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技術 モータ制御システム、および制御装置

出願人 株式会社小糸製作所
発明者 鈴木一弘丸山雄太
出願日 2013年4月26日 (7年10ヶ月経過) 出願番号 2013-094499
公開日 2014年11月17日 (6年3ヶ月経過) 公開番号 2014-215249
状態 拒絶査定
技術分野 感知要素の出力の伝達及び変換 車両の外部照明装置、信号
主要キーワード 左ストッパ 右ストッパ 絶対位置センサ CW駆動 後輪付近 制御基準位置 円周角 回転角度位置θ
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年11月17日)のものです。
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図面 (9)

課題

制御対象位置検出精度を向上し、正確なモータ制御を可能とする。

解決手段

制御装置は、モータ駆動軸を回転させる信号を出力する。駆動軸には伝達機構が接続されており、伝達機構により伝達されるモータの駆動力に応じて可動部材が動く。磁石は可動部材とともに変位する。磁気センサは、磁石が発生する磁気を検出し、磁気の第1状態に対応する第1レベルL1、および磁気の第2状態に対応する第2レベルL2を有する信号を制御装置へ出力する。制御装置は、駆動軸を回転させて第1レベルL1から第2レベルL2への遷移を検出したときt1の駆動軸の回転角度位置θ1を可動部材の制御基準位置と定める。制御装置は、駆動軸を回転させて第2レベルL2から第1レベルL1への遷移を検出した場合、駆動軸を逆回転させて第1レベルL1から第2レベルL2への遷移を検出したときt4の駆動軸の回転角度位置を制御基準位置と定める。

概要

背景

モータ駆動力により可動部材を動かし、車両に搭載される灯具による配光を変化させるシステムが知られている。可動部材の位置は、磁気センサにより検出される。制御装置は、磁気センサの出力信号に応じて可動部材の動きを制御する(例えば、特許文献1を参照)。

概要

制御対象位置検出精度を向上し、正確なモータ制御を可能とする。制御装置は、モータの駆動軸を回転させる信号を出力する。駆動軸には伝達機構が接続されており、伝達機構により伝達されるモータの駆動力に応じて可動部材が動く。磁石は可動部材とともに変位する。磁気センサは、磁石が発生する磁気を検出し、磁気の第1状態に対応する第1レベルL1、および磁気の第2状態に対応する第2レベルL2を有する信号を制御装置へ出力する。制御装置は、駆動軸を回転させて第1レベルL1から第2レベルL2への遷移を検出したときt1の駆動軸の回転角度位置θ1を可動部材の制御基準位置と定める。制御装置は、駆動軸を回転させて第2レベルL2から第1レベルL1への遷移を検出した場合、駆動軸を逆回転させて第1レベルL1から第2レベルL2への遷移を検出したときt4の駆動軸の回転角度位置を制御基準位置と定める。

目的

本発明は、制御対象の位置検出精度を向上し、正確なモータ制御を可能とする技術を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

駆動軸を有するモータと、前記駆動軸に接続された伝達機構と、前記伝達機構により伝達される前記モータの駆動力に応じて動く可動部材と、前記可動部材とともに変位する磁石と、前記磁石が発生する磁気を検出する磁気センサと、前記駆動軸を回転させる信号を出力する制御装置とを備え、前記磁気センサは、前記磁気の第1状態に対応する第1レベル、および前記磁気の第2状態に対応する第2レベルを有する信号を前記制御装置へ出力し、前記制御装置は、前記駆動軸を回転させて前記第1レベルから前記第2レベルへの遷移を検出したときの前記駆動軸の回転角度位置を前記可動部材の制御基準位置と定め、前記制御装置は、前記駆動軸を回転させて前記第2レベルから前記第1レベルへの遷移を検出した場合、前記駆動軸を逆回転させて前記第1レベルから前記第2レベルへの遷移を検出したときの前記駆動軸の回転角度位置を前記制御基準位置と定める、モータ制御システム

請求項2

前記制御装置は、前記第2レベルから前記第1レベルへの遷移を検出してから、前記駆動軸を逆回転させて前記第1レベルから前記第2レベルへの遷移を検出するまでの、前記駆動軸の回転量に基づいて前記伝達機構のバックラッシュ量推定し、前記制御装置は、推定された前記バックラッシュ量に基づいて、前記駆動軸を回転させる信号を補正する、請求項1に記載のモータ制御システム。

請求項3

前記制御装置は、前記駆動軸を所定量回転させても前記第1レベルから前記第2レベルへの遷移を検出できない場合、前記磁気センサが故障していると判断する、請求項1または2に記載のモータ制御システム。

請求項4

前記可動部材の動き規制する規制部材を備え、前記制御装置は、前記駆動軸を前記所定量回転させる前に前記規制部材による規制を検出したときの前記駆動軸の回転角度位置を前記制御基準位置と定める、請求項3に記載のモータ制御システム。

請求項5

前記可動部材は、車両に搭載される灯具による配光を変化させる部材である、請求項1から4のいずれか一項に記載のモータ制御システム。

請求項6

駆動軸を有するモータの制御装置であって、磁気センサからの出力信号を受信する受信部と、前記駆動軸を回転させる信号を出力する出力部とを備え、前記出力信号は、磁気の第1状態に対応する第1レベル、および前記磁気の第2状態に対応する第2レベルを有するものであり、前記駆動軸を回転させて前記第1レベルから前記第2レベルへの遷移を検出したときの前記駆動軸の回転角度位置を制御基準位置と定め、前記駆動軸を回転させて前記第2レベルから前記第1レベルへの遷移を検出した場合、前記駆動軸を逆回転させて前記第1レベルから前記第2レベルへの遷移を検出したときの前記駆動軸の回転角度位置を前記制御基準位置と定める、制御装置。

技術分野

0001

本発明は、駆動軸を有するモータを制御する装置、および当該モータと当該装置を含むシステムに関する。

背景技術

0002

モータの駆動力により可動部材を動かし、車両に搭載される灯具による配光を変化させるシステムが知られている。可動部材の位置は、磁気センサにより検出される。制御装置は、磁気センサの出力信号に応じて可動部材の動きを制御する(例えば、特許文献1を参照)。

