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技術 マルチキャリア光送信器及びマルチキャリア光送信方法

出願人 日本電信電話株式会社
発明者 山崎裕史郷隆司高橋浩
出願日 2013年4月16日 (6年11ヶ月経過) 出願番号 2013-085956
公開日 2014年11月6日 (5年4ヶ月経過) 公開番号 2014-209685
状態 特許登録済
技術分野 光通信システム
主要キーワード 周波数カウンタ回路 最小値δ 半導体系材料 補償周波数 物理配線 正負両側 デジタル出力回路 経時変化分
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (17)

課題

本発明は、サブチャネル毎に個別のCW光源を用い、かつサブキャリア間周波数間隔を制御可能なマルチキャリア光送信器を提供する。

解決手段

本発明のマルチキャリア光送信器は、N個の送信CW光源と、N個の出力光からN個のモニタ光を出力する手段と、N個のモニタ光を用いてN個の出力光間の周波数間隔を検出して周波数間隔情報を出力する手段と、データ変調用の送信データ信号に基づいて生成された複素電界信号の周波数を各周波数間隔と所定の周波数間隔との差分だけシフトしてN個の駆動信号を出力する手段と、N個の駆動信号に基づいてN個の出力光を変調し周波数をシフトすることにより所定の周波数間隔を有するようにN個のサブチャネル信号を出力する手段と、N個のサブチャネル信号を合波してマルチキャリア信号を送信する手段とを備えたことを特徴とする。

概要

背景

光通信システムにおけるチャネルあたりの伝送容量の更なる向上のため、複数のサブキャリアを用いるマルチキャリア伝送方式の検討が盛んに行われている。マルチキャリア伝送においては、サブキャリア間周波数間隔を可能な限り狭くし、光スペクトル利用効率(Spectral Efficiency:SE)を向上することが望ましい。実際に、非特許文献1に示されるように、ナイキストWDM(Nyquist Wavelength Division Multiplexing)やOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を用いてサブキャリア間の周波数隔をシンボルレート程度まで狭めたマルチキャリア伝送の検討が近年盛んに行われている。

このようなSEの高いマルチキャリア伝送を実現するためには、サブキャリア間の周波数間隔を精度よく制御することが重要となる。このため、マルチキャリア伝送用光源として、単独のCW(Continuous Wave)光を種光源とし、外部変調器非線形光学媒質を用いて複数のサブピークを発生させる構成がしばしば用いられる。

概要

本発明は、サブチャネル毎に個別のCW光源を用い、かつサブキャリア間の周波数間隔を制御可能なマルチキャリア光送信器を提供する。本発明のマルチキャリア光送信器は、N個の送信CW光源と、N個の出力光からN個のモニタ光を出力する手段と、N個のモニタ光を用いてN個の出力光間の周波数間隔を検出して周波数間隔情報を出力する手段と、データ変調用の送信データ信号に基づいて生成された複素電界信号の周波数を各周波数間隔と所定の周波数間隔との差分だけシフトしてN個の駆動信号を出力する手段と、N個の駆動信号に基づいてN個の出力光を変調し周波数をシフトすることにより所定の周波数間隔を有するようにN個のサブチャネル信号を出力する手段と、N個のサブチャネル信号を合波してマルチキャリア信号を送信する手段とを備えたことを特徴とする。

目的

本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、各サブチャネル毎に個別のCW光源を用い、かつサブキャリア間の周波数間隔を制御可能なマルチキャリア光送信器及びマルチキャリア光送信方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

N個(Nは2以上の整数)のサブチャネルにそれぞれ対応するN個の送信CW光源と、前記N個の送信CW光源から出力されたN個の出力光からN個のモニタ光を取り出して出力するモニタ光取り出し手段と、前記N個のモニタ光を用いて前記N個の出力光間の周波数間隔をそれぞれ検出し、当該検出した周波数間隔の各々から周波数間隔情報を生成して出力する周波数間隔モニタ手段と、外部から入力されるデータ変調のための送信データ信号に基づいて前記N個のサブチャネルの各々に対する複素電界信号を生成し、前記複素電界信号の周波数を前記周波数間隔情報の各周波数間隔と所定の周波数間隔との差分だけシフトすることにより、前記N個のサブチャネルにそれぞれ対応するN個の駆動信号を生成して出力する駆動信号生成手段と、前記N個の駆動信号及び前記N個の出力光を入力して、N個のサブチャネル信号を生成して出力する光ベクトル変調手段であって、前記光ベクトル変調手段は、前記N個の駆動信号に基づいて前記N個の出力光を変調し前記N個の出力光の周波数をシフトすることにより、前記サブチャネル信号間で前記所定の周波数間隔を有するように前記N個のサブチャネル信号を生成する、前記光ベクトル変調手段と、前記光ベクトル変調手段から出力された前記N個のサブチャネル信号を合波してマルチキャリア信号を送信する光合波手段とを備えたことを特徴とするマルチキャリア光送信器

請求項2

前記周波数間隔モニタ手段は前記モニタ光を相互に干渉させてビート信号を得る手段を有し、前記周波数間隔情報は前記ビート信号を含み、前記駆動信号生成手段は前記ビート信号のビート周波数に基づいて前記各周波数間隔と所定の周波数間隔との前記差分を算出することを特徴とする請求項1に記載のマルチキャリア光送信器。

請求項3

前記周波数間隔モニタ手段は、前記N個の送信CW光源のうちの少なくとも1個から取り出された前記モニタ光をクロック信号で変調した後に、当該変調したモニタ光と前記モニタ光とを相互に干渉させてビート信号を得る手段を有し、前記周波数間隔情報は前記ビート信号を含み、前記駆動信号生成手段は前記ビート信号のビート周波数に基づいて前記各周波数間隔と所定の周波数間隔との前記差分を算出することを特徴とする請求項1に記載のマルチキャリア光送信器。

請求項4

前記周波数間隔モニタ手段は、基準光源を備え、前記モニタ光と前記基準光源の出力光とを干渉させてビート信号を得る手段を有し、前記周波数間隔情報は前記ビート信号を含み、前記駆動信号生成手段は前記ビート信号のビート周波数に基づいて前記各周波数間隔と所定の周波数間隔との前記差分を算出することを特徴とする請求項1に記載のマルチキャリア光送信器。

請求項5

前記基準光源の出力光スペクトルは、N本以上の等周波数間隔で並んだサブピークを有することを特徴とする請求項4に記載のマルチキャリア光送信器。

請求項6

N個(Nは2以上の整数)のサブチャネルにそれぞれ対応するN個の送信CW光源からN個の出力光を出力するステップと、前記N個の出力光からN個のモニタ光を取り出して出力するステップと、前記N個のモニタ光を用いて前記N個の出力光間の周波数間隔をそれぞれ検出し、当該検出した周波数間隔の各々から周波数間隔情報を生成して出力するステップと、外部から入力されるデータ変調のための送信データ信号に基づいて前記N個のサブチャネルの各々に対する複素電界信号を生成し、前記複素電界信号の周波数を前記周波数間隔情報の各周波数間隔と所定の周波数間隔との差分だけシフトすることにより、前記N個のサブチャネルにそれぞれ対応するN個の駆動信号を生成して出力するステップと、前記N個の駆動信号及び前記N個の出力光からN個のサブチャネル信号を生成して出力するステップであって、前記N個の駆動信号に基づいて前記N個の出力光を変調し前記N個の出力光の周波数をシフトすることにより、前記サブチャネル信号間で前記所定の周波数間隔を有するように前記N個のサブチャネル信号を生成する、ステップと、前記N個のサブチャネル信号を合波してマルチキャリア信号を送信するステップとを備えたことを特徴とするマルチキャリア光送信方法

技術分野

0001

本発明は、光通信システムに応用可能なマルチキャリア光送信器及びマルチキャリア光送信方法に関する。

背景技術

0002

光通信システムにおけるチャネルあたりの伝送容量の更なる向上のため、複数のサブキャリアを用いるマルチキャリア伝送方式の検討が盛んに行われている。マルチキャリア伝送においては、サブキャリア間周波数間隔を可能な限り狭くし、光スペクトル利用効率(Spectral Efficiency:SE)を向上することが望ましい。実際に、非特許文献1に示されるように、ナイキストWDM(Nyquist Wavelength Division Multiplexing)やOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を用いてサブキャリア間の周波数隔をシンボルレート程度まで狭めたマルチキャリア伝送の検討が近年盛んに行われている。

0003

このようなSEの高いマルチキャリア伝送を実現するためには、サブキャリア間の周波数間隔を精度よく制御することが重要となる。このため、マルチキャリア伝送用光源として、単独のCW(Continuous Wave)光を種光源とし、外部変調器非線形光学媒質を用いて複数のサブピークを発生させる構成がしばしば用いられる。

先行技術

0004

R. Schmogrow他, "Real-time Nyquist pulse generation beyond 100 Gbit/s and its relation to OFDM" Optics Express, 2012年, Vol. 20, No.1, p. 317-337.

