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図面 (18)

課題

カバー部材を設けることにより、異物パーティクル)が試料表面に付着するのを低減することのできる検査装置を提供する。

解決手段

検査装置は、電子ビーム源と、電子ビーム源から放射された電子ビームを導く一次電子光学系と、一次電子光学系により導かれた一次電子照射される試料を配置するステージと、電子ビームの照射により試料の表面から放出された二次荷電粒子を導く二次電子光学系と、二次電子光学系により導かれた二次荷電粒子を検出する検出器を備えている。この検査装置には、ステージに配置される試料の表面を覆うようにステージの上方に設置され電子線を通過させる貫通孔を内部に有する隙間制御板と、二次系レンズのうち貫通孔の内部に配置されるコンデンサレンズに取り付けられ隙間制御板に対して垂直な方向でみたときの貫通孔とコンデンサレンズとの間の隙間をふさぐカバー部材が備えられる。

概要

背景

電子線検査装置は、半導体ウェハ等の試料の表面に一次電子ビーム照射し、該試料表面から放出された二次電子又はミラー電子を検出して試料表面の画像を取得し、該画像に基づいて試料表面の欠陥パターン評価等の検査を行うために用いられている。

また、半導体ウェハ等の試料を検査又は処理のために大気中及び真空中を搬送するが、このような搬送中に、例えば100nm以下のパーティクル等の異物が試料表面に付着することを防止して、パターン上のキラー欠陥となる異物が試料表面に付着することを低減させることができれば、歩留まりが大きく向上されることが知られている。キラー欠陥は、半導体やLSI製造プロセスで、そのまま放置しておくと、配線幅絶縁抵抗値が不十分な値となり、性能を著しく劣化させてしまうため、修正、不良判定等の何らかの処理が必要な欠陥である。

特に、電子線検査装置では、該装置が発生するパーティクル等の異物が試料表面に付着することを低減させることにより、高精度な測定・検査結果を得ることができる。これによって、試料表面への異物付着プロセスを特定し改善することができるので、例えば露光プロセスにおける欠陥を低減させたりすることができる。

従来、試料の搬送に関連して、パーティクル等の異物を極力発生させないような対策が行われている。例えば、試料の大気搬送系では、高機能フィルタダウンフローを有するミニエンバイラメントを備え、このミニエンバイラメントの中に大気搬送系を格納するようにしている。更に、除電装置により試料の除電を行うことで、試料表面にパーティクルが付着することを抑制している。また、試料の真空搬送系では、ロードロックによって圧力の変動を制御すること等が行われている。しかしながら、微小サイズ、特に100nm以下のパーティクル等の異物を低減することは、一般に困難であった。

このような問題点に鑑み、本出願人は、試料表面上の異物を検出し、試料を水平方向に移動させ、試料表面に対向し近接して配置された吸着用電極を、前記異物の帯電極性と異なる極性帯電させ、接近する異物を該吸着用電極に静電吸着することで、試料表面上の異物検出を行うとともに、異物が検出されたときには、試料表面上の異物を除去するようにした試料表面上の異物除去方法を既に提案している(特開2009−4161号公報(特許文献1)参照)。

また、プラズマ処理装置内に浮遊するパーティクルを集塵電極により積極的に集め、四重極リニアトラップ等を用いて特定の場所に蓄積し、これらを電気的に検出する、もしくはレーザ散乱光を用いて検出するようにしたパーティクルモニタも提案されている(特開2010−56270号公報(特許文献2)参照)。

LSIのデザインルール超微細化に伴い、試料表面への付着を防止する異物のサイズがより微小化し、検査装置等の動作によって発生するパーティクル等の異物の試料表面への付着が重大な問題となってきており、その対応が必要になってきている。
しかしながら、従来の異物付着防止機構では、例えば100nm以下の微小なパーティクル等の異物が試料表面へ付着することを防止することが困難であった。特に、真空チャンバ内のステージ等に試料が設置されて電子線検査装置によって試料表面の検査等が行われている場合、装置自体からのパーティクル等の異物の発生を抑制することについて何ら考慮されていなかった。

特許文献1に記載の従来例は、試料表面に異物が付着したことを検出し、その後、付着した異物を試料表面から除去するようにしており、試料表面に異物が付着するのを防止することができるものではない。また、特許文献2に記載の従来例において、集塵電極は、例えばパーティクルモニタの先端に設けられており、プラズマ処理装置内に浮遊するパーティクルを集めるためのものであって、試料表面にパーティクルが付着するのを防止することができるものではない。

また、真空チャンバ内を真空排気する時の空気の流れによって生じる静電気が真空チャンバ内に残留するパーティクル等の異物を帯電させ、その帯電したパーティクル等の異物が、検査する試料表面に静電的に誘引されて付着し、試料表面を汚染する場合がある。従来の試料表面の検査に用いられる真空チャンバは、こうした、真空チャンバ内に残留するパーティクル等の異物が静電的に試料表面に誘引されることに対する対策が何ら施されておらず、こうした残留物に対しては、清掃を持って対処していた。このため、真空チャンバ内の清掃で除去できなかった残留物が試料表面に付着することを防止することが強く求められていた。

本発明は、上記問題点に鑑みて為されたものであり、その第1の目的は、試料表面に異物が付着することを極力防止できるようにした異物付着防止方法、及び試料表面に異物が付着するのを極力防止しつつ電子線を用いて試料表面を検査できるようにした電子線検査装置を提供することを目的としている。

また、特開2005−235777号公報(特許文献3)には、電子線検査装置を用いた試料表面の観察方法が記載されており、該従来の方法では、開放欠陥欠落欠陥が存在する部分で生じる画像中の濃淡階調差)を利用している。開放欠陥や欠落欠陥といった欠陥が存在する部分では、正常部では本来生じることのない濃淡(階調差)が画像中に現れるため、従来の方法では、半導体ウェハの表面から得たウェハ表面画像を本来の(無欠陥試料の)表面画像と比較し、本来現れるはずのない濃淡が認められた場合に、当該部位を開放欠陥や欠落欠陥として判定するという手法を採用している。

しかしながら、特許文献3に開示されている観察方法では、観察対象の試料の構造や材料等によっては観察部位の階調差がもともと小さく、欠落欠陥や開放欠陥の検出が困難な場合があるという問題があった。
加えて、特に開放欠陥については、開放欠陥が存在する部位の画像が、正常部位の画像よりも濃くなる(より黒くなる)場合と薄くなる(より白くなる)場合とがある。このため、欠陥の検出や欠陥の種類を分類することが極めて困難であるという問題があった。

このような問題点に鑑み、本発明者らは、配線構造欠陥検出において、欠陥部位と正常部位の階調差が大きく、白黒の濃淡の差が明確な試料面画像を取得し、欠陥の検出が容易な試料面観察方法を提供することを目的として検討を重ねた結果、特許文献3に開示された試料面観察方法が抱えていた問題は、欠落欠陥と開放欠陥を同一条件下で同時に検出を行う点にあると考えるに至り、新たな試料面観察方法を提案した(特開2009−87893号公報(特許文献4)参照)。

特許文献4には、絶縁材料導電性材料を含む配線が形成された試料面に電子ビームを照射し、該試料面の構造情報を得た電子を検出することにより、試料面画像を取得して該試料面を観察する試料面観察方法であって、試料面画像における絶縁材料と導電性材料との輝度を等しくした状態で、電子ビームを試料面に照射することで絶縁材料と導電性材料以外の部分を容易かつ確実に検出することとし、さらに、試料面画像における絶縁材料及び導電性材料の輝度と異なる輝度の点を、試料面の開放欠陥として検出することで、開放欠陥を容易かつ確実に検出することを可能とする試料面観察方法が開示されている。

また、特許文献4には、試料面画像における絶縁材料と導電性材料との輝度差が最大となる状態で、電子ビームを試料面に照射することにより、欠落欠陥の周囲との識別が容易な試料面画像を取得して欠落欠陥の検出を容易かつ確実にすることとし、さらに、上記輝度差が最大となる状態を、試料面の構造情報を得た電子がミラー電子となるミラー電子領域において定めることとして、効果的に欠落欠陥を検出することを可能とする試料面観察方法も開示されている。

