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技術 パルス幅変調電力制御を用いた局所プラズマ処理方法及びその装置

出願人 国立大学法人大阪大学
発明者 山村和也佐野泰久
出願日 2013年3月14日 (8年8ヶ月経過) 出願番号 2013-052219
公開日 2014年9月25日 (7年1ヶ月経過) 公開番号 2014-177673
状態 特許登録済
技術分野 エッチングと化学研磨(つや出し) 半導体のドライエッチング
主要キーワード パルス信号波形 加工ギャップ 用平面図 任意座標 プロセスガス雰囲気 周波数一定 加工量分布 大気開放型
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図面 (8)

課題

安定に発生させた局所プラズマ被処理物表面を走査して加工、成膜若しくは改質などの処理を行うために、被処理物表面における局所的なプラズマ処理能率高速に制御して、被処理物表面を数値制御して効率良く高精度に処理することが可能なパルス幅変調電力制御を用いた局所プラズマ処理方法及びその装置を提供する。

解決手段

局所的に発生させた高周波プラズマPを被処理物2表面に対して等速度で走査するとともに、被処理物表面における局所的なプラズマ処理能率を、予め設定した被処理物表面の最小処理領域毎の位置情報とその処理量とからなるNC処理データに基づき、高周波プラズマのON時間(t1)とOFF時間(t2)の比率を変化させるパルス幅変調(PWM)電力制御によって変化させ、被処理物表面の所定領域を数値制御して処理する。

概要

背景

大気開放型Plasma Chemical Vaporization Machining(PCVM)法は、大気圧雰囲気中で局所的に発生させたプラズマを用いて加工を行う超精密形状創成法である。つまり、PCVMは、局所プラズマを被加工物表面に対して相対的に走査して被加工物表面を局所的に加工し、加工量を局所的に制御して任意曲面創成するものであり、非接触かつ化学反応を利用した加工法であるため、被加工物表面の原子配列を乱すことなくダメージフリーな加工が可能である。

従来のPCVMでは、不活性ガス反応ガス雰囲気中で電極高周波電力投入して、安定な局所プラズマを発生させ、被加工物表面に対するプラズマの滞在時間と単位加工痕形状から加工量を決定していた。例えば、特許文献1に記載されたPCVMを用いた数値制御加工方法では、加工電極を固定し、被加工物を載せたXYステージを駆動して、加工量をXYステージの走査速度をパラメータとし、プラズマ滞在時間を数値制御することで目的形状を高精度に創成するものであった。この場合に、XYステージの加速減速が急激にならないように走査速度を制御する工夫をしていた。また、PCVM装置、特に加工電極への電力投入系については、特許文献2に記載されている。

このように、従来のPCVMにおいて任意の形状を創成するには、プラズマに対する被加工物ステージの走査速度を制御することにより、任意座標における加工量を制御していた。また、反応ガスを適宜選択することにより、同様な局所プラズマ処理装置で、被処理物表面に成膜すること(Plasma Chemical Vaporization Deposition:PCVD)、あるいは被処理物表面を改質することが可能である。これらの処理の場合にも、局所的なプラズマ処理能率を制御するために、被処理物ステージの走査速度を制御することになる。

概要

安定に発生させた局所プラズマで被処理物表面を走査して加工、成膜若しくは改質などの処理を行うために、被処理物表面における局所的なプラズマ処理能率を高速に制御して、被処理物表面を数値制御して効率良く高精度に処理することが可能なパルス幅変調電力制御を用いた局所プラズマ処理方法及びその装置を提供する。 局所的に発生させた高周波プラズマPを被処理物2表面に対して等速度で走査するとともに、被処理物表面における局所的なプラズマ処理能率を、予め設定した被処理物表面の最小処理領域毎の位置情報とその処理量とからなるNC処理データに基づき、高周波プラズマのON時間(t1)とOFF時間(t2)の比率を変化させるパルス幅変調(PWM)電力制御によって変化させ、被処理物表面の所定領域を数値制御して処理する。

