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技術 熱電変換モジュールおよびその製造方法

出願人 日立化成株式会社
発明者 東平知丈藤原伸一石島善三地主孝広
出願日 2013年4月10日 (7年2ヶ月経過) 出願番号 2013-081732
公開日 2014年10月27日 (5年8ヶ月経過) 公開番号 2014-204093
状態 特許登録済
技術分野 熱電素子 特殊な電動機、発電機
主要キーワード マンガンシリサイド ニッケル金属膜 膨張収縮量 銅細線 熱伝変換素子 電極接合面 外周温度 方法フロー
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特許:約8,000万件, クラウドファンディング:約100万年件, 科研費・グラントデータ:約500万件, 発明者・研究者情報:約600万人

この項目の情報は公開日時点(2014年10月27日)のものです。
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図面 (6)

課題

熱電変換モジュール熱電変換素子電極とを接合する構造において、高温環境下振動および衝撃が負荷される環境下で熱電変換素子および電極間接合信頼性の低下を抑制し、外周温度を効率よく熱電変換素子へ伝えることができるようにする。

解決手段

複数のP型熱電変換素子と複数のN型熱電変換素子とを高温側の面と低温側の面とをそろえて交互に並べて配置させ、電気的に直列に接続して形成された熱電変換モジュールで、P型熱電変換素子およびN型熱電変換素子が変形能を有する応力緩和電極に中間層を介して接合されることでモジュール組立時およびモジュール稼動中に生じる応力電極部分で吸収させる構造とした。

概要

背景

ゼーベック効果を利用して熱エネルギー電気エネルギーに変換する熱電変換モジュールは、駆動部がない、構造が単純、メンテナンスフリー等の特長を有するが、これまではエネルギー変換効率が低いという理由から、宇宙用電源等の限られた製品のみで使用されてきた。しかし、環境調和型社会の実現に向けて、廃熱を熱エネルギーとして回収する方法として注目を浴び、焼却炉工業炉自動車関連製品等への展開が検討されている。この様な背景から、熱電変換モジュールは、耐久性向上、変換効率の向上、低コスト化が望まれている。

しかし、現在実用化されている熱電変換モジュールは、例えば特許文献1に記載されているようにビスマステルル系が主であり、使用温度域が300℃以下と低温に限られている。そのため、上述した工業炉や自動車等へ熱電変換モジュールを適用する場合、ビスマス−テルル系よりもさらに高温で動作可能なシリコンゲルマニウム系マグネシウムシリサイド系マンガンシリサイド系等の熱電変換素子が必要となる。

熱電変換モジュールは熱電変換素子内に温度差を与えることにより、熱を電気に変換することができる。そのため熱電変換素子と電極接合部では、モジュール稼働環境下で熱電変換素子と電極間熱膨張差により接合部に応力が発生し、接合部や熱電変換素子内の破壊が懸念される。発生する応力は、使用環境温度が高いほど、または熱電変換素子と接合材、電極の線膨張係数差が大きいほど高くなる。特に、300℃以上の環境における使用が想定される熱電変換モジュールでは大きな課題となってくる。さらにモジュール設置箇所によっては、振動や衝撃を伴う可能性もあり、モジュールに生じる熱応力に振動や衝撃が加わることで接合部や熱電変換素子内の破壊を助長することが懸念される。

特許文献2では、P型およびN型の熱電変換素子をカーボンNiろうを用いてMo電極へ接続し、夫々の熱電変換素子間酸化物ガラスで接合することで温度差によって発生する熱応力を緩和するライン型熱電変換モジュールが記載されている。

また、特許文献3には、略L型のN型半導体材料P型半導体材料を交互に所要数組み合わせ、高温側と低温側とで異なる金属材料を用いて熱間又は冷間の圧縮成形あるいは粉末冶金法によりPN接合して一体化し、連接方向に複数のPN接合部を有する熱電変換素子について記載されている。

