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技術 膵臓癌の検出方法及び検出用キット

出願人 東ソー株式会社
発明者 仲田大輔
出願日 2013年4月15日 (7年7ヶ月経過) 出願番号 2013-084915
公開日 2014年10月30日 (6年0ヶ月経過) 公開番号 2014-206491
状態 特許登録済
技術分野 生物学的材料の調査,分析
主要キーワード 体外診断薬 測定検体 免疫測定装置 シグマアルドリッチ社 検出性能 水不溶性担体 区別可能 早期発見
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年10月30日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (3)

課題

膵臓癌を検出可能なより確実性の高い方法を提供することである。

解決手段

膵臓特異的リボヌクレアーゼ1を認識する抗体(a)、・抗体(a)とは異なる部位で膵臓特異的リボヌクレアーゼ1を認識する抗体(b)、及び・試料、を接触させ、抗体(a)及び(b)と複合体を形成した膵臓特異的リボヌクレアーゼ1を測定し、その値が健常人から得られた試料を用いて測定した場合よりも高い値を示した場合に膵臓癌とする、膵臓癌の検出方法

概要

背景

膵臓癌は、早期発見の難しい癌の1つである。非特許文献1によれば、血清中リボヌクレアーゼ酵素活性を測定すると、膵臓癌患者から得られた血清中では酵素活性が増加していることを示しており、他の臓器癌患者から得られた血清中のリボヌクレアーゼ酵素活性に比べて高い値を示すことが、報告されている。一方で、非特許文献2によれば、血清中のリボヌクレアーゼ酵素活性を測定すると、非特許文献1と同様に膵臓癌患者から得られた血清中では酵素活性が増加していることが報告されているが、他の臓器癌患者から得られた血清中の酵素活性も増加しているため、膵臓癌を明確に区別できなかったと報告されている。以上の文献は、両者とも酵素活性を測定しており、酵素活性を持つ酵素自体を明確に特定していないが、基質特異性などの特徴から血清中のリボヌクレアーゼが、膵臓由来の酵素と同一であると結論づけている。両文献の酵素活性測定の結果において、癌の組織特異性に関して異なる結果が示されたことは、リボヌクレアーゼ酵素活性測定による癌の検出は、確実性欠く手法であることを示唆している。

特許文献1では、膵臓特異的RNase1を認識する抗体による免疫学的測定法によって、各種癌由来培養細胞培養上清分泌された膵臓特異的RNase 1の量を測定する例が示されている。膵臓癌由来細胞から膵臓特異的RNase 1が検出され、胃癌および肺癌由来細胞株の培養上清中には膵臓特異的RNase 1が検出されなかったという結果をもって、膵臓癌の検出が可能であるとしている。また、膵臓癌由来細胞ではないヒト臍帯血内皮細胞株HUVECからも膵臓特異的RNase 1が検出されることが示されている。非特許文献1および2の結果によれば、健常者の血清中にもリボヌクレアーゼ活性が検出されることから、膵臓由来正常細胞も膵臓特異的RNase 1を分泌している可能性があることは推定されるにも関わらず、特許文献1には膵臓由来正常細胞の測定例は示されていない。さらには、非特許文献3によると膵臓癌由来培養細胞であっても、膵臓特異的RNase 1を分泌しない細胞も存在していることが明らかである。よって特許文献1に提示された方法は、当時の公知事実から判断して、膵臓特異的RNase 1を分泌する培養細胞を検出する方法を提供しているに過ぎず、体外診断薬のような医学的な見地にのっとった膵臓癌の検出方法については何ら開示・示唆はない。

概要

膵臓癌を検出可能なより確実性の高い方法を提供することである。・膵臓特異的リボヌクレアーゼ1を認識する抗体(a)、・抗体(a)とは異なる部位で膵臓特異的リボヌクレアーゼ1を認識する抗体(b)、及び・試料、を接触させ、抗体(a)及び(b)と複合体を形成した膵臓特異的リボヌクレアーゼ1を測定し、その値が健常人から得られた試料を用いて測定した場合よりも高い値を示した場合に膵臓癌とする、膵臓癌の検出方法。

