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技術 ヘテロアリール化合物およびそれらの使用

出願人 セルジーンアビロミクスリサーチ,インコーポレイテッド
発明者 アーサーエフ.クルーグラッセルシー.ペッターリッチランドウェインテスターリーシンチャオデチェンニウウィリアムフレデリックウェストリンジャスウィンダーシンホルモズマジヤスニ
出願日 2014年6月19日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2014-126187
公開日 2014年11月6日 (6年3ヶ月経過) 公開番号 2014-208674
状態 特許登録済
技術分野 窒素含有縮合複素環(3) その他のN系縮合複素環1 複数複素環系化合物 O,S系縮合複素環 1,3-ジアジン系化合物 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬 蛋白脂質酵素含有:その他の医薬 その他のN系縮合複素環2 酵素、微生物を含む測定、試験 化合物または医薬の治療活性
主要キーワード 二次伝達 混合プレート 見掛けの質量 実験回数 中心質量 カーブド 重スピン 密封圧力
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年11月6日)のものです。
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図面 (20)

課題

タンパク質キナーゼ阻害剤として有用な化合物を提供すること。

解決手段

本発明は、式I−aおよびI−bのタンパク質キナーゼの阻害剤、薬学的に許容されるその組成物およびその使用方法を提供する。本発明の化合物および薬学的に許容されるその組成物は、タンパク質キナーゼ媒介イベントによって引き起こされる異常細胞応答付随する様々な疾患、障害または状態を治療するのに有用である。そうした疾患、障害または状態には本明細書で説明するものが含まれる。本発明で提供する化合物は、生物学的および病理学現象におけるキナーゼの研究;そうしたキナーゼによって媒介される細胞シグナル伝達経路の研究;新規キナーゼ阻害剤比較評価にも有用である。

概要

背景

新規治療薬の探求は、疾患に関係する酵素および他の生体分子の構造の理解が進むことによって、最近著しく助長されている。広範囲な研究対象となっている酵素の1つの重要な部類タンパク質キナーゼである。

タンパク質キナーゼは、細胞内での様々なシグナル伝達過程の制御に関与する構造的に関連した酵素の大きなファミリーを構成する。その構造および触媒的機能を保持していることから、タンパク質キナーゼは共通する先祖遺伝子から発生していると考えられる。ほとんどすべてのキナーゼは、類似した250〜300個のアミノ酸触媒ドメインを含む。キナーゼは、それらがリン酸化する基質(例えば、タンパク質チロシン、タンパク質−セリンスレオニン、脂質等)によって複数のファミリーに分類することができる。

一般に、タンパク質キナーゼは、シグナル経路に関係するヌクレオシド三リン酸からタンパク質受容体へのリン酸基転移に影響を及ぼすことによって、細胞内シグナル伝達を媒介する。これらのリン酸化イベントは、標的タンパク質生物学的機能を調節または制御できる分子オンオフスイッチとして作用する。これらのリン酸化イベントは最終的に、様々な細胞外および他の刺激応答して引き起こされる。そうした刺激の例には、環境および化学的ストレスシグナル(例えば、浸透圧ショック熱ショック紫外線細菌内毒素およびH2O2)、サイトカイン(例えば、インターロイキン−1(IL−1)ならびに腫瘍壊死因子α(TNF−α))、成長因子(例えば、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子GMCSF)および線維芽細胞成長因子(FGF))が含まれる。細胞外刺激は、細胞の成長遊走分化ホルモン分泌転写因子活性化、筋肉収縮グルコース代謝タンパク質合成の制御および細胞周期の調節に関連する1つまたは複数の細胞応答に影響を及ぼすことができる。

概要

タンパク質キナーゼの阻害剤として有用な化合物を提供すること。本発明は、式I−aおよびI−bのタンパク質キナーゼの阻害剤、薬学的に許容されるその組成物およびその使用方法を提供する。本発明の化合物および薬学的に許容されるその組成物は、タンパク質キナーゼ媒介イベントによって引き起こされる異常細胞応答に付随する様々な疾患、障害または状態を治療するのに有用である。そうした疾患、障害または状態には本明細書で説明するものが含まれる。本発明で提供する化合物は、生物学的および病理学現象におけるキナーゼの研究;そうしたキナーゼによって媒介される細胞内シグナル伝達経路の研究;新規なキナーゼ阻害剤比較評価にも有用である。なし

目的

項目64)
(a)少なくとも1用量の式I−aまたはI−bの化合物:




(式中、
環Aは、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分的に不飽和炭素環、8〜10員二環式飽和、部分的に不飽和またはアリール環窒素酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択置換された基であり;
環Bは、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の炭素環、8〜10員二環式飽和、部分的に不飽和またはアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であり;
R1は弾頭基であり;
Ryは、水素ハロゲン、−CN、低級アルキル、C1〜4ハロ脂肪族、−OR、−C(O)Rまたは−C(O)N(R)2であり;
R基は独立に、水素、あるいはC1〜6脂肪族、フェニル、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員複素環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であり;
W1およびW2はそれぞれ独立に、共有結合または二価のC1〜3アルキレン鎖であり、W1またはW2の1個のメチレン単位は、−NR2−、−N(R2)C(O)−、−C(O)N(R2)−、−N(R2)SO2−、−SO2N(R2)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−または−SO2−で任意選択で置き換えられており;
R2は、水素、任意選択で置換されたC1〜6脂肪族もしくは−C(O)Rであるか:または、
R2と環A上の置換基はその介在原子一緒になって、4〜6員の飽和、部分的に不飽和もしくは芳香族縮合環を形成しているか;または、
R2とRyはその介在原子と一緒になって、4〜7員の部分的に不飽和もしくは芳香族縮合環を形成しており;
mおよびpは独立に0〜4であり;
RxおよびRvは、−R、ハロゲン、−OR、−O(CH2)qOR、−CN、−NO2、−SO2R、−SO2N(R)2、−SOR、−C(O)R、−CO2R、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R、−NRC(O)NR2、−NRSO2Rもしくは−N(R)2から独立に選択され、qは1〜4であるか;または、
環B上に同時に存在する場合、RxとR1はその介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜7員飽和、部分的に不飽和またはアリール環を形成しており、該環は、弾頭基、およびオキソ、ハロゲン、−CNもしくはC1〜6脂肪族から独立に選択される0〜3個の基で置換されているか;または、
環A上に同時に存在する場合、RvとR1はその介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜7員飽和、部分的に不飽和またはアリール環を形成しており、該環は、弾頭基、およびオキソ、ハロゲン、−CNもしくはC1〜6脂肪族から独立に選択される0〜3個の基で置換されている)
または薬学的に許容されるその塩を投与された患者から得られた1つまたは複数の組織細胞型またはその溶解物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

明細書中に記載の発明。

技術分野

0001

本発明は、タンパク質キナーゼ阻害剤として有用な化合物に関する。本発明は、本発明の化合物を含む薬学的に許容される組成物、および前記組成物を様々な障害治療において使用する方法を含む。

背景技術

0002

新規治療薬の探求は、疾患に関係する酵素および他の生体分子の構造の理解が進むことによって、最近著しく助長されている。広範囲な研究対象となっている酵素の1つの重要な部類がタンパク質キナーゼである。

0003

タンパク質キナーゼは、細胞内での様々なシグナル伝達過程の制御に関与する構造的に関連した酵素の大きなファミリーを構成する。その構造および触媒的機能を保持していることから、タンパク質キナーゼは共通する先祖遺伝子から発生していると考えられる。ほとんどすべてのキナーゼは、類似した250〜300個のアミノ酸触媒ドメインを含む。キナーゼは、それらがリン酸化する基質(例えば、タンパク質チロシン、タンパク質−セリンスレオニン、脂質等)によって複数のファミリーに分類することができる。

0004

一般に、タンパク質キナーゼは、シグナル経路に関係するヌクレオシド三リン酸からタンパク質受容体へのリン酸基転移に影響を及ぼすことによって、細胞内シグナル伝達を媒介する。これらのリン酸化イベントは、標的タンパク質生物学的機能を調節または制御できる分子オンオフスイッチとして作用する。これらのリン酸化イベントは最終的に、様々な細胞外および他の刺激応答して引き起こされる。そうした刺激の例には、環境および化学的ストレスシグナル(例えば、浸透圧ショック熱ショック紫外線細菌内毒素およびH2O2)、サイトカイン(例えば、インターロイキン−1(IL−1)ならびに腫瘍壊死因子α(TNF−α))、成長因子(例えば、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子GMCSF)および線維芽細胞成長因子(FGF))が含まれる。細胞外刺激は、細胞の成長遊走分化ホルモン分泌転写因子活性化、筋肉収縮グルコース代謝タンパク質合成の制御および細胞周期の調節に関連する1つまたは複数の細胞応答に影響を及ぼすことができる。

発明が解決しようとする課題

0005

多くの疾患が、上記したようなタンパク質キナーゼ媒介イベントによって引き起こされる異常細胞応答に関係する。これらの疾患には、これらに限定されないが、自己免疫性疾患炎症性疾患骨疾患代謝性疾患神経系疾患および神経変性疾患、癌、循環器疾患アレルギーおよびぜんそく、アルツハイマー病ならびにホルモン関連疾患が含まれる。したがって、治療薬として有用なタンパク質キナーゼ阻害剤見出すことが依然として必要である。

課題を解決するための手段

0006

本発明の化合物および薬学的に許容されるその組成物は1つまたは複数のタンパク質キナーゼの阻害剤として有効であることを見出した。そうした化合物は一般式I−aおよびI−b:

0007

を有する化合物または薬学的に許容されるその塩である。式中、環A、環B、m、p、Rx、Ry、Rv、W1、W2およびR1は本明細書で定義する通りである。

0008

本発明の化合物および薬学的に許容されるその組成物は、タンパク質キナーゼ媒介イベントによって引き起こされる異常細胞応答に付随する様々な疾患、障害または状態を治療するのに有用である。そうした疾患、障害または状態には本明細書で説明するものが含まれる。

0009

本発明で提供する化合物は、生物学的および病理学現象におけるキナーゼの研究;そうしたキナーゼによって媒介される細胞内シグナル伝達経路の研究;新規なキナーゼ阻害剤比較評価にも有用である。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
式I−aもしくはI−bの化合物:




(式中、
環Aは、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分的に不飽和炭素環、8〜10員二環式飽和、部分的に不飽和またはアリール環窒素酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択置換された基であり;
環Bは、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の炭素環、8〜10員二環式飽和、部分的に不飽和またはアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であり;
R1は弾頭基であり;
Ryは、水素ハロゲン、−CN、−CF3、C1〜4脂肪族、C1〜4ハロ脂肪族、−OR、−C(O)Rまたは−C(O)N(R)2であり;
R基は独立に、水素、あるいはC1〜6脂肪族、フェニル、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員複素環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であり;
W1およびW2はそれぞれ独立に、共有結合または二価のC1〜3アルキレン鎖であり、W1またはW2の1個のメチレン単位は、−NR2−、−N(R2)C(O)−、−C(O)N(R2)−、−N(R2)SO2−、−SO2N(R2)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−または−SO2−で任意選択で置き換えられており;
R2は、水素、任意選択で置換されたC1〜6脂肪族もしくは−C(O)Rであるか:または、
R2と環A上の置換基はその介在原子一緒になって、4〜6員の部分的に不飽和もしくは芳香族縮合環を形成しているか;または、
R2とRyはその介在原子と一緒になって、4〜6員の飽和、部分的に不飽和もしくは芳香族縮合環を形成しており;
mおよびpは独立に0〜4であり;
RxおよびRvは、−R、ハロゲン、−OR、−O(CH2)qOR、−CN、−NO2、−SO2R、−SO2N(R)2、−SOR、−C(O)R、−CO2R、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R、−NRC(O)N(R)2、−NRSO2Rもしくは−N(R)2から独立に選択され、qは1〜4であるか;または、
環B上に同時に存在する場合、RxとR1はその介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜7員飽和、部分的に不飽和またはアリール環を形成しており、該環は、弾頭基、およびオキソ、ハロゲン、CNもしくはC1〜6脂肪族から独立に選択される0〜3個の基で置換されているか;または、
環A上に同時に存在する場合、RvとR1はその介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜7員飽和、部分的に不飽和またはアリール環を形成しており、該環は、弾頭基、およびオキソ、ハロゲン、CNもしくはC1〜6脂肪族から独立に選択される0〜3個の基で置換されている)
または薬学的に許容されるその塩。
(項目2)
環Aが:













から選択される、項目1に記載の化合物。
(項目3)
環Aが、i、ii、iv、v、vi、vii、ix、xiv、xvi、lii、lxiii、lxxi、lxxiv、lxxvi、lxxviiiおよびlxxxiから選択される、項目1に記載の化合物。
(項目4)
環Bが:
















から選択される、項目1に記載の化合物。
(項目5)
環Bが、i、ii、iii、iv、v、ix、x、xi、xiii、xvi、xvii、xix、xx、xxv、xxvi、xxxii、xxxiv、xxxv、xxxviii、xlii、xlvi、xlviii、l、lviii、lxiv、lxxviii、lxxxiii、lxxxvi、xciv、c、ci、cii、ciii、civおよびcvから選択される、項目1に記載の化合物。
(項目6)
W1およびW2がそれぞれ二価のC1〜3アルキレン鎖であり、W1またはW2の1個のメチレン単位は、−NR2−、−N(R2)C(O)−、−C(O)N(R2)−、−N(R2)SO2−、−SO2N(R2)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−または−SO2−で任意選択で置き換えられている、項目1に記載の化合物。
(項目7)
W1およびW2がそれぞれ独立に−C(=O)、−NR2−、−S−または−O−である、項目1に記載の化合物。
(項目8)
式II−aまたはII−bを有する項目1に記載の化合物:




または薬学的に許容されるその塩。
(項目9)
III−aまたはIII−bを有する項目1に記載の化合物:




または薬学的に許容されるその塩。
(項目10)
式IV−aまたはIV−bを有する項目12または項目13に記載の化合物:




または薬学的に許容されるその塩。
(項目11)
R1が−L−Yであり:
Lは、二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つの二重結合を有し、Lの1個または2個の追加のメチレン単位は任意選択でかつ独立に、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−N(R)SO2−、−SO2N(R)−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−OC(O)−、−C(O)O−、シクロプロピレン、−O−、−N(R)−または−C(O)−で置き換えられており;
Yは、水素、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族、あるいは窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜10員の単環式もしくは二環式飽和、部分的に不飽和またはアリール環であり、該環は1〜4個のRe基で置換されており;
各Reは独立に、−Q−Z、オキソ、NO2、ハロゲン、CN、適切な脱離基、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族から選択され:
Qは、共有結合または二価のC1〜6飽和もしくは不飽和の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素鎖であり、Qの1個もしくは2個のメチレン単位は任意選択でかつ独立に、−N(R)−、−S−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−SO−もしくは−SO2−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO2−または−SO2N(R)−で置き換えられており;
Zは、水素、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族である、項目1に記載の化合物。
(項目12)
Lが二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つの二重結合を有し、Lの少なくとも1個のメチレン単位は、−C(O)−、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−N(R)SO2−、−SO2N(R)−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−OC(O)−または−C(O)O−で置き換えられており、Lの1個または2個の追加のメチレン単位は任意選択でかつ独立に、シクロプロピレン、−O−、−N(R)−または−C(O)−で置き換えられており;
Yが、水素、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族である、項目11に記載の化合物。
(項目13)
Lが二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つの二重結合を有し、Lの少なくとも1個のメチレン単位は−C(O)−で置き換えられており、Lの1個または2個の追加のメチレン単位は任意選択でかつ独立に、シクロプロピレン、−O−、−N(R)−または−C(O)−で置き換えられている、項目12に記載の化合物。
(項目14)
Lが二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つの二重結合を有し、Lの少なくとも1個のメチレン単位は−OC(O)−で置き換えられている、項目12に記載の化合物。
(項目15)
Lが、−NRC(O)CH=CH−、−NRC(O)CH=CHCH2N(CH3)−、−NRC(O)CH=CHCH2O−、−CH2NRC(O)CH=CH−、−NRSO2CH=CH−、−NRSO2CH=CHCH2−、−NRC(O)(C=N2)−、−NRC(O)(C=N2)C(O)−、−NRC(O)CH=CHCH2N(CH3)−、−NRSO2CH=CH−、−NRSO2CH=CHCH2−、−NRC(O)CH=CHCH2O−、−NRC(O)C(=CH2)CH2−、−CH2NRC(O)−、−CH2NRC(O)CH=CH−、−CH2CH2NRC(O)−または−CH2NRC(O)シクロプロピレン−であり;RはHまたは任意選択で置換されたC1〜6脂肪族であり;Yは水素、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族である、項目12に記載の化合物。
(項目16)
Lが、−NHC(O)CH=CH−、−NHC(O)CH=CHCH2N(CH3)−、−NHC(O)CH=CHCH2O−、−CH2NHC(O)CH=CH−、−NHSO2CH=CH−、−NHSO2CH=CHCH2−、−NHC(O)(C=N2)−、−NHC(O)(C=N2)C(O)−、−NHC(O)CH=CHCH2N(CH3)−、−NHSO2CH=CH−、−NHSO2CH=CHCH2−、−NHC(O)CH=CHCH2O−、−NHC(O)C(=CH2)CH2−、−CH2NHC(O)−、−CH2NHC(O)CH=CH−、−CH2CH2NHC(O)−、または−CH2NHC(O)シクロプロピレン−である、項目15に記載の化合物。
(項目17)
Lが二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つのアルキリデニル二重結合を有し、Lの少なくとも1個のメチレン単位は、−C(O)−、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−N(R)SO2−、−SO2N(R)−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−OC(O)−または−C(O)O−で置き換えられており、Lの1個または2個の追加のメチレン単位は任意選択でかつ独立に、シクロプロピレン、−O−、−N(R)−または−C(O)−で置き換えられている、項目12に記載の化合物。
(項目18)
R1が−L−Yであり、
Lは二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つの三重結合を有し、Lの1個または2個の追加のメチレン単位は任意選択でかつ独立に、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−N(R)SO2−、−SO2N(R)−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−OC(O)−または−C(O)O−で置き換えられており、Yは、水素、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜10員の単環式もしくは二環式飽和、部分的に不飽和またはアリール環であり、該環は1〜4個のRe基で置換されており;
各Reは独立に、−Q−Z、オキソ、NO2、ハロゲン、CN、適切な脱離基、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族から選択され:
Qは、共有結合または二価のC1〜6飽和もしくは不飽和の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素鎖であり、Qの1個もしくは2個のメチレン単位は任意選択でかつ独立に、−N(R)−、−S−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−SO−もしくは−SO2−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO2−または−SO2N(R)−で置き換えられており;
Zは、水素、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族である、項目1に記載の化合物。
(項目19)
Yが、水素、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族である、項目18に記載の化合物。
(項目20)
Lが、−C≡C−、−C≡CCH2N(イソプロピル)−、−NHC(O)C≡CCH2CH2−、−CH2−C≡C−CH2−、−C≡CCH2O−、−CH2C(O)C≡C−、−C(O)C≡C−または−CH2OC(=O)C≡C−である、項目19に記載の化合物。
(項目21)
R1が−L−Yであり:
Lは、二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lの1個のメチレン単位はシクロプロピレンで置き換えられており、Lの1個または2個の追加のメチレン単位は独立に、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−N(R)SO2−、−SO2N(R)−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−OC(O)−または−C(O)O−で置き換えられており;
Yは、水素、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜10員の単環式もしくは二環式飽和、部分的に不飽和またはアリール環であり、該環は1〜4個のRe基で置換されており;
各Reは独立に、−Q−Z、オキソ、NO2、ハロゲン、CN、適切な脱離基、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族から選択され:
Qは、共有結合または二価のC1〜6飽和もしくは不飽和の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素鎖であり、Qの1個もしくは2個のメチレン単位は任意選択でかつ独立に、−N(R)−、−S−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−SO−もしくは−SO2−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO2−または−SO2N(R)−で置き換えられており;
Zは、水素、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族である、項目1に記載の化合物。
(項目22)
Yが、水素、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族である、項目21に記載の化合物。
(項目23)
R1が、−L−Yであり:
Lは、共有結合、−C(O)−、−N(R)C(O)−、または二価のC1〜8飽和もしくは不飽和の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素鎖であり;
Yは、以下の(i)〜(xvii)、すなわち:
(i)オキソ、ハロゲン、NO2またはCNで置換されたC1〜6アルキル
(ii)オキソ、ハロゲン、NO2またはCNで任意選択で置換されたC2〜6アルケニル
(iii)オキソ、ハロゲン、NO2またはCNで任意選択で置換されたC2〜6アルキニル
(iv)酸素もしくは窒素から選択される1個のヘテロ原子を有する飽和3〜4員複素環(該環は1〜2個のRe基で置換されている);
(v)酸素もしくは窒素から選択される1〜2個のヘテロ原子を有する飽和5〜6員複素環(該環は1〜4個のRe基で置換されている);
(vi)




(各R、Q、Z);
(vii)飽和3〜6員炭素環(該環は1〜4個のRe基で置換されている);
(viii)窒素、酸素またはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する部分的に不飽和の3〜6員単環(該環は1〜4個のRe基で置換されている);
(ix)部分的に不飽和の3〜6員炭素環(該環は1〜4個のRe基で置換されている);
(x)





(xi)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する部分的に不飽和の4〜6員の複素環(該環は1〜4個のRe基で置換されている);
(xii)





(xiii)0〜2個の窒素を有する6員芳香環(該環は1〜4個のRe基で置換されている);
(xiv)




(式中、各Reは上記の通り定義され、本明細書で説明する通りである);
(xv)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5員ヘテロアリール環(該環は1〜3個のRe基で置換されている);
(xvi)




;あるいは、
(xvii)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式飽和、部分的に不飽和またはアリール環(該環は1〜4個のRe基で置換されている)
から選択され、
各R基は独立に、水素、あるいはC1〜6脂肪族、フェニル、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員複素環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であり;
各Reは、−Q−Z、オキソ、NO2、ハロゲン、CN、適切な脱離基、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族から独立に選択され:
Qは、共有結合または二価のC1〜6飽和もしくは不飽和の直鎖状もしくは分岐状の炭化水素鎖であり、Qの1個もしくは2個のメチレン単位は任意選択でかつ独立に、−N(R)−、−S−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−SO−もしくは−SO2−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO2−または−SO2N(R)−で置き換えられており;
Zは、水素、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族である、項目1に記載の化合物。
(項目24)
Lが、共有結合、−CH2−、−NH−、−C(O)−、−CH2NH−、−NHCH2−、−NHC(O)−、−NHC(O)CH2OC(O)−、−CH2NHC(O)−、−NHSO2−、−NHSO2CH2−、−NHC(O)CH2OC(O)−または−SO2NH−である、項目23に記載の化合物。
(項目25)
Lが共有結合である、項目24に記載の化合物。
(項目26)
Yが:













(式中、各Reはハロゲンから独立に選択される)
から選択される、項目23、24および25のいずれかに記載の化合物。
(項目27)
R1が:
















(式中、Reは独立に適切な脱離基、NO2、CNまたはオキソである)
から選択される、項目1に記載の化合物。
(項目28)








































































































からなる群から選択される化合物または薬学的に許容されるその塩。
(項目29)
以下の構造:








を有する、項目28に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩。
(項目30)
項目1に記載の化合物および薬学的に許容される補助剤担体または媒体を含む組成物。
(項目31)
追加の治療薬と組み合わせた、項目30に記載の組成物。
(項目32)
前記追加の治療薬が化学療法薬である、項目31に記載の組成物。
(項目33)
患者または生物学的試料におけるBTKまたはその変異体の活性を阻害する方法であって、項目1に記載の化合物を、該患者に投与するかまたは該生物学的試料と接触させるステップを含む方法。
(項目34)
前記BTKまたはその変異体の活性を不可逆的に阻害する、項目33に記載の方法。
(項目35)
BTKのCys481を共有結合的に改変することによって、該BTKまたはその変異体の活性を不可逆的に阻害する、項目34に記載の方法。
(項目36)
BTK媒介障害の治療を必要とする患者においてBTK媒介障害を治療する方法であって、項目1に記載の化合物を該患者に投与するステップを含む方法。
(項目37)
前記障害が、自己免疫性疾患、異種免疫性疾患、炎症性疾患、癌、骨および関節の疾患または血栓塞栓性障害である、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記障害が、関節リウマチ多発性硬化症B細胞慢性リンパ球性白血病急性リンパ球性白血病ヘアリー細胞白血病非ホジキンリンパ腫ホジキンリンパ腫多発性骨髄腫骨肉腫、骨への転移骨粗しょう症過敏性腸症候群クローン病狼瘡または腎移植に関係する障害から選択される、項目37に記載の方法。
(項目39)
患者または生物学的試料における1つまたは複数のTECキナーゼまたはその変異体の活性を阻害する方法であって、項目1に記載の化合物を、該患者に投与するかまたは該生物学的試料と接触させるステップを含む方法。
(項目40)
前記TECキナーゼまたはその変異体の活性を不可逆的に阻害する、項目39に記載の方法。
(項目41)
前記TECキナーゼが、TEC、ITKまたはBMXの1つまたは複数から選択される、項目40に記載の方法。
(項目42)
TECのCys449、ITKのCys442またはBMXのCys496を共有結合的に改変することによって、前記TEC、ITKまたはBMX活性の1つまたは複数を不可逆的に阻害する、項目41に記載の方法。
(項目43)
TECキナーゼ媒介障害の治療を必要とする患者においてTECキナーゼ媒介障害を治療する方法であって、該患者に項目1に記載の化合物を投与するステップを含む方法。
(項目44)
前記障害が、自己免疫性障害、炎症性障害増殖性障害過剰増殖性疾患、免疫学的媒介疾患、気道の疾患、骨および関節の疾患、皮膚障害胃腸障害全身性疾患または同種移植拒絶反応である、項目43に記載の方法。
(項目45)
患者または生物学的試料における、ErbB1、ErbB2、ErbB3もしくはErbB4またはその変異体の1つまたは複数の活性を阻害する方法であって、項目1に記載の化合物を、該患者に投与するかまたは該生物学的試料と接触させるステップを含む方法。
(項目46)
前記ErbB1、ErbB2もしくはErbB4またはその変異体の1つまたは複数の活性を不可逆的に阻害する、項目45に記載の方法。
(項目47)
ErbB1のCys797、ErbB2のCys805またはErbB4のCys803を共有結合的に改変することによって、前記ErbB1、ErbB2もしくはErbB4またはその変異体の1つまたは複数の活性を不可逆的に阻害する、項目46に記載の方法。
(項目48)
ErbB1−、ErbB2−、ErbB3−またはErbB4−媒介障害の治療を必要とする患者において該障害を治療する方法であって、該患者に項目1に記載の化合物を投与するステップを含む方法。
(項目49)
前記障害が、乳癌グリア芽腫肺癌、頭頸部の癌、結腸直腸癌膀胱癌非小細胞肺癌扁平上皮細胞癌唾液腺癌、卵巣癌または膵臓癌から選択される癌腫である、項目48に記載の方法。
(項目50)
前記障害が、神経線維腫症I型(NF1)、神経線維腫症II型(NF2)シュワン細胞新生物(例えば、MPNSTの)またはシュワン腫から選択される、項目49に記載の方法。
(項目51)
患者または生物学的試料におけるJAK3またはその変異体の活性を阻害する方法であって、項目1に記載の化合物を、該患者に投与するかまたは該生物学的試料と接触させるステップを含む方法。
(項目52)
前記JAK3またはその変異体の活性を不可逆的に阻害する、項目51に記載の方法。
(項目53)
JAK3のCys909を共有結合的に改変することによって、該JAK3またはその変異体の活性を不可逆的に阻害する、項目52に記載の方法。
(項目54)
JAK3媒介障害の治療を必要とする患者においてJAK3媒介障害を治療する方法であって、該患者に項目1に記載の化合物を投与するステップを含む方法。
(項目55)
前記障害が、自己免疫性障害、炎症性障害、神経変性障害または固形悪性腫瘍もしくは血液学的悪性腫瘍から選択される、項目54に記載の方法。
(項目56)
式V−aまたはV−bの化合物




(式中、
環Aは、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の炭素環、8〜10員二環式飽和、部分的に不飽和またはアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であり;
環Bは、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の炭素環、8〜10員二環式飽和、部分的に不飽和またはアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であり;
R1’は二価の弾頭基であり;
Ryは、水素、ハロゲン、CN、CF3、C1〜4脂肪族、C1〜4ハロ脂肪族、−OR、−C(O)Rまたは−C(O)N(R)2であり;
各R基は独立に、水素、あるいはC1〜6脂肪族、フェニル、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員複素環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であり;
W1およびW2はそれぞれ独立に、共有結合または二価のC1〜3アルキレン鎖であり、W1またはW2の1個のメチレン単位は、−NR2−、−N(R2)C(O)−、−C(O)N(R2)−、−N(R2)SO2−、−SO2N(R2)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−または−SO2−で任意選択で置き換えられており;
R2は、水素、任意選択で置換されたC1〜6脂肪族もしくは−C(O)Rであるか:または、
R2と環A上の置換基はその介在原子と一緒になって、4〜6員の部分的に不飽和もしくは芳香族縮合環を形成しているか;または、
R2とRyはその介在原子と一緒になって、4〜6員の飽和、部分的に不飽和もしくは芳香族縮合環を形成しており;
mおよびpは独立に0〜4であり;
RxおよびRvは、−R、ハロゲン、−OR、−O(CH2)qOR、−CN、−NO2、−SO2R、−SO2N(R)2、−SOR、−C(O)R、−CO2R、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R、−NRC(O)N(R)2、−NRSO2Rもしくは−N(R)2から独立に選択され、qは1〜4であるか;または、
環B上に同時に存在する場合、RxとR1’はその介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜7員飽和、部分的に不飽和またはアリール環を形成しており、該環は、弾頭基、およびオキソ、ハロゲン、CNもしくはC1〜6脂肪族から独立に選択される0〜3個の基で置換されているか;または、
環A上に同時に存在する場合、RvとR1’はその介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜7員飽和、部分的に不飽和またはアリール環を形成しており、該環は、弾頭基、およびオキソ、ハロゲン、CNもしくはC1〜6脂肪族から独立に選択される0〜3個の基で置換されており;
Tは二価のつなぎ止め部分であり;
Rtは検出可能部分である)。
(項目57)
式VI−a、VI−b、VII−aまたはVII−bの化合物




(式中、
環Aは、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の炭素環、8〜10員二環式飽和、部分的に不飽和またはアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であり;
環Bは、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の炭素環、8〜10員二環式飽和、部分的に不飽和またはアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であり;
R1は弾頭基であり;
Ryは、水素、ハロゲン、CN、CF3、C1〜4脂肪族、C1〜4ハロ脂肪族、−OR、−C(O)Rまたは−C(O)N(R)2であり;
各R基は独立に、水素、あるいはC1〜6脂肪族、フェニル、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員複素環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であり;
W1およびW2はそれぞれ独立に、共有結合または二価のC1〜3アルキレン鎖であり、W1またはW2の1個のメチレン単位は、−NR2−、−N(R2)C(O)−、−C(O)N(R2)−、−N(R2)SO2−、−SO2N(R2)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−または−SO2−で任意選択で置き換えられており;
R2は、水素、任意選択で置換されたC1〜6脂肪族もしくは−C(O)Rであるか:または、
R2と環A上の置換基はその介在原子と一緒になって、4〜6員の部分的に不飽和もしくは芳香族縮合環を形成しているか;または、
R2とRyはその介在原子と一緒になって、4〜6員の飽和、部分的に不飽和もしくは芳香族縮合環を形成しており;
mおよびpは独立に0〜4であり;
RxおよびRvは、−R、ハロゲン、−OR、−O(CH2)qOR、−CN、−NO2、−SO2R、−SO2N(R)2、−SOR、−C(O)R、−CO2R、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R、−NRC(O)N(R)2、−NRSO2Rもしくは−N(R)2から独立に選択され、qは1〜4であるか;または、
環B上に同時に存在する場合、RxとR1はその介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜7員飽和、部分的に不飽和またはアリール環を形成しており、該環は、弾頭基、およびオキソ、ハロゲン、CNもしくはC1〜6脂肪族から独立に選択される0〜3個の基で置換されているか;または、
環A上に同時に存在する場合、RvとR1はその介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜7員飽和、部分的に不飽和またはアリール環を形成しており、該環は、弾頭基、およびオキソ、ハロゲン、CNもしくはC1〜6脂肪族から独立に選択される0〜3個の基で置換されており;
Tは二価のつなぎ止め部分であり;
Rtは検出可能部分である)。
(項目58)
Tが:




から選択される、項目56または57に記載の化合物。
(項目59)
Rtがビオチンである、項目56または57に記載の化合物。
(項目60)
Rtがビオチンスルホキシドである、項目56または57に記載の化合物。
(項目61)
Rtが放射性同位元素である、項目56または57に記載の化合物。
(項目62)
Rtが蛍光標識である、項目56または57に記載の化合物。
(項目63)
以下の構造:











を有する、項目56に記載の化合物。
(項目64)
(a)少なくとも1用量の式I−aまたはI−bの化合物:




