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図面 (17)

課題

人に依存する保護方策が原因で発生する災害の発生確率を低減する。

解決手段

複数の機械協調して動作し一連の作業を実行する統合生産システムにおける支援保護システムであって、前記複数の機械のいずれかに対して実施する作業の登録作業者から受け付け登録装置に対して登録された作業に基づいて、該作業が実施される機械に設定可能な運転モードを特定する情報処理装置を備える。

概要

背景

製造現場における作業者の安全を担保するために、リスク許容可能なレベルにまで低減させることが義務付けられている。例えば、プレス機ロボット等の単体機械については、国際規格ガイドラインであるISO/IECガイド51:1999(安全側面—規格への導入指針—)により、リスクを許容可能なレベルまで低減させることが義務付けられている。

ところで、多くの製造現場においては、複数の機械、設備複合し、協調制御した統合生産システム(Integrated Manufacturing System:IMS)が一般的である。統合生産システムについては、国際安全規格であるISO11161が存在する。ISO11161における統合生産システムの安全確保の基本は、リスクアセスメントに基づき、フェンスガード遮蔽された統合生産システム内を危険領域とし、機械の可動範囲と作業者の行動範囲を考えて、さらに人の介入を考慮して危険領域内を作業領域として分割する。安全は、作業者が存在すれば関連の作業領域内の機械は起動しないことで担保する。

しかしながら、現実には機械の可動範囲に進入した状態で行う調整、トラブル処理保守点検修理、さらに清掃等の非定常作業が発生する。この場合、統合生産システムの入口に「作業中」のを立てる等するが、当該札を立て忘れる等、安全確保の作業を怠ることにより、事故が起こる場合がある。例えば、危険領域の外にいる作業者が、危険領域内にいる作業者を視認できなかったために誤って統合生産システムを起動し、危険領域内にいる作業者が負傷する等である。

上述したようなヒューマンエラーは、ミステイク行動計画段階判断段階で発生するエラー)、スリップ(行動の実行段階で発生するエラーのうち、注意減弱混乱に関わるもの)、及びラプス(行動の実行段階で発生するエラーのうち、記憶に関わるもの)に分類される。このうち、ミステイクを防ぐには、作業実行前の教育の徹底による適切な知識習得が基本となる。しかしながら、スリップやラプスを防ぐには、人の注意力のみに依存しない安全対策確立することが必要である。

そこで、人の注意力だけに依存しない安全対策を確立することを目的として支援保護装置が検討されている(例えば、非特許文献1及び2)。ここで、支援的保護装置とは、使用者現場で行う保護方策のうち、行動の実行段階でのヒューマンエラー等による危険側誤りの確率を可能な限り減少させるための装置のことである。

概要

人に依存する保護方策が原因で発生する災害の発生確率を低減する。複数の機械が協調して動作し一連の作業を実行する統合生産システムにおける支援的保護システムであって、前記複数の機械のいずれかに対して実施する作業の登録を作業者から受け付け登録装置に対して登録された作業に基づいて、該作業が実施される機械に設定可能な運転モードを特定する情報処理装置を備える。

目的

本発明は、人に依存する保護方策が原因で発生する災害の発生確率を低減する支援的保護システムを提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
3件

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請求項1

複数の機械協調して動作し一連の作業を実行する統合生産システムにおける支援保護システムであって、前記複数の機械のいずれかに対して実施する作業の登録作業者から受け付け登録装置に対して登録された作業に基づいて、該作業が実施される機械に設定可能な運転モードを特定する情報処理装置を備えることを特徴とする支援的保護システム。

請求項2

前記情報処理装置は、前記作業者の有する資格及び権限の少なくとも一方に基づいて、前記作業者が前記複数の機械のそれぞれに対し実施可能な作業を特定し、前記登録装置は、特定された前記実施可能な作業の中から、前記作業者が実施する作業の登録を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の支援的保護システム。

請求項3

前記統合生産システムは、前記情報処理装置が特定した、前記作業が実施される機械に設定可能な運転モードと、前記機械に実際に設定された運転モードとに基づいて、前記設定された運転モードでの前記機械の運転を許可又は不許可する運転制限装置を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の支援的保護システム。

請求項4

前記複数の機械のうち一台以上の機械が設置される作業区域に設けられ、前記作業区域に入場する作業者を識別する情報を取得する識別情報取得装置と、前記作業区域に設けられ、前記作業区域に入場する作業者の人数を検出する検出装置と、を備え、前記情報処理装置は、前記作業が実施される機械が配置された作業区域に設置された前記識別情報取得装置及び前記検出装置からの情報に基づいて、前記作業が実施される機械の運転を承認するか否かを決定することを特徴とする請求項3記載の支援的保護システム。

請求項5

前記情報処理装置は、前記登録装置に登録された作業の情報と、前記識別情報取得装置からの情報とに基づいて、前記作業が実施される機械の運転を承認するか否かを決定することを特徴とする請求項4に記載の支援的保護システム。

請求項6

前記運転制限装置は、前記承認の結果に基づいて、前記設定された運転モードでの前記機械の運転を許可又は不許可することを特徴とする請求項4又は5に記載の支援的保護システム。

請求項7

前記情報処理装置は、前記作業区域内に作業者が存在するか否かに基づいて、前記統合生産システムが所定の運転モードで運転することを承認するか否かを決定することを特徴とする請求項4から6のいずれか1項記載の支援的保護システム。

請求項8

前記運転制限装置は、前記承認の結果に基づいて、前記統合生産システムの前記所定の運転モードでの運転を許可又は不許可することを特徴とする請求項7に記載の支援的保護システム。

請求項9

前記統合生産システムは、前記作業区域毎に運転モードを設定することが可能であり、前記情報処理装置からの情報に基づいて、前記作業区域内外に設定されている運転モードを報知する報知装置を備えることを特徴とする請求項4から8のいずれか1項記載の支援的保護システム。

請求項10

前記報知装置は、振動装置照明装置表示装置、及び音声出力装置の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項9記載の支援的保護システム。

請求項11

前記情報処理装置は、前記作業者が有する資格及び権限の少なくとも一方を記憶する第1の記憶部と、所定の作業と、前記所定の作業を行うのに必要な資格及び権限の少なくとも一方とを関連付けて記憶する第2の記憶部と、を備えることを特徴とする請求項2記載の支援的保護システム。

技術分野

0001

本発明は、支援保護システムに関する。

背景技術

0002

製造現場における作業者の安全を担保するために、リスク許容可能なレベルにまで低減させることが義務付けられている。例えば、プレス機ロボット等の単体機械については、国際規格ガイドラインであるISO/IECガイド51:1999(安全側面—規格への導入指針—)により、リスクを許容可能なレベルまで低減させることが義務付けられている。

0003

ところで、多くの製造現場においては、複数の機械、設備複合し、協調制御した統合生産システム(Integrated Manufacturing System:IMS)が一般的である。統合生産システムについては、国際安全規格であるISO11161が存在する。ISO11161における統合生産システムの安全確保の基本は、リスクアセスメントに基づき、フェンスガード遮蔽された統合生産システム内を危険領域とし、機械の可動範囲と作業者の行動範囲を考えて、さらに人の介入を考慮して危険領域内を作業領域として分割する。安全は、作業者が存在すれば関連の作業領域内の機械は起動しないことで担保する。

0004

しかしながら、現実には機械の可動範囲に進入した状態で行う調整、トラブル処理保守点検修理、さらに清掃等の非定常作業が発生する。この場合、統合生産システムの入口に「作業中」のを立てる等するが、当該札を立て忘れる等、安全確保の作業を怠ることにより、事故が起こる場合がある。例えば、危険領域の外にいる作業者が、危険領域内にいる作業者を視認できなかったために誤って統合生産システムを起動し、危険領域内にいる作業者が負傷する等である。

0005

上述したようなヒューマンエラーは、ミステイク行動計画段階判断段階で発生するエラー)、スリップ(行動の実行段階で発生するエラーのうち、注意減弱混乱に関わるもの)、及びラプス(行動の実行段階で発生するエラーのうち、記憶に関わるもの)に分類される。このうち、ミステイクを防ぐには、作業実行前の教育の徹底による適切な知識習得が基本となる。しかしながら、スリップやラプスを防ぐには、人の注意力のみに依存しない安全対策確立することが必要である。

0006

そこで、人の注意力だけに依存しない安全対策を確立することを目的として支援的保護装置が検討されている(例えば、非特許文献1及び2)。ここで、支援的保護装置とは、使用者現場で行う保護方策のうち、行動の実行段階でのヒューマンエラー等による危険側誤りの確率を可能な限り減少させるための装置のことである。

