図面 (/)

技術 線維症、腫瘍浸潤、血管新生及び転移の治療及び診断のための方法及び組成物

出願人 ジリードバイオロジクス,インク.
発明者 スミス,ヴィクトリアオッグ,スコットヴァンブラッセレイヤー,ペーターバリー,ヴィヴィアンイー.マーシャル,デレクホルザー,アリソンケイロドリゲス,ヘクター大保三穂マッコーレー,スコットアランガルシア,カーロスアウレリオビアマン,ドナヒロコトクオカ
出願日 2014年6月6日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2014-117893
公開日 2014年11月13日 (6年3ヶ月経過) 公開番号 2014-210785
状態 特許登録済
技術分野 抗原、抗体含有医薬:生体内診断剤 化合物または医薬の治療活性 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 酵素・酵素の調製 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬
主要キーワード スライド容器 擬似成分 リンス容器 はく離剤 パラメーターα キノコ状 スパークル 装置一式
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年11月13日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (20)

課題

リシルオキシダーゼ様2(LOXL2)の阻害剤を含む、線維症に関連する様々な疾患を予防及び治療するための組成物、並びにその治療方法及びキットの提供。

解決手段

LOXL2のインヒビターとして抗LOXL2抗体又はその抗原結合フラグメント、siRNA、shRNA又はアンチセンスポリヌクレオチドを含む組成物、及び肝線維症腎線維症肺線維症、皮膚瘢痕化及びケロイドを治療するための方法、並びにその関連組成物及びキット。

概要

背景

1.がん
がんは、米国及び他の先進国における深刻な公衆衛生上の問題である。現在、米国における4つの死因の1つはがんである。がん療法は、腫瘍細胞を殺滅する化学療法薬により患者治療することを含む。しかし、腫瘍細胞のサブセットは、しばしば薬物療法に対して抵抗性であり、生残して最初の部位及び遠隔部位で再び増殖し、これが検出可能な疾患の再発及び罹患につながる。浸潤及び転移能が高いという特性、並びに薬物耐性の変化を有する多くの癌腫細胞は、EMT(上皮間葉移行)を含む又はそれと類似の形態的転換を受けると考えられる。EMTを受ける細胞は、上皮細胞の正常な接着特性を失い、E−カドヘリン発現及び間葉マーカーの発現の喪失運動性の増大、浸潤性の増大、並びに細胞死に対する抵抗性の増大などの一連の変化を受ける。
がんの主要な療法は、現在のところ手術放射線及び化学療法である。抗腫瘍抗生物質アルキル化剤ニト尿素ビンカアルカロイドステロイドホルモン及び代謝拮抗薬などの化学療法アプローチは、腫瘍専門医利用可能な療法の主体をなしている。がん治療の分野の発展があるにもかかわらず、がんは依然として重大な健康上の問題である。

2.血管新生
先在毛細血管からの新たな血管の形成である血管新生は、広範囲生理学的及び病理学過程における極めて重要である一連の事象である。発達創傷治癒及び月経周期におけるような正常組織成長は、酸素及び栄養の供給並びに廃棄物の除去のための新たな血管形成に対する依存性によって特徴づけられる。多くの異なる及び無関係の疾患も新たな血管系の形成に関連する。特定の病状の主なものは、血管新生が低く、疾患の状態を改善するために促進すべきである状態である。しかし、より頻繁には、過度の血管新生は、細胞の異常又は無制限増殖により特徴づけられる又はそれに関連する病変を含む様々な病変の重要な特性である。過度の血管新生を伴う病変としては、例えば、がん(充実性及び血液学的腫瘍)、心血管疾患アテローム動脈硬化症及び再狭窄など)、慢性炎症慢性関節リウマチクローン病)、糖尿病糖尿病性網膜症)、乾癬子宮内膜症血管新生緑内障及び肥満症などがある。これらの状態は、血管新生の化学療法による抑制により利益を得ることができる。

一般的に言えば、血管形成過程は、正常に休止している内皮の増殖及び移動、細胞周囲マトリックスの制御されたタンパク質分解毛細管を発生させることによる新たな細胞外マトリックス成分の合成を伴う。新たな細胞内及び細胞間接触確立、並びに内皮細胞毛細管様管状ネットワークへの形態的分化は、高度に組織化された機能的微小血管ネットワークを形成するためのそれらのその後の成熟分岐リモデリング及び選択的退行支援する。血管内皮のその周囲の支質成分とのオートクリンパラクリン及びアンフィクリ相互作用、並びに生理的血管新生を調節する血管新生向性及び血管形成阻害性サイトカイン並びに成長因子は、通常、空間的かつ時間的にしっかりと調節されている。
血管新生は、腫瘍性組織の成長に非常に重要なものである。100年以上にわたって、腫瘍は、正常組織より血管が多いことが認められている。いくつかの実験的研究で、原発腫瘍の成長及び転移には新生血管形成が必要であることが示唆された。正常組織の成長について上で述べた十分に調節されている過程と対照的に、活発腫瘍成長に必要な病的血管新生が一般的に持続し、存続し、血管形成表現型の最初の獲得が様々な充実性及び血液学的腫瘍型の発生の一般的なメカニズムである。血管ネットワークを補充し、維持することができない腫瘍は、一般的にin sutuで無症候性病変として休止状態のままである。転移も血管新生依存性であり、転移に成功した腫瘍細胞の場合、一般的に原発腫瘍における血管系に近づく手段を獲得し、循環中で生残し、標的臓器微小血管系において休止状態となり、この微小血管系から出て、標的臓器において成長し、標的部位における血管新生を誘発する。したがって、血管新生は、転移カスケードの開始時と完了時に必要であると思われる。

したがって、新生物の成長及び転移に対する血管新生の最も重要な段階は、化学療法における努力の最適な目標を与える。適切な血管新生阻害薬は、その開始を遅延させる(すなわち、「血管形成スイッチ」を阻止する)ことにより、又は多くの腫瘍型特有持続性及び病巣性新生血管形成を阻止することにより、腫瘍関連血管形成に影響を及ぼすように直接的又は間接的に作用することができる。腫瘍関連内皮並びに複数の分子及び細胞過程を対象とする血管新生阻害療法、並びに持続性の病的血管新生に関連する標的は、複数の臨床試験においてそれらの安全性と有効性について評価されている。しかし、現在までのところ安全かつ/又は有効な血管新生阻害薬の発見及び/又は特定に関する成功は限られている。

3.線維症
線維症は、損傷組織における創傷治癒過程の一部として起こり得る線維組織の異常な蓄積である。そのような損傷組織は、物理的損傷、炎症、感染、毒素への曝露及びその他の原因に起因し得る。線維症の例としては、皮膚瘢痕形成ケロイド肝線維症肺線維症(例えば、珪肺症石綿症)、腎線維症糖尿病性腎症を含む)、強皮症及び糸球体硬化症などがある。
例えば、肝線維症は、慢性肝障害に対する創傷治癒反応の一部として発生する。線維症は、ヘモクロマトーシスウィルソン病アルコール症、住血虫症、ウイルス性肝炎胆管閉塞、毒素への曝露及び代謝障害合併症として起こる。この瘢痕組織の形成は、損傷組織を封じ込める身体による試みであると考えられている。肝線維症は、正常な肝臓におけるものと定性的に区別することができる細胞外マトリックスの蓄積によって特徴づけられる。抑制のないままの肝線維症は、肝硬変被包結節の存在によって定義される)、肝不全及び死亡に進行する。
Li及びFrieman(Gastroenterol.Hepatol.、14巻、618〜633頁、1999年)により要約されているように、肝線維症の実際及び提案された治療戦略は、基礎をなす原因(例えば、毒素又は感染因子)の除去、炎症の抑制(例えば、コルチコステロイドIL−1受容体拮抗薬又は他の薬剤を用いた)、例えば、ガンマインターフェロン若しくは抗酸化剤を用いた星状細胞活性化のダウンレギュレーション、マトリックスの分解の促進又は星状細胞のアポトーシスの促進などである。最近の進歩にもかかわらず、これらの戦略の多くは依然として実験段階にあり、既存の療法は基礎をなす生化学的過程に対応するのではなく、炎症を抑制することを目的としている。したがって、肝及び肺線維症を含む線維症を治療するための物質及び方法が当技術分野において依然として必要である。

概要

リシルオキシダーゼ様2(LOXL2)の阻害剤を含む、線維症に関連する様々な疾患を予防及び治療するための組成物、並びにその治療方法及びキットの提供。LOXL2のインヒビターとして抗LOXL2抗体又はその抗原結合フラグメント、siRNA、shRNA又はアンチセンスポリヌクレオチドを含む組成物、及び肝線維症、腎線維症、肺線維症、皮膚瘢痕化及びケロイドを治療するための方法、並びにその関連組成物及びキット。なし

目的

I.処理LOX又はLOXLを阻害することによる治療
本開示は、異常な細胞増殖、血管新生及び線維症に関連する様々な疾患をリシルオキシダーゼ(LOX)又はリシルオキシダーゼ様タンパク質(LOXL)の阻害剤を用いることにより予防及び治療するための革新的な方法並びに関連組成物及びキットを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
2件

この技術が所属する分野

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

線維症治療方法に使用するためのリシルオキシダーゼ様2(LOXL2)のインヒビターであって、LOXL2のインヒビターが抗LOXL2抗体又はその抗原結合フラグメント、siRNA、shRNA又はアンチセンスポリヌクレオチドである、リシルオキシダーゼ様2のインヒビター。

技術分野

0001

本出願は、それぞれが参照により全体として本明細書に組み込まれている、2007年8月2日に出願した「Methodsfor Selecting Inhibitors of Tumor Invasion, Angiogenesis,and Metastasis」と題する米国仮出願第60/963,282号(整理番号第35120−704.101号)、2007年8月2日に出願した「Treatment of Diseases With Inhibitors of Active Lysyl Oxidase」と題する米国仮出願第60/963,249号(整理番号第35120−706.101号)、2007年8月2日に出願した「Treatment of Diseases Through Inhibition of Both Lysyl Oxidase and Lysyl Oxidase−Like Proteins」と題する米国仮出願第60/963,214号(整理番号第35120−706.102号)、2007年8月2日に出願した「Diagnosis or Monitoring of Diseases by Assessing Active Lysyl Oxidase Levels or Activity」と題する米国仮出願第60/963,248号(整理番号第35120−706.103号)及び2007年8月2日に出願した「Combination Therapy Including Lysyl Oxidase Modulators」と題する米国仮出願第60/963,246号(整理番号第35120−707.101号)の恩典を主張するものであり、また2008年8月1日に出願した出願番号第 号の「LOX and LOXL2 Inhibitors and Uses Thereof」と題する同時係属米国特許出願(整理番号第35120−715.201号)及び2008年8月1日に出願した出願番号第 号の「LOX and LOXL2 Inhibitors and Uses Thereof」と題するPC特許出願(整理番号第35120−715.601号)に関連する。

背景技術

0002

1.がん
がんは、米国及び他の先進国における深刻な公衆衛生上の問題である。現在、米国における4つの死因の1つはがんである。がん療法は、腫瘍細胞を殺滅する化学療法薬により患者治療することを含む。しかし、腫瘍細胞のサブセットは、しばしば薬物療法に対して抵抗性であり、生残して最初の部位及び遠隔部位で再び増殖し、これが検出可能な疾患の再発及び罹患につながる。浸潤及び転移能が高いという特性、並びに薬物耐性の変化を有する多くの癌腫細胞は、EMT(上皮間葉移行)を含む又はそれと類似の形態的転換を受けると考えられる。EMTを受ける細胞は、上皮細胞の正常な接着特性を失い、E−カドヘリン発現及び間葉マーカーの発現の喪失運動性の増大、浸潤性の増大、並びに細胞死に対する抵抗性の増大などの一連の変化を受ける。
がんの主要な療法は、現在のところ手術放射線及び化学療法である。抗腫瘍抗生物質アルキル化剤ニト尿素ビンカアルカロイドステロイドホルモン及び代謝拮抗薬などの化学療法アプローチは、腫瘍専門医利用可能な療法の主体をなしている。がん治療の分野の発展があるにもかかわらず、がんは依然として重大な健康上の問題である。

0003

2.血管新生
先在毛細血管からの新たな血管の形成である血管新生は、広範囲生理学的及び病理学過程における極めて重要である一連の事象である。発達創傷治癒及び月経周期におけるような正常組織成長は、酸素及び栄養の供給並びに廃棄物の除去のための新たな血管形成に対する依存性によって特徴づけられる。多くの異なる及び無関係の疾患も新たな血管系の形成に関連する。特定の病状の主なものは、血管新生が低く、疾患の状態を改善するために促進すべきである状態である。しかし、より頻繁には、過度の血管新生は、細胞の異常又は無制限増殖により特徴づけられる又はそれに関連する病変を含む様々な病変の重要な特性である。過度の血管新生を伴う病変としては、例えば、がん(充実性及び血液学的腫瘍)、心血管疾患アテローム動脈硬化症及び再狭窄など)、慢性炎症慢性関節リウマチクローン病)、糖尿病糖尿病性網膜症)、乾癬子宮内膜症血管新生緑内障及び肥満症などがある。これらの状態は、血管新生の化学療法による抑制により利益を得ることができる。

0004

一般的に言えば、血管形成過程は、正常に休止している内皮の増殖及び移動、細胞周囲マトリックスの制御されたタンパク質分解毛細管を発生させることによる新たな細胞外マトリックス成分の合成を伴う。新たな細胞内及び細胞間接触確立、並びに内皮細胞毛細管様管状ネットワークへの形態的分化は、高度に組織化された機能的微小血管ネットワークを形成するためのそれらのその後の成熟分岐リモデリング及び選択的退行支援する。血管内皮のその周囲の支質成分とのオートクリンパラクリン及びアンフィクリ相互作用、並びに生理的血管新生を調節する血管新生向性及び血管形成阻害性サイトカイン並びに成長因子は、通常、空間的かつ時間的にしっかりと調節されている。
血管新生は、腫瘍性組織の成長に非常に重要なものである。100年以上にわたって、腫瘍は、正常組織より血管が多いことが認められている。いくつかの実験的研究で、原発腫瘍の成長及び転移には新生血管形成が必要であることが示唆された。正常組織の成長について上で述べた十分に調節されている過程と対照的に、活発腫瘍成長に必要な病的血管新生が一般的に持続し、存続し、血管形成表現型の最初の獲得が様々な充実性及び血液学的腫瘍型の発生の一般的なメカニズムである。血管ネットワークを補充し、維持することができない腫瘍は、一般的にin sutuで無症候性病変として休止状態のままである。転移も血管新生依存性であり、転移に成功した腫瘍細胞の場合、一般的に原発腫瘍における血管系に近づく手段を獲得し、循環中で生残し、標的臓器微小血管系において休止状態となり、この微小血管系から出て、標的臓器において成長し、標的部位における血管新生を誘発する。したがって、血管新生は、転移カスケードの開始時と完了時に必要であると思われる。

0005

したがって、新生物の成長及び転移に対する血管新生の最も重要な段階は、化学療法における努力の最適な目標を与える。適切な血管新生阻害薬は、その開始を遅延させる(すなわち、「血管形成スイッチ」を阻止する)ことにより、又は多くの腫瘍型特有持続性及び病巣性新生血管形成を阻止することにより、腫瘍関連血管形成に影響を及ぼすように直接的又は間接的に作用することができる。腫瘍関連内皮並びに複数の分子及び細胞過程を対象とする血管新生阻害療法、並びに持続性の病的血管新生に関連する標的は、複数の臨床試験においてそれらの安全性と有効性について評価されている。しかし、現在までのところ安全かつ/又は有効な血管新生阻害薬の発見及び/又は特定に関する成功は限られている。

0006

3.線維症
線維症は、損傷組織における創傷治癒過程の一部として起こり得る線維組織の異常な蓄積である。そのような損傷組織は、物理的損傷、炎症、感染、毒素への曝露及びその他の原因に起因し得る。線維症の例としては、皮膚瘢痕形成ケロイド肝線維症肺線維症(例えば、珪肺症石綿症)、腎線維症糖尿病性腎症を含む)、強皮症及び糸球体硬化症などがある。
例えば、肝線維症は、慢性肝障害に対する創傷治癒反応の一部として発生する。線維症は、ヘモクロマトーシスウィルソン病アルコール症、住血虫症、ウイルス性肝炎胆管閉塞、毒素への曝露及び代謝障害合併症として起こる。この瘢痕組織の形成は、損傷組織を封じ込める身体による試みであると考えられている。肝線維症は、正常な肝臓におけるものと定性的に区別することができる細胞外マトリックスの蓄積によって特徴づけられる。抑制のないままの肝線維症は、肝硬変被包結節の存在によって定義される)、肝不全及び死亡に進行する。
Li及びFrieman(Gastroenterol.Hepatol.、14巻、618〜633頁、1999年)により要約されているように、肝線維症の実際及び提案された治療戦略は、基礎をなす原因(例えば、毒素又は感染因子)の除去、炎症の抑制(例えば、コルチコステロイドIL−1受容体拮抗薬又は他の薬剤を用いた)、例えば、ガンマインターフェロン若しくは抗酸化剤を用いた星状細胞活性化のダウンレギュレーション、マトリックスの分解の促進又は星状細胞のアポトーシスの促進などである。最近の進歩にもかかわらず、これらの戦略の多くは依然として実験段階にあり、既存の療法は基礎をなす生化学的過程に対応するのではなく、炎症を抑制することを目的としている。したがって、肝及び肺線維症を含む線維症を治療するための物質及び方法が当技術分野において依然として必要である。

