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図面 (3)

課題

分離後支持体に付着している残渣物を除去し、当該支持体の再利用を可能にする。

解決手段

積層体10を処理する処理方法は、分離層3に光を照射して分離層3を変質させ、サポートプレート4と基板1とを分離する分離工程と、分離した後の上記サポートプレート4の表面をプラズマアッシングすることにより、サポートプレート4の表面に付着している分離層3又は接着層2の残渣物を除去するプラズマアッシング工程とを包含する。

概要

背景

近年、電子機器に搭載される半導体チップの小型化、薄型化及び高集積化への要求が高まっている。このため、半導体チップの基礎となる基板研削して、薄板化する必要がある。しかし、研削することによって基板の強度は弱くなる。その結果、基板にクラック及び反りが生じやすくなる。また、薄板化された基板は、搬送を自動化することができないため、人手によって行なわなければならず、その取り扱いが煩雑であった。

そのため、研削する基板をガラス製のサポートプレート接着剤を用いて貼り合せることによって、基板の強度を保持し、クラックの発生及び基板に反りが生じることを防止する方法が開発されている(特許文献1の記載を参照)。

特許文献1に記載の方法では、サポートプレートに有機物等の付着物が付着していると、基板とサポートプレートとの間に僅かな隙間が生じ、基板が欠損してしまう。このため、基板が貼着される前の前処理として、サポートプレートを洗浄する必要がある。

また、通常、サポートプレートの表面積は、基板の表面積と同一以上の大きさを有している。このため、サポートプレートに支持された状態の基板に配線を形成すると、サポートプレートの周縁部における基板に覆われていない露出部分にも金属が付着してしまう。さらに、基板を剥離した後のサポートプレートには、接着剤が残存してしまう。このため、サポートプレートを再利用するためには、基板を剥離した後のサポートプレートから金属や有機物等の付着物を完全に除去する必要がある。

一般に、サポートプレートに付着した金属や有機物は、酸、アルカリ有機溶剤等の薬液を用いて除去することができる。例えば、金属は王水を用いて除去することができる。また、有機物は有機溶剤又は酸を用いて除去することができる。

また、ガラス基板洗浄方法として、特許文献2には、加熱した硫酸過酸化水素水との混合液でガラス基板を処理することにより、ガラス基板に付着した金属や有機物を除去する方法が開示されている。

特許文献3には、ガラス基板を酸で洗浄することにより、ガラス基板に付着した付着物を除去する方法が開示されている。

また、金属膜除去方法として、特許文献4には、回路基板に形成された金属膜にレーザー光照射して金属膜を溶融除去する際に、レーザー光の熱によって回路基板が熱損しないように、レーザー光を照射する部分をレーザー光が通過する液体で覆う方法が開示されている。

概要

分離後支持体に付着している残渣物を除去し、当該支持体の再利用を可能にする。積層体10を処理する処理方法は、分離層3に光を照射して分離層3を変質させ、サポートプレート4と基板1とを分離する分離工程と、分離した後の上記サポートプレート4の表面をプラズマアッシングすることにより、サポートプレート4の表面に付着している分離層3又は接着層2の残渣物を除去するプラズマアッシング工程とを包含する。

目的

本発明は、分離後の支持体に付着している残渣物を除去し、当該支持体の再利用を可能にする処理方法及び処理装置を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

基板と、接着層と、光を吸収することにより変質する分離層と、支持体とをこの順番に積層してなる積層体を処理する処理方法であって、上記分離層に光を照射して当該分離層を変質させ、上記支持体と上記基板とを分離する分離工程と、分離した後の上記支持体の表面をプラズマアッシングすることにより、上記支持体の表面に付着している上記分離層又は上記接着層の残渣物を除去するプラズマアッシング工程とを包含することを特徴とする処理方法。

請求項2

プラズマアッシングされた上記支持体の表面を溶剤洗浄する洗浄工程をさらに包含することを特徴とする請求項1に記載の処理方法。

請求項3

上記洗浄工程では、上記支持体の表面をスクラブ洗浄することを特徴とする請求項2に記載の処理方法。

請求項4

上記プラズマアッシング工程は、酸素アッシングにより行われることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の処理方法。

請求項5

基板と、接着層と、光を吸収することにより変質する分離層と、支持体とをこの順番に積層してなる積層体における当該分離層を変質させて上記支持体と上記基板とを分離した後の、当該支持体を処理する処理装置であって、上記支持体の表面をプラズマアッシングすることにより、上記支持体の表面に付着している上記分離層又は上記接着層の残渣物を除去するプラズマ発生手段と、プラズマアッシングされた上記支持体の表面を溶剤で洗浄する洗浄手段とを備えることを特徴とする処理装置。

請求項6

洗浄された上記支持体の表面に、光を吸収することにより変質する分離層を形成する分離層形成手段をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の処理装置。

技術分野

0001

本発明は、積層体を処理する処理方法及び処理装置に関する。

背景技術

0002

近年、電子機器に搭載される半導体チップの小型化、薄型化及び高集積化への要求が高まっている。このため、半導体チップの基礎となる基板研削して、薄板化する必要がある。しかし、研削することによって基板の強度は弱くなる。その結果、基板にクラック及び反りが生じやすくなる。また、薄板化された基板は、搬送を自動化することができないため、人手によって行なわなければならず、その取り扱いが煩雑であった。

0003

そのため、研削する基板をガラス製のサポートプレート接着剤を用いて貼り合せることによって、基板の強度を保持し、クラックの発生及び基板に反りが生じることを防止する方法が開発されている(特許文献1の記載を参照)。

0004

特許文献1に記載の方法では、サポートプレートに有機物等の付着物が付着していると、基板とサポートプレートとの間に僅かな隙間が生じ、基板が欠損してしまう。このため、基板が貼着される前の前処理として、サポートプレートを洗浄する必要がある。

0005

また、通常、サポートプレートの表面積は、基板の表面積と同一以上の大きさを有している。このため、サポートプレートに支持された状態の基板に配線を形成すると、サポートプレートの周縁部における基板に覆われていない露出部分にも金属が付着してしまう。さらに、基板を剥離した後のサポートプレートには、接着剤が残存してしまう。このため、サポートプレートを再利用するためには、基板を剥離した後のサポートプレートから金属や有機物等の付着物を完全に除去する必要がある。

0006

一般に、サポートプレートに付着した金属や有機物は、酸、アルカリ有機溶剤等の薬液を用いて除去することができる。例えば、金属は王水を用いて除去することができる。また、有機物は有機溶剤又は酸を用いて除去することができる。

0007

また、ガラス基板洗浄方法として、特許文献2には、加熱した硫酸過酸化水素水との混合液でガラス基板を処理することにより、ガラス基板に付着した金属や有機物を除去する方法が開示されている。

0008

特許文献3には、ガラス基板を酸で洗浄することにより、ガラス基板に付着した付着物を除去する方法が開示されている。

0009

また、金属膜除去方法として、特許文献4には、回路基板に形成された金属膜にレーザー光照射して金属膜を溶融除去する際に、レーザー光の熱によって回路基板が熱損しないように、レーザー光を照射する部分をレーザー光が通過する液体で覆う方法が開示されている。

先行技術

0010

特開2005−191550号公報(2005年7月14日公開
特開平09−227170号公報(1997年9月2日公開)
特開昭62−235236号公報(1987年10月15日公開)
特開昭63−180393号公報(1988年7月25日公開)

発明が解決しようとする課題

0011

ところで、基板と、接着層と、光を吸収することにより変質する分離層と、支持体とをこの順番に積層してなる積層体について、当該分離層を変質させた後に分離した当該支持体を再利用するための処理方法が求められている。

0012

本発明は、分離後の支持体に付着している残渣物を除去し、当該支持体の再利用を可能にする処理方法及び処理装置を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0013

本発明に係る処理方法は、上記課題を解決するために、基板と、接着層と、光を吸収することにより変質する分離層と、支持体とをこの順番に積層してなる積層体を処理する処理方法であって、上記分離層に光を照射して当該分離層を変質させ、上記支持体と上記基板とを分離する分離工程と、分離した後の上記支持体の表面をプラズマアッシングすることにより、上記支持体の表面に付着している上記分離層又は上記接着層の残渣物を除去するプラズマアッシング工程とを包含することを特徴としている。