特許文献4には、絶縁性セラミック基板上に線膨張係数の異なるP型とN型の熱電素子が交互に配置され、各熱電素子と電極の間を、それぞれ異なる線膨張係数を有する応力緩和層で接合されている熱電変換モジュールが記載されている。

概要

熱電変換モジュールの熱電変換素子と電極とを接合する構造において、高温環境下や振動および衝撃が負荷される環境下で熱電変換素子および電極間の接合信頼性の低下を抑制し、外周温度を効率よく熱電変換素子へ伝えることができるようにする。 複数のP型熱電変換素子と複数のN型熱電変換素子とを高温側の面と低温側の面とをそろえて交互に並べて配置させ、電気的に直列に接続して形成された熱電変換モジュールで、P型熱電変換素子およびN型熱電変換素子が変形能を有する応力緩和電極に中間層を介して接合されることでモジュール組立時およびモジュール稼動中に生じる応力を電極部分で吸収させる構造とした。

目的

この様な背景から、熱電変換モジュールは、耐久性向上、変換効率の向上、低コスト化が望まれている

効果

実績

技術文献被引用数
3件
牽制数
2件

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請求項1

複数のP型熱電変換素子と複数のN型熱電変換素子との一部もしくは全てが電気的に直列に接続して形成された熱電変換モジュールにおいて、前記P型の熱電変換素子と前記N型の熱電変換素子が、銅、ニッケルアルミニウムチタンモリブデンタングステン、鉄またはこれらの金属のうちのいずれかを主成分とする合金金属繊維を織布状または不織布状に構成した応力緩和電極を介して接合されていることを特徴とする熱電変換モジュール。

請求項2

請求項1記載の熱電変換モジュールにおいて、前記応力緩和電極の金属繊維表面にニッケル、パラジウム、金、銀、錫、クロム、チタン、モリブデン、タングステンの金属膜が形成されていることを特徴とする熱電変換モジュール。

請求項3

請求項1又は2記載の熱電変換モジュールにおいて、前記P型熱電変換素子および前記N型熱電変換素子と応力緩和電極との間に、銅、シリコンゲルマニウム、鉄、ビスマスマグネシウムマンガン、鉛、テルルコバルトアンチモン、ニッケル、アルミニウム、チタン、モリブデン、タングステン、パラジウム、クロム、金、銀、錫、ボロンの金属またはそれらの金属のいずれかを主成分とする合金あるいは金属間化合物からなる中間層を備えることを特徴とする特徴熱電変換モジュール。

請求項4

請求項1乃至3記載の熱電変換モジュールにおいて、前記P型熱電変換素子および前記N型熱電変換素子が、シリコン−ゲルマニウム系、鉄−シリコン系、ビスマス−テルル系、マグネシウム−シリコン系、マンガン−シリコン系、鉛−テルル系、コバルト−アンチモン系、ビスマス−アンチモン系やホイスラー合金系、ハーフホイスラー合金系という組合せのいずれかであることを特徴とする熱電変換モジュール。

請求項5

請求項4記載の熱電変換モジュールにおいて、前記熱電変換素子の表面にニッケル、アルミニウム、チタン、モリブデン、タングステン、パラジウム、クロム、金、銀、錫の金属膜が形成されていることを特徴とする熱電変換モジュール。

請求項6

請求項1乃至3記載の熱電変換モジュールにおいて、前記応力緩和電極は、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン、モリブデン、タングステン、鉄またはこれらの金属のうちのいずれかを主成分とする合金が気孔率10〜99%の多孔質金属であることを特徴とする熱電変換モジュール。

請求項7

請求項6記載の熱電変換モジュールにおいて、前記応力緩和電極の表面にニッケル、パラジウム、金、銀、錫、クロム、チタン、モリブデン、タングステンの金属膜が形成されていることを特徴とする熱電変換モジュール。

