流れ込みが止められた結果であると考えられる。0.55から壁際にかけては、中心LCが中心部へのコークス単独増加であるためベースと略同じ堆積形状、層厚比分布であった。

0027

次に、本発明の実施例について説明するが、本発明は、これに限られるものではない。
内容積が5000m3級の大型高炉において、本発明を実施した。図7及び図8に、中心LC装入時による高炉操業の不安定化を未然に防止する実施結果を示す。横軸は、時間の経過を示す。

0028

図7及び図8において、時刻Tまでは、図7における送風流量(Nm3/min),K値(−)、図8におけるリブ温度(℃)、スキンフロー温度(℃)、シャフト中部と炉口部の差圧(hPa)は、略安定していた。リブ温度は、羽口からストックラインまでの高さに対し
羽口から25%と35%の位置のステーブクーラのリブに埋め込まれた温度計の温度である。スキンフロー温度は、炉口部のステーブクーラを貫通して設置してある温度計である。
また、K値とは、通気性を評価するものであり、下記式で算出した。
羽口からストックラインまでの高さに対し
K=(P12−P22)/G1.7
ただし、P1:送風圧力(MPa)
P2:高炉炉頂部の圧力(MPa)
G:高炉のボッシュガス量(Nm3/min)
時刻Tまでは、他の検出端情報は安定していたが、時刻Tにおいて、シャフト中部の圧力(P2)と炉口部の圧力(P3)の差が略150hPaから、1.6倍の略240hPaに振れた。この情報に基づき表1に示す中心LCのステップ1を実施した。ステップ1は、1チャージのCc比率8.3質量%でベース操業をしていたものから、Cc比率17.9質量%に増量したものを、5ch装入するものである。尚、シャフト中部と炉口部の圧力計は、炉体の円周方向に4か所に設置しているが、その1箇所のシャフト中部と炉口部の差圧が振れた場合でも、融着帯頂部低下の兆候があると判断し、中心LCを実施して、融着帯の低下の未然防止を行った。
その後、ステップ1の後にステップ2としてCc比率13.4質量%に増量したものを5ch装入し、段階的にベースレベルにもどした。
以上の中心LCのステップ1及びステップ2を実施することにより、時刻T+24時間後には、高炉内のガス流れを示す上記の検出端情報が安定し、高炉操業の不安定化を未然に防止することができた。

0029

図9にベース時、中心LC装入直前及び中心LC装入後の上部ゾンデηCO(%)分布を示す。中心LC装入直前の上部ゾンデηCO(%)分布は、ベース時に対し中心部ηCO(%)が高く、中心流が抑えられたガス流れ分布になっている。融着帯頂部が低下したことによると考えられる。中心LC装入後は、中心部ηCO(%)が低下し、高炉操業の不安定化を未然に防止することができた。
ここで、上部ゾンデηCO(%)分布とは、装入物表面の直上に沿って炉内にゾンデを挿入し、炉半径方向のガス利用率を測定したものであり、炉半径方向のガス分布を評価したものである。

実施例

0030

上より、シャフト中部と炉口部の差圧(hPa)の情報をキャッチし、早期に融着帯頂部が低下を把握し、中心LC装入を実施することにより、高炉操業の不安定化を未然に防止することができることが分かった。

0031

高炉操業が不安定になる前に、不安定化の兆候をキャッチし、高炉の不安定化を未然に防止することに利用することができる。

0032

1…融着帯、2…融着層、3…コークススリット、4…羽口、5…ステーブクーラ、11…サージホッパー、12…装入コンベア、13…炉頂ホッパー、14…旋回シュート、15…炉体シャフト部、16…装置下部の切り出し装置。

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