発明が解決しようとする課題

0005

しかし、このような構成においては、サブピーク成分間のパワーレベル等化することが難しく、また原理的に等化後のサブピーク成分あたりの光パワーCW光源の出力パワーサブキャリア数分の1未満となってしまうため、サブチャネルあたりの光パワーが小さくなってしまい、伝送可能距離の制約要因となってしまう等の問題があった。また、サブピーク成分を一本ずつ分離して異なる変調手段に送出するための光分離フィルタ別途必要となり、送信器全体が複雑になってしまうという問題もあった。

0006

サブチャネル信号あたりの光パワーを大きくし、かつ分離フィルタを不要にするには、各サブチャネル毎に個別のCW光源を用いることが望ましい。しかし、一般に、独立に発振するCW光源間の周波数間隔を精度よく制御することは困難である。例えば、一般に光伝送システムに用いられる半導体CW光源の発振周波数精度経年変化分も含め±数GHz程度であるため、各々独立に動作するCW光源間の周波数間隔はその倍程度のオーダー分布することになり、これはSEの高いマルチキャリア伝送に適用するには不十分な精度である。

0007

本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、各サブチャネル毎に個別のCW光源を用い、かつサブキャリア間の周波数間隔を制御可能なマルチキャリア光送信器及びマルチキャリア光送信方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0008

上記課題を解決するために、請求項1に記載のマルチキャリア光送信器は、N個(Nは2以上の整数)のサブチャネルにそれぞれ対応するN個の送信CW光源と、前記N個の送信CW光源から出力されたN個の出力光からN個のモニタ光を取り出して出力するモニタ光取り出し手段と、前記N個のモニタ光を用いて前記N個の出力光間の周波数間隔をそれぞれ検出し、当該検出した周波数間隔の各々から周波数間隔情報を生成して出力する周波数間隔モニタ手段と、外部から入力されるデータ変調のための送信データ信号に基づいて前記N個のサブチャネルの各々に対する複素電界信号を生成し、前記複素電界信号の周波数を前記周波数間隔情報の各周波数間隔と所定の周波数間隔との差分だけシフトすることにより、前記N個のサブチャネルにそれぞれ対応するN個の駆動信号を生成して出力する駆動信号生成手段と、前記N個の駆動信号及び前記N個の出力光を入力して、N個のサブチャネル信号を生成して出力する光ベクトル変調手段であって、前記光ベクトル変調手段は、前記N個の駆動信号に基づいて前記N個の出力光を変調し前記N個の出力光の周波数をシフトすることにより、前記サブチャネル信号間で前記所定の周波数間隔を有するように前記N個のサブチャネル信号を生成する、前記光ベクトル変調手段と、前記光ベクトル変調手段から出力された前記N個のサブチャネル信号を合波してマルチキャリア信号を送信する光合波手段とを備えたことを特徴とする。

0009

請求項2に記載のマルチキャリア光送信器は、請求項1に記載のマルチキャリア光送信器であって、前記周波数間隔モニタ手段は前記モニタ光を相互に干渉させてビート信号を得る手段を有し、前記周波数間隔情報は前記ビート信号を含み、前記駆動信号生成手段は前記ビート信号のビート周波数に基づいて前記各周波数間隔と所定の周波数間隔との前記差分を算出することを特徴とする。

0010

請求項3に記載のマルチキャリア光送信器は、請求項1に記載のマルチキャリア光送信器であって、前記周波数間隔モニタ手段は、前記N個の送信CW光源のうちの少なくとも1個から取り出された前記モニタ光をクロック信号で変調した後に、当該変調したモニタ光と前記モニタ光とを相互に干渉させてビート信号を得る手段を有し、前記周波数間隔情報は前記ビート信号を含み、前記駆動信号生成手段は前記ビート信号のビート周波数に基づいて前記各周波数間隔と所定の周波数間隔との前記差分を算出することを特徴とする。

0011

請求項4に記載のマルチキャリア光送信器は、請求項1に記載のマルチキャリア光送信器であって、前記周波数間隔モニタ手段は、基準光源を備え、前記モニタ光と前記基準光源の出力光とを干渉させてビート信号を得る手段を有し、前記周波数間隔情報は前記ビート信号を含み、前記駆動信号生成手段は前記ビート信号のビート周波数に基づいて前記各周波数間隔と所定の周波数間隔との前記差分を算出することを特徴とする。

0012

請求項5に記載のマルチキャリア光送信器は、請求項4に記載のマルチキャリア光送信器であって、前記基準光源の出力光スペクトルは、N本以上の等周波数間隔で並んだサブピークを有することを特徴とする。

0013

請求項6に記載のマルチキャリア光送信方法は、N個(Nは2以上の整数)のサブチャネルにそれぞれ対応するN個の送信CW光源からN個の出力光を出力するステップと、前記N個の出力光からN個のモニタ光を取り出して出力するステップと、前記N個のモニタ光を用いて前記N個の出力光間の周波数間隔をそれぞれ検出し、当該検出した周波数間隔の各々から周波数間隔情報を生成して出力するステップと、外部から入力されるデータ変調のための送信データ信号に基づいて前記N個のサブチャネルの各々に対する複素電界信号を生成し、前記複素電界信号の周波数を前記周波数間隔情報の各周波数間隔と所定の周波数間隔との差分だけシフトすることにより、前記N個のサブチャネルにそれぞれ対応するN個の駆動信号を生成して出力するステップと、前記N個の駆動信号及び前記N個の出力光からN個のサブチャネル信号を生成して出力するステップであって、前記N個の駆動信号に基づいて前記N個の出力光を変調し前記N個の出力光の周波数をシフトすることにより、前記サブチャネル信号間で前記所定の周波数間隔を有するように前記N個のサブチャネル信号を生成する、ステップと、前記N個のサブチャネル信号を合波してマルチキャリア信号を送信するステップとを備えたことを特徴とする。

発明の効果

0014

本発明によれば、各サブチャネル毎に個別のCW光源を用い、かつサブキャリア間の周波数間隔を制御可能なマルチキャリア光送信器を提供することができる。特に、光ベクトル変調手段を周波数シフタデータ変調器として用いてサブキャリア間の周波数間隔を制御することにより、送信用CW光源自体の周波数制御を行う必要がなく、簡易な構成でマルチキャリア光送信器を実現することができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の第1の実施形態に係るマルチキャリア光送信器の構成を示すブロック図である。
本発明の第1の実施形態に係る周波数間隔モニタ手段の構成を示すブロック図である。
本発明の第1の実施形態に係る駆動信号生成手段の構成を示すブロック図である。
本発明の第1の実施形態における送信CW光源の出力CW光と光ベクトル変調手段の出力光信号とのそれぞれのスペクトルの関係を模式的に説明する図である。
本発明の第2の実施形態に係る周波数間隔モニタ手段の構成を示すブロック図である。
本発明の第3の実施形態に係る周波数間隔モニタ手段の構成を示すブロック図である。
本発明の第3の実施形態に係る駆動信号生成手段の構成を示すブロック図である。
本発明の第3の実施形態に係るマルチキャリア光送信器における、送信CW光源の出力CW光、光変調器出力スペクトル及び光ベクトル変調手段の出力光信号のそれぞれのスペクトルの関係を模式的に説明する図である。
本発明の第4の実施形態に係る周波数間隔モニタ手段の構成を示すブロック図である。
本発明の第4の実施形態に係る駆動信号生成手段の構成を示すブロック図である。
本発明の第4の実施形態に係るマルチキャリア光送信器における、送信CW光源の出力CW光、基準光源の出力スペクトル及び光ベクトル変調手段の出力光信号のそれぞれのスペクトルの関係を模式的に説明する図である。
本発明の第5の実施形態に係る周波数間隔モニタ手段の構成を示すブロック図である。
本発明の第6の実施形態に係る周波数間隔モニタ手段の構成を示すブロック図である。
本発明の第6の実施形態に係る駆動信号生成手段の構成を示すブロック図である。
本発明の第6の実施形態に係るマルチキャリア光送信器における、送信CW光源の出力CW光、基準光源の出力光スペクトル及び光ベクトル変調手段の出力光信号のそれぞれのスペクトルの関係を模式的に説明する図である。
偏波多重IQ変調器を例示する図である。