0014

また、本発明に係る処理装置は、基板と、接着層と、光を吸収することにより変質する分離層と、支持体とをこの順番に積層してなる積層体における当該分離層を変質させて上記支持体と上記基板とを分離した後の、当該支持体を処理する処理装置であって、上記支持体の表面をプラズマアッシングすることにより、上記支持体の表面に付着している上記分離層又は上記接着層の残渣物を除去するプラズマ発生手段と、プラズマアッシングされた上記支持体の表面を溶剤で洗浄する洗浄手段とを備えることを特徴としている。

発明の効果

0015

本発明に係る処理装置は、分離後の支持体に付着している残渣物を除去し、当該支持体の再利用を可能にするという効果を奏する。

図面の簡単な説明

0016

本実施形態に係る積層体を処理する処理方法の工程を示す図である。
本実施形態に係る処理装置を示す図である。

0017

以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。

0018

〔積層体10〕
まず本実施形態に係る処理方法の処理対象となる積層体10について説明する。図1の(a)に示すように、積層体10は、基板1と、接着層2と、光を吸収することにより変質する分離層3と、サポートプレート(支持体)4とをこの順番に積層してなる。

0019

(基板1)
基板1は、サポートプレート4に支持された状態で、薄化、実装等のプロセスに供されるものである。基板1としては、ウエハ基板に限定されず、薄いフィルム基板フレキシブル基板等の任意の基板を使用することができる。

0020

(サポートプレート4)
サポートプレート4は、基板1を支持する支持体であり、光透過性を有している。そのため、積層体10の外からサポートプレート4に向けて光が照射されたときに、当該光がサポートプレート4を通過して分離層3に到達する。また、サポートプレート4は、必ずしも全ての光を透過させる必要はなく、分離層3に吸収されるべき(所望の波長を有している)光を透過させることができればよい。

0021

サポートプレート4は、基板1を支持するものであり、基板1の薄化、搬送、実装等のプロセス時に、基板1の破損又は変形を防ぐために必要な強度を有していればよい。以上のような観点から、サポートプレート4としては、ガラス、シリコンアクリルからなるもの等が挙げられる。サポートプレート4がシリコン板である場合には、波長が2μm以上の赤外線を透過させることができる。

0022

(分離層3)
分離層3は、サポートプレート4を介して照射される光を吸収することによって変質する。本明細書において、分離層3が「変質する」とは、分離層3をわずかな外力を受けて破壊され得る状態、又は分離層3と接する層との接着力が低下した状態にさせる現象を意味する。また、分離層3の変質は、吸収した光のエネルギーによる(発熱性又は非発熱性の)分解、架橋立体配置の変化又は官能基解離(そして、これらにともなう分離層の硬化脱ガス収縮又は膨張)等であり得る。分離層3の変質は、分離層3を構成する材料による光の吸収の結果として生じる。よって、分離層3の変質の種類は、分離層3を構成する材料の種類に応じて変化し得る。

0023

分離層3は、サポートプレート4における、接着層2を介して基板1が貼り合わされる側の表面に設けられている。すなわち、分離層3は、サポートプレート4と接着層2との間に設けられている。

0024

分離層3の厚さは、例えば、0.1〜50μmであることがより好ましく、0.1〜10μmの厚さであることがさらに好ましい。分離層3の厚さが0.1〜50μmの範囲内に収まっていれば、短時間の光の照射及び低エネルギーの光の照射によって、分離層3を所望のように変質させることができる。また、分離層3の厚さは、生産性の観点から1μm以下の範囲内に収まっていることが好ましい。

0025

なお、積層体10において、分離層3とサポートプレート4との間に他の層がさらに形成されていてもよい。この場合、他の層は光を透過する材料から構成されていればよい。これによって、分離層3への光の入射を妨げることなく、積層体10に好ましい性質などを付与する層を、適宜追加することができる。分離層3を構成している材料の種類によって、用い得る光の波長が異なる。よって、他の層を構成する材料は、すべての光を透過させる必要はなく、分離層3を構成する材料を変質させ得る波長の光を透過させることができる材料から適宜選択し得る。

0026

また、分離層3は、光を吸収する構造を有する材料のみから形成されていることが好ましいが、本発明における本質的な特性を損なわない範囲において、光を吸収する構造を有していない材料を添加して、分離層3を形成してもよい。また、分離層3における接着層2に対向する側の面が平坦である(凹凸が形成されていない)ことが好ましく、これにより、分離層3の形成が容易に行なえ、且つ貼り付けにおいても均一に貼り付けることが可能となる。

0027

分離層3は、以下に示すような分離層3を構成する材料を予めフィルム状に形成したものをサポートプレート4に貼り合わせて用いてもよいし、サポートプレート4上に分離層3を構成する材料を塗布してフィルム状に固化したものを用いてもよい。サポートプレート4上に分離層3を構成する材料を塗布する方法は、分離層3を構成する材料の種類に応じて、従来公知の方法から適宜選択することができる。

0028

分離層3は、レーザーから照射される光を吸収することによって変質するものであってもよい。すなわち、分離層3を変質させるために分離層3に照射される光は、レーザーから照射されたものであってもよい。分離層3に照射される光を発射するレーザーの例としては、YAGレーザー、リビーレーザー、ガラスレーザー、YVO4レーザー、LDレーザー、ファイバーレーザー等の固体レーザー色素レーザー等の液体レーザー、CO2レーザーエキシマレーザーArレーザー、He−Neレーザー等の気体レーザー、半導体レーザー自由電子レーザー等のレーザー光、又は、非レーザー光等が挙げられる。分離層3に照射される光を発射するレーザーは、分離層3を構成している材料に応じて適宜選択することが可能であり、分離層3を構成する材料を変質させ得る波長の光を照射するレーザーを選択すればよい。

0029

光吸収性を有している構造をその繰返し単位に含んでいる重合体
分離層3は、光吸収性を有している構造をその繰返し単位に含んでいる重合体を含有していてもよい。当該重合体は、光の照射を受けて変質する。当該重合体の変質は、上記構造が照射された光を吸収することによって生じる。分離層3は、重合体の変質の結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失っている。よって、わずかな外力を加える(例えば、サポートプレート4を持ち上げるなど)ことによって、分離層3が破壊されて、サポートプレート4と基板1とを容易に分離することができる。

0030

光吸収性を有している上記構造は、光を吸収して、繰返し単位として当該構造を含んでいる重合体を変質させる化学構造である。当該構造は、例えば、置換もしくは非置換のベンゼン環縮合環又は複素環からなる共役π電子系を含んでいる原子団である。より詳細には、当該構造は、カルド構造、又は上記重合体の側鎖に存在するベンゾフェノン構造ジフェニルスルフォキシド構造、ジフェニルスルホン構造ビスフェニルスルホン構造)、ジフェニル構造もしくはジフェニルアミン構造であり得る。

0031

上記構造が上記重合体の側鎖に存在する場合、当該構造は以下の式によって表され得る。

0032

0033

式中、Rはそれぞれ独立して、アルキル基アリール基ハロゲン水酸基ケトン基スルホキシド基スルホン基又はN(R4)(R5)であり(ここで、R4及びR5はそれぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)、Zは、存在しないか、又はCO−、−SO2−、−SO−もしくは−NH−であり、nは0又は1〜5の整数である。

0034

また、上記重合体は、例えば、以下の式のうち、(a)〜(d)のいずれかによって表される繰返し単位を含んでいるか、(e)によって表されるか、又は(f)の構造をその主鎖に含んでいる。

0035

0036

式中、lは1以上の整数であり、mは0又は1〜2の整数であり、Xは、(a)〜(e)において上記の“化1”に示した式のいずれかであり、(f)において上記の“化1”に示した式のいずれかであるか、又は存在せず、Y1及びY2はそれぞれ独立して、−CO−又はSO2−である。lは好ましくは10以下の整数である。

