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技術 樹脂モールド装置および樹脂モールド方法

出願人 アピックヤマダ株式会社
発明者 佐藤寿東福寺茂幸川口誠
出願日 2013年5月13日 (6年2ヶ月経過) 出願番号 2013-101579
公開日 2014年11月27日 (4年7ヶ月経過) 公開番号 2014-222711
状態 特許登録済
技術分野 半導体または固体装置の封緘、被覆の形成 プラスチック等の成形用の型 プラスチック等の射出成形
主要キーワード 進退動機構 ウェッジ機構 滴下機構 可動クランパ ワイヤフロー クリーンルーム化 板状金型 キャビティ位置
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (20)

課題

一つの樹脂モールド装置においてトランスファ成形および圧縮成形を自由に実施することのできる技術を提供する。

解決手段

制御部130は、トランスファ成形を行わせる成形処理と圧縮成形を行わせる成形処理とを選択的に実行可能に構成され、また、外部入力結果に基づき選択されて設定された成形処理を実行するように構成される。トランスファ成形処理では、トランスファ成形用の樹脂ポットに供給させ、プランジャによりトランスファ成形用の樹脂をキャビティに圧送させる処理を実行し、圧縮成形処理では、圧縮成形用の樹脂をキャビティに供給させる処理を実行する。樹脂供給部120は、選択された成形処理に応じて、トランスファ成形用の樹脂と圧縮成形用の樹脂とを選択的にモールド金型に対して供給可能に構成される。

概要

背景

例えば半導体装置樹脂モールド工程においては、ポットから樹脂キャビティ注入して充填しワークを封止するトランスファ成形、及び、キャビティ内に樹脂を供給してワークを封止する圧縮成形が主に用いられている。このトランスファ成形及び圧縮成形は、対象のワーク、成形するパッケージの形態及び使用する樹脂等に応じて適宜選択される。例えば、トランスファ成形では顆粒樹脂固形化させたタブレット樹脂や液状樹脂が用いられることが多く、圧縮成形では液状樹脂や顆粒樹脂が用いられることが多い。液状樹脂を用いる装置として、特開2012−101517号公報(特許文献1)には、液状樹脂を滴下する滴下機構と、滴下機構を移動させる回転機構および進退動機構とを備える樹脂供給装置を備えるトランスファ成形装置が記載されている。

概要

一つの樹脂モールド装置においてトランスファ成形および圧縮成形を自由に実施することのできる技術を提供する。制御部130は、トランスファ成形を行わせる成形処理と圧縮成形を行わせる成形処理とを選択的に実行可能に構成され、また、外部入力結果に基づき選択されて設定された成形処理を実行するように構成される。トランスファ成形処理では、トランスファ成形用の樹脂をポットに供給させ、プランジャによりトランスファ成形用の樹脂をキャビティに圧送させる処理を実行し、圧縮成形処理では、圧縮成形用の樹脂をキャビティに供給させる処理を実行する。樹脂供給部120は、選択された成形処理に応じて、トランスファ成形用の樹脂と圧縮成形用の樹脂とを選択的にモールド金型に対して供給可能に構成される。

目的

本発明の目的は、一つの樹脂モールド装置においてトランスファ成形および圧縮成形することのできる技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

ワークに対して樹脂モールド成形を行うモールド金型を備えたプレス部と、モールド成形に用いる樹脂を保持して前記モールド金型に供給可能に構成される樹脂供給部と、前記プレス部および前記樹脂供給部の制御を行う制御部と、を具備する樹脂モールド装置であって、前記プレス部は、キャビティに供給する樹脂を保持可能に構成されたポットと、当該ポット内の樹脂を前記キャビティに圧送するプランジャとを備えた前記モールド金型において、当該プランジャを駆動可能に構成され、前記制御部は、トランスファ成形を行わせる成形処理圧縮成形を行わせる成形処理とを選択的に実行可能に構成され、また、外部入力結果に基づき選択されて設定された前記成形処理を実行するように構成され、前記トランスファ成形処理では、トランスファ成形用の樹脂を前記ポットに供給させ、前記プランジャにより前記トランスファ成形用の樹脂を前記キャビティに圧送させる処理を実行し、前記圧縮成形処理では、圧縮成形用の樹脂をキャビティに供給させる処理を実行し、前記樹脂供給部は、前記選択された成形処理に応じて、前記トランスファ成形用の樹脂と前記圧縮成形用の樹脂とを選択的に前記モールド金型に対して供給可能に構成されることを特徴とする樹脂モールド装置。

請求項2

請求項1記載の樹脂モールド装置において、前記制御部は、設定された一方の前記成形処理を設定回数連続して実行するように構成されることを特徴とする樹脂モールド装置。

請求項3

請求項1または2記載の樹脂モールド装置において、前記プレス部は、キャビティ駒および該キャビティ駒を囲むクランパを有し、前記クランパに対して前記キャビティ駒が相対的に移動して前記キャビティの容積が変化する前記モールド金型を備え、前記樹脂供給部は、前記プレス部の内部と外部との間で移動して樹脂を保持する樹脂保持部を備え、トランスファ成形処理では、トランスファ成形用樹脂を保持した前記樹脂保持部をポット位置まで移動させて、前記樹脂保持部によって前記ポット内にトランスファ成形用樹脂が供給され、圧縮成形処理では、圧縮成形用樹脂を保持した前記樹脂保持部をキャビティ位置またはワーク位置まで移動させて、前記樹脂保持部によって前記キャビティ内または前記モールド金型に搬入されたワーク上に圧縮成形用樹脂が供給されることを特徴とする樹脂モールド装置。

請求項4

請求項3記載の樹脂モールド装置において、前記クランパには、前記キャビティと前記ポットとを連通するランナゲートが形成され、前記プレス部は、前記ランナゲートを開閉する開閉機構を備え、前記開閉機構は、トランスファ成形処理の際に「開」状態となり、圧縮成形処理の際に「閉」状態となることを特徴とする樹脂モールド装置。

請求項5

請求項3記載の樹脂モールド装置において、圧縮成形処理では、前記キャビティ駒が成形位置にある状態で前記プランジャによって樹脂圧が調整されることを特徴とする樹脂モールド装置。

請求項6

請求項3、4または5記載の樹脂モールド装置において、前記樹脂保持部をキャビティ位置とポット位置とを直線的に通過させることを特徴とする樹脂モールド装置。

請求項7

請求項1〜6のいずれか一項に記載の樹脂モールド装置において、前記モールド金型には、一つの前記ポットから連通する第1および第2の前記キャビティが形成され、前記第1キャビティではトランスファ成形が行われ、前記第2キャビティでは圧縮成形が行われることを特徴とする樹脂モールド装置。

請求項8

請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂モールド装置を用いた樹脂モールド方法において、同じワークに対して、トランスファ成形処理の後に圧縮成形処理を行うことを特徴とする樹脂モールド方法。

請求項9

請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂モールド装置を用いた樹脂モールド方法において、同じワークに対して、圧縮成形処理の後にトランスファ成形処理を行うことを特徴とする樹脂モールド方法。

請求項10

請求項1〜7のいずれか一項に記載の樹脂モールド装置を用いた樹脂モールド方法において、同じワークに対して、トランスファ成形処理または圧縮成形処理の少なくともいずれか一方を複数回行って、ワーク上に樹脂を積層させていくことを特徴とする樹脂モールド方法。

技術分野

0001

本発明は、樹脂モールド装置および樹脂モールド方法に適用して有効な技術に関する。

背景技術

0002

例えば半導体装置樹脂モールド工程においては、ポットから樹脂キャビティ注入して充填しワークを封止するトランスファ成形、及び、キャビティ内に樹脂を供給してワークを封止する圧縮成形が主に用いられている。このトランスファ成形及び圧縮成形は、対象のワーク、成形するパッケージの形態及び使用する樹脂等に応じて適宜選択される。例えば、トランスファ成形では顆粒樹脂固形化させたタブレット樹脂や液状樹脂が用いられることが多く、圧縮成形では液状樹脂や顆粒樹脂が用いられることが多い。液状樹脂を用いる装置として、特開2012−101517号公報(特許文献1)には、液状樹脂を滴下する滴下機構と、滴下機構を移動させる回転機構および進退動機構とを備える樹脂供給装置を備えるトランスファ成形装置が記載されている。

先行技術

0003

特開2012−101517号公報

発明が解決しようとする課題

0004

このように、樹脂モールド装置(モールド成形品製造装置)は、トランスファ成形や圧縮成形ごとにそれぞれトランスファ成形装置や圧縮成形装置として生産性を高めるため各部構成が最適化されて提供されている。