発明が解決しようとする課題

0007

がん、異常又は望ましくない血管新生及び線維症に関連する疾患を治療する方法の改善が当技術分野において必要である。本開示は、この必要に対応するものであり、関連する恩恵を提供する。

課題を解決するための手段

0008

I.処理LOX又はLOXLを阻害することによる治療
本開示は、異常な細胞増殖、血管新生及び線維症に関連する様々な疾患をリシルオキシダーゼ(LOX)又はリシルオキシダーゼ様タンパク質(LOXL)の阻害剤を用いることにより予防及び治療するための革新的な方法並びに関連組成物及びキットを提供する。LOX又はLOXLは、全長又は処理形であってよい。全長LOX又はLOXLは、プロ酵素又はプロペプチド形(すなわち、シグナル配列を含まない)であるが、処理形又は開裂形は、成熟形である。LOX又はLOXLの全長及び処理形は、活性であり得る。LOX又はLOXLは、活性でもあり得る、分泌形であり得る。LOX又はLOXLの阻害は、腫瘍浸潤及び転移を予防及び治療し、異常な血管新生及び線維症に関連する疾患を治療するのに有効である。

0009

1つの実施形態において、有効な量の活性LOX又はLOXLの阻害剤を対象に投与する段階を含む、対象におけるin vivoでの腫瘍浸潤又は転移を治療又は予防する方法を提供する。
他の実施形態において、腫瘍成長を少なくとも25%、50%、75%、90%又は95%減少させるような有効な量の処理LOX又はLOXLの阻害剤を対象に投与する段階を含む、対象におけるin vivoでの腫瘍成長を減少させる方法を提供する。いくつかの実施形態において、腫瘍は、転移性腫瘍である。
他の実施形態において、有効な量の処理LOX又はLOXLタンパク質の阻害剤をそれを必要とする対象に投与し、それにより、治療した対象の生存の可能性を特定の期間増加又は向上させる段階を含む、転移性腫瘍を有する対象の生存の可能性を増加又は向上させる方法を提供する。例えば、対象の生存を少なくとも10日、1カ月、3カ月、6カ月、1年、1.5年、2年、3年、4年、5年、8年又は10年延長させることができる。
LOX又はLOXLは、タンパク質分解処理又は切断の後のLOX又はLOXLの成熟形であってよい。LOXLの例は、LOXL1、LOXL2、LOXL3及びLOXL4を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、LOX又はLOXLの阻害剤は、活性LOX、LOXL2又はLOXL4の阻害剤であってよい。これらの実施形態のいくつかにおいて、LOX又はLOXLの阻害剤は、活性LOX及びLOXL2の両方を阻害する。
LOX又はLOXLの阻害剤は、例えば、LOX又はLOXLに対する抗体、小分子阻害剤、siRNA、shRNA或いはLOX又はLOXLに対するアンチセンスポリヌクレオチドであってよい。阻害剤は、非競合阻害剤であってよい。

0010

II.LOX及びLOXLの両方の阻害剤による治療
本開示はまた、リシルオキシダーゼ(LOX)及び1つ又は複数のリシルオキシダーゼ様タンパク質(LOXL)の阻害により異常な細胞増殖、血管新生及び線維症に関連する様々な疾患を予防し、治療するための革新的な方法並びに関連組成物及びキットを提供する。LOX及びLOXLの両方の同時阻害は、種々の腫瘍の浸潤及び転移を予防又は治療するのに、また異常な血管新生及び線維症に関連する疾患を治療するのに有効である。
1つの実施形態において、有効な量のLOXの阻害剤及びLOXLの阻害剤を対象に投与する段階を含む、対象における腫瘍浸潤又は転移をin vivoで治療又は予防する方法を提供する。

0011

他の実施形態において、腫瘍成長を少なくとも25%、50%、75%、90%又は95%も減少させるような有効な量のLOXの阻害剤及びLOXLの阻害剤を対象に投与する段階を含む、対象における腫瘍成長をin vivoで減少させる方法を提供する。いくつかの実施形態によれば、腫瘍は、転移性腫瘍である。
他の実施形態において、有効な量のLOXの阻害剤及びLOXLの阻害剤をそれを必要とする対象に投与し、それにより、治療した対象の生存の可能性を特定の期間増加又は向上させる段階を含む、転移性腫瘍を有する対象の生存の可能性を増加又は向上させる方法を提供する。例えば、対象の生存を少なくとも10日、1カ月、3カ月、6カ月、1年、1.5年、2年、3年、4年、5年、8年又は10年延長させることができる。
LOXの阻害剤及びLOXLの阻害剤は、異なっていてよく、それぞれがそれぞれLOX及びLOXLを特異的に阻害する。或いは、LOXの阻害剤及びLOXLの阻害剤は、LOX及びLOXLの両方を阻害する同じ分子であってよい。LOXLは、例えば、LOXL1、2、3又は4であってよい。いくつかの実施形態において、LOXLは、LOXL2又は4である。特定の実施形態において、LOXLは、LOXL2である。
LOX又はLOXLは、全長又は処理形であってよい。LOX又はLOXLは、プロ酵素形又は成熟形であってよく、両方の形が活性であり得る。LOX又はLOXLは、活性でもあり得る、分泌形であり得る。LOX又はLOXLの処理形は、タンパク質分解又は切断後の形である。
LOXLの例は、LOXL1、LOXL2、LOXL3及びLOXL4を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、LOX又はLOXLの阻害剤は、活性LOX、LOXL2又はLOXL4の阻害剤であってよい。これらの実施形態のいくつかにおいて、LOX又はLOXLの阻害剤は、活性LOX及びLOXL2の両方を阻害する。
LOX又はLOXL阻害剤は、例えば、LOX又はLOXLに対する抗体、小分子阻害剤、siRNA、shRNA或いはLOX又はLOXLに対するアンチセンスポリヌクレオチドであってよい。阻害剤は、非競合阻害剤であってよい。

0012

III.併用療法
本開示は、リシルオキシダーゼ(LOX)又はリシルオキシダーゼ様タンパク質(LOXL)のモジュレーター(例えば、活性化剤作用薬又は阻害剤/拮抗薬)を用いることによりがん、腫瘍、糖尿病性網膜症、黄斑変性、肝線維症、腎線維症、肺線維症、強皮症、アテローム性動脈硬化症及びアルツハイマー病などの異常な細胞増殖、血管新生及び線維症に関連する疾患を予防し、治療するための組成物、キット、方法をさらに提供する。
LOX又はLOXLの阻害剤は、これらの疾患又は状態を予防又は治療するために、化学療法薬、抗腫瘍生物製剤、血管新生阻害薬及び抗線維症薬などの他の治療薬と併用することができる。LOX又はLOXLの阻害は、腫瘍細胞における上皮間葉移行(EMT)の進行を遅らせるか、若しくは停止させ、又は間葉上皮移行(MET)をより低い腫瘍形成状態にし、それにより、腫瘍又は罹患細胞を化学療法薬、抗腫瘍生物製剤、血管新生阻害薬及び抗線維症薬に対してより感受性の高い状態にする可能性があると考えられている。LOX又はLOXLの阻害剤と他の治療薬との相乗効果的な併用は、腫瘍細胞を治療薬の細胞傷害作用に対して感受性の状態にすることにより、腫瘍の浸潤及び転移を予防又は抑制し、原発腫瘍の成長を阻害するのに有用であり、またがんの効果的な予防又は治療にも有用である。

0013

IV.薬剤の選択
他の態様において、本開示は、腫瘍浸潤、血管新生及び転移を予防又は抑制する薬剤を選択する革新的な方法を提供する。本開示によれば、リシルオキシダーゼ(LOX)又はリシルオキシダーゼ様タンパク質(LOXL)の阻害は、腫瘍細胞における上皮間葉移行(EMT)の進行を遅らせるか、若しくは停止させ、又は間葉上皮移行(MET)をより低い腫瘍形成状態にし、それにより、腫瘍の浸潤、血管新生及び転移を予防又は抑制し、原発腫瘍細胞を照射、化学療法薬、抗腫瘍生物製剤、血管新生阻害薬及び抗線維症薬などの他の治療介入に対してより感受性の高い状態にする可能性がある。
1つの実施形態において、EMT状態にある細胞をLOX又はLOXLの阻害剤と接触させる段階、細胞のEMT状態の変化を検出する段階を含み、EMT状態の減少又はEMT状態からMET状態への移行がLOX又はLOXL阻害剤が腫瘍浸潤、血管新生又は転移の阻害剤であることを示す、腫瘍浸潤、血管新生又は転移の阻害剤を選択する方法を提供する。

0014

V.診断
他の態様において、本開示は、リシルオキシダーゼ又はリシルオキシダーゼ様タンパク質の活性又は成熟形を特異的に認識する分子又は物質を用いることにより、異常な細胞増殖、血管新生及び線維症に関連する様々な疾患を診断又はモニタリングするための方法並びに関連化合物及びキットを提供する。発明者らは、処理LOX又はLOXLは、腫瘍浸潤及び転移、並びに異常な血管新生及び線維症に関連する疾患の重要なバイオマーカーであると考えている。LOX又はLOXLの処理形は、活性であってよい。LOX又はLOXLは、プロ酵素形又は成熟形であってよい。LOX又はLOXLは、活性であってもよい、分泌形であってもよい。
1つの実施形態において、血液中又は腫瘍中の処理LOX又はLOXLレベル又は活性を評価する段階を含み、それにより、参照試料と比較したときの血液中又は腫瘍中の処理LOX又はLOXLレベル又は活性の変化が転移性腫瘍の成長の存在を示す、対象におけるがんの転移を診断又はモニタリングする方法を提供する。変化は、処理LOX又はLOXLレベル又は活性の増加又は低下であってよい。一般的に、参照試料と比較したときの血液中又は腫瘍中の処理LOX又はLOXLレベル又は活性の増加は、転移性腫瘍の成長の存在を示している。
他の実施形態において、がん、腫瘍、血管新生及び線維症の治療のような、LOX/LOXLのモジュレーターを含む療法に対する対象の反応をモニターする方法を提供する。他の実施形態において、該方法は、対象にLOX/LOXLのモジュレーターを投与した後の対象におけるコラーゲンテロペプチド又はヒドロキシプロリン含量のレベルの変化を検出する段階を含み、変化がLOX/LOXLのモジュレーターが対象における治療効果を有することを示す。変化は、増加又は減少であってよい。例えば、コラーゲンテロペプチド又はヒドロキシプロリン含量の減少は、治療効果を示唆し得る。
該方法は、対象にLOX/LOXLのモジュレーターを投与した後の対象におけるC反応性タンパク質又は他の急性期反応物のレベルの変化を検出する段階を含み、変化がLOX/LOXLのモジュレーターが対象における治療効果を有することを示す。変化は、C反応性タンパク質レベルの増加又は減少であってよい。一般的に、C反応性タンパク質レベルの減少は、LOX活性の低下を示す。

0015

VI.線維症の治療
他の態様において、対象に有効な量のリシルオキシダーゼ(LOX)又はリシルオキシダーゼ様タンパク質(LOXL)の阻害剤を投与する段階を含む、対象における線維症をin vivoで予防、治療又は改善する方法を提供する。LOX又はLOXLの阻害剤は、LOX又はLOXLの活性形の阻害剤であってよい。
線維症の具体例としての形は、心線維症、肝線維症、腎線維症、肺線維症、皮膚瘢痕化及びケロイド、並びにアルツハイマー病を含むが、これらに限定されない。さらなる実施形態において、心線維症は、高血圧高血圧性心疾患(HHD)、心筋梗塞MI)、アテローム性動脈硬化症及び再狭窄と関連する。
腎線維症は、糖尿病性腎症、膀胱尿管逆流尿細管間質性腎線維症、糸球体腎炎(GN)、局所分節性糸球体腎炎膜性糸球体腎炎又は膜性増殖性GNを含むが、これらに限定されない。肝線維症は、肝硬変、及び慢性ウイルス肝炎非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、胆汁性肝硬変自己免疫肝炎)などの関連状態を含むが、これらに限定されない。肺線維症は、特発性肺線維症(IPF)又は特発性線維肺胞炎慢性線維化間質性肺炎間質性肺疾患(ILD)、及びび漫性実質性肺疾患DPLD))を含んでいてよい。心線維症、うっ血性心不全心筋症心筋梗塞後心機能欠陥、アテローム性動脈硬化症、慢性関節リウマチ、緑内障年齢関連黄斑変性(湿性AMD及び乾性AMD)、気腫慢性閉塞性肺疾患COPD)、多発性硬化症及び慢性喘息も本明細書で述べる組成物により予防、治療又は改善することができる。

0016

線維症の部位にLOX/LOXLの阻害剤を局所的に送達するための組成物、用具、システム及びキットもここで提供する。カテーテル及びステントなどの医療機器を用いて、局所的に送達し、それにより、LOX/LOXLのそのような阻害剤の全身送達に伴う毒性又は他の副作用リスクを実質的に低減することができる。
LOX/LOXLの阻害剤は、高血圧、高血圧性心疾患(HHD)、心筋梗塞(MI)、アテローム性動脈硬化症及び再狭窄などの病的心状態又は疾患の前、同時に、又は後に対象に送達して、そのような病的心状態又は疾患に関連する病的線維症の発症を予防し、そのリスクを低減し、又は再治療することができる。例えば、LOX/LOXLの阻害剤は、そのような病的心状態又は疾患の発症の1時間、2時間、3時間、5時間若しくは10時間、又は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14日後若しくはそれを超える日の後に投与することができる。
LOX又はLOXLは、全長又は処理形であってよい。LOX又はLOXLは、プロ酵素形又は成熟形であってよく、両方の形が活性であり得る。LOX又はLOXLは、活性でもあり得る、分泌形であり得る。LOX又はLOXLの処理形は、タンパク質分解又は切断後の形である。
LOXLの例は、LOXL1、LOXL2、LOXL3及びLOXL4を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、LOX又はLOXLの阻害剤は、活性LOX、LOXL2又はLOXL4の阻害剤であってよい。これらの実施形態のいくつかにおいて、LOX又はLOXLの阻害剤は、活性LOX及びLOXL2の両方を阻害する。
LOX又はLOXL阻害剤は、例えば、LOX又はLOXLに対する抗体、小分子阻害剤、siRNA、shRNA或いはLOX又はLOXLに対するアンチセンスポリヌクレオチドであってよい。阻害剤は、非競合阻害剤であってよい。

