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技術 燃料電池関連部品の製造方法及び燃料電池関連部品、溶接治具装置

出願人 日本特殊陶業株式会社
発明者 熊谷亮佑尾関敦史山本享史泰道明和
出願日 2013年3月28日 (7年3ヶ月経過) 出願番号 2013-070503
公開日 2014年10月9日 (5年8ヶ月経過) 公開番号 2014-194876
状態 特許登録済
技術分野 レーザ加工 燃料電池(本体) 処理全般、補助装置、継手、開先形状
主要キーワード 治具部材 コネクタプレート 金属製板状部材 治具装置 抑え治具 分割レーザ 空気排出孔 稼働温度
関連する未来課題
重要な関連分野

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図面 (15)

課題

溶接治具装置を構成する治具部材やその固定部材の数を少なくすることができ、閉回路形状のレーザー溶接を確実に行うことができる燃料電池関連部品の製造方法を提供すること。

解決手段

第1の溶接工程において、第1開口部141を有する第1治具部材131と固定治具部材133との間にセパレータ54及び燃料極フレーム56を挟み込んだ状態で固定し、第1治具部材131における第1開口部141に沿って溶接部位レーザーL1を照射して溶接する。第2の溶接工程では、第2治具部材を第1治具部材131に代えて固定治具部材133に装着する。第2治具部材は、閉回路形状の溶接部位において、少なくとも第1開口部141による溶接部位以外の溶接部位を露呈させる第2開口部を有する。この第2治具部材の第2開口部に沿ってレーザーL1を照射して溶接する。

概要

背景

従来より、燃料電池として、例えば固体電解質層固体酸化物層)を備えた固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell ;SOFC)が知られている。この燃料電池は、発電最小単位である燃料電池セルを複数積層してなる燃料電池セルスタックを備えている。燃料電池セルは、空気極燃料極及び固体電解質層を有して構成され、発電反応により電力を発生する。また、燃料電池セルスタックには、燃料電池セルに加えて、コネクタプレートセパレータ等が設けられ、それらが複数個ずつ積層されている。

コネクタプレートは、ステンレスなどの導電性材料によって形成されており、燃料電池セルの厚み方向の両側に一対配置される。各コネクタプレートにより板厚方向での燃料電池セル間導通が確保される。また、セパレータは、鉄やアルミニウムなどの金属材料によって形成されており、矩形状の開口部を中央に有する略矩形枠状をなしている。セパレータは、燃料電池セル間において、反応ガス酸化剤ガス燃料ガス)が供給される空気室燃料室区画するための仕切り板として機能する。そして、セパレータの開口部の内側に燃料電池セルが配置されている。

上述したように燃料電池セルスタックは、コネクタプレート、セパレータなどの金属製の板状部材を複数積層して製造されており、金属製板状部材接合は、レーザー溶接によって行われている。また、燃料電池セルスタックにおいて、反応ガスの供給通路排出通路を構成する複数の貫通孔がコネクタプレートやセパレータなどに形成されており、それら貫通孔の気密性を確保するために、各貫通孔の周囲に沿って閉回路形状にレーザー溶接が行われる。

特許文献1には、2枚の板状ワークを保持し、各ワークの外周部に沿って閉回路形状に溶接するための溶接用治具装置が開示されている。特許文献1の溶接用治具装置では、板状ワークを配置する第1治具部材と、板状ワークの形状に対応した開口部が形成されるとともに、第1治具部材と板状ワークの外周端部を挟持する第2治具部材と、第2治具部材の開口部内に配置され、板状ワークを押え付ける第3治具部材とを備える。なお、第3治具部材は、ネジなどの固定部材を用いて第1治具部材に固定される。この溶接用治具装置において、第2治具部材の開口部の内壁面と、第3治具部材の外壁面との間に隙間を設け、その隙間を介して板状ワークの溶接部位露出されるようになっている。また、溶接用治具装置では、溶接部位の内側と外側とを各治具部材で押え付けることにより、2枚の板状ワークが密着するため、溶接を確実に行うことが可能となる。

概要

溶接治具装置を構成する治具部材やその固定部材の数を少なくすることができ、閉回路形状のレーザー溶接を確実に行うことができる燃料電池関連部品の製造方法を提供すること。第1の溶接工程において、第1開口部141を有する第1治具部材131と固定治具部材133との間にセパレータ54及び燃料極フレーム56を挟み込んだ状態で固定し、第1治具部材131における第1開口部141に沿って溶接部位にレーザーL1を照射して溶接する。第2の溶接工程では、第2治具部材を第1治具部材131に代えて固定治具部材133に装着する。第2治具部材は、閉回路形状の溶接部位において、少なくとも第1開口部141による溶接部位以外の溶接部位を露呈させる第2開口部を有する。この第2治具部材の第2開口部に沿ってレーザーL1を照射して溶接する。

目的

本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、溶接治具装置を構成する治具部材やその固定部材の数を少なくすることができ、閉回路形状のレーザー溶接を確実に行うことができる燃料電池関連部品の製造方法を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
0件

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請求項1

1つ以上の貫通孔を有する複数枚板状ワーク積層状態で保持し、前記貫通孔の周囲に形成される溶接痕が閉じた経路となるよう閉回路形状の溶接部位に沿って前記板状ワーク同士を溶接することで製造される燃料電池関連部品の製造方法であって、前記閉回路形状の溶接部位における一部を露呈させる第1開口部を有する第1治具部材固定治具部材との間に複数枚の前記板状ワークを挟み込んだ状態で固定した後、前記第1治具部材における前記第1開口部に沿って前記溶接部位にレーザー照射して溶接する第1の溶接工程と、前記閉回路形状の溶接部位において、少なくとも前記第1開口部による溶接部位以外の溶接部位を露呈させる第2開口部を有する第2治具部材を前記第1治具部材に代えて前記固定治具部材に装着した後、前記第2治具部材における前記第2開口部に沿って前記溶接部位にレーザーを照射して溶接する第2の溶接工程とを含むことを特徴とする燃料電池関連部品の製造方法。

請求項2

1つ以上の貫通孔を有する複数枚の板状ワークを積層状態で保持し、前記貫通孔の周囲に形成される溶接痕が閉じた経路となるよう閉回路形状の溶接部位に沿って前記板状ワーク同士を溶接することで製造される燃料電池関連部品の製造方法であって、開口部を有するとともに前記板状ワークに対して直交する回転軸を中心とした回転移動または前記板状ワークの面方向に沿った水平移動により前記開口部の配置態様を変更可能であり、移動前後の前記開口部によって前記閉回路形状の溶接部位を露呈させる第1治具部材を用い、前記第1治具部材と固定治具部材との間に前記板状ワークを挟み込んだ状態で固定した後、前記第1治具部材における前記開口部に沿って前記溶接部位にレーザーを照射して溶接する第1の溶接工程と、前記第1治具部材を前記板状ワークに対して直交する回転軸を中心とした回転移動または前記板状ワークの面方向に沿った水平移動させた後、前記第1治具部材における前記開口部に沿って前記溶接部位にレーザーを照射して溶接する第2の溶接工程とを含むことを特徴とする燃料電池関連部品の製造方法。

請求項3

請求項1または2に記載の製造方法によって製造される燃料電池関連部品であって、前記レーザー溶接による溶接痕は、複数本分割レーザー溶接痕により構成されるとともに、それらは全体として前記貫通孔を包囲する閉回路形状をなしていることを特徴とする燃料電池関連部品。

請求項4

前記分割レーザー溶接痕の端部には、前記分割レーザー溶接痕同士が所定角度で交差するオーバーラップ領域が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池関連部品。

