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技術 ロボット装置、ロボット制御方法、プログラム及び記録媒体

出願人 キヤノン株式会社
発明者 高木清志
出願日 2013年4月19日 (8年1ヶ月経過) 出願番号 2013-088442
公開日 2014年11月13日 (6年7ヶ月経過) 公開番号 2014-210326
状態 特許登録済
技術分野 マニプレータ
主要キーワード 弾性力発生 専用LSI 接触剛性 中立角度 予備張力 粘性定数 展開側 フィードフォワード制御入力
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年11月13日)のものです。
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図面 (20)

課題

拮抗駆動から非拮抗駆動に継ぎ目なく遷移可能とする。

解決手段

関節トルク演算部231は、関節角度θ目標関節角度raにするのに必要な関節J1の関節トルクT1を演算する。和算部232は、目標剛性rsから各アクチュエータe1,f1に発生させる発生力ue1,uf1の和を示す和算値U1を求める。設定部233は、非拮抗駆動の際には制約係数h1を1よりも大きい値に設定し、拮抗駆動の際には制約係数h1を1に設定する。制約部234は、リンク101のモーメントアーム径をrとしたとき、|T1|<U1×r×h1を制約条件とし、関節トルクT1を、制約条件を満足する範囲で制約する。発生力演算部235は、制約された関節トルクT1に基づき、各アクチュエータe1,f1の発生力を演算する。設定部233は、非拮抗駆動から拮抗駆動に切り替わる際の非拮抗駆動時に、制約係数h1が漸次1に近づくように設定する。

概要

背景

マニピュレータ制御方法において、手先対象物に柔軟に接触できることが重要になってきている。これを産業ロボットに応用すれば、人間とロボットとの共同作業が実現したり、手先の柔軟性の方向を制御することにより部品はめ合い作業等が容易になったりする。

また、これを脚式移動ロボットに応用すれば、地面に柔らかく接地することで胴体に対する衝撃を和らげたり、段差を吸収することで不整地を安定に歩行したりすることを可能とする。

手先の柔軟性の制御を実現するために、手先に力センサを装着するインピーダンス制御や、人工筋肉アクチュエータを用いる制御等が行われている。人間の筋はアクチュエータであると同時に、粘弾性可変制御機構であることが知られている。人工筋肉アクチュエータの中でも、特にMcKibben型の人工筋肉アクチュエータに代表される空気圧式ゴム人工筋肉アクチュエータは、粘弾性特性が筋に類似している。そこで、マニピュレータに配置されている人工筋肉アクチュエータの柔らかさを制御することで、手先が任意の柔軟性で対象物に接触することができる。

非特許文献1においては、第1リンク及び第2リンクをそれぞれ駆動する人工筋肉アクチュエータに加え、第1リンクと第2リンクとを同時に駆動する二関節同時駆動アクチュエータを有する、3対6筋マニピュレータが提示されている。非特許文献1では、人工筋肉アクチュエータの弾性を等しくすると、第1関節と手先を結ぶ線上から手先に外力が加わった場合では、手先の外力方向と移動方向が一致するという剛性特性に特徴があることを検証している。McKibben型のアクチュエータは粘弾性特性に非線形性を有している、拮抗配置して制御を行う必要がある、という理由でモーションコントロールに用いることには難がある。

これに対し、特許文献1では、制御入力飽和を用いる簡便なフィードバック制御系導出し、手先の剛性制御に加えて関節角度同時制御を行っている。しかし、McKibben型人工筋肉アクチュエータはバルブ開閉して空気圧を制御する必要があり、高い応答性を得るのが難しいことが知られている。そこで、力発生要素としてモータを用い、さらに、ばね、ダンパなどの機構要素を組み合わせて、人工筋肉アクチュエータのように粘弾性を可変とする可変剛性アクチュエータ(VSA)を用いる研究が行われている。なお、VSAは、Variable Stiffness Actuationの頭字語である。また、VSAでは、力の出力方向収縮方向に限定されないという特徴がある。

非特許文献2では、モータと非線形ばねとを直列結合することで直列型のVSAを構成し、直列型のVSAをリンクに対して拮抗配置している。そして、双方のモータを用いて非線形ばねの予備張力を制御することでマニピュレータの角度と関節剛性とを変化させている。非特許文献2では、非線形ばねに初期変位を与え、常に拮抗駆動を行う制御を行い、これをノーマルモードと呼んでいる。さらに、手先に外力が加わる等、より大きな関節駆動トルクが必要な状況では、予備張力を小さくしている。これにより、拮抗駆動ではなくなり、双方のVSAは関節に対して同じ方向にトルクを印加する。これをヘルピングモードと呼んでいる。

概要

拮抗駆動から非拮抗駆動に継ぎ目なく遷移可能とする。関節トルク演算部231は、関節角度θ目標関節角度raにするのに必要な関節J1の関節トルクT1を演算する。和算部232は、目標剛性rsから各アクチュエータe1,f1に発生させる発生力ue1,uf1の和を示す和算値U1を求める。設定部233は、非拮抗駆動の際には制約係数h1を1よりも大きい値に設定し、拮抗駆動の際には制約係数h1を1に設定する。制約部234は、リンク101のモーメントアーム径をrとしたとき、|T1|<U1×r×h1を制約条件とし、関節トルクT1を、制約条件を満足する範囲で制約する。発生力演算部235は、制約された関節トルクT1に基づき、各アクチュエータe1,f1の発生力を演算する。設定部233は、非拮抗駆動から拮抗駆動に切り替わる際の非拮抗駆動時に、制約係数h1が漸次1に近づくように設定する。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

基部に対して第1関節で旋回可能に連結された第1リンクと、力発生要素弾性要素及び粘性要素並列接続モデル化され、引張力及び押出力のいずれかの発生力を選択的に発生し、前記第1リンクを前記第1関節まわりに旋回駆動するよう前記第1リンクの両側に配置された一対の第1アクチュエータと、を有するマニピュレータと、前記第1関節の第1関節角度が第1目標関節角度となるように、前記一対の第1アクチュエータの一方に引張力、他方に押出力を発生させて前記第1リンクを駆動制御する非拮抗駆動を行い、前記第1関節角度が前記第1目標関節角度に収束しているときに前記第1関節の剛性が第1目標剛性となるように、前記一対の第1アクチュエータのそれぞれに引張力を発生させて前記第1リンクを駆動制御する拮抗駆動を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1関節角度を前記第1目標関節角度にするのに必要な前記第1関節の第1関節トルク演算する第1関節トルク演算処理と、前記第1目標剛性から前記各第1アクチュエータに発生させる発生力の和を示す第1和算値を求める第1和算処理と、前記非拮抗駆動の際には第1制約係数を1よりも大きい値に設定し、前記拮抗駆動の際には前記第1制約係数を1に設定する第1設定処理と、前記第1関節トルクをT1、前記第1和算値をU1、前記第1リンクのモーメントアーム径をr、前記第1制約係数をh1としたとき、|T1|<U1×r×h1を第1制約条件とし、前記第1関節トルクを、前記第1制約条件を満足する範囲で制約する第1制約処理と、前記第1制約処理にて制約された前記第1関節トルクに基づき、前記各第1アクチュエータの発生力を演算する第1発生力演算処理と、を実行し、前記第1設定処理では、前記非拮抗駆動から前記拮抗駆動に切り替わる際の前記非拮抗駆動時に、前記第1制約係数が漸次1に近づくように設定することを特徴とするロボット装置

請求項2

前記制御部は、前記第1関節トルク演算処理として、前記第1関節角度と前記第1目標関節角度との差分に基づくフィードバック演算により前記第1関節トルクを求めるフィードバック演算処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。

請求項3

前記制御部は、前記第1関節トルク演算処理として、前記第1和算値、前記第1目標関節角度及び前記各第1アクチュエータの粘弾性定数を用いて、フィードフォワード演算により、前記第1関節に対するフィードフォワード制御トルクを求めるフィードフォワード演算処理と、前記第1関節角度と前記第1目標関節角度との差分に基づくフィードバック演算によりフィードバック制御トルクを求めるフィードバック演算処理と、前記フィードフォワード制御トルクに前記フィードバック制御トルクを加算して、前記関節トルクを求める加算処理と、を実行することを特徴とする請求項1に記載のロボット装置。

請求項4

前記制御部は、前記フィードフォワード演算処理では、逆動力学により前記フィードフォワード制御トルクを演算し、該演算した前記フィードフォワード制御トルクをTFFW1としたとき、|TFFW1|<U1×rを満たすか否かを判断し、満たさない場合は、発生力が負の値となる第1アクチュエータに対する粘弾性定数を0として、再度、逆動力学により、前記フィードフォワード制御トルクを演算することを特徴とする請求項3に記載のロボット装置。

請求項5

前記マニピュレータは、前記第1リンクに対して第2関節で旋回可能に連結された第2リンクと、力発生要素、弾性要素及び粘性要素の並列接続でモデル化され、引張力及び押出力のいずれかの発生力を選択的に発生し、前記第2リンクを前記第2関節まわりに旋回駆動するよう前記第2リンクの両側に配置された一対の第2アクチュエータと、を有し、前記制御部は、前記第2関節の第2関節角度が第2目標関節角度となるように、前記一対の第2アクチュエータの一方に引張力、他方に押出力を発生させて前記第2リンクを駆動制御する非拮抗駆動を行い、前記第2関節角度が前記第2目標関節角度に収束しているときに前記第2関節の剛性が第2目標剛性となるように、前記一対の第2アクチュエータのそれぞれに引張力を発生させて前記第2リンクを駆動制御する拮抗駆動を行う際に、前記第2関節角度を前記第2目標関節角度にするのに必要な前記第2関節の第2関節トルクを演算する第2関節トルク演算処理と、前記第2目標剛性から前記各第2アクチュエータに発生させる発生力の和を示す第2和算値を求める第2和算処理と、前記非拮抗駆動の際には第2制約係数を1よりも大きい値に設定し、前記拮抗駆動の際には前記第2制約係数を1に設定する第2設定処理と、前記第2関節トルクをT2、前記第2和算値をU2、前記第2リンクのモーメントアーム径をr、前記第2制約係数をh2としたとき、|T2|<U2×r×h2を第2制約条件とし、前記第2関節トルクを、前記第2制約条件を満足する範囲で制約する第2制約処理と、前記第2制約処理にて制約された前記第2関節トルクに基づき、前記各第2アクチュエータの発生力を演算する第2発生力演算処理と、を実行し、前記第2設定処理では、前記非拮抗駆動から前記拮抗駆動に切り替わる際の前記非拮抗駆動時に、前記第2制約係数が漸次1に近づくように設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のロボット装置。

