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技術 内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法

出願人 三菱電機株式会社
発明者 末永元康
出願日 2013年5月10日 (6年10ヶ月経過) 出願番号 2013-100187
公開日 2014年11月20日 (5年3ヶ月経過) 公開番号 2014-218969
状態 特許登録済
技術分野 点火時期の電気的制御 機関出力の制御及び特殊形式機関の制御
主要キーワード 位相角変化 偏差閾値 準定常状態 準定常 回転位相角 クランク角位相 相対回転角 実施条件
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (8)

課題

運転状態の変化が少ない内燃機関においても、エミッション及びバッテリ電力消費を抑制して可変バルブタイミング機構応答異常の有無を診断することができる内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法を得る。

解決手段

可変バルブタイミング機構(10)の応答異常の有無を診断する可変バルブタイミング機構診断部(20)は、運転状態が予め設定された診断実施条件を満たす場合に診断許可信号を出力する診断実施条件判定部(M7)と、目標回転位相角を診断用目標値に切替える目標回転位相角切替え部(M8)と、運転状態に応じた診断時補正量を算出して補正する診断時点火時期補正部(M10)と、診断実施時間td経過後に回転位相角偏差drが、|偏差dr|≧|偏差閾値dj|の関係を満たす場合に可変バルブタイミング機構に応答異常が発生したと判定する異常判定部(M9)とを有する。

概要

背景

内燃機関可変バルブタイミング機構は、吸気バルブ及び排気バルブ開閉タイミングを制御している。このような可変バルブタイミング機構の診断装置としては、吸気カム軸及び排気カム軸回転位相角目標値(以下、目標回転位相角と呼ぶ)をステップ状に大きく変化させ、目標回転位相角の変化に対する回転位相角の実測値(以下、実回転位相角と呼ぶ)の応答性を測定することにより、可変バルブタイミング機構の応答異常の有無を検出するものがある(例えば、特許文献1参照)。

特許文献1では、吸気カム軸及び排気カム軸の目標回転位相角をステップ状に大きく変化させてから診断実施時間tdが経過した時点において、目標回転位相角と実回転位相角との偏差を測定している。そして、この回転位相角の偏差が、予め定めた偏差閾値以上である場合に、可変バルブタイミング機構に応答異常が発生したと判定している。

概要

運転状態の変化が少ない内燃機関においても、エミッション及びバッテリ電力消費を抑制して可変バルブタイミング機構の応答異常の有無を診断することができる内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法を得る。可変バルブタイミング機構(10)の応答異常の有無を診断する可変バルブタイミング機構診断部(20)は、運転状態が予め設定された診断実施条件を満たす場合に診断許可信号を出力する診断実施条件判定部(M7)と、目標回転位相角を診断用目標値に切替える目標回転位相角切替え部(M8)と、運転状態に応じた診断時補正量を算出して補正する診断時点火時期補正部(M10)と、診断実施時間td経過後に回転位相角の偏差drが、|偏差dr|≧|偏差閾値dj|の関係を満たす場合に可変バルブタイミング機構に応答異常が発生したと判定する異常判定部(M9)とを有する。