(式中、
環Aは、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の炭素環、8〜10員二環式飽和、部分的に不飽和またはアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であり;
環Bは、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の炭素環、8〜10員二環式飽和、部分的に不飽和またはアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であり;
R1は弾頭基であり;
Ryは、水素、ハロゲン、−CN、低級アルキル、C1〜4ハロ脂肪族、−OR、−C(O)Rまたは−C(O)N(R)2であり;
各R基は独立に、水素、あるいはC1〜6脂肪族、フェニル、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員複素環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であり;
W1およびW2はそれぞれ独立に、共有結合または二価のC1〜3アルキレン鎖であり、W1またはW2の1個のメチレン単位は、−NR2−、−N(R2)C(O)−、−C(O)N(R2)−、−N(R2)SO2−、−SO2N(R2)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−または−SO2−で任意選択で置き換えられており;
R2は、水素、任意選択で置換されたC1〜6脂肪族もしくは−C(O)Rであるか:または、
R2と環A上の置換基はその介在原子と一緒になって、4〜6員の飽和、部分的に不飽和もしくは芳香族縮合環を形成しているか;または、
R2とRyはその介在原子と一緒になって、4〜7員の部分的に不飽和もしくは芳香族縮合環を形成しており;
mおよびpは独立に0〜4であり;
RxおよびRvは、−R、ハロゲン、−OR、−O(CH2)qOR、−CN、−NO2、−SO2R、−SO2N(R)2、−SOR、−C(O)R、−CO2R、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R、−NRC(O)NR2、−NRSO2Rもしくは−N(R)2から独立に選択され、qは1〜4であるか;または、
環B上に同時に存在する場合、RxとR1はその介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜7員飽和、部分的に不飽和またはアリール環を形成しており、該環は、弾頭基、およびオキソ、ハロゲン、−CNもしくはC1〜6脂肪族から独立に選択される0〜3個の基で置換されているか;または、
環A上に同時に存在する場合、RvとR1はその介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜7員飽和、部分的に不飽和またはアリール環を形成しており、該環は、弾頭基、およびオキソ、ハロゲン、−CNもしくはC1〜6脂肪族から独立に選択される0〜3個の基で置換されている)
または薬学的に許容されるその塩を投与された患者から得られた1つまたは複数の組織細胞型またはその溶解物を提供するステップと;
(b)該組織、細胞型またはその溶解物を、プローブ化合物を形成するように検出可能部分とつなぎ止められた式I−aまたはI−bの異なる化合物と接触させて、該組織、細胞型またはその溶解物中に存在する少なくとも1つのタンパク質キナーゼを共有結合的に改変するステップと;
(c)該プローブ化合物によって共有結合的に改変された該タンパク質キナーゼの量を測定し、該式I−aまたはI−bの化合物による該タンパク質キナーゼの占有率を該プローブ化合物による該タンパク質キナーゼの占有率と比較して判定するステップと
を含む方法。
(項目65)
前記タンパク質キナーゼの占有率が増大するように、式I−aまたはI−bの化合物の用量を調節するステップをさらに含む、項目64に記載の方法。
(項目66)
前記タンパク質キナーゼの占有率が減少するように、式I−aまたはI−bの化合物の用量を調節するステップをさらに含む、項目64に記載の方法。
(項目67)
前記測定するステップを以下の:フローサイトメトリーウエスタンブロット法またはELISA法のうちの1つで実施する、項目64に記載の方法。

図面の簡単な説明

0010

図1は、Ramos細胞における化合物I−2を用いたホスホ−plc γ2(p−plc γ2)の用量反応阻害;および「ウォッシュアウト実験での化合物I−2の結果を示す。
図2は、Ramos細胞における化合物I−4を用いたp−plc γ2の用量反応阻害;および「ウォッシュアウト」実験での化合物I−4の結果を示す。
図3は、Ramos細胞における化合物I−7を用いたp−plc γ2の用量反応阻害;および「ウォッシュアウト」実験での化合物I−7の結果を示す。
図4は、Ramos細胞における化合物I−35を用いたp−plc γ2の用量反応阻害を示す。
図5は、Ramos細胞における化合物I−38を用いたp−plc γ2の用量反応阻害を示す。
図6は、化合物I−2によるCys449でのTECキナーゼの共有結合改変を裏付けMS分析を示す。
図7は、化合物I−4によるCys449でのTECキナーゼの共有結合改変を裏付けるMS分析を示す。
図8は、化合物I−7によるCys449でのTECキナーゼの共有結合改変を裏付けるMS分析を示す。
図9は、EGFR欠失変異体を含むHCC827細胞における、「ウォッシュアウト」実験での化合物I−2の結果を、同じ「ウォッシュアウト」実験での化合物I−4および化合物I−7の結果と比較して示す。
図10は、EGFR野生型を含むA431細胞における、「ウォッシュアウト」実験での化合物I−7の結果を、EGF対照の結果と比較して示す。
図11は、化合物I−7によるCys909でのJAK−3キナーゼの共有結合改変を裏付けるMS分析を示す。
図12は、IL−2刺激CTLL−2細胞における化合物I−2を用いたP−Stat5の用量反応阻害;およびIL−2刺激CTLL−2細胞における化合物I−2を用いたP−JAK−3の用量反応阻害を示す。
図13は、IL−2刺激CTLL−2細胞における化合物I−4を用いたP−Stat5の用量反応阻害;およびIL−2刺激CTLL−2細胞における化合物I−4を用いたP−JAK−3の用量反応阻害を示す。
図14は、IL−2刺激CTLL−2細胞における化合物I−7を用いたP−Stat5の用量反応阻害を示す。
図15は、化合物I−7によるBTKの共有結合改変を裏付けるMS分析を示す。
図16は、様々な量のI−7を用いて処置した後のプローブ化合物I−215に利用できるBTKタンパク質を示すウエスタンブロットを示す。
図17は、図16におけるウエスタンブロットの結果を定量化したものを示す。
図18は、化合物I−7およびプローブ化合物I−215を用いたウォッシュアウト実験についてのウエスタンブロットを示す。
図19は、図18におけるウエスタンブロットの結果を定量化したものを示す。
図20は、BTK(SEQID1)についてのアミノ酸配列を示す。
図21は、TEC(SEQ ID2)についてのアミノ酸配列を示す。
図22は、ITK(SEQ ID3)についてのアミノ酸配列を示す。
図23は、BMX(SEQ ID4)についてのアミノ酸配列を示す。
図24は、TXK(SEQ ID5)についてのアミノ酸配列を示す。
図25は、JAK3(SEQ ID6)についてのアミノ酸配列を示す。

0011

1.本発明の化合物の概略説明
特定の実施形態では、本発明は、式I−aもしくはI−bの化合物:

0012

(式中、
環Aは、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の炭素環、8〜10員二環式飽和、部分的に不飽和またはアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であり;
環Bは、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の炭素環、8〜10員二環式飽和、部分的に不飽和またはアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であり;
R1は弾頭基であり;
Ryは、水素、ハロゲン、−CN、−CF3、C1〜4脂肪族、C1〜4ハロ脂肪族、−OR、−C(O)Rまたは−C(O)N(R)2であり;
各R基は独立に、水素、あるいはC1〜6脂肪族、フェニル、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員複素環(heterocylic)または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であり;W1およびW2はそれぞれ独立に、共有結合または二価のC1〜3アルキレン鎖であり、W1またはW2の1個のメチレン単位は、−NR2−、−N(R2)C(O)−、−C(O)N(R2)−、−N(R2)SO2−、−SO2N(R2)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−または−SO2−で任意選択で置き換えられており;
R2は、水素、任意選択で置換されたC1〜6脂肪族もしくは−C(O)Rであるか:または、
R2と環A上の置換基はその介在原子と一緒になって、4〜6員の飽和、部分的に不飽和もしくは芳香族縮合環を形成しているか;または、
R2とRyはその介在原子と一緒になって、4〜7員の部分的に不飽和もしくは芳香族縮合環を形成しており;
mおよびpは独立に0〜4であり;
RxおよびRvは、−R、ハロゲン、−OR、−O(CH2)qOR、−CN、−NO2、−SO2R、−SO2N(R)2、−SOR、−C(O)R、−CO2R、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R、−NRC(O)N(R)2、−NRSO2Rもしくは−N(R)2から独立に選択され、qは0〜4であるか;または、
環B上に同時に存在する場合、RxとR1はその介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜7員飽和、部分的に不飽和またはアリール環を形成しており、前記環は、弾頭基、およびオキソ、ハロゲン、−CNもしくはC1〜6脂肪族から独立に選択される0〜3個の基で置換されているか;または、
環A上に同時に存在する場合、RvとR1はその介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜7員飽和、部分的に不飽和またはアリール環を形成しており、前記環は、弾頭基、およびオキソ、ハロゲン、−CNもしくはC1〜6脂肪族から独立に選択される0〜3個の基で置換されている)または薬学的に許容されるその塩を提供する。

0013

2.化合物および定義:
本発明の化合物には、上記に概説されており、本明細書で開示する部類、下位部類および種類でさらに示されるものが含まれる。本明細書で用いるように、別段の表示がない限り、以下の定義が適用されるものとする。本発明のために、化学元素は、Handbook of Chemistry and Physics、75th Edの元素周期表、CAS版によって特定される。さらに、有機化学の一般的原理は、「Organic Chemistry」、Thomas Sorrell、University Science Books、Sausalito:1999年、および「March’s Advanced Organic Chemistry」、5th Ed.、Ed.:Smith、M. B. and March、J.、John Wiley & Sons、New York:2001年に記載されている。これらの内容全体を参照により本明細書に組み込む。

0014

本明細書で用いる「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、完全に飽和しているかまたは1個もしくは複数の不飽和単位を含む直鎖状(すなわち、非分岐状)もしくは分岐状の置換もしくは非置換炭化水素鎖、あるいは、その分子の残りと単一の結合点を有する完全に飽和しているかまたは1個もしくは複数の不飽和単位を含むが、芳香族ではない、単環式炭化水素または二環式炭化水素(本明細書では「炭素環」、「脂環式」または「シクロアルキル」とも称する)を意味する。別段の指定のない限り、脂肪族基は1〜6個の脂肪族炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、脂肪族基は1〜5個の脂肪族炭素原子を含む。他の実施形態では、脂肪族基は1〜4個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態では、脂肪族基は1〜3個の脂肪族炭素原子を含み、さらに他の実施形態では、脂肪族基は1〜2個の脂肪族炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、「脂環式」(または「炭素環」もしくは「シクロアルキル」)は、その分子の残りと単一の結合点を有する完全に飽和しているかまたは1個もしくは複数の不飽和単位を含むが、芳香族ではない単環式C3〜C6炭化水素を指す。適切な脂肪族基には、これらに限定されないが、直鎖状もしくは分岐状の置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル基およびその組合せ、例えば(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニルが含まれる。

0015

「低級アルキル」という用語は、C1〜4直鎖状または分岐状アルキル基を指す。低級アルキル基の例は、メチルエチルプロピル、イソプロピル、ブチルイソブチルおよびtert−ブチルである。

0016

「低級ハロアルキル」という用語は、1個もしくは複数のハロゲン原子で置換されているC1〜4直鎖状または分岐状アルキル基を指す。

0017

「ヘテロ原子」という用語は、酸素、イオウ、窒素、リンまたはケイ素(窒素、イオウ、リンまたはケイ素の任意の酸化形態;任意の塩基性窒素四級化形態;または、複素環の置換可能な窒素、例えばN(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルなどの)、NH(ピロリジニルなどの)またはNR+(N置換ピロリジニルなどの)を含む)の1つまたは複数を意味する。

0018

本明細書で用いる「不飽和」という用語は、ある部分が1つまたは複数の不飽和単位を有することを意味する。

0019

本明細書で用いる「二価のC1〜8(またはC1〜6)飽和もしくは不飽和、直鎖状もしくは分岐状の炭化水素鎖」という用語は、本明細書で定義するような直鎖状または分岐状の二価のアルキレンアルケニレンおよびアルキニレン鎖を指す。

0020

「アルキレン」という用語は二価のアルキル基を指す。「アルキレン鎖」は、ポリメチレン基、すなわち−(CH2)n−(nは正の整数、好ましくは1〜6、1〜4、1〜3、1〜2または2〜3である)である。置換アルキレン鎖は、1つまたは複数のメチレン水素原子が置換基で置き換えられたポリメチレン基である。適切な置換基には、置換脂肪族基について以下に説明するものが含まれる。

0021

「アルケニレン」という用語は、二価のアルケニル基を指す。置換アルケニレン鎖は、その1つまたは複数の水素原子が置換基で置き換えられている、少なくとも1つの二重結合を含むポリメチレン基である。適切な置換基には、置換脂肪族基について以下に説明するものが含まれる。

0022

本明細書で用いる「シクロプロピニル」という用語は、以下の構造:

0023

の二価のシクロプロピル基を指す。

0024

「ハロゲン」という用語は、F、Cl、BrまたはIを意味する。

0025

単独か、または「アラルキル」、「アラルコキシ」または「アリールオキシアルキル」のようなより大きな部分の一部として用いられる「アリール」という用語は、合計5〜14の環員を有しており、その環系中の少なくとも1つの環が芳香族であり、環系中の各環が3〜7環員を含む単環式および二環系を指す。「アリール」という用語は、「アリール環」という用語と互換的に用いることができる。本発明の特定の実施形態では、「アリール」は、これらに限定されないが、フェニル、ビフェニルナフチルアントラシルなどを含み、1つまたは複数の置換基を担持していてよい芳香環系を指す。本明細書で用いるような、芳香環が、インダニル、フタリミジル、ナフチミジル、フェナントリジニルまたはテトラヒドロナフチルなどの1つまたは複数の非芳香環と縮合している基も、やはり「アリール」という用語の範囲に含まれる。

0026

ヘテロアリール」、および単独か、またはより大きな部分の一部として用いる「ヘテロアル−」という用語、例えば「ヘテロアラルキル」または「ヘテロアラルコキシ」は、5〜10個の環原子、好ましくは5、6または9個の環原子を有し;かつ環状配列中に共有された6、10または14個のπ電子を有し;炭素原子に加えて、1〜5個のヘテロ原子を有する基を指す。「ヘテロ原子」という用語、窒素、酸素またはイオウを指し、窒素またはイオウの任意の酸化形態および塩基性窒素の任意の四級化形態を含む。ヘテロアリール基には、これらに限定されないが、チエニルフラニル、ピロリル、イミダゾリルピラゾリルトリアゾリルテトラゾリルオキサゾリルイソオキサゾリルオキサジアゾリルチアゾリルイソチアゾリルチアジアゾリル、ピリジルピリダジニルピリミジニルピラジニルインドリジニル、プリニル、ナフチリジニルおよびプテリジニルが含まれる。本明細書で用いる「ヘテロアリール」および「ヘテロアル−」という用語は、複素芳香環が1つまたは複数のアリール、脂環式またはヘテロシクリル環と縮合しており、そのラジカルまたは結合点が複素芳香環上にある基も含む。非限定的な例には、インドリルイソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリルベンズイミダゾリルベンズチアゾリル、キノリルイソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニルキノキサリニル、4H−キノリジニル、カルバゾリルアクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニルテトラヒドロイソキノリニルおよびピリド[2,3−b]−1,4−オキサジン−3(4Η)−オンが含まれる。ヘテロアリール基は単環式または二環式であってよい。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」または「複素芳香族」という用語(これらの用語のいずれも、任意選択で置換された環を含む)と互換的に用いることができる。「ヘテロアラルキル」という用語は、そのアルキルおよびヘテロアリール部が独立に任意選択で置換されている、ヘテロアリールで置換されたアルキル基を指す。

0027

本明細書で用いる「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環ラジカル」および「複素環」という用語は、互換的に用いられ、飽和しているかまたは部分的に不飽和であり、炭素原子に加えて1個もしくは複数、好ましくは1〜4個の上記定義のヘテロ原子を有する安定な5〜7員単環式または7〜10員の二環式複素環部分を指す。複素環の環原子の関連で用いられる場合、「窒素」という用語は置換された窒素を含む。例としては、酸素、イオウもしくは窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する飽和しているかまたは部分的に不飽和の環において、その窒素は、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルなどの)、NH(ピロリジニルなどの)または+NR(N置換ピロリジニルなどの)であってよい。

0028

複素環は、安定な構造をもたらすヘテロ原子または炭素原子でのそのペンダント基と結合していてよく、その環原子のいずれかは任意選択で置換されていてよい。そうした飽和しているかまたは部分的に不飽和の複素環ラジカルの例には、これらに限定されないが、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニルピロリジニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニルピペラジニルジオキサニルジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニルおよびキヌクリジニルが含まれる。「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環基」、「複素環部分」および「複素環ラジカル」という用語は、本明細書では互換的に用いられ、ヘテロシクリル環が、そのラジカルまたは結合点がヘテロシクリル環上にある、インドリニル、3H−インドリル、クロマニル、フェナントリジニルまたはテトラヒドロキノリニルなどの1つまたは複数のアリール、ヘテロアリールまたは脂環式環と縮合している基も含む。ヘテロシクリル基は単環式または二環式であってよい。「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、そのアルキルおよびヘテロシクリル部が独立に任意選択で置換されている、ヘテロシクリルで置換されたアルキル基を指す。

0029

本明細書で用いる「部分的に不飽和(の)」という用語は、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む環部分を指す。「部分的に不飽和(の)」という用語は、複数の不飽和部位を有する環を包含するが、本明細書で定義するアリールまたはヘテロアリール部分は含まないものとする。

0030

本明細書で記載するように、本発明の化合物は「任意選択で置換された」部分を含むことができる。一般に、「置換(された)」という用語は、「任意選択で」という用語が先行してもしなくても、指定された部分の1つまたは複数の水素が適切な置換基で置き換えられていることを意味する。別段の表示のない限り、「任意選択で置換された」基は、その基のそれぞれの置換可能な位置で適切な置換基を有することができ、所与の任意の構造において2つ以上の位置を、指定された基から選択される2つ以上の置換基で置換できる場合、その置換基はその位置毎に同じであっても異なっていてもよい。本発明で想定される置換基の組合せは、好ましくは安定であるかまたは化学的に実現可能な化合物の形成をもたらすものである。本明細書で用いる「安定な」という用語は、その製造、検出、特定の実施形態では、回収、精製および本明細書で開示する目的の1つまたは複数での使用のための条件にかけても、実質的に変化しない化合物を指す。