請求項5

1つ以上の貫通孔を有する複数枚の板状ワークを積層状態で保持し、前記貫通孔の周囲に形成される溶接痕が閉じた経路となるよう閉回路形状の溶接部位に沿って前記板状ワーク同士を溶接するための溶接治具装置であって、前記閉回路形状の溶接部位における一部を露呈させる第1開口部を有する第1治具部材と、前記閉回路形状の溶接部位において、少なくとも前記第1開口部による溶接部位以外の溶接部位を露呈させる第2開口部を有する第2治具部材と、前記第1治具部材及び前記第2治具部材を交互に装着可能に構成され、前記第1治具部材または前記第2治具部材との間に前記板状ワークを挟み込んだ状態で固定する固定治具部材とを備えることを特徴とする溶接治具装置。

請求項6

1つ以上の貫通孔を有する複数枚の板状ワークを積層状態で保持し、前記貫通孔の周囲に形成される溶接痕が閉じた経路となるよう閉回路形状の溶接部位に沿って前記板状ワーク同士を溶接するための溶接治具装置であって、開口部を有するとともに前記板状ワークに対して直交する回転軸を中心とした回転移動または前記板状ワークの面方向に沿った水平移動により前記開口部の配置態様を変更可能であり、移動前後の前記開口部によって前記閉回路形状の溶接部位を露呈させる第1治具部材と、前記第1治具部材を装着可能に構成され、前記第1治具部材との間に前記板状ワークを挟み込んだ状態で固定する固定治具部材とを備えることを特徴とする溶接治具装置。

請求項7

前記固定治具部材には、前記第1治具部材及び前記第2治具部材のうち、いずれかの外周部をクランプするクランプ構造が設けられていることを特徴とする請求項5または6に記載の溶接治具装置。

技術分野

0001

本発明は、1つ以上の貫通孔を有する複数枚板状ワーク積層状態で保持し、貫通孔の周囲の溶接部位に沿って複数枚の板状ワークを溶接することで製造される燃料電池関連部品の製造方法及び燃料電池関連部品、その製造に用いられる溶接治具装置に関するものである。

背景技術

0002

従来より、燃料電池として、例えば固体電解質層固体酸化物層)を備えた固体酸化物形燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell ;SOFC)が知られている。この燃料電池は、発電最小単位である燃料電池セルを複数積層してなる燃料電池セルスタックを備えている。燃料電池セルは、空気極燃料極及び固体電解質層を有して構成され、発電反応により電力を発生する。また、燃料電池セルスタックには、燃料電池セルに加えて、コネクタプレートセパレータ等が設けられ、それらが複数個ずつ積層されている。

0003

コネクタプレートは、ステンレスなどの導電性材料によって形成されており、燃料電池セルの厚み方向の両側に一対配置される。各コネクタプレートにより板厚方向での燃料電池セル間導通が確保される。また、セパレータは、鉄やアルミニウムなどの金属材料によって形成されており、矩形状の開口部を中央に有する略矩形枠状をなしている。セパレータは、燃料電池セル間において、反応ガス酸化剤ガス燃料ガス)が供給される空気室燃料室区画するための仕切り板として機能する。そして、セパレータの開口部の内側に燃料電池セルが配置されている。

0004

上述したように燃料電池セルスタックは、コネクタプレート、セパレータなどの金属製の板状部材を複数積層して製造されており、金属製板状部材接合は、レーザー溶接によって行われている。また、燃料電池セルスタックにおいて、反応ガスの供給通路排出通路を構成する複数の貫通孔がコネクタプレートやセパレータなどに形成されており、それら貫通孔の気密性を確保するために、各貫通孔の周囲に沿って閉回路形状にレーザー溶接が行われる。

0005

特許文献1には、2枚の板状ワークを保持し、各ワークの外周部に沿って閉回路形状に溶接するための溶接用治具装置が開示されている。特許文献1の溶接用治具装置では、板状ワークを配置する第1治具部材と、板状ワークの形状に対応した開口部が形成されるとともに、第1治具部材と板状ワークの外周端部を挟持する第2治具部材と、第2治具部材の開口部内に配置され、板状ワークを押え付ける第3治具部材とを備える。なお、第3治具部材は、ネジなどの固定部材を用いて第1治具部材に固定される。この溶接用治具装置において、第2治具部材の開口部の内壁面と、第3治具部材の外壁面との間に隙間を設け、その隙間を介して板状ワークの溶接部位が露出されるようになっている。また、溶接用治具装置では、溶接部位の内側と外側とを各治具部材で押え付けることにより、2枚の板状ワークが密着するため、溶接を確実に行うことが可能となる。

先行技術

0006

特開2011−161450号公報

発明が解決しようとする課題

0007

ところが、燃料電池セルスタックのように、コネクタプレートやセパレータに形成される貫通孔が複数あり、それらの周囲に沿って閉回路形状の溶接を行う場合には、閉回路形状の溶接部位に対応して内側押さえ治具(第3治具部材)が複数個必要となる。この場合、それら内側押さえ治具の位置決め作業やネジ等を用いた固定作業が煩雑になってしまう。また、溶接する閉回路形状が小さい場合には、固定部材を設けるスペースがなくなり内側押さえ治具を固定できなくなる。さらに、溶接用治具装置が複数の治具部材や固定部材で構成されるため、治具装置維持管理が困難となることが考えられる。

0008

本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、溶接治具装置を構成する治具部材やその固定部材の数を少なくすることができ、閉回路形状のレーザー溶接を確実に行うことができる燃料電池関連部品の製造方法を提供することにある。また、別の目的は、上記製造方法により貫通孔の周囲に沿ってレーザー溶接が行われる部品であって、その貫通孔の周囲の封止を確実に行うことにより、貫通孔に流れる流体漏れを確実に防止することができる燃料電池関連部材を提供することにある。さらに、別の目的は、治具部材やその固定部材の数を少なくすることができ、閉回路形状の溶接を確実に行うことができる溶接治具装置を提供することにある。

課題を解決するための手段

0009

そして上記課題を解決するための手段(手段1)としては、1つ以上の貫通孔を有する複数枚の板状ワークを積層状態で保持し、前記貫通孔の周囲に形成される溶接痕が閉じた経路となるよう閉回路形状の溶接部位に沿って前記板状ワーク同士を溶接することで製造される燃料電池関連部品の製造方法であって、前記閉回路形状の溶接部位における一部を露呈させる第1開口部を有する第1治具部材と固定治具部材との間に複数枚の前記板状ワークを挟み込んだ状態で固定した後、前記第1治具部材における前記第1開口部に沿って前記溶接部位にレーザー照射して溶接する第1の溶接工程と、前記閉回路形状の溶接部位において、少なくとも前記第1開口部による溶接部位以外の溶接部位を露呈させる第2開口部を有する第2治具部材を前記第1治具部材に代えて前記固定治具部材に装着した後、前記第2治具部材における前記第2開口部に沿って前記溶接部位にレーザーを照射して溶接する第2の溶接工程とを含むことを特徴とする燃料電池関連部品の製造方法がある。