技術分野

0001

本発明は、熱電変換素子電極との接合信頼性を向上させた熱電変換モジュールとその製造方法に関するものである。

背景技術

0002

ゼーベック効果を利用して熱エネルギー電気エネルギーに変換する熱電変換モジュールは、駆動部がない、構造が単純、メンテナンスフリー等の特長を有するが、これまではエネルギー変換効率が低いという理由から、宇宙用電源等の限られた製品のみで使用されてきた。しかし、環境調和型社会の実現に向けて、廃熱を熱エネルギーとして回収する方法として注目を浴び、焼却炉工業炉自動車関連製品等への展開が検討されている。この様な背景から、熱電変換モジュールは、耐久性向上、変換効率の向上、低コスト化が望まれている。

0003

しかし、現在実用化されている熱電変換モジュールは、例えば特許文献1に記載されているようにビスマステルル系が主であり、使用温度域が300℃以下と低温に限られている。そのため、上述した工業炉や自動車等へ熱電変換モジュールを適用する場合、ビスマス−テルル系よりもさらに高温で動作可能なシリコンゲルマニウム系マグネシウムシリサイド系マンガンシリサイド系等の熱電変換素子が必要となる。

0004

熱電変換モジュールは熱電変換素子内に温度差を与えることにより、熱を電気に変換することができる。そのため熱電変換素子と電極の接合部では、モジュール稼働環境下で熱電変換素子と電極間熱膨張差により接合部に応力が発生し、接合部や熱電変換素子内の破壊が懸念される。発生する応力は、使用環境温度が高いほど、または熱電変換素子と接合材、電極の線膨張係数差が大きいほど高くなる。特に、300℃以上の環境における使用が想定される熱電変換モジュールでは大きな課題となってくる。さらにモジュール設置箇所によっては、振動や衝撃を伴う可能性もあり、モジュールに生じる熱応力に振動や衝撃が加わることで接合部や熱電変換素子内の破壊を助長することが懸念される。

0005

特許文献2では、P型およびN型の熱電変換素子をカーボンNiろうを用いてMo電極へ接続し、夫々の熱電変換素子間酸化物ガラスで接合することで温度差によって発生する熱応力を緩和するライン型熱電変換モジュールが記載されている。

0006

また、特許文献3には、略L型のN型半導体材料P型半導体材料を交互に所要数組み合わせ、高温側と低温側とで異なる金属材料を用いて熱間又は冷間の圧縮成形あるいは粉末冶金法によりPN接合して一体化し、連接方向に複数のPN接合部を有する熱電変換素子について記載されている。

0007

特許文献4には、絶縁性セラミック基板上に線膨張係数の異なるP型とN型の熱電素子が交互に配置され、各熱電素子と電極の間を、それぞれ異なる線膨張係数を有する応力緩和層で接合されている熱電変換モジュールが記載されている。

先行技術

0008

特開平9−293906号公報
特許3469811号
特開2001−189497号公報
特開2007−109942号公報

発明が解決しようとする課題

0009

熱伝変換素子でP型とN型の線膨張係数が異なる場合、接合時の熱負荷稼動時の温度変化により素子/電極接合部に応力が集中するため、素子や接合部でクラックが発生して接合信頼性が低下するという課題があった。加えて、熱電変換モジュールの設置環境下によっては、振動や衝撃が伴うことで接合信頼性の低下を加速する懸念があった。

0010

また、素子と電極の接合には、硬ろう又ははんだなどの軟ろうが接合材として用いられることが多いが、硬ろうの場合は、接合温度が600〜800度と高く、接合プロセス冷却過程で接合部に発生する応力を低減する構造が必要である。一方、軟ろうの場合は、接合温度が300度以下であるため接合プロセスの応力は低減できるが、融点も300度以下であるため、低温系の熱電変換モジュールのみに用途が限られてしまう。

0011

また、各素子の電極接合面に異なる応力緩和層を形成して電極に接合する構造では、予め素子上に応力緩和層を形成しなくてはならず、素子上に加工が必要となるため素子間高さばらつきが大きくなり、モジュール組立時の接合性が低下するという課題があった。

