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技術 (Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエン及びそれを用いた(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールの製造方法。

出願人 信越化学工業株式会社
発明者 三宅裕樹山下美与志福本毅彦石橋尚樹
出願日 2014年3月14日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2014-051734
公開日 2014年10月23日 (6年1ヶ月経過) 公開番号 2014-198713
状態 特許登録済
技術分野 触媒を使用する低分子有機合成反応 有機低分子化合物及びその製造
主要キーワード かいよう 塩化水素水 フェロモン物質 ヘキサデセナール ヘキサデカジエナール オルト蟻酸エチル 工業スケール ペンテナール
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重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年10月23日)のものです。
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課題

酸化反応を行わずに合成できる(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエン及びこれを用いた酸化反応を行わない(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールの製造方法を提供する。

解決手段

(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエンをグリニャール試薬に変換した後、オルト蟻酸エチルを反応させて(Z,Z,E)−1,1−ジエトキシ−7,11,13−ヘキサデカトリエンを得るステップと、上記(Z,Z,E)−1,1−ジエトキシ−7,11,13−ヘキサデカトリエンを酸で処理して(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールを得るステップとを少なくとも含む(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールの製造方法が提供される。

概要

背景

Citrus leafminer(Phyllocnistis citrella)は、柑橘類の重要害虫である。若い葉に寄生加害するため苗木発育に大きな影響を及ぼし、その食害痕はかいよう病の発生を促す。本害虫は葉肉内に侵入するため殺虫剤による防除は困難であり、抵抗性も見られる。このため、生物学的防除方法が注目されつつあり、その一つとして性フェロモン物質の利用が期待されている。

Citrus leafminerの性フェロモン組成物は、主成分として(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールが、第二成分として(Z,Z)−7,11−ヘキサデカジエナール、第三成分として(Z)−7−ヘキサデセナールが同定されている(非特許文献1)。さらに、(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールと(Z,Z)−7,11−ヘキサデカジエナールの3:1混合物は、主成分単独より誘引性が高いことが示されている(非特許文献1〜2)。

この性フェロモン物質(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールの合成法として、数種の製造方法が報告されている。例えば、10−(1,3−ジオキサン−2−イル)−(Z)−4−デセナールと(Z)−2−ペンテニルトリフェニルホスホニウムブロミドとのウィッティヒ(Wittig)反応を行い、続くアセタールの脱保護により得られることが報告されている(非特許文献1)。また、(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエノールクロロクロム酸ピリジニウムにより酸化し、続く硝酸銀カラム精製により11位の異性体を分離して得られることが報告されている(非特許文献2〜3)。

概要

酸化反応を行わずに合成できる(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエン及びこれを用いた酸化反応を行わない(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールの製造方法を提供する。(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエンをグリニャール試薬に変換した後、オルト蟻酸エチルを反応させて(Z,Z,E)−1,1−ジエトキシ−7,11,13−ヘキサデカトリエンを得るステップと、上記(Z,Z,E)−1,1−ジエトキシ−7,11,13−ヘキサデカトリエンを酸で処理して(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールを得るステップとを少なくとも含む(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールの製造方法が提供される。なし

目的

本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、酸化反応を行わずに合成できる(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエン及びこれを用いた酸化反応を行わない(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールの製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエン

請求項2

(Z,Z,E)−3,7,9−ドデカトリエン−1−オール塩素化して(Z,Z,E)−1−クロロ−3,7,9−ドデカトリエンを得るステップと、上記(Z,Z,E)−1−クロロ−3,7,9−ドデカトリエンをグリニャール試薬に変換した後に1−ブロモ−3−クロロプロパンと反応させるステップとを少なくとも含む(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエンの製造方法。

請求項3

(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエンをグリニャール試薬に変換した後、オルト蟻酸エチルを反応させて(Z,Z,E)−1,1−ジエトキシ−7,11,13−ヘキサデカトリエンを得るステップと、上記(Z,Z,E)−1,1−ジエトキシ−7,11,13−ヘキサデカトリエンを酸で処理して(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールを得るステップとを少なくとも含む(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールの製造方法。

