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技術 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体

出願人 積水化成品工業株式会社
発明者 新籾幸雄
出願日 2014年8月12日 (6年4ヶ月経過) 出願番号 2014-164411
公開日 2014年11月6日 (6年1ヶ月経過) 公開番号 2014-208855
状態 特許登録済
技術分野 多孔性物品の製造および廃物の回収・処理 高分子組成物
主要キーワード 保管日数 付着水分量 成形モード 加熱媒体温度 輸送箱 発泡性ポリスチレン樹脂 両面加熱 剃刀刃
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年11月6日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (2)

課題

予備発泡時の発泡ばらつきが小さく、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子保管可能期間を延長でき、長時間保存品であっても良好な発泡成形体を製造可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の提供。

解決手段

溶融混練工程を経て製造されたポリスチレン系樹脂粒子発泡剤を含有させてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、付着水分量が0.05〜0.45質量%の範囲であり、金属酸化物を0.1〜10.0質量%の範囲で含有することよりなる。

概要

背景

食品用容器梱包緩衝材に用いられる発泡プラスチックとしては、優れた断熱性経済性、衛生性をもつポリスチレン系樹脂発泡成形体が多く使用されている。一般に、工業的に行われているポリスチレン系樹脂発泡成形体の製造方法は、揮発性発泡剤等を含有した、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子スチーム等の熱媒体により加熱し、所望の嵩密度まで発泡予備発泡)させた後、得られた予備発泡粒子成形金型充填し、再度加熱することによって発泡成形体とする型内発泡成形法が行なわれている。このとき、得られるポリスチレン系樹脂発泡成形体の密度は、ほぼ予備発泡粒子の嵩密度と同じとなる。嵩密度の設定は、発泡スチレン成形体に要求される強度と、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が有する発泡性能によって決定される。例えば、家電品等の梱包材魚箱等の食品容器に用いられるものは、およそ0.014〜0.025g/cm3の密度のものが市場に供されており、特に0.017〜0.020g/cm3の密度のものが多用されている。

この型内発泡成形工程において、スチーム等の加熱媒体温度水蒸気の場合は加熱蒸気圧力)によって、得られる成形体の外観、強度が変化する。例えば、水蒸気にて加熱する場合、加熱蒸気圧力を高くすると発泡成形体の外観、強度は向上する傾向にあるが、気泡の直径(気泡径)が小さく、気泡膜の厚みが薄い場合は熱に溶けることで発泡成形体の外観、強度が低下する。このように発泡成形体の気泡径は、成形性、物性面で重要な因子の一つである。

従来、ベース樹脂となるポリスチレン系樹脂は、単量体からの重合工程から得られたものが使用され、魚介類野菜などの運搬保冷などに使用される輸送箱テレビ冷蔵庫洗濯機エアコン等の家電製品の緩衝材として使用される。

しかし、従来はこれらの発泡成形体は、使用後にそのまま廃棄されていた。廃棄された製品は、埋め立てに使用されるか、又は焼却されるが、これらの処分方法は環境を害し、人にも悪影響を及ぼす為に好ましくない。
そこで、現在では使用済みの発泡成形体のリサイクル化が進み、環境保護が行われるようになってきた。
また、家電製品を構成する材料はこれを再利用することが義務付けられた。
その結果、家電製品を廃棄するに際しては、その構成材料を金属、ガラスプラスチック等に分けて、それぞれを再利用しなければならなくなった。家電製品以外にも複写機ファクシミリプリンターなどの事務用機器も金属、ガラス、プラスチックが用いられているので、これらも再利用することが望ましいとされている。

プラスチック材料のうち、ポリスチレン系樹脂については再利用の方法として、これを発泡性粒子とすることが提案されている。すなわち、ポリスチレン系樹脂に発泡剤を含ませて発泡性粒子として再利用する試みが提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。

特許文献1,2には、廃品から回収された熱可塑性樹脂、特にポリスチレン系樹脂と、発泡剤とタルク等を押出機内で溶融混練し、これを押出機の先に取付け口金の孔から加圧液中に押し出すと同時に切断し冷却し、発泡を抑えて発泡性粒子とする方法(水中ホットカット法)が記載されている。
また、ポリスチレン系樹脂発泡成形体の特性を強化するために無機物を含有させることが検討され、その1手段としてポリスチレン系樹脂と、無機物を押出機内で溶融混練し、これを押出機の先に取付けた口金の孔から押出してペレット化し、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とする方法がある。
しかし、この方法では使用できる発泡剤が比較的高沸点のものであるため、家電等の梱包材や魚箱等の食品容器に用いられる低密度のものが得にくいという課題があった。

この解決手段として、押出機にてポリスチレン系樹脂を造粒し、水性媒体中で比較的低沸点の発泡剤を含有させて発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とする方法が、低密度化には非常に有用であり今後、増加すると考えられる。
ところが、こうして得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、製造後に長期保管したものを予備発泡すると、保管前のものを予備発泡した予備発泡粒子と比べ、予備発泡粒子中の気泡が細かくなり、良好な成形体を得ることができなくなるために、長期間保管できず、保管可能期間が短いという課題が残されていた。
原因としては、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の気泡が保管日数の経過に従って小さくなり、気泡膜が薄くなることから成形時の耐熱性が低下する為と考えられる。

この解決手段として、特許文献3には、押出機内でカーボンブラックとポリスチレン系樹脂を混合し、カーボン含有ペレットをした後に発泡剤を含浸してカーボンブラック含有ポリスチレン系樹脂粒子を得る際に少なくとも0.5質量%の付着水分の存在下で保管する方法が開示されている。

概要

予備発泡時の発泡ばらつきが小さく、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の保管可能期間を延長でき、長時間保存品であっても良好な発泡成形体を製造可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の提供。溶融混練工程を経て製造されたポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含有させてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、付着水分量が0.05〜0.45質量%の範囲であり、金属酸化物を0.1〜10.0質量%の範囲で含有することよりなる。

目的

本発明は、前記課題に鑑みてなされ、予備発泡時の発泡ばらつきが小さく、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の保管可能期間を延長でき、長時間保存品であっても良好な発泡成形体を製造可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の提供を目的とする

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

溶融混練工程を経て製造されたポリスチレン系樹脂粒子発泡剤を含有させてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、付着水分量が0.05〜0.45質量%の範囲であり、金属酸化物を0.1〜10.0質量%の範囲で含有することを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。