0010

従って、手段1に記載の発明によると、第1治具部材の第1開口部により閉回路形状の溶接部位における一部が露呈され、閉回路形状の溶接部位において、少なくとも第1開口部による溶接部位以外の溶接部位が第2治具部材の第2開口部によって露呈される。従って、第1の溶接工程及び第2の溶接工程において、第1治具部材及び第2治具部材を交互に装着してレーザー溶接を2回に分けて行うことにより、貫通孔の周囲において第1治具部材の第1開口部を介して溶接できなかった溶接部位を第2治具部材の第2開口部を介して溶接することができる。この結果、閉回路形状の溶接部位に沿って各板状ワークが溶接されて燃料電池関連部品が製造される。このように燃料電池関連部品を製造すると、板状ワークにおける貫通孔が多くなり複数の溶接部位のレーザー溶接が必要となる場合でも、従来技術のように治具部材の個数を増やすことなく第1治具部材及び第2治具部材を用いてそれら貫通孔の周囲に沿って閉回路形状の溶接を行うことができる。また、本発明の製造方法では、従来技術のようにネジを用いて内側抑え治具部を固定する必要がない。このため、閉回路形状の溶接部位のサイズが小さくなっても、その溶接部位に沿って板状ワーク同士を正確にレーザー溶接することができる。

0011

また、上記課題を解決するための別の手段(手段2)としては、1つ以上の貫通孔を有する複数枚の板状ワークを積層状態で保持し、前記貫通孔の周囲に形成される溶接痕が閉じた経路となるよう閉回路形状の溶接部位に沿って前記板状ワーク同士を溶接することで製造される燃料電池関連部品の製造方法であって、開口部を有するとともに前記板状ワークに対して直交する回転軸を中心とした回転移動または前記板状ワークの面方向に沿った水平移動により前記開口部の配置態様を変更可能であり、移動前後の前記開口部によって前記閉回路形状の溶接部位を露呈させる第1治具部材を用い、前記第1治具部材と固定治具部材との間に前記板状ワークを挟み込んだ状態で固定した後、前記第1治具部材における前記開口部に沿って前記溶接部位にレーザーを照射して溶接する第1の溶接工程と、前記第1治具部材を前記板状ワークに対して直交する回転軸を中心とした回転移動または前記板状ワークの面方向に沿った水平移動させた後、前記第1治具部材における前記開口部に沿って前記溶接部位にレーザーを照射して溶接する第2の溶接工程とを含むことを特徴とする燃料電池関連部品の製造方法がある。

0012

従って、手段2に記載の発明によると、第1治具部材の移動前後の開口部によって閉回路形状の溶接部位が露呈される。従って、第1の溶接工程及び第2の溶接工程において、第1治具部材を移動してレーザー溶接を2回に分けて行うことにより、貫通孔の周囲において第1治具部材の移動前の開口部を介して溶接できなかった溶接部位を移動後の開口部を介して溶接することができる。この結果、閉回路形状の溶接部位に沿って各板状ワークが溶接されて燃料電池関連部品が製造される。このように燃料電池関連部品を製造すると、板状ワークにおける貫通孔が多くなり複数の溶接部位のレーザー溶接が必要となる場合でも、従来技術のように治具部材の個数を増やすことなく第1治具部材を用いてそれら貫通孔の周囲に沿って閉回路形状の溶接を行うことができる。また、本発明の製造方法では、従来技術のようにネジを用いて内側抑え治具部を固定する必要がない。このため、閉回路形状の溶接部位のサイズが小さくなっても、その溶接部位に沿って板状ワーク同士を正確にレーザー溶接することができる。

0013

また、上記課題を解決するための別の手段(手段3)としては、手段1または2に記載の製造方法によって製造される燃料電池関連部品であって、前記レーザー溶接による溶接痕は、複数本分割レーザー溶接痕により構成されるとともに、それらは全体として前記貫通孔を包囲する閉回路形状をなしていることを特徴とする燃料電池関連部品がある。

0014

従って、手段3に記載の発明によると、上記手段1または手段2に記載の製造方法により、レーザー溶接が2回に分けて行われて燃料電池関連部品が製造される。この結果、レーザー溶接による溶接痕は、複数本の分割レーザー溶接痕により構成されるとともに、それらは全体として貫通孔を包囲する閉回路形状のレーザー溶接痕となる。この燃料電池関連部品では、複数の貫通孔の周囲に沿って閉回路形状にレーザー溶接を確実に行うことができる。従って、燃料電池関連部品において各貫通孔に反応ガス(燃料ガス及び酸化剤ガス)や液体燃料などの流体を流す場合でも、溶接部位の隙間から流体が漏れることがなく、電池性能を十分に確保することができる。

0015

燃料電池関連部品において、分割レーザー溶接痕の端部(始端及び終端)には、分割レーザー溶接痕同士が所定角度で交差するようオーバーラップ領域が設けられていてもよい。また、オーバーラップ領域の溶接痕は、閉回路形状に対して外側または内側に曲がっていてもよい。ここで、分割レーザー溶接痕の端部が互いに平行となる場合、そのレーザー溶接痕は細いためそれら端部の位置が少しでもずれると、閉回路とならずに貫通孔の周囲を封止できなくなる。これに対して、分割レーザー溶接痕同士が所定角度で交差するようオーバーラップ領域を設け、そのオーバーラップ領域の溶接痕を曲げることで、そのレーザー溶接痕は、貫通孔の周囲において確実に閉じた形状となる。この結果、燃料電池関連部品において、貫通孔の周囲の封止を確実に行うことができ、反応ガス(燃料ガス及び酸化剤ガス)や液体燃料などの流体の漏れを回避することができる。

0016

燃料電池関連部品を構成する板状ワークとしては、コネクタプレート、フレーム部材、セパレータなどを挙げることができる。燃料電池で用いられるセパレータは、厚さが500μm以下であり強度が弱いため、それ自体では平らな平面を保つことが困難である。本発明では、複数枚の板状ワークのうちのいずれかがセパレータである場合でも、第1治具部材または第2治具部材によって溶接部位の内側及び外側を押さえ付けることができるため、各板状ワークが密着してそれらの溶接部位を確実にレーザー溶接することができる。

0017

また、上記課題を解決するための別の手段(手段4)としては、1つ以上の貫通孔を有する複数枚の板状ワークを積層状態で保持し、前記貫通孔の周囲に形成される溶接痕が閉じた経路となるよう閉回路形状の溶接部位に沿って前記板状ワーク同士を溶接するための溶接治具装置であって、前記閉回路形状の溶接部位における一部を露呈させる第1開口部を有する第1治具部材と、前記閉回路形状の溶接部位において、少なくとも前記第1開口部による溶接部位以外の溶接部位を露呈させる第2開口部を有する第2治具部材と、前記第1治具部材及び前記第2治具部材を交互に装着可能に構成され、前記第1治具部材または前記第2治具部材との間に前記板状ワークを挟み込んだ状態で固定する固定治具部材とを備えることを特徴とする溶接治具装置がある。

0018

従って、手段4に記載の発明によると、固定治具部材と第1治具部材との間に板状ワークを挟み込んだ状態で固定し、第1治具部材の第1開口部に沿って各板状ワークが溶接される。その後、第1治具部材の代わりに第2治具部材が固定治具部材に装着され、第2治具部材の第2開口部に沿って各板状ワークが溶接される。この結果、貫通孔の周囲における閉回路形状の溶接部位に沿って板状ワーク同士が溶接される。このように溶接治具装置を構成すると、貫通孔の形成数が多くなった場合でも、従来技術のように治具部材の個数を増やすことなく第1治具部材及び第2治具部材を用いてそれら貫通孔の周囲に沿って閉回路形状の溶接を行うことができる。また、本発明の溶接治具装置では、従来の内側抑え治具部材のようにネジを用いて固定する必要がない。このため、閉回路形状の溶接部位のサイズが小さくなっても、それに対応する第1開口部及び第2開口部を各治具部材に形成することで各開口部に沿って閉回路形状の溶接を正確に行うことができる。さらに、従来の溶接治具装置と比較して構成部材の数を減らすことができるため、溶接治具装置の維持管理を容易に行うことができる。