先行技術

0003

特開2011−84151号公報

発明が解決しようとする課題

0004

対象を正確に制御するためには、当該対象の位置を正確に検出する必要がある。よって本発明は、制御対象位置検出精度を向上し、正確なモータ制御を可能とする技術を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0005

上記の目的を達成するために、本発明がとりうる第1の態様は、モータ制御システムであって、
駆動軸を有するモータと、
前記駆動軸に接続された伝達機構と、
前記伝達機構により伝達される前記モータの駆動力に応じて動く可動部材と、
前記可動部材とともに変位する磁石と、
前記磁石が発生する磁気を検出する磁気センサと、
前記駆動軸を回転させる信号を出力する制御装置とを備え、
前記磁気センサは、前記磁気の第1状態に対応する第1レベル、および前記磁気の第2状態に対応する第2レベルを有する信号を前記制御装置へ出力し、
前記制御装置は、前記駆動軸を回転させて前記第1レベルから前記第2レベルへの遷移を検出したときの前記駆動軸の回転角度位置を前記可動部材の制御基準位置と定め、
前記制御装置は、前記駆動軸を回転させて前記第2レベルから前記第1レベルへの遷移を検出した場合、前記駆動軸を逆回転させて前記第1レベルから前記第2レベルへの遷移を検出したときの前記駆動軸の回転角度位置を前記制御基準位置と定める。

0006

伝達機構のバックラッシュや磁気センサのヒステリシス特性に起因して、磁気変化が検出される位置に対応する駆動軸の回転角度位置が、モータの駆動方向によって異なる場合がある。上記の構成によれば、磁気センサの出力信号が第1レベルから第2レベルに遷移する場合のみを、可動部材の制御に係る基準位置の決定に用いるようにしている。これにより、定められる制御基準位置がモータの駆動方向によって異なることがない。したがって、制御対象としての可動部材の位置を正確に検出し、回転制御を正確に実行することができる。

0007

前記制御装置は、前記第2レベルから前記第1レベルへの遷移を検出してから、前記駆動軸を逆回転させて前記第1レベルから前記第2レベルへの遷移を検出するまでの、前記駆動軸の回転量に基づいて前記伝達機構のバックラッシュ量推定する構成としてもよい。この場合、前記制御装置は、推定された前記バックラッシュ量に基づいて、前記駆動軸を回転させる信号を補正する。

0008

バックラッシュ量は製品ごとに異なり、また経年変化する。上記の構成によれば、制御基準位置の決定に際して取得した値を、その後の補正処理に利用できる。したがって伝達機構の実状に即した可動部材の制御を、処理負荷の増大を伴うことなく、正確に実行できる。

0009

前記制御装置は、前記駆動軸を所定量回転させても前記第1レベルから前記第2レベルへの遷移を検出できない場合、前記磁気センサが故障していると判断する構成としてもよい。

0010

磁気センサが故障していれば、制御基準位置の決定時にこれが判断されるため、可動部材の制御を適正に行なえない状態であることが早期に発見され、適切な処置を講ずることができる。

0011

前記可動部材の動きを規制する規制部材を備え、前記制御装置は、前記駆動軸を前記所定量回転させる前に前記規制部材による規制を検出したときの前記駆動軸の回転角度位置を前記制御基準位置と定める構成としてもよい。

0012

この場合、規制部材により可動部材の動きが規制されていながら、モータの駆動が継続される事態を回避できる。すなわち、磁気センサの故障が原因でモータや伝達機構に過剰な負荷がかかり、これらにまで故障などが及ぶことを防止できる。

0013

前記可動部材は、車両に搭載される灯具による配光を変化させる部材である構成としてもよい。

0014

この場合、不正確配光制御に基づき前方車両などにグレアを与える事態や、必要な照明不足する事態を回避できる。

0015

上記の目的を達成するために、本発明がとりうる第2の態様は、駆動軸を有するモータの制御装置であって、
磁気センサからの出力信号を受信する受信部と、
前記駆動軸を回転させる信号を出力する出力部とを備え、
前記出力信号は、磁気の第1状態に対応する第1レベル、および前記磁気の第2状態に対応する第2レベルを有するものであり、
前記駆動軸を回転させて前記第1レベルから前記第2レベルへの遷移を検出したときの前記駆動軸の回転角度位置を制御基準位置と定め、
前記駆動軸を回転させて前記第2レベルから前記第1レベルへの遷移を検出した場合、前記駆動軸を逆回転させて前記第1レベルから前記第2レベルへの遷移を検出したときの前記駆動軸の回転角度位置を前記制御基準位置と定める。

図面の簡単な説明

0016

本発明の一実施形態に係るモータ制御システムが搭載された車両の全体構成を模式的に示す図である。
上記のモータ制御システムが備える灯具ユニットの構成を示す分解斜視図である。
上記の灯具ユニットが備える灯具本体の内部構成を示す図である。
上記の灯具本体が備える磁石と、磁気センサの位置関係を示す図である。
上記のモータ制御システムが備える制御装置が実行する処理を説明する図である。
上記の灯具ユニットが備えるアクチュエータの内部構成を示す図である。
上記のアクチュエータが備える磁石と、磁気センサの位置関係を示す図である。
上記の制御装置が実行する処理を説明するフローチャートである。

実施例

0017

添付の図面を参照しつつ本発明に係る実施形態の例について以下詳細に説明する。なお以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。また以降の説明に用いる「左右」、「前後」、および「上下」の向きは、それぞれ運転席から見た方向を示している。

0018

図1は、一実施形態に係るモータ制御システム1が搭載された車両2の全体構成を模式的に示す図である。モータ制御システム1は、統合制御部4、操舵角センサ5、車高センサ6、カメラ7、および前照灯装置10を備えている。

0019

統合制御部4は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納プログラム実行ワークエリアとして利用されるRAM等を備え、車両2における様々な制御を実行する。

0020

操舵角センサ5は、ステアリングホイールに設けられて統合制御部4と通信可能に接続されている。操舵角センサ5は、運転者によるステアリングホイールの操舵回転角に対応した信号を統合制御部4に出力する。統合制御部4は、操舵角センサ5から入力された信号を利用して車両2の進行方向を特定する。

0021

車高センサ6は、車両2の後輪付近に設けられて統合制御部4と通信可能に接続されている。車高センサ6は、乗員や荷物の重量に応じて変化する車両2の車高に対応した信号を統合制御部4に出力する。統合制御部4は、車高センサ6から入力された信号を利用して車両2のピッチ角(車両の前後方向についての傾き)を特定する。

