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技術 溶銑出湯時の発塵防止方法

出願人 JFEスチール株式会社
発明者 舘亮佑
出願日 2013年4月3日 (7年8ヶ月経過) 出願番号 2013-077401
公開日 2014年10月27日 (6年2ヶ月経過) 公開番号 2014-201782
状態 特許登録済
技術分野 銑鉄の精製;鋳鉄の製造;転炉法以外の製鋼 炉の装入、排出(炉一般2)
主要キーワード 除去対象成分 せん断抵抗角 異種混合 自社工場 実開口面積 投入時期 競合関係 概略値
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この項目の情報は公開日時点(2014年10月27日)のものです。
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課題

従来技術では、脱珪処理脱燐処理した溶銑出湯時の発塵を防止するための添加材が、高価であって処理コスト増を招き且つ次工程である転炉工程(脱炭処理工程)のスラグ生成量増し操業負荷増を招く、或いは他用途との競合所要量の確保が困難となる場合が多い。

解決手段

溶銑予備処理後に出湯された溶銑を収容して輸送するための受けに、カバースラグ原料として、煉瓦屑のみを、又は煉瓦屑を生石灰及び金属Alの少なくとも何れか一方と併せた合計で、溶銑250t当たりの投入量Mが300kg以上の範囲内で且つ前記投入量Mと前記受け鍋の実開口面積Sとの比M/Sが5.52kg/m2以上となるように投入する。

概要

背景

特許文献1に記載される様に、高炉から出銑された溶銑は、転炉脱炭精錬される前に、溶銑予備処理と呼ばれる脱硫処理及び脱燐処理が施される場合が多い。当初、これらの溶銑予備処理は、鋼材品質面上から低硫化や低燐化が要求されるものについて実施されていたが、近年では、転炉における生産性向上、転炉でのMn鉱石還元によるコス削減効果などにより、銑鋼一貫製鉄所における製鋼工程のトータルコストを削減する手段として、出銑されるほぼ全ての溶銑に対して脱硫処理及び脱燐処理が施されるようになってきた。この場合、溶銑の珪素含有量が高いと脱燐反応阻害されるので、脱燐処理を効率的に行うために脱燐処理に先立って脱珪処理を行う場合もある。この脱珪処理も溶銑予備処理の1つである。

これらの溶銑予備処理のうちで、脱珪処理及び脱燐処理は、溶銑に酸素ガス或いは鉄鉱石のような酸化鉄を供給し、これらの酸素源によって除去対象成分である珪素及び燐を酸化除去している。脱珪処理及び脱燐処理の終了後は、発生したスラグ処理容器から除去する、或いは、溶銑を別の容器移し替えて次工程に輸送している。
このとき、発生するスラグには、脱珪反応及び脱燐反応を促進させるために、酸化度つまり酸素ポテンシャルの高いスラグが形成されており、しかも溶銑は3〜4質量%の炭素を含有するため、スラグ除去の際やスラグ除去後の輸送中などで溶銑とスラグとが攪拌されると、溶銑中の炭素とスラグ中酸素とが反応してCOガスが発生し、このCOガスによってスラグの微粒子や酸化鉄などが巻き上げられ、発塵現象を呈する。この発塵現象は、溶銑の落下時の衝撃や上昇気流の発生などが付随することから溶銑を別の容器に移し替える場合に特に激しくなる。この発塵現象により、作業環境が悪化するのみならず、甚だしい場合には移し替え作業の監視が不可能になることも発生し、この場合には、作業中断などの操業阻害を余儀なくされる。

この発塵現象を抑える手段として、特許文献2には、脱燐炉から脱燐処理後の溶銑を取鍋出湯する際に、珪砂生石灰及び金属Alを取鍋内に投入し、塩基度(CaO/SiO2質量比)が0.5〜1.5の低融点スラグを形成し、このスラグによって発塵を防止する方法(便宜上、従来技術Aと云う)が提案されている。また、特許文献3には、溶銑収容容器から取鍋への溶銑の移し替えに際し、次工程で使用される予定造滓剤を、カバースラグとして溶銑の受け入れに先立って取鍋内に投入しておき、このスラグによって発塵を防止する方法(便宜上、従来技術Bと云う)が提案されている。(特許文献1[0002]〜[0005]参照)
又、従来、脱燐処理した溶銑の出湯に際し、前記出湯を受ける受けピロー鍋とも云う)に生石灰及び金属Alを投入する事により発塵を防止する技術もある(便宜上、従来技術Cと云う)。生石灰及び金属Alの投入時期は、前記受け鍋への前記溶銑の出湯開始前でもよく、出湯開始直後でもよい。受け鍋に溶銑が注ぎ込まれると、該溶銑と、受け鍋に投入された生石灰及び金属Alとの反応により低融点のスラグが生成し、これが溶銑の湯面を覆うカバースラグとなって、発塵が防止される。