0019

また、上記課題を解決するための別の手段(手段5)としては、1つ以上の貫通孔を有する複数枚の板状ワークを積層状態で保持し、前記貫通孔の周囲に形成される溶接痕が閉じた経路となるよう閉回路形状の溶接部位に沿って前記板状ワーク同士を溶接するための溶接治具装置であって、開口部を有するとともに前記板状ワークに対して直交する回転軸を中心とした回転移動または前記板状ワークの面方向に沿った水平移動により前記開口部の配置態様を変更可能であり、移動前後の前記開口部によって前記閉回路形状の溶接部位を露呈させる第1治具部材と、前記第1治具部材を装着可能に構成され、前記第1治具部材との間に前記板状ワークを挟み込んだ状態で固定する固定治具部材とを備えることを特徴とする溶接治具装置がある。

0020

従って、手段5に記載の発明によると、固定治具部材と第1治具部材との間に板状ワークを挟み込んだ状態で固定し、第1治具部材の開口部に沿って板状ワークが溶接される。その後、溶接治具装置の固定治具部材上において、板状ワークに対して直交する回転軸を中心とした第1治具部材の回転移動または板状ワークの面方向に沿った第1治具部材の水平移動によって開口部の配置態様が変更される。そして、第1治具部材における開口部に沿って板状ワークが溶接される。この結果、貫通孔の周囲における閉回路形状の溶接部位に沿って板状ワーク同士が溶接される。このように溶接治具装置を構成すると、貫通孔の形成数が多くなった場合でも、従来技術のように治具部材の個数を増やすことなく第1治具部材を用いてそれら貫通孔の周囲に沿って閉回路形状の溶接を行うことができる。また、本発明の溶接治具装置では、従来の内側押さえ治具部材のようにネジを用いて固定する必要がない。このため、閉回路形状の溶接部位のサイズが小さくなっても、それに対応する開口部を第1治具部材に形成することで開口部に沿って閉回路形状の溶接を正確に行うことができる。さらに、従来の溶接治具装置と比較して構成部材の数を減らすことができるため、溶接治具装置の維持管理を容易に行うことができる。

0021

固定治具部材には、第1治具部材及び第2治具部材のうち、いずれかの外周部をクランプするクランプ構造が設けられていてもよい。この場合、クランプ構造が邪魔になることなく、第1治具部材や第2治具部材の開口部を介して溶接部位にレーザーを照射することができ、レーザー溶接を確実に行うことができる。また、従来技術のようにネジなどを用いて治具部材の着脱を行う場合にはその着脱作業が煩雑となるが、本発明では、固定治具部材に対する第1治具部材及び第2治具部材の着脱をクランプ構造を利用することで容易に行うことができる。

図面の簡単な説明

0022

第1の実施の形態における燃料電池を示す概略斜視図。
図1のA−A線断面図。
燃料電池セルを示す概略断面図。
セパレータにおけるレーザー溶接痕を示す平面図。
貫通孔の周囲のレーザー溶接痕を示す拡大平面図。
溶接システム概略構成を示す構成図。
第1の実施の形態における溶接治具装置を示す上面図。
第1治具部材における第1開口部を示す拡大断面図。
第2の実施の形態における溶接治具装置を示す上面図。
第2の実施の形態における溶接治具装置を示す上面図。
第3の実施の形態における溶接治具装置を示す上面図。
別の実施の形態におけるレーザー溶接痕を示す説明図。
別の実施の形態におけるレーザー溶接痕を示す説明図。
別の実施の形態におけるレーザー溶接痕を示す説明図。

実施例

0023

[第1の実施の形態]
以下、本発明を燃料電池に具体化した第1の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。

0024

図1図2に示されるように、本実施の形態の燃料電池1は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)である。燃料電池1は、発電の最小単位である燃料電池セル11を複数積層してなる燃料電池セルスタック10を備えている。燃料電池セルスタック10は、縦180mm×横180mm×高さ80mmの略直方体状をなしている。また、燃料電池セルスタック10は、同燃料電池セルスタック10を厚さ方向に貫通する8つの貫通孔40を有している。なお、燃料電池セルスタック10の四隅にある4つの貫通孔40に締結ボルト41を挿通させ、燃料電池セルスタック10の下面から突出する締結ボルト41の下端部分ナット(図示略)を螺着させる。また、残り4つの貫通孔40にガス流通用締結ボルト42を挿通させ、燃料電池セルスタック10の上面及び下面から突出するガス流通用締結ボルト42の両端部分にナット43を螺着させる。その結果、燃料電池セルスタック10において複数の燃料電池セル11が固定される。

0025

図2図3に示されるように、燃料電池1は、燃料電池セル11と、集電体66と、コネクタプレート51,60とを積層配置することによって構成されている。燃料電池セル11は、空気極フレーム52、絶縁フレーム53、セパレータ54、燃料電池セル本体55及び燃料極フレーム56を順番に積層することによって構成されている。

0026

コネクタプレート51,60は、耐熱性及び導電性に優れたステンレス鋼などの金属材料によって略矩形板状に形成され、燃料電池セル11の上端部及び下端部に配置されている。コネクタプレート51,60の厚さは、0.8mm程度である。コネクタプレート51,60は、燃料電池セル11内にガス流路を形成するとともに、隣接する燃料電池セル11同士を導通させるようになっている。詳述すると、隣接する燃料電池セル11同士の間に位置するコネクタプレート51,60は、いわゆるインターコネクタとなり、隣接する燃料電池セル11同士を区画するようになっている。なお、本実施の形態のコネクタプレート60は、下側に隣接する燃料電池セル11のコネクタプレート51を兼ねている。また、燃料電池セルスタック10の上端部に配置されたコネクタプレート51は上側エンドプレート12となり、燃料電池セルスタック10の下端部に配置されたコネクタプレート60は下側エンドプレート13となっている。両エンドプレート12,13は、燃料電池セルスタック10を挟持しており、燃料電池セルスタック10から出力される電流出力端子となっている。なお、エンドプレート12,13となるコネクタプレート51,60は、インターコネクタとなるコネクタプレート51,60よりも肉厚になっている。

0027

図2図3に示される空気極フレーム52は、厚さが1mm程度であり、ステンレスなどの導電性材料によって略矩形枠状に形成されている。よって、空気極フレーム52の中央部には、同空気極フレーム52を厚さ方向に貫通する矩形状の開口部61が設けられている。また、絶縁フレーム53は、厚さ0.5mmのマイカシートによって略矩形枠状に形成されている。よって、絶縁フレーム53の中央部には、同絶縁フレーム53を厚さ方向に貫通する矩形状の開口部63が設けられている。さらに、燃料極フレーム56は、厚さが2mm程度であり、ステンレス鋼などの金属材料によって略矩形枠状に形成されている。よって、燃料極フレーム56の中央部には、同燃料極フレーム56を厚さ方向に貫通する矩形状の開口部62が設けられている。

0028

本実施の形態のセパレータ54は、100μm程度の厚さの金属箔金属板)によって形成された金属製セパレータである。金属製セパレータは、主として鉄を主成分とする金属材料によって形成され、3重量%のアルミニウムを含んでいる。そして、セパレータ54の表面にはアルミナ被膜が形成されている。また、セパレータ54は、厚さ方向に貫通する矩形状の開口部64を中央部に有する略矩形枠状をなしている。さらに、セパレータ54は、銀を含むロウ材を用いて燃料電池セル本体55(固体電解質層81)の外周部にロウ付けされている。