目的

本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、運転状態の変化が少ない内燃機関においても、エミッション及びバッテリの電力消費を抑制して可変バルブタイミング機構の応答異常の有無を診断することができる内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法を得ることを目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一つの開閉タイミング可変とする可変バルブタイミング機構を備えた内燃機関制御装置であって、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出部と、前記運転状態検出部で検出された前記運転状態に応じて基本点火時期を設定し、設定した前記基本点火時期に従って前記内燃機関の点火時期を制御する点火時期制御部と、前記吸気バルブ及び前記排気バルブの回転位相角実測値実回転位相角として検出する実回転位相角検出部と、前記運転状態検出部で検出された前記運転状態に応じて、前記吸気バルブ及び前記排気バルブの前記回転位相角の目標値を目標回転位相角として算出する目標回転位相角算出部と、前記目標回転位相角算出部で算出された前記目標回転位相角と、前記実回転位相角検出部で検出された前記実回転位相角との偏差drを算出する回転位相角偏差算出部と、前記回転位相角偏差算出部で算出された前記偏差drに基づいて、前記実回転位相角が前記目標回転位相角に追従するように、前記可変バルブタイミング機構を制御する回転位相角制御部と、前記回転位相角制御部による制御に応じて変化する前記偏差drの大きさから、前記可変バルブタイミング機構の応答異常の有無を診断する可変バルブタイミング機構診断部とを備え、前記可変バルブタイミング機構診断部は、前記運転状態検出部により検出された前記運転状態が、予め設定された診断実施条件を満たすと判断した場合に、診断許可信号を出力する診断実施条件判定部と、前記診断許可信号を入力した場合に、前記目標回転位相角算出部に対して、前記目標回転位相角を、予め設定された診断用目標値に切替えるよう指示する目標回転位相角切替え部と、前記運転状態と、エミッションを抑制するための前記点火時期の遅角量に相当する診断時補正量との対応関係を示す診断時点時期補正量マップが予め記憶された記憶部と、前記診断許可信号を入力した場合に、前記記憶部に記憶された前記診断時点火時期補正量マップに従って、前記運転状態検出部で検出された前記運転状態に応じた診断時補正量を算出し、前記点火時期制御部で設定された前記基本点火時期から前記診断時補正量を減算することにより、前記点火時期を診断時点火時期として補正する診断時点火時期補正部と、前記目標回転位相角が前記診断用目標値に切替わり、前記診断時点火時期補正部による前記診断時点火時期に基づいて前記回転位相角制御部による制御を開始してから予め設定された診断実施時間td経過後に前記回転位相角偏差算出部で算出された前記偏差drが、|前記偏差dr|≧|予め定めた偏差閾値dj|の関係を満たす場合に、前記可変バルブタイミング機構に前記応答異常が発生したと判定する異常判定部とを有する内燃機関の制御装置。

請求項2

請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、前記運転状態検出部は、前記内燃機関の前記運転状態として、前記内燃機関の回転速度及び充填効率を検出し、前記診断実施条件判定部は、前記運転状態検出部で検出された前記回転速度が第1の許容変化幅以内であり、かつ前記運転状態検出部で検出された前記充填効率が第2の許容変化幅以内である状態が、診断条件判定時間tj以上継続した場合に、前記診断実施条件を満たすと判断する内燃機関の制御装置。

請求項3

請求項1に記載の内燃機関の制御装置において用いられる内燃機関の制御方法であって、前記可変バルブタイミング機構診断部において、前記運転状態検出部により検出された前記運転状態が、予め設定された診断実施条件を満たすと判断した場合に、診断許可信号を出力する診断実施条件判定ステップと、前記診断許可信号を入力した場合に、前記目標回転位相角算出部に対して、前記目標回転位相角を、予め設定された診断用目標値に切替えるよう指示する目標回転位相角切替えステップと、前記診断許可信号を入力した場合に、前記記憶部に記憶された前記診断時点火時期補正量マップに従って、前記運転状態検出部で検出された前記運転状態に応じた診断時補正量を算出し、前記点火時期制御部で設定された前記基本点火時期から前記診断時補正量を減算することにより、前記点火時期を診断時点火時期として補正する診断時点火時期補正ステップと、前記目標回転位相角が前記診断用目標値に切替わり、前記診断時点火時期補正部による前記診断時点火時期に基づいて前記回転位相角制御部による制御を開始してから予め設定された診断実施時間td経過後に前記回転位相角偏差算出部で算出された前記偏差drが、|前記偏差dr|≧|予め定めた偏差閾値dj|の関係を満たす場合に、前記可変バルブタイミング機構に前記応答異常が発生したと判定する異常判定ステップとを有する内燃機関の制御方法。

技術分野

0001

本発明は、可変バルブタイミング機構診断機能を有する内燃機関制御装置に関するものである。

背景技術

0002

内燃機関の可変バルブタイミング機構は、吸気バルブ及び排気バルブ開閉タイミングを制御している。このような可変バルブタイミング機構の診断装置としては、吸気カム軸及び排気カム軸回転位相角目標値(以下、目標回転位相角と呼ぶ)をステップ状に大きく変化させ、目標回転位相角の変化に対する回転位相角の実測値(以下、実回転位相角と呼ぶ)の応答性を測定することにより、可変バルブタイミング機構の応答異常の有無を検出するものがある(例えば、特許文献1参照)。

