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技術 脱硫設備および脱硫方法

出願人 新日鉄住金エンジニアリング株式会社NSプラント設計株式会社
発明者 谷石彦文主森哲朗藤田隆治和田利男
出願日 2013年4月2日 (6年11ヶ月経過) 出願番号 2013-077168
公開日 2014年10月27日 (5年4ヶ月経過) 公開番号 2014-201780
状態 特許登録済
技術分野 銑鉄の精製;鋳鉄の製造;転炉法以外の製鋼
主要キーワード 掻出し装置 正立位置 起重機 接近動作 傾動機構 供給シュート 振動力 脱硫処理前
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (14)

課題

脱硫工程における処理効率を向上させるとともに、装置構成コンパクトにする。

解決手段

脱硫設備1は複数の溶銑鍋10と、複数の鍋傾動装置20と、脱硫処理を行うL字型脱硫装置30と、排滓処理する複数の排滓装置40とを備える。脱硫装置は鍋傾動装置に乗せられた溶銑鍋を収容する収容部305を更に備える。収容部の排滓装置側の側面には、排滓装置の少なくとも一部が収容部内に移動自在になるように開口305bが形成される。脱硫装置は、複数の溶銑鍋間を順次移動する。一の溶銑鍋に装入された溶銑に対して脱硫装置による脱硫処理を継続する間に、別の溶銑鍋に装入されて脱硫装置によって先に脱硫処理された溶銑に対して、鍋傾動装置を用いて別の溶銑鍋を傾動させることにより排滓処理を行なう。脱硫装置が脱硫処理の後に溶銑鍋間で移動する間に、鍋傾動装置の傾動が行われ排滓処理が行われる。

概要

背景

高炉から出銑された溶銑には数パーセント程度の炭素硫黄が含まれているので、溶銑を転炉装入して脱炭を行なう前に、溶銑から硫黄分を除去(脱硫)する必要がある。溶銑を脱硫する方法として、溶銑を転炉に移す前に一旦溶銑鍋で溶銑を受銑し、この溶銑鍋に脱硫剤を上方添加して機械撹拌して脱硫する方法がある。溶銑鍋での脱硫方法について脱硫効率の向上を目指した発明として、例えば下記の特許文献1〜3に開示された発明がある。

概要

脱硫工程における処理効率を向上させるとともに、装置構成コンパクトにする。脱硫設備1は複数の溶銑鍋10と、複数の鍋傾動装置20と、脱硫処理を行うL字型脱硫装置30と、排滓処理する複数の排滓装置40とを備える。脱硫装置は鍋傾動装置に乗せられた溶銑鍋を収容する収容部305を更に備える。収容部の排滓装置側の側面には、排滓装置の少なくとも一部が収容部内に移動自在になるように開口305bが形成される。脱硫装置は、複数の溶銑鍋間を順次移動する。一の溶銑鍋に装入された溶銑に対して脱硫装置による脱硫処理を継続する間に、別の溶銑鍋に装入されて脱硫装置によって先に脱硫処理された溶銑に対して、鍋傾動装置を用いて別の溶銑鍋を傾動させることにより排滓処理を行なう。脱硫装置が脱硫処理の後に溶銑鍋間で移動する間に、鍋傾動装置の傾動が行われ排滓処理が行われる。

目的

本発明は上記に鑑みてなされたもので、脱硫工程における処理効率を向上させるとともに、装置構成をコンパクトにすることが可能な脱硫設備および脱硫方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
2件
牽制数
0件