実施例

0016

明細書中において、「送信CW光源の周波数」とは送信CW光源から出力されるCW光の周波数を指し、「サブキャリア周波数」とはデータ変調後の各サブチャネルの信号光にとっての実効的なキャリア周波数を指す。通常、「サブキャリア周波数」=「データ変調後の各サブチャネルの光信号スペクトルの中心周波数」である(但し、単側波帯変調のような一部の特殊な変調方式を用いる場合、上記等式成立しない)。従来の個別CW光源型マルチキャリア送信器においては、「送信CW光源の周波数」=「サブキャリア周波数」である。しかしながら、本発明の基本的な技術的思想は、「送信CW光源の周波数」を制御することなく、「サブキャリア周波数」を制御するというものである。具体的には、以下に示す実施形態の説明において詳述する通り、光ベクトル変調手段を周波数シフタ兼データ変調器として用いることで上記制御を可能にする。従って、以下に説明する実施形態においては、基本的に「送信CW光源の周波数」と「サブキャリア周波数」とは一致しない。また、本明細書中の全ての図面において、矢印は単に信号の流れを示すものであり、矢印の本数は実際の物理配線の本数とは必ずしも一致しない。

0017

(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るマルチキャリア光送信器100の構成を示すブロック図である。なお、本明細書中の全ての実施形態では4キャリア送信器の例を示すが、2以上の任意のキャリア数に対しても同様の構成を適用することができる。図1において、マルチキャリア光送信器100は、送信CW光源101〜104と、モニタ光取り出し手段111〜114と、光ベクトル変調手段121〜124と、光合波手段130と、出力ポート140と、周波数間隔モニタ手段150と、駆動信号生成手段160とを備える。

0018

送信CW光源101〜104は、各サブチャネルに対応する光周波数f1〜f4のCW光をそれぞれ出力する。本例ではf1<f2<f3<f4とする。モニタ光取り出し手段111〜114は、送信CW光源101〜104の出力光の一部(例えば5%)をタップし、モニタ光として周波数間隔モニタ手段150に送る。周波数間隔モニタ手段150は、モニタ光取り出し手段111〜114によって得られたモニタ光から送信CW光源101〜104の出力光間の周波数間隔を検出し、当該検出した周波数間隔からビート信号を含む周波数間隔情報を生成して駆動信号生成手段160に送る。駆動信号生成手段160は、周波数間隔モニタ手段150から得られた周波数間隔情報と外部から入力される送信データ信号とに基づき、光ベクトル変調手段121〜124に対する駆動信号を生成する。光ベクトル変調手段121〜124は、入力した駆動信号及び送信CW光源の出力光に基づいて、サブチャネル信号同士が所定の周波数間隔を有するようにサブチャネル信号を生成する。光ベクトル変調手段121〜124から出力されるサブチャネル信号は、光合波手段130により合波され、出力ポートよりマルチキャリア(4キャリア)光信号として出力される。

0019

送信CW光源101〜104としては、例えば分布帰還型レーザダイオード分布ブラッグ反射型レーザダイオードを用いることができる。光ベクトル変調手段121〜124としては、例えば図16に示すような、マッハツェンダ型変調器(Mach-Zehnder Modulator:MZM)を用いた偏波多重IQ変調器を用いることができる。図16には、X偏波In-phase(I)成分に対応するMZMXIと、X偏波Quadrature(Q)成分に対応するMZMXQと、Y偏波I成分に対応するMZMYIと、Y偏波Q成分に対応するMZMYQとを備えた偏波多重IQ変調器1600が示されている。図16に示されるように、偏波多重IQ変調器1600は、直交する2偏波(X偏波、Y偏波)のI成分およびQ成分にそれぞれ対応する4並列のMZMを含み、原理的には出力光電界各偏波成分の強度及び位相に対し、任意の変調を行うことができる。

0020

変調器の材料としては、ニオブ酸リチウム(LiNbO3:LN)を用いたものが最も広く普及しているが、インジウム燐InP)等の半導体系材料を用いたものやポリマ材料を用いたものも近年開発が進んでいる。本発明の効果は変調器材料の選択に依らないため、変調器材料の選択は任意である。

0021

光合波手段130としては、例えば4×1コンバイナマルチモード干渉計カプラなどの波長無依存型の光合波器を用いてもよく、また光損失を避けるためアレイ導波路格子などの波長合分波器を用いてもよい。

0022

なお、光ベクトル変調手段121〜124の駆動信号を表す矢印はそれぞれ1本ずつで表したが、前述の通り矢印は信号の流れを示すものであって物理配線の本数を表すものではない。光ベクトル変調手段121〜124として図16に示す偏波多重IQ変調器1600を用いる場合、駆動信号生成手段160から出力される駆動信号の物理配線本数は光ベクトル変調手段1個当たり4本(それぞれX偏波I成分、X偏波Q成分、Y偏波I成分、Y偏波Q成分に対応)ずつ、計16本となる。

0023

また、周波数間隔モニタ手段150及び駆動信号生成手段160の処理時間とモニタ光取り出し手段111〜114から光ベクトル変調手段121〜124への光波の到達時間との差をできるだけ小さくするため、モニタ光取り出し手段111〜114と光ベクトル変調手段121〜124との間には必要に応じて光遅延線を設けてもよい。

0024

図2は、本発明の第1の実施形態に係る周波数間隔モニタ手段の構成を示すブロック図である。図2に示されるように、周波数間隔モニタ手段200(図1に示される周波数間隔モニタ手段150に対応)は、光分岐器212及び213と、光カプラ221〜223と、バランス受光器231〜233とを備える。光カプラ221〜223は一般的な2×2の3dBカプラであり、バランス受光器231〜233はバランス型PD及びトランスインピーダンスアンプを含む。なお、本実施形態を含め、本明細書中で説明する全ての実施形態では高感度を得るためバランス受光器を用いているが、充分な感度が得られる場合はシングルエンド受光器に置き換えてもよい。

0025

光分岐器212及び213は、入力されるモニタ光201〜204(光周波数f1〜f4)のうち両端を除く2チャネル(モニタ光202及び203)をそれぞれ2分岐する。光カプラ221〜223は隣接チャネルのモニタ光同士を干渉させ、バランス受光器231〜233は隣接チャネルのモニタ光の周波数間隔を検出するために干渉によるビート信号241〜243を出力する。それにより、周波数間隔モニタ手段200はビート信号241〜243を含む周波数間隔情報を出力する。ビート信号241〜243の周波数fbeat_21、fbeat_32、fbeat_43については、以下の(式1)〜(式3)が成り立つ。
fbeat_21=f2−f1 (式1)
fbeat_32=f3−f2 (式2)
fbeat_43=f4−f3 (式3)

0026

図3は、本発明の第1の実施形態に係る駆動信号生成手段の構成を示すブロック図である。図3に示されるように、駆動信号生成手段300(図1に示される駆動信号生成手段160に対応)は、複素電界信号生成回路310と、ビート周波数検出回路321〜323と、周波数制御回路330と、乗算回路341〜344と、出力インターフェース回路351〜354とを備える。