0003

特許文献1では、吸気カム軸及び排気カム軸の目標回転位相角をステップ状に大きく変化させてから診断実施時間tdが経過した時点において、目標回転位相角と実回転位相角との偏差を測定している。そして、この回転位相角の偏差が、予め定めた偏差閾値以上である場合に、可変バルブタイミング機構に応答異常が発生したと判定している。

先行技術

0004

特開平11−002141号公報

発明が解決しようとする課題

0005

しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
特許文献1の内燃機関の制御装置では、可変バルブタイミング機構の応答異常の有無を診断するために、吸気カム軸及び排気カム軸の目標回転位相角を、ステップ状に大きく変化させる必要がある。

0006

しかしながら、例えばハイブリッド車では、発電機を駆動することを目的に、発電効率が良い中回転中負荷領域で、内燃機関を準定常運転させている。この結果、内燃機関の回転速度及び充填効率等の運転状態の変化が小さくなり、運転状態に応じて設定される目標回転位相角を、大きく変化させることができないという課題があった。

0007

ハイブリッド車に代表されるような、運転状態の変化が少ない内燃機関においても、可変バルブタイミング機構を診断できるようにする方法の1つとして、燃料カットを発生させる方法がある。

0008

一般的な内燃機関においては、燃料カット中の目標回転位相角は、位相角変化量=0(例えば、吸気バルブは最遅角)に設定され、中回転中負荷領域の目標回転位相角は、中間位相角に設定されるようになっている。そこで、中回転中負荷領域で運転中に燃料カットを実施することにより、目標回転位相角を強制的に、位相角変化量=0に変化させることができる。

0009

しかしながら、この方法では、燃料カット中の内燃機関の運転状態を安定させるため、発電機によって内燃機関を回転させる必要があり、バッテリ電力消費してしまうという課題があった。

0010

また、燃料カットを発生させないで、可変バルブタイミング機構を診断できるようにする別の方法として、目標回転位相角を強制的に変化させる方法がある。しかしながら、この方法では、吸気バルブと排気バルブのオーバーラップが、内燃機関の運転状態に応じて最適に設定されなくなってしまうため、排気エミッションが悪化してしまうという課題があった。

0011

本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、運転状態の変化が少ない内燃機関においても、エミッション及びバッテリの電力消費を抑制して可変バルブタイミング機構の応答異常の有無を診断することができる内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法を得ることを目的とする。

課題を解決するための手段

0012

本発明に係る内燃機関の制御装置は、吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一つの開閉タイミングを可変とする可変バルブタイミング機構を備えた内燃機関の制御装置であって、内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出部と、運転状態検出部で検出された運転状態に応じて基本点火時期を設定し、設定した基本点火時期に従って内燃機関の点火時期を制御する点火時期制御部と、吸気バルブ及び排気バルブの回転位相角の実測値を実回転位相角として検出する実回転位相角検出部と、運転状態検出部で検出された運転状態に応じて、吸気バルブ及び排気バルブの回転位相角の目標値を目標回転位相角として算出する目標回転位相角算出部と、目標回転位相角算出部で算出された目標回転位相角と、実回転位相角検出部で検出された実回転位相角との偏差drを算出する回転位相角偏差算出部と、回転位相角偏差算出部で算出された偏差drに基づいて、実回転位相角が目標回転位相角に追従するように、可変バルブタイミング機構を制御する回転位相角制御部と、回転位相角制御部による制御に応じて変化する偏差drの大きさから、可変バルブタイミング機構の応答異常の有無を診断する可変バルブタイミング機構診断部とを備え、可変バルブタイミング機構診断部は、運転状態検出部により検出された運転状態が、予め設定された診断実施条件を満たすと判断した場合に、診断許可信号を出力する診断実施条件判定部と、診断許可信号を入力した場合に、目標回転位相角算出部に対して、目標回転位相角を、予め設定された診断用目標値に切替えるよう指示する目標回転位相角切替え部と、運転状態と、エミッションを抑制するための点火時期の遅角量に相当する診断時補正量との対応関係を示す診断時点時期補正量マップが予め記憶された記憶部と、診断許可信号を入力した場合に、記憶部に記憶された診断時点火時期補正量マップに従って、運転状態検出部で検出された運転状態に応じた診断時補正量を算出し、点火時期制御部で設定された基本点火時期から診断時補正量を減算することにより、点火時期を診断時点火時期として補正する診断時点火時期補正部と、目標回転位相角が診断用目標値に切替わり、診断時点火時期補正部による診断時点火時期に基づいて回転位相角制御部による制御を開始してから予め設定された診断実施時間td経過後に回転位相角偏差算出部で算出された偏差drが、|偏差dr|≧|予め定めた偏差閾値dj|の関係を満たす場合に、可変バルブタイミング機構に応答異常が発生したと判定する異常判定部とを有するものである。