先行技術

0007

則兼 昌也,福田 隆文,統合生産システムの安全性確保に関する研究−リスクアセスメントに基づく支援的保護装置の検討−,一般社団法人日本機械学会産業・科学機械と安全部門研究発表講演会2012 講演論文集p.13
則兼 昌也,福田 隆文,統合生産システムの安全性確保に関する研究−リスクアセスメントにおいて考慮すべき項目とその実践−,第45回安全工学研究発表会2012 講演予稿集p.36〜66

発明が解決しようとする課題

0008

ところで、上述したヒューマンエラーのほか、その行動がルールから逸脱することを知りながらも作業者があえて取る「意図的な不安全行動」も、重篤災害が発生する可能性を高める。

0009

そこで本発明は、人に依存する保護方策が原因で発生する災害の発生確率を低減する支援的保護システムを提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0010

本発明に係る支援的保護システムは、複数の機械が協調して動作し一連の作業を実行する統合生産システムにおける支援的保護システムであって、前記複数の機械のいずれかに対して実施する作業の登録を作業者から受け付け登録装置に対して登録された作業に基づいて、該作業が実施される機械に設定可能な運転モードを特定する情報処理装置を備える。

0011

上記構成において、前記情報処理装置は、前記作業者の有する資格及び権限の少なくとも一方に基づいて、前記作業者が前記複数の機械のそれぞれに対し実施可能な作業を特定し、前記登録装置は、特定された前記実施可能な作業の中から、前記作業者が実施する作業の登録を受け付けてもよい。

0012

また、前記統合生産システムは、前記情報処理装置が特定した、前記作業が実施される機械に設定可能な運転モードと、前記機械に実際に設定された運転モードとに基づいて、前記設定された運転モードでの前記機械の運転を許可又は不許可する運転制限装置を備えていてもよい。

0013

上記構成において、支援的保護システムは、前記複数の機械のうち一台以上の機械が設置される作業区域に設けられ、前記作業区域に入場する作業者を識別する情報を取得する識別情報取得装置と、前記作業区域に設けられ、前記作業区域に入場する作業者の人数を検出する検出装置と、を備え、前記情報処理装置は、前記作業が実施される機械が配置された作業区域に設置された前記識別情報取得装置及び前記検出装置からの情報に基づいて、前記作業が実施される機械の運転を承認するか否かを決定してもよい。

0014

上記構成において、前記情報処理装置は、前記登録装置に登録された作業の情報と、前記識別情報取得装置からの情報とに基づいて、前記作業が実施される機械の運転を承認するか否かを決定してもよい。

0015

上記構成において、前記運転制限装置は、前記承認の結果に基づいて、前記設定された運転モードでの前記機械の運転を許可又は不許可することとしてもよい。

0016

上記構成において、前記情報処理装置は、前記作業区域内に作業者が存在するか否かに基づいて、前記統合生産システムが所定の運転モードで運転することを承認するか否かを決定してもよい。

0017

上記構成において、前記運転制限装置は、前記承認の結果に基づいて、前記統合生産システムの前記所定の運転モードでの運転を許可又は不許可してもよい。

0018

上記構成において、前記統合生産システムは、前記作業区域毎に運転モードを設定することが可能であり、前記情報処理装置からの情報に基づいて、前記作業区域内外に設定されている運転モードを報知する報知装置を備えていてもよい。

0019

上記構成において、前記報知装置は、振動装置照明装置表示装置、及び音声出力装置の少なくとも1つを備えていてもよい。

0020

上記構成において、前記情報処理装置は、前記作業者が有する資格及び権限の少なくとも一方を記憶する第1の記憶部と、所定の作業と、前記所定の作業を行うのに必要な資格及び権限の少なくとも一方とを関連付けて記憶する第2の記憶部と、を備えていてもよい。

発明の効果

0021

本発明の支援的保護システムによれば、人に依存する保護方策が原因で発生する災害の発生確率を低減することができる。

図面の簡単な説明

0022

図1は、一実施形態に係る統合生産システム及び支援的保護システムの構成の一例を示す上面図である。
図2は、一実施形態に係る統合生産システム及び支援的保護システムの構成の一例を示すブロック図である。
図3は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4は、情報処理装置が有する機能を実現する手段の一例を示す機能ブロック図である。
図5は、作業者情報テーブルの一例を示す図である。
図6は、作業実施条件テーブルの一例を示す図である。
図7は、作業の実施に係る作業者の一連の行動を示すフローチャートである。
図8は、作業者が作業を登録するときに統合生産システム及び支援的保護システムが実行する処理の一例を示すシーケンス図である。
図9(A)〜(C)は、作業登録画面の一例を示す図である。
図10(A)及び図10(B)は、図8の処理を説明するための図である。
図11は、作業者が作業区域に入場するときに統合生産システム及び支援的保護システムが実行する処理の一例を示すシーケンス図である。
図12は、図11の処理を説明するための図である。
図13は、作業者が作業を実施するときに統合生産システム及び支援的保護システムが実行する処理の一例を示すシーケンス図である。
図14は、作業者が作業区域から退場するときに統合生産システム及び支援的保護システムが実行する処理の一例を示すシーケンス図である。
図15は、作業者が作業の完了を登録するときに統合生産システム及び支援的保護システムが実行する処理の一例を示すシーケンス図である。
図16(A)及び図16(B)は、図15の処理を説明するための図である。

実施例

0023

以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。

0024

図1は、実施形態に係る統合生産システム1000及び支援的保護システム2000の構成の一例を示す上面図である。図2は、統合生産システム1000及び支援的保護システム2000の構成の一例を示すブロック図である。

0025

(統合生産システム1000)
まず、統合生産システム1000について説明する。図1及び図2に示すように、統合生産システム1000は、ベルトコンベアZ13、搬送ロボットZ14、プレス機械Z15、搬送ロボットZ23、プレス機械Z24、搬送ロボットZ25、プレス機械Z33、搬送ロボットZ34、及びベルトコンベアZ35を備える。

0026

本実施形態において、上述した各機械は、“手動運転インチング”、“半自動運転”、“自動運転”、及び、“切(エネルギ断)”の運転モードを備えている。作業者は、“手動運転/インチング”モードが設定されている機械を、操作部材を用いて手動で操作することができる。また、“自動運転”モードが設定されている機械は、予め定められた動作を自動で実行する。“半自動運転”モードが設定されている機械は、“自動運転モード”で実行する動作の一部を自動で実行し、他については、作業者の操作により動作する。“切(エネルギ断)”モードが設定されている機械は、電源供給が停止されているため、作業者が操作部材を操作しても動作しないようになっている。

0027

本実施形態の統合生産システム1000では、上述した機械が協調して動作することにより、一連の作業を実行できるようになっている。具体的には、運転モードとして“自動運転モード”が設定された統合生産システム1000が自動運転を開始すると、上述した機械が協調して動作し、一連の作業を実行する。なお、統合生産システム1000は、運転モードとして、“自動運転モード”のほかに“メンテナンスモード”を備えている。“メンテナンスモード”は、後述する作業区域(タスクゾーン)毎に各機械の動作を制御できるようにする運転モードである。

0028

ここで、“自動運転モード”が設定された統合生産システム1000が自動運転を開始した場合の、各機械の動作について図1を参照して説明する。

0029

統合生産システム1000が自動運転を開始すると、まず、材料供給装置S10が、ベルトコンベアZ13に材料M10を供給する。次に、ベルトコンベアZ13により搬送された材料M10を搬送ロボットZ14が掴み、プレス機械Z15に供給する(破線矢印A10参照)。プレス機械Z15は、供給された材料M10を加工する。

0030

次に、搬送ロボットZ23が、プレス機械Z15により加工されたワークW10を掴み、プレス機械Z24に供給する(破線矢印A20参照)。プレス機械Z24は、供給されたワークW10を加工する。

0031

次に、搬送ロボットZ25が、プレス機械Z24により加工されたワークW20を掴み、プレス機械Z33に供給する(破線矢印A30参照)。プレス機械Z33は、供給されたワークW20を加工し、製品P10を製造する。

0032

搬送ロボットZ34は、出来上がった製品P10を掴み、ベルトコンベアZ35に移動させる。ベルトコンベアZ35により搬送された製品P10は、パレットP20に回収される。

0033

このように、本実施形態の統合生産システム1000においては、統合生産システム1000が自動運転を開始すると、ベルトコンベア、プレス機械、及び搬送ロボットが協調して動作し、製品P10を製造する。

0034

図1戻り、統合生産システム1000は、固定式ガードG10を備える。上述した統合生産システム1000の自動運転中に外部から作業者等が各機械の可動範囲に進入することを防ぐためである。ここで、「固定式ガード」とは、工具の使用によって、又は取り付け手段を破壊することによって取り外すことができるような方法で取り付けられたガードである。