請求項6

前記マニピュレータは、力発生要素、弾性要素及び粘性要素の並列接続でモデル化され、引張力及び押出力のいずれかの発生力を選択的に発生し、前記第1リンク及び前記第2リンクを同時に前記第1関節及び前記第2関節まわりに旋回駆動するよう前記第1リンク及び前記第2リンクの両側に配置された一対の第3アクチュエータを有し、前記制御部は、前記一対の第3アクチュエータに対する発生力の差を0に設定して、前記第1関節及び前記第2関節の剛性を制御することを特徴とする請求項5に記載のロボット装置。

請求項7

基部に対して第1関節で旋回可能に連結された第1リンクと、力発生要素、弾性要素及び粘性要素の並列接続でモデル化され、引張力及び押出力のいずれかの発生力を選択的に発生し、前記第1リンクを前記第1関節まわりに旋回駆動するよう前記第1リンクの両側に配置された一対の第1アクチュエータと、を有するマニピュレータと、前記第1関節の第1関節角度が第1目標関節角度となるように、前記一対の第1アクチュエータの一方に引張力、他方に押出力を発生させて前記第1リンクを駆動制御する非拮抗駆動を行い、前記第1関節角度が前記第1目標関節角度に収束しているときに前記第1関節の剛性が第1目標剛性となるように、前記一対の第1アクチュエータのそれぞれに引張力を発生させて前記第1リンクを駆動制御する拮抗駆動を行う制御部と、を有するロボット装置を制御するロボット制御方法において、前記制御部が、前記第1関節角度を前記第1目標関節角度にするのに必要な前記第1関節の第1関節トルクを演算する第1関節トルク演算ステップと、前記制御部が、前記第1目標剛性から前記各第1アクチュエータに発生させる発生力の和を示す第1和算値を求める第1和算ステップと、前記制御部が、前記非拮抗駆動の際には第1制約係数を1よりも大きい値に設定し、前記拮抗駆動の際には前記第1制約係数を1に設定する第1設定ステップと、前記制御部が、前記第1関節トルクをT1、前記第1和算値をU1、前記第1リンクのモーメントアーム径をr、前記第1制約係数をh1としたとき、|T1|<U1×r×h1を第1制約条件とし、前記第1関節トルクを、前記第1制約条件を満足する範囲で制約する第1制約ステップと、前記制御部が、前記第1制約ステップにて制約された前記第1関節トルクに基づき、前記各第1アクチュエータの発生力を演算する第1発生力演算ステップと、を備え、前記第1設定ステップでは、前記制御部が、前記非拮抗駆動から前記拮抗駆動に切り替わる際の前記非拮抗駆動時に、前記第1制約係数が漸次1に近づくように設定することを特徴とするロボット制御方法。

請求項8

前記マニピュレータが、前記第1リンクに対して第2関節で旋回可能に連結された第2リンクと、力発生要素、弾性要素及び粘性要素の並列接続でモデル化され、引張力及び押出力のいずれかの発生力を選択的に発生し、前記第2リンクを前記第2関節まわりに旋回駆動するよう前記第2リンクの両側に配置された一対の第2アクチュエータと、を有し、前記制御部が、前記第2関節の第2関節角度が第2目標関節角度となるように、前記一対の第2アクチュエータの一方に引張力、他方に押出力を発生させて前記第2リンクを駆動制御する非拮抗駆動を行い、前記第2関節角度が前記第2目標関節角度に収束しているときに前記第2関節の剛性が第2目標剛性となるように、前記一対の第2アクチュエータのそれぞれに引張力を発生させて前記第2リンクを駆動制御する拮抗駆動を行う際に、前記制御部が、前記第2関節角度を前記第2目標関節角度にするのに必要な前記第2関節の第2関節トルクを演算する第2関節トルク演算ステップと、前記制御部が、前記第2目標剛性から前記各第2アクチュエータに発生させる発生力の和を示す第2和算値を求める第2和算ステップと、前記制御部が、前記非拮抗駆動の際には第2制約係数を1よりも大きい値に設定し、前記拮抗駆動の際には前記第2制約係数を1に設定する第2設定ステップと、前記制御部が、前記第2関節トルクをT2、前記第2和算値をU2、前記第2リンクのモーメントアーム径をr、前記第2制約係数をh2としたとき、|T2|<U2×r×h2を第2制約条件とし、前記第2関節トルクを、前記第2制約条件を満足する範囲で制約する第2制約ステップと、前記制御部が、前記第2制約ステップにて制約された前記第2関節トルクに基づき、前記各第2アクチュエータの発生力を演算する第2発生力演算ステップと、を備え、前記第2設定ステップでは、前記制御部が、前記非拮抗駆動から前記拮抗駆動に切り替わる際の前記非拮抗駆動時に、前記第2制約係数が漸次1に近づくように設定することを特徴とする請求項7に記載のロボット制御方法。

請求項9

コンピュータに、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の各処理を実行させるためのプログラム

請求項10

請求項9に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

技術分野

0001

本発明は、リンク旋回駆動する一対のアクチュエータを制御する制御部を備えたロボット装置ロボット制御方法プログラム及び記録媒体に関する。

背景技術

0002

マニピュレータ制御方法において、手先対象物に柔軟に接触できることが重要になってきている。これを産業ロボットに応用すれば、人間とロボットとの共同作業が実現したり、手先の柔軟性の方向を制御することにより部品はめ合い作業等が容易になったりする。

0003

また、これを脚式移動ロボットに応用すれば、地面に柔らかく接地することで胴体に対する衝撃を和らげたり、段差を吸収することで不整地を安定に歩行したりすることを可能とする。

0004

手先の柔軟性の制御を実現するために、手先に力センサを装着するインピーダンス制御や、人工筋肉アクチュエータを用いる制御等が行われている。人間の筋はアクチュエータであると同時に、粘弾性可変制御機構であることが知られている。人工筋肉アクチュエータの中でも、特にMcKibben型の人工筋肉アクチュエータに代表される空気圧式ゴム人工筋肉アクチュエータは、粘弾性特性が筋に類似している。そこで、マニピュレータに配置されている人工筋肉アクチュエータの柔らかさを制御することで、手先が任意の柔軟性で対象物に接触することができる。

0005

非特許文献1においては、第1リンク及び第2リンクをそれぞれ駆動する人工筋肉アクチュエータに加え、第1リンクと第2リンクとを同時に駆動する二関節同時駆動アクチュエータを有する、3対6筋マニピュレータが提示されている。非特許文献1では、人工筋肉アクチュエータの弾性を等しくすると、第1関節と手先を結ぶ線上から手先に外力が加わった場合では、手先の外力方向と移動方向が一致するという剛性特性に特徴があることを検証している。McKibben型のアクチュエータは粘弾性特性に非線形性を有している、拮抗配置して制御を行う必要がある、という理由でモーションコントロールに用いることには難がある。

0006

これに対し、特許文献1では、制御入力飽和を用いる簡便なフィードバック制御系導出し、手先の剛性制御に加えて関節角度同時制御を行っている。しかし、McKibben型人工筋肉アクチュエータはバルブ開閉して空気圧を制御する必要があり、高い応答性を得るのが難しいことが知られている。そこで、力発生要素としてモータを用い、さらに、ばね、ダンパなどの機構要素を組み合わせて、人工筋肉アクチュエータのように粘弾性を可変とする可変剛性アクチュエータ(VSA)を用いる研究が行われている。なお、VSAは、Variable Stiffness Actuationの頭字語である。また、VSAでは、力の出力方向収縮方向に限定されないという特徴がある。

0007

非特許文献2では、モータと非線形ばねとを直列結合することで直列型のVSAを構成し、直列型のVSAをリンクに対して拮抗配置している。そして、双方のモータを用いて非線形ばねの予備張力を制御することでマニピュレータの角度と関節剛性とを変化させている。非特許文献2では、非線形ばねに初期変位を与え、常に拮抗駆動を行う制御を行い、これをノーマルモードと呼んでいる。さらに、手先に外力が加わる等、より大きな関節駆動トルクが必要な状況では、予備張力を小さくしている。これにより、拮抗駆動ではなくなり、双方のVSAは関節に対して同じ方向にトルクを印加する。これをヘルピングモードと呼んでいる。

0008

特開2012−86354号公報

先行技術

0009

一関節筋および二関節筋を含む筋座標系によるロボットアーム機能的特性、大島徹、川智彦、熊本水頼、精密工学会誌、Vol.66,No.1,pp.141−146
Bidirectional Antagonistic Variable Stiffness Actuation: Analysis, Design & Implementation, Florian Petit, Maxime Chalon, Werner Friedl, Markus Grebenstein, Alin Albu-Schaffer and Gerd Hirzinger, 2010IEEE International Conference on Robotics and Automation, pp.4189-4196

