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技術 予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物

出願人 コスモ石油株式会社
発明者 田中重行保泉明濱野純也
出願日 2013年3月27日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2013-066382
公開日 2014年10月6日 (5年2ヶ月経過) 公開番号 2014-189641
状態 特許登録済
技術分野 液体炭素質燃料
主要キーワード 含酸素量 エンジンシリンダー内 試験エンジン 真発熱量 芳香族量 磨耗痕径 駆動トルク増 車両燃費
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解決課題

含酸素化合物が配合されている燃料油組成物であって、様々な燃料噴射時期においても十分にスモーク排出量を低減することができる予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物を提供すること。

解決手段

含酸素化合物を含有する予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物であって、燃料セタン価が35〜45の範囲にあり、初留点が20℃以上130℃以下、50容量%留出点が60℃以上180℃以下、終点が200℃以上300℃以下であり、30℃における動粘度が0.6mm2/s以上0.82mm2/s以下であり、25℃における表面張力が20.0mN/m以上23.5mN/m以下であり、該含酸素化合物がアルコール又はモノエーテルであり、該含酸素化合物の含有量が2〜15容量%であること、を特徴とする予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物。

概要

背景

近年、環境問題から自動車から排出される排気ガスの低減やエンジン熱効率の向上が求められている。ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べ熱効率が高く、地球温暖化に関係があるといわれている二酸化炭素(CO2)の排出量が低い特性を有する。しかしながら、通常の拡散燃焼によるディーゼルエンジンでは、部分的に燃料の濃度が濃過ぎる、高温燃焼の領域が形成されるなどの理由により、スモーク酸化窒素(NOx)の排出量が多い。

これを解決するための技術として、予混合圧縮自己着火エンジンが注目されている(例えば、非特許文献1)。このような予混合圧縮自己着火エンジンで行われる予混合圧縮自己着火燃焼は、燃料と空気が希薄予混合された状態で圧縮されることにより、燃料が自己着火燃焼する現象であり、ディーゼルエンジンにおいても、燃料を早期にかつ最適なタイミングで噴射することによって希薄予混合気を形成し、それを圧縮着火させることにより、排気ガス中のNOxやスモークを同時に低減することが可能である。

しかしながら、特に高負荷条件において予混合圧縮着火燃焼を応用すると、混合気形成の悪化や急速な燃焼形態により排気ガスが増加するだけでなく燃焼騒音の増大も発生する場合があり、予混合圧縮自己着火燃焼は比較的負荷の低い領域に限られている。

従って、高負荷領域での運転は、燃料噴射時期を変化させることにより、通常の拡散燃焼を行う運転が必要となるため、予混合圧縮自己着火エンジンにおいても、一般的なディーゼルエンジンの燃料噴射ノズルホールノズル)や燃焼室形状が求められる。

ホールノズルを用いた通常のディーゼルエンジンにおいて、一般的な軽油を用いて早期噴射による予混合圧縮自己着火燃焼により運転を行った場合、従来の一般的な軽油を用いたディーゼル燃焼による運転の場合に比べれば、NOxやスモークの発生が抑制されて、排気ガス中のNOxやスモークが少なくなるものの、NOxやスモークの発生の抑制が満足できるものではない。また、燃料の噴射時期が若干変化するとスモークの増加を招くなど、十分に優れた特性を示す予混合圧縮自己着火燃焼を達成することは困難であった(例えば、非特許文献1参照)。

予混合圧縮自己着火燃焼では、燃料がエンジンシリンダー内に噴射された後、空気と予混合され、燃料の酸化反応が逐次的に進行し着火・燃焼という過程を経るので、燃料と空気の予混合気の形成と着火時期が重要なポイントであって、燃料自体の物理特性化学特性が大きく影響するため、燃料の性状によっては、上記の課題を解決し、通常のホールノズルや燃焼室形状のディーゼルエンジンにおいても予混合圧縮自己着火燃焼を達成できる可能性があり、例えば、特許文献1では、燃料組成物蒸留性状セタン価を制御することにより排気ガスの少ない予混合圧縮自己着火燃焼が可能になる事が示されている。

