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技術 吸収性物品

出願人 株式会社リブドゥコーポレーション
発明者 太田義久西田素子
出願日 2013年4月11日 (8年7ヶ月経過) 出願番号 2013-083137
公開日 2014年10月30日 (7年0ヶ月経過) 公開番号 2014-204798
状態 特許登録済
技術分野 吸収性物品とその支持具
主要キーワード 裏張りシート 振動処理 羽子板 合成ゴム系ホットメルト接着剤 加水分解性モノマー ナイロン袋 内側シート 集合層
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年10月30日)のものです。
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図面 (7)

課題

使用者の皮膚のかぶれを予防できる吸収性物品を提供することを目的とする。

解決手段

吸収性物品は、吸収体と、該吸収体の肌面側に配置された酸性シートとを備えており、前記酸性シートが、平均粒子径30μm以下の水難溶性酸性化合物粒子担持したシートおよび/または少なくとも一部の構成繊維が水難溶性酸性化合物で被覆されたシートであることを特徴とする。水難溶性酸性化合物は、体液等に接触した場合でも、直ちに溶解せず、徐々に溶解するため、体液等を吸収した後においても、酸性シートを配置した部分の周辺アルカリ性になることを長期にわたり防止できる。

概要

背景

使い捨ておむつ、生理用ナプキン失禁パッドなどの吸収性物品は、通常、これらのトップシート使用者の肌に直接触れ得る状態で使用される。そのため、排尿、排経血などの体液によりトップシートがアルカリ性になると、使用者の皮膚の皮脂タンパク質アミノ酸の膜が流れ出しやすい環境となり、皮膚のかぶれが生じやすくなる。

従来、このようなかぶれを防止する吸収性物品が提案されている。例えば、特許文献1には、おむつかぶれも防止または減少しながら排泄された体液を吸収するのに有用な使い捨て吸収物品であって、(A)液体不透過性裏張りシート、(B)尿素の存在下に皮膚pHを約3.0〜5.5の範囲内に維持するのに好適な1又はそれ以上のpH調節剤をその中またはその上に配合している比較的疎水性液体透過性トップシート、および、(C)前記裏張りシートと前記トップシートとの間に位置決めされる可塑性吸収芯(この可塑性吸収芯は、本質上親水性繊維材料と、その酸性官能基の少なくとも50%が塩生成陽イオン中和されている実質上水不溶性の高度に中和されたヒドロゲル物質粒子とからなる)を具備することを特徴とする使い捨て吸収物品が記載されている(特許文献1(請求項7)参照)。

概要

使用者の皮膚のかぶれを予防できる吸収性物品を提供することを目的とする。吸収性物品は、吸収体と、該吸収体の肌面側に配置された酸性シートとを備えており、前記酸性シートが、平均粒子径30μm以下の水難溶性酸性化合物粒子を担持したシートおよび/または少なくとも一部の構成繊維が水難溶性酸性化合物で被覆されたシートであることを特徴とする。水難溶性酸性化合物は、体液等に接触した場合でも、直ちに溶解せず、徐々に溶解するため、体液等を吸収した後においても、酸性シートを配置した部分の周辺がアルカリ性になることを長期にわたり防止できる。

目的

本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、使用者の皮膚のかぶれを予防することができる吸収性物品を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

この技術が所属する分野

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請求項1

吸収体と、該吸収体の肌面側に配置された酸性シートとを備えており、前記酸性シートが、平均粒子径が30μm以下の水難溶性酸性化合物粒子担持したシートおよび/または少なくとも一部の構成繊維が水難溶性酸性化合物で被覆されたシートであることを特徴とする吸収性物品

請求項2

前記水難溶性酸性化合物粒子は、粒子表面の少なくとも一部が分散剤で被覆されている請求項1に記載の吸収性物品。

請求項3

前記水難溶性酸性化合物の水に対する溶解度(20℃)が、10g/100g以下である請求項1または2に記載の吸収性物品。

請求項4

前記水難溶性酸性化合物の水中での酸解離指数(pKa、25℃)が、0.8〜5.6である請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。

請求項5

前記水難溶性酸性化合物が、脂肪族カルボン酸および/または芳香族カルボン酸である請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。

請求項6

前記酸性シートの水難溶性酸性化合物粒子の担持量が、0.01g/m2〜10g/m2である請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収性物品。

請求項7

前記分散剤が、アニオン性高分子型分散剤、アニオン性界面活性剤型分散剤、および、ノニオン性界面活性剤型分散剤よりなる群から選択される少なくとも1種である請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性物品。

請求項8

前記吸収体の肌面側に配置されたトップシートと、前記吸収体の外面側に配置されたバックシートとを有し、前記トップシートが前記酸性シートである請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。

請求項9

前記吸収体の肌面側に配置されたトップシートと、前記吸収体の外面側に配置されたバックシートとを有し、前記吸収体と前記トップシートとの間に、中間シートとして前記酸性シートが配置されている請求項1〜8のいずれか一項に記載の吸収性物品。

請求項10

前記酸性シートは、水難溶性酸性化合物と溶媒とを含有する水難溶性酸性化合物含有液シート基材とを接触させた後、溶媒を除去することにより水難溶性酸性化合物を担持させたものである請求項1〜9のいずれか一項に記載の吸収性物品。

請求項11

前記水難溶性酸性化合物含有液が、分散剤を含有するものである請求項10に記載の吸収性物品。

技術分野

0001

本発明は、吸収性物品に関し、特に使用者の皮膚のかぶれの予防に関する。

背景技術

0002

使い捨ておむつ、生理用ナプキン失禁パッドなどの吸収性物品は、通常、これらのトップシートが使用者の肌に直接触れ得る状態で使用される。そのため、排尿、排経血などの体液によりトップシートがアルカリ性になると、使用者の皮膚の皮脂タンパク質アミノ酸の膜が流れ出しやすい環境となり、皮膚のかぶれが生じやすくなる。

0003

従来、このようなかぶれを防止する吸収性物品が提案されている。例えば、特許文献1には、おむつかぶれも防止または減少しながら排泄された体液を吸収するのに有用な使い捨て吸収物品であって、(A)液体不透過性裏張りシート、(B)尿素の存在下に皮膚pHを約3.0〜5.5の範囲内に維持するのに好適な1又はそれ以上のpH調節剤をその中またはその上に配合している比較的疎水性液体透過性トップシート、および、(C)前記裏張りシートと前記トップシートとの間に位置決めされる可塑性吸収芯(この可塑性吸収芯は、本質上親水性繊維材料と、その酸性官能基の少なくとも50%が塩生成陽イオン中和されている実質上水不溶性の高度に中和されたヒドロゲル物質粒子とからなる)を具備することを特徴とする使い捨て吸収物品が記載されている(特許文献1(請求項7)参照)。

先行技術

0004

特開昭62−28402号公報

発明が解決しようとする課題

0005

前記特許文献1では、pH調節剤として、クエン酸アジピン酸フマル酸などの有機酸が例示されている(特許文献1、第9頁左下欄第18行〜右下欄第第3行)。しかしながら、クエン酸のような水溶性化合物は、体液に容易に溶解して拡散してしまうため、体液排出部(排尿部、排経血部)に留まることができない。そのため、使用者に接触する体液排出部分弱酸性に維持することができず、かぶれ防止の効果が発揮されない。また、前記特許文献1では、水難溶性のpH調節剤は実際に使用されておらず、このような水難溶性化合物担持性については検討されていない。

0006

本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、使用者の皮膚のかぶれを予防することができる吸収性物品を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0007

本発明の吸収性物品は、吸収体と、該吸収体の肌面側に配置された酸性シートとを備えており、前記酸性シートが、平均粒子径が30μm以下の水難溶性酸性化合物粒子を担持したシートおよび/または少なくとも一部の構成繊維が水難溶性酸性化合物で被覆されたシートであることを特徴とする。水難溶性酸性化合物は、体液等に接触しても、直ちに溶解せず徐々に体液等に溶解する。そのため、酸性シートを配置すれば、その周辺が体液等によりアルカリ性になることを長期にわたり防止できる。また、酸性シートは、水難溶性酸性化合物粒子の平均粒子径が30μm以下であれば、担持部材(例えば、シート材)に担持させやすく、かつ、担持部材から脱落しにくい。また、構成繊維を水難溶性酸性化合物で被覆すれば、水難溶性酸性化合物が構成繊維から脱落しにくい。よって、吸収性物品における体液等と接触し得る部分に酸性シートを配置することで、長期間にわたりかぶれを抑制できる。