技術分野

0001

本発明は、(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエンを用いた柑橘害虫であるCitrus leafminerの性フェロモン物質(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールの製造方法に関する。

背景技術

0002

Citrus leafminer(Phyllocnistis citrella)は、柑橘類の重要害虫である。若い葉に寄生加害するため苗木発育に大きな影響を及ぼし、その食害痕はかいよう病の発生を促す。本害虫は葉肉内に侵入するため殺虫剤による防除は困難であり、抵抗性も見られる。このため、生物学的防除方法が注目されつつあり、その一つとして性フェロモン物質の利用が期待されている。

0003

Citrus leafminerの性フェロモン組成物は、主成分として(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールが、第二成分として(Z,Z)−7,11−ヘキサデカジエナール、第三成分として(Z)−7−ヘキサデセナールが同定されている(非特許文献1)。さらに、(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールと(Z,Z)−7,11−ヘキサデカジエナールの3:1混合物は、主成分単独より誘引性が高いことが示されている(非特許文献1〜2)。

0004

この性フェロモン物質(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールの合成法として、数種の製造方法が報告されている。例えば、10−(1,3−ジオキサン−2−イル)−(Z)−4−デセナールと(Z)−2−ペンテニルトリフェニルホスホニウムブロミドとのウィッティヒ(Wittig)反応を行い、続くアセタールの脱保護により得られることが報告されている(非特許文献1)。また、(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエノールをクロロクロム酸ピリジニウムにより酸化し、続く硝酸銀カラム精製により11位の異性体を分離して得られることが報告されている(非特許文献2〜3)。

先行技術

0005

W.S.Leal et al. 2006 J. Chem. Ecol.32(1):155−168
T.Ando et al.2008 J. Pestic. Sci.33(2):152−158
J.G.Millar et al. 2006 J. Chem. Ecol.32(1):169−194

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、報告されたいずれの製造方法でも鍵反応として酸化反応を用いている。酸化反応は爆発などの危険を伴うことも多く、また工業スケールでは生成物アルデヒド純度及び収率よく単離することは難しい。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、酸化反応を行わずに合成できる(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエン及びこれを用いた酸化反応を行わない(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールの製造方法を提供することを目的とする。

0007

本発明は、(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエンを安価かつ大量に合成でき、これをグリニャール(Grignard)試薬に変換しオルト蟻酸エチルカップリング反応させ、続く加水分解処理を行うことで、収率、純度よく(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールが得られることを見いだし、本発明を完成した。
本発明によれば、(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエンが提供される。また、(Z,Z,E)−3,7,9−ドデカトリエン−1−オール塩素化して(Z,Z,E)−1−クロロ−3,7,9−ドデカトリエンを得るステップと、上記(Z,Z,E)−1−クロロ−3,7,9−ドデカトリエンをグリニャール試薬に変換した後に1−ブロモ−3−クロロプロパンと反応させるステップとを少なくとも含む(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエンの製造方法が提供される。さらに、(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエンをグリニャール試薬に変換した後オルト蟻酸エチルを反応させて(Z,Z,E)−1,1−ジエトキシ−7,11,13−ヘキサデカトリエンを得るステップと、上記(Z,Z,E)−1,1−ジエトキシ−7,11,13−ヘキサデカトリエンを酸で処理して(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールを得るステップとを少なくとも含む(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールの製造方法が提供される。

0008

本発明によれば、全ての工程で酸化反応を用いる必要が無く、信頼性が高くかつ大量、安価に(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールが得られる。
さらに、本発明によれば、(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエンのGrignard試薬とオルト蟻酸エチルをカップリングさせることで効率的に(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールを製造できる。