0037

上記の“化1”に示されるベンゼン環、縮合環及び複素環の例としては、フェニル置換フェニルベンジル置換ベンジルナフタレン置換ナフタレンアントラセン置換アントラセンアントラキノン、置換アントラキノン、アクリジン、置換アクリジン、アゾベンゼン、置換アゾベンゼン、フルオリム、置換フルオリム、フルオリモン、置換フルオリモン、カルバゾール、置換カルバゾール、N−アルキルカルバゾールジベンゾフラン、置換ジベンゾフラン、フェナンスレン、置換フェナンスレン、ピレン及び置換ピレンが挙げられる。例示した置換基が置換を有している場合、その置換基は、例えば、アルキルアリールハロゲン原子アルコキシニトロ、アルデヒドシアノ、アミドジアルキルアミノスルホンアミドイミドカルボン酸カルボン酸エステルスルホン酸スルホン酸エステルアルキルアミノ及びアリールアミノから選択される。

0038

上記の“化1”に示される置換基のうち、フェニル基を2つ有している5番目の置換基であって、Zが−SO2−である場合の例としては、ビス(2,4‐ジヒドロキシフェニルスルホン、ビス(3,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,6‐ジヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4‐ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3‐ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2‐ヒドロキシフェニル)スルホン、及びビス(3,5‐ジメチル‐4‐ヒドロキシフェニル)スルホンなどが挙げられる。

0039

上記の“化1”に示される置換基のうち、フェニル基を2つ有している5番目の置換基であって、Zが−SO−である場合の例としては、ビス(2,3‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,3‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4‐ジヒドロキシ‐6‐メチルフェニル)スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,5‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3,4‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3,5‐ジヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,3,4‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,3,4‐トリヒドロキシ‐6‐メチルフェニル)‐スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,3,4‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(2,4,6‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(5‐クロロ‐2,4,6‐トリヒドロキシフェニル)スルホキシドなどが挙げられる。

0040

上記の“化1”に示される置換基のうち、フェニル基を2つ有している5番目の置換基であって、Zが−C(=O)−である場合の例としては、2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4‐トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’‐テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,5,6’‐テトラヒドロキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐オクトキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン、2,6‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン、2,2’‐ジヒドロキシ‐4,4’‐ジメトキシベンゾフェノン、4‐アミノ‐2’‐ヒドロキシベンゾフェノン、4‐ジメチルアミノ‐2’‐ヒドロキシベンゾフェノン、4‐ジエチルアミノ‐2’‐ヒドロキシベンゾフェノン、4‐ジメチルアミノ‐4’‐メトキシ‐2’‐ヒドロキシベンゾフェノン、4‐ジメチルアミノ‐2’,4’‐ジヒドロキシベンゾフェノン、及び4‐ジメチルアミノ‐3’,4’‐ジヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。

0041

上記構造が上記重合体の側鎖に存在している場合、上記構造を含んでいる繰返し単位の、上記重合体に占める割合は、分離層3の光の透過率が0.001〜10%になる範囲にある。当該割合がこのような範囲に収まるように重合体が調製されていれば、分離層3が十分に光を吸収して、確実かつ迅速に変質し得る。すなわち、積層体10からのサポートプレート4の除去が容易であり、当該除去に必要な光の照射時間を短縮させることができる。

0042

上記構造は、その種類の選択によって、所望の範囲の波長を有している光を吸収することができる。例えば、上記構造が吸収可能な光の波長は、100〜2000nmであることがより好ましい。この範囲のうち、上記構造が吸収可能な光の波長は、より短波長側であり、例えば、100〜500nmである。例えば、上記構造は、好ましくは約300〜370nmの波長を有している紫外光を吸収することによって、当該構造を含んでいる重合体を変質させ得る。

0043

上記構造が吸収可能な光は、例えば、高圧水銀ランプ(波長:254nm〜436nm)、KrFエキシマレーザー(波長:248nm)、ArFエキシマレーザー(波長:193nm)、F2エキシマレーザー(波長:157nm)、XeClレーザー(308nm)、XeFレーザー(波長:351nm)もしくは固体UVレーザー(波長:355nm)から発せられる光、又はg線(波長:436nm)、h線(波長:405nm)もしくはi線(波長:365nm)などである。

0044

上述した分離層3は、繰り返し単位として上記構造を含んでいる重合体を含有しているが、分離層3はさらに、上記重合体以外の成分を含み得る。当該成分としては、フィラー可塑剤、及びサポートプレート4の剥離性を向上し得る成分などが挙げられる。これらの成分は、上記構造による光の吸収、及び重合体の変質を妨げないか、又は促進する、従来公知の物質又は材料から適宜選択される。

0045

赤外線吸収性の構造を有する化合物
分離層3は、赤外線吸収性の構造を有する化合物によって形成されていてもよい。当該化合物は、赤外線を吸収することにより変質する。分離層3は、化合物の変質の結果として、赤外線の照射を受ける前の強度又は接着性を失っている。よって、わずかな外力を加える(例えば、サポートプレートを持ち上げるなど)ことによって、分離層3が破壊されて、サポートプレート4と基板1とを容易に分離することができる。

0046

赤外線吸収性を有している構造又は赤外線吸収性を有している構造を含む化合物としては、例えば、アルカンアルケンビニルトランス、シス、ビニリデン三置換、四置換、共役、クムレン環式)、アルキン一置換二置換)、単環式芳香族ベンゼン、一置換、二置換、三置換)、アルコール及びフェノール類(自由OH、分子内水素結合、分子間水素結合飽和第二級、飽和第三級、不飽和第二級、不飽和第三級)、アセタールケタール脂肪族エーテル芳香族エーテルビニルエーテルオキシラン環エーテル過酸化物エーテル、ケトンジアルキルカルボニル、芳香族カルボニル、1,3−ジケトンエノール、o−ヒドロキシアリールケトン、ジアルキルアルデヒド、芳香族アルデヒド、カルボン酸(二量体カルボン酸アニオン)、ギ酸エステル酢酸エステル共役エステル非共役エステル芳香族エステルラクトン(β−、γ−、δ−)、脂肪族酸塩化物芳香族酸塩化物、酸無水物(共役、非共役、環式、非環式)、第一級アミド、第二級アミド、ラクタム第一級アミン脂肪族、芳香族)、第二級アミン(脂肪族、芳香族)、第三級アミン(脂肪族、芳香族)、第一級アミン塩、第二級アミン塩、第三級アミン塩、アンモニウムイオン脂肪族ニトリル芳香族ニトリルカルボジイミド、脂肪族イソニトリル、芳香族イソニトリル、イソシアン酸エステルチオシアン酸エステル、脂肪族イソチオシアン酸エステル、芳香族イソチオシアン酸エステル、脂肪族ニトロ化合物芳香族ニトロ化合物ニトロアミンニトロソアミン硝酸エステル亜硝酸エステルニトロソ結合(脂肪族、芳香族、単量体、二量体)、メルカプタン及びチオフェノール及びチオール酸などの硫黄化合物チオカルボニル基、スルホキシド、スルホン、塩化スルホニル、第一級スルホンアミド、第二級スルホンアミド、硫酸エステル炭素ハロゲン結合、Si−A1結合(A1は、H、C、O又はハロゲン)、P−A2結合(A2は、H、C又はO)、又はTi−O結合であり得る。

0047

上記炭素−ハロゲン結合を含む構造としては、例えば、−CH2Cl、−CH2Br、−CH2I、−CF2−、−CF3、−CH=CF2、−CF=CF2、フッ化アリール、及び塩化アリールなどが挙げられる。

0048

上記Si−A1結合を含む構造としては、SiH、SiH2、SiH3、Si−CH3、Si−CH2−、Si−C6H5、SiO脂肪族、Si−OCH3、Si−OCH2CH3、Si−OC6H5、Si−O−Si、Si−OH、SiF、SiF2、及びSiF3などが挙げられる。Si−A1結合を含む構造としては、特に、シロキサン骨格及びシルセスキオキサン骨格を形成していることが好ましい。

0049

上記P−A2結合を含む構造としては、PH、PH2、P−CH3、P−CH2−、P−C6H5、A33−P−O(A3は脂肪族又は芳香族)、(A4O)3−P−O(A4はアルキル)、P−OCH3、P−OCH2CH3、P−OC6H5、P−O−P、P−OH、及びO=P−OHなどが挙げられる。