0008

前記水難溶性酸性化合物粒子は、粒子表面の少なくとも一部が分散剤で被覆されていることが好ましい。前記水難溶性酸性化合物の水に対する溶解度(25℃)は、10g/100g以下であることが好ましく、水中での酸解離指数(pKa、25℃)は、0.8〜5.6であることが好ましい。前記水難溶性酸性化合物としては、脂肪族カルボン酸および/または芳香族カルボン酸が好適である。

0009

前記酸性シートの水難溶性酸性化合物粒子の担持量は、0.01g/m2〜10g/m2であることが好ましい。前記分散剤は、アニオン性高分子型分散剤、アニオン性界面活性剤型分散剤、および、ノニオン性界面活性剤型分散剤よりなる群から選択される少なくとも1種が好適である。

0010

前記吸収性物品の態様としては、例えば、前記吸収体の肌面側に配置されたトップシートと、前記吸収体の外面側に配置されたバックシートとを有し、前記トップシートが前記酸性シートである態様;前記吸収体の肌面側に配置されたトップシートと、前記吸収体の外面側に配置されたバックシートとを有し、前記吸収体と前記トップシートとの間に、中間シートとして前記酸性シートが配置されている態様;が好ましい。前記酸性シートは、水難溶性酸性化合物と溶媒とを含有する水難溶性酸性化合物含有液と、シート基材とを接触させた後、溶媒を除去することにより水難溶性酸性化合物を担持させたものが好ましい。前記水難溶性酸性化合物含有液は、分散剤を含有することが好ましい。

発明の効果

0011

本発明の吸収性物品によれば、使用者の皮膚のかぶれを予防できる。

図面の簡単な説明

0012

酸性シートの模式的断面図。
酸性シートの別例の模式的断面図。
本発明の吸収性物品の一例の平面図。
図3のV−V線の模式的断面図。
本発明の吸収性物品の別例の模式的断面図。
本発明の吸収性物品の別例の模式的断面図。

0013

本発明の吸収性物品は、吸収体と、該吸収体の肌面側に配置された酸性シートとを備えており、前記酸性シートが、平均粒子径30μm以下の水難溶性酸性化合物粒子を担持したシートおよび/または少なくとも一部の構成繊維が水難溶性酸性化合物で被覆されたシートであることを特徴とする。水難溶性酸性化合物は、体液等に接触した場合でも、直ちに溶解せず、徐々に溶解することとなる。また、水難溶性酸性化合物は、液中では酸性を呈する。そのため、吸収性物品における体液等と接触し得る部分に酸性シートを配置すれば、体液等によってその周辺がアルカリ性になることを長期にわたり防止できる。酸性シートは、水難溶性酸性化合物粒子の平均粒子径が30μm以下であれば、水難溶性酸性化合物粒子を担持部材(例えば、不織布などのシート材)に担持させやすく、かつ、担持部材からの脱落も抑制できる。また、構成繊維を水難溶性酸性化合物で被覆すれば、水難溶性酸性化合物が構成繊維から脱落しにくい。よって、吸収性物品に酸性シートを配置することで、長期間にわたり使用者の皮膚のかぶれを抑制できる。前記酸性シートを配置する位置は、吸収性物品に吸収される体液と接触し得る位置であればよいが、好ましくは後述する吸収体よりも肌面側に配置することが好ましい。

0014

前記水難溶性酸性化合物の水に対する溶解度(25℃)は、10g/100g以下が好ましく、より好ましくは9g/100g以下、さらに好ましくは8g/100g以下である。溶解度が10g/100g以下であれば、体液等によってその周辺がアルカリ性になることをより長期にわたり防止できる。前記水難溶性酸性化合物の水に対する溶解度(20℃)の下限は特に限定されない。なお、本発明において、水難溶性酸性化合物には、シリカのような不溶性化合物も含まれる。

0015

前記水難溶性酸性化合物の水中での酸解離指数(pKa、25℃)は、0.8以上が好ましく、より好ましくは1以上、さらに好ましくは2以上であり、5.6以下が好ましく、より好ましくは5.3以下、さらに好ましくは5.0以下である。前記酸解離指数が上記範囲内であれば、使用者に接触する体液排出部分に配置した場合でも、使用者の皮膚を刺激する事なく、液排出部分を弱酸性に維持することに適する。酸解離指数は、酸の強さを表す指標であり、値が小さいほど強い酸である。なお、水難溶性酸性化合物が多価の酸である場合、第一解離の酸解離指数(pKa1)が上記数値範囲を満たせばよい。

0016

前記水難溶性酸性化合物は、水に溶解した際に酸性を呈する化合物であれば特に限定されない。水難溶性酸性化合物としては、有機酸、酸性無機粉末などが挙げられる。前記有機酸としては、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸などが挙げられる。脂肪族カルボン酸としては、コハク酸グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸スベリン酸アゼライン酸セバシン酸などの飽和ジカルボン酸;フマル酸、グルタコン酸、イタコン酸、2−メチレングルタル酸などの不飽和ジカルボン酸;などが挙げられる。芳香族カルボン酸としては、安息香酸、2−ナフトエ酸などのモノカルボン酸フタル酸などのジカルボン酸;などが挙げられる。前記酸性無機粉末としては、シリカ、酸化アンチモンなどが挙げられる。これらの中でも、水難溶性酸性化合物としては、有機酸が好ましく、ジカルボン酸がより好ましい。前記水難溶性酸性化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。

0017

本発明で使用する酸性シートとしては、平均粒子径が30μm以下の水難溶性酸性化合物粒子を担持したシート、少なくとも一部の構成繊維が水難溶性酸性化合物で被覆されたシートが挙げられる。酸性シートのシート基材としては、透液性シート材料、例えば、不織布が挙げられる。このような不織布は、例えば、ポイントボンド不織布やエアスルー不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布であり、これらの不織布を形成する繊維としては、例えば、セルロースレーヨンコットン等の親水性繊維;ポリプロピレンポリエチレンポリエステルポリアミドナイロン等の疎水性繊維;表面を界面活性剤により親水化処理した疎水性繊維が挙げられる。

0018

前記水難溶性酸性化合物粒子を担持したシートとしては、例えば、構成繊維が水難溶性酸性化合物粒子を担持している不織布などが挙げられる。前記水難溶性酸性化合物粒子を担持したシートに使用される水難溶性酸性化合物粒子の平均粒子径は、30μm以下、好ましくは25μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。平均粒子径が30μm以下であれば、水難溶性酸性化合物粒子を不織布などのシート材に担持させやすく、かつ、シート材からの脱落も抑制できる。前記水難溶性酸性化合物粒子の平均粒子径の下限は特に限定されないが、0.05μmが好ましい。なお、本発明において、水難溶性酸性化合物の平均粒子径は、シート基材に担持させる前に、レーザー回折散乱粒度分析計により測定できる。また、後述するようにシート基材と水難溶性酸性化合物粒子分散液とを接触させることにより水難溶性酸性化合物粒子を担持させる場合、分散液中の水難溶性酸性化合物粒子の平均粒子径を酸性シートに担持された水難溶性酸性化合物粒子の平均粒子径とみなせる。分散液中の水難溶性酸性化合物粒子の平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分析計により測定できる。本発明において水難溶性酸性化合物粒子の平均粒子径は体積基準の平均粒子径である。

0019

前記水難溶性酸性化合物粒子は、その粒子表面の少なくとも一部が分散剤により被覆されていることが好ましい。分散剤で被覆されていることにより、この分散剤が水難溶性酸性化合物粒子とシート基材との結合剤として作用する。よって、担持部材への水難溶性酸性化合物粒子の保持性が一層向上し、水難溶性酸性化合物粒子がシート基材から脱落することがより低減される。また、後述するように、担持部材に水難溶性酸性化合物粒子分散液を塗布して、水難溶性酸性化合物粒子を担持させる場合、分散液に分散剤を添加することで、水難溶性酸性化合物粒子をより均一に分散させることができる。なお、水難溶性酸性化合物粒子の分散剤による被覆は、水難溶性酸性化合物粒子、分散剤および溶媒を混合した後、溶媒を除去することで行うことができる。