図面の簡単な説明

0017

LOX/LOXLゲノム及びタンパク質構成の概略図である。
予測及び測定N−及びO−グリコシル化部位、2分節核局在化シグナル及びプロコラーゲンプロテイナーゼ部位を用いたLOX/LOXLの配列アライメントを示す図である。
上皮間葉移行並びに浸潤及び転移におけるその役割を示す図である。
細胞のEMT又はMET表現型を評価するためのEMT及びMET並びにマーカーの概略図である。
EMT−MET促進又は低減におけるLOX/LOXLの役割、並びにEMT−MET細胞の薬物耐性又は感受性の概略図である。
LOXL2によるMCF−7(低LOXL2)細胞のトランスフェクションによるEMTの誘導を示す図である。(A)MCF−7野生型(WT)細胞及び(B)MCF−7−Loxl2.クローン1をE−カドヘリンについて染色した。一次抗体:抗E−カドヘリン(10μg/ml);二次抗体抗マウスcy3(赤);DAPI:核(青)。(C)MCF−7野生型細胞及び(D)MCF−7−Loxl2.クローン1をローダミンファロイジンアクチン細胞骨格(赤)及びDAPI:核(青)で染色した。野生型MCF7は、上皮表現型を示し、強度にE−カドヘリン陽性であり(膜性染色)(A)、アクチン細胞骨格のローダミン−ファロイジン染色により、円形パターンが示されている(C)。LOXL2をトランスフェクトしたMCF7は、間葉表現型に変化し、E−カドヘリン発現を喪失し(B)、アクチン細胞骨格のリモデリングをする(伸長紡錘形、長アクチン線維(D)。
MDA−MB−231におけるLOXL2を枯渇させることによるMET様変化の誘導を示す図である。(A〜B)MDA−MB−231WT細胞及び(C〜F)MDA−MB−231shLoxl2(C、D):プール1;(E、F):プール2)安定ノックダウン細胞をローダミン−ファロイジンで染色した(アクチン細胞骨格染色)。細胞はWT細胞では伸長し、紡錘形である(A〜B)が、MDA−MB−231shLoxl2安定ノックダウン細胞は形状が丸く、より小さい(C〜F)。F−アクチン染色(ローダミン−ファロイジン)はshRNAノックダウンによるLOXL2枯渇により原線維から円形/細胞縁に移動する。
MCF−7WT細胞に対する安定CHO−Loxl2細胞から得られたならし培地(CM)の影響を示す図である。(A〜B)30%SFII培地:350μlの通常の完全MCF−7培地中150μlのSFII培地(CHO−Loxl2細胞に用いた培地)中で増殖させたMCF−7細胞。(C〜D)30%ならし培地(CM):350μlの通常の完全MCF−7培地中CHO−Loxl2からの150μlのCM(3日血清不含有CMから22倍濃縮)中で増殖させたMCF−7細胞。MCF−7細胞をCHO−Loxl2細胞からの濃縮血清不含有CMで4日間処理した。LOXL2発現細胞からのならし培地で処理したMCF−7(C〜D)は、アクチン細胞骨格のローダミン−ファロイジン染色によって明らかになったように、対照ならし培地で処理した細胞(LOXL2を発現しない細胞)と比較して表現型の変化を受ける(A〜B)。細胞は、より円形の「アクチン縁」染色を示す対照処理細胞と異なり、EMTを受けた細胞と同様に長いF−アクチン原線維により伸長している。これらのデータは、LOXL2により誘発されるEMT様変化は分泌(細胞外)LOXL2によリ誘発されることを裏づけている。(E)MCF−7WT細胞及びそれらの形態の変化に対する安定CHO−Loxl2細胞由来のCMの各種濃度の影響を示す。漸増濃度のLOXL2含有CMで細胞を処理することにより、EMT様表現型変化調和した増加がもたらされる。
抗Loxl2mAbsが、MCF−7WT細胞とともにMBA−MD−MB−231(高レベルのLOXL2を発現する)をインキュベートすることによって認められるEMT表現型を阻害することができることを示す図である。(A、C、E)MCF−7WT細胞とMCF−7細胞からのCM及び(B、D、F)MCF−7WT細胞とMBA−MD−231細胞からのCM、(C〜F)細胞と、MCF−7細胞に加える前に抗Loxl2mAbsとともにプレインキュベートしたCMを示す(それぞれ)(C、D):mAb#418及び(E、F):mAb#423、異なる濃度の抗体(C、E):2μg;(D、F):4μg)。
MDA−MB−231CMをMCF−7細胞とともにインキュベートすることによるEMT様変化の特異的ブロッキング効果を示す図である。(A)「プレインキュベーション」:採取し、浄化したCMを抗Loxl2(室温(RT)で1.5時間)#418又は#422mAbとともにプレインキュベートし、次いで、MCF−7細胞上に4日間適用した。(B)「プレインキュベートせず」:CMとMDA−MB−231細胞は抗Loxl2#418又は#422mAbの存在下(3日)で、採取し、浄化する前であり、次いで、MCF−7細胞上に4日間適用した。EMT様形態は(A)及び(B)でブロックされる。非EMT様対照としての(C)MCF−7細胞からの3日ならし培地(CM)で4日間処理し、野生型MCF−7細胞に特有な丸く、平らな形態を有していたMCF−7細胞。EMT様対照としての(D)Loxl2mAbとともにインキュベートしなかったMDA231細胞からの3日CMで処理したMCF−7細胞(4日間インキュベーション)及び(E)抗アクチン抗体とともにプレインキュベートしたMDA231細胞からの3日CMで処理したMCF−7細胞(4日間インキュベーション)。(D)及び(E)の両方、紡錘形細胞のEMT様形態が認められる。

0018

MCF−7(低LOXL2)をHs578t腫瘍細胞(高レベルのLOXL2を発現する)からのならし培地で処理することによるEMT様表現型の変化の誘導を示す図である。抗Loxl2mAbsがEMT表現型をブロックすることができることが認められる。(A)MCF−7細胞からの3日ならし培地(CM)からのならし培地をMCF−7細胞に4日間適用したところ、野生型MCF−7細胞に特有な丸く、平らな形態を有していた。(B、C、D)Hs−578t細胞(LOXL2高)からのならし培地をMCF−7細胞(LOXL2低/陰性)に適用した。(A〜D)ローダミン−ファロイジン(F−アクチン、赤)及びDAPI(核、青)で染色した細胞。これらの効果はLOXL2に特異的であり、他のタンパク質に特異的でないことが確認される。ならし培地は4μgの(C)陰性対照としての抗β−アクチン抗体又は(D)抗LOXL2抗体と混合した。Hs−578t細胞からのならし培地をMCF7細胞に加える前に抗LOXL2抗体とともにプレインキュベートした場合、EMT表現型がブロックされた(D)。同じ方法で抗β−アクチン抗体でCMを処理した場合、MCF7細胞の表現型の変化はブロックされず(C)、LOXL2抗体による遮断は特異的であり、CMへの抗体の添加に起因する非特異的効果ではないことが裏づけられた。
MDA MB231細胞からのならし培地(CM)とともにインキュベートしたSW620細胞はEMT表現型の変化を受けることを示す図である。(A〜B)SW620細胞をMDA MB231細胞からのならし培地(CM)とともにインキュベートした(20倍及び40倍)。矢印は、EMT様表現型を受けたSW620細胞の形態を示す。細胞は、EMT表現型(ローダミン−ファロイジン染色により示される)の変化を72時間後に受ける。(C〜D)293野生型細胞からのならし培地(CM)とともにインキュベートしたSW620細胞は72時間後に典型的な「正常な」円形を維持している(20倍及び40倍)。MDA MB231又は293細胞からのならし培地(CM)は、3日CMである。
293:Loxl2.MCDトランスフェクタントからのCMとともにインキュベートしたSW620細胞を示す図である。(A、C、E)は72時間後にEMT表現型(ローダミン−ファロイジン染色により示される)の変化を受けた細胞を示す(50%CM:50%完全培地)。(B、C、E)はそれぞれ(A、C、E)の拡大写真であり、矢印はEMT様表現型を受けたSW620細胞の形態を示す。293:Loxl2.MCDは、リシルオキシダーゼ酵素ドメインを含むLOXL2−MCDと呼ばれるLOXL2のフラグメントをトランスフェクトされ、それを発現する293細胞であった。LOXL2のこの部分は単独で十分に少なくとも部分的なEMT様表現型変化を誘発すると思われる。すべての細胞が表現型の変化を受けるわけではないが、受ける細胞の群は明らかに区別される。
(A)非切断の細胞内LOX/LOXL及び切断された活性LOX/LOXLを示す、(B)活性LOX/LOXL細胞取込み及び活性はEMTを促進するが、EMTを減少させかつ/又はEMTを増加させる抗体などの阻害剤に結合した場合には活性LOX/LOXLの取込みは阻止されることを示す概略図である。
3T3細胞中表面結合LOX活性がBAPN、LOXmAb及びLOXsiRNAにより阻害されることを示すグラフである。特異的LOX活性は、1,5−ジアミノペンタン基質を用いたAmplex Ultra Redの酸化に基づく西ワサビ結合蛍光検定法により定量した3T3細胞の細胞表面上で明らかである。LOX活性は、可逆性小分子阻害剤BAPNにより、LOXペプチドに対するモノクローナル抗体により、またLOXmRNAを特異的に標的とするsiRNAオリゴクレチドにより阻害された。
細胞株においてLOXL2の2つの形が優勢であることを示す図である。(A)LOXL2タンパク質発現及び細胞株における分泌。乳房腫瘍細胞株:Hs578t、MDA−MB−231、MCF7;肺腫瘍細胞株:A549。(B)一般的に検出されるLOXL2形の概略図。
CHO細胞から精製されたLOXL2タンパク質発現を示す図である。Myc−His標識(C末端)LOXL2がCHO細胞中で発現した。次の2つの形が優勢である(図16と同様):ペプチドLOXL2及びSRCR2とSRCR3の間に開裂したLOXL2。LOXL2はCHO細胞中にも分泌される。
クロマトグラフィーによるLOXL2の分離を示す図である。(A)分離されたLOXL2種のクロマトグラフ。(B)LOXL2種の分離を確認するウエスタンブロット分析
LOXL2の両形が活性であることを示すin vitro酵素検定を示す図である。
LOXL2のIC50グラフである。LOXL2の阻害は、活性LOXL2及びLOXL2抗体であるAB0023を用いてin vitro酵素検定において行った。M1及びM20は、AB0023である。Asc=腹水発生、非表示=バイオリアクター発生、同じ結果。抗体の濃度の増加に伴う活性の低下を示す用量反応。LOXL2標本は、両処理形(ペプチド及び成熟)を含む。

0019

LOXL2の阻害の様式を示すグラフである。(A)AB0023はLOXL2の非競合的阻害剤であるが、(B)βAPNはLOXL2の競合的阻害剤である。E=酵素、P=生成物、S=基質、I/A=阻害剤/抗体
LOXL2の阻害の様式を示すグラフである。(A)AB0023はLOXL2の非競合的阻害剤であるが、(B)βAPNはLOXL2の競合的阻害剤である。E=酵素、P=生成物、S=基質、I/A=阻害剤/抗体
LOXL2の最小触媒ドメイン領域(MCD)が酵素的に活性であることを示す図である。(A)LOXL2のMCD構成体の概略図である。(B)LOXL2 MCDが効率よく分泌されることを示す図である。(C)LOXL2 MCDが酵素的に活性であることを示す図である。
抗LOX抗体のインターナリゼーション及び取込みを示す図である。抗体を用いて肝腫瘍細胞におけるLOXの免疫蛍光分析を行った。(A〜B)Hs578t細胞にsiNT(非標的ノックダウン対照)をトランスフェクトし、mAbsとともに3時間インキュベートした。LOXはサイトゾル中に局在化していた。(C〜D)siLOXをトランスフェクトしたHs578t細胞をmAbsとともに3時間インキュベートした。LOXタンパク質レベルは減少し、siLOXによる枯渇が裏づけられる。LOXタンパク質は、細胞内でペリプラズムでもあった。LOXは、M37(A、C)又はM64抗体(B、D)により検出された。LOX12mAbsのインターナリゼーション及び取込みの同様な結果が得られた。したがって、結果は、染色がLOX又はLOXL2に対して特異的であるという結論を裏づけるものである。
(A)集密Hs578t及び透過化又は(B)非透過化細胞の抗LOX抗体のインターナリゼーション及び取込みを示す図である。細胞は、集密状態の2日後、4日後に8チャンバースライドで50000細胞/ウエル平板培養した。細胞を抗LoxM64とともに3時間インキュベートし、Alexa488−greenにより検出した。Loxl2mAbsのインターナリゼーション及び取込みの同様な結果が得られた。
siRNAをトランスフェクトしたHs578tにおける抗LOX抗体のインターナリゼーション及び取込みを示す図である。Hs578t細胞に(A、B)siNT又は(C、D)siLOXをトランスフェクトし、LOX抗体とともに5時間インキュベートした。抗LoxM64(A、C)又は抗コラーゲンI(B、D)により検出された細胞の画像をトランスフェクトしてから7日後に撮影した。Loxl2mAbsのインターナリゼーション及び取込みの同様な結果が得られた。
LOX Pep2 M64の特異性を示す図である。mAbsを、(A)コラーゲンI及び/又は(B)コラーゲンIVマトリックスを介しての細胞浸潤及び移動を阻害するそれらの能力についてスクリーニングした。(C)Hs578T細胞に対するM64mabの特異性がチャンバー・スライド上で検出された(集密後:6日後)。(D)チャンバー・スライド上でコラーゲンHs578T細胞と比較してLOXの局在化(集密後:6日後)。細胞は透過化せず、画像は63倍であった。
LOX Pep2 M64の特異性を示す図である。mAbsを、(A)コラーゲンI及び/又は(B)コラーゲンIVマトリックスを介しての細胞浸潤及び移動を阻害するそれらの能力についてスクリーニングした。(C)Hs578T細胞に対するM64mabの特異性がチャンバー・スライド上で検出された(集密後:6日後)。(D)チャンバー・スライド上でコラーゲンHs578T細胞と比較してLOXの局在化(集密後:6日後)。細胞は透過化せず、画像は63倍であった。
集密後0日目から15日目までのHs578T細胞の時間経過試験を示す図である。
転移性乳房腫瘍組織(リンパ節試料上のLOXL2及びLOX抗体を用いた免疫組織化学(IHC)を示す図である。IHCは、次の乳房TMAを用いて実施した:(A、B)LOXL2、(C、D)細胞増殖のマーカーであるKi67(C、D)並びに(E、F)及びLOXに関して転移性非特異的浸潤乳管癌試料であるCC08−21−002(Cybrdi)。LOXL2及びLOXは、腫瘍細胞により発現され、間質細胞によるLOXL2及びLOXの発現の証拠が存在する(褐色染色)。(A、C、E)20倍;(B、E、F)40倍

0020

原発乳房腫瘍試料上のLOXL2及びLOX抗体を用いた免疫組織化学(IHC)を示す図である。IHCは、次の乳房TMAを用いて実施した:(A、B)LOXL2、(C、D)細胞増殖のマーカーであるKi67(C、D)並びに(E、F)及びLOXに関して非特異的浸潤乳管癌悪性度II試料であるCC08−21−002(Cybrdi)。原発乳房腫瘍においてLOXL2とLOXの共発現が存在し、LOXL2タンパク質は腫瘍細胞中に高度に検出され、LOXタンパク質は腫瘍細胞を直接取り囲む間質細胞(間質線維芽細胞及び/又は筋線維芽細胞)中に主として検出される。(A、C、E)20倍;(B、E、F)40倍
Affymetrix Inc.により供給されたDNAチップを用いて測定した、正常組織と比較して腫瘍及び線維症組織中で過剰発現したLOX及びLOXL2のmRNAレベルを示すグラフである。
同じ患者からの隣接する正常組織の発現と比較した肺腺癌試料におけるLOX/LOXLの発現を示す図である。A)LOX、LOXL1、LOXL2、LOXL4を、B)はA)と同じデータで、LOX及びLOXL2のみをプロットする。T:腫瘍;N:正常
ハウスキーピング遺伝子PL19に対して標準化した肺腺癌試料におけるLOX/LOXLの発現を示す図である。腫瘍及び隣接正常試料は別個にプロットする。A)と同じデータに基づいてA)LOX、LOXL1、LOXL2、LOXL4を、B)LOX及びLOXL2のみをプロットする。T:腫瘍;N:正常
低酸素性MCF−7細胞におけるLOX及びLOXL2の共発現を示す図である。LOX及びLOXL2は、通常は非常に低いレベルのLOX及びLOXL2を発現するMCF−7細胞における低酸素により誘導される(左の軸に酸素正常状態で成長した細胞に対するアップレギュレーション倍率をプロットする)。細胞は、2%O2、5%CO2に調節した組織培養インキュベーター中で3日間増殖させた(対酸素正常状態:約20%O2、5%CO2)。MCF7:乳房腫瘍細胞株
ヒト細胞株におけるリシルオキシダーゼ・ファミリーメンバーのmRNAレベルを示す図である。1段階qRT−PCRを100ng/rxnRNAについて実施した。MCF7、MB231、BT549、Hs578t:乳房腫瘍細胞株;A549:肺腫瘍細胞株;HT1080:線維肉腫細胞株;HFF:線維芽細胞株
図36〜39におけるLOX/LOXL2の(A)shRNA及び(B)siRNAノックダウンのRT−PCRバリデーションのグラフである。(C)Lox、Loxl2、Lox/Loxl2 siRNAをトランスフェクトしたMDA MB231細胞を用いた移動検定も実施した。Lox siRNAノックダウンは、MDA MB231細胞の浸潤特性を非標識siRNA対照と比較して52%抑制する。(D)(C)に示すMDA MB231細胞におけるsiRNAノックダウンに関するTaqmanデータを裏づけている。
図39〜45におけるLOX/LOXL2の(A)shRNA及び(B)siRNAノックダウンのRT−PCRバリデーションのグラフである。(C)Lox、Loxl2、Lox/Loxl2 siRNAをトランスフェクトしたMDA MB231細胞を用いた移動検定も実施した。Lox siRNAノックダウンは、MDA MB231細胞の浸潤特性を非標識siRNA対照と比較して52%抑制する。(D)(C)に示すMDA MB231細胞におけるsiRNAノックダウンに関するTaqmanデータを裏づけている。
shLOXL2細胞のエルロチニブ(erlotinib)感受性を示すグラフである。shLOXL2ノックダウン細胞株(shLOXL2.195)は、細胞生存能の約7倍の低下を示した。計算IC50を対照系(sh対照)と比較した。親細胞株は、MDA−MB−231である。増殖率(生存能)を左軸にプロットする。エルロチニブは、ゲフィチニブを含む薬物クラスEGFR阻害剤を代表する。
MDA−MB−231 shLOX細胞株のメトトレキサートMTX)感受性を示すグラフである。成長率(生存能)を左軸にプロットする。shLOXノックダウン細胞株は、対照系(GFP対照)と比較して生存能の約2倍の低下を示した。

