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技術 鋸刃

出願人 株式会社アマダホールディングス株式会社アマダマシンツール
発明者 長野裕二川端勝彦
出願日 2014年1月17日 (6年5ヶ月経過) 出願番号 2014-006444
公開日 2014年9月25日 (5年9ヶ月経過) 公開番号 2014-176956
状態 特許登録済
技術分野 鋸引き
主要キーワード 機械仕上 バチ形 仕上げ加工機 鳩尾形状 鋸歯パターン 突出刃 切断面間 三角記号
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年9月25日)のものです。
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図面 (12)

課題

ワークの切断面をより高精度に切断することのできる鋸刃を提供する。

解決手段

母材3に形成した複数の鋸歯5〜11の先端部に硬質チップ15〜21を備えた鋸刃であって、前記複数の鋸歯は、先端側が幅広台形状であって直線状の先端縁17Aの両端部に面取り部17Bを形成した第1チップ17を備えた第1の後続歯7と、前記先端縁17Aから突出した先端刃部15Aを、先端側が幅狭になる台形状に形成した第2チップ15を備えて歯高寸法が前記第1の後続歯17よりも大きな先行歯5と、前記第1の後続歯7と同一歯高寸法であって前記第1チップの一方の面取り部17Bから幅方向に突出した突出刃部19Bを有する第3チップ19を備えた第2の後続歯9と、前記第1の後続歯7と同一歯高寸法であって前記第1チップ17の他方の面取り部17Bから幅方向に突出した突出刃部21Bを有する第3チップ21を備えた第3の後続歯11、である。

概要

背景

従来より、ワークとしての例えば金属材料を切断する切断装置として、帯鋸盤が使用されている。帯鋸盤によってワークの切断を行うとき、高精度な切断面を得るための切断や、例えばアルミブロック高速切断速1000m以上/分)等において、より高効率な切断を実現するには、帯鋸刃振動を抑制して切断面の精度向上を図ることが重要である。なお、帯鋸刃の振動を抑制することは、切断面の精度向上のみならず、騒音の低減、切断時の歯欠け等の切断トラブルの防止、及び鋸刃寿命の向上にもつながるものである。

鋸刃には、ワークの切断方向(帯鋸刃においては走行方向、丸鋸においては回転方向)に対して左右方向(上記切断方向から見たときの左右方向)に振り出しを行ったアサリ歯を備えた構成の鋸刃があり、この種の鋸刃においては、各鋸歯共振を避けるために、各鋸歯間ピッチ不等ピッチにする構成が採られている。さらに切断時の鋸刃の振動を抑制するために、先端側が幅広の形状(台形状)の撥形(鳩尾形状)の鋸歯、すなわちバチアサリタイプの鋸歯を備えたバチアサリ鋸刃がある。

上記バチアサリ鋸刃は、各鋸歯の先端部に超硬合金等の硬質チップを備えた構成が一般的である。上記硬質チップは、ワークの切断方向から見て左右対称形に形成してあるのが一般的であり、その形状としては、先端側が左右方向に幅広の台形状や、先端側が幅狭の台形状に形成した種々の形状がある。上記バチアサリ鋸刃において、ワークの切断面を仕上げ加工するバチ形鋸歯は、歯高寸法基準位置から歯先(先端部)までの寸法)が小さく、先端側が左右方向に最も広いバチ形状であって、このバチ形鋸歯における先端縁左右両端部によって切断面の仕上げ加工を行うことになる。

すなわち、前記バチ形鋸歯によってワークの切断面の仕上げ加工を行う場合、上記バチ形鋸歯における先端縁の左右両端部は、鋸刃に備えた先行歯によって加工された切断溝内において常に対向した切断面の仕上げ加工を行っている状態にある。すなわち、左右両端側は、対向した切断面によって常に左右方向に拘束された状態にある。したがって、前記バチ形鋸歯の製造誤差などによって歯形精度に僅かなバラツキ等があると、ワークの切断加工時における左右両側の負荷切削抵抗)が変動し、切曲りや歯欠けを生じ易いものである。