0005

ところで、半導体製造工場においては、製品仕様等に応じて、トランスファ成形装置と圧縮成形装置が選択的に用いられるため、いずれも備えていることが多い。この場合、工場内においては複数種類の装置の設置が必要となるため設置面積が増大し、これらの各種の維持管理費がかさみ、さらに、選択的に使用することになるため稼働率が下がって償却に長期間がかかり、製造コストに悪影響を与えてしまうことも考えられる。

0006

また、成形品としては、トランスファ成形装置を用いてトランスファ成形した後に、圧縮成形装置を用いて圧縮成形を行うことで、あるいは、圧縮成形装置を用いて圧縮成形した後にトランスファ成形装置を用いてトランスファ成形を行うことで製造されるような製品も存在する。このような成形品のために成形方法ごとの樹脂モールド装置を設置して用いたのでは、設置箇所に場所を取ったり、設備投資したことにより成形品の製造コストが高くなったりしてしまう。

0007

本発明の目的は、一つの樹脂モールド装置においてトランスファ成形および圧縮成形することのできる技術を提供することにある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。

課題を解決するための手段

0008

本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。

0009

本発明の一実施形態における樹脂モールド装置は、ワークに対して樹脂モールド成形を行うモールド金型を備えたプレス部と、モールド成形に用いる樹脂を保持して前記モールド金型に供給可能に構成される樹脂供給部と、前記プレス部および前記樹脂供給部の制御を行う制御部と、を具備する樹脂モールド装置であって、前記プレス部は、キャビティに供給する樹脂を保持可能に構成されたポットと、当該ポット内の樹脂を前記キャビティに圧送するプランジャとを備えた前記モールド金型において、当該プランジャを駆動可能に構成され、前記制御部は、トランスファ成形を行わせる成形処理と圧縮成形を行わせる成形処理とを選択的に実行可能に構成され、また、外部入力結果に基づき選択されて設定された前記成形処理を実行するように構成され、前記トランスファ成形処理では、トランスファ成形用の樹脂を前記ポットに供給させ、前記プランジャにより前記トランスファ成形用の樹脂を前記キャビティに圧送させる処理を実行し、前記圧縮成形処理では、圧縮成形用の樹脂をキャビティに供給させる処理を実行し、前記樹脂供給部は、前記選択された成形処理に応じて、前記トランスファ成形用の樹脂と前記圧縮成形用の樹脂とを選択的に前記モールド金型に対して供給可能に構成される。ここで、前記プレス部は、キャビティ駒および該キャビティ駒を囲むクランパを有し、前記クランパに対して前記キャビティ駒が相対的に移動して前記キャビティの容積が変化する前記モールド金型を備え、前記樹脂供給部は、前記プレス部の内部と外部との間で移動して樹脂を保持する樹脂保持部を備え、トランスファ成形処理では、トランスファ成形用樹脂を保持した前記樹脂保持部をポット位置まで移動させて、前記樹脂保持部によって前記ポット内にトランスファ成形用樹脂が供給され、圧縮成形処理では、圧縮成形用樹脂を保持した前記樹脂保持部をキャビティ位置またはワーク位置まで移動させて、前記樹脂保持部によって前記キャビティ内または前記モールド金型に搬入されたワーク上に圧縮成形用樹脂が供給される。なお、前記制御部は、設定された一方の前記成形処理を設定回数連続して実行するように構成されることが好ましい。

0010

これによれば、自動機であっても簡易な構造でトランスファ成形と圧縮成形の両方を行うことができる。したがって、樹脂モールド装置の付加価値を向上することができる。

0011

前記一実施形態における樹脂モールド装置において、前記クランパには、前記キャビティと前記ポットとを連通するランナゲートが形成され、前記プレス部は、前記ランナゲートを開閉する開閉機構を備え、前記開閉機構は、トランスファ成形処理の際に「開」状態となり、圧縮成形処理の際に「閉」状態となることが好ましい。

0012

これによれば、トランスファ成形の際にはプランジャの作用によって成形圧樹脂圧)を保持することができ、圧縮成形の際にはキャビティ駒の作用によって成形圧を保持することができる。

0013

前記一実施形態における樹脂モールド装置において、前記モールド金型には、一つの前記ポットから連通する第1および第2の前記キャビティが形成され、前記第1キャビティではトランスファ成形が行われ、前記第2キャビティでは圧縮成形が行われることが好ましい。

0014

これによれば、一つの樹脂モールド装置内において同時にトランスファ成形および圧縮成形することができる。

0015

前記一実施形態における樹脂モールド装置において、圧縮成形処理では、前記キャビティ駒が成形位置にある状態で前記プランジャによって樹脂圧が調整されることが好ましい。

0016

これによれば、圧縮成形においてキャビティ駒の作用の他にプランジャの作用で成形圧を調整(加圧あるいは減圧)することができる。

0017

前記実施形態における樹脂モールド装置において、前記樹脂保持部をキャビティ位置とポット位置とを直線的に通過させることが好ましい。

0018

これによれば、樹脂供給部を最短で移動させながら、キャビティ(ワーク)またはポットに樹脂を供給することができる。

0019

前記実施形態における樹脂モールド装置では、同じワークに対して、トランスファ成形処理の後に圧縮成形処理を行うこと、同じワークに対して、圧縮成形処理の後にトランスファ成形処理を行うこと、あるいは、同じワークに対して、トランスファ成形処理または圧縮成形処理の少なくともいずれか一方を複数回行って、ワーク上に樹脂を積層させていくことが好ましい。

0020

これによれば、トランスファ成形装置と圧縮成形装置を用いず、一つの樹脂モールド装置を用いるだけで、同じワークに対してトランスファ成形および圧縮成形から選択される種々の樹脂モールド成形を行うことができる。

発明の効果

0021

本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、一つの樹脂モールド装置においてトランスファ成形および圧縮成形を自由に実施することができる。

図面の簡単な説明

0022

本発明の第1実施形態における樹脂モールド装置の概略構成図である。
本発明の第1実施形態における樹脂供給部の動作を説明するための図であり、トランスファ成形用樹脂供給の場合を示す。
本発明の第1実施形態における樹脂供給部の動作を説明するための図であり、圧縮成形用樹脂供給の場合を示す。
本発明の第1実施形態における動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。
図4に続く動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。
図5に続く動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。
図6に続く動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。
本発明の第1実施形態における動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。
図8に続く動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。
図9に続く動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。
本発明の第2実施形態における動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。
図11に続く動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。
図12に続く動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。
図13に続く動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。
図14に続く動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。
図15に続く動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。
本発明の第3実施形態における動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。
図17に続く動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。
図18に続く動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。
本発明の第4実施形態における動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。
図20に続く動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。
図21に続く動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。
図22に続く動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。
図23に続く動作中の樹脂モールド装置の要部の断面図である。

実施例

0023

以下の本発明における実施形態では、必要な場合に複数のセクションなどに分けて説明するが、原則、それらはお互いに無関係ではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細などの関係にある。このため、全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。

0024

また、構成要素の数(個数数値、量、範囲などを含む)については、特に明示した場合や原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。また、構成要素などの形状に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合などを除き、実質的にその形状などに近似または類似するものなどを含むものとする。また、同様の構成から得られる同様の効果についてはその繰り返しの説明は省略している場合がある。

0025

(第1実施形態)
まず、本実施形態における樹脂モールド装置100について図1を参照して説明する。図1は、樹脂モールド装置100の概略構成図である。なお、以下では、量産用自動機としての樹脂モールド装置100を説明する。

0026

図1に示すように、樹脂モールド装置100は、プレス部110、110と、樹脂供給部120と、プレス部110や樹脂供給部120などの制御を行う制御部130と、ワーク供給部140と、成形前の厚み測定部150Aと、予熱部160と、成形後の厚み測定部150Bと、ディゲート部180と、ワーク収納部190とを具備している。これらは例えば組み換え可能なユニットとして、ユニットが組み換えられることでユニットの配置や数量を変更可能な樹脂モールド装置100を構成している。

0027

この樹脂モールド装置100はトランスファ成形および圧縮成形を自由に行うことができるものであり、これらの処理(工程)は制御部130によって制御される。制御部130は、トランスファ成形を行わせる成形処理と圧縮成形を行わせる成形処理とを選択的に実行可能に構成され、また、外部入力結果に基づき選択されて設定された成形処理を実行するように構成されている。この場合、制御部130は、設定された一方の成形処理を設定回数連続して実行することができる。例えば、トランスファ成形するワークの個数が千個用意され、その内容が設定されたときには、制御部130はトランスファ成形を千回実行する。このように、制御部130は、準備されたワークの個数と同じ回数だけ選択された成形処理を実行することができる。