0027

複素電界信号生成回路310はデジタル回路であり、QPSK直交振幅変調(Quadrature Amplitude Modulation:QAM)などの変調方式に応じて、外部から入力したデータ変調を行うための送信データ信号を電界情報マッピングし、各サブチャネルの複素電界シンボル列を生成した後、パルス整形や予等化などの処理を施し、各サブチャネルに対応する複素電界信号E1〜E4を生成する。なお、偏波多重構成を用いる場合、複素電界信号E1〜E4の各々はX偏波、Y偏波に対応する2成分からなる複素ベクトルである。

0028

ビート周波数検出回路321〜323はアナログ入力デジタル出力回路であり、周波数間隔モニタ手段から送られるビート信号301〜303(図2に示されるビート信号241〜243に対応)のビート周波数fbeat_21、fbeat_32、fbeat_43をデジタル値として出力する。具体的には、ビート周波数検出回路321〜323として、分周回路計数回路を用いた一般的な周波数カウンタ回路を用いることができる。他の方法としては、アナログ−デジタル変換回路(Analog-to-Digital Converter:ADC)を用いてビート信号の時間波形デジタル化した後に、フーリエ変換回路を用いてスペクトルを得て、そのピーク位置からビート周波数の値を得る回路も考えられる。

0029

周波数制御回路330はデジタル回路であり、ビート周波数fbeat_21、fbeat_32、fbeat_43を所望の周波数間隔Δfideal_21、Δfideal_32、Δfideal_43と比較し、その差分に基づき補償周波数δf1〜δf4を算出し、補償信号exp(2πδfnt)(n=1、2、3、4)をデジタル信号として出力する。具体的には、補償周波数は以下の(式4)〜(式6)の関係が成り立つように決定する。
δf2−δf1=Δfideal_21−fbeat_21 (式4)
δf3−δf2=Δfideal_32−fbeat_32 (式5)
δf4−δf3=Δfideal_43−fbeat_43 (式6)

0030

なお、(式1)〜(式3)では、δf1〜δf4は一意に決まらず、決め方に自由度が残るが、例えば単純にδf1=0と置いてしまい、(式4)〜(式6)よりδf2、δf3、δf4を求めればよい。また、以下のように|δfn|の最大値をできるだけ小さくするように決めてもよい。
1. δf1=0とし、(式4)〜(式6)よりδf2、δf3、δf4の値を求める。
2. δf1〜δf4の最大値δfMAX、最小値δfminを求める。
3. n=1,2,3,4とし、δfn’=δfn−(δfMAX+δfmin)/2を求め、δfn’を新たなδfnとして用いる。

0031

乗算回路341〜344はデジタル回路であり、複素電界信号生成回路310から出力された複素電界信号En(n=1、2、3、4)と周波数制御回路330から出力された補償信号exp(j2πδfnt)とを乗算し出力する。この複素乗算演算は、複素平面上において角速度2πδfnで回転させることに相当し、スペクトル上では複素電界信号Enのスペクトルをδfnだけ周波数シフトさせる操作に相当する。なお、時間tは実際には離散化されている。

0032

出力インターフェース回路351〜354はデジタル入力アナログ出力回路であり、位相回転を受けた複素電界信号をアナログ信号に変換するデジタルアナログ変換回路(Digital-to-Analog Converter:DAC)と、アナログ信号を増幅する広帯域増幅回路ドライバアンプ)とを含み、光ベクトル変調手段の駆動信号361〜364を出力する。なお、前述の通り、実際には駆動信号361〜364を出力する物理配線は矢印1本あたり4本、計16本となる。具体的には、例えばE1のX偏波成分、Y偏波成分をそれぞれE1X,E1Yと表すと、駆動信号361を出力する矢印1本は実際にはReal[E1X・exp(j2πδf1t)]、Imag[E1X・exp(j2πδf1t)]、Real[E1Y・exp(j2πδf1t)]、Imag[E1Y・exp(j2πδf1t)]のそれぞれの信号を出力する計4本の物理配線に対応する。

0033

図4は、第1の実施形態における送信CW光源の出力CW光と光ベクトル変調手段の出力光信号とのそれぞれのスペクトルの関係を模式的に説明する図である。図4中の点線は送信CW光源の周波数を表し、一点鎖線はサブキャリア周波数をそれぞれ表す。周波数fnの入力CW光に対し、位相回転を受けた複素電界信号すなわち駆動信号En・exp(j2πδfnt)で光ベクトル変調手段を駆動すると、光ベクトル変調手段から出力されるサブチャネル信号はEn・exp{2π(fn+δfn)t}となる。これは入力CW光の周波数fnに対しδfnだけCW光周波数をシフトさせた後に複素電界信号Enで変調をかけて得られる信号と同等である。すなわち、光ベクトル変調手段が周波数シフタ機能とデータ変調機能(送信データに基づく複素電界変調機能)とを兼ねている。これにより光ベクトル変調手段から出力されるサブチャネル信号間の周波数間隔は、(式1)〜(式6)より、所望値であるΔfideal_12、Δfideal_23、Δfideal_34となる。

0034

周波数間隔の所望値は必ずしも等間隔である必要はないが、一般的なナイキストWDMやOFDMの場合は等間隔である。例えば、各サブチャネルの変調シンボルレートが32GbaudのナイキストWDM(図3に示される複素電界信号生成回路310においてナイキストパルス整形を行う)の場合、各サブチャネルの光信号スペクトルは全幅約32GHzの矩形に近いスペクトルとなり、周波数間隔は35GHz程度(ガードバンド3GHz程度)が用いられる。OFDMの場合は、周波数間隔=変調シンボルレートである。

0035

以上説明した通り、本実施形態では、送信CW光源間の出力光の周波数間隔を検出し、それに基づく位相回転を加えた駆動信号で光ベクトル変調信号を駆動することにより、サブキャリア間の周波数間隔の所望値からのズレフィードフォワード補償することが可能である。各送信CW光源自体に対しては特別な周波数制御を行う必要がなく、また光ベクトル変調手段が周波数シフタ機能とデータ変調機能とを兼ねることになるため、送信器全体として簡易な構成で、サブキャリア間の周波数間隔制御が可能なマルチキャリア光送信器を提供することができる。

0036

なお、本実施形態における補償周波数δfn(n=1,2,3,4)の値の範囲、すなわち補償可能範囲を±δfrange(δfrange>0)とすると、δfrangeは図3に示される出力インターフェース回路351〜354に含まれるDACのサンプリングレートfsにより制約される。標本化定理より、駆動信号En・exp(j2πδfnt)(図3に示される361〜364に対応)の信号スペクトルは、−fs/2〜+fs/2の範囲内に収める必要がある。すなわち、位相回転前の複素電界信号Enの信号スペクトル全幅をBとすると、δfrange≒fs/2−B/2である。例えば、シンボルレート32GbaudのナイキストWDMの場合、一般にサンプリングレートはシンボルレートの2倍とするためfs=64GHzであり、信号スペクトル全幅はシンボルレート程度であるためB〜32GHzであり、従ってδfrange≒16GHz程度である。高密度WDM(Dense WDM:DWDM)用レーザダイオード周波数変動は±2.5GHz以下程度であるため、δfrange≒16GHzはマージンを見込んでも充分な補償可能範囲といえる。但し、一般に、ドライバアンプや光変調器の応答特性は、周波数(絶対値)が大きくなるほど劣化するため、|δfn|はできるだけ小さいことが望ましい。

0037

また、上記の補償周波数範囲を最大限利用するためには、図3に示される出力インターフェース回路351〜354に含まれる広帯域増幅回路及び図1に示される光ベクトル変調手段121〜124の応答帯域は、いずれも〜fs/2以上とする必要がある。また、図2に示されるバランス受光器231及び図3に示されるビート周波数検出回路321〜323の動作帯域については、少なくとも周波数間隔の所望値Δfidealを中心に±δfrangeの範囲をカバーする必要がある。

0038

また、複素電界信号生成手段310において、出力インターフェース回路351〜354や光ベクトル変調手段121〜124の帯域制限による信号歪みを予め補償する予等化を行う場合、最適な予等化フィルタ係数は補償周波数δfnに依存する。このため、図3において破線矢印で示した通り、周波数制御回路330から複素電界信号生成回路310に対し補償周波数δfnの情報を出力するパスを設けてもよい。