発明が解決しようとする課題

0010

上記非特許文献2では、直列型のVSAを拮抗配置し、精密に関節剛性が必要な場合は拮抗駆動を行うが、大きなトルクが必要な場合は非拮抗駆動を行っている。しかし、非特許文献1および特許文献1で用いられている人工筋肉アクチュエータは、力発生要素、ばね、ダンパが並列に配置されるようにモデル化される。以下、これを並列型VSAと呼ぶ。

0011

この並列型VSAを用いることにより、力発生要素の発生力がばね、ダンパを介さずマニピュレータに印加されることから、高精度な位置決め制御が可能であるという利点がある。しかし、並列型VSAを用いて拮抗駆動と非拮抗駆動とを継ぎ目なく遷移する制御系はこれまで提案されていない。

0012

そこで、本発明は、アクチュエータに並列型VSAを用いて、拮抗駆動では手先の剛性特性と関節角度の同時制御を行い、アクチュエータの出力が不足する場合や、その出力の低減化を行う場合では、拮抗駆動から非拮抗駆動に継ぎ目なく遷移可能とする。

課題を解決するための手段

0013

本発明のロボット装置は、基部に対して第1関節で旋回可能に連結された第1リンクと、力発生要素、弾性要素及び粘性要素並列接続でモデル化され、引張力及び押出力のいずれかの発生力を選択的に発生し、前記第1リンクを前記第1関節まわりに旋回駆動するよう前記第1リンクの両側に配置された一対の第1アクチュエータと、を有するマニピュレータと、前記第1関節の第1関節角度が第1目標関節角度となるように、前記一対の第1アクチュエータの一方に引張力、他方に押出力を発生させて前記第1リンクを駆動制御する非拮抗駆動を行い、前記第1関節角度が前記第1目標関節角度に収束しているときに前記第1関節の剛性が第1目標剛性となるように、前記一対の第1アクチュエータのそれぞれに引張力を発生させて前記第1リンクを駆動制御する拮抗駆動を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1関節角度を前記第1目標関節角度にするのに必要な前記第1関節の第1関節トルク演算する第1関節トルク演算処理と、前記第1目標剛性から前記各第1アクチュエータに発生させる発生力の和を示す第1和算値を求める第1和算処理と、前記非拮抗駆動の際には第1制約係数を1よりも大きい値に設定し、前記拮抗駆動の際には前記第1制約係数を1に設定する第1設定処理と、前記第1関節トルクをT1、前記第1和算値をU1、前記第1リンクのモーメントアーム径をr、前記第1制約係数をh1としたとき、|T1|<U1×r×h1を第1制約条件とし、前記第1関節トルクを、前記第1制約条件を満足する範囲で制約する第1制約処理と、前記第1制約処理にて制約された前記第1関節トルクに基づき、前記各第1アクチュエータの発生力を演算する第1発生力演算処理と、を実行し、前記第1設定処理では、前記非拮抗駆動から前記拮抗駆動に切り替わる際の前記非拮抗駆動時に、前記第1制約係数が漸次1に近づくように設定することを特徴とする。

発明の効果

0014

本発明によれば、アクチュエータとして並列型VSAを用いるマニピュレータに対して、拮抗駆動と非拮抗駆動とを遷移可能としたことにより、高精度のモーションコントロールとリンクの柔軟性の制御とを同時に実現することができる。

図面の簡単な説明

0015

アクチュエータの粘弾性モデルを示す模式図である。
第1実施形態におけるロボット装置を示す模式図である。
第1実施形態における制御装置の構成を示すブロック図である。
第1実施形態におけるCPUの制御動作を説明するための機能ブロック線図である。
第1実施形態におけるシミュレーション結果を示す図である。
第1実施形態におけるシミュレーション結果を示す図である。
第2実施形態におけるロボット装置を示す模式図である。
第2実施形態におけるCPUの制御動作を説明するための機能ブロック線図である。
第2実施形態における軌道設計を示す図である。
第2実施形態におけるシミュレーション結果を示す図である。
第2実施形態におけるシミュレーション結果を示す図である。
第2実施形態におけるシミュレーション結果を示す図である。
第3実施形態におけるロボット装置を示す模式図である。
第3実施形態におけるスティフネス楕円を説明する図である。
第3実施形態における制御装置の構成を示すブロック図である。
第3実施形態におけるCPUの制御動作を説明するための機能ブロック線図である。
第3実施形態におけるシミュレーション結果を示す図である。
第3実施形態におけるシミュレーション結果を示す図である。
第3実施形態におけるシミュレーション結果を示す図である。
第3実施形態におけるシミュレーション結果を示す図である。
第3実施形態におけるシミュレーション結果を示す図である。

実施例

0016

以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。

0017

[第1実施形態]
(1)モデリング
図1は、アクチュエータの粘弾性モデルを示す模式図である。本第1実施形態では、アクチュエータとして並列型VSAを用いる。筋、即ち並列型VSAは、図1に示すように、力発生要素と弾性要素と粘性要素との並列接続でモデル化される。

0018

ここで、uを力発生要素の発生力、xを収縮方向を正とする筋の収縮量とする。収縮速度は、以下の式となる。

0019

0020

また、kを弾性力定数、bを粘性力定数、Fを筋発生力とする。このとき、筋の粘弾性特性は、

0021

とモデル化され、筋発生力の弾性力、粘性力は、力発生要素の発生力uと比例するという非線形要素を有する点が特徴的である。

0022

本第1実施形態では、アクチュエータとして、モータやばね等の機構を組み合わせる並列型VSAを用いることにより、筋の粘弾性特性を実現する。例えば、力発生要素は、電磁モータなどのアクチュエータを用いることができる。弾性要素は、ばねとばね長を可変させる機構と、それを駆動するための別のアクチュエータを用いることで可変剛性を実現することができる。粘性要素は、可変オリフィスを用いるセミアクティブダンパを用いることで、可変粘性を実現することができる。

0023

次に、本第1実施形態に係るロボット装置を図2に示す。図2に示すロボット装置100は、いわゆる1リンクマニピュレータ(以下、単に「マニピュレータ」という)120を有している。マニピュレータ120は、第1リンクであるリンク101、一対の第1アクチュエータであるアクチュエータe1,f1を備えている。

0024

リンク101は、基端が基部103に対して第1関節である関節J1で旋回可能に連結されている。

0025

アクチュエータe1,f1は、力発生要素、弾性要素及び粘性要素の並列接続でモデル化された並列型VSAである。アクチュエータe1,f1は、引張力及び押出力のいずれかの発生力を選択的に発生し、リンク101を関節J1まわりに旋回駆動するようリンク101の両側に配置されている。アクチュエータe1,f1の一端が、基部103に固定され、他端がリンク101に固定されている。

0026

リンク101の旋回角度、即ち関節J1の関節角度(第1関節角度)をθとする。アクチュエータの力発生要素の収縮力(引張力)により、関節角度θを増加させるように配置されるアクチュエータf1を、折畳側のアクチュエータ、逆側のアクチュエータe1を展開側のアクチュエータという。展開側、折畳側のアクチュエータe1,f1の力発生要素の発生力をそれぞれue1,uf1、リンク101の慣性モーメントをI、モーメントアーム径をrとすると、運動方程式は、

0027

となる。式(2)の右辺第一項における発生力ue1,uf1の差が関節J1に回転トルク(関節トルク)を与え、右辺第二、第三項における発生力ue1,uf1の和が関節J1に対する剛性及び粘性を変動させることがわかる。

0028

(2)制御系設計
ロボット装置100は、制御装置200と、制御装置200からの発生力指令値ue1,uf1に基づき、アクチュエータe1,f1をそれぞれ駆動させる2つのドライバ301,302とを備えている。

0029

制御装置200は、各アクチュエータe1,f1に対応する発生力指令値ue1,uf1を生成する。そして、制御装置200は、各ドライバ301,302に各発生力指令値ue1,uf1を出力することで、各アクチュエータe1,f1の発生力を制御する。

0030

以下、制御装置200の動作を説明する前に、制御装置200の装置構成について説明する。図3は、制御装置200の構成を示すブロック図である。

0031

制御装置200は、コンピュータで構成されており、制御部(演算部)としてのCPU(Central Processing Unit)201を有している。また制御装置200は、ROM(Read Only Memory)202及びRAM(Random Access Memory)203を有している。また、制御装置200は、HDD(Hard Disk Drive)204、記録ディスクドライブ205及び各種のインタフェース207,209,210を備えている。

0032

CPU201には、ROM202、RAM203、HDD204、記録ディスクドライブ205及び各種のインタフェース207,209,210が、バス206を介して接続されている。ROM202には、BIOS等の基本プログラムが格納されている。RAM203は、CPU201の演算処理結果を一時的に記憶する記憶装置である。

0033

HDD204は、CPU201の演算処理結果である各種のデータ等を記憶する記憶部であると共に、CPU201に、後述する各種演算処理を実行させるためのプログラム221を記録する記録媒体でもある。CPU201は、HDD204に記録されたプログラム221に基づいて各種演算処理を実行する。

0034

記録ディスクドライブ205は、記録ディスク222に記録された各種データやプログラム等を読み出すことができる。

0035

インタフェース210には、上述したドライバ301,302が接続されている。CPU201は、バス206及びインタフェース210を介して各ドライバ301,302に発生力指令値ue1,uf1を出力する。各ドライバ301,302は、各発生力指令値ue1,uf1に対応する発生力を各アクチュエータe1,f1に発生させる。

0036

本第1実施形態では、ロボット装置100は、図1では不図示の第1検出部である検出部401、及び接触センサ403を備えている。検出部401は、図1で関節J1に配置され、関節J1の関節角度θを検出する。接触センサ403は、リンク101に設けられ、リンク101に物体が接触したか否かを検知する。

0037

インタフェース207には、検出部401が接続され、検出された関節角度θを示す信号が、インタフェース207及びバス206を介してCPU201に伝送される。インタフェース209には、接触センサ403が接続され、接触したか否かを示す信号が、インタフェース209及びバス206を介してCPU201に伝送される。

