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技術 ステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物

出願人 有限会社NKリサーチ
発明者 木村良晴増谷一成十河和明
出願日 2013年5月13日 (6年10ヶ月経過) 出願番号 2013-101269
公開日 2014年11月27日 (5年4ヶ月経過) 公開番号 2014-221860
状態 特許登録済
技術分野 高分子組成物 ポリウレタン,ポリ尿素 生分解性ポリマー
主要キーワード 電子用部品 二次加熱 ステレオコンプレックス型ポリ乳酸 乳酸プレポリマー 水酸基化 バイオプラスチック ポリ乳酸ブロック共重合体 セグメント同士
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年11月27日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (1)

課題

解決手段

数平均分子量(Mn)が、2000〜7000であるL−乳酸オリゴマーの両末端水酸基を有するテレケリックL−乳酸プレポリマーおよびD−乳酸オリゴマーの両末端に水酸基を有するテレケリックD−乳酸プレポリマー質量比で2:8から8:2の範囲の割合で混合したステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物とし、これとジイソシアネートとを反応させて得られるステレオコンプレックスポリ乳酸セグメントを有するセグメント化ポリウレタンなどのポリ乳酸系樹脂とする。

概要

背景

バイオマス資源原料とする植物由来生分解性樹脂またはバイオプラスチックとして、ポリ乳酸樹脂が周知である。

ポリ乳酸は、光学異性体ポリL−乳酸およびポリ−D−乳酸を所定の割合と条件で混合することにより、ステレオコンプレックス型結晶を形成し、これによってポリ−L−乳酸単独またはポリ−D−乳酸単独の結晶よりも約50℃程度高融点を示すようになるため、耐熱性機械的特性の改良されたバイオプラスチックとして、外装部品などの成形品などに適用できることが知られている(特許文献1)。

また、このようなステレオコンプレックス型のポリ乳酸の結晶構造を共重合成分としてポリマーに導入する場合に、末端官能基カルボキシル基である割合が50%を超えるポリ−L−乳酸および末端官能基がカルボキシル基である割合が50%を超えるポリ−D−乳酸を含有する混合物を、ポリイソシアネート化合物との反応によりアミド結合させて得られるポリ乳酸系樹脂が知られている(特許文献2)。

概要

セグメント化ポリウレタンなどに高融点の結晶性セグメントを導入可能なステレオコンプレックス結晶ポリ乳酸プレポリマー組成物とし、これにより製造容易性品質定性および耐熱性に優れたステレオコンプレックスポリ乳酸セグメントを有するポリウレタンなどのポリ乳酸系樹脂とすることである。数平均分子量(Mn)が、2000〜7000であるL−乳酸オリゴマーの両末端水酸基を有するテレケリックL−乳酸プレポリマーおよびD−乳酸オリゴマーの両末端に水酸基を有するテレケリックD−乳酸プレポリマー質量比で2:8から8:2の範囲の割合で混合したステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物とし、これとジイソシアネートとを反応させて得られるステレオコンプレックスポリ乳酸セグメントを有するセグメント化ポリウレタンなどのポリ乳酸系樹脂とする。なし

目的

この発明の課題は、上記した問題点を解決してセグメント化ポリウレタンなどに高融点の結晶性セグメントを導入可能なステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物とし、これにより製造容易性と品質安定性および耐熱性に優れたステレオコンプレックスポリ乳酸セグメントを有するポリウレタンなどのポリ乳酸系樹脂とすることである

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

L−乳酸オリゴマーの両末端水酸基を有するテレケリックL−乳酸プレポリマーおよびD−乳酸オリゴマーの両末端に水酸基を有するテレケリックD−乳酸プレポリマー質量比で2:8から8:2の範囲の割合で混合したステレオコンプレックス結晶ポリ乳酸プレポリマー組成物

請求項2

テレケリックL−乳酸プレポリマーおよびテレケリックD−乳酸プレポリマーの数平均分子量(Mn)が、2000〜7000である請求項1に記載のステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物。

請求項3

上記ステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物が、ポリエステルポリオールポリエーテルポリオールを含有する請求項1または2に記載のステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物。