しかしながら、従来技術Aでは、珪砂、生石灰及び金属アルミニウムを添加してスラグを形成しているが、これらは高価で、特に金属Alは高価であり、これらを使用した場合には、コストが増大するのみならず、次工程におけるスラグ生成量を増加させる原因となり、スラグ処理コストの増大を招く問題がある。
又、従来技術Bでは、次工程で使用予定の造滓剤を投入しているが、脱珪処理後溶銑温度は1400℃程度、脱燐処理後の溶銑の温度は1350℃程度と低く、次工程で使用予定の造滓剤を添加しても滓化し難く、従って、カバースラグとして十分な効果は得難い問題がある。(特許文献1[0006]〜[0007]参照)
又、従来技術Cも、生石灰及び金属Alを用いるから、従来技術Aと同様の問題がある。

そこで、特許文献1では、脱燐処理或いは脱珪処理を施した後の溶銑を輸送するための溶銑輸送容器に、溶銑の転炉脱炭精錬において生成した転炉脱炭スラグ、または、転炉から出鋼される溶鋼を収容する取鍋から発生した取鍋スラグをカバースラグとして添加し、発塵を防止する旨の技術(便宜上、従来技術Dと云う)を提案している。(特許文献1[請求項1]参照)
従来技術Dによれば、高価な金属Alを使わないからコスト負担は軽減する。又、転炉脱炭スラグ及び取鍋スラグは、一旦溶融状態になったものであり、1350℃程度の比較的温度の低い溶銑であっても、容易に溶融し、溶銑輸送容器内の溶銑表面でカバースラグとして機能し、発塵を防止する。又、次工程が転炉における脱炭精錬の場合、カバースラグとして添加した転炉脱炭スラグまたは取鍋スラグは転炉脱炭精錬では滓化促進剤として機能することから排滓する必要がなく、溶銑とともに転炉に装入して脱炭精錬を実施することができる。つまり、処理工程を煩雑にすることなく、処理することができる。このように、従来、主に廃棄物処理されていたスラグをリサイクル使用することが可能となり、工業上有益な効果がもたらされる。(特許文献1[0013]参照)

概要

従来技術では、脱珪処理や脱燐処理した溶銑の出湯時の発塵を防止するための添加材が、高価であって処理コスト増を招き且つ次工程である転炉工程(脱炭処理工程)のスラグ生成量を増して操業負荷増を招く、或いは他用途との競合所要量の確保が困難となる場合が多い。溶銑予備処理後に出湯された溶銑を収容して輸送するための受け鍋に、カバースラグ原料として、煉瓦屑のみを、又は煉瓦屑を生石灰及び金属Alの少なくとも何れか一方と併せた合計で、溶銑250t当たりの投入量Mが300kg以上の範囲内で且つ前記投入量Mと前記受け鍋の実開口面積Sとの比M/Sが5.52kg/m2以上となるように投入する。なし

目的

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
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請求項1

溶銑予備処理後出湯された溶銑を収容して輸送するための受けに、カバースラグ原料として、煉瓦屑のみを、又は煉瓦屑を生石灰及び金属Alの少なくとも何れか一方と併せた合計で、溶銑250t当たりの投入量Mが300kg以上の範囲内で且つ前記投入量Mと前記受け鍋の実開口面積Sとの比M/Sが5.52kg/m2以上となるように投入し、発塵を防止することを特徴とする溶銑出湯時の発塵防止方法

