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技術 水素吸蔵合金粉末の評価方法、ニッケル水素蓄電池の製造方法及びニッケル水素蓄電池

出願人 プライムアースEVエナジー株式会社
発明者 家口聖広坂本弘之岩崎和隆
出願日 2013年3月29日 (7年7ヶ月経過) 出願番号 2013-073245
公開日 2014年10月16日 (6年1ヶ月経過) 公開番号 2014-197507
状態 特許登録済
技術分野 二次電池(鉛及びアルカリ蓄電池) 電池の電極及び活物質
主要キーワード 処理前水 金属多孔板 加圧脱水装置 自己復帰型 矩形シート状 析出物粒子 暴露量 濾過室
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年10月16日)のものです。
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図面 (4)

課題

負極合剤ペーストの作製に用いる水素吸蔵合金粉末評価方法を提供する。良好な塗着性を有する負極合剤ペーストを用いたニッケル水素蓄電池の製造方法を提供する。良好に塗着された負極板を有するニッケル水素蓄電池を提供する。

解決手段

ニッケル水素蓄電池1の負極板20に塗着する水素吸蔵合金粉末22のの塗着性を評価する水素吸蔵合金粉末の評価方法は、水素吸蔵合金粉末22がその表面にアルカリ処理により析出した析出物Fが付着してなる表面付着合金粉末であり、この表面付着合金粉末を、所定の条件下で水に投入撹拌し、上澄み液を得る上澄み液取得工程と、上澄み液の濁度Mを測定する濁度測定工程とを備える。

概要

背景

近年、ハイブリッド自動車電気自動車などの車両や、ノート型パソコンビデオカムコーダなどのポータブル電子機器駆動用電源に、充放電可能なニッケル水素蓄電池(以下、単に電池ともいう)が利用されている。
このような電池に関して、例えば、特許文献1には、水素吸蔵合金粉末を有する負極合剤ペーストの製造方法が開示されている。

概要

負極合剤ペーストの作製に用いる水素吸蔵合金粉末の評価方法を提供する。良好な塗着性を有する負極合剤ペーストを用いたニッケル水素蓄電池の製造方法を提供する。良好に塗着された負極板を有するニッケル水素蓄電池を提供する。 ニッケル水素蓄電池1の負極板20に塗着する水素吸蔵合金粉末22のの塗着性を評価する水素吸蔵合金粉末の評価方法は、水素吸蔵合金粉末22がその表面にアルカリ処理により析出した析出物Fが付着してなる表面付着合金粉末であり、この表面付着合金粉末を、所定の条件下で水に投入撹拌し、上澄み液を得る上澄み液取得工程と、上澄み液の濁度Mを測定する濁度測定工程とを備える。

目的

本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、負極合剤ペーストの作製に用いる水素吸蔵合金粉末の評価方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
0件

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請求項1

ニッケル水素蓄電池の負極板塗着する水素吸蔵合金粉末の塗着性を評価する水素吸蔵合金粉末の評価方法であって、上記水素吸蔵合金粉末は、その表面にアルカリ処理により析出した析出物が付着してなる表面付着合金粉末であり、上記表面付着合金粉末を、所定の条件下で水に投入撹拌し、上澄み液を得る上澄み液取得工程と、上記上澄み液の濁度を測定する濁度測定工程と、を備える水素吸蔵合金粉末の評価方法。

請求項2

水素吸蔵合金粉末を含む負極合剤ペーストを塗着した負極板を備えるニッケル水素蓄電池の製造方法であって、上記水素吸蔵合金粉末は、その表面にアルカリ処理により析出した析出物が付着してなる表面付着合金粉末であり、上記表面付着合金粉末を所定条件下で水に投入し撹拌して得た上澄み液の濁度が所定値以下の上記表面付着合金粉末を、水と混練して上記負極合剤ペーストを作製するペースト作製工程と、上記負極合剤ペーストを基材に塗着して上記負極板を作製する負極板作製工程と、を備えるニッケル水素蓄電池の製造方法。