請求項2

請求項1に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させて得られたポリスチレン系樹脂予備発泡粒子

請求項3

請求項2に記載のポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を成形型内に充填し、型内発泡成形して得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体

請求項4

請求項1に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法であって、ガラス転移点以下まで冷却されたポリスチレン系樹脂を少なくとも1回以上の溶融混練工程、及び溶融混練されたポリスチレン系樹脂を少なくとも1回以上のガラス転移点以下までの冷却工程を経た後のポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含有させて、前記金属酸化物を含有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得るとともに、得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の付着水分量を0.05〜0.45質量%の範囲に調整することを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。

技術分野

0001

本発明は、食品容器梱包緩衝材として有用な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関し、さらに詳しくは発泡性ポリスチレン樹脂粒子保管時間の経過による気泡変化が少なく、外観が美麗、且つ高い強度を有する成形体を得ることのできる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関する。

背景技術

0002

食品用容器や梱包、緩衝材に用いられる発泡プラスチックとしては、優れた断熱性経済性、衛生性をもつポリスチレン系樹脂発泡成形体が多く使用されている。一般に、工業的に行われているポリスチレン系樹脂発泡成形体の製造方法は、揮発性発泡剤等を含有した、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子をスチーム等の熱媒体により加熱し、所望の嵩密度まで発泡予備発泡)させた後、得られた予備発泡粒子成形金型充填し、再度加熱することによって発泡成形体とする型内発泡成形法が行なわれている。このとき、得られるポリスチレン系樹脂発泡成形体の密度は、ほぼ予備発泡粒子の嵩密度と同じとなる。嵩密度の設定は、発泡スチレン系成形体に要求される強度と、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が有する発泡性能によって決定される。例えば、家電品等の梱包材魚箱等の食品容器に用いられるものは、およそ0.014〜0.025g/cm3の密度のものが市場に供されており、特に0.017〜0.020g/cm3の密度のものが多用されている。

0003

この型内発泡成形工程において、スチーム等の加熱媒体温度水蒸気の場合は加熱蒸気圧力)によって、得られる成形体の外観、強度が変化する。例えば、水蒸気にて加熱する場合、加熱蒸気圧力を高くすると発泡成形体の外観、強度は向上する傾向にあるが、気泡の直径(気泡径)が小さく、気泡膜の厚みが薄い場合は熱に溶けることで発泡成形体の外観、強度が低下する。このように発泡成形体の気泡径は、成形性、物性面で重要な因子の一つである。

0004

従来、ベース樹脂となるポリスチレン系樹脂は、単量体からの重合工程から得られたものが使用され、魚介類野菜などの運搬保冷などに使用される輸送箱テレビ冷蔵庫洗濯機エアコン等の家電製品の緩衝材として使用される。

0005

しかし、従来はこれらの発泡成形体は、使用後にそのまま廃棄されていた。廃棄された製品は、埋め立てに使用されるか、又は焼却されるが、これらの処分方法は環境を害し、人にも悪影響を及ぼす為に好ましくない。
そこで、現在では使用済みの発泡成形体のリサイクル化が進み、環境保護が行われるようになってきた。
また、家電製品を構成する材料はこれを再利用することが義務付けられた。
その結果、家電製品を廃棄するに際しては、その構成材料を金属、ガラスプラスチック等に分けて、それぞれを再利用しなければならなくなった。家電製品以外にも複写機ファクシミリプリンターなどの事務用機器も金属、ガラス、プラスチックが用いられているので、これらも再利用することが望ましいとされている。

0006

プラスチック材料のうち、ポリスチレン系樹脂については再利用の方法として、これを発泡性粒子とすることが提案されている。すなわち、ポリスチレン系樹脂に発泡剤を含ませて発泡性粒子として再利用する試みが提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。

0007

特許文献1,2には、廃品から回収された熱可塑性樹脂、特にポリスチレン系樹脂と、発泡剤とタルク等を押出機内で溶融混練し、これを押出機の先に取付け口金の孔から加圧液中に押し出すと同時に切断し冷却し、発泡を抑えて発泡性粒子とする方法(水中ホットカット法)が記載されている。
また、ポリスチレン系樹脂発泡成形体の特性を強化するために無機物を含有させることが検討され、その1手段としてポリスチレン系樹脂と、無機物を押出機内で溶融混練し、これを押出機の先に取付けた口金の孔から押出してペレット化し、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とする方法がある。
しかし、この方法では使用できる発泡剤が比較的高沸点のものであるため、家電等の梱包材や魚箱等の食品容器に用いられる低密度のものが得にくいという課題があった。

0008

この解決手段として、押出機にてポリスチレン系樹脂を造粒し、水性媒体中で比較的低沸点の発泡剤を含有させて発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とする方法が、低密度化には非常に有用であり今後、増加すると考えられる。
ところが、こうして得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、製造後に長期保管したものを予備発泡すると、保管前のものを予備発泡した予備発泡粒子と比べ、予備発泡粒子中の気泡が細かくなり、良好な成形体を得ることができなくなるために、長期間保管できず、保管可能期間が短いという課題が残されていた。
原因としては、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の気泡が保管日数の経過に従って小さくなり、気泡膜が薄くなることから成形時の耐熱性が低下する為と考えられる。

0009

この解決手段として、特許文献3には、押出機内でカーボンブラックとポリスチレン系樹脂を混合し、カーボン含有ペレットをした後に発泡剤を含浸してカーボンブラック含有ポリスチレン系樹脂粒子を得る際に少なくとも0.5質量%の付着水分の存在下で保管する方法が開示されている。

先行技術

0010

特開平6−298983号公報
特開平10−130420号公報
特開昭61−171746号公報

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、特許文献3に開示された方法では、付着水分が多い為に予備発泡時において発泡性ポリスチレン系樹脂粒子間の発泡ばらつきが大きくなり、生産物品質が安定せず、予備発泡粒子の不良率が高くなり、生産上好ましくなかった。また、予備発泡直前脱水乾燥を行い付着水分のない状態にして予備発泡することも考えられるが、作業が煩雑になり、生産上好ましくなかった。

0012

本発明は、前記課題に鑑みてなされ、予備発泡時の発泡ばらつきが小さく、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の保管可能期間を延長でき、長時間保存品であっても良好な発泡成形体を製造可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の提供を目的とする。

