図面 (/)

技術 ポンプ設備

出願人 株式会社荏原製作所
発明者 千葉真内田義弘今井雅人佐藤新吾滝川徹
出願日 2013年5月13日 (6年10ヶ月経過) 出願番号 2013-101500
公開日 2014年11月27日 (5年3ヶ月経過) 公開番号 2014-222038
状態 特許登録済
技術分野 非容積形ポンプの制御 非容積形ポンプの構造
主要キーワード 自動切り替え制御 空気流入弁 運転順序 閉止操作 運転号機 排水ゲート 照光スイッチ 管理員
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年11月27日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (13)

課題

複数台先行待機ポンプを用いて液体を排出するポンプ設備において、液位ハンチングが発生するのを抑制し、かつ、複数台のポンプの累積運転時間の平滑化を図る。

解決手段

ポンプ設備300は、液体(河川水等)を排出するポンプ200を複数台備えている。複数台のポンプ200−a〜ポンプ200−fはそれぞれ、液体の吸込口となるベルマウス212、及びベルマウス212から液体を揚水する羽根車202を含んでいる。複数台のポンプ200−a〜ポンプ200−fの羽根車202−a〜羽根車202−fはそれぞれ、高さ方向の異なる位置に配置される。一方、複数台のポンプ200−a〜ポンプ200−fのベルマウス212−a〜ベルマウス212−fはそれぞれ、高さ方向の揃えた位置に配置されている。

概要

背景

河川水の排出などを行うポンプ設備で使用されるポンプは、空気吸込渦が発生しない水位レベルLWL)以上で運転を行い、LWL以下に水位が下がると停止するように制御される。

このようなポンプの場合、ゲリラ豪雨のような突発的な降雨による水位上昇に対し、特に始動失敗などがある場合に、ポンプの始動遅れによる浸水被害を起こすおそれがある。この課題を解決するために、吸込水位に関係なくポンプの始動が可能な先行待機型ポンプがある。

先行待機型ポンプは、吸込水位に応じて気中運転と排水運転切り替わる運転方式をとる。同じ仕様の先行待機型ポンプが複数台設置されているポンプ設備では、水位があるレベルまで上昇したらポンプ全台が同時に排水運転を行い、水位があるレベルより下降したら全台が同時に気中運転を行う。このため、吸込水位が急激な低下と上昇を繰り返すハンチングを起こすおそれがある。また、全台が一斉に排水運転を行うことによる急激な負荷変動が、自家発電設備の異常を起こすおそれもある。

これに対して、複数台の先行待機型ポンプを、羽根車の高さ方向の位置を異ならせて配置することが知られている(特許文献1の第4図)。これによれば、各先行待機型ポンプは、水位が上昇した場合に、羽根車の配置位置が低いポンプから順に排水運転を行うことになる。その結果、先行待機型ポンプの全台が同時に排水運転及び気中運転を行うことによる水位のハンチングの発生を抑制できる。

概要

複数台の先行待機型ポンプを用いて液体を排出するポンプ設備において、液位のハンチングが発生するのを抑制し、かつ、複数台のポンプの累積運転時間の平滑化をる。ポンプ設備300は、液体(河川水等)を排出するポンプ200を複数台備えている。複数台のポンプ200−a〜ポンプ200−fはそれぞれ、液体の吸込口となるベルマウス212、及びベルマウス212から液体を揚水する羽根車202を含んでいる。複数台のポンプ200−a〜ポンプ200−fの羽根車202−a〜羽根車202−fはそれぞれ、高さ方向の異なる位置に配置される。一方、複数台のポンプ200−a〜ポンプ200−fのベルマウス212−a〜ベルマウス212−fはそれぞれ、高さ方向の揃えた位置に配置されている。

目的

本発明は、複数台のポンプを用いて液体を排出するポンプ設備において、液位のハンチングが発生するのを抑制し、かつ、複数台のポンプの累積運転時間を平滑化することを課題とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

液体を排出するポンプ複数台備えたポンプ設備であって、前記複数台のポンプはそれぞれ、前記液体の吸込口、及び該吸込口から前記液体を揚水する羽根車を含み、前記複数台のポンプの前記羽根車はそれぞれ、高さ方向の異なる位置に配置され、前記複数台のポンプの前記吸込口はそれぞれ、同一の高さ方向の位置に配置される、ことを特徴とするポンプ設備。

請求項2

請求項1のポンプ設備において、前記複数台のポンプのうちの少なくとも1台のポンプ内の気体吸引する吸気装置、を備えたことを特徴とする、ポンプ設備。

請求項3

請求項2のポンプ設備において、前記複数台のポンプのうちの少なくとも1台に気体を圧入する圧気装置、を備えたことを特徴とする、ポンプ設備。

請求項4

請求項3のポンプ設備において、前記複数台のポンプは、前記羽根車の配置位置が低い側の第1の系統と前記羽根車の配置位置が高い側の第2の系統に分けられ、前記第1の系統に属するポンプと前記圧気装置とを接続する第1の配管と、前記第2の系統に属するポンプと前記吸気装置とを接続する第2の配管と、を備え、前記圧気装置は、前記第1の配管を介して前記第1の系統に属するポンプに気体を圧入し、前記吸気装置は、前記第2の配管を介して前記第2の系統に属するポンプのポンプ内の気体を吸引する、ことを特徴とする、ポンプ設備。

請求項5

請求項4のポンプ設備において、前記第1の配管と前記第2の配管とを連通する連通配管と、前記連通配管を開閉する切り替え弁と、を備えたことを特徴とする、ポンプ設備。

請求項6

請求項5のポンプ設備において、前記第1の配管における、前記第1の系統に属する複数台のポンプ間の配管をそれぞれ開閉する切り替え弁と、前記第2の配管における、前記第2の系統に属する複数台のポンプ間の配管をそれぞれ開閉する切り替え弁と、を備えたことを特徴とする、ポンプ設備。