請求項4

請求項1〜3のいずれかに記載のステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物とジイソシアネートとを反応させて得られるステレオコンプレックスポリ乳酸セグメントを有するセグメント化ポリウレタン

技術分野

0001

この発明は、セグメント化ポリウレタンなどに高融点結晶性セグメントを導入可能なステレオコンプレックス結晶ポリ乳酸プレポリマー組成物およびステレオコンプレックスポリ乳酸セグメントを有するセグメント化ポリウレタンに関するものである。

背景技術

0003

ポリ乳酸は、光学異性体ポリL−乳酸およびポリ−D−乳酸を所定の割合と条件で混合することにより、ステレオコンプレックス型結晶を形成し、これによってポリ−L−乳酸単独またはポリ−D−乳酸単独の結晶よりも約50℃程度高い融点を示すようになるため、耐熱性機械的特性の改良されたバイオプラスチックとして、外装部品などの成形品などに適用できることが知られている(特許文献1)。

0004

また、このようなステレオコンプレックス型のポリ乳酸の結晶構造を共重合成分としてポリマーに導入する場合に、末端官能基カルボキシル基である割合が50%を超えるポリ−L−乳酸および末端官能基がカルボキシル基である割合が50%を超えるポリ−D−乳酸を含有する混合物を、ポリイソシアネート化合物との反応によりアミド結合させて得られるポリ乳酸系樹脂が知られている(特許文献2)。

先行技術

0005

特開2012−76462号公報
再表2011−002004号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかし、特許文献2に記載されているステレオコンプレックス型ポリ乳酸は、末端官能基の少なくとも一方がカルボキシル基であるポリ−L−乳酸と、同様に末端官能基の少なくとも一方がカルボキシル基であるポリ−D−乳酸のオリゴマー混合物をポリイソシアネート化合物と反応させてアミド結合させるものであるため、反応時に二酸化炭素ガスが副生しやすく、発泡を防止するために二酸化炭素を除去する必要があり、またアミド結合の反応温度は40〜200℃という高温であり、常温での注型成型などは困難である。

0007

また、特許文献2に記載されているステレオコンプレックス型ポリ乳酸は、樹脂中に副生するアゾ化合物などによって着色が起こりやすいという問題も有しており、品質が安定していて製造が容易であり、かつ強度および耐熱性に優れたポリ乳酸系樹脂とすることは容易ではない。

0008

そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決してセグメント化ポリウレタンなどに高融点の結晶性セグメントを導入可能なステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物とし、これにより製造容易性と品質安定性および耐熱性に優れたステレオコンプレックスポリ乳酸セグメントを有するポリウレタンなどのポリ乳酸系樹脂とすることである。

課題を解決するための手段

0009

上記の課題を解決するため、この発明においては、L−乳酸オリゴマーの両末端水酸基を有するテレケリックL−乳酸プレポリマーおよびD−乳酸オリゴマーの両末端に水酸基を有するテレケリックD−乳酸プレポリマー質量比で2:8から8:2の範囲の割合で混合したステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物としたのである。

0010

上記したように構成されるこの発明のポリ乳酸プレポリマー組成物は、両末端に水酸基を有するテレケリックL−乳酸プレポリマーおよびテレケリックD−乳酸プレポリマーを所定の割合で混合したポリ乳酸プレポリマー組成物としたので、プレポリマーの重合を進めて得られるポリマーについて、ステレオコンプレックスポリ乳酸の結晶性による優れた耐熱性および生分解性併有する特性を備えることができる。

0011

また、この発明のステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物は、両末端が水酸基化されたテレケリックL,D−乳酸プレポリマーがポリエステルポリオールとして作用し、例えばイソシアネート化合物と反応してウレタン結合を形成するので、ステレオコンプレックス結晶ポリ乳酸の耐熱性および生分解性をポリウレタン樹脂のセグメントに付与でき、しかもこのものは通常のポリウレタン樹脂の製造工程と同様に常温での成型が可能であり、重合反応においては着色や発泡が起こりにくく、安定した品質で得られるものになる。