課題を解決するための手段

0013

前記目的を達成するため、本発明は、溶融混練工程を経て製造されたポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含有させてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、付着水分量が0.05〜0.45質量%の範囲であり、金属酸化物を0.1〜10.0質量%の範囲で含有することを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を提供する。

0014

また本発明は、前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させて得られたポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を提供する。

0015

また本発明は、前記ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を成形型内に充填し、型内発泡成形して得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体を提供する。

0016

また本発明は、前記の本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法であって、ガラス転移点以下まで冷却されたポリスチレン系樹脂を少なくとも1回以上の溶融混練工程、及び溶融混練されたポリスチレン系樹脂を少なくとも1回以上のガラス転移点以下までの冷却工程を経た後のポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含有させて、前記金属酸化物を含有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得るとともに、得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の付着水分量を0.05〜0.45質量%の範囲に調整することを特徴とする発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法を提供する。

発明の効果

0017

本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、予備発泡時の発泡ばらつきが小さく、保管可能期間を延長でき、長時間保存品であっても外観が美麗、且つ高い強度を有する良好な発泡成形体を製造することができる。
また、本発明によれば予備発泡直前に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に脱水乾燥処理を施す必要もなく、発泡ばらつきが少なくなり、生産物の不良率も大幅に改善できる。

図面の簡単な説明

0018

参考例1と比較例1で作製した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造後の経日と予備発泡粒子の平均気泡径との関係を示すグラフである。

0019

本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含有させてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、付着水分量を0.05〜0.45質量%の範囲、より好ましくは0.1〜0.30質量%の範囲に調整したことを特徴としている。加えて、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、金属酸化物を含有する。

0020

前記ポリスチレン系樹脂粒子の樹脂材料であるポリスチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレンビニルトルエンクロロスチレンエチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン等のスチレン系モノマー単独重合体又はこれらの共重合体等が挙げられ、スチレン成分を50質量%以上含有するポリスチレン系樹脂が好ましく、ポリスチレンがより好ましい。

0021

また、前記ポリスチレン系樹脂としては、前記スチレン系モノマーを主成分とし、このスチレン系モノマーと共重合可能ビニルモノマーとの共重合体であってもよい。このようなビニルモノマーとしては、例えば、メチルメタアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリルジメチルマレエートジメチルフマレートジエチルフマレート、エチルフマレートの他、ジビニルベンゼンアルキレングリコールジメタクリレートなどの二官能性モノマーなどが挙げられる。

0022

さらに、前記ポリスチレン系樹脂は、バージン原料、使用済みの発泡成形体のリサイクル品、または家電製品を構成していたプラスチック材料、及びそれらの混合物でも良い。

0023

また、前記ポリスチレン系樹脂には、鱗片状珪酸塩、例えば、カオリン、タルク、天然雲母合成雲母セリサイト、又、二酸化チタンなどの金属酸化物、カーボンブラック、グラファイトなどの炭素化合物難燃剤等が含有していても良い。
そして、ポリスチレン系樹脂中における鱗片状珪酸塩、金属酸化物、炭素化合物の含有量としては、0.1〜10.0質量%、好ましくは0.3〜8.0質量%である。

0024

前記の含有量は下記要領で測定されたものをいう。即ち、ポリスチレン系樹脂粒子を測定試料として採取し、この測定試料の質量(灰化前測定試料の質量)を測定する。そして、測定試料を30ミリリットル磁性ルツボ上に載置して550℃に5時間に亘って加熱し、測定試料を灰化させた上でデシケーター内に放置して冷却する。しかる後、磁性ルツボ上の灰化後の測定試料(灰化後測定試料)の質量を測定して下記式に基づいて、ポリスチレン系樹脂中の含有量を算出する。
ポリスチレン系樹脂粒子中における含有量(質量%)=100×灰化後測定試料の質量/灰化前測定試料の質量

0025

本発明に使用するポリスチレン系樹脂粒子としては、形状は特に限定されないが、球状が好ましく、粒子径は、後述するポリスチレン系樹脂予備発泡粒子の金型内への充填容易性の点から、0.3〜2.0mm、好ましくは0.3〜1.4mmが好ましい。また、形状が柱状となる場合は前記の好ましい粒径に相当する体積とすることが好ましい。更に、ポリスチレン系樹脂のスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、小さいと、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡させて得られるポリスチレン系樹脂発泡成形体の機械的強度が低下することがある一方、大きいと、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の発泡性が低下し、高発泡倍率のポリスチレン系樹脂発泡成形体を得ることができない虞れがあるので、12万〜60万の範囲とするのが好ましい。

0026

本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に含有させる発泡剤としては、汎用のものが用いられ、例えば、プロパンブタンペンタンなどの脂肪族炭化水素;1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(HCFC−142b)、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)などのフロン系発泡剤が挙げられ、脂肪族炭化水素が好ましい。なお、発泡剤は単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。

0027

発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中における発泡剤の含有量は、少ないと、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を用いて得られるポリスチレン系樹脂発泡成形体の高発泡倍率化が困難となることがあると共に、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡させて得られる発泡粒子同士の熱融着が不充分となってポリスチレン系樹脂発泡成形体の外観性が低下することがある一方、多いと、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を用いて発泡成形した際、得られるポリスチレン系樹脂発泡成形体に収縮が生じたり或いは発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させて得られるポリスチレン系樹脂予備発泡粒子中の発泡ガスの調整や発泡成形に時間を要して製造効率が低下することがあるので、2.0〜9.0質量%が好ましく、3.0〜7.0質量%がより好ましい。なお、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中における発泡剤の含有量は、製造直後に15℃の恒温室内に5日間放置した上で測定されたものである。

0028

本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子には、粒子表面付近ヒドロキシ脂肪酸アマイドを0.05〜0.50質量%の範囲で添加することが好ましい。ヒドロキシ脂肪酸アマイドを0.05〜0.50質量%の範囲で添加することによって発泡性ポリスチレン系樹脂粒子表面の付着水分量を適正な範囲に調整することが容易であるだけでなく、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の保管中に水分が逸散することを防ぐことができる。