請求項7

請求項3のポンプ設備において、前記複数台のポンプはそれぞれ、前記圧気装置、及び前記吸気装置と別々の配管で接続されている、ことを特徴とするポンプ設備。

請求項8

請求項2〜7のいずれか1項のポンプ設備において、前記複数台のポンプを前記羽根車の配置位置が低い側から順番始動させる運転と、前記複数台のポンプの累積運転時間の平滑化を図る平滑化運転と、を切り替え制御装置を備え、前記制御装置は、前記平滑化運転において、前記複数台のポンプのうち累積運転時間の短いポンプから順番に運転されるように、又は入力インターフェースを介して設定された順番に運転されるように、前記圧気装置による圧気又は前記吸気装置による吸気を制御する、ことを特徴とする、ポンプ設備。

請求項9

請求項3のポンプ設備において、前記複数台のポンプそれぞれに対して設けられた、前記液体を排出する排出配管を開閉する吐出弁、前記液体のベルマウスに空気を流入させる空気流入配管を開閉する空気流入弁、前記圧気装置と前記ポンプとを接続する配管を開閉する開閉弁、及び前記ポンプ内と大気とを連通する連通配管を開閉する空気弁と、前記複数台のポンプを前記羽根車の配置位置が低い側から順番に始動させる運転と、前記複数台のポンプの累積運転時間の平滑化を図る平滑化運転と、を切り替える制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記平滑化運転において、前記複数台のポンプのうちの少なくとも1台のポンプに対応する前記吐出弁、前記空気流入弁、前記開閉弁、及び前記空気弁を閉止することによって、圧気装置を使用することなく該ポンプ内の水位の上昇を抑制する、ことを特徴とする、ポンプ設備。

技術分野

0001

本発明は、ポンプ設備に関するものである。

背景技術

0002

河川水の排出などを行うポンプ設備で使用されるポンプは、空気吸込渦が発生しない水位レベルLWL)以上で運転を行い、LWL以下に水位が下がると停止するように制御される。

0003

このようなポンプの場合、ゲリラ豪雨のような突発的な降雨による水位上昇に対し、特に始動失敗などがある場合に、ポンプの始動遅れによる浸水被害を起こすおそれがある。この課題を解決するために、吸込水位に関係なくポンプの始動が可能な先行待機型ポンプがある。

0004

先行待機型ポンプは、吸込水位に応じて気中運転と排水運転切り替わる運転方式をとる。同じ仕様の先行待機型ポンプが複数台設置されているポンプ設備では、水位があるレベルまで上昇したらポンプ全台が同時に排水運転を行い、水位があるレベルより下降したら全台が同時に気中運転を行う。このため、吸込水位が急激な低下と上昇を繰り返すハンチングを起こすおそれがある。また、全台が一斉に排水運転を行うことによる急激な負荷変動が、自家発電設備の異常を起こすおそれもある。

0005

これに対して、複数台の先行待機型ポンプを、羽根車の高さ方向の位置を異ならせて配置することが知られている(特許文献1の第4図)。これによれば、各先行待機型ポンプは、水位が上昇した場合に、羽根車の配置位置が低いポンプから順に排水運転を行うことになる。その結果、先行待機型ポンプの全台が同時に排水運転及び気中運転を行うことによる水位のハンチングの発生を抑制できる。

先行技術

0006

特開平2−78791号公報

発明が解決しようとする課題

0007

しかしながら、上記従来技術は、複数台のポンプの累積運転時間を平滑化することについては何らの考慮もされていない。

0008

すなわち、複数台のポンプの羽根車とベルマウスが高さ方向に位置を異ならせて配置されているため、水位が上昇した場合には羽根車の位置が低いポンプから順番に排水運転を行い、かつ、水位が下降した場合には羽根車の配置位置が低いポンプが最後まで排水運転を行うことになる。したがって、複数台のポンプのそれぞれの累積運転時間は、羽根車の配置位置が低いポンプほど長くなり、その結果、ポンプの累積運転時間に偏りが生じ得る。

0009

そこで、本発明は、複数台のポンプを用いて液体を排出するポンプ設備において、液位のハンチングが発生するのを抑制し、かつ、複数台のポンプの累積運転時間を平滑化することを課題とする。

課題を解決するための手段

0010

本願発明のポンプ設備の一態様は、上記課題に鑑みなされたもので、液体を排出するポンプを複数台備え、前記複数台のポンプはそれぞれ、前記液体の吸込口(ベルマウス)、及び該吸込口から前記液体を揚水する羽根車を含み、前記複数台のポンプの前記羽根車はそれぞれ、高さ方向の異なる位置に配置され、前記複数台のポンプの前記吸込口はそれぞれ、同一の高さ方向の位置に配置される、ことを特徴とする。

0011

また、前記複数台のポンプのうちの少なくとも1台のポンプ内の気体吸引する吸気装置を備えることができる。

0012

また、前記複数台のポンプのうちの少なくとも1台に気体を圧入する圧気装置を備えることができる。

0013

また、前記複数台のポンプは、前記羽根車の配置位置が低い側の第1の系統と前記羽根車の配置位置が高い側の第2の系統に分けられ、前記第1の系統に属するポンプと前記圧気装置とを接続する第1の配管と、前記第2の系統に属するポンプと前記吸気装置とを接続する第2の配管と、を備え、前記圧気装置は、前記第1の配管を介して前記第1の系統に属するポンプに気体を圧入し、前記吸気装置は、前記第2の配管を介して前記第2の系統に属するポンプのポンプ内の気体を吸引する、ことができる。

0014

また、前記第1の配管と前記第2の配管とを連通する連通配管と、前記連通配管を開閉する切り替え弁と、を備えることができる。

0015

また、前記第1の配管における、前記第1の系統に属する複数台のポンプ間の配管をそれぞれ開閉する切り替え弁と、前記第2の配管における、前記第2の系統に属する複数台のポンプ間の配管をそれぞれ開閉する切り替え弁と、を備えることができる。