請求項3

水素吸蔵合金粉末を含む負極合剤ペーストを塗着した負極板を備えるニッケル水素蓄電池の製造方法であって、上記水素吸蔵合金粉末は、その表面にアルカリ処理により析出した析出物が付着してなる表面付着合金粉末であり、上記アルカリ処理を行い上記表面付着合金粉末を作製するアルカリ処理工程と、上記アルカリ処理の後、上記表面付着合金粉末を水洗する水洗工程と、上記水洗工程の後、上記表面付着合金粉末を酸素にさらしつつ脱水する脱水工程と、上記脱水工程の後、上記表面付着合金粉末を、所定の条件下で水に投入し撹拌し、上澄み液を得る上澄み液取得工程と、上記上澄み液の濁度を測定する濁度測定工程と、脱水した上記表面付着合金粉末を水と混練して負極合剤ペーストを作製するペースト作製工程と、を備え、上記上澄み液の濁度が所定値よりも大きい場合には、上記脱水工程において上記表面付着合金粉末をさらす上記酸素の暴露量を増大させる上記ニッケル水素蓄電池の製造方法。

請求項4

水素吸蔵合金粉末を含む負極活物質層を有する負極板を備えるニッケル水素蓄電池であって、上記水素吸蔵合金粉末は、その表面にアルカリ処理により析出した析出物が付着してなる表面付着合金粉末であり、所定条件下で水に投入し撹拌して得た上澄み液の濁度が所定値以下の上記表面付着合金粉末を、水と混練した負極合剤ペーストを基材に塗着して、上記負極活物質層を形成してなるニッケル水素蓄電池。

技術分野

0001

本発明は、ニッケル水素蓄電池に用いる水素吸蔵合金粉末評価方法、負極板に水素吸蔵合金粉末を有するニッケル水素蓄電池の製造方法、及び、このようなニッケル水素蓄電池に関する。

背景技術

0002

近年、ハイブリッド自動車電気自動車などの車両や、ノート型パソコンビデオカムコーダなどのポータブル電子機器駆動用電源に、充放電可能なニッケル水素蓄電池(以下、単に電池ともいう)が利用されている。
このような電池に関して、例えば、特許文献1には、水素吸蔵合金粉末を有する負極合剤ペーストの製造方法が開示されている。

先行技術

0003

特開2010−123455号公報

発明が解決しようとする課題

0004

ところで、負極板(あるいは電池)の製造時、上述の特許文献1に記載の製法で作製した負極合剤ペーストをはじめ、一般に負極合剤ペーストには良好な塗着性が要求される。塗着性が低い負極合剤ペーストを用いた場合には、基材上に負極合剤ペーストが一様に塗着されずに、負極板の生産効率が低くなってしまうことがある。
負極合剤ペーストの塗着性の評価及び負極合剤ペーストに用いる水素吸蔵合金粉末の塗着性に関する良否の評価については、負極合剤ペーストを実際に基材に塗着して評価するか、あるいは、作製した負極合剤ペースト自身のチキソトロピー性を評価することで行ってきた。なお、チキソトロピー性が高い負極合剤ペーストの塗着性は良好であり、逆に、チキソトロピー性が低い負極合剤ペーストの塗着性は悪いことが分かっている。
但し、上述のいずれの場合でも、実際に作製した負極合剤ペーストを用いて評価する必要があるため、塗着性が良くない場合には、合金粉末と共に結着剤等の添加物を水と混練して負極合剤ペーストを作製する段階、あるいは、この負極合剤ペーストを作製する前工程の段階において負極合剤ペーストの塗着性が低下したのか、特定が困難であった。

0005

本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、負極合剤ペーストの作製に用いる水素吸蔵合金粉末の評価方法を提供する。また、良好な塗着性を有する負極合剤ペーストを用いたニッケル水素蓄電池の製造方法を提供する。また、良好に塗着された負極板を有するニッケル水素蓄電池を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

0006

本発明の一態様は、ニッケル水素蓄電池の負極板に塗着する水素吸蔵合金粉末の塗着性を評価する水素吸蔵合金粉末の評価方法であって、上記水素吸蔵合金粉末は、その表面にアルカリ処理により析出した析出物が付着してなる表面付着合金粉末であり、上記表面付着合金粉末を、所定の条件下で水に投入撹拌し、上澄み液を得る上澄み液取得工程と、上記上澄み液の濁度を測定する濁度測定工程と、を備える水素吸蔵合金粉末の評価方法である。