0029

本発明で使用できるヒドロキシ脂肪酸アマイドとして好ましいものは、ヒドロキシステアリン酸アマイド、メチロールステアリン酸アマイド、メチロールへベン酸アマイド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、m—キシリレンビスヒドロキシステアリン酸アマイドが挙げられる。
ヒドロキシ脂肪酸アマイドの添加量が0.05質量%未満では、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の予備発泡時の平均気泡径の経日変化を抑制する効果が十分得られず、0.50質量%を超える量を添加してもその効果が頭打ちとなり、却って予備発泡時の剥離コストアップなど問題が生じる。

0030

本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、付着水分量を0.05〜0.45質量%の範囲に調整したことを特徴としている。
水性媒体中でポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させて得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、水性媒体から分離して洗浄し、脱水、乾燥される。この状態において発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の付着水分量を測定した結果、0.05質量%未満であり、0.02〜0.03質量%程度のものが多かった。
そして、このような付着水分量が少ない発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、製造後に保管しておくと、保管日数の経過に伴って、予備発泡時の発泡粒子の平均気泡径が小さくなる傾向が見られ(図1中の比較例1参照)、またその平均気泡径の減少に伴って、その予備発泡粒子を型内発泡成形する際の発泡性が悪化し、良好な外観及び強度を有する発泡成形体が得られなくなるため、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の保管可能期間が短いという問題があった。
一方、特許文献3に記載されているように、水分過多の状態で発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を保管した場合、前述した平均気泡径の経日変化は抑制できるものの、予備発泡時の発泡ばらつきが大きくなり、予備発泡粒子の不良率が高くなる問題があった。

0031

本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、付着水分量を0.05〜0.45質量%の範囲に調整したことによって、予備発泡時の発泡ばらつきが小さく、保管可能期間を延長でき、長時間保存品であっても外観が美麗、且つ高い強度を有する良好な発泡成形体を製造することができる。
また、予備発泡直前に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に脱水乾燥処理を施す必要もなく、発泡ばらつきが少なくなり、生産物の不良率も大幅に改善できる。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の付着水分量が0.05質量%未満では、平均気泡径の経日変化が生じ、平均気泡径の減少に伴って、予備発泡粒子を型内発泡成形する際の発泡性が悪化し、良好な外観及び強度を有する発泡成形体が得られなくなるため、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の保管可能期間が短くなる。一方、付着水分量が0.45質量%を越えると、予備発泡時の発泡ばらつきが大きくなり、予備発泡粒子の不良率が高くなってしまう。

0032

次に、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法を説明する。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の材料となるポリスチレン系樹脂粒子の製造方法としては、汎用の方法が用いられ、例えば、バージン原料、回収品を押出機に供給して溶融混練し、押出機からストランド状に押出して冷却してから所定長さ毎に切断してポリスチレン系樹脂粒子を製造する方法(ストランドカット法);あるいは押出機の先に取り付けた口金の孔から水中に押し出すと同時に切断し冷却してポリスチレン系樹脂粒子を製造する方法(水中ホットカット法)などが挙げられる。また、この押出機内の樹脂に鱗片状珪酸塩や金属酸化物を分散させた後、所定長さ毎に切断してポリスチレン系樹脂粒子としても良い。

0033

また、前記にて得られたポリスチレン系樹脂粒子を種粒子として水中懸濁液中にてスチレン系モノマーをポリスチレン系樹脂種粒子中に含浸させてシード重合させるシード重合法にてポリスチレン系樹脂粒子を製造し、続いて作製したポリスチレン系樹脂粒子に前述した発泡剤を添加する方法を採用しても良い。

0034

前記スチレン系モノマーをポリスチレン系樹脂種粒子中に吸収させ、重合させてシード重合させる際のスチレン系モノマーの添加量は、種粒子100質量部に対してスチレン系モノマー10〜800質量部の範囲である。また、好ましい範囲は50〜500質量部である。添加量が10質量部未満では、スチレン系モノマーの量および重合開始剤の量が少なすぎて、種粒子の中心部まで吸収されず種粒子中での均一なシード重合ができない。また、添加量が800質量部を超えると、シード重合に要する時間がかかりすぎて生産性が低下することに加えて、種粒子に吸収されなかったスチレン系モノマー由来の重合粉末が多量に発生し好ましくない。

0035

前記スチレン系モノマーをポリスチレン系樹脂種粒子中に含浸させてシード重合させる際に用いられる重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイドラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−t−ブチルパーオキシブタン、t−ブチルパーオキシ−3、3、5トリメチルヘキサノエート、ジーt−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレートなどの有機過酸化物アゾビスイソブチロニトリルアゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物などが挙げられ、単独で用いられても併用されてもよいが、10時間の半減期を得るための分解温度が80〜120℃にある複数種類の重合開始剤を併用することが好ましい。

0036

そして、前記シード重合、および発泡剤を含有させる際に、スチレン系モノマーの液滴及びポリスチレン系樹脂種粒子、ポリスチレン系樹脂粒子の分散性を安定させるために懸濁安定剤を用いてもよく、このような懸濁安定剤としては、例えば、ポリビニルアルコールメチルセルロースポリアクリルアミドポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子や、第三リン酸カルシウムピロリン酸マグネシウムなどの難溶性無機化合物などが挙げられ、難溶性無機化合物を用いる場合には、アニオン界面活性剤が通常、併用される。
このようなアニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸N−アシルアミノ酸又はその塩、アルキルエーテルカルボン酸塩などのカルボン酸塩アルキルベンゼンスルホン酸塩アルキルナフタレンスルホン酸塩ジアルキルスルホコハク酸エステル塩アルキルスルホ酢酸塩α−オレフィンスルホン酸塩などのスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩などの硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩などのリン酸エステル塩などが挙げられる。

0037

更に、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡させて得られるポリスチレン系樹脂発泡成形体の平均気泡径を調整するために、前記シード重合の終了の5〜10分前、シード重合終了直後、又は、ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させた後に、気泡調整剤をポリスチレン系樹脂粒子中に0.01〜0.8質量%となるように添加してもよい。このような気泡調整剤としては、エチレンビスステアリン酸アマイドなどのステアリン酸塩トリグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。