目的

本発明が解決しようとする課題は、膵臓癌を検出可能なより確実性の高い方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

膵臓特異的リボヌクレアーゼ1を認識する抗体(a)、・抗体(a)とは異なる部位で膵臓特異的リボヌクレアーゼ1を認識する抗体(b)、及び・試料、を接触させ、抗体(a)及び(b)と複合体を形成した膵臓特異的リボヌクレアーゼ1を測定し、その値が健常人から得られた試料を用いて測定した場合よりも高い値を示した場合に膵臓癌とすることを特徴とする、膵臓癌の検出方法

請求項2

請求項1の検出方法において、膵臓癌が病期ステージIVの膵臓癌である方法。

請求項3

・膵臓特異的リボヌクレアーゼ1を認識する抗体(a)、及び・抗体(a)とは異なる部位で膵臓特異的リボヌクレアーゼ1を認識する抗体(b)、を有することを特徴とする、膵臓癌検出用キット

請求項4

請求項3のキットにおいて、膵臓癌が病期ステージIVの膵臓癌であるキット。

技術分野

0001

本発明は、膵臓癌検出方法及び検出用キットに関する。より詳しくは、試料中の膵臓特異的リボヌクレアーゼ1(以下、リボヌクレアーゼ1を「RNase1」と称する)を免疫学的手法により測定することによる膵臓癌の検出方法及び検出用キットに関する。

背景技術

0002

膵臓癌は、早期発見の難しい癌の1つである。非特許文献1によれば、血清中のリボヌクレアーゼ酵素活性を測定すると、膵臓癌患者から得られた血清中では酵素活性が増加していることを示しており、他の臓器癌患者から得られた血清中のリボヌクレアーゼ酵素活性に比べて高い値を示すことが、報告されている。一方で、非特許文献2によれば、血清中のリボヌクレアーゼ酵素活性を測定すると、非特許文献1と同様に膵臓癌患者から得られた血清中では酵素活性が増加していることが報告されているが、他の臓器癌患者から得られた血清中の酵素活性も増加しているため、膵臓癌を明確に区別できなかったと報告されている。以上の文献は、両者とも酵素活性を測定しており、酵素活性を持つ酵素自体を明確に特定していないが、基質特異性などの特徴から血清中のリボヌクレアーゼが、膵臓由来の酵素と同一であると結論づけている。両文献の酵素活性測定の結果において、癌の組織特異性に関して異なる結果が示されたことは、リボヌクレアーゼ酵素活性測定による癌の検出は、確実性欠く手法であることを示唆している。

0003

特許文献1では、膵臓特異的RNase1を認識する抗体による免疫学的測定法によって、各種癌由来培養細胞培養上清分泌された膵臓特異的RNase 1の量を測定する例が示されている。膵臓癌由来細胞から膵臓特異的RNase 1が検出され、胃癌および肺癌由来細胞株の培養上清中には膵臓特異的RNase 1が検出されなかったという結果をもって、膵臓癌の検出が可能であるとしている。また、膵臓癌由来細胞ではないヒト臍帯血内皮細胞株HUVECからも膵臓特異的RNase 1が検出されることが示されている。非特許文献1および2の結果によれば、健常者の血清中にもリボヌクレアーゼ活性が検出されることから、膵臓由来正常細胞も膵臓特異的RNase 1を分泌している可能性があることは推定されるにも関わらず、特許文献1には膵臓由来正常細胞の測定例は示されていない。さらには、非特許文献3によると膵臓癌由来培養細胞であっても、膵臓特異的RNase 1を分泌しない細胞も存在していることが明らかである。よって特許文献1に提示された方法は、当時の公知事実から判断して、膵臓特異的RNase 1を分泌する培養細胞を検出する方法を提供しているに過ぎず、体外診断薬のような医学的な見地にのっとった膵臓癌の検出方法については何ら開示・示唆はない。