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請求項1

複数の溶銑鍋と、複数の鍋傾動装置と、前記溶銑鍋内の溶銑脱硫剤を添加して撹拌することにより、脱硫処理を行う脱硫装置と、前記溶銑鍋中のスラグ排滓処理する複数の排滓装置と、を備え、前記脱硫装置は、前記鍋傾動装置に乗せられた前記溶銑鍋を収容する収容部を更に備え、前記収容部の前記排滓装置側の側面には、前記排滓装置の少なくとも一部が前記収容部内に移動自在になるように開口が形成され、前記脱硫装置は、前記複数の溶銑鍋間を順次移動し、一の溶銑鍋に装入された溶銑に対して前記脱硫装置による前記脱硫処理を継続する間に、別の溶銑鍋に装入されて前記脱硫装置によって先に脱硫処理された溶銑に対して、前記鍋傾動装置を用いて前記別の溶銑鍋を傾動させることにより前記排滓処理を行ない、前記脱硫装置が前記脱硫処理の後に前記溶銑鍋間で前記移動する間に、前記鍋傾動装置の前記傾動が行われ前記排滓処理が行われる、脱硫設備

請求項2

前記収容部の上段および下段には、前記脱硫装置の前記撹拌による振動力を抑えるための固定装置が複数備えられ、前記収容部の前記上段に備えられた固定装置の数が、前記収容部の前記下段に備えられた固定装置の数より多い、請求項1に記載の脱硫設備および脱硫方法

請求項3

複数の溶銑鍋と、複数の鍋傾動装置と、前記溶銑鍋内の溶銑に脱硫剤を添加して撹拌することにより、脱硫処理を行う脱硫装置と、前記溶銑鍋中のスラグを排滓処理する複数の排滓装置と、を備え、前記脱硫装置は、前記鍋傾動装置に乗せられた前記溶銑鍋を収容する収容部を更に備え、前記収容部の前記排滓装置側の側面には、前記排滓装置の少なくとも一部が前記収容部内に移動自在になるように開口が形成され、前記脱硫装置が前記複数の溶銑鍋間を順次移動する脱硫設備における脱硫方法であって、一の溶銑鍋に装入された溶銑に対して前記脱硫装置による前記脱硫処理を継続する間に、別の溶銑鍋に装入されて前記脱硫装置によって先に脱硫処理された溶銑に対して、前記鍋傾動装置を用いて前記別の溶銑鍋を傾動させることにより前記排滓処理を行ない、前記脱硫装置が前記脱硫処理の後に前記溶銑鍋間で前記移動する間に、前記鍋傾動装置の前記傾動が行われ前記排滓処理が行われる、脱硫方法。

技術分野

0001

本発明は、脱硫設備および脱硫方法に関するものである。

背景技術

0002

高炉から出銑された溶銑には数パーセント程度の炭素硫黄が含まれているので、溶銑を転炉装入して脱炭を行なう前に、溶銑から硫黄分を除去(脱硫)する必要がある。溶銑を脱硫する方法として、溶銑を転炉に移す前に一旦溶銑鍋で溶銑を受銑し、この溶銑鍋に脱硫剤を上方添加して機械撹拌して脱硫する方法がある。溶銑鍋での脱硫方法について脱硫効率の向上を目指した発明として、例えば下記の特許文献1〜3に開示された発明がある。

先行技術

0003

特開2003−166009号公報
特開2003−113408号公報
特開2007−23306号公報

発明が解決しようとする課題

0004

特許文献1〜3では、脱硫工程における処理効率の向上について検討がなされているものの、これだけでは足りず、脱硫工程における処理効率の更なる向上に対するニーズが高い実情である。なお、脱硫工程においては、たとえ1分であっても処理時間を短縮することが好ましい。脱硫工程において1分の処理時間短縮が実現できれば、全体処理としては1日単位でみれば1〜2時間の処理時間短縮につながるからである。また、脱硫装置設置場所の確保が難しい場合や、脱硫装置を構成する際のコストを考慮し、脱硫装置をなるべくコンパクトに構成することに対するニーズも高い。

0005

そこで、本発明は上記に鑑みてなされたもので、脱硫工程における処理効率を向上させるとともに、装置構成をコンパクトにすることが可能な脱硫設備および脱硫方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