0038

更に、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に溶剤可塑剤を添加してもよい。このような溶剤としては、スチレン、トルエンエチルベンゼンキシレンなどの芳香族有機化合物シクロヘキサンメチルシクロヘキサンなどの環式脂肪族炭化水素酢酸エチル酢酸ブチルなどが挙げられる。
また、前記可塑剤としては、例えば、フタル酸エステルグリセリンジアセトモノラウレートグリセリントリステアレートジアセチルグリセリンモノステアレートなどのグリセリン脂肪酸エステルジイソブチルアジペートなどのアジピン酸エステルなどがある。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中における溶剤及び可塑剤の含有量はそれぞれ、少ないと、溶剤及び可塑剤を添加した効果が発現しないことがある一方、多いと、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を用いて得られたポリスチレン系樹脂発泡成形体に収縮や溶けが発生して外観性などが低下することがあるので、0.1〜1.5質量%が好ましく、0.2〜1.0質量%がより好ましい。
前記溶剤及び可塑剤は、前記シード重合によってポリスチレン系樹脂種粒子を成長させてポリスチレン系樹脂粒子を製造した後にポリスチレン系樹脂粒子に含浸させるか、或いは、シード重合によるポリスチレン系樹脂種粒子の成長途上、即ち、ポリスチレン系樹脂成長粒子に含浸させる。なお、ポリスチレン系樹脂種粒子に予め溶剤や可塑剤を添加しておいてもよい。
そして、前記溶剤及び可塑剤をポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系樹脂種粒子又はポリスチレン系樹脂成長粒子に含浸させる温度としては、低いと、含浸に時間を要し、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造効率が低下することがある一方、高いと、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子同士の合着が多量に発生することがあるので、60〜120℃が好ましく、70〜100℃がより好ましい。

0039

更に、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子には、物性を損なわない範囲内において、発泡セル造核剤充填剤、難燃剤、難燃助剤滑剤着色剤などを前記溶剤や可塑剤と同様の要領で適宜、添加してもよい。
前記難燃剤としては、例えば、テトラブロモシクロオクタンヘキサブロモシクロドデカントリスジブロモプロピルホスフェートテトラブロモビスフェノールAなどが挙げられる。そして、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中における難燃剤の含有量としては、少ないと、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を用いて得られるポリスチレン系樹脂発泡成形体の難燃性が不充分なことがある一方、多いと、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の成形性が低下することがあるので、0.5〜1.5質量%が好ましい。
また、前記難燃助剤としては、例えば、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられる。そして、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中における難燃助剤の含有量は、少ないと、難燃助剤を添加した効果が発現しないことがある一方、多いと、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の発泡成形性が低下することがあるので、0.05〜0.5質量%が好ましい。

0040

本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、前述したヒドロキシ脂肪酸アマイドを添加する場合には、添加したヒドロキシ脂肪酸アマイドがなるべく樹脂粒子の表面付近に存在するように、水性媒体中でポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させる工程で、発泡剤と共にヒドロキシ脂肪酸アマイドを加え、添加することが望ましい。

0041

前述したように発泡剤を含浸させて得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、水性媒体から分離し、十分に洗浄した後、脱水、乾燥を行う。
次に、本発明の製造方法では、得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に水を塗布し、付着水分量を0.05〜0.45質量%の範囲に調節する工程を行う。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に水を塗布する方法としては、質量既知の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に所定量の水を加え、または噴霧し、水が発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面に展着するように、粒子を軽く撹拌する方法などによって行うことができる。

0042

このようにして得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、予備発泡機で予備発泡されてポリスチレン系樹脂予備発泡粒子とされる。ここで、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子の嵩密度は、低いと、得られるポリスチレン系樹脂発泡成形体に収縮が発生して外観性が低下したり或いはポリスチレン系樹脂発泡成形体の断熱性及び機械的強度が低下することがある一方、大きいと、得られるポリスチレン系樹脂発泡成形体の軽量性が低下することがあるので、0.01〜0.25g/cm3の範囲が好ましく、0.01〜0.03g/cm3の範囲がより好ましい。

0043

そして、得られたポリスチレン系樹脂予備発泡粒子は、常圧にて熟成された上で発泡成形機の成形型内に形成されたキャビティ内に充填された上で、加熱蒸気などの加熱媒体により二次発泡させられ、発泡圧によって互いに熱融着一体化して所望形状を有するポリスチレン系樹脂発泡成形体とされる。
なお、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子の熟成温度は、低いと、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子の熟成時間が長くなることがある一方、高いと、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子中の発泡剤が散逸して成形性が低下するので、20〜60℃が好ましい。

0044

以下、本発明の実施例を記すが、本発明は以下の実施例の記載にのみ限定されるものではない。
まず、実施例において行った各測定の方法及び評価の基準を記しておく。

0045

<付着水分量>
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の付着水分量の測定は下記の方法で行った。
(1)得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を約5g採取し、温度23℃、湿度50%の環境下に5分間気流乾燥し、減量(付着水分量)をW1とする。
(2)残ったサンプルを150℃にて30分加熱し、減量をW2とする。
(3)次式により付着水分量を算出する。
付着水分量(%)=(W1/W2)×100

0046

<予備発泡粒子の嵩密度>
予備発泡粒子の嵩密度は、JIS K6911:1995年「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定されたものをいう。
先ず、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させ、メスシリンダー内に落下させた測定試料の体積Vcm3をJIS K6911に準拠した見掛け密度測定器を用いて測定し、下記式に基づいてポリスチレン系樹脂予備発泡粒子の嵩密度を測定した。
嵩密度(g/cm3)=測定試料の質量(W)/測定試料の体積(V)

0047

<予備発泡粒子の平均気泡径>
測定装置として走査電子顕微鏡SM−6360LV(日本電気社製)を用いた。
予備発泡粒子の中から任意に選択した10個について、剃刀刃を用いて、それぞれ粒子の中心を通る平面で二等分し、その一方の切断面の表層部を走査型電子顕微鏡を用いて、20倍(場合により100倍)に拡大した画像を撮影した。
次に、撮影した画像をA4用紙上に1画像づつ印刷した。印刷された画像から、気泡を通る曲線の長さと気泡数計測した。
計測結果から下記式により気泡の平均弦長(t)を算出した。
平均弦長 t=線長/(気泡数×写真倍率
そして平均弦長(t)を用いて、次式により予備発泡粒子の断面の気泡の気泡径(D)を算出した。
D=t/0.616
さらにそれらの算術平均を予備発泡粒子の平均気泡径とした(以下、気泡径と略記する)。