0016

また、前記複数台のポンプはそれぞれ、前記圧気装置、及び前記吸気装置と別々の配管で接続されていてもよい。

0017

また、前記複数台のポンプを前記羽根車の配置位置が低い側から順番に始動させる運転と、前記複数台のポンプの累積運転時間の平滑化を図る平滑化運転と、を切り替え制御装置を備え、前記制御装置は、前記平滑化運転において、前記複数台のポンプのうち累積運転時間の短いポンプから順番に運転されるように、又は入力インターフェースを介して設定された順番に運転されるように、前記圧気装置による圧気又は前記吸気装置による吸気を制御する、ことができる。

0018

また、前記複数台のポンプそれぞれに対して設けられた、前記液体を排出する排出配管を開閉する吐出弁、前記液体の吸込口に空気を流入させる空気流入配管を開閉する空気流入弁、前記圧気装置と前記ポンプとを接続する配管を開閉する開閉弁、及び前記ポンプ内と大気とを連通する連通配管を開閉する空気弁と、前記複数台のポンプを前記羽根車の配置位置が低い側から順番に始動させる運転と、前記複数台のポンプの累積運転時間の平滑化を図る平滑化運転と、を切り替える制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記平滑化運転において、前記複数台のポンプのうちの少なくとも1台のポンプに対応する前記吐出弁、前記空気流入弁、前記開閉弁、及び前記空気弁を閉止することによって、圧気装置を使用することなく該ポンプ内の水位の上昇を抑制する、ことができる。

発明の効果

0019

かかる本願発明によれば、複数台のポンプを用いて液体を排出するポンプ設備において、液位のハンチングが発生するのを抑制し、かつ、複数台のポンプの累積運転時間の平滑
化を図ることができる。これによりポンプ設備の運転を安定化するとともに、特定のポンプに負荷がかかることを防ぐことが出来る。

図面の簡単な説明

0020

図1は、本実施形態のポンプ設備が設置される治水設備概略構成を示す説明図である。
図2は、第1実施形態、第2実施形態のポンプ設備の全体の概略構成を示す図である。
図3は、立軸渦巻斜流ポンプの概略を示す図である。
図4は、ポンプの詳細構成を示す図である。
図5は、第2実施形態のポンプ設備における運転処理フローを示す図である。
図6は、第2実施形態のポンプ設備における運転処理の一例を示す図である。
図7は、第2実施形態のポンプ設備における運転処理の一例を示す図である。
図8は、平滑運転モードにおける運転処理のフローを示す図である。
図9は、複数台のポンプの累積運転時間と運転順序について説明するための図である。
図10は、複数台のポンプの運転順序設定のための入力インターフェースの一例を示す図である。
図11は、第3実施形態のポンプ設備の全体の概略構成を示す図である。
図12は、第4実施形態のポンプ設備の全体の概略構成を示す図である。

実施例

0021

以下、本願発明の一実施形態に係るポンプ設備を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態のポンプ設備が設置される治水設備の概略構成を示す説明図である。なお、以下では、ポンプ設備が治水設備に設けられる一例を挙げて説明するが、これには限定されない。

0022

治水設備100は、堤内地内水を状況に応じて、堤外地強制的に排出する排水機場の設備である。治水設備100は、無人運転管理されてもよいし、運転管理員が配置されてもよい。図示するように、本実施形態では、治水設備100は、支川20が本川50に合流する場所に設けられる。支川20は、途中で分岐している。分岐後の支川を、支川30および支川40と呼ぶ。

0023

治水設備100は、吸込水槽120、吐出水槽130、排水樋門ゲート)140、自然流下樋門(ゲート)150、通信装置170、及びポンプ設備300を備えている。ポンプ設備300は、ポンプ200a〜ポンプ200d(以下、単に、ポンプ200とも呼ぶ)、及び制御装置160などを含む。図1の例では、ポンプ200は便宜上4系列で構成されるが、この系列数は、任意の数で設定可能である。ポンプ設備300の詳細は、図2以降で説明する。

0024

吸込水槽120は、ポンプ200、制御装置160、及び通信装置170が設置される敷地70の地下に設置されている。敷地70へは、道路60から進入することができる。ポンプ200、制御装置160、及び通信装置170は、建屋内に収容されている。

0025

吸込水槽120には、支川30から水(内水)が流入する。吸込水槽120に収容された水は、ポンプ200によって汲み上げられ、吐出水槽130に排出される。

0026

排水ゲート140は、吐出水槽130と本川50との間に構築された堤防に設けられる。排水ゲート140を開けることにより、吐出水槽130内の水は本川50に排出される。自然流下ゲート150は、支川40と本川50との境に設けられる。自然流下ゲート150を開けることにより、支川40の水は本川50に自然流下によって流入する。本実施形態では、排水ゲート140及び自然流下ゲート150は、いずれも、複数のゲートで構成される。本実施形態では、排水ゲート140及び自然流下ゲート150は、電動機を動力源として開閉される。

0027

制御装置160は、治水設備100及びポンプ設備300の動作全般を制御する。例えば、制御装置160は、治水設備100内の機器計装データを計測し、記憶媒体に記録する。制御装置160には、通信装置170が接続されている。本実施形態では、通信装置170は、無線通信を行って、所定のサーバから災害警報を受信する。

0028

また、通信装置170は、管理所(図示せず)と無線通信を行う。管理所は、複数の排水機場を管理する施設であり、管理者が配置されている。

0029

一方、本川50の水位が所定値以上になると、つまり、本川50から支川20に外水が逆流するおそれがある場合には、自然流下ゲート150は閉鎖される。そして、ポンプ設備300が運転されるとともに、排水ゲート140が開かれる。これによって、支川30の内水は、本川50に強制排水されるので、堤内地に内水が滞留することにより浸水被害などが生じることを抑制できる。