上記課題を解決するために、本発明の脱硫設備は、複数の溶銑鍋と、複数の鍋傾動装置と、前記溶銑鍋内の溶銑に脱硫剤を添加して撹拌することにより、脱硫処理を行う脱硫装置と、前記溶銑鍋中のスラグ排滓処理する複数の排滓装置と、を備え、前記脱硫装置は、前記鍋傾動装置に乗せられた前記溶銑鍋を収容する収容部を更に備え、前記収容部の前記排滓装置側の側面には、前記排滓装置の少なくとも一部が前記収容部内に移動自在になるように開口が形成され、前記脱硫装置は、前記複数の溶銑鍋間を順次移動し、一の溶銑鍋に装入された溶銑に対して前記脱硫装置による前記脱硫処理を継続する間に、別の溶銑鍋に装入されて前記脱硫装置によって先に脱硫処理された溶銑に対して、前記鍋傾動装置を用いて前記別の溶銑鍋を傾動させることにより前記排滓処理を行ない、前記脱硫装置が前記脱硫処理の後に前記溶銑鍋間で前記移動する間に、前記鍋傾動装置の前記傾動が行われ前記排滓処理が行われる。

0007

また、本発明の脱硫方法は、複数の溶銑鍋と、複数の鍋傾動装置と、前記溶銑鍋内の溶銑に脱硫剤を添加して撹拌することにより、脱硫処理を行う脱硫装置と、前記溶銑鍋中のスラグを排滓処理する複数の排滓装置と、を備え、前記脱硫装置は、前記鍋傾動装置に乗せられた前記溶銑鍋を収容する収容部を更に備え、前記収容部の前記排滓装置側の側面には、前記排滓装置の少なくとも一部が前記収容部内に移動自在になるように開口が形成され、前記脱硫装置が前記複数の溶銑鍋間を順次移動する脱硫設備における脱硫方法であって、一の溶銑鍋に装入された溶銑に対して前記脱硫装置による前記脱硫処理を継続する間に、別の溶銑鍋に装入されて前記脱硫装置によって先に脱硫処理された溶銑に対して、前記鍋傾動装置を用いて前記別の溶銑鍋を傾動させることにより前記排滓処理を行ない、前記脱硫装置が前記脱硫処理の後に前記溶銑鍋間で前記移動する間に、前記鍋傾動装置の前記傾動が行われ前記排滓処理が行われる。

0008

このような本発明の脱硫設備および脱硫方法によれば、脱硫装置は鍋傾動装置に乗せられた溶銑鍋を収容する収容部を備え、収容部の排滓装置側の側面には、排滓装置の少なくとも一部が収容部内に移動自在になるように開口が形成されている。この開口の存在により、排滓装置は時間に関係なくいつでも脱硫装置の内部に移動できる。つまり、排滓処理を行うための排滓装置の移動と脱硫装置の移動とが、お互いに無関係になり、排滓装置40の移動を妨げるものが存在しない。従って、脱硫装置が脱硫処理の直後に他の溶銑鍋に向かって移動する間であっても、鍋傾動装置が溶銑鍋を傾動させることができ、排滓処理の開始を早めることができる。以上により、脱硫装置の移動と排滓処理を同じ時間帯に行うことでき、その分だけ処理時間の短縮を達成することができ、脱硫工程全体における処理効率を向上させることができる。

0009

また、本発明においては、溶銑鍋および当該溶銑鍋を乗せた鍋傾動装置は脱硫処理から排滓処理に移行する間に移動せず、その代わりに脱硫装置が移動する。つまり、脱硫処理および排滓処理の両方ともが同じ場所で行われることになる。従って、脱硫処理と排滓処理とを別々の異なる場所で行う装置構成に比べると、装置構成をコンパクトにすることができる。

0010

また、前記収容部の上段および下段には、前記脱硫装置の前記撹拌による振動力を抑えるための固定装置が複数備えられ、前記収容部の前記上段に備えられた固定装置の数が、前記収容部の前記下段に備えられた固定装置の数より多くても良い。

