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図面 (2)

課題

食品及び飲料において、おいしさを損なうことなく、安全かつ安価に、酸味を低減する方法、並びに該方法に供する酸味の低減剤を提供する。

解決手段

酵母エキス又は分岐鎖アミノ酸合物を有効成分とする。本発明は、様々な食品において、有効成分由来呈味を付与することなく、酸味を有効に低減することができる。また食品・飲料の保存中により生じる酸味の低減にも有効である。

概要

背景

味は甘味旨味苦味塩味及び酸味の5基本味分類され、これらはそれぞれ異なる味細胞受容されると考えられている。酸味(さんみ)は、口中をさわやかにして食味を進める働きがある。また酸味は、塩味をまろやかにするともいわれ、醤油ソーストマトケチャップ等の混合調味料には、元来酸が含まれている。そして、酸味のある食品液性酸性であることが多く、酸味は食品の鮮度を保ち、腐敗を防ぐのにも寄与しているといえる。

その一方で、酸味は、味覚発達していない乳児子どもには嫌われがちな味でもあり、また酸味が強すぎると食しにくく、味のバランスがよくないことが多い。酸味を与える物質としてよく知られた食酢酢酸)は、そのままでは酸味が強く、刺激臭後味の悪さがあり、それらを酢カドと称するが、砂糖だし汁を加えて酢カドをとることが行われてきている。

他方、酵母エキスは、食経験の豊富パン酵母ビール酵母などから作られ、タンパク質加水分解物牛海綿状脳症BSE)及びアレルギーといった食に関連した問題、近年の消費者天然素材志向、味の複雑化等を背景に、利用が拡大されてきた。酵母エキスについては、その本来的な役割である食品への呈味風味の付与を担う成分について研究されてきたほか(非特許文献1及び2)、苦味のマスキング(特許文献1)、塩味様呈味の増強(特許文献2)及び塩化カリウム由来するえぐ味及び/又は金属味の抑制(特許文献3)等の用途が検討されてきた。

概要

食品及び飲料において、おいしさを損なうことなく、安全かつ安価に、酸味を低減する方法、並びに該方法に供する酸味の低減剤を提供する。酵母エキス又は分岐鎖アミノ酸合物を有効成分とする。本発明は、様々な食品において、有効成分由来の呈味を付与することなく、酸味を有効に低減することができる。また食品・飲料の保存中により生じる酸味の低減にも有効である。なし

目的

本発明は、全遊離アミノ酸に対するロイシンイソロイシン及びバリンからなる分岐鎖アミノ酸の割合が高い酵母エキスを有効成分とする、酸味低減剤を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

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請求項1

遊離アミノ酸に対するロイシンイソロイシン及びバリンからなる分岐鎖アミノ酸の割合が20%以上である酵母エキスを有効成分とする、酸味低減剤

請求項2

酵母エキスが、モノヌクレオチド類の割合が3%以下であるものである、請求項1に記載の酸味低減剤。

請求項3

分岐鎖アミノ酸に対するロイシンの割合が、45%以上である、請求項1又は2に記載の酸味低減剤。

請求項4

ロイシン、イソロイシン、及びバリンからなる分岐鎖アミノ酸を有効成分とする、酸味低減剤。

請求項5

分岐鎖アミノ酸に対するロイシンの割合が、45%以上である、請求項4に記載の酸味低減剤。

請求項6

全遊離アミノ酸に対するロイシン、イソロイシン及びバリンからなる分岐鎖アミノ酸の割合が20%以上である酵母エキスを0.001〜0.1%含む、乳酸発酵飲食品

請求項7

有機酸を0.5〜5%含み、かつロイシン、イソロイシン、及びバリンからなる分岐鎖アミノ酸を0.0001〜0.011%含む、飲食品。

請求項8

全遊離アミノ酸に対するロイシン、イソロイシン及びバリンからなる分岐鎖アミノ酸の割合が20%以上である酵母エキスを用いる、飲食品における酸味低減方法

請求項9

ロイシン、イソロイシン及びバリンを併用する、飲食品における酸味の低減方法。

請求項10

飲食品における調味方法であって、全遊離アミノ酸に対するロイシン、イソロイシン及びバリンからなる分岐鎖アミノ酸の割合が20%以上である酵母エキスを用いるか、又はロイシン、イソロイシン及びバリンを併用し、それにより味を付与せずに酸味を低減する、方法。