0050

上記構造は、その種類の選択によって、所望の範囲の波長を有している赤外線を吸収することができる。例えば、上記構造が吸収可能な赤外線の波長は、例えば1μm〜20μmの範囲内であり、2μm〜15μmの範囲内をより好適に吸収できる。さらに、上記構造がSi−O結合、Si−C結合及びTi−O結合である場合には、9μm〜11μmの範囲内であり得る。なお、各構造が吸収できる赤外線の波長は当業者であれば容易に理解することができる。例えば、各構造における吸収帯として、非特許文献:SILVERSTEIN・BASSLER・MORRILL著「有機化合物スペクトルによる同定法(第5版)−MS、IR、NMR、UVの併用−」(1992年発行)第146頁〜第151頁の記載を参照することができる。

0051

分離層3の形成に用いられる、赤外線吸収性の構造を有する化合物としては、上述のような構造を有している化合物のうち、塗布のために溶媒に溶解でき、固化されて固層を形成できるものであれば、特に限定されるものではない。しかしながら、分離層3における化合物を効果的に変質させ、サポートプレート4と基板1との分離を容易にするには、分離層3における赤外線の吸収が大きいこと、すなわち、分離層3に赤外線を照射した際の赤外線の透過率が低いことが好ましい。具体的には、分離層3における赤外線の透過率が90%より低いことが好ましく、赤外線の透過率が80%より低いことがより好ましい。

0052

一例を挙げて説明すれば、シロキサン骨格を有する化合物としては、例えば、下記式(1)で表される繰り返し単位及び下記式(2)で表される繰り返し単位の共重合体である樹脂、あるいは下記式(1)で表される繰り返し単位及びアクリル系化合物由来の繰り返し単位の共重合体である樹脂を用いることができる。

0053

0054

(式(2)中、R1は、水素、炭素数10以下のアルキル基、炭素数10以下のアルコキシ基である)
中でも、シロキサン骨格を有する化合物としては、上記式(1)で表される繰り返し単位及び下記式(3)で表される繰り返し単位の共重合体であるtert−ブチルスチレン(TBST)−ジメチルシロキサン共重合体がより好ましく、上記式(1)で表される繰り返し単位及び下記式(3)で表される繰り返し単位を1:1で含む、TBST−ジメチルシロキサン共重合体がさらに好ましい。

0055

0056

また、シルセスキオキサン骨格を有する化合物としては、例えば、下記式(4)で表される繰り返し単位及び下記式(5)で表される繰り返し単位の共重合体である樹脂を用いることができる。

0057

0058

(式(4)中、R2は、水素又は炭素数1以上、10以下のアルキル基であり、式(5)中、R3は、炭素数1以上、10以下のアルキル基、又はフェニル基である)
シルセスキオキサン骨格を有する化合物としては、このほかにも、特許文献3:特開2007−258663号公報(2007年10月4日公開)、特許文献4:特開2010−120901号公報(2010年6月3日公開)、特許文献5:特開2009−263316号公報(2009年11月12日公開)及び特許文献6:特開2009−263596号公報(2009年11月12日公開)において開示されている各シルセスキオキサン樹脂を好適に利用できる。

0059

中でも、シルセスキオキサン骨格を有する化合物としては、下記式(6)で表される繰り返し単位及び下記式(7)で表される繰り返し単位の共重合体がより好ましく、下記式(6)で表される繰り返し単位及び下記式(7)で表される繰り返し単位を7:3で含む共重合体がさらに好ましい。

0060

0061

シルセスキオキサン骨格を有する重合体としては、ランダム構造ラダー構造、及び籠型構造があり得るが、何れの構造であってもよい。

0062

また、Ti−O結合を含む化合物としては、例えば、(i)テトラ−i−プロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、及びチタニウム−i−プロポキシオクチレングリコレートなどのアルコキシチタン、(ii)ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタン、及びプロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)などのキレートチタン、(iii)i−C3H7O−[−Ti(O−i−C3H7)2−O−]n−i−C3H7、及びn−C4H9O−[−Ti(O−n−C4H9)2−O−]n−n−C4H9などのチタンポリマー、(iv)トリ−n−ブトキシチタンモノステアレート、チタニウムステアレート、ジ−i−プロポキシチタンジイソステアレート、及び(2−n−ブトキシカルボニルベンゾイルオキシ)トリブトキシチタンなどのアシレートチタン、(v)ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタンなどの水溶性チタン化合物などが挙げられる。

0063

中でも、Ti−O結合を含む化合物としては、ジ−n−ブトキシ・ビス(トリエタノールアミナト)チタン(Ti(OC4H9)2[OC2H4N(C2H4OH)2]2)が好ましい。

0064

上述した分離層3は、赤外線吸収性の構造を有する化合物を含有しているが、分離層3はさらに、上記化合物以外の成分を含み得る。当該成分としては、フィラー、可塑剤、及びサポートプレート4の剥離性を向上し得る成分などが挙げられる。これらの成分は、上記構造による赤外線の吸収、及び化合物の変質を妨げないか、又は促進する、従来公知の物質又は材料から適宜選択される。

0065

フルオロカーボン
分離層3は、フルオロカーボンからなっていてもよい。分離層3は、フルオロカーボンによって構成されることにより、光を吸収することによって変質するようになっており、その結果として、光の照射を受ける前の強度又は接着性を失う。よって、わずかな外力を加える(例えば、サポートプレート4を持ち上げるなど)ことによって、分離層3が破壊されて、サポートプレート4と基板1とを容易に分離することができる。

0066

また、一つの観点からいえば、分離層3を構成するフルオロカーボンは、プラズマCVD法によって好適に成膜され得る。なお、フルオロカーボンは、CxFy(パーフルオロカーボン)及びCxHyFz(x、y及びzは自然数)を含み、これらに限定されないが、例えば、CHF3、CH2F2、C2H2F2、C4F8、C2H2F、C2F6、C5F8等で有り得る。また、分離層3を構成するために用いるフルオロカーボンに対して、必要に応じて窒素ヘリウムアルゴン等の不活性ガス酸素、アルカン、アルケンなどの炭化水素、及び、二酸化炭素、水素を添加してもよい。また、これらのガスを複数混合して用いてもよい(フルオロカーボン、水素、窒素の混合ガス等)。また、分離層3は、単一種のフルオロカーボンから構成されていてもよいし、2種類以上のフルオロカーボンから構成されていてもよい。

0067

フルオロカーボンは、その種類によって固有の範囲の波長を有する光を吸収する。分離層3に用いたフルオロカーボンが吸収する範囲の波長の光を分離層に照射することにより、フルオロカーボンを好適に変質させ得る。なお、分離層3における光の吸収率は80%以上であることが好ましい。

0068

分離層3に照射される光としては、フルオロカーボンが吸収可能な波長に応じて、例えば、YAGレーザー、リビーレーザー、ガラスレーザー、YVO4レーザー、LDレーザー、ファイバーレーザー等の固体レーザー、色素レーザー等の液体レーザー、CO2レーザー、エキシマレーザー、Arレーザー、He−Neレーザー等の気体レーザー、半導体レーザー、自由電子レーザー等のレーザー光、又は、非レーザー光を適宜用いればよい。フルオロカーボンを変質させ得る波長としては、これに限定されるものではないが、例えば、600nm以下の範囲のものを用いることができる。

0069

(接着層2)
なお、接着層2は、基板1をサポートプレート4に接着固定すると同時に、基板1の表面を覆って保護する構成である。よって、接着層2は、基板1の加工又は搬送の際に、サポートプレート4に対する基板1の固定、及び基板1の保護すべき面の被覆を維持する接着性及び強度を有している必要がある。一方で、製造プロセス後などサポートプレート4に対する基板1の固定が不要になったときに、基板1から容易に分離又は除去され得る必要がある。

0070

したがって、接着層2は、通常は強固な接着性を有し、何らかの処理によって接着性が低下するか、又は特定の溶剤に対する可溶性を有する接着材料を含むことが好ましい。

0071

接着層2の厚さは、例えば、1〜150μmであることがより好ましく、10〜100μmであることがさらに好ましい。

0072

〔接着材料〕
上記接着材料として、例えばアクリル系、ノボラック系ナフトキサン系、炭化水素系、ポリイミド系等の、当該分野において公知の種々の接着材料が、本実施の形態に係る接着層2を構成する接着材料として使用可能である。以下では、本実施の形態における接着材料が含有する樹脂等の組成について説明する。