0030

(第1実施形態)
次に、第1実施形態のポンプ設備300の全体の概略構成について説明する。図2は、第1実施形態のポンプ設備の全体の概略構成を示す図である。図3は、立軸渦巻斜流ポンプの概略を示す図である。また、図4は、ポンプの詳細構成を示す図である。なお、図4は、図2における複数台のポンプのうちの1台を代表的に示した図である。

0031

図2に示すように、第1実施形態のポンプ設備300は、液体(河川水)を排出するためのポンプ200を複数台(この実施形態では6台)備えている。以下、複数台のポンプを、ポンプ200−a〜ポンプ200−f、又はポンプa機〜ポンプf機とも呼ぶ。ポンプ設備300におけるポンプ200の台数は任意であるが、例えば6台〜8台とすることができる。また、本実施形態では、一例として先行待機型の立軸ポンプを挙げて説明するが、これには限られない。ベルマウス位置を変更することが難しい立軸渦巻斜流ポンプのような横吸込配管を備えるポンプ設備の対策としても本発明は有効である。すなわち、図3に示すように、吸込水槽650内に水を流入する流入水路610が地下放水路であり、立軸渦巻斜流ポンプ600のような横吸込配管620を備える場合、LWL(排水運転時に空気吸込渦が発生しない水位)が高くなることと地下放水路の水位に応じて複数台(例えば6〜8台)のポンプが排水するため、水位制御幅が狭くなる。このようなポンプ設備で先行待機運転を行うには、前記の理由より複数台のポンプの羽根車位置を変えるが、ベルマウス位置を変えるとLWLが変わり、更に水位制御幅が狭くなるため、ベルマウス位置を同一高さに揃えることができる本発明は有効となる。

0032

図2に示すように、ポンプ200−a〜ポンプ200−fは、吸込水槽120内に設置されている。吸込水槽120の深さは任意であるが、例えば、10m〜15mの深さとすることができる。

0033

また、図2に示すように、ポンプ200−a〜ポンプ200−fはそれぞれ、河川水(液体)の吸込口となるベルマウス212−a〜ベルマウス212−fを有するケーシング210−a〜ケーシング210−fと、ベルマウス212−a〜ベルマウス212−fか
ら河川水を揚水する羽根車(インペラ)202−a〜羽根車(インペラ)202−fと、を備える。

0034

ここで、ポンプ200−aを代表的に用いてポンプ設備300について説明する。図4に示すように、ポンプ200−aは、吊り下げ管220−aによって吸込水槽120内に吊り下げられている。また、羽根車202−aは、駆動機台310−aの上に設置された駆動機320−aによって、駆動軸330−aを介して回転可能になっている。駆動軸330−aは、軸貫通部から揚水した液体の漏洩を防ぐ軸封装置332−aを備えている。また、吊り下げ管220−aには、河川水を吐出水槽130へ吐出するための吐出配管230−aが接続されている。

0035

ポンプ設備300は、吐出配管230−aに設けられた吐出弁340−aを備えている。吐出弁340−aは、制御装置160から送信される開閉信号に基づいて吐出配管230−aを開閉する。また、ポンプ設備300は、河川水の吸込口(ベルマウス212−a)に空気を流入させる空気流入配管352−aに設けられた空気流入弁350−aを備える。空気流入弁350−aは、制御装置160から送信される開閉信号に基づいて空気流入配管352−aを開閉する。

0036

また、ポンプ設備300は、ポンプ200−a内に気体(空気)を圧入する圧気装置380とポンプ200−aとを接続する第1の配管362に設けられた開閉弁360−aを備える。開閉弁360−aは、制御装置160から送信される開閉信号に基づいて第1の配管362を開閉する。なお、ポンプ200−d〜ポンプ200−fについては、ポンプ200−d〜ポンプ200−fの内気を吸引する吸気装置390とポンプ200−d〜ポンプ200−fとを接続する第2の配管364に開閉弁360−d〜開閉弁360−fが設けられる。開閉弁360−d〜開閉弁360−fは、制御装置160から送信される開閉信号に基づいて第2の配管364を開閉する。

0037

また、ポンプ設備300は、ポンプ200−a内と大気とを連通する連通配管372−aに設けられた空気弁370−aを備える。空気弁370−aは、制御装置160から送信される開閉信号に基づいて連通配管372−aを開閉する。なお、本実施形態では、吐出弁340、空気流入弁350、開閉弁360、及び空気弁370を、電動弁で構成する例を示しているが、これに限らず電磁弁とすることもできる。

0038

また、ポンプ設備300は、吸込水槽120内の河川水の水位を計測する水位計322−aと、吐出配管230−a内の圧力を計測する圧力計324−aとを備える。水位計322−aによって計測された水位、及び圧力計324−aによって計測された圧力は、制御装置160へ送信される。制御装置160は、水位計322−aによって計測された水位、及び圧力計324−aによって計測された圧力等に基づいて、吐出弁340−a、空気流入弁350−a、開閉弁360−a、空気弁370−aの開閉を制御する。この点についての詳細は、後述する。

0039

ここで、図2に戻ってポンプ設備300の説明を続ける。図2に示すように、本実施形態のポンプ設備300では、ポンプ200−a〜ポンプ200−fの羽根車202−a〜羽根車202−fはそれぞれ、高さ方向の異なる位置に配置されている。具体的には、羽根車202−aから羽根車202−fに向かって配置位置が高くなっている。羽根車202−aから羽根車202−fの配置高さの異ならせ方は任意であるが、例えば、羽根車202−aから羽根車202−fに向かって配置位置を0.5m〜1.0mずつ高くすることができる。

0040

一方、本実施形態のポンプ設備300では、ポンプ200−a〜ポンプ200−fの河
川水の吸込口となるベルマウス212−a〜ベルマウス212−fはそれぞれ、高さ方向の揃えた位置に配置されている。