0029

本実施の形態の燃料電池セル本体55は、固体電解質層81、空気極82及び燃料極83を備え、発電反応により電力を発生するようになっている。固体電解質層81は、例えばイットリア安定化ジルコニア(YSZ)などのセラミック材料によって形成され、厚さ0.01mmの矩形板状をなしている。また、固体電解質層81は、セパレータ54の下面に固定されるとともに、セパレータ54の開口部64を塞ぐように配置されている。固体電解質層81は、酸素イオン伝導性固体電解質体として機能するようになっている。

0030

空気極82は、固体電解質層81の上面の中央部に貼付され、燃料電池セルスタック10に供給された空気(酸化剤ガス)に接するようになっている。一方、燃料極83は、固体電解質層81の下面全体に貼付され、同じく燃料電池セルスタック10に供給された燃料ガスに接するようになっている。即ち、空気極82及び燃料極83は、固体電解質層81の両側に配置されている。空気極82は、セパレータ54の開口部64内に配置され、セパレータ54と接触しないようになっている。また、燃料極83は、ニッケルとイットリア安定化ジルコニアとの混合物(Ni−YSZ)によって形成され、厚さ0.8mmの平面視矩形状をなしている。

0031

なお、本実施の形態の燃料電池セル11では、燃料極フレーム56の開口部62、及びコネクタプレート60等により、セパレータ54の下方に燃料室15が形成されるようになっている。燃料室15内には、固体電解質層81及び燃料極83が収容されている。また、本実施の形態の燃料電池セル11では、コネクタプレート51、空気極フレーム52の開口部61、及び、絶縁フレーム53の開口部63等により、セパレータ54の上方に空気室16が形成されるようになっている。そして、空気極82の表面側には、ニッケル合金等の金属材料からなる集電体66が設置されるようになっている。その結果、空気極82及びコネクタプレート51は、集電体66を介して電気的に接続されるようになる。

0032

さらに、図2に示されるように、燃料電池セルスタック10は、各燃料電池セル11の燃料室15に燃料ガスを供給する燃料供給経路70と、燃料室15から燃料ガスを排出する燃料排出経路71とを備えている。燃料供給経路70は、ガス流通用締結ボルト42の中心部において軸方向に沿って延びる燃料供給孔72と、燃料供給孔72及び燃料室15を連通させる燃料供給横孔73とによって構成されている。また、燃料排出経路71は、ガス流通用締結ボルト42の中心部において軸方向に沿って延びる燃料排出孔74と、燃料排出孔74及び燃料室15を連通させる燃料排出横孔75とによって構成されている。よって、燃料ガスは、燃料供給孔72及び燃料供給横孔73を順番に通過して燃料室15に供給され、燃料排出横孔75及び燃料排出孔74を順番に通過して燃料室15から排出される。

0033

また、燃料電池セルスタック10は、各燃料電池セル11の空気室16に空気を供給する空気供給経路(図示略)と、空気室16から空気を排出する空気排出経路(図示略)とを備えている。空気供給経路は、燃料供給経路70と略同様の構造を有しており、ガス流通用締結ボルト42の中心部において軸方向に沿って延びる空気供給孔(図示略)と、空気供給孔及び空気室16を連通させる空気供給横孔(図示略)とによって構成されている。また、空気排出経路は、燃料排出経路71と略同様の構造を有しており、ガス流通用締結ボルト42の中心部において軸方向に沿って延びる空気排出孔(図示略)と、空気排出孔及び空気室16を連通させる空気排出横孔(図示略)とによって構成されている。よって、空気は、空気供給孔及び空気供給横孔を順番に通過して空気室16に供給され、空気排出横孔及び空気排出孔を順番に通過して空気室16から排出される。

0034

燃料電池セルスタック10において、空気極フレーム52、燃料極フレーム56、セパレータ54、コネクタプレート51,60などの平板状の金属部材(板状ワーク)は、レーザー溶接によって各々接合されている。図4には、セパレータ54側から見た燃料極フレーム56との溶接部位を示している。

0035

図4に示されるように、セパレータ54には中央部の開口部64(貫通孔)に加えて、縁部に複数の貫通孔40aが形成されている。空気極フレーム52、燃料極フレーム56及びコネクタプレート51,60にも、同じ位置に複数の貫通孔40aが形成されている(図3参照)。各貫通孔40aは、締結ボルト41やガス流通用締結ボルト42を挿通させる貫通孔40(図1及び図2参照)の一部を構成するものであり、円形状の貫通孔と楕円形状の貫通孔とを含む。

0036

図4に示されるように、セパレータ54の外周部には、燃料極フレーム56との接合するために、レーザー溶接によるレーザー溶接痕100が形成されている。さらに、セパレータ54における各貫通孔40aの周囲にも、レーザー溶接によるレーザー溶接痕110が形成されている。外周部に形成されるレーザー溶接痕100は、複数本(本実施の形態では4本)の分割レーザー溶接痕101a,101b,101c,101dにより構成されるとともに、それらは全体として閉回路形状をなしている。

0037

図4及び図5に示されるように、各貫通孔40aの周囲に形成される各レーザー溶接痕110は、2本の分割レーザー溶接痕111a,111bにより構成されるとともに、それらは全体として貫通孔40aを包囲する閉回路形状をなしている。さらに、レーザー溶接痕110における分割レーザー溶接痕111a,111bは、互いに貫通孔40aの中心に対して点対称となる2箇所で交差している。また、セパレータ54や燃料極フレーム56において、レーザー溶接痕110の分割レーザー溶接痕111a,111bは、平面視で対称な位置に設けられている。

0038

レーザー溶接痕110の各分割レーザー溶接痕111a,111bの端部は、閉回路形状の外側に曲がっているとともに、その曲がった端部には、分割レーザー溶接痕111a,111b同士が所定角度(例えば45°程度の角度)で交差するオーバーラップ領域R1が設けられている。

0039

また、図4に示されるように、セパレータ54の外周部に形成されるレーザー溶接痕100においても、分割レーザー溶接痕101a〜101dの端部には、分割レーザー溶接痕101同士が所定角度で交差するオーバーラップ領域R1が設けられている。これらオーバーラップ領域R1の溶接痕(分割レーザー溶接痕101a〜101dの端部)は、閉回路形状に対して内側に曲がっている。このように、オーバーラップ領域R1の溶接痕を曲げて分割レーザー溶接痕101a〜101d,111a,111bの端部を確実に交差させることにより、閉回路形状をなす溶接部位の気密性が確保される。これにより、貫通孔40aから溶接部位を介して反応ガス等の漏れが生じないようになっている。

0040

なお、図示しないがコネクタプレート51,60等にも燃料極フレーム56などの他の部材と接合するために、レーザー溶接によるレーザー溶接痕100,110が同様に形成されている。

0041

上記のように構成した燃料電池1において、例えば、その燃料電池1を稼働温度に加熱した状態で、燃料供給経路70から燃料室15に燃料ガスを導入するとともに、空気供給経路から空気室16に空気を供給する。その結果、燃料ガス中水素と空気中の酸素とが固体電解質層81を介して反応(発電反応)し、空気極82を正極、燃料極83を負極とする直流の電力が発生する。なお、本実施の形態の燃料電池セルスタック10は、燃料電池セル11を複数積層して直列に接続しているため、空気極82に電気的に接続される上側エンドプレート12が正極となり、燃料極83に電気的に接続される下側エンドプレート13が負極となる。