0048

<成形性>
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡機(株式会社 積水工製作所製SKK−70型発泡機)にて水蒸気圧0.02MPaで加熱して、嵩密度0.015g/cm3となるように予備発泡し、得られた予備発泡粒子を逆円錐状の不織布で作製された容器内で23℃、湿度50%で24時間放置した。
次に、株式会社 積水工機製作所製ASE−3SP成形機にて下記の条件にて、寸法:300×400×50mmの板状成形体を成形し、評価を行った。
成形蒸気圧ケージ圧 0.06MPa
金型加熱 : 3秒
一方加熱 : 5秒
両面加熱:15秒
水冷: 3秒
真空冷却: 120秒(QS成形モード
評価基準
◎ :30日保管した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を上記の成形条件にて成形し、成形体の外観に隙間が少なく、美麗なもの。
× :30日保管した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を上記の成形条件にて成形し、成形体の外観が悪いもの。

0049

<不良率>
評価基準
◎:30日保管した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子から上記成形条件にて50個成形し、個々の密度を測定し、成形体の密度が0.015g/cm3±0.002g/cm3の範囲内に50個全てある場合を良好とした。
×:30日保管した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子から上記成形条件にて50個成形し、個々の密度を測定し、成形体の密度が0.015g/cm3±0.002g/cm3の範囲から外れるものが1個以上ある場合を不良とした。

0050

経時変化
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を非透水性容器内に密封し、温度15℃、湿度50℃以下にて保管し、5日、10日、30日保管後、各日ごとに付着水分を測定すると共に、嵩密度0.015/cm3となるように予備発泡し、平均気泡径を測定した。

0051

<保存可能期間>
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を非透水性容器内に密閉し、温度15℃、湿度50%以下にて保管し、5日おきに嵩密度0.015g/cm3となるように予備発泡し、下記の条件にて成形を行い、評価基準で◎となる成形体が得られる最長の保管日数とした。
成形条件
成形機: 株式会社 積水工機製作所製ASE−3SP成形機
成形体形状: 300×400×50mm(板状成形体)
成形体密度: 0.015g/cm3
成形蒸気圧:ケージ圧 0.09MPa
金型加熱 : 3秒
一方加熱 : 5秒
両面加熱:15秒
水冷: 3秒
真空冷却: 120秒(QS成形モード)
評価基準
◎ : 成形体の外観に隙間が少なく、美麗なもの。

0052

総合評価
◎:保管可能日数が30日以上、成形性、不良率評価すべてが良好であるもの。
×:保管可能日数が30日未満のもの、又は、成形性と不良率のいずれかが評価×であるもの。

0053

[参考例1]
スチレン換算重量平均分子量が29万であるポリスチレン系樹脂を押出機に供給し、230℃にて溶融混練してからストランド状に押出し、このストランドを所定長さ(平均径0.8mm、長さ1.0mm)毎に切断して、ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
次に、攪拌機付き耐圧重合容器に、水2000質量部、ポリスチレン系樹脂粒子1500質量部、ピロリン酸マグネシウム6質量部及びドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム0.3質量部を供給し、攪拌しつつ70℃に加熱して分散液を作製した。
次に、重合容器内にブタン162質量部を圧入して100℃で6時間に亘って保持し、ポリスチレン系樹脂粒子中にブタンを含浸させた後、重合容器内を30℃に冷却して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を脱水、乾燥後付着水分量を測定した結果、0.033質量%であった。次に粒子表面に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対して0.10質量部の水を塗布した。その際の付着水分量は0.11質量%であった。
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を非透水性容器内に密封し、温度15℃、湿度50%以下にて保管し、5日、10日、30日保管後の各日ごとに付着水分量を測定すると共に、嵩密度0.015g/cm3に予備発泡し、気泡径を測定し、さらに予備発泡粒子を型内発泡成形して成形性、不良率を評価した。その結果を表1に記す。

0054

[参考例2]
スチレン換算重量平均分子量が22万である回収ポリスチレン系樹脂を使用した以外は、参考例1と同様にして発泡性ポリスチレン樹脂を得た。
この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を脱水、乾燥後付着水分量を測定した結果、0.029質量%であった。次に粒子表面に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対して0.10質量部の水を塗布した。その際の付着水分量は0.10質量%であった。
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を非透水性容器内に密封し、温度15℃、湿度50%以下にて保管し、5日、10日、30日保管後の各日ごとに付着水分量を測定すると共に、嵩密度0.015g/cm3に予備発泡し、気泡径を測定し、さらに予備発泡粒子を型内発泡成形して成形性、不良率を評価した。その結果を表1に記す。

0055

[参考例3]
脱水、乾燥までは参考例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製し、脱水、乾燥後に付着水分量を測定した結果、0.033質量%であった。この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対して0.03質量部の水を塗布した。その際の付着水分量は0.055質量%であった。
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を非透水性容器内に密封し、温度15℃、湿度50%以下にて保管し、5日、10日、30日保管後の各日ごとに付着水分量を測定すると共に、嵩密度0.015g/cm3に予備発泡し、気泡径を測定し、さらに予備発泡粒子を型内発泡成形して成形性、不良率を評価した。その結果を表1に記す。

0056

[参考例4]
脱水、乾燥までは参考例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製し、脱水、乾燥後に付着水分量を測定した結果、0.033質量%であった。この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対して0.45質量部の水を塗布した。その際の付着水分量は0.44質量%であった。
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を非透水性容器内に密封し、温度15℃、湿度50%以下にて保管し、5日、10日、30日保管後の各日ごとに付着水分量を測定すると共に、嵩密度0.015g/cm3に予備発泡し、気泡径を測定し、さらに予備発泡粒子を型内発泡成形して成形性、不良率を評価した。その結果を表1に記す。

0057

[参考例5]
攪拌機付き耐圧重合容器に、水2000質量部、ポリスチレン系樹脂粒子1500質量部、ピロリン酸マグネシウム6質量部及びドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム0.3質量部、ヒドロキシステアリン酸アマイドを1.5質量部(0.10質量%)供給し、攪拌しつつ70℃に加熱した以外は、参考例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製した。脱水乾燥後、水を塗布せずに非透水性容器内で温度15℃、湿度50%以下にて保管した。その際の付着水分量は0.09質量%であった。
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を非透水性容器内に密封し、温度15℃、湿度50%以下にて保管し、5日、10日、30日保管後の各日ごとに付着水分量を測定すると共に、嵩密度0.015g/cm3に予備発泡し、気泡径を測定し、さらに予備発泡粒子を型内発泡成形して成形性、不良率を評価した。その結果を表1に記す。