0004

特開2010−180174号公報

先行技術

0005

Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 73, 2308−10 (1976)
J. Clin. Pathol. 33, 1212−3 (1980)
Eur. J. Biochem. 267, 1484−94 (2000)

発明が解決しようとする課題

0006

本発明が解決しようとする課題は、膵臓癌を検出可能なより確実性の高い方法を提供することである。

課題を解決するための手段

0007

本発明者は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、膵臓癌患者から得られた試料中の膵臓特異的RNase1を免疫学的測定法によって測定した場合に、健常人から得られた試料中の膵臓特異的RNase 1を測定した場合よりも高い値を示すことを見いだし、本発明を完成するに至った。

0008

即ち本発明は、以下のとおりである。
(1)・膵臓特異的RNase1を認識する抗体(a)、
・抗体(a)とは異なる部位で膵臓特異的RNase 1を認識する抗体(b)、及び
・試料、
を接触させ、抗体(a)及び(b)と複合体を形成した膵臓特異的RNase 1を測定し、その値が健常人から得られた試料を用いて測定した場合よりも高い値を示した場合に膵臓癌とすることを特徴とする、膵臓癌の検出方法。
(2)上述の(1)の検出方法において、膵臓癌が病期ステージIVの膵臓癌である方法。
(3)・膵臓特異的RNase 1を認識する抗体(a)、及び
・抗体(a)とは異なる部位で膵臓特異的RNase 1を認識する抗体(b)、
を有することを特徴とする、膵臓癌検出用キット。
(4)上述の(3)のキットにおいて、膵臓癌が病期ステージIVの膵臓癌であるキット。

0009

以下に本発明を更に詳細に説明する。本発明は、試料中の膵臓特異的RNase1を測定することにより、膵臓癌を検出するものである。試料中の膵臓特異的RNase 1は、認識部位の異なる2つの抗体(a)及び(b)を使用した免疫学的測定方法によって測定するものであって、リボヌクレアーゼ酵素活性を測定するものではない。本発明ではこのようにして得られた測定値が、健常人から得られた試料の測定値よりも高い値を示す場合に、膵臓癌であるとする検出方法である。測定に供される認識部位の異なる2つの抗体(a)及び(b)は、膵臓特異的RNase 1を認識するものであればよく特に限定されないが、膵臓特異的RNase 1の翻訳後修飾、特に糖鎖修飾に抗体の認識能が影響を受けないものが好ましい。また抗体は、モノクローナル抗体ポリクローナル抗体、又はそれらの断片であってもよい。これらの抗体はキット化し、膵臓癌の検出に用いることもできる。

0010

一方、本発明において測定対象となる試料は、特に限定されるものではないが、人から採取された体液であることが好ましく、特に血清試料であることがもっとも好ましい。

0011

このような試料を前述の2つの抗体(a)及び(b)と接触させ、抗体(a)及び(b)と複合体を形成した膵臓特異的RNase1を測定する。これはいわゆるサンドイッチ測定法といわれるものであり、抗体(a)及び(b)の一方は固相化し、他方は標識化することが好ましく、これにより測定を好都合に行うことができる。また試料と抗体(a)、(b)との反応の順序には特に限定はなく、同時に反応させてもよく、また順次反応させてもよい。

0012

このようにして抗体(a)及び(b)と複合体を形成した膵臓特異的RNase1を測定し、その値が健常人から得られた試料を用いて測定した場合よりも高い値を示す場合に、膵臓癌として検出するものである。

0013

特に本発明によれば、病期ステージIVの膵臓癌を検出することができる。膵臓癌は、国際がん連合(UICC)膵癌病期分類によると、後述の表1に記載したようにステージIVは「遠隔転移がある膵臓癌」と定義されている。「遠隔転移の有無」は、膵臓癌の治療、すなわち手術による切除可能か否かを決定する重要な因子であり、ステージIVの膵臓癌を検出可能な本発明の方法は、膵臓癌の治療方針決定において重要な判断材料を提供する。