目的

本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、安定に発生させた局所プラズマで被処理物表面を走査して加工、成膜若しくは改質などの処理を行うために、被処理物表面における局所的なプラズマ処理能率を高速に制御して、被処理物表面を数値制御して効率良く高精度に処理することが可能なパルス幅変調電力制御を用いた局所プラズマ処理方法及びその装置を提供する

効果

実績

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請求項1

局所的に発生させた高周波プラズマ被処理物表面に対して等速度で走査するとともに、該被処理物表面における局所的なプラズマ処理能率を、予め設定した前記被処理物表面の最小処理領域毎の位置情報とその処理量とからなるNC処理データに基づき、高周波プラズマのON時間(t1)とOFF時間(t2)の比率を変化させるパルス幅変調(PWM)電力制御によって変化させ、該被処理物表面の所定領域を数値制御して処理することを特徴とするパルス幅変調電力制御を用いた局所プラズマ処理方法

請求項2

前記高周波プラズマは、大気開放下のプロセスガス雰囲気中で、電極に10MHz〜2.45GHzの一定の高周波電力印加して発生させてなる請求項1記載のパルス幅変調電力制御を用いた局所プラズマ処理方法。

請求項3

前記パルス幅変調電力制御に用いるON時間(t1)とOFF時間(t2)の繰り返し周期(t1+t2)は、処理量を数値制御する最小処理領域を局所プラズマが通過する時間よりも短く設定する請求項1又は2記載のパルス幅変調電力制御を用いた局所プラズマ処理方法。

請求項4

前記パルス幅変調電力制御に用いるON時間(t1)とOFF時間(t2)の繰り返し周波数は、1kHz〜100kHzに設定する請求項3記載のパルス幅変調電力制御を用いた局所プラズマ処理方法。

請求項5

高周波プラズマの投入電力を一定とし、デューティ比[t1/(t1+t2)]を変化させて高周波プラズマの平均電力を変化させた際のデューティ比に対するプラズマ処理能率の検量線を予め取得し、前記被処理物表面の最小処理領域の処理量に応じて、前記検量線に基づいてデューティ比を数値制御してなる請求項3又は4記載のパルス幅変調電力制御を用いた局所プラズマ処理方法。

請求項6

前記プラズマ処理が、被処理物表面の精密加工である請求項1〜5何れか1項に記載のパルス幅変調電力制御を用いた局所プラズマ処理方法。

請求項7

大気開放下のプロセスガス雰囲気中で局所的に高周波プラズマを発生させる電極と、前記電極との間に一定のギャップを維持して被処理物を保持し、前記電極に対して等速度で走査する移動ステージと、前記電極に10MHz〜2.45GHzの一定の高周波電力を供給する高周波電源と、前記高周波電源のON時間(t1)とOFF時間(t2)の比率を変化させるパルス幅変調(PWM)電力制御手段と、前記移動ステージの位置情報を取得し、前記パルス幅変調電力制御手段に位置情報を入力するエンコーダと、を備え、予め設定した前記被処理物表面の最小処理領域毎の位置情報とその処理量とからなるNC処理データに基づき、パルス幅変調電力制御手段によって前記高周波電源のON時間(t1)とOFF時間(t2)の比率を変化させて局所的なプラズマ処理能率を変化させ、該被処理物表面の所定領域を数値制御して処理することを特徴とするパルス幅変調電力制御を用いた局所プラズマ処理装置

請求項8

前記パルス幅変調電力制御手段に用いるON時間(t1)とOFF時間(t2)の繰り返し周期(t1+t2)は、処理量を数値制御する最小処理領域を局所プラズマが通過する時間よりも短く設定する請求項7記載のパルス幅変調電力制御を用いた局所プラズマ処理装置。

請求項9

前記パルス幅変調電力制御手段に用いるON時間(t1)とOFF時間(t2)の繰り返し周波数は、1kHz〜100kHzに設定する請求項8記載のパルス幅変調電力制御を用いた局所プラズマ処理装置。