0031

「任意選択で置換された」基の置換可能な炭素原子上の適切な一価置換基は独立に、ハロゲン;−(CH2)0〜4R○;−(CH2)0〜4OR○;−O(CH2)0〜4R○、−O−(CH2)0〜4C(O)OR○;−(CH2)0〜4CH(OR○)2;−(CH2)0〜4SR○;R○で置換されていてよい−(CH2)0〜4Ph;R○で置換されていてよい−(CH2)0〜4O(CH2)0〜1Ph;R○で置換されていてよい−CH=CHPh;R○で置換されていてよい−(CH2)0〜4O(CH2)0〜1−ピリジル;−NO2;−CN;−N3;−(CH2)0〜4N(R○)2;−(CH2)0〜4N(R○)C(O)R○;−N(R○)C(S)R○;−(CH2)0〜4N(R○)C(O)NR○2;−N(R○)C(S)NR○2;−(CH2)0〜4N(R○)C(O)OR○;−N(R○)N(R○)C(O)R○;−N(R○)N(R○)C(O)NR○2;−N(R○)N(R○)C(O)OR○;−(CH2)0〜4C(O)R○;−C(S)R○;−(CH2)0〜4C(O)OR○;−(CH2)0〜4C(O)SR○;−(CH2)0〜4C(O)OSiR○3;−(CH2)0〜4OC(O)R○;−OC(O)(CH2)0〜4SR○、SC(S)SR○;−(CH2)0〜4SC(O)R○;−(CH2)0〜4C(O)NR○2;−C(S)NR○2;−C(S)SR○;−SC(S)SR○、−(CH2)0〜4OC(O)NR○2;−C(O)N(OR○)R○;−C(O)C(O)R○;−C(O)CH2C(O)R○;−C(NOR○)R○;−(CH2)0〜4SSR○;−(CH2)0〜4S(O)2R○;−(CH2)0〜4S(O)2OR○;−(CH2)0〜4OS(O)2R○;−S(O)2NR○2;−(CH2)0〜4S(O)R○;−N(R○)S(O)2NR○2;−N(R○)S(O)2R○;−N(OR○)R○;−C(NH)NR○2;−P(O)2R○;−P(O)R○2;−OP(O)R○2;−OP(O)(OR○)2;SiR○3;−(C1〜4直鎖状または分岐状アルキレン)O−N(R○)2;または−(C1〜4直鎖状または分岐状アルキレン)C(O)O−N(R○)2であり、各R○は、以下に定義するように置換されていてよく、それは独立に、水素、C1〜6脂肪族、−CH2Ph、−O(CH2)0〜1Ph、−CH2−(5〜6員ヘテロアリール環)、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員飽和、部分的に不飽和またはアリール環であるか、あるいは、上記定義にかかわらず、2つの独立に出現するR○はその介在原子と一緒になって、以下に定義するように置換されていてよい窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する3〜12員飽和、部分的に不飽和またはアリール単環式もしくは二環を形成している。

0032

R○(または、2つの独立に出現するR○がその介在原子と一緒になって、形成された環)上の適切な一価置換基は独立に、ハロゲン、−(CH2)0〜2R●、−(ハロR●)、−(CH2)0〜2OH、−(CH2)0〜2OR●、−(CH2)0〜2CH(OR●)2;−O(ハロR●)、−CN、−N3、−(CH2)0〜2C(O)R●、−(CH2)0〜2C(O)OH、−(CH2)0〜2C(O)OR●、−(CH2)0〜2SR●、−(CH2)0〜2SH、−(CH2)0〜2NH2、−(CH2)0〜2NHR●、−(CH2)0〜2NR●2、−NO2、−SiR●3、−OSiR●3、−C(O)SR●、−(C1〜4直鎖状または分岐状アルキレン)C(O)OR●または−SSR●であり、各R●は、置換されていないか、または、「ハロ」が先行する場合、1個もしくは複数のハロゲンだけで置換されており、C1〜4脂肪族、−CH2Ph、−O(CH2)0〜1Ph、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分的に不飽和またはアリール環から独立に選択される。R○の飽和炭素原子上の適切な二価の置換基には=Oおよび=Sが含まれる。

0033

「任意選択で置換された」基の飽和炭素原子上の適切な二価の置換基には、以下の:=O、=S、=NNR*2、=NNHC(O)R*、=NNHC(O)OR*、=NNHS(O)2R*、=NR*、=NOR*、−O(C(R*2))2〜3O−または−S(C(R*2))2〜3S−が含まれ、独立に出現するそれぞれのR*は、水素、以下に定義するように置換されていてよいC1〜6脂肪族、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換5〜6員の飽和、部分的に不飽和またはアリール環から選択される。「任意選択で置換された」基の隣接する置換可能な炭素と結合している適切な二価の置換基には:−O(CR*2)2〜3O−が含まれ、独立に出現するそれぞれのR*は、水素、以下に定義するように置換されていてよいC1〜6脂肪族、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換5〜6員の飽和、部分的に不飽和またはアリール環から選択される。

0034

R*の脂肪族基上の適切な置換基には、ハロゲン、−R●、−(ハロR●)、−OH、−OR●、−O(ハロR●)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR●、−NH2、−NHR●、−NR●2または−NO2が含まれ、各R●は、置換されていないか、または、「ハロ」が先行する場合、1個もしくは複数のハロゲンだけで置換されており、独立に、C1〜4脂肪族、−CH2Ph、−O(CH2)0〜1Ph、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分的に不飽和またはアリール環である。

0035

「任意選択で置換された」基の置換可能な窒素上の適切な置換基には、−R†、−NR†2、−C(O)R†、−C(O)OR†、−C(O)C(O)R†、−C(O)CH2C(O)R†、−S(O)2R†、−S(O)2NR†2、−C(S)NR†2、−C(NH)NR†2または−N(R†)S(O)2R†が含まれ;各R†は独立に、水素、以下に定義するように置換されていてよいC1〜6脂肪族、非置換−OPh、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換5〜6員の飽和、部分的に不飽和またはアリール環であるか、あるいは、上記定義にかかわらず、2つの独立に出現するR†はその介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換3〜12員の飽和、部分的に不飽和またはアリール単環式もしくは二環を形成している。

0036

R†の脂肪族基上の適切な置換基は独立に、ハロゲン、−R●、−(ハロR●)、−OH、−OR●、−O(ハロR●)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR●、−NH2、−NHR●、−NR●2または−NO2であり、各R●は、置換されていないか、または、「ハロ」が先行する場合、1個もしくは複数のハロゲンだけで置換されており、独立に、C1〜4脂肪族、−CH2Ph、−O(CH2)0〜1Ph、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和、部分的に不飽和またはアリール環である。

0037

本明細書で用いる「薬学的に許容される塩」という用語は、健全医学的判断の範囲内で、過度の毒性、炎症、アレルギー反応などを伴うことなくヒトや下等動物の組織と接触して用いるのに適しており、かつ、妥当便益リスク比に相応した塩を指す。薬学的に許容される塩は当業界で周知である。例えば、S. M. Bergeらは、J. Pharmaceutical Sciences、1977年、66巻、1〜19頁において薬学的に許容される塩を詳細に記載している。これを参照により本明細書に組み込む。本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、適切な無機および有機の酸および塩基から誘導されるものが含まれる。薬学的に許容される非毒性付加塩の例は、塩酸臭化水素酸リン酸硫酸および過塩素酸などの無機酸、または酢酸シュウ酸マレイン酸酒石酸クエン酸コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸と形成させるか、あるいは、イオン交換などの当業界で用いられている他の方法によるアミノ基の塩である。他の薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩アルギン酸塩アスコルビン酸塩アスパラギン酸塩ベンゼンスルホン酸塩安息香酸塩重硫酸塩ホウ酸塩酪酸塩ショウノウ酸塩カンファースルホン酸塩クエン酸塩シクロペンタンプロピオン酸塩ジグルコ酸塩ドデシル硫酸塩エタンスルホン酸塩ギ酸塩フマル酸塩グルコヘプトン酸、グリセロリン酸塩グルコン酸塩ヘミ硫酸塩ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩ラウリン酸塩ラウリル硫酸塩リンゴ酸塩マレイン酸塩マロン酸塩メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩ニコチン酸硝酸塩オレイン酸塩シュウ酸塩パルミチン酸塩、パモン酸塩、ペクチン酸塩過硫酸塩3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩チオシアン酸塩p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが含まれる。

0038

適切な塩基から誘導される塩には、アルカリ金属塩アルカリ土類金属塩アンモニウム塩およびN+(C1〜4アルキル)4塩が含まれる。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩には、ナトリウムリチウムカリウムカルシウムマグネシウムなどの塩が含まれる。他の薬学的に許容される塩には、適切な場合、ハライドヒドロキシドカルボキシレートサルフェートホスフェートナイトレート、低級アルキルスルホネートならびにアリールスルホネートなどの対イオンを用いて形成される、非毒性アンモニウム四級アンモニウムおよびアミンカチオンが含まれる。
別段の言及のない限り、本明細書で示す構造は、その構造のすべての異性体(例えば、鏡像異性体的ジアステレオマー的および幾何学的(または立体配座的))形態;例えば、各不斉中心についてのR型およびS型構造、Z型およびE型二重結合異性体ならびにZ型およびE型の配座異性体を含むことも意味する。したがって、本発明の化合物の単一の立体化学的異性体、ならびに鏡像異性体的、ジアステレオマー的および幾何学的(または立体配座的)混合物は本発明の範囲内である。別段の言及のない限り、本発明の化合物のすべての互変異性形態は本発明の範囲内である。さらに、別段の言及のない限り、本明細書で示す構造は、1つまたは複数の同位体的濃縮された原子が存在することだけが異なる化合物を含むことも意味する。例えば、水素を重水素または三重水素で置き換えていること、あるいは、炭素を13C−または14C−濃縮炭素で置き換えていることを含み、本発明の構造を有する化合物は本発明の範囲内である。そうした化合物は、例えば、生物学的アッセイにおける分析ツールまたはプローブとして、あるいは、本発明による治療薬として有用である。いくつかの実施形態では、式I−aおよびI−bのR1基は1個または複数の重水素原子を含む。

0039

本明細書で用いる「不可逆性」または「不可逆的阻害剤」という用語は、実質的に非可逆的仕方で標的タンパク質キナーゼと共有結合的に結合することができる阻害剤(すなわちある化合物)を指す。すなわち、可逆的阻害剤は標的タンパク質キナーゼと結合することができ(しかし、一般にそれと共有結合を形成することはできない)、したがって、標的タンパク質キナーゼから解離されることができるが、不可逆的阻害剤は、共有結合がいったん形成されたら、標的タンパク質キナーゼと実質的に結合したままとなる。不可逆的阻害剤は通常時間依存性を示し、それによって、阻害剤が酵素と接触している時間と共に阻害の度合いが増大する。ある化合物が不可逆的阻害剤として作用するかどうかを特定する方法は当業者に公知である。そうした方法には、これらに限定されないが、タンパク質キナーゼ標的での化合物の阻害プロファイルの酵素動力学解析阻害剤化合物の存在下で改変されたタンパク質薬物標的の質量分析の使用、「ウォッシュアウト」実験としても公知の不連続曝露、および酵素の共有結合性改変を示すための放射性標識阻害剤などの標識化の使用、ならびに当業者に公知の他の方法が含まれる。

0040

当業者は、特定の反応性官能基が「弾頭」として作用することができることを理解されよう。本明細書で用いる「弾頭」または「弾頭基」という用語は、本発明の化合物上に存在する官能基であって、標的タンパク質の結合ポケット中に存在するアミノ酸残基システインリシンヒスチジン、または共有結合的に改変することができる他の残基など)と共有結合し、それによってタンパク質を不可逆的に阻害することができる官能基を指す。本明細書で定義し説明する−L−Y基が、タンパク質を共有結合的でかつ不可逆的に阻害するためのそうした弾頭基を提供することを理解されよう。

0041

本明細書で用いる「阻害剤」という用語は、測定可能親和力で標的タンパク質キナーゼと結合する、かつ/またはそれを阻害する化合物と定義される。特定の実施形態では、阻害剤は、約50μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満または約10nM未満のIC50および/または結合定数を有する。

0042

本明細書で用いる「測定可能な親和力」および「測定可能な程度に阻害する(measurably inhibit)」という用語は、本発明の化合物またはその組成物、およびErbB1、ErbB2、ErbB3、ErbB4、TECキナーゼおよび/またはJAK3の少なくとも1つを含む試料と、前記化合物またはその組成物の非存在下でErbB1、ErbB2、ErbB3、ErbB4、TECキナーゼおよび/またはJAK3の少なくとも1つを含む対応する試料との間のErbB1、ErbB2、ErbB3、ErbB4、TECキナーゼおよび/またはJAK3の少なくとも1つの活性の測定可能な変化を意味する。

0043

3.例示化合物の説明
一態様によれば、本発明は、式I−aもしくはI−bの化合物

0044

(式中、
環Aは、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の炭素環、8〜10員二環式飽和、部分的に不飽和またはアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であり;
環Bは、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の炭素環、8〜10員二環式飽和、部分的に不飽和またはアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であり;
R1基は−L−Yであり:
Lは、共有結合または二価のC1〜8飽和もしくは不飽和の直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lの1、2または3個のメチレン単位は、任意選択でかつ独立に、シクロプロピレン、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO2−、−SO2N(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO2−、−C(=S)−、−C(=NR)−、−N=N−、または−C(=N2)−で置き換えられており;
Yは、水素、またはオキソ、ハロゲンもしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜10員の単環式もしくは二環式飽和、部分的に不飽和またはアリール環であり、前記環は、−Q−Z、オキソ、NO2、ハロゲン、CNまたはC1〜6脂肪族から独立に選択される1〜4個の基で置換されており;
Qは、共有結合、または二価のC1〜6飽和もしくは不飽和の、直鎖状または分岐状炭化水素鎖であり、Qの1個もしくは2個のメチレン単位は任意選択でかつ独立に、−NR−、−S−、−O−、−C(O)−、−SO−または−SO2−で置き換えられており;
Zは、水素、またはオキソ、ハロゲンもしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族であり;
Ryは、水素、ハロゲン、−CN、−CF3、C1〜4脂肪族、C1〜4ハロ脂肪族、−OR、−C(O)Rまたは−C(O)N(R)2であり;
各R基は独立に、水素、あるいはC1〜6脂肪族、フェニル、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員複素環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基であり;
W1およびW2はそれぞれ独立に、共有結合または二価のC1〜3アルキレン鎖であり、W1またはW2の1個のメチレン単位は、−NR2−、−N(R2)C(O)−、−C(O)N(R2)−、−N(R2)SO2−、−SO2N(R2)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−または−SO2−で任意選択で置き換えられており;
R2は、水素、任意選択で置換されたC1〜6脂肪族もしくは−C(O)Rであるか:または、
R2と環A上の置換基はその介在原子と一緒になって、4〜6員の部分的に不飽和もしくは芳香族縮合環を形成しているか;または、
R2とRyはその介在原子と一緒になって、4〜6員の飽和、部分的に不飽和もしくは芳香族縮合環を形成しており;
mおよびpは独立に0〜4であり;
RxおよびRvは、−R、ハロゲン、−OR、−O(CH2)qOR、−CN、−NO2、−SO2R、−SO2N(R)2、−SOR、−C(O)R、−CO2R、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R、−NRC(O)NR2、−NRSO2Rもしくは−N(R)2から独立に選択されるか;または、
環B上に同時に存在する場合、RxとR1はその介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜7員飽和、部分的に不飽和またはアリール環を形成しており、前記環は、弾頭基、およびオキソ、ハロゲン、−CNもしくはC1〜6脂肪族から独立に選択される0〜3個の基で置換されているか;または、
環A上に同時に存在する場合、RvとR1はその介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜7員飽和、部分的に不飽和またはアリール環を形成しており、前記環は、弾頭基、およびオキソ、ハロゲン、−CNもしくはC1〜6脂肪族から独立に選択される0〜3個の基で置換されている)または薬学的に許容されるその塩
を提供する。

0045

上に一般的に定義したように、環Aは、フェニル、3〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の炭素環、8〜10員二環式飽和、部分的に不飽和またはアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和または部分的に不飽和の複素環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和または部分的に不飽和の複素環、あるいは、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基である。特定の実施形態では、環Aは任意選択で置換されたフェニル基である。いくつかの実施形態では、環Aは、任意選択で置換されたナフチル環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二環式8〜10員ヘテロアリール環である。特定の他の実施形態では、環Aは任意選択で置換された3〜7員炭素環である。さらに他の実施形態では、環Aは、窒素、酸素またはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された4〜7員複素環である。