0007

本発明者らの研究により、水素吸蔵合金粉末を所定の条件下で水に投入し撹拌した上澄み液の濁度が、この水素吸蔵合金粉末を水と混練して作製した負極合剤ペーストの塗着性と相関関係を有することが分かってきた。具体的には、濁度が低い水素吸蔵合金粉末を用いた負極合剤ペーストは塗着性が良好となる。逆に、濁度が高い粉末を用いると塗着性が低いペーストになる。
また、水素吸蔵合金粉末のうち、その表面にアルカリ処理により析出した析出物が付着してなる表面付着合金粉末は、水中に分散させた場合の、水素吸蔵合金粉末本体からの析出物の分離のしやすさ(粉末本体と析出物との接合の強さ)が粉末によって異なることも分かってきた。析出物が分離しやすいと、負極合剤ペースト中に微細析出物粒子が多量に存在することとなる。すると、分離した析出物粒子が結着剤などペースト中の添加物と反応してこの添加物の機能が低下して、水素吸蔵合金粉末同士の間に介在できなくなるため、水素吸蔵合金粉末同士が凝集して沈降しやすいペーストとなる。さらに、水素吸蔵合金粉末の表面に、析出物が付着していないこと自体も、水素吸蔵合金粉末同士が凝集しやすい要因となる。
一方、このように析出物が分離しやすい表面付着合金粉末を、所定の条件下で水に投入し撹拌した上澄み液では、多量の析出物粒子によって濁度が高くなる。
上述の水素吸蔵合金粉末の評価方法によれば、濁度と負極合剤ペーストの塗着性との間の相関関係を利用し、負極合剤ペーストを実際に作製する前に、負極合剤ペーストの塗着性及び水素吸蔵合金粉末(表面付着合金粉末)の良否を評価することができる。

0008

なお、「所定の条件下で水に投入し撹拌し、上澄み液を得る」手法としては、例えば、100mL用のビーカに、水素吸蔵合金粉末を30g、及び、純水を100gそれぞれ投入し、スパチュラで100回撹拌した後、10分間放置した後の上澄み液を取採する手法が挙げられる。なお、撹拌後、水素吸蔵合金粉末をより確実に沈殿させるため、撹拌後のビーカを、例えば3000−4000ガウス程度の磁石上に載置しても良い。
また、アルカリ処理とは、所定量の水素吸蔵合金粉末を、所定量の水酸化カリウム水溶液等のアルカリ水溶液中に投入して、所定温度に保ちながら所定時間撹拌する処理をいう。なお、このアルカリ処理による析出物としては、水素吸蔵合金粉末をなす金属元素水酸化物あるいは酸化物が挙げられる。

0009

または、本発明の他の一態様は、水素吸蔵合金粉末を含む負極合剤ペーストを塗着した負極板を備えるニッケル水素蓄電池の製造方法であって、上記水素吸蔵合金粉末は、その表面にアルカリ処理により析出した析出物が付着してなる表面付着合金粉末であり、上記表面付着合金粉末を所定条件下で水に投入し撹拌して得た上澄み液の濁度が所定値以下の上記表面付着合金粉末を、水と混練して負極合剤ペーストを作製するペースト作製工程と、上記負極合剤ペーストを基材に塗着して上記負極板を作製する負極板作製工程と、を備えるニッケル水素蓄電池の製造方法である。

0010

前述したように、上澄み液の濁度と、この水素吸蔵合金粉末を水と混練してできた負極合剤ペーストの塗着性との間に相関関係がある。そこで、この相関関係を利用して、負極合剤ペーストが良好な塗着性を有するように、濁度に許容できる範囲を設けることができる。
これに基づいて、上述の電池の製造方法は、上述したペースト作製工程と負極板作製工程とを備えるため、ペースト作製工程では、所望の範囲の塗着性を有する負極合剤ペーストを作製することができる。
しかも、水素吸蔵合金粉末が表面付着合金粉末であるため、ペースト作製工程で、表面付着合金粉末のうち、濁度が所定値以下の、従って析出物が分離しがたい粉末を用いて負極合剤ペーストを作製できる。かくして、塗着性の良好な負極合剤ペーストを用いてできた負極板を備える電池を製造できる。