0009

(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエン(3)は、例えば、(Z,Z,E)−3,7,9−ドデカトリエン−1−オール(1)を塩素化後、グリニャール試薬に変換し1−ブロモ−3−クロロプロパンと反応させることにより製造される。
出発物質の(Z,Z,E)−3,7,9−ドデカトリエン−1−オール(1)は、例えば、5−クロロ−1−ペンチンから誘導されるイリドと2−ペンテナールウィッティヒ反応し、アルキン末端側を増炭し、三重結合水添することで製造することが出来る。炭素の三重結合を炭素の二重結合水素化するためには、公知の触媒を用いることができ、例えば、P2−ニッケル触媒が挙げられる。

0010

0011

得られた(Z,Z,E)−3,7,9−ドデカトリエン−1−オール(1)は、塩素化剤と反応させて、(Z,Z,E)−1−クロロ−3,7,9−ドデカトリエン(2)を生成することができる。この塩素化反応は、例えば、(Z,Z,E)−3,7,9−ドデカトリエン−1−オール(1)を溶媒中、塩基存在下、塩素化剤と反応させることにより行うことができる。

0012

0013

塩素化剤としては、例えば、塩化チオニル塩化スルフリルメタンスルホニルクロリドp−トルエンスルホニルクロリドベンゼンスルホニルクロリド三塩化リン五塩化リン等が挙げられ、異性化の観点からメタンスルホニルクロリドが好ましい。塩素化剤は、(Z,Z,E)−3,7,9−ドデカトリエン−1−オール(1)1molに対して、好ましくは1.0〜1.6mol用いることができる。1.0mol未満の場合、反応がスムーズに進行しない場合がある一方、1.6molを超える場合、試薬が無駄になる場合がある。

0014

塩素化反応に用いる塩基としては、例えば、ピリジンコリジン等のピリジン系化合物ピリジン類)、トリエチルアミントリブチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン等のアルキルアミン化合物アニリン、N,N−ジエチルアニリン等のアニリン化合物が挙げられ、反応性の観点から、ピリジンが好ましい。塩基は、(Z,Z,E)−3,7,9−ドデカトリエン−1−オール(1)1molに対して、好ましくは1.0〜2.2mol用いることができる。1.0mol未満の場合、反応がスムーズに進行しない場合がある一方、2.2molを超える場合、試薬が無駄になる場合がある。

0015

塩素化反応に用いる溶媒としては、例えば、トルエンヘキサン等の炭化水素系溶媒テトラヒドロフランジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドジクロロメタン等の極性溶媒が挙げられ、反応性の観点からN,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。溶媒は、(Z,Z,E)−3,7,9−ドデカトリエン−1−オール(1)1molに対して、好ましくは50〜500g用いることができる。50g未満の場合、反応がスムーズに進行しない場合がある一方、500gを超える場合、溶媒が無駄になり仕込み量が少なくなる場合がある。

0016

塩素化反応に用いる反応温度は、好ましくは5〜70℃である。5℃未満の場合、反応が完結しない場合がある一方、70℃を超える場合、不純物が増加する場合がある。

0017

(Z,Z,E)−1−クロロ−3,7,9−ドデカトリエン(2)は、グリニャール試薬に変換した後1−ブロモ−3−クロロプロパンと反応させて(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエン(3)を生成することができる。

0018

0019

上記グリニャール試薬は、(Z,Z,E)−1−クロロ−3,7,9−ドデカトリエン(2)を溶媒中、マグネシウムと反応させることで調製することができる。
溶媒は、例えばトルエン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒が挙げられ、グリニャール試薬生成の反応速度の観点からテトラヒドロフランが好ましい。溶媒は、(Z,Z,E)−1−クロロ−3,7,9−ドデカトリエン(2)1molに対して、好ましくは200〜450g用いることができる。
マグネシウムは、(Z,Z,E)−1−クロロ−3,7,9−ドデカトリエン(2)1molに対して、好ましくは1.0〜1.5mol用いることができる。