なお、バチ形鋸歯を備えた鋸刃には種々の構成の鋸刃がある。そのうち、本発明に関係すると思われる鋸刃の先行例として特許文献1,2がある。

概要

ワークの切断面をより高精度に切断することのできる鋸刃を提供する。母材3に形成した複数の鋸歯5〜11の先端部に硬質チップ15〜21を備えた鋸刃であって、前記複数の鋸歯は、先端側が幅広の台形状であって直線状の先端縁17Aの両端部に面取り部17Bを形成した第1チップ17を備えた第1の後続歯7と、前記先端縁17Aから突出した先端刃部15Aを、先端側が幅狭になる台形状に形成した第2チップ15を備えて歯高寸法が前記第1の後続歯17よりも大きな先行歯5と、前記第1の後続歯7と同一歯高寸法であって前記第1チップの一方の面取り部17Bから幅方向に突出した突出刃部19Bを有する第3チップ19を備えた第2の後続歯9と、前記第1の後続歯7と同一歯高寸法であって前記第1チップ17の他方の面取り部17Bから幅方向に突出した突出刃部21Bを有する第3チップ21を備えた第3の後続歯11、である。

目的

効果

実績

技術文献被引用数
1件
牽制数
1件

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請求項1

母材適宜間隔に形成した複数の鋸歯の先端部に硬質チップを備えた鋸刃であって、前記複数の鋸歯は、先端側が前記母材の厚さ方向に幅広台形状であって直線状の先端縁の両端部に面取り部を形成した第1チップを備えた第1の後続歯と、前記第1チップにおける前記先端縁から突出した先端刃部を、先端側が幅狭になる台形状に形成した第2チップを備えて歯高寸法が前記第1の後続歯の歯高寸法よりも大きな先行歯と、前記第1の後続歯と同一歯高寸法であって前記第1チップの一方の面取り部から幅方向に突出した突出刃部を有する第3チップを備えた第2の後続歯と、前記第1の後続歯と同一歯高寸法であって前記第1チップの他方の面取り部から幅方向に突出した突出刃部を有する第3チップを備えた第3の後続歯、であることを特徴とする鋸刃。

請求項2

請求項1に記載の鋸刃において、前記先行歯の歯高寸法と前記第1後続歯の歯高寸法との間の歯高寸法であって、前記先行歯による切断溝拡開する第2の先行歯を備えていることを特徴とする鋸刃。

請求項3

請求項1又は2に記載の鋸刃において、1つの鋸歯パターン内に、前記第1の後続歯を複数備えていることを特徴とする鋸刃。

請求項4

請求項2又は3に記載の鋸刃において、1つの鋸歯パターンにおける前記第2,第3の後続歯の総数は、前記第1の後続歯の個数と前記先行歯の個数との和に等しい、又は上記和より少ないことを特徴とする鋸刃。

請求項5

請求項1〜4のいずれかに記載の鋸刃において、前記先行歯及び第1,第2,第3の後続歯は、同一形状の硬質チップを研削することによって形成してあることを特徴とする鋸刃。

請求項6

請求項1〜5のいずれかに記載の鋸刃において、前記第2,第3の後続歯における前記突出刃部の突出量は0.20mm〜0.05mmの範囲であることを特徴とする鋸刃。

請求項7

請求項1〜6のいずれかに記載の鋸刃において、前記第2,第3の後続歯は、前記1つの鋸歯パターンの後側に備えられていることを特徴とする鋸刃。

請求項8

母材に適宜間隔に形成した複数の鋸歯の先端部に硬質チップを備えた鋸刃であって、ワークの切断加工時にワークに対して先行して切込みを行う先行歯と、当該先行歯による切断溝を拡開すべくワークの切削を行う第1の後続歯と、前記第1の後続歯によるワークの切断面の仕上げ加工を行う第2,第3の後続歯を備え、前記第1の後続歯は先端側が前記母材の厚さ方向に幅広の台形状であって、直線状の先端縁の両端部に面取り部を形成した構成であり、第2の後続歯は前記第1の後続歯と同一の歯高寸法であって、前記第1後続歯の一方の面取り部から、前記第1の後続歯の面取り部を形成する前の幅方向への突出量に相当する突出量でもって幅方向へ突出した突出刃部を備えた構成であり、第3の後続歯は前記第1の後続歯と同一の歯高寸法であって、前記第1後続歯の他方の面取り部から、前記第1の後続歯の面取り部を形成する前の幅方向への突出量に相当する突出量でもって幅方向へ突出した突出刃部を備えた構成であることを特徴とする鋸刃。

技術分野

0001

本発明は、ワークとしての金属材料を切断する丸鋸刃帯鋸刃などのごとき鋸刃であって、鋸歯の先端部に、超硬合金サーメットセラミック高速度工具鋼などのごとき適宜の硬質チップを備えた鋸刃に係り、さらに詳細には、ワークにおいて対向した切断面をそれぞれ別個仕上げ加工を行う一対の後続歯を備えた鋸刃に関する。