0011

この発明によれば、撹拌による振動力が伝わりやすい収容部の上段に固定装置を多く設けることにより、撹拌による振動力をより効果的かつ安定的に抑制することができる。

発明の効果

0012

本発明によれば、脱硫工程における処理効率を向上させるとともに、装置構成をコンパクトにすることが可能な脱硫設備および脱硫方法を提供することができる。

図面の簡単な説明

0013

脱硫設備1の全体構成を示す平面図である。
図1のA方向から見たL字型脱硫装置30の側面図である。
図1のB方向から見たL字型脱硫装置30の側面図である。
図1のC方向から見たL字型脱硫装置30の側面図である。
図1のD方向から見たL字型脱硫装置30の側面図である。
鍋傾動装置20に乗せられた溶銑鍋10を示す図である。
排滓装置40を示す図である。
制御装置60のハードウェア構成図である。
L字型脱硫装置30による脱硫処理を示す図である。
排滓装置40による排滓処理を示す図である。
本脱硫方法のタイムチャートである。
開口305bが存在しない場合の脱硫装置30Aを、図9および図10と同じ方向から見た場合の図である。
開口305bが存在しない場合の脱硫装置30Aによる脱硫方法のタイムチャートである。

実施例

0014

以下、添付図面を参照して本発明にかかる脱硫設備および脱硫方法の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下に説明する図面は本発明の脱硫設備および脱硫方法を説明するための例示的なものに過ぎず、図示される各部の寸法等は、実際の脱硫設備および脱硫方法の寸法等と異なる場合がある。

0015

(脱硫設備1の構成)
まず、本発明の実施形態に係る脱硫設備1の構成について説明する。図1は、脱硫設備1の全体構成を示す平面図である。図1に示すように、脱硫設備1は、複数の溶銑鍋10、複数の鍋傾動装置20、L字型脱硫装置30、および複数の排滓装置40を備えて構成される。複数の溶銑鍋10および鍋傾動装置20は図1の左右両側に互いに離間して配置される。L字型脱硫装置30は、溶銑鍋10内の溶銑に脱硫剤を添加して撹拌することにより、脱硫処理を行うものである。L字型脱硫装置30は、図1の中央部(位置L2)に位置され、複数の溶銑鍋10間を順次往復移動する。L字型脱硫装置30の溶銑鍋10への移動が完了した際に、溶銑鍋10はL字型脱硫装置30の収容部305(後述する)に収容される。図1の左側の溶銑鍋10AはL字型脱硫装置30の収容部305に収容され(L字型脱硫装置30を点線で表示)、更に傾動されたときの様子を示す。排滓装置40は、溶銑鍋10中のスラグを排滓処理するものである。溶銑鍋10中のスラグとは、脱硫処理前の溶銑鍋10中のスラグ、および脱硫処理後の溶銑に生成された溶銑鍋10中のスラグの両方を言う。複数の排滓装置40は、複数の溶銑鍋10の配列方向(L字型脱硫装置30の移動方向)に沿って、それぞれの溶銑鍋10と向かい合うように配置されている。

0016

本実施形態においては、図1に示すように、2つの溶銑鍋10(10A、10B)、2つの鍋傾動装置20(20A、20B)、1つのL字型脱硫装置30、および2つの排滓装置40(40A、40B)により、脱硫設備1を構成した例について説明する。なお、符号10は符号10A、10Bの総称であり、符号20は符号20A、20Bの総称であり、符号40は符号40A、40Bの総称である。脱硫設備1を構成する溶銑鍋10、鍋傾動装置20、および排滓装置40の数は同数であっても良い。