技術分野

0001

本発明は、酵母エキス又はアミノ酸を用いる、飲食品における酸味低減方法に関する。

背景技術

0002

味は甘味旨味苦味塩味及び酸味の5基本味分類され、これらはそれぞれ異なる味細胞受容されると考えられている。酸味(さんみ)は、口中をさわやかにして食味を進める働きがある。また酸味は、塩味をまろやかにするともいわれ、醤油ソーストマトケチャップ等の混合調味料には、元来酸が含まれている。そして、酸味のある食品液性酸性であることが多く、酸味は食品の鮮度を保ち、腐敗を防ぐのにも寄与しているといえる。

0003

その一方で、酸味は、味覚発達していない乳児子どもには嫌われがちな味でもあり、また酸味が強すぎると食しにくく、味のバランスがよくないことが多い。酸味を与える物質としてよく知られた食酢酢酸)は、そのままでは酸味が強く、刺激臭後味の悪さがあり、それらを酢カドと称するが、砂糖だし汁を加えて酢カドをとることが行われてきている。

0004

他方、酵母エキスは、食経験の豊富パン酵母ビール酵母などから作られ、タンパク質加水分解物牛海綿状脳症BSE)及びアレルギーといった食に関連した問題、近年の消費者天然素材志向、味の複雑化等を背景に、利用が拡大されてきた。酵母エキスについては、その本来的な役割である食品への呈味風味の付与を担う成分について研究されてきたほか(非特許文献1及び2)、苦味のマスキング(特許文献1)、塩味様呈味の増強(特許文献2)及び塩化カリウム由来するえぐ味及び/又は金属味の抑制(特許文献3)等の用途が検討されてきた。

0005

特開2009-278917号公報
WO2008/055739(特許4308316)
特開2012-105597号公報

先行技術

0006

谷澤順子、伏見善也; 月刊フードケミカル, 2006, vol.22, No.9, p 86-90
伏見善也、谷澤順子; 月刊フードケミカル, 2008, vol.24, No.8, p 70-74

発明が解決しようとする課題

0007

酸味を呈する成分としては、酢酸以外に、乳酸クエン酸リンゴ酸酒石酸コハク酸フマール酸等が知られており、飲食品へ酸味を付与するため、あるいは飲食品の保存性を高めるために、酸味料として、あるいはpH調整剤として用いられている。しかし、酸味を低減したい場合に、満足できるレベルにまで低減する方法は知られていない。また、これまで知られている酢カドをとるための方法は、他の味でマスキングしようとするものであり、酸味以外の味が付与されて味のバランスが崩れ、あるいは本来的なおいしさが失われてしまうことがあり、また使用できる食品も限られていた。

0008

さらには有機酸塩を有効成分とする、既存の発酵食品発酵飲料の中には、保存期間が長くなると、有機酸由来の酸味が強く感じられるようになるものがある。このような場合にも酸味を抑えて味のバランスを保つための有効な手段が必要であった。

課題を解決するための手段

0009

本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定の酵母エキスによって、種々の飲食品における酸味が低減できることを見出した。また効果の高かった酵母エキスについて分析し、特定のアミノ酸の組み合わせが酸味の低減に特に効果的であることを見出し、本発明を完成した。