0022

カメラ7は、例えばCCD(Charged Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の撮像素子を備え、車両前方撮影して画像データを生成する。カメラ7は統合制御部4と通信可能に接続されており、生成された画像データは統合制御部4に出力される。

0023

前照灯装置10は、車両2の前端部に配置されている。前照灯装置10は、ハウジング11、透光カバー12、および灯具ユニット20を備えている。透光カバー12は、ハウジング11に装着されて灯室13を区画している。灯具ユニット20は、灯室13内に収容されている。

0024

図2に示すように、灯具ユニット20は、灯具本体30、アクチュエータ40、およびブラケット50を備えている。灯具本体30の前部には、投影レンズ31が保持されている。

0025

灯具本体30の下部には、軸受部32が設けられている。灯具本体30の上部には、回動軸33が設けられている。軸受部32と回動軸33は同軸とされている。一方、アクチュエータ40の上面には回動軸41が設けられている。回動軸41が軸受部32に嵌合されることにより、灯具本体30は、軸受部32と回動軸33が共有する軸周り回動可能とされている。

0026

アクチュエータ40の左右側部には突条42が形成されている。一方、ブラケット50の下部にはガイド溝51、52が形成されている。またブラケット50の上部には、軸受部53が設けられている。アクチュエータ40の突条42と回動軸41が、それぞれブラケット50のガイド溝51、52に挿入されるとともに、灯具本体30の回動軸33がブラケット50の軸受部53に嵌入されることにより、灯具本体30とアクチュエータ40がブラケット50に対して組み付けられる。このとき回動軸33は、軸受部53内で軸周りに回動可能とされるとともに、前後方向に傾動可能とされている。ブラケット50は灯室13内に固定される。

0027

図3の(a)に示すように、灯具本体30は、光源34、ヒートシンク35、リフレクタ36、ロータリーシェード37、モータ38、および伝達機構39を備えている。

0028

光源34は、白色発光ダイオードLED)や有機EL素子などの半導体発光素子である。光源34は、ヒートシンク35に対して固定されている。ヒートシンク35は、光源34から発する熱を発散させるのに適した材質および形状とされている。光源34から出射された光は、リフレクタ36によって反射される。その光の少なくとも一部は、リフレクタ36の前方に配置された投影レンズ31を通過する。

0029

リフレクタ36は、車両2の前後方向に延びる投影レンズ31の光軸A1を中心軸とする略楕円球面を基調とする反射面を有している。光源34は、反射面の鉛直断面を構成する楕円の第1焦点に配置されている。これにより、光源34から出射された光が当該楕円の第2焦点に収束するように構成されている。

0030

図3の(b)に示すように、投影レンズ31は、前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸非球面レンズである。投影レンズ31は、後方焦点Fがリフレクタ36の反射面の第2焦点に一致するように配置されており、後方焦点F上の像を投影レンズ31の前方に反転像として投影するように構成されている。

0031

ロータリーシェード37は、光源34から出射された光の一部を遮るように、投影レンズ31の後方に配置されている。ロータリーシェード37は回転軸A2を有しており、当該回転軸A2が、投影レンズ31の後方焦点Fの下方を通るように配置されている。ロータリーシェード37の軸方向右側の端部は、図示しない軸受機構により、灯具本体30に支持されている。

0032

モータ38は、ロータリーシェード37の軸方向左側の端部付近に配置されている。モータ38は、駆動軸38aを有している。伝達機構39は、第1ギア39aと第2ギア39bを有している。第1ギア39aは、駆動軸38aと噛合している。第2ギア39bは、ロータリーシェード37の軸方向左側の端部に結合されており、第2ギア39bと噛合している。モータ38と伝達機構39は、ロータリーシェード37を回転軸A2周りに回転させる。

0033

図3の(a)に示す角度位置においては、ロータリーシェード37の端縁37aが投影レンズ31の後方焦点Fに配置されるため、図3の(b)に示す端縁37aの形状が、投影レンズ31の前方に投影される。端縁37aの上方を通過する光は、端縁37aの投影像より下方を照明する。すなわち端縁37aの投影像は、いわゆるロービームパターンカットオフラインに相当する。

0034

図3の(b)に示す角度位置は、ロータリーシェード37を図3の(a)に示す角度位置から前方に約90度回転させた状態である。この状態においては、光源34より出射されリフレクタ36に反射された光は、ロータリーシェード37に遮られることなく投影レンズ31を通過する。したがって投影レンズ31の前方に、いわゆるハイビームパターンが形成される。

0035

車両2の統合制御部4は、モータ38と通信可能に接続されている。統合制御部4は、運転者によるビーム切り替え操作に応じて、あるいはカメラ7による前方車両の検出結果に応じて、配光パターン切り替え制御信号を生成する。当該生成信号に応じてモータ38が駆動され、伝達機構39を介して、当該信号に応じた角度および方向にロータリーシェード37が回転される。すなわちロータリーシェード37は、灯具ユニット20による配光を変化させる部材として機能する。

0036

図4の(a)に示すように、伝達機構39の第2ギア39bには、磁石60が装着されている。磁石60に対向する位置には、ホール素子などの磁気センサ61が配置されている。磁石60は、N極領域とS極領域を有している。図4の(b)に示すように、第2ギア39bの回転角度位置に応じて、磁気センサ61の正面に位置する磁石60の一部が、N極領域とS極領域との間で変化する。これにより変化する磁気が磁気センサ61により検出される。磁気センサ61は、検出した磁気に応じた信号を生成し、車両2の統合制御部4へ出力する。

0037

例えば図5の(a)に示すように、S極領域の磁気に対応するレベルL1と、N極領域の磁気に対応するレベルL2の出力信号が、磁気センサ61から出力される。同図においては、初期状態において磁気センサ61に磁石60のS極領域が対向しており、レベルL1の信号が出力されている。モータ38の駆動軸38aが角度位置θ1まで回転すると、ロータリーシェード37(第2ギア39b)が回転し、磁気センサ61に対向する磁石60の一部がS極領域からN極領域に変わる。これに伴い、出力信号レベルはL1からL2に遷移する。

