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※この項目の情報は公開日時点(2014年10月6日)のものです。
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課題
解決手段
概要
背景
はんだ組成物(ソルダペースト)は、はんだ粉末にフラックス組成物(ロジン系樹脂、活性剤および溶剤など)を混練してペースト状にした混合物である。このはんだ組成物においては、印刷性やはんだ溶融性とともに、はんだが塗れ広がりやすいという性質(はんだ塗れ広がり)が要求されている。そこで、フラックス組成物中の活性剤として、はんだ塗れ広がりやはんだ溶融性に優れたハロゲン系活性剤を含有するはんだ組成物が用いられている。このハロゲン系活性剤としては、種々の成分が検討されており、例えば、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子を含有するハロゲン化アンモニウム化合物が提案されている(例えば、特許文献1)。また、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子を含有するハロゲン化有機酸が提案されている(例えば、特許文献2)。
概要
はんだ組成物としたときに、はんだ塗れ広がりおよびはんだ溶融性が優れ、かつはんだ付け後の銅箔の変色を防止できるフラックスを提供すること。本発明のフラックス組成物は、樹脂および活性剤を含有するフラックス組成物であって、前記活性剤が、ヨウ素系カルボキシル化合物を含有することを特徴とするものである。なし
目的
本発明は、はんだ組成物としたときに、はんだ塗れ広がりおよびはんだ溶融性が優れ、かつはんだ付け後の銅箔の変色を防止できるフラックス組成物、およびこれを用いたはんだ組成物を提供する
効果
実績
- 技術文献被引用数
- 1件
- 牽制数
- 1件
この技術が所属する分野
技術分野
背景技術
0002
はんだ組成物(ソルダペースト)は、はんだ粉末にフラックス組成物(ロジン系樹脂、活性剤および溶剤など)を混練してペースト状にした混合物である。このはんだ組成物においては、印刷性やはんだ溶融性とともに、はんだが塗れ広がりやすいという性質(はんだ塗れ広がり)が要求されている。そこで、フラックス組成物中の活性剤として、はんだ塗れ広がりやはんだ溶融性に優れたハロゲン系活性剤を含有するはんだ組成物が用いられている。このハロゲン系活性剤としては、種々の成分が検討されており、例えば、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子を含有するハロゲン化アンモニウム化合物が提案されている(例えば、特許文献1)。また、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子を含有するハロゲン化有機酸が提案されている(例えば、特許文献2)。
先行技術
0003
特開平3−180296号公報
特開平8−1337号公報
発明が解決しようとする課題
0004
しかしながら、前記特許文献1および2に記載のはんだ組成物を用いてはんだ付けした場合には、はんだ付け後の銅箔のうち、はんだの周囲やフラックス残さのある部分が緑や黒などに変色するという問題があることが分かった。また、前記特許文献1および2に記載のはんだ組成物は、はんだ溶融性の点でも未だ必ずしも十分ではなかった。
0005
そこで、本発明は、はんだ組成物としたときに、はんだ塗れ広がりおよびはんだ溶融性が優れ、かつはんだ付け後の銅箔の変色を防止できるフラックス組成物、およびこれを用いたはんだ組成物を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
0006
前記課題を解決すべく、本発明は、以下のようなフラックス組成物およびはんだ組成物を提供するものである。
すなわち、本発明のフラックス組成物は、樹脂および活性剤を含有するフラックス組成物であって、前記活性剤が、ヨウ素系カルボキシル化合物を含有することを特徴とするものである。
0007
本発明のフラックス組成物においては、前記ヨウ素系カルボキシル化合物が、安息香酸のオルト位、メタ位およびパラ位のうちの少なくともいずれかがヨウ素で置換されている化合物であることが好ましい。
本発明のフラックス組成物においては、臭素系化合物および塩素系化合物を含有しないことが好ましい。
0008
本発明のはんだ組成物は、前記フラックス組成物と、はんだ粉末とを含有することを特徴とするものである。