0042

次に、燃料電池1の製造方法を説明する。

0043

先ず、燃料電池セル11を、従来周知の手法に従って形成する。具体的には、燃料極83となるグリーンシート上に固体電解質層81となるグリーンシートを積層し、焼成する。さらに、固体電解質層81上に空気極82の形成材料印刷した後、焼成する。この時点で、燃料電池セル本体55が形成される。

0044

次に、ステンレスや鉄などの所定の金属材料からなる金属板を打ち抜くことにより、コネクタプレート51,60、空気極フレーム52、燃料極フレーム56及びセパレータ54を形成する。また、マイカシートを所定形状に形成することにより、絶縁フレーム53を形成する。具体的には、市販のマイカシート(マイカ成形用樹脂との複合体からなるシート)を切断して他の部材(空気極フレーム52や燃料極フレーム56など)と略同じ形状に形成する。

0045

次に、セパレータ54と燃料極フレーム56とをレーザー溶接により接合する。このレーザー溶接は図6に示す溶接システム120を用いて行われる。本実施の形態の溶接システム120は、溶接治具装置121と、溶接治具装置121の上方に配置されるレーザー照射装置122と、溶接治具装置121を載置してその溶接治具装置121を水平方向に二次元的に移動させるX−Yテーブル123とを備えている。

0046

本実施の形態の溶接治具装置121は、貫通孔40aを有する複数枚の板状ワーク(セパレータ54や燃料極フレーム56)を積層状態で保持し、貫通孔40aの周囲に形成されるレーザー溶接痕100,110が閉じた経路となるよう閉回路形状の溶接部位に沿って板状ワーク同士を溶接するための治具装置である。

0047

図6及び図7に示されるように、本実施の形態の溶接治具装置121は、第1治具部材131と、第2治具部材132と、第1治具部材131及び第2治具部材132を交互に装着可能に構成された固定治具部材133とを備える。固定治具部材133は、第1治具部材131または第2治具部材132との間にセパレータ54及び燃料極フレーム56を挟み込んだ状態で固定する。固定治具部材133には、第1治具部材131及び第2治具部材132のうち、いずれかの外周部をクランプするクランプ構造135が設けられている。クランプ構造135は、各治具部材131,132の外周部における各コーナー部及び各辺の中間点となる位置に対応して8箇所に設けられている。また、各治具部材131,132の外周部には、各コーナー部及び各辺の中間点となる位置に、クランプ構造135によってクランプされる凹部136がそれぞれ設けられている。さらに、各治具部材131,132の中央部には、作業者が手で持つための取っ手37が設けられている。

0048

第1治具部材131は、矩形板状に形成された治具部材であり、閉回路形状の溶接部位における一部を露呈させる第1開口部141を有する。第2治具部材132は、矩形板状に形成された治具部材であり、閉回路形状の溶接部位において、少なくとも第1開口部141による溶接部位以外の溶接部位を露呈させる第2開口部142を有する。つまり、第1治具部材131の第1開口部141は、閉回路形状のレーザー溶接痕100,110を構成する一方の分割レーザー溶接痕101a,101c,111aを形成するための開口部であり、第2治具部材132の第2開口部142は、他方の分割レーザー溶接痕101b,101d,111bを形成するための開口部である。

0049

図8に示されるように、第1治具部材131に形成される第1開口部141は、レーザーL1の照射側となる上側に向けて徐々に開口面積が大きくなるようテーパー状に形成されている。第2治具部材132に形成される第2開口部142も同様に、レーザーL1の照射側となる上側に向けて徐々に開口面積が大きくなるようテーパー状に形成されている。

0050

そして、上記溶接治具装置121を用いてセパレータ54と燃料極フレーム56とを溶接する場合には、先ず第1治具部材131を用いた溶接工程を行う。具体的には、固定治具部材133上において、セパレータ54と燃料極フレーム56とを位置合わせした状態で積層配置する。さらに、第1治具部材131を固定治具部材133にセットした後、クランプ構造135によって第1治具部材131の外周部をクランプすることで、第1治具部材131と固定治具部材133との間にセパレータ54及び燃料極フレーム56を挟み込んだ状態で固定する。

0051

その後、レーザー照射装置122を用い、所定の照射条件(例えば、出力が0.3kW、ビーム径が0.06mm程度)にてレーザーL1を照射する。なお、レーザー照射装置122としては、例えば炭酸ガスレーザーなどの照射装置が用いられる。また、このレーザーL1の照射時において、X−Yテーブル123を水平方向に移動させることにより、第1治具部材131における第1開口部141に沿ってセパレータ54の溶接部位にレーザーL1を照射してセパレータ54と燃料極フレーム56とをレーザー溶接する(第1の溶接工程)。

0052

次いで、クランプ構造135によるクランプを解除して第1治具部材131を固定治具部材133から取り外し、その第1治具部材131の代わりに第2治具部材132を固定治具部材133に装着する。その後、レーザー照射装置122からレーザーL1を照射するとともに、X−Yテーブル123を水平方向に移動させることで、第2治具部材132における第2開口部142に沿ってセパレータ54の溶接部位にレーザーL1を照射してセパレータ54と燃料極フレーム56とをレーザー溶接する(第2の溶接工程)。この後、クランプ構造135によるクランプを解除して第2治具部材132を固定治具部材133から取り外す。さらに、レーザー溶接により接合されたセパレータ54及び燃料極フレーム56(燃料電池関連部品)を固定治具部材133から取り出す。

0053

以上のようにレーザー溶接工程を2回に分けて行うことにより、図4に示されるようなレーザー溶接痕100,110がセパレータ54及び燃料極フレーム56に形成される。

0054

その後、燃料極フレーム56等を接合したセパレータ54を、ロウ付けによって燃料電池セル本体55の固体電解質層81に対して固定する。具体的には、固体電解質層81とセパレータ54とのそれぞれにロウ材を配置した後、大気雰囲気下で、例えば850〜1100℃で加熱することでロウ材を溶融させて、固体電解質層81とセパレータ54とを接合する。

0055

また、上記と同様の溶接治具装置121を用いたレーザー溶接工程を行い、燃料極フレーム56の裏面側にコネクタプレート60をレーザー溶接する。さらに、コネクタプレート60(51)や空気極フレーム52などもレーザー溶接によって同様に接合する。

0056

その後、上記のように接合したコネクタプレート51、空気極フレーム52、セパレータ54、燃料電池セル本体55、燃料極フレーム56等や絶縁フレーム53を複数積層して一体化することにより、燃料電池セルスタック10を形成する。そして、燃料電池セルスタック10の四隅にある4つの貫通孔40に締結ボルト41を挿通させ、燃料電池セルスタック10の下面から突出する締結ボルト41の下端部分にナット(図示略)を螺着させる。また、残り4つの貫通孔40にガス流通用締結ボルト42を挿通させ、燃料電池セルスタック10の上面及び下面から突出するガス流通用締結ボルト42の両端部分にナット43を螺着させる。その結果、燃料電池セルスタック10において各燃料電池セル11が固定され、燃料電池1が完成する。