0028

また、樹脂モールド装置100は、ワーク搬送部として、各ユニット間で連結された搬送路200と、搬送路200上を移動するローダ210およびアンローダ220とを具備している。ローダ210は、ワーク供給部140とプレス部110との間を移動し、ワークWを搬送する。また、アンローダ220は、プレス部110とワーク収納部190との間を移動し、ワークWを搬送する。なお、ワークWは、短冊状の基板(基板に搭載されたチップ部品などを含む)として説明するが、ワークWとしてはウエハ(半導体ウエハなど)、リードフレームインターポーザとしての機能を有さないキャリアであってもよい。

0029

また、樹脂モールド装置100の前面には入力部230が設けられ、作業者によって必要な動作設定等のための入力が可能に構成されている。この作業者の入力は、制御部130に対して外部入力結果となる。例えば、入力部230では、トランスファ成形を行うモード(成形処理)や圧縮成形を行うモードといった各種の動作に相当した制御を選択可能に構成されるともに、各成形の実施回数を設定可能に構成される。また、入力部230には、入力結果や設定したモードを表示する表示部を併設してもよい。なお、入力部230は必ずしも設けなくてもよい。この場合、樹脂モールド装置100に通信回線を介して接続された外部のコンピュータからの入力結果を受信して制御部130が制御を行うようにしてもよい。

0030

図1に示すワーク供給部140では、ストッカに成形前のワークW(被成形品)が複数収納されており、ワークWが順次供給される。ストッカから供給されたワークWは、テーブル141に載置される。このテーブル141に載置されたワークWは、ローダ210によって成形前の厚み測定部150Aへ搬送される。

0031

図1に示す成形前の厚み測定部150Aでは、成形前のワークWの厚みが測定される。厚み測定部150Aは、レーザ式接触式変位計により厚みを測定することで、基板の厚みを測定して基板を適切にクランプできるように金型を調整したり、チップの厚みを測定して樹脂の供給量を調整したりする制御動作のために設けられている。厚み測定部150Aで測定されたデータは、上述の制御を行うため厚みデータとして制御部130へ送られる。厚みが測定されたワークWは、ローダ210によって予熱部160へ搬送される。なお、各ワークWの厚みにばらつきが小さい場合などには、厚み測定部150Aを設けなくともよい。

0032

図1に示す予熱部160では、成形前のワークWが予熱される。ワークWは、プレス部110で成形温度まで加熱されて成形されるが、予熱部160で予熱されることでプレス部110での加熱時間を短縮して生産効率を向上することができる。予熱されたワークWは、ローダ210によってプレス部110へ搬送される。なお、ワークWの加熱時間の短縮が必要ない場合などには、予熱部160を設けなくともよい。

0033

図1に示すプレス部110では、制御部130によって制御されて、成形前のワークWに対して樹脂モールド成形が行われる。樹脂モールド装置100は、樹脂供給部120を間に挟むように配置されたプレス部110A(110)、プレス部110B(110)を備えている。後述するが、プレス部110は、トランスファ成形、圧縮成形のどちらも行うことができる。なお、プレス部110は一つの場合や、三つ以上の構成であってもよい。

0034

図1に示す樹脂供給部120は、制御部130によって制御されて、プレス部110に樹脂を供給する。樹脂供給部120は、選択された成形処理に応じて、トランスファ成形用の樹脂と圧縮成形用の樹脂とを選択的にモールド金型に対して供給可能に構成されている。なお、制御部130は、樹脂供給部120に対して、トランスファ成形処理では、トランスファ成形用の樹脂をポット33に供給させ、圧縮成形処理では、圧縮成形用の樹脂をキャビティに供給させる処理を実行する。

0035

ここで、樹脂供給部120について図2図3を参照してより詳細に説明する。図2図3は、樹脂供給部120の動作を説明するための図であり、図2ではトランスファ成形用樹脂供給の場合、図3では圧縮成形用樹脂供給の場合を示している。図2図3では、プレス部110が備えるモールド金型(上型31、下型32)、ポット33、クランプ時にキャビティを構成するキャビティ凹部34、プランジャ52など概略して示している。ポット33は、パーティング面内に一列に所定間隔ピッチ)で紙面奥行き方向に並んで複数配置される(図1参照)。また、それぞれのポット33を中心として左右対称にキャビティ凹部34などが形成される構成となっている。このように、プレス部110は、キャビティに供給する樹脂を保持可能に構成されたポット33と、ポット33内の樹脂をキャビティに圧送するプランジャ52とを備えたモールド金型において、プランジャ52を駆動可能に構成されている。

0036

図2図3に示す樹脂供給部120は、樹脂モールド成形に用いる樹脂を保持してプレス部110(モールド金型)に供給可能に構成される。この樹脂供給部120は、プレス部110の内部と外部との間で移動して樹脂を保持する樹脂保持部10を備えている。樹脂供給部120は、複数の樹脂保持部10を備え、各樹脂保持部10の間隔が、例えば、ポット33の間隔に合わせて可変に構成されることが好ましい。これによれば、ポット配置やキャビティ配置などのレイアウトが変更された場合であっても、各樹脂保持部10の間隔(ピッチ)を変更することで容易に対応することができる。

0037

本実施形態では、樹脂供給部120として、トランスファ成形用樹脂および圧縮成形用樹脂に熱硬化性の液状樹脂(例えば、シリコーン樹脂エポキシ樹脂)を用い、これを供給するものとして説明する。また、この液状樹脂には、成形対象に応じてフィラー等の添加材が含有されている。例えば、LED用レンズの成形に用いる液状樹脂には蛍光体が含有されたり、LED用リフレクタの成形に用いる液状樹脂には酸化チタン酸化アルミニウムのような白色顔料が含有されたりする。この場合、樹脂保持部10としては、液状樹脂が流れ出さないように保持可能に構成されたノズルヘッド10が用いられる。また、顆粒樹脂を供給する樹脂保持部10としては、平行方向に開閉可能に構成され閉止されたシャッタ上に保持した顆粒樹脂をシャッタの開放によって投下して樹脂供給可能な構成を用いることもできる。さらに、板状やブロック状の樹脂の樹脂保持部10としては、クランプ部の開閉により樹脂の保持と投下を切替可能な構成で、樹脂供給可能な構成を用いることもできる。

0038

本実施例における樹脂供給部120は、主材および硬化材の二液が混合した状態の液状樹脂を封入するシリンジ11と、シリンジ11内を摺動するピストン12と、一端部がシリンジ11と接続され、他端部がノズルヘッド10となるチューブ13と、ノズルヘッド10に設けられてチューブ13を押し挟んだりして、ノズルヘッド10の開閉を行うピンチバルブ14とを備えている。チューブ13は、鉛直方向に延在するシリンジ11から水平方向に曲げられて所定の距離が確保され、ノズルヘッド10を構成するために水平方向から鉛直方向に曲げられている。また、樹脂供給部120は、チューブ13の周囲の温度を調節する温度調節部15を備えている。この温度調節部15によって、高温のプレス部110の内部にノズルヘッド10が位置したときに、液状樹脂の反応を防止することができる。

0039

樹脂供給部120は、図3に示すように、水平方向に下型32のパーティング面で配置された2つのワークWのそれぞれにも液状樹脂を供給できるように、チューブ13の長さの異なるノズルヘッド10などが2組設けられている。シリンジ11からノズルヘッド10までの距離は、チューブ13の長さで調整することで対応可能であり、例えば、余長を持たせたチューブ13の範囲内で調整したり、適宜の長さのチューブ13に交換したりすることで調整もできる。

0040

樹脂供給部120では、ピストン12によってシリンジ11から液状樹脂が圧送され、ノズルヘッド10から供給(滴下)される。樹脂供給部120は、ノズルヘッド10を傾斜または昇降させることでノズルヘッド10からポット33までの距離を伸縮させて液状樹脂切りを行う樹脂切り機構を備えており、樹脂切り機構によって、樹脂切りを素早く行って樹脂の供給工程の所要時間を短縮すると共に樹脂垂れによるプレス部110内の汚染を防止することができる。また、樹脂供給を待機している状態では、ピンチバルブ14によって、閉塞されることで液状樹脂の保持が可能となっており、液状樹脂の垂れが防止され、樹脂垂れによるプレス部110内の汚染を防止することができる。

0041

また、ピンチバルブ14によって、外気に触れることによる液状樹脂の劣化が防止され、チューブ13内への空気の進入も防止されている。また、樹脂供給部120は、ノズルヘッド10の下方で水平方向に進退するシャッタ16を備えている。シャッタ16によってプレス部110からのノズルヘッド10(液状樹脂)の加熱を防止しながら液状樹脂の落下も防止することができる。