0035

固定式ガードG10は、作業者が固定式ガードG10内の領域に入退場する際に使用するインタロック式のドアD10を備えている。固定式ガードG10内の領域は、図1に示すように、作業区域1〜3に分割されており、当該作業区域1〜3は、作業者の安全を確保する観点、及び、生産性を考慮して設定される。

0036

各作業区域には、1台以上の機械が配置される。本実施形態では、図1に示すように、作業区域1に、ベルトコンベアZ13、搬送ロボットZ14、及びプレス機械Z15を配置し、作業区域2に、搬送ロボットZ23、プレス機械Z24、及び搬送ロボットZ25を配置し、作業区域3に、プレス機械Z33、搬送ロボットZ34、及びベルトコンベアZ35を配置している。

0037

作業区域1〜3の入退場口には、それぞれ、光線式安全装置Z12,Z22,Z32が設置されている。光線式安全装置Z12,Z22,Z32は、例えば、ライトカーテンであり、各作業区域の入退場口における作業者の通過を検出するものである。

0038

また、作業区域1〜3内には、作業区域毎の運転モードを変更するためのキーボックスZ11,Z21,Z31がそれぞれ設置されている。本実施形態では、作業区域の運転モードとして、“自動運転モード”、“メンテナンスモード”、および“停止モード”が提供されているものとする。

0039

“自動運転モード”は、作業区域内の機械を協調して動作させることにより一連の作業を実行するための運転モードである。例えば、作業区域1に“自動運転モード”が設定されていれば、ベルトコンベアZ13、搬送ロボットZ14、及びプレス機械Z15は協調して動作し、ワークW10を生産することができる。

0040

“メンテナンスモード”は、作業区域内の機械を単体で動作させることができる運転モードである。また、“停止モード”は、作業区域内の機械への電源供給を停止させる運転モードである。

0041

作業区域1〜3には、さらに、各作業区域の運転モードを報知する報知装置Z18,Z28,Z38が設置されている。報知装置Z18,Z28,Z38は、例えば、LED(Laser Emitting Diode)ライトであり、後述する汎用PLC70の制御の下、作業区域の運転モードに応じた色で点灯する。

0042

報知装置Z18,Z28,Z38は、例えば、作業区域の運転モードが“自動運転モード”の場合には青色で点灯し、“メンテナンスモード”の場合には黄色で点灯し、“停止モード”の場合には赤色で点灯する。また、作業区域内の機械が自動運転しているときに作業者が作業区域内に進入する等して非常停止した場合には、報知装置Z18,Z28,Z38は、赤色で点滅する。これにより、作業者は、各作業区域の運転モードを作業区域の外から視認することができるので、作業区域の運転モードを誤認識して作業区域内に立ち入り、機械と接触する等して負傷する事態等を防止することができる。例えば、作業区域の運転モードとして“メンテナンスモード”が設定されていたとする。この場合において、作業者が、機械が動作していないために、「“切(エネルギ断)”が設定されている」と誤って判断して作業区域に入場し、メンテナンス中の機械と接触してしまい、負傷する事態等を防止することができる。

0043

統合生産システム1000は、さらに、固定式ガードG10の外側に配置された総括盤60、並びに、図1には図示されていない安全PLC(Programmable Logic Controller)50、汎用PLC70、及びインタロック装置90(図2参照)を備える。

0044

(総括盤60)
総括盤60は、ディスプレイRFIDリーダ、ディスプレイに組みつけられ、入力装置として機能するタッチパネル、及び、これらの構成を制御するための制御部等を備える。また、総括盤60は、統合生産システム1000の運転モードを切り換えるためのキースイッチを備える。

0045

総括盤60は、安全PLC50と、後述する支援的保護システム2000が備える情報処理装置80と接続される。総括盤60は、統合生産システム1000の現在の運転モードや、安全PLC50から入力された各作業区域の運転モードや、各機械の運転モードをディスプレイに表示する。また、総括盤60は、情報処理装置80から入力される情報に基づいて、各作業区域内で作業を実施している作業者の情報をディスプレイに表示する。

0046

また、総括盤60は、統合生産システム1000において非定常作業が発生した場合に、当該非定常作業に係る作業の登録を行う作業者の識別情報をRFIDリーダにより取得し、情報処理装置80に送信する。総括盤60は、送信した識別情報に基づいて情報処理装置80が抽出した、当該作業者が実施可能な作業の一覧を情報処理装置80から受信し、ディスプレイに表示する。

0047

また、総括盤60は、作業者から、作業者が実施する作業の登録をタッチパネルを介して受け付け、登録された作業の情報を情報処理装置80に送信する。また、総括盤60は、作業者から、作業完了の登録をタッチパネルを介して受け付け、完了した作業の情報を情報処理装置80に送信する。

0048

また、総括盤60は、キースイッチによる統合生産システム1000の運転モードの切り替えや、作業者によるキーの抜き取りを情報処理装置80に通知する。また、総括盤60は、統合生産システム1000の自動生産を開始する操作を作業者から受け付けた場合に、当該情報を安全PLC50に送信する。

0049

(安全PLC50)
安全PLC50は、例えば、マイクロプロセッサ等を備える。安全PLC50は、作業区域1〜3に配置された機械(ベルトコンベア、搬送ロボット、プレス機械)、キーボックスZ11,Z21,Z31、及び光線式安全装置Z12,Z22,Z32と接続される。また、安全PLC50は、総括盤60、情報処理装置80、及びインタロック装置90と接続される。

0050

安全PLC50は、各機械から、当該機械に設定された運転モードの情報を取得し、総括盤60、情報処理装置80、及びインタロック装置90に送信する。また、安全PLC50は、キーボックスZ11,Z21,Z31から各作業区域の運転モードの情報を取得し、総括盤60及び情報処理装置80に送信する。上述したように、総括盤60は、安全PLC50から受信した情報に基づいて、各作業区域の運転モードや各機械の運転モードをディスプレイに表示する。

0051

また、安全PLC50は、光線式安全装置Z12,Z22,Z32から各作業区域の入退場口における作業者の通過情報を取得し、情報処理装置80に送信する。

0052

さらに、安全PLC50は、総括盤60から、統合生産システム1000に設定されている運転モードの情報や、統合生産システム1000に対する運転要求を取得し、インタロック装置90に出力する。

0053

(インタロック装置90)
インタロック装置90は、例えば、論理演算回路を備える。インタロック装置90は、情報処理装置80、安全PLC50、及び汎用PLC70と接続される。

0054

インタロック装置90は、情報処理装置80から入力される情報と、安全PLC50から入力される情報とを照合して、設定された運転モードでの各機械の運転や、統合生産システム1000の自動運転を許可するか否かを決定し、汎用PLC70に運転を許可または不許可する信号を出力する。

0055

(汎用PLC70)
汎用PLC70は、例えば、パーソナルコンピュータを備える。汎用PLC70は、作業区域1〜3に配置された機械(ベルトコンベア、搬送ロボット、プレス機械)及び報知装置Z18,Z28,Z38、情報処理装置80、並びに、インタロック装置90と接続される。

0056

汎用PLC70は、インタロック装置90から各機械の運転を許可または不許可する信号を受信し、当該信号の内容(運転許可/運転不許可)に基づいて、各機械(ベルトコンベア、搬送ロボット、プレス機械)を制御する。また、汎用PLC70は、インタロック装置90から統合生産システム1000の運転を許可または不許可する信号を受信し、当該信号の内容(運転許可/運転不許可)に基づいて、統合生産システム1000全体を制御する。さらに、汎用PLC70は、情報処理装置80から各作業区域の運転モードの情報を受信し、当該情報に基づいて報知装置Z18,Z28,Z38を運転モードに対応する色で点灯させる。

0057

(支援的保護システム2000)
次に、支援的保護システム2000について説明する。図1及び図2に示すように、支援的保護システム2000は、作業区域1〜3の入退場口に設置されたRFID(Radio Frequency Identification)リーダZ16,Z26,Z36,及び撮像装置Z17,Z27,Z37を備える。

0058

RFIDリーダZ16,Z26,Z36は、作業者を識別するための情報(識別情報)を取得するためのものであって、各作業区域に入場する作業者が携帯するID(Identification)カードに記録された作業者の識別情報(本実施形態ではID番号)を読み取る。

0059

撮像装置Z17,Z27,Z37は、例えば、ビデオカメラであり、各作業区域の入退場口の映像撮影する。

0060

支援的保護システム2000は、さらに、図1には図示されていない汎用PLC40及び情報処理装置80(図2参照)を備える。

0061

(汎用PLC40)
汎用PLC40は、例えば、パーソナルコンピュータを備える。汎用PLC40は、作業区域1〜3に配置されたRFIDリーダZ16,Z26,Z36及び撮像装置Z17,Z27,Z37と接続される。また、汎用PLC40は、情報処理装置80と接続される。