0073

接着材料としては、接着性を備えたものであれば特に限定されないが、例えば、炭化水素樹脂エラストマー、アクリル−スチレン系樹脂マレイミド系樹脂等、又はこれらの組み合わせたものなどが挙げられる。

0074

<炭化水素樹脂>
炭化水素樹脂は、炭化水素骨格を有し、単量体組成物重合してなる樹脂である。炭化水素樹脂として、シクロオレフィン系ポリマー(以下、「樹脂(A)」ということがある)、ならびに、テルペン樹脂ロジン系樹脂及び石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂(以下、「樹脂(B)」ということがある)等が挙げられるが、これに限定されない。

0075

樹脂(A)としては、シクロオレフィン系モノマーを含む単量体成分を重合してなる樹脂であってもよい。具体的には、シクロオレフィン系モノマーを含む単量体成分の開環(共)重合体、シクロオレフィン系モノマーを含む単量体成分を付加(共)重合させた重合体等が挙げられる。

0076

樹脂(A)を構成する単量体成分に含まれる前記シクロオレフィン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネンノルボルナジエンなどの二環体、ジシクロペンタジエン、ジヒドロキシペンタジエンなどの三環体、テトラシクロドデセンなどの四環体シクロペンタジエン三量体などの五環体、テトラシクロペンタジエンなどの七環体、又はこれら多環体のアルキル(メチルエチルプロピル、ブチルなど)置換体アルケニル(ビニルなど)置換体、アルキリデンエチリデンなど)置換体、アリール(フェニル、トリルナフチルなど)置換体等が挙げられる。これらの中でも特に、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、又はこれらのアルキル置換体からなる群より選ばれるノルボルネン系モノマーが好ましい。

0077

樹脂(A)を構成する単量体成分は、上述したシクロオレフィン系モノマーと共重合可能な他のモノマーを含有していてもよく、炭素数2〜10のアルケンモノマーが挙げられ、例えば、アルケンモノマーを含有することが好ましい。アルケンモノマーとしては、例えば、エチレンプロピレン、1−ブテンイソブテン1−ヘキセン等のα−オレフィンが挙げられる。アルケンモノマーは、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよい。

0078

また、樹脂(A)を構成する単量体成分として、シクロオレフィンモノマーを含有することが、高耐熱性(低い熱分解熱重量減少性)の観点から好ましい。樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するシクロオレフィンモノマーの割合は、5モル%以上であることが好ましく、10モル%以上であることがより好ましく、20モル%以上であることがさらに好ましい。また、樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するシクロオレフィンモノマーの割合は、特に限定されないが、溶解性及び溶液での経時安定性の観点からは80モル%以下であることが好ましく、70モル%以下であることがより好ましい。

0079

また、樹脂(A)を構成する単量体成分として、直鎖状又は分岐鎖状のアルケンモノマーを含有してもよい。樹脂(A)を構成する単量体成分全体に対するアルケンモノマーの割合は、溶解性及び柔軟性の観点からは10〜90モル%であることが好ましく、20〜85モル%であることがより好ましく、30〜80モル%であることがさらに好ましい。

0080

なお、樹脂(A)は、例えば、シクロオレフィン系モノマーとアルケンモノマーとからなる単量体成分を重合させてなる樹脂のように、極性基を有していない樹脂であることが、高温下でのガスの発生を抑制する上で好ましい。

0081

単量体成分を重合する際の重合方法重合条件等については、特に制限はなく、常法に従い適宜設定すればよい。

0082

樹脂(A)として用いることのできる市販品としては、例えば、ポリプラスチックス社製の「TOPAS」、三井化学社製の「APEL」、日本ゼオン社製の「ZEONOR」及び「ZEONEX」、JSR社製の「ARTON」などが挙げられる。

0083

樹脂(A)のガラス転移点(Tg)は、60℃以上であることがより好ましく、70℃以上であることが特に好ましい。樹脂(A)のガラス転移点が60℃以上であると、接着層が高温環境に曝されたときに軟化をさらに抑制することができる。

0084

樹脂(B)は、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂及び石油樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂である。具体的には、テルペン系樹脂としては、例えば、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂変性テルペン樹脂水添テルペン樹脂水添テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。ロジン系樹脂としては、例えば、ロジンロジンエステル水添ロジン水添ロジンエステル重合ロジン重合ロジンエステル変性ロジン等が挙げられる。石油樹脂としては、例えば、脂肪族又は芳香族石油樹脂水添石油樹脂変性石油樹脂脂環族石油樹脂クマロンインデン石油樹脂等が挙げられる。これらの中でも、水添テルペン樹脂、水添石油樹脂が好ましい。

0085

樹脂(B)の軟化点は特に限定されないが、80〜160℃であることがより好ましい。樹脂(B)の軟化点が80℃以上であると、接着層が高温環境に曝されたときに軟化することを抑制することができ、接着不良を生じない。一方、樹脂(B)の軟化点が160℃以下であると、基板から接着剤を剥離する際の剥離速度が良好なものとなる。

0086

樹脂(B)の分子量は特に限定されないが、300〜3000であることがより好ましい。樹脂(B)の分子量が300以上であると、耐熱性が充分なものとなり、高温環境下において脱ガス量が少なくなる。一方、樹脂(B)の分子量が3000以下であると、基板から接着剤を剥離する際の剥離速度が良好なものとなる。なお、本実施形態における樹脂(B)の分子量は、ゲル・パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の分子量を意味するものである。

0087

なお、樹脂として、樹脂(A)と樹脂(B)とを混合したものを用いてもよい。混合することにより、耐熱性及び剥離速度が良好なものとなる。例えば、樹脂(A)と樹脂(B)との混合割合としては、(A):(B)=80:20〜55:45(質量比)であることが、剥離速度、高温環境時の熱耐性、及び柔軟性に優れるので好ましい。

0088

<エラストマー>
エラストマーは、主鎖の構成単位としてスチレン単位を含んでいることが好ましい。本発明に係る接着剤組成物に含まれるエラストマーは、当該スチレン単位の含有量が14重量%以上、50重量%以下の範囲であることが好ましい。さらに、本発明に係る接着剤組成物に含まれるエラストマーは、重量平均分子量が10,000以上、200,000以下の範囲であることが好ましい。

0089

エラストマーとしては、例えば、ポリスチレンポリ(エチレン/プロピレン)ブロックコポリマーSEP)、スチレン−イソプレンスチレンブロックコポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SBBS)、エチレン−プロピレンターポリマー(EPT)、及び、これらの水添物、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー)(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEEPS)等が挙げられる。

0090

<アクリル−スチレン系樹脂>
アクリル−スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン又はスチレンの誘導体と、(メタアクリル酸エステル等とを単量体として用いて重合した樹脂が挙げられる。

0091

(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステル脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステル、芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。鎖式構造からなる(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素数15〜20のアルキル基を有するアクリル系長鎖アルキルエステル、炭素数1〜14のアルキル基を有するアクリル系アルキルエステル等が挙げられる。アクリル系長鎖アルキルエステルとしては、アルキル基がn−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基等であるアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。なお、当該アルキル基は、分岐状であってもよい。

0092

炭素数1〜14のアルキル基を有するアクリル系アルキルエステルとしては、既存のアクリル系接着剤に用いられている公知のアクリル系アルキルエステルが挙げられる。例えば、アルキル基が、メチル基エチル基プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基イソノニル基、イソデシル基、ドデシル基ラウリル基トリデシル基等からなるアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられる。

0093

脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、シクロヘキシル(メタ)アクリレートシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、イソボルニルメタアクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートがより好ましい。

0094

芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されるものではないが、芳香族環としては、例えばフェニル基、ベンジル基トリル基キシリル基ビフェニル基ナフチル基アントラセニル基フェノキシメチル基、フェノキシエチル基等が挙げられる。また、芳香族環は、炭素数1〜5の鎖状又は分岐状のアルキル基を有していてもよい。具体的には、フェノキシエチルアクリレートが好ましい。