0021

siLOX/LOXL2又はLOX抗体を用いたシスプラチンDDP)感受性を示すグラフである。(A)MDA−MB−231 siLOX及びsiLOXL2細胞株又は(B)MiaCaPa2細胞株、抗LOXを用いた場合、及びそれらのDDPに対する感受性。生存能を左軸にプロットする。siLOX及びsiLOXL2ノックダウン細胞株は、対照系(非標的対照)と比較して生存能の約20%の低下を示した。(C)抗LOXで処理した又は処理しなかったMiaCaPa2及び他の細胞株のDDPのIC50。(D)無処理(Unt)と比較したLOX(M64)又はLOXL2(M20)抗体単独の成長阻害のグラフ。
siLOX/LOXL2又はLOX抗体を用いたシスプラチン(DDP)感受性を示すグラフである。(A)MDA−MB−231 siLOX及びsiLOXL2細胞株又は(B)MiaCaPa2細胞株、抗LOXを用いた場合、及びそれらのDDPに対する感受性。生存能を左軸にプロットする。siLOX及びsiLOXL2ノックダウン細胞株は、対照系(非標的対照)と比較して生存能の約20%の低下を示した。(C)抗LOXで処理した又は処理しなかったMiaCaPa2及び他の細胞株のDDPのIC50。(D)無処理(Unt)と比較したLOX(M64)又はLOXL2(M20)抗体単独の成長阻害のグラフ。
siLOX/LOXL2又はLOX抗体を用いたシスプラチン(DDP)感受性を示すグラフである。(A)MDA−MB−231 siLOX及びsiLOXL2細胞株又は(B)MiaCaPa2細胞株、抗LOXを用いた場合、及びそれらのDDPに対する感受性。生存能を左軸にプロットする。siLOX及びsiLOXL2ノックダウン細胞株は、対照系(非標的対照)と比較して生存能の約20%の低下を示した。(C)抗LOXで処理した又は処理しなかったMiaCaPa2及び他の細胞株のDDPのIC50。(D)無処理(Unt)と比較したLOX(M64)又はLOXL2(M20)抗体単独の成長阻害のグラフ。
siLOX/LOXL2又はLOX抗体を用いたシスプラチン(DDP)感受性を示すグラフである。(A)MDA−MB−231 siLOX及びsiLOXL2細胞株又は(B)MiaCaPa2細胞株、抗LOXを用いた場合、及びそれらのDDPに対する感受性。生存能を左軸にプロットする。siLOX及びsiLOXL2ノックダウン細胞株は、対照系(非標的対照)と比較して生存能の約20%の低下を示した。(C)抗LOXで処理した又は処理しなかったMiaCaPa2及び他の細胞株のDDPのIC50。(D)無処理(Unt)と比較したLOX(M64)又はLOXL2(M20)抗体単独の成長阻害のグラフ。
MDA−MB−231 siRNA又はshRNA細胞株のドキソルビシン感受性を示すグラフである。(A)siLOX、siLOXL2及びsiLOX/LOXL2細胞株。生存能を左軸にプロットする。siLOX、siLOXL2及びsiLOX/siLOXL2二重ノックダウン細胞株は、ドキソルビシンに対する高い感受性を示し、計算IC50は親細胞株(対照)と比較して27%〜55%の低下を示す。(B)(C)MDA−MB−231shLOX及びshLOXL2細胞株のドキソルビシン感受性と比較したMDA−MB−231siLOX、siLOXL2及びsiLOX/LOXL2ノックアウトドキルビジン感受性を示すグラフ。生存能を左軸にプロットする。
ヌードマウス腎被膜下に移植したMCF7腫瘍細胞及びLOXL2をトランスフェクトしたMCF7細胞からのインプラント・サイズの平均増加(gain)を示すグラフである。インプラントに16日間にわたり腫瘍形成させた。MCF7内へのLOXL2の安定トランスフェクションにより、野生型MCF7細胞で認められるものよりはるかに大きい/攻撃的な原発腫瘍がもたらされた。
ヌード・マウスの腎被膜下に移植したHT1080腫瘍細胞からのインプラント・サイズの平均増加を示すグラフである。インプラントに10日間にわたり腫瘍形成させた。マウスに種々の抗体で週2回治療した(30mg/kg、腹腔内注射)。5匹のマウスの各群にAC1:陰性対照抗体;M64、M5、又はM11:「非LOXL2」抗体(抗LOX抗体);又はAB23:LOXL2抗体で治療した。AB23の傾向:この攻撃的な原発腫瘍モデルにおいて腫瘍サイズの平均が約25%より小さい。
リシルオキシダーゼ酵素学を示す図である。LOX/LOXL酵素は、ミカエリスメンテン速度論により記述することができるピンポン・メカニズムにより作用する。
酵素阻害の共通様式を示す図である。
LOXL2の阻害などの酵素阻害の様式を示す図である。

0022

I.LOX又はLOXLの阻害による治療
本開示は、異常な細胞増殖、血管新生及び線維症に関連する様々な疾患をリシルオキシダーゼ(LOX)又はリシルオキシダーゼ様タンパク質(LOXL)の阻害剤を用いることにより予防及び治療するための革新的な方法並びに関連組成物及びキットを提供する。
理論により束縛されることを望まないが、LOX又はLOXLの処理形の阻害は、腫瘍浸潤及び転移を予防及び治療するのに、また異常な血管新生及び線維症に関連する疾患を治療するのに有効である。
1つの実施形態において、有効な量のLOX又はLOXLの阻害剤を対象に投与する段階を含む、対象におけるin vivoでの腫瘍浸潤又は転移を治療又は予防する方法を提供する。

0023

他の実施形態において、腫瘍成長を少なくとも25%、50%、75%、90%又は95%減少させるような有効な量の処理LOX又はLOXLの阻害剤を対象に投与する段階を含む、対象におけるin vivoでの腫瘍成長を減少させる方法を提供する。いくつかの実施形態によれば、腫瘍は、転移性腫瘍であってよい。

0024

他の実施形態において、有効な量の処理LOX又はLOXLの阻害剤をそれを必要とする対象に投与し、それにより、治療した対象の生存の可能性を特定の期間増加又は向上させる段階を含む、転移性腫瘍を有する対象の生存の可能性を増加又は向上させる方法を提供する。いくつかの実施形態において、対象の生存を少なくとも10日、1カ月、3カ月、6カ月、1年、1.5年、2年、3年、4年、5年、8年又は10年延長させる。
LOX又はLOXLの処理形は、活性であり得る。LOX又はLOXLは、活性でもあり得る、分泌形でもあり得る。活性LOX又はLOXLは、タンパク質分解処理又は切断の後のLOX又はLOXLの成熟形であってよい。LOXLの例は、LOXL1、LOXL2、LOXL3及びLOXL4を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、LOX又はLOXLの阻害剤は、活性LOX、LOXL2又はLOXL4の阻害剤である。例えば、LOX又はLOXLの阻害剤は、活性LOX及び活性LOXL2の両方を阻害する。
LOX又はLOXLの阻害剤は、LOX又はLOXLに対する抗体、小分子阻害剤、siRNA、shRNA或いはLOX又はLOXLに対するアンチセンスポリヌクレオチドであってよい。

0025

いくつかの実施形態において、LOX又はLOXL阻害剤は、下の表1及び2に示す配列番号1〜18から選択されるアミノ酸配列を有するLOX又はLOXLの領域に特異的に結合する抗体である。
下及び実施例の項でより詳細に述べるように、活性LOX又はLOXLの様々な阻害剤(小分子又は抗体など)は、腫瘍浸潤、血管新生又は転移を抑制するのに、またがん、腫瘍、並びに異常な血管新生及び線維症に関連する疾患を治療するのに用いることができる。
II.LOX及びLOXLの両方の阻害剤による治療
本開示はまた、リシルオキシダーゼ(LOX)又はリシルオキシダーゼ様タンパク質(LOXL)処理形の阻害剤を用いることにより、異常な細胞増殖、血管新生及び線維症に関連する様々な疾患を予防し、治療するための革新的な方法並びに関連組成物及びキットを提供する。
LOX及びLOXLの両方の同時阻害は、種々の腫瘍の浸潤及び転移を予防又は治療するのに、また異常な血管新生及び線維症に関連する疾患を治療するのに有効である。
1つの実施形態において、有効な量のLOXの阻害剤及びLOXLの阻害剤を対象に投与する段階を含む、対象における腫瘍浸潤又は転移をin vivoで治療又は予防する方法を提供する。

0026

他の実施形態において、腫瘍成長を少なくとも25%、50%、75%、90%又は95%減少させるような有効な量のLOXの阻害剤及びLOXLの阻害剤を対象に投与する段階を含む、対象における腫瘍成長をin vivoで減少させる方法を提供する。いくつかの実施形態によれば、腫瘍は、転移性腫瘍であってよい。
他の実施形態において、有効な量のLOXの阻害剤及びLOXLの阻害剤をそれを必要とする対象に投与し、それにより、治療した対象の生存の可能性を特定の期間増加又は向上させる段階を含む、転移性腫瘍を有する対象の生存の可能性を増加又は向上させる方法を提供する。いくつかの実施形態において、対象の生存を少なくとも10日、1カ月、3カ月、6カ月、1年、1.5年、2年、3年、4年、5年、8年又は10年延長させる。

0027

LOXの阻害剤及びLOXLの阻害剤は、異なっていてよく、それぞれがそれぞれLOX及びLOXLを特異的に阻害する。或いは、LOXの阻害剤及びLOXLの阻害剤は、LOX及びLOXLの両方を阻害する同じ分子であってよい。いくつかの実施形態において、LOXLは、LOXL1、2、3又は4である。いくつかの実施形態において、LOXLは、LOXL2又は4であり、例えば、LOXLは、LOXL2である。
場合によって、LOX又はLOXLの阻害剤は、タンパク質分解又は切断後のLOX又はLOXLの形を阻害する。LOX又はLOXLは、プロ酵素形又は成熟形であってよい。LOX又はLOXLは、活性形であってよい。LOX又はLOXLの全長又は処理形は、活性であり得る。
場合によって、LOX又はLOXLの阻害剤は、LOX又はLOXLの分泌形を阻害する。
LOX又はLOXL阻害剤は、LOX又はLOXLに対する抗体、小分子阻害剤、siRNA、shRNA或いはLOX又はLOXLに対するアンチセンスポリヌクレオチドであってよい。

0028

いくつかの実施形態において、LOX又はLOXL阻害剤は、下の表1及び2に示す配列番号1〜18から選択されるアミノ酸配列を有するLOX又はLOXLの領域に特異的に結合する抗体である。
下及び実施例の項でより詳細に述べるように、活性LOX又はLOXLの様々な阻害剤(小分子又は抗体など)は、腫瘍浸潤、血管新生又は転移を抑制するのに、またがん、腫瘍並びに異常な血管新生及び線維症に関連する疾患を治療するのに用いることができる。

0029

III.併用療法
本開示は、リシルオキシダーゼ(LOX)又はリシルオキシダーゼ様タンパク質(LOXL)のモジュレーターを含む併用療法を用いることにより、異常な細胞増殖、血管新生及び線維症に関連する様々な疾患を予防し、治療するための革新的な方法並びに関連組成物及びキットも提供する。
下でより詳細に述べるように、LOX又はLOXLの阻害は、腫瘍細胞における上皮間葉移行(EMT)の進行を遅らせるか、若しくは停止させ、又は間葉上皮移行(MET)をより低い腫瘍形成状態にし、それにより、腫瘍又は罹患細胞を照射、化学療法薬、抗腫瘍生物製剤、血管新生阻害薬及び抗線維症薬に対してより感受性の高い状態にする。

0030

IV.薬剤の選択
本開示は、腫瘍浸潤、血管新生及び転移を予防又は抑制する薬剤を選択する革新的な方法を提供する。これらの薬剤は、がん、腫瘍、糖尿病性網膜症、黄斑変性、強皮症、肝線維症、腎線維症、肺線維症、強皮症、アテローム性動脈硬化症及びアルツハイマー病などの異常な細胞増殖、血管新生及び線維症に関連する疾患を予防し、治療するために、単独で用いるか、又は他の治療薬と併用することができる。
本開示によれば、上皮間葉移行(EMT)状態にある細胞をリシルオキシダーゼ(LOX)又はリシルオキシダーゼ様タンパク質(LOXL)の阻害剤と接触させる段階、細胞のEMT状態の変化を検出する段階を含み、EMT状態の減少又はEMT状態からMET状態への移行が、LOX又はLOXL阻害剤が線維症、腫瘍浸潤、血管新生又は転移の阻害剤であることを示す、腫瘍浸潤、血管新生又は転移の阻害剤を選択する方法を提供する。したがって、腫瘍細胞におけるEMTからMETへの移行を促進するLOX/LOXL阻害剤をスクリーニングするためのEMT−MET検定を用いる方法もここに提供する。

0031

理論により束縛されることを望まないが、EMTにおけるLOX及びLOXLの役割は、LOX又はLOXLが関連する細胞内補因子と接触することを可能にする、腫瘍細胞による活性LOX又はLOXLの取込みに関連し、LOX又はLOXLの阻害は、腫瘍細胞における上皮間葉移行(EMT)の進行を遅らせるか、若しくは停止させ、又は間葉上皮移行(MET)をより低い腫瘍形成状態にし、それにより、腫瘍の浸潤、血管新生及び転移を予防又は抑制し、原発腫瘍細胞を照射、化学療法薬、抗腫瘍生物製剤、血管新生阻害薬及び抗線維症薬に対してより感受性の高い状態にする可能性がある。
細胞のEMT状態は、低レベルのE−カドヘリン染色を伴う陽性ビメンチン又はフィブロネクチン染色並びにF−アクチンのファロイジン染色により示される伸長及びリモデリングされたアクチン細胞骨格などの特性を有する。したがって、EMT状態の減少又はEMTからMET状態への移行は、ビメンチン又はフィブロネクチン染色の減少、E−カドヘリン染色の増加、及び/又はF−アクチンのファロイジン染色によるアクチン細胞骨格のリモデリングを測定又は検出することによってモニターすることができる。

0032

場合によって、浸潤性及び移動能力の増加はEMTに関連するので、in vitro及びin vivo腫瘍浸潤又は移動は、細胞のEMT又はMET表現型を評価するのに用いることができる。例えば、浸潤性及び移動性がより大きいEMT状態にある細胞は浸潤性又は移動性がより低い細胞よりすり傷を速やかに満たすので、in vitro創傷治癒又はすり傷アッセイを用いてEMT状態からMET状態への移行をモニターすることができる。
下及び実施例の項でより詳細に述べるように、EMT−MET移行検定を用いることにより、様々なLOX又はLOXL阻害剤(小分子又は抗体など)を腫瘍浸潤、血管新生又は転移を阻害するそれらの能力について試験することができる。LOX又はLOXLの全長又は処理形の阻害は、腫瘍浸潤及び転移を予防又は治療するのに有効である。したがって、LOX又はLOXLの活性形の阻害のための候補化合物をスクリーニングし、選択し、設計する方法、並びにLOX又はLOXLの活性形に対する抗体を産生させる方法もここに提供する。

0033

V.診断
本開示は、リシルオキシダーゼ(LOX)又はリシルオキシダーゼ様タンパク質(LOXL)の処理形を特異的に認識する分子又は物質を用いることにより、異常な細胞増殖、血管新生及び線維症に関連する様々な疾患を診断又はモニタリングするための方法並びに関連組成物及びキットを提供する。理論に束縛されることなしに、LOX又はLOXLの処理形は、腫瘍浸潤及び転移、並びに異常な血管新生及び線維症に関連する疾患の重要なバイオマーカーである。
1つの実施形態において、血液中又は腫瘍中の処理LOX又はLOXLレベル又は活性を評価する段階を含み、それにより、参照試料と比較したときの血液中又は腫瘍中の処理LOX又はLOXLレベル又は活性の変化が転移性腫瘍の成長の存在を示す、対象における癌の転移を診断又はモニタリングする方法を提供する。変化は、処理LOX又はLOXLレベル又は活性の増加又は低下であってよい。一般的に、参照試料と比較したときの血液中又は腫瘍試料中の処理LOX又はLOXLレベル又は活性の増加は、転移性腫瘍の成長の存在を示している。