0041

本実施形態によれば、水位のハンチングが発生するのを抑制し、かつ、ポンプ200−a〜ポンプ200−fの運転時間の平滑化を図ることができる。すなわち、ポンプ200−a〜ポンプ200−fは、羽根車202−a〜羽根車202−fが高さ方向の異なる位置に配置されているので、水位が上昇した場合に、配置位置が低いポンプ200−aから順番に排水運転を行うことになる。したがって、ポンプ200−a〜ポンプ200−fの全台が同時に排水運転を行うことに起因する水位のハンチングが発生するのを抑制することができる。また、負荷変動により自家発電設備に異常が起きることも抑制することができる。

0042

これに加えて、ポンプ200−a〜ポンプ200−fは、ベルマウス212−a〜ベルマウス212−fが高さ方向の揃えた位置(高さ方向の略同一の位置)に配置されている。したがって、例えば、羽根車202が比較的高い位置に配置されているポンプ(例えばポンプ200−d,e,f)であっても、いったん排水運転を開始した後は、空気流入弁350を「閉」に制御すれば水位がある程度下がっても排水運転を継続して行うことができる。例えば、羽根車202が比較的高い位置に配置されているポンプ(例えばポンプ200−d,e,f)は、羽根車202が比較的低い位置に配置されているポンプ(例えばポンプ200−a,b,c)と同様のベルマウス212の位置より低い水位になるまで排水運転を継続して行うことができる。その結果、例えば、水位の上昇にともなってポンプ200−a〜ポンプ200−fが順次排水運転を開始した後、ポンプ200−a,b,cの累積運転時間が長い場合には、ポンプ200−a,b,cの運転を停止させ、ポンプ200−d,e,fのみで排水運転を継続することによって、ポンプ200−a〜ポンプ200−fの累積運転時間の平滑化を図ることができる。なお、以下の実施形態の説明では、吸気装置390及び圧気装置380等について説明するが、これらを用いなくても、水位のハンチングが発生するのを抑制し、かつ、ポンプ200−a〜ポンプ200−fの運転時間の平滑化を図ることができる。

0043

(第2実施形態)
図2に示すように、本実施形態のポンプ設備300は、ポンプ内気(ポンプ内の気体)を吸引するための吸気装置390と、ポンプに気体を圧入するための圧気装置380をさらに備えている。

0044

本実施形態のポンプ設備300では、便宜上、複数台のポンプ200−a〜ポンプ200−fは、羽根車202の配置位置が低い側の第1の系統Aと、羽根車202の配置位置が高い側の第2の系統Bに分けられる。第1の系統Aにはポンプ200−a〜ポンプ200−cが属し、第2の系統Bにはポンプ200−d〜ポンプ200−fが属する。なお、本実施形態の第1の系統Aと第2の系統Bとの分類仕方は一例であって、羽根車202の配置位置が高い側と低い側という観点で任意に分けることができる。

0045

第1の系統Aに属するポンプ200−a〜ポンプ200−cは、第1の配管362を介して圧気装置380と接続されている。圧気装置380は、第1の配管362を介して第1の系統Aに属するポンプ200−a〜ポンプ200−cに気体を圧入する。また、第2の系統Bに属するポンプ200−d〜ポンプ200−fは、第2の配管364を介して吸気装置390と接続されている。吸気装置390は、第2の配管364を介して第2の系統Bに属するポンプ200−d〜ポンプ200−fのポンプ内気を吸引する。このため、ポンプ内の気密を保つ必要があり、図4に示す軸封装置332−aに注水を行うことが好ましい。

0046

次に、第2実施形態のポンプ設備300における運転処理について説明する。図5は、第2実施形態のポンプ設備における運転処理のフローを示す図である。

0047

まず、制御装置160は、ポンプ設備300の運転モードが自動モードであるか、又は手動モードであるかを判定する(ステップS101)。

0048

制御装置160は、ポンプ設備300の運転モードが手動モードである場合には、運転管理員などによって行われる手動操作に応じて、弁の開閉等の運転を行う(ステップS102)。

0049

一方、制御装置160は、ポンプ設備300の運転モードが自動モードである場合には、ポンプ設備300の運転モードが通常運転モードであるか、又は平滑運転モードであるかを判定する(ステップS103)。なお、通常運転モードとは、複数台のポンプ200−a〜ポンプ200−fを羽根車202−a〜羽根車202−fの配置位置が低い側から順番に始動させる運転モードのことである。また、平滑運転モードとは、複数台のポンプ200−a〜ポンプ200−fの累積運転時間の平滑化を図る平滑化運転を行うモードのことである。

0050

制御装置160は、ポンプ設備300の運転モードが通常運転モードである場合には、吐出弁340,空気流入弁350、及び空気弁370を「開」に制御し、開閉弁360を「閉」に制御する(ステップS104)。続いて、制御装置160は、ポンプの先行待機運転を行う(ステップS105)。なお、この先行待機運転は、従来の先行待機運転と同様の運用を行う。ポンプ200−a〜ポンプ200−fは、羽根車の高さ方向の位置が異なった配置となっているため、水位の上昇に合わせ、順次、排水が可能である。

0051

一方、制御装置160は、ポンプ設備300の運転モードが平滑運転モードである場合には、次運転号機はA系であるか、又はB系であるかを判定する(ステップS106)。つまり、制御装置160は、次に排水運転を行うポンプが、第1の系統Aに属するポンプであるのか、又は、第2の系統Bに属するポンプであるのかを判定する。

0052

制御装置160は、次運転号機がA系である場合には、A系のポンプのうち、最も累積運転時間が短い過少機については通常運転を行い、B系のポンプについても通常運転を行い、A系のポンプのうち過少機以外のポンプについては圧気封入運転(気中待機運転)を行う(ステップS107)。