0012

上記のテレケリックL−乳酸プレポリマーおよびテレケリックD−乳酸プレポリマーの数平均分子量(Mn)は、2000〜7000であることがステレオコンプレックス型ポリ乳酸セグメントを安定的に形成するために好ましい。

0013

また、上記したステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物は、ポリマーの材料として、ハードセグメントとしてのステレオコンプレックス型ポリ乳酸セグメントを形成可能なものであり、さらにソフトセグメントを形成するために、ポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールを含有させることも可能である。例えば、アジピン酸もしくはセバシン酸由来ポリオールなどのポリエステルポリオール、またはポリプロピレングリコールポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオールを含有するポリ乳酸プレポリマー組成物とすれば、所要弾性を有する弾性ポリマーを調製することができる。

0014

これらのポリ乳酸プレポリマーをさらに重合または架橋を進めて、融点が190℃を超えるような優れた耐熱性を有し、かつバイオプラスチックとして所要特性を備えたポリマーを得ることができる。
たとえば、上記のステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物とジイソシアネートとを反応させてステレオコンプレックスポリ乳酸セグメントを有するポリウレタンを製造でき、または上記のステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物とビスフェノールジグリシジルエーテルのようなエポキシ樹脂とを反応させればステレオコンプレックスポリ乳酸セグメントを有するエポキシ樹脂を得ることができる。

発明の効果

0015

この発明は、両末端に水酸基を具備させたテレケリックL−乳酸プレポリマーおよびテレケリックD−乳酸プレポリマーを所定割合で混合したステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物としたので、これを用いてステレオコンプレックス型ポリ乳酸セグメントを共重合成分とする共重合体を容易に得ることができ、これにより得られるポリマーは、ポリ乳酸由来の生分解性を有すると共に、優れた耐熱性を有する品質の良いポリマーになる利点がある。

図面の簡単な説明

0016

1H−NMRスペクトルと、テレケリックL−乳酸プレポリマー、アジピン酸由来のジオールAPG)、ポリ乳酸ブロック共重合体分子構造との関係を示す図表

0017

この発明の実施形態としてのステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物は、L−乳酸オリゴマーの両末端に水酸基を有するテレケリックL−乳酸プレポリマーおよびD−乳酸オリゴマーの両末端に水酸基を有するテレケリックD−乳酸プレポリマーを質量比で2:8から8:2の範囲の割合で含有するものである。

0018

テレケリックL−乳酸プレポリマー(以下、HO−OLLA−OHと略記する場合がある。)は、直接重縮合法により得られる数平均分子量(Mn)2000〜7000、好ましくは2000〜4000のものであり、下記の化1に示されるようにL−乳酸に対し、アルカンジオールなどのジオールと反応させて、両末端に水酸基(−OH)を有するオリゴマーとしたポリ−L−乳酸プレポリマーである。

0019

化1の式中に繰り返し単位の数を整数で示す符号m,nは、特に限定されるものではなく、HO−OLLA−OHの分子量に対応して変動するものである。

0020

0021

上記の化1の式では、直接重縮合反応の原材料としてL−乳酸を用いたが、D−乳酸を用いた場合においても同様にして、テレケリックD−乳酸プレポリマー(以下、HO−ODLA−OHと略記する場合がある。)であるポリ−D−乳酸プレポリマーを得ることができる。

0022

上記したジオールは、例えば1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオールのような炭素数2〜18程度のアルカンジオールを採用することができ、他にはジエチレングリコールジプロピレングリコールなどのジオールエーテル類やジエタノールエチルアミンなどのジオールアミンなどを用いることもできる。

0023

また、L−乳酸またはD−乳酸に対するジオールとの反応は、パラトルエンスルホン酸(p−TSA)などの触媒を加えながら、例えば150℃程度に加熱し、かつ攪拌しながら重縮合反応を促進させて行なうことが好ましい。