0038

図4は、CPU201の制御動作を説明するための機能ブロック線図である。以下、図4を用いてロボット制御方法について説明する。なお、図4では、マニピュレータ120は、符号Pで表している。ここで、制御装置200のCPU(制御部)201は、HDD204から読み出したプログラム221を実行することにより、図4に示す各部として機能する。

0039

即ち、CPU201は、プログラム221に基づき、第1関節トルク演算処理を実行する関節トルク演算部231、第1和算処理を実行する和算部232、第1設定処理を実行する設定部233、第1制約処理を実行する制約部234として機能する。また、CPU201は、プログラム221に基づき、第1発生力演算処理を実行する発生力演算部235として機能する。

0040

本第1実施形態では、CPU201は、各部231〜235として機能することにより、関節J1の関節角度(第1関節角度)を目標関節角度(第1目標関節角度)raに位置決めし、同時に関節J1の剛性を目標剛性(第1目標剛性)rsに制御する。つまり、CPU201は、関節J1の関節角度θが目標関節角度raとなるように、一対のアクチュエータe1,f1の一方に引張力、他方に押出力を発生させてリンク101を駆動制御する非拮抗駆動を行う。更に、CPU201は、関節角度θが目標関節角度raに収束しているときに関節J1の剛性が目標剛性rsとなるように、一対のアクチュエータe1,f1のそれぞれに引張力を発生させてリンク101を駆動制御する拮抗駆動を行う。

0041

具体的に説明すると、関節トルク演算部231は、関節角度θを目標関節角度raにするのに必要な関節J1の関節トルク(第1関節トルク)T1を演算する(第1関節トルク演算ステップ)。本第1実施形態では、関節トルク演算部231は、第1関節トルク演算処理として、関節角度θと目標関節角度raとの差分に基づくフィードバック演算により関節トルクT1を求めるフィードバック演算処理を実行するフィードバック演算部である。

0042

関節トルク演算部(フィードバック演算部)231について更に詳述すると、関節トルク演算部231は、差分演算部241、ゲイン調整部242、及びPID制御部243を有してなる。

0043

差分演算部241は、関節角度θと目標関節角度raとの差分(θ−ra)を演算する。ゲイン調整部242は、接触センサ403により接触が検知された場合は、ゲインを0とし、検出されない場合は、ゲインを1とする。PID制御部243は、伝達関数KPID1に基づき、差分(θ−ra)を補償するためのフィードバック制御トルク(即ち、関節トルク)TFB1(T1)を演算する。

0044

本章では、まず拮抗駆動を行うための条件を導出し、つぎに拮抗駆動と非拮抗駆動を遷移する制御方法を示す。

0045

まず、式(2)より、

0046

を満たすように発生力指令値ue1,uf1を決定すれば、関節J1にフィードバック制御トルクT1を与えることができる。

0047

しかし、同時に関節J1の剛性に関する条件

0048

を満たさなければならない。U1を発生力指令値ue1,uf1の和算値、

0049

と定義すると、

0050

を満たすように、発生力指令値ue1,uf1を決定する必要がある。

0051

フィードバック制御トルクT1と発生力指令値の和算値U1を同時に満たすには、式(3)と式(5)をue1,uf1について解き、

0052

と決定すればよい。ここで、アクチュエータe1,f1が引張方向にのみ引張力(収縮力)を発生させる拮抗駆動を行うためには、

0053

という条件を同時に満たせばよい。式(7)と式(8)より

0054

という条件が得られる。つまりフィードバック制御トルクT1が、

0055

という条件を満たしていれば、マニピュレータ120は、関節J1の剛性が目標剛性rsとなると同時に、フィードバック制御トルクT1により目標角度raに位置決めされる。式(10)を実現するには、図4ブロック線図に示すように、

0056

とフィードバック制御トルクT1を制約すればよい。もしくは、フィードバック制御を行う関節トルク演算部231のゲインを変動させ、式(10)の範囲に制御入力の大きさを収めるなどの方法がある。

0057

次に、アクチュエータe1,f1に押出力を発生させる非拮抗駆動を行うためには、式(10)が成立しなければよい。なぜなら、それによりアクチュエータe1,f1に引張方向のみ力を発生させる式(8)の条件は満たされないからである。そこで、本第1実施形態では、拮抗度合いを調整するパラメータとして、第1制約係数である制約係数h1を導入し、式(10)を、

0058

と変更する。ここで、h1=1とすることで、式(12)は式(10)と等しいため、拮抗駆動となる。一方h1≫1とすることで、非拮抗駆動となる。

0059

つまり、本第1実施形態では、まず、和算部232は、目標剛性rsから式(6)の関係式に基づき、各アクチュエータe1,f1に発生させる発生力の和を示す和算値U1を求める(第1和算ステップ)。

0060

設定部233は、非拮抗駆動の際には制約係数h1を1よりも大きい値に設定し、拮抗駆動の際には制約係数h1を1に設定する(第1設定ステップ)。

0061

制約部234は、和算値U1にリンク101のモーメントアーム径rを乗算する乗算部251と、更に制約係数h1を乗算する乗算部252と、フィードバック制御トルクT1を乗算部252の演算結果U1×r×h1に制約する制約処理部253を有する。これにより、制約部234は、|T1|<U1×r×h1を第1制約条件とし、フィードバック制御トルクT1を、第1制約条件を満足する範囲で制約する(第1制約ステップ)。

0062

発生力演算部235は、制約部234にて制約されたフィードバック制御トルクT1に基づき、各アクチュエータe1,f1の発生力ue1,uf1を演算する(第1発生力演算ステップ)。具体的に説明すると、発生力演算部235は、発生力指令値ue1として、(U1−T1/r)/2を演算し、発生力指令値uf1として、(U1+T1/r)/2を演算する。

0063

更に詳述すると、発生力演算部235は、T1に1/rを乗算する乗算部261と、U1から乗算部261の演算結果T1/rを減算する減算部263と、減算部263の減算結果U1−T1/rに1/2を乗算する乗算部265とを有する。また、発生力演算部235は、T1に1/rを乗算する乗算部262と、U1に乗算部262の演算結果T1/rを加算する加算部264と、加算部264の加算結果U1+T1/rに1/2を乗算する乗算部266とを有する。

0064

以上の構成で、設定部233は、非拮抗駆動から拮抗駆動に切り替わる際の非拮抗駆動時に、制約係数h1が漸次1に近づくように設定する。このように制約係数h1を滑らかに変化させることにより、拮抗駆動と非拮抗駆動とを継ぎ目なく遷移させることが可能である。

0065

ここで、フィードバック制御系のゲインが高い場合には、それによる関節J1の剛性が支配的になる。そこで、図4に示すゲイン調整部242は、接触が発生した場合(即ち、接触センサ403により接触が検知された場合)は、接触ゲインGt=0とすることでフィードバック系遮断する。これにより、リンク101が人や物に接触したことを検知するなどの任意の時刻で、速やかにリンク101の剛性(関節J1の剛性)を目標剛性rsへと切り替えることができる。

0066

本第1実施形態ではPID制御部243の伝達関数を、

0067

としている。

0068

(3)シミュレーション
前節の制御系を用いたシミュレーションを行う。リンク101の慣性モーメントをI=8.3×10−2[kgm2]、リンク101のモーメントアーム径をr=0.1[m]、弾性定数粘性定数をk=25,b=1とする。目標関節角度はランプ状とし、初期角度0[deg]から2秒間で目標関節角度ra=20[deg]に到達する位置決めを行う。このとき、関節J1の目標剛性をrs=U1×k×r2=0.8×k×r2[Nm/rad]と制御する。ここで、k,rは定数であるので、発生力の和U1を、

0069

となるように制御すればよい。

0070

本第1実施形態では、制御開始時には大きな駆動トルクを必要とするため、非拮抗駆動を行い、位置決め終了時では、所望の関節剛性を実現するため拮抗駆動を行う。そのため、制約係数(パラメータ)h1を、図5に示すように、制御開始時はh1>1とし、徐々にh1を1に近づけ、1.5[秒]以降ではh1=1とする。

0071

図6(a)は、関節角度θと目標関節角度raを示すグラフである。図6(b)は、発生力指令値ue1,uf1の応答を示すグラフである。図6(c)は、発生力指令値ue1,uf1の差、和、及びT1/rの応答を示すグラフである。なお、図6(a)において、関節角度θを実線、目標関節角度raを破線で示す。また、図6(b)において、発生力指令値ue1の応答を破線、発生力指令値uf1の応答を実線で示す。更に、図6(c)において、発生力指令値ue1,uf1の差を実線で、和を破線で、T1/rの応答を一点鎖線で示す。

0072

図6(a)より関節J1は目標関節角度raに位置決めされていることがわかる。図6(b)より、発生力指令値ue1,uf1は、フィードバック制御トルクT1を、式(7)と式(12)に示した条件で配分されている。

0073

制御開始時は、h1>1とすることにより非拮抗駆動となるため、発生力指令値ue1が負の値をとっている。これは、展開側のアクチュエータは押出力、折畳側のアクチュエータは引張力(収縮力)を発生している。これにより、折畳側のアクチュエータの発生力の最大値を小さくすることが可能である。

0074

制御開始後1.5[秒]からは、h1=1とすることにより、双方のアクチュエータe1,f1の発生力は正の値のみを取っていることから拮抗駆動に遷移していることがわかる。

0075

拮抗駆動により、図6(c)において、破線で示すuf1+ue1=U1は1.5[秒]以降で0.8となっており、位置決めの目標関節角度raにおいて関節J1の剛性は目標剛性rsに制御されていることがわかる。また、実線で示すuf1−ue1は、一点鎖線で示すT1/rと重なっており、式(3)の条件を満たしている。