0020

前記分散剤としては、分散液において、水難溶性酸性化合物粒子の分散性を向上させる効果を有するものであれば特に限定されず、例えば、高分子型分散剤界面活性剤型分散剤を用いることができる。前記高分子型分散剤および界面活性剤型分散剤には、それぞれアニオン性ノニオン性カチオン性の分散剤があるが、これらの中でもアニオン性またはノニオン性が好ましい。

0021

前記高分子型分散剤は、分散剤分子立体障害による反発効果があり、長期間の分散安定性に優れる。また、高分子型分散剤は、水難溶性酸性化合物粒子と担持部材とを結合する結合剤としての作用に優れる。前記高分子型分散剤の重量平均分子量は、1,000以上が好ましく、200,000以下が好ましく、より好ましくは100,000以下である。

0022

アニオン性高分子型分散剤としては、ポリカルボン酸(塩)型分散剤、ポリスルホン酸型分散剤などが挙げられる。前記ポリカルボン酸(塩)型分散剤としては、不飽和カルボン酸(共)重合体(例えば、ポリアクリル酸イソブチレンマレイン酸共重合体ジイソブチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−(メタアクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)、カルボキシル化多糖体(例えば、カルボキシメチルセルロースなど)、および、これらの塩(例えば、有機アミン塩アルカリ金属塩アルカリ土類金属塩)が挙げられる。前記ポリスルホン酸型分散剤としては、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ポリスチレンスルホン酸、および、これらの塩(例えば、有機アミン塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩)が挙げられる。ノニオン性高分子型分散剤としては、ポリビニルアルコールポリエチレングリコールなどが挙げられる。カチオン性高分子型分散剤としては、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート(共)重合体の無機酸(塩酸リン酸など)塩または有機酸(ギ酸酢酸乳酸など)塩が挙げられる。なお、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート(共)重合体において、窒素原子に結合するアルキル基炭素数1〜3が好ましく、アルキレン基は炭素数2または3が好ましい。

0023

前記界面活性剤型分散剤は、水難溶性酸性化合物粒子表面に吸着し、溶媒への濡れ性を高める。前記界面活性剤型分散剤の重量平均分子量は、100以上が好ましく、10,000以下が好ましい。

0024

アニオン性界面活性剤型分散剤としては、カルボン酸(塩)型分散剤、スルホン酸(塩)型分散剤、硫酸エステル塩などが挙げられる。前記カルボン酸(塩)型分散剤としては、炭素数6〜15の脂肪酸の塩(例えば、有機アミン塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩)が挙げられる。スルホン酸(塩)型分散剤としては、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩(例えば、有機アミン塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩)が挙げられる。なお、ジアルキルスルホコハク酸塩において、アルキル基の炭素数は6〜15が好ましい。硫酸エステル塩としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩(例えば、有機アミン塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩)、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩(例えば、有機アミン塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩)などが挙げられる。なお、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩において、アルキレン基の炭素数は2〜4が好ましく、アルキル基の炭素数は1〜20が好ましい。ノニオン性界面活性剤型分散剤としては、ポリオキシアルキレン型分散剤、多価アルコール型分散剤などが挙げられる。前記ポリオキシアルキレン型分散剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルポリオキシアルキレン脂肪酸エステルポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミノエーテルポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマーなどが挙げられる。前記多価アルコール型分散剤としては、多価アルコール脂肪酸エステル、多価アルコールアルキルエステルエーテル、脂肪酸ジアルキロールアミドなどが挙げられる。カチオン性界面活性剤型分散剤としては、4級アンモニウム型分散剤が挙げられる。

0025

これらの中でも、分散剤としては、アニオン性高分子型分散剤、アニオン性界面活性剤型分散剤、ノニオン性界面活性剤型分散剤が好ましく、より好ましくはアニオン性高分子型分散剤、特に好ましくはポリカルボン酸(塩)型分散剤である。

0026

ポリカルボン酸(塩)型分散剤を用いれば、水難溶性酸性化合物粒子分散剤中において、より容易に、水難溶性酸性化合物粒子の凝集体機械的操作によって分裂摩砕することができるようになる。また、粒子表面に吸着したポリカルボン酸(塩)の解離によって電気二重層が形成され、電気的な反発により水難溶性酸性化合物粒子の再凝集が抑制される。そのため、水難溶性酸性化合物粒子分散液中における水難溶性酸性化合物粒子の分散安定性がより良好となる。

0027

ポリカルボン酸(塩)型分散剤の具体例としては、三洋化成工業社から市販されている「キャリボン登録商標)B」、「キャリボンL−400」、「キャリボンAR−33」、「サンスパール(登録商標)PS−8」、「グラアップ(登録商標)PC−121」、本油脂社から市販されている「UTC−124」、第一工業製薬社から市販されている「シャロール(登録商標)AN−103P」、「シャロールAN−144P」、サンノプコ社から市販されている「シックナーA−818」などが挙げられる。

0028

前記分散剤の使用量は、水難溶性酸性化合物粒子100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上であり、50質量部以下が好ましく、より好ましくは45質量部以下、さらに好ましくは40質量部以下である。分散剤の使用量が上記範囲内であれば、水難溶性酸性化合物粒子の分散安定性が向上する。一方、分散剤の使用量が50質量部を超えても、分散安定性の向上はもはや見られず経済性に劣り、かつ、分散液が増粘し作業性が低下するおそれがある。

0029

前記少なくとも一部の構成繊維が水難溶性酸性化合物で被覆されたシートとしては、構成繊維の少なくとも一部が水難溶性酸性化合物で被覆された不織布が挙げられる。構成繊維を水難溶性酸性化合物で被覆する場合、使用する繊維としては、特に限定はないが極性基水酸基エステル基エーテル基等)を有する繊維が好ましい。繊維として極性基を有する繊維を使用すれば、水素結合により被覆しやすくなると考えられる。なお、後述するようにシート基材と水難溶性酸性化合物溶液とを接触させることにより繊維を水難溶性酸性化合物で被覆する方法であれば、疎水性繊維であっても容易に被覆できる。構成繊維を水難溶性酸性化合物で被覆する場合、繊維を被覆する水難溶性酸性化合物の厚さは0.1μm以下が好ましい。

0030

前記酸性シートの前記水難溶性酸性化合物の担持量は、0.01g/m2以上が好ましく、より好ましくは0.02g/m2以上、さらに好ましくは0.03g/m2以上であり、10g/m2以下が好ましく、より好ましくは5.0g/m2以下、さらに好ましくは4.5g/m2以下、特に好ましくは4.0g/m2以下である。担持量が上記範囲内であれば皮膚刺激抑制効果がより向上する。水難溶性酸性化合物の担持量は、所定の大きさ(例えば1cm2)に切り出した酸性シートを水難溶性酸性化合物を溶解し得る溶媒(例えばエタノール)を用いたソックスレー抽出を行い、担持されている水難溶性酸性化合物を全て溶解させた後、溶液中の水難溶性酸性化合物の質量を測定することで求められる。なお、後述するように水難溶性酸性化合物含有液をシート基材に吹き付ける場合には、液中の水難溶性酸性化合物濃度と吹き付ける液量から求めることもできる。

0031

また、前記水難溶性酸性化合物粒子の担持量と前記吸水性樹脂粉末目付けとの比率(水難溶性酸性化合物粒子の担持量/吸水性樹脂粉末の目付け)は、0.001以上が好ましく、より好ましくは0.002以上、さらに好ましくは0.003以上であり、20以下が好ましく、より好ましくは18以下、さらに好ましくは16以下である。前記比率が上記範囲内であれば、皮膚刺激の抑制効果がより向上する。