0062

汎用PLC40は、作業区域に入場した作業者の識別情報をRFIDリーダZ16,Z26,Z36から取得し、情報処理装置80に出力する。

0063

また、汎用PLC40は、撮像装置Z17,Z27,Z37から取得した映像を、周知の画像認識技術を用いて解析し、各作業区域に入場する作業者の人数、または、退場する作業者の人数を取得する。そして、汎用PLC40は、取得した人数の情報を、情報処理装置80に出力する。

0064

(情報処理装置80)
情報処理装置80は、例えば、パーソナルコンピュータを備える。情報処理装置80は、汎用PLC40、総括盤60、安全PLC50、汎用PLC70、及びインタロック装置90と接続される。

0065

情報処理装置80は、総括盤60のRFIDリーダに登録された識別情報を総括盤60から受信し、当該識別情報により識別される作業者が有する資格及び権限に基づいて、当該作業者が実施可能な作業を抽出し、総括盤60に送信する。

0066

また、情報処理装置80は、総括盤60、安全PLC50、及び汎用PLC40から入力される情報に基づいて、作業区域1〜3に設置されている各機械の運転を承認するか否かや、統合生産システム1000の自動運転を承認するか否かを決定し、承認結果をインタロック装置90に出力する。なお、情報処理装置80が実行する処理の詳細については、後述する。

0067

次に、図3を用いて、情報処理装置80のハードウェア構成について詳細に説明する。図3に示すように、情報処理装置80は、入出力部801、ROM(Read Only Memory)802、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)803、RAM(Random Access Memory)804、及びHDD(Hard Disk Drive:ハードディスク装置)805を備える。

0068

入出力部801は、汎用PLC40、総括盤60、安全PLC50から各種情報の入力を受け付ける。また、入出力部801は、前述した各機械の運転を承認するか否かや、統合生産システム1000の自動運転を承認するか否かの情報をインタロック装置90へ出力する。さらに、入出力部801は、汎用PLC70に、各作業区域に設定されている運転モードの情報を出力する。

0069

ROM802は、作業者が実施可能な作業を抽出するプログラムや、統合生産システム1000が備える各機械の運転を承認するか否かを決定するプログラム等を格納する。CPU803は、ROM802に格納されたプログラムを読み込んで実行する。RAM804は、プログラムを実行する際に使用される一時的なデータを保存する。ROM802に格納されたプログラムのCPU803による演算によって、図4に示す情報処理装置80が有する機能が実現される。HDD805は、作業者情報テーブル、作業実施条件テーブル、及び作業管理テーブル(詳細は後述する)を記憶する。

0070

次に、図4を参照して、情報処理装置80が有する機能の一例について説明する。図4は、情報処理装置80が有する機能を実現する手段の一例を示す機能ブロック図である。

0071

情報処理装置80は、記憶部811、作業抽出部813、作業管理部815、及び判定部817を備える。

0072

記憶部811は、例えば、HDD805であって、作業者情報テーブル、作業実施条件テーブル、及び、作業管理テーブルを記憶する。ここで、作業者情報テーブル及び作業実施条件テーブルについて説明する。作業管理テーブルの詳細については、後述する。

0073

図5は、作業者情報テーブルの一例を示す図である。図5に示すように、作業者情報テーブルは、ID番号、氏名、保有資格、および、保有権限の項目を備える。ID番号の項目には、作業者を一意に識別するためのID番号(識別情報)が格納される。氏名の項目には、作業者の氏名が格納される。保有資格の項目には、作業者が有する資格に関する情報が格納される。保有権限の項目には、作業者が有する権限に関する情報が格納される。

0074

図5の例では、例えば、ID番号“R0001”の作業者は、“教育講習修了”及び“特別講習B修了”の資格を有しており、権限は保有していない。一方、ID番号“R0004”の作業者は、資格は保有していないが、他の作業者の作業を監督する“監督権限”を有している。

0075

図6は、作業実施条件テーブルの一例を示す図である。図6に示すように、作業実施条件テーブルは、作業区域、機械、作業、作業者必要スキル、許可運転モード、及び監督者要否の項目を備える。

0076

作業区域の項目は、作業を実施する作業区域を表す。機械の項目は、作業区域に配置され、作業者が作業を実施する機械を表す。作業の項目は、作業区域に設置されている機械(図6では、ベルトコンベア、搬送ロボット、プレス機械)に対し、実施される作業を表す。図6の例では、作業区域1に配置されたベルトコンベアに対して実施される作業として、“調整”、“連動確認”、“生産”、“保守”、及び“清掃”が登録されており、該作業に関係する機械の運転モードが、後述する許可運転モードの項目にて特定される。

0077

作業者必要スキルの項目には、各作業を実施する作業者に要求される資格が登録される。許可運転モードの項目には、各作業を実施するときに機械に設定可能な運転モードが登録される。さらに、監督者要否の項目には、各作業を実施するときに監督者が必要か否かの情報が登録される。例えば、図6において、“作業区域1”に配置された“ベルトコンベア”に対し“調整”作業を実施する作業者は、“教育講習A”を修了している必要がある。さらに、このときのベルトコンベアの運転モードは、“手動操作/インチング”でなければならず、さらに、当該“調整”作業は、作業を監督する監督者が必要である。

0078

図4に戻り、作業抽出部813は、作業者が実施可能な作業を抽出する。具体的には、作業抽出部813は、総括盤60から作業を実施する作業者の識別情報を受信する。また、作業抽出部813は、作業者情報テーブル及び作業実施条件テーブルを記憶部811から取得する。作業抽出部813は、総括盤60から受信した識別情報(ID番号)に基づいて、作業者が保有する資格及び権限の情報を、作業者情報テーブル(図5参照)から取得する。そして、作業抽出部813は、当該取得した資格及び権限の範囲内で実施可能な作業を作業実施条件テーブル(図6参照)から抽出する。作業抽出部813は、抽出した作業の一覧を総括盤60に出力する。

0079

作業管理部815は、総括盤60、汎用PLC40、及び安全PLC50から入力した情報に基づいて、記憶部811に記憶されている作業管理テーブルを更新する。また、作業管理部815は、作業管理テーブルに登録されている情報を、総括盤60に送信する。作業管理テーブルの詳細、及び、作業管理テーブルの更新処理の詳細については、後述する。

0080

判定部817は、総括盤60、汎用PLC40、及び安全PLC50から入力した情報、並びに、記憶部811の作業実施条件テーブル及び作業管理テーブルに登録されている情報に基づいて、各種判定処理(詳細は後述する)を実行する。判定部817は、判定結果に基づいて、作業区域1〜3に設置されている各機械の運転を承認するか否かや、統合生産システム1000の自動運転を承認するか否かを決定し、承認結果をインタロック装置90に出力する。また、判定部817は、総括盤60から入力された各作業区域の運転モードの情報を汎用PLC70に出力する。

0081

次に、統合生産システム1000にて非定常作業が実施される場合に、統合生産システム1000及び支援的保護システム2000が実行する処理について説明する。まず、非定常作業を実施する作業者の一連の行動について説明する。図7は、非定常作業を実施する作業者が行う一連の動作を表すフローチャートである。

0082

図7に示すように、作業者は、まず、総括盤60に対して、これから実施する作業を登録する(ステップS501)。作業を登録し終えると、作業者は、作業を実施する作業区域に入場する(ステップS503)。その後、作業者は、当該作業区域内で作業を実施する(ステップS505)。作業者は作業を完了すると、作業区域から退場する(ステップS507)。作業を完了した作業者は、総括盤60に作業が完了したことを登録し(ステップS509)、非定常作業を終了する。

0083

次に、上述した図7に示す各ステップにおいて、作業者が実施する処理の詳細と、統合生産システム1000及び支援的保護システム2000が実行する処理の一例について説明する。

0084

<作業登録時:ステップS501>
まず、作業者が作業を登録するときに統合生産システム1000及び支援的保護システム2000が実行する処理について、図8のシーケンス図を用いて説明する。

0085

図8において、まず、作業者は、総括盤60が備えるキースイッチのキーを、“自動運転モード”から“メンテナンスモード”に切り換える(ステップS11)。すると、総括盤60は、統合生産システム1000の運転モードが“自動運転モード”から“メンテナンスモード”へ切り替わったことを、情報処理装置80に通知する(ステップS13)。

0086

続いて、作業者は、総括盤60が備えるRFIDリーダに、自身のIDカードをかざし、作業者の識別情報(本実施形態では、ID番号)を登録する(ステップS15)。総括盤60は、作業者の識別情報を、情報処理装置80に送信する(ステップS17)。