請求項10

前記高周波電源による電極への投入電力を一定とし、前記パルス幅変調電力制御手段におけるデューティ比[t1/(t1+t2)]を変化させて高周波プラズマの平均電力を変化させた際のデューティ比に対するプラズマ処理能率の検量線を予め取得し、前記被処理物表面の最小処理領域の処理量に応じて、前記検量線に基づいてデューティ比を数値制御してなる請求項8又は9記載のパルス幅変調電力制御を用いた局所プラズマ処理装置。

請求項11

前記プラズマ処理が、被処理物表面の精密加工である請求項7〜10何れか1項に記載のパルス幅変調電力制御を用いた局所プラズマ処理装置。

技術分野

0001

本発明は、パルス幅変調電力制御を用いた局所プラズマ処理方法及びその装置に係わり、更に詳しくは被処理物表面に対する局所プラズマ印加電力をパルス幅変調によって制御してプラズマ処理能率を変化させる局所プラズマ処理方法及びその装置に関するものである。

背景技術

0002

大気開放型Plasma Chemical Vaporization Machining(PCVM)法は、大気圧雰囲気中で局所的に発生させたプラズマを用いて加工を行う超精密形状創成法である。つまり、PCVMは、局所プラズマを被加工物表面に対して相対的に走査して被加工物表面を局所的に加工し、加工量を局所的に制御して任意曲面創成するものであり、非接触かつ化学反応を利用した加工法であるため、被加工物表面の原子配列を乱すことなくダメージフリーな加工が可能である。

0003

従来のPCVMでは、不活性ガス反応ガス雰囲気中で電極高周波電力投入して、安定な局所プラズマを発生させ、被加工物表面に対するプラズマの滞在時間と単位加工痕形状から加工量を決定していた。例えば、特許文献1に記載されたPCVMを用いた数値制御加工方法では、加工電極を固定し、被加工物を載せたXYステージを駆動して、加工量をXYステージの走査速度をパラメータとし、プラズマ滞在時間を数値制御することで目的形状を高精度に創成するものであった。この場合に、XYステージの加速減速が急激にならないように走査速度を制御する工夫をしていた。また、PCVM装置、特に加工電極への電力投入系については、特許文献2に記載されている。

0004

このように、従来のPCVMにおいて任意の形状を創成するには、プラズマに対する被加工物ステージの走査速度を制御することにより、任意座標における加工量を制御していた。また、反応ガスを適宜選択することにより、同様な局所プラズマ処理装置で、被処理物表面に成膜すること(Plasma Chemical Vaporization Deposition:PCVD)、あるいは被処理物表面を改質することが可能である。これらの処理の場合にも、局所的なプラズマ処理能率を制御するために、被処理物ステージの走査速度を制御することになる。

先行技術

0005

特許第2962583号公報
特許第2816365号公報

発明が解決しようとする課題

0006

しかしながら、加工量が短区間で急激に変化する場合には、ステージの走査速度の変化も大きくなるため、ステージの運動性能によっては設定値追従できなくなって加工誤差が生じてしまうことが問題となっていた。そのため、加工量を多く設定し、加工前の表面凹凸の影響を小さくする必要があるが、その分だけ加工時間が長くなるといった課題があった。また、加工速度(加工能率)を下げて、ステージの走査速度を遅くすれば、加工量が少なくても、比較的高精度に形状を創成できるが、やはり加工時間が長くなるという課題は残る。

0007

そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、安定に発生させた局所プラズマで被処理物表面を走査して加工、成膜若しくは改質などの処理を行うために、被処理物表面における局所的なプラズマ処理能率を高速に制御して、被処理物表面を数値制御して効率良く高精度に処理することが可能なパルス幅変調電力制御を用いた局所プラズマ処理方法及びその装置を提供する点にある。