0017

図2図1のA方向から見たL字型脱硫装置30の側面図であり、図3図1のB方向から見たL字型脱硫装置30の側面図であり、図4図1のC方向から見たL字型脱硫装置30の側面図であり、図5図1のD方向から見たL字型脱硫装置30の側面図である。L字型脱硫装置30は、図2〜5に示すように、基台301と、基台301上に昇降自在に設置された撹拌羽根回転装置302とが備えられている。撹拌羽根回転装置302には回転軸303が取付けられ、更に回転軸303の先端には撹拌羽根304が取付けられている。そして、撹拌羽根回転装置302を駆動させることによって撹拌羽根304を回転できるようになっている。

0018

また、基台301の下には鍋傾動装置20に乗せられた溶銑鍋10を収容可能な収容部(収容スペース)305が設けられている。収容部305の排滓装置40側の側面305a(図1においてはA方向の側面)には、排滓装置40の少なくとも一部が収容部305内に移動自在(進入自在)になるように開口305bが形成されている。開口305bの存在により、脱硫装置30の形がL字型になる。収容部305の上段および下段には、L字型脱硫装置30の撹拌による振動および衝撃を抑制および吸収するための固定装置701、702、703、704、705、および706(以下、総称して「固定装置70」)が複数備えられている。収容部305の上段には固定装置701、702、703、および704が備えられている。収容部305の下段には固定装置705および706が備えられている。すなわち、収容部305の上段に備えられた固定装置の数(4個)が、収容部305の下段に備えられた固定装置の数(2個)より多い。

0019

溶銑が充填された溶銑鍋10が収容部305に収容されると、撹拌羽根回転装置302が下降されて撹拌羽根304が溶銑中に浸積され、更に撹拌羽根回転装置302が駆動されて撹拌羽根304が回転されることで、溶銑が撹拌されるようになっている。この撹拌の過程で、脱硫剤と溶銑中の硫黄が反応し、硫黄分を含むスラグが形成される。

0020

基台301には脱硫剤貯蔵タンク306が設置されるとともに、脱硫剤貯蔵タンク306から溶銑鍋10に伸びる脱硫剤供給シュート307が備えられている。この脱硫剤供給シュート307を介して、脱硫剤貯蔵タンク306から溶銑鍋10の溶銑に脱硫剤を添加できるようになっている。

0021

上述したように、L字型脱硫装置30が溶銑鍋10へ移動した際に、溶銑鍋10は鍋傾動装置20に乗せられた状態でL字型脱硫装置30の収容部305に収容される。そして、鍋傾動装置20に乗せられた溶銑鍋10の溶銑に対して脱硫剤が添加されるとともに、撹拌羽根304による撹拌がなされるようになっている。

0022

図6は、鍋傾動装置20に乗せられた溶銑鍋10を示す図である。鍋傾動装置20には溶銑鍋10を傾動させるための溶銑鍋傾動機構201が備えられている。撹拌羽根304による撹拌が終了した場合に、溶銑鍋傾動機構201によって溶銑鍋10を傾けられるようになっている。図6(a)は溶銑鍋10の傾動時を示し、図6(b)は溶銑鍋10の正立時を示す。

0023

図7は、排滓装置40を示す図である。排滓装置40は、掻出し装置401と、掻出し装置401に進退自在に取付けられた掻出し棒402と、掻出し棒402によって掻き出されたスラグを受ける排滓受け403(図10参照)とを備えて構成される。L字型脱硫装置30による脱硫処理が終わると、鍋傾動装置20の溶銑鍋傾動機構201によって溶銑鍋10が傾動されるとともに(図6(a)参照)、掻出し装置401および掻出し棒402が駆動されることで、溶銑に溜まったスラグが掻き出されて、排滓受け403に排滓されるようになっている。