0087

総括盤60から識別情報を受信した情報処理装置80は、作業者が実施可能な作業を抽出する(ステップS18)。本実施形態では、情報処理装置80の作業抽出部813が、識別情報に基づいて、上述した作業者情報テーブル(図5参照)から、当該作業者の保有資格及び保有権限を取得する。そして、作業抽出部813は、作業者が保有する資格及び権限の範囲で実施できる作業を作業実施条件テーブル(図6参照)から抽出する。作業抽出部813は、抽出した作業の一覧を総括盤60に送信する(ステップS19)。

0088

総括盤60は、情報処理装置80から受信した作業の一覧を、ディスプレイに表示する(ステップS20)。

0089

ここで、例えば、非定常作業を行う作業者のID番号が“R0001”であった場合、情報処理装置80の作業抽出部813は、図5の作業者情報テーブルから、当該作業者が保有する資格“教育講習C修了”及び“特別講習B修了”の情報を取得する。そして、作業抽出部813は、当該作業者が保有する資格に基づき、図6の作業実施条件テーブルであれば、作業区域1に設置された搬送ロボットの“型交換”、“ティーチング”、“調整”、“連動確認”、“生産”、“清掃”の作業を抽出する。そして、作業抽出部813は、抽出したこれらの作業を、作業者が実施可能な作業として総括盤60に送信する。総括盤60は、例えば、図9(A)に示すように、作業の一覧をディスプレイに表示する。

0090

また、例えば、非定常作業を行う作業者のID番号が“R0005”であった場合、作業抽出部813は、当該作業者が保有する資格“教育講習A修了”、“教育講習C修了”および“特別講習B修了”の情報を取得する。そして、作業抽出部813は、当該作業者が保有する資格に基づき、例えば、作業区域1に設置されたベルトコンベアの“調整”、“連動確認”、“生産”、“清掃”の作業を抽出する。また、作業抽出部813は、作業区域1に配置された搬送ロボットの“型交換”、“ティーチング”、“調整”、“連動確認”、“生産”、“清掃”も実施可能な作業として抽出する。作業抽出部813は、抽出したこれらの作業を総括盤60に送信する。総括盤60は、例えば、図9(B)に示すように、作業の一覧をディスプレイに表示する。

0091

また、例えば、非定常作業を行う作業者のID番号が“R0004”であった場合、作業抽出部813は、当該作業者が保有する“監督”権限に基づき、図6の作業実施条件管理テーブルにおいて、監督要否の項目に“要”が登録されている作業を抽出する。図6の例では、情報処理装置80は、作業区域1に設置されたベルトコンベアの“調整”作業、搬送ロボットの“型交換”、“ティーチング”、及び“調整”の作業、並びに、プレス機械の“型交換”及び“調整”の作業を抽出する。情報処理装置80は、抽出したこれらの作業を総括盤60に送信する。総括盤60は、例えば、図9(C)に示すように、作業の一覧をディスプレイに表示する。

0092

このように、本実施形態の統合生産システム1000では、支援的保護システム2000の支援により、作業者は自分が保有する資格及び権限の範囲内にある作業しか登録できないようになっている。これにより、所定の資格が必要な作業を、当該資格を有さない作業者が、「資格は必要ない」と違いし実施してしまう事態等を防止することができる。

0093

図8に戻り、作業者は、タッチパネルを介して、総括盤60のディスプレイに表示された作業の中から、自身が実施する作業を選択する(ステップS21)。総括盤60は、選択された作業の情報を情報処理装置80に送信する(ステップS23)。本実施形態では、総括盤60は、作業を実施する作業区域、作業を実施する機械、作業の内容、及び、作業を実施する作業者の情報(本実施形態ではID番号)を情報処理装置80に送信する。

0094

情報処理装置80は、総括盤60から受信した作業の情報に基づき、作業管理テーブルを更新する(ステップS25)。本実施形態では、情報処理装置80の作業管理部815が、記憶部811に記憶されている作業管理テーブルを更新する。これにより、作業者が実施する作業が情報処理装置80に登録されることとなる。ここで、作業管理テーブルは、図10(A)に示すように、作業区域、機械、登録作業、作業登録者入場フラグ、退場フラグ、及び作業完了フラグの項目を備える。

0095

作業区域の項目は、作業が実施される作業区域を表す。機械の項目は、作業が実施される機械を表す。登録作業の項目は、作業者が登録した作業を表す。作業登録者の項目は、当該作業を登録した作業者の情報(本実施形態ではID番号)を格納する。

0096

例えば、ID番号“R0001”の作業者が、作業区域1に設置された搬送ロボットZ14の調整作業を総括盤60に登録したとする。この場合、情報処理装置80の作業管理部815は、図10(A)に示すように、作業区域の項目に“作業区域1”を登録し、“機械”の項目に“搬送ロボット”を登録し、登録作業の項目に“調整”を登録し、作業登録者の項目に“R0001”を登録する。なお、入場フラグ、退場フラグ、作業完了フラグの項目に登録される内容については後述する。

0097

作業を実施する作業者が複数存在する場合には、各作業者が作業の登録を終えるまで、ステップS15〜ステップS25の処理が繰り返される。

0098

作業の登録が終了すると、作業者は、総括盤60からキーを抜き取る(ステップS27)。作業者が総括盤60の運転モードを“メンテナンスモード”に切り替え、キーを総括盤から抜き取ると、インタロック式のドアD10のインタロックが解除され、作業者は、ドアD10から固定式ガードG10内の領域に入場する(ステップS28)。

0099

総括盤60は、キーが抜き取られたことを情報処理装置80に通知する(ステップS29)。情報処理装置80の判定部817は、当該通知をトリガとして、作業管理テーブルに登録された作業について、監督者の要否及び監督者登録の有無を判定する(ステップS31)。そして、判定部817は、判定結果に基づいて、当該作業が実施される機械の運転を承認するか否かを決定し、承認/非承認の決定結果を総括盤60及びインタロック装置90に送信する(ステップS33,S34)。

0100

例えば、図10(A)に示す作業管理テーブルでは、作業区域1に配置された搬送ロボットの調整作業が登録されている。この場合、情報処理装置80の判定部817は、まず、図6の作業実施条件管理テーブルにおいて、搬送ロボットの調整作業に対し、監督者要否の項目に“要”が登録されているか否かを判定する。そして、監督者要否の項目に“要”が登録されている場合には、判定部817は、当該作業について、監督権限をもつ作業者が登録されているか否かを判定する。

0101

図10(A)に示すテーブルでは、作業区域1に配置された搬送ロボットの調整作業を登録しているのは、ID番号“R0001”の作業者のみであり、当該作業者は、監督権限を有していない(図5参照)。この場合、判定部817は、監督者が必要な作業に対して監督者が登録されていないと判定し、搬送ロボットの運転を承認しない信号を総括盤60及びインタロック装置90に送信する。一方、図10(B)に示すテーブルでは、ID番号“R0001”の作業者に加えて、監督権限を有するID番号“R0004”の作業者(図5参照)が、作業区域1に配置された搬送ロボットの調整作業を登録している。したがって、この場合、判定部817は、監督者が必要な作業に対して監督者が登録されていると判定し、搬送ロボットの運転を承認する信号を総括盤60及びインタロック装置90に送信する。

0102

インタロック装置90は、情報処理装置80から搬送ロボット(作業が実施される機械)の運転を承認しない信号を受信している間は、安全PLC50から搬送ロボットの運転要求を受け付けても、汎用PLC70に運転を許可する信号をを出力しない。

0103

一方、総括盤60は、情報処理装置80から受信した承認/非承認の決定結果をディスプレイに表示する。これにより、作業者は、作業を登録(計画)する段階で満たすべき条件(資格・権限の有無、監督者の要否)が、当該作業について満たされているか否かを知ることができる。なお、例えば、情報処理装置80から非承認の決定結果を受信していた場合、総括盤60は、「作業区域1の搬送ロボットの調整作業には、監督者が必要です」等のメッセージをディスプレイに表示してもよい。

0104

このように、本実施形態の統合生産システム1000では、支援的保護システム2000の支援により、所定の資格が必要な作業を、当該資格を有していない作業者が実施しようとしたり、監督者が必要な作業に対して監督者が存在しないなど、誤った作業計画がなされるのを防止することができる。

0105

<作業区域入場時:ステップS503>
次に、作業者が、作業区域に入場するときに統合生産システム1000及び支援的保護システム2000が実行する処理について、図11のシーケンス図を用いて説明する。なお、ここでは、説明の便宜上、作業者が、作業区域1の搬送ロボットZ14の調整作業を実施するために作業区域に入場する場合について説明する。