0010

本発明は以下を提供する
[1]全遊離アミノ酸に対するロイシンイソロイシン及びバリンからなる分岐鎖アミノ酸の割合が20%以上 である酵母エキスを有効成分とする、酸味低減剤
[2]酵母エキスが、モノヌクレオチド類の割合が3%以下であるものである、[1]に記載の酸味低減剤。
[3]分岐鎖アミノ酸に対するロイシン含量の割合が、45%以上である、[1]又は[2]に記載の酸味低減剤。
[4]ロイシン、イソロイシン、及びバリンからなる分岐鎖アミノ酸を有効成分とする、酸味低減剤。
[5]分岐鎖アミノ酸に対するロイシン量の割合が、45%以上である、[4]に記載の酸味低減剤。
[6]全遊離アミノ酸に対するロイシン、イソロイシン及びバリンからなる分岐鎖アミノ酸の割合が20%以上である酵母エキスを0.001〜0.1%含む、乳酸発酵飲食品。
[7]有機酸を0.5〜5%含み、かつ
ロイシン、イソロイシン、及びバリンからなる分岐鎖アミノ酸を0.0001〜0.011%含む、飲食品。
[8]全遊離アミノ酸に対するロイシン、イソロイシン及びバリンからなる分岐鎖アミノ酸の割合が20%以上である酵母エキスを用いる、飲食品における酸味の低減方法。
[9]ロイシン、イソロイシン及びバリンを併用する、飲食品における酸味の低減方法。
[10]飲食品における調味方法であって、
全遊離アミノ酸に対するロイシン、イソロイシン及びバリンからなる分岐鎖アミノ酸の割合が20%以上である酵母エキスを用いるか、又はロイシン、イソロイシン及びバリンを併用し、それにより味を付与せずに酸味を低減する、方法。

発明の効果

0011

本発明により、酸味を呈する成分を含む飲食品のおいしさを損なうことなく、酸味を低減することができる。

図面の簡単な説明

0012

実施例において酸味低減能を測定した酵母エキス等の分岐鎖アミノ酸組成を示した図である。
実施例において酸味低減能を測定した酵母エキス等のモノヌクレオチド割合を示した図である。※1:香料製剤Y-1(富士食品工業株式会社製)、※2: 香料製剤Y-2(富士食品工業株式会社製)

0013

本発明においては、「%」は、特に記載した場合を除き、「重量%」を意味する。本発明で数値範囲を「m〜n」で表すときは、特に記載した場合を除き、両端のm及びnを含む範囲を指す。

0014

本発明で「飲食品」というときは、固形のもののみならず、飲料及びスープのような液状の経口摂取物も含む。また、そのまま接種される形態のもの(例えば、調理済みの各種の食品、サプリメントドリンク剤)のみならず、食品添加物調味料組成物飲料濃縮物も含む。さらに、ヒトのみならず、非ヒト動物ペット家畜等)のためのものも含む。「飲食品」はまた、一般食品(いわゆる健康食品を含む。)のほか、保健機能食品栄養機能食品、及び保健機能食品を含む。)を含む。

0015

本発明において、「アミノ酸」というときは、特に記載した場合を除き、遊離のアミノ酸を意味する。また、「アミノ酸」は、特に記載した場合を除き、通常食品として摂取されるL体のものを指す。本発明で「分岐鎖アミノ酸」というときは、特に記載した場合を除き、バリン、ロイシン及びイソロイシンからなる群から選択されるいずれかを意味する。本発明でアミノ酸の量をいうときは、特に記載した場合を除き、塩ではなく、無水物として測定された値に基づく量を意味する。また、本発明において、酵母エキスの成分に関し「全遊離アミノ酸」というときは、ペプチドタンパク質を構成しているアミノ酸を含まない趣旨である。また、酵母エキス中のあるアミノ酸の含有割合に関し、「全遊離アミノ酸に対する」というときは、特に記載した場合を除き、全遊離アミノ酸中に占めるそのアミノ酸(遊離のものである。)の含有割合を意味する。

0016

本発明は、全遊離アミノ酸に対するロイシン、イソロイシン及びバリンからなる分岐鎖アミノ酸の割合が高い酵母エキスを有効成分とする、酸味低減剤を提供する。本発明者らの検討によると、種々の酵母のうち、特に分岐鎖アミノ酸含量が高い酵母は、飲食品の酸味を有効に低減した。