0024

また、図1図5に示すように、脱硫設備1には、溶銑鍋10を吊り上げるクレーン起重機)50が備えられている。更に、脱硫設備1には、制御装置60が備えられており、この制御装置によって、複数の溶銑鍋10、複数の鍋傾動装置20、L字型脱硫装置30、複数の排滓装置40、およびクレーン50を制御できるようになっている。図8は制御装置60のハードウェア構成図である。図8に示すように、制御装置60は、物理的には、CPU61、ROM62及びRAM63等の主記憶装置キーボード及びマウス等の入力デバイス64、ディスプレイ等の出力デバイス65、脱硫設備1内の他の部分との間でデータの送受信を行うためのネットワークカード等の通信モジュール66、ハードディスク等の補助記憶装置67などを含む通常のコンピュータシステムとして構成される。制御装置60の各制御機能は、CPU61、ROM62、RAM63等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU61の制御の元で入力デバイス64、出力デバイス65、通信モジュール66を動作させると共に、主記憶装置62,63や補助記憶装置67におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。

0025

(脱硫設備1を用いた脱硫方法)
続いて、以上で説明した構成の脱硫設備1を用いた脱硫方法について説明する。本脱硫方法においては、一の溶銑鍋に装入された溶銑に対してL字型脱硫装置30による脱硫処理を継続する間に、別の溶銑鍋に装入されてL字型脱硫装置30によって先に脱硫処理された溶銑に対して、鍋傾動装置20を用いて上記別の溶銑鍋を傾動させることにより排滓処理を行なう。ここで、L字型脱硫装置30が脱硫処理の直後に溶銑鍋間で移動する間に、鍋傾動装置20の上記傾動が行われ、上記排滓処理が行われる。つまり、L字型脱硫装置30の移動と、排滓処理が同時に行われる。以下、このような動作について、図9図11を参照しながら詳細に説明する。図9はL字型脱硫装置30による脱硫処理を示す図である。図10は排滓装置40による排滓処理を示す図である。図11は本脱硫方法のタイムチャートである。なお、脱硫処理のことをKR処理とも言う。

0026

最初に、図11のタイムチャートの左端における溶銑鍋10、鍋傾動装置20、L字型脱硫装置30、および排滓装置40の状態について説明する。この時点における各装置の状態は、L字型脱硫装置30が処理位置L3に位置することを除けば、基本的には図1に示す状態と一致する。すなわち、鍋傾動装置20A には溶銑で満たされた溶銑鍋10Aがクレーン50より乗せられ(S1)、前排滓処理(S3)をスタートするために、鍋傾動装置20Aの溶銑鍋傾動機構201Aが溶銑鍋10Aを傾動させ始めようとしている(S2)。鍋傾動装置20Aおよび溶銑鍋10Aは図1に示すように処理位置L1に配置されている。一方で、鍋傾動装置20Bにも溶銑で満たされた溶銑鍋10Bが乗せられており、L字型脱硫装置30による脱硫処理がすでに進行中(スタートから5分経過)である(S12)。鍋傾動装置20B、溶銑鍋10B、およびL字型脱硫装置30は処理位置L3に配置されている。

0027

処理位置L1では、溶銑鍋10Aの傾動が終わると(S2)、前排滓処理が始まる(S3)。溶銑鍋10Aの傾動(S2)には1分が所要され、前排滓処理(S3)には10分が所要される。前排滓処理(S3)の直後、溶銑鍋10Aは鍋傾動装置20Aにより正立位置に戻る(S4)。これと同時に、L字型脱硫装置30が脱硫処理(S6)を行うために、処理位置L3から移動して処理位置L1に進入する(S5)。同時に行われる溶銑鍋10Aの傾動(S4)とL字型脱硫装置30の移動(S5)には1分が所要される。

0028

脱硫処理(S6)が終わると、後排滓処理(S9)をスタートするために、鍋傾動装置20Aの溶銑鍋傾動機構201Aが溶銑鍋10Aを傾動させる(S7)。これと同時に、L字型脱硫装置30が次の脱硫処理(S23)を行うために、処理位置L1から移動して処理位置L3に進入する(S8)。同時に行われる溶銑鍋10Aの傾動(S7)とL字型脱硫装置30の移動(S8)には1分が所要される。