一方、環境保全の観点から、二酸化炭素排出量抑制のために、エタノールなどのバイオマス由来含酸素基材の導入も検討されている。これらの含酸素基材を燃料に用いた場合、大気中から二酸化炭素を吸収してできた植物を原料としていることから、燃焼させても、大気中への二酸化炭素排出は少ないとみなされている。例えば、特許文献2では燃料組成物に含酸素化合物を配合することにより通常のディーゼル燃焼でスモークが低減することが知られており、燃料中の含酸素量でスモーク低減効果が整理されることが示されている。

概要

含酸素化合物が配合されている燃料油組成物であって、様々な燃料噴射時期においても十分にスモーク排出量を低減することができる予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物を提供すること。含酸素化合物を含有する予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物であって、燃料のセタン価が35〜45の範囲にあり、初留点が20℃以上130℃以下、50容量%留出点が60℃以上180℃以下、終点が200℃以上300℃以下であり、30℃における動粘度が0.6mm2/s以上0.82mm2/s以下であり、25℃における表面張力が20.0mN/m以上23.5mN/m以下であり、該含酸素化合物がアルコール又はモノエーテルであり、該含酸素化合物の含有量が2〜15容量%であること、を特徴とする予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物。なし

目的

本発明の目的は、含酸素化合物が配合されている燃料油組成物であって、様々な燃料噴射時期においても十分にスモーク排出量を低減することができる予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
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牽制数
0件

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請求項1

含酸素化合物を含有する予混合圧縮自己着火エンジン燃料油組成物であって、燃料セタン価が35〜45の範囲にあり、初留点が20℃以上130℃以下、50容量%留出点が60℃以上180℃以下、終点が200℃以上300℃以下であり、30℃における動粘度が0.6mm2/s以上0.82mm2/s以下であり、25℃における表面張力が20.0mN/m以上23.5mN/m以下であり、該含酸素化合物がアルコール又はモノエーテルであり、該含酸素化合物の含有量が2〜15容量%であること、を特徴とする予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物。

請求項2

前記含酸素化合物の炭素数が1〜6であることを特徴とする請求項1記載の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物。

技術分野

0001

本発明は、自動車エンジン用などの燃料油組成物に関し、更に詳しくは、スモーク排出量を低減できる予混合圧縮自己着火燃焼を達成することが出来る燃料油組成物に関する。

背景技術

0002

近年、環境問題から自動車から排出される排気ガスの低減やエンジン熱効率の向上が求められている。ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンに比べ熱効率が高く、地球温暖化に関係があるといわれている二酸化炭素(CO2)の排出量が低い特性を有する。しかしながら、通常の拡散燃焼によるディーゼルエンジンでは、部分的に燃料の濃度が濃過ぎる、高温燃焼の領域が形成されるなどの理由により、スモーク酸化窒素(NOx)の排出量が多い。

0003

これを解決するための技術として、予混合圧縮自己着火エンジンが注目されている(例えば、非特許文献1)。このような予混合圧縮自己着火エンジンで行われる予混合圧縮自己着火燃焼は、燃料と空気が希薄予混合された状態で圧縮されることにより、燃料が自己着火燃焼する現象であり、ディーゼルエンジンにおいても、燃料を早期にかつ最適なタイミングで噴射することによって希薄予混合気を形成し、それを圧縮着火させることにより、排気ガス中のNOxやスモークを同時に低減することが可能である。

0004

しかしながら、特に高負荷条件において予混合圧縮着火燃焼を応用すると、混合気形成の悪化や急速な燃焼形態により排気ガスが増加するだけでなく燃焼騒音の増大も発生する場合があり、予混合圧縮自己着火燃焼は比較的負荷の低い領域に限られている。

0005

従って、高負荷領域での運転は、燃料噴射時期を変化させることにより、通常の拡散燃焼を行う運転が必要となるため、予混合圧縮自己着火エンジンにおいても、一般的なディーゼルエンジンの燃料噴射ノズルホールノズル)や燃焼室形状が求められる。

0006

ホールノズルを用いた通常のディーゼルエンジンにおいて、一般的な軽油を用いて早期噴射による予混合圧縮自己着火燃焼により運転を行った場合、従来の一般的な軽油を用いたディーゼル燃焼による運転の場合に比べれば、NOxやスモークの発生が抑制されて、排気ガス中のNOxやスモークが少なくなるものの、NOxやスモークの発生の抑制が満足できるものではない。また、燃料の噴射時期が若干変化するとスモークの増加を招くなど、十分に優れた特性を示す予混合圧縮自己着火燃焼を達成することは困難であった(例えば、非特許文献1参照)。