課題を解決するための手段

0008

本発明は、前述の課題解決のために、局所的に発生させた高周波プラズマを被処理物表面に対して等速度で走査するとともに、該被処理物表面における局所的なプラズマ処理能率を、予め設定した前記被処理物表面の最小処理領域毎の位置情報とその処理量とからなるNC処理データに基づき、高周波プラズマのON時間(t1)とOFF時間(t2)の比率を変化させるパルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)電力制御によって変化させ、該被処理物表面の所定領域を数値制御して処理することを特徴とするパルス幅変調電力制御を用いた局所プラズマ処理方法を構成した(請求項1)。

0009

ここで、本発明の方法において、前記高周波プラズマは、大気開放下のプロセスガス雰囲気中で、電極に10MHz〜2.45GHzの一定の高周波電力を印加して発生させてなることが好ましい(請求項2)。

0010

また、本発明の方法において、前記パルス幅変調電力制御に用いるON時間(t1)とOFF時間(t2)の繰り返し周期(t1+t2)は、処理量を数値制御する最小処理領域を局所プラズマが通過する時間よりも短く設定する必要がある(請求項3)。

0011

更に、本発明の方法において、前記パルス幅変調電力制御に用いるON時間(t1)とOFF時間(t2)の繰り返し周波数は、1kHz〜100kHzに設定することがより好ましい(請求項4)。

0012

そして、本発明の方法において、高周波プラズマの投入電力を一定とし、デューティ比[t1/(t1+t2)]を変化させて高周波プラズマの平均電力を変化させた際のデューティ比に対するプラズマ処理能率の検量線を予め取得し、前記被処理物表面の最小処理領域の処理量に応じて、前記検量線に基づいてデューティ比を数値制御してなるのである(請求項5)。

0013

更に、本発明の方法において、前記プラズマ処理が、被処理物表面の精密加工であるとより好ましい(請求項6)。

0014

また、本発明は、大気開放下のプロセスガス雰囲気中で局所的に高周波プラズマを発生させる電極と、前記電極との間に一定のギャップを維持して被処理物を保持し、前記電極に対して等速度で走査する移動ステージと、前記電極に10MHz〜2.45GHzの一定の高周波電力を供給する高周波電源と、前記高周波電源のON時間(t1)とOFF時間(t2)の比率を変化させるパルス幅変調(PWM)電力制御手段と、前記移動ステージの位置情報を取得し、前記パルス幅変調電力制御手段に位置情報を入力するエンコーダと、を備え、予め設定した前記被処理物表面の最小処理領域毎の位置情報とその処理量とからなるNC処理データに基づき、パルス幅変調電力制御手段によって前記高周波電源のON時間(t1)とOFF時間(t2)の比率を変化させて局所的なプラズマ処理能率を変化させ、該被処理物表面の所定領域を数値制御して処理することを特徴とするパルス幅変調電力制御を用いた局所プラズマ処理装置を構成した(請求項7)。

0015

同様に、本発明の装置において、前記パルス幅変調電力制御手段に用いるON時間(t1)とOFF時間(t2)の繰り返し周期(t1+t2)は、処理量を数値制御する最小処理領域を局所プラズマが通過する時間よりも短く設定する必要がある(請求項8)。

0016

また、本発明の装置において、前記パルス幅変調電力制御手段に用いるON時間(t1)とOFF時間(t2)の繰り返し周波数は、1kHz〜100kHzに設定することがより好ましい(請求項9)。

0017

そして、本発明の装置において、前記高周波電源による電極への投入電力を一定とし、前記パルス幅変調電力制御手段におけるデューティ比[t1/(t1+t2)]を変化させて高周波プラズマの平均電力を変化させた際のデューティ比に対するプラズマ処理能率の検量線を予め取得し、前記被処理物表面の最小処理領域の処理量に応じて、前記検量線に基づいてデューティ比を数値制御してなるのである(請求項10)。