0024

前述のようにテレケリックL−乳酸プレポリマーおよびテレケリックD−乳酸プレポリマーの配合割合を質量比で2:8から8:2の範囲の割合とする理由は、混合によってプレポリマー自体にステレオコンプレックスポリ乳酸が形成されるようにするためであると共に、またプレポリマーの重合を進めてポリマーを得る際には、ポリマー中にステレオコンプレックス結晶ポリ乳酸からなるセグメントが確実に導入されるようにするためであり、これによってプレポリマーを用いて製造されるポリマーの融点を高め、耐熱性を改良するためである。そのような理由により好ましい配合割合としては、等量ずつ(5:5)の配合が目安であり、3:7から7:3、より好ましくは4:6から6:4の範囲である。

0025

また、テレケリックL−乳酸プレポリマーおよびテレケリックD−乳酸プレポリマーの数平均分子量(Mn)は、2000〜7000であるように調整することが、得られるポリマーに十分な機械的強度を持たせることができ、かつラセミ化が起こりにくく、また反応するときに残存するモノマーが少ないなどの点から好ましい。また、Mn=2000未満の低分子量では、ポリマー中にステレオコンプレックス結晶ポリ乳酸からなるセグメントを効率よく形成することが容易でなくなって好ましくない。また、Mn=7000を超える高分子量では、混合する際に攪拌が容易でなく、ステレオコンプレックス結晶ポリ乳酸からなるセグメントの形成や、粘度上昇により鎖延長反応が進行しにくくなることとなって好ましくないからである。このような理由から、より好ましいL,D−乳酸プレポリマーの数平均分子量(Mn)は、2000〜4000である。

0026

このようなテレケリックL−乳酸プレポリマー(HO−OLLA−OH)およびテレケリックD−乳酸プレポリマー(HO−ODLA−OH)の等量混合物または上記所定範囲で配合された混合物は、溶融混合または溶媒に溶解した状態での混合によって以下の化2で示される式で示されるようにジイソシアネートと反応させ、HO−OLLA−OHおよびHO−ODLA−OHの各オリゴマーの鎖をそれぞれ延長させ、L−ポリ乳酸またはD−ポリ乳酸からなるセグメントとポリウレタンからなるセグメントが共重合したポリマーを製造できる。なお、化2の式中には、HO−ODLA−OHの例の記載は省略した。

0027

0028

このようにして得られたポリ乳酸−ポリウレタンは、溶融混合状態にするか、または溶媒に溶解した状態で混合すると、乳酸またはD−ポリ乳酸からなるセグメント同士はステレオコンプレックス結晶を形成する。

0029

また、HO−OLLA−OHおよびHO−ODLA−OHの混合物に加えて、アジピン酸プロピレングリコール(APG)などのアジピン酸もしくはセバシン酸由来のポリオールなどのポリエステルポリオール、またはポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオールを含有させることも可能であり、これにより所要の弾性を有する弾性ポリマーを調製することもできる。

0030

なお、このようにして得られるステレオコンプレックスポリ乳酸セグメントを有するセグメント化ポリウレタンまたはエポキシ樹脂には、この発明の目的を損なわない範囲内で、通常の添加剤、例えば、可塑剤酸化防止剤光安定剤紫外線吸収剤熱安定剤滑剤離形剤、各種フィラー帯電防止剤難燃剤発泡剤充填剤抗菌抗カビ剤核形成剤染料顔料を含む着色剤等を所望に応じて含有することができる。

0031

また、この発明により得られるステレオコンプレックスポリ乳酸セグメントを有するセグメント化ポリウレタンまたはエポキシ樹脂は、従来公知の方法により成形されうるが、成形品の例としては、例えば、包装容器フィルムシート、繊維、布、不織布、農業用資材園芸用資材漁業用資材土木建築用資材文具医療用品、または電気電子用部品などが挙げられる。

0032

以下の実施例および比較例並びに製造例において、使用した薬品類一括して以下の表1に示した。

0033

0034

また、実施例および比較例並びに製造例に対する評価試験については、(1)核磁気共鳴スペクトル(NMR)、(2)重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子量分布(MwD)および(3)熱的測定を以下の方法で行なった。

0035

(1)NMR
600MHz 1H−NMRをBruker社製のAV600を用い、内部標準としてテトラメチルシランTMS)を0.3体積%含む重クロロホルムを溶媒として用いて測定した。なお、スペクトルピークと、テレケリックOLLA、アジピン酸由来のジオール(APG)、ポリ乳酸ブロック共重合体の分子構造との関係については、図1に示した。