0053

例えば、制御装置160は、A系のポンプのうち過少機以外のポンプについては、吐出弁340を「閉」、空気流入弁350を「閉」、開閉弁360を「開」、空気弁370を「閉」に制御し、吸込水槽120の水位がベルマウスの下端以上であることを条件として、圧気装置380を起動させ、ポンプ内圧を上げ、規定の内圧になったら開閉弁360を閉め、圧気装置380を停止する。これにより、吸込水槽120の水位が上昇しても排水運転しないよう制御する。なお、吸込水槽120の水位が規定値(当該ポンプが始動しても良いタイミング)になったら、空気流入弁350と空気弁370と吐出弁340を開操作し、ポンプ内水位を戻して、排水運転を開始させる。

0054

ステップS107の処理について、図6を用いて説明する。図6は、第2実施形態のポンプ設備における運転処理の一例を示す図である。図6は、A系(低水位用)のポンプ200−a〜ポンプ200−cの中に運転時間過少機(例えばポンプ200−c)がある場合の運転処理の一例を示している。

0055

この場合、制御装置160は、図6に示すように、開閉弁360−a,開閉弁360−
bを「開」にし、開閉弁360−cを「閉」に制御する。ここで、図中の塗りつぶしていないバルブは「開」であることを、塗りつぶしたバルブは「閉」であることを表わす。これによって、制御装置160は、ポンプ200−a,ポンプ200−bに対して圧気装置380から圧縮空気を供給する。したがって、ポンプ200−a,ポンプ200−bについては、吸込水槽120の水位が上昇しても、ポンプ内水位は上昇しない。その結果、ポンプ200−a,ポンプ200−bは、排水運転を行わず、ポンプ内に水が無い状態で運転する気中待機運転を行うことになる。なお、制御装置160は、圧気装置380にて圧縮空気を供給した後、開閉弁360−a,開閉弁360−bを「閉」に制御する。

0056

一方、制御装置160は、ポンプ200−cについては、通常の運転である先行待機運転を行わせる。その結果、ポンプ200−cは、吸込水槽120の水位に連動して排水運転(負荷運転)を行うように制御される。なお、制御装置160は、ポンプ200−cの排水運転後、吸込水槽120の水位が低下し、エアロック水位になった場合、空気流入弁350−cを閉める制御を行うことにより排水運転を継続することもできる。

0057

また、B系のポンプ200−d〜ポンプ200−fについては、ポンプ200−cより、羽根車が高い位置にあるため、ポンプ200−cより早く負荷運転を行うことはない。したがって、制御装置160は、ポンプ200−d〜ポンプ200−fについては、通常の運転制御として、水位に追従した先行待機運転を行わせる。

0058

以上のように、本実施形態は、ポンプ200−a,ポンプ200−bに対して空気を圧入することによってポンプ200−a,ポンプ200−bに気中待機運転を行わせる。したがって、本実施形態によれば、累積運転時間が最も短いポンプ200−cを、羽根車の配置位置がより低いポンプ200−a,ポンプ200−bよりも先に排水運転をさせることができる。その結果、ポンプ200−a〜ポンプ200−fの累積運転時間の平滑化を図ることができる。また、本実施形態によれば、ポンプ200−a〜ポンプ200−fの全台が同時に排水運転を行うことに起因する水位のハンチングが発生するのを抑制することができる。また、これにより、全台が一斉に排水運転を行うことによる急激な負荷変動が自家発電設備に異常を起こすことも抑制することができる。

0059

一方、図5の説明に戻ると、制御装置160は、次運転号機がB系である場合には、A系のポンプについては圧気封入運転(気中待機運転)を行い、B系のポンプのうち最も累積運転時間が短い過少機以外については通常運転を行い、B系のポンプのうち最も累積運転時間が短い過少機については、吸気運転(羽根車まで水位を上げての負荷運転)を行う(ステップS108)。

0060

制御装置160は、B系のポンプのうち最も累積運転時間が短い過少機については、吐出弁340を「開」、空気流入弁350を「閉」、開閉弁360を「開」、空気弁370を「閉」に制御し、吸込水槽120の水位がベルマウス212の下端以上であることを条件として、吸気装置390を起動させ、ポンプ内圧を下げ、ポンプ内水位を上昇させる。ポンプ内水位が羽根車の位置に達すると、ポンプが排水運転を開始する。なお、吸気装置390及び開閉弁360は、ポンプの排水運転が開始したことを圧力センサにより確認した後に、停止・閉止操作(制御)を行う。なお、本実施形態では、圧力センサによりポンプの実排水運転を検知するようにしているが、圧力センサに代えて、電動機の電流値で負荷運転(実排水運転)をしているかどうかを判定するようにしても良い。また、音叉式等のレベルスイッチで判定しても良い。

0061

ステップS108の処理について、図7を用いて説明する。図7は、第2実施形態のポンプ設備における運転処理の一例を示す図である。図7は、B系(高水位用)のポンプ200−d〜ポンプ200−fの中に運転時間過少機(例えばポンプ200−e)がある場
合の運転処理の一例を示している。

0062

この場合、制御装置160は、図7に示すように、開閉弁360−a〜開閉弁360−cを「開」にする。これによって、制御装置160は、ポンプ200−a〜ポンプ200−cに対して圧気装置380から圧縮空気を供給する。したがって、ポンプ200−a〜ポンプ200−cについては、吸込水槽120の水位が上昇しても、ポンプ内水位は上昇しない。その結果、ポンプ200−a〜ポンプ200−cは、排水運転を行わず、気中待機運転を行うことになる。

0063

一方、制御装置160は、図7に示すように、開閉弁360−eを「開」にし、開閉弁360−d,開閉弁360−fを「閉」に制御する。これによって、ポンプ200−eについては、吸気装置390(真空ポンプ)による吸気が行われ、ポンプ200−e内水位を上昇させた後に、排水運転(負荷運転)が行われる。なお、制御装置160は、その他のB系ポンプ200−d,ポンプ200−fについては、通常の運転制御として、水位に追従した先行待機運転を行わせる。また、制御装置160は、吸気装置390にて吸気し、ポンプ内水位を羽根車位置まで上げ、排水運転が開始したら、開閉弁360−eを「閉」に制御する。