0046

特定の実施形態では、環Aは本明細書で定義されるように置換されている。いくつかの実施形態では、環Aは、ハロゲン、Roまたは−(CH2)0〜4ORo−もしくは−O(CH2)0〜4Roから独立に選択される1、2もしくは3個の基で置換されており、各Roは本明細書で定義される通りである。環A上の置換基の例には、Br、I、Cl、メチル、−CF3、−C≡CH、−OCH2フェニル、−OCH2(フルオロフェニル)、または−OCH2ピリジルが含まれる。

0047

環A基の例を表1に示す。

0048

0049

0050

0051

ここで、各R○、R†およびR1は上記に定義し、本明細書の部類および下位部類で説明する通りである。

0052

特定の実施形態では、環Aは、i、ii、iv、v、vi、vii、ix、xiv、xvi、lii、lxiii、lxxi、lxxiv、lxxvi、lxxviiiおよびlxxxiから選択される。

0053

上に一般的に定義したように、環Bは、フェニル、3〜7員飽和または部分的に不飽和の炭素環、8〜10員二環式飽和、部分的に不飽和またはアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員単環式ヘテロアリール環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する7〜10員二環式飽和もしくは部分的に不飽和の複素環、あるいは、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜5個のヘテロ原子を有する8〜10員二環式ヘテロアリール環から選択される任意選択で置換された基である。特定の実施形態では、環Bは任意選択で置換されたフェニル基である。いくつかの実施形態では、環Bは、任意選択で置換されたナフチル環、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜4個のヘテロ原子を有する二環式8〜10員ヘテロアリール環である。特定の他の実施形態では、環Bは任意選択で置換された3〜7員炭素環である。さらに他の実施形態では、環Bは、窒素、酸素またはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する任意選択で置換された4〜7員複素環である。

0054

いくつかの実施形態では、環Bはフェニルである。いくつかの実施形態では、環Bは1〜3個の窒素を有する6員ヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Bは、窒素、酸素またはイオウから独立に選択される1、2もしくは3個のヘテロ原子を有する5員ヘテロアリール環である。

0055

いくつかの実施形態では、環Bは1個の窒素を有する5〜6員飽和複素環である。いくつかの実施形態では、環Bは1〜3個の窒素を有する9〜10員二環式の部分的に飽和のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Bは1個の窒素を有する9〜10員二環式の部分的に飽和のヘテロアリール環である。いくつかの実施形態では、環Bは、1個の窒素および酸素を有する9〜10員二環式の部分的に飽和のヘテロアリール環である。

0056

いくつかの実施形態では、環Bは、フェニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、イミダゾリル、ピロリジニル、ピペリジニル(piperdinyl)、インドリニル、インダゾニルおよびイソインドリニルから選択される任意選択で置換された基である。

0057

環B基の例を表4に示す。

0058

0059

0060

0061

ここで、各R1およびRxは上記に定義し、本明細書の部類および下位部類で説明する通りである。

0062

特定の実施形態では、環Bは、i、ii、iii、iv、v、ix、x、xi、xiii、xvi、xvii、xix、xx、xxv、xxvi、xxxii、xxxiv、xxxv、xxxviii、xlii、xlvi、xlviii、l、lviii、lxiv、lxxviii、lxxxiii、lxxxvi、xciv、c、ci、cii、ciii、civおよびcvから選択される。

0063

いくつかの実施形態では、式Iのm部分は1、2、3または4である。いくつかの実施形態では、mは1である。他の実施形態では、mは0である。

0064

いくつかの実施形態では、式Iのp部分は1、2、3または4である。いくつかの実施形態では、pは1である。他の実施形態では、pは0である。

0065

上に一般的に定義したように、式Iの各Rx基は、−R、ハロゲン、−OR、−O(CH2)qOR、−CN、−NO2、−SO2R、−SO2N(R)2、−SOR、−C(O)R、−CO2R、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R、−NRC(O)NR2、−NRSO2Rまたは−N(R)2から独立に選択され、qは1〜4であるか、または、環B上に同時に存在する場合、RxとR1はその介在原子と一緒になって、窒素、酸素またはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜7員飽和、部分的に不飽和またはアリール環を形成しており、前記環は、弾頭基、およびオキソ、ハロゲン、CNまたはC1〜6脂肪族から独立に選択される0〜3個の基で置換されている。

0066

いくつかの実施形態では、Rxのそれぞれの例は、−R、−OR、−O(CH2)qOR、またはハロゲンから独立に選択される。特定の実施形態では、Rxは低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシアルコキシまたはハロゲンである。Rx基の例には、メチル、メトキシメトキシエトキシおよびフルオロが含まれる。いくつかの実施形態では、Rxは水素である。

0067

上に一般的に定義したように、式Iの各Rvは、−R、ハロゲン、−OR、−O(CH2)qOR、−CN、−NO2、−SO2R、−SO2N(R)2、−SOR、−C(O)R、−CO2R、−C(O)N(R)2、−NRC(O)R、−NRC(O)NR2、−NRSO2Rまたは−N(R)2から独立に選択され、qは1〜4であるか、または、環A上に同時に存在する場合、RvとR1はその介在原子と一緒になって、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜7員飽和、部分的に不飽和またはアリール環を形成しており、前記環は、弾頭基、およびオキソ、ハロゲン、CNもしくはC1〜6脂肪族から独立に選択される0〜3個の基で置換されている。

0068

いくつかの実施形態では、Rvのそれぞれの例は、−R、−OR、−O(CH2)qORまたはハロゲンから独立に選択される。特定の実施形態では、Rvは低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシアルコキシまたはハロゲンである。Rv基の例には、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、メトキシエトキシおよびクロロが含まれる。いくつかの実施形態では、Rvは水素である。

0069

いくつかの実施形態では、q部分は1、2、3または4である。特定の実施形態では、qは1である。特定の他の実施形態では、qは2である。

0070

上に一般的に定義したように、Ryは、水素、ハロゲン、−CN、−CF3、C1〜4脂肪族、C1〜4ハロ脂肪族、−OR、−C(O)Rまたは−C(O)N(R)2であり、Rは上記に定義し、本明細書で説明する通りである。特定の実施形態では、Ryは水素、ハロゲン、−CN、−CF3、低級アルキルまたは低級ハロアルキル、−C≡CRおよびシクロプロピルである。他の実施形態では、Ryは−OR、−C(O)Rまたは−C(O)N(R)2である。特定の実施形態では、Ryは−OCH3である。特定の他の実施形態では、Ryは−C(O)CH3である。さらに他の実施形態では、Ryは−C(O)NHRである。いくつかの実施形態では、Ryは水素である。特定の実施形態では、Ryはフッ素である。特定の他の実施形態では、Ryはメチルである。

0071

上に一般的に定義したように、W1およびW2はそれぞれ独立に、共有結合または二価のC1〜3アルキレン鎖であり、W1またはW2の1個のメチレン単位は任意選択で、−NR2−、−N(R2)C(O)−、−C(O)N(R2)−、−N(R2)SO2−、−SO2N(R2)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−または−SO2−で置き換えられている。特定の実施形態では、W1とW2は同じである。いくつかの実施形態では、W1とW2は異なっている。

0072

いくつかの実施形態では、W1は共有結合である。特定の実施形態では、W1は二価のC1〜3アルキレン鎖であり、W1の1個のメチレン単位は任意選択で、−NR2−、−N(R2)C(O)−、−C(O)N(R2)−、−N(R2)SO2−、−SO2N(R2)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−または−SO2−で置き換えられている。特定の実施形態では、W1は−C(=O)、−NR2−、−S−または−O−である。いくつかの実施形態では、W1は−NR2−である。他の実施形態では、W1は−O−である。特定の実施形態では、W1は−NH−、−S−または−O−である。いくつかの実施形態では、W1は−CH2O−、−CH2S−または−CH2NH−である。いくつかの態様では、W1は−OCH2−、−SCH2−、−NHCH2−または−CH2CH2−である。

0073

特定の実施形態では、W2は共有結合である。いくつかの実施形態では、W2は二価のC1〜3アルキレン鎖であり、W2の1個のメチレン単位は任意選択で、−NR2−、−N(R2)C(O)−、−C(O)N(R2)−、−N(R2)SO2−、−SO2N(R2)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−または−SO2−で置き換えられている。特定の実施形態では、W2は−C(=O)、−NR2−、−S−または−O−である。いくつかの実施形態では、W2は−NR2−である。他の実施形態では、W2は−O−である。特定の実施形態では、W2は−NH−、−S−または−O−である。いくつかの実施形態では、W2は−CH2O−、−CH2S−または−CH2NH−である。いくつかの態様では、W2は−OCH2−、−SCH2−、−NHCH2−または−CH2CH2−である。

0074

いくつかの実施形態では、環Bはフェニルであり、したがって式II−aまたはII−bの化合物:

0075

または薬学的に許容されるその塩を形成する。ここで、環A、m、p、Rx、Ry、Rv、W1、W2およびR1のそれぞれは、上記に定義し、上記および本明細書の部類および下位部類で説明する通りである。

0076

特定の実施形態では、環Aはフェニルであり、したがって式III−aまたはIII−bの化合物:

0077

または薬学的に許容されるその塩を形成する。ここで、環B、m、p、Rx、Ry、Rv、W1、W2およびR1のそれぞれは、上記に定義し、上記および本明細書の部類および下位部類で説明する通りである。

0078

特定の実施形態では、環Aはフェニルであり、環Bはフェニルであり、したがって式IV−aまたはIV−bの化合物:

0079

または薬学的に許容されるその塩を形成する。ここで、m、p、Rx、Ry、Rv、W1、W2およびR1のそれぞれは、上記に定義し、上記および本明細書の部類および下位部類で説明する通りである。

0080

上に一般的に定義したように、各R2は独立に、水素、任意選択で置換されたC1〜6脂肪族もしくは−C(O)Rであるか、またはR2と環A上の置換基はその介在原子と一緒になって、4〜6員の部分的に不飽和または芳香族縮合環を形成しているか、またはR2とRyはその介在原子と一緒になって、4〜6員の飽和、部分的に不飽和または芳香族縮合環を形成している。一態様によれば、R2は水素である。他の態様によれば、R2は−C(O)Rであり、Rは任意選択で置換されたC1〜6脂肪族基である。

0081

いくつかの態様によれば、R2と環A上の置換基はその介在原子と一緒になって、4〜7員飽和または部分的に不飽和の環を形成しており、したがって式I−a−iまたはI−b−iの化合物:

0082

または薬学的に許容されるその塩を形成する。ここで、環A、R1、Rxおよびmのそれぞれは本明細書の部類および下位部類で説明する通りである。

0083

R2と環A上の置換基がその介在原子と一緒になって、4〜7員飽和または部分的に不飽和の環を形成する場合、当業者は、上記式I−a−iおよびI−b−iの化合物形成と同様に、式II−a、II−b、III−a、III−b、IV−aおよびIV−bの化合物は対応する化合物II−a−i、II−b−i、III−a−i、III−b−i、IV−a−iおよびIV−b−iを形成することを理解されよう。

0084

いくつかの態様によれば、R2とRyはその介在原子と一緒になって、4〜7員の部分的に不飽和の環を形成しており、したがって式I−a−iiまたはI−b−iiの化合物:

0085

または薬学的に許容されるその塩を形成する。ここで、環A、R1、Rxおよびmのそれぞれは上記に定義し、上記および本明細書の部類および下位部類で説明する通りである。

0086

R2とRyがその介在原子と一緒になって、4〜7員の部分的に不飽和の環を形成する場合、当業者は、上記式I−a−iiおよびI−b−iiの化合物の形成と同様に、式II−a、II−b、III−a、III−b、IV−aおよびIV−bの化合物は対応する化合物II−a−ii、II−b−ii、III−a−ii、III−b−ii、IV−a−iiおよびIV−b−iiを形成することを理解されよう。

0087

上に一般的に定義したように、式IおよびIIのR1基は−L−Yであり:
Lは、共有結合または二価のC1〜8飽和もしくは不飽和の直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lの1、2または3個のメチレン単位は、任意選択でかつ独立に、シクロプロピレン、−NR−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO2−、−SO2N(R)−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−S−、−SO−、−SO2−、−C(=S)−、−C(=NR)−、−N=N−、または−C(=N2)−で置き換えられており;
Yは、水素、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜10員の単環式もしくは二環式飽和、部分的に不飽和またはアリール環であり、前記環は1〜4個のRe基で置換されており;
各Reは独立に、−Q−Z、オキソ、NO2、ハロゲン、CN、適切な脱離基、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族から選択され:
Qは、共有結合、または二価のC1〜6飽和もしくは不飽和の、直鎖状または分岐状炭化水素鎖であり、Qの1個もしくは2個のメチレン単位は任意選択でかつ独立に、−N(R)−、−S−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−SO−もしくは−SO2−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO2−または−SO2N(R)−で置き換えられており;
Zは、水素、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族である。

0088

特定の実施形態では、Lは共有結合である。

0089

特定の実施形態では、Lは二価のC1〜8飽和または不飽和の直鎖状または分岐状炭化水素鎖である。特定の実施形態では、Lは−CH2−である。

0090

特定の実施形態では、Lは共有結合、−CH2−、−NH−、−CH2NH−、−NHCH2−、−NHC(O)−、−NHC(O)CH2OC(O)−、−CH2NHC(O)−、−NHSO2−、−NHSO2CH2−、−NHC(O)CH2OC(O)−または−SO2NH−である。

0091

いくつかの実施形態では、Lは二価のC2〜8直鎖状または分岐状炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つの二重結合を有し、Lの1個または2個の追加のメチレン単位は任意選択でかつ独立に、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−N(R)SO2−、−SO2N(R)−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−OC(O)−、−C(O)O−、シクロプロピレン、−O−、−N(R)−または−C(O)−で置き換えられている。

0092

特定の実施形態では、Lは二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つの二重結合を有しており、Lの少なくとも1個のメチレン単位は、−C(O)−、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−N(R)SO2−、−SO2N(R)−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−OC(O)−または−C(O)O−で置き換えられており、Lの1もしくは2個の追加のメチレン単位は、シクロプロピレン、−O−、−N(R)−または−C(O)−で任意選択でかつ独立に置き換えられている。

0093

いくつかの実施形態では、Lは二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つの二重結合を有しており、Lの少なくとも1個のメチレン単位は−C(O)−で置き換えられており、Lの1もしくは2個の追加のメチレン単位は、シクロプロピレン、−O−、−N(R)−または−C(O)−で任意選択でかつ独立に置き換えられている。

0094

上記で説明したように、特定の実施形態では、Lは二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つの二重結合を有する。当業者は、そうした二重結合が、炭化水素鎖骨格内に存在してもよく、また、それが骨格鎖の「外(exo)」にあり、それによってアルキリデン基を形成していてもよいことを理解されよう。例を挙げると、アルキリデン分枝鎖を有するそうしたL基には−CH2C(=CH2)CH2−が含まれる。したがって、いくつかの実施形態では、Lは二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つのアルキリデニル二重結合を有する。L基の例には、−NHC(O)C(=CH2)CH2−が含まれる。

0095

特定の実施形態では、Lは二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つの二重結合を有しており、Lの少なくとも1個のメチレン単位は−C(O)−で置き換えられている。特定の実施形態では、Lは、−C(O)CH=CH(CH3)−、−C(O)CH=CHCH2NH(CH3)−、−C(O)CH=CH(CH3)−、−C(O)CH=CH−、−CH2C(O)CH=CH−、−CH2C(O)CH=CH(CH3)−、−CH2CH2C(O)CH=CH−、−CH2CH2C(O)CH=CHCH2−、−CH2CH2C(O)CH=CHCH2NH(CH3)−、または−CH2CH2C(O)CH=CH(CH3)−または−CH(CH3)OC(O)CH=CH−である。

0096

特定の実施形態では、Lは二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つの二重結合を有しており、Lの少なくとも1個のメチレン単位は−OC(O)−で置き換えられている。

0097

いくつかの実施形態では、Lは二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つの二重結合を有しており、Lの少なくとも1個のメチレン単位は−NRC(O)−、−C(O)NR−、−N(R)SO2−、−SO2N(R)−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−OC(O)−または−C(O)O−で置き換えられており、Lの1もしくは2個の追加のメチレン単位は、シクロプロピレン、−O−、−N(R)−または−C(O)−で任意選択でかつ独立に置き換えられている。いくつかの実施形態では、Lは−CH2OC(O)CH=CHCH2−、−CH2−OC(O)CH=CH−または−CH(CH=CH2)OC(O)CH=CH−である。

0098

特定の実施形態では、Lは、−NRC(O)CH=CH−、−NRC(O)CH=CHCH2N(CH3)−、−NRC(O)CH=CHCH2O−、−CH2NRC(O)CH=CH−、−NRSO2CH=CH−、−NRSO2CH=CHCH2−、−NRC(O)(C=N2)C(O)−、−NRC(O)CH=CHCH2N(CH3)−、−NRSO2CH=CH−、−NRSO2CH=CHCH2−、−NRC(O)CH=CHCH2O−、−NRC(O)C(=CH2)CH2−、−CH2NRC(O)−、−CH2NRC(O)CH=CH−、−CH2CH2NRC(O)−または−CH2NRC(O)シクロプロピレン−であり、各Rは独立に、水素であるかまたは任意選択で置換されたC1〜6脂肪族である。