0076

[第2実施形態]
本第2実施形態では、上記第1実施形態で示したフィードバック制御系の他に、フィードフォワード制御系併合する2自由度制御系を導出する。フィードフォワード制御系は、フィードバック制御系と同様に、拮抗駆動と非拮抗駆動を継ぎ目なく遷移可能とするように導出する。さらに、本第2実施形態では、機構のがたを含むモデルとしてバックラッシを考慮した1リンクマニピュレータのモデルを導出する。そして、位置決め目標関節角度では、拮抗駆動とすることで、バックラッシを補償し、高精度な位置決めが実現可能なことを示す。

0077

(1)モデリング
本第2実施形態に係るロボット装置を図7に示す。図7に示すロボット装置100Aは、いわゆる1リンクマニピュレータ(以下、単に「マニピュレータ」という)120Aを有している。マニピュレータ120Aは、第1リンクであるリンク101A、一対の第1アクチュエータであるアクチュエータe1,f1と、アクチュエータe1,f1の発生力をリンク101Aに伝達する伝達機構104と、を備えている。

0078

リンク101Aは、基端が基部103に対して第1関節である関節J1で旋回可能に連結されている。

0079

アクチュエータe1,f1は、力発生要素、弾性要素及び粘性要素の並列接続でモデル化された並列型VSAである。アクチュエータe1,f1は、引張力及び押出力のいずれかの発生力を選択的に発生し、リンク101Aを関節まわりJ1に旋回駆動するようリンク101Aの両側に配置されている。

0080

アクチュエータe1,f1の一端は、基部103Aに固定されている。伝達機構104は、ラック・アンドピニオン機構である。伝達機構104は、アクチュエータe1,f1の他端に固定された一対のラック歯車部105,106と、リンク101Aの基端に一体に形成され、一対のラック歯車部105,106に噛合するピニオン歯車部107と、を有してなる。なお、本第2実施形態では、伝達機構104がラック・アンド・ピニオン機構である場合について説明するが、チェーンスプロケット機構などを用いてもよい。

0081

本第2実施形態では、アクチュエータe1,f1の特性に加えて、伝達機構104のがたを考慮するモデルを導出する。上記第1実施形態と同様に、拮抗配置されたアクチュエータe1,f1の力発生要素の発生力をそれぞれue1,uf1とする。また、リンク101Aの旋回角度、即ち関節J1の関節角度(第1関節角度)をθ、リンク101Aの慣性モーメントをI0、リンク101Aのモーメントアーム径をrとする。さらに、伝達機構104における折畳側および伸展側のラック歯車部105,106の質量を図12のようにMe,Mfとする。また、伝達機構104の変位はリンク101をθ正方向に駆動する方向を正とし、xe,xfとする。

0082

本第2実施形態では、アクチュエータe1,f1に接続された伝達機構104のラック歯車部105,106とリンク101Aに固定されたピニオン歯車部107との接触を考慮する。そこで、接触剛性をkge,kgfとする。接触減衰を考慮することもできるが、導出過程においては省略する。運動方程式を以下のように導出する。θtを遊び角とする。まず、伝達機構104における折畳側の機構とリンク101Aの運動方程式は、r×θ−xf<−r×θt(case i)の場合、

0083

となる。r×θ−xf>r×θt(case ii)の場合、

0084

となる。−r×θt<r×θ−xf<r×θt(case iii)の場合、

0085

となる。ここで、θf=[xf θ]Tとおき、行列表記すると、

0086

となる。ここで、

0087

である。同様に、伝達機構104における展開側の機構とリンク101Aの運動方程式は、r×θ−xe<−r×θt(case iv)、r×θ−xe>r×θt(case v)、−r×θt<r×θ−xe<r×θt(case vi)、θe=[θ xe]Tとおくと、

0088

となる。ここで、

0089

である。

0090

式(21)及び式(22)より、伝達機構104の両側とリンク101Aからなる全系の運動方程式は、θa=[xf θ xe]Tとすると、

0091

となる。ここで、

0092

である。

0093

(2)制御系設計
ロボット装置100Aは、制御装置200Aと、制御装置200Aからの発生力指令値ue1,uf1に基づき、アクチュエータe1,f1をそれぞれ駆動させる2つのドライバ301,302とを備えている。

0094

制御装置200Aは、各アクチュエータe1,f1に対応する発生力指令値ue1,uf1を生成する。そして、制御装置200Aは、各ドライバ301,302に各発生力指令値ue1,uf1を出力することで、各アクチュエータe1,f1の発生力を制御する。制御装置200Aの装置構成は、上記第1実施形態で説明した制御装置200(図3)と同様であり、詳細な説明は省略する。本第2実施形態では、図3で示したプログラム221Aに基づくCPU201の制御動作、即ちプログラム221Aが上記第1実施形態で説明したプログラム221と異なる。

0095

図8は、図3に示したCPU201の制御動作を説明するための機能ブロック線図である。以下、図8を用いてロボット制御方法について説明する。なお、図8では、マニピュレータ120Aは、符号Pで表している。ここで、制御装置200AのCPU(制御部)201は、HDD204から読み出したプログラム221Aを実行することにより、図8に示す各部として機能する。

0096

即ち、CPU201は、プログラム221Aに基づき、第1関節トルク演算処理を実行する関節トルク演算部231A、第1和算処理を実行する和算部232、第1制約処理を実行する制約部234として機能する。また、CPU201は、プログラム221Aに基づき、第1発生力演算処理を実行する発生力演算部235として機能する。

0097

本第2実施形態では、マニピュレータ120Aの駆動開始時には一方のアクチュエータを収縮(引張)、他方のアクチュエータを押出駆動することにより、限られたアクチュエータ出力を有効に利用する。さらに、整定時には2つのアクチュエータe1,f1を拮抗駆動させて、機構のがたを補償し、高精度な位置決めを行う。

0098

本第2実施形態では、発生力指令値ue1,uf1にフィードバック制御トルクに加えて、フィードフォワード制御トルクを与えることにより、高精度に関節角度を目標軌道追従させ、同時に関節の剛性を制御する。関節の目標軌道をra、目標剛性をrsとする。

0099

(2.1)フィードフォワード制御系設計
本節では、発生力指令値ue1,uf1に与えるフィードフォワード制御トルクの導出方法について述べる。まず、発生力指令値ue1,uf1の差をTFFW1、和をU1とする。

0100

0101

本第2実施形態においても、U1は関節J1の目標剛性がrsであるため、

0102

と決定される。即ち、和算部232は、目標剛性rsから式(27)の関係式に基づき、各アクチュエータe1,f1に発生させる発生力の和を示す和算値U1を求める(第1和算ステップ)。

0103

関節トルク演算部231Aは、関節角度θを目標関節角度raにするのに必要な関節J1の関節トルク(第1関節トルク)T1を演算する(第1関節トルク演算ステップ)。本第2実施形態では、関節トルク演算部231Aは、差分演算部241、ゲイン調整部242、PID制御部243からなるフィードバック演算部231と、フィードフォワード演算部311と、加算部312とを有してなる。

0104

フィードフォワード演算部311は、和算値U1、目標関節角度ra、及び各アクチュエータe1,f1の粘弾性定数k,bを用いて、関節J1に対するフィードフォワード制御トルクTFFW1を求めるフィードフォワード演算処理を実行する。

0105

なお、フィードバック演算部231は、上記第1実施形態と同様のフィードバック演算を行い、フィードバック制御トルクTFB1を求めるフィードバック演算処理を実行する。

0106

そして、加算部312は、フィードフォワード制御トルクTFFW1にフィードバック制御トルクTFB1を加算して、関節トルクT1を求める加算処理を実行する。

0107

ここで、関節角度θが目標関節角度(目標軌道)raに追従するためのフィードフォワード制御トルクTFFW1は、目標軌道raの角速度、角加速度をそれぞれ、

0108

と表すと、逆動力学により、

0109

と求まる。そこで、式(25)と式(26)を発生力指令値ue1,uf1について解き、

0110

となる。ここで、上記第1実施形態の拮抗駆動条件と同様に、TFFW1が、

0111

という条件を満たす区間はuf1>0,ue1>0となるため、拮抗駆動が行われる。

0112

しかし、式(30)の条件を満たさない区間では、発生力指令値ue1,uf1のいずれかが負の値となり、力発生要素は押出力を発生する。このとき、式(1)より筋の粘弾性モデルでは粘弾性定数は負となるが、負の粘弾性は機械系での実現は難しい。そこで、発生力が負となる区間では、関節の目標剛性の制約を外し、並列型VSAの粘弾性定数を0とする。

0113

これより、uf1<0である区間は、

0114

と置き換え、ue1<0である区間は、

0115

と置き換える。式(28)のTFFW1から、式(30)を満たさない区間を、TFFW1fもしくはTFFW1eで置き換えたフィードフォワード制御トルクをTFFW1′と表す。これを再び配分の式(33)に代入することで、発生力指令値が以下のように求まる。

0116

0117

即ち、フィードフォワード演算部311は、逆動力学によりフィードフォワード制御トルクTFFW1を演算し、|TFFW1|<U1×rを満たすか否かを判断する。フィードフォワード演算部311は、この条件を満たさない場合は、発生力が負の値となるアクチュエータに対する粘弾性定数k,bを0として、再度、逆動力学により、フィードフォワード制御トルクT′FFW1を演算する。

0118

以上の導出は、筋の弾性力がθ=0[deg]からの角度に比例して発生することを仮定していた。任意の角度を筋の弾性力発生の基準となる角度(以下、中立角度と記す)としてフィードフォワード制御入力を生成するためには、θcを中立角度とすると、式(28)に代わり、