0057

従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。

0058

(1)本実施の形態では、溶接治具装置121において第1治具部材131及び第2治具部材132を交互に装着して溶接工程を2回に分けて行うことにより、閉回路形状の溶接部位に沿ってセパレータ54や燃料極フレーム56などの各板状ワークが溶接される。従って、本実施の形態の溶接治具装置121を用いると、貫通孔40aの形成個数が多くなって複数の溶接部位のレーザー溶接が必要となる場合であっても、従来技術のように治具部材の個数を増やすことなく第1治具部材131及び第2治具部材132を用いてそれら貫通孔40aの周囲に沿って閉回路形状のレーザー溶接を確実に行うことができる。この結果、燃料電池1において各貫通孔40に反応ガスなどを流す場合でも、溶接部位の隙間から反応ガスが漏れることがなく、電池性能を十分に確保することができる。また、本実施の形態では、従来技術のようにネジを用いて内側抑え治具部を固定する必要がない。このため、閉回路形状の溶接部位のサイズが小さくなっても、その溶接部位に沿ってセパレータ54や燃料極フレーム56を正確に溶接することができる。

0059

(2)本実施の形態において、セパレータ54や燃料極フレーム56などの板状ワークに形成されるレーザー溶接痕100,110は、複数本の分割レーザー溶接痕101a〜101d,111a,111bにより構成され、それら分割レーザー溶接痕101a〜101d,111a,111bの端部には、分割レーザー溶接痕同士が所定角度で交差するオーバーラップ領域R1が設けられている。さらに、オーバーラップ領域R1の溶接痕は、閉回路形状に対して外側または内側に曲がっている。この場合、レーザー溶接痕100,110は、貫通孔40aの周囲において確実に閉じた形状となるため、貫通孔40aの周囲における気密性を十分に確保することができ、反応ガスの漏れを回避することができる。

0060

(3)本実施の形態では、被レーザー溶接物となる板状ワークとして、厚さが100μm程度のセパレータ54を含んでいる。このセパレータ54は強度が弱いため、それ自体では平らな平面を保つことが困難である。しかしながら、本実施の形態では、第1治具部材131または第2治具部材132によって溶接部位の内側及び外側を押さえ付けることができるため、セパレータ54が燃料極フレーム56に密着してそれらの溶接部位を確実にレーザー溶接することができる。

0061

(4)本実施の形態の溶接治具装置121では、固定治具部材133に第1治具部材131及び第2治具部材132のうち、いずれかの外周部をクランプするクランプ構造135が設けられている。この場合、クランプ構造135が邪魔になることなく、第1治具部材131や第2治具部材132の開口部141,142を介して溶接部位にレーザーL1を照射することができ、レーザー溶接を確実に行うことができる。また、従来技術のようにネジなどを用いて治具部材の着脱を行う場合にはその着脱作業が煩雑となるが、本実施の形態で、固定治具部材133に対する第1治具部材131及び第2治具部材132の着脱をクランプ構造135を利用することで容易に行うことができる。

0062

(5)本実施の形態の場合、レーザーL1の溶接部位にある分割レーザー溶接痕111a,111bがなだらかな曲線形状となっているので、レーザー溶接をスムーズに行うことができ、溶接部位を均一な強度で接合することができる。
[第2の実施の形態]

0063

次に、本発明を具体化した第2の実施の形態を図面に基づき説明する。図9及び図10には、本実施の形態の溶接治具装置121Aを示している。

0064

図9及び図10に示されるように、本実施の形態では、溶接治具装置121Aの構成が上記第1の実施の形態と異なっている。具体的には、第1の実施の形態の溶接治具装置121では、第1治具部材131と第2治具部材132とを交互に固定治具部材133に装着して、閉回路形状のレーザー溶接を2回に分けて行うものであった。これに対して、本実施の形態の溶接治具装置121Aでは、1つの第1治具部材131Aを用い、その第1治具部材131Aを回転移動させることで閉回路形状のレーザー溶接を2回に分けて行うように構成している。

0065

図4に示されるように、板状ワークとしてのセパレータ54等に形成される貫通孔40aやその周囲のレーザー溶接痕110は、ワーク中心点に対して対称位置に設けられている。このような場合に本実施の形態の溶接治具装置121Aを用いることができる。具体的には、図9及び図10に示されるように、本実施の形態の溶接治具装置121Aは、第1治具部材131Aを180°回転させた状態で固定治具部材133に装着可能に構成されている。溶接治具装置121Aでは、第1治具部材131Aの回転移動によって、第1治具部材131Aに設けられた開口部141Aの配置態様が変更可能であり、移動前後の開口部141Aにより貫通孔40aの周囲において閉回路形状の溶接部位が露呈されるようになっている。

0066

この溶接治具装置121Aを用いる場合、先ず固定治具部材133上において、セパレータ54と燃料極フレーム56とを積層状態で配置し、図9に示されるように、第1治具部材131Aを固定治具部材133にセットする。そして、クランプ構造135によって第1治具部材131Aの外周部をクランプすることで、第1治具部材131Aと固定治具部材133との間にセパレータ54及び燃料極フレーム56を挟み込んだ状態で固定する。その後、レーザー照射装置122を用い、第1治具部材131Aにおける開口部141Aに沿ってセパレータ54の溶接部位にレーザーL1を照射して溶接する(第1の溶接工程)。その後、クランプ構造135によるクランプを一旦解除して、固定治具部材133から第1治具部材131Aを取り外す。そして、図10に示されるように、第1治具部材131Aをセパレータ54に対して直交する回転軸を中心とした180°の回転移動をさせた後、第1治具部材131Aを固定治具部材133に再セットする。そして、クランプ構造135によって第1治具部材131Aの外周部をクランプすることで、第1治具部材131Aを固定する。この後、レーザー照射装置122を用い、第1治具部材131Aにおける開口部141Aに沿ってセパレータ54の溶接部位にレーザーL1を照射して溶接する(第2の溶接工程)。

0067

本実施の形態の溶接治具装置121Aを用いる場合でも、レーザー溶接工程を2回に分けて行うことにより、図4に示されるような閉回路形状のレーザー溶接痕100,110がセパレータ54及び燃料極フレーム56に形成される。従って、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、溶接治具装置121Aでは、第1の実施の形態と比較して、開口部141Aを有する治具部材131Aが1つで済むため、その溶接治具装置121Aの維持管理を容易に行うことができる。
[第3の実施の形態]

0068

次に、本発明を具体化した第3の実施の形態を図面に基づき説明する。図11には、本実施の形態の溶接治具装置121Bを示している。

0069

図11に示されるように、本実施の形態では、溶接治具装置121Bの構成が上記第1の実施の形態と異なっている。溶接治具装置121Bでは、1つの第1治具部材131Bを用い、その第1治具部材131Bを水平移動させることで閉回路形状のレーザー溶接を2回に分けて行うように構成している。

0070

本実施の形態の溶接治具装置121Bは、第1治具部材131Bを水平方向(図11では上下方向)に移動させた状態で固定治具部材133に装着可能に構成されている。溶接治具装置121Bでは、第1治具部材131Bの水平移動によって、第1治具部材131Bに設けられた開口部141,142の配置態様が変更可能であり、移動前後の開口部141,142により貫通孔40aの周囲において閉回路形状の溶接部位が露呈される。具体的には、本実施の形態の第1治具部材131Bは、第1の実施の形態の第1治具部材131及び第2治具部材132を上下方向に繋ぎ合わせて構成された治具部材であり、上側半分の領域に開口部141が形成され、下側半分の領域に開口部142が形成されている。