0039

また、図1に示した全体構成においては、送信CW光源101〜104の周波数間隔が変動した場合、周波数間隔モニタ手段150、駆動信号生成手段160を経て光ベクトル変調手段121〜124において周波数間隔ズレが補償されるまでには一定の時間を要する。このため、モニタ光取り出し手段111〜114と光ベクトル変調手段121〜124の間にファイバコイルなどの光遅延線を設けてもよい。

0040

(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係る周波数間隔モニタ手段の構成を示すブロック図である。第2の実施形態のマルチキャリア光送信器の全体構成は、第1の実施形態における周波数間隔モニタ手段150を周波数間隔モニタ手段500に置換した点を除き、図1に示した第1の実施形態に係るマルチキャリア光送信器の構成と同じである。図5に示されるように、周波数間隔モニタ手段500は、光分岐器512及び513と、光カプラ521〜523と、バランス受光器531〜533と、クロック源550と、アナログ乗算器561〜563と、ローパスフィルタ571〜573とを備える。

0041

光分岐器512及び513は、入力されるモニタ光501〜504(光周波数f1〜f4)のうち両端を除く2チャネル(モニタ光502及び503)をそれぞれ2分岐する。光カプラ521〜523は隣接チャネルのモニタ光同士を干渉させ、バランス受光器531〜533は干渉によるビート信号を出力する。バランス受光器531〜533から出力されたビート信号は、それぞれアナログ乗算器561〜563において、クロック源550から出力される周波数frefのクロック信号(sin波)と混合(乗算)され、ローパスフィルタ571〜573を通して高周波成分をカットされた後、ビート信号541〜544として出力される。ビート信号541〜543の周波数fbeat_21、fbeat_32、fbeat_43については、以下の(式7)〜(式9)が成り立つ。
fbeat_21=f2−f1−fref (式7)
fbeat_32=f3−f2−fref (式8)
fbeat_43=f4−f3−fref (式9)

0042

すなわち、本実施形態では、スーパーヘテロダイン方式を用いることで第1の実施形態に比べてビート周波数を落としている。このため、図3に示した駆動信号生成手段におけるビート周波数検出回路321〜323として、より低速な回路を用いることができる。但し、本実施形態においては、ビート周波数fbeatの正負判別する手段が無いので、常にfbeat>0となるようにする必要がある。例えば、CW光源間の出力周波数間隔(fn+1−fn)が最小で30GHzと見込まれる場合、fref<30GHzとする必要がある。

0043

なお、本実施形態においては、補償周波数δf1〜δf4の決定にあたり、上記(式4)〜(式6)ではなく、下記の(式10)〜(式12)を満たすように決定する必要がある。
δf2−δf1=Δfideal_21−fbeat_21−fref (式10)
δf3−δf2=Δfideal_32−fbeat_32−fref (式11)
δf4−δf3=Δfideal_43−fbeat_43−fref (式12)

0044

(第3の実施形態)
図6は、本発明の第3の実施形態に係る周波数間隔モニタ手段の構成を示すブロック図である。第3の実施形態のマルチキャリア光送信器の全体構成は、第1の実施形態における周波数間隔モニタ手段150を周波数間隔モニタ手段600に置換した点、及び第1の実施形態における駆動信号生成手段160を駆動信号生成手段700に置換した点を除き、図1に示した第1の実施形態に係るマルチキャリア光送信器の構成と同じである。図6に示されるように、周波数間隔モニタ手段600は、光分岐器612と、光90度ハイブリッド回路621〜623と、バランス受光器631〜636と、クロック源650と、光変調器662と、ローパスフィルタ671〜676とを備える。

0045

本実施形態では、所望のサブキャリア間隔は等間隔としており、すなわち、Δfideal_21=Δfideal_32=Δfideal_43=Δfidealである。また、クロック源650の周波数frefは所望のサブキャリア間隔に合わせており、すなわちfref=Δfidealとしている。

0046

光変調器662としては、例えば直線型のLN位相変調器を用いることができる。光変調器662は、クロック源650から出力されるクロック信号(sin波)により駆動され、モニタ光602(光周波数f2)をクロック変調する。クロック信号は、必要に応じて増幅器(ドライバアンプ)で増幅してから光変調器662に入力する。光変調器662の出力信号スペクトルには、周波数f2の両側にfref間隔でサブピークが生じる。光変調器662の出力光は光分岐器612により3分岐され、それぞれ光90度ハイブリッド回路621、622、623においてモニタ光601、603、604(光周波数がそれぞれf1、f3、f4)と干渉させる。バランス受光器631〜636は、それぞれ光90度ハイブリッド回路621〜623のI成分またはQ成分出力受光して、アナログ電気信号として出力する。バランス受光器631〜636の出力は、ローパスフィルタ671〜676により高周波成分をカットされた後、ビート信号641〜646として出力される。各ビート信号641〜646のビート周波数(低周波成分)は、以下の(式13)〜(式15)で表される。
fbeat_1=f1−(f2−fref)=f1−(f2−Δfideal)
(式13)
fbeat_3=f3−(f2+fref)=f3−(f2+Δfideal)
(式14)
fbeat_4=f4−(f2+2fref)=f4−(f2+2Δfideal)
(式15)

0047

すなわち、クロック変調されたモニタ光602(光変調器662の出力光)の1次と2次のサイドピーク基準光となり、当該基準光とモニタ光601、603、604とのビート信号が得られる。出力されるビート信号641〜646の時間波形は、それぞれcos(2πfbeat_1t)、sin(2πfbeat_1t)、cos(2πfbeat_3t)、sin(2πfbeat_3t)、cos(2πfbeat_4t)、sin(2πfbeat_4t)となる。

0048

本実施形態において、ビート周波数はゼロを中心に正負両側に分布することになる。なぜならば、仮にもともと送信CW光源の周波数がΔfideal(=fref)間隔で並んでいるような理想状態であれば、本実施形態においてビート周波数は全てゼロとなる。ビート周波数の分布する範囲は、送信CW光源の周波数精度経時変化分含む)と一致する。このため、第3の実施形態で使用されるバランス受光器621〜626としては、これまでに説明した第1および第2の実施形態で使用されるバランス受光器に比べ、狭帯域(低速)なものを用いることができる。但し、第3の実施形態では、ビート周波数の正負(周波数ズレの方向)を判別する必要があるため、光カプラではなく光90度ハイブリッド回路を用い、ビート信号のI成分とQ成分(cos成分sin成分)を同時にモニタできるような構成としている。また、バランス受光器631〜636として充分動作帯域の狭いものを用いれば、ローパスフィルタ671〜676は不要である。

0049

図7は、本発明の第3の実施形態に係る駆動信号生成手段の構成を示すブロック図である。図7に示される駆動信号生成手段700の構成において、ビート周波数検出回路721〜726及び周波数制御回路730を除く全ての部分については、図3に示した駆動信号生成手段と同等であるため、説明は省く。

0050

ビート周波数検出回路721〜726としてはADCを用い、単純に周波数間隔モニタ手段600から送られるビート信号701〜706(図6に示されるビート信号641〜646に対応)の時間波形をデジタル信号化して出力する。前述の通り、光領域での変調を用いることでビート周波数をゼロ近傍に落としているので、ADCは低速のものでよい。周波数制御回路730はデジタル回路であり、入力されたビート信号の時間波形から補償信号exp(j2πδfnt)(n=1、2、3、4)を生成し出力する。補償信号は、i=1,3,4については、下記の(式16)の演算により生成すればよい。
exp(j2πδfnt)=exp(−j2πfbeat_nt)
=cos(2πfbeat_nt)−j*sin(2πfbeat_nt)
(式16)

0051

なお、δf2は常にゼロとする。従って、乗算回路742は省いてもよい。他の方法としては、入力ビート信号をそれぞれフーリエ変換してピーク周波数を求め、適宜操作した後にδfnを決定する方法も考えられるが、フーリエ変換を使うと演算量が増えてしまう欠点がある。