0007

予混合圧縮自己着火燃焼では、燃料がエンジンシリンダー内に噴射された後、空気と予混合され、燃料の酸化反応が逐次的に進行し着火・燃焼という過程を経るので、燃料と空気の予混合気の形成と着火時期が重要なポイントであって、燃料自体の物理特性化学特性が大きく影響するため、燃料の性状によっては、上記の課題を解決し、通常のホールノズルや燃焼室形状のディーゼルエンジンにおいても予混合圧縮自己着火燃焼を達成できる可能性があり、例えば、特許文献1では、燃料組成物蒸留性状セタン価を制御することにより排気ガスの少ない予混合圧縮自己着火燃焼が可能になる事が示されている。

0008

一方、環境保全の観点から、二酸化炭素排出量抑制のために、エタノールなどのバイオマス由来含酸素基材の導入も検討されている。これらの含酸素基材を燃料に用いた場合、大気中から二酸化炭素を吸収してできた植物を原料としていることから、燃焼させても、大気中への二酸化炭素排出は少ないとみなされている。例えば、特許文献2では燃料組成物に含酸素化合物を配合することにより通常のディーゼル燃焼でスモークが低減することが知られており、燃料中の含酸素量でスモーク低減効果が整理されることが示されている。

0009

特開2008−88385号公報
特表2005−520033号公報

先行技術

0010

Rudolf H. Stanglemaier and Charles E. Roberts, SAEPaper NO.1999−01−3682

発明が解決しようとする課題

0011

しかしながら、含酸素基材を配合した燃料を予混合圧縮自己着火燃焼に適用した例は少なく、スモーク排出量へ与える影響は不明である。

0012

従って、本発明の目的は、含酸素化合物が配合されている燃料油組成物であって、様々な燃料噴射時期においても十分にスモーク排出量を低減することができる予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物を提供することにある。

課題を解決するための手段

0013

本発明は上記目的を達成するために、以下に示す予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物を提供するものである。
すなわち、本発明は、含酸素化合物を含有する予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物であって、
燃料のセタン価が35〜45の範囲にあり、初留点が20℃以上130℃以下、50容量%留出点が60℃以上180℃以下、終点が200℃以上300℃以下であり、30℃における動粘度が0.6mm2/s以上0.82mm2/s以下であり、25℃における表面張力が20.0mN/m以上23.5mN/m以下であり、
該含酸素化合物がアルコール又はモノエーテルであり、該含酸素化合物の含有量が2〜15容量%であること、
を特徴とする予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物を提供するものである。

発明の効果

0014

本発明によれば、含酸素化合物が配合されている燃料油組成物であって、様々な燃料噴射時期においても十分にスモーク排出量を低減することができる予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物を提供することができる。このような本発明の燃料油組成物の上記優れた作用効果は、本発明に規定する燃料油組成物の諸性状に関する要件と、調製に用いる調合基材に関する要件とが相俟って達せられるものと考えられ、これらの要件のいずれが欠けても本発明の燃料油組成物の上記優れた作用効果は達せられない。

0015

本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物は、含酸素化合物を含有する予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物であって、
燃料のセタン価が35〜45の範囲にあり、初留点が20℃以上130℃以下、50容量%留出点が60℃以上180℃以下、終点が200℃以上300℃以下であり、30℃における動粘度が0.6mm2/s以上0.82mm2/s以下であり、25℃における表面張力が20.0mN/m以上23.5mN/m以下であり、
該含酸素化合物がアルコール又はモノエーテルであり、該含酸素化合物の含有量が2〜15容量%であること、
を特徴とする予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物である。

0016

本発明における予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物の30℃における動粘度は、0.6mm2/s以上0.82mm2/s以下、好ましくは0.615mm2/s以上0.82mm2/s以下、さらに好ましくは0.62mm2/s以上0.82mm2/s以下である。30℃における動粘度が上記範囲内にあることにより、適切な燃料噴霧が達成され、燃料空気予混合気の形成が容易になり、HCやCOなどの不完全燃焼生成物を抑制することが出来る。なお、動粘度はJIS K 2283「原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法」に準じて測定した値を意味する。