0029

後排滓処理(S9)の直後、溶銑鍋10Aは鍋傾動装置20Aにより元の位置に戻る(S10)。そして、脱硫工程がすべて終わった溶銑鍋10Aは、クレーン50により搬出され、転炉まで移動され、溶銑鍋10A中の溶銑が転炉に装入される(S11)。ここまでが、処理位置L1における一連の作業であり、総所要時間は39分である。

0030

一方、処理位置L3でも同様の手順が行われる。すなわち、脱硫処理(S12)が終わると、後排滓処理(S15)をスタートするために、鍋傾動装置20Bが溶銑鍋10Bを傾動させる(S13)。これと同時に、L字型脱硫装置30が次の脱硫処理(S6)を行うために、処理位置L3から移動して処理位置L1に進入する(S14)。同時に行われる溶銑鍋10Aの傾動(S13)とL字型脱硫装置30の移動(S14)には1分が所要される。なお、図11において、L字型脱硫装置30の移動を示すS5とS14は実は同じ動作であるが、説明の便宜上、異なる符号を付している。

0031

後排滓処理(S15)の直後、溶銑鍋10Bは鍋傾動装置20Bにより元の位置に戻る(S16)。そして、脱硫工程がすべて終わった溶銑鍋10Bはクレーン50により搬出され、転炉まで移動され、溶銑鍋10B中の溶銑が転炉に装入される(S17)。ここまでが、処理位置L3における一連の作業であり、溶銑鍋10Bがクレーン50より乗せられた時点から計った総所要時間は39分である。また、同様に、手順S18から手順28までが実行され、総所要時間は同じく39分である。

0032

以上の動作において、溶銑鍋10の傾動とL字型脱硫装置30の移動は、つまりS4とS5、S7とS8、S13とS14、S21とS22、S24とS25は、同時にスタートして実行される。2つの動作が同時に進行できる理由は、L字型脱硫装置30の収容部305の排滓装置40側の側面305aに、排滓装置40の少なくとも一部、つまり掻出し装置401、掻出し棒402、排滓受け403が収容部305内に移動自在(進入自在)になるように開口305bが形成されているからである。図9は脱硫処理(S6、S12、S23)が行われている際の脱硫設備1を示し、図10は排滓処理(S3、S9、S15、S20、S26)が行われている際の脱硫設備1を示す。図9および図10の両方とも図1における方向Dから見た場合の図である。脱硫処理が行われている間にL字型脱硫装置30の近傍で待機していた排滓装置40(図9)は、脱硫処理の直後、溶銑鍋10を収容しているL字型脱硫装置30の収容部305内に開口305bを通じて進入して排滓処理を行う(図10)。収容部305の排滓装置40側の側面305aに排滓装置40の進入を妨げるものが存在しないため、排滓処理を行うための掻出し装置401、掻出し棒402、および排滓受け403が、L字型脱硫装置30の別の溶銑鍋10への移動と関係なく収容部305に進入でき、L字型脱硫装置30の移動開始と同時に、溶銑鍋10の傾動からスタートする排滓処理を始めることができる。

0033

続いて、本実施形態にかかる脱硫設備1の作用及び効果について説明する。本実施形態の脱硫設備1によれば、L字型脱硫装置30は鍋傾動装置20に乗せられた溶銑鍋10を収容する収容部305を備え、収容部305の排滓装置40側の側面には、排滓装置40の少なくとも一部が収容部305内に移動自在(進入自在)になるように開口305bが形成されている。この開口305bの存在により、排滓装置40は時間に関係なくいつでもL字型脱硫装置30の内部に移動(進入)できる。つまり、排滓処理を行うための排滓装置40の移動とL字型脱硫装置30の移動とが、お互いに無関係になり、排滓装置40の移動を妨げるものが存在しない。従って、L字型脱硫装置30が脱硫処理の直後に他の溶銑鍋10に向かって移動する間であっても、鍋傾動装置20が溶銑鍋10を傾動させることができ、排滓処理の開始を早めることができる。以上により、L字型脱硫装置30の移動と排滓処理を同じ時間帯に行うことでき、その分だけ処理時間の短縮を達成することができ、脱硫工程全体における処理効率を向上させることができる。