請求項2

前記カバースラグ原料は、マグネシア質煉瓦屑を60質量%以上含有するものとしたことを特徴とする請求項1に記載の溶銑出湯時の発塵防止方法。

技術分野

0001

本発明は、溶銑出湯時の発塵防止方法に関し、詳しくは、製鉄所における溶銑出湯時の発塵防止方法に関する。

背景技術

0002

特許文献1に記載される様に、高炉から出銑された溶銑は、転炉脱炭精錬される前に、溶銑予備処理と呼ばれる脱硫処理及び脱燐処理が施される場合が多い。当初、これらの溶銑予備処理は、鋼材品質面上から低硫化や低燐化が要求されるものについて実施されていたが、近年では、転炉における生産性向上、転炉でのMn鉱石還元によるコス削減効果などにより、銑鋼一貫の製鉄所における製鋼工程のトータルコストを削減する手段として、出銑されるほぼ全ての溶銑に対して脱硫処理及び脱燐処理が施されるようになってきた。この場合、溶銑の珪素含有量が高いと脱燐反応阻害されるので、脱燐処理を効率的に行うために脱燐処理に先立って脱珪処理を行う場合もある。この脱珪処理も溶銑予備処理の1つである。

0003

これらの溶銑予備処理のうちで、脱珪処理及び脱燐処理は、溶銑に酸素ガス或いは鉄鉱石のような酸化鉄を供給し、これらの酸素源によって除去対象成分である珪素及び燐を酸化除去している。脱珪処理及び脱燐処理の終了後は、発生したスラグ処理容器から除去する、或いは、溶銑を別の容器移し替えて次工程に輸送している。
このとき、発生するスラグには、脱珪反応及び脱燐反応を促進させるために、酸化度つまり酸素ポテンシャルの高いスラグが形成されており、しかも溶銑は3〜4質量%の炭素を含有するため、スラグ除去の際やスラグ除去後の輸送中などで溶銑とスラグとが攪拌されると、溶銑中の炭素とスラグ中酸素とが反応してCOガスが発生し、このCOガスによってスラグの微粒子や酸化鉄などが巻き上げられ、発塵現象を呈する。この発塵現象は、溶銑の落下時の衝撃や上昇気流の発生などが付随することから溶銑を別の容器に移し替える場合に特に激しくなる。この発塵現象により、作業環境が悪化するのみならず、甚だしい場合には移し替え作業の監視が不可能になることも発生し、この場合には、作業中断などの操業阻害を余儀なくされる。

0004

この発塵現象を抑える手段として、特許文献2には、脱燐炉から脱燐処理後の溶銑を取鍋に出湯する際に、珪砂生石灰及び金属Alを取鍋内に投入し、塩基度(CaO/SiO2質量比)が0.5〜1.5の低融点スラグを形成し、このスラグによって発塵を防止する方法(便宜上、従来技術Aと云う)が提案されている。また、特許文献3には、溶銑収容容器から取鍋への溶銑の移し替えに際し、次工程で使用される予定造滓剤を、カバースラグとして溶銑の受け入れに先立って取鍋内に投入しておき、このスラグによって発塵を防止する方法(便宜上、従来技術Bと云う)が提案されている。(特許文献1[0002]〜[0005]参照)
又、従来、脱燐処理した溶銑の出湯に際し、前記出湯を受ける受けピロー鍋とも云う)に生石灰及び金属Alを投入する事により発塵を防止する技術もある(便宜上、従来技術Cと云う)。生石灰及び金属Alの投入時期は、前記受け鍋への前記溶銑の出湯開始前でもよく、出湯開始直後でもよい。受け鍋に溶銑が注ぎ込まれると、該溶銑と、受け鍋に投入された生石灰及び金属Alとの反応により低融点のスラグが生成し、これが溶銑の湯面を覆うカバースラグとなって、発塵が防止される。

0005

しかしながら、従来技術Aでは、珪砂、生石灰及び金属アルミニウムを添加してスラグを形成しているが、これらは高価で、特に金属Alは高価であり、これらを使用した場合には、コストが増大するのみならず、次工程におけるスラグ生成量を増加させる原因となり、スラグ処理コストの増大を招く問題がある。
又、従来技術Bでは、次工程で使用予定の造滓剤を投入しているが、脱珪処理後溶銑温度は1400℃程度、脱燐処理後の溶銑の温度は1350℃程度と低く、次工程で使用予定の造滓剤を添加しても滓化し難く、従って、カバースラグとして十分な効果は得難い問題がある。(特許文献1[0006]〜[0007]参照)
又、従来技術Cも、生石灰及び金属Alを用いるから、従来技術Aと同様の問題がある。