0119

とすることで求まる。

0120

(2.2)2自由度制御系
図8において、フィードフォワード制御系をKFFW1として示している。フィードバック制御系の伝達関数KPID1で示したPID制御部243は、上記第1実施形態で説明したように、関節角度θと目標関節角度raとの誤差を補償するための制御入力トルクTFB1を出力する。ここで、式(2)より、

0121

を満たすように発生力指令値ue1,uf1を決定すれば、関節J1にフィードフォワード制御トルクT′FFW1とフィードバック制御トルクTFB1の和である関節トルクT1′を与えることができる。

0122

関節トルクT1′と発生力の和算値U1を同時に満たすには、式(35)と式(5)をue1,uf1について解き、

0123

と決定すればよい。しかし、式(30)に示した条件を満たさない区間では、非拮抗駆動によるフィードフォワード制御が行われる。フィードバック制御系に対して、拮抗駆動の条件を外すことができる。

0124

そこで本第2実施形態では、上記第1実施形態で示した拮抗度合いを調整するパラメータ(制約係数)h1を、式(30)に示した条件を満たす区間ではh1=1とし、満たさない区間ではh1=10とすることで、自動的に生成する。このとき、h1=1とh1=10が不連続に切り替わると、拮抗駆動と非拮抗駆動との遷移時に制御入力にチャタリングが発生する原因となる。そこで、フィードフォワード演算部311は、生成されたパラメータh1に予め零位ローパスフィルタを通過させる。そして、上記第1実施形態と同様に、

0125

と制約することにより、拮抗駆動と非拮抗駆動を継ぎ目なく遷移することが可能である。

0126

(2.3)軌道設計
つぎに、関節J1の目標軌道ra、目標剛性rsの設計方法を示す。本第2実施形態では、目標軌道raは図9(a)に示すような、加速区間等速区間−減速区間を有する軌道を用いる。ここで、raS,raFはそれぞれ、軌道の初期角度、目標角度である。また、ta,tb,tfinはそれぞれ、等速区間の開始時間、等速区間の終了時間、位置決め終了時間である。さらに、目標剛性rsは図9(b)に示すように、加減速区間で高剛性rsmaxをとなり、等速間で低剛性rsminとなるように設定する。剛性を可変させることにより、マニピュレータ120Aは、駆動開始時では筋の弾性力により加速され、等速区間では低剛性となることによりほぼ慣性力で駆動される。これにより、少ない筋の発生力で駆動することが可能となる。

0127

本第2実施形態では、加速区間−等速区間−減速区間を有する軌道を用いたが、例えばミニマムジャーク軌道のような等速区間を伴わない軌道であっても構わない。また、駆動の効率を考慮しない場合は、目標剛性を一定としても構わない。

0128

(3)シミュレーション
前節の制御系を用いるシミュレーションを行う。リンク101Aの慣性モーメントをI=8.3×10−2[kgm2]、モーメントアーム径をr=0.1[m]、弾性定数,粘性定数をそれぞれk=25,b=3とする。目標軌道raは、初期角度raS=0[deg]、目標角度raF=20[deg]、等速区間の開始時間ta=0.35[秒]、等速区間の終了時間tb=0.45[秒]、位置決め終了時間tfin=0.8[秒]とする。関節J1の目標剛性はrsmax=2.3×k×r2[Nm/rad]とし、rsmin=0.8×k×r2[Nm/rad]とする。ここで、k,rは定数であるので、発生力の和U1を、加減速区間でU1=2.3、等速区間で、U1=0.8となるように制御すればよい。

0129

図10(a)に目標軌道raから2.1節に示した手順により導出されたフィードフォワード制御トルクTFFW1を実線で、目標剛性とモーメントアームの積を破線で示す。図10(a)より、約0.05[秒]から0.3[秒]の区間は、式(30)に示した条件を満たさないため、非拮抗駆動となる。拮抗度合いを調整するパラメータh1を図10(b)に示す。

0130

本第2実施形態では非拮抗駆動時はh1=10とし、まず破線で示すようにパラメータを生成し、さらに、急峻に切り替わるのを防ぐため、零位相ローパスフィルタを用いる。このパラメータh1を実線で示す。これにより、制御開始時から加速区間では非拮抗駆動により効率的な加速を行い、減速区間では継ぎ目なく拮抗駆動に遷移し、機構のがたを補償するフィードバック制御トルクが生成される。

0131

次に、フィードバック制御トルクを用いる2自由度制御による応答を、図11(a)に関節角度θと目標軌道raを、それぞれ実線,破線で、図11(b)に発生力指令値ue1,uf1の応答をそれぞれ破線,実線で示す。さらに、図11(c)に発生力指令値ue1,uf1の差を実線で、和を破線で、T1′/rの応答を一点鎖線で示す。図11(d)にフィードフォワード制御トルクT′FFW1を実線で、フィードバック制御トルクTFB1を破線で示す。

0132

図11(a)より実線で示す関節角度は、破線で示す軌道とほぼ重なっており、関節J1は目標軌道に追従していることがわかる。図11(b)より、実線で示す折畳側のアクチュエータf1の発生力uf1はつねに正の値をとっている。他方、破線で示す伸展側のアクチュエータe1の発生力ue1は、図10に示した拮抗度合いを調整するパラメータh1が1よりも大きい区間において、負の値をとっている。これは、伸展側のアクチュエータe1が押出力を発生しているためである。パラメータh1が1となる0.36[秒]以降は、拮抗駆動に遷移し、両アクチュエータe1,f1は引張力(収縮力)を発生していることがわかる。この拮抗駆動により、伝達機構140のがたが補償されるため、目標角度に精度よく位置決めすることができる。さらに、図11(c)において、破線で示すuf1+ue1=U1は、0.36[秒]以降は加減速区間で2.3、等速区間で0.8となっており、関節J1の剛性は目標値に制御されていることがわかる。また、実線で示すuf1−ue1は、一点鎖線で示すT1′/rと重なっており、式(3)の条件を満たしている。

0133

また、図12に2自由度制御とフィードフォワード制御のみの追従誤差との比較を示す。フィードフォワード制御のみでは、伝達機構104のがたがモデル誤差となるため、大きな誤差が生じている。2自由度制御ではフィードバック制御系がモデル化誤差を補償するため、精度良く位置決め制御が行えることがわかる。

0134

本第2実施形態によれば、駆動開始時は非拮抗駆動により加速し、整定時は拮抗駆動に遷移することで機構のがたを補償し、高精度な位置決めが可能であることがわかる。

0135

[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係るロボット装置について説明する。

0136

(1)モデリング
図13は、第3実施形態におけるロボット装置を示す模式図であり、ロボット装置100Bは、マニピュレータ120Bと、制御装置200Bと、6つのドライバ301〜306を備えている。本第3実施形態では、マニピュレータ120Bに対して拮抗駆動と非拮抗駆動の遷移を伴う関節角度と剛性の同時制御を行う。

0137

マニピュレータ120Bは、3対6筋の2リンクマニピュレータである。マニピュレータ120Bは、基部103に対して関節(第1関節)J1で旋回可能に連結されたリンク(第1リンク)101と、リンク101に対して関節(第2関節)J2で旋回可能に連結されたリンク(第2リンク)102とを有する。

0138

また、マニピュレータ120Bは、リンク101を関節J1まわりに旋回駆動するようリンク101の両側に配置された一対のアクチュエータ(第1アクチュエータ)e1,f1を有する。また、マニピュレータ120Bは、リンク102を関節J2まわりに旋回駆動するようリンク102の両側に配置された一対のアクチュエータ(第2アクチュエータ)e2,f2を有する。更に、マニピュレータ120Bは、リンク101,102を同時に関節J1,J2まわりに旋回駆動するようリンク101,102の両側に配置された一対のアクチュエータ(第3アクチュエータ)e3,f3を有する。

0139

一対のアクチュエータe3,f3は、二関節同時駆動アクチュエータである。二関節同時駆動アクチュエータは、第1リンクと第2リンクを同時に駆動するように配置されているアクチュエータであり、人の上腕部や下肢大腿部には、二関節筋とよばれる二関節同時駆動アクチュエータが存在することが知られている。人の四肢の筋配列は複雑であるが、実効筋概念が導入され、図13に示すような3対6筋を有する2リンクモデルが提示されている。なお、アクチュエータe1,f1の拮抗対とアクチュエータe2,f2の拮抗対のように単一のリンクを駆動するアクチュエータを一関節駆動アクチュエータとよぶ。

0140

アクチュエータe1,f1,e2,f2,e3,f3は、上記第1実施形態で説明した図1に示した筋の粘弾性特性を有するアクチュエータである。即ち、アクチュエータe1,f1,e2,f2,e3,f3は、力発生要素、弾性要素及び粘性要素の並列接続でモデル化され、引張力及び押出力のいずれかの発生力を選択的に発生する。

0141

uen,ufn(n=1,2,3)を力発生要素の発生力(発生力指令値)、ken,kfn,ben,bfn(n=1,2,3)をアクチュエータの弾性力定数、粘性力定数とする。リンク101,102の旋回角度(即ち、関節J1,J2の関節角度)をθ1,θ2とする。また、リンク101,102の慣性モーメントをI1,I2、リンク101,102の長さをl1,l2、リンク101,102の質量をm1,m2とする。モーメントアーム径をリンク101,102共にrとする。本第3実施形態では、各筋の弾性力定数、粘性力定数をいずれもk,bとすると、運動方程式は、

0142

となる。

0143

(2)制御系設計
上記第1、第2実施形態では拮抗駆動と非拮抗駆動の遷移を伴う関節の角度と剛性の同時制御を行ったが、本第3実施形態においても、2自由度制御系を用いて関節J1,J2の角度と剛性の同時制御を行う。しかし、2リンクマニピュレータ120Bでは、手先(リンク102の先端)Eが外界と直に接触するので、手先Eの剛性を制御することが重要である。手先Eの剛性は、図14に示すようなスティフネス楕円によって表される。この楕円は、各方向に対しての剛性の分布を示し、手先と楕円の距離が離れるほど剛性が高いことを表している。