0032

前記酸性シートは、シート基材に水難溶性酸性化合物を担持、あるいはシート基材を構成する繊維を水難溶性酸性化合物で被覆することで得られる。酸性シートを製造する方法は特に限定されず、例えば、水難溶性酸性化合物粒子の粉体を担持部材に散布する方法や、水難溶性酸性化合物と溶媒とを含有する水難溶性酸性化合物含有液と、シート基材とを接触させた後、溶媒を除去する方法などが挙げられる。シート基材に水難溶性酸性化合物を担持させる態様としては、例えば、水難溶性酸性化合物粒子を含有する分散液を担持部材に吹き付けた後、溶媒を除去する方法;水難溶性酸性化合物粒子を含有する分散液に担持部材を浸漬した後、溶媒を除去する方法;などが挙げられる。シート基材を構成する繊維を水難溶性酸性化合物で被覆する態様としては、水難溶性酸性化合物を溶解させた溶液を担持部材に吹き付けた後、溶媒を除去する方法;;水難溶性酸性化合物を溶解させた溶液に担持部材を浸漬した後、溶媒を除去する方法;などが挙げられる。なお、吸収性物品の製造時には、あらかじめ酸性シートを作製しておき、これをトップシート、中間シートなどとして使用すればよい。また、吸収性物品の製造する際に、水難溶性酸性化合物が担持されていないシート基材をトップシート、中間シートなどとして配置した後、このシート基材に水難溶性酸性化合物含有液を吹き付けてもよい。

0033

前記水難溶性酸性化合物粒子を含有する分散液中の水難溶性酸性化合物粒子の含有率は、0.05質量%以上が好ましく、より好ましくは0.10質量%以上、さらに好ましくは0.15質量%以上であり、50質量%以下が好ましく、より好ましくは47質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下である。水難溶性酸性化合物粒子の含有率が上記範囲内であれば担持部材への担持性がより向上する。

0034

また、前記水難溶性酸性化合物粒子を含有する分散液は、前記分散剤を含有することが好ましい。前記分散液中の分散剤の含有量は、水難溶性酸性化合物粒子100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上であり、50質量部以下が好ましく、より好ましくは45質量部以下、さらに好ましくは40質量部以下である。分散剤の含有量が上記範囲内であれば、水難溶性酸性化合物粒子の分散安定性が向上する。一方、分散剤の使用量が50質量部を超えても、分散安定性の向上はもはや見られず経済性に劣り、かつ、分散液が増粘し作業性が低下するおそれがある。

0035

前記分散液の溶媒としては、水、水と親水性有機溶媒との混合溶液などを用いることができる。前記親水性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトングリセリンエチレングリコールプロピレングリコール等が挙げられる。分散液を担持部材に接触させた後、溶媒を除去する方法としては、溶媒を揮発させる方法が挙げられる。

0036

本発明の吸収性物品は、体液を吸収し得る吸収体を備える。前記吸収体は、少なくとも一層の吸収層から構成される。吸収層は、吸水性材料として、前記吸水性樹脂粉末を含有するものが好ましい。前記吸収層は、吸水性材料として、さらに、吸水性繊維を含有してもよい。前記吸水性繊維としては、例えば、パルプ繊維セルロース繊維、レーヨンが挙げられる。前記吸収層は、吸水性樹脂粉末に加えて、繊維基材を含有してもよい。前記繊維基材としては、熱融着繊維などを挙げることができる。熱融着性繊維は、保形性を高めるために使用される。熱融着繊維の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維ポリエステル系繊維複合繊維などが用いられる。吸水性材料として、吸水性樹脂粉末のみを含有する吸収層は、薄型化が可能である。繊維基材を含有する吸収層は、体液の分散性に優れる。

0037

前記吸収層は、例えば、粉砕したパルプ繊維やセルロース繊維等の親水性繊維集合層に粒状の吸水性樹脂粉末を混合したものを、ティッシュペーパーなどの紙シートまたは液透過性不織布シートに固定する、あるいはこれらの液透過性不織布シートで包み長方形砂時計型ひょうたん型、羽子板型等の所定形状に成形することにより得られる。

0038

本発明で使用する吸水性樹脂粉末は、特に限定されないが、アクリル酸を主構成成分とする(A)架橋重合体であって、そのカルボキシル基の少なくとも一部が中和されているものを使用することが好ましい。前記(A)架橋重合体を構成するアクリル酸成分の含有率は、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、99質量%以下が好ましく、97質量%以下がより好ましい。アクリル酸成分の含有率が前記範囲内であれば、得られる吸水性樹脂粉末が、所望の吸収性能発現しやすくなる。

0039

(A)架橋重合体のカルボキシル基の少なくとも一部を中和する陽イオンとしては、特に限定されないが、例えば、リチウムナトリウムカリウム等のアルカリ金属イオンマグネシウムカルシウム等のアルカリ土類金属イオンなどを挙げることができる。架橋重合体のカルボキシル基の中和度は、60モル%以上が好ましく、65モル%以上がより好ましい。中和度が低すぎると、得られる吸水性樹脂粉末の吸収性能が低下する場合があるからである。また、中和度の上限は、特に限定されず、カルボキシル基のすべてが中和されていてもよい。なお、中和度は、下記式で求められる。
中和度(モル%)=100×「架橋重合体の中和されているカルボキシル基のモル数」/「架橋重合体が有するカルボキシル基の総モル数(中和、未中和を含む)」

0040

前記架橋重合体は、(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーおよび/または加水分解により(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーを生成する(a2)加水分解性モノマーと、(b)内部架橋剤とを含有する不飽和単量体組成物重合して得られるものが好ましい。

0041

前記(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、少なくとも1個の水溶性置換基エチレン性不飽和基とを有するモノマー等が使用できる。水溶性モノマーとは、25℃の水100gに少なくとも100g溶解する性質を持つモノマーを意味する。また、前記(a2)加水分解性モノマーは、50℃の水、必要により触媒(酸又は塩基等)の作用により加水分解されて、(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーを生成する。(a2)加水分解性モノマーの加水分解は、架橋重合体の重合中、重合後、および、これらの両方のいずれでもよいが、得られる吸水性樹脂粉末の分子量の観点等から重合後が好ましい。

0042

水溶性置換基としては、例えば、カルボキシル基、スルホ基スルホオキシ基、ホスホノ基、水酸基、カルバモイル基アミノ基、または、これらの塩、並びに、アンモニウム塩が挙げられ、カルボキシル基の塩(カルボキシレート)、スルホ基の塩(スルホネート)、アンモニウム塩が好ましい。また、塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩が挙げられる。アンモニウム塩は、第1級〜第3級アミンの塩または第4級アンモニウム塩のいずれであってもよい。これらの塩のうち、吸収特性の観点から、アルカリ金属塩及びアンモニウム塩が好ましく、アルカリ金属塩がより好ましく、ナトリウム塩がさらに好ましい。

0043

前記カルボキシル基および/またはその塩を有する水溶性エチレン性不飽和モノマーとしては、炭素数3〜30の不飽和カルボン酸および/またはその塩が好ましい。前記カルボキシル基および/またはその塩を有する水溶性エチレン性不飽和モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩などの不飽和モノカルボン酸および/またはその塩;マレイン酸、マレイン酸塩などの不飽和ジカルボン酸および/またはその塩;マレイン酸モノブチルエステルなどの不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステルおよび/またはその塩などが挙げられる。なお、本発明の説明において、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」および/または「メタクリル」を意味する。スルホ基および/またはその塩を有する水溶性エチレン性不飽和モノマーとしては、ビニルスルホン酸スチレンスルホン酸などが挙げられる。

0044

前記(a2)加水分解性モノマーとしては、特に限定されないが、加水分解により水溶性置換基となる加水分解性置換基を少なくとも1個有するエチレン性不飽和モノマーが好ましい。加水分解性置換基としては、酸無水物を含む基、エステル結合を含む基およびシアノ基などが挙げられる。酸無水物を含む基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、炭素数4〜20の不飽和ジカルボン酸無水物等が挙げられる。エステル結合を含む基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、エチレン性不飽和カルボン酸の低級アルキルエステルエチレン性不飽和アルコールのエステルが挙げられる。シアノ基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリロニトリルなどのビニル基含有ニトリル化合物が挙げられる。