0038

車両2の統合制御部4は、磁気センサ61からの出力信号レベルが遷移したときの駆動軸38aの回転角度位置を、ロータリーシェード37の制御に係る基準位置と定める。以降の処理においては、当該基準位置に基づいてロータリーシェード37の回転方向および回転角度が定められる。

0039

図5の(b)は、初期状態において磁気センサ61に磁石60のN極領域が対向しており、レベルL2の信号が出力されている場合を示している。この状態からモータ38の駆動軸38aを図5の(a)に示す場合とは逆方向に回転させると、駆動軸38aが角度位置θ2のときに出力信号レベルがL2からL1に遷移する。

0040

角度位置θ2は、角度位置θ1とは異なっている。この差異は、主として伝達機構39のバックラッシュや磁気センサ61のヒステリシス特性に起因している。すなわち、モータ38をCW駆動させた場合とCCW駆動させた場合とで、統合制御部4が定める制御基準位置に差異が生じてしまう。

0041

そこで本実施形態においては、出力信号レベルがL1からL2に遷移する場合のみを、制御基準位置の決定に用いるようにしている。図5の(c)において、実線はモータ38をCW駆動した場合を、破線はモータ38をCCW駆動した場合を示している。

0042

統合制御部4は、磁気センサ61から出力される信号レベルがL1である場合、モータ38をCW駆動する信号を出力する。CW駆動が継続されると、図5の(a)に示したように、ある時点t1で磁気センサ61の出力信号レベルがL1からL2に遷移する。統合制御部4は、当該時点t1における駆動軸38aの角度位置θ1をロータリーシェード37の制御基準位置と定めるとともに、モータ38の駆動を停止する。

0043

一方、統合制御部4は、磁気センサ61から出力される信号レベルがL2である場合、モータ38をCCW駆動する信号を出力する。CCW駆動が継続されると、図5の(b)に示したように、ある時点t2で磁気センサ61の出力信号レベルがL2からL1に遷移する。しかしながら統合制御部4は、当該時点t2から所定の角度(θ2−θ0)だけ駆動軸38aが駆動されるようにモータ38のCCW駆動を継続する。

0044

その後、統合制御部4は、モータ38をCW駆動して駆動軸38aを逆回転させる(時点t3)。CW駆動が継続されると、図5の(a)に示したように、ある時点t4で磁気センサ61の出力信号レベルがL1からL2に遷移する。統合制御部4は、当該時点t4における駆動軸38aの角度位置θ1をロータリーシェード37の制御基準位置と定めるとともに、モータ38の駆動を停止する。

0045

また統合制御部4は、信号レベルL2からL1への遷移を検出した時点t2における駆動軸38aの角度位置θ2と、信号レベルL1からL2への遷移を検出した時点t4における駆動軸38aの角度位置θ1の差分Δθを、伝達機構39のバックラッシュ量と推定する。以降のロータリーシェード37の回転制御においては、推定されたバックラッシュ量に基づき、必要に応じてモータ38を駆動する信号を補正する。

0046

上記の制御基準位置を決定する処理は、磁気センサ61が正常に動作していることが前提である。そこで統合制御部4は、モータ38の駆動軸38aを所定量回転させても出力信号レベルの遷移を検出できない場合、磁気センサ61が故障していると判断する。

0047

具体的には、伝達機構39の第2ギア39bを180度回転させる量だけ駆動軸38aを回転させても磁気センサ61からの出力信号のレベル遷移が検出できない場合、磁気センサ61は故障していると判断される。第2ギア39bを180度回転させれば、装着されている磁石60のN極とS極は必ず反転するためである。磁気センサ61の故障が判断されると、統合制御部4は適宜のエラー処理を行ない、運転者に故障の旨を報知する。

0048

以上説明したように、モータ38は駆動軸38aを有する。伝達機構39は、駆動軸38aに接続されている。ロータリーシェード37(可動部材の一例)は、伝達機構39により伝達されるモータ38の駆動力に応じて動く。磁石60はロータリーシェード37とともに変位する。磁気センサ61は、磁石60が発生する磁気を検出し、S極(磁気の第1状態の一例)に対応するレベルL1(第1レベルの一例)、およびN極(磁気の第2状態の一例)に対応するレベルL2を有する信号を、車両2の統合制御部4(制御装置の一例)に出力する。

0049

統合制御部4は、駆動軸38aを回転させる信号を出力し、磁気センサ61の出力信号レベルがL1からL2に遷移したことを検出したときの駆動軸38aの回転角度位置を、ロータリーシェード37の制御基準位置と定める。また統合制御部4は、駆動軸38aを回転させて信号レベルL2からL1への遷移を検出した場合、駆動軸38aを逆回転させて、信号レベルL1からL2への遷移を検出したときの駆動軸38aの回転角度位置を、ロータリーシェード37の制御基準位置と定める。

0050

すなわち、磁気センサ61の出力信号レベルがL1からL2に遷移する場合のみを、ロータリーシェード37の制御に係る基準位置の決定に用いるようにしている。これにより定められる制御基準位置がモータ38の初期駆動方向によって異なることがない。したがって、ロータリーシェード37の回転制御を正確に実行することができる。

0051

統合制御部4は、信号レベルL2からL1への遷移を検出してから、駆動軸38aを逆回転させて信号レベルL1からL2への遷移を検出するまでの、駆動軸38aの回転量Δθに基づいて、伝達機構39のバックラッシュ量を推定する。統合制御部4は、推定されたバックラッシュ量に基づいて、駆動軸38aを回転させる信号を補正する。

0052

バックラッシュ量は製品ごとに異なり、また経年変化する。上記の構成によれば、制御基準位置の決定に際して取得した値を、その後の補正処理に利用できる。したがって伝達機構39の実状に即したロータリーシェード37の回転制御を、処理負荷の増大を伴うことなく正確に実行できる。

0053

統合制御部4は、駆動軸38aを所定量回転させても出力信号レベルの遷移を検出できない場合、磁気センサ61が故障していると判断する。

0054

磁気センサ61が故障していれば、制御基準位置の決定時にこれが判断されるため、ロータリーシェード37の回転制御を適正に行なえない状態であることが早期に発見され、適切な処置を講ずることができる。

0055

ロータリーシェード37は、車両2に搭載される灯具ユニット20による配光を変化させる部材である。したがって、不正確な配光制御に基づき前方車両などにグレアを与える事態や、必要な照明が不足する事態を回避できる。