0017

本発明における予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物の25℃における表面張力は、20mN/m以上23.5mNm以下、好ましくは20.5mN/m以上23mN/m以下、さらに好ましくは21mN/m以上22.5mN/m以下である。25℃における表面張力が上記範囲内であることにより、適切な燃料噴霧が達成され、燃料空気予混合気の生成が容易になり、HCやCOなどの不完全燃焼生成物を抑制することが出来る。なお、表面張力は、JIS K 2241「切削油剤−表面張力試験方法」に準じて測定した値を意味する。

0018

本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物の初留点(IBP)は、20〜130℃、好ましくは30〜120℃、さらに好ましくは40〜110℃である。
本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物の10容量%留出温度(T10)は、40〜150℃、好ましくは50〜140℃、さらに好ましくは60〜130℃である。
本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物の50容量%留出温度(T50)は、60〜180℃、好ましくは70〜170℃、さらに好ましくは80〜160℃である。
本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物の90容量%留出温度(T90)は、160〜250℃、好ましくは170〜240℃、さらに好ましくは180〜230℃である。
本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物の終点(EP)は、200〜300℃、好ましくは210〜290℃、さらに好ましくは220〜280℃である。

0019

本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物において、IBP、T10、T50、T90及びEPが上記範囲内であることにより、運転性や加速性といった自動車用内燃機関としての特性を発揮できる。なお、IBP、T10、T50、T90及びEPは、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」に準じて測定した値を意味する。

0020

本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物のセタン価は、35以上45以下、好ましくは36以上43以下、さらに好ましくは38以上40以下である。予混合圧縮自己着火を行う場合において、セタン価が35以上であることにより、HCの排出量を減少する事が出来る。また、セタン価が45以下であることにより、予混合圧縮自己着火燃焼をより高負荷で達成しようとする場合、急激な熱発生を伴う場合が少なくなる事から、燃焼騒音を低く保つ事が出来る。なお、セタン価は、JIS K 2280「石油製品−燃料油オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」に準じて測定した値を意味する。

0021

本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物中の硫黄分は、好ましくは10質量ppm以下、特に好ましく9質量ppm以下、さらに好ましくは8質量ppm以下である。硫黄分が10質量ppm以下であることにより、排気ガス浄化触媒能力低下を防止し、排気ガス中のNOx、CO、HCの濃度上昇を防止できる。なお、硫黄分は、JIS K 2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」に準じて測定した値を意味する。

0022

本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物の真発熱量は、9500kcal/kg以上、好ましくは9600kacl/kg以上、さらに好ましくは9700kcal/kg以上である。真発熱量が9500kcal/kg以上であれば、車両燃費の低下を抑制できる。なお、真発熱量は、JIS K 2279「原油及び石油製品−発熱量試験方法及び計算による推定方法」に準じて測定した値を意味する。

0023

本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物中の芳香族分は、35容量%以下、好ましくは30容量%以下、さらに好ましくは28容量%以下である。燃料油組成物中の芳香族分が35容量%以下であることにより、完全燃焼性が向上する事から、予混合圧縮自己着火燃焼時にスモークの排出を低減できる。

0024

本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物中のオレフィン分は、10容量%以下、好ましくは8容量%以下、さらに好ましくは5容量%以下である。燃料油組成物中のオレフィン分が10容量%以下であることにより、予混合圧縮自己着火燃焼時にスモークの排出を低減出来、また、燃料の貯蔵安定性が悪化しない。

0025

上記燃料油組成物の芳香族分、オレフィン分の含有量は、JIS K 2536−2 「石油製品−成分試験方法−ガスクロによる全成分試験方法」に準じて測定した値を意味する。留分別芳香族量オレフィン量については、基材の芳香族量、オレフィン量の配合処方から算出してもよいし、燃料油組成物を蒸留により分留し、それぞれを上記の方法で測定して求めてもよい。

0026

本発明における予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物のHFRR磨耗痕径WS1.4は、400μm以下、好ましくは390μm以下、さらに好ましくは380μm以下となる潤滑性能を有することが好ましい。HFRRの磨耗痕径WS1.4が400μmを超えると、特に分配型噴射ポンプを搭載したディーゼルエンジンにおいて、運転中のポンプ駆動トルク増、ポンプ各部の磨耗増を引き起こし、排気ガス性能微小粒子性能の悪化のみならず、エンジン自体破壊される恐れもあり、また、高圧噴射が可能な電子制御式燃料噴射ポンプにおいても、摺動面等の磨耗が懸念される。なお、本発明でいうHFRR摩耗痕径(WS1.4)とは、社団法人石油学会から発行されている石油学会規格JPI−5S−50−98「軽油−潤滑性試験方法」により測定される値を意味する。