0011

または、本発明の他の一態様は、水素吸蔵合金粉末を含む負極合剤ペーストを塗着した負極板を備えるニッケル水素蓄電池の製造方法であって、上記水素吸蔵合金粉末は、その表面にアルカリ処理により析出した析出物が付着してなる表面付着合金粉末であり、上記アルカリ処理を行い上記表面付着合金粉末を作製するアルカリ処理工程と、上記アルカリ処理の後、上記表面付着合金粉末を水洗する水洗工程と、上記水洗工程の後、上記表面付着合金粉末を酸素にさらしつつ脱水する脱水工程と、上記脱水工程の後、上記表面付着合金粉末を、所定の条件下で水に投入し撹拌し、上澄み液を得る上澄み液取得工程と、上記上澄み液の濁度を測定する濁度測定工程と、脱水した上記表面付着合金粉末を水と混練して負極合剤ペーストを作製するペースト作製工程と、を備え、上記上澄み液の濁度が所定値よりも大きい場合には、上記脱水工程において上記表面付着合金粉末をさらす上記酸素の暴露量を増大させる上記ニッケル水素蓄電池の製造方法である。

0012

本発明者らによれば、表面付着合金粉末を水中に分散させた場合における、粉末本体からの析出物の分離のしやすさ(粉末本体と析出物との接合の強さ)は、アルカリ処理を行ってできた表面付着合金粉末を水洗し脱水するときに、この表面付着合金粉末をさらす酸素の量(暴露量)によることが判ってきた。具体的には、脱水時に酸素の暴露量を多くした表面付着合金粉末ほど、水中に分散させた場合に本体から析出物が分離し難いことが分かってきた。このため、脱水時における酸素の暴露量が少なく、粉末本体から析出物が分離しやすい表面付着合金粉末の上澄み液は、大きな濁度となりやすい。

0013

これに基づいて、上述の電池の製造方法では、上述のアルカリ処理工程、水洗工程、脱水工程、上澄み液取得工程、濁度測定工程及びペースト作製工程を備え、濁度測定工程で測定した濁度が所定値よりも大きい場合には、脱水工程において表面付着合金粉末をさらす酸素の暴露量を増大させる。これにより、脱水工程では、暴露量の増大前よりも、粉末本体から析出物が分離し難い表面付着合金粉末とすることができる。従って、負極合剤ペーストを作製するよりも前の段階にペーストの塗着性の低下するのを特定できると共に、濁度を確実に小さくすることができ、負極合剤ペーストとした場合に良好な塗着性を示す表面付着合金粉末を用いて電池を製造できる。

0014

または、本発明の他の一態様は、水素吸蔵合金粉末を含む負極活物質層を有する負極板を備えるニッケル水素蓄電池であって、上記水素吸蔵合金粉末は、その表面にアルカリ処理により析出した析出物が付着してなる表面付着合金粉末であり、所定条件下で水に投入し撹拌して得た上澄み液の濁度が所定値以下の上記表面付着合金粉末を、水と混練した負極合剤ペーストを基材に塗着して、上記負極活物質層を形成してなるニッケル水素蓄電池である。

0015

上述の電池では、所定条件下で水に投入し撹拌して得た上澄み液の濁度が所定値以下の表面付着合金粉末を、水と混練した負極合剤ペーストを基材に塗着して、負極活物質層を形成してなる。このため、良好な塗着性を有する負極合剤ペーストを用いて、良好に塗着された負極板を有する電池とすることができる。

図面の簡単な説明

0016

実施形態にかかる電池の部分切欠斜視図である。
実施形態にかかる電池の製造方法のフローチャートである。
実施形態にかかる電池の製造方法のフローチャートである。

実施例

0017

(実施形態)
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
本実施形態にかかる電池1は、図1に示すように、矩形箱型電池ケース70と、この電池ケース70内に収容する、水素吸蔵合金粉末22を含む負極板20を有する電極体10、及び、電解液(図示しない)とを備えるニッケル水素蓄電池である。このうち電解液は、水酸化カリウム(KOH)を主成分とする比重が1.2のアルカリ性水溶液である。
また、電池ケース70は、有底矩形箱形電槽71と矩形板状の封口板72とを有する。この電池ケース70では、封口板72が電槽71の開口全体閉塞している。
また、この電池ケース70は、封口板72上に、自己復帰型(即ち、ガスの発生により電池ケース70の内圧が上昇したらガス排出孔(図示しない)を開放してガスを外部に排出する一方、ガスを排出した後、ガス排出孔を再び閉塞する形態)の安全弁機構SVを配置している。