0036

(2)重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分子量分布(MwD)
PC法により、ポリスチレン換算の値を測定した。使用した測定機器等の測定条件は、下記の表2に示した通りである。なお、分子量分布(MwD)は、測定された重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)とから、MWD=Mw/Mnの数式により算出した。

0037

0038

(3)熱的特性
示差走査熱量測定計(株式会社島津製作所製:DSC−50)を用いて測定した。試料3mgをアルミニウムパンに入れ、下記表3に示すL体あるいはL体とD体の混合物に対して(a)〜(c)または(d)〜(f)の条件で、20ml/分の流速窒素ガスを流して測定を行なった。

0039

0040

[製造例1]<テレケリックL−乳酸プレポリマー(HO−OLLA−OH)の合成>
前記化1に示す反応式で示される直接重縮合法により、L−乳酸に対してジオールを所定の配合比率で配合し、触媒としてパラトルエンスルホン酸(p−TSA)を加えながら150℃で反応させてL−乳酸オリゴマーの両末端に水酸基を有するHO−OLLA−OHを製造した。詳細に説明すると、二つ口フラスコに、L-乳酸10.0g(100.0 mmol)、ドデカメチレングリコール337.4mg(1.65 mmol)およびp-トルエンスルホン酸を0.3wt%加え、窒素置換を3回行ない、続いて150℃に加熱して、30Torrで水を留去しながら24時間攪拌した。得られた重合物を室温下まで冷却し、HO−OLLA−OHを得た。

0041

得られたHO−OLLA−OHの収率(Yield)は、71.8%であった。このHO−OLLA−OHの1H−NMRのスペクトルデータを以下の表4に示す。

0042

0043

[製造例2]<テレケリックD−乳酸プレポリマー(HO−ODLA−OH)の合成>
二つ口フラスコに、D-乳酸10.0g(100.0 mmol)、ドデカメチレングリコール337.4mg(mmol)およびp-トルエンスルホン酸を0.3 wt%加え、窒素置換を3回行なった。続いて150℃に加熱して、30Torrで水を留去しながら24時間攪拌した。得られた重合物を室温下まで冷却し、HO−ODLA−OHを得た。HO−ODLA−OHの収率は72.1%であった。1H−NMRのスペクトルデータを、以下の表5に示す。

0044

0045

製造例1および製造例2と同様の条件で、アルカンジオールとして、1,3-プロパンジオール(PD)、1,4-ブタンジオール(BD)、1,6-ヘキサンジオール(HD)、1,10-デカンジオール(DD)、1,12-ドデカメチレングリコール(DMG)を用いて乳酸とアルカンジオールの仕込み比を30:1あるいは60:1になるように重合を行なった。その結果を表6に示した。

0046

表6以下の説明では、30:1の割合でL-乳酸とPD、BD、HD、DD、DMGをそれぞれの仕込みで得られたHO−OLLA−OH生成物をPD−L30、BD−L30、HD−L30、DD−L30、DMG−L30と表記し、30:1の割合でD-乳酸とBD、DMGをそれぞれの仕込みで得られたHO−ODLA−OH生成物をBD−D30、DMG−D30と表記した。

0047

また、60:1の割合でL-乳酸とBD、DMGをそれぞれの仕込みで得られたHO−OLLA−OH生成物をBD−L60、DMG−L60と表記し、60:1の割合でD-乳酸とDMGをそれぞれの仕込みで得られたHO−ODLA−OH生成物をDMG−D60と表記した。なお、L-乳酸およびD-乳酸を同様の条件で合成した生成物をL−LA、D−LAと表記した。

0048

0049

表6に示した結果からも明らかなように、乳酸とアルカンジオールの仕込み比により、得られるHO−OLLA−OHとHO−ODLA−OH分子量の制御が可能となり、2000−3000の分子量を有するテレケリック乳酸プレポリマーを得た。また、第1級水酸基を有するアルカンジオールを加えることで、分子量分布が2以下のテレケリック乳酸プレポリマーを得た。
表6で示した試料の熱的特性の結果を表7に示した。