0018

更に、前本発明の装置において、記プラズマ処理が、被処理物表面の精密加工であるとより好ましい(請求項11)。

発明の効果

0019

本発明のパルス幅変調電力制御を用いた局所プラズマ処理方法及びその装置によれば、被処理物の移動ステージの走査速度は一定の下、局所プラズマを発生させる高周波電力をパルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)制御により増減させてプラズマ処理能率(加工速度)の制御を行うので、電気的に行われるPWM制御はステージの速度制御と比較して応答速度が格段に速く、従来の応答遅れによる加工誤差を無くすることができ、また走査における急激な加減速も不要となるため機械的な負荷が小さくなり、駆動機構コストを低減できる。本発明は、被加工物表面を数値制御加工して任意の形状を創成するのに最も威力を発揮するが、成膜や改質においても駆動機構に対する要求度緩和されるので効果的である。

図面の簡単な説明

0020

本発明の加工装置の簡略説明図である。
局所プラズマで被加工物表面を走査する例を示す説明用平面図である。
加工電極の簡略断面図である。
走査速度を変化させて局所プラズマの滞在時間を制御する加工方法において、(a)は加工前表面と二つの加工量の関係を示すグラフ、(b)は二つの加工量に対する走査速度の関係を示すグラフである。
パルス幅変調電力制御の説明図であり、(a)は高周波電源の出力をPWM制御するためのパルス信号波形を示すグラフ、(b)はPWM制御された高周波電源の出力波形を示すグラフである。
PWM制御及びAM制御と加工速度との関係(検量線)を示すグラフである。
(a)はPWM制御するためのパルス信号周波数が1kHzの場合のデューティ比と加工速度の関係のグラフ、(b)はPWM制御するためのパルス信号の周波数が10kHzの場合のデューティ比と加工速度の関係のグラフ、(c)はPWM制御するためのパルス信号の周波数が100kHzの場合のデューティ比と加工速度の関係のグラフである。

実施例

0021

次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。本実施形態では、本発明に係るパルス幅変調電力制御を用いた局所プラズマ処理装置のなかで、特に加工装置を説明するが、成膜装置改質装置原理的には同じである。図1は本発明の加工装置の概念図であり、図中符号1は加工電極、2は被加工物、3は移動ステージ、4は高周波電源、5はマッチングユニット、6はパルス幅変調電力制御インターフェイス、7はエンコーダ、Pは局所プラズマをそれぞれ示している。

0022

本発明の加工装置は、図1及び図2に示すように、大気開放下のプロセスガス雰囲気中で局所的に高周波プラズマPを発生させる加工電極1と、前記加工電極1との間に一定のギャップGを維持して被加工物2を保持し、前記加工電極1に対して等速度で走査する移動ステージ3と、前記加工電極1に10MHz〜2.45GHzの一定の高周波電力を供給する高周波電源4と、前記高周波電源4と負荷とのインピーダンス整合させるためのマッチングユニット5と、前記高周波電源4のON時間(t1)とOFF時間(t2)の比率を変化させるパルス幅変調(PWM)電力制御インターフェイス6と、前記移動ステージ3の位置情報を取得し、前記パルス幅変調電力制御インターフェイス6に位置情報を入力するエンコーダ7とを備えている。そして、予め設定した前記被加工物2表面の最小処理領域毎の位置情報とその処理量とからなるNC処理データに基づき、パルス幅変調電力制御インターフェイス6によって前記高周波電源4のON時間(t1)とOFF時間(t2)の比率を変化させて局所的なプラズマ加工能率(加工速度)を変化させ、該被加工物2表面の所定領域を数値制御して加工するのである。

0023

図2は、局所プラズマPを被加工物2の表面に沿ってジグザグに走査する例を示し、走査方向が変化する部分を除き、等速度で相対的に走査する。本実施形態では、前記加工電極1は固定し、XY方向の移動ステージ3で被加工物2を局所プラズマPに対して移動させるようにしている。走査方向は図中Sで表している。