0058

[参考例6]
ヒドロキシステアリン酸アマイドを0.9質量部(0.06質量%)とした以外は、参考例5と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製し、脱水、乾燥後、水を塗布せずに非透水性容器内で温度15℃、湿度50%以下にて保管した。その際の付着水分量は0.07質量%であった。
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を非透水性容器内に密封し、温度15℃、湿度50%以下にて保管し、5日、10日、30日保管後の各日ごとに付着水分量を測定すると共に、嵩密度0.015g/cm3に予備発泡し、気泡径を測定し、さらに予備発泡粒子を型内発泡成形して成形性、不良率を評価した。その結果を表1に記す。

0059

[参考例7]
ヒドロキシステアリン酸アマイドを7.5質量部(0.50質量%)とした以外は、参考例5と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製し、脱水、乾燥後、水を塗布せずに非透水性容器内で温度15℃、湿度50%以下にて保管した。その際の付着水分量は0.07質量%であった。
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を非透水性容器内に密封し、温度15℃、湿度50%以下にて保管し、5日、10日、30日保管後の各日ごとに付着水分量を測定すると共に、嵩密度0.015g/cm3に予備発泡し、気泡径を測定し、さらに予備発泡粒子を型内発泡成形して成形性、不良率を評価した。その結果を表1に記す。

0060

[参考例8]
スチレン換算重量平均分子量が29万であるポリスチレン系樹脂を押出機に供給して230℃にて溶融混練して押出機からストランド状に押出し、このストランドを所定長さ毎に切断して、ポリスチレン系樹脂粒子(平均径0.8mm、長さ0.8mm)とした。
次に、攪拌機付き重合容器に、水2000質量部、ポリスチレン系樹脂粒子500質量部、ピロリン酸マグネシウム6質量部及びドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム0.3質量部を供給して攪拌しつつ70℃に加熱して分散液を作製した。続いて、ベンゾイルパーオキサイド4.5質量部及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.1質量部をスチレンモノマー200質量部に溶解させ、このスチレンモノマーを全て前記分散液中に攪拌しつつ供給した。
そして、分散液中にスチレンモノマーを供給し終えてから30分経過後に分散液を90℃に加熱し、この分散液中に更にスチレンモノマー1300質量部を3時間かけて一定の供給速度で供給して、ポリスチレン系樹脂粒子を種粒子としてシード重合を行なってポリスチレン系樹脂種粒子を成長させ、全てのスチレンモノマーを供給し終えてから125℃に加熱して2時間に亘って放置した後に冷却してポリスチレン系樹脂粒子を得た。シード重合させる際のスチレンモノマーの添加量は、種粒子100質量部に対してスチレンモノマー300質量部であった。次に、ポリスチレン系樹脂粒子が分散した分散液を70℃に加熱した後、難燃剤としてテトラブロモシクロオクタン23.4質量部及び難燃助剤としてジクミルパーオキサイド5.4質量部を分散液中に供給した上で重合容器を密閉して90℃に加熱した。
続いて、重合容器内にブタン162質量部を圧入して6時間に亘って保持し、ポリスチレン系樹脂粒子中にブタンを含浸させた後、重合容器内を30℃に冷却して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を脱水、乾燥後付着水分量を測定した結果、0.026質量%であった。改めて粒子表面に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対して0.10質量部の水を塗布した。その際の付着水分量は0.13質量%であった。
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を非透水性容器内に密封し、温度15℃、湿度50%以下にて保管し、5日、10日、30日保管後の各日ごとに付着水分量を測定すると共に、嵩密度0.015g/cm3に予備発泡し、気泡径を測定し、さらに予備発泡粒子を型内発泡成形して成形性、不良率を評価した。その結果を表1に記す。

0061

[実施例9]
スチレン換算重量平均分子量が25万であるポリスチレン系樹脂を押出機に供給して230℃にて溶融混練する際に目開きが3μmのを通過せず且つ目開きが5μmの篩を通過する天然雲母の含有量が5.0質量%となるように添加して押出機からストランド状に押出し、このストランドを所定長さ毎に切断して、ポリスチレン系樹脂粒子とした。
それ以外は参考例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
脱水直後の付着水分量は0.022質量%であり、改めて粒子表面に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対して0.10質量部の水を塗布した。その際の付着水分量は0.15質量%であった。
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を非透水性容器内に密封し、温度15℃、湿度50%以下にて保管し、5日、10日、30日保管後の各日ごとに付着水分量を測定すると共に、嵩密度0.015g/cm3に予備発泡し、気泡径を測定し、さらに予備発泡粒子を型内発泡成形して成形性、不良率を評価した。その結果を表1に記す。

0062

[参考例10]
脱水、乾燥までは、参考例1と同様に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造し、脱水、乾燥後に付着水分量を測定した結果、0.033質量%であった。
次にこのまま非透水性容器内で温度15℃、湿度50%以下にて保管した。
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を10日保管後、嵩密度0.015g/cm3に予備発泡し、平均気泡径を測定した結果、55μmであり成形性が低下していた。そこで、改めて発泡性ポリスチレン系樹脂粒子表面に、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対して0.10質量部の水を塗布した。その後に測定した付着水分量は0.11質量%であった。
その後、再度非透水性容器内で温度15℃、湿度50%以下にて保管した。5日、10日、30日保管後の各日ごとに付着水分量を測定すると共に、嵩密度0.015g/cm3に予備発泡し、気泡径を測定し、さらに予備発泡粒子を型内発泡成形して成形性、不良率を評価した。その結果を表1に記す。

0063

[比較例1]
脱水、乾燥までは、参考例1と同様に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造し、脱水、乾燥後に付着水分量を測定した結果、0.033質量%であった。
参考例1での水の塗布を行わず、前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を非透水性容器内に密封し、温度15℃、湿度50%以下にて保管し、5日、10日、30日保管後の各日ごとに付着水分量を測定すると共に、嵩密度0.015g/cm3に予備発泡し、気泡径を測定し、さらに予備発泡粒子を型内発泡成形して成形性、不良率を評価した。その結果を表1に記す。