0064

以上のように、本実施形態では、ポンプ200−a〜ポンプ200−cに空気を圧入してポンプ200−a〜ポンプ200−cを気中待機運転させ、かつ、ポンプ200−eの内気を吸気してポンプ200−e内の水位を上昇させる。したがって、本実施形態によれば、累積運転時間が最も短いポンプ200−eを、羽根車の配置位置がより低いポンプ200−a〜ポンプ200−dより先に排水運転させることができる。その結果、ポンプ200−a〜ポンプ200−fの累積運転時間の平滑化を図ることができる。また、本実施形態によれば、ポンプ200−a〜ポンプ200−fの全台が同時に排水運転を行うことに起因する水位のハンチングが発生するのを抑制することができる。また、これにより、全台が一斉に排水運転を行うことによる急激な負荷変動が自家発電設備に異常を起こすことも抑制することができる。

0065

また、本実施形態によれば、ゲリラ豪雨のように急激に吸込水槽の水位が上昇する場合には、通常運転モードとし、小降雨のような水槽水位急上昇が見込まれない場合には、平滑化モードを用いて運転時間の平滑化を図ることができる。したがって、天候に応じた適切な運転及び運用が可能となり、運用及び維持管理性の良い設備となる。なお、モードの切り替えは、天候を観て操作員が任意に切り替えても良く、降雨量ポンプ場への流入水路上流水位データを制御装置に入れ、自動でモードを切り替えるようにしても良い。例えば、降雨量が多いときや、上流側での水位の上昇率が高いときは、通常運転モードにするなどの自動切り替え制御を行うことができる。

0066

次に、平滑運転モードにおける運転処理について説明する。図8は、平滑運転モードにおける運転処理のフローを示す図である。

0067

図8に示すように、平滑運転モードが開始されると、制御装置160は、運転順序が自動選択であるか、又は任意選択であるかを判定する(ステップS201)。ここで、運転順序の自動選択とは、制御装置160が、ポンプ200−a〜ポンプ200−fをどのような順序で運転するかを演算するモードである。任意選択とは、運転管理員が入力インターフェースを介して設定した順序でポンプの運転を行うモードである。

0068

制御装置160は、運転順序が自動選択である場合には、各ポンプの累積運転時間に応じて運転順序を演算する(ステップS202)。この点について、図9を用いて説明する。図9は、複数台のポンプの累積運転時間と運転順序について説明するための図である。

0069

図9に示すように、例えば、ポンプ200−a〜ポンプ200−fの累積運転時間がそれぞれ、「2000」,「1800」,「1850」,「1500」,「1600」,「1000」であるとする。この場合、制御装置160は、累積運転時間が短い順に運転が行われるよう、各ポンプの運転順序を演算する。図9の例では、ポンプ200−f,ポンプ200−d,ポンプ200−e,ポンプ200−b,ポンプ200−c,ポンプ200−a,の順序で運転されるように運転順序が決められる。

0070

一方、図8の説明に戻って、制御装置160は、運転順序が任意選択である場合には、入力インターフェースを介して入力された運転順序を読み出す(ステップS203)。この点について、図10を用いて説明する。図10は、複数台のポンプの運転順序を設定するための入力インターフェースの一例を示す図である。

0071

図10に示すように、管理員は、入力インターフェースを介して、ポンプ200−a〜ポンプ200−fに対して任意の順序で運転を行うよう設定することができる。例えば図10の例では、管理員の入力によって、運転順序の1台目にポンプ200−a,2台目にポンプ200−f,3台目にポンプ200−c,4台目にポンプ200−d,5台目にポンプ200−b,6台目にポンプ200−eを設定することができる。なお、始動順序の任意設定画面では、制御盤等の盤面に、押し釦スイッチ照光スイッチ)等により、運転順序を設定することができる。また、図10に示すように、運転順序を設定するためのデータとして、同画面上に当該ポンプの運転時間や運転開始水位を表示することもできる。また、運転開始水位を任意に設定できるようにすることもできる。また、押し釦スイッチではなく、タッチパネル等により構成することもできる。

0072

図8の説明に戻って、制御装置160は、ステップS202又はステップS203の後に、次運転号機が運転開始水位に到達したか否かを判定する(ステップS204)。

0073

制御装置160は、次運転号機が運転開始水位に到達するまでステップS204の処理を繰り返す(ステップS204,No)。一方、制御装置160は、次運転号機が運転開始水位に到達したら(ステップS204,Yes)、次運転号機はA系であるか、又はB系であるかを判定する(ステップS205)。

0074

制御装置160は、次運転号機がA系である場合には、A系のポンプのうち最も累積運転時間が短い過少機については通常運転を行い、B系のポンプについても通常運転を行い、A系のポンプのうち過少機以外のポンプについては圧気封入運転(気中待機運転)を行う(ステップS206)。この点は、図5と同様であるので説明を省略する。

0075

また、制御装置160は、次運転号機がB系である場合には、A系のポンプについては圧気封入運転(気中待機運転)を行い、B系のポンプのうち最も累積運転時間が短い過少機以外については通常運転を行い、B系のポンプのうち最も累積運転時間が短い過少機については、吸気運転(羽根車まで水位を上げて負荷運転)を行う(ステップS207)。この点は、図5と同様であるので説明を省略する。

0076

本実施形態によれば、平滑運転モードにおいて、累積運転時間が少ない方から運転を開始するよう運転順序を決める制御機能と、盤面等に設けた選択釦等により任意に始動順序が設定できる設定画面とを設けているので、運用に応じ、管理員がいずれかを選択することができる。また、本実施形態によれば、運転開始順序を任意に設定できるように構成したことにより、調子の悪い号機故障が頻発する老朽機)などを後発機に設定することができ、信頼性が高い運用を図ることができる。