0056

図6は、アクチュエータ40の内部構造を模式的に示している。アクチュエータ40は、第1モータ43、第1伝達機構44、セクタギア45、ストッパ46、第2モータ47、第2伝達機構48、およびピニオンギア49を備えている。

0057

第1モータ43は、駆動軸43aを有している。第1伝達機構44は、第1ギア44a、第2ギア44b、および第3ギア44cを含んでいる。駆動軸43aは、第1ギア44aと噛合している。第1ギア44aは、第2ギア44bと噛合している。第2ギア44bは、第3ギア44cと噛合している。第3ギア44cは、セクタギア45と噛合している。セクタギア45は、図2を参照して説明した回動軸41と結合している。ストッパ46は、右ストッパ46aと左ストッパ46bを備え、セクタギア45の移動範囲を規制している。

0058

車両2の統合制御部4は、第1モータ43と通信可能に接続されている。運転者がステアリングホイールを操作すると、統合制御部4は、操舵角センサ5の出力に応じて車両2の進行方向を特定する。統合制御部4は、特定した進行方向に対応する制御信号を生成し、第1モータ43の駆動軸43aを回転させる。駆動軸43aの回転は、第1伝達機構44を介してセクタギア45に伝達される。セクタギア45の変位に伴い、回動軸41が左右方向に回動する。これにより、図2に示す投影レンズ31の光軸A1が、左右方向に変位する。

0059

すなわち、アクチュエータ40は、灯具ユニット20による配光を左右方向に変化させる、いわゆるスイブルアクチュエータとして機能する。統合制御部4は、車両2の右旋回時には光軸A1を右方向に変位させ、左旋回時には光軸A1を左方向に変位させるように、第1モータ43の駆動を制御する。

0060

第2モータ47は、駆動軸47aを有している。第2伝達機構48は、第1ギア48a、第2ギア48b、および第3ギア48cを含んでいる。駆動軸47aは、第1ギア48aと噛合している。第1ギア48aは、第2ギア48bと噛合している。第2ギア48bは、第3ギア48cと噛合している。第3ギア48cは、ピニオンギア49と噛合している。図6に破線で示すように、ブラケット50は、ラック54、前ストッパ55a、および後ストッパ55bを備えている。ピニオンギア49は、ラック54と噛合している。前ストッパ55aと後ストッパ55bは、ピニオンギア49の移動範囲を規制している。

0061

車両2の統合制御部4は、第2モータ47と通信可能に接続されている。統合制御部4は、車高センサ6の出力に応じて車両2のピッチ角を特定する。統合制御部4は、特定したピッチ角に対応する制御信号を生成し、第2モータ47の駆動軸47aを回転させる。駆動軸47aの回転は、第2伝達機構48を介してピニオンギア49に伝達される。ピニオンギア48の回転に伴い、回動軸41はガイド溝52内を前後方向に変位する。

0062

図2に示すように、灯具本体30の上部に設けられた回動軸33は、ブラケット50の軸受部53に保持されているため、灯具本体30は上下方向に傾動する。これにより、投影レンズ31の光軸A1が、上下方向に変位する。

0063

すなわち、アクチュエータ40は、灯具ユニット20による配光を上下方向に変化させる、いわゆるレベリングアクチュエータとして機能する。統合制御部4は、車両2の車高が低くなるほど、アクチュエータ40を後方に変位させるように、第2モータ47の駆動を制御する。アクチュエータ40が後方へ移動するほど、光軸A1は下方に変位する。

0064

図7に示すように、第1伝達機構44の第3ギア44cには、磁石70が装着されている。磁石70に対向する位置には、ホール素子などの磁気センサ71が配置されている。磁石70は、N極領域とS極領域を有している。第3ギア44bの回転角度位置に応じて、磁気センサ71の正面に位置する磁石70の一部が、N極領域とS極領域との間で変化する。これにより変化する磁気が磁気センサ71により検出される。磁気センサ71は、検出した磁気に応じた信号を生成し、車両2の統合制御部4へ出力する。

0065

図5を参照して説明した磁気センサ61の場合と同様に、S極領域の磁気に対応するレベルL1と、N極領域の磁気に対応するレベルL2の出力信号が、磁気センサ71から出力される。統合制御部4は、磁気センサ71からの出力信号レベルがL1からL2に遷移したときの駆動軸43aの回転角度位置を、アクチュエータ40によるスイブル制御に係る基準位置と定める。以降の処理においては、当該基準位置に基づいて回動軸41の回転方向および回転角度が定められる。

0066

統合制御部4は、磁気センサ71から出力される信号レベルがL1である場合、第1モータ43をCW駆動する信号を出力する。CW駆動が継続されると、図5の(a)に示したように、ある時点t1で磁気センサ71の出力信号レベルがL1からL2に遷移する。統合制御部4は、当該時点t1における駆動軸43aの角度位置θ1を、光軸A1のスイブル制御に係る基準位置と定めるとともに、第1モータ43の駆動を停止する。

0067

一方、統合制御部4は、磁気センサ71から出力される信号レベルがL2である場合、第1モータ43をCCW駆動する信号を出力する。CCW駆動が継続されると、図5の(b)に示したように、ある時点t2で磁気センサ71の出力信号レベルがL2からL1に遷移する。しかしながら統合制御部4は、当該時点t2から所定の角度(θ2−θ0)だけ駆動軸43aが駆動されるように第1モータ43のCCW駆動を継続する。

0068

その後、統合制御部4は、第1モータ43をCW駆動して駆動軸43aを逆回転させる(時点t3)。CW駆動が継続されると、図5の(a)に示したように、ある時点t4で磁気センサ71の出力信号レベルがL1からL2に遷移する。統合制御部4は、当該時点t4における駆動軸43aの角度位置θ1を光軸A1のスイブル制御に係る基準位置と定めるとともに、第1モータ43の駆動を停止する。

0069

また統合制御部4は、信号レベルL2からL1への遷移を検出した時点t2における駆動軸43aの角度位置θ2と、信号レベルL1からL2への遷移を検出した時点t4における駆動軸43aの角度位置θ1の差分Δθを、第1伝達機構44のバックラッシュ量と推定する。以降の光軸A1のスイブル制御においては、推定されたバックラッシュ量に基づき、必要に応じて第1モータ43を駆動する信号を補正する。