本発明のはんだ組成物においては、前記はんだ粉末が、スズ、銅、亜鉛、銀、アンチモン、鉛、インジウム、ビスマス、ニッケル、金およびゲルマニウムからなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
発明の効果
0009
本発明によれば、はんだ組成物としたときに、はんだ塗れ広がりおよびはんだ溶融性が優れ、かつはんだ付け後の銅箔の変色を防止できるフラックス組成物、およびこれを用いたはんだ組成物を提供できる。
0010
[フラックス組成物]
まず、本発明のフラックス組成物について説明する。本発明のフラックス組成物は、以下説明する樹脂および活性剤を含有するものである。また、このフラックス組成物は、必要に応じて、前記成分の他に、溶剤およびチクソ剤や、その他の添加剤をさらに含有してもよい。
0011
本発明に用いる樹脂としては、ロジン系樹脂が挙げられるが、アクリル系樹脂などの他の樹脂を用いてもよい。このロジン系樹脂としては、天然ロジン(未変性ロジン)および変性ロジンが挙げられる。天然ロジンとしては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなどが挙げられる。変性ロジンとしては、重合ロジン、水素添加ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂などが挙げられる。これらのロジン系樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
0012
前記ロジン系樹脂の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、35質量%以上60質量%以下であることが好ましい。配合量が前記下限未満では、いわゆるはんだ付け性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、フラックス残さ量が多くなる傾向にある。
0013
本発明に用いる活性剤は、少なくともヨウ素系カルボキシル化合物を含有することが必要である。このヨウ素系カルボキシル化合物とは、1分子内に1つ以上のカルボキシル基と、置換基を有していてもよい炭化水素基とを有し、前記炭化水素基の水素原子のうちの1つ以上はヨウ素に置換されている化合物のことをいう。前記炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基およびアリール基が挙げられる。前記炭化水素基の炭素数は、特に限定されないが、2〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。また、前記炭化水素基におけるヨウ素に置換されている水素原子の数は、1つ以上であればよく特に限定されないが、1つ以上3つ以下であることが好ましい。前記炭化水素基におけるヨウ素以外の置換基としては、アミノ基、ヒドロキシ基などが挙げられる。また、前記ヨウ素系カルボキシル化合物は、はんだ塗れ広がりおよびはんだボールの観点から、安息香酸のオルト位、メタ位およびパラ位のうちの少なくともいずれかがヨウ素で置換されている化合物であることがより好ましい。
また、本発明では、活性剤として臭素系化合物および塩素系化合物を含有しないことが好ましい。このように、はんだ付け後の銅箔の変色の一つの原因と推定される臭素系化合物および塩素系化合物を含有しないことで、はんだ付け後の銅箔の変色をより確実に防止できる。
0014
前記ヨウ素系カルボキシル化合物としては、モノヨードカルボキシル化合物(2−ヨード安息香酸、3−ヨード安息香酸、4−ヨード安息香酸、3−ヨードサリチル酸、4−ヨードサリチル酸、5−ヨードサリチル酸、6−ヨードサリチル酸、3−ヨードアントラニル酸、4−ヨードアントラニル酸、5−ヨードアントラニル酸、6−ヨードアントラニル酸、2−ヨードプロピオン酸など)、ジヨードカルボキシル化合物(2,3−ジヨード安息香酸、2,4−ジヨード安息香酸、2,5−ジヨード安息香酸、2,6−ジヨード安息香酸、3,4−ジヨード安息香酸、3,5−ジヨード安息香酸、3,4−ジヨードサリチル酸、3,5−ジヨードサリチル酸、3,6−ジヨードサリチル酸、4,5−ジヨードサリチル酸、4,6−ジヨードサリチル酸、5,6−ジヨードサリチル酸、3,4−ジヨードアントラニル酸、3,5−ジヨードアントラニル酸、3,6−ジヨードアントラニル酸、4,5−ジヨードアントラニル酸、4,6−ジヨードアントラニル酸、5,6−ジヨードアントラニル酸など)、トリヨードカルボキシル化合物(2,3,4−トリヨード安息香酸、2,3,5−トリヨード安息香酸、2,3,6−トリヨード安息香酸、2,4,6−トリヨード安息香酸、3,4,5−トリヨード安息香酸、3,4,6−トリヨード安息香酸、3,4,5−トリヨードサリチル酸、3,4,6−トリヨードサリチル酸、3,5,6−トリヨードサリチル酸、4,5,6−トリヨードサリチル酸、3,4,5−トリヨードアントラニル酸、3,4,6−トリヨードアントラニル酸、3,5,6−トリヨードアントラニル酸、4,5,6−トリヨードアントラニル酸など)などが挙げられる。