0017

ロイシン、イソロイシン及びバリンからなる分岐鎖アミノ酸は、十分な酸味低減効果を発揮するとの観点からは、酵母エキスの全遊離アミノ酸に対して20%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましく、30%以上であることがさらに好ましい。上限値は、用いる原料酵母や酵母エキスの製造方法にも拠るが、いずれの場合であっても、50%以下とすることができる。

0018

本発明に用いられる酵母エキスは、モノヌクレオチド類、すなわち呈味性核酸が少ないことが好ましい。呈味性核酸含量が低いものを用いることにより、添加される飲食品において、旨味、コク味等が付与されず、味のバランスを崩すことがないからである。

0019

本発明において酵母エキスの成分に関して、「モノヌクレオチド(類)」というときは、旨味を有する呈味性核酸を意味し、これには、5'−イノシン酸、5'−グアニル酸、5'−アデニル酸、5'−ウラジル酸、5'−シチジル酸、それらの金属塩(例えば、2ナトリウム塩)、及びそれらの溶媒和物(例えば、2ナトリウム塩の7水和物)が含まれる。

0020

酵母エキスにおけるモノヌクレオチド量は、呈味を感得させないとの観点からは、2ナトリウム塩の7水和物として、酵母エキスに対して3%以下であることが好ましく、2.5%以下であることがより好ましく、2.4%以下であることがさらに好ましい。下限値は、用いる原料酵母や酵母エキスの製造方法にも拠るが、いずれの場合であっても、0.4%以上とすることができる。

0021

本発明に用いることのできる酵母エキスは、飲食品製造の分野において通常用いられている酵母、例えば、パン製造に用いられているパン酵母、食料飼料等の製造に用いられているトルラ酵母ビール製造に用いられているビール酵母を原料として調製したものである。原料酵母は、増殖性が良好であることから、パン酵母やトルラ酵母であることが好ましく、サッカロマイセス(Saccharomyces)に属する菌やキャンディダ(Candida)に属する菌であることがより好ましく、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)に属する菌やキャンディダ・ユーティリス(Candida utilis)に属する酵母であることが特に好ましい。

0022

本発明において酵母エキスとは、酵母が有する様々な成分を抽出したものであり、アミノ酸やペプチド、核酸、ミネラル等が含まれている。また、酵母の種類や培養条件抽出条件によって、各種成分の含有比を調整することができる。酵母エキスは、濃縮物粗精製物液状物乾燥物粉末顆粒等の形態であってもよい。

0023

酵母エキスの抽出方法は、特に限定されるものではなく、酵母等の生物原料からエキスを抽出する際に通常用いられる方法のうち、いずれの方法を用いてもよい。該抽出方法として、例えば、自己消化法酵素分解法等がある。ここで、自己消化法とは、酵母が本来有している酵素の働きにより、酵母を可溶化し、抽出する方法であり、遊離アミノ酸含有量の多い酵母エキスを得ることができる。一方、酵素分解法とは、熱処理等により、酵母が有する酵素等を不活性化した後、分解酵素を添加して酵母を可溶化し、抽出する方法である。外部から適当な酵素を添加することにより、酵素反応を簡便に制御し得るため、遊離アミノ酸や核酸の含有量を調整することができる。酵素分解法において用いられる酵素は、通常生体成分を分解する際に用いられる酵素であれば、特に限定されるものではなく、任意の酵素を用いることができる。該酵素として、例えば、酵母の細胞壁を分解し得る酵素、タンパク質分解酵素核酸分解酵素等があり、これらを適宜併用することにより、酵母から各種成分を効率よく抽出することができる。

0024

本発明においては、1種類の酵母由来の酵母エキスを有効成分としてもよく、複数種類の酵母由来の酵母エキスを有効成分としてもよい。例えば、サッカロマイセス・セレビシエに属する酵母とキャンディダ・ユーティリスに属する酵母をそれぞれ別個に培養した後に集菌したものを混合した混合菌体から抽出することにより得られた酵母エキスを有効成分としてもよく、培養した各酵母を別個に抽出することにより得られた酵母エキスを混合することにより得られた酵母エキスを有効成分としてもよい。