0024

前記加工電極1は、図3に示すように、中心の電極棒8の外周に絶縁体からなる外筒9を同心配置し、前記電極棒8と外筒9の間から先端へプロセスガス噴出させながら、前記電極棒8に高周波電力を印加して局所的に高周波プラズマPを発生させるのである。ここで、プロセスガスとして、例えばHeやArなどの不活性ガスとCF4やO2などの反応ガスの混合ガスを用いる。加工は、プラズマ中で反応ガスから生成された反応種(主に中性ラジカル)と被加工物2の表面原子との化学的な反応によって発生した揮発性化合物を、被加工物2の表面から除去することで進行する。被加工物2の材質によって最適なガスは異なる。このプロセスガスを変えるだけで、成膜や改質を行うことができる。

0025

先ず、従来の局所プラズマPの滞在時間を制御する数値制御加工方法についてシミュレーションした結果を図4に基づいて説明する。図4(a)の最上段ギザギザ実線は、加工前の表面形状を示し、中段の実線は取りしろ28nmの場合の加工後の目標表面形状(厚さ200nm)、下段点線は取りしろ178nmの場合の加工後の目標表面形状(厚さ50nm)を示している。横軸は加工面の位置を示している。図4(b)は、(a)のような表面形状を持った試料を取りしろ28nm及び178nmとした場合の速度分布を直径3mmの加工電極から得られる単位加工痕からシミュレーションしたものである。取りしろが小さい場合、加工時間は短いが図4(b)の実線で示すように速度変化が激しいためステージの走査速度を制御するモータの性能上、急激な速度変化に追従できず加工精度誤差が生じる要因となりうる。一方、取りしろが多い場合は、加工時間がかかってしまうが、図4(b)の点線で示すように速度変化は緩やかである。

0026

それに対して本発明は、走査速度一定の下、電極-基板間に投入する平均電力を制御し加工量分布制御を行うことで目的形状創成の高精度化目指すのである。平均電力を制御する投入電力制御の方法として振幅変調(Amplitude Modulation:AM)制御及びパルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)制御が挙げられる。PWM制御は投入電力一定の下、パルス波を高周波電源に印加することでON/OFFを外部から制御し、平均電力を制御する方法である。そのための手段が、PWM制御インターフェイス6である。尚、AM制御は、周波数一定振幅を変化させる通常の電力制御の方法である。

0027

図5(a)は高周波電源の出力をPWM制御するためのパルス信号波形を示し、図5(b)はPWM制御された高周波電源の出力波形を示している。図5は、横軸は時間、縦軸電圧を示している。ここで、t1はパルス幅を示し、高周波電源のON時間に対応し、t2はOFF時間に対応し、周期は(t1+t2)であり、デューティ比は[t1/(t1+t2)]と定義される。図5に示すように、PWM制御インターフェイス6で発生させるパルス波のデューティ比を変化させることによって、高周波電源4から加工電極1に投入される平均電力を制御することが可能となる。

0028

次に、投入電力制御として本発明のPWM制御とAM制御を適用して平均電力を制御し加工を行った。作製した静止加工痕位相シフト干渉顕微鏡で測定し体積加工量を計算した。

0029

具体的には、プラズマCVM装置を用いてSi(111)基板上に静止加工痕を作製した。加工条件プロセスガス流量He:CF4:O2=750:20:2.5sccm、加工ギャップ400μm、加工時間を2分とした。高周波電源の周波数は13.56MHzである。AM制御の場合、投入電力(CW)はPCVM装置内でグロー放電を維持出来る45Wから80Wまでを5W刻みで変化させて加工を行った。PWM制御の場合、繰り返し周波数1kHzのパルス波を高周波電源に印加させ、投入電力をデューティ比100%時の80Wで固定し、デューティ比を10%から100%まで10%刻みで変化させて加工を行った。