0071

この溶接治具装置121Bを用いる場合、先ず固定治具部材133上において、セパレータ54と燃料極フレーム56とを積層状態で配置し、さらに第1治具部材131Bを固定治具部材133にセットする。なおここでは、セパレータ54に対応する位置に第1治具部材131Bの上側半分を対向させた状態で第1治具部材131Bをセットする。そして、クランプ構造135によって第1治具部材131Bの外周部をクランプすることで、第1治具部材131Bと固定治具部材133との間にセパレータ54及び燃料極フレーム56を挟み込んだ状態で固定する。その後、レーザー照射装置122を用い、第1治具部材131Bにおける上側の各開口部141に沿ってセパレータ54の溶接部位にレーザーL1を照射して溶接する(第1の溶接工程)。その後、クランプ構造135によるクランプを一旦解除して、固定治具部材133から第1治具部材131Bを取り外す。そして、第1治具部材131Bをセパレータ54の面方向に沿った水平移動をさせた後、第1治具部材131Bを固定治具部材133に再セットする。なおここでは、セパレータ54に対応する位置に第1治具部材131Bの下側半分を対向させた状態で第1治具部材131Bをセットする。そして、クランプ構造135によって第1治具部材131Bの外周部をクランプすることで、第1治具部材131Bを固定する。この後、レーザー照射装置122を用い、第1治具部材131Bにおける下側の開口部142に沿ってセパレータ54の溶接部位にレーザーL1を照射して溶接する(第2の溶接工程)。

0072

本実施の形態の溶接治具装置121Bを用いる場合でも、レーザー溶接工程を2回に分けて行うことにより、図4に示されるようなレーザー溶接痕100,110がセパレータ54及び燃料極フレーム56に形成される。従って、本実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、溶接治具装置121Bでは、第1の実施の形態と比較して、開口部141,142を有する治具部材131Bが1つで済むため、その溶接治具装置121Bの維持管理を容易に行うことができる。

0073

なお、本発明の各実施の形態は以下のように変更してもよい。

0074

・上記各実施の形態において、各貫通孔40aの周囲に形成されるレーザー溶接痕110は、2つの分割レーザー溶接痕111a,111bにより構成され、分割レーザー溶接痕111a,111bの端部は、閉回路形状の外側に曲げられていたが、これに限定されるものではない。例えば、図12に示されるレーザー溶接痕150のように、分割レーザー溶接痕151a,151bの端部においてオーバーラップ領域R1の溶接痕が閉回路形状の内側に曲げられていてもよい。このようにしても、閉回路形状のレーザー溶接痕150を形成することができるため、貫通孔40aの周囲における封止を確実に行うことができる。

0075

また、オーバーラップ領域R1での溶接交点の形態としては、図13図14に示すようなレーザー溶接痕152,154を形成してもよい。図13のレーザー溶接痕152も2つの分割レーザー溶接痕153a,153bにより構成されている。2つの分割レーザー溶接痕153a,153bは、直径が僅かに異なる半円形状の溶接痕であり、端部をオーバーラップさせた状態で円形となるように配置されている。また、直径の小さな分割レーザー溶接痕153a(図13では上側の溶接痕)の端部は、径方向の外側に直角に曲げられており、直径の大きな分割レーザー溶接痕153bの端部に交差している。図14のレーザー溶接痕154も2つの分割レーザー溶接痕155a,155bにより構成されている。2つの分割レーザー溶接痕155a,155bは、直径が同じ半円形状の溶接痕であり、円形となるように配置されている。そして、一方の分割レーザー溶接痕155a(図14では上側の溶接痕)の端部(始点及び終点)は、溶接幅が広くなっており、他方の分割レーザー溶接痕155bの端部と交差している。図13図14のようなレーザー溶接痕152,154を形成しても、貫通孔40aの周囲における封止を確実に行うことができる。

0076

・上記各実施の形態では、セパレータ54及び燃料極フレーム56などの板状ワークに形成される各貫通孔40aは円形状や楕円形状であったが、三角形状や四角形状の多角形状の貫通孔であってもよい。この場合、それら各貫通孔の形状に合わせて、その周囲に形成されるレーザー溶接痕の形状を適宜変更してもよい。また、各貫通孔40aの周囲に形成されるレーザー溶接痕110は、2本の分割レーザー溶接痕111a,111bにより構成されるものであったが、3本以上の複数本の分割レーザー溶接痕により構成されるものでもよい。

0077

・上記各実施の形態では、中央に開口部64,62(貫通孔)を有する略矩形枠状のセパレータ54及び燃料極フレーム56において、外周部に位置する溶接部位に沿ってレーザー溶接するものであったが、これに限定されるものではない。例えば、セパレータ54及び燃料極フレーム56において、外周部に加えて内周部に位置する溶接部位に沿ってレーザー溶接してもよい。

0078

・上記各実施の形態では、セパレータ54及び燃料極フレーム56などの2枚の板状ワークをレーザー溶接するものであったが、3枚以上の板状ワークを同時にレーザー溶接してもよい。

0079

・上記各実施の形態において、固体酸化物形燃料電池(SOFC)を構成する部品(燃料電池関連部品)に本発明を適用するものであったが、他の燃料電池を構成する部品に本発明を適用してもよい。

0080

次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した各実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。

0081

(1)手段1または手段2において、前記貫通孔は、流体を通過させる貫通孔であることを特徴とする燃料電池関連部品の製造方法。

0082

(2)技術的思想(1)において、前記流体は、燃料電池の反応ガスであることを特徴とする燃料電池関連部品の製造方法。

0083

(3)手段1または手段2において、複数枚の前記板状ワークのうちのいずれかは、厚さが500μm以下のセパレータであることを特徴とする燃料電池関連部品の製造方法。

0084

(4)手段1または手段2において、複数枚の前記板状ワークは、中央に貫通孔を有する枠状に形成され、複数枚の前記板状ワークの外周部及び内周部に位置する前記溶接部位に沿って溶接することを特徴とする燃料電池関連部品の製造方法。

0085

(5)手段3において、前記オーバーラップ領域の溶接痕は、前記閉回路形状に対して外側または内側に曲がっていることを特徴とする燃料電池関連部品。

0086

(6)手段4に記載の溶接治具装置を使用して前記板状ワーク同士をレーザー溶接する溶接方法であって、前記第1治具部材と前記固定治具部材との間に前記板状ワークを挟み込んだ状態で固定した後、前記第1治具部材における前記第1開口部に沿って前記溶接部位にレーザーを照射して溶接する第1の溶接工程と、前記第1治具部材に代えて前記第2治具部材を前記固定治具部材に装着した後、前記第2治具部材における前記第2開口部に沿って前記溶接部位にレーザーを照射して溶接する第2の溶接工程とを含むことを特徴とする溶接方法。

0087

(7)手段5に記載の溶接治具装置を使用して前記板状ワーク同士をレーザー溶接する溶接方法であって、前記第1治具部材と前記固定治具部材との間に前記板状ワークを挟み込んだ状態で固定した後、前記第1治具部材における前記開口部に沿って前記溶接部位にレーザーを照射して溶接する第1の溶接工程と、前記第1治具部材を前記板状ワークに対して直交する回転軸を中心とした回転移動または前記板状ワークの面方向に沿った水平移動させた後、前記第1治具部材における前記開口部に沿って前記溶接部位にレーザーを照射して溶接する第2の溶接工程とを含むことを特徴とする溶接方法。

0088

40a…貫通孔
51,60…板状ワークとしてのコネクタプレート
52…板状ワークとしての空気極フレーム
54…板状ワークとしてのセパレータ
56…板状ワークとしての燃料極フレーム
100,110,150,152,154…レーザー溶接痕
101a〜101d,111a,111b,151a,151b,153a,153b,155a,155b…分割レーザー溶接痕
121,121A,121B…溶接治具装置
131,131A,131B…第1治具部材
132…第2治具部材
133…固定治具部材
135…クランプ構造
141…第1開口部
142…第2開口部
141A…開口部
L1…レーザー
R1…オーバーラップ領域

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