0013

また、本発明に係る内燃機関の制御方法は、本発明に係る内燃機関の制御装置において用いられる内燃機関の制御方法であって、可変バルブタイミング機構診断部において、運転状態検出部により検出された運転状態が、予め設定された診断実施条件を満たすと判断した場合に、診断許可信号を出力する診断実施条件判定ステップと、診断許可信号を入力した場合に、目標回転位相角算出部に対して、目標回転位相角を、予め設定された診断用目標値に切替えるよう指示する目標回転位相角切替えステップと、診断許可信号を入力した場合に、記憶部に記憶された診断時点火時期補正量マップに従って、運転状態検出部で検出された運転状態に応じた診断時補正量を算出し、点火時期制御部で設定された基本点火時期から診断時補正量を減算することにより、点火時期を診断時点火時期として補正する診断時点火時期補正ステップと、目標回転位相角が診断用目標値に切替わり、診断時点火時期補正部による診断時点火時期に基づいて回転位相角制御部による制御を開始してから予め設定された診断実施時間td経過後に回転位相角偏差算出部で算出された偏差drが、|偏差dr|≧|予め定めた偏差閾値dj|の関係を満たす場合に、可変バルブタイミング機構に応答異常が発生したと判定する異常判定ステップとを有するものである。

発明の効果

0014

本発明によれば、エミッションが悪化する可変バルブタイミング機構の診断中は、予め作成した診断時点火時期補正量マップに従って、内燃機関の点火時期を補正している。この結果、運転状態の変化が少ない内燃機関においても、エミッション及びバッテリの電力消費を抑制して可変バルブタイミング機構の応答異常の有無を診断することができる内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法を得ることができる。

図面の簡単な説明

0015

一般的なハイブリッド車の構成を示す例示図である。
本発明の実施の形態1における内燃機関の構成を示す例示図である。
本発明の実施の形態1における内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。
本発明の実施の形態1における、排気バルブに固着異常が発生している場合の内燃機関の制御装置のタイミングチャートである。
本発明の実施の形態1における、可変バルブタイミング機構が正常な場合の内燃機関の制御装置のタイミングチャートである。
本発明の実施の形態1における、エミッションを抑制するための点火時期の診断時補正量と内燃機関の運転状態との関係を示す診断時点火時期補正量マップの例示図である。
本発明の実施の形態1における可変バルブタイミング機構診断部の処理を示すフローチャートである。

実施例

0016

以下、本発明における内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法の好適な実施の形態について図面を用いて説明する。なお、各図において同一、または相当する部分については、同一符号を付して説明する。

0017

実施の形態1.
図1は、一般的なハイブリッド車の構成を示す例示図である。まず、図1を用いて、ハイブリッド車の仕組みについて説明する。

0018

ハイブリッド車では、内燃機関1を用いて発電機5を駆動させることにより、交流電力を発生させている。また、車両の減速時には、駆動輪9の回転を利用してモータ6を発電機として動作させることにより、交流電力を発生させることもできる。発電機5及びモータ6の出力電力は、インバータ7によって直流電力に変換され、バッテリ8に蓄えられる。

0019

一方、車両を走行させる場合は、バッテリ8に蓄えた電力でモータ6を駆動することにより、駆動輪9を回転させている。また、内燃機関1を始動させる場合等には、バッテリ8に蓄えた電力で発電機5を駆動し、内燃機関1を回転させることもできる。