概要

カバー部材を設けることにより、異物(パーティクル)が試料表面に付着するのを低減することのできる検査装置を提供する。 検査装置は、電子ビーム源と、電子ビーム源から放射された電子ビームを導く一次電子光学系と、一次電子光学系により導かれた一次電子が照射される試料を配置するステージと、電子ビームの照射により試料の表面から放出された二次荷電粒子を導く二次電子光学系と、二次電子光学系により導かれた二次荷電粒子を検出する検出器を備えている。この検査装置には、ステージに配置される試料の表面を覆うようにステージの上方に設置され電子線を通過させる貫通孔を内部に有する隙間制御板と、二次系レンズのうち貫通孔の内部に配置されるコンデンサレンズに取り付けられ隙間制御板に対して垂直な方向でみたときの貫通孔とコンデンサレンズとの間の隙間をふさぐカバー部材が備えられる。

目的

本発明は、上記問題点に鑑みて為されたものであり、その第1の目的は、試料表面に異物が付着することを極力防止できるようにした異物付着防止方法、及び試料表面に異物が付着するのを極力防止しつつ電子線を用いて試料表面を検査できるようにした電子線検査装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

電子線を用いて試料表面を検査する検査装置であって、電子ビーム源と、一次系レンズを備え、前記電子ビーム源から放射された電子ビームを導く一次電子光学系と、前記一次電子光学系により導かれた一次電子照射される試料を配置するステージと、二次系レンズを備え、前記電子ビームの照射により前記試料の表面から放出された二次荷電粒子を導く二次電子光学系と、前記二次電子光学系により導かれた二次荷電粒子を検出する検出器と、前記ステージに配置される試料の表面を覆うように前記ステージの上方に設置され、電子線を通過させる貫通孔を内部に有する隙間制御板と、前記二次系レンズのうち前記貫通孔の内部に配置されるコンデンサレンズに取り付けられ、前記隙間制御板に対して垂直な方向でみたときの前記貫通孔と前記コンデンサレンズとの間の隙間をふさぐカバー部材と、を備えることを特徴とする検査装置。

請求項2

前記隙間制御板に対して平行な方向でみたときに、前記隙間制御板と前記カバー部材との間には、隙間が設けられている、請求項1に記載の検査装置。

請求項3

前記隙間制御板に対して平行な方向でみたときの前記試料の表面と前記隙間制御板との間の隙間の幅は、5mm〜30mmであり、試料表面への異物付着を低減するための集塵器を備えていない、請求項1または2に記載の検査装置。

請求項4

真空チャンバ天井面に、支柱が取り付けられ、前記隙間制御板は、前記支柱を介して前記真空チャンバ内に取り付けられる、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の検査装置。

技術分野

0001

本発明は、電子線を用いて試料表面を検査する検査装置に関し、特に、試料表面(表、裏及び外周端面)に異物が付着するのを防止しつつ電子線を用いて試料表面を高感度で検査することができる検査装置に関する。

背景技術

0002

電子線検査装置は、半導体ウェハ等の試料の表面に一次電子ビーム照射し、該試料表面から放出された二次電子又はミラー電子を検出して試料表面の画像を取得し、該画像に基づいて試料表面の欠陥パターン評価等の検査を行うために用いられている。

0003

また、半導体ウェハ等の試料を検査又は処理のために大気中及び真空中を搬送するが、このような搬送中に、例えば100nm以下のパーティクル等の異物が試料表面に付着することを防止して、パターン上のキラー欠陥となる異物が試料表面に付着することを低減させることができれば、歩留まりが大きく向上されることが知られている。キラー欠陥は、半導体やLSI製造プロセスで、そのまま放置しておくと、配線幅絶縁抵抗値が不十分な値となり、性能を著しく劣化させてしまうため、修正、不良判定等の何らかの処理が必要な欠陥である。

0004

特に、電子線検査装置では、該装置が発生するパーティクル等の異物が試料表面に付着することを低減させることにより、高精度な測定・検査結果を得ることができる。これによって、試料表面への異物付着プロセスを特定し改善することができるので、例えば露光プロセスにおける欠陥を低減させたりすることができる。

0005

従来、試料の搬送に関連して、パーティクル等の異物を極力発生させないような対策が行われている。例えば、試料の大気搬送系では、高機能フィルタダウンフローを有するミニエンバイラメントを備え、このミニエンバイラメントの中に大気搬送系を格納するようにしている。更に、除電装置により試料の除電を行うことで、試料表面にパーティクルが付着することを抑制している。また、試料の真空搬送系では、ロードロックによって圧力の変動を制御すること等が行われている。しかしながら、微小サイズ、特に100nm以下のパーティクル等の異物を低減することは、一般に困難であった。

0006

このような問題点に鑑み、本出願人は、試料表面上の異物を検出し、試料を水平方向に移動させ、試料表面に対向し近接して配置された吸着用電極を、前記異物の帯電極性と異なる極性帯電させ、接近する異物を該吸着用電極に静電吸着することで、試料表面上の異物検出を行うとともに、異物が検出されたときには、試料表面上の異物を除去するようにした試料表面上の異物除去方法を既に提案している(特開2009−4161号公報(特許文献1)参照)。

0007

また、プラズマ処理装置内に浮遊するパーティクルを集塵電極により積極的に集め、四重極リニアトラップ等を用いて特定の場所に蓄積し、これらを電気的に検出する、もしくはレーザ散乱光を用いて検出するようにしたパーティクルモニタも提案されている(特開2010−56270号公報(特許文献2)参照)。

0008

LSIのデザインルール超微細化に伴い、試料表面への付着を防止する異物のサイズがより微小化し、検査装置等の動作によって発生するパーティクル等の異物の試料表面への付着が重大な問題となってきており、その対応が必要になってきている。
しかしながら、従来の異物付着防止機構では、例えば100nm以下の微小なパーティクル等の異物が試料表面へ付着することを防止することが困難であった。特に、真空チャンバ内のステージ等に試料が設置されて電子線検査装置によって試料表面の検査等が行われている場合、装置自体からのパーティクル等の異物の発生を抑制することについて何ら考慮されていなかった。

0009

特許文献1に記載の従来例は、試料表面に異物が付着したことを検出し、その後、付着した異物を試料表面から除去するようにしており、試料表面に異物が付着するのを防止することができるものではない。また、特許文献2に記載の従来例において、集塵電極は、例えばパーティクルモニタの先端に設けられており、プラズマ処理装置内に浮遊するパーティクルを集めるためのものであって、試料表面にパーティクルが付着するのを防止することができるものではない。

0010

また、真空チャンバ内を真空排気する時の空気の流れによって生じる静電気が真空チャンバ内に残留するパーティクル等の異物を帯電させ、その帯電したパーティクル等の異物が、検査する試料表面に静電的に誘引されて付着し、試料表面を汚染する場合がある。従来の試料表面の検査に用いられる真空チャンバは、こうした、真空チャンバ内に残留するパーティクル等の異物が静電的に試料表面に誘引されることに対する対策が何ら施されておらず、こうした残留物に対しては、清掃を持って対処していた。このため、真空チャンバ内の清掃で除去できなかった残留物が試料表面に付着することを防止することが強く求められていた。

0011

本発明は、上記問題点に鑑みて為されたものであり、その第1の目的は、試料表面に異物が付着することを極力防止できるようにした異物付着防止方法、及び試料表面に異物が付着するのを極力防止しつつ電子線を用いて試料表面を検査できるようにした電子線検査装置を提供することを目的としている。

0012

また、特開2005−235777号公報(特許文献3)には、電子線検査装置を用いた試料表面の観察方法が記載されており、該従来の方法では、開放欠陥欠落欠陥が存在する部分で生じる画像中の濃淡階調差)を利用している。開放欠陥や欠落欠陥といった欠陥が存在する部分では、正常部では本来生じることのない濃淡(階調差)が画像中に現れるため、従来の方法では、半導体ウェハの表面から得たウェハ表面画像を本来の(無欠陥試料の)表面画像と比較し、本来現れるはずのない濃淡が認められた場合に、当該部位を開放欠陥や欠落欠陥として判定するという手法を採用している。

0013

しかしながら、特許文献3に開示されている観察方法では、観察対象の試料の構造や材料等によっては観察部位の階調差がもともと小さく、欠落欠陥や開放欠陥の検出が困難な場合があるという問題があった。
加えて、特に開放欠陥については、開放欠陥が存在する部位の画像が、正常部位の画像よりも濃くなる(より黒くなる)場合と薄くなる(より白くなる)場合とがある。このため、欠陥の検出や欠陥の種類を分類することが極めて困難であるという問題があった。