0052

図8は、本発明の第3の実施形態に係るマルチキャリア光送信器における、送信CW光源の出力CW光、光変調器の出力スペクトル、及び光ベクトル変調手段の出力光信号のそれぞれのスペクトルの関係を模式的に説明する図である。図8中の点線は送信CW光源の周波数を表し、一点鎖線はサブキャリア周波数をそれぞれ表す。本実施形態においては、光変調器の出力スペクトルにおいてfref(=Δfideal)間隔で現れるサブピークを基準とし、そこからのズレをビート周波数として検出した後に、これまでに説明した第1および第2の実施形態と同様、デジタル領域での位相回転によってこの周波数ズレを補償している。

0053

本実施形態に係るマルチキャリア光送信器は、これまでに説明した第1および第2の実施形態に係るマルチキャリア光送信器と比べ、光領域でのクロック変調を用いることで、低速(狭帯域)な受光器およびADCの使用を可能にし、技術的難度の低下を可能にしている。具体的には、送信CW光源の周波数精度(経時変化分含む)が所望値に対し±2.5GHz程度の場合、受光器およびADCの動作帯域は±2.5GHz程度(マージンを見込んで±5GHz程度)でよい。

0054

なお、本実施形態では、モニタ光602を基準として用いたが、基準として用いるモニタ光の選択は任意である。但し、クロック変調において高次のサブピークで充分な強度を得るためには大きな変調電圧振幅が必要となるため、中央付近のチャネルを基準として選ぶことが望ましい。

0055

また、本実施形態ではfref=Δfidealとしたが、両者を既知量だけずらしてfref=Δfideal+fgapとし、周波数制御回路730において適宜補正をかける構成としても良い。この場合、fbeat_1、fbeat_3及びfbeat_4は以下の(式17)〜(式19)で表される。
fbeat_1=f1−(f2−fref)=f1−{f2−(Δfideal+fgap)} (式17)
fbeat_3=f3−(f2+fref)=f3−{f2+(Δfideal+fgap)} (式18)
fbeat_4=f4−(f2+2fref)=f4−{f2+2(Δfideal+fgap)}
(式19)

0056

従って、fgap分を補償するには、周波数制御回路730において補償信号を生成する際の演算を以下の(式20)とし、n=1、3、4に対しそれぞれm=+1、−1、−2とすればよい。
exp(j2πδfnt)
=exp(−j2πfbeat_nt)*exp(j2πmfbegapt)
={cos(2πfbeat_nt)−j*sin(2πfbeat_it)}*exp(j2πmfgapt) (式20)

0057

fref≠Δfidealとする例としては、例えば32Gbaud、Δfideal=35GHzのナイキストWDMの場合において、クロック源650を駆動信号生成手段700内で用いるシンボルレートクロック源と共通化し、fref=32GHz(fgap=3GHz)とする場合などが考えられる。

0058

また、本実施形態においては、光90度ハイブリッド回路の2個の入力ポートのうち信号光側入力ポートにモニタ光601、603、604を、局発側入力ポートに光変調器662の出力光をそれぞれ入力することを想定している。これを逆転し、信号光側入力ポートに光変調器662の出力光を入力し、局発側入力ポートにモニタ光601、603、604をそれぞれ入力した場合、上記(式13)〜(式15)の右辺の符号が逆転するが、その場合は周波数制御回路730において補償信号を生成する際の演算を以下の(式21)とすればとすれば全く同じ効果を得ることができる。
exp(2πδfnt)
=exp(2πfbeat_nt)
=cos(2πfbeat_nt)+j*sin(2πfbeat_nt) (式21)

0059

(第4の実施形態)
図9は、本発明の第4の実施形態に係る周波数間隔モニタ手段の構成を示すブロック図である。第4の実施形態に係るマルチキャリア光送信器の全体構成は、第1の実施形態における周波数間隔モニタ手段150を周波数間隔モニタ手段1000に置換した点、及び第1の実施形態における駆動信号生成手段160を駆動信号生成手段900に置換した点を除き、図1に示した第1の実施形態に係るマルチキャリア光送信器の構成と同じである。図9において、周波数間隔モニタ手段900は、光分岐器910と、光90度ハイブリッド回路921〜924と、バランス受光器931〜938と、ローパスフィルタ971〜978と、基準光源980とを備える。

0060

本実施形態では、所望のサブキャリア間隔は等間隔としており、すなわち、Δfideal_21=Δfideal_32=Δfideal_43=Δfidealである。基準光源980は、周波数間隔frefで並んだサブピークを有する基準光を発生させる光源である。但し、サブピークのうち1本の周波数fref_0は、f1近傍に立つように予め調整する。基準光源980の構成としては、例えば図9中に模式的に示した通り、CW光を周波数frefでクロック変調してサブピークを立てて出力する構成を用いてもよいし、非線形媒質を使ってサブピークを立てる構成を用いてもよい。基準光源自体をデータ送信に用いるわけではないので、周波数間隔がfrefにロックされてさえいれば、サブピーク成分あたりの光パワーは小さくてもよく、またサブピーク成分ごとに強度のばらつきがあってもよい。本実施形態においては、fref=Δfidealとする。

0061

基準光源980の出力光は光分岐器910により4分岐され、それぞれ光90度ハイブリッド回路921〜924においてモニタ光901〜904と干渉させられる。バランス受光器931〜938は、それぞれ光90度ハイブリッド回路921〜924からのI成分またはQ成分出力を受光し、アナログ電気信号として出力する。バランス受光器931〜938の出力は、ローパスフィルタ971〜978により高周波成分をカットされた後、ビート信号941〜948として出力される。各ビート信号941〜948のビート周波数(低周波成分)は以下の(式22)〜(式25)で表される。
fbeat_1=f1−fref_0 (式22)
fbeat_2=f2−(fref_0+fref)=f2−(fref_0+Δfideal) (式23)
fbeat_3=f3−(fref_0+2fref)=f3−(fref_0+2Δfideal) (式24)
fbeat_4=f4−(fref_0+3fref)=f4−(fref_0+3Δfideal) (式25)

0062

出力されるビート信号941〜948の時間波形は、それぞれcos(2πfbeat_1t)、sin(2πfbeat_1t)、cos(2πfbeat_2t)、sin(2πfbeat_2t)、cos(2πfbeat_3t)、sin(2πfbeat_3t)、cos(2πfbeat_4t)、sin(2πfbeat_4t)となる。

0063

本実施形態に係るマルチキャリア光送信器においても、前述の第3の実施形態に係るマルチキャリア光送信器と同様、ビート周波数はゼロを中心に正負両側に分布することになるため、バランス受光器931〜938としては前述の第1および第2の実施形態で使用されるバランス受光器に比べ狭帯域(低速)なものを用いることができる。また、ビート周波数の正負(周波数ズレの方向)を判別する必要があるため、光カプラではなく光90度ハイブリッド回路を用い、ビート信号のI成分とQ成分(cos成分とsin成分)を同時にモニタできるような構成としている。また、バランス受光器931〜938として充分動作帯域の狭いものを用いれば、ローパスフィルタ971〜978は不要である。

0064

図10は、本発明の第4の実施形態に係る駆動信号生成手段の構成を示すブロック図である。図10に示される駆動信号生成手段1000は、ビート周波数検出回路1021〜1028が1セット(2個)多いという点を除いては図7に示した第3の実施形態に係る駆動信号生成手段700の構成と同等である。

0065

ビート周波数検出回路1021〜1028としてはADCを用い、単純に周波数間隔モニタ手段900から送られるビート信号1001〜1008(図9のビート信号941〜948に対応)の時間波形をデジタル信号化して出力する。前述の通り、光領域での変調を用いることでビート周波数をゼロ近傍に落としているので、ADCは低速のものでよい。周波数制御回路1030はデジタル回路であり、入力されたビート信号の時間波形から補償信号exp(j2πδfnt)(n=1、2、3、4)を生成して出力する。補償信号は、以下の(式26)で示される演算により生成すればよい。
exp(j2πδfnt)
=exp(−j2πfbeat_nt)
=cos(2πfbeat_nt)−j*sin(2πfbeat_nt) (式26)