0144

制御装置200Bは、各アクチュエータe1,f1,e2,f2,e3,f3に対応する発生力指令値ue1,uf1,ue2,uf2,ue3,uf3を生成する。そして、制御装置200Bは、各ドライバ301〜306に各発生力指令値ue1,uf1,ue2,uf2,ue3,uf3を出力することで、各アクチュエータe1,f1,e2,f2,e3,f3の発生力を制御する。各ドライバ301〜306は、発生力指令値ue1,uf1,ue2,uf2,ue3,uf3に対応する発生力をアクチュエータe1,f1,e2,f2,e3,f3に発生させる。

0145

図15は、制御装置200Bの構成を示すブロック図である。制御装置200Bは、コンピュータで構成されており、上記第1実施形態と同様、制御部(演算部)としてのCPU201、ROM202、RAM203、HDD204、記録ディスクドライブ205及び各種のインタフェース207〜210を備えている。

0146

CPU201には、ROM202、RAM203、HDD204、記録ディスクドライブ205及び各種のインタフェース207〜210が、バス206を介して接続されている。CPU201は、HDD204に記録されたプログラム221Bに基づいて各種演算処理を実行する。

0147

インタフェース210には、上述したドライバ301〜306が接続されている。CPU201は、バス206及びインタフェース210を介して各ドライバ301〜306に発生力指令値ue1,uf1,ue2,uf2,ue3,uf3を出力する。各ドライバ301〜306は、入力した各発生力指令値に対応する発生力を各アクチュエータe1,f1,e2,f2,e3,f3に発生させる。

0148

本第3実施形態では、ロボット装置100Bは、図13では不図示の第1検出部である検出部401、第2検出部である検出部402及び接触センサ403を備えている。検出部401は、図13で関節J1に配置され、関節J1の関節角度(第1関節角度)θ1を検出する。検出部402は、図13で関節J2に配置され、関節J2の関節角度(第2関節角度)θ2を検出する。接触センサ403は、リンク101又はリンク102に設けられ、リンク101又はリンク102に物体が接触したか否かを検知する。

0149

インタフェース207には、検出部401が接続され、検出された関節角度θ1を示す信号が、インタフェース207及びバス206を介してCPU201に伝送される。インタフェース208には、検出部402が接続され、検出された関節角度θ2を示す信号が、インタフェース208及びバス206を介してCPU201に伝送される。インタフェース209には、接触センサ403が接続され、接触したか否かを示す信号が、インタフェース209及びバス206を介してCPU201に伝送される。

0150

図16は、CPU201の制御動作を説明するための機能ブロック線図である。以下、図16を用いてロボット制御方法について説明する。なお、図16では、マニピュレータ120Bは、符号Pで表している。ここで、制御装置200BのCPU(制御部)201は、HDD204から読み出したプログラム221Bを実行することにより、図16に示す各部として機能する。

0151

即ち、CPU201は、プログラム221Bに基づき、目標関節角度生成部501と、関節トルク演算部502と、和算部503と、制約部505,506と、発生力演算部507,508,509として機能する。

0152

目標関節角度生成部501は、リンク102の先端Eの目標軌道に基づき、関節J1の目標関節角度(第1目標関節角度)ra1及び関節J2の目標関節角度(第2目標関節角度)ra2を生成する目標関節角度生成処理を実行する。

0153

関節トルク演算部502は、関節角度θ1を目標関節角度ra1にするのに必要な関節J1の関節トルク(第1関節トルク)T1を演算する第1関節トルク演算処理を実行する(第1関節トルク演算ステップ)。更に、関節トルク演算部502は、関節角度θ2を目標関節角度ra2にするのに必要な関節J2の関節トルク(第2関節トルク)T2を演算する第2関節トルク演算処理を実行する(第2関節トルク演算ステップ)。

0154

関節トルク演算部502は、第1関節トルク演算処理として、第1フィードフォワード演算処理及び第1フィードバック演算処理を実行し、第2関節トルク演算処理として、第2フィードフォワード演算処理及び第2フィードバック演算処理を実行する。

0155

つまり、関節トルク演算部502は、第1フィードフォワード演算処理及び第2フィードフォワード演算処理を実行するフィードフォワード演算部510を有している。このフィードフォワード演算部510は、後述する第1設定処理及び第2設定処理も実行する。また、関節トルク演算部502は、第1フィードバック演算処理を実行するフィードバック演算部511と、第2フィードバック演算処理を実行するフィードバック演算部512と、を有している。更に、関節トルク演算部502は、第1加算処理を実行する加算部513と、第2加算処理を実行する加算部514とを有している。

0156

和算部503は、手先Eの目標剛性から各関節J1,J2の第1目標剛性及び第2目標剛性を算出する。そして、和算部503は、各目標剛性に基づいて、発生力ue1,uf1の和を示す和算値(第1和算値)U1、発生力ue2,uf2の和を示す和算値(第2和算値)U2、発生力ue3,uf3の和を示す和算値(第3和算値)U3を求める。つまり、和算部503は、第1和算処理として和算値U1を求め(第1和算ステップ)、第2和算処理として和算値U2を求め(第2和算ステップ)、第3和算処理として和算値U3を求める(第3和算ステップ)。

0157

フィードフォワード演算部510は、第1,第2フィードフォワード演算処理として、和算値U1,U2,U3、目標関節角度ra1,ra2を用いて、フィードフォワード演算により、関節J1,J2に対するフィードフォワード制御トルクTFFWを求める。

0158

(2.1)フィードフォワード制御系
上記第2実施形態と同様に、発生力指令値の差をTn、和をUnとおくと、

0159

と表せる。ここで、T′FFWn,TFBnは、それぞれフィードフォワード制御系、フィードバック制御系により与えられるトルクである。本節では、TFBn=0としてフィードフォワード制御入力の導出方法を示す。

0160

式(38)及び式(39)を、

0161

と定義して行列表記すると、

0162

となる。ここで、Kv,Cvはそれぞれ筋の粘弾性による剛性行列減衰行列であり、

0163

である。また、θcvは、関節トルクT1,T2が作用しないときの筋の弾性力による中立姿勢角度θc1,θc2からなるベクトルであり、

0164

となる。

0165

二関節同時駆動アクチュエータe3,f3は、発生力指令値ue3,uf3に差を与えることによって、一関節駆動アクチュエータと同様に関節にトルクを与えることは可能である。しかし、一つのリンクを複数のフィードバック制御系が制御することは冗長であり、フィードバック制御系の設計が複雑になってしまう。そこで、本第3実施形態では、二関節同時駆動アクチュエータe3,f3は関節J1,J2に剛性を与えるために用いることとし、発生力ue3,uf3の差T3を、

0166

とする。これにより、T1,T2が関節にトルクを与え、U1,U2,U3が関節に対する剛性および粘性を増減させることがわかる。

0167

関節角度θn(n=1,2)に対する目標軌道をran(n=1,2)とし、

0168

と定義すると、関節角度が目標軌道に追従するためのフィードフォワード制御トルクTFFW=[TFFW1 TFFW2]Tは、目標軌道の角速度、角加速度をそれぞれ、

0169

と表すと、逆動力学により、

0170

と求まる。つぎに、上記第2実施形態と同様に発生力ufn,uen(n=1,2)を導出し、それが負となる区間では関節剛性の式(41)中の負数の発生力項を0に置き換える。そして、発生力が負となる区間において式(47)から再びフィードフォワード制御トルクを求め、それを置き換えることでフィードフォワード制御トルクT′FFWを求める。

0171

つまり、フィードフォワード演算部510は、逆動力学によりフィードフォワード制御トルクTFFWnを演算し、|TFFWn|<Un×rを満たすか否かを判断する。フィードフォワード演算部510は、満たさないと判断した場合は、発生力が負の値となるアクチュエータに対する粘弾性定数を0として、再度、逆動力学によりフィードフォワード制御トルクT′FFWnを演算する。

0172

(2.2)2自由度制御系
フィードバック演算部511は、第1フィードバック演算処理として、フィードバック演算により、関節J1に対するフィードバック制御トルクTFB1を求める。フィードバック演算部512は、第2フィードバック演算処理として、フィードバック演算により、関節J2に対するフィードバック制御トルクTFB2を求める。

0173

フィードバック演算部511は、差分演算部531、ゲイン調整部532、及びPID制御部533を有してなる。フィードバック演算部512は、差分演算部534、ゲイン調整部535、及びPID制御部536を有してなる。

0174

差分演算部531は、関節角度θ1と目標関節角度ra1との差分(θ1−ra1)を演算する。ゲイン調整部532は、接触センサ403により接触が検知された場合は、ゲインを0とし、検出されない場合は、ゲインを1とする。PID制御部533は、伝達関数KPID1に基づき、差分(θ1−ra1)を補償するためのフィードバック制御トルクTFB1を演算する。

0175

差分演算部534は、関節角度θ2と目標関節角度ra2との差分(θ2−ra2)を演算する。ゲイン調整部535は、接触センサ403により接触が検知された場合は、ゲインを0とし、検出されない場合は、ゲインを1とする。PID制御部536は、伝達関数KPID2に基づき、差分(θ2−ra2)を補償するためのフィードバック制御トルクTFB2を演算する。

0176

加算部513は、第1加算処理として、フィードフォワード制御トルクT′FFW1にフィードバック制御トルクTFB1を加算して、関節トルクT1を求める加算処理を実行する。加算部514は、第2加算処理として、フィードフォワード制御トルクT′FFW2にフィードバック制御トルクTFB2を加算して、関節トルクT2を求める加算処理を実行する。