0014

このような問題点に鑑み、本発明者らは、配線構造欠陥検出において、欠陥部位と正常部位の階調差が大きく、白黒の濃淡の差が明確な試料面画像を取得し、欠陥の検出が容易な試料面観察方法を提供することを目的として検討を重ねた結果、特許文献3に開示された試料面観察方法が抱えていた問題は、欠落欠陥と開放欠陥を同一条件下で同時に検出を行う点にあると考えるに至り、新たな試料面観察方法を提案した(特開2009−87893号公報(特許文献4)参照)。

0015

特許文献4には、絶縁材料導電性材料を含む配線が形成された試料面に電子ビームを照射し、該試料面の構造情報を得た電子を検出することにより、試料面画像を取得して該試料面を観察する試料面観察方法であって、試料面画像における絶縁材料と導電性材料との輝度を等しくした状態で、電子ビームを試料面に照射することで絶縁材料と導電性材料以外の部分を容易かつ確実に検出することとし、さらに、試料面画像における絶縁材料及び導電性材料の輝度と異なる輝度の点を、試料面の開放欠陥として検出することで、開放欠陥を容易かつ確実に検出することを可能とする試料面観察方法が開示されている。

0016

また、特許文献4には、試料面画像における絶縁材料と導電性材料との輝度差が最大となる状態で、電子ビームを試料面に照射することにより、欠落欠陥の周囲との識別が容易な試料面画像を取得して欠落欠陥の検出を容易かつ確実にすることとし、さらに、上記輝度差が最大となる状態を、試料面の構造情報を得た電子がミラー電子となるミラー電子領域において定めることとして、効果的に欠落欠陥を検出することを可能とする試料面観察方法も開示されている。

先行技術

0017

特開2009−4161号公報
特開2010−56270号公報
特開2005−235777号公報
特開2009−87893号公報

発明が解決しようとする課題

0018

しかしながら、従来の検査装置においても、異物(パーティクル)が試料表面に付着するのを完全に防止することは難しく、異物付着を防止する技術の更なる改善が望まれていた。

0019

本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、従来よりも更に異物が試料表面に付着するのを低減することのできる検査装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0020

本発明の検査装置は、電子線を用いて試料表面を検査する検査装置であって、電子ビーム源と、一次系レンズを備え、電子ビーム源から放射された電子ビームを導く一次電子光学系と、一次電子光学系により導かれた一次電子が照射される試料を配置するステージと、二次系レンズを備え、電子ビームの照射により試料の表面から放出された二次荷電粒子を導く二次電子光学系と、二次電子光学系により導かれた二次荷電粒子を検出する検出器と、ステージに配置される試料の表面を覆うようにステージの上方に設置され、電子線を通過させる貫通孔を内部に有する隙間制御板と、二次系レンズのうち貫通孔の内部に配置されるコンデンサレンズに取り付けられ、隙間制御板に対して垂直な方向でみたときの貫通孔とコンデンサレンズとの間の隙間をふさぐカバー部材と、を備えている。

0021

これにより、隙間制御板の貫通孔とコンデンサレンズとの間の隙間(隙間制御板に対して垂直な方向でみたときの隙間)をカバー部材でふさぐことができる。例えば、カバー部材の外径は、隙間制御板の貫通孔より6mm〜20mm大きくなるように構成される。このようなカバー部材を設けることにより、隙間制御板の貫通孔とコンデンサレンズとの間の隙間から異物(パーティクル)が試料表面に付着するのを低減することができる。

0022

また、本発明の検査装置では、隙間制御板に対して平行な方向でみたときに、隙間制御板とカバー部材との間には、隙間が設けられてもよい。

0023

このように、隙間制御板とカバー部材との間には隙間(隙間制御板に対して平行な方向でみたときの隙間)が設けられている。すなわち、隙間制御板とカバー部材とは互いに接触していない(非接触である)。これにより、隙間制御板の振動がコンデンサレンズに伝わるのを防止することができる。したがって、隙間制御板の振動の影響により画像が乱れるのを防ぐことができる。

0024

また、本発明の検査装置では、隙間制御板に対して平行な方向でみたときの試料の表面と隙間制御板との間の隙間の幅は、5mm〜30mmであるため、電界分布が安定し、帯電した異物(パーティクル)を試料表面に寄せ付けないようにすることができる。

0025

また、本発明の検査装置では、真空チャンバの天井面に、支柱が取り付けられ、隙間制御板は、支柱を介して真空チャンバ内に取り付けられてもよい。

0026

このように、真空チャンバの天井面には支柱が取り付けられ、その支柱を介して隙間制御板が真空チャンバ内に取り付けられる。そのため、隙間制御板単独で電位を変えて電界コントロールをすることができる。また、隙間制御板を取り外すことで、真空チャンバ内に手を入れるスペースを確保することができ、メンテナンス性が向上する。例えば、対物レンズ着脱が可能になる。また、ミラープレート上の機器メンテナンスクリーニングが可能になる。

発明の効果

0027

本発明によれば、カバー部材を設けることにより、異物(パーティクル)が試料表面に付着するのを低減することができる。

図面の簡単な説明

0028

本発明を適用可能な一例の検査装置の概要を示した図である。
本発明を適用可能な第1の実施形態の試料観察ステムの概要を示した図である。
本発明の一実施形態の検査装置の要部概要を示す縦断正面図である。
図3横断平面図であり、ステージ、試料及び第1の実施形態の集塵電極の関係を示す平面図である。
本発明の一実施形態に係る、ステージ、試料及び第2の実施形態の集塵電極の関係を示す平面図である。
本発明の一実施形態に係る、ステージ、円形状の試料及び第3の実施形態の集塵電極の関係を示す平面図である。
本発明の一実施形態に係る、ステージ、円形状の試料及び第4の実施形態の集塵電極の関係を示す平面図である。
本発明の一実施形態に係る、試料、集塵電極及び隙間制御板を拡大して示す断面図である。
本発明の一実施形態に係る、ステージの詳細を示す図である。
本発明の一実施形態に係る、真空チャンバ内に配置された配線ボックス及びステージの概要を示す図である。
本発明の一実施形態に係る、試料、他の集塵電極及び隙間制御板を拡大して示す断面図である。
本発明の一実施形態に係る、試料、更に他の集塵電極及び隙間制御板を拡大して示す断面図である。
本発明の一実施形態に係る、試料、及び更に他の集塵電極を拡大して示す断面図である。
本発明の一実施形態に係る、試料、及び更に他の集塵電極及び隙間制御板を拡大して示す断面図である。
本発明の第1の実施形態の検査装置の要部の説明図である。
本発明の第2の実施形態の検査装置の説明図である。
本発明の第3の実施形態の検査装置の説明図である。

実施例

0029

以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。
図1は、本発明を適用可能な電子線検査装置の全体構成例の概略を示した図である。この電子線検査装置は、写像投影型の低加速電子ビーム装置であり、電子ビーム源310と、一次系レンズ320と、コンデンサレンズ330と、電磁場発生手段(E×B)340と、トランスファーレンズ350と、開口数(NA:Numerical Aperture)調整用のNA調整用アパーチャ板360と、プロジェクションレンズ370と、検出器400と、画像処理装置500と、観察対象となる試料200を載置するためのステージ100と、照射エネルギ設定供給部600とを備えている。

0030

NA調整用アパーチャ板360には、少なくとも1つのNAアパーチャ361が設けられており、このNAアパーチャ361により開口数(NA)が決定される。NAアパーチャ361は平面内での位置調整が可能であり、後述するE×B340の作用により方向付けが異なる導電領域の構造情報を得た電子と絶縁領域の構造情報を得た電子を、選択的に検出器400に導くことができる。なお、この電子線検査装置は、必要に応じて、試料200の表面に電子ビームを照射して試料表面を帯電させるための帯電ビーム照射手段700を備える構成としてもよい。

0031

試料200の表面は、絶縁領域と導電領域を有しており、該試料表面の観察は、電子ビーム源310からの電子ビームの照射により行われる。電子ビーム源310は、例えば、電子源311と、ウェーネルト電極312と、アノード313とを備えており、電子源311で電子を発生させ、ウェーネルト電極312で電子を引き出し、アノード313で電子を加速して、試料表面に向けて照射する。