0106

図11において、作業者は、まず、作業区域1の入退場口に設置されているRFIDリーダZ16にIDカードをかざして、作業者の識別情報(ID番号)を登録する(ステップS101)。RFIDリーダZ16は、作業者の識別情報を汎用PLC40に送信する(ステップS103)。汎用PLC40は、識別情報を情報処理装置80に送信する(ステップS105)。

0107

続いて、作業者は、光線式安全装置Z12を通過して、作業区域1内に入場する(ステップS106)。作業者の通過情報は、光線式安全装置Z12から安全PLC50へ送信され、安全PLC50は、情報処理装置80に、作業者が作業区域1の入退場口を通過したことを通知する(ステップS107)。また、このとき、汎用PLC40は、撮像装置Z17が撮影した映像を解析して作業区域1に入場した作業者の人数を取得し、情報処理装置80に送信する(ステップS109)。

0108

情報処理装置80は、作業者の通過通知を安全PLC50から受信すると、入場時判定処理(ステップS111)を実行する。本実施形態では、情報処理装置80の判定部817が、RFIDリーダZ16に識別情報を登録した作業者の人数と、汎用PLC40から受信した作業区域1に入場した作業者の人数とが合致するか否かを判定する。これにより、共連れや、作業者のIDカードの不携帯を判定することが可能となる。

0109

情報処理装置80は、判定結果に基づいて、作業者が入場した作業区域1に配置された機械の運転を承認するか否かを決定し、決定結果をインタロック装置90に送信する(ステップS113)。例えば、情報処理装置80の判定部817は、RFIDリーダZ16に識別情報を登録した作業者の人数と汎用PLC40から受信した作業区域1に入場した作業者の人数とが合致する場合には、作業区域1において作業が実施される機械の運転を承認する信号をインタロック装置90に送信する。一方、判定部817は、両者の人数が合致しない場合には、機械の運転を承認しない信号をインタロック装置90に送信する。

0110

インタロック装置90は、情報処理装置80から、機械の運転を承認しない信号を受信している間は、安全PLC50から機械の運転要求を受け付けても、汎用PLC70に運転を許可する信号を出力しない。これにより、作業者が共連れ等の意図的な不安全行動をとった場合や、作業者がうっかりIDカードを携帯せずに作業区域に入場するなどした場合には、機械が動作しないため、人に依存する保護方策が原因となる災害の発生確率を低減することができる。

0111

なお、判定部817は、承認/非承認の決定結果を総括盤60に送信し、総括盤60は、当該情報をディスプレイに表示してもよい。また、判定部817は、承認/非承認の決定結果を汎用PLC70に送信し、汎用PLC70は、当該結果に基づいて、各機械が備えるパトライト(登録商標)等を用いて、承認/非承認の結果を報知するようにしてもよい。

0112

続いて情報処理装置80は、汎用PLC40から受信した識別情報に基づき、作業管理テーブルを更新する(ステップS115)。例えば、情報処理装置80の作業管理部815は、作業者が入場した作業区域及び作業者の識別情報と一致するデータがあれば、図12に示すように、作業管理テーブルの入場フラグの項目に入場を示す“X”を登録する。なお、作業管理部815は、作業区域及び識別情報の少なくとも一方が一致しない場合には、作業を実施する予定のない(作業を登録していない)作業者が作業区域に入場している旨を汎用PLC70に通知してもよい。当該通知に基づいて、汎用PLC70が、不図示の警報装置等によりブザーを鳴らすなどすれば、各作業区域における作業を登録していない作業者を当該作業区域内に進入させないようにすることができる。

0113

図11に戻り、作業区域内に入場した作業者は、作業区域1のキーボックスZ11が備えるRFIDリーダにIDカードをかざし、作業者の識別情報を登録する(ステップS117)。キーボックスZ11は、登録された識別情報を安全PLC50に送信し(ステップS119)、安全PLC50は、受信した識別情報を情報処理装置80に送信する(ステップS121)。

0114

作業者は、識別情報を登録し終えると、キーボックスZ11のキーを“自動運転モード”から“メンテナンスモード”に切り換える(ステップS123)。

0115

キーボックスZ11は、設定された運転モードの情報を安全PLC50に送信する(ステップS125)。安全PLC50は、運転モードが“自動運転モード”から“メンテナンスモード”へと切り替わったことを、情報処理装置80に通知する(ステップS127)。なお、図11では図示していないが、このとき、安全PLC50は、作業区域1の運転モードを総括盤60のディスプレイに表示させるため、キーボックスZ11に設定された運転モードの情報を総括盤60に送信する。また、情報処理装置80は、作業区域1の運転モードの情報を、汎用PLC70に送信する。汎用PLC70は、当該情報に基づいて、報知装置Z18を、運転モードに対応した色で点灯させる。

0116

運転モードの切替通知を受信した情報処理装置80は、作業者照合処理を実行し(ステップS128)、作業区域1に配置された機械の運転を承認するか否かを決定する。そして、情報処理装置80は、承認/非承認の決定結果をインタロック装置90に送信する(ステップS129)。

0117

本実施形態では、情報処理装置80の判定部817が、キーボックスZ11が備えるRFIDリーダに識別情報を登録した作業者と、作業区域1内で作業を行う作業者とが一致するか否かを、作業管理テーブルに基づいて判定する。例えば、判定部817は、作業管理テーブルにおいて、作業区域1の登録作業者のID番号と、キーボックスZ11のRFIDリーダに登録された識別情報とが、全て一致するか否かを判定する。

0118

判定部817は、両者が一致しない場合、あるいは、キーボックスZ11に識別情報を登録した作業者が、作業管理テーブルに登録されている作業者よりも多かったり少なかったりする場合には、作業区域1で作業が実施される機械の運転を承認しない信号をインタロック装置90に送信する。一方、キーボックスZ11が備えるRFIDリーダに識別情報を登録した作業者と、作業区域1内で作業を行う作業者とが全て一致した場合には、判定部817は、作業区域1で作業が実施される機械の運転を承認する信号をインタロック装置90に送信する。

0119

このように、本実施形態の支援的保護システム2000では、総括盤60に作業を登録した作業者が作業区域に入場しない限り、当該作業区域において作業が実施される機械の運転が承認されないようになっている。

0120

<作業実施時:ステップS505>
次に、作業者が、作業区域内で作業を実施するときに統合生産システム1000及び支援的保護システム2000が実行する処理の一例について、図13のシーケンス図を用いて説明する。

0121

図13において、作業者は、作業を実施する機械(ここでは、搬送ロボットZ14であるとする)の運転モードを切り換える(ステップS201)。すると、搬送ロボットZ14から安全PLC50に、作業者が搬送ロボットZ14に設定した運転モードの情報が送信される(ステップS203)。安全PLC50は、当該運転モードの情報に基づいて、情報処理装置80には、運転モードの切り替えが行われたことを通知する(ステップS205)。また、安全PLC50は、作業者が設定した運転モードで搬送ロボットZ14を運転するようインタロック装置90に要求する(ステップS209)。

0122

情報処理装置80は、安全PLC50から運転モードの切り替え通知を受け付けると、搬送ロボットZ14に設定可能な運転モードの情報をインタロック装置90に送信する(ステップS207)。本実施形態では、情報処理装置80の判定部817は、作業管理テーブル(図12参照)に登録されている搬送ロボットZ14の調整作業に対し設定可能な運転モードの情報を、作業実施条件テーブル(図6参照)の許可運転モードの項目から取得し、インタロック装置90に送信する。作業区域1の搬送ロボットZ14の調整作業の場合、判定部817は、“手動操作/インチング”モードを、搬送ロボットZ14に設定可能な運転モードとして、インタロック装置90に送信する。

0123

インタロック装置90は、ステップS207において情報処理装置80から受信した運転モードの情報と、ステップS209において安全PLC50から要求された運転モードとに基づいて、搬送ロボットZ14の運転可否を判定する(ステップS213)。具体的には、インタロック装置90は、情報処理装置80から受信した搬送ロボットZ14に設定可能な運転モード(“手動操作/インチング”)と、安全PLC50から要求された搬送ロボットZ14の運転モードとを照合する。そして、両者が一致し、かつ、図8のステップS34、図11のステップS113及びステップS129において搬送ロボットZ14の運転が承認されていれば、インタロック装置90は、搬送ロボットZ14を安全PLC50から要求された運転モードで運転することを許可する信号を汎用PLC70に出力する(ステップS215)。汎用PLC70は、当該運転を許可する信号に基づいて、搬送ロボットZ14を制御する。