0064

[比較例2]
脱水、乾燥までは、参考例1と同様に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造し、脱水、乾燥後に付着水分を測定した結果、0.033質量%であった。この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対して、0.50質量部の水を塗布した。その際の付着水分量は0.51質量%であった。
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を非透水性容器内に密封し、温度15℃、湿度50%以下にて保管し、5日、10日、30日保管後の各日ごとに付着水分量を測定すると共に、嵩密度0.015g/cm3に予備発泡し、気泡径を測定し、さらに予備発泡粒子を型内発泡成形して成形性、不良率を評価した。その結果を表1に記す。

0065

[比較例3]
ヒドロキシステアリン酸アマイドを0.45質量部(0.03質量%)とした以外は、参考例5と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造し、脱水、乾燥後、水を塗布せずに15℃以下にて保管した。その際の付着水分量は0.025質量%であった。
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を非透水性容器内に密封し、温度15℃、湿度50%以下にて保管し、5日、10日、30日保管後の各日ごとに付着水分量を測定すると共に、嵩密度0.015g/cm3に予備発泡し、気泡径を測定し、さらに予備発泡粒子を型内発泡成形して成形性、不良率を評価した。その結果を表1に記す。

0066

[比較例4]
脱水、乾燥までは、参考例1と同様に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造し、脱水、乾燥後、付着水分量を測定した結果、0.033質量%であった。この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を15℃、湿度80%にて5日保管した結果、付着水分量は0.036質量%であった。
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を非透水性容器内に密封し、温度15℃、湿度50%以下にて保管し、5日、10日、30日保管後の各日ごとに付着水分量を測定すると共に、嵩密度0.015g/cm3に予備発泡し、気泡径を測定し、さらに予備発泡粒子を型内発泡成形して成形性、不良率を評価した。その結果を表1に記す。

0067

[比較例5]
脱水のみ行い乾燥を行わなかった以外は、参考例1と同様に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造し、脱水後に付着水分量を測定した結果、0.039質量%であった。
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を非透水性容器内に密封し、温度15℃、湿度50%以下にて保管し、5日、10日、30日保管後の各日ごとに付着水分量を測定すると共に、嵩密度0.015g/cm3に予備発泡し、気泡径を測定し、さらに予備発泡粒子を型内発泡成形して成形性、不良率を評価した。その結果を表1に記す。

0068

[比較例6]
脱水、乾燥までは、参考例8と同様に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造し、脱水、乾燥後に付着水分を測定した結果、0.026質量%であった。
水を塗布せずに、この発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を非透水性容器内に密封し、温度15℃、湿度50%以下にて保管し、5日、10日、30日保管後の各日ごとに付着水分量を測定すると共に、嵩密度0.015g/cm3に予備発泡し、気泡径を測定し、さらに予備発泡粒子を型内発泡成形して成形性、不良率を評価した。その結果を表1に記す。

0069

0070

参考例1〜8、実施例9では、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の付着水分量を0.07〜0.44質量%の範囲に調整したことによって、30日間保管後であっても予備発泡粒子の平均気泡径の変化がほとんど無かった。また、参考例1〜8、実施例9で30日間保管後の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、予備発泡しさらに型内発泡成形する際の成形性が良好となり、不良率も小さく、外観や強度に優れた発泡成形体を得ることができた。

0071

参考例10については、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の初期の付着水分量を0.033質量%と本発明の範囲外とし、これを保管した結果、保管10日目のものは予備発泡粒子の平均気泡径が55μmに低下して成形性が悪化した。しかし、その後、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に水を塗布して付着水分量0.11質量%としたところ、平均気泡径は130μmとなり、成形性も良好になった。また、これを保管した場合にも、予備発泡粒子の平均気泡径の変化がほとんど無かった。すなわち、保管経日変化によって予備発泡時の平均気泡径が小さくなった発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に対して、水を塗布して付着水分量を本発明の範囲内とすることで、予備発泡時の平均気泡径を保管前の状態に戻し得ることが実証された。

0072

一方、比較例1のように、水を付着させず、付着水分量0.033質量%と低い状態の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を保管した場合には、予備発泡粒子の平均気泡径が経日と共に小さくなり、保管10日目には成形性が不良となり、良好な発泡成形体が得られなかった。
また、比較例2のように、水を多めに付着させ、水分量0.51質量%と本発明の上限値を越える水分量とした場合には、平均気泡径の経日変化は生じなくなるものの、予備発泡時の発泡ばらつきが大きくなり、予備発泡粒子の不良率が高くなった。
また、比較例3のように、発泡剤含浸時に発泡剤と共にヒドロキシ脂肪酸アマイドを0.03質量%添加した場合でも、水を付着させずに付着水分量0.025質量%と低い場合には、保管5日目、10日目では変化が見られなかったが、保管30日目では予備発泡粒子の平均気泡径が45μmに低下して成形性が悪化した。
また、比較例4のように、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に水を付着させず、単に高湿度条件下で保管しても、付着水分量はそれほど上昇せず、平均気泡径の経日変化を抑制することはできなかった。
また、比較例5のように、ブタン含浸後の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に脱水のみを施した場合、付着水分量は0.039質量%となって、本発明の付着水分量下限に達しなかった。これを保管した結果は、比較例4と同様であり、平均気泡径の経日変化を抑制することはできなかった。
また、比較例6のように、シード重合によって得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に水を付着させず、付着水分量0.026質量%と低い状態で保管した結果は、比較例1と同様であり、平均気泡径の経日変化を抑制することはできなかった。

実施例

0073

図1は、参考例1と比較例1で作製した発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造後の経日と予備発泡粒子の平均粒子径との関係を示すグラフである。
図1の結果から、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に適量の水を塗布した参考例1の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、水を塗布しなかった比較例1の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子と比べ、予備発泡時の平均気泡径の経日変化を抑制することができる、という顕著な効果が得られることが分かる。

0074

本発明は、発泡性ポリスチレン樹脂粒子の保管時間の経過による気泡変化が少なく、外観が美麗、且つ高い強度を有する成形体を得ることのできる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を提供する。本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡し、さらにこれを型内発泡成形して得られる発泡成形体は、食品容器や梱包,緩衝材などとして用いられる。

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