0070

上記の制御基準位置を決定する処理は、磁気センサ71が正常に動作していることが前提である。そこで統合制御部4は、第1モータ43の駆動軸43aを所定量回転させても出力信号レベルの遷移を検出できない場合、磁気センサ71が故障していると判断する。

0071

このとき統合制御部4により実行される処理について、図8を参照して説明する。先ず磁気センサ71の出力信号レベルについて遷移が検出されたか否かが判定される(ステップS1)。遷移が検出された場合(ステップS1においてYes)、上記の処理に基づいて制御基準位置が定められる(ステップS4)。

0072

出力信号レベルの遷移が検出されない場合(ステップS1においてNo)、駆動軸43aの回転量が所定値以上であるか否かが判定される(ステップS2)。ここで所定値は、図7においてセクタギア45の右側端部45aが右ストッパ46aに当接する位置から、セクタギアの左側端部45bが左ストッパ46bに当接する位置まで変位させる駆動軸43aの回転量として定められる。換言すると、磁石70の配置は、上記の量だけセクタギア45が変位する間に必ずN極とS極の境界部が磁気センサ71に検出されるように定められる。

0073

駆動軸43aの回転量が所定値以上である場合(ステップS2においてYes)、すなわち磁気センサ71の出力信号レベルの遷移が検出されないまま、セクタギア45が許容されている移動量に達している場合、統合制御部4は、磁気センサ71が故障していると判断し、所定のエラー処理を実行する(ステップS5)。

0074

ステッピングモータブラシレスモータなどの絶対位置センサを用いないモータを、第1モータ43として使用する場合、電源供給が絶たれる度に制御基準位置の情報が失われる。そのため、基準位置の再設定が必要になる。このときセクタギア45の初期位置によっては、上記の所定量だけ駆動軸43aを回転させる前にセクタギア45がストッパ46に当接する場合がある。例えば、セクタギア45の左側端部45bの初期位置が左ストッパ46bの直前であり、セクタギア45が左方に変位するように駆動軸43aが回転される場合である。

0075

そこで統合制御部4は、駆動量が所定値未満である場合(ステップS2においてNo)、セクタギア45の移動がストッパ46により規制されたか否かを判定する(ステップS3)。規制が検出されるまで(ステップS3においてNo)、駆動量に係る判定(ステップS2)と規制に係る判定(ステップS3)が繰り返される。規制が検出されると(ステップS3においてYes)、磁気センサ71の出力信号レベルに依らず、規制が検出された時点における駆動軸43aの角度位置を制御基準位置と定める(ステップS4)。以降の処理においては、当該制御基準位置に基づいて、回動軸41の回転方向と回転量が定められる。

0076

以上説明したように、第1モータ43は駆動軸43aを有する。第1伝達機構44は、駆動軸43aに接続されている。アクチュエータ40の回動軸41(可動部材の一例)は、第1伝達機構44により伝達される第1モータ43の駆動力に応じて動く。磁石70は回動軸41とともに変位する。磁気センサ71は、磁石70が発生する磁気を検出し、S極(磁気の第1状態の一例)に対応するレベルL1(第1レベルの一例)、およびN極(磁気の第2状態の一例)に対応するレベルL2を有する信号を、車両2の統合制御部4(制御装置の一例)に出力する。

0077

統合制御部4は、駆動軸43aを回転させる信号を出力し、磁気センサ71の出力信号レベルがL1からL2に遷移したことを検出したときの駆動軸43aの回転角度位置を、回動軸41の制御基準位置と定める。また統合制御部4は、駆動軸43aを回転させて信号レベルL2からL1への遷移を検出した場合、駆動軸43aを逆回転させて、信号レベルL1からL2への遷移を検出したときの駆動軸43aの回転角度位置を、回動軸41の制御基準位置と定める。

0078

すなわち、磁気センサ71の出力信号レベルがL1からL2に遷移する場合のみを、投影レンズ31の光軸A1のスイブル制御に係る基準位置の決定に用いるようにしている。これにより、定められる制御基準位置が第1モータ43の初期駆動方向によって異なることがない。したがって、回動軸41の回転制御を正確に実行することができる。

0079

統合制御部4は、信号レベルL2からL1への遷移を検出してから、駆動軸43aを逆回転させて信号レベルL1からL2への遷移を検出するまでの、駆動軸43aの回転量Δθに基づいて、第1伝達機構44のバックラッシュ量を推定する。統合制御部4は、推定されたバックラッシュ量に基づいて、駆動軸43aを回転させる信号を補正する。

0080

バックラッシュ量は製品ごとに異なり、また経年変化する。上記の構成によれば、制御基準位置の決定に際して取得した値を、その後の補正処理に利用できる。したがって第1伝達機構44の実状に即した回動軸41の回転制御を、処理負荷の増大を伴うことなく正確に実行できる。

0081

統合制御部4は、駆動軸43aを所定量回転させても出力信号レベルの遷移を検出できない場合、磁気センサ71が故障していると判断する。

0082

磁気センサ71が故障していれば、制御基準位置の決定時にこれが判断されるため、回動軸41の回転制御を適正に行なえない状態であることが早期に発見され、適切な処置を講ずることができる。

0083

ストッパ46(規制部材の一例)は、回動軸41の動きを規制する。統合制御部4は、駆動軸43aを所定量回転させる前にストッパ46による規制を検出したときの駆動軸43aの回転角度位置を、制御基準位置と定める。

0084

この場合、ストッパ46により回動軸41の動きが規制されていながら、第1モータ43の駆動が継続される事態を回避できる。すなわち、磁気センサ71の故障が原因で第1モータ43や第1伝達機構44に過剰な負荷がかかり、これらにまで故障などが及ぶことを防止できる。

0085

アクチュエータ40の回動軸41は、車両2に搭載される灯具ユニット20による配光を変化させる部材である。したがって、不正確な配光制御に基づき前方車両などにグレアを与える事態や、必要な照明が不足する事態を回避できる。

0086

図7に示すように、第2伝達機構48の第3ギア48cには、磁石80が装着されている。磁石80に対向する位置には、ホール素子などの磁気センサ81が配置されている。磁石80は、N極領域とS極領域を有している。ラック54と第3ギア44bの相対位置に応じて、磁気センサ81の正面に位置する磁石80の一部が、N極領域とS極領域との間で変化する。これにより変化する磁気が磁気センサ81により検出される。磁気センサ81は、検出した磁気に応じた信号を生成し、車両2の統合制御部4へ出力する。