0020

図2は、本発明の実施の形態1における内燃機関1の構成を示す例示図である。以下、図2を用いて、内燃機関1の構成要素と機能について説明する。

0021

図2に示す内燃機関1は、可変バルブタイミング機構10、吸気バルブ11、排気バルブ12、クランク軸13、点火プラグ14、スロットルバルブ15、インジェクタ16、触媒コンバータ17、吸気カム角センサS11、排気カム角センサS12、クランク角センサS13、スロットルセンサS15、エアフローセンサS16、空燃比センサS17、及び酸素濃度センサS18を備えて構成される。

0022

また、可変バルブタイミング機構10は、吸気カム軸101、排気カム軸102を備えている。

0023

吸気カム軸101は、クランク軸13の回転に同期して、吸気バルブ11を開閉駆動する。また、同様に、排気カム軸102は、クランク軸13の回転に同期して、排気バルブ12を開閉駆動する。このとき、吸気カム軸101及び排気カム軸102のクランク軸13に対する進角量は、油圧駆動式の可変バルブタイミング機構10によって調整される。

0024

吸気バルブ11の実回転位相角は、吸気カム角センサS11が測定する吸気カム角位相の、クランク角センサS13が測定するクランク角位相に対する相対回転角を求めることにより算出される。また、同様に、排気バルブ12の実回転位相角は、排気カム角センサS12が測定する排気カム角位相の、クランク角センサS13が測定するクランク角位相に対する相対回転角を求めることにより算出される。

0025

内燃機関1の吸気管には、気筒吸入される吸気量を計測するエアフローセンサS16が取り付けられている。また、吸気管の更に下流には、吸気量を調整するスロットルバルブ15が設けられている。スロットルバルブ15の開度は、近傍に設置されたスロットルセンサS15によって検出される。また、吸気管の吸気ポート近傍には、気筒内に燃料を供給するインジェクタ16が設けられている。

0026

内燃機関1の排気管には、気筒から排出される排気ガス浄化する触媒コンバータ17、排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサS17、及び、触媒コンバータ17の下流における酸素濃度を示す酸素濃度センサS18が設けられている。

0027

内燃機関の制御装置2(ECU)は、気筒毎に設けられた点火プラグ14の点火タイミング、スロットルバルブ15の開度、及び、インジェクタ16の燃料噴射量等を制御するとともに、可変バルブタイミング機構10の診断機能を有している。

0028

図3は、本発明の実施の形態1における内燃機関の制御装置2の構成を示すブロック図である。以下、図3を用いて、内燃機関の制御装置2の構成要素と機能について説明する。

0029

図3に示す内燃機関の制御装置2は、運転状態検出部M1、点火時期制御部M2、目標回転位相角算出部M3、実回転位相角検出部M4、回転位相角偏差算出部M5、回転位相角制御部M6、及び可変バルブタイミング機構診断部20を備えて構成される。

0030

また、可変バルブタイミング機構診断部20は、診断実施条件判定部M7、目標回転位相角切替え部M8、異常判定部M9、診断時点火時期補正部M10を備えて構成される。

0031

運転状態検出部M1は、クランク角センサS13、エアフローセンサS16、空燃比センサS17等の測定値に基づいて、内燃機関1の回転速度及び充填効率等の運転状態を検出する。

0032

点火時期制御部M2は、運転状態検出部M1が検出した内燃機関1の運転状態に応じて、内燃機関1の点火時期の目標値である基本点火時期を設定し、設定した基本点火時期に従って内燃機関1の点火時期を制御する。

0033

目標回転位相角算出部M3は、運転状態検出部M1が検出した内燃機関1の運転状態に応じて、吸気バルブ11及び排気バルブ12の回転位相角の目標値を目標回転位相角として算出する。一般的には、吸気バルブ11と排気バルブ12のオーバーラップは、内燃機関1が高回転高負荷であるほど大きく設定される。

0034

実回転位相角検出部M4は、吸気カム角センサS11及び排気カム角センサS12が測定するカム角位相と、クランク角センサS13が測定するクランク角位相との相対回転角を求めることにより、吸気バルブ11及び排気バルブ12の回転位相角の実測値を実回転位相角として検出する。