0045

(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーおよび(a2)加水分解性モノマーはそれぞれ、単独で、または、2種以上の混合物として使用してもよい。(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーと(a2)加水分解性モノマーとを併用する場合も同様である。

0046

(A)架橋重合体を構成するモノマーとしては、(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーおよび(a2)加水分解性モノマーの他に、これらと共重合可能な(a3)その他のビニルモノマーを用いることができる。前記(a3)その他のビニルモノマーとしては、疎水性ビニルモノマー等が使用できるが、これらに限定されるわけではない。なお、吸収特性の観点から、(a3)その他のビニルモノマーの含有量は、0モル%であることが好ましい。

0047

(b)内部架橋剤としては、(b1)エチレン性不飽和基を2個以上有する内部架橋剤;(b2)(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーの水溶性置換基および/または(a2)加水分解性モノマーの加水分解によって生成する水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも1個有し、且つ、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する内部架橋剤;(b3)(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーの水溶性置換基及び/又は(a2)加水分解性モノマーの加水分解によって生成する水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも2個以上有する内部架橋剤;などを挙げることができる。

0048

前記(b1)内部架橋剤としては、炭素数8〜12のビス(メタ)アクリルアミド、炭素数2〜10のポリオールポリ(メタ)アクリレート、炭素数2〜10のポリアリルアミン及び炭素数2〜10のポリオールのポリ(メタ)アリルエーテルなどが挙げられる。これらの具体例としては、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(重合度2〜5)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリン(ジ又はトリ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートジアリルアミントリアリルアミントリアリルシアヌレートトリアリルイソシアヌレートテトラアリロキシエタンペンタエリスリトールジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル及びジグリセリンジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。

0049

前記(b2)内部架橋剤としては、炭素数6〜8のエポキシ基を有するエチレン性不飽和化合物、炭素数4〜8の水酸基を有するエチレン性不飽和化合物及び炭素数4〜8のイソシアナト基を有するエチレン性不飽和化合物などが挙げられる。

0050

前記(b3)内部架橋剤としては、多価アルコール、多価グリシジル多価アミン、多価アジリジン及び多価イソシアネートなどを挙げることができる。

0051

(A)架橋重合体の重合形態としては、従来から知られている方法等が使用でき、溶液重合法乳化重合法懸濁重合法、逆相懸濁重合法が適応できる。また、重合時の重合液の形状として、薄膜状及び噴霧状等であってもよい。重合制御の方法としては、断熱重合法、温度制御重合法及び等温重合法などが適用できる。重合方法として懸濁重合法又は逆相懸濁重合法を適用する場合、必要に応じて、従来公知の分散剤、および、保護コロイド等を使用できる。また、逆相懸濁重合法の場合、ヘキサンなどの溶媒を使用して重合を行うことができる。重合方法としては、溶液重合法が好ましく、有機溶媒等を使用する必要がなく生産コスト面で有利なことから、水溶液重合法がより好ましい。

0052

重合によって得られる含水ゲル{架橋重合体と水とからなる}は、必要に応じて細断することができる。細断後のゲルの大きさ(最長径)は、50μm〜10cmが好ましい。この範囲であると、乾燥工程での乾燥性がさらに良好となる。細断は、公知の方法で行うことができ、例えば、ベックスミルラバーチョッパファーマミル、ミンチ機衝撃式粉砕機およびロール式粉砕機などの従来の細断装置を使用して細断できる。

0053

重合に溶媒(有機溶媒、水等)を使用する場合、重合後に溶媒を留去することが好ましい。溶媒に有機溶媒を含む場合、留去後の有機溶媒の含有率(質量%)は、架橋重合体の質量(100質量%)に対して、0質量%〜10質量%が好ましい。前記範囲内であると、吸水性樹脂粉末の吸収性能(特に保水量)がさらに良好となる。

0054

溶媒(水を含む。)を留去する方法としては、80℃〜230℃の温度の熱風で留去(乾燥)する方法、100℃〜230℃に加熱されたドラムドライヤー等による薄膜乾燥法、(加熱)減圧乾燥法凍結乾燥法赤外線による乾燥法、デカンテーション及び濾過等が適用できる。

0055

(A)架橋重合体は、乾燥後に粉砕することができる。粉砕方法については、特に限定されず、例えば、ハンマー式粉砕機、衝撃式粉砕機、ロール式粉砕機及びシェット気流式粉砕機などの通常の粉砕装置が使用できる。粉砕された(A)架橋重合体は、必要によりふるい分け等により粒度調整できる。(A)架橋重合体の重量平均粒子径(μm)は、100μm〜800μmが好ましい。(A)架橋重合体の重量平均粒子径(μm)が、前記範囲内であれば、吸収性能がさらに良好となる。なお、重量平均粒子径は、ロータップ試験振とう機及び標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いて、ペリーズ・ケミカルエンジニアーズ・ハンドブック第6版(マックグローヒルブックカンバニー、1984、21頁)に記載の方法で測定される。

0056

(A)架橋重合体は必要に応じて表面架橋を行うことができる。表面架橋を行うための架橋剤(表面架橋剤)としては、(b)内部架橋剤と同じものが使用できる。表面架橋剤としては、吸水性樹脂粉末の吸収性能等の観点から、前記(b3)架橋剤が好ましく、より好ましくは多価グリシジル、さらに好ましくはエチレングリコールジグリシジルエーテルおよびグリセリンジグリシジルエーテル、最も好ましくはエチレングリコールジグリシジルエーテルである。

0057

(A)架橋重合体は、1種でもよく、2種以上の混合物であってもよい。(A)架橋重合体は、さらに(B)表面改質剤で処理されていてもよい。(B)表面改質剤としては、硫酸アルミニウムカリウム明礬アンモニウム明礬、ナトリウム明礬、(ポリ)塩化アルミニウム、これらの水和物などの多価金属化合物ポリエチレンイミンポリビニルアミン、ポリアリルアミンなどのポリカチオン化合物無機微粒子;(B1)炭化水素基を含有する表面改質剤;(B2)フッ素原子をもつ炭化水素基を含有する表面改質剤;及び、(B3)ポリシロキサン構造をもつ表面改質剤などが挙げられる。

0058

前記無機微粒子としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウムアルミナ)、酸化鉄酸化チタン酸化マグネシウム、および、酸化ジルコニウムなどの酸化物炭化珪素および炭化アルミニウムなどの炭化物窒化チタンのような窒化物、および、これらの複合体(例えば、ゼオライトおよびタルクなど)などが挙げられる。これらのうち、酸化物が好ましく、さらに好ましくは酸化ケイ素である。無機微粒子の体積平均粒子径は、特に限定されないが、1nm〜500nmが好ましい。前記無機微粒子の比表面積は、20m2/g〜4000m2/gが好ましい。比表面積がこの範囲内であると、吸収性能がさらに良好となる。なお、比表面積は、JIS Z8830:2001(窒素容量法多点法)に準拠して測定される。

0059

(A)架橋重合体を(B)表面改質剤で処理する方法としては、(B)表面改質剤が(A)架橋重合体の表面に存在するように処理する方法であれば、特に限定されない。しかし、(B)表面改質剤は、(A)架橋重合体の含水ゲル又は(A)架橋重合体を重合する前の重合液ではなく、(A)架橋重合体の乾燥体と混合されることが表面の(B)表面改質剤の量をコントロールする観点から好ましい。なお、混合は、均一に行うことが好ましい。

0060

吸水性樹脂粉末の形状については特に限定はなく、不定形破砕状リン片状パール状及び米粒状等が挙げられる。これらのうち、紙おむつ用途等での繊維状物とのからみが良く、繊維状物からの脱落の心配がないという観点から、不定形破砕状が好ましい。