0020

グリニャール試薬とのカップリング反応に用いる触媒としては、例えば塩化第一銅塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、ヨウ化第一銅、ヨウ化第二銅等のハロゲン化銅が挙げられ、反応性の観点から、ヨウ化第一銅が好ましい。触媒は、(Z,Z,E)−1−クロロ−3,7,9−ドデカトリエン(2)1molに対して、好ましくは0.003〜0.03mol用いることができる。

0021

グリニャール試薬とのカップリング反応に用いる触媒は、好ましくは補触媒とともに用いる。補触媒としては、亜りんトリエチルトリフェニルホスフィン等のリン化合物を用いることができ、反応性の観点から、亜りん酸トリエチルが好ましい。補触媒は、(Z,Z,E)−1−クロロ−3,7,9−ドデカトリエン(2)1molに対して、好ましくは0.001〜0.05mol用いることができる。

0022

グリニャール試薬とのカップリング反応に用いる溶媒としては、例えば、トルエン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒が挙げられ、反応性の観点からテトラヒドロフランが好ましい。溶媒は、(Z,Z,E)−1−クロロ−3,7,9−ドデカトリエン(2)1molに対して、好ましくは50〜300g用いることができる。

0023

グリニャール試薬とのカップリング反応に用いる反応温度は、好ましくは0〜30℃である。0℃未満の場合、反応がスムーズに進行しない場合がある一方、30℃を超える場合、副反応が進行する場合がある。

0024

次に、得られた(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエン(3)を用いて、(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナール(5)を製造する方法について説明する。
まず、(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエン(3)は、グリニャール試薬に変換した後オルト蟻酸エチルと反応させて(Z,Z,E)−1,1−ジエトキシ−7,11,13−ヘキサデカトリエン(4)を生成することができる。

0025

0026

上記グリニャール試薬は(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエン(3)を溶媒中、マグネシウムと反応させることで調製することができる。
溶媒は、例えば、トルエン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒が挙げられ、グリニャール試薬生成の反応速度の観点からテトラヒドロフランが好ましい。溶媒は、(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエン(3)1molに対して、好ましくは200〜450g用いることができる。
マグネシウムは、(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエン(3)1molに対して、好ましくは1〜1.5mol用いることができる

0027

グリニャール試薬とのカップリング反応に用いる溶媒としては、例えばトルエン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒が挙げられ、反応性の観点からテトラヒドロフラン、トルエンの混合溶媒が好ましい。溶媒は、(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエン(3)1molに対して、好ましくは100〜800g用いることができる。

0028

グリニャール試薬とのカップリング反応に用いる反応温度は、好ましくは75〜115℃である。75℃未満の場合、反応がスムーズに進行しない場合がある一方、115℃を超える場合、溶媒が蒸発してしまう場合がある。

0029

最後に、(Z,Z,E)−1,1−ジエトキシ−7,11,13−ヘキサデカトリエン(4)は、酸で処理されて(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナール(5)を生成することができる。この反応は、副生するエタノール反応器付属する蒸留塔を用いて留去することにより良好に進行し、反応中EZ体の異性化も確認することができない。例えば、(Z,Z,E)−1,1−ジエトキシ−7,11,13−ヘキサデカトリエン(4)を溶媒中、酸と処理することにより、アセタール基加水分解する。

0030

0031

酸としては、例えば、塩酸臭化水素酸等の無機酸類p−トルエンスルホン酸トリフルオロ酢酸酢酸ヨードトリメチルシラン四塩化チタン等が挙げられ、反応性の観点から塩酸が好ましい。
また、用いられる酸は、好ましくは5〜50質量%の濃度であり、更に好ましくは10〜37質量%の濃度である。5質量%未満の場合、反応がスムーズに進行しない場合がある一方、50質量%を超える場合、使用時の温度、圧力等を厳重に制御しなければならない場合がある。
酸として、例えば10質量%の塩酸を用いる場合には、(Z,Z,E)−1,1−ジエトキシ−7,11,13−ヘキサデカトリエン(4)1molに対して、好ましくは100〜150gである。