0124

上述したように、本実施形態の統合生産システム1000では、支援的保護システム2000の支援により、総括盤60に作業を登録した作業者が作業区域に入場し、かつ、作業を行うにあたり各機械に許可された運転モードを機械に対して設定しない限り、機械が動作せず、作業が実施できないようになっている。これにより、例えば、作業を登録していない作業者が作業を実施したり、作業者の勘違いで機械に誤った運転モードを設定して機械を動作させることにより、災害が発生する確率を低減することができる。

0125

<作業区域退場時:ステップS507>
次に、作業者が作業を完了し、作業区域を退場するときに統合生産システム1000及び支援的保護システム2000が実行する処理の一例について、図14のシーケンス図を用いて説明する。ここでは、作業区域1の搬送ロボットZ14の調整作業を完了した作業者が作業区域1を退場する場合について説明する。

0126

図14において、作業を完了した作業者は、作業区域1のキーボックスZ11のキーを、“メンテナンスモード”から“自動運転モード”に切り換える(ステップS301)。すると、キーボックスZ11に設定された運転モードの情報が、安全PLC50に送信される(ステップS303)。なお、図14では図示していないが、このとき、安全PLC50は、作業区域1の運転モードを総括盤60のディスプレイに表示させるため、キーボックスZ11に設定された運転モードの情報を総括盤60に送信する。

0127

安全PLC50は、情報処理装置80には、運転モードの切り替えが行われたことを通知する(ステップS304)。図14では図示していないが、情報処理装置80は、作業区域に設定された運転モードを汎用PLC70に通知する。汎用PLC70は、当該運転モードに応じた色で、報知装置(Z18,Z28,Z38)を点灯させる。

0128

作業区域1の運転モードを変更した作業者は、光線式安全装置Z12を通過して、作業区域1から退場する(ステップS305)。安全PLC50は、光線式安全装置Z12からの入力に基づき、作業者が作業区域1の入退場口を通過したことを、情報処理装置80に通知する(ステップS307)。また、このとき、汎用PLC40は、撮像装置Z17が撮影した映像を解析して作業区域1から退場した作業者の人数を取得し、情報処理装置80に送信する(ステップS309)。

0129

情報処理装置80は、作業者の通過情報を安全PLC50から受信すると、退場時判定処理(ステップS311)を実行する。本実施形態では、情報処理装置80の判定部817は、作業区域1に入場した全ての作業者が、作業区域1から退場したか否かを判定する。例えば、判定部817は、作業管理テーブルにおいて作業区域1に登録されている作業者の人数と、汎用PLC40から取得した、作業区域1から退場した作業者の人数とが一致するか否かを判定する。なお、複数の機械について非定常作業が発生している場合には、作業区域から退場するタイミングが作業者によって異なる場合がある。この場合、判定部817は、汎用PLC40から取得した人数を加算していき、当該人数の合計と、作業管理テーブルにおいて該当する作業区域に登録されている作業者の人数とが一致するか否かを判定すればよい。

0130

情報処理装置80は、判定結果に基づいて、統合生産システム1000が自動運転モードで運転することを承認するか否かを決定し、承認/非承認の決定結果をインタロック装置90に送信する(ステップS313)。本実施形態では、情報処理装置80の判定部817が、作業区域1に入場した全ての作業者が、作業区域1から退場したと判定した場合に、統合生産システム1000の自動運転を承認する信号をインタロック装置90に送信する。それ以外の場合、情報処理装置80は、統合生産システム1000の自動運転を承認しない信号をインタロック装置90に送信する。インタロック装置90は、情報処理装置80から、統合生産システム1000の自動運転を承認しない信号を受信している間は、安全PLC50から統合生産システム1000の自動運転を開始する要求を受け付けても、汎用PLC70に運転を許可する信号を出力しない。これにより、作業区域内に作業者が残っている状態で、統合生産システム1000が自動運転を開始することを防止できる。

0131

<作業完了登録時:ステップS509>
次に、作業者が作業の完了を登録するときに統合生産システム1000及び支援的保護システム2000が実行する処理の一例について、図15のシーケンス図を用いて説明する。

0132

図15において、作業者は、固定式ガードG10の外へと退場すると、総括盤60のRFIDリーダにIDカードをかざして、識別情報を登録する(ステップS401)。総括盤60は、作業者の識別情報を、情報処理装置80に送信する(ステップS403)。

0133

識別情報を受信した情報処理装置80の作業管理部815は、作業管理テーブルに登録された情報に基づいて、当該作業者が登録した作業の情報を総括盤60に送信する(ステップS407)。総括盤60は、情報処理装置80から受信した、作業者が登録した作業の情報をディスプレイに表示する(ステップS409)。

0134

作業者は、総括盤60のディスプレイに表示された作業をタッチパネルを介して選択し、作業の完了を登録する(ステップS411)。完了した作業の情報は、総括盤60から情報処理装置80に送信される(ステップS413)。

0135

情報処理装置80は、総括盤60から受信した情報に基づいて、作業管理テーブルを更新する(ステップS415)。本実施形態では、情報処理装置80の作業管理部815が、作業管理テーブルにおいて、作業完了を登録した作業者の退場フラグの項目に“X”を登録するとともに、作業完了フラグの項目に“完了”を登録する(図16(A)参照)。

0136

作業の完了を登録し終えた作業者は、総括盤60にキーを差し込み、統合生産システム1000の運転モードを“メンテナンスモード”から“自動運転モード”に切り換える(ステップS417)。すると、総括盤60から情報処理装置80に、運転モードの切り替えが通知される(ステップS419)。

0137

情報処理装置80は、運転モードの切替通知を受け付けると、作業区域内に作業者が存在するか否かを判定する(ステップS421)。例えば、情報処理装置80の判定部817は、作業管理テーブルに登録された全ての作業者の作業完了フラグの項目に“完了”が登録されているか否かを判定する。判定部817は、作業管理テーブルに登録されている全ての作業者の退場フラグの項目に“X”が登録されているか否かを判断してもよい。例えば、図16(A)の例では、全ての作業者の退場フラグの項目に“X”が登録されているため、判定部817は、作業区域内に作業者が存在しないと判定する。一方、図16(B)の例では、作業区域2の作業者の退場フラグの項目に“X”が登録されていないため、判定部817は、作業区域内に作業者が存在すると判定する。

0138

情報処理装置80は、判定結果に基づき、統合生産システム1000の自動運転を承認するか否かを決定し、承認/非承認の決定結果をインタロック装置90に送信する(ステップS423)。本実施形態においては、情報処理装置80の判定部817は、作業区域内に作業者が存在しないと判定した場合に、統合生産システム1000の自動運転を承認する信号をインタロック装置90に送信する。それ以外の場合、判定部817は、統合生産システム1000の自動運転を承認しない信号をインタロック装置90に送信する。

0139

作業者は、統合生産システム1000の自動運転を開始する準備が整うと、総括盤60に対して、自動運転を開始するための操作を実施する(ステップS425)。総括盤60は、安全PLC50に、統合生産システム1000の自動生産を開始する操作が実行されたことを通知する(ステップS427)。安全PLC50は、インタロック装置90に、統合生産システム1000の自動運転を開始するように要求する(ステップS429)。

0140

インタロック装置90は、自動運転の開始要求を受けて、統合生産システム1000の自動運転を許可するか否かを判定する(ステップS431)。具体的には、インタロック装置90は、図14のステップS313及び図15のステップS423において情報処理装置80から入力された承認/非承認の信号に基づいて、統合生産システムの自動運転を許可するか否かを判定する。より具体的には、インタロック装置90は、図14のステップS313及び図15のステップS423において統合生産システム1000の自動運転を承認する信号を受信している場合に、統合生産システム1000の自動運転を許可する信号を汎用PLC70に出力する。これにより、統合生産システム1000は、自動運転を開始する。

0141

このように、本実施形態の統合生産システム1000では、支援的保護システム2000の支援により、作業区域内に作業者が残留しているおそれのある場合には、統合生産システム1000の自動運転を開始できないようになっている。これにより、作業者が作業区域内に残留しているにもかかわらず、他の作業者の勘違いや確認もれ等により、統合生産システム1000の自動運転が開始され、作業区域内に残留している作業者が負傷する等の事故を防ぐことができる。

0142

以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、複数の機械が協調して動作し一連の作業を実行する統合生産システム1000における支援的保護システム2000は、情報処理装置80の判定部817が、非定常作業の登録を受け付ける総括盤60において作業者が登録した作業に基づいて、当該作業が実施される機械に設定可能な運転モードを特定し、インタロック装置90に出力する。インタロック装置90は、情報処理装置80から入力した設定可能な運転モードと、当該機械に実際に設定された運転モードとを照合し、両者が一致する場合に、当該機械を設定された運転モードで運転することを許可する信号を汎用PLC70に出力する。一方、インタロック装置90は、両者が一致しない場合には、運転を許可する信号を汎用PLC70に出力しない。これにより、作業者の勘違い等や操作ミスにより、機械が誤った運転モードで動作し、災害が発生する事態を防止することができる。