0087

図5を参照して説明した磁気センサ61の場合と同様に、S極領域の磁気に対応するレベルL1と、N極領域の磁気に対応するレベルL2の出力信号が、磁気センサ81から出力される。統合制御部4は、磁気センサ81からの出力信号レベルがL1からL2に遷移したときの駆動軸47aの回転角度位置を、アクチュエータ40によるレベリング制御に係る基準位置と定める。以降の処理においては、当該基準位置に基づいて回動軸41の変位方向および変位量が定められる。

0088

統合制御部4は、磁気センサ81から出力される信号レベルがL1である場合、第2モータ47をCW駆動する信号を出力する。CW駆動が継続されると、図5の(a)に示したように、ある時点t1で磁気センサ81の出力信号レベルがL1からL2に遷移する。統合制御部4は、当該時点t1における駆動軸47aの角度位置θ1を、光軸A1のレベリング制御に係る基準位置と定めるとともに、第2モータ47の駆動を停止する。

0089

一方、統合制御部4は、磁気センサ81から出力される信号レベルがL2である場合、第2モータ47をCCW駆動する信号を出力する。CCW駆動が継続されると、図5の(b)に示したように、ある時点t2で磁気センサ81の出力信号レベルがL2からL1に遷移する。しかしながら統合制御部4は、当該時点t2から所定の角度(θ2−θ0)だけ駆動軸47aが駆動されるように第2モータ47のCCW駆動を継続する。

0090

その後、統合制御部4は、第2モータ47をCW駆動して駆動軸47aを逆回転させる(時点t3)。CW駆動が継続されると、図5の(a)に示したように、ある時点t4で磁気センサ81の出力信号レベルがL1からL2に遷移する。統合制御部4は、当該時点t4における駆動軸47aの角度位置θ1を光軸A1のレベリング制御に係る基準位置と定めるとともに、第2モータ47の駆動を停止する。

0091

また統合制御部4は、信号レベルL2からL1への遷移を検出した時点t2における駆動軸47aの角度位置θ2と、信号レベルL1からL2への遷移を検出した時点t4における駆動軸47aの角度位置θ1の差分Δθを、第2伝達機構48のバックラッシュ量と推定する。以降の光軸A1のレベリング制御においては、推定されたバックラッシュ量に基づき、必要に応じて第2モータ47を駆動する信号を補正する。

0092

上記の制御基準位置を決定する処理は、磁気センサ81が正常に動作していることが前提である。そこで統合制御部4は、第2モータ47の駆動軸47aを所定量回転させても出力信号レベルの遷移を検出できない場合、磁気センサ81が故障していると判断する。

0093

このとき統合制御部4により実行される処理について、図8を参照して説明する。先ず磁気センサ81の出力信号レベルについて遷移が検出されたか否かが判定される(ステップS1)。遷移が検出された場合(ステップS1においてYes)、上記の処理に基づいて制御基準位置が定められる(ステップS4)。

0094

出力信号レベルの遷移が検出されない場合(ステップS1においてNo)、駆動軸47aの回転量が所定値以上であるか否かが判定される(ステップS2)。ここで所定値は、図7においてピニオンギア49の前側端部が前ストッパ55aに当接する位置から、ピニオンギア49の後側端部が後ストッパ55bに当接する位置まで変位させる駆動軸47aの回転量として定められる。換言すると、磁石80の配置は、上記の量だけピニオンギア49が変位する間に必ずN極とS極の境界部が磁気センサ81に検出されるように定められる。

0095

駆動軸47aの回転量が所定値以上である場合(ステップS2においてYes)、すなわち磁気センサ81の出力信号レベルの遷移が検出されないまま、ピニオンギア49が許容されている移動量に達している場合、統合制御部4は、磁気センサ81が故障していると判断し、所定のエラー処理を実行する(ステップS5)。

0096

ステッピングモータやブラシレスモータなどの絶対位置センサを用いないモータを、第2モータ47として使用する場合、電源供給が絶たれる度に制御基準位置の情報が失われる。そのため、基準位置の再設定が必要になる。このときピニオンギア49の初期位置によっては、上記の所定量だけ駆動軸47aを回転させる前にピニオンギア49が前ストッパ55aまたは後ストッパ55bに当接する場合がある。例えば、ピニオンギア49の後端部の初期位置が後ストッパ55bの直前であり、ピニオンギア49が後方に変位するように駆動軸47aが回転される場合である。

0097

そこで統合制御部4は、駆動量が所定値未満である場合(ステップS2においてNo)、ピニオンギア49の移動が前ストッパ55aまたは後ストッパ55bにより規制されたか否かを判定する(ステップS3)。規制が検出されるまで(ステップS3においてNo)、駆動量に係る判定(ステップS2)と規制に係る判定(ステップS3)が繰り返される。規制が検出されると(ステップS3においてYes)、磁気センサ81の出力信号レベルに依らず、規制が検出された時点における駆動軸47aの角度位置を制御基準位置と定める(ステップS4)。以降の処理においては、当該制御基準位置に基づいて、回動軸41の変位方向と変位量が定められる。

0098

以上説明したように、第2モータ47は駆動軸47aを有する。第2伝達機構48は、駆動軸47aに接続されている。アクチュエータ40の回動軸41(可動部材の一例)は、第2伝達機構48により伝達される第2モータ47の駆動力に応じて動く。磁石80は回動軸41とともに変位する。磁気センサ81は、磁石80が発生する磁気を検出し、S極(磁気の第1状態の一例)に対応するレベルL1(第1レベルの一例)、およびN極(磁気の第2状態の一例)に対応するレベルL2を有する信号を、車両2の統合制御部4(制御装置の一例)に出力する。

0099

統合制御部4は、駆動軸47aを回転させる信号を出力し、磁気センサ81の出力信号レベルがL1からL2に遷移したことを検出したときの駆動軸47aの回転角度位置を、回動軸41の制御基準位置と定める。また統合制御部4は、駆動軸47aを回転させて信号レベルL2からL1への遷移を検出した場合、駆動軸47aを逆回転させて、信号レベルL1からL2への遷移を検出したときの駆動軸47aの回転角度位置を、回動軸41の制御基準位置と定める。