0061

前記吸水性樹脂粉末は、ボルテックス法による吸収速度が、5秒以上であることが好ましく、7秒以上であることがより好ましく、55秒以下であることが好ましく、53秒以下であることがより好ましい。前記吸収速度が55秒を超える場合、体液の排泄速度が高く、一度に多量の体液が排泄されたときには、体液の吸収を十分に行うことができない。その結果、液漏れが起こりやすくなる。前記吸収速度は、小さければ小さいほど好ましいが、5秒未満であれば、吸水性樹脂粉末の尿に対する安定性、特に、荷重下安定性が低下する場合がある。ボルテックス法による吸収速度は、体液を吸収する時間(秒)を測定することで評価している。そのため、測定時間(秒)が短いほど、吸水性樹脂粉末が体液を吸収する速度が大きい。

0062

前記吸水性樹脂粉末は、吸収倍率が、50g/g以上、70g/g以下であることが好ましい。前記吸収倍率は、52g/g以上であることがより好ましく、54g/g以上であることが特に好ましく、68g/g以下であることがより好ましく、64g/g以下であることが特に好ましい。前記吸収倍率は、吸水性樹脂粉末がどの程度の量を吸水できるかを示す尺度である。前記吸収倍率が50g/g以上であると、少量の吸水性樹脂粉末によって吸収容量を所定のレベルに保つことができ、薄型の吸収体を製造するのが容易になる。前記吸収倍率は、液漏れを防止する観点から、大きければ大きいほど好ましいが、70g/g以下であることが好ましい。前記吸収倍率が70g/g以下であると、吸水性樹脂粉末の尿に対する安定性が向上するからである。

0063

前記吸水性樹脂粉末は、保水量が、20g/g以上、65g/g以下であることが好ましい。前記保水量は、22g/g以上がより好ましく、24g/g以上が特に好ましく、63g/g以下がより好ましく、61g/g以下が特に好ましい。保水量は、吸水性樹脂粉末が吸収した液をどの程度保持できるかを示す尺度である。前記保水量が20g/g以上であると、少量の吸水性樹脂粉末によって体液の保持容量を所定のレベルに保つことができ、薄型の吸収体を作製することが容易になる。前記保水量は、液漏れを防止する観点から大きければ大きいほど好ましいが、65g/g以下であることが好ましい。前記保水量が65g/g以下であると、吸水性樹脂粉末の尿に対する安定性が向上するからである。

0064

吸水性樹脂粉末の吸収速度、吸収倍率、保水量は、(A)架橋重合体の組成、表面改質剤の種類、吸水性樹脂粉末の粒度乾燥条件などを適宜選択することにより調節することができる。

0065

前記吸水性樹脂粉末には、防腐剤、防かび剤、抗菌剤酸化防止剤紫外線吸収剤着色剤芳香剤消臭剤無機質粉末及び有機質繊維状物などの添加剤を含むことができる。添加剤としては、特開2003−225565号公報、特開2006−131767号公報等に例示されているものを挙げることができる。これらの添加剤を含有させる場合、添加剤の含有率(質量%)は、(A)架橋重合体(100質量%)に対して、0.001質量%〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.01質量%〜5質量%、さらに好ましくは0.05質量%〜1質量%、最も好ましくは0.1質量%〜0.5質量%である。

0066

吸収性物品中の吸水性樹脂粉末の目付けは、50g/m2以上であることが好ましく、より好ましくは75g/m2以上、さらに好ましくは100g/m2以上であり、800g/m2以下であることが好ましく、より好ましくは700g/m2以下、さらに好ましくは600g/m2以下である。目付けが、50g/m2以上であれば、吸収体の強度がより向上する。目付けが、600g/m2以下であれば、吸収体の風合いがより良好となる。

0067

次に、本発明の吸収性物品の構造について説明する。本発明の吸収性物品の構造としては、例えば、(1)吸収体と、前記吸収体の肌面側に配置されたトップシートと、前記吸収体の外面側に配置されたバックシートとを有し、前記トップシートが前記酸性シートである態様;(2)吸収体と、前記吸収体の肌面側に配置されたトップシートと、前記吸収体の外面側に配置されたバックシートとを有し、前記吸収体と前記トップシートとの間に中間シートが配置されており、この中間シートが前記酸性シートである態様;(3)吸収体と、前記吸収体の肌面側に配置されたトップシートと、前記吸収体の外面側に配置されたバックシートとを有し、前記吸収体が前記酸性シートで覆われている態様;が挙げられる。

0068

次に、本発明の吸収性物品の具体的な適用例について説明する。本発明の吸収性物品としては、例えば、失禁パッド、使い捨ておむつ、生理用ナプキンなどの人体から排出される体液を吸収するために用いられる吸収性物品が挙げられる。

0069

前記吸収性物品が、失禁パッドまたは生理用ナプキンである場合、例えば、透液性のトップシートと不透液性のバックシートとの間に、吸収体および必要に応じて中間シートが配置される。そして、トップシートおよび/または中間シートが酸性シートである。失禁パッドや生理用ナプキンの形状としては、略長方形、砂時計型、ひょうたん型などが挙げられる。また、必要に応じて、前記透液性のトップシートの幅方向両側に不透液性のサイドシートが設けられていてもよい。サイドシートは、トップシートの幅方向両側の上面に接合され、接合点より幅方向内方のサイドシートは、吸収体の両側縁に沿って一対の立ち上がりフラップを形成する。

0070

前記透液性のトップシートおよび中間シートは、透液性のシート材料、例えば、親水性繊維により形成された不織布であり、着用者の体液を速やかに捕捉して吸収体へと移動させる。トップシートとして利用される不織布は、例えば、ポイントボンド不織布やエアスルー不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布であり、これらの不織布を形成する親水性繊維としては通常、セルロースやレーヨン、コットン等が用いられる。なお、トップシートとして、表面を界面活性剤により親水化処理した疎水性繊維(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン)にて形成された透液性の不織布が用いられてもよい。

0071

バックシート、サイドシートに使用される不透液性シートとしては、例えば、疎水性繊維(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン)にて形成された撥水性または不透液性の不織布(例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、SMS(スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド)不織布)や、撥水性または不透液性のプラスチックフィルムが利用され、不透液性シートに到達した体液が、吸収性物品の外側にしみ出すのを防止する。不透液性シートにプラスチックフィルムが利用される場合、ムレを防止して着用者の快適性を向上するという観点からは、透湿性通気性)を有するプラスチックフィルムが利用されることが好ましい。また、さらなる拡散性付与、形状安定性のために、プラスチックフィルムと、吸収体との間に紙シートを配置してもよい。

0072

前記吸収性物品が使い捨ておむつである場合、使い捨ておむつとしては、例えば、後背部または前腹部の左右に一対の止着部材が設けられ、当該止着部材により着用時にパンツ型に形成する展開型使い捨ておむつ;前腹部と後背部とが接合されることによりウェスト開口部と一対の脚開口部とが形成されたパンツ型使い捨ておむつ;などが挙げられる。

0073

吸収性物品が、使い捨ておむつである場合、使い捨ておむつは、例えば、内側シート外側シートとからなる積層体が前腹部と後背部とこれらの間に位置する股部とからなるおむつ本体を形成し、前記股部に、前記吸水層が配置されていてもよい。また、使い捨ておむつは、例えば、トップシートとバックシートとの間に、吸収体が配置された積層体からなり、この積層体が前腹部と後背部とこれらの間に位置する股部とを有していてもよい。なお、前腹部、後背部、股部とは、使い捨ておむつを着用の際に、着用者の腹側に当てる部分を前腹部と称し、着用者の尻側に当てる部分を後背部と称し、前腹部と後背部との間に位置し着用者の股間に当てる部分を股部と称する。前記内側シートは、親水性または撥水性であることが好ましく、前記外側シートは、撥水性であることが好ましい。

0074

吸収性物品には、吸収体の両側縁部に沿って、立ち上がりフラップが設けられていることが好ましい。立ち上がりフラップは、例えば、吸収体の上面の幅方向両側縁部に設けられてもよく、吸収体の幅方向両外側に設けられてもよい。立ち上がりフラップを設けることにより、体液の横漏れを防ぐことができる。立ち上がりフラップは、トップシートの幅方向両側に設けられたサイドシートの内方端立ち上げられて、形成されてもよい。前記立ち上がりフラップおよびサイドシートは、撥水性であることが好ましい。