0032

電子ビーム源310は、複数の画素を同時に撮像できるような、複数画素包含できる所定の面積を有する面状の電子ビームを生成するように構成しても良い。これにより、1回の電子ビームの試料表面への照射で、複数画素を同時に撮像することができ、広い面積の二次元画像高速に取得することができる。

0033

照射エネルギ設定手段310は、電子ビーム源310から射出される電子ビームの照射エネルギを設定する手段である。照射エネルギ設定供給手段310は、負極が電子源に接続された可変電圧源を備え、電子ビーム源310に電力を供給し、電子源311から電子を発生させる。電子ビームの照射エネルギは、試料200の電位と、電子ビーム源310の電子源311に備えられたカソードの電位との差により定められる。よって、照射エネルギ設定供給部600は、その可変電圧源の電圧(以後、「加速電圧」と呼ぶ。)を調整することにより、照射エネルギを調整及び設定することができる。

0034

本発明に係る電子線検査装置においては、照射エネルギ設定供給部600により電子ビームの照射エネルギが適切な値に設定され、取得される画像のコントラストが高められる。本発明では、電子ビームの照射エネルギは、撮像電子ビームの照射により試料200の表面の構造情報を得た電子がミラー電子と二次電子の双方を含む遷移領域に設定されるが、その照射エネルギの具体的な設定方法については、後述する。

0035

一次系レンズ320は、電子ビーム源310から射出された電子ビームを電磁場の作用により偏向させ、試料200の表面上の所望の照射領域に導くための手段である。なお、一次系レンズ320は、複数であっても1つであってもよい。各一次系レンズ320として、例えば、四極子レンズが用いられる。

0036

E×B(E×B偏向器)340は、電子ビーム又は電子に電界と磁界を付与し、ローレンツ力により電子ビーム又は電子を方向付けし、電子ビーム又は電子を所定の方向に向かわせるための手段である。E×B340は、電子ビーム源310から射出された電子ビームについては、試料200の表面に向かわせるローレンツ力を発生させるように、電界と磁界が設定される。

0037

また、E×B340は、試料表面への電子ビームの照射により、該試料表面の構造情報を得た電子については、そのまま上方に直進させ、検出器400の方向に向かわせるように電界と磁界が設定される。なお、後述するように、撮像電子ビームの照射により試料表面の構造情報を得た電子は、E×B340の作用により、電子ビームの入射方向と逆向きに進行する速度に応じて、電界と磁界により方向付けがなされる。
E×B340の作用により、試料表面に入射する電子ビームと、当該入射電子ビームとは逆向きに進行する試料表面から生じた電子とを、分離することができる。なお、E×Bは、ウィーンフィルタと呼んでもよい。

0038

コンデンサレンズ330は、電子ビームを試料200の表面に結像させるとともに、試料表面の構造情報を得た電子を収束させるためのレンズである。よって、コンデンサレンズ330は、試料200の最も近傍に配置される。
トランスファーレンズ350は、E×B340を通過した電子を、検出器400の方向に導くともに、NA調整用アパーチャ板360のNAアパーチャ361付近クロスオーバーを結ばせるための光学手段である。

0039

NA調整用アパーチャ板360は、通過電子数を調整するための手段である。NA調整用アパーチャ360は、その中央部に、開口数(NA)を決める孔部であるNAアパーチャ361を有している。NAアパーチャ361は、トランスファーレンズ350により導かれた試料表面からの電子を通過させて検出器400への通路となるとともに、撮像の雑音となる電子が検出器400に向かうのを遮断し、通過電子数を調整する。また、上述したように、このNAアパーチャ361は、平面内で位置調整可能であり、E×B340の作用により方向付けが異なる導電領域の構造情報を得た電子と絶縁領域の構造情報を得た電子を、選択的に検出器400に導くことができる。その詳細については後述する。なお、NAアパーチャ361は孔径が異なる複数種類のものが設けられていてもよい。この場合、所望の孔径のNAアパーチャがNAアパーチャ移動機構(不図示)により選択される。

0040

プロジェクションレンズ370は、NA調整用アパーチャ361を通過した電子について、検出器400の検出面上に像を結像させるための最終焦点調整手段である。

0041

検出器400は、電子ビームが試料表面に照射され、試料表面の構造情報を得た電子を検出して、試料表面の画像を取得するための手段である。検出器400として、種々の検出器を使用可能であるが、例えば、並列画像取得を可能にするCCD(Charge Coupled Device)検出器や、TDI(Time Delay Integration)−CCD検出器を使用することができる。CCDやTDI−CCD等の二次元画像撮像型の検出器400を用い、電子ビーム源310に複数画素を含む所定の面積を照射できる面ビームを用いることにより、1箇所のビーム照射で並列撮像による広い面積の画像取得が可能となり、試料表面の観察を高速で行うことができる。なお、CCDやTDI−CCDは、光を検出して電気信号を出力する検出素子であるので、検出器400にCCDやTDI−CCDを適用する場合には、電子を光に変換する蛍光板や、電子を増倍するMCPマイクロチャンネルプレート)を必要とするので、検出器400には、それらも含まれるようにする。

0042

検出器400は、EB-CCD又はEB-TDIを用いるようにしてもよい。EB-CCD及びEB-TDIは、二次元画像撮像型の検出器である点は、CCD及びTDI−CCDと同様であるが、電子を直接検出し、光−電子間の変換を経ることなく、そのまま電気信号を出力するものである。よって、上述のような蛍光板やMCPを必要とせず、途中の信号ロスが減少するので、高分解能な画像取得が可能となる。

0043

画像処理装置500は、検出器400から出力された電気信号を記憶し該記憶された信号に基づいて、試料200の表面の画像を生成する装置である。具体的には、検出器400から出力された座標情報及び輝度情報に基づいて、二次元画像を生成する。表面に絶縁材料と導電材料を含む試料200を観察するためには、絶縁領域と導電領域とに輝度差が発生して、コントラストの高い画像が取得されることが好ましいが、画像処理装置500においては、良好な画像が取得できるように、必要な画像処理及び画像生成を行う。

0044

ステージ100は、上面に試料200を載置して、試料200を支持する手段である。ステージ100は、試料表面201の被観察領域の全体に電子ビームの照射が可能なように、水平面内(XY面内)のX方向及びY方向に移動可能であり、水平面内で回転可能である。また、必要に応じて、鉛直方向(Z方向)に移動可能として試料200の表面の高さを調整できるように構成されていてもよい。ステージ100を移動可能に構成さする場合には、例えば、モータやエア等の移動手段を設けるようにすればよい。

0045

帯電電子ビーム照射手段700は、電子ビーム源310から撮像用の撮像電子ビームを照射する前に、試料200を帯電させるために設けられる。帯電電子ビーム照射手段700は、必要に応じて設けられる。なお、試料表面を撮像する前に、該試料表面に予め電子ビームを照射すると、導電領域は帯電せずにその電位は接地電位のままであるのに対し、絶縁領域が負に帯電する。従って、これら導電領域と絶縁領域との間に、材料に応じた電位差を形成することができる。そしてこの電位差により、導電領域と絶縁領域とのコントラストを高めることができる。よって、撮像電子ビームの前に、帯電電子ビームを試料表面に照射したい場合に、帯電電子ビーム照射手段700を設ければよい。

0046

なお、帯電電子ビーム照射手段700を別途設けることなく、電子ビーム源310が帯電電子ビーム照射手段を兼ねるようにしてもよい。つまり、帯電電子ビームは、帯電電子ビーム照射手段700を用いずに、電子ビーム源310から照射してもよい。そして、この帯電電子ビームの照射に続いて、撮像用の電子ビームを試料200の表面に照射するようにしてもよい。

0047

よって、帯電電子ビーム照射手段120は、例えば、帯電電子ビームを試料表面201に照射したい場合であって、かつ、帯電電子ビームの照射の後、直ちに撮像用の電子ビームを照射したい場合等に設けるようにしてもよい。一般的に、撮像電子ビームと帯電電子ビームは照射エネルギが異なるので、帯電電子ビーム照射手段700を設けることにより、帯電電子ビーム照射と撮像電子ビーム照射の間の照射エネルギの調整を不要とし、迅速な撮像を行うことができる。よって、観察時間の短縮等の要請が高い場合には、帯電電子ビーム照射手段700を設けることにより、観察時間短縮の要請に応えることができる。