0018

また、電極体10は、いずれも矩形板状の正極板30及び負極板20と矩形シート状セパレータ40とからなる。この電極体10は、セパレータ40を介して、複数の正極板30と複数の負極板20とを交互に積層した積層型電極群である。
このうち負極板20は、導電性を有するニッケルメッキ鋼板28と、このニッケルメッキ鋼板28に担持された水素吸蔵合金粉末22とを有している。ニッケルメッキ鋼板28は、表面をニッケルめっきした金属多孔板パンチングメタル)からなる。
また、水素吸蔵合金粉末22は、組成がMmAl0.42Mn0.45Co0.20Ni4.18(Mm:ミッシュメタル)の合金からなる。なお、この水素吸蔵合金粉末22は、表面に粒子状の析出物Fが多数付着している水素吸蔵合金粉末である。付着物Fは、水素吸蔵合金粉末22をなす金属元素の水酸化物(La(OH)3やMn(OH)2など)である。

0019

次いで、本実施形態にかかる電池1の製造方法について、図面を参照しつつ説明する。図2は、本実施形態の電池1の製造方法の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS1の合金粉末作製工程では、水素吸蔵合金の塊を粉砕して、次述するアルカリ処理工程前の処理前水吸蔵合金粉末21を得る。

0020

次いで、ステップS2のアルカリ処理工程に進み、処理前水素吸蔵合金粉末21についてアルカリ処理を行う。具体的には、処理前水素吸蔵合金粉末21、及び、水酸化カリウム水溶液を混合して撹拌した。これにより、表面が活性化された水素吸蔵合金粉末22ができる。

0021

なお、このアルカリ処理工程において、活性化された水素吸蔵合金粉末22の表面には、La(OH)3やMn(OH)2などからなる粒子状の析出物Fが多数付着している。
処理前水素吸蔵合金粉末21(水素吸蔵合金粉末22)をなす金属元素の一部がアルカリ処理工程において、処理前水素吸蔵合金粉末21から水酸化カリウム水溶液中に一旦溶出した後、この金属元素が水酸化物となって表面に析出して析出物Fとなる。

0022

次に、ステップS3の水洗工程に進み、ステップS2のアルカリ処理工程を終えた水素吸蔵合金粉末22を水洗する。そして、ステップS4の加圧脱水工程に進み、上述の水洗工程で得た水素吸蔵合金粉末22及び水からなるスラリー加圧して脱水を行う。具体的には、まず、スラリーを、既知加圧脱水装置濾過室内に供給する。そして、この濾過室内に酸素を含む空気(大気)を所定量供給し、濾過室内の気圧を上昇させて、濾過室内のスラリーを空気により所定時間加圧(濾材に向けて押圧)して、水素吸蔵合金粉末22を空気にさらした。これにより、スラリーに含まれる水を、濾材を通して、濾過室の外部に排出する。

0023

次いで、ステップS5の粉末評価工程サブルーチンに進む。
この粉末評価工程サブルーチンでは、まず、図3に示すステップS51の上澄み液取得工程に進み、ステップS4で加圧脱水した水素吸蔵合金粉末22を所定条件下で水に投入し撹拌して上澄み液を取得する。具体的には、100mL用のビーカに、水素吸蔵合金粉末22を30g、及び、純水を100gそれぞれ投入する。そして、スパチュラで100回撹拌した後、10分間放置した後の上澄み液を取採する。なお、本実施形態では、撹拌後、水素吸蔵合金粉末22をより確実に沈殿させるため、撹拌後のビーカを、3000−4000ガウスの磁石上に載置した。

0024

次に、ステップS52の濁度測定工程に進み、上述の上澄み液取得工程で得た上澄み液の濁度Mを測定した。具体的には、日本電色工業(株)製HAZE meter(NDH4000)を用いて上澄み液の濁度Mを測定した。