0034

下でより詳細に述べるように、処理LOX又はLOXLのレベルは、LOX又はLOXLの処理形に特異的に結合する抗体を用いることによる免疫組織化学を含むが、これに限定されない種々の方法により評価することができる。活性LOX又はLOXLの酵素活性は、色素及び蛍光定量法を含むが、これに限定されない種々の方法により測定することができる。

0035

VI.線維症の治療
リシルオキシダーゼ(LOX)又はリシルオキシダーゼ様タンパク質(LOXL)の活性形を用いることにより、線維症に関連する様々な疾患を予防又は治療するための組成物、方法及びキットもここに提供する。
1つの態様において、有効な量のLOX又はLOXLの阻害剤を対象に投与する段階を含む、対象における病的心状態又は疾患を治療する方法を提供する。例えば、病的心状態又は疾患は、高血圧、高血圧性心疾患(HHD)、心筋梗塞(MI)、アテローム性動脈硬化症及び再狭窄であってよい。
他の態様において、有害心事象の前に、それと同時に、又はその後に有効な量のLOX又はLOXLの阻害剤を対象に投与する段階を含む、対象における病的心状態又は疾患を治療する方法を提供する。有害心事象は、急性心筋梗塞などの心筋梗塞であってよい。
LOX又はLOXLの阻害剤は、有害心事象の前に、それと同時に、又はその後に投与することができる。例えば、阻害剤は、心筋梗塞から1時間、2時間、3時間、5時間若しくは10時間後、又は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14目若しくはそれを超える日数後に投与することができる。
LOX又はLOXLの阻害剤は、有害心事象によって引き起こされる線維症の部位に局所的に対象に送達することができる。

0036

他の態様において、LOX又はLOXLの阻害剤を含むコンポーネントを含む、対象における病的心状態又は疾患を予防又は治療するための用具を提供する。コンポーネントは、β−アミノプロピオニトリル(BAPN)などの500ダルトン未満の分子量を有する小分子であってよいLOX又はLOXLの阻害剤を組み込んだステントであってよい。阻害剤は、ステントに被覆することができる。
或いは、用具は、有害心事象によって引き起こされる心線維症の部位に局所的にLOX又はLOXLの阻害剤を送達するためのカテーテルを含んでいてよい。

0037

他の態様において、薬剤学的許容できる賦形剤中にLOX又はLOXLの阻害剤を含む薬剤組成物、並びに薬剤組成物を用いて病的心状態又は疾患をどのように予防又は治療するかの指示書を含むキットを提供する。
有効な量のLOX又はLOXLの阻害剤を対象に投与する段階を含む、対象における線維症に関連する疾患を治療又は予防するための方法、組成物及びキットも提供する。線維症に関連する疾患は、肝線維症、腎線維症、肺線維症、皮膚瘢痕化及びケロイド形成、並びにアルツハイマー病から選択することができる。
LOX又はLOXLの阻害剤は、活性LOX又はLOXLの阻害剤であってよい。活性LOX又はLOXLは、タンパク質溶解処理又は切断後のLOX又はLOXLの成熟形であってよい。LOXLの例は、LOXL1、LOXL2、LOXL3及びLOXL4を含むが、これらに限定されない。LOX又はLOXLの阻害剤は、活性LOX、LOXL2又はLOXL4の阻害剤であってよい。いくつかの実施形態において、LOX又はLOXLの阻害剤は、活性LOX及び活性LOXL2の両方を阻害する。
LOX又はLOXLの阻害剤は、LOX又はLOXLに対する抗体、小分子阻害剤、siRNA、shRNA或いはLOX又はLOXLに対するアンチセンスポリヌクレオチドであってよい。

0038

特定の実施形態において、LOX又はLOXL阻害剤は、下の表1及び2に示す配列番号1〜18からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するLOX又はLOXLの領域に特異的に結合する抗体である。
下及び実施例の項でより詳細に述べるように、LOX又はLOXLの様々な阻害剤(小分子又は抗体など)を用いることができる。

0039

1.リシルオキシダーゼ及びリシルオキシダーゼ様タンパク質
本明細書で用いているように、「リシルオキシダーゼ」という用語は、次の反応を触媒する酵素を意味する:ペプチジル−L−リシルペプチド+O2+H2O→ペプチジル−アリルシルペプチド+NH3+H2O2。リシルオキシダーゼの他の同義語(EC1.4.3.13)は、タンパク質−リシン6−オキシダーゼ及びタンパク質−L−リシン:酸素6−オキシドレダクターゼ脱アミノ化)などである。例えば、Harrisら、Biochim.Biophys.Acta、341巻、332〜44頁(1974年)、Raytonら、J.Biol.Chem.、254巻、621〜26頁(1979年)、Stassen、Biophys.Acta、438巻、49〜60頁(1976年)を参照のこと。その活性中心チロシルキノンのリシル付加体を有する銅含有キノタンパク質であるリシルオキシダーゼは、ペプチジルα−アミノアジピン−δ−セミアルデヒドを生成するペプチジルリシンの酸化を触媒する。生成すると、このセミアルデヒドは、隣接したアルデヒドと、又は他のリシル基と自発的に縮合して、鎖内及び鎖間架橋を形成する。例えば、Ruckerら、Am.J.Clin.Nutr.、67巻、996S〜1002S頁(1998年)を参照のこと。リシルオキシダーゼ及びリシルオキシダーゼ様タンパク質の例は、次の配列の1つから発現又は翻訳されるポリペプチドと実質的に同じアミノ酸配列を有する酵素を含む:EMBLGenBankアクセッション:M94054;AAA59525.1—mRNA;S45875;AAB23549.1−mRNA;S78694;AAB21243.1−mRNA;AF039291;AAD02130.1−mRNA;BC074820;AAH74820.1−mRNA;BC074872;AAH74872.1−mRNA;M84150;AAA59541.1−ゲノムDNA。LOXの1つの実施形態は、ヒトリシルオキシダーゼ(hLOX)プレプロタンパク質である。

0040

リシルオキシダーゼ様酵素又はタンパク質の例は、すべてが参照により本明細書に組み込まれている、Molnarら、Biochim Biophys Acta、1647巻、220〜24頁(2003年)、Csiszar、Prog.Nucl.Acid Res.、70巻、1〜32頁(2001年)及び2001年11月8日に公開された国際公開第01/83702号に記載されている。(これらの3つの刊行物において「LOXL1」が「LOXL」と呼ばれているが、本開示では「LOXL」は一般的にリシルオキシダーゼ様タンパク質を意味し、LOXL1ではないことが注目される。)これらの酵素は、GenBank/EMBLBC015090で寄託されたmRNAによりエンコードされるLOXL1;AAH15090.1;GenBank/EMBL U89942で寄託されたmRNAによりエンコードされるLOXL2;GenBank/EMBLAF282619で寄託されたmRNAによりエンコードされるLOXL3;AAK51671.1;及びGenBank/EMBL AF338441で寄託されたmRNAによりエンコードされるLOXL4;AAK71934.1を含む。

0041

「リシルオキシダーゼ」又はLOXはまた、リシル残基の脱アミノ化を触媒するその酵素活性を実質的にまだ保持している機能的フラグメント又は誘導体を含む。一般的に、機能的フラグメント又は誘導体は、そのリシル酸化活性の少なくとも50%を保持している。いくつかの実施形態において、機能的フラグメント又は誘導体は、そのリシル酸化活性の少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、99%又は100%を保持している。リシルオキシダーゼは、その活性を実質的に変化させない保守的アミノ酸置換基を含み得る。アミノ酸の適切な保守的置換基は、当業者に知られており、得られる分子の生物学的活性を変化させずに一般的に調製することができる。当業者は、一般的にポリペプチドの非必須領域における単一アミノ酸置換は生物学的活性を実質的に変化させないことを認識している。例えば、Watsonら、Molecular Biology of Gene、第4版、1987年、The Benjamin/Cummings Pub.Co.、224頁を参照のこと。
リシルオキシダーゼ又はリシルオキシダーゼ様タンパク質のいくつかの例の詳細は、下で述べる。

0042

リシルオキシダーゼは、第一級アミン基質を反応性アルデヒドに酸化する銅含有アミンオキシダーゼである。リシルオキシダーゼは、コラーゲンにおけるペプチジルリシン及びヒドロキシリシン残基、並びにエラスチンにおけるペプチジルリシン残基酸化的脱アミノ化を触媒し、細胞外マトリックスの形成に必須である。発生するペプチジルアルデヒドは、自発的に縮合し、酸化反応を受けて、細胞外マトリックスの正常な構造上の完全性に必要なリシン由来共有結合性架橋を形成する。過酸化水素(H2O2)及びアンモニウムがペプチジルアルデヒド生成物化学量論的な量で放出される。例えば、Kaganら、J.Cell.Biochem.、88巻、660〜672頁(2003年)を参照のこと。
LOXの主な活性は、細胞外のコラーゲン及びエラスチンにおける特定のリシン残基の酸化であるが、細胞内でも作用し、遺伝子発現を調節することがあり得る(Liら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、94巻、12817〜12822頁(1997年)、Giampuzziら、J.Biol.Chem.、275巻、36341〜36349頁))。さらに、LOXは、単球、線維芽細胞及び平滑筋細胞化学走性を誘発する(Lazarusら、Matrix Biol.、14巻、727〜731頁(1995年)、Nelsonら、Proc.Soc.Exp.Biol.Med.、188巻、346〜352頁(1988年))。LOX自体は、多くの成長因子並びにTGF−β、TNF−α及びインターフェロンなどのステロイドにより誘導される(Csiszar、Prog.Nucl.Acid Res.、70巻、1〜32頁(2001年))。最近の研究で、発達調節、腫瘍抑制細胞運動性及び細胞老化などの多様な生物学的機能における他の役割がLOXに帰せられた。LOXの多様な役割、並びにその最近発見されたアミノオキシダーゼファミリーであるLOX様(LOXL)は、それらの細胞内及び細胞外局在化に伴う重要な役割を果たしている可能性がある。

0043

5種の異なるリシルオキシダーゼがヒト及びマウスに存在することが知られている。すなわち、本開示の目的のために「LOX/LOXL」と総称するLOXと4種のLOX関連又はLOX様タンパク質(LOXL、LOXL2、LOXL3、LOXL4)である。これらのリシルオキシダーゼの5種の形は、5種の異なる染色体上にある。これらのファミリー・メンバーは、構造及び機能のある程度の重複を示すが、異なる機能も有すると思われる。例えば、突然変異誘発による標的LOX欠失は、マウスにおいて分娩時に致死性であると思われる(Hornstaら、J.Biol.Chem.、278巻、14387〜14393頁(2003年))が、LOXLの欠乏は、苛酷な発達表現型をもたらさない(Bronsonら、Neurosci.Lett.、390巻、118〜122頁(2005年))。
LOXは、ヒト、マウス、ラットニワトリ及びキイロショウジョウバエなどのいくつかの種において保存的である、高度に保存的なタンパク質ドメインを有する。ヒトLOXファミリーは、205アミノ酸LOX触媒ドメインを含む高度に保存的なC末端領域を有する。保存的領域は、銅結合(Cu)、保存的サイトカイン受容体様ドメイン(CRL)、及びリシルチロシルキノン補因子部位(LTQ)を含む。予測される細胞外シグナル配列は、陰影線付きの枠で表される。12システイン残基も同様に保存されており、それらのうちの2つはプレプロペプチド領域内にあり、10はLOXの触媒的に活性な処理形に位置する(Csiszar、Prog.Nucl.Acid Res.、70巻、1〜32頁(2001年))。保存領域は、フィブロネクチン結合ドメインも含む。

0044

LOXのプレプロペプチド領域は、シグナルペプチドを含み、切断されて(切断部位はCys21〜Ala22間にあると予想される)、シグナル配列ペプチド、及び全長形とも本明細書で呼ぶLOXの48kDaのアミノ酸プロペプチド形を生ずる。該プロペプチドは、ゴルジ体を通過中にN−グリコシル化され、細胞外環境中に分泌され、そこで、プロ酵素又はプロペプチドは、Bmp1、Tll1及びTll2遺伝子の産物である、プロコラーゲンCプロテイナーゼであるメタロエンドプロテアーゼによりGly168〜Asp169間で切断されて、酵素の処理又は成熟形を生ずる。BMPI(骨形態発生タンパク質I)は、プロペプチドを処理して、機能的30kDa酵素及び18kDaプロペプチドを生成させるプロコラーゲンCプロテイナーゼである。プロペプチドをコードする配列は中等度に保存的である(60〜70%)が、活性部位が位置するプロ酵素のC末端30kDa領域をコードする配列は高度に保存的である(約95%)(Kagan及びLi、J.Cell.Biochem.、88巻、660〜672頁(2003年)、Kaganら、J.Cell Biochem.、59巻、329〜38頁(1995年))。その後、N−グリコシル単位も除去される。

0045

LOXL、LOXL2、LOXL3及びLOXL4のアミノ末端における同様な潜在的シグナルペプチドが予測された。予測されたシグナル切断部位は、LOXLについてはGly25〜Gln26間、LOXL2についてはAla25〜Gln26間、LOXL3についてはGly25〜Ser26間にある。プロコラーゲン及びプロLOXにおけるBMP−1切断に関するコンセンサスは、Ala/Gly〜Asp間にあり、しばしば酸性又は荷電残基後続する。処理LOXLを生成させる潜在的切断部位は、Gly303〜Asp304であるが、非定型的Proが後続する。LOXL3も、Aspが後続するGly447〜Asp448における潜在的切断部位を有し、この部位における処理により、成熟LOXと同様なサイズの成熟ペプチドが生成する。BMP−1の潜在的切断部位もLOXL4内の残基Ala569〜Asp570に特定された(Kimら、J.Biol.Chem.、278巻、52071〜52074頁(2003年))。LOXL2もLOXLファミリーの他のメンバーと同様にタンパク質分解により切断され、媒体中に分泌される(Akiriら、Cancer Res.、63巻、1657〜1666頁(2003年))。
LOX及びLOXLについて共通であることが知られていない特徴は、スカベンジャー受容体システインリッチ(SRCR)ドメインである。LOX及びLOXLは、SRCRドメインを欠いているが、LOXL2、LOXL3及びLOXL4は、それぞれN末端に4つのSRCRドメインを有する。SRCRドメインは、分泌、貫膜又は細胞外マトリックス・タンパク質に認められる。SRCRドメインは、多くの分泌及び受容体タンパク質におけるリガンド結合を媒介することも知られている(Hohenesteら、Nat.Struct.Biol.、6巻、228〜232頁(1999年);Sasakiら、EMBOJ.,17巻、1606〜1613頁(1998年))。LOXLに特有な他のドメインは、プロリン・リッチ・ドメインの存在である(Molnarら、Biochimica Biophsyca Acta、1647巻、220〜224頁(2003年))。

0046

組織分布もLOXと各種LOXLとで異なる可能性がある。LOXは、心臓胎盤精巣腎臓及び子宮において高度に発現するが、脳及び肝臓ではわずかである。LOXL1は、胎盤、腎臓、筋肉、心臓、肺及び膵臓において発現し、LOXと同様に脳及び肝臓でははるかに低い発現を示す(Kimら、J.Biol.Chem.、270巻、7176〜7182頁(1995年))。LOXL2は、子宮、胎盤及び他の臓器において高度に発現するが、LOX及びLOXLと同様に、脳及び肝臓では低い発現を示す(Jourdan Le−Sauxら、J.Biol.Chem.、274巻、12939〜12944頁(1999年)))LOXL3は、精巣、脾臓及び前立腺において高度に発現し、胎盤において中等度に発現し、肝臓では発現しないが、LOXL4は、肝臓において高度に発現する(Huangら、Matrix Biol.、20巻、153〜157頁(2001年)、Maki及びKivirikko、Biochem.J.、355巻、381〜387頁(2001年)、Jourdan Le−Sauxら、Genomics、74巻、211〜218頁(2001年)、Asuncionら、Matrix Biol.、20巻、487〜491頁(2001年))。