0035

回転位相角偏差算出部M5は、目標回転位相角算出部M3と実回転位相角検出部M4との算出結果を比較して、目標回転位相角と実回転位相角との偏差drを算出する。

0036

回転位相角制御部M6は、回転位相角偏差算出部M5の出力に基づいて、実回転位相角が目標回転位相角に追従するように、可変バルブタイミング機構10を制御する。

0037

次に、内燃機関の制御装置2の可変バルブタイミング機構診断部20の構成要素と機能について説明する。

0038

診断実施条件判定部M7は、可変バルブタイミング機構10の診断を実施するための条件を判定する。具体的には、内燃機関1の回転速度及び充填効率等の運転状態が、診断条件判定時間tj(例えば、10sec)以上継続して予め定めた変化幅内にあること、すなわち、運転状態が準定常状態であることを確認した場合に、診断実施条件が成立したと判断する。そして、目標回転位相角切替え部M8に対して診断許可信号を出力する。

0039

目標回転位相角切替え部M8は、診断実施条件判定部M7から診断許可信号を入力すると、目標回転位相角を診断用目標値(例えば、位相角変化量=0:吸気バルブは最遅角)に切替えるよう、目標回転位相角算出部M3に指示する。この結果、目標回転位相角算出部M3は、目標回転位相角を、診断用目標値に、ステップ状に大きく変化させる。

0040

異常判定部M9は、実回転位相角の応答性を測定する。具体的には、目標回転位相角が診断用目標値に切替わってから、診断実施時間tdが経過した時点の、目標回転位相角と実回転位相角との偏差drが、予め定めた偏差閾値dj(例えば、25°クランク角度)以上である場合に、可変バルブタイミング機構10に応答異常が発生していると判定する。ここで、診断実施時間tdは、実回転位相角が目標回転位相角に追従するために十分な時間を設定する(例えば、5sec)。

0041

このようにして、ハイブリッド車のような運転状態の変化が少ない内燃機関1においても、可変バルブタイミング機構10の応答異常の有無を診断することができるようになり、吸気バルブ11または排気バルブ12機構の応答性の劣化や、可変バルブタイミング機構10の固着異常等を検出することができるようになる。

0042

図4は、本発明の実施の形態1における、排気バルブ12に固着異常が発生している場合の、内燃機関の制御装置2のタイミングチャートである。以下、図4を用いて、可変バルブタイミング機構10の応答異常の有無の検出方法について説明する。

0043

診断実施条件判定部M7は、診断条件判定中(1)期間において、内燃機関1の回転速度及び充填効率等の運転状態(a)が、診断条件判定時間tj以上継続して予め定めた変化幅内にあることを確認している。そして、時刻t1において、診断実施条件が成立したことを、目標回転位相角切替え部M8に診断許可信号(b)として出力している。

0044

目標回転位相角切替え部M8は、診断実施条件判定部M7から診断許可信号(b)を入力すると同時に、目標回転位相角算出部M3に対して、回転位相角(c)の目標値を診断用に切替えるように指示している。この結果、図4点線に示すように、時刻t1において、回転位相角(c)の目標値がステップ状に大きく変化している。

0045

図4では、排気バルブ12に固着異常が発生しているため、排気バルブ12の回転位相角(c)の実測値は、図4実線に示すように、診断実施時間tdが経過した時刻t2でも、目標値に追従できていない。この結果、排気バルブ12では、|偏差dr|≧|偏差閾値dj|の関係が成立しているため、異常判定部M9は、排気バルブ12に応答異常が発生していると判定する。

0046

一方、吸気バルブ11の回転位相角(c)の実測値は、図4の実線に示すように、診断実施中(2)に、目標値に追従できており、|偏差dr|≧|偏差閾値dj|の関係が成立していないため、異常判定部M9は、吸気バルブ11には応答異常は発生していないと判定する。

0047

異常判定部M9は、診断終了(3)時に、異常判定(f)を外部に出力する。

0048

なお、図4では、簡単のため、点火時期(d)及び吸入空気量(e)が一定であるタイミングチャートを示しているが、図5を用いて後述するように、本発明では、可変バルブタイミング機構10の診断中に、点火時期(d)及び吸入空気量(e)を制御することにより、排気エミッションを抑制させることが可能である。