0095

<マレイミド系樹脂>
マレイミド系樹脂としては、例えば、単量体として、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−sec−ブチルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−n−ペンチルマレイミド、N−n−ヘキシルマレイミド、N−n−へプチルマレイミド、N−n−オクチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミドなどのアルキル基を有するマレイミド、N−シクロプロピルマレイミド、N−シクロブチルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−シクロヘプチルマレイミド、N−シクロオクチルマレイミド等の脂肪族炭化水素基を有するマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−m−メチルフェニルマレイミド、N−o−メチルフェニルマレイミド、N−p−メチルフェニルマレイミド等のアリール基を有する芳香族マレイミド等を重合して得られた樹脂が挙げられる。

0096

例えば、下記式(8)で表される繰り返し単位及び下記式(9)で表される繰り返し単位の共重合体であるシクロオレフィンコポリマー接着成分の樹脂として用いることができる。

0097

0098

(式(9)中、nは0又は1〜3の整数である。)
なお、光硬化性樹脂(例えば、UV硬化性樹脂)以外の樹脂を用いて接着層2を形成することが好ましい。これは、光硬化性樹脂が、接着層2の分離又は除去の後に、基板1の微小な凹凸の周辺に残渣として残ってしまう場合があり得るからである。特に、特定の溶剤に溶解する接着剤が接着層2を構成する材料として好ましい。これは、基板1に物理的な力を加えることなく、接着層2を溶剤に溶解させることによって除去可能なためである。接着層2の除去に際して、強度が低下した基板1からでさえ、基板1を破損させたり、変形させたりせずに、容易に接着層2を除去することができる。

0099

上述した分離層、接着層を形成する際の希釈溶剤として、例えば、ヘキサンヘプタンオクタンノナン、メチルオクタン、デカンウンデカンドデカントリデカン等の直鎖状の炭化水素、炭素数3〜15の分岐状の炭化水素、p−メンタン、o−メンタン、m−メンタン、ジフェニルメンタン、1,4−テルピン、1,8−テルピン、ボルナンノルボルナンピナンツジャンカランロンギホレンゲラニオールネロールリナロールシトラールシトロネロールメントールイソメントールネオメントール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール、テルピネン−1−オール、テルピネン−4−オール、ジヒドロターピニルアセテート、1,4−シネオール、1,8−シネオール、ボルネオールカルボンヨノンツヨンカンファー、d−リモネン、l−リモネン、ジペンテン等のテルペン系溶剤γ−ブチロラクトン等のラクトン類アセトンメチルエチルケトンシクロヘキサノン(CH)、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類エチレングリコールジエチレングリコールプロピレングリコールジプロピレングリコール等の多価アルコール類エチレングリコールモノアセテートジエチレングリコールモノアセテートプロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類又は前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテルモノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテル又はモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体(これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートPGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい);ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル乳酸エチル(EL)、酢酸メチル酢酸エチル酢酸ブチルメトキシブチルアセテートピルビン酸メチルピルビン酸エチルメトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類アニソールエチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテルジフェニルエーテルジベンジルエーテルフェネトールブチルフェニルエーテル等の芳香族系有機溶剤等を挙げることができる。

0100

(その他の成分)
接着剤組成物には、本発明における本質的な特性を損なわない範囲において、混和性のある他の物質をさらに含んでいてもよい。例えば、接着剤の性能を改良するための付加的樹脂、可塑剤、接着補助剤、安定剤、着色剤酸化防止剤及び界面活性剤等、慣用されている各種添加剤をさらに用いることができる。

0101

〔処理方法について〕
次に、本実施形態に係る積層体10を処理する方法について図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る積層体10を処理する処理方法の工程を示す図である。本実施形態に係る積層体10の処理方法は、基板1と、接着層2と、光を吸収することにより変質する分離層3と、サポートプレート4とをこの順番に積層してなる積層体10を処理する処理方法であって、分離層3に光を照射して分離層3を変質させ、サポートプレート4と基板1とを分離する分離工程と、分離した後のサポートプレート4の表面をプラズマアッシングすることにより、サポートプレート4の表面に付着している分離層3又は接着層2の残渣物を除去するプラズマアッシング工程とを包含する。

0102

(分離工程)
図1の(b)に示すように、まず、分離層3に光を照射して分離層3を変質させる。分離層3を変質させた後、積層体10に力を加えることにより、サポートプレート4と基板1とを分離する(分離工程)。サポートプレート4を積層体10から分離することにより、図1の(c)に示すような残渣物(接着層及び分離層の少なくとも一方のうち、支持体の表面に付着した付着物)5が付着したサポートプレート4が得られる。

0103

(プラズマアッシング工程)
次に、図1の(d)に示すように、プラズマ発生装置6から発生したプラズマをサポートプレート4に照射し、分離した後のサポートプレート4の表面をプラズマアッシングする(プラズマアッシング工程)。これにより、サポートプレート4の表面に付着している残渣物5を除去することができる。

0104

プラズマアッシング工程は、酸素アッシングにより行われることが好ましい。酸素アッシングによって、サポートプレート4の表面に付着している残渣物5を燃焼させて、好適に当該表面に付着している残渣物5を好適に除去することができる。サポートプレート4の表面を酸素アッシングするためには、公知の酸素プラズマ発生装置を用いて酸素プラズマを発生させ、当該酸素プラズマをサポートプレート4に照射すればよい。また、酸素ガスに、窒素ガス及び水素ガスから選択される少なくとも1種を混合した混合ガスを用いることもできる。例えば、酸素ガスに、混合ガス全体に対して10%未満の窒素ガスを含有させた混合ガスを好適に用いることができる。また、例えば、酸素ガスに水素を含有させた混合ガスを用いる場合には、混合ガス全体に対して5%以上、20%以下の割合で水素を添加することが好ましい。このとき、酸素ガスに対して、水素と窒素とが混合された気体を添加するようにしてもよい。
酸素プラズマ発生装置の代表的な方式としては、枚葉式とバッチ式とがあるが、本発明はこれらに限定されない。

0105

酸素アッシングを行う条件としては、サポートプレート4に付着している残渣物5を除去することができる条件であればよい。例えば、サポートプレート4に照射される酸素プラズマの出力は、バッチ式の場合、通常、500W以上、2000W以下であり、800W以上、1500W以下であることが好ましい。また、枚葉式の場合、通常、1000W以上、3000W以下であり、1500W以上、2800W以下であることが好ましい。

0106

サポートプレート4に照射される酸素プラズマの圧力は、通常、40Pa以上、266Pa以下であり、67Pa以上、200Pa以下であることが好ましい。

0107

サポートプレート4に照射される酸素プラズマの酸素流量は、バッチ式の場合、通常、100〜2000sccmであり、200〜1500sccmであることが好ましい。また、サポートプレート4に照射される酸素プラズマの酸素流量は、枚葉式の場合、通常、1000〜5000sccmであり、2000〜4000sccmであることが好ましい。尚、上記単位「sccm」とは、「standard cc/min」の略であり、1atm(大気圧1,013hPa)、一定温度において規格化された酸素流量を表している。

0108

サポートプレート4に照射される酸素プラズマの処理時間は、バッチ式の場合、通常、20〜90分であり、20〜60分であることが好ましい。また、枚葉式の場合、サポートプレートに照射される酸素プラズマの処理時間は、通常、5〜30分であり、5〜20分であることが好ましい。

0109

一実施形態において、酸素プラズマ発生装置として枚葉式を用いた場合の処理条件は、例えば、出力2800W、圧力133Pa(0.5Torr)、酸素流量4000sccm、処理時間5分、ステージ温度200℃である。

0110

別の一実施形態において、酸素プラズマ発生装置としてバッチ式を用いた場合の処理条件は、例えば、出力1500W、圧力133Pa(0.5Torr)、酸素流量1500sccm、処理時間20分である。