0047

疾患におけるLOXと各種LOXLタンパク質の発現又は関連性も異なり得る。これは、組織分布、処理、ドメイン、活性の調節の差、並びにタンパク質間の他の差異のような多くの理由に起因すると思われる。例えば、LOX及びLOXLは線維性部位の周囲の筋線維芽細胞において高度に発現するので、LOX及びLOXLは線維症に関連づけられている(Kagen、Pathol.Res.Pract.、190巻、910〜919頁(1994年)、Murawakiら、Hepatology、14巻、1167〜1173頁(1991年)、Siegelら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、75巻、2945〜2949頁(1978年)、Jourdan Le−Sauxら、Biochem Biophys.Res.Comm.、199巻、587〜592頁(1994年)、Kimら、J.Cell Biochem.、72巻、181〜188頁(1999年))。LOX及び各種LOXLは、いくつかのがんにも関連づけられている。例えば、LOXL1及びLOXL4は、後成的サイレントであることが示されており、ヒト膀胱がんにおけるras/細胞外シグナル調節キナーゼシグナリング経路を阻害することができる(Wuら、Cancer Res.、67巻、4123〜4129頁(2007年))。他の研究者らは、頭部及び頚部扁平上皮癌におけるLOXL4遺伝子の選択的アップレギュレーション及び増幅を示した(Goroughら、J.Pathol.、212巻、74〜82頁(2007年))。LOX及びLOXL2は、大腸及び食道がんなどの多くの腫瘍にも関連づけられたCsiszar、Prog.Nucl.Acid Res.、70巻、1〜32頁(2001年))。乳がんにおいて、LOX及びLOXLファミリー・メンバーががんに関連づけられた(Kirschmannら、Cancer Res.、62巻、448〜4483頁(2002年))。

0048

2.活性LOX/LOXLのモジュレーターのスクリーニング
活性LOX/LOXLのモジュレーターは、種々のスクリーニング検定法を用いることによっても選択することができる。プレプロタンパク質の分泌及びタンパク質分解による切断後の活性LOX/LOXLは、種々のスクリーニング検定法を用いることによって選択することができる。1つの実施形態において、候補結合化合物を活性LOX又はLOXLのポリペプチドとともにインキュベートする段階、及び結合が起こった場合に判断する段階を含む、活性LOX/LOXLに結合する化合物を選択する方法を提供する。
他の実施形態において、候補化合物を活性LOX又はLOXLとともにインキュベートする段階、活性LOX又はLOXLの生物学的活性を測定する段階、及び活性LOX又はLOXLの生物学的活性が変化したかどうかを判断する段階を含む、活性LOX/LOXLのモジュレーター、例えば、活性化剤/作用薬又は阻害剤/拮抗薬を特定する方法を提供する。

0049

他の実施形態において、候補化合物を活性LOX/LOXLを含む細胞培養中でインキュベートする段階、及び培養中の細胞の生物学的活性の変化を検出する段階を含み、培養中の細胞の生物学的活性の変化が活性LOX/LOXLの活性化剤又は阻害剤を示唆する、活性LOX/LOXLの活性化剤又は阻害剤を特定する方法を提供する。生物学的活性の変化は、LOX/LOXLの特異的機能、LOX/LOXLの酵素活性又はLOX/LOXLのレベルであってよい。いくつかの実施形態において、生物学的活性は、移動、EMT/MET又はその他のものなどの細胞機能であり、変化を対照若しくは参照試料と比較する。例えば、陰性対照試料を含んでよい対照は、候補化合物が加えられる、低いレベルの活性LOX/LOXLを含む培養又は同じ量の活性LOX/LOXLを含むが、候補化合物が加えられていない培養を含んでよい。いくつかの実施形態において、異なる量の活性LOX/LOXLを含む別個の培養を候補化合物と接触させる。例えば、生物学的活性の変化が認められる場合、そして変化が、より高い量の活性LOX/LOXLを有する培養においてより大きい場合、化合物は活性LOX/LOXLの活性化剤と特定される。
他の例において、有意な量のLOX及び/又はLOXLを発現することは、本明細書で述べるスクリーニング検定法用の活性LOX/LOXLの源として用いることはできるが、全細胞溶解物は、活性LOX及び/又はLOXLを含むだけでなく、不活性LOX及び/又はLOXLも含むであろう。
化合物又は複数の化合物は、化学的に合成又は微生物学的に産生させ、かつ/又は例えば、試料、例えば、植物、動物若しくは微生物からの細胞抽出物中に含めることができる。さらに、化合物は、当技術分野で知られているが、これまで活性LOX/LOXLを抑制又は活性化することができることは知られていない。反応混合物は、無細胞抽出物であってよく、又は細胞若しくは組織培養を含んでいてよい。本開示の方法のための適切な装置一式は、当業者に知られており、例えば、一般的にAlbertsら、Molecular Biology of the Cell、第3版(1994年)及び追加する実施例に記載されている。複数の化合物を例えば、反応混合物、培養培地に加え、細胞中に注入、又は別の方法でトランスジェニック動物に適用することができる。本開示の方法に用いることができる細胞又は組織は、本開示の宿主細胞哺乳類細胞又は非ヒト・トランスジェニック動物である。

0050

化合物又は複数の化合物を含む試料が本開示の方法において特定されている場合、活性LOX/LOXLを抑制又は活性化することができる化合物を含むと特定された最初の試料から該化合物を分離することが可能であるか、或いは、試料当たりの異なる物質の数を減らし、最初の試料の再分割物を用いて方法を反復するように、例えば、複数の異なる化合物からなる場合に最初の試料をさらに再分割することができる。試料の複雑さによって、例えば、本開示の方法により特定された試料が限られた数又は1つの物質を含むまで、上述の段階を数回実施することができる。いくつかの実施形態において、試料は、類似の化学的及び/又は物理的特性の物質を含み、また、いくつかの実施形態において、物質は同じである。
活性LOX/LOXLのような標的に対する特異的親和性を有する化合物を特定するために大ライブラリーを作製し、スクリーニングするいくつかの方法が当業者に知られている。これらの方法としては、無作為化ペプチドをファージからディスプレイし、固定化受容体に対してアフィニティ・クロマトグラフィーによりスクリーニングするファージディスプレイ法などがある。例えば、国際公開第91/17271号、国際公開第92/01047号、米国特許第5,223,409号を参照のこと。

0051

他のアプローチにおいて、チップ上に固定化したポリマーコンビナトリアル・ライブラリーをフォトリソグラフィーを用いて合成する。例えば、米国特許第5,143,854号、国際公開第90/15070号及び国際公開第92/10092号を参照のこと。固定化ポリマー標識受容体と接触させ、標識についてスキャンして、受容体に対するポリマーの結合を同定する。本開示のポリペプチドの結合リガンド並びに、したがって、可能な阻害剤及び活性化剤を特定するのに用いることができる連続細胞膜支持体上のペプチド・ライブラリーの合成及びスクリーニングが、例えば、Kramer、MethodsMol.Biol.、87巻(1998年)、25〜39頁に記載されている。この方法は、例えば、活性LOX/LOXLにおける結合部位及び認識モチーフ確定するのにも用いることができる。同様な方法で、DnaKチャペロンの基質特異性が測定され、ヒトインターロイキン−6とその受容体との接触部位が判定された。例えば、それぞれRudiger、EMBO J.、16巻(1997年)、1501から1507頁及びWeiergraber、FEBSLett.、379巻(1996年)、122〜126頁を参照のこと。

0052

さらに、上記の方法は、活性LOX/LOXL由来の結合エピトープ構築に用いることができる。抗p24(HV−1)モノクローナル抗体のペプチド抗原についての同様のアプローチが成功裏に記載された。例えば、Kramer、Cell、91巻(1997年)、799〜809頁を参照のこと。クラスターアミノ酸ライブラリーを用いたペプチド−抗体相互作用のフィンガープリント分析への一般的なルートがKramer、Mol.Immunol.、32巻(1995年)、459〜465頁に記載された。さらに、活性LOX/LOXLの拮抗薬は、Doring、Mol.Immunol.、31巻(1994年)、1059〜1067頁に記載されている方法に従って本開示のポリペプチドと特異的に反応するモノクローナル抗体から誘導し、同定することができる。

0053

より最近、国際公開第98/25146号は、所望の特性、例えば、ポリペプチド若しくはその細胞受容体の活性を増大し、それに結合し、又は拮抗する能力を有する化合物の複合体(complexes)のライブラリーをスクリーニングする方法を記載している。そのようなライブラリーにおける複合体は、被験化合物、化合物の合成における少なくとも1つの段階を記録しているタグ及びリポーター分子による修飾に感受性のテザーを含む。テザーの修飾は、複合体が所望の特性を有する化合物を含むことを表すのに用いる。タグは、そのような化合物の合成における少なくとも1つの段階を明らかにするために解読することができる。本開示によるポリペプチドと相互作用する化合物、又はそのような分子をエンコードする核酸を同定する他の方法は、例えば、ファージ・ディスプレイ・システムを用いるin vitroスクリーニング並びにフィルター結合検定又は例えば、BIAcore装置(Pharmacia)を用いる相互作用の「実時間」測定である。
これらの方法のすべては、活性LOX/LOXL又は関連ポリペプチドの活性化剤/作用薬及び阻害剤/拮抗薬を特定するために本開示に従って用いることができる。

0054

そのような活性化剤又は阻害剤の基本構造に関する様々な情報源を用いることができ、例えば、本開示のポリペプチドの擬似類似体を含む。本開示のポリペプチドの擬似類似体又はその生物学的に活性なフラグメントは、生物学的活性に必須であると予測されるアミノ酸を例えば、立体異性体、すなわち、D−アミノ酸で置換することによって得ることができる。例えば、Tsukida、J.Med.Chem.、40巻(1997年)、3534〜3541頁を参照のこと。さらに、フラグメントを生物学的に活性な類似体の設計に用いる場合、最初のポリペプチドの一部の除去により失われた可能性がある立体配置特性の少なくとも一部を再確立するために、プロ擬似成分をペプチドに組み込むことができる。例えば、Nachman、Regul.Pept.、57巻(1995年)、359〜370頁を参照のこと。さらに、活性LOX/LOXLは、天然ペプチドと同様に効率よく、本開示のポリペプチドのリガンド、基質、結合パートナー又は受容体として結合する、又は機能することができる合成化学ペプチド擬似体を特定するのに用いることができる。例えば、Engleman、J.Clin.Invest.、99巻(1997年)、2284〜2292頁を参照のこと。例えば、活性LOX/LOXLの構造モチーフの折りたたみシミュレーション及びコンピュータ再設計は、適切なコンピュータプログラムを用いて行うことができる(Olszewski、Proteins、25巻(1996年)、286〜299頁、Hoffman、Comput.Appl.Biosci.、11巻(1995年)、675〜679頁)。タンパク質の折りたたみのコンピュータモデリングは、詳細なペプチド及びタンパク質モデルの立体配置及びエネルギー解析に用いることができる(Monge、J.Mol.Biol.、247巻(1995年)、995〜1012頁、Renouf、Adv.Exp.Med.Biol.、376巻(1995年)、37〜45頁)。適切なプログラムは、相補的ペプチド配列のコンピュータ援用検索によるリシルオキシダーゼポリペプチド及びその相互作用タンパク質相互作用部位の特定に用いることができる(Fassina、Immunomethods、5巻(1994年)、114〜120頁)。タンパク質及びペプチドの設計のためのさらなる適切なコンピュータ・システムは、従来技術、例えば、Berry、Biochem.Soc.Trans.、22巻(1994年)、1033〜1036頁、Wodak、Ann.N.Y.Acad.Sci.、501巻(1987年)、1〜13頁、Pabo、Biochemistry、25巻(1986年)、5987〜5991頁)に記載されている。上述のコンピュータ解析から得られた結果は、例えば、本開示のタンパク質又はそのフラグメントのペプチド擬似体の調製に用いることができる。タンパク質の天然アミノ酸配列のそのような擬似ペプチド類似体は、親タンパク質を非常に効率よく模擬する(Benkirane、J.Biol.Chem.、271巻(1996年)、33218〜33224頁)。例えば、容易に入手可能なアキラルo−アミノ酸残基の本開示のタンパク質又はそのフラグメンへの組込みは、脂肪鎖ポリメチレン単位によるアミド結合の置換をもたらし、それにより、ペプチド擬似体を構築するための都合のよい戦略を提供する(Banerjee、Biopolymers、39巻(1996年)、769〜777頁)。他のシステムにおける小ペプチドホルモン超活性ペプチド擬似体は、従来技術において記載されている(Zhang、Biochem.Biophys.Res.Commun.、224巻(1996年)、327〜331頁)。活性LOX/LOXLのモジュレーターの適切なペプチド擬似体も、連続アミドアルキル化によるペプチド擬似コンビナトリアル・ライブラリーを合成し、得られた化合物を例えば、それらの結合及び免疫学的特性について試験することによって特定することができる。ペプチド擬似コンビナトリアル・ライブラリーの生成及び使用の方法は、例えば、Ostresh、Methods in Enzymology、267巻(1996年)、220〜234頁及びDomer、Bioorg.Med.Chem.、4巻(1996年)、709〜715頁に記載されている。さらに、本開示のポリペプチドの3次元及び/又は結晶学的構造は、本開示のポリペプチドの生物学的活性のペプチド擬似阻害剤の設計に用いることができる(Rose、Biochemistry、35巻(1996年)、12933〜12944頁、Rutenber、Bioorg.Med.Chem.、4巻(1996年)、1545〜1558頁)。

0055

天然の生物学的ポリペプチドの活性を模倣する低分子量合成分子の構造に基づく設計及び合成は、例えば、Dowd、Nature Biotechnol.、16巻(1998年)、190〜195頁、Kieber−Emmons、Current Opinion Biotechnol.、8巻(1997年)、435〜441頁、Moore、Proc.West Pharmacol.Soc.、40巻(1997年)、115〜119頁、Mathews、Proc.West Pharmacol.Soc.、40巻(1997年)、121〜125頁、Mukhija、European J.Biochem.、254巻(1998年)、433〜438頁に記載されている。
例えば、活性LOX/LOXL又は関連ポリペプチドの基質又はリガンドとして作用することができる小有機化合物擬似体を設計、合成及び評価することが可能であることも当業者によく知られている。例えば、ハパロシンのD−グルコース擬似体は、細胞毒性における多剤耐性補助関連タンパク質に拮抗する点についてハパロシンと同様な効率を示したことが記載された(Dinh、J.Med.Chem.、41巻(1998年)、981〜987頁を参照)。

0056

本明細書で開示する抗体などの阻害剤は、LOX/LOXLに結合することができ、競合的阻害剤、不競合的(uncompetitive)阻害剤又は非競合的(non−competitive)阻害剤であり得る。競合的阻害に関しては、阻害剤は、通常基質と構造上の類似性を有する。阻害は、低基質濃度では顕著であるが、高基質濃度では打ち勝つことができない。不競合的阻害に関しては、阻害剤は、基質が結合部位に結合した後に利用可能になる部位に結合する。阻害は、高基質濃度で最も顕著である。非競合的阻害に関しては、阻害剤は、基質結合部位から離れた部位に結合し、相対的阻害は、一般的にすべての基質濃度で同じである。1つの実施形態において、本明細書で述べる抗体又はその抗原結合フラグメントは、全長及び処理LOX又はLOXL2の両方に特異的に結合する。1つの態様において、全長及び処理LOX又はLOXL2の両方は、酵素の活性形である。

0057

3.LOX/LOXLに対する抗体
本明細書で用いているように、「抗体」という用語は、抗原性エピトープに特異的に結合するために必要な可変領域配列を含む分離又は組換え結合物質を意味する。したがって、抗体は、所望の生物学的活性を示す、例えば、特定の標的抗原に結合するあらゆる形の抗体又はそのフラグメントである。したがって、それは、広い意味で用いられ、具体的にはモノクローナル抗体(全長モノクローナル抗体を含む)、ポリクローナル抗体ヒト抗体ヒト化抗体キメラ抗体ナノ抗体二重特異性抗体(diabodies)、多特異性抗体(例えば、二特異性抗体)並びに所望の生物学的活性を示す限り、scFv、Fab及びFab2を含むが、これらに限定されない抗体フラグメントを含む。したがって、「ヒト抗体」という用語は、可能な非ヒトCDR領域を除くヒト由来の配列を含む抗体を意味し、Ig分子の完全な構造が存在することを意味せず、抗体がヒトにおいて最小限の免疫原性効果を有することのみを意味する。
「抗体フラグメント」は、完全な抗体の一部、例えば、完全な抗体の抗原結合又は可変領域を含む。抗体フラグメントの例は、Fab、Fab’、F(ab’)2及びFvフラグメント、二重特異性抗体、線状抗体(Zapataら、Protein Eng.、8巻(10号)、1057〜1062頁(1995年))、単鎖抗体分子、及び抗体フラグメントから形成された多特異性抗体などである。抗体のパパイン消化により、それぞれ単一結合部位、及び容易に結晶化する能力を反映する名称である残存「Fc」を有する「Fab」フラグメントと呼ばれる2つの同一の抗原結合フラグメントが生ずる。ペプシン処理により、2つの抗原結合部位を有し、依然として抗原を架橋することができるF(ab’)2フラグメントが生ずる。