0032

酸処理に用いる溶媒としては、例えば、トルエン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール等の各種アルコール溶剤、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン等の極性溶媒が挙げられ、反応性の観点からトルエンが好ましい。溶媒は、(Z,Z,E)−1,1−ジエトキシ−7,11,13−ヘキサデカトリエン(4)1molに対して、好ましくは300g以下である。300gを超える場合、溶媒が無駄になり仕込み量が少なくなる場合がある。

0033

酸処理に用いる反応温度は、好ましくは5〜30℃である。5℃未満の場合、反応がスムーズに進行しない場合がある一方、30℃を超える場合、不純物が増加する場合がある。

0034

以下、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
実施例1
<(Z,Z,E)−1−クロロ−3,7,9−ドデカトリエン(2)の製造>
反応器に(Z,Z,E)−3,7,9−ドデカトリエン−1−オール(169.47g、0.94mol)、ピリジン(134.2g、1.70mol)、N,N−ジメチルホルムアミド(284g)を添加し5〜10℃で30分間撹拌した。撹拌後、メタンスルホニルクロリド(151.2g、1.32mol)を5〜15℃にて滴下して、滴下終了後、60〜65℃にて2時間撹拌した。その後、反応液は水(471g)を添加することで反応を停止した。ヘキサン(471g)を添加して得られた反応液を分液した後、有機層は塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液洗浄後、減圧下溶媒を除去濃縮して残渣を減圧蒸留すると、(Z,Z,E)−1−クロロ−3,7,9−ドデカトリエン(bp:114〜120℃[5mmHg]、166.93g、0.84mol)が収率89.2%で得られた。
核磁気共鳴スペクトル〕1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ1.02(3H,t),2.08−2.19(4H,m),2.25(2H,dt),2.52(2H,dt),3.51(2H,t),5.30(1H,dt),5.41(1H,dt),5.55(1H,dt),5.72(1H,dt),5.98(1H,dd),6.28(1H,dd);13C−NMR(75.6MHz,CDCl3):δ13.57,25.86,27.49,27.52,30.70,44.16,124.47,125.38,128.69,129.24,132.26,136.65
マススペクトルEI−マススペクトル(70eV):m/z 198(M+),95,79,67,55,41,27
赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 2962,2932,2872,1652,1454,1319,983,947,740

0035

<(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエン(3)の製造>
反応器にマグネシウム(13.7g、0.59mol)、テトラヒドロフラン(168g)を添加し60〜65℃で30分間撹拌した。撹拌後、(Z,Z,E)−1−クロロ−3,7,9−ドデカトリエン(111.29g、0.56mol)を60〜65℃にて滴下して、70〜75℃にて2時間撹拌することにより、(Z3,Z7,E9)−3,7,9−ドデカトリエニルマグネシウムクロライドを調製した。
また、反応器にヨウ化銅(I)(1.03g、0.0054mol)、亜りん酸トリエチル(2.34ml、0.014mol)、1−ブロモ−3−クロロプロパン(92.29g、0.59mol)、テトラヒドロフラン(56g)を添加し、0〜5℃において30分間撹拌した。撹拌後、反応液に上記(Z,Z,E)−3,7,9−ドデカトリエニルマグネシウムクロライドテトラヒドロフラン溶液を5〜15℃にて滴下した。
滴下後、5〜10℃で40分間撹拌した。その後、反応液は塩化アンモニウム(6.40g)、20質量%塩化水素水(10.1g)、水(175g)を添加することで反応を停止した。水層を除去、有機層は減圧下テトラヒドロフランを除去濃縮して残渣を減圧蒸留すると、(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエン(bp:150〜153℃[3mmHg]、110.77g、0.46mol)が収率82.8%で得られた。
〔核磁気共鳴スペクトル〕1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ1.02(3H,t),1.34−1.49(4H,m),1.78(2H,tt),2.02−2.16(6H,m),2.22(2H,dt),3.53(2H,t),5.27−5.34(1H,m),5.35−5.42(2H,m),5.72(1H,dt),5.97(1H,dd),6.30(1H,dd);13C−NMR(75.6MHz,CDCl3):δ13.60,25.87,26.50,27.04,27.22,27.65,27.77,32.52,45.04,124.57,128.99,129.21,129.34,129.94,136.44
〔マススペクトル〕EI−マススペクトル(70eV):m/z 240(M+),95,79,67,55,41,29
〔赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 3006,2933,2857,1652,1460,1311,982,946