0025

また本発明においては、通常の酵母エキスの代わりに、酵母エキスを主原料として調製された香料製剤を用いることができる。すなわち、本発明で酵母エキスというときは、特に記載した場合を除き、香料製剤の形態であってもよい。香料製剤は、飲食品に香気を付与し、又は飲食品における香気を増強するために使用される食品添加物として認められているものの一つである。香料製剤は、天然物から採取した天然香料等を調合した香料ベースを、使用対象に応じて、水溶性香料製剤、油性香料製剤、乳化香料製剤、又は粉末香料製剤として製造される。香料製剤は、酵母エキス以外に、飲食品として許容される他の食品素材を含んでいてもよい。

0026

本発明はまた、全遊離アミノ酸に対するロイシン、イソロイシン及びバリンからなる分岐鎖アミノ酸の割合が20%以上である酵母エキスを0.001〜0.1%含む、乳酸発酵飲食品を提供する。素材の味を損ねることなく酸味だけをより有効に低減するとの観点からは、酵母エキスの量は、0.001〜0.05%であることが好ましく、0.0015〜0.02%であることがより好ましい。

0027

本発明の「乳酸発酵飲食品」には、具体的には、発酵乳製品(例えば、ヨーグルト乳酸菌飲料)、チーズ類(例えば、ナチュラルチーズプロセスチーズチーズスプレッド発酵バター)、発酵物製品キムチ、すぐき、ぬか漬けピクルスザワークラウト)、なれ寿司が含まれる。
本発明により、特定の酵母エキスが添加された乳酸発酵飲食品は、添加直後に酸味が抑制されるのみならず、その効果が持続しうる。

0028

本発明はまた、全遊離アミノ酸に対するロイシン、イソロイシン及びバリンからなる分岐鎖アミノ酸の割合が20%以上である酵母エキスを0.001〜0.1%含む、飲食品も提供する。素材の味を損ねることなく酸味だけをより有効に低減するとの観点からは、酵母エキスの量は、0.003〜0.075%であることがより好ましい。

0029

本発明の「飲食品」には、具体的には、調味料組成物、野菜果実製品、寿司、調理済み惣菜、酸味料、pH調節剤が含まれる。調味料組成物の例としては、サラダドレッシング(単に「ドレッシング」ということもある。)、マヨネーズウスターソース、とんかつソース、食酢、すし酢、醤油、醤油加工品、つゆ、濃縮つゆ、たれ(例えば、冷やし中華のたれ、焼き肉のたれ)を挙げることができる。また、野菜・果実製品の例としては、トマトスープトマトジューストマトピューレ、トマトケチャップ、野菜ジュース果汁飲料果汁の搾濃縮果汁還元果汁オレンジジュース、うんしゅうかんジュースグレーフルーツジュースレモンジュース、りんごジュース、パイアップルジュースももジュース、ぶどうジュース、果実ミックスジュース果粒入り果実ジュース、果実・野菜ミックスジュース、果汁入り飲料ピューレを挙げることができる。

0030

飲食品に含まれる有機酸の例として、L-リンゴ酸、D-リンゴ酸、L-乳酸、D-乳酸/L-乳酸、酢酸、蟻酸、クエン酸、コハク酸、D-グルコン酸グルコノラクトンL-アスコルビン酸、D-イソクエン酸を挙げることができるが、本発明は、いずれの有機酸に対しても有効に酸味を低減することができる。また単独の有機酸であっても、有機酸混合物であっても、有効に酸味を低減することができる。それぞれの酸に対し、酸味低減上有効な酵母エキスの量は、当業者であれば、適宜設計できるが、例えば、穀物酢を20%(酢酸としては約0.8%と計算される。)含むドレッシングにおいては、酵母エキスを、例えば0.01〜0.1%、好ましくは、0.03〜0.075%の濃度で用いることができる。また、飲食品として適した程度に乳酸発酵させた乳酸菌飲料においては、0.001〜0.1%、好ましくは0.001〜0.05%、より好ましくは0.0015〜0.02%の濃度で用いることができる。また、クエン酸を6.3〜17g/L含む柑橘系ジュースにおいては、0.003〜0.05%、好ましくは0.005〜0.02%の濃度で用いることができる。