0048

試料200は通常、その表面に、絶縁材料からなる絶縁領域と導電材料からなる導電領域とを含む。試料200は、種々の形状のものが適用され得るが、例えば、半導体ウェハ、レチクル等の基板状の試料が用いられる。本発明に係る電子線検査装置は、試料表面の絶縁領域が、導電領域よりも面積比が大きい場合にも、好適に試料表面を観察することができるように構成することが好ましい。このような構成により、例えば、半導体ウェハのコンタクトプラグや、レチクルのコンタクト構造についても、良好に試料表面の画像を取得し、観察を行うことができる。

0049

なお、導電材料及び絶縁材料には種々の材料が適用され得るが、例えば、導電材料としてW(タングステン)等のプラグ材料、絶縁材料として半導体ウェハの絶縁層として利用されるSiO2(シリコン酸化膜)等が適用されてもよい。
図1の電子線検査装置は、上述したように、写像投影型の電子線検査装置であるが、SEM型の電子線検査装置も本発明の電子線検査装置として適用可能である。

0050

図2は、本発明に係る電子線検査装置を備えた第1の実施形態の試料観察システム(検査システム)の全体構成例を示した図で、この試料観察システムは、写像投影型の電子光学系と、光学顕微鏡による試料観察、及びSEM型電子光学系による試料観察が可能な、複合型試料観察システムとして構成されている。

0051

図2に示した複合型の試料観察システムは、試料キャリア1900と、ミニエンバイロメント1800と、ロードロック1620と、トランスファーチャンバ1610と、メインチャンバ1600と、写像投影型の電子コラム1300と、画像処理装置500とを備えている。ミニエンバイロメント1800には、大気搬送ロボット、試料アライメント装置クリーンエアー供給機構等が設けられている(図示せず)。また、常に真空状態のトランスファーチャンバ161には、真空用搬送ロボットが設けられており(図示せず)、これにより、圧力変動によるパーティクル等の発生を最小限に抑制することが可能である。

0052

メインチャンバ1600には、水平面内(XY平面内)でX方向、Y方向、およびθ(回転)方向に移動可能なステージ100が設けられており、該ステージ100上には静電チャック図3の120)が設置されている。試料そのもの或いはパレット冶具に設置された状態の試料は、この静電チャックによりステージ100上に載置される。
メインチャンバ1600の内部は、真空制御系1500により、真空状態が保たれるように圧力制御される。また、メインチャンバ1600、トランスファーチャンバ1610及びロードロック1620は、除振台1700上に載置され、床からの振動が伝達されないように構成されている。

0053

メインチャンバ1600には電子コラム1300が設置されている。この電子コラム1300には、図1に示した電子ビーム源310及び一次系レンズ320を含む一次光学系と、コンデンサレンズ330、E×B340、トランスファーレンズ350、NA調整用アパーチャ360板、及びプロジェクションレンズ370を含む二次光学系と、試料200からの二次電子及びミラー電子を検出する検出器400が設置されている。また、電子コラム1300の関連構成要素として、試料の位置合わせに用いる光学的顕微鏡1400や、レビュー観察に用いるSEM1450が備えられている。

0054

検出器400からの信号は、画像処理装置500に送られて信号処理される。信号処理は、観察を行っているオンタイム中の処理と画像のみ取得して後で処理するオフライン処理の両方が可能である。画像処理装置500で処理されたデータはハードディスクメモリなどの記録媒体に保存される。また、必要に応じて、コンソールモニタに表示することが可能である。例えば、観察領域欠陥マップ欠陥分類パッチ画像等である。このような信号処理を行うため、システム制御部950が備えられている。また、電子コラム系1300に電源を供給すべく、電子光学系制御電源1180が備えられている。電子光学系制御電源1180には、電子ビーム源310の電子源311に電力を供給する電源600と、該電源を制御する照射エネルギ制御手段が含まれ、また、後述する試料の電位を設定するための電源及びその制御手段、並びに、後述する集塵電極へ印加する電圧の電源及びその制御手段が含まれている。

0055

次に、試料の搬送機構について説明する。ウェハ、マスクなどの試料は、ロードポート1900より、ミニエンバイロメント1800中に搬送され、その中でアライメント作業がおこなわれる。さらに、試料は、大気搬送ロボットによりロードロック1620に搬送される。ロードロック1620内では、真空ポンプ(図示せず)により、大気状態から真空状態となるように排気がなされる。この排気によりロードロック1620内が一定圧力(例えば、1Pa程度)以下になると、試料は、トランスファーチャンバ1610に設けられた真空搬送ロボットによりロードロック1620からメインチャンバ1600に搬送され、ステージ100が有する静電チャック機構の上に設置される。

0056

図2のシステムにおいては、写像投影型電子線装置すなわち電子光学系1300とSEM型電子光学系1450に共通するステージ100上に試料200が搭載されるため、試料200が写像投影型の電子光学系1300とSEM型の電子光学系1450との間を移動したときに、座標関係が一義的に求まり、同一部位の特定を高精度で容易に行うことができる。

0057

つまり、分離された別々の検査装置の間で試料の移動を行う場合、別々のステージに試料を配置する必要があるため、試料のアライメントを夫々行う必要があり、このように、試料のアライメントを行っても、同一場所の特定誤差は5〜10μm以上となってしまう。特に、パターンのない試料の場合は、位置基準が特定できないため、その誤差は更に大きくなる。

0058

この例によれば、写像投影型の電子光学系1300とSEM型の電子光学系1450との間で試料200の移動を行った場合でも、高精度で同一場所を特定できるので、高精度で場所の特定が可能となり、例えば1μm以下の精度が可能となる。これにより、パターン及びパターン欠陥の検査を写像投影型の電子光学系1300で行った場合、その検出した欠陥の特定及び詳細観察(レビュー)をSEM型の電子光学系1450で行う場合に大変有効となる。つまり、場所の特定ができるので、存在の有無(無ければ擬似検出)が判断できるだけでなく、欠陥の正確なサイズや形状を高速に行うことが可能となる。別々の装置であるとパターン欠陥とその特定に多くの時間を費やしてしまう。

0059

本発明によれば、写像投影型及びSEM型の電子光学系が同一チャンバに搭載されているシステムを用いることにより、特に、100nm以下の超微小なパターンの検査とその判定及び分類を効率よく、また、高速に行うことができる。

0060

次に、図3−図23を参照して、本発明に係る、試料表面にパーティクル等の異物が付着することを防止するための構成について、詳細に説明する。以下の例では、試料200として、表面層導電性薄膜、例えば、Si(ドープを含む),Cr,TaN,TaBN,CrN,Ru,Ta,WまたはCu等の薄膜を有する矩形状のマスクまたは円形の半導体ウェハを使用する。薄膜の最表面は、TaBO,TaOまたはSi02等の絶縁膜であっても良い。また、マスクとしては、例えば、石英クオーツ基板に薄膜が形成されているものや、SiウェハにLSI用の回路パターン膜構造が形成されているものが用いられる。

0061

図3は、図1に示した本発明に係る電子線検査装置のステージ100及びその周囲の部分を詳細に示す縦断正面図であり、図4は、図3の横断平面図である。図3及び図4に示すように、本発明に係る電子線検査装置は、真空排気可能な真空チャンバ112を備え、該真空チャンバ112の内部に、X方向及びY方向に移動自在なステージ100が配置されている。そして、ステージ100の上面に、この例では、矩形状のマスクからなる試料200を保持したホルダ118が静電チャック120を介して設置されている。

0062

ステージ100は、試料(マスク)200の有効領域の撮像や欠陥検査が可能なように、試料200の有効距離助走距離(検査最高速度*速度安定化時間)のストロークの移動領域を有している。例えば、X方向及びY方向の試料200の有効距離300mmで、助走距離100mm/s*0.5s=50mmのとき、ステージ100は、400mmのストロークの移動領域を有する。