0099

特定の実施形態では、Lは、−NHC(O)CH=CH−、−NHC(O)CH=CHCH2N(CH3)−、−NHC(O)CH=CHCH2O−、−CH2NHC(O)CH=CH−、−NHSO2CH=CH−、−NHSO2CH=CHCH2−、−NHC(O)(C=N2)C(O)−、−NHC(O)CH=CHCH2N(CH3)−、−NHSO2CH=CH−、−NHSO2CH=CHCH2−、−NHC(O)CH=CHCH2O−、−NHC(O)C(=CH2)CH2−、−CH2NHC(O)−、−CH2NHC(O)CH=CH−、−CH2CH2NHC(O)−または−CH2NHC(O)シクロプロピレン−である。

0100

いくつかの実施形態では、Lは二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つの三重結合を有する。特定の実施形態では、Lは二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つの三重結合を有し、Lの1もしくは2個の追加のメチレン単位は、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−C(=S)−、−C(=NR)−、−O−、−N(R)−または−C(O)−で任意選択でかつ独立に置き換えられている。いくつかの実施形態では、Lは少なくとも1つの三重結合を有し、Lの少なくとも1個のメチレン単位は−N(R)−、−N(R)C(O)−、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−または−O−で置き換えられている。

0101

L基の例には、−C≡C−、−C≡CCH2N(イソプロピル)−、−NHC(O)C≡CCH2CH2−、−CH2−C≡C−CH2−、−C≡CCH2O−、−CH2C(O)C≡C−、−C(O)C≡C−または−CH2OC(=O)C≡C−が含まれる。

0102

特定の実施形態では、Lは二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lの1個のメチレン単位はシクロプロピレンで置き換えられており、Lの1もしくは2個の追加のメチレン単位は、−C(O)−、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−N(R)SO2−または−SO2N(R)−で独立に置き換えられている。L基の例には、−NHC(O)−シクロプロピレン−SO2−および−NHC(O)−シクロプロピレン−が含まれる。

0103

上記に一般的に定義したように、Yは、水素であるか、オキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族、または窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する3〜10員の単環式もしくは二環式の飽和環、部分的に不飽和な環またはアリール環であり、前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは、−Q−Z、オキソ、NO2、ハロゲン、CN、適切な脱離基またはC1〜6脂肪族から独立に選択され、Qは、共有結合であるかまたは二価のC1〜6飽和もしくは不飽和の、直鎖状もしくは分岐状の炭化水素鎖であり、Qの1もしくは2個のメチレン単位は、−N(R)−、−S−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−SO−、または−SO2−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO2−または−SO2N(R)−で任意選択でかつ独立に置き換えられており;Zは、水素であるか、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族である。

0104

特定の実施形態では、Yは水素である。

0105

特定の実施形態では、Yは、オキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Yは、オキソ、ハロゲン、NO2またはCNで任意選択で置換されたC2〜6アルケニルである。他の実施形態では、Yはオキソ、ハロゲン、NO2またはCNで任意選択で置換されたC2〜6アルキニルである。いくつかの実施形態では、YはC2〜6アルケニルである。他の実施形態では、YはC2〜4アルキニルである。

0106

他の実施形態では、Yはオキソ、ハロゲン、NO2またはCNで置換されたC1〜6アルキルである。そうしたY基には、−CH2F、−CH2Cl、−CH2CNおよび−CH2NO2が含まれる。

0107

特定の実施形態では、Yは、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する飽和3〜6員単環であり、Yは1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。

0108

いくつかの実施形態では、Yは、酸素または窒素から選択される1個のヘテロ原子を有する飽和3〜4員複素環であり、前記環は1〜2個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。そうした環の例はエポキシドおよびオキセタン環であり、各環は1〜2個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。

0109

他の実施形態では、Yは、酸素または窒素から選択される1〜2個のヘテロ原子を有する飽和5〜6員複素環であり、前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。そうした環には、ピペリジンおよびピロリジンが含まれ、各環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。特定の実施形態では、Yは、

0110

であり、但し、各R、Q、ZおよびReは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。

0111

いくつかの実施形態では、Yは飽和3〜6員炭素環であり、前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。特定の実施形態では、Yは、シクロプロピル、シクロブチルシクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、各環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。特定の実施形態では、Yは、

0112

であり、但し、Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。特定の実施形態では、Yは、ハロゲン、CNまたはNO2で任意選択で置換されたシクロプロピルである。

0113

特定の実施形態では、Yは、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する部分的に不飽和の3〜6員単環であり、前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。

0114

いくつかの実施形態では、Yは部分的に不飽和の3〜6員炭素環であり、前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。いくつかの実施形態では、Yは、シクロプロペニルシクロブテニル、シクロペンテニルまたはシクロヘキセニルであり、各環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。特定の実施形態では、Yは、

0115

であり、但し、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。

0116

特定の実施形態では、Yは、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する部分的に不飽和の4〜6員複素環であり、前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。特定の実施形態では、Yは、

0117

から選択される。但し、各RおよびReは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。

0118

特定の実施形態では、Yは0〜2個の窒素を有する6員芳香環であり、前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Re基は上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。特定の実施形態では、Yは、フェニル、ピリジルまたはピリミジニルであり、各環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。

0119

いくつかの実施形態では、Yは:

0120

から選択され、但し、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。

0121

他の実施形態では、Yは、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5員ヘテロアリール環であり、前記環は1〜3個のRe基で置換されており、各Re基は上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。いくつかの実施形態では、Yは、窒素、酸素およびイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5員の部分的に不飽和な環またはアリール環であり、前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Re基は上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。そうした環の例は、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、フラニル、チエニル、トリアゾールチアジアゾールおよびオキサジアゾールであり、各環は1〜3個のRe基で置換されており、各Re基は上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。特定の実施形態では、Yは、

0122

から選択される。但し、各RおよびReは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。

0123

特定の実施形態では、Yは、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式の飽和環、部分的に不飽和な環またはアリール環であり、前記環は1〜4個のRe基で置換されており、Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。他の態様によれば、Yは、窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する9〜10員の二環式の部分的に不飽和な環またはアリールの環であり、前記環は1〜4個のRe基で置換されており、Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。そうした二環の例には、2,3−ジヒドロベンゾ[d]イソチアゾールが含まれ、前記環は1〜4個のRe基で置換されており、Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである。

0124

上記に一般的に定義したように、各Re基は、−Q−Z、オキソ、NO2、ハロゲン、CN、適切な脱離基、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族から独立に選択され、Qは、共有結合であるかまたは二価のC1〜6飽和もしくは不飽和の、直鎖状もしくは分岐状の炭化水素鎖であり、Qの1もしくは2個のメチレン単位は、−N(R)−、−S−、−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−SO−、または−SO2−、−N(R)C(O)−、−C(O)N(R)−、−N(R)SO2−または−SO2N(R)−で任意選択でかつ独立に置き換えられており;Zは、水素であるか、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族である。

0125

特定の実施形態では、Reは、オキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族である。他の実施形態では、Reは、オキソ、NO2、ハロゲンまたはCNである。

0126

いくつかの実施形態では、Reは−Q−Zであり、Qは共有結合であり、Zは水素(すなわち、Reは水素である)である。他の実施形態では、Reは−Q−Zであり、Qは、二価のC1〜6飽和もしくは不飽和の、直鎖状もしくは分岐状の炭化水素鎖であり、Qの1もしくは2個のメチレン単位は、−NR−、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−S−、−O−、−C(O)−、−SO−または−SO2−で任意選択でかつ独立に置き換えられている。他の実施形態では、Qは、少なくとも1つの二重結合を有する二価のC2〜6直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Qの1もしくは2個のメチレン単位は、−NR−、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−S−、−O−、−C(O)−、−SO−または−SO2−で任意選択でかつ独立に置き換えられている。特定の実施形態では、Re基のZ部分は水素である。いくつかの実施形態では、−Q−Zは、−NHC(O)CH=CH2または−C(O)CH=CH2である。

0127

特定の実施形態では、各Reは、オキソ、NO2、CN、フルオロ、クロロ、−NHC(O)CH=CH2、−C(O)CH=CH2、−CH2CH=CH2、−C≡CH、−C(O)OCH2Cl、−C(O)OCH2F、−C(O)OCH2CN、−C(O)CH2Cl、−C(O)CH2F、−C(O)CH2CNまたは−CH2C(O)CH3から独立に選択される。

0128

特定の実施形態では、Reは、適切な脱離基、すなわち、求核置換を施される基である。「適切な脱離(基)」は、対象システインのチオール部分などの所望の取り込まれる化学部分によって容易に置換される化学基である。適切な脱離基は当技術分野で周知である。例えば、「Advanced Organic Chemistry」、Jerry March、5th Ed.、351〜357頁、John Wiley and Sons、N.Yを参照されたい。そうした脱離基には、これらに限定されないが、ハロゲン、アルコキシ、スルホニルオキシ、任意選択で置換されたアルキルスルホニルオキシ、任意選択で置換されたアルケニルスルホニルオキシ、任意選択で置換されたアリールスルホニルオキシ、アシルおよびジアゾニウム部分が含まれる。適切な脱離基の例には、クロロ、ヨードブロモ、フルオロ、アセトキシメタンスルホニルオキシ(メシルオキシ)、トシルオキシ、トリフリルオキシ、ニトロ−フェニルスルホニルオキシ(ノシルオキシ)およびブロモ−フェニルスルホニルオキシ(ブロシルオキシ)が含まれる。

0129

特定の実施形態では、−L−Yの以下の実施形態および組合せが適用される:
(a)Lは、二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つの二重結合を有しており、Lの1もしくは2個の追加のメチレン単位は、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−N(R)SO2−、−SO2N(R)−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−OC(O)−、−C(O)O−、シクロプロピレン、−O−、−N(R)−または−C(O)−で任意選択でかつ独立に置き換えられており;Yは、水素であるか、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族であるか;または、
(b)Lは、二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つの二重結合を有しており、Lの少なくとも1個のメチレン単位は、−C(O)−、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−N(R)SO2−、−SO2N(R)−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−OC(O)−または−C(O)O−で置き換えられており、Lの1もしくは2個の追加のメチレン単位は、シクロプロピレン、−O−、−N(R)−または−C(O)−で任意選択でかつ独立に置き換えられており;Yは、水素であるか、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族であるか;または、
(c)Lは、二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つの二重結合を有しており、Lの少なくとも1個のメチレン単位は−C(O)−で置き換えられており、Lの1もしくは2個の追加のメチレン単位は、シクロプロピレン、−O−、−N(R)−または−C(O)−で任意選択でかつ独立に置き換えられており;Yは、水素であるか、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族であるか;または、
(d)Lは、二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つの二重結合を有しており、Lの少なくとも1個のメチレン単位は−C(O)−で置き換えられており;Yは、水素であるか、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族であるか:または、
(e)Lは、二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つの二重結合を有しており、Lの少なくとも1個のメチレン単位は−OC(O)−で置き換えられており;Yは、水素であるか、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族であるか:または、
(f)Lは、−NRC(O)CH=CH−、−NRC(O)CH=CHCH2N(CH3)−、−NRC(O)CH=CHCH2O−、−CH2NRC(O)CH=CH−、−NRSO2CH=CH−、−NRSO2CH=CHCH2−、−NRC(O)(C=N2)−、−NRC(O)(C=N2)C(O)−、−NRC(O)CH=CHCH2N(CH3)−、−NRSO2CH=CH−、−NRSO2CH=CHCH2−、−NRC(O)CH=CHCH2O−、−NRC(O)C(=CH2)CH2−、−CH2NRC(O)−、−CH2NRC(O)CH=CH−、−CH2CH2NRC(O)−または−CH2NRC(O)シクロプロピレン−であり;RはHまたは任意選択で置換されたC1〜6脂肪族であり;Yは、水素であるか、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族であるか:または、
(g)Lは、−NHC(O)CH=CH−、−NHC(O)CH=CHCH2N(CH3)−、−NHC(O)CH=CHCH2O−、−CH2NHC(O)CH=CH−、−NHSO2CH=CH−、−NHSO2CH=CHCH2−、−NHC(O)(C=N2)−、−NHC(O)(C=N2)C(O)−、−NHC(O)CH=CHCH2N(CH3)−、−NHSO2CH=CH−、−NHSO2CH=CHCH2−、−NHC(O)CH=CHCH2O−、−NHC(O)C(=CH2)CH2−、−CH2NHC(O)−、−CH2NHC(O)CH=CH−、−CH2CH2NHC(O)−または−CH2NHC(O)シクロプロピレン−であり;Yは、水素であるか、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族であるか:または、
(h)Lは、二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つのアルキリデニル二重結合を有し、Lの少なくとも1個のメチレン単位は、−C(O)−、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−N(R)SO2−、−SO2N(R)−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−OC(O)−または−C(O)O−で置き換えられており、Lの1もしくは2個の追加のメチレン単位は、シクロプロピレン、−O−、−N(R)−または−C(O)−で任意選択でかつ独立に置き換えられており;Yは、水素であるか、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族であるか:または、
(i)Lは、二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lは少なくとも1つの三重結合を有し、Lの1もしくは2個の追加のメチレン単位は、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−N(R)SO2−、−SO2N(R)−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−OC(O)−または−C(O)O−で任意選択でかつ独立に置き換えられており、Yは、水素であるか、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族であるか:または、
(j)Lは、−C≡C−、−C≡CCH2N(イソプロピル)−、−NHC(O)C≡CCH2CH2−、−CH2−C≡C−CH2−、−C≡CCH2O−、−CH2C(O)C≡C−、−C(O)C≡C−または−CH2OC(=O)C≡C−であり;Yは、水素であるか、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族であるか:または、
(k)Lは、二価のC2〜8直鎖状または分岐状の炭化水素鎖であり、Lの1個のメチレン単位はシクロプロピレンで置き換えられており、Lの1もしくは2個の追加のメチレン単位は、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−N(R)SO2−、−SO2N(R)−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−OC(O)−または−C(O)O−で独立に置き換えられており;Yは、水素であるか、またはオキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC1〜6脂肪族であるか:または、
(l)Lは共有結合であり、Yは:
(i)オキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで置換されたC1〜6アルキル;
(ii)オキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC2〜6アルケニル;または
(iii)オキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC2〜6アルキニル;または
(iv)酸素もしくは窒素から選択される1個のヘテロ原子を有する飽和3〜4員複素環(前記環は1〜2個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(v)酸素もしくは窒素から選択される1〜2個のヘテロ原子を有する飽和5〜6員複素環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(vi)

0130

(但し、各R、Q、ZおよびReは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(vii)飽和3〜6員炭素環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(viii)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する部分的に不飽和の3〜6員単環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(ix)部分的に不飽和の3〜6員炭素環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(x)

0131

(但し、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xi)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する部分的に不飽和の4〜6員複素環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xii)

0132

(但し、各RおよびReは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または(xiii)0〜2個の窒素を有する6員芳香環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Re基は上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xiv)

0133

(但し、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xv)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5員ヘテロアリール環(前記環は1〜3個のRe基で置換されており、各Re基は上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xvi)

0134

(但し、各RおよびReは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または、
(xvii)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式の飽和環、部分的に不飽和な環またはアリール環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);
から選択されるか、
(m)Lは−C(O)−であり、Yは:
(i)オキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで置換されたC1〜6アルキル;または
(ii)オキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC2〜6アルケニル;または
(iii)オキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC2〜6アルキニル;または
(iv)酸素もしくは窒素から選択される1個のヘテロ原子を有する飽和3〜4員複素環(前記環は1〜2個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(v)酸素もしくは窒素から選択される1〜2個のヘテロ原子を有する飽和5〜6員複素環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(vi)

0135

(但し、各R、Q、ZおよびReは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(vii)飽和3〜6員炭素環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(viii)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する部分的に不飽和の3〜6員単環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(ix)部分的に不飽和の3〜6員炭素環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(x)

0136

(但し、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xi)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する部分的に不飽和の4〜6員複素環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xii)

0137

(但し、各RおよびReは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または(xiii)0〜2個の窒素を有する6員芳香環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Re基は上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xiv)

0138

(但し、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xv)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5員ヘテロアリール環(前記環は1〜3個のRe基で置換されており、各Re基は上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xvi)

0139

(但し、各RおよびReは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または、
(xvii)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式の飽和環、部分的に不飽和の環またはアリール環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);
から選択されるか、
(n)Lは−N(R)C(O)−であり、Yは:
(i)オキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで置換されたC1〜6アルキル;または
(ii)オキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC2〜6アルケニル;または
(iii)オキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC2〜6アルキニル;または
(iv)酸素もしくは窒素から選択される1個のヘテロ原子を有する飽和3〜4員複素環(前記環は1〜2個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(v)酸素もしくは窒素から選択される1〜2個のヘテロ原子を有する飽和5〜6員複素環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(vi)

0140

(但し、各R、Q、ZおよびReは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(vii)飽和3〜6員炭素環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(viii)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する部分的に不飽和の3〜6員単環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(ix)部分的に不飽和の3〜6員炭素環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(x)

0141

(但し、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xi)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する部分的に不飽和の4〜6員複素環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xii)

0142

(但し、各RおよびReは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または(xiii)0〜2個の窒素を有する6員芳香環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Re基は上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xiv)