0042

また、樹脂供給部120は、ノズルヘッド10、シリンジ11などを水平方向に進退移動図2図3中、符号Aで示す。)させる進退駆動機構と、水平面内で回転移動(符号Bで示す。)させる回転駆動機構とを備えている。進退駆動機構によってプレス部110の外部から内部へノズルヘッド10を移動させることができる。また、回転駆動機構によって樹脂供給部120の両側に配置(図1参照)されたプレス部110Aまたはプレス部110Bへノズルヘッド10が向くように回転させることができる。

0043

図2では、チューブ13の長いノズルヘッド10がプレス部110A内部のポット33内に液状樹脂を供給し、チューブ13の短いノズルヘッド10が樹脂を供給していない状態が示されている。また、図3では、両方のノズルヘッド10がプレス部110B内部の2つのワークW上の液状樹脂を供給している状態が示されている。本実施形態では、プレス部110の内部では、ノズルヘッド10が、ワーク位置(キャビティ位置)とポット位置とを直線的に通過している。これによれば、ノズルヘッド10を所定の軌道に沿って移動させるだけでよく、停止位置(供給位置)を切り替えるだけでキャビティ位置のワークWまたはポット33に液状樹脂を供給することができる。

0044

なお、樹脂供給部120では、主材および硬化材の二液が混合した状態の液状樹脂を封入するシリンジ11を用いずに、二液ごとに供給してノズルヘッド10の直前で混合してノズルヘッド10から供給する構成であってもよい。また、樹脂供給部120として、ローダ210にディスペンサ(樹脂保持部)を設ける構成であってもよい。また、樹脂供給部120は、樹脂保持部として、樹脂タブレットの場合に用いられるハンドや、顆粒樹脂の場合に用いられるトラフを用いることもできる。また、ディスペンサを金型内に組込んでポット33やキャビティ位置に直接供給してもよい。さらに、プレス外でワークW上に樹脂を供給し、ワークWと共に樹脂をキャビティに供給することもできる。このように、樹脂供給部120では、トランスファ成形と圧縮成形とで選択され実施される処理に応じて、トランスファ成形用樹脂と圧縮成形用樹脂とが選択的にモールド金型に対して供給可能に構成される。例えば、トランスファ成形用樹脂としては、タブレット樹脂、液状樹脂または顆粒樹脂が供給される。また、圧縮成形用樹脂としては、液状樹脂や顆粒樹脂やシート樹脂等が供給される。ただし、トランスファ成形用樹脂及び圧縮成形用樹脂としては、上述したように同一の形態の樹脂を供給位置や方法を切り替えることで供給してもよい。

0045

図1に示す成形後の厚み測定部150Bでは、成形後のワークWの厚みが測定される。厚み測定部150Bは、厚み測定部150Aと同様の構成であり、成形後のワークWの厚みを測定して樹脂の供給量を調整したりするために設けられている。厚み測定部150Bで測定されたデータは、厚みデータとして制御部130へ送られる。厚みが測定されたワークWは、アンローダ220によってテーブル191へ搬送される。なお、成形後の各ワークWの厚みにばらつきが小さい場合などには、厚み測定部150Bを設けなくともよい。

0046

テーブル191に載置されたワークWは、アンローダ220によってディゲート部180へ搬送される。図1に示すディゲート部180では、トランスファ成形を行ったワークWから成形カル、成形ランナゲートなどの不要樹脂が除去される。そして、収納部190では、不要樹脂が除去されたワークWが順次ストッカに収納される。一方、圧縮成形を行ったワークWでは不要樹脂の除去をしなくてよいため、ディゲート部180を素通りして収納部190に収納される。

0047

次に、本実施形態における樹脂モールド装置100の要部であるプレス部110について図4を参照して説明する。図4は、樹脂モールド装置100の要部の模式的断面図である。この図4では、被成形品の状態のワークWも示している。ワークWは、基板20(例えば、配線基板)上にチップ部品21(例えば、半導体チップ)がダイボンドにより実装され、ボンディングワイヤ22によって基板20とチップ部品21とが電気的に接続されている。

0048

プレス部110は、モールド金型30(対をなす上型31および下型32)を備えている。モールド金型30にはポット33が下型32に設けられ、クランプ時にキャビティCを構成するキャビティ凹部34が上型31に設けられている。この場合、キャビティCは、例えば、行列状に並べられた複数のチップ部品21を含む領域を一括して封止するMAP(Matrix Array Package)タイプの成形に適した矩形形状とすることができる。このキャビティCとポット33とは、型閉じの状態において連通する(図5参照)。モールド金型30は、キャビティ凹部34の底部を構成するキャビティ駒35とキャビティ駒35を囲ってキャビティ凹部34の壁部を構成するクランパ36とを有し、クランパ36に対してキャビティ駒35が相対的に移動することでキャビティ凹部34の深さ(高さ)が変化してキャビティCの容積が変化する。このモールド金型30は、ポット33を中心として左右対称にキャビティ凹部34などが設けられる構成となっている。

0049

上型31の構成について具体的に説明する。上型31では、チェイス37(金型チェイスブロック)にキャビティ底部を構成するキャビティ駒35が固定して組み付けられている。なお、キャビティ駒35は、剛体的に支持する他のブロックを介してチェイス37に位置決めされる構成としてもよく、弾性部材を介して位置決めされてもよい。また、弾性部材を介して位置決めされてもよい。この場合、チップ部品21の上面をクランプして成形することで露出させるようなときに、チップ部品21へのストレスを低減しながら確実にクランプしてフラッシュばりの防止も可能となる。

0050

クランパ36(可動クランパ)は、チェイス37に弾性部材であるスプリング40を介して上下方向に移動可能に組み付けられている。このクランパ36には、一枚の板状金型にキャビティ駒35を挿入する貫通孔41が複数箇所に設けられている。すなわち、キャビティ駒35の周囲には、ワークWをクランプするクランパ36がスプリング40を介して吊下げ支持(フローティング支持)されている。

0051

このため、チェイス37に対して固定のキャビティ駒35と移動するクランパ36との関係では、キャビティ駒35が、スプリング40の伸縮によってクランパ36に対して相対的に移動することとなる。そして、上型31のパーティング面(クランプ面)には、キャビティ駒35の下面およびこれを囲んで配置されるクランパ36(貫通孔41)の内壁面によりキャビティ凹部34が構成される。したがって、モールド金型30では、キャビティ駒35の相対的な移動によってキャビティ凹部34の容積が変化することとなる。

0052

クランパ36のパーティング面には、中央部にカル42、ランナゲート38が貫通孔41に連通して形成され、この貫通孔41から金型外に向かって図示しないエアベント(溝)が形成されている。貫通孔41の下型32側の開口部は、成形品の形状に合わせた形状(凹部状)に形成されている。この凹部の底部に貫通孔41が形成されている。

0053

このような上型31において、本実施形態では、プレス部110における図示しない駆動機構によってランナゲート38を開閉する開閉機構23を備えており、トランスファ成形処理の際に開閉機構23によってランナゲート38が開かれ、圧縮成形処理の際に開閉機構23によってランナゲート38が閉じられる。この開閉機構23は、ランナゲート38に下端進退動して下端(先端)側に配置された下側可動ピン24(可動部材)と、中側可動ピン25と、上端後端)側に配置された上側可動ピン26と、スプリング27、28とを備えている。

0054

下側可動ピン24は上端がフランジ状に形成されている。この下側可動ピン24は、クランパ36の中央部に形成された段付きの貫通孔に設けられ、小径の貫通孔を中途部および下端が通過している。また、大径の貫通孔底部にはスプリング27が設けられている。下側可動ピン24の中途部がコイル状のスプリング27に通されて、下側可動ピン24上端の下側周縁部がスプリング27によって付勢されている。また、下側可動ピン24の上端上にはスプリング28が設けられている。そして、中側可動ピン25下端がスプリング28によって付勢されている。このスプリング28はスプリング27より弾発力が高い。

0055

上側可動ピン26は、上下動するように、上端側で図示しない駆動機構(例えばシリンダ)と接続されている。この上側可動ピン26は、チェイス37の中央部に形成された貫通孔に設けられている。また、上側可動ピン26は、下端が中側可動ピン25の上端と当接するように対向して設けられている。開閉機構23が「開」状態のときは、中側可動ピン25の上端と上側可動ピン26の下端とは離隔している。