これらの中でも、はんだ塗れ広がり、はんだボールおよびはんだ溶融性のバランスの観点から、2−ヨード安息香酸、4−ヨードサリチル酸、4−ヨードアントラニル酸、2,4−ジヨード安息香酸、2,5−ジヨード安息香酸、3,4−ジヨード安息香酸、3,5−ジヨード安息香酸、3,5−ジヨードサリチル酸、4,5−ジヨードサリチル酸、4,6−ジヨードサリチル酸、3,5−ジヨードアントラニル酸、4,5−ジヨードアントラニル酸、4,6−ジヨードアントラニル酸、2,3,4−トリヨード安息香酸、2,4,6−トリヨード安息香酸、3,4,5−トリヨード安息香酸が好ましく、2−ヨード安息香酸がより好ましい。
前記ヨウ素系カルボキシル化合物の配合量としては、フラックス組成物100質量%に対して、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、0.2質量%以上1質量%以下であることが特に好ましい。配合量が前記下限未満では、はんだ塗れ広がりが不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、絶縁性が低下する傾向にある。
0015
本発明に用いる活性剤としては、前記ヨウ素系カルボキシル化合物の他に、有機酸、アミン系活性剤などを用いてもよい。これらの活性剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記有機酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸などの他に、その他の有機酸が挙げられる。
モノカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチリック酸、バレリック酸、カプロン酸、エナント酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、グリコール酸などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、ジグリコール酸などが挙げられる。
その他の有機酸としては、ダイマー酸、レブリン酸、乳酸、アクリル酸、安息香酸、サリチル酸、アニス酸、クエン酸、ピコリン酸などが挙げられる。
これらの有機酸の中でも、はんだ塗れ広がり、はんだボールおよびはんだ溶融性のバランスの観点から、ジグリコール酸、グルタル酸、アジピン酸、ドデカン二酸などのジカルボン酸が好ましく、ジグリコール酸、グルタル酸、アジピン酸がより好ましい。
0016
前記アミン系活性剤としては、アミン類(エチレンジアミンなどのポリアミンなど)、アミン塩類(トリメチロールアミン、シクロヘキシルアミン、ジエチルアミンなどのアミンやアミノアルコールなどの有機酸塩や無機酸塩(塩酸、硫酸、臭化水素酸など))、アミノ酸類(グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、バリンなど)、アミド系化合物などが挙げられる。
0017
前記活性剤の合計の配合量は、フラックス100質量%に対して、0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、2質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。配合量が前記下限未満では、はんだボールが生じやすくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、絶縁性が低下する傾向にある。
0018
本発明に用いる溶剤としては、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ヘキシルジグリコール、1,5−ペンタンジオール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、2−エチルヘキシルジグリコール、オクタンジオール、フェニルグリコールが挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