0027

本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物は、含酸素化合物を含有する。本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物に含有される含酸素化合物は、アルコール又はモノエーテルであり、好ましくは軽質の含酸素化合物である。本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物に含有される含酸素化合物は、アルコール及びモノエーテルのいずれか一方であっても、アルコール及びモノエーテルの組み合わせであってもよい。本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物に含有される含酸素化合物としては、例えば、エタノール、エチルターシャリーブチルエーテルETBE)、ターシャリーブタノール(TBA)、メタノールプロパノールイソプロパノールブタノールイソブチルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノールメチルターシャリーブチルエーテルMTBE)、ジメチルエーテルエチルメチルエーテルジエチルエーテル等が挙げられ、これらのうち、エタノール、エチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)が好ましい。本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物に含有される含酸素化合物は、1種単独であっても2種以上の組み合わせであってもよい。

0028

本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物に含有される含酸素化合物の炭素数は、好ましくは1〜6、特に好ましくは2〜6である。そして、含酸素化合物がアルコールの場合、含酸素化合物としては、炭素数が2〜6のアルコールが好ましく、炭素数2〜4のアルコールが特に好ましい。また、含酸素化合物がモノエーテルの場合、含酸素化合物としては、炭素数が2〜6のモノエーテルが好ましく、炭素数3〜6のモノエーテルが特に好ましい。

0029

本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物に含有される含酸素化合物の分子量は、好ましくは32〜102であり、特に好ましくは46〜102である。含酸素化合物の分子量が上記範囲内にある事により、スモーク排出量の低減を達成することができる。

0030

本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物の含酸素化合物の含有量は、2〜15容量%、好ましくは3〜13容量%、さらに好ましくは5〜12容量%である。含酸素化合物の含有量が上記範囲にあることにより、スモーク排出量の低減を達成することが出来る。なお、本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物が、複数種の含酸素化合物を含有する場合、含酸素化合物の含有量とは、それら複数種の含酸素化合物の合計の含有量を指す。

0031

本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物が、含酸素化合物として、ETBEを含有する場合、含酸素化合物全体に占めるETBEの割合((ETBE/含酸素化合物の合計)×100)は、好ましくは80容量%以上、さらに好ましくは85容量%以上である。
また、本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物が、含酸素化合物として、エタノールを含有する場合、含酸素化合物全体に占めるエタノールの割合((エタノール/含酸素化合物の合計)×100)は、好ましくは90容量%以上、さらに好ましくは95容量%以上である。
また、本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物が、含酸素化合物として、ETBE及びエタノールを含有する場合、含酸素化合物に占めるETBEの割合((ETBE/含酸素化合物の合計)×100)は、好ましくは80容量%以上、さらに好ましくは85容量%以上であり、含酸素化合物に占めるエタノールの割合((エタノール/含酸素化合物の合計)×100)は、好ましくは15容量%以下、さらに好ましくは10容量%以下である。
また、本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物が、含酸素化合物として、ETBE、エタノール及びTBAを含有する場合、含酸素化合物に占めるETBEの割合((ETBE/含酸素化合物の合計)×100)は、好ましくは80容量%以上、さらに好ましくは85容量%以上であり、含酸素化合物に占めるエタノールの割合((エタノール/含酸素化合物の合計)×100)は、好ましくは15容量%以下、さらに好ましくは10容量%以下であり、含酸素化合物に占めるTBAの割合((TBA/含酸素化合物の合計)×100)は、好ましくは1容量%以下、さらに好ましくは0.8容量%以下である。
ETBE、エタノール又はTBAの割合が上記範囲内であることにより、スモーク排出量の低減効果が高くなる。

0032

本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物に用いられるETBEは、製造方法は特に限定されるものではなく、一般的に製造されるものが使用可能であるが、ETBEと同時に得られる未反応のエタノールと副生成物であるTBAの含有量を確認し、上記で規定する範囲に治まるよう原料組成反応条件を調整することで得ることが出来る。