0056

この「開」状態から、上側可動ピン26が下方に移動して、中側可動ピン25と接触し、上側可動ピン26の更なる下方への移動により、スプリング28を介して下側可動ピン24を下方に移動させて、スプリング27を押し縮める。そして、スプリング27が押し縮められて下側可動ピン24がランナゲート38へ進入すると、開閉機構23は「閉」状態となる(図8参照)。ここで、開閉機構23が「閉」状態において型閉じが行われたとしても(図9参照)、スプリング28が押し縮められることによって、ワークWは下側可動ピン24の食い込みなどのダメージを受けない構成となっている。また、下側可動ピン24が「開」状態の位置よりも上がらないように貫通孔には段が設けられていてもよい。これにより、樹脂圧によって下側可動ピン24が押し込まれることでこの貫通孔に樹脂が入り込むことに起因する摺動不良やリリースフィルム43の破損の発生を防止することができる。

0057

このような開閉機構23によれば、一つのモールド金型30を用いてトランスファ成形および圧縮成形を切り替えて両方の成形を行うことができ、トランスファ成形の際にはプランジャ52の作用によって成形圧(樹脂圧)が保持され、圧縮成形の際にはキャビティ駒35の作用によって成形圧が保持される。なお、トランスファ成形の際にもキャビティ駒35の作用によって成形圧を保持してもよい。

0058

なお、開閉機構23を構成するにあたり、ランナゲート38を塞ぐ位置に進出した状態で回転可能な回動ピンを用いた場合であってもよい。具体的には、回動ピンのランナゲート38側の一端面に彫り込まれた直線状のランナ溝が形成されており、回動ピンの回転によりこのランナ溝がランナゲート38と接続されたり(連通したり)、ランナ溝がランナゲート38と接続されず閉塞されたり(連通しなかったり)する構成としてランナゲート38の開閉を行う構成としてもよい。

0059

また、開閉機構23として、単なる金型部材取り替える構成であってもよい。例えば、クランパ36の中央部のパーティング面を構成し、クランパ36から分離される金型部材(トランスファ用部材、圧縮用部材)を用いることができる。トランスファ用部材は、キャビティCとポット33とを連通するランナゲート38を有するパーティング面が形成されたものである。圧縮用部材は、ポット33を閉塞する平坦なパーティング面が形成されたものである。トランスファ用部材や圧縮用部材(樹脂路を閉止する閉止)といった金型部材の取り替えという簡易な交換作業により、トランスファ成形および圧縮成形を切り替えることができ、トランスファ成形の際にはプランジャ52の作用によって成形圧が保持され、圧縮成形の際にはキャビティ駒35の作用によって成形圧が保持される。

0060

図4に示すように、キャビティ凹部34を含む上型パーティング面には、リリースフィルム43が張設される。クランパ36とチェイス37との間部分には気密用のシール部44(例えば、Oリング)が設けられている。また、上型パーティング面に通じるキャビティ駒35とクランパ36の隙間45が形成され、この隙間45に連通するようにチェイス37に吸引路46が形成されている。そして、吸引路46には吸引機構部47が連通している。したがって、リリースフィルム43は、上型パーティング面に隙間45、吸引路46を介して吸引機構部47により吸着保持される。

0061

リリースフィルム43としては、モールド金型30の加熱温度に耐えられる耐熱性を有するもので、金型面より容易に剥離するものであって、柔軟性、伸展性を有するフィルム材、例えば、PTFE、ETFE、PET、FEP、フッ素含浸ガラスクロスポリプロピレンポリ塩化ビニリジン等が好適に用いられる。リリースフィルム43は、例えば長尺状のフィルム材が用いられ、ロール状に巻き取られた繰出しロールから引き出されて上型パーティング面を通過して巻取りロールへ巻き取られるように設けられる。

0062

リリースフィルム43を用いることで、キャビティ駒35とクランパ36の隙間(すなわち、キャビティ駒35の外周部)からの樹脂漏れを防止できる。また、キャビティ駒35とクランパ36との間の樹脂詰まりを防止してクランパ36に対するキャビティ駒35の相対的移動を確保することができる。

0063

なお、本実施形態では、キャビティ駒35の外周部を覆うように張設されるリリースフィルム43を備える場合について説明するが、樹脂漏れの影響が低い場合には、リリースフィルム43を設けなくともよい。また、プレス部110は、キャビティ駒35とクランパ36との間であって、キャビティ駒35の外周部に周設されて樹脂漏れを防止するシールリングを備える構成であってもよい。

0064

次に下型32の構成について具体的に説明する。可動型である下型32は、駆動源電動モータ)により駆動する駆動伝達機構トグルリンク等のリンク機構若しくはねじ軸等)を介してチェイス50を載置する下型可動プラテンを昇降させる公知の型クランプ機構によって型開閉が行われるようになっている。この場合、下型32の昇降動作は移動速度や加圧力等を任意に設定することができる。

0065

チェイス50には、センターインサート51が組み付けられている。センターインサート51の中央部には樹脂Rが供給される筒状のポット33が組み付けられている。センターインサート51の上端面は、ポット33の上端面と面一に形成されている。ポット33内には公知のトランスファ駆動機構により上下方向に摺動可能なプランジャ52が設けられている。プランジャ52は、複数のポット33に対応して同数支持ブロック(図示しない)に設けられるマルチプランジャが用いられる。各プランジャ52の支持部には図示しない弾性部材が設けられており、各プランジャ52は弾性部材の弾性により僅かに変位して過剰な押圧力を逃がすとともに保圧時にはタブレットの樹脂量のばらつきに順応することができるようになっている。

0066

チェイス50の上面にはセンターインサート51の両側に隣接してワークWが載置されるワーク支持部53が各々設けられている。各ワーク支持部53は、チェイス50の上面との間に設けられたスプリング55によってフローティング支持されている。ワーク支持部53は、その周囲に設けられたセンターインサート51およびクランパ支持部54の上端面より若干下がった位置にある。

0067

ワーク支持部53に隣接してその外周側には、クランパ支持部54がチェイス50上に設けられている。クランパ支持部54の上端面は、センターインサート51の上端面と同じ高さになるように形成されている。クランパ36がワークWをクランプしたままワーク支持部53をスプリング55の付勢力に抗して押し下げると、クランパ36のクランプ面(パーティング面)がクランパ支持部54の上端面に突き当たるようになっている。

0068

ところで、クランパ36を吊り下げ支持するスプリング40には、その弾性力がスプリング55の弾性力より大きいものが使用される。具体的には、各ワークWおよびワーク支持部53に対してスプリング40によって加えられる力がスプリング55によって加えられる力よりも十分に大きくなるように設計される。これにより、型閉じの際に下型32を上昇させることでスプリング40を撓ませずスプリング55を撓ませることができ、クランプするときにワークWの板厚に拘わらず均一な高さ位置でクランプすることができる。また、クランパ36によるワークWに対するクランプ力を作用し続けることができるため、樹脂のフラッシュばりを防ぐことができる。

0069

また、スプリング55に支持されたワーク支持部53とチェイス50との間には、界面がテーパ面(傾斜面)に形成された板厚調整ブロック(テーパーブロック)56A、56Bが重ね合わせて設けられている(ウェッジ機構56)。具体的には、板厚調整ブロック56A、56Bは、紙面奥行き方向に厚みの異なるブロックを組み合せることで、全体の厚みが奥行き方向に均一になるように構成されている。

0070

この上下段に重ね合わせた板厚調整ブロック56A、56Bのうち一方がエアシリンダモータ等の駆動源によりスライド可能な構造になっている。例えば、上段の板厚調整ブロック56Aは、ワーク支持部53の下面側に一体に設けてもよい。この場合には、下段の板厚調整ブロック56Bが可動に設けられる。

0071

このように傾斜面を組み合わせた板厚調整ブロック56A、56Bをスライドすることでこれら全体の厚みを変え板厚調整ブロック56A、56Bの界面における摩擦力により位置を固定する構成となっているため、樹脂圧などが駆動源に対して直接加わることがなく、駆動源によってブレーキなどで位置を固定する構成と比較して、ワーク支持部53の位置をより高精度に維持することができる。すなわち、下型32を上昇させることでクランパ36によってワーク支持部53を押し下げる力が加わってもチェイス50で所定高さに支持固定することができるので、クランパ36によりワーク支持部53が過度に押し下げられないようにして成形厚を維持することができる。なお、例えば、リードフレームのようにワークWの厚みのばらつきが小さく板厚調整の必要がない場合には、モールド金型30にはウェッジ機構56(板厚調整機構)を設けなくともよい場合がある。

0072

モールド金型30には、エアベントの平面位置よりもさらに外方側位置に型閉じした際にパーティング面を気密にシールするためのシール部57(例えば、Oリング)が設けられている。エアベントとシール部57との間となるチェイス50には、エアベントから排出されたエアを流通させるための流通路60が設けられている。この流通路60は、外部と遮断されたキャビティC内を減圧する減圧機構部61に連通している。なお、エアベントからエアを確実に排出できる場合には、減圧機構部61を設けなくともよい。