0143

また、本実施形態によれば、情報処理装置80の判定部817は、作業者が有する資格及び権限の少なくとも一方に基づいて、当該作業者が機械のそれぞれに対し実施可能な作業を特定し、総括盤60は、当該実施可能な作業の中から作業者が実施する作業の登録を受け付ける。これにより、作業者は、自身が実施可能な作業を確認することができるとともに、勘違い等により、自身に許可されていない作業を登録したり、誤って実施してしまう事態を防止することができる。すなわち、作業者の記憶に依存した保護方策が原因となる災害の発生確率を低減することができる。

0144

また、本実施形態によれば、一台以上の機械が設置される作業区域(1〜3)の入場口には、作業区域に入場する作業者の識別情報を取得するRFIDリーダ(Z16,Z26,Z36)と、作業区域に入退場する作業者の映像を撮影する撮像装置(Z17、Z27,Z37)とが配置され、汎用PLC70は、当該撮像装置が撮像した映像に基づいて、作業区域に入場する作業者の人数を検出する。そして、情報処理装置80の判定部817は、RFIDリーダに識別情報を登録した作業者の人数と、汎用PLC70から取得した作業区域に入場した作業者の人数とに基づいて、作業が実施される機械の運転を承認するか否かを決定し、承認/非承認を示す信号をインタロック装置90に出力する。インタロック装置90は、情報処理装置80から機械の運転を承認する信号を受信するまでは、機械の運転を許可しない。このように、作業者が共連れ等の意図的な不安全行動を行った場合や、作業者がIDカードを携帯せずに作業区域に入場するなどした場合には、機械が動作しないため、人に依存する保護方策が原因で発生する災害の発生確率を低減することができる。

0145

また、本実施形態によれば、情報処理装置80は、総括盤60に登録された作業の内容と、RFIDリーダから取得する作業者の識別情報とに基づいて、作業が実施される機械の運転を承認するか否かを決定し、承認/非承認を示す信号をインタロック装置90に出力する。例えば、RFIDリーダに識別情報を登録した作業者が、作業管理テーブル(図10(A)等参照)に登録されていない場合、すなわち、作業を登録していない作業者が、作業区域に入場した場合には、情報処理装置80は、機械の運転を承認しない信号をインタロック装置90に出力する。インタロック装置90は、情報処理装置80から機械の運転を承認する信号を受信するまでは、機械の運転を許可しない。これにより、作業を登録していない作業者が作業を実施することにより、災害が発生する確率を低減することができる。

0146

また、本実施形態によれば、情報処理装置80の判定部817は、作業区域内に作業者が存在するか否かに基づいて、統合生産システム1000の自動運転を承認するか否かを決定し、承認/非承認の信号をインタロック装置90に出力する。インタロック装置90は、情報処理装置80から、統合生産システム1000の自動運転を承認する信号を受け付けるまで、統合生産システム1000の自動運転を汎用PLC70に許可しない。これにより、作業者が作業区域内に残留しているにもかかわらず、他の作業者の勘違いや確認もれ等により、統合生産システム1000の自動運転が開始され、作業区域内に残留している作業者が負傷する等の事故を防ぐことができる。

0147

また、本実施形態によれば、統合生産システム1000は、作業区域毎に運転モードを設定でき、統合生産システム1000は、各作業区域に設定されている運転モードを報知する報知装置(Z18、Z28,Z38)を備えている。これにより、作業者は、各作業区域の運転モードを視認することができる。そのため、作業者が、作業区域の運転モードを誤認識して作業区域内に立ち入り、機械と接触する等して負傷する事態等を防止することができる。また、統合生産システム1000は、各作業区域に設定されている運転モード、各機械に設定されている運転モード、及び、統合生産システム1000に設定されている運転モードをディスプレイに表示する総括盤60を備えている。このため、作業者は、総括盤60のディスプレイを確認することで、作業区域内外に設定されている運転モードを確認することができる。

0148

また、本実施形態によれば、情報処理装置80の記憶部811が、作業者が有する資格及び権限を記憶する作業者情報テーブルと、各作業と、当該作業を実施するのに必要な資格及び権限とを関連付けて記憶する作業実施条件テーブルと、を記憶しているので、作業者が保有する資格及び権限の範囲内で実施可能な作業を作業者に提示することができる。

0149

なお、上記実施形態においては、情報処理装置80の作業抽出部813は、総括盤60のRFIDリーダに登録された識別情報から、作業者情報テーブルを用いて作業者が保有する資格および権限の情報を取得していたが、これに限られるものではない。例えば、作業者が携帯するIDカードに、作業者が保有する資格および権限の情報を登録しておき、作業抽出部813は、総括盤60のRFIDリーダがIDカードから読み取った当該資格及び権限の情報に基づいて、作業者が実施可能な作業を特定してもよい。

0150

また、上記実施形態において、情報処理装置80の判定部817は、作業区域内に作業者が残留していないことを、作業者が作業区域を退場するとき(退場時判定処理:図14のステップS311)及び作業者が総括盤60において、統合生産システム1000の運転モードを変更したとき(作業区域内作業者存在判定処理:図15のステップS421)に判定していた。しかしながら、判定部817は、作業区域内に作業者が残留していないことを確認するために、少なくとも、退場時判定処理及び作業区域内作業者存在判定処理のいずれか一方を実行すればよい。

0151

なお、上記実施形態においては、各作業区域の入場口に光線式安全装置を配置して、作業者の入場口の通過を検出したが、例えば、マットセンサレーザスキャナを各作業区域の入場口に配置して、作業者の入場口の通過を検出してもよい。

0152

また、上記実施形態においては、RFIDリーダを用いて、作業者の識別情報を取得したが、例えば、生体認証装置により作業者の生体情報指紋虹彩静脈等)を識別情報として取得してもよい。この場合、作業者はIDカードを携帯する必要がないため、作業者の利便性が向上する。

0153

また、上記実施形態においては、撮像装置Z17,Z27,Z37はビデオカメラであるとしたが、撮像装置Z17,Z27,Z37は、ステレオカメラ広角カメラであってもよい。また、撮像装置Z17,Z27,Z37を複数台設けてもよい。

0154

また、上記実施形態においては、報知装置Z18、Z28,Z38は、LEDライトであるとしたが、これに限られるものではない。例えば、報知装置Z18、Z28,Z38は、各作業区域の床面に設けられ、作業区域の運転モードを振動により報知する振動装置であってもよいし、サイレンスピーカ等の音声により報知する音声出力装置であってもよいし、電光掲示板等の表示装置であってもよい。また、これらの組み合わせにより、報知装置Z18、Z28,Z38を構成してもよい。

0155

上記実施形態において、汎用PLC40は、周知の顔認識技術を用いて、撮像装置Z17,Z27,Z37が撮像した映像から、作業区域に入場する作業者の顔画像を取得し、情報処理装置80に送信してもよい。この場合、情報処理装置80は、作業者の識別情報と顔画像とを関連付けて記憶部811に記憶しておき、判定部817が、汎用PLC40から受信した顔画像と、RFIDリーダに登録された識別情報とが、同一人物のものか否かを判定する。これにより、他人のIDカードを使って作業区域に入場する、いわゆる“なりすまし”を判定することができる。判定部817は、汎用PLC40から受信した顔画像と、RFIDリーダに登録された識別情報とが、同一人物のものでない場合には、作業区域内の機械の運転を承認しない信号をインタロック装置90に送信してもよい。これにより、“なりすまし”といった意図的な不安全行動がとられた場合に、作業区域内の機械を動作させないことで、人に依存する保護方策が原因で発生する災害の発生確率を低減することができる。

0156

また、上述の実施形態の構成を適宜改良しても良く、また、少なくとも一部を他の構成物代替させても良い。更に、その配置について特に限定のない構成要件は、実施形態で開示した配置に限らず、その機能を達成できる位置に配置することができる。例えば、上記実施形態において、インタロック装置90を、安全PLC50に組み入れてもよい。

0157

以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。

0158

40汎用PLC
50 安全PLC
60総括盤
70 汎用PLC
80情報処理装置
90インタロック装置
Z13,Z35ベルトコンベア
Z14,Z23,Z25,Z34搬送ロボット
Z15,Z24,Z33プレス機械
Z16,Z26,Z36RFIDリーダ
Z17,Z27,Z37撮像装置
Z18,Z28,Z38報知装置
1000統合生産システム
2000支援的保護システム

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