0075

以下、本発明の吸収性物品について、図面を参照しながら説明するが、本発明は図面に示された態様に限定されるものではない。

0076

図1および図2は、酸性シートの態様を例示する模式的断面図である。図1および図2において、紙面のC方向の上側が肌面側であり、下側が外面側である。図1に示した酸性シート1は、平均粒子径が30μm以下の水難溶性酸性化合物2の粒子が基材シートを構成する繊維3に担持されている。図1に示す酸性シート1において、水難溶性酸性化合物2の粒子は分散剤(図示しない)により被覆されていてもよい。図2に示した酸性シート1は、基材シートを構成する少なくとも一部の繊維3が水難溶性酸性化合物2で被覆されている。

0077

図3には、本発明の吸収性物品の一例として失禁パッドを図示した。図3は、失禁パッドの平面図を表す。図4は、図3の失禁パッドのV−V断面図を表す。なお、図では、矢印Bを幅方向とし、矢印Aを長手方向と定義付ける。また、矢印A,Bにより形成される面上の方向を、平面方向と定義付ける。

0078

失禁パッド11は、液透過性のトップシート12と、不透液性のバックシート13と、これらの間に配置された吸収体20とを有している。吸収体20は、吸水性樹脂粉末21および繊維基材22をティッシュペーパー14に固定することで形成されている。そして、トップシート12が、酸性シート1で構成されている。

0079

トップシート12は、着用者の股部の肌に面するように配置され、着用者の体液を透過する。トップシート12を通過した体液は、吸収体20に取り込まれ、吸水性樹脂粉末21に吸収される。水難溶性酸性化合物粒子2(図示しない)は、水難溶性であるため、体液に対して直ちに溶解せず、徐々に溶解することとなる。そのため、吸収性樹脂粉末21が体液等を吸収した後においても、トップシート12がアルカリ性になることを長期にわたり防止できる。

0080

トップシート12の幅方向Bの両側縁には、失禁パッド11の長手方向Aに延在するサイドシート15が接合している。サイドシート15は、液不透過性のプラスチックフィルムや撥水性不織布等により構成される。サイドシート15には、失禁パッド11の幅方向内方端に起立用弾性部材16が設けられている。失禁パッド11の使用時には、起立用弾性部材16の収縮力によりサイドシート15の内方端が着用者の肌に向かって立ち上がり、これにより体液の横漏れが防止される。

0081

図5は、本発明の吸収性物品の別例の模式的断面図を表す。図5に記載の失禁パッドは、液透過性のトップシート12と、吸収体20との間に、中間シートとして酸性シート1が配置されている。図5では、中間シートを酸性シート1とした態様を図示しているが、中間シートおよびトップシート12の両方を酸性シート1としてもよい。なお、図4及び図5では、吸水性樹脂粉末21および繊維基材22をティッシュペーパー14に固定して吸収体20を形成しているが、これらの吸水性樹脂粉末21および繊維基材22はティッシュペーパー14で覆われていてもよい。

0082

図6は、本発明の吸収性物品の別例の模式的断面図を表す。図6に記載の失禁パッドは、吸水性樹脂粉末21および繊維基材22からなる吸収体20が酸性シート1で覆われている。図6では、吸収体20を覆う液透過性シートを酸性シート1とした態様を図示しているが、さらにトップシート12を酸性シート1としてもよいし、さらに中間シートとして酸性シート1を配置してもよい。なお、図4図6では、吸収体20が一層の吸収層を有する態様を図示しているが、吸収体20が複数層の吸収層を有していてもよい。また、図4図6では、吸収性物品11が1つの吸収体20を有する態様を図示しているが、吸収体20を2以上配置してもよい。図5および図6において、図4と同一の構成部材については、同一の符号を付して説明を省略する。

0083

本発明の吸収性物品の具体例としては、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッドなどの人体から排出される体液を吸収するために用いられる吸収性物品を挙げることができる。

0084

以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。

0085

評価方法
(ボルテックス法による吸水速度測定方法
100mLのガラスビーカーに、生理食塩水(0.9質量%塩化ナトリウム水)50mLとマグネチックスターラーチップ(中央部直径8mm、両端部直径7mm、長さ30mmで、表面がフッ素樹脂コーティングされているもの)を入れ、ビーカーをマグネチックスターラー(アズワン製、「HPS−100」)に載せる。マグネチックスターラーの回転数を600±60rpmに調整し、生理食塩水を撹拌させる。試料2.0gを、撹拌中食塩水の渦の中心部で液中に投入し、JIS K 7224(1996)に準拠して該吸水性樹脂粉末の吸水速度(秒)を測定する。具体的には、試料である吸水性樹脂粉末のビーカーへの投入が完了した時点でストップウォッチスタートさせ、スターラーチップ試験液に覆われた時点(渦が消え、液表面が平らになった時点)でストップウォッチを止め、その時間(秒)を吸水速度として記録する。測定は5回行い(n=5)、上下各1点の値を削除し、残る3点の平均値測定値とした。なお、これらの測定は23±2℃、相対湿度50±5%で行い、測定の前に試料を同環境で24時間以上保存した後に測定する。

0086

(吸収倍率の測定方法)
吸収倍率の測定は、JIS K 7223(1996)に準拠して行う。目開き63μmのナイロン網(JIS Z8801−1:2000)を幅10cm、長さ40cmの長方形に切断して長手方向中央で二つ折りにし、両端をヒートシールして幅10cm(内寸9cm)、長さ20cmのナイロン袋を作製する。測定試料1.00gを精し、作製したナイロン袋の底部に均一になるように入れる。試料の入ったナイロン袋を、生理食塩水に浸漬させる。浸漬開始から60分後にナイロン袋を生理食塩水から取り出し、1時間垂直状態に吊るして水切りした後、試料の質量F1(g)を測定する。また、試料を用いないで同様の操作を行い、そのときの質量F0(g)を測定する。そして、これら質量F1、F0および試料の質量から、次式に従って、目的とする吸収倍率を算出する。
吸収倍率(g/g)=(F1−F0)/試料の質量

0087

(保水量の測定方法)
保水量の測定は、JIS K 7223(1996)に準拠して行う。目開き63μmのナイロン網(JIS Z8801−1:2000)を幅10cm、長さ40cmの長方形に切断して長手方向中央で二つ折りにし、両端をヒートシールして幅10cm(内寸9cm)、長さ20cmのナイロン袋を作製する。測定試料1.00gを精秤し、作製したナイロン袋の底部に均一になるように入れる。試料の入ったナイロン袋を、生理食塩水に浸漬させる。浸漬開始から60分後にナイロン袋を生理食塩水から取り出し、1時間垂直状態に吊るして水切りした後、遠心脱水器(コクサン(株)製、型式H−130C特型)を用いて脱水する。脱水条件は、143G(800rpm)で2分間とする。脱水後の質量R1(g)を測定する。また、試料を用いないで同様の操作を行い、そのときの質量R0(g)を測定する。そして、これら質量R1、R0および試料の質量から、次式に従って、目的とする保水量を算出する。
保水量(g/g)=(R1−R0−試料の質量)/試料の質量

0088

(皮膚刺激)
幅5cm、長さ5cmに加工した吸収性物品に、尿5mlを3回に分けて吸収させた。尿を吸収させた吸収性物品を試験者内股に、トップシート(透液性不織布)が皮膚に当接するようにあてがい、16時間放置した。16時間経過後、吸収性物品を取り外し、当接していた部分の皮膚の状態を目視にて観察し、下記の5段階で評価した。評価は、それぞれ20人の試験者が行い、20人の評価の平均をその吸収性物品の評価値とした。
<皮膚刺激の評価基準
5:変化なし。
4:ほとんど変化なし。
3:少し赤みあり。
2:赤みあり。
1:皮膚がかぶれた状態。

0089

[積層体の作製]
非透液性シートの上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、この上にティッシュペーパーを積層した。前記ティッシュペーパー上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布した後、パルプと吸水性樹脂粉末(サンダイヤポリマー社製、「アクパール(登録商標)」 DS560)を混合した状態で散布(吸水性樹脂粉末の目付け100g/m2)し、吸水層を形成した。この吸収層の上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、この上にティッシュペーパーを積層した。ティッシュペーパー上にさらに合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、透液性不織布を積層して積層体を形成した。なお、吸水性樹脂粉末の物性は、吸水倍率が60g/g、保水量が42g/g、ボルテックス法による吸水速度が38秒であった。