0012

本発明の目的は、熱電素子の性能を最大限に発揮するために熱電変換モジュール組立時の接合性を向上させると共に、熱応力が発生する環境下および振動や衝撃が負荷される環境下でも高い信頼性を確保することができる熱電変換モジュールを提供することである。

課題を解決するための手段

0013

上記した課題を解決するために、例えば以下の構成を備える。本願発明の熱電変換モジュールは、複数のP型熱電変換素子と複数のN型熱電変換素子との一部もしくは全てが電気的に直列に接続して形成された熱電変換モジュールであって、P型の熱電変換素子とN型の熱電変換素子が、銅、ニッケルアルミニウムチタンモリブデンタングステン、鉄またはこれらの金属のうちのいずれかを主成分とする合金金属繊維を織布状または不織布状に構成した応力緩和電極を介して接合される。

発明の効果

0014

本願発明によれば、熱電素子の性能を最大限に発揮するために熱電変換モジュール組立時の接合性を向上させると共に、熱応力が発生する環境下および振動や衝撃が負荷される環境下でも高い信頼性を確保することができる熱電変換モジュールを提供することができる。

図面の簡単な説明

0015

本発明の第一の実施例における応力緩和型熱電変換モジュールの素子近傍抜粋した側面図である。
本発明の第一の実施例における応力緩和型熱電変換素子組立体の製造方法の流れを示すフロー側面図である。
本発明の第一の実施例における応力緩和型熱電変換モジュールの素子と電極の接合部断面写真の一例である。
本発明の第一の実施例における応力緩和型熱電変換モジュールの構造一例の斜視図である。
本発明の第一の実施例における熱電変換素子表面に金属膜が形成されている場合の応力緩和型熱電変換素子組立体の製造方法フロー側面図である。

0016

本発明では、P型熱電変換素子およびN型熱電変換素子を接合材により、変形能を有する応力緩和電極に接続した構造とした。

0017

以下、本発明の実施形態を図を用いて説明する。各図において、同一の構成には同一の符号を付す。

0018

図1は、本発明の第一の実施例における応力緩和型熱電変換モジュールの素子近傍を抜粋した側面図である。1は熱電変換モジュール素子組立体、11はP型熱電変換素子、12はN型熱電変換素子、21は応力緩和電極、31は接合後に形成された中間層である。P型熱電変換素子11とN型熱電変換素子12は、シリコン−ゲルマニウム系、鉄−シリコン系、ビスマス−テルル系、マグネシウム−シリコン系、マンガン−シリコン系、鉛−テルル系、コバルトアンチモン系、ビスマス−アンチモン系やホイスラー合金系、ハーフホイスラー合金系等のいずれかの組み合わせからなる熱電変換素子が望ましい。また、N型熱電変換素子12およびP型熱電変換素子12の表面(接合面)にニッケル、アルミニウム、チタン、モリブデン、タングステン、パラジウムクロム、金、銀、錫等の金属膜が形成されていてもよい。応力緩和電極21は銅、ニッケル、アルミニウム、チタン、モリブデン、タングステン、鉄またはこれらの金属のうち、いずれかを主成分とする合金の金属繊維が織布または不織布で構成されていることが望ましい。また、応力緩和電極21の各々の金属繊維表面にニッケル、パラジウム、金、銀、錫、クロム、チタン、モリブデン、タングステン等の金属膜が形成されていてもよい。中間層31はシリコン、ゲルマニウム、鉄、ビスマス、マグネシウム、マンガン、鉛、テルル、コバルト、アンチモン、ニッケル、アルミニウム、チタン、モリブデン、タングステン、パラジウム、クロム、金、銀、錫等の金属またはそれらの金属いずれかを主成分とする合金あるいは金属間化合物で形成されていることが望ましい。