0111

酸素プラズマ処理工程において、酸素プラズマの処理方法としては、残渣物5を除去できる条件であればよく、例えば、枚葉式であってもよいし、バッチ式であってもよい。また、酸素プラズマ処理工程では、サポートプレート4の両面に酸素プラズマを照射してもよいし、サポートプレート4の片面(接着層2及び分離層3を介して基板と接着していた面)だけに酸素プラズマを照射してもよい。酸素プラズマ処理工程を枚葉式で行ない、サポートプレート4の両面に酸素プラズマを照射する場合には、サポートプレート4をピンアップすることが好ましい。

0112

(洗浄工程)
さらに、図1の(e)に示すように、洗浄ブラシ7を用いて、プラズマアッシングされたサポートプレート4の表面を溶剤で洗浄することが好ましい(洗浄工程)。これにより、プラズマアッシング工程にて除去することができなかった残渣物を好適に除去することができる。

0113

サポートプレート4の表面を洗浄するときに用いる溶剤としては、残渣物を除去することができれば限定されない。サポートプレート4の表面を洗浄するときに用いる溶剤としては、アルカリ性を示す溶液であることが好ましい。アルカリ性を示す溶液としては、アミン系化合物であることがより好ましい。アミン系化合物としては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン脂環式アミン芳香族アミン、又は複素環式アミンからなる群より選択される少なくとも一種の化合物を用いることができる。

0114

第一級脂肪族アミンとしては、例えばモノメタノールアミンモノエタノールアミン(MEA)、モノイソプロパノールアミンエチレンジアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール(DGA)、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールなどが、第二級脂肪族アミンとしては、例えば2−(メチルアミノ)エタノール(MMA)、ジエタノールアミンイミノビスプロピルアミン、2−エチルアミノエタノールなどが、第三級脂肪族アミンとしては、例えばトリエタノールアミントリイソプロパノールアミンジエチルアミノエタノールなどが挙げられる。

0115

また、脂環式アミンとしては、例えばシクロヘキシルアミンジシクロヘキシルアミンなどが挙げられる。芳香族アミンとしては、例えばベンジルアミンジベンジルアミン、N‐メチルベンジルアミンなどが挙げられる。複素環式アミンとしては、例えばN‐ヒドロキシエチルピペリジン、1,8‐ジアザビシクロ[5,4,0]‐7‐ウンデセンなどが挙げられる。これら有機アミン類の化合物の中では、特にモノエタノールアミン、2‐(2‐アミノエトキシ)エタノール及び2‐エチルアミノエタノール、2−(メチルアミノ)エタノール(MMA)等のアルカノールアミンが好適である。

0116

さらに、剥離液は他の溶剤と混合して用いてもよい。上述した剥離液に混合してもよい溶剤としては、例えば、γ−ブチロラクトンなどのラクトン類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、又はジプロピレングリコールモノアセテートなどのエステル結合を有する化合物の有機溶剤が挙げられ、さらに、前記多価アルコール類若しくは前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルなどのモノアルキルエーテル又はモノフェニルエーテルなどのエーテル結合を有する化合物などの多価アルコール類の誘導体、ジオキサンなどの環式エーテル類、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類の有機溶剤が挙げられ、アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼンジエチルベンゼンペンチルベンゼンイソプロピルベンゼントルエンキシレンシメンメシチレンなどの芳香族系有機溶剤が挙げられる。

0117

また、上述した剥離液に混合してもよい溶剤としては、これらの中でも多価アルコール類、エステル結合を有する化合物、又は多価アルコール類の誘導体から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ジエチレングリコールモノメチルエーテルトリエチレングリコールジメチルエーテルジエチレングリコールジエチルエーテルエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルジプロピレングリコールモノメチルエーテルエチレングリコールモノイソプロピルエーテルエチレングリコールモノイソブチルエーテルジエチレングリコールジメチルエーテルプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ブチルジグリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)又はプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートから選ばれる少なくとも1種がより好ましい。

0118

前記アルカリ性を示す溶液と前記剥離液に混合してもよい溶剤との混合割合は、重量比で9:1〜1:9であることが好ましく、8:2〜2:8であることがより好ましい。

0119

また、洗浄工程では、図1の(e)に示すように、サポートプレート4の表面をスクラブ洗浄することが好ましい。本明細書において、「スクラブ洗浄」とは、洗浄ブラシ等を備えたロール体を用いて、洗浄ブラシ等を洗浄対象物に接触させて、その接触部分に上記溶剤、水等を供給しながらロール体を回転させることにより、洗浄対象物を洗浄ブラシ等で摩擦洗浄する方法をいう。サポートプレート4の表面をスクラブ洗浄することにより、表面上に付着している残渣物5をより好適に除去することができる。

0120

本実施形態において、プラズマアッシングしたサポートプレート4の表面をスクラブ洗浄している。そのため、プラズマアッシングにより残渣物の大部分が除去されたサポートプレート4をスクラブ洗浄することになる。これにより、残渣物を除去する際に、洗浄ブラシが劣化したり、洗浄ブラシに残渣物が付着したりすることを抑制できる。以上により、サポートプレート4の表面をプラズマアッシングした後、スクラブ洗浄することにより、同一の洗浄ブラシを用いて大量のサポートプレート4を処理する場合であっても、高い洗浄効果を維持することができる。

0121

次に、図1の(f)に示すように、洗浄したサポートプレート4の表面上に分離層3を形成してもよい。そして、接着層を介して、分離層3が形成されたサポートプレート4と基板とを接着させて積層体を形成してもよい。これにより、サポートプレート4を、基板に支持させた状態で、薄化、実装等のプロセスに再度供することができる。

0122

なお、本発明に係る処理方法における洗浄工程では、支持体の表面をパドル洗浄してもよい。パドル洗浄とは、支持体を回転させずにあるいは低速回転しながら支持体上に薬液などを供給し、薬液の表面張力を利用して支持体上にその薬液を保持することで洗浄を行うものである。

0123

また、本発明において、プラズマアッシング工程により、支持体の表面に付着している分離層又は接着層の残渣物の大部分を除去することができる。そして、プラズマアッシング工程の後、支持体の表面を洗浄する洗浄工程を行うことにより、より好適に残渣物を支持体から除去することができる。なお、本発明において、洗浄工程は必須の工程ではなく、洗浄工程を含まない構成であっても本発明の範囲に包含される。

0124

プラズマアッシング工程及び洗浄工程により残渣物が除去された支持体は、当該支持体の表面に分離層を形成したときに、当該分離層と当該支持体とが密着して剥がれにくい。一方、残渣物が除去されていない支持体は、当該支持体の表面に分離層を形成したときに、当該分離層と当該支持体とが上手く密着しないため剥がれやすい。よって、本発明に係る処理方法により、支持体を積層体形成に再利用することができる。

0125

〔処理装置〕
次に、図2を用いて本実施形態に係る処理装置について説明する。図2は、本実施形態に係る処理装置100を示す図である。本実施形態に係る処理装置100は、基板1と、接着層2と、光を吸収することにより変質する分離層3と、サポートプレート4とをこの順番に積層してなる積層体10における分離層3を変質させてサポートプレート4と基板1とを分離した後の、サポートプレート4を処理する処理装置100であって、サポートプレート4の表面をプラズマアッシングすることにより、サポートプレート4の表面に付着している分離層3又は接着層2の残渣物を除去するプラズマ発生装置(プラズマ発生手段)6と、プラズマアッシングされたサポートプレート4の表面を溶剤で洗浄する洗浄ブラシ(洗浄手段)7とを備える。

0126

(プラズマ発生装置6)
プラズマ発生装置6は、プラズマを発生させて、載置台11に載置された対象物にプラズマを照射する装置である。そのため、表面上に残渣物5が付着したサポートプレート4を載置台11に載置し、プラズマを発生させることにより、当該プラズマをサポートプレート4に照射することができる。これにより、サポートプレート4上に付着する残渣物5を除去することができる。なお、プラズマ発生装置6については、本実施形態に係る処理方法にて説明したプラズマアッシング工程の説明に準じるため、詳細な説明は省略する。

0127

(洗浄ブラシ7)
洗浄ブラシ7は、載置台13に載置された洗浄対象物に接触することにより、当該洗浄対象物を摩擦洗浄するものである。また、洗浄ブラシ7は、貯留タンク12と接続しており、貯留タンク12から溶剤、水等を供給しながら洗浄対象物を洗浄する。これにより、プラズマ発生装置6により残渣物5を除去した後のサポートプレート4を洗浄することができる。なお、貯留タンク12に貯留される溶剤については、本実施形態に係る処理方法にて説明した洗浄工程にて用いる溶剤と同様である。