発明の効果

0014

本発明により、膵臓癌の検出を行うことができ、特に病期ステージIVの膵臓癌を検出することができる。

図面の簡単な説明

0015

健常人血清、膵臓癌患者血清中の膵臓特異的RNase1をプロットしたグラフである。
膵臓癌患者血清を、国際体がん連合(UICC)膵癌病期分類に従ってステージ別に膵臓特異的RNase 1をプロットしたグラフである。

0016

実施例1膵臓特異的RNase1特異的抗体の作製
免疫原の調製]
ヒト膵臓特異的RNase 1全長を含むポリペプチドを取得するために、昆虫細胞発現可能なプラスミドベクター成熟型ヒト膵臓特異的RNase 1(配列番号1)をコードする遺伝子配列を挿入した発現プラスミドを作製した。詳しく説明すると、昆虫細胞組換えタンパク質発現用プラスミドであるpIZ/V5His vector(ライフテクノロジー社)のマルチクローニングサイトに、5’上流側からヒトイムノグロブリンカッパー鎖をコードする遺伝子配列、Hisタグをコードする遺伝子配列、FLAGタグをコードする遺伝子配列、及びヒト膵臓特異的RNase 1をコードする遺伝子配列(配列番号2)からシグナルペプチドであるアミノ酸1番から28番までに相当する84核酸残基の遺伝子を除いた領域(配列番号1)を挿入した。

0017

作製された発現プラスミドpIZ−KFH−hRNase1は、昆虫細胞株Sf9にCellfectin II (ライフテクノロジー社)を用いて遺伝子導入を実施したことにより、N末端側にヒトイムノグロブリンカッパー鎖が付加した組換え体ヒト膵臓特異的RNase 1が培地中に分泌されることを確認した。培地中に分泌されたタンパク質は、培養上清から抗ヒトイムノグロブリンカッパー軽鎖抗体を用いたアフィニティー精製により濃縮精製して免疫原とした。

0018

免疫動物への免疫]
上述の免疫原を用いてマウスおよびラットに免疫を実施した。詳しくは、マウスへの免疫の場合、100μgの免疫原をフロイント完全アジュバンドと共に、6週齢Balb/c雌マウス腹腔投与初回免疫とした。その後、7日後、14日後、21日後、28日後、35日後に免疫原100μgをフロイント不完全アジュバンドと共に腹腔投与し、追加免疫とした。さらに、42日後に免疫原100μgを生理食塩水と共に腹腔投与し、最終免疫とした。ラットへの免疫の場合は、100μgの免疫原をフロイント完全アジュバンドと共に、6週齢WHY雌ラット後肢フットパッドへ投与し初回免疫とした。その後、28日後に免疫原100μgを生理食塩水と共に後肢フットパッドへ投与し、最終免疫とした。

0019

抗体産生ハイブリドーマの作製]
最終免疫の3日後に、マウスから脾臓摘出し、脾臓細胞回収した。ラットからは、腸骨リンパ節鼠蹊リンパ節を摘出し、リンパ節細胞を得た。マウス脾臓細胞およびラットリンパ節細胞は、それぞれマウスミエローマ細胞株と電気細胞融合法により融合させた後、ヒポキサンチンアミノプテリン、およびチミジンを添加したGIT培地(和光純薬工業株式会社)で細胞培養用96ウェルプレート播種することにより、融合細胞を選択した。

0020

[マウス抗ヒト膵臓特異的RNase1抗体産生融合細胞株選定
マウス抗ヒト膵臓特異的RNase 1抗体産生融合細胞株は、融合細胞が培地中に分泌する抗体の、組換え体ヒト膵臓特異的RNase 1に対する反応性指標にしたELISA法によるスクリーニングにより選択した。スクリーニングに用いたELISAは以下の通りである。96穴マイクロタイタープレートグライナー社製)の各ウェルに25ngのヤギ抗ヒトイムノグロブリンカッパー鎖抗体シグマアルドリッチ社製)を含むリン酸緩衝液(50mMリン酸ナトリウム、150mM NaCl、pH7.4)を50μl加えて4℃16時間固定した。これらのウェルを300μlの洗浄液(20mM Tris−HCl,150mM NaCl,pH7.4)で3回洗浄した後、3%BSAを含むブロッキング溶液(3%BSA,20mM Tris−HCl,150mM NaCl,pH7.4)を200μl加えて室温で2時間放置してブロッキングを行った(抗ヒトイムノグロブリンカッパー鎖抗体固相化プレート)。