0063

ステージ100上に設置された試料200と所定間隔離間して、該試料200の全周囲を包囲する位置に、矩形枠状に連続して延びる、横断面矩形状の集塵電極122が配置されている。更に、ステージ100に配置された試料(マスク)200及び集塵電極122の上方に位置して、中央に貫通孔124aを有する隙間制御板124が、真空チャンバ12の内周面と僅かな隙間を持って水平に配置されている。この貫通孔124a内には、電子線検査装置の光学系要素すなわちコンデンサレンズ330が位置し、このコンデンサレンズ330を通して、ステージ100上に配置された試料200の表面に電子線が照射される。貫通孔124aの大きさは、コンデンサレンズ330の外形よりも僅かに大きな大きさに設定されている。

0064

集塵電極122は、磁場による電子線の曲がりや軌道変化を除くため、リン青銅やTi等の非磁性材料で構成されている。電子線には、一次系の照射電子線、試料200から放出される二次放出電子線及び試料200の近傍で反射するミラー電子線等が含まれる。

0065

隙間制御板124は、例えばリン青銅、TiまたはSUS材等の、例えば板厚が0.3〜5mmの平板で構成されている。電位を安定させたり汚染を防止したりするため、隙間制御板124として、Au,Pt,RuまたはOs等がコーティングされているものを用いることが好ましい。そして、隙間制御板124は、ステージ100がその移動領域内を移動しても、集塵電極122が隙間制御板121の外側にはみ出さない領域をカバーする大きさに設定されている。これにより、ステージ100が移動して、ステージ100に配置された試料200が真空チャンバ112内の最も偏った位置に移動した時に電界分布が崩れてパーティクルの軌道が変化することを防止して、パーティクルが試料200まで飛んできて該試料の表面に付着することを防止することができる。なお、隙間制御板124は、必ずしも必要ではない。このことは、以下の各例においても同様である。

0066

この例では、図4に示すように、矩形枠状に連続した集塵電極122を使用して、ステージ100上に配置した試料200の全周囲を集塵電極122で一体に包囲し、これによって、集塵電極122の長さ方向に沿った位置に隙間が生じて電界の不均一な部位が生じ、いわゆる電界の隙間から、パーティクルが集塵電極22で包囲された内部に侵入してしまうことを防止することができる。

0067

集塵電極122は、必ずしも試料200の全周囲を包囲する必要はなく、集塵電極122で形成される電界が試料200の周囲を包囲できれば良い。例えば、図5に示すように、直線状に延びる4つの集塵電極122aを試料200の各辺のほぼ全長に亘って延びるように配置して、試料200の角近傍を除いてほぼ全外周を集塵電極122aで包囲するようにしても良く、また図示しないが、直線状に延びる集塵電極が途中で互いに分離されるようにしてもよい。この場合、互いに隣接する集塵電極の間に電界の歪みが発生するが、集塵電極によって必要な電位の分布が得られればよい。例えば、二次元で考えて、集塵電極の幅をD、集塵電極の電極間の距離をLとした時、D/L≧4であれば問題ない。このことは、以下の各実施例においても同様である。

0068

図3図5に示した例では、試料200として矩形のマスクを使用している。円形の半導体ウェハを試料として使用する時には、図6に示すように、ステージ100上に円形のホルダ118aで保持した円形の試料(半導体ウェハ)200aを設置し、該試料の周囲に円形リング状に連続した集塵電極122bを配置することで、試料200aの全周囲を一体に包囲する。この場合、図7に示すように、半円状の一対の集塵電極122cを真円となるように互いに対峙させて配置して、ステージ100上に配置した円形の試料(半導体ウェハ)200aのほぼ全周囲を集塵電極122cで包囲するようにしても良く、また図示しないが、3以上の集塵電極を円周方向に沿って延びるように互いに離間させて配置するようにしても良い。
いずれの場合にも、ステージ100上に配置された試料200を取り囲む1又は複数の全ての集塵電極122に所定の電圧が印加して集塵を行い、その後に、電子ビーム源310(図1参照)から電子ビームを発生して、ステージ100上の試料200に電子ビームが照射される。そして、これにより試料から放出された二次電子又は試料表面及びその近傍から反射されたミラー電子を、検出器400(図1参照)で検出し、画像処理装置500において画像処理が行われ、試料表面の画像が得られる。

0069

図8は、試料200、集塵電極122及び隙間制御板124を拡大して示す図である。図8に示すように、試料200には、該試料の表面に所定の電圧を印加する第1電源128が接続され、集塵電極122には、該集塵電極に所定の電圧を印加する第2電源130が接続される。集塵電極122の厚さは、例えば0.1〜5mmである。集塵電極122の幅W1は、広ければ広い程良いが、広くなればなる程、真空チャンバ112内に占める集塵電極122のサイズが大きくなるため、一般には5〜50mmである。試料200と集塵電極122との距離L1は、集塵電極122の幅W1との関係で、例えば0.5L1<W1<5L1の関係を満たす範囲で用いることが好ましい。

0070

この例では、第1電源128を通して、試料200の表面に、例えば−1〜−5kVの電圧が印加され、集塵電極122には、第2電源130を通して、試料200に印加される電圧と同じ極性で、試料200に印加される電圧よりも絶対値が、例えば0.5〜5kV大きな電圧が印加される。つまり、例えば試料200に−3kVの電圧が印加される時には、集塵電極122には、−3.5〜−8kV、例えば−5kVの電圧が印加される。

0071

真空チャンバ112は、鉄材アルミニウムなどの金属材料製アース電位である。そして、真空チャンバ112の内部に存在するパーティクル等の異物が静電気等により帯電すると、試料200の電位が負の場合では、正に帯電したパーティクル等の異物が電界に引かれて試料200に向けて飛んでくる。

0072

この例によれば、負の電位が印加される試料200の全周囲を集塵電極122で包囲し該集塵電極122に試料200に印加される電圧よりも負に大きな電圧を印加することにより、電界に引かれて飛んでくるパーティクル等の異物の大部分を集塵電極122で捕捉することができ、パーティクル等の異物が試料200に向けて飛んで行って該試料の表面に付着する確率を大幅に低減することができる。これによって、試料200の表面に異物が付着することを大幅に低減することができる。

0073

この例では、さらに、集塵電極122から離れた軌道を通って試料200の表面にパーティクル等の異物の付着を防止する隙間制御板124を備えている。隙間制御板124を備えることにより、集塵電極22から離れた軌道を通るパーティクル等の異物に対する集塵電極122の吸引力落ち、このため集塵電極122にパーティクル等の異物が捕捉される確率が距離に反比例して落ちる。異物補足の確率を低下させないために、試料200に負の電圧を印加するとき、試料200と集塵電極122との間の電界強度Aが負(A<0)となるようにすることで、集塵電極122の吸引力を上げて、集塵電極122にパーティクル等の異物が捕捉される確率を高めることができる。その上で、隙間制御板124と集塵電極122との間の電界強度(絶対値)Bが0.1≦B(絶対値)≦10kV/mmの関係を持つようにすることで、集塵電極122にパーティクル等の異物が捕捉される確率を更に高めることができる。

0074

例えば、試料200に−1〜−5kVの負の電圧を印加し、集塵電極122に試料200に印加する負の電圧より−0.5〜−5kVだけ負に大きな−1.5〜−10kVの負の電圧を印加する。隙間制御板124がアース電位のとき、試料200と集塵電極122との距離L1=10mm、隙間制御板124と集塵電極122との距離Z1=8mmとすると、試料200と集塵電極122と間の電界強度Aは負(A<0)となり、隙間制御板124と集塵電極122との間の電界強度(絶対値)B=0.19〜1.25kV/mm(=1.5〜10kV/8mm)、特に、集塵電極122に−5kVの電圧を印加すると、電界強度(絶対値)B=0.625kV/mm(=5kV/8mm)となって、有効な条件となる。このとき、空間の耐電圧として、10kV/mmを超えないようにすることで、空間で放電が起きることを防止することができる。

0075

図9は、ステージ100の詳細を示す。図9に示すように、ステージ100は、Xステージ132とYステージ134とを互いに積層して構成され、Xステージ132とYステージ134との間には超音波モータ136が介装されている。ステージ100の上面の集塵電極122の外方を包囲する位置には、上端が集塵電極122の上方に達する第1防塵カバー140が配置され、超音波モータ136の外側方には、該超音波モータ36の収納部の開口端閉塞する第2防塵カバー142が配置されている。