0006

そこで、特許文献1では、脱燐処理或いは脱珪処理を施した後の溶銑を輸送するための溶銑輸送容器に、溶銑の転炉脱炭精錬において生成した転炉脱炭スラグ、または、転炉から出鋼される溶鋼を収容する取鍋から発生した取鍋スラグをカバースラグとして添加し、発塵を防止する旨の技術(便宜上、従来技術Dと云う)を提案している。(特許文献1[請求項1]参照)
従来技術Dによれば、高価な金属Alを使わないからコスト負担は軽減する。又、転炉脱炭スラグ及び取鍋スラグは、一旦溶融状態になったものであり、1350℃程度の比較的温度の低い溶銑であっても、容易に溶融し、溶銑輸送容器内の溶銑表面でカバースラグとして機能し、発塵を防止する。又、次工程が転炉における脱炭精錬の場合、カバースラグとして添加した転炉脱炭スラグまたは取鍋スラグは転炉脱炭精錬では滓化促進剤として機能することから排滓する必要がなく、溶銑とともに転炉に装入して脱炭精錬を実施することができる。つまり、処理工程を煩雑にすることなく、処理することができる。このように、従来、主に廃棄物処理されていたスラグをリサイクル使用することが可能となり、工業上有益な効果がもたらされる。(特許文献1[0013]参照)

先行技術

0007

特開2006−241561号公報
特開昭63−915214号公報
特開昭63−47322号公報

発明が解決しようとする課題

0008

しかし、近年、転炉脱炭スラグや取鍋スラグ等の製鋼スラグは、水硬性があり大きな支持力が期待できることから路盤材として用いられ、又、粒子密度硬度が高く耐磨耗性に優れていることからアスファルトコンクリート骨材に使用され、又、せん断抵抗角が大きく粒子密度と単位体積重量が大きいことから土工用材地盤改良材サンドコンパクションパイル用材)としても使用されており、その需要応えるべく、鉄鋼業界では、前記製鋼スラグを優先的に前記路盤材等の土建用材向け商品として供給し、余剰分を自社工場内でリサイクルする趨勢にある。そのため、従来技術Dの実施に必要な転炉脱炭スラグや取鍋スラグは、前記路盤材等の土建用材向け商品需要との競合関係で、余剰分が過少となって所要量が確保できなくなる場合が多々生じてきた。

0009

以上の様に、従来技術では、脱珪処理や脱燐処理した溶銑の出湯時の発塵を防止するための添加材が、高価であって処理コスト増を招き且つ次工程である転炉工程(脱炭処理工程)のスラグ生成量を増して操業負荷増を招く、或いは他用途との競合で所要量の確保が困難となる場合が多い、と云う課題があった。

課題を解決するための手段

0010

本発明者は、前記課題を解決する為に鋭意検討し、その結果、従来技術Cにおいて、高価な生石灰及び金属Alのうちの少なくとも何れか一方の一部又は全部に代えて、煉瓦屑を投入しても発塵防止に有効であると云う知見を得、この知見に基づいて本発明を成した。尚、本発明では、脱炭処理を行う転炉に装入される前の溶銑に対して行う予備処理である脱珪処理若しくは脱燐処理を総称して溶銑予備処理と云う。

0011

即ち本発明は以下の通りである。
(1)溶銑予備処理後に出湯された溶銑を収容して輸送するための受け鍋に、カバースラグ原料として、煉瓦屑のみを、又は煉瓦屑を生石灰及び金属Alの少なくとも何れか一方と併せた合計で、溶銑250t当たりの投入量Mが300kg以上の範囲内で且つ前記投入量Mと前記受け鍋の実開口面積Sとの比M/Sが5.52kg/m2以上となるように投入し、発塵を防止することを特徴とする溶銑出湯時の発塵防止方法。
(2) 前記カバースラグ原料は、マグネシア質煉瓦屑を60質量%以上含有するものとしたことを特徴とする前記(1)に記載の溶銑出湯時の発塵防止方法。

発明の効果

0012

本発明によれは、従来使用していた生石灰及び金属Alの代替品として煉瓦屑を使用するから、高価な生石灰及び金属Alの使用が不要となって発塵防止コストを格段に低減でき、且つ、次工程の転炉による脱炭精錬におけるスラグ生成量を増して操業負荷を招くことも無く、又、溶湯(溶湯とは溶銑及び溶鋼の総称である)の精錬設備乃至輸送容器内張り煉瓦改修時等の時期に大量に発生して廃棄されるしかなかった煉瓦屑を利用できて、所要量は十分確保できると云う効果を奏する。又、前記煉瓦屑として主にマグネシア質煉瓦屑を使用する事で、MgO濃度が高まるから、次工程の転炉での脱炭精錬における耐火物損耗速度を抑止する効果もある。