0058

「Fv」は、完全な抗原認識及び結合部位を含む最小の抗体フラグメントである。この領域は、強固な非共有結合の1つの重及び1つの軽鎖可変ドメイン二量体からなっている。VH−VL二量体の表面上の抗原結合部位を定義する各可変ドメインの3つのCDRが相互に作用するのは、この立体配置にある。ひとまとめにすると、その6つのCDRは、抗体に抗原結合特異性を与える。しかし、全結合部位より低い親和力であるが、単一可変ドメイン(すなわち、抗原に対して特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)でさえも抗原を認識し、結合する能力を有する。
「Fab」フラグメントは軽鎖定常ドメイン及び重鎖の第一定常ドメイン(CH1)も含む。Fabフラグメントは、抗体ヒンジ領域の1つ又は複数のシステインを含む重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端少数の残基が付加されている点がFab’ フラグメントと異なる。Fab’−SHは、定常ドメインのシステイン残基が遊離チオール基を有するFab’の本明細書での名称である。F(ab’)2抗体フラグメントは、それらの間にヒンジシステインを有するFab’フラグメントの対として最初は生成された。抗体フラグメントの他の化学結合も知られている。

0059

脊椎動物種の抗体(免疫グロブリン)の「軽鎖」は、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ及びラムダと呼ばれる明らかに異なるタイプの1つに帰属させることができる。それらの重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列によって、免疫グロブリンは、異なるクラスに帰属させることができる。免疫グロブリンの5つの主要なクラス、すなわち、IgAIgDIgEIgG及びIgMが存在し、これらのいくつかは、さらにサブクラスイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA及びIgA2に分けられ得る。
単鎖Fv」又は「sFv」抗体フラグメントは、抗体のVHドメイン及びVLドメインを含み、これらのドメインは単ポリペプチド鎖に存在する。いくつかの実施形態において、Fvポリペプチドは、sFvが抗原結合のための望ましい構造を形成することを可能にする、VHドメインとVLドメインとの間にポリペプチドリンカーをさらに含む。sFvのレビューについては、Pluckthun in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies、113巻、Rosenburg及びMoore編、Springer−Verlag、New York、269〜315頁(1994年)を参照のこと。

0060

「二重特異性抗体」という用語は、フラグメントが同じポリペプチド鎖(VH−VL)における軽鎖可変ドメイン(VL)に結合した重鎖可変ドメイン(VH)を含む、2つの抗原結合部位を有する小抗体フラグメントを意味する。短すぎて同じ鎖上の2つのドメインの間で対を作ることを可能にしないリンカーを用いることにより、ドメインは他の鎖の相補的ドメインと対を作らされ、2つの抗原結合部位を形成する。二重特異性抗体は、例えば、欧州特許第404,097号、国際公開第93/11161号及びHollingerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90巻、6444〜6448頁(1993年)により十分に記載されている。

0061

「分離」抗体は、同定され、その自然環境の構成要素から分離されかつ/又は回収されたものである。その自然環境の混入物成分は、抗体の診断又は治療における使用を妨害する物質であり、酵素、ホルモン及び他のタンパク質性又は非タンパク質溶質などである可能性がある。いくつかの実施形態において、抗体は、(1)ローリー法により定量したとき、抗体の95重量%を超える、例えば、99重量%を超えるまで、(2)スピニングカップ・シーケネーターを用いることにより、N末端又は内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るのに十分な程度まで、又は(3)クーマシーブルー又は銀染色を用いた還元又は非還元条件下でのSDS−PAGEによる均一性が得られるまで精製する。抗体の自然環境の少なくとも1つの成分は存在しないので、分離抗体は、組換え細胞内のin situでの抗体を含む。しかし、通常は、分離抗体は少なくとも1つの精製段階により調製する。

0062

いくつかの実施形態において、抗LOX/LOXL抗体は、ヒト化抗体又はヒト抗体である。非ヒト(例えば、マウス)抗体のヒト化形は、キメラ免疫グロブリン、非ヒト免疫グロブリン由来の最小配列を含む、その免疫グロブリン鎖又はフラグメント(Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2又は抗体の他の抗原結合部分配列)である。ヒト化抗体は、レシピエント相補性決定領域(CDR)が、所望の特異性、親和力及び能力を有するマウス、ラット又はウサギなどの非ヒト動物種のCDRの残基(ドナー抗体)により置換されているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)を含む。いくつかの例において、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基が対応する非ヒト残基により置換されている。ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも、移入CDR又はフレームワーク配列にも認められない残基を含んでいてよい。一般的に、ヒト化抗体は、実質的にすべての少なくとも1つの、一般的に2つの可変ドメインを含み、すべて又は実質的にすべてのCDR領域が非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応し、すべて又は実質的にすべてのFR領域がヒト免疫グロブリン配列のFR領域である。

0063

ヒト化抗体は、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、一般的にヒト免疫グロブリンのそれも場合によって含む(Jonesら、Nature、321巻、522〜525頁(1986年)、Riechmannら、Nature、332巻、323〜329頁(1988年)及びPresta、Curr.Op.Struct.Biol.、2巻、593〜596頁(1992年))。
非ヒト抗体をヒト化する方法は、当技術分野でよく知られている。一般的に、ヒト化抗体は、非ヒトである源からそれに導入された1つ又は複数のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、「移入」又は「ドナー」残基としばしば呼ばれており、「移入」又は「ドナー」可変ドメインから一般的にとられる。ヒト化は、げっ歯類CDR又はCDR配列をヒト抗体の対応する配列の代わりに用いて、Winter及び共同研究者ら(Jonesら、Nature、321巻、522〜525頁(1986年)、Riechmannら、Nature、332巻、323〜327頁(1988年)、Verhoeyenら、Science、239巻、1534〜1536頁(1988年)の方法に従って本質的に実施することができる。したがって、そのような「ヒト化」抗体は、完全なヒト可変ドメインより実質的に少ない配列が非ヒト動物種の対応する配列により置換された、キメラ抗体を含む(米国特許第4,816,567号)。実際に、ヒト化抗体は、一般的に、一部のCDR残基及びおそらく一部のFR残基がげっ歯類抗体における類似の部位の残基により置換されている、ヒト抗体である。

0064

ヒト抗体は、ファージ・ディスプレイ・ライブラリーを含む当技術分野で知られている様々な手法を用いて作製することもできる(Hoogenboom及びWinter、J.Mol.Biol.、227巻、381頁(1991年)、Marksら、J.Mol.Biol.、222巻、581頁(1991年)。Coleら及びBoernerらの手法もヒトモノクローナル抗体の調製に利用可能である(Coleら、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy、Alan R.Liss、77頁(1985年)及びBoernerら、J.Immunol.、147巻(1号)、86〜95頁(1991年))。同様に、ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を、トランスジェニック動物、例えば内因性免疫グロブリン遺伝子が部分的又は完全に不活性化されたマウスに導入することによって調製することができる。チャレンジにより、遺伝子再配列集合及び抗体レパートリーを含むすべての点でヒトで認められるものと極めて類似した、ヒト抗体産生が認められる。このアプローチは、例えば、米国特許第5,545,807号、第5,545,806号、第5,569,825号、第5,625,126号、第5,633,425号、第5,661,016号、並びに次の科学刊行物に記載されている。Marksら、Bio/Technology、10巻、779〜783頁(1922年)、Lonbergら、Nature、368巻、856〜859頁(1994年)、Morrison、Nature、368巻、812〜13頁(1994年)、Fishwaldら、Nature Biotechnology、14巻、845〜51頁(1996年)、Neuberger、Nature Biotechnology、14巻、826頁(1996年)、Lonberg及びHuszar、Intern.Rev.Immunol.、13巻、65〜93頁(1995年)。
抗体は、上述の既知の選択及び/又は突然変異誘発法を用いて親和性を成熟させることもできる。いくつかの実施形態において、親和性成熟抗体は、成熟抗体を調製する出発抗体(一般的にマウス、ウサギ、ニワトリ、ヒト化又はヒト)より5倍、10倍以上、20倍以上、又は30倍以上大きい親和力を有する。

0065

抗LOX/LOXL抗体は、二特異性抗体であってもよい。二特異性抗体は、モノクローナルであり、いずれかは、少なくとも2種の異なる抗原に対する結合特異性を有するヒト又はヒト化抗体であってよい。この場合、結合特異性の1つは、LOXに対するものであり、他の1つは、他の抗原、例えば、細胞表面タンパク質又は受容体若しくは受容体サブユニットに対するものである。さらなる実施形態において、結合特異性の1つは、LOXに対するものであり、他の1つは、LOXLタンパク質、例えば、LOXL2又はLOXL4に対するものである。
抗LOX/LOXL抗体は、免疫複合体であってもよい。そのような免疫複合体は、化学療法薬、毒素(例えば、細菌、真菌、植物若しくは動物由来の酵素的に活性な毒素又はそのフラグメント)或いは放射性同位体(すなわち、放射性複合体)などの細胞傷害性物質に結合させた抗LOX抗体を含む。

0066

特定のポリペプチド又は特定のポリペプチド上のエピトープ「に特異的に結合する」又は「に対して特異的」である抗体は、他のポリペプチド又はポリペプチドエピトープに実質的に結合することなく、特定のポリペプチド又は特定のポリペプチド上のエピトープに結合するものである。いくつかの実施形態において、本開示の抗体は、モノクローナル抗体、scFv、Fab又は抗体の他の形で約4℃、25℃、37℃又は42℃の温度で測定される100nMに等しいか若しくはそれより低く、場合によって10nMより低く、場合によって1nMより低く、場合によって0.5nMより低く、場合によって0.1nMより低く、場合によって0.01nMより低く、又は場合によって0.005nMより低い解離定数Kdで、ヒトLOX/LOXL(hLOX及びhLOXL1〜4のような)に特異的に結合する。

0067

場合によって、本開示の抗体は、LOX/LOXLの成熟形を処理し、それにより、活性LOX又はLOXLのレベルを減少させるためにLOX又はLOXLの処理を効果的に阻止するための切断部位などのLOX又はLOXLの1つ又は複数のタンパク質溶解切断部位に結合する。
場合によって、本開示の抗体は、ヒトLOXのプレプロタンパク質、成熟若しくは処理ヒトLOX、又は他のリシルオキシダーゼ様若しくはリシルオキシダーゼ関連タンパク質(例えば、LOXL1、LOXL2、LOXL3及びLOXL4)に対する結合親和力より大きい親和力、例えば、少なくとも10倍、少なくとも100倍、又は少なくとも1000倍大きい親和力で、LOXの全長形に特異的かつ選択的に結合する(Molnarら、(2003年)Biochim.Biophys.Acta.、1647巻、220〜224頁、Csiszar、Prog.Nucl.Acid Res.、70巻、1〜32頁(2001年)及び2001年11月8日に公開された国際公開第01/83702号を参照)。

0068

場合によって、本開示の抗体は、ヒトLOXのプレプロタンパク質、ヒトLOXの全長形、又は他のリシルオキシダーゼ様若しくはリシルオキシダーゼ関連タンパク質(例えば、LOXL1、LOXL2、LOXL3及びLOXL4)に対する結合親和力より大きい親和力、例えば、少なくとも10倍、少なくとも100倍、又は少なくとも1000倍大きい親和力で、LOXの成熟若しくは処理形に特異的かつ選択的に結合する(Molnarら、(2003年)Biochim.Biophys.Acta.、1647巻、220〜224頁を参照)。
いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号1〜18から選択されるhLOXの領域におけるエピトープに特異的に結合する。
場合によって、本開示の抗体は、他のリシルオキシダーゼ様若しくはリシルオキシダーゼ関連タンパク質(例えば、LOXL1、LOXL3及びLOXL4)に対する結合親和力より大きい親和力、例えば、少なくとも10倍、少なくとも100倍、又は少なくとも1000倍大きい親和力で、ヒトLOX及びヒトLOXL2の両方に結合する((Molnarら、(2003年)Biochim.Biophys.Acta.、1647巻、220〜224頁を参照)。

0069

場合によって、本開示の抗体は、LOX又はLOXLに結合するだけでなく、LOX又はLOXLの取込み又はインターナリゼーション(例えば、インテグリンβ1又は他の細胞受容体若しくはタンパク質による)も減少又は阻害する。そのような抗体は、EMTを減少させる可能性があり、したがって、本明細書で開示する適用分野に有用であると考えられている。
場合によって、本開示の抗体は、LOX又はLOXLに結合するだけでなく、LOX又はLOXLのリシルオキシダーゼ酵素活性も低下又は阻害する。そのような抗体は、EMTを減少させる可能性があり、したがって、本明細書で開示する適用分野に有用であると考えられている。
細胞受容体(例えば、取込み受容体インテグリンβ1)、BTK(バートン型低γグロブリンチロシンキナーゼ)又は他のインテグリンなどの他のタンパク質とLOX/LOXLの結合も上述の検定を用いて行い、この場合、ECMタンパク質を用いる代わりに、細胞受容体(例えば、取込み受容体インテグリンβ1)、BTK(バートン型低γグロブリン血チロシンキナーゼ)又は他のインテグリンを用いる。

0070

ECMタンパク質、細胞受容体及びインテグリンに対するLOX/LOXLの結合を阻害するそれらのLOX/LOXL抗体をさらなる進展のための候補として選択する。
LOX/LOXL酵素は、ミカエリス−メンテン速度論により記述することができるピンポン・メカニズムにより作用する(図41)。本開示のLOX/LOXL抗体は、LOX/LOXLの競合的阻害剤、不競合的阻害剤又は非競合的阻害剤であり得る。競合的阻害剤、不競合的阻害剤及び非競合的阻害剤として作用する抗体の作用機序図42に示す。競合的阻害に関しては、阻害剤は、通常基質と構造上の類似性を有する。阻害は、低基質濃度では顕著であるが、高基質濃度では打ち勝つことができない。不競合的阻害に関しては、阻害剤は、基質が結合部位に結合した後に利用可能になる部位に結合する。阻害は、高基質濃度で最も顕著である。非競合的阻害に関しては、阻害剤は、基質結合部位から離れた部位に結合する。相対的阻害は、一般的にすべての基質濃度で同じである。したがって、競合的阻害剤、不競合的阻害剤又は非競合的阻害剤である抗体は、LOXL2などのLOX/LOXL抗体であり得る(図43)。

0071

4.LOX/LOXLを標的とするポリヌクレオチド
LOX又はLOXLレベル又は活性の阻害剤は、LOX又はLOXLをエンコードするmRNA転写物と特異的にハイブリッド形成することができるアンチセンスポリヌクレオチドを用いて生じさせることができる。
場合によって、本開示のポリヌクレオチド阻害剤は、LOX又はLOXLの取込み又はインターナリゼーションを減少又は阻害することができる。そのようなポリヌクレオチド阻害剤はEMTを減少させる可能性があり、したがって、本明細書で開示する適用分野に有用であると考えられている。

0072

場合によって、本開示のポリヌクレオチド阻害剤は、LOX又はLOXLのリシルオキシダーゼ酵素活性を低下又は阻害することができる。そのようなポリヌクレオチド阻害剤はEMTを減少させる可能性があり、したがって、本明細書で開示する適用分野に有用であると考えられている。
LOX又はLOXL2を効率よくダウンレギュレートするのに用いることができるアンチセンス分子の設計は、一般的にアンチセンス・アプローチに用いられる2つの態様因子を考慮しながら行うことができる。第1の態様は、適切な細胞の細胞質中へのオリゴヌクレチドの送達であり、一方、第2の態様は、その翻訳を阻害する形での細胞内の指定のmRNAに特異的に結合するオリゴヌクレチドの設計である。
アンチセンスオリゴヌクレチドを設計する場合、一般的にいくつかの考慮すべき事項を考慮に入れる。アンチセンスオリゴヌクレチド又は類似体を用いた遺伝子発現の効率のよいin vivo阻害のために、オリゴヌクレチド又は類似体は、一般的に次の要件を満たす:(i)標的配列に対する結合の十分な特異性、(ii)水に対する溶解度、(iii)細胞内及び細胞外ヌクレアーゼに対する安定性、(iv)細胞膜透過能、及び(v)生物を治療するために用いる場合、低い毒性。標的mRNA及びオリゴヌクレチドの構造変化エネルギー説明となる熱力学サイクルに基づくそれらの標的mRNAに対する最高予測結合親和力を用いたそれらの配列を特定するアルゴリズムは、例えば、Waltonら、Biotechnol Bioeng、65巻、1〜9頁(1999年)に記載されているように利用可能である。