0025

なお、本発明者らの研究により、水素吸蔵合金粉末22について、上述した上澄み取得工程(ステップS51)で得た上澄み液の濁度Mが、後述するペースト作製工程で作製する負極合剤ペーストの塗着性と相関関係を有することが分かってきた。具体的には、濁度Mが低いと塗着性が良好となり、濁度Mが高いと塗着性が低い。
水素吸蔵合金粉末22は、その表面に析出物Fが付着していないと、水素吸蔵合金粉末同士で凝集しやすい。また、水素吸蔵合金粉末22の表面に付着する析出物Fは、負極合剤ペースト中に、粉末本体から分離して存在すると、合金粉末同士を適切に結着させる役割を果たす結着剤など、この負極合剤ペースト中の添加物と反応(例えば、CMCカルボキシルメチルセルロース)のNaと置換)してこの添加物の機能を低下させてしまう。このため、負極合剤ペーストにおいて、水素吸蔵合金粉末22から多くの析出物Fが分離すると、添加物(特に結着剤)はその機能が低下して、水素吸蔵合金粉末同士の間に介在できなくなるため、合金粉末同士が凝集してしまう。なお、水素吸蔵合金粉末22を水中に分散する場合、粉末本体から分離する析出物F(析出物粒子)の量が多いほど、水中の濁度が高くなる。従って、高い濁度を示す上澄み液をなす水素吸蔵合金粉末22を用いた負極合剤ペーストは、合金粉末同士が凝集して、低い塗着性を示す。逆に、低い濁度を示す上澄み液をなす水素吸蔵合金粉末22を用いた負極合剤ペーストは、高い塗着性を示すと考えられる。

0026

この相関関係において、負極合剤ペーストが良好な塗着性になるよう、濁度Mに所定値(本実施形態では、60%(より好ましくは55%))を設けた。具体的には、ステップS53で、濁度Mが所定値以下かどうかを判別する。YES、即ち上述の濁度測定工程で測定した濁度Mがこの所定値以下の場合、この水素吸蔵合金粉末を用いた負極合剤ペーストの塗着性は良好であるため、図2のステップS5のペースト作製工程に進む。一方、NO、即ち測定した濁度Mが所定値よりも高い場合には、前述した加圧脱水工程(ステップS4)における空気の供給量を増大させた(ステップS54)。これにより、以降の加圧脱水工程では、空気の供給量を増大する前よりも、水中に分散させた場合に粉体本体から析出物Fが分離し難い水素吸蔵合金粉末22とすることができる。

0027

ステップS6のペースト作製工程では、ステップS52の濁度測定工程で測定した濁度Mが所定値以下であった水素吸蔵合金粉末22を、いずれも図示しない導電剤増粘剤及び結着剤(CMC)と共に水と混練して負極合剤ペーストを作製する。
なお、水素吸蔵合金粉末22は、前述の濁度Mが所定値以下であるため、これを用いた負極合剤ペースト内で析出物Fがこの水素吸蔵合金粉末22本体から分離しがたく、負極合剤ペーストの塗着性を良好にすることができる。また、析出物Fが分離しないで多数付着しているため、負極合剤ペーストにおいて水素吸蔵合金粉末22,22同士が凝集し難く、互いに分散できる。

0028

次に、ステップS7の負極板作製工程に進み、上述のペースト作製工程で作製した負極合剤ペーストを、多数の貫通孔穿孔されたニッケルメッキ鋼板28の貫通孔内及び両面に塗布した。その後、負極合剤ペーストの乾燥及び加圧を行って、負極板20を作製した。

0029

次いで、ステップS8の組立工程に進む。まず、負極板作製工程で作製した負極板20のほか、水酸化ニッケルを含む正極合材ペーストを、発泡ニッケル基板充填し、乾燥及び圧縮成形を行って作製した正極板30と、セパレータ40とを用意する。そして、複数の正極板30と複数の負極板20とを、1枚ずつセパレータ40で挟んで交互に積層して、電極体10とした(図1参照)。