0050

[実施例1、2]
DMG−L30とDMG−D30を重量比で1:1に混合した実施例1のステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物(DMG−30(L+D))、DMG−L60とDMG−D60を重量比で1:1に混合した実施例2のステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物(DMG−60(L+D))を調製した。
この実施例1、2についても熱的特性の結果を表7中に併記した。

0051

0052

表7の結果からも明らかなように、乳酸とアルカンジオールを30:1の仕込みで得たテレケリック乳酸プレポリマーは結晶性が低いものの約120℃の融点を示し、また乳酸とアルカンジオールを60:1で仕込んだテレケリック乳酸プレポリマーでは、約130℃の融点を有していることが分かった。アルカンジオールの炭素数が増えるにつれて、ガラス転移温度(Tg)が低くなる傾向が見られた。

0053

また、DMG−L30とDMG−D30 あるいはDMG−L60とDMG−D60を重量比で1:1に混合した実施例1のステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物(DMG−30(L+D))および実施例2のステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物(DMG−60(L+D))では、ステレオコンプレックスの形成により、Tgは変わらないが融点が約60℃以上向上し、融解エンタルピー(DHm)が増大したことから、結晶性の高い高融点のステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物が得られることが分かった。

0054

[製造例3]<HO−OLLA−OHの合成>
二つ口フラスコに、L-乳酸100g(1.00 mmol)、1,4-butanediol 9.1g(101.0mmol)およびp-トルエンスルホン酸0.33g(0.3 wt%)加え、窒素置換を3回行った。続いて150℃に加熱して、30Torrで水を留去しながら24時間攪拌した後、塩化スズ0.33g(0.3 wt%)加えて、150℃、30Torrで24時間加熱した。得られた重合物を室温下まで冷却し、HO−OLLA−OHを得た。HO−OLLA−OHの収率は73.0%であった。

0055

[製造例4]<HO−ODLA−OHの合成>
二つ口フラスコに、D−乳酸100g(1.00 mol)、1,4-butanediol 9.1g(101.0 mmol)を加え、窒素置換を3回行った。続いて150℃に加熱して、30Torrで水を留去しながら12時間攪拌した後、オクチル酸スズ0.33g(0.3 wt%)加えて、150℃、30Torrで24時間加熱した。得られた重合物を室温下まで冷却し、HO−ODLA−OHを得た。HO−ODLA−OHの収率は68.0%であった。

0056

[比較例1、2]
製造例1あるいは製造例3で得られたHO−OLLA−OH(2g)およびアジピン酸/1,2-プロパンジオール由来のポリエステルポリオール(APG)(1g)を重量比で2:1になるように攪拌機を付けた50mlの三つ口フラスコに仕込み、室温(20℃)で3時間真空乾燥後、室温下にて窒素置換を3回行なった。オクチル酸スズを8.3μmol(3.36 mg)添加し、180℃にて10分加熱した後、ヘキサメチレンジイソシアネートを0.685g(4.1 mmol)加え30分間加熱した。得られた重合物を室温まで冷却し、ジクロロメタンで溶解し攪拌した。得られた溶液を、過剰のメタノール中に再沈殿させた。沈殿物を、濾過分離し乾燥した。
生成物であるポリ乳酸ブロック共重合体の1H−NMRのスペクトルデータを、下記表8に示した。

0057

0058

[実施例3、4]
化2で示される反応式に従って、ポリ乳酸−ポリエステルブロック共重合体を製造した。すなわち、製造例1で得られたHO−OLLA−OH(1g)と製造例2で得られたHO−ODLA−OH(1g)とを併用し(実施例3)、また製造例3で得られたHO−OLLA−OH(1g)と製造例4で得られたHO−ODLA−OH(1g)を併用し(実施例4)、これらに対してそれぞれアジピン酸/1,2-プロパンジオール由来のポリエステルポリオール(APG)(1g)を重量比で1:1:1になるように攪拌機を付けた50mlの三つフラスコに仕込み、室温(20℃)で3時間真空乾燥後、室温下にて窒素置換を3回行なった。オクチル酸スズを8.3μmol(3.36 mg)添加し、190℃にて10分加熱した後、ヘキサメチレンジイソシアネートを0.677g(4.02 mmol)加えて30分間加熱した。得られた重合物を室温下まで冷却し、ジクロロメタンとHFIPの混合溶媒(90/10 vol%)で溶解し攪拌した。得られた溶液を、過剰のメタノール中に再沈殿させ、沈殿物を濾過分離して乾燥した。得られた生成物であるポリ乳酸ブロック共重合体の1H−NMRのスペクトルデータを、下記表9に示した。