0066

他の方法としては、入力ビート信号をそれぞれフーリエ変換しピーク周波数を求め、適宜操作した後にδfnを決定する方法も考えられるが、フーリエ変換を使うと演算量が増えてしまう欠点がある。

0067

図11は、本発明の第4の実施形態に係るマルチキャリア光送信器における、送信CW光源の出力CW光、基準光源980の出力スペクトル、及び光ベクトル変調手段の出力光信号のそれぞれのスペクトルの関係を模式的に説明する図である。図11中の点線は送信CW光源の周波数を、一点鎖線はサブキャリア周波数をそれぞれ表す。本実施形態においては、基準光源980の出力光スペクトルにおいてfref(=Δfideal)間隔で現れるサブピークを基準とし、そこからのズレをビート周波数として検出した後に、これまでに説明した第1および第2の実施形態と同様、デジタル領域での位相回転によってこの周波数ズレを補償している。

0068

本実施形態に係るマルチキャリア光送信器は、前述の第3の実施形態に係るマルチキャリア光送信器と同様、光領域でのクロック変調を用いることで、低速(狭帯域)な受光器およびADCの使用を可能にし、技術的難度の低下を可能にしている。具体的には、送信CW光源の周波数精度(経時変化分含む)が所望値に対し±2.5GHz程度の場合、受光器およびADCの動作帯域は±2.5GHz程度(マージンを見込んで±5GHz程度)でよい。

0069

なお、前述の第3の実施形態に係るマルチキャリア光送信器と同様、本実施形態に係るマルチキャリア光送信器でもfrefとΔfidealとを既知量だけずらしてfref=Δfideal+fgapとし、周波数制御回路1030において適宜補正をかける構成としてもよい。また、光90度ハイブリッド回路の信号光側入力ポートと局発側入力ポートを逆転させfbeatの符号を反転させた場合の扱いについても、前述の第3の実施形態に係るマルチキャリア光送信器の場合と同様である。

0070

(第5の実施形態)
図12は、本発明の第5の実施形態に係る周波数間隔モニタ手段の構成を示すブロック図である。第5の実施形態のマルチキャリア光送信器の全体構成は、第1の実施形態における周波数間隔モニタ手段150を周波数間隔モニタ手段1200に置換した点、及び第1の実施形態における駆動信号生成手段160を第5の実施形態に係る駆動信号生成手段に置換した点を除き、図1に示した第1の実施形態に係るマルチキャリア光送信器の構成と同じである。また、第5の実施形態に係る駆動信号生成手段の構成は、図7に示した第3の実施形態に係る駆動信号生成手段の構成と同じであるが、両者は後述の通り周波数制御手段における演算の内容が異なる。

0071

図12に示されるように、周波数間隔モニタ手段1200は、光分岐器1212及び1213と、光90度ハイブリッド回路1221〜1223と、バランス受光器1231〜1236と、クロック源1250と、光変調器1262及び1264と、ローパスフィルタ1271〜1276とを備える。

0072

本実施形態では、所望のサブキャリア間隔は等間隔としており、すなわち、Δfideal_21=Δfideal_32=Δfideal_43=Δfidealである。また、クロック源1250の周波数frefは所望のサブキャリア間隔に合わせており、すなわちfref=Δfidealとする。

0073

光変調器1262及び1264としては、例えば直線型のLN位相変調器を用いることができる。光変調器1262及び1264は、クロック源1250から出力されるクロック信号(sin波)により駆動され、モニタ光1202(光周波数f2)及び1204(光周波数f4)をそれぞれクロック変調する。すなわち、偶数サブチャネルのモニタ光のみクロック変調する。クロック信号は必要に応じて増幅器(ドライバアンプ)で増幅してから光変調器1262及び1264に入力する。光変調器1262及び1264の出力信号スペクトルには、周波数f2及びf4の両側にfref間隔でサブピークが生じる。

0074

光変調器1262の出力光及びモニタ光1203は、それぞれ光分岐器1212及び1213によりそれぞれ2分岐される。光90度ハイブリッド回路1221、1222、1223においては、モニタ光1201と光変調器1262の出力光、光変調器1262の出力光とモニタ光1203、モニタ光1203と光変調器1264の出力光がそれぞれ干渉させられる。バランス受光器1231〜1236は、それぞれ光90度ハイブリッド回路1221〜1223のI成分またはQ成分出力を受光してアナログ電気信号として出力する。バランス受光器1231〜1236の出力は、ローパスフィルタ1271〜1276により高周波成分をカットされた後、ビート信号1241〜1246として出力される。各ビート信号1241〜1246のビート周波数(低周波成分)は以下の(式27)〜(式29)で表される。
fbeat_12=f1−(f2−fref)=f1−(f2−Δfideal)
(式27)
fbeat_23=(f2+fref)−f3=(f2+Δfideal)−f3
(式28)
fbeat_34=f3−(f4−fref)=f3−(f4−Δfideal)
(式29)

0075

すなわち、全ての隣接サブチャネルペアにおいて、奇数サブチャネルのモニタ光と、クロック変調された偶数サブチャネルのモニタ光の1次のサブピークとの干渉によるビート信号が得られる。出力されるビート信号1241〜1246の時間波形は、それぞれcos(2πfbeat_12t)、sin(2πfbeat_12t)、cos(2πfbeat_23t)、sin(2πfbeat_23t)、cos(2πfbeat_34t)、sin(2πfbeat_34t)となる。

0076

本実施形態においても、前述の第3の実施形態と同様、ビート周波数はゼロを中心に正負両側に分布することになるため、バランス受光器1231〜1236としては前述の第1および第2の実施形態で使用されるバランス受光器に比べ狭帯域(低速)なものを用いることができる。また、ビート周波数の正負(周波数ズレの方向)を判別する必要があるため、光カプラではなく光90度ハイブリッド回路を用い、ビート信号のI成分とQ成分(cos成分とsin成分)を同時にモニタできるような構成としている。また、バランス受光器1231〜1236として充分動作帯域の狭いものを用いれば、ローパスフィルタ1271〜1276は不要である。

0077

前述の通り、本実施形態に係る駆動信号生成手段の構成は図7に示した第3の実施形態に係る駆動信号生成手段の構成と同じであるため、以下図7を参照しながら本実施形態の駆動信号生成手段について説明する。本実施形態に係る駆動信号生成手段においても、第3の実施形態に係る駆動信号生成手段700と同様、ビート周波数検出回路721〜726としてはADCを用い、単純に周波数間隔モニタ手段から送られるビート信号701〜706(図12のビート信号1241〜1246に対応)の時間波形をデジタル信号化して出力する。前述の通り、光領域での変調を用いることでビート周波数をゼロ近傍に落としているので、ADCは低速のものでよい。周波数制御回路1230はデジタル回路であり、入力されたビート信号の時間波形から補償信号exp(j2πδfnt)(n=1、2、3、4)を生成し出力する。補償信号は以下の(式26)で示される演算により求める。
exp(j2πδf1t)=1 (式30)
exp(j2πδf2t)
=exp(j2πfbeat_12t)*exp(j2πδf1t)
={cos(2πfbeat_12t)+j*sin(2πfbeat_12t)}*exp(j2πδf1t) (式31)
exp(j2πδf3t)
=exp(j2πfbeat_23t)*exp(j2πδf2t)
={cos(2πfbeat_23t)+j*sin(2πfbeat_23t)}*exp(j2πδf2t) (式32)
exp(j2πδf4t)
=exp(j2πfbeat_34t)*exp(j2πδf3t)
={cos(2πfbeat_34t)+j*sin(2πfbeat_34t)}*exp(j2πδf3t) (式33)

0078

(式27)〜(式33)より、以下の(式34)〜(式37)となることがわかる。
δf1=0 (式34)
δf2=f1+Δfideal−f2 (式35)
δf3=f1+2Δfideal−f3 (式36)
δf4=f1+3Δfideal−f4 (式37)

0079

すなわち、補償信号exp(j2πδfnt)(n=1、2、3、4)により、サブキャリア周波数をf1を基準としてΔfideal間隔で並ぶよう補償することができる。なお、δf1は常にゼロとしているため、乗算回路741は省いてもよい。周波数制御手段730の演算内容としては、上記の他に、入力ビート信号をそれぞれフーリエ変換してピーク周波数を求め、適宜操作した後にδfnを決定する方法も考えられるが、フーリエ変換を使うと演算量が増えてしまう欠点がある。