0177

そして、フィードフォワード演算部510は、第1設定処理として、非拮抗駆動の際には第1制約係数h1を1よりも大きい値に設定し、拮抗駆動の際には第1制約係数h1を1に設定する(第1設定ステップ)。同様に、フィードフォワード演算部510は、第2設定処理として、非拮抗駆動の際には第2制約係数h2を1よりも大きい値に設定し、拮抗駆動の際には第2制約係数h2を1に設定する(第2設定ステップ)。

0178

制約部505は、第1制約処理として、|T1|<U1×r×h1を第1制約条件とし、関節トルクT1を、第1制約条件を満足する範囲で制約する(第1制約ステップ)。制約部506は、第2制約処理として、|T2|<U2×r×h2を第2制約条件とし、関節トルクT2を、第2制約条件を満足する範囲で制約する(第2制約ステップ)。

0179

つまり、制御入力Tn(n=1,2)に対して上記第2実施形態と同様に、

0180

と制約する。ここで、hn(n=1,2)は第nリンクに対する拮抗度合いを表すパラメータであり、上記第2実施形態と同様に、拮抗駆動の条件を満たさない区間でh≫1とすることで、自動的に生成される。発生力ufn,uen(n=1,2)は、

0181

となる。また、T3=0、つまり、アクチュエータe3,f3に対する発生力ue3,uf3の差が0に設定されているため、発生力ue3,uf3は、

0182

となる。

0183

つまり、発生力演算部507は、第1発生力演算処理として、制約部505にて制約された関節トルクT1に基づき、アクチュエータe1,f1の発生力を演算する(第1発生力演算ステップ)。発生力演算部508は、第2発生力演算処理として、制約部506にて制約された関節トルクT2に基づき、アクチュエータe2,f2の発生力を演算する(第2発生力演算ステップ)。発生力演算部509は、第3発生力演算処理として、トルクT3=0であるので、アクチュエータe3,f3の発生力を式(50)に基づき演算する(第3発生力演算ステップ)。

0184

(2.3)手先剛性制御
上記第1実施形態の1リンクマニュピレータ120では、関節J1の剛性と手先の剛性は同一であった。3対6筋を有する2リンクマニュピレータ120Bでは、発生力の和U1,U2,U3を制御することにより手先Eの剛性が設定される。例えば、発生力の和U1,U2,U3を、

0185

と制御すると、スティフネス楕円の長軸は関節J1と手先Eを結ぶ方向を向くことが知られている。また、特許文献1では、手先Eのスティフネス楕円の長短軸がx−y軸と平行になる発生力の和U1,U2,U3を求めている。

0186

(2.4)軌道設計
本第3実施形態では、目標軌道を手先Eがy軸に平行に駆動するものとする。更に上記第1実施形態と同様に、加速区間−等速区間−減速区間を有するものとする。そして、関節角度に対する目標軌道ra1,ra2は、目標関節角度生成部501が、手先軌道から逆運動学により求める。

0187

次に、目標剛性は式(51)を満たし、手先Eの目標位置においてスティフネス楕円の長軸が関節J1と手先Eを結ぶ方向を向くように設定する。また、上記第1実施形態と同様に、加減速区間で高剛性となり、等速間で低剛性となるように設定する。加減速区間での一関節アクチュエータの発生力の和をUnmax,Unmax(n=1,2,3)、等速区間での一関節アクチュエータの発生力の和をUnmin,Unmin(n=1,2,3)とする。

0188

本第3実施形態では、加速区間−等速区間−減速区間を有する軌道を用いたが、例えばミニマムジャーク軌道のような等速区間を伴わない軌道であっても構わない。また、駆動の効率を考慮しない場合は、目標剛性を一定としても構わない。

0189

(3)シミュレーション
前節の制御系を用いたシミュレーションを行う。リンク101とリンク102の物理パラメータは同一とする。リンク101,102の長さを0.2[m]、リンク101,102の慣性モーメントをI1=I2=1.3×10−3[kgm2]、モーメントアーム径を0.05[m]、弾性、粘性定数をk=12,b=0.003とする。目標軌道は、等速区間の開始時間ta=0.2747[秒]、等速区間の終了時間tb=0.4746[秒]、位置決め終了時間tfin=0.75[秒]とする。また、関節トルクT1,T2が作用しないときの弾性力による中立姿勢角度θc1,θc2は、手先軌道の中間地点における関節角度とし、θc1=29.7[deg]、θc2=120.7[deg]とする。このとき、リンク101に対して拮抗度合いを調整するパラメータh1を図17に示す。上記第2実施形態と同様に、非拮抗駆動時はh1=10として生成したパラメータh1を破線で零位相ローパスフィルタを用いるパラメータh1を実線で示す。リンク102に対しては、常に拮抗駆動の条件を満たすので全ての区間でh2=1とする。手先Eのスティフネス楕円が関節J1と手先Eを結ぶ方向になるように、各アクチュエータの発生力の和U1,U2,U3を制御する。さらに、本第3実施形態では、上記第2実施形態と同様に、2自由度制御系のモデルの同定誤差に対する検証を行うため、フィードバック制御トルクの生成では慣性モーメントをI1,I2とする。シミュレーションではリンク101,102の慣性モーメントをI1′=1.1×I1,I2′=1.1×I2とする。

0190

図18(a)及び図18(b)にリンク101,102の関節角度θ1,θ2を実線で、目標軌道ra1,ra2を破線で示す。図19(a)〜図19(c)に発生力uf1,uf2,uf3の応答を実線で、発生力ue1,ue2,ue3の応答を破線で示す。さらに、図20(a)〜図20(c)に発生力uen,ufn(n=1,2,3)の差を実線で、和を破線で、Tn/r(n=1,2)の応答を一点鎖線で示す。また、図21(a)にTFFW1,TFB1を、図21(b)にTFFW2,TFB2をそれぞれ実線、破線で示す。

0191

図18(a)及び図18(b)より実線で示す関節角度θ1,θ2は、破線で示す軌道と重なっており、リンク101,102は目標軌道に追従していることがわかる。図21(a)及び図21(b)の破線で示すように、フィードバック制御トルクがモデル誤差を補償しているためである。図19(a)に示すリンク101の応答より、発生力ue1,uf1は2自由度制御系の制御入力T1を、式(48)と式(49)に示した条件で配分されている。図17より、加速区間はh≫1とすることで非拮抗駆動となるため、加速区間では折畳側が収縮力を、伸展側が押出力を発生し、減速区間では折畳側が押出力を、伸展側が収縮力を発生している。h=1である区間は伸展側と折畳側の人工筋肉はともに正の力を発生する拮抗駆動が行われている。また、図19(b)より、リンク102は常にh2=1であるため、発生力ue2,uf2は常に収縮力を発生していることがわかる。図19(c)より、発生力ue3,uf3はU3/2である。

0192

図20(a)において、実線で示すuf1−ue1は、一点鎖線で示すT1/rと重なっており、式(40)の条件を満たしている。また、破線で示すuf1+ue1=U1は、加減速区間で非拮抗駆動となるため、剛性の目標値は満たさないが、整定時の拮抗駆動となる状態ではU1maxとなっていることがわかる。同様に、図20(b)において、実線で示すuf2−ue2は、一点鎖線で示すT2/rと重なっており、式(40)の条件を満たしている。また、破線で示すuf2+ue2=U2は常に拮抗駆動であるため、目標剛性値を満たしていることがわかる。さらに、図20(c)において、実線で示すuf3−ue3は0であり、式(45)の条件を満たしている。また、破線で示すuf3+ue3=U3は目標値と一致していることがわかる。

0193

以上、各拮抗対の剛性が位置決め目標角度において制御されていることから、手先Eのスティフネス楕円は関節J1と手先Eを結ぶ方向に制御されていることがわかる。本第3実施形態の2自由度制御系により、拮抗駆動と非拮抗駆動を継ぎ目なく遷移し、目標軌道への追従を実現しながら、3対6筋の弾性により手先Eの剛性を制御することが可能であることがわかる。

0194

なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、多くの変形が本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。

0195

上記実施形態の各処理動作は具体的には制御装置200,200A,200Bの制御部としてのCPU201により実行されるものである。従って上述した機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を制御装置に供給し、制御装置のコンピュータ(CPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読み出し実行することによって達成されるようにしてもよい。この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、プログラム自体及びそのプログラムを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。

0196

また、上記実施形態では、コンピュータ読み取り可能な記録媒体がHDD204であり、HDD204にプログラム221,221A,221Bが格納される場合について説明したが、これに限定するものではない。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であれば、いかなる記録媒体に記録されていてもよい。例えば、プログラムを供給するための記録媒体としては、図3図15に示すROM202、記録ディスク222、不図示の外部記憶装置等を用いてもよい。具体例を挙げて説明すると、記録媒体として、フレキシブルディスクハードディスク光ディスク光磁気ディスクCD−ROM、CD−R、磁気テープ書き換え可能な不揮発性メモリ(例えばUSBメモリ)、ROM等を用いることができる。

0197

また、上記実施形態におけるプログラムを、ネットワークを介してダウンロードしてコンピュータにより実行するようにしてもよい。

0198

また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施形態の機能が実現されるだけに限定するものではない。そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。

0199

さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれてもよい。そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上記実施形態の機能が実現される場合も含まれる。

0200

また、上記実施形態では、コンピュータがHDD等の記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、図4図8又は図16に示す機能を果たす場合について説明したが、これに限定するものではない。図4図8又は図16に示す制御部の一部又は全部の機能をASICFPGA等の専用LSIで構成してもよい。なお、ASICはApplication Specific IntegratedCircuit、FPGAはField-Programmable Gate Arrayの頭字語である。

0201

100…ロボット装置、101…リンク(第1リンク)、120…マニピュレータ、201…CPU(制御部)、e1,f1…アクチュエータ(第1アクチュエータ)

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