0073

次に、樹脂モールド装置100を用いたトランスファ成形処理工程(制御部130による制御処理)について図4図7を参照しながら説明する。図4図7は、動作を説明するための樹脂モールド装置100の要部であるプレス部110の模式的断面図である。

0074

トランスファ成形処理工程では、下側可動ピン24がランナゲート38から退出して、開閉機構23は「開」位置の状態となる。下型32の昇降は型クランプ駆動によって、また、プランジャ52の移動はトランスファ駆動によってなされる。なお、キャビティ駒35の相対的移動(型クランプ駆動)、プランジャ52の移動(トランスファ駆動)については、樹脂モールド装置100の制御部130(図1参照)によって制御処理される。

0075

図4に示すように、モールド金型30が型開きした状態において、上型パーティング面にリリースフィルム43を吸着保持する。また、センターインサート51の両側に配置されたワーク支持部53にワークWをそれぞれ搬入(セット)する。そして、トランスファ成形用樹脂(液状樹脂)を保持したノズルヘッド10をポット位置まで移動させて、ノズルヘッド10によってポット33内に樹脂R(トランスファ成形用樹脂)を供給する。

0076

続いて、図5に示す状態となるように、下型32を上昇させて、クランパ36によりワークWの基板面をクランプしてワーク支持部53を押し下げ、クランパ36をクランパ支持部54に突き当てて型閉じする。型閉じによって、ポット33、カル42、ランナゲート38、キャビティC(キャビティ凹部34)が互いに連通する。ここでは、キャビティ駒35のパーティング面が成形品の厚さ寸法より所定厚だけ後退した退避位置となるようにクランパ36によってワークWをクランプしている。このときのキャビティCの容積は、キャビティ駒35が成形位置(図7参照)のキャビティCの容積よりも大きくなっている。

0077

また、ワークWの基板上面とセンターインサート51およびクランパ支持部54の上端面は面一となるように板厚差が吸収されてクランプされる。この際に、センターインサート51の両側に搬入されたワークWの板厚に差があったとしても、ワークWの基板上面を均一な高さにすることができるため、樹脂モールドの際には、樹脂Rのフラッシュばりを防ぎながら成形厚を均一にすることができる。

0078

次いで、ワークWを支持するワーク支持部53の高さ位置を調整してワーク板厚のばらつきを吸収してクランパ36にワークWを押し当てる。具体的には、図示しない駆動源(エアシリンダ等)を作動させて、例えば下段の板厚調整ブロック56Bを所定量前進若しくは進退させて上段の板厚調整ブロック56Aをワーク支持部53に下面に密着させて固定する。

0079

続いて、図6に示す状態となるように、ワークWをクランパ36がクランプしたままプランジャ52を上昇させて、ポット33内で溶融した樹脂Rを、カル42およびランナゲート38を経てキャビティCまで圧送させて、キャビティC内へ充填する。このとき、ワークWに実装されたチップ部品21の上方に形成されるキャビティ駒35のパーティング面までの隙間が大きいため、樹脂Rの流速が抑えられ、低速低圧で樹脂Rが充填される。このため、ワイヤフローを防止して高品質な成形が可能となっている。

0080

続いて、図7に示す状態となるように、キャビティCに樹脂Rを充填した状態で、キャビティCの容積を縮小するようにキャビティ駒35が相対的に移動すると共に、キャビティCから押し出された樹脂Rをポット33側へ収容するようにプランジャ52を移動する。

0081

具体的には、型クランプ駆動によって下型32をさらに上昇させる。これにより、センターインサート51およびクランパ支持部54によってクランパ36が上昇してスプリング40を押し縮め、このクランパ36に対するキャビティ駒35の相対的位置が成形品の厚さ寸法に対応する成形位置(最終高さ位置、正規位置)となるようにキャビティC内の余剰樹脂Rがポット33側へ押し出される。この余剰樹脂Rは、トランスファ駆動によってプランジャ52を下降させて、キャビティCからポット33側で収容される。

0082

そして、キャビティC内を保圧するため必要に応じてプランジャ52を上昇させながら溶融樹脂Rを加熱硬化させて成形品が略完成する。本実施形態におけるプレス部110によれば、キャビティ駒35の移動を型クランプ駆動(プレス駆動)で行ってトランスファ成形を行うことができる。

0083

なお、本実施形態では、キャビティCの容積を変化させて成形品を製造した場合について説明したが、これに限らず、最初から成形位置に固定したキャビティC、すなわちキャビティCの容積を固定させて成形品を製造することもできる。

0084

次に、樹脂モールド装置100を用いた圧縮成形処理工程(制御部130による制御処理)について図8図10を参照しながら説明する。図8図10は、動作を説明するための樹脂モールド装置100の要部であるプレス部110の模式的断面図である。

0085

圧縮成形処理工程では、下側可動ピン24(閉止ピン)がランナゲート38のゲートへ進入して、開閉機構23は「閉」位置の状態となる。これにより、ランナゲート38のゲートを閉止し、カル42側への樹脂Rの流出を防止することができる。

0086

図8に示すように、モールド金型30が型開きした状態において、リリースフィルム43、ワークWがセットされる。そして、圧縮成形用樹脂(液状樹脂)を保持したノズルヘッド10をそれぞれのワーク位置(キャビティ位置)まで移動させて、ノズルヘッド10によってワークW上に樹脂R(圧縮成形用樹脂)を供給する。

0087

続いて、図9に示す状態となるように、下型32を上昇させて、クランパ36によりワークWの基板面をクランプしてワーク支持部53を押し下げ、クランパ36をクランパ支持部54に突き当てて型閉じする。型閉じによってキャビティCが形成されるが、このキャビティCは、下側可動ピン24によってポット33、カル42、ランナゲート38とは遮断される。

0088

ここでは、キャビティ駒35のキャビティ底面が成形品の厚さ寸法より所定厚だけ後退した退避位置となるようにクランパ36によってワークWをクランプしている。このときのキャビティCの容積は、キャビティ駒35が成形位置(図10参照)のキャビティCの容積よりも大きくなっている。また、ワークWの基板上面とセンターインサート51およびクランパ支持部54の上端面は面一となるように板厚差が吸収されてクランプされる。

0089

続いて、図10に示す状態となるように、モールド金型30に搬入されたワークWをクランパ36によりクランプしたまま、キャビティCの容積を縮小するようにキャビティ駒35を相対的に移動させて、キャビティC内を樹脂Rで充填する。具体的には、型クランプ駆動によって下型32をさらに上昇させ、センターインサート51およびクランパ支持部54によってクランパ36が上昇してスプリング40を押し縮める。これにより、クランパ36に対するキャビティ駒35の相対的位置が成形品の厚さ寸法に対応する成形位置(最終高さ位置、正規位置)となる。

0090

そして、キャビティC内を保圧するため必要に応じて再度下型32を上昇させながら溶融樹脂Rを加熱硬化させて成形品が略完成する。本実施形態におけるモールド金型30によれば、キャビティ駒35の移動を型クランプ駆動(プレス駆動)で行って圧縮成形を行うことができる。

0091

このように、樹脂モールド装置100が、樹脂供給部120およびキャビティCの容積が変化するモールド金型30を備えることで、自動機であっても簡易な構造でトランスファ成形と圧縮成形の両方を自由に行うことができる。したがって、樹脂モールド装置の付加価値を向上することができる。

0092

即ち、製品仕様等に応じて、1つの樹脂モールド装置100のみでトランスファ成形と圧縮成形を自由に実施できる。このため、要求される生産計画に対して、容易に対応することができる。例えば、トランスファ成形で生産される製品と圧縮成形で生産される製品との比率が変化しても容易に対応可能となる。また、クリーンルーム化された半導体製造工場内において、この装置を必要最小限の装置台数で設置するだけで済み設置面積を削減できるなど、各種の維持管理費の大幅な削減が可能となる。また、1台の樹脂モールド装置100を選択的に使用することで装置稼働率を向上して短期間で償却することも可能となり、製品の製造コストを削減することができる。さらに、比較的少数の生産を切り替えるような場合についても対応が容易になる。

0093

なお、キャビティの容積を変化させるために、上述の板厚調整機構において説明したウェッジ機構をキャビティ駒の高さ(深さ)を変化させるために用い、キャビティ高さを可変とする機構を用いることができる。他のキャビティ高さの可変機構としては、キャビティ駒が駆動源と接続されてモールド金型のチェイスに移動可能に組み付けられ、クランパがチェイスに固定して組み付けられ、駆動源によってクランパに対してキャビティ駒を相対的に移動させる構成であってもよい。これによれば、簡易な構造でキャビティの容積を変化させることができる。