0080

本実施形態に係るマルチキャリア光送信器は、前述の第3及び第4の実施形態に係るマルチキャリア光送信器と同様、光領域でのクロック変調を用いることで、低速(狭帯域)な受光器およびADCの使用を可能にし、技術的難度の低下を可能にしている。具体的には、送信CW光源の周波数精度(経時変化分含む)が所望値に対し±2.5GHz程度の場合、受光器およびADCの動作帯域は±2.5GHz程度(マージンを見込んで±5GHz程度)でよい。

0081

なお、前述の第3の実施形態に係るマルチキャリア光送信器と同様、本実施形態に係るマルチキャリア光送信器でもfrefとΔfidealとを既知量だけずらしてfref=Δfideal+fgapとし、周波数制御回路730において適宜補正をかける構成としてもよい。また、本実施形態に係るマルチキャリア光送信器のおいては、光90度ハイブリッド回路の信号光側入力ポートと局発側入力ポートを逆転させfbeatの符号を反転させた場合の扱いについても、前述の第3の実施形態に係るマルチキャリア光送信器の場合と同様である。

0082

前述の第3の実施形態に係るマルチキャリア光送信器では光変調器662の出力の2次までのサブピークを利用していたが、本実施形態に係るマルチキャリア光送信器では1次のサブピークしか利用しないため、サブピークを立てるためのクロック信号の電圧振幅を小さくすることができる。また、サブキャリア数をさらに増加させた場合であっても、全ての偶数サブチャネルのモニタ光についてクロック変調をかけることで、1次のサブピークのみを使ったビート検出が可能である。

0083

(第6の実施形態)
図13は、本発明の第6の実施形態に係る周波数間隔モニタ手段の構成を示すブロック図である。第6の実施形態に係るマルチキャリア光送信器の全体構成は、第1の実施形態における周波数間隔モニタ手段150を周波数間隔モニタ手段1300に置換した点、及び第1の実施形態における駆動信号生成手段160を駆動信号生成手段1400に置換した点を除き、図1に示した第1の実施形態に係るマルチキャリア光送信器の構成と同じである。図13に示されるように、周波数間隔モニタ手段1300は、光分岐器1310と、光カプラ1321〜1324と、バランス受光器1331〜1334と、ローパスフィルタ1371〜1374と、基準光源1380とを備える。

0084

本実施形態では所望のサブキャリア間隔は等間隔としており、すなわち、Δfideal_21=Δfideal_32=Δfideal_43=Δfidealである。基準光源1380は、周波数間隔frefで並んだサブピークを有する基準光を発生させる光源である。但し、サブピークのうち1本の周波数をfref_0としたとき、fref_0がf1近傍であり、かつfn(n=1,2,3,4)に最近接のサブピークが常にfnに対して周波数軸上でマイナス側に来るように予め調整する。すなわち、以下の(式38)〜(式41)が常に成り立つよう予め調整する。
fref_0<f1 (式38)
(f1+f2)/2<fref_0+fref<f2 (式39)
(f2+f3)/2<fref_0+2fref<f3 (式40)
(f3+f4)/2<fref_0+3fref<f4 (式41)

0085

fref_0の調整にあたっては、上式がfnの経時変化による変動幅を考慮に入れても成立するよう、適宜マージンを設ける。

0086

基準光源1380の構成としては、例えば図13中に模式的に示した通り、CW光を周波数frefでクロック変調してサブピークを立てて出力する構成を用いてもよいし、非線形媒質を使ってサブピークを立てる構成を用いてもよい。基準光源自体をデータ送信に用いるわけではないので、周波数間隔がfrefにロックされてさえいれば、サブピーク成分あたりの光パワーは小さくてもよく、またサブピーク成分ごとに強度のばらつきがあってもよい。本実施形態においては、fref=Δfidealとする。

0087

基準光源1380の出力光は光分岐器1310により4分岐され、それぞれ光カプラ1321〜1324においてモニタ光1301〜1304と干渉させられる。光カプラ1321〜1324は一般的な2×2の3dBカプラであり、その出力はバランス受光器1331〜1334、ローパスフィルタ1371〜1374を介してビート信号1341〜1344として出力される。(式38)〜(式41)より、モニタ光と基準光との間の周波数差fbeatについて、以下の(式42)〜(式45)が成り立つ。
fbeat_1=f1−fref_0>0 (式42)
fbeat_2=f2−(fref_0+fref)>0 (式43)
fbeat_3=f3−(fref_0+2fref)>0 (式44)
fbeat_4=f4−(fref_0+3fref)>0 (式45)

0088

すなわち、fbeatは常に正であり、正負を判別する必要が無いので、光90度ハイブリッド回路ではなく単純な光カプラ1321〜1324を用いることができる。ビート信号1341〜1344の周波数はfbeat_1〜fbeat_4となる。

0089

図14は、本発明の第6の実施形態に係る駆動信号生成手段の構成を示すブロック図である。図14に示される駆動信号生成手段1400の構成は、ビート周波数検出回路1421〜1424が1個多いという点を除いては図3に示した第1の実施形態に係る駆動信号生成手段の構成と同等である。

0090

ビート周波数検出回路1421〜1424としては周波数カウンタを用い、それぞれfbeat_1〜fbeat_4をデジタル値として出力する。周波数制御回路1430はデジタル回路であり、ビート周波数fbeat_1〜fbeat_4の値から補償信号exp(j2πδfnt)(n=1、2、3、4)を生成し出力する。具体的には、以下の(式46)で示される演算により補償信号を生成する。

0091

exp(j2πδfnt)=exp{j2π(fofst−fbeat_n)t} (式46)
ここで、オフセット周波数fofstの値は任意だが、|δfn|の最大値をできるだけ小さくする観点から、fofstはfbeat_nの分布の中間値(上記(式42)〜(式45)より、必ず正値となる)に近い値とすることが望ましい。

0092

図15は、本発明の第6の実施形態に係るマルチキャリア光送信器における、送信CW光源の出力CW光、基準光源1380の出力光スペクトル、及び光ベクトル変調手段の出力光信号のそれぞれのスペクトルの関係を模式的に説明する図である。図15中の点線は送信CW光源の周波数を、一点鎖線はサブキャリア周波数をそれぞれ表す。本実施形態においては、基準光源1380の出力光スペクトルにおいてfref(=Δfideal)間隔で現れるサブピークを基準としてビート信号を検出しているが、最終的に基準光源のサブピーク周波数そのものにサブキャリア周波数を合わせるのではなく、サブピーク周波数+オフセット周波数fofstにサブキャリア周波数を合わせるように周波数補償を行っている。

0093

なお、前述の第3の実施形態と同様、本実施形態でもfrefとΔfidealとを既知量だけずらしてfref=Δfideal+fgapとし、周波数制御回路1430において適宜補正をかける構成としても良い。

0094

マルチキャリア光送信器100
送信CW光源 101〜104
モニタ光取り出し手段 111〜114
光ベクトル変調手段 121〜124
光合波手段 130
出力ポート140
周波数間隔モニタ手段 150、200、300、500、600、900、1200、1300
駆動信号生成手段 160、700、1000、1400
光分岐器212、213、512、513、612、910、1212、1213、1310
光カプラ221〜223、521〜523、1321〜1324
バランス受光器231〜233、531〜533、631〜636、931〜938、1231〜1236、1331〜1334
複素電界信号生成回路310、710、1010
ビート周波数検出回路321〜323、721〜726、1021〜1028、1421〜1024
周波数制御回路330、730、1030、1430
乗算回路341〜344、741〜744、1041〜1044、1441〜1444
出力インターフェース回路351〜354、751〜754、1051〜1054、1451〜1454
クロック源550、650、1250
アナログ乗算器561〜563
ローパスフィルタ571〜573、671〜676、971〜978、1271〜1276、1371〜1374
光90度ハイブリッド回路621〜623、921〜924、1221〜1223
光変調器662、1262、1264
基準光源980、1380
偏波多重IQ変調器1600

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