0059

0060

[実施例5]
実施例3,4と同様に、ポリ乳酸−ポリエーテルブロック共重合体を製造した。すなわち、製造例1で得られたHO−OLLA−OH(1g)と製造例2で得られたHO−ODLA−OH(1g)とを併用し、また製造例3で得られたHO−OLLA−OH(1g)と製造例4で得られたHO−ODLA−OH(1g)を併用し、これらに対してそれぞれポリプロピレングリコールポリオール(PPG)(1g)を重量比で1:1:1になるように攪拌機を付けた50mlの三つフラスコに仕込み、室温(20℃)で3時間真空乾燥後、室温下にて窒素置換を3回行なった。オクチル酸スズを8.3μmol(3.36 mg)添加し、190℃にて10分加熱した後、ヘキサメチレンジイソシアネートを0.677g(4.02 mmol)加えて15分間加熱した。得られた重合物を室温下まで冷却し、ジクロロメタンとHFIPの混合溶媒(90/10 vol%)で溶解し攪拌した。得られた溶液を、過剰のメタノール中に再沈殿させ、沈殿物を濾過分離して乾燥した。

0061

比較例1、2および実施例3、4と同様の条件でHO−OLLA−OH、HO−ODLA−OH、APG、ヘキサメチレンジイソシアネートの所定量を混合し重合した結果を表10に示した。
同表中にはDMG-L60とAPGをそれぞれ2g、1g混合し、ヘキサメチレンジイソシアネートで鎖延長した生成物をPU(DMG-L60(2)+APG(1))と表記した。また、BD-L10(3g)をヘキサメチレンジイソシアネートで鎖延長した生成物をPU(BD-L10)と表記した。またDMG-L60とDMG-D60とAPGをそれぞれ1g、1g、1gあるいは0.7g、0.3g、1g混合し、ヘキサメチレンジイソシアネートで鎖延長した生成物をPU(DMG-L60(1)+DMG-D60(1)+APG(1))、PU(DMG-L60(0.7)+DMG-D60(0.3)+APG(1))と表記した。ヘキサメチレンジイソシアネートをHMDIと表記した。

0062

0063

表10の結果からも明らかなように、ステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物をヘキサメチレンジイソシアネートで鎖延長後、分子量が増大したことを確認した。また、NMR測定の結果(図1)より、ヘキサメチレンジイソシアネートで鎖延長後ではAPGの末端(3.92-4.15, )およびポリ乳酸プレポリマーの末端(4.35-4.44 ppm)のピークは消失し、ヘキサメチレンジイソシアネートとの結合によるピーク(3.26-3.34, 4.9-5.0 ppm)が現れたことから、鎖延長反応が進行していることを確認した。
次に得られたポリ乳酸ポリウレタンのDSC測定の結果を表11に示す。

0064

実施例

0065

表11の結果からも明らかなように、二次加熱での測定(2nd heating scan)では、比較例1のPU(BD-L10)および比較例2のPU(DMG-L60(2)+APG(1))は結晶性が低く、融点が観測されなかったが、L体とD体の混合物であるステレオコンプレックス結晶性ポリ乳酸プレポリマー組成物を用いた実施例3のPU(L60(0.7)+D60(0.3)+APG(1))と実施例4のPU(DMG-L60(1)+D60(1)+APG(1))は、約170-180℃の融解ピークが観測され、実施例5のPU(DMG-L60(1)+D60(1)+PPG(1))も二次加熱により約163℃の融解ピークが観測されたことから、ステレオコンプレックス形成により融点の向上と結晶性の向上が確認できた。

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