0021

各ウェルを300μlの洗浄液で3回洗浄した後、0.5μg/mlとなるように希釈液(1%BSA、20mM Tris−HCl,150mM NaCl、0.05%Tween−20、pH7.4)で希釈した組換え体ヒト膵臓特異的RNase1を加え、室温で1時間放置した。各ウェルを300μlの界面活性剤を含む洗浄液(20mM Tris−HCl,150mM NaCl、0.05% Tween−20、pH7.4)で3回洗浄した後、50μlの融合細胞培養上清を加えて室温で1時間放置した。次に、各ウェルを300μlの界面活性剤を含む洗浄液で3回洗浄した後、0.01μgのホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)標識された抗マウスIgG抗体(Rockland社製)を含む希釈液を50μl加えて、室温で1時間放置した。最後に、各ウェルを300μlの界面活性剤を含む洗浄液で3回洗浄した後、50μlのテトラメチルベンジジン(TMB)溶液(KPL社製)を添加して15分間発色させた後に、1Mのリン酸溶液を添加することで反応を停止し、450nmにおける吸光度を測定した。スクリーニングの結果から、膵臓特異的RNase 1に強い親和性を示す抗体を産生する融合細胞を得た。得られた融合細胞は、限界希釈法によりモノクローン化され、モノクローナル抗体MrhRN0614を得た。

0022

[ラット抗ヒト膵臓特異的RNase1抗体産生融合細胞株の選定]
ラット抗ヒト膵臓特異的RNase 1抗体産生融合細胞株は、融合細胞が培地中に分泌する抗体の、ヒト膵臓癌細胞(Capan1)由来の膵臓特異的RNase 1に対する反応性を指標にしたELISA法によるスクリーニングにより選択した。スクリーニングに用いたELISAは以下の通りである。96穴マイクロタイタープレート(グライナー社製)の各ウェルに25ngのマウス抗ヒト膵臓特異的RNase 1抗体(MrhRN0614)を含むリン酸緩衝液(50mMリン酸ナトリウム、150mM NaCl、pH7.4)を50μl加えて4℃、16時間固定した。これらのウェルを300μlの洗浄液(20mM Tris−HCl,150mM NaCl,pH7.4)で3回洗浄した後、3%BSAを含むブロッキング溶液(3%BSA,20mM Tris−HCl,150mM NaCl,pH7.4)を200μl加えて室温で2時間放置してブロッキングを行った(抗ヒト膵臓特異的RNase 1抗体固相化プレート)。

0023

各ウェルを300μlの洗浄液(20mM Tris−HCl,150mM NaCl,pH7.4)で3回洗浄した後、希釈液(1%BSA、20mM Tris−HCl,150mM NaCl、0.05% Tween−20、pH7.4)で2倍に希釈したヒト膵臓癌細胞(Capan1)の培養上清を加え、室温で1時間放置した。各ウェルを300μlの界面活性剤を含む洗浄液(20mM Tris−HCl,150mM NaCl、0.05% Tween−20、pH7.4)で3回洗浄した後、50μlの融合細胞培養上清を加えて室温で1時間放置した。次に、各ウェルを300μlの界面活性剤を含む洗浄液で3回洗浄した後、0.01μgのHRP標識された抗ラットIgG抗体(American Qualex Antibodies社製)を含む希釈液を50μl加えて、室温で1時間放置した。最後に、各ウェルを300μlの界面活性剤を含む洗浄液で3回洗浄した後、50μlのTMB溶液を添加して15分間発色させた後に、1Mのリン酸溶液を添加することで反応を停止し、450nmにおける吸光度を測定した。スクリーニングの結果から、膵臓特異的RNase1に強い親和性を示す抗体を産生する融合細胞を得た。得られた融合細胞は、限界希釈法によりモノクローン化され、モノクローナル抗体RrhRN1111を得た。