0049

図5は、本発明の実施の形態1における、可変バルブタイミング機構10が正常な場合の、内燃機関の制御装置2のタイミングチャートである。以下、図5を用いて、可変バルブタイミング機構10の診断中の排気エミッションについて説明する。

0050

図5に示すタイミングチャートは、先の図4に示すタイミングチャートと比べて、可変バルブタイミング機構10が正常で、排気バルブ12に固着異常が発生していない点が異なっている。具体的には、排気バルブ12の回転位相角(c)の実測値は目標値に追従しており、この結果、異常判定部M9は、異常判定(f)を外部に出力していない。

0051

ところで、可変バルブタイミング機構10を採用している内燃機関1では、中回転〜高回転領域において、吸気バルブ11と排気バルブ12のオーバーラップ量を設けるのが一般的である。オーバーラップを大きくすることにより、気筒内の残留ガスが増加して内部EGR(Exhaust Gas Recirculation:排気再循環)効果が生じ、燃焼温度が下がるため、NOx等のエミッションを抑制することができることが知られている。

0052

しかしながら、先の「発明が解決しようとする課題」でも述べたとおり、可変バルブタイミング機構10の診断のために、目標回転位相角を強制的に変化させると、吸気バルブ11と排気バルブ12のオーバーラップが、内燃機関1の運転状態に応じて最適に設定されなくなるため、排気エミッションが悪化してしまうという課題がある。

0053

例えば、図5では、診断用に目標回転位相角を、位相角変化量=0と設定しているため、吸気バルブ11と排気バルブ12のオーバーラップは、時刻t3でほぼ0となっている。この結果、内部EGR量(g)が減少し、燃焼温度(h)が上昇するため、NOx等のエミッション(i)が悪化してしまう。

0054

そこで、本実施の形態1における可変バルブタイミング機構診断部20は、図3に示すように、診断時点火時期補正部M10を備えている。NOxのエミッションに関する特性として、点火時期を遅らせると、燃焼の開始が遅れ膨張行程中に燃焼が進行して燃焼温度が低下するため、NOxの生成が抑制されることが知られている。本実施の形態1における可変バルブタイミング機構診断部20は、この特性を利用して、点火時期の補正処理を実施することにより、診断時のNOx等のエミッションを抑制している。

0055

具体的には、診断実施条件判定部M7は、診断実施条件が成立した際に、目標回転位相角切替え部M8に対して診断許可信号を送信すると同時に、診断時点火時期補正部M10に対しても診断許可信号を出力している。そして、診断時点火時期補正部M10は、診断許可信号を入力すると、運転状態検出部M1が出力する内燃機関1の運転状態に応じて点火時期の診断時補正量(遅角量)を算出し、点火時期制御部M2に出力している。

0056

この結果、点火時期制御部M2は、診断時点火時期補正部M10が出力する点火時期の診断時補正量を反映させて、図5に示すように内燃機関1の点火時期(d)及び吸入空気量(e)を補正して制御することにより、エミッションを抑制することができるようになる。

0057

図6は、本発明の実施の形態1における、エミッションを抑制するための点火時期の診断時補正量と内燃機関1の運転状態との関係を示す診断時点火時期補正量マップの例示図である。

0058

図6に示す診断時点火時期補正量マップは、内燃機関1の運転状態が高回転または高負荷であるほど、燃焼速度が速くなるため、点火時期の遅角量が大きくなるように設定されている。但し、点火時期は、遅角させすぎると発生トルクが大きく低下し、発電性能を損なうことになるため、性能を大きく損なわない範囲で設定されている。

0059

診断時点火時期補正部M10は、可変バルブタイミング機構10の診断中は、図示しない記憶部に予め作成された診断時点火時期補正量マップに従って、内燃機関1の運転状態に応じた点火時期の診断時補正量(遅角量)を算出し、点火時期制御部M2に出力する。

0060

点火時期制御部M2は、診断時における点火時期を、下式に従って算出する。
診断時点火時期(進角量)=基本点火時期(各種補正を含む)−診断時補正量
このように、点火時期制御部M2は、内燃機関1の運転状態に応じて各種補正された基本点火時期に、更に、診断時補正量を反映させることにより、診断時のオーバーラップ量=0の場合の、NOx等のエミッションを抑制している。