0076

第1防塵カバー140を設置することで、試料200の表面に向けてパーティクル等の異物が飛散して該表面に付着するのを防止することができる。また、パーティクルの発生源となる超音波モータ136の外側方に第2防塵カバー142を配置することで、超音波モータ136から飛散するパーティクル等の異物が真空チャンバ112の内部に飛散することを防止することができる。パーティクル等の異物の発生源から真空チャンバ112の内部にパーティクル等の異物が飛散することを防止することは、ピエゾアクチュエータ等の壁面を擦って駆動するタイプのモータ等を使用する場合に特に有効である。

0077

この例では、図10に詳細に示すように、真空チャンバ112の内部に密閉構造の配線ボックス150が配置されている。この配線ボックス150は、ケーブル曲げ擦れによって該ケーブルから発生するパーティクル等の異物が真空チャンバ112の内部に飛散することを防止するためのものである。この例では、試料200が配置されたステージ100の移動等に伴うケーブル152の曲げが発生する部位が全て配線ボックス150の中に入っている。より詳細に説明すると、試料200に所定の電圧を印加するための電源(図1の800、図11図14の128)及び集塵電極122に所定の電圧を印加するための電源(図11図13の130)は、配線ボックス150の外部に設けられている。これら外部電源端子台156との電気的接続は、端子台156から延びるケーブル(不図示)、及び、真空チャンバ112に設置されているフィードスルーを介して、外部電源に接続される。端子台156には、試料及び集塵電極への電源電圧印加用の2対の端子が設けられており、また、ケーブル152は電源電圧搬送用の2対の電源線を含み、2対の電源線それぞれの一端が端子台156の2対の端子に電気的に接続されている。なお、図示のように、ケーブル160の一端は、端子台156の近傍に配置された移動可能な移動板158に機械的に固定されている。移動板158と端子台156との間のケーブルの長さは、移動板158の移動範囲を考慮して余裕をもって設定される。一方、ステージ100には固定板154が固定されており、該固定板にも、試料及び集塵電極への電圧印加用の2対の端子が設けられており、これら端子に、ケーブル152の対応する電源線が電気的に接続されかつ機械的に結合される。
そして、図示のように、ステージ100に固定した固定板154に接続されたケーブル152は、ステージ100から配線ボックス150に向けて直線状に延び、配線ボックス150に設けたスリット150aを通過して配線ボックス150の内部に達し、しかる後、下方に向けて180°屈曲して反転している。そして、上述したように、ケーブル152の他端は、配線ボックス150の内部に配置した移動板158に機械的に固定されかつ先端が端子台156に接続されている。これにより、ステージ100がX方向に移動した時、ケーブル152の配線ボックス150内の屈曲部152aのみに曲げが生じる。

0078

配線ボックス150の内部には、Y方向(図10紙面に直交する方向)に沿って延びてケーブル152の案内となるガイドローラ160が配置されており、ステージ100がY方向に移動した時に、ローラガイド160に沿ってY方向に移動し、かつ移動板158が移動するので、移動板158までのケーブル152にY方向のストレスが掛からないようになっている。
なお、上記した実施形態においては、移動可能な移動板158を設けているが、ケーブル152の屈曲部52aの伸縮のみによって、ステージ100のX方向及びY方向の移動に伴うケーブル152の変動を吸収できるようにすれば、移動板の代わりに固定板を用いてケーブル52を機械的に固定してもよい。

0079

このように、ケーブル152の曲げ部が全て配線ボックス150内にあり、かつ、配線ボックス150の外部に通じる孔が小さいために、配線ボックス150内で発生したパーティクル等の異物が配線ボックス150の外に出る確率が大幅に減少して、その大部分が配線ボックス150の内壁に付着する。更にこの例では、配線ボックス150の内部に配線ボックス用の集塵電極162を配置し、該集塵電極162にパーティクル等の異物捕捉用の電圧を印加することにより、配線ボックス150からパーティクル等の異物が外側に飛散する確率をより大幅に低下させることができる。

0080

なお、(1)ケーブルの長さを揃える、(2)インシュロック等でケーブルを固定して補正する、(3)ケーブルをフラットケーブルにする、といった対策を施すことで、複数のケーブルの擦れによるパーティクル発生を低減することができる。つまり、複数のケーブルの長さを揃えて固定すると、ケーブル束が一体となり、ステージが移動したときにケーブルに曲がりが生じるが、そのときのケーブル相互の擦れを低減させて、パーティクル等の異物の発生を低減させることができる。また、ケーブルをフラットケーブルにすることにより、複数の配線を一つのケーブルにすることが可能となり、ケーブル相互の擦れが無くなる。なお、多数配線を有するフラットケーブルが直ぐに使用できないときには、上記(1)と(2)とを組合せることが有効である。

0081

上記の例では、横断面矩形状の集塵電極122を使用しているが、図11に示すように、横断面円形の集塵電極122dを使用してもよい。この集塵電極122dの直径Dは、試料200と集塵電極122dとの距離L2との関係で、0.5L2<D<5L2の関係を満たす範囲で用いることが好ましい。集塵電極122dの直径Dをこれより小さくすると集塵電極122dの捕捉確率が低下し、これより大きくても集塵電極122dの捕捉確率は変わらず、場合によっては、余計なパーティクル等の異物の捕捉を誘引することになる。

0082

また、上記の例では、試料200と所定間隔離間した位置に集塵電極122を配置し、試料200に印加される電圧と同じ極性で試料200に印加される電圧よりも絶対値が大きな電圧を集塵電極122に印加するようにしているが、図12に示すように、試料200の外周縁部に内周縁部を接触させつつ、該試料の全周囲を包囲するように、矩形枠状に連続した、横断面矩形状の集塵電極122eを配置し、第1電源128を通じて試料200に印加される電圧と同じ電圧を、第2電源130を通じて集塵電極122eに印加するようにしても良い。この集塵電極122eの厚さは、例えば0.1〜5mmで、幅W2は、前述の集塵電極122と同様で、例えば5〜50mmである。

0083

図12の例では、試料200の外形よりも小さい内形を有する集塵電極122eを使用し、集塵電極122eの内周縁部を試料16の外周縁部に接触させているが、図13に示すように、矩形枠状で、内形を試料200の外形より僅かに大きくした集塵電極122fを使用し、試料200の全周囲を集塵電極122fが僅かな隙間Sを空けて包囲するように、該集塵電極122fを配置するようにしても良い。この隙間Sは、例えば1〜500μmである。

0084

図12の例では、第1電源128を通して、試料200に、例えば−1〜−5kVの負の電圧が印加され、集塵電極122eにも、第2電源130を通して、試料200に印加される電圧と同じ電圧、つまり、例えば試料200に−3kVの電圧が印加される時には、−3kVの電圧が印加される。

0085

前述と同様に、試料200の電位が負の場合では、正に帯電したパーティクル等の異物が電界に引かれて試料200に向けて飛んでくる。図12の例によれば、試料200の電位と同電位の集塵電極122eが試料200の全周囲を包囲する位置に配置されているため、電界に引かれて飛んでくるパーティクル等の異物の大部分は、集塵電極122eで捕捉される。このように、試料200の周囲に配置した集塵電極122eでパーティクル等の異物の大部分を捕捉することができるので、試料200の表面に飛んできて該表面に付着するパーティクル等の異物を少なくし、これによって、試料200の表面に異物が付着するのを防止することができる。

0086

図12の例では、集塵電極122eと隙間制御板124との距離をZ2とした時、集塵電極122eの幅W2との関係で、W2>4Z2の時に特に効果的である。また、集塵電極122eと隙間制御板124と間の電圧密度Bの大きさ(絶対値)を0.1kV/mmより大きくした時(B(絶対値)>0.1kV/mm)、更に有効になる。

0087

図14は、前述の図8に示す例と図12に示す例とを組合せた更に他の例を示す。この例では、試料200の外周縁部に内周縁部を接触させつつ、該試料の全周囲を包囲するように、例えば矩形枠状に連続した、横断面矩形状の第1集塵電極170を配置し、第1集塵電極170と所定間隔離間した位置に、該第1集塵電極170の全周囲を包囲するように、例えば矩形枠状に連続した、横断面矩形状の第2集塵電極172を配置している。そして、第1集塵電極170には第2電源174を接続し、第2集塵電極172には第3電源176を接続している。