0031

酸味が低減されたか否か、その程度は、当業者であれば、飲食品のための官能評価の手法を用い、適宜評価できる。評価に際しては、官能評価基準を酸味の抑制の有無及び程度、並びに酵母エキスを添加したことによる旨味の有無及びその程度の双方の観点について基準を設けることができる。またより具体的な評価のための方法、基準として、本発明の実施例の項を参考にすることができる。

0032

本発明はまた、ロイシン、イソロイシン、及びバリンからなる分岐鎖アミノ酸を有効成分とする、酸味低減剤も提供する。本発明者らの検討によると、酵母エキスのうち、特にロイシン、イソロイシン、及びバリンからなる分岐鎖アミノ酸が、酸味の低減に対する寄与が高く、また分岐鎖アミノ酸のうちでは、ロイシン、イソロイシン、バリンの順に、酸味低減効果が高いことが示唆された。したがって、寄与率の高いロイシン、イソロイシン、及びバリンからなる分岐鎖アミノ酸を利用することにより、酵母エキスを用いる場合以上に、酸味の低減効果が奏されうる。本明細書で述べてきたように酵母エキスが酸味の低減において有効である場合には、酵母エキスに代えて、ロイシン、イソロイシン、及びバリンからなる分岐鎖アミノ酸を有効成分とする、酸味低減剤を用いることができる。本発明は、このような態様も権利範囲として包含する。

0033

本発明の分岐鎖アミノ酸を有効成分とする酸味低減剤においては、酸味低減効果の高いロイシン量の割合を高くすることができ、ロイシン量は45%以上であることがより好ましく、46%以上であることがより好ましく、47%以上であることがさらに好ましい。

0034

分岐鎖アミノ酸の比率は、ロイシン量の割合が高く、目的の効果を十分に発揮することができる限り、特に限定されないが、バリン:ロイシン:イソロイシン=1:1.3〜2.3:0.5〜1.5とすることができ、1:1.5〜2.1:0.7〜1.3であることが好ましく、1:1.7〜1.9:0.9〜1.1であることがさらに好ましい。

0035

本発明は、酸味の苦手な対象(乳幼児を含む。)のための飲食品とすることができる。このような飲食品は、医師以外の者による、疾患又は状態についての処置を要する人、食事制限が必要な人、又は健康な食生活を志向する人のための、食事指導栄養指導を含み、またそのような人のための、医薬品以外の食事療法食、成分調整食、減塩食、介護食又は非常食を含む。

0036

次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

0037

試験1: 種々の食品・飲料における酸味低減の評価〕
1.ドレッシングへの添加効果
表1に記載の配合量にて常法により製造したドレッシングに、種々の酵母エキスを表2に示す量で添加し、専門パネラー5名による、酸味低減効果の官能評価を実施した。

0038

官能評価基準(特に記載した場合を除き、以下の官能評価において共通)
◎:酸味が十分に抑制されており、かつ酵母エキスを添加したことによる旨味を感じないか、感じたとしても元来の味のバランスを損なうほどではない
○:酸味がある程度抑制されており、かつ酵母エキスを添加したことによる旨味をほとんど感じないか、感じたとしても元来の味のバランスを損なうほどではない
△:酸味抑制がわずかに抑制されている、あるいは酵母エキスの旨味を感じる。
×:酸味がまったく抑制されていない、あるいは本来の味とは異なる味を強く感じる。

0039

0040

0041

2.冷やし中華のタレへの添加効果確認
表3に記載の配合量にて常法により製造した冷やし中華のタレに、各酵母エキス及び各香料製剤を表4に示すように添加し、専門パネラー5名による、酸味低減効果の官能評価を実施した。

0042

0043

0044

3.トマトスープへの添加効果
表5に記載の配合量にて常法により製造したトマトスープに、各酵母エキス及び各香料製剤を表6に示すように添加し、専門パネラー5名による、酸味低減効果の官能評価を実施した。