0143

(但し、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xv)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5員ヘテロアリール環(前記環は1〜3個のRe基で置換されており、各Re基は上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xvi)

0144

(但し、各RおよびReは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または、
(xvii)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式の飽和環、部分的に不飽和な環またはアリール環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);
から選択されるか、
(o)Lは、二価のC1〜8飽和もしくは不飽和の、直鎖状もしくは分岐状の炭化水素鎖であり;Yは:
(i)オキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで置換されたC1〜6アルキル;
(ii)オキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC2〜6アルケニル;または
(iii)オキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC2〜6アルキニル;または
(iv)酸素もしくは窒素から選択される1個のヘテロ原子を有する飽和3〜4員複素環(前記環は1〜2個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(v)酸素もしくは窒素から選択される1〜2個のヘテロ原子を有する飽和5〜6員複素環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(vi)

0145

(但し、各R、Q、ZおよびReは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(vii)飽和3〜6員炭素環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(viii)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する部分的に不飽和の3〜6員単環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(ix)部分的に不飽和の3〜6員炭素環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(x)

0146

(但し、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xi)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する部分的に不飽和の4〜6員複素環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xii)

0147

(但し、各RおよびReは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または(xiii)0〜2個の窒素を有する6員芳香環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Re基は上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xiv)

0148

(但し、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xv)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5員ヘテロアリール環(前記環は1〜3個のRe基で置換されており、各Re基は上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xvi)

0149

(但し、各RおよびReは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または、
(xvii)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式の飽和環、部分的に不飽和な環またはアリール環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである)
から選択されるか、
(p)Lは、共有結合、−CH2−、−NH−、−C(O)−、−CH2NH−、−NHCH2−、−NHC(O)−、−NHC(O)CH2OC(O)−、−CH2NHC(O)−、−NHSO2−、−NHSO2CH2−、−NHC(O)CH2OC(O)−または−SO2NH−であり;Yは、
(i)オキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで置換されたC1〜6アルキル;または
(ii)オキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC2〜6アルケニル;または
(iii)オキソ、ハロゲン、NO2もしくはCNで任意選択で置換されたC2〜6アルキニル;または
(iv)酸素もしくは窒素から選択される1個のヘテロ原子を有する飽和3〜4員複素環(前記環は1〜2個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(v)酸素もしくは窒素から選択される1〜2個のヘテロ原子を有する飽和5〜6員複素環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(vi)

0150

(但し、各R、Q、ZおよびReは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(vii)飽和3〜6員炭素環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(viii)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する部分的に不飽和の3〜6員単環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(ix)部分的に不飽和の3〜6員炭素環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(x)

0151

(但し、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xi)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する部分的に不飽和の4〜6員複素環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xii)

0152

(但し、各RおよびReは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または(xiii)0〜2個の窒素を有する6員芳香環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、各Re基は上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xiv)

0153

(但し、各Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xv)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5員ヘテロアリール環(前記環は1〜3個のRe基で置換されており、各Re基は上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または
(xvi)

0154

(但し、各RおよびReは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである);または、
(xvii)窒素、酸素もしくはイオウから独立に選択される0〜3個のヘテロ原子を有する8〜10員の二環式の飽和環、部分的に不飽和な環またはアリール環(前記環は1〜4個のRe基で置換されており、Reは上記に定義し、かつ本明細書で説明する通りである)
から選択される。

0155

特定の実施形態では、式IaまたはIbのY基は以下の表3に示したものから選択される。ここで、各波線は、分子の残りとの結合点を表す。

0156

0157

0158

0159

(式中、各Reは独立に、適切な脱離基、NO2、CNまたはオキソである)
特定の実施形態では、R1は、−C≡CH、−C≡CCH2NH(イソプロピル)、−NHC(O)C≡CCH2CH3、−CH2−C≡C−CH3、−C≡CCH2OH、−CH2C(O)C≡CH、−C(O)C≡CHまたは−CH2OC(=O)C≡CHである。いくつかの実施形態では、R1は、−NHC(O)CH=CH2、−NHC(O)CH=CHCH2N(CH3)2または−CH2NHC(O)CH=CH2から選択される。

0160

特定の実施形態では、R1は以下の表4に示したものから選択される。ここで、各波線は、分子の残りとの結合点を表す。

0161

0162

0163

0164

0165

(式中、各Reは独立に、適切な脱離基、NO2、CNまたはオキソである)
上に一般的に定義したように、R1は弾頭基であるか、またはR1とRxが環を形成している場合、−Q−Zは弾頭基である。特定の理論に拘するわけではないが、そうしたR1基すなわち弾頭基は、特定のタンパク質キナーゼの結合ドメインの重要なシステイン残基と共有結合的に結合するのに特に適していると考えられる。結合ドメインにシステイン残基を有するタンパク質キナーゼは当業者に公知であり、それらにはErbB1、ErbB2およびErbB4またはその変異体が含まれる。特定の実施形態では、本発明の化合物は、本発明の化合物が以下のシステイン残基:

0166

の1つまたは複数を標的とすることを特徴とする弾頭基を有する。

0167

したがって、いくつかの実施形態では、R1は、−L−Y部分がシステイン残基と共有結合し、それによって酵素を不可逆的に阻害することができることを特徴とする。特定の実施形態では、システイン残基は、ErbB1のCys797、ErbB2のCys805およびErbB4のCys803またはその変異体であり、提供される残基の番号付けはUniprotによる(ErbB1についてはコードPOO533;ErbB2についてはコードPO4626、ErbB4についてはQ15303)。親配列シグナルペプチドを含むか含まないかによって、ErbB1(EGFR)のCysは可変的に773または797と称されることを理解されよう。したがって、本発明によれば、ErbB1の関連するシステイン残基をCys773またはCys797と記載することができ、これらの用語は互換的に用いられる。

0168

当業者は、本明細書で定義されるような様々な弾頭基がそうした共有結合に適していることを理解されよう。そうしたR1基には、これらに限定されないが、本明細書で説明され、以下の表3で示すものが含まれる。

0169

上記式I−aおよびI−bに示したように、R1弾頭基はオルト−、メタ−またはパラ位にあってよい。特定の実施形態では、R1弾頭基は、その分子の残り部分に対してフェニル環メタ位にある。

0170

特定の実施形態では、R1は、−L−Y部分がTECのシステイン残基と共有結合し、それによって酵素を不可逆的に阻害することができることを特徴とする。いくつかの実施形態では、そのシステイン残基はCys449である。

0171

特定の実施形態では、R1は、−L−Y部分がBTKのシステイン残基と共有結合し、それによって酵素を不可逆的に阻害することができることを特徴とする。いくつかの実施形態では、そのシステイン残基はCys481である。

0172

特定の実施形態では、R1は、−L−Y部分がITKのシステイン残基と共有結合し、それによって酵素を不可逆的に阻害することができることを特徴とする。いくつかの実施形態では、そのシステイン残基はCys442である。

0173

特定の実施形態では、R1は、−L−Y部分がBMXのシステイン残基と共有結合し、それによって酵素を不可逆的に阻害することができることを特徴とする。いくつかの実施形態では、そのシステイン残基はCys496である。

0174

特定の実施形態では、R1は、−L−Y部分がJAK3のシステイン残基と共有結合し、それによって酵素を不可逆的に阻害することができることを特徴とする。いくつかの実施形態では、そのシステイン残基はCys909である。

0175

特定の実施形態では、R1は、−L−Y部分がTXKのシステイン残基と共有結合し、それによって酵素を不可逆的に阻害することができることを特徴とする。いくつかの実施形態では、そのシステイン残基はCys350である。

0176

当業者は、本明細書で定義されるような様々な弾頭基がそうした共有結合に適していることを理解されよう。そうしたR1基には、これらに限定されないが、本明細書で説明され、以下の表3で示すものが含まれる。

0177

本発明の化合物の例を以下の表5に示す。

0178

0179

0180

0181

0182

0183

0184

0185

0186

0187

0188

0189

0190

0191

0192

0193

0194

0195

0196

0197

0198

0199

0200

0201

0202

0203

0204

0205

0206

0207

0208

0209

0210

0211

0212

0213

0214

特定の実施形態では、本発明は、上記表5で示す任意の化合物または薬学的に許容されるその塩を提供する。

0215

特定の実施形態では、本発明は:

0216

0217

から選択される化合物または薬学的に許容されるその塩を提供する。

0218

本明細書で説明するように、本発明の化合物は、ErbB1、ErbB2、ErbB3およびErbB4またはその変異体の少なくとも1つの不可逆的阻害剤である。いくつかの実施形態では、提供化合物は、TECキナーゼ(例えば、BTK)およびJAK3の不可逆的阻害剤である。当業者は本発明の特定の化合物が可逆的阻害剤であることを理解されよう。特定の実施形態では、そうした化合物はアッセイ比較化合物として有用である。他の実施形態では、そうした可逆性化合物は、ErbB1、ErbB2、ErbB3、ErbB4、TECキナーゼおよび/またはJAK3またはその変異体の阻害剤として有用であり、したがって、本明細書で説明する1つまたは複数の障害を治療するのに有用である。本発明の例示的可逆性化合物は以下の構造を有する化合物または薬学的に許容されるその塩である。

0219

4.使用、処方および投与
薬学的に許容される組成物
他の実施形態によれば、本発明は、本発明の化合物または薬学的に許容されるその誘導体および薬学的に許容される担体、補助剤または媒体を含む組成物を提供する。本発明の組成物中の化合物の量は、生物学的試料または患者において、タンパク質キナーゼ、特にErbB1、ErbB2、ErbB3、ErbB4、TECキナーゼおよび/またはJAK3またはその変異体の少なくとも1つを、測定可能な程度に阻害するのに有効な量である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の化合物の量は、生物学的試料または患者において、ErbB1、ErbB2、ErbB3、ErbB4、TECキナーゼおよび/またはJAK3またはその変異体の少なくとも1つを、測定可能な程度に阻害するのに有効な量である。特定の実施形態では、本発明の組成物を、そうした組成物を必要とする患者に投与するために処方する。いくつかの実施形態では、本発明の組成物を、患者に経口投与するために処方する。

0220

本明細書で用いる「患者」という用語は、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。

0221

「薬学的に許容される担体、補助剤または媒体」という用語は、それを用いて処方される化合物の薬理学的活性を無効にしない非毒性担体、補助剤または媒体を指す。本発明の組成物で使用できる薬学的に許容される担体、補助剤または媒体には、これらに限定されないが、イオン交換体アルミナステアリン酸アルミニウムレシチン血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシンソルビン酸もしくはソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミンリン酸水素二ナトリウムリン酸水素カリウム塩化ナトリウム亜鉛塩コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウムポリビニルピロリドンセルロースベース物質ポリエチレングリコールナトリウムカルボキシメチルセルロースポリアクリレートワックスポリエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれる。

0222

「薬学的に許容される誘導体」は、レシピエントに投与して、直接的かまたは間接的に、本発明の化合物あるいは阻害剤として活性な代謝産物またはその残基を提供できる本発明の化合物の任意の非毒性塩エステル、エステルの塩または他の誘導体を意味する。

0223

本明細書で用いる「阻害剤として活性な代謝産物またはその残基」という用語は、代謝産物またはその残基がErbB1、ErbB2、ErbB3、ErbB4、TECキナーゼおよび/またはJAK3またはその変異体の少なくとも1つの阻害剤でもあることを意味する。

0224

本発明の組成物は、経口、非経口吸入噴霧局所、経直腸経鼻頬側経膣または埋め込み式リザーバーにより投与することができる。本明細書で用いる「非経口」という用語には、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、肝臓内病巣内および頭蓋内への注射または注入技術が含まれる。組成物は、経口、腹腔内または静脈内で投与することが好ましい。本発明の組成物の滅菌注射剤の形態は、水性または油性の懸濁液であってよい。これらの懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、当業界で公知の技術に従って処方することができる。滅菌注射用製剤は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤もしくは溶媒中の滅菌注射液剤または懸濁剤、例えば1,3−ブタンジオール中の液剤であってもよい。使用できる許容される媒体および溶媒には、水、リンガー溶液および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌固定油は、溶媒または懸濁化媒体として慣用的に使用される。

0225

そのために、合成モノまたはジグリセリドを含む任意の滅菌固定油を用いることができる。オレイン酸およびそのグリセリド誘導体などの脂肪酸は、注射剤の調製に有用であり、オリーブ油またはヒマシ油などの天然の薬学的に許容される油(特にそのポリオキシエチル化されたタイプのもの)も同様に有用である。これらの油状液剤または懸濁剤は、カルボキシメチルセルロース、または乳剤および懸濁剤を含む薬学的に許容される剤形の調製で通常用いられる同様の分散剤などの長鎖アルコール希釈剤または分散剤も含むことができる。Tweens、Spansなどの他の通常使用される界面活性剤、および、薬学的に許容される固体液体または他の剤形の製造において通常使用される他の乳化剤または生物学的利用能増進剤を処方のために使用することができる。

0226

本発明の薬学的に許容される組成物は、これらに限定されないが、カプセル剤錠剤、水性の懸濁剤または液剤を含む経口的に許容される任意の剤形で経口投与することができる。経口使用のための錠剤の場合、通常使用される担体には、ラクトーストウモロコシでんぷんが含まれる。ステアリン酸マグネシウムなどの滑剤も通常添加される。カプセルの形態での経口投与に有用な希釈剤には、ラクトースや乾燥トウモロコシでんぷんが含まれる。経口使用のために水性懸濁剤が必要な場合、活性成分を、乳化剤および懸濁化剤と混合する。望むなら、特定の甘味剤香味剤または着色剤も加えることができる。

0227

あるいは、本発明の薬学的に許容される組成物は、直腸投与のための坐剤の形態で投与することができる。これらは、その薬剤を、室温で固体であるが直腸温度で液体であり、したがって直腸内で溶融して薬物を放出する適切な非刺激性賦形剤と混合することによって調製することができる。そうした材料には、ココアバター蜜ろうおよびポリエチレングリコールが含まれる。

0228

本発明の薬学的に許容される組成物は、特に、治療の標的が、眼、皮膚または下部腸管の疾患などの局所使用により容易に到達できる領域または器官を含む場合、局所で投与することもできる。適切な局所処方物は、これらの領域または器官のそれぞれを目的として容易に調製される。

0229

下部腸管のための局所使用は、直腸坐剤処方(上記参照)または適切なかん腸製剤で実施することができる。局所用経皮パッチも使用することができる。

0230

局所使用のために、提供される薬学的に許容される組成物は、1つまたは複数の担体中に懸濁または溶解させた活性成分を含む適切な軟膏剤で処方することができる。本発明の化合物の局所投与のための担体には、これらに限定されないが、鉱油流動ワセリン白色ワセリンプロピレングリコールポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろうおよび水が含まれる。あるいは、提供される薬学的に許容される組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容される担体中に懸濁または溶解させた活性成分を含む適切なローション剤またはクリーム剤で処方することができる。適切な担体には、これらに限定されないが、鉱油、モノステアリン酸ソルビタンポリソルベート60、セチルエステルワックスセテアリルアルコール、2−オクチルドデカノールベンジルアルコールおよび水が含まれる。

0231

眼での使用のために、提供される薬学的に許容される組成物は、塩化ベンジルアルコニウムなどの保存剤を用いるか用いないで、等張性のpH調節滅菌食塩水中の微粉末懸濁剤として、または、好ましくは等張性のpH調節滅菌食塩水中の液剤として処方することができる。あるいは、眼での使用のために、薬学的に許容される組成物を、ペトロラタムなどの軟膏剤で処方することができる。

0232

本発明の薬学的に許容される組成物は、エアロゾルまたは吸入により投与することもできる。そうした組成物は、製剤処方技術分野で周知の技術によって調製され、ベンジルアルコールまたは他の適切な保存剤、生物学的利用能を促進させる吸収促進剤フルオロカーボンおよび/または他の慣用的な可溶化剤または分散剤を用いて、生理食塩水中の液剤として調製することができる。

0233

本発明の薬学的に許容される組成物は、経口投与用に処方することが最も好ましい。

0234

担体材料と混合して単一剤形の組成物を得ることができる本発明の化合物の量は、治療を受ける宿主、具体的な投与方式によって変わることになる。好ましくは、提供される組成物は、0.01〜100mg/kg体重/日の範囲の阻害剤の投薬量が、これらの組成物を受け入れる患者に投与されるように処方すべきである。

0235

特定の任意の患者に対する具体的な投薬および治療レジメンは、使用する具体的な化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康、性別食事、投与時間、排出速度、薬物の組合せ、ならびに担当医の判断および治療を受ける具体的な疾患の重篤度を含む様々な因子に依存することも理解すべきである。組成物中の本発明の化合物の量は、組成物中の具体的な化合物にも依存する。