0019

以降の実施例では、P型熱電変換素子11は、P型半導体の特性を付与する1%以下のボロン、アルミニウム、ガリウム等の不純物を含有したシリコン−ゲルマニウム粉末を、N型半導体の特性を付与する10%以下のアルミニウム等の不純物を含有したシリコン−マグネシウム粉末をそれぞれパルス放電法ホットプレス法等により焼結した熱電変換素子として説明する。すなわち、本実施例ではP型熱電変換素子11をシリコン-ゲルマニウム素子、N型熱電変換素子12をマグネシウム-シリコン素子とする。また、応力緩和電極21は直径70μmの銅(膨張係数:16.5ppm/℃)からなる細線編込んで作製された金属織布とする。ただし、金属線の直径については編み込み可能な太さであれば、特に限定されず、1μm〜500μmの範囲であればよい。編み方は一重編組、二重編組、三重編組等であればよく、特に限定された編み方でなくてもよい。

0020

図1に示すようにP型熱電変換素子11およびN型熱電変換素子12と応力緩和電極21は中間層31を介して上端下端で接合されている。熱電変換モジュールは、熱電変換素子の両端に温度差を与えることにより、温度差に応じた起電力が発生するモジュールである。図1の上面を高温に、下面を低温にした場合について以下に示す。

0021

上下面に与えた温度差により、熱電変換モジュール素子組立体1には電流が発生する。電流は、P型熱電変換素子11では高温側から低温側(図1中、上から下)に、N型熱電変換素子12では低温側から高温側(図1中、下から上)に流れるので、これらを直列に接合することで電気的な回路を形成する。このように直列に接続した熱電変換素子を平面状、ライン上などに複数接合することで熱電変換素子組立体1を構成する。

0022

ここで、P型熱電変換素子11であるシリコン-ゲルマニウム素子の線膨張係数が3.5ppm/℃、N型熱電変換素子12であるシリコン-マグネシウム素子の線膨張係数が15.5ppm/℃であることから、接合プロセスの加熱冷却時や実使用環境の温度変化を加えたときの膨張収縮量が、P型熱電変換素子11とN型熱電変換素子12で異なることがわかる。各々の熱電変換素子が電極に接合された構造の場合、電極材各熱電変換素子膨張係数差により接合部近傍に応力とひずみが発生し、接合部破断剥離、P型熱電変換素子11やN型熱電変換素子12の割れが懸念される。しかし、本実施例における構造においては、銅細線を編込んで形成した変形可能な応力緩和電極21を使用しているため、接合後の冷却過程や実使用環境の温度変化を加えたときに応力緩和電極21の銅細線が自由に変形することで、熱膨張係数差に起因する応力とひずみを応力緩和電極21で吸収することができ、良好な接合信頼性を得ることができる。また、振動や衝撃が加わる環境下においても、応力緩和電極21は銅細線が多数織り込まれていることでクッション性を有しているため、熱電変換モジュール素子組立体1に負荷される振動や衝撃を吸収することができる。さらに、応力緩和電極21は上下方向から加圧されると編込んである銅細線同士の距離が縮むため、熱電素子組立時に問題となる素子高さバラツキを応力緩和電極21部分で調整することが可能となる。また、図1(b)に示すように応力緩和電極21は自由に変形可能なため、熱電変換素子組立体1を変形させることで円筒形状等の複雑な形状部分追従してフィットさせることで、熱電変換素子組立体1の上下面の温度差を確保し、効率のよい発電を行うことも可能である。

0023

図2は、本発明の第一の実施例における応力緩和型熱電変換素子組立体の製造方法の流れを示すフロー側面図である。図2では、図1に加えて接合材30、支持治具41、加圧治具42が追加されている。P型熱電変換素子11、N型熱電変換素子12、応力緩和電極21、中間層31は、図1と同様の構成である。接合材30はシリコン、ゲルマニウム、鉄、ビスマス、マグネシウム、マンガン、鉛、テルル、コバルト、アンチモン、ニッケル、アルミニウム、チタン、モリブデン、タングステン、パラジウム、クロム、金、銀、錫等の金属またはそれらの金属いずれかを主成分とする合金であることが望ましい。本組立プロセスでは接合材30はアルミニウムまたはアルミニウム合金箔あるいはアルミニウムを主成分とするクラッド材からなる箔として説明する。