0019
前記溶剤の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、25質量%以上60質量%以下であることが好ましい。配合量が前記範囲内であれば、得られるはんだ組成物の粘度を適正な範囲に適宜調整できる。
0020
本発明に用いるチクソ剤としては、硬化ひまし油、アミド類、カオリン、コロイダルシリカ、有機ベントナイト、ガラスフリットなどが挙げられる。これらのチクソ剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
0021
前記チクソ剤の配合量は、前記フラックス100質量%に対して、1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。配合量が前記下限未満では、チクソ性が得られず、ダレが生じやすくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、チクソ性が高すぎて、塗布不良となりやすい傾向にある。
0022
本発明に用いる添加剤としては、酸化防止剤、消泡剤、防錆剤(含窒素化合物)、界面活性剤、レベリング剤などが挙げられる。これらの添加剤の配合量は、フラックス100質量%に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
0023
[はんだ組成物]
次に、本発明のはんだ組成物について説明する。本発明のはんだ組成物は、前記本発明のフラックス組成物と、以下説明するはんだ粉末とを含有するものである。
0024
本発明に用いるはんだ粉末は、スズ(Sn)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、アンチモン(Sb)、鉛(Pb)、インジウム(In)、ビスマス(Bi)、ニッケル(Ni)、金(Au)およびゲルマニウム(Ge)からなる群から選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。また、このはんだ粉末は、無鉛のはんだ粉末のみからなることが好ましいが、有鉛のはんだ粉末であってもよい。
無鉛のはんだ粉末の合金組成としては、具体的には、Sn/Ag、Sn/Ag/Cu、Sn/Cu、Sn/Ag/Bi、Sn/Bi、Sn/Ag/Cu/Bi、Sn/Sb、Sn/Zn/Bi、Sn/Znなどが挙げられる。
0025
前記はんだ粉末の平均粒子径は、1μm以上40μm以下であることが好ましく、10μm以上35μm以下であることがより好ましく、15μm以上25μm以下であることが特に好ましい。平均粒子径が上記範囲内であれば、はんだ付けランドのピッチの狭くなってきている最近のプリント配線基板にも対応できる。なお、平均粒子径は、動的光散乱式の粒子径測定装置により測定できる。
0026
前記はんだ粉末の配合量は、はんだ組成物100質量%に対して、80質量%以上92質量%以下であることが好ましく、85質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。はんだ粉末の含有量が前記下限未満の場合には、得られるはんだ組成物を用いた場合に、十分なはんだ接合を形成できにくくなる傾向にある。他方、はんだ粉末の含有量が92質量%を超える場合には、バインダーとしてのフラックス組成物が足りないため、フラックスとはんだ粉末とを混合しにくくなる傾向にある。
0027
以上説明したはんだ組成物を用いて、電子部品をプリント配線基板に実装することができる。
ここで用いる塗布装置としては、メタルマスク印刷機、スクリーン印刷機、ディスペンサー、ジェットディスペンサーなどが挙げられる。
はんだ付け方法としては、リフロー炉による方法以外に、レーザー光源を用いる方法を採用してもよい。
0028
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例および比較例にて用いた材料を以下に示す。
(樹脂)
ロジン系樹脂A:水添アクリル酸変性ロジン、商品名「KE−604」、荒川化学工業社製
ロジン系樹脂B:ロジンエステル、商品名「ハリタックF−85」、ハリマ化成社製
(活性剤)
有機酸A:マロン酸
有機酸B:アジピン酸
有機酸C:グルタル酸
有機酸D:ドデカン二酸
ヨウ素系カルボキシル化合物A:2−ヨード安息香酸
ヨウ素系カルボキシル化合物B:3−ヨード安息香酸