0088

なお、上述のように、直線状に延びる第2集塵電極を第1集塵電極の各辺のほぼ全長に亘って延びるように配置して、第1集塵電極のほぼ全外周を第2集塵電極で包囲するようにしても良く、また直線状に延びる第2集塵電極が途中で互いに分離されるようにしてもよい。

0089

図14の例では、前述と同様に、第1電源128を通して、試料200に、例えば−1〜−5kVの電圧が印加され、第1集塵電極170に、試料200に印加される電圧と同じ電圧、例えば試料200に−3eVが印加されるときには−3eVが印加される。更に、第2集塵電極172には、試料200に印加される電圧と同じ極性で試料200に印加される電圧よりも絶対値が、例えば0.5〜5kV大きな電圧が印加される。つまり、例えば試料200に−3kVの電圧が印加される時には、第2集塵電極172には、−3.5〜−8kV、例えば−5kVの電圧が印加される。

0090

この例にあっても、前述の図8等に示す例とほぼ同様に、試料16に負の電圧を印加する時、試料200と第2集塵電極172との間の電界強度Aが負(A<0)となるようにすることで、第2集塵電極172の吸引力を増大して、第2集塵電極172にパーティクル等の異物が捕捉される確率を高めることができる。その上で、隙間制御板124と第2集塵電極172との間の電界強度(絶対値)Bが0.1≦B(絶対値)≦10kV/mmの関係を持つようにすることで、第2集塵電極172にパーティクル等の異物が捕捉される確率を更に高めることができる。

0091

第1集塵電極170は、前述の図11に示す集塵電極122eと同様に、厚さは、例えば0.1〜5mmで、幅W3は、例えば5〜50mmである。また、第2集塵電極172は、前述の図6に示す集塵電極122と同様に、厚さは、例えば0.1〜50mmで、幅W4は、例えば5〜50mm程度である。

0092

そして、例えば、試料200及び第1集塵電極170に、−1〜−5kVの負の電圧を印加し、第2集塵電極172に試料200及び第1集塵電極170に印加する負の電圧より−0.5〜−5kVだけ負に大きな−1.5〜−10kVの負の電圧を印加する。隙間制御板124がアース電位のとき、隙間制御板124と第2集塵電極172との距離Z8=8mmとすると、試料200と第2集塵電極172と間の電界強度Aは負(A<0)となり、隙間制御板124と第2集塵電極172との間の電界強度(絶対値)B=0.19〜1.25kV/mm(=1.5〜10kV/8mm)、特に、集塵電極122に−5kVの電圧を印加すると、電界強度(絶対値)B=0.625kV/mm(=5kV/8mm)となって、有効な条件となる。このとき、空間の耐電圧として、10kV/mmを超えないようにすることで、空間で放電が起きることを防止することができる。

0093

(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態の検査装置の構成を、図15を参照して説明する。図15は、本実施の形態の検査装置の要部を示す説明図である。図15に示すように、本実施の形態の検査装置10は、隙間制御板24とコンデンサレンズ26との間の隙間をふさぐカバー部材28を備えている(図16もあわせて参照)。隙間制御板24は、ステージ14に配置される試料16の表面を覆うようにステージ14の上方に設置される。また、隙間制御板24の中央部(内部)には、電子線を通過させる貫通孔24aが設けられている。二次系レンズのうちのコンデンサレンズ26は、この貫通孔24aの内部に配置される。カバー部材28の材料は、絶縁物(例えば、セラミックまたはテフロン登録商標))である。

0094

そして、図15に示すように、隙間制御板24に対して垂直な方向(視線方向)でみたときに、貫通孔24aとコンデンサレンズ26との間の隙間は、カバー部材28によってふさがれている。例えば、カバー部材の外径は、貫通孔24aの内径よりL2(3mm〜10mm)だけ大きくなるように構成される。

0095

一方、図15に示すように、隙間制御板24に対して平行な方向(視線方向)でみたときに、隙間制御板24とカバー部材28との間には、隙間が設けられている。例えば、コンデンサレンズ26の光軸と平行な方向(視線方向)で、隙間制御板24とカバー部材28との間には、L1(0.5mm〜3mm)の隙間が形成されている。また、コンデンサレンズ26の光軸と垂直な方向(視線方向)で、隙間制御板24とカバー部材28との間には、L3(0.5mm〜2mm)の隙間が形成されている。

0096

なお、ここでは図示を省略するが、上述のとおり、本実施の形態の検査装置は、電子ビーム源と、電子ビーム源から放射された電子ビームを導く一次電子光学系と、一次電子光学系により導かれた一次電子が照射される試料を配置するステージと、電子ビームの照射により試料の表面から放出された二次荷電粒子を導く二次電子光学系と、二次電子光学系により導かれた二次荷電粒子を検出する検出器を備えている。そして、一次電子光学系は、一次系レンズを備えており、二次電子光学系は、二次系レンズを備えている。

0097

このような本発明の第1の実施の形態の検査装置10によれば、カバー部材28を設けることにより、試料16の表面に異物(パーティクル)が付着するのを低減することができる。すなわち、本実施の形態では、図15に示すように、隙間制御板24の貫通孔24aとコンデンサレンズ26との間の隙間(隙間制御板24に対して垂直な方向(視線方向)でみたときの隙間)をカバー部材28でふさぐことにより、試料16の表面に異物(パーティクル)が付着するのを低減することができる。

0098

また、本実施の形態では、隙間制御板24とカバー部材28との間に隙間(隙間制御板24に対して平行な方向(視線方向)でみたときの隙間)が設けられている。すなわち、隙間制御板24とカバー部材28とが互いに接触していない(非接触である)。これにより、隙間制御板24の振動がコンデンサレンズ26に伝わるのを防止することができ、隙間制御板の振動で画像が乱れるのを防ぐことができる。

0099

(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態の検査装置について説明する。ここでは、第2の実施の形態の検査装置が、第1の実施の形態と相違する点を中心に説明する。ここで特に言及しない限り、本実施の形態の構成および動作は、第1の実施の形態と同様である。

0100

図16は、本実施の形態の検査装置の説明図である。図16に示すように、本実施の形態の検査装置10は、試料表面への異物付着を低減するための集塵器22を備えていない(図17もあわせて参照)。この場合、隙間制御板24に対して垂直な方向(視線方向)でみたときの貫通孔24aとコンデンサレンズ26との間の隙間の幅Dは、5mm〜30mmである。

0101

このような本発明の第2の実施の形態の検査装置によれば、試料の表面と隙間制御板との間の隙間(隙間制御板に対して垂直な方向(視線方向)でみたときの隙間)の幅は、僅か(5mm〜30mm)であるため、電界分布が安定し、帯電した異物(パーティクル)を試料表面に寄せ付けないようにすることができる。

0102

(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態の検査装置について説明する。ここでは、第3の実施の形態の検査装置が、第2の実施の形態と相違する点を中心に説明する。ここで特に言及しない限り、本実施の形態の構成および動作は、第2の実施の形態と同様である。

0103

図17は、本実施の形態の検査装置の説明図である。図17に示すように、本実施の形態の検査装置では、真空チャンバ12の天井面に、支柱30が取り付けられており、隙間制御板24は、支柱30を介して真空チャンバ12内に取り付けられている。例えば、支柱30の長さは、70mm〜150mmであることが望ましい。

0104

また、本実施の形態の検査装置10は、試料表面への異物付着を低減するための集塵器22を備えている。ただし、第2の実施の形態と同様に、試料表面への異物付着を低減するための集塵器22は、必ずしも備えられていなくてもよい。

0105

このような本発明の第3の実施の形態の検査装置によれば、真空チャンバ12の天井面には支柱30が取り付けられ、その支柱30を介して隙間制御板24が真空チャンバ12内に取り付けられる。そのため、隙間制御板24単独で電位を変えて電界のコントロールをすることができる。また、隙間制御板24を取り外すことで、真空チャンバ12内に手を入れるスペースを確保することができ、メンテナンス性が向上する。例えば、対物レンズの着脱が可能になる。また、ミラープレート上の機器のメンテナンスやクリーニングが可能になる。

0106

以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。

0107

以上のように、本発明にかかる検査装置は、カバー部材を設けることにより、異物(パーティクル)が試料表面に付着するのを低減することができるという効果を有し、半導体検査装置等として用いられ、有用である。

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