0033

本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物の15℃密度は、0.683〜0.783g/cm3、好ましくは0.690〜0.778g/cm3、さらに好ましくは0.695〜0.773g/cm3である。密度が上記範囲内にあることにより、車両燃費の低下やHCやCOの排出を抑制できる。なお、密度は、JIS K 2249「原油及び石油製品−密度試験方法及び密度・質量・容量換算表」に準じて測定した値を意味する。

0034

本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物は、基材として、原油を常圧蒸留して得られるナフサ留分、ナフサ留分を脱硫して得られる脱硫ナフサ、脱硫ナフサを接触改質して得られる改質ガソリン、改質ガソリンからベンゼンを取り除いた脱ベンゼン改質ガソリン、原油を常圧蒸留して得られる灯軽油留分、灯軽油留分を脱硫して得られる脱硫灯軽油、重質油接触分解水素化分解又は熱分解して得られるガソリン又は灯軽油留分、オレフィンイソブタンから生成されるアルキレート、ナフサ留分を接触処理異性化したアイソメレート、炭素数4又は5の炭化水素等を用い、これらの基材と含酸素化合物を適宜配合することにより、調製される。また、本発明の予混合圧縮自己着火燃焼用燃料油組成物において、基材としては、フィッシャートロプシュ合成によるパラフィン系炭化水素、種々の炭素数を有するパラフィン系溶剤ナフテン系溶剤芳香族系溶剤等も用いられる。

0035

本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物は、上記のように各種の基材を適宜配合する際、燃料油組成物としての性状が本発明で規定する範囲に含まれるように調製することも可能である。

0036

本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物は、必要に応じて、各種添加剤を含有することが出来る。この添加剤としては、チオアミド化合物等の金属不活性剤有機リン系化合物等の表面着火防止剤コハク酸イミドポリアルキルアミンポリエーテルアミンポリイソブテンアミン等の清浄分散剤多価アルコール及びそのエーテル等の氷結防止剤有機酸アルカリ金属アルカリ土類金属塩高級アルコール硫酸エステル等の助燃剤アニオン系界面活性剤カチオン系界面活性剤良性界面活性剤等の帯電防止剤アルケニルコハク酸エステル等の錆止め剤アゾ染料等の着色剤等、公知の燃料添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、1種単独であっても2種以上の組み合わせであってもよい。本発明の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物中のこれら添加剤の含有量は任意であるが、通常、添加剤の合計含有量は、0.1質量%以下であることが好ましい。

0037

以下に本発明の内容を実施例及び比較例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。

0038

実施例1〜8、参考例1、比較例1〜3の燃料油組成物の調製に用いた含酸素基材に占める各含酸素化合物の割合を表1に、各基材の配合割合を表2に、重質接触改質ガソリンの性状を表3に示す。

0039

0040

表中、ETBEはエチルターシャリーブチルエーテル、EtOHはエタノール、TBAはターシャリーブタノール、Diglymeはジエチレングリコールジメチルエーテルである。

0041

0042

0043

0044

試験に用いたエンジン)
評価試験エンジンとして、直列気筒排気量2.2L、コモンレール方式燃料噴射装置及びインタークーラー付のターボ給機、クールド排気ガス再循環装置が搭載されているディーゼルエンジンを使用した。本試験エンジンの主要緒言を表4に示す。本試験エンジンにおいて、圧縮比を15.8とし、燃料の噴射時期を、通常のディーゼル燃焼の場合に比べ早期に設定することにより、予混合圧縮自己着火燃焼を可能にしている。

0045

0046

(スモーク排出量試験)
本試験エンジンを用いて、エンジン回転数:2000rpm、燃料噴射圧力:50MPa、噴射時期:上死点30℃前、噴射量:16mm3/stの条件で試験を実施し、予混合圧縮着火燃焼時のスモーク排出量[FSN](FSN:Filter Smoke Number)を測定した。

0047

0048

0049

実施例

0050

表6から明らかなように、特定の含酸素化合物を特定量含有している本発明の実施例の予混合圧縮自己着火エンジン用燃料油組成物は、各噴射時期に生成するスモーク排出量が少ないことがわかる。一方、比較例1では含酸素化合物としてトリエーテルであるジグリムを用いているためスモーク排出量が多くなっている。比較例2では含酸素基材の配合量が規定を外れるため潤滑性能が劣る。比較例3も同様に含酸素基材の配合量が規定を外れるため燃料油組成物として表面張力の規定が外れる。

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