0100

すなわち、磁気センサ81の出力信号レベルがL1からL2に遷移する場合のみを、投影レンズ31の光軸A1のレベリング制御に係る基準位置の決定に用いるようにしている。これにより、定められる制御基準位置が第2モータ47の初期駆動方向によって異なることがない。したがって、回動軸41の移動制御を正確に実行することができる。

0101

統合制御部4は、信号レベルL2からL1への遷移を検出してから、駆動軸47aを逆回転させて信号レベルL1からL2への遷移を検出するまでの、駆動軸47aの回転量Δθに基づいて、第2伝達機構48のバックラッシュ量を推定する。統合制御部4は、推定されたバックラッシュ量に基づいて、駆動軸47aを回転させる信号を補正する。

0102

バックラッシュ量は製品ごとに異なり、また経年変化する。上記の構成によれば、制御基準位置の決定に際して取得した値を、その後の補正処理に利用できる。したがって第2伝達機構48の実状に即した回動軸41の移動制御を、処理負荷の増大を伴うことなく正確に実行できる。

0103

統合制御部4は、駆動軸47aを所定量回転させても出力信号レベルの遷移を検出できない場合、磁気センサ81が故障していると判断する。

0104

磁気センサ81が故障していれば、制御基準位置の決定時にこれが判断されるため、回動軸41の移動制御を適正に行なえない状態であることが早期に発見され、適切な処置を講ずることができる。

0105

前ストッパ55aと後ストッパ55b(規制部材の一例)は、回動軸41の動きを規制する。統合制御部4は、駆動軸47aを所定量回転させる前に前ストッパ55aまたは後ストッパ55bによる規制を検出したときの駆動軸47aの回転角度位置を、制御基準位置と定める。

0106

この場合、前ストッパ55aまたは後ストッパ55bにより回動軸41の動きが規制されていながら、第2モータ47の駆動が継続される事態を回避できる。すなわち、磁気センサ81の故障が原因で第2モータ47や第2伝達機構48に過剰な負荷がかかり、これらにまで故障などが及ぶことを防止できる。

0107

アクチュエータ40の回動軸41は、車両2に搭載される灯具ユニット20による配光を変化させる部材である。したがって、不正確な配光制御に基づき前方車両などにグレアを与える事態や、必要な照明が不足する事態を回避できる。

0108

上記の実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであって、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更・改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは明らかである。

0109

上記の実施形態においては、磁石60、70、80のS極が発生する磁気に対応する信号レベルをL1とし、N極が発生する磁気に対応する信号レベルをL2としている。しかしながら、磁極と信号レベルの関係は逆であってもよい。

0110

上記の実施形態においては、磁気センサ61、71、81の出力信号レベルがL1からL2に遷移する場合のみを、制御基準位置の決定に用いている。しかしながら、出力信号レベルがL2からL1に遷移する場合のみを制御基準位置の決定に用いてもよい。

0111

磁石60、70、80と磁気センサ61、71、81の配置は、制御対象の変位に伴う磁気変化を検出しうる限りにおいて、適宜に定めうる。例えば磁石をロータリーシェード37やアクチュエータ40の回動軸41に設け、磁気センサを当該磁石に対向するように配置してもよい。

0112

上記の実施形態において、ロータリーシェード37は、いわゆるロービームパターンとハイビームパターンの2種を形成可能な構成とされている。ロータリーシェード37が形成可能な配光パターンの数は3種以上であってもよい。このような構成は、投影レンズ31の前方に投影される端縁の形状を適宜に変更することにより得られる。形成する配光パターンの数が増えるほど、限られた円周角の範囲内に形状の異なる端縁を設ける必要があるため、より正確な回転制御が求められる。したがって、上記制御の効果は、形成する配光パターンの数が増えるほど顕著となる。

0113

複数の配光パターンを切替えうる限りにおいて、ロータリーシェード37に代えて板状のシェードをアクチュエータで変位させる構成としてもよい。この場合、アクチュエータ40を参照して説明した制御を適用しうる。

0114

灯具ユニット20は、必ずしもシェードを備え、投影レンズ31の光軸A1のスイブル制御とレベリング制御の双方を実行可能である構成とすることを要しない。シェードによる配光切替制御、光軸A1のスイブル制御とレベリング制御の少なくとも1つが実行可能な構成であってもよい。シェードを備えない灯具ユニットの場合、必ずしも前照灯装置10に搭載されることを要しない。投影レンズ31の光軸A1の向きを変化させる制御が必要な適宜の照明装置に搭載されうる。

0115

図1に示すように、磁気センサ61、71、81からの出力信号を受信する受信部4a、およびモータ38の駆動軸38a、第1モータ43の駆動軸43a、第2モータ47の駆動軸47aを回転させる信号を出力する出力部4bを備えている限りにおいて、制御装置としての機能の全てを、統合制御部4に担わせる必要はない。前照灯装置10が備えるハウジング11内に制御装置を配置し、統合制御部4により実現される機能の少なくとも一部を、当該制御装置に担わせる構成としてもよい。

0116

上述の制御は、必ずしも車両に搭載される灯具が備えるモータに対して行なわれることを要しない。磁気センサが検出する磁気の変化に基づいて制御基準位置が決定され、かつ磁気変化が検出される位置に対応する駆動軸の回転角度位置が、モータの駆動方向によって異なりうるシステムに対して、上述の制御を適用可能である。

0117

1:モータ制御システム、2:車両、4:統合制御部、4a:受信部、4b:出力部、20:灯具ユニット、37:ロータリーシェード、38:モータ、38a:駆動軸、39:伝達機構、43:第1モータ、43a駆動軸、44:第1伝達機構、46:ストッパ、47:第2モータ、47a:駆動軸、48:第2伝達機構、60:磁石、61:磁気センサ、70:磁石、71:磁気センサ、80:磁石、81:磁気センサ、L1:第1出力信号レベル、L2:第2出力信号レベル、t1:駆動軸を回転させて信号レベルL1からL2への遷移を検出した時点、t4:駆動軸を逆回転させた後に信号レベルL1からL2への遷移を検出した時点、θ1:制御基準位置に対応する回転角度位置、Δθ:信号レベルの遷移が生じる回転角度位置の差

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