0034

図12は、本実施形態のL字型脱硫装置30とは異なり、開口305bが存在しない場合の脱硫装置30A(L字型脱硫装置30の比較例)を、図9および図10と同じ方向から見た場合の図である。脱硫装置30Aは、L字型脱硫装置30の開口305bの位置に、物理的に空間を占める側面305cを有する。従って、脱硫処理が終わった後に、溶銑鍋10の傾動、排滓装置40の収容部305内への進入、および脱硫装置30Aの別の溶銑鍋10への移動を同時に行うことができない。つまり、側面305cの存在により、溶銑鍋10の傾動および排滓装置40の溶銑鍋10への接近動作を、脱硫装置30Aの移動完了後でないと開始することができない。図12では、溶銑鍋10の傾動、排滓装置40の溶銑鍋10への接近、および脱硫装置30Aの別の溶銑鍋10への移動の3つの動作を同時に行おうとした場合に、掻出し装置401、溶銑鍋10、および排滓受け403が側面305cとぶつかる様子をそれぞれ符号Z1、Z2、Z3で表している。

0035

図13は、脱硫装置30Aによる脱硫方法のタイムチャートである。基本的には図11を参照しながら説明した脱硫方法と同様であるが、溶銑鍋10の傾動と脱硫装置30Aの別の溶銑鍋10への移動が同時に行われない点で、排滓処理と脱硫処理の間に2分が所要されている。一方で、本実施形態のL字型脱硫装置30を用いた脱硫方法においては、図11で示したように排滓処理と脱硫処理の間に1分が所要される。すなわち、脱硫工程全体からすると、1サークルの脱硫工程にかかる所要時間がそれぞれ41分と39分であるため、本実施形態による場合の方が1サークル当たり2分の時間短縮を達成できる。

0036

また、本実施形態においては、溶銑鍋10および当該溶銑鍋10を乗せた鍋傾動装置20は脱硫処理から排滓処理に移行する間に移動せず、その代わりにL字型脱硫装置30が移動する。つまり、脱硫処理および排滓処理の両方ともが同じ場所で行われることになる。従って、脱硫処理と排滓処理とを別々の異なる場所で行う装置構成に比べると、装置構成をコンパクトにすることができる。

0037

また、本実施形態によれば、撹拌による振動および衝撃が伝わりやすい収容部305の上段に固定装置を多く設けることにより、撹拌による振動および衝撃をより効果的かつ安定的に抑制および吸収することができる。

0038

以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明が上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。

0039

例えば、上記実施形態においては、図1を参照しながら脱硫設備1の全体構成を説明したが、この構成に限られることなく、例えば3つ以上の溶銑鍋10が備えられても良い。この場合に、鍋傾動装置20および排滓装置40の数を溶銑鍋10の数と同じようにして構成しても良い。

0040

1…脱硫設備、10(10A、10B)…溶銑鍋、20(20A、20B)…鍋傾動装置、201(201A、201B)…溶銑鍋傾動機構、30…L字型脱硫装置、30A…脱硫装置(比較例)、301…基台、302…撹拌羽根回転装置、303…回転軸、304…撹拌羽根、305…収容部、305a…収容部305の側面305b…収容部305の開口、305c…収容部305の側面、306…脱硫剤貯蔵タンク、307…脱硫剤供給シュート、40(40A、40B)…排滓装置、401…掻出し装置、402…掻出し棒、403…排滓受け、50…クレーン、60…制御装置、70(701〜706)…固定装置。

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