0024

支持治具41および加圧治具42は、セラミックスやカーボン、金属など、接合プロセスで溶融しない材料であればよく、応力緩和電極21と反応しない材料である、もしくは表面に反応しない層を形成し反応を抑制することが望ましい。以下、図2の熱電変換素子組立体1の組立方法のフローを、(a)乃至(c)を用いて熱電変換モジュールの組立方法を参照しながら説明する。

0025

先ず、図2の(a)に示すように、支持治具41上に応力緩和電極21を設置する。その後、応力緩和電極21上に接合材30、P型熱電変換素子11およびN型熱電変換素子12の順に位置合せおよび設置を行う。各熱電変換素子上に再度接合材30を設置し、最後に応力緩和電極21を配置する。ここでは接合材30を金属箔として説明するが、接合材30の厚さは、1〜500μmが望ましい。これらの設置には、治具(図示せず)を用いて一括で設置しても良いし、個別に設置してもよく、方法は問わない。

0026

次に、図2の(b)に示すように、上方から加圧治具42により加圧を行うと共に加熱を行い、応力緩和電極21とP型熱電変換素子11およびN型熱電変換素子12を、接合材30を介して接合させる。この際の熱電変換素子にかかる荷重は0.12kPa以上として接合することが望ましい。ここで、接合材30は接合中に応力緩和電極21または各熱電変換素子成分と拡散反応が生じることで中間層31となる。そののち、図2の(c)に示すように、加圧治具41と支持治具42を取り外すことにより、熱電変換素子組立体1が形成できる。

0027

図2を用いた説明では、上下面の接合材30を一括して接合するプロセスを示したが、いずれか一方を予め接合したのち、他方を接合してもよい。たとえば、図2の(a)のステップにおいて、支持治具41側の接合材30と熱電変換素子のみを設置し、下側の支持治具50を加熱し接合材30を介して熱電変換素子と支持治具41側の応力緩和電極21とを接合させ、その後熱変換素子の上面と応力緩和電極21を接合材30を介して熱電変換モジュール組立体1を形成してもよい。

0028

ここで、加圧力を0.12kPa以上としたのは、接合時にP型熱電変換素子11およびN型熱電変換素子12が傾くのを防止することと、P型熱電変換素子11およびN型熱電変換素子12の高さバラツキを応力緩和電極21を変形させて吸収させるためである。加圧力の上限は特に限定しないが、素子が破壊しない程度とする必要があるため素子の圧壊強さ未満とする。具体的には1000MPa程度以下であればよいが、本実施例では、数MPa程度の圧力で十分に効果を得ることができる。接合雰囲気は、非酸化性雰囲気であればよく、具体的に、真空雰囲気窒素雰囲気窒素水混合雰囲気等を用いることができる。

0029

図3は本発明の第一の実施例における応力緩和型熱電変換モジュールの素子と電極の接合部断面写真の一例である。図3の接合部断面写真は、マグネシウム−シリコン系の熱電変換素子と銅細線を編み込んだ応力緩和電極にアルミニウム箔を挟んで図2に示す方法で作製したものである。図3(a)は全体の接合部を示しており、線で囲まれた部分を拡大したものが(b)となる。本実施例の場合、中間層31はアルミニウムおよび銅を主成分とする合金からなり、応力緩和電極21を構成する各々の銅細線とマグネシウム−シリコン系の熱電変換素子が中間層31を介して良好な接合部を形成していることが確認できる。