ヨウ素系カルボキシル化合物C:2−ヨードプロピオン酸
ヨウ素系カルボキシル化合物D:5−ヨードサリチル酸
ヨウ素系カルボキシル化合物E:5−ヨードアントラニル酸
臭素系活性剤A:ジブロモブテンジオール
臭素系活性剤B:2−ブロモ安息香酸
臭素系活性剤C:2,3−ジブロモプロピオン酸
臭素系活性剤D:2,3−ジブロモコハク酸
塩素系活性剤A:2−クロロ安息香酸
塩素系活性剤B:3−クロロプロピオン酸
(他の成分)
酸化防止剤:ヒンダートフェノール、商品名「イルガノックス245」、チバ・ジャパン社製
チクソ剤A:商品名「スリパックスZHH」、日本化成社製
チクソ剤B:水添ヒマシ油、商品名「ヒマ硬」、KFトレーディング社製
含窒素化合物:ベンゾイミダゾール
溶剤:ヘキシルジグリコール
はんだ粉末:粒子径20〜36μm、はんだ融点220℃、はんだ組成Sn/Ag/Cu
0029
[実施例1]
ロジン系樹脂A43質量%、ロジン系樹脂B6質量%、有機酸A3.5質量%、ヨウ素系カルボキシル化合物A0.2質量%、酸化防止剤2質量%、チクソ剤A4質量%、チクソ剤B4質量%、含窒素化合物0.3質量%、および溶剤37質量%をそれぞれ容器に投入し、らいかい機を用いて混合してフラックスを得た。
その後、得られたフラックス組成物11質量%、およびはんだ粉末89質量%を容器に投入し、混練機にて2時間混合することで、下記表1に示す組成を有するはんだ組成物を調製した。
0030
[実施例2〜11]
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、フラックス組成物およびはんだ組成物を得た。
[比較例1〜12]
表2に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、フラックス組成物およびはんだ組成物を得た。
0031
<はんだ組成物の評価>
はんだ組成物の特性(はんだボール、はんだ塗れ広がり、はんだ溶融性、銅板腐食)を以下のような方法で評価した。得られた結果を表1に示す。
(1)はんだボール
JIS Z 3284ソルダボール試験に準拠した方法により、はんだボールを評価した。そして、以下の基準に従って、はんだボールを評価した。
◎:JIS Z 3284に記載の付属書11表1の凝集度合1
○:JIS Z 3284に記載の付属書11表1の凝集度合2
△:JIS Z 3284に記載の付属書11表1の凝集度合3
×:JIS Z 3284に記載の付属書11表1の凝集度合4
(2)はんだ塗れ広がり
JIS Z 3197 はんだ広がり法に準拠した方法により、はんだ塗れ広がりを評価した。そして、以下の基準に従って、はんだ塗れ広がりを評価した。
◎:はんだ塗れ広がりが80%以上である。
○:はんだ塗れ広がりが75%以上80%未満である。
△:はんだ塗れ広がりが70%以上75%未満である。
×:はんだ塗れ広がりが70%未満である。
(3)はんだ溶融性
基板上にはんだ組成物を印刷し、その上に0.5mm間隔228ピンのBGA基板を実装し、その後、プリベーク185〜205℃を90秒とピーク温度を270℃の条件でリフローを行い、試験基板を作製した。得られた試験基板から、BGA基板を取り剥がし、BGA基板の未接合箇所を数えた。そして、以下の基準に従って、はんだ溶融性を評価した。
◎:未接合箇所が全くない。
○:未接合箇所が1ピン以上5ピン以下である。
△:未接合箇所が6ピン以上10ピン以下である。
×:未接合箇所が11ピン以上である。
(4)銅板腐食
JIS Z 3197腐食試験ソルダペーストに準拠した方法により、銅板腐食を評価した。そして、以下の基準に従って、銅板腐食を評価した。
○:銅板に変色がない。
×:銅板に変色がある。
0032
0033
実施例
0034
表1および表2に示す結果からも明らかなように、本発明のはんだ組成物を用いた場合(実施例1〜11)には、はんだ塗れ広がりおよびはんだ溶融性が良好であり、はんだボールの発生やはんだ付け後の銅箔の変色を防止できることが確認された。
これに対し、ハロゲン系活性剤を含有していないはんだ組成物を用いた場合(比較例1)には、はんだ塗れ広がりおよびはんだ溶融性が不十分であることが分かった。また、ヨウ素系カルボキシル化合物を含有していないはんだ組成物を用いた場合(比較例2〜12)には、はんだ溶融性が不十分であり、はんだ付け後の銅箔の変色を防止できないことが分かった。
0035
本発明のフラックスおよびはんだ組成物は、電子機器のプリント配線基板に電子部品を実装するための技術として好適に用いることができる。