0073

そのようなアルゴリズムは、細胞におけるアンチセンス・アプローチを実行するために用いられて成功を収めた。例えば、Waltonらにより開発されたアルゴリズムは、科学者がウサギβ−グロブリン(RBG)及びマウス腫瘍壊死因子α(TNFα)転写物に対するアンチセンスオリゴヌクレチドを成功裏に設計することを可能にした。同じ研究グループは、動力学PCR法により評価した細胞培養中の3つのモデル標的mRNA(ヒト乳デヒドロゲナーゼA及びB並びにラットgp130)に対する合理的に選択されたオリゴヌクレチドのアンチセンス活性が、2つの細胞型における3種の異なる標的に対する試験を含むほぼすべての場合に有効であることがホスホジエステル及びホスホチオアートオリゴヌクレチド化学により証明されたことも報告した。
さらに、in vitroシステムを用いて特定のオリゴヌクレチドを設計し、その効率を予測するいくつかのアプローチも公表された(Matveevaら、Nature Biotechnology、16巻、1374〜1375頁(1998年))。
本開示で用いることができるアンチセンス分子は、ギャップ形成ペナルティが8に等しく、ギャップ拡大ペナルティが2に等しい、Smith及びWatermanアルゴリズムを用いたWisconsin配列解析パッケージのBestFitソフトウエアを用いて決定される配列番号1、4、5又は7と少なくとも50%相同、或いはそのN末端部分と少なくとも75%相同のポリペプチドをエンコードするポリヌクレオチド鎖の一部と生理的条件下でin vivoでハイブリッド形成可能な少なくとも10塩基、例えば、10〜15、15〜20塩基、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも22、少なくとも25、少なくとも30、又は少なくとも40塩基のポリヌクレオチド又はポリヌクレオチド類似体を含む。

0074

本開示により用いられるアンチセンスオリゴヌクレオチドは、組織中に投与した核酸構成体から発現させることができ、この場合、アンチセンス発現をオンオフ切り替えすることができるような誘導性プロモーターを用いるか、或いはそのようなオリゴヌクレオチドを化学的に合成し、例えば、薬剤組成物の一部として組織中に直接投与することができる。
選択されるあらかじめ決定した配列を有するオリゴヌクレオチド及びその類似体を化学合成する能力は、遺伝子発現をダウンモジュレートする手段を提供する。4種類の遺伝子発現調節戦略を考慮することができる。
転写レベルでは、鎖置換又は三重らせんの形成によりゲノムDNAに結合するアンチセンス又はセンスオリゴヌクレオチド又は類似体は、転写を妨げることができる。転写レベルでは、標的mRNA分子に結合しているアンチセンスオリゴヌクレオチド又は類似体は、細胞内RNアーゼHによるハイブリッドの酵素的切断をもたらす。この場合、標的mRNAとハイブリッド形成することにより、オリゴヌクレオチド又はオリゴヌクレオチド類似体は、二重らせんハイブリッドがRNアーゼH酵素により認識され、破壊されることを可能にする。或いは、そのようなハイブリッド形成は、正しいスプライシングの妨害につながる可能性がある。結果として、両方の場合に、翻訳の準備が整っている標的mRNAの完全な転写物の数は減少するか、又は消失する。

0075

翻訳レベルでは、標的mRNA分子に結合しているアンチセンスオリゴヌクレオチド又は類似体は、標的mRNAに対する必須翻訳因子リボソーム)の結合を立体障害により妨げる。これは、そのようなmRNAsの翻訳を不可能にするハイブリッド形成停止として当技術分野で知られている現象である。
修飾オリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼにより速やかに分解されて、短いin vivo半減期を有するので、アンチセンス配列として用いることは一般的に実際的でない。さらに、それらは、ミリグラム以上の量で調製することがしばしば困難である。さらに、そのようなオリゴヌクレオチドは、通常、不良な細胞膜透過物である。したがって、オリゴヌクレオチド類似体は、通常、適切な方法で工夫されている。
例えば、三重らせんの形成による2本鎖DNA(dsDNA)認識に関連して生ずる問題は、巧妙な「スイッチバック」化学結合により減少し、それにより、1本の鎖上のポリプリンの配列が認識され、「スイッチバック」により、他の鎖上のホモプリン配列を認識することができる。また、人工塩基を用いることにより良好ならせん形成が得られ、それにより、結合状態イオン強度及びpHに関して改善する。

0076

RNAオリゴヌクレオチドも、標的との安定なRNA−RNA二重らせんを形成し、効率のよい阻害が示唆されるので、アンチセンス阻害に用いることができる。しかし、それらの安定性が低いため、RNAオリゴヌクレオチドは、一般的にこの目的のために設計されたベクターを用いて細胞内で発現させる。このアプローチは、豊富で、寿命が長いタンパク質をエンコードするmRNAを標的とすることを試みる場合に用いることができる。
アンチセンス療法は、多くの生命脅かす疾患を治療するのに用いることができ、伝統的な薬剤と比べて多く利点がある。伝統的な薬剤は、一般的に、疾患を引き起こすタンパク質が生成した後に介入する。しかし、アンチセンス療法は、mRNA転写/翻訳を阻止し、タンパク質が生成する前に介入することができ、アンチセンス療法は1つの特定のmRNAのみを標的にするので、現行のタンパク質阻害療法より有効で、副作用が少ないことがあり得る。

0077

いくつかの臨床試験で、アンチセンスオリゴヌクレオチドの安全性、実現可能性及び活性が実証された。例えば、がんの治療に適するアンチセンスオリゴヌクレオチドが使用されて成功を収め(Holmundら、Curr.Opin.Mol.Ther.、1巻、372〜385頁(1999年))、一方、c−myb遺伝子、p53及びBcl−2を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドによる血液学的悪性腫瘍の治療が臨床試験に入り、患者により耐えられることが示された(Gerwitz、Curr.Opin.Mol.Ther.、1巻、297〜306頁(1999年))。
より最近、ヒトヘパラナーゼ遺伝子発現のアンチセンス媒介抑制がマウス・モデルにおけるヒトがん細胞の胸膜播種を抑制することが報告された(Unoら、Cancer Res、61巻、7855〜60頁(2001年))。
最初のアンチセンス薬が最近FDAにより承認された。該薬物フォビルセン(Fomivirsen)は、Isisにより開発され、CMV網膜炎に対する他の療法に不耐性であるか、又は禁忌を有する、或いはCMV網膜炎に対する以前の療法に対する反応性が不十分であったAIDS患者におけるサイトメガロウイルス局所療法適応となる(Pharmacotherapy News Network)。
したがって、現在のコンセンサスは、上述のようなアンチセンス技術の分野の最近の発展が、不適切な試験や誤った実験に頼ることなく、当業者が既知の配列の発現をダウンレギュレートするのに適するアンチセンス・アプローチを設計し、実行することを可能にする、高度に正確なアンチセンス設計アルゴリズム及び種々のオリゴヌクレオチド・デリバリー・システムの創生につながったことである。

0078

LOX又はLOXLを阻害する他のメカニズムは、標的mRNAと相同であり、その分解をもたらす小干渉性dsRNA(siRNA又は小ヘアピンRNA、shRNA)分子を用いるアプローチであるRNA干渉(RNAi)である(Carthew、Curr Opin.Cell.Biol.、13巻、244〜248頁(2001年))。例えば、LOXL2特異的shRNAの発現を伴う種々の種類のがん細胞の感染は、それらの形態及び浸潤性を変化させるのに有効である。
RNA干渉は、一般的に2段階過程である。開始段階と呼ばれる第1段階において、dsRNA(直接又はトランス遺伝子若しくはウイルスを介して導入された)をATP依存的に処理する(切断する)、dsRNA特異的リボヌクレアーゼのRNアーゼIIIファミリーのメンバーであるダイサー(Dicer)の作用により、恐らく、インプットdsRNAは、21〜23ヌクレオチド(nt)小干渉性RNAs(siRNA)に消化される。連続的な切断事象がRNAを、それぞれ2ヌクレオチド3’オーバーハングを有する19〜21bp二重らせん(siRNA)に分解する(Hutvagner及びZamore、Curr.Opin.Genet.Dev.、12巻、225〜232頁(2002年)、Bernstein、Nature、409巻、363〜366頁(2001年))。

0079

エフェクター段階において、siRNA二重らせんは、ヌクレアーゼ複合体に結合して、RNA誘導サイレンシング複合体RISC)を形成する。siRNA二重らせんのATP依存性巻き戻しは、RISCの活性化を必要とする。活性RISCは、次に塩基対合相互作用により相同性転写物を標的にし、一般的にmRNAを、siRNAの3’末端から約12ヌクレオチドフラグメントに切断する(Hutvagner及びZamore、Curr.Opin.Genet.Dev.、12巻、225〜232頁(2002年)、Hammondら、Nat.Rev.Gen.、2巻、110〜119頁(2001年)、Sharp、Genes.Dev.、15巻、485〜490頁(2001年)。切断のメカニズムは解釈すべきであるが、研究により、各RISCが単一siRNA及びRNアーゼを含むことが示されている(Hutvagner及びZamore、Curr.Opin.Genet.Dev.、12巻、225〜232頁(2002年))。

0080

RNAiの効力は顕著であるため、RNAi経路内の増幅段階が示唆された。増幅は、より多くのsiRNAsを発生させるインプットdsRNAsのコピー、又は生成するsiRNAsの複製によって起こる可能性がある。或いは又はさらに、増幅は、RISCの複数の代謝回転事象によってもたらされる可能性がある(Hutvagner及びZamore、Curr.Opin.Genet.Dev.、12巻、225〜232頁(2002年)、Hammondら、Nat.Rev.Gen.、2巻、110〜119頁(2001年)、Sharp、Genes.Dev.、15巻、485〜490頁(2001年)。RNAiは、Tuschl、Chem.Biochem.、2巻、239〜245頁(2001年)、Cullen、Nat.Immunol.、3巻、597〜599頁(2002年)及びBrantl、Biochem.Biophys.Act.、1575巻、15〜25頁(2002年)にも記載されている。
本開示により用いるのに適するRNAi分子の合成は、次のように実施することができる。第1に、LOX又はLOXLmRNA配列をAAジヌクレオチド配列のAUG開始コドンの下流にスキャンする。各AA及び3’隣接19ヌクレオチドの存在を、潜在的siRNA標的部位として記録する。非翻訳領域(UTRs)は調節タンパク質結合部位においてより富んでいるので、siRNA標的部位は、開いた読み枠から選択する。UTR結合タンパク質及び/又は翻訳開始複合体は、siRNAエンドヌクレアーゼ複合体の結合を妨害する可能性がある(Tuschl、Chem.Biochem.、2巻、239〜245頁(2001年))。GAPDHについて示されたように、非翻訳領域を標的とするsiRNAも有効である可能性があることは認識されよう。5’UTRを標的とするsiRNAは、細胞GAPDHmRNAの約90%の減少を媒介し、タンパク質レベルを完全に低下させる(www.ambion.com/techib/tn/91/912.html)。第2に、NCBIサーバー(www.ncbi.nlm.nih.gov/BLAST/)から入手可能なBLASTソフトウエアなどの配列アライメントソフトウエアを用いて、潜在的標的部位を適切なゲノム・データベース(例えば、ヒト、マウス、ラットなど)と比較する。他のコーディング配列と有意な相同性を示す推定標的部位は、フィルターにかけて除去する。

0081

適格標的部位をsiRNA合成鋳型として選択する。選択される配列は、55%より高いG/C含量を有するものと比べて遺伝子サイレンシングを媒介するのに有効であることが示されたので、低いG/C含量を有するものを含むことができる。評価に供する標的遺伝子の長さに沿っていくつかの標的遺伝子を選択することができる。選択されたsiRNAsのより十分な評価のために、陰性対照をともに用いる。陰性対照siRNAは、siRNAsと同じヌクレオチド組成であるが、ゲノムに対する有意な相同性を欠くものを含み得る。したがって、他の遺伝子と有意な相同性を示さないならば、siRNAのスクランブルヌクレオチド配列を用いることができる。
本開示のsiRNA分子は、一旦宿主細胞中に導入されたならば、siRNA転写物の安定な発現を促進することができる発現ベクターから転写することができる。これらのベクターは、in vivoで遺伝子特異的サイレンシングを行うことができるsiRNA分子に処理されるshRNAを発現するように遺伝子工学により改変される(Brummelkampら、Science、296巻、550〜553頁(2002年)、Paddisonら、Genes Dev.、16巻、948〜958頁(2002年)、Paulら、Nature Biotech、20巻、505〜508頁(2002年)、Yuら、Proc.Narl.Acad.Sci.USA、99巻、6047〜6052頁(2002年))。

0082

shRNAは、ヘアピン・ループ構造を有する1本鎖ポリヌクレオチドである。1本鎖ポリヌクレオチドは、2本鎖領域における1つの鎖の3’末端と2本鎖領域における他の鎖の5’末端を結合させるループセグメントを有する。2本鎖領域は、LOX若しくはLOXL、又はLOX若しくはLOXLmRNAをエンコードするポリヌクレオチドなどの標的配列及び第1の配列と相補的である第2の配列とハイブリッド形成可能である第1の配列から形成され、それにより、第1及び第2の配列が、結合配列がヘアピン・ループ構造の末端を結合させて、ヘアピン・ループ構造を形成している、2本鎖領域を形成している。第1の配列は、LOX/LOXLをエンコードするポリヌクレオチドのあらゆる部分とハイブリッド形成することができる。shRNAの2本鎖ステムドメインは、制限エンドヌクレアーゼ部位を含む。
shRNAのステムループ構造は、2bpオーバーハング、例えば、3’UUオーバーハングなどの任意選択のヌクレオチドオーバーハングを有することができる。変動はあり得るが、ステムは、一般的に約15〜49、約15〜35、約19〜35、約21〜31bp、又は約21〜29bpであり、ループは、約4〜30bp、例えば、約4〜23bである。

0083

細胞内のshRNAsの発現のために、ポリメラーゼIII H1−RNA又はU6プロモーターステムループRNAインサートクローニング部位、及び45−チミジン転写末端シグナルを含むプラスミドベクターを用いることができる。ポリメラーゼIIIプロモーターは、一般的に明確な開始及び停止部位を有し、それらの転写物は、ポリ(A)テイルを欠いている。これらのプロモーターの終結シグナルは、ポリチミジントラクトによって定義され、転写物は、一般的に第2のウリジンの後で切断される。この位置での切断により、発現shRNAにおける3’UUオーバーハングが発生する。これは、合成siRNAの3’オーバーハングと類似している。哺乳類細胞におけるshRNAを発現させるさらなる方法は、上で引用した参考文献に記載されている。

0084

適切な発現ベクターの例は、転写の明確な開始及び列(row)(T5)における5つのチミジンからなる終結シグナルを有するポリメラーゼ−III H1−RNA遺伝子プロモーターを含むpSUPER商標)である(Brummelkanpら、Science、296巻、550〜553頁(2002年))。終結部位における転写物の切断は、第2のウリジンの後の部位にあり、それにより、ヌクレオチドオーバーハングも含む合成siRNAsの末端に類似する転写物を生じさせる。siRNAは、目的とする配列、すなわち、同じ配列の逆相補配列から短いスペーサーにより分離されたLOX又はLOXLを含むようにクローンする。得られる転写物は、それ自体の上で折り返して、LOX又はLOXL RNAiを媒介するステムループ構造を形成する。
他の適切なsiRNA発現ベクターは、独立したpolIIIプロモーターの調節のもとにセンス及びアンチセンスsiRNAをエンコードする(Miyagishi及びTaira、Nature Biotech.、20巻、497〜500頁(2002年))。このベクターにより生成したsiRNAも5つのチミジン(T5)終結シグナルを含む。
リポフェクションにより合成siRNAを細胞に導入するアプローチは、いくつかの細胞型における低いトランスフェクション効率及び/又はサイレンシング効果短期持続をもたらし得るので、ベクター媒介法が開発された。
したがって、本開示により用いたsiRNA分子は、レトロウイルスを用いて細胞内に送達することができる。レトロウイルス送達は、一般的により効率が高く、均一で、安定な「ノックダウン」細胞を即時に選択するので、レトロウイルスを用いるsiRNAの送達は、リポフェクションのような方法に比べていくつかの利点がある(Devroe及びSilver、BMCBiotechnol.、2巻、15頁(2002年))。

0085

最近の科学刊行物で標的mRNA発現の阻害におけるそのような短い2本鎖RNA分子の効率がバリデートされ、そのような分子の治療における可能性が明らかに示された。例えば、RNAiは、C型肝炎(McCaffreyら、Nature、418巻、38〜39頁(2002年))、HIV−1(Jacqueら、Nature、418巻、435〜438頁(2002年))、子宮頚がん細胞(Jiang及びMilner、Oncogene、21巻、6041〜6048頁(2002年))及び白血病細胞(Wildaら、Oncogene、21巻、5716〜5724頁(2002年))の発現を抑制するために用いた。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

技術視点だけで見ていませんか?

この技術の活用可能性がある分野

分野別動向を把握したい方- 事業化視点で見る -

(分野番号表示ON)※整理標準化データをもとに当社作成

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

この 技術と関連性が強い技術

関連性が強い 技術一覧

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

関連する挑戦したい社会課題一覧

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