0045

0046

0047

4.pH調整剤への添加
酢酸ナトリウムを主成分とするpH調整剤トップキープデリ10(奥野製薬工業株式会社製)の0.5%溶液に、各酵母エキス及び各香料製剤を表7に示すように添加し、専門パネラー5名による、酸味低減効果の官能評価を実施した。

0048

0049

5.ヨーグルトへの添加効果
ブルガリアヨーグルト((株)明治製)に、各酵母エキス及び各香料製剤を表8に示すように添加し、専門パネラー5名による、酸味低減効果の官能評価を実施した。

0050

0051

6.果汁ジュースへの添加効果
果汁100%グレープフルーツジュースに、各酵母エキス及び各香料製剤を表9に示すように添加し、専門パネラー5名による、酸味低減効果の官能評価を実施した。

0052

0053

7.乳酸菌飲料への添加効果・1
" 乳酸菌飲料 ジョア(ヤクルト社製)に、各酵母エキス及び香料製剤を表10に示すように添加後、10℃で1週間保存し、専門パネラー5名による、酸味低減効果の官能評価を実施した。また、酸味低減効果が高かったYP-21CMに関して、適正範囲(○印)と至適範囲(◎印)を求め、その結果を表11に示した(○等の意義は、官能評価の場合と同じ。)。

0054

0055

0056

8.酸味を有する飲料への添加効果・1
表12に記載の配合量にて調整した酸味模擬液(pH3.70前後に調整)にYP-21CMを0.01%添加した後、YP-21CMが含有する分岐鎖アミノ酸(遊離の、ロイシン、イソロイシン、バリン)を、それぞれ表13に示す組合せで、YP-21CMを0.05%添加した場合に相当する量で更に添加し、専門パネラー5名による、酸味低減効果を評価した。

0057

0058

0059

その結果、(1)〜(5)の全てにおいて、酸味低減効果及び他の味の付与がないことが確認され、その効果は、(1)>(2)>(4)>(3)>(5)の順で 高かった。(5)の酸味低減効果を1点としたとき、(1)〜(4)の効果を1〜5点で採点させ、そのパネラー平均値も表13中に示した。
1点:同等、2点:ほぼ同じ、3点:やや異なる、4点:異なる、5点:かなり異なる

0060

分岐鎖アミノ酸の添加により、分岐鎖アミノ酸/全遊離アミノ酸の重量比率を大きくことで、酵母エキス単独の添加効果をより高めることができることが確認された。また、分岐鎖アミノ酸の種類により、酸味の抑制効果が異なることが示された。分岐鎖アミノ酸の中では、酸味低減効果は、Leu>Ile>Valであると予想された。

0061

9.酸味を有する飲料への添加効果・2
表12に記載の配合量にて調整した酸味模擬液(pH3.70前後に調整)に、表14に示した割合で遊離のアミノ酸を含む分岐鎖アミノ酸混合品を、表15記載の濃度で添加し、それぞれの酸味低減効果を検証した。その結果を表15に示す。有効適正範囲に(○印)、至適範囲に(◎印)を付した。

0062

0063

0064

〔試験2:酵母エキス等における遊離アミノ酸の分析〕
各酵母エキス及び各香料製剤における遊離アミノ酸を分析した。全遊離アミノ酸重量を100とした場合の、遊離の、バリン、ロイシン及びイソロイシンそれぞれの量を下表及び図1に表した。

0065

実施例

0066

また各酵母エキス及び各香料製剤におけるモノヌクレオチド類を分析した。酵母エキス100重量部中のモノヌクレオチド類(5'-イノシン酸、5'-グアニル酸、5'-シチジル酸、5'-ウラシル酸及び5'-アデニル酸のそれぞれの2ナトリウム塩の7水和物の総量)を下表及び図2に表した。

0067

本発明は、飲食品製造産業外食産業経口用医薬製造産業、乳幼児用食、治療食、介護食の製造産業、栄養・食餌指導医療などの産業において、利用可能である。

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