0128

(分離層形成手段
さらに、本実施形態に係る処理装置100は、洗浄ブラシ7により洗浄されたサポートプレート4の表面に、分離層3を形成する分離層形成手段をさらに備えていてもよい。分離層形成手段としては、本実施形態に係る処理方法にて説明した分離層3を生成することができる構成であれば特に限定されない。

0129

以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。

0130

〔実施例1〕
まず、積層体を以下のように作製した。

0131

(積層体の作製)
12インチウエハ基板(厚さ50μm)に接着剤組成物としてTZNR−3007t(商品名、東京応化工業株式会社製)をウエハ基板にスピン塗布し、100℃、160℃及び220℃にて4分間ずつベークして接着層(厚さ50μm)を形成した。次に、流量400sccm、圧力700mTorr、高周波電力2500W及び成膜温度240℃の条件下において、反応ガスとしてC4F8を使用したCVD法により、フルオロカーボン膜(厚さ0.7μm)を支持体(12インチガラス基板、厚さ670μm)上に形成し、分離層とした。

0132

そして、接着層を介して、ウエハ基板と分離層を有する支持体とを貼り合わせて、ウエハ基板、接着層、分離層及び支持体をこの順番に積層した積層体を作製した。

0133

(支持体の分離)
次に、532nmの波長を有するYVO4レーザーを、積層体における支持体側から分離層に向けて照射した。レーザーの照射により、分離層を変質させ、積層体から支持体を分離した。分離した支持体上には、変質した分離層及び接着層が残存していた。

0134

(酸素プラズマ処理)
次に、枚葉式の酸素プラズマ発生装置(東京応化工業社製TCA−7222)により酸素プラズマを発生させ、当該酸素プラズマを支持体に照射することにより、支持体上に残渣していた分離層及び接着層を除去した。酸素プラズマを発生させた条件(酸素アッシング条件)としては、出力2800W、圧力133Pa(0.5Torr)、酸素流量4000sccm、処理時間5分、ステージ温度200℃であった。これにより、支持体上に残渣していた分離層及び接着層の大部分を除去することができた。

0135

酸素アッシングにより支持体の表面上に残渣していた分離層及び接着層を除去した後、パーティクルカウンター日立ハイテクノロジーズ社製LS6600)を用いて当該表面に付着している残渣物の量を測定した。このパーティクルカウンターを用いることで、測定対象物上に1μm〜10μmの粒子(残渣物)がどれだけあるかを測定することができる。パーティクルカウンターにて測定された残渣物の量は、6977個であった。

0136

〔実施例2〕
実施例1と同じ条件で、積層体を形成し、当該積層体から支持体を分離し、当該支持体を酸素アッシングした。

0137

さらに、酸素アッシングにより支持体の表面上に残渣していた分離層及び接着層を除去した後、当該表面を、溶剤を用いてパドル洗浄した。溶剤としては、アルカリ性を示すアミン系溶剤である、SLR(TZNR(登録商標)−SL Remover(東京応化工業株式会社製))を用いた。その後、パーティクルカウンターを用いて当該表面に付着している残渣物の量を検査した。パーティクルカウンターにて測定された残渣物の量は、4733個であった。

0138

〔実施例1及び2に基づく考察〕
酸素アッシングだけを行った実施例1と比較して、酸素アッシング及び溶剤洗浄を行った実施例2の方が支持体の表面に付着している残渣物の数が少なかった。この結果から、酸素アッシングだけでなく、支持体の表面を溶剤洗浄することにより、当該表面に付着している残渣物の量をより低減できることが示された。

0139

〔実施例3〕
実施例1と同じ条件で、積層体を形成し、当該積層体から支持体を分離し、当該支持体を酸素アッシングした。

0140

さらに、酸素アッシングにより支持体の表面上に残渣していた分離層及び接着層を除去した後、溶剤としてSLRを用いて支持体の表面を、スクラブ洗浄した。スクラブ洗浄ではPVAブラシを洗浄ブラシとして使用し、スクラブ洗浄の条件は以下の通りである。なお、下記DIWは、De−lonized Waterを意味する;
スクラブ洗浄の条件
1st step洗浄液:SLR
回転数:1,000rpm
ブラシ:有り
時間 :120秒
2nd step 洗浄液:DIW
回転数:1,000rpm
ブラシ:有り
時間 :120秒
3rd step 洗浄液:DIW
回転数:1,000rpm
ブラシ:無し
時間 :15秒
4th step 回転数:1,000rpm
時間 :30秒。

0141

そして、実施例1と同じ条件で形成した積層体から除去した支持体を、酸素アッシング後にスクラブ洗浄する操作を繰り返した。そして、合計で70枚の支持体を処理した後、パーティクルカウンターを用いて、最後に処理した支持体の表面に付着している残渣物の量を検査した。最後に処理した(70枚目の)支持体に付着していた残渣物の量は、42個であった。

0142

〔実施例2及び3に基づく考察〕
酸素アッシング後に支持体をスクラブ洗浄すること(実施例3)により、酸素アッシング後に支持体をパドル洗浄する場合(実施例2)に比べて、当該支持体の表面に付着している残渣物の量を低減することができた。

0143

〔比較例1〕
実施例1と同じ条件で、積層体を形成し、当該積層体から支持体を除去した後、当該支持体の表面を酸素アッシング及び溶剤洗浄することなく、パーティクルカウンターを用いて当該表面に付着している残渣物の量を測定した。しかし、支持体の表面に付着した残渣物の量が多すぎたため、残渣物の量を測定することができなかった。パーティクルカウンターにおける粒子の最大測定個数は60000個であるため、支持体の表面上に付着した残渣物は60000個よりも多く、かつ、酸素アッシングだけを行った場合でも、支持体の表面上に付着した残渣物を好適に除去できることが示された。

0144

〔比較例2〕
実施例1と同じ条件で、積層体を形成し、当該積層体から支持体を分離した。その後、酸素アッシングをすることなく、SLRを用いて支持体の表面を、洗浄ブラシによりスクラブ洗浄した。パーティクルカウンターを用いて、当該表面に付着している残渣物の量を測定した。支持体に付着していた残渣物の量は、64個であった。

0145

さらに、実施例1と同じ条件で形成した積層体から除去した支持体を、酸素アッシングすることなく、同一の洗浄ブラシによりスクラブ洗浄する動作を繰り返した。そして、合計で20枚の支持体を処理した後、パーティクルカウンターを用いて、最後に処理した支持体の表面に付着している残渣物の量を検査した。最後に処理した(20枚目の)支持体に付着していた残渣物の量は、734個であった。

0146

〔比較例2に基づく考察〕
比較例2において、20枚目に処理した支持体に付着した粒子数の方が、最初に処理した支持体に付着した粒子数よりも多かった。これは、支持体を酸素アッシングすることなく、スクラブ洗浄すると、当該支持体の表面に付着する残渣物を直接除去する必要があり、同一の洗浄ブラシでスクラブ洗浄を繰り返すことで、当該洗浄ブラシに残渣物が付着するためであると考えられる。

実施例

0147

〔実施例3及び比較例2に基づく考察〕
実施例3及び比較例2の結果を比較することにより、実施例3の場合、つまり、酸素アッシング後にスクラブ洗浄した場合に、スクラブ洗浄の洗浄効果を低下させることなく、支持体の表面から残渣物を好適に除去することができた。これは、支持体を酸素アッシングすることによって、支持体表面上に付着した残渣物の大部分を除去したため、残渣物を除去する際に、洗浄ブラシが劣化したり、洗浄ブラシに残渣物が付着したりすることを抑制できたからであると考えられる。

0148

本発明は、例えば、半導体ウエハの製造工程において好適に利用することができる。

0149

1基板
2接着層
3分離層
4サポートプレート(支持体)
5残渣物
6プラズマ発生装置(プラズマ発生手段)
7洗浄ブラシ(洗浄手段)
10積層体
11,13 載置台
12貯留タンク
100 処理装置

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