0036

<(Z,Z,E)−1,1−ジエトキシ−7,11,13−ヘキサデカトリエン(4)の製造>
反応器にマグネシウム(5.65g、0.24mol)、テトラヒドロフラン(69g)を添加し60〜65℃で30分間撹拌した。撹拌後、(Z,Z,E)−1−クロロ−6,10,12−ペンタデカトリエン(55.39g、0.23mol)を60〜65℃にて滴下して、70〜75℃にて2時間撹拌することにより、(Z,Z,E)−6,10,12−ペンタデカトリエニルマグネシウムクロライドを調製した。
また、反応器にトルエン(119g)、オルト蟻酸エチル(44.29g、0.30mol)を75〜85℃で添加し、90〜100℃において8時間撹拌した。その後、反応液は20質量%塩化水素水(21.8g)、水(34.5g)を添加し得られた反応液を分液した後、有機層は水酸化ナトリウム水溶液で洗浄後、有機層は減圧下溶媒を除去濃縮すると、(Z,Z,E)−1,1−ジエトキシ−7,11,13−ヘキサデカトリエン(58.62g、0.19mol)が収率81.8%で得られた。
〔核磁気共鳴スペクトル〕1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ1.01(3H,t),1.20(6H,t),1.28−1.38(4H,m),1.57−1.63(2H,m),1.99−2.05(2H,m),2.08−2.15(4H,m),2.21(4H,dt),3.48(2H,q),3.63(2H,q),4.47(1H,t),5.27−5.39(3H,m),5.70(1H,dt),5.96(1H,t),6.29(1H,dd);13C−NMR(75.6MHz,CDCl3):δ13.59,15.33,24.63,25.86,27.17,27.32,27.81,29.12,29.60,33.53,60.78,102.90,124.60,128.93,128.98,129.23,130.38,136.37
〔マススペクトル〕EI−マススペクトル(70eV):m/z 262(M+−46),103,95,67,47,29
〔赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 2972,2929,2857,1456,1373,1128,1062,982,946,735

実施例

0037

<(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナールの製造(5)>
反応器に(Z,Z,E)−1,1−ジエトキシ−7,11,13−ヘキサデカトリエン(49.36g、0.16mol)、トルエン(30g)を添加し20〜25℃で30分間撹拌した。撹拌後、10質量%の塩酸(19.3g)を20〜25℃にて滴下して、1時間撹拌した。その後、反応液を分液した後に有機層は炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、有機層は減圧下溶媒を除去濃縮すると、(Z,Z,E)−7,11,13−ヘキサデカトリエナール(30.47g、0.13mol)が収率82.7%で得られた。
〔核磁気共鳴スペクトル〕1H−NMR(300MHz,CDCl3):δ1.01(3H,t),1.30−1.41(4H,m),1.63(2H,tt),2.00−2.07(2H,m),2.11(4H,tt),2.21(2H,dt),2.41(2H,dt),5.26−5.33(3H,m),5.70(1H,dt),5.96(1H,dd),6.29(1H,dd),9.75(1H,t);13C−NMR(75.6MHz,CDCl3):δ13.57,21.94,25.84,26.97,27.31,27.74,28.73,29.36,43.82,124.55,128.96,129.13,129.24,129.99,136.40,202.9
〔マススペクトル〕EI−マススペクトル(70eV):m/z 234(M+),95,79,67,55,41,29
〔赤外吸収スペクトル〕(NaCl):νmax 2962,2932,2856,1727,1460,1322,983,947,739

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