0024

実施例2膵臓特異的RNase1特異的抗体による膵臓特異的RNase 1の免疫学的測定方法の構築
実施例1で得た2つの抗体を用いて免疫測定系を構築した。その測定試薬調製法評価方法を示す。水不溶性担体(内部にフェライト練り込んだ粒子径約1.5mmのEVA製)にMrhRN0614を90ng/担体となるよう物理的に吸着させ、吸着後BSAを用いてブロッキング処理を行った。この水不溶性担体は、1個当たり約100ngの蛋白質を物理的に吸着可能である。磁力透過性容器(容量1.2ml)に12個の担体を入れた後、0.5μg/mLのアルカリ性フォスファターゼ標識を施した抗体RrhRN1111を含む緩衝液(1% BSA、2.5%デキストラン、150mM NaCl、0.05%Tween−20,20mMトリス緩衝液、pH7.4)を加え、凍結乾燥した。

0025

この試薬を市販の全自動免疫測定装置(東ソー(株)製、商品AIA−600II)を用いて全自動での測定を行った。その測定原理は以下の通りである。即ち、測定サンプルを150μL加え、水不溶性担体を37℃で10分間磁石を用いて運動させ、混合液攪拌した状態で免疫反応させた。反応後、B/F分離操作を行って遊離標識抗体分離除去し、アルカリ性フォスファターゼの基質である4−メチルウンベリフリルリン酸を加え、該基質添加後20秒から295秒までの酵素反応分解物(4メチルウンベリフェロン)の単位時間あたりの生成速度(nM/秒)を測定した。この測定試薬を使用して、精製したヒト膵臓特異的RNase1を測定すると、精製したヒト膵臓特異的RNase 1の濃度に依存して測定値が増加していることがわかった。このデータは、以後の試料中膵臓特異的RNase 1の測定において、検量線を描くデータとして使用した。

0026

実施例3膵臓特異的RNase1特異的抗体による膵臓特異的RNase 1の免疫学的測定方法による癌患者検体の検出
実施例2で作製した免疫学的測定試薬を使用して、健常人から得られた血清10検体と、膵臓癌患者から得られた血清26検体の、膵臓特異的RNase 1を測定した。なお膵臓癌患者から得られた血清は、医学的診断の結果病期が決定されているものであり、その内訳を表1に示した。この病期は、国際体がん連合(UICC)膵癌病期分類によるものである。

0027

結果を図1,2に示す。図1は、健常人血清、膵臓癌患者血清の膵臓特異的RNase1をプロットしたグラフである。ここで測定検体を健常人と膵臓癌に分けた場合に、最も検出精度が良くなるようにカットオフ値を設定したところ、776ng/mlとなった。またその時の感度及び特異度を統計的に算出したところ、感度84.6%、特異度100%となり、検出性能に優れていることがわかり、膵臓癌患者と健常人を有意に区別可能であることが明らかとなった。

0028

図2は、健常人血清と、膵臓癌患者血清を国際体がん連合(UICC)膵癌病期分類に従ってステージ別に膵臓特異的RNase1をプロットしたグラフである。図2から明らかなように、病期がステージIVの試料では、他の病期ステージに比べて、試料中の膵臓特異的RNase 1が著しく増加していることがわかる。ここで測定検体をステージIII以下とステージIVに分けた場合に、最も検出精度が良くなるようにカットオフ値を設定したところ、1170ng/mlとなった。またその時の感度及び特異度を統計的に算出したところ、感度62.5%、特異度96.4%となった。このように試料中の膵臓特異的RNase 1を測定したときに高い値を示す場合には、ステージIVの膵臓癌である可能性が高いことを示している。

0029

以上の結果から、試料中の膵臓特異的RNase1を測定することにより膵臓癌を検出することが可能であり、特に高い値を示す場合は、病期ステージIVである可能性が強く示された。

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