0030

上記以外の構成として、例えば、応力緩和電極21をニッケル細線またはニッケル金属膜が形成された銅細線を織り込んだ構造がある。接合材30に錫箔を使用した場合、錫の融点232℃以上で加熱すると錫箔が溶融する。溶融後、錫と金属細線成分または金属膜成分であるニッケルが反応することで中間層31として、ニッケル−錫系の合金あるいは化合物を形成することができ、応力緩和電極21を構成する各々のニッケル細線またはニッケル金属膜が形成された銅細線と熱電変換素子が中間層31を介して良好な接合部を形成することができる。また、ニッケル−錫系の化合物のひとつであるNi3Sn4の融点は794.5℃であるため、中間層31を化合物化することで接合部を高耐熱化することも可能となる。錫等の300℃以下の融点をもつ金属あるいは合金を接合材30として使用する場合は、300℃以下での使用を目的としたビスマス−テルル系、ホイスラー合金系等の低温用熱電素子も接合することができる。

0031

他には応力緩和電極21をニッケル細線またはニッケル金属膜が形成された銅細線を織り込んだ構造として、接合材30にアルミニウム箔を使用した場合には中間層31として、アルミニウム−ニッケル系の合金あるいは化合物を形成することができ、応力緩和電極21を構成する各々のニッケル細線またはニッケル金属膜が形成された銅細線と熱電変換素子が中間層31を介して良好な接合部を形成することができる。アルミニウム−ニッケル系の化合物のひとつであるAl3Niの融点は854℃であるため、中間層31を化合物化することで接合部を高耐熱化することも可能となる。

0032

このように、熱電変換素子の使用温度域や成分と合せて応力緩和電極21に使用する金属細線や接合材30を適宜選択することで良好な接合部を形成することが可能となる。

0033

P型熱電変換素子11およびN型熱電変換素子12の表面(接合面)に予め金属膜を形成しておくことで製造プロセスを簡略化できるとともに、良好な接合部を形成することもできる。

0034

図4は本発明の第一の実施例における熱電変換素子表面に金属膜が形成されている場合の応力緩和型熱電変換素子組立体の製造方法フロー側面図である。熱電変換モジュール素子組立体1、P型熱電変換素子11、N型熱電変換素子12、応力緩和電極21は、中間層31、支持治具41、加圧治具42は図2と同様である。金属膜50はニッケル、アルミニウム、チタン、モリブデン、タングステン、パラジウム、クロム、金、銀、錫の金属膜が形成されていることが望ましい。

0035

以下、図4の熱電変換素子組立体1の組立方法のフローを、(a)乃至(c)を用いて熱電変換モジュールの組立方法を参照しながら説明する。

0036

先ず、図4の(a)に示すように、支持治具41上に応力緩和電極21を設置する。その後、応力緩和電極21上にP型熱電変換素子11およびN型熱電変換素子12の順に位置合せおよび設置を行う。その後各熱電変換素子上に再度応力緩和電極21を配置する。このように図2に示したような接合材30の配置工程がなくなるため、製造工程を簡略化することができる。金属膜50の厚さは100nm〜500μmが望ましい。金属膜の生成方法については、めっき法、エアロゾルデポジション法溶射法、スパッタ法蒸着法、イオンプレーティング法、同時一体焼結法等であればよく、方法は問わない。
次に、図4の(b)に示すように、上方から加圧治具42により加圧を行うと共に加熱を行い、応力緩和電極21とP型熱電変換素子11およびN型熱電変換素子12を接合させる。この際の熱電変換素子にかかる荷重は0.12kPa以上として接合することが望ましい。金属膜50の全て、もしくは一部が接合中に応力緩和電極21乃至各熱電変換素子成分と拡散反応が生じることで中間層31となる。加圧条件や接合雰囲気は、図2のプロセスと同様である。

0037

例えば熱電変換素子表面に金属膜50としてアルミニウムを形成し、応力緩和電極21に銅細線を編みこんだ構造とした場合、加圧加熱することで図3と同様のアルミニウムおよび銅を主成分とする中間層31を形成することができる。また、例えば熱電変換素子表面に金属膜50として錫を形成し、応力緩和電極21をニッケル細線またはニッケル金属膜が形成された銅細線を織り込んだ構造とすれば、接合材30を使用した場合と同様に応力緩和電極21を構成する各々のニッケル細線またはニッケル金属膜が形成された銅細線と熱電変換素子がニッケル−錫系の合金あるいは化合物からなる中間層31を介して良好な接合部を形成することができる。