0236

化合物および薬学的に許容される組成物の使用
本明細書で説明する化合物および組成物は一般に、1つまたは複数の酵素のタンパク質キナーゼ活性を阻害するのに有用である。

0237

薬物耐性は、標的療法についての重要な課題として浮かび上がってきている。例えば、薬物耐性は、Gleevec(登録商標)およびIressa(登録商標)ならびに開発中のいくつかの他のキナーゼ阻害剤について報告されている。さらに、薬物耐性はcKitおよびPDGFR受容体についても報告されている。不可逆的阻害剤は、薬物耐性形態のタンパク質キナーゼに対して有効であると報告されている(Kwak、E.L.、R.Sordellaら(2005年)。「EGF受容体の不可逆的阻害剤はゲフィチニブに対する獲得耐性を回避することができる」。PNAS102巻(21号):7665〜7670頁)。特定の理論に拘泥するわけではないが、本発明の化合物は、薬物耐性形態のタンパク質キナーゼの有効な阻害剤であると考えられる。

0238

本明細書で用いる「臨床薬物耐性」という用語は、薬物標的における変異の結果としての薬物療法に対する薬物標的の感受性損失を指す。

0239

本明細書で用いる「耐性」という用語は、標的タンパク質をコード化する野生型核酸配列および/または標的のタンパク質配列の変化であって、阻害剤の標的タンパク質に対する阻害効果を低減させるかまたは終わらせる変化を指す。

0240

本明細書で説明する化合物および組成物によって阻害され、それに対して本明細書で説明する方法が有用であるキナーゼの例には、ErbB1、ErbB2、ErbB3、ErbB4、TECキナーゼ(BTK、ITK、TEC、BMXおよびRLKを含む)、および/またはJAK3またはその変異体が含まれる。

0241

ErbB1、ErbB2、ErbB3、ErbB4、TECキナーゼおよび/またはJAK3またはその変異体の阻害剤として本発明において使用される化合物の活性は、インビトロインビボまたは細胞系でアッセイすることができる。インビトロでのアッセイは、活性化ErbB1、ErbB2、ErbB3、ErbB4、TECキナーゼおよび/またはJAK3またはその変異体のリン酸化活性および/または続く機能的結果かまたはATPase活性の阻害を判定するアッセイを含む。インビトロでの代替のアッセイは、阻害剤がErbB1、ErbB2、ErbB3、ErbB4、TECキナーゼおよび/またはJAK3と結合する能力を定量化するものである。阻害剤結合は、結合する前に阻害剤を放射性同位体ラベル付けし、阻害剤/ErbB1、阻害剤/ErbB2、阻害剤/ErbB3、阻害剤/ErbB4、阻害剤/TECキナーゼ(すなわち、TEC、BTK、ITK、RLKおよびBMX)または阻害剤/JAK3複合体を単離し、結合した放射性標識の量を判定することによって測定することができる。あるいは、阻害剤の結合は、新規な阻害剤を、公知の放射性リガンドと結合したErbB1、ErbB2、ErbB3、ErbB4、TECキナーゼおよび/またはJAK3でインキュベートする競合実験を実施して判定することができる。ErbB1、ErbB2、ErbB3、ErbB4、TECキナーゼおよび/またはJAK3またはその変異体の阻害剤として本発明で使用する化合物をアッセイするための詳細な条件は、以下の実施例で示す。

0242

タンパク質チロシンキナーゼは、ATPまたはGTPからタンパク性基質上に位置するチロシン残基へのリン酸基の移動の触媒作用をする酵素の部類である。受容体チロシンキナーゼは、リン酸化イベントを介して二次伝達エフェクターを活性化することによって、細胞の外側から内側へシグナルを伝達するように作用する。様々な細胞過程は、増殖、炭水化物利用、タンパク質合成、血管形成細胞成長、および細胞生存を含むこれらのシグナルによって促進される。

0243

(a)ErbBファミリー
受容体チロシンキナーゼの主要ファミリーであるErbB受容体は、チロシンキナーゼ活性を有する細胞外リガンド結合ドメイン単一膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインを含む。ErbBファミリーは、ErbB1(EGFRとして一般に公知である)、ErbB2(HER2またはneuとして一般に公知である)、ErbB3(HER3として一般に公知である)およびErbB4(HER4として一般に公知である)を含む。種々の受容体ファミリーメンバーについて、10個を超えるリガンド(EGF、TGFα、AR、BTCEPR、HB−EGF、NRG−1、NRG−2、NRG−3、NRG−4を含む)が特定されている。リガンド結合すると、細胞外ドメイン構造変化を受け、ErbBファミリーの他のメンバーとのホモ二量体またはヘテロ二量体が形成される。二量化は、アダプタータンパク質および下流エフェクターのためのドッキング部位として働く細胞内ドメインにおける特定の残基のチロシンリン酸化を誘発する。いくつかの関連では、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)およびマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ経路の活性化が起こり、細胞の増殖および生存をもたらす(Lin、N.U.;Winer、E.P.、BreastCancer Res6巻:204〜210頁、2004年)。

0244

ファミリーメンバー間の相互作用は、既知のリガンドをもたないErbB2およびキナーゼデッドであるErbB3の欠如によって必要となる。EGFR、ErbB3およびErbB4はリガンドと結合してErbB受容体のホモ二量化またはヘテロ二量化を誘発し、他方、ErbB2は好ましい二量化パートナーとして機能する。二量体同一性が、どの下流経路を活性化するかを決定するため、対組合せの組成物はシグナル多様化に重要である。ErbBシグナル伝達経路における代表的な下流遺伝子産物には、Shc、Grb2、SOS1、Ras、Raf1、Mek、ERK1、ERK2、ERα、Akt、mTOR、FKHR、p27、サイクリンD1、FasL、GSK−3、BadおよびSTAT3が含まれる。

0245

すべての充実性腫瘍の60%超は、これらのタンパク質またはそのリガンドの少なくとも1つを過剰発現するので、ヒト癌において、EGFRおよびErbBファミリーの他のメンバーが関与するという強力な先例がある。切断された細胞外ドメインを有する構成的に活性な発癌性EGFRvIII、変異体は、最大で乳癌の78%において存在すると報告されており、また、グリア芽腫においても見出されている。EGFRの過剰発現は胸部頭頸部、膀胱腫瘍において見られるが、ErbB2発現はしばしば上皮由来ヒト腫瘍において増進される。チロシンキナーゼドメインにおける活性化変異が、非小細胞肺癌を有する患者において特定されている(Lin、N.U.;Winer、E.P.、Breast Cancer Res6巻:204〜210頁、2004年)。ErbB1および/またはErbB2の増幅は、扁平上皮細胞癌、唾液腺癌、卵巣癌および膵臓癌にも関与している(Cooper、G.C.Oncogenes.第2版、Sudbury:Jones and Barlett、1995年;Zhang、Y.ら、Cancer Res66巻:1025〜32頁、2006年)。ErbB2の過剰発現は、強力な形質転換活性を有するが、これは多分他のErbB受容体と協働するその能力のためである(Sherman、L.ら、Oncogene18巻:6692〜99頁、1999年)。実際、EGFRとErbB2の両方を過剰発現するいくつかのヒト癌は、受容体だけを過剰発現する癌より予後がより不良なものとなる。

0246

ErbBシグナル伝達ネットワークはしばしば乳癌の発症における重要な要素である。ErbB2の増幅は、比較的速い腫瘍成長内臓部への転移拡散および薬物耐性を特徴とする悪性腫瘍表現型と関係がある。ErbB2は、腋窩リンパ節転移陰性(「ANN」)の乳癌症例の20%において増幅されることが分かっており、この増幅は、ANN乳癌の再発のリスクのための独立した予後因子として特定されている(Andrulis、I.L.ら、J Clin Oncol 16巻:1340〜9頁、1998年)。

0247

ErbB2を対象としたモノクローナル抗体であるトラスツズマブ(Herceptin)を用いた、ErbBシグナル伝達の標的化による遮断は、ErbB2陽性の進行乳癌を有する女性生存率を向上させることが示されている。ErbB受容体に対する他のモノクローナル抗体には、セツキシマブ(Erbitux)およびパニツムマブ(Vectibix)が含まれる。

0248

いくつかの小分子チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)はErbBファミリーメンバーに対して選択的に作用することが分かっている。注目すべき例にはゲフィチニブ(Iressa)とエルロチニブ(Tarceva)が含まれ、どちらもEGFRを標的とする。これらの小分子は、受容体のキナーゼドメインへの結合についてATPと競合する。モノクローナル抗体と比べると、TKIは、それらが経口で生物学的に利用可能であり、良好な耐容性を示し、切断された形態のErbB2およびEGFR受容体(例えば、EGFR vIII)に対してインビトロで活性であるようであるという点でいくつかの利点を有している。さらに、小分子TKIの小さなサイズによって、中枢神経系などの避難場所(sanctuary site)への浸透が可能になる。最後に、ErbB受容体のキナーゼドメイン間の相同性によって、ErbBファミリーの2つ以上のメンバーを同時に標的とするTKIの開発が可能になり、その利点を本明細書で説明する。

0249

ある種の悪性腫瘍は個々の受容体の過剰発現と関連しているが、効果的なシグナル伝達は、ErbB受容体ファミリーメンバーの共発現に依存する。シグナル伝達および悪性形質転換におけるErbB受容体ファミリーメンバーのこの協働は、癌の治療において個々の受容体を標的とする薬剤が首尾よくいくのを制限する可能性があり;単一ErbB受容体を標的とする薬剤への耐性の可能性のある機序は、受容体ファミリーの他のメンバーの上方調節である(Britten、C.D.、Mol Cancer Ther3巻:1335〜42頁、2004年)。

0250

2つ以上のErbB受容体を標的とする薬剤はpan−ErbB制御因子と称される。ERRPは、大部分の良性膵管上皮および島細胞において発現されるpan−ErbBの負の制御因子である。腫瘍は、ERRP発現において進行的消失を受けることが分かっている。ErbituxおよびHerceptinが、限られた患者ベース(EGFRまたはErbB2の高度の発現を有する腫瘍)でうまくいくことは、複数のErbBファミリーメンバーの共発現に一部起因する可能性がある。

0251

インビトロモデルとインビボモデルの両方において、二元的なErbBアプローチを用いるストラテジーは、単一のErbB受容体を標的とする薬剤より大きな抗腫瘍活性を有するようである。したがって、ErbBファミリーの複数のメンバーを標的とする薬剤は、より広範な患者集団に治療的有用性を提供しそうである(Zhang、Y.ら、Cancer Res66巻:1025〜32頁、2006年)。特定の実施形態では、ErbB1、ErbB2、ErbB3およびErbB4の1つまたは複数を阻害する化合物を提供する。いくつかの実施形態では、ErbB1、ErbB2、ErbB3およびErbB4またはその変異体の2つ以上を阻害する化合物を提供する。したがってそれらはpan−ErbB阻害剤である。

0252

明らかに、癌治療において2つ以上のErbB(すなわち、pan−ErbB)受容体の同時阻害を支持する証拠が増えてきている。可能性のある小分子を用いたpan−ErbBアプローチは、個々のErbB受容体を標的とする薬剤の組合せを使用するか、複数のErbB受容体を標的とする単一の薬剤を使用するか、または、ErbB受容体相互作用(例えば、二量化)を妨害する薬剤を使用するアプローチを含む。他のストラテジーは、抗体と併用して小分子を用いる治療法または化学予防療法を含む(Lin、N.U.;Winer、E.P.、Breast Cancer Res6巻:204〜210頁、2004年)。

0253

小分子pan−ErbB阻害の例は、細胞内キナーゼドメインのATP結合部位と共有結合的に結合する不可逆性pan−ErbB阻害剤、CI−1033である。別の不可逆性pan−ErbB受容体チロシンキナーゼ阻害剤はHKI−272であり、これは、培養液中および異種移植片においてErbB−1(EGFR)およびErbB−2(HER−2)を発現する腫瘍細胞の成長を阻害し、HER−2陽性乳癌において抗腫瘍活性を有する(Andrulis、I.L.ら、J Clin Oncol 16巻:1340〜9頁、1998年)。不可逆的阻害剤は、可逆的阻害と比較して優れた抗腫瘍活性をもつことが実証されている。

0254

神経線維腫症I型(NF1)は、2500〜3500人に1人罹る優性遺伝性のヒトの疾患である。骨、皮膚、虹彩を含むいくつかの臓器系が冒され、学習障害神経膠腫に見られるように中枢神経系が冒される。NF1の特徴は末梢神経系の良性腫瘍神経繊維腫)の進行であり、これは患者間でその数とサイズの両方が大きく変化する。神経繊維腫は、シュワン細胞、神経細胞線維芽細胞および他の細胞を含む異質腫瘍であり、シュワン細胞は主要な(60〜80%)細胞型である。

0255

EGFRの異常発現は、NF1およびNF1動物モデルにおける腫瘍成長と関係しており、これは発症における役割示唆し、新規な潜在的治療標的を示している。EGFR発現は、EGFが細胞の成長を推進する主因ではない条件下で、NF1患者から得られる腫瘍細胞系の成長に影響を及ぼす。これらのデータは、EGFRがNF1腫瘍形成およびシュワン細胞形質転換において重要な役割を果たすことができることを示唆している(DeClue、J.E.ら、J Clin Invest105巻:1233〜41頁、2000年)。

0256

NF1を有する患者は、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)として公知である侵襲性のシュワン細胞新生物を発現する。シュワン細胞は、末梢神経系における主要な支持細胞集団である。これらの新生物内の腫瘍性シュワン細胞は、ErbBチロシンキナーゼ媒介NRG−1応答(ErbB2、ErbB3、ErbB4)を可変的に発現する。ニューレグリン−1(NRG−1)タンパク質は成長している神経系における多くの細胞型の分化、生存および/または増殖を促進し、ミエリン形成シュワン細胞におけるNRG−1の過剰発現は、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)の生成を誘発する(Fallon、K.B.ら、J Neuro Oncol 66巻:273〜84頁、2004年)。

0257

シュワン細胞成長の調節解除は、神経線維腫症I型(NF1)患者における良性神経繊維腫とMPNSTの両方の進行を促進する主な欠陥である。MPNSTおよび形質転換マウスシュワン細胞のインビトロでの成長は、高度にEGF依存性であり、EGFが主要成長因子である条件下でEGFR阻害剤によって遮断することができる。いくつかのヒトMPNST細胞系は、構成的ErbBリン酸化を示すことが分かっている。ErbB阻害剤を用いた治療は、ErbBリン酸化を終わらせこれらの系におけるDNA合成を低下させるが、MPNSTのための有効な化学療法レジメンは見つからないままである(Stonecypher、M.S.ら、Oncogene24巻:5589〜5605頁、2005年)。

0258

シュワン腫は、シュワン様細胞のほとんど全体を含む末梢神経腫瘍であり、一般に、神経線維腫症II型(NF2)腫瘍抑制遺伝子において変異を有する。NF2患者の90%が両側性前庭シュワン腫および/または脊髄シュワン腫を発現する。拡大するシュワン腫は隣接臓器を圧迫し、難聴や他の神経学的問題をもたらす恐れがある。これらの腫瘍の外科切除は困難であり、しばしば高い患者死亡率をもたらす。

0259

正常ヒトシュワン細胞とシュワン腫細胞はどちらもニューレグリン受容体(すなわち、ErbB受容体)を発現し、ニューレグリンに応答してシュワン腫細胞が増殖する。異常なニューレグリン産生または応答は、異常なシュワン腫細胞増殖に影響を及ぼす可能性がある(Pelton、P.D.ら、Oncogene17巻:2195〜2209頁、1998年)。

0260

NF2腫瘍抑制因子マーリンは、チロシンキナーゼ活性の制御に関与する細胞膜細胞骨格関連タンパク質である。マーリン変異とEGFR経路変異の間の遺伝的相互作用が、ショウジョウバエ(Drosophila)で報告されている(LaJeunesse、D.R.ら、Genetics158巻:667〜79頁、2001年)。他の証拠は、マーリンは、そこからはシグナル伝達することも内部移行することもできない細胞膜コンパートメントへEGFRが入れないようにすることによって、細胞と細胞の接触によりEGFR内部移行およびシグナル伝達を阻害できることを示唆している(McClatchey、A.I.ら、Genes and Development19巻:2265〜77頁、2005年;Curto、M.C.ら、J Cell Biol 177巻:893〜903頁、2007年)。

0261

本明細書で用いる「治療(treatment)」、「治療する(treat)」および「治療する(treating)」という用語は、本明細書で説明するような疾患または障害あるいは1つまたは複数のその症状の発症を逆転緩和遅延させるか、あるいはその進行を阻止することを指す。いくつかの実施形態では、治療を、1つまたは複数の症状が発現した後に施すことができる。他の実施形態では、治療を症状がまだ無いうちに施すことができる。例えば、治療を症状の発症前にその病気にかかりやすい個体に(例えば、病歴に照らして、かつ/または遺伝的因子または他の感受性因子に照らして)施すことができる。例えばその再発を防止するまたは遅延させるために、症状が解消した後も治療を続行することができる。

0262

提供化合物は、ErbB1、ErbB2、ErbB3およびErbB4の1つまたは複数の阻害剤であり、したがって、ErbB1、ErbB2、ErbB3およびErbB4の1つまたは複数(one of more)の活性に関連する1つまたは複数の障害を治療するのに有用である。したがって、特定の実施形態では、本発明は、それを必要とする患者に本発明の化合物または薬学的に許容されるその組成物を投与するステップを含む、ErbB1媒介、ErbB2媒介、ErbB3媒介および/またはErbB4媒介の障害を治療するための方法を提供する。

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