0090

[吸収性物品の作製]
吸収性物品1
室温の蒸留水47.5gと、分散剤としてのキャリボン(登録商標)B(ポリカルボン酸(塩)型分散剤、固形分濃度40質量%、三洋化成工業社製)12.5gとを含む混合液を調製した。ここに、水難溶性酸性化合物(フマル酸)40gを投入し、ホモジナイザー(日本精機製作所製、バイオミキサーBM−2)を用いて水難溶性酸性化合物粒子の体積平均粒子径が2μmになるまで粉砕し、分散させた。さらに、蒸留水を追加し、水難溶性酸性化合物濃度を0.1質量%に調整した水難溶性酸性化合物分散液を得た。なお、分散剤の含有量は、水難溶性酸性化合物100質量部に対して12.5質量部である。分散液中の水難溶性酸性化合物の体積平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分析計(日機装社製、MT3000II)を用いて測定した。前記積層体の透液性不織布(トップシート)上に、スプレーを用いて前記水難溶性酸性化合物分散液を塗布し、乾燥させて吸収性物品1を作製した。なお、水難溶性酸性化合物分散液の塗布量は、吸収性物品1の透液性不織布の水難溶性酸性化合物担持量が1.0g/m2となるように調整した。この吸収性物品1は、トップシートが平均粒子径30μm以下の水難溶性酸性化合物粒子を担持したシートである。

0091

吸収性物品2〜12
酸性化合物の種類および体積平均粒子径を、表1に記載のとおりに変更した以外は、吸収性物品1と同様にして、吸収性物品2〜12を作製した。

0092

吸収性物品13
水難溶性酸性化合物を使用しなかったこと以外は、吸収性物品1と同様にして、吸収性物品13を作製した。

0093

吸収性物品1〜13について、皮膚刺激を評価し、結果を表1に示した。

0094

0095

表1に示すように、担持している水難溶性酸性化合物の平均粒子径が30μm以下である吸収性物品1〜8では、水難溶性酸性化合物によりトップシートが弱酸性に保たれており、皮膚刺激が弱くなっている。

0096

これに対して、担持している水難溶性酸性化合物の平均粒子径が30μmを超える吸収性物品9、10では、皮膚刺激が強くなっており、水難溶性酸性化合物を担持させた効果を十分に発揮できていない。なお、吸収性物品11、12のように、乳酸やクエン酸を用いた場合では、酸性化合物が尿溶けてしまいトップシートに保持されていないため、皮膚刺激の評価が酸性化合物を用いていない吸収性物品13と同程度の結果であった。

0097

吸収性物品14
室温の蒸留水47.5gと、分散剤としてのキャリボン(登録商標)B(ポリカルボン酸(塩)型分散剤、固形分濃度40質量%、三洋化成工業社製)12.5gとを含む混合液を調製した。ここに、水難溶性酸性化合物40gを投入し、ホモジナイザー(日本精機製作所製、バイオミキサーBM−2)を用いて水難溶性酸性化合物粒子の体積平均粒子径が8μmになるまで粉砕した。この分散液から水分を除去し、体積平均粒子径8μmの水難溶性酸性化合物粒子の粉体を得た。前記積層体の透液性不織布(トップシート)上に、この水難溶性酸性化合物粒子を散布して、吸収性物品14を作製した。なお、水難溶性酸性化合物粒子の散布量は、吸収性物品14の透液性不織布の水難溶性酸性化合物担持量が1.0g/m2となるように調整した。この吸収性物品14は、トップシートが平均粒子径30μm以下の水難溶性酸性化合物粒子を担持したシートである。

0098

吸収性物品14について、皮膚刺激を評価し、結果を表2に示した。また、対比のため、前記吸収性物品2の評価結果も合わせて示した。さらに、水難溶性酸性化合物粒子の担持性能を比較するために、吸収性物品2、14については、吸収性物品に振動処理を施した後の皮膚刺激についても評価した。振動処理は、吸収性物品のトップシートを下にして、サニタリー振動ふるい(三庄インダストリー社製、SF−300)上に置き、1分間振動させることで行った。

0099

0100

吸収性物品2は、透液性不織布に水難溶性酸性化合物分散液を塗布することにより水難溶性酸性化合物粒子を担持させたものである。吸収性物品14は、透液性不織布に水難溶性酸性化合物粒子の粉体を散布することにより水難溶性酸性化合物粒子を担持させたものである。これら吸収性物品2および吸収性物品14は、振動処理前の皮膚刺激の評価がほとんど同様の結果であった。このことから、皮膚刺激に対する水難溶性酸性化合物の効果は、担持方法に影響されないことがわかる。しかし、吸収性物品2は振動処理の前後で皮膚刺激の評価が変化しなかったのに対して、吸収性物品14では、振動処理後は皮膚刺激の評価が低下した。これは、振動処理により水難溶性酸性化合物粒子が脱落してしまったためと考えられる。よって、水難溶性酸性化合物粒子は、水難溶性酸性化合物分散液を担持部材に塗布することで担持させた方が、担持強度が高くなることがわかる。

0101

吸収性物品15
液温を50℃に調整した温水200gに対し、水難溶性酸性化合物(フマル酸)1.0gを投入し、マグネチック音波スターラSS−2(日本精機製作所製)を用いて撹拌して、水難溶性酸性化合物を完全に溶解させ、水難溶性酸性化合物溶液1を調製した。前記積層体の透液性不織布(トップシート)上に、スプレーを用いて前記水難溶性酸性化合物溶液1を塗布し、乾燥させて吸収性物品15を作製した。なお、水難溶性酸性化合物溶液1の塗布量は、吸収性物品15の透液性不織布の水難溶性酸性化合物担持量が1.0g/m2となるように調整した。この吸収性物品15は、トップシートが、少なくとも一部の構成繊維が水難溶性酸性化合物で被覆されたシートである。

0102

吸収性物品16
液温を30℃に調整したエタノール(純度95%以上)200gに対し、水難溶性酸性化合物(フマル酸)1.0gを投入し、マグネチック超音波スターラUSS−2(日本精機製作所製)を用いて撹拌して、水難溶性酸性化合物を完全に溶解させ、水難溶性酸性化合物溶液2を調製した。前記積層体の透液性不織布(トップシート)上に、スプレーを用いて前記水難溶性酸性化合物溶液2を塗布し、乾燥させて吸収性物品16を作製した。なお、水難溶性酸性化合物溶液2の塗布量は、吸収性物品16の透液性不織布のフマル酸担持量が1.0g/m2となるように調整した。この吸収性物品16は、トップシートが、少なくとも一部の構成繊維が水難溶性酸性化合物で被覆されたシートである。

0103

吸収性物品15、16について、皮膚刺激を評価し、結果を表3に示した。また、対比のため、前記吸収性物品1の評価結果も合わせて示した。

0104

実施例

0105

吸収性物品15、16は、水難溶性酸性化合物を溶解させた水難溶性酸性化合物含有液とシート基材とを接触させた後、溶媒を除去することにより、シート基材を構成する繊維の少なくとも一部を水難溶性酸性化合物で被覆したものである。これら吸収性物品15および吸収性物品16は、皮膚刺激の評価が吸収性物品1とほとんど同様の結果であった。この結果から、水難溶性酸性化合物含有液の溶媒として、水難溶性酸性化合物を溶解し得る温水、親水性有機溶媒なども使用できることがわかる。

0106

本発明は、例えば、人体から排出される体液を吸収するために用いられる吸収性物品に好適に使用でき、特に失禁パッド、使い捨ておむつ、生理用ナプキンなどの吸収性物品として好適に利用できる。

0107

1:酸性シート、2:水難溶性酸性化合物、3:繊維、11:失禁パッド(吸収性物品)、12:トップシート、13:バックシート、14:ティッシュペーパー、15:サイドシート、16:起立用弾性部材、17:中間シート、20:吸収体、21:吸水性樹脂粉末、22:繊維基材

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