0030

図6はAM制御の場合の加工速度と投入電力の関係及びPWM制御における加工速度と平均電力の関係を示したものである。AM制御における投入電力とPWM制御における平均電力が等しい場合でも、PWM制御はAM制御に比べて電極−試料間に印加される高周波電圧波高値が高いためAM制御と比べて電界が強い。PWM制御はAM制御と比べて衝突前に電子の持つエネルギーが大きいため解離しやすくプラズマ中に多くの反応種が発生し加工速度が多いと推測される。ただ、PWM制御及びAM制御の何れの場合も平均電力によらず、電子温度は約0.9eVで一定であった。また、図6よりAM制御の場合加工量は0.95×10-2mm3/minから3.62×10-2mm3/minの範囲で加工速度制御することでき、PWM制御は0.24×10-2mm3/minから3.34×10-2mm3/minの範囲で加工速度制御可能なことが分かる。AM制御の場合、投入電力80Wにおける加工速度を100%とすると、26%まで加工速度を制御することが可能である。それに対してPWM制御の場合、平均電力が80W(デューティ比100%)の時の加工速度を100%とすると、7%まで加工速度を制御することが可能である。以上より、本発明のPWM制御は、AM制御より加工速度の制御範囲が広いことが確かめられた。この平均電力(デューティ比)と加工速度(プラズマ処理能率)の関係が検量線として用いられる。

0031

本発明では、等速度で移動するステージ3の座標情報をエンコーダ7で読み取り座標毎に予め設定した電力印加パルス幅(デューティ比)をプラズマ発生用高周波電源RF電源)4にインターフェイス6を通して指令する。図5に示すように、デューティ比で決定される平均電力に応じて加工量は線型的に変化するため、基板の任意座標位置における加工量は正確に制御できる。本発明では、取りしろを小さくして、加工時間を大幅に短縮できるにも係わらず、移動ステージを等速度で駆動するだけであるので、安価な駆動機構を用いることができるのである。ここで、前記被加工物表面の最小加工領域毎の位置情報とその加工量(取りしろ)とからなるNC処理データは、従来のPCVM装置での加工の際にも作成するものと同じである。尚、最小加工領域とは、静止加工痕ではなく、被加工物の加工量を決定するデータの最小領域である。

0032

PWM制御に用いるパルス波のON時間(t1)とOFF時間(t2)の繰り返し周期(t1+t2)は、処理量を数値制御する最小処理領域を局所プラズマが通過する時間よりも短く設定する必要がある。ここで、「局所プラズマが通過する時間」とは、局所プラズマの中心が最小処理領域を通過する時間のことであり、最小処理領域の走査方向距離を走査速度で割った時間のことである。例えば、走査速度が最高80mm/secの場合、最小処理領域を0.5mmの間隔とした場合、6.25×10-3secで通過する。これは、パルス波の周波数が160Hzに対応する。少なくとも、この周波数よりも高くする必要がある。実用的には、PWM制御に用いるパルス波の周波数は、1kHz〜100kHzに設定する。

0033

PWM制御に用いるパルス波の周波数の違いによる影響を調べた。試料は、Si(111)基板である。高周波電源の電力を80Wとし、プロセスガス流量He:CF4:O2=750:20:2.5sccm、加工ギャップ400μm、加工時間を2分とした。そして、パルス周波数を1,10,100kHzとし、デューティ比を10〜90%で加工速度を測定した。図7に示した結果から分かるように、どの周波数でもデューティ比に対して加工速度は線形になっているが、パルス周波数が低い方がデューティ比の小さい値まで加工速度が制御できる。しかし、PWM制御に用いるパルス波の周波数は、前述のように下限があるので、走査速度と高周波電源の周波数に応じて適当な値を選択することが望ましい。

0034

1加工電極、
2被加工物(被処理物)、
3移動ステージ、
4高周波電源、
5マッチングユニット、
6パルス幅変調電力制御インターフェイス、
7エンコーダ、
8電極棒、
9外筒、
P局所プラズマ、
S走査方向。

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