0094

(第2実施形態)
前記第1実施形態では、プレス部110A、110Bとも同じ成形(トランスファ成形または圧縮成形)した場合について説明した。本実施形態では、一つの樹脂モールド装置110のプレス部110Aにおいてトランスファ成形によりLED(Light Emitting Diode)用リフレクタを形成し、その後、プレス部110Bにおいて圧縮成形によりLED用レンズを形成する、連続成形の場合について説明する。

0095

本実施形態における樹脂モールド装置100の要部であるプレス部110Aについて図11を参照して説明する。また、プレス部110Bについて図14を参照して説明する。この図11図14では、被成形品の状態のワークWも示している。本実施形態におけるワークWは、基板20上にチップ部品21がフリップチップ実装され、バンプ22Aによって基板20とチップ部品21とが電気的に接続されている。

0096

図11に示すように、本実施形態におけるプレス部110Aでは、キャビティ駒35が、チェイス37に弾性部材であるスプリング40Aを介して上下方向に移動可能に組み付けられている。すなわち、キャビティ駒35がスプリング40Aを介して吊下げ支持(フローティング支持)されている。このキャビティ駒35には、チップ部品21の上面と当接する突起部35aが設けられている。樹脂モールド成形の際、突起部35aがチップ部品21の上面と当接することで、樹脂が基板20とチップ部品21との間を充填するモールドアンダーフィルがし易くなる。

0097

図14に示すように、本実施形態におけるプレス部110Bでは、キャビティ駒35が、チェイス37に弾性部材であるスプリング40Aを介して上下方向に移動可能に組み付けられている。このキャビティ駒35には、レンズとなる半円状の凹部が設けられている。

0098

次に、樹脂モールド装置100を用いたトランスファ成形処理工程および圧縮成形処理工程(制御部130による制御処理)について図11図16を参照しながら説明する。図11図16は、動作を説明するための樹脂モールド装置100の要部であるプレス部110の模式的断面図である。

0099

トランスファ成形処理工程では、下側可動ピン24がランナゲート38から退出して、開閉機構23は「開」位置の状態となる。図11に示すように、モールド金型30が型開きした状態において、リリースフィルム43、ワークW、樹脂Rが準備(セット)される。

0100

続いて、図12に示す状態となるように、下型32を上昇させて型閉じする。型閉じによって、ポット33、カル42、ランナゲート38、キャビティC(キャビティ凹部34)が互いに連通する。ここでは、キャビティ駒35の突起部35aがチップ部品20の上面と接触し、また、クランパ36によってワークWをクランプしている。この際に、キャビティ駒35がスプリング40Aを介して組み付けられているため、クランプ力を過大にすることなくチップ部品20の上面への樹脂Rのフラッシュばりの発生を防止することが可能となっている。

0101

続いて、図13に示す状態となるように、ワークWをクランパ36がクランプしたままプランジャ52を上昇させて、ポット33内で溶融した樹脂Rを、カル42およびランナゲート38を経てキャビティCまで圧送させて、キャビティC内へ充填する。このとき、チップ部品21の上部が突起部35aで塞がれた状態となるため、圧送されてきた樹脂Rでチップ部品21上面(発光面)を塞ぐことなく成形することができる。

0102

そして、キャビティC内を保圧するため必要に応じてプランジャ52を上昇させながら溶融樹脂Rを加熱硬化させてLED用リフレクタが略完成する。このとき、チップ部品21の上面は露出し、この外周部では、クランパ36によるキャビティ凹部34の壁部の上端位置に対して、キャビティ駒35の端面が低くなるように各部が形成されているため、樹脂漏出防止用外周壁部Raが形成される。なお、突起部35aを設けないキャビティ駒35によりチップ部品21毎の凹部を形成せずにチップ部品21の上面を露出させるようにモールドアンダーフィルを行ってもよい。また、樹脂漏れの影響がない場合には、外周壁部Raを形成しない構成であってもよい。

0103

次いで、本実施形態では、樹脂モールド装置100内で同じワークWに対して連続成形するので、プレス部110Aを経たワークWは、ディゲート部180で不要樹脂を除去された後、プレス部110Bへ搬入されることとなる。

0104

続いて、図14に示すように、圧縮成形処理工程では、下側可動ピン24(閉止ピン)がランナゲート38のゲートへ進入して、開閉機構23は「閉」位置の状態となる。また、モールド金型30が型開きした状態において、リリースフィルム43、ワークW、樹脂Rが準備(セット)される。樹脂Rは、リフレクタ用の液状樹脂より低粘性流動性が高いが、外周壁部Raによって、ワークW上から樹脂Rが漏れるのが防止されている。

0105

続いて、図15に示す状態となるように、下型32を上昇させて型閉じする。型閉じによってキャビティCが形成されるが、このキャビティCは、下側可動ピン24によってポット33、カル42、ランナゲート38とは遮断される。

0106

続いて、図16に示す状態となるように、モールド金型30に搬入されたワークWをクランパ36によりクランプしたまま、キャビティCの容積を縮小するようにキャビティ駒35を相対的に移動させて、キャビティC内を樹脂Rで充填する。そして、キャビティC内を保圧するため必要に応じて下型32を上昇させながら溶融樹脂Rを加熱硬化させてLED用レンズが略完成する。その後、プレス部110Bを経たワークWは、ディゲート部180で不要樹脂の除去を行わず収納部190に収納されることとなる。続いて、図示しない切断装置によりチップ部品21毎に切断し個片化することでLEDパッケージが成形される。なお、1つのキャビティCで形成された領域全てを1つのLEDパッケージとして用いてもよい。この場合、外周壁部Raをリフレクタとして用いることもできる。

0107

なお、本実施形態では、一つの樹脂モールド装置100において、トランスファ成形した後に、圧縮成形を連続成形した場合について説明したが、圧縮成形した後に、トランスファ成形を連続成形した場合であってもよい。例えば、圧縮成形により基板上のボンディングワイヤをモールドした後、トランスファ成形によりモールドされたボンディングワイヤを含む全体をモールドすることができる。具体的には、低粘度樹脂でワイヤフローを防止しながら圧縮成形した後に、外周全体を覆うように別の樹脂(例えば、高強度、耐湿、電磁シールドに優れた樹脂)でトランスファ成形してもよい。この場合、圧縮成形では、マトリックス成形し、トランスファ成形はMAP成形することで全体を覆ってもよい。

0108

また、樹脂モールド装置100によれば、同じワークWに対して、トランスファ成形または圧縮成形の少なくともいずれか一方を複数回行って、ワークW上に樹脂を積層させることもできる。例えば、一つの樹脂モールド装置100内で、LEDのRGB蛍光体層積層成形したり、LEDの蛍光体層とクリア層を順次成形したりすることができる。

0109

(第3実施形態)
前記第1、2実施形態では、同じプレス部110では、同じ成形(トランスファ成形または圧縮成形)した場合について説明した。本実施形態では、同じプレス部110において異なる成形をする場合について説明する。

0110

本実施形態における樹脂モールド装置100の要部であるプレス部110について図117を参照して説明する。本実施形態では、トランスファ成形によりLED用リフレクタを形成し、圧縮成形によりLED用レンズを形成することができるモールド金型30が構成されている。

0111

図17に示すように、本実施形態では、前記モールド金型には、一つのポット33を中心として左右に異なる形状のキャビティ凹部34A、34Bが形成されている。キャビティ凹部34Aは、図11を参照して説明した構成であり、クランプ時にトランスファ成形用のキャビティCAとなる(図18参照)。また、キャビティ34Bは、図14を参照して説明した構成であり、クランプ時にトランスファ成形用のキャビティCBとなる(図18参照)。

0112

次に、樹脂モールド装置100を用いて同時に行うトランスファ成形処理工程および圧縮成形処理工程(制御部130による制御処理)について図17図19を参照しながら説明する。図17図19は、動作を説明するための樹脂モールド装置100の要部であるプレス部110の模式的断面図である。なお、圧縮成形処理工程でのワークWは、トランスファ成形処理工程を経たものである。

0113

図17に示すように、トランスファ成形処理工程が行われるキャビティ凹部34A側では、下側可動ピン24がランナゲート38から退出して、開閉機構23は「開」位置の状態となる。他方、圧縮成形処理工程が行われるキャビティ凹部34B側では、下側可動ピン24(閉止ピン)がランナゲート38のゲートへ進入して、開閉機構23は「閉」位置の状態となる。なお、開閉機構23ではなく、所望の形状に彫り込んだ金型部材を用いて、キャビティ凹部34A側を「開」状態とし、キャビティ凹部34B側を「閉」状態としてもよい。