0030

次に、電極体10を電槽71内に収容し、図示しない正極端子及び負極端子溶接した後、図示しない電解液を電槽71内に注入した。その後、安全弁装置SVを備える封口板72で、電槽71の開口を封止した。このようにして、電池1を作製した(図1参照)。

0031

一方、本実施形態では、電池1の負極板20に用いる水素吸蔵合金粉末22の評価方法を、以下のように行った。
即ち、ステップS51の上澄み液取得工程で、アルカリ処理を行い、水洗し脱水を済ませた水素吸蔵合金粉末22を、前述の所定条件下で水に投入し撹拌して上澄み液を取得した。次いで、ステップS52の濁度測定工程では、この上澄み液の濁度Mを測定し、このときの濁度Mから水素吸蔵合金粉末22を評価した。

0032

本実施形態にかかる水素吸蔵合金粉末22の評価方法によれば、前述した、濁度Mと負極合剤ペーストの塗着性との間の相関関係を利用し、負極合剤ペーストを実際に作製する前に、負極合剤ペーストの塗着性及び水素吸蔵合金粉末22の良否を評価することができる。

0033

また、本実施形態にかかる電池1の製造方法は、前述したペースト作製工程(ステップS6)と負極板作製工程(ステップS7)とを備えるため、ペースト作製工程では、所望の良好な塗着性を有する負極合剤ペーストを作製することができる。
しかも、水素吸蔵合金粉末22がその表面に析出物Fを付着する表面付着合金粉末であるため、ペースト作製工程(ステップS6)で、表面付着合金粉末22のうち、濁度Mが所定値以下の、従って析出物Fが分離しがたい粉末を用いて負極合剤ペーストを作製できる。かくして、塗着性の良好な負極合剤ペーストを用いて良好に塗着された負極板20を備える電池1を製造できる。

0034

また、本実施形態にかかる電池1の製造方法は、前述のアルカリ処理工程(ステップS2)、水洗工程(ステップS3)、加圧脱水工程(ステップS4)、上澄み液取得工程(ステップS51)、濁度測定工程(ステップS52)及びペースト作製工程(ステップS6)を備える。そして、このうちの濁度測定工程で測定した濁度Mが所定値よりも大きい場合には、脱水工程において空気の暴露量を増大させて、水素吸蔵合金粉末22をさらす酸素の暴露量も増大させる。これにより、脱水工程では、暴露量の増大前よりも、粉末本体から析出物Fが分離し難い水素吸蔵合金粉末22とすることができる。従って、負極合剤ペーストを作製するよりも前の段階にペーストの塗着性の低下するのを特定できると共に、濁度Mを確実に小さくすることができ、負極合剤ペーストとした場合に良好な塗着性を示す水素吸蔵合金粉末22を用いて電池1を製造できる。なお、本実施形態では、水素吸蔵合金粉末22を空気にさらしているが、この空気に含まれる酸素にさらすことで、粉末本体から析出物Fが分離し難い水素吸蔵合金粉末22になると推察される。

0035

また、本実施形態にかかる電池1では、上澄み液取得工程(ステップS51)で得た上澄み液の濁度Mが所定値以下の水素吸蔵合金粉末22を、水と混練した負極合剤ペーストをニッケルメッキ鋼板28に塗着して、負極活物質層24を形成してなる。このため、良好な塗着性を有する負極合剤ペーストを用いて、良好に塗着された負極板20を有する電池1とすることができる。

0036

以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態では、水素吸蔵合金粉末の評価方法として、電池1の製造過程の中で水素吸蔵合金粉末22の評価を行う例を示した。しかし、例えば、水素吸蔵合金粉末の評価を単独で(具体的には、前述したステップS51及びステップS52のみ)行っても良い。なお、このように単独で評価を行う場合、評価する水素吸蔵合金粉末として、その表面に析出物Fを付着する表面付着合金粉末のほかに、例えば、実施形態に記載のステップS1で作製した処理前水素吸蔵合金粉末21を評価しても良い。

0037

1電池(ニッケル水素蓄電池)
20 負極板
21処理前水素吸蔵合金粉末(水素吸蔵合金粉末)
22 水素吸蔵合金粉末(表面付着合金粉末)
24負極活物質層
28ニッケルメッキ鋼板(基材)
F析出物
M 濁度

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