0077

(第3実施形態)
次に、第3実施形態のポンプ設備について説明する。図11は、第3実施形態のポンプ設備の全体の概略構成を示す図である。

0078

第3実施形態のポンプ設備400は、第2実施形態と比べて、第1の配管362と第2の配管364とを連通する連通配管410を設ける点、及び連通配管410に切り替え弁420を設ける点が異なる。第2実施形態と同様の構成については、説明を省略する。

0079

図11に示すように、第1の配管362と第2の配管364は、連通配管410によって連通されている。また、連通配管410には、連通配管410を開閉する切り替え弁420が設けられている。

0080

本実施形態によれば、切り替え弁420を「開」に制御することによって、ポンプ200−a〜ポンプ200−fのいずれに対しても、圧気装置380による圧気、及び吸気装置390による吸気を行うことができる。例えば、ポンプの設置台数が多く、ポンプ200−c,ポンプ200−dのように、水位に対し中間位置にあるポンプがある場合、圧気(給気)と吸気が、どちらもできる構成とすることにより、ポンプ設備300の運用性及び操作性を向上することができる。

0081

また、排水ポンプでは、非常時において確実に始動及び運転ができるよう、実際の運転状態実負荷状態)で管理運転を行い、始動や運転状態に異常が無いことを確認する必要がある。この点、本実施形態によれば、ポンプ200−a〜ポンプ200−fのいずれでも吸気を行うことができるので、降雨が少なく、吸込水槽120の水位が低い場合(管理運転時)でも、実負荷運転を行うことが可能となり、ポンプ設備としての信頼性を向上することが可能である。

0082

(第4実施形態)
次に、第4実施形態のポンプ設備について説明する。図12は、第4実施形態のポンプ設備の全体の概略構成を示す図である。

0083

第4実施形態のポンプ設備500は、第2,第3実施形態と比べて、第1の配管362における、第1の系統Aに属する複数台のポンプ200−a〜ポンプ200−c間の配管をそれぞれ開閉する切り替え弁510,520と、第2の配管364における、第2の系統Bに属する複数台のポンプ200−d〜ポンプ200−f間の配管をそれぞれ開閉する切り替え弁530,540とを設ける点が異なる。第2,第3実施形態と同様の構成については、説明を省略する。

0084

図12に示すように、第1の配管362の、ポンプ200−aとポンプ200−bとの間には、第1の配管362を開閉する切り替え弁510が設けられる。また、第1の配管362の、ポンプ200−bとポンプ200−cとの間には、第1の配管362を開閉する切り替え弁520が設けられる。

0085

さらに、第2の配管364の、ポンプ200−dとポンプ200−eとの間には、第2の配管364を開閉する切り替え弁530が設けられる。また、第2の配管364の、ポンプ200−eとポンプ200−fとの間には、第2の配管364を開閉する切り替え弁540が設けられる。

0086

本実施形態によれば、切り替え弁420,510,520,530,540の開閉を制御することによって、ポンプ200−a〜ポンプ200−fのいずれに対しても、圧気装置380による圧気、及び吸気装置390による吸気を同時に行うことができる。また、
ポンプ200−a〜ポンプ200−fのそれぞれを、圧気装置380、及び吸気装置390と別々の配管で接続することもできる。本実施形態によれば、例えば、ポンプの設置台数が多い場合、圧気(給気)と吸気が同時にできるので、任意のポンプ台数及び号機で気中待機運転と排水運転とを同時に行わせることができ、その結果、ポンプ設備500の運用性及び操作性を向上させることができる。

0087

なお、上記の各実施形態では、圧気装置380を設け、圧気装置380を用いてポンプに圧気を行うことによって強制的にポンプに気中待機運転させる例を示したが、これには限られない。例えば、制御装置160は、平滑化運転において、強制的に気中待機運転をさせるべきポンプに対応する吐出弁340、空気流入弁350、開閉弁360、及び空気弁370を閉止することによって、このポンプ内の水位の上昇を抑制することができる。これによれば、圧気装置380を使用せずに制御を行うことが可能であり、信頼性の向上につながる。また、通常時の吸込水槽120の水位がベルマウスより下の場合(水槽ドライ状態で運用する排水ポンプ場、すなわち水槽に残留する水を水質悪化悪臭の発生を防止するために抜き、空にして運用する排水ポンプ場の場合)、流入前に始動順序を決め、圧気運用するポンプの各弁を閉めるだけで、始動順序の制御ができるため、圧気装置が不要となり、設備の簡素化を図ることができる。

0088

160制御装置
200−a〜200−fポンプ
202−a〜202−f羽根車
210−a〜210−fケーシング
212−a〜212−fベルマウス
300,400,500ポンプ設備
332軸封装置
340吐出弁
350空気流入弁
360開閉弁
362 第1の配管
364 第2の配管
370空気弁
372連通配管
380圧気装置
390吸気装置
410 連通配管
420,510,520,530,540切り替え弁
A 第1の系統
B 第2の系統

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 工機ホールディングス株式会社の「 送風機」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】 携帯可能な小型の送風機を提供する。【解決手段】 送風機1は、管状をなし、外周面が把持部4Eとして機能するハウジング4と、ハウジングに収容されるモータ3と、ハウジングに収容され、モータと接... 詳細

  • パナソニックIPマネジメント株式会社の「 扇風機」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】ガードマーク下流側の領域では、軸流ファンの主流の送風方向に逆流し、循環流を発生する。この循環流の影響によって、軸流ファンの羽根の外周側で発生する軸流ファンの送風気流の主流が減衰する。【解決手段... 詳細

  • 三菱電機株式会社の「 燃料供給装置」が 公開されました。( 2019/09/12)

    【課題】工程の増加を伴わずに、燃料漏れの抑制と安定した吐出性能を両立させる燃料供給装置を得ることを目的とする。【解決手段】金属ハウジング7と、金属ハウジング7の一端側の内周面7siに対し、全周にわたっ... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