0114

図17に示すように、モールド金型30が型開きした状態において、リリースフィルム43、ワークW、樹脂Rが準備(セット)される。ここで、トランスファ成形用樹脂を保持しているノズルヘッド10はポット33内へ樹脂Rを供給し、圧縮成形用樹脂を保持しているノズルヘッド10はワークW上に樹脂Rを供給する。

0115

続いて、図18に示す状態となるように、下型32を上昇させて型閉じする。型閉じによって、キャビティCA側では、ポット33、カル42、ランナゲート38、キャビティCAが互いに連通する。他方、型閉じによって、キャビティCB側では、キャビティCBが形成されるが、このキャビティCBは、下側可動ピン24によってポット33、カル42、ランナゲート38とは遮断される。

0116

続いて、図19に示す状態となるように、ワークWをクランパ36がクランプしたままプランジャ52を上昇させて、ポット33内で溶融した樹脂Rを、カル42およびランナゲート38を経てキャビティCAまで圧送させて、キャビティCA内へ充填する。他方、モールド金型30に搬入されたワークWをクランパ36によりクランプしたまま、キャビティCBの容積を縮小するようにキャビティ駒35を相対的に移動させて、キャビティCB内を樹脂Rで充填する。

0117

そして、キャビティCA内を保圧するため必要に応じてプランジャ52を上昇させながら溶融樹脂Rを加熱硬化させてLED用リフレクタが略完成する。他方、キャビティCB内を保圧するため必要に応じて下型32を上昇させながら溶融樹脂Rを加熱硬化させてLED用レンズが略完成する。このように、開閉機構23の切替え状態をポット33の左右で異ならせることで、一つのプレス部110において同時にトランスファ成形および圧縮成形することができる。

0118

(第4実施形態)
前記第1、2、3実施形態では、上型31にキャビティ凹部34(キャビティC)を設けた場合について説明した。本実施形態では、下型32にキャビティ凹部34(キャビティC)を設けた場合について説明する。

0119

本実施形態における樹脂モールド装置100の要部であるプレス部110について図20を参照して説明する。本実施形態のモールド金型30は、図4を参照して説明した上述の実施形態の構成を上下逆としてキャビティ凹部34が下型32に設けられ、開閉機構を省いたような構成となっている。ただし、本実施形態のような構成においても、開閉機構を設けてポット33へ樹脂が流れないようにしてもよい。

0120

次に、樹脂モールド装置100を用いたトランスファ成形処理工程(制御部130による制御処理)について図20図21を参照しながら説明する。図20図21は、動作を説明するための樹脂モールド装置100の要部であるプレス部110の模式的断面図である。

0121

図20に示すように、モールド金型30が型開きした状態において、下型パーティング面にリリースフィルム43を吸着保持する。また、センターインサート51の両側に配置されたワーク支持部53にワークWをそれぞれ搬入(セット)し、図示しない吸着機構によって吸着保持する。そして、トランスファ成形用樹脂(液状樹脂)を保持したノズルヘッド10をポット位置まで移動させて、ノズルヘッド10によってポット33内に樹脂R(トランスファ成形用樹脂)を供給する。

0122

なお、液状樹脂のように樹脂をポット33に押し込むことができない場合には、樹脂供給前のポット33のリリースフィルム43の凹部は、ポット33内吸引による凹部形成とポット33外周吸引による固定とによって形成してもよいし、治具押し込みによって形成してもよい。また、タブレット樹脂を供給するときは、ポット33外周を吸引によって固定した後に、タブレット樹脂を押し込むことでリリースフィルム43を引き伸ばすようにしてポット33に収容するようにしてもよい。

0123

続いて、図21に示す状態となるように、下型32を上昇させて型閉じする。型閉じによって、ポット33、カル42、ランナゲート38、キャビティCが互いに連通する。次いで、ワークWをクランパ36がクランプしたままプランジャ52を上昇させて、ポット33内で溶融した樹脂Rを、カル42およびランナゲート38を経てキャビティCまで圧送させて、キャビティC内へ充填する。そして、キャビティC内を保圧するため必要に応じてプランジャ52を上昇させながら溶融樹脂Rを加熱硬化させて成形品が略完成する。

0124

次に、樹脂モールド装置100を用いた圧縮成形処理工程(制御部130による制御処理)について図22図24を参照しながら説明する。図22図24は、動作を説明するための樹脂モールド装置100の要部であるプレス部110の模式的断面図である。

0125

図22に示すように、モールド金型30が型開きした状態において、リリースフィルム43、ワークWをセットする。そして、圧縮成形用樹脂(液状樹脂)を保持したノズルヘッド10をキャビティ位置まで移動させて、ノズルヘッド10によってキャビティC内に樹脂R(圧縮成形用樹脂)を供給する。

0126

続いて、図23に示す状態となるように、下型32を上昇させて型閉じする。型閉じによって、ポット33、カル42、ランナゲート38、キャビティCが互いに連通する。ここでは、キャビティ駒35のパーティング面が成形品の位置となるようにクランパ36によってワークWをクランプしている。このとき、キャビティCからは樹脂Rがポット33側へ押し出される。

0127

続いて、図24に示すように、キャビティ駒35が成形位置にある状態において、キャビティC内を保圧するため必要に応じてプランジャ52を上昇させながら溶融樹脂Rを加熱硬化させて成形品が略完成する。これによれば、圧縮成形においてキャビティ駒の作用の他にプランジャの作用で成形圧を調整(加圧あるいは減圧)することができる。なお、ポット33、プランジャ52に代えて、凹状のダミーキャビティを設けてもよい。

0128

このように、樹脂モールド装置110によれば、樹脂モールド装置100と同様に1つの装置のみでトランスファ成形と圧縮成形を実施することができ、上述した効果を奏することができるほか、キャビティ凹部34が下型に配置されたことによる効果も奏することができる。例えば、液状のシリコーン樹脂のように粘度が低い樹脂であってもキャビティ凹部34内に留めることができる。また、顆粒樹脂のような粒状の樹脂であってもキャビティ凹部34内に隙間無く供給することができ、成形時の樹脂の流れを最小限にして、ワイヤ流れを防止することもできる。

0129

なお、上述した各実施形態において、キャビティCは上型31と下型32とのいずれの金型に配置されてもよい。例えば、第4実施形態のキャビティCを上型31側に配置するような構成としてもよい。また、第4実施形態のように樹脂Rがポット33側に押し出される構成を他の実施形態において実施することもできる。

0130

また、上述した実施形態において、開閉機構23によりトランスファ成形と圧縮成形とを切り替える構成例を主に説明したが、モールド金型30の一部構成のみを交換することで、トランスファ成形と圧縮成形とのいずれかの成形を実施するようにしてもよいし、モールド金型30自体を切り替えることで、いずれかの成形を実施するようにしてもよい。これによれば、既にトランスファ成形装置として半導体製造工場に導入されているモールド装置のモールド金型30を切り替えることで、圧縮成形も実施可能となる。

0131

また、半導体製造工場に導入済みのトランスファ成形装置において、圧縮成形用の樹脂の樹脂供給部を追加することで、圧縮成形を実現可能とすることもできる。例えば、従来から用いられている通常のトランスファ成形装置ではタブレット樹脂の供給部が設けられている場合が多いが、このトランスファ成形装置に液状樹脂の供給部のユニットを追加するとともに制御プログラム改造し、圧縮成形用のモールド金型30をプレス110に設置(セット)することで(樹脂モールド装置100となる。)、圧縮成形を行うことができるようになる。これによれば、部分的な改造をするだけで、使用していないトランスファ成形装置を利用することもでき、新規に圧縮成形装置を導入する場合と比較して安価に圧縮成形を行うことができるようになる。すなわち、半導体製造工場では、そのときどきの需要量に応じて必要な生産設備が必要台数導入されることとなるが、導入後に使用されず死蔵状態となってしまう場合があり、このように使用されていない装置を再利用することもできるようになる。

0132

また、上述した実施形態において、図2図3に示す樹脂供給部120を用いる構成例を主に説明したが、他の構成でもよい。例えば、樹脂供給部は、ポット33に供給するトランスファ成形用の樹脂としてのタブレット樹脂の供給部と、キャビティCに供給される液状樹脂をポット33に供給する圧縮成形用の樹脂としての液状樹脂の供給部との両方を備える構成であってもよい。この場合、ローダ210により、タブレット樹脂がポット33に供給されるとともに、液状樹脂はキャビティCに供給されるような構成としてもよい。また、液状樹脂をプレス部110の外部でワークW上に供給し、ワークWをモールド金型30に搬入することで結果的にキャビティCに供給されるようにしてもよい。

0133

30モールド金型
33ポット
35キャビティ駒
36クランパ
52プランジャ
100樹脂モールド装置
110プレス部
120樹脂供給部
130 制御部
C キャビティ

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