0013

本発明では、前記受け鍋に投入するカバースラグ原料として煉瓦屑を用いる。該煉瓦屑はそれのみを投入してもよく、又、生石灰及び金属Alのうちの少なくとも一方と併せて投入してもよいが、カバースラグ原料コストを最小とする観点からは、煉瓦屑のみ投入するのが好ましい。
前記受け鍋に投入された前記煉瓦屑は、その少なくとも一部が、前記受け鍋に注ぎ込まれた前記転炉予備処理後の溶銑と反応して溶融し、該溶銑の表面を覆うカバースラグとなって、該溶銑中のFe及びCと大気中のOとの反応を抑止し、以て発塵を防止する。

0014

本発明に用いる煉瓦屑は溶銑乃至溶鋼の処理設備に使用された後破砕されて化された煉瓦(所謂廃煉瓦)であって、その種類は、マグネシア質煉瓦屑(例えばマグカーボン煉瓦屑)、高アルミナ質煉瓦屑、ジルコニア質煉瓦屑、スピネル質煉瓦屑等々が挙げられる。これらは何れか1種を単独で使用してもよく、異種混合して使用してもよい。
又、前記カバースラグ原料は、マグネシア質煉瓦屑を60質量%以上、より好ましくは80質量%以上、含有したものを用いると、カバースラグのMgO濃度が高まり、溶銑をカバースラグごと(すなわち除滓せずに)次工程の転炉に装入する事で脱炭精錬における耐火物損耗速度を抑止する効果が得られて、好ましい。

0015

前記煉瓦屑は、粒径が大き過ぎるとカバースラグの生成能率が低下し、一方、粒径が小さすぎると投入の際に飛散し易くて前記受け鍋内の溶銑の湯面への到達率が低下するため、煉瓦屑全体に対する粒径0.05mm以上15mm以下の重量比率が90%以上のものが好ましい。
前記カバースラグ原料の投入量は、少なすぎると前記受け鍋内の溶銑量に対してカバースラグの生成量不足して発塵抑止が困難となるため、溶銑250t当たりの投入量Mを300kg以上の範囲内とする。一方、過剰な投入を回避する観点から、前記Mは900kg以下とするのが好ましい。

0016

又、前記Mが前記受け鍋の実開口面積Sに対して過小であると、生じたカバースラグが前記溶銑の湯面全体に分布し難くなって発塵防止効果に乏しくなるため、M/Sを5.52kg/m2以上とする。一方、過剰な投入を回避する観点から、M/Sは11.0kg/m2以下とするのが好ましい。尚、前記Sは、受け鍋の口元地金付着により変化するから、空鍋時に随時、前記口元地金付着の規模観測して前記Sの概略値を把握する事が好ましい。

0017

尚、前記受け鍋への前記カバースラグ原料の投入時期は、従来技術Cと同様、前記受け鍋への前記溶銑の出湯開始前でもよく、出湯開始直後でもよい。投入に当たっては、適宜ホッパ或いはシュート等の投入手段を用いるとよい。
又、溶銑出湯(転炉予備処理炉から受け鍋への注湯)時の受け鍋状況は、前滓流出(下記註1参照)が有っても無くてもよく、又、ピロー鍋内滓(下記註2参照)が有っても無くてもよい。
(註1)前滓流出とは、脱燐炉からスラグが出湯時に流出する事である。
(註2)ピロー鍋内滓とは、ピロー鍋内に出湯された溶湯を脱炭炉に移し変える際ピロー鍋内にスラグが残る事である。

0018

鉄鋼の精錬工場において、転炉予備処理後の溶銑(1チャージが250t)を受け鍋に出湯するにあたり、表1に諸元を示す条件で前記受け鍋にカバースラグ原料を投入し、突沸及び発塵の有無を目視判定した。その結果を表1に示す。尚、カバースラグ原料に用いた煉瓦屑は、煉瓦屑全体に対する粒径0.1〜13mmの重量比率が95%以上であった。

0019

表1より、本発明例では、従来例(生石灰及び金属Alのみを使用)と同程度に、発塵(及び突沸)の抑止効果が得られた。
又、本発明例において、溶銑をカバースラグごと(即ち除滓せずに)次工程の転炉に装入した場合、マグネシア質煉瓦屑を60質量%以上含有させたカバースラグ原料を投入した例では其の余の例に比べて、前記転炉での脱炭精錬における耐火物損耗速度が遅くなる傾向が認められた。

実施例

0020

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