0038

他にも例えば熱電変換素子表面に金属膜50としてニッケルを形成し、応力緩和電極21をニッケル細線またはニッケル金属膜が形成された銅細線を織り込んだ構造とすれば、加圧加熱することで固相-固相接合となり金属膜50と同じ成分の中間層31を形成することができる。この場合、接合後の中間層31の融点はニッケルの融点(1455℃)となるため、高耐熱化することができる。

0039

このように金属膜50を形成した場合でも熱電変換素子の使用温度域や成分と合せて応力緩和電極21に使用する金属細線を適宜選択することで良好な接合部を形成することが可能となる。

0040

図5は、本発明の第一の実施例における接合部応力低減熱電変換モジュールの構造一例の斜視図を示しており、46個の熱電変換素子を格子状に整列して接合したものである。図2または図4に示したプロセスを適用し、図5に示す熱電変換モジュール組立体1を作製する。この熱電変換モジュールは、ケース封入して使用しても良いし、このまま使用しても良い。図5において、P型熱電変換素子11とN型熱電変換素子12を四角柱として表したが、熱電変換素子の形状は四角柱、三角柱多角柱円柱楕円柱など柱状であればよい。

0041

本実施例1に示すような、P型熱電変換素子11およびN型熱電変換素子12が変形能を有する応力緩和電極21を中間層31を介して接合された構造とすることにより、熱電変換モジュール組立時の接合性を向上させると共に熱応力が発生する環境下および振動や衝撃が負荷される環境下でも高い信頼性を確保することができる熱電変換モジュールを提供することが可能となる。

0042

次に、再度図1を用いて本発明の実施例2を説明する。本実施例の構成は特に記載しない限り基本的に実施例1と同様とする。本実施例は応力緩和電極21が銅、ニッケル、アルミニウム、チタン、モリブデン、タングステン、鉄またはこれらの金属のうち、いずれかを主成分とする合金が多孔質金属で構成されている点が実施例1とは異なる。また、応力緩和電極21の多孔質金属体にニッケル、パラジウム、金、銀、錫、クロム、チタン、モリブデン、タングステンの金属膜が形成されていてもよい。また、応力緩和電極21は10〜99%の気泡率で形成された連続気孔または独立気孔を有する多孔質金属であるとし、焼結法不活性ガス注入発砲樹脂等を使用した気孔形成法、スペーサ法等製法は問わない。本実施例における構造においては、変形可能な多孔質金属を応力緩和電極21として使用しているため、接合後の冷却過程や実使用環境の温度変化を加えたときに応力緩和電極21の気孔部分が自由に変形することで、熱膨張係数差に起因する応力とひずみを応力緩和電極21で吸収することができ、良好な接合信頼性を得ることができる。また、振動や衝撃が加わる環境下においても、応力緩和電極21はセル状に金属繊維が形成され、気孔部分がクッション性を有しているため、熱電変換モジュール素子組立体1に負荷される振動や衝撃を吸収することができる。さらに、応力緩和電極21は上下方向から加圧されると気孔部分がつぶれて距離が縮むため、熱電素子組立時に問題となる素子高さバラツキを応力緩和電極21部分で調整することが可能となる。なお、本実施例における応力緩和型熱電変換素子組立体の製造方法も、基本的に図2及び図4で説明した実施例1の製造方法と同様である。

実施例

0043

このように、多孔質金属からなる応力緩和電極21を使用した場合でも、第一の実施例と同様に熱電変換素子の使用温度域や成分と合せて応力緩和電極21に使用する金属や接合材30を適宜選択することで良好な接合部を形成することが可能となる。

0044

1 ・・・熱電変換素子組立体
11・・・P型熱電変換素子
12・・・N型熱電変換素子
21・・・応力緩和電極
30・・・接合材
31・・・中間層
41・・・支持治具
42・・・加圧治具
50・・・金属膜

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