0061

図7は、本発明の実施の形態1における可変バルブタイミング機構診断部20の処理を示すフローチャートである。

0062

ステップS701において、運転状態検出部M1は、クランク角センサS13、エアフローセンサS16、空燃比センサS17等の測定値に基づいて、内燃機関1の回転速度及び充填効率等の運転状態を検出する。

0063

次に、ステップS702において、診断実施条件判定部M7は、内燃機関1の回転速度の測定値が、予め定めた回転速度の変化幅内か否かを判断する。Noの場合は、ステップS701に戻り、Yesの場合は、ステップS703に進む。

0064

次に、ステップS703において、診断実施条件判定部M7は、内燃機関1の充填効率の測定値が、予め定めた充填効率の変化幅内か否かを判断する。Noの場合は、ステップS701に戻り、Yesの場合は、ステップS704に進む。

0065

次に、ステップS704において、診断実施条件判定部M7は、回転速度及び充填効率の測定値が予め定めた変化幅内にある期間が、診断条件判定時間tj以上継続しているか否かを判断する。Noの場合は、ステップS701に戻り、Yesの場合は、ステップS705に進む。

0066

次に、ステップS705において、診断実施条件判定部M7は、診断実施条件が成立したと判断して、診断許可信号を、目標回転位相角切替え部M8及び診断時点火時期補正部M10に出力する。

0067

次に、ステップS706において、目標回転位相角切替え部M8は、目標回転位相角算出部M3を制御することにより、目標回転位相角を診断用目標値に切替える。この結果、目標回転位相角がステップ状に大きく変化する。

0068

次に、ステップS707において、診断時点火時期補正部M10は、図6に示す診断時点火時期補正量マップに従って、内燃機関1の運転状態に応じた点火時期の診断時補正量(遅角量)を算出し、点火時期制御部M2に出力する。

0069

次に、ステップS708において、点火時期制御部M2は、内燃機関1の運転状態に応じて各種補正された基本点火時期に、更に、診断時補正量を反映させることにより、診断時のエミッションを抑制する。

0070

次に、ステップS709において、異常判定部M9は、診断許可信号を受信してから診断実施時間tdが経過したか否かを判断する。Noの場合は、ステップS701に戻り、Yesの場合は、ステップS710に進む。

0071

次に、ステップS710において、異常判定部M9は、目標回転位相角と実回転位相角との偏差drが、|偏差dr|≧|偏差閾値dj|の関係を満たしているか否かを判定する。

0072

ステップS710において、Noである場合は、ステップS711に進み、可変バルブタイミング機構10が正常であると判定し、処理を終了する。一方、ステップS710において、Yesである場合は、ステップS712に進み、可変バルブタイミング機構10に異常が発生していると判断する。そして、ステップS713において、異常判定部M9は、車両の故障ランプ等を点灯して運転者異常発生通知し、処理を終了する。

0073

以上のように、実施の形態1によれば、エミッションが悪化する可変バルブタイミング機構の診断中は、予め作成した診断時点火時期補正量マップに従って、内燃機関の点火時期を補正している。この結果、運転状態の変化が少ない内燃機関においても、エミッション及びバッテリの電力消費を抑制して可変バルブタイミング機構の応答異常の有無を診断することができる内燃機関の制御装置及び内燃機関の制御方法を得ることができる。

0074

1内燃機関、2 内燃機関の制御装置、5発電機、6モータ、7インバータ、8バッテリ、9駆動輪、10可変バルブタイミング機構、11吸気バルブ、12排気バルブ、13クランク軸、14点火プラグ、15スロットルバルブ、16インジェクタ、17触媒コンバータ、20 可変バルブタイミング機構診断部、101吸気カム軸、102排気カム軸、S11吸気カム角センサ、S12排気カム角センサ、S13クランク角センサ、S15スロットルセンサ、S16エアフローセンサ、S17空燃比センサ、S18酸素濃度センサ、M1運転状態検出部、M2点火時期制御部、M3目標回転位相角算出部、M4実回転位相角検出部、M5回転位相角偏差算出部、M6 回転位相角制御部、M7 診断実施条件判定部、M8 目標回転位相角切替え部、M9 異常判定部、M10診断時点火時期補正部。

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