背景技術

0002

従来より、ワークとしての例えば金属材料を切断する切断装置として、帯鋸盤が使用されている。帯鋸盤によってワークの切断を行うとき、高精度な切断面を得るための切断や、例えばアルミブロック高速切断速1000m以上/分)等において、より高効率な切断を実現するには、帯鋸刃の振動を抑制して切断面の精度向上を図ることが重要である。なお、帯鋸刃の振動を抑制することは、切断面の精度向上のみならず、騒音の低減、切断時の歯欠け等の切断トラブルの防止、及び鋸刃寿命の向上にもつながるものである。

0003

鋸刃には、ワークの切断方向(帯鋸刃においては走行方向、丸鋸においては回転方向)に対して左右方向(上記切断方向から見たときの左右方向)に振り出しを行ったアサリ歯を備えた構成の鋸刃があり、この種の鋸刃においては、各鋸歯の共振を避けるために、各鋸歯間ピッチ不等ピッチにする構成が採られている。さらに切断時の鋸刃の振動を抑制するために、先端側が幅広の形状(台形状)の撥形(鳩尾形状)の鋸歯、すなわちバチアサリタイプの鋸歯を備えたバチアサリ鋸刃がある。

0004

上記バチアサリ鋸刃は、各鋸歯の先端部に超硬合金等の硬質チップを備えた構成が一般的である。上記硬質チップは、ワークの切断方向から見て左右対称形に形成してあるのが一般的であり、その形状としては、先端側が左右方向に幅広の台形状や、先端側が幅狭の台形状に形成した種々の形状がある。上記バチアサリ鋸刃において、ワークの切断面を仕上げ加工するバチ形鋸歯は、歯高寸法基準位置から歯先(先端部)までの寸法)が小さく、先端側が左右方向に最も広いバチ形状であって、このバチ形鋸歯における先端縁左右両端部によって切断面の仕上げ加工を行うことになる。

0005

すなわち、前記バチ形鋸歯によってワークの切断面の仕上げ加工を行う場合、上記バチ形鋸歯における先端縁の左右両端部は、鋸刃に備えた先行歯によって加工された切断溝内において常に対向した切断面の仕上げ加工を行っている状態にある。すなわち、左右両端側は、対向した切断面によって常に左右方向に拘束された状態にある。したがって、前記バチ形鋸歯の製造誤差などによって歯形精度に僅かなバラツキ等があると、ワークの切断加工時における左右両側の負荷切削抵抗)が変動し、切曲りや歯欠けを生じ易いものである。

0006

なお、バチ形鋸歯を備えた鋸刃には種々の構成の鋸刃がある。そのうち、本発明に関係すると思われる鋸刃の先行例として特許文献1,2がある。

先行技術

0007

特開2000−263327号公報
特許第4727919号公報

発明が解決しようとする課題

0008

前記特許文献1には、歯高寸法が大きく、先端側が幅狭になる台形状の先行歯(特許文献1の図6には符号21で示されている)を備えると共に、上記先行歯によって切断された切断溝拡開する左右方向の平歯(同上、符号19,23で示されている)を備えた鋸刃が記載されている。前記左右方向の平歯は、切断溝を拡開すべく機能するものであるから、大きな切削抵抗が作用し、この切削抵抗に起因する左右方向の大きな分力が作用するものである。したがって、特許文献1の図9に示されているように、切断面の面粗度(Rmax)は30μmにもなるものであり、ワークの切断面をより高精度に仕上げ加工するには、さらなる改良が望まれるものである。

0009

前記特許文献2の図7〜図12にも、特許文献1に記載の構成と同様の構成が記載されている。この特許文献2に記載の構成は、特許文献1における先行歯、左右方向の平歯に相当する先行歯及び左右方向の平歯を同一高寸法に構成したものであるから、特許文献1と同様の問題を有するものである。

課題を解決するための手段

0010

本発明は、前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、母材適宜間隔に形成した複数の鋸歯の先端部に硬質チップを備えた鋸刃であって、
前記複数の鋸歯は、
先端側が前記母材の厚さ方向に幅広の台形状であって直線状の先端縁の両端部に面取り部を形成した第1チップを備えた第1の後続歯と、
前記第1チップにおける前記先端縁から突出した先端刃部を、先端側が幅狭になる台形状に形成した第2チップを備えて歯高寸法が前記第1の後続歯の歯高寸法よりも大きな先行歯と、
前記第1の後続歯と同一歯高寸法であって前記第1チップの一方の面取り部から幅方向に突出した突出刃部を有する第3チップを備えた第2の後続歯と、
前記第1の後続歯と同一歯高寸法であって前記第1チップの他方の面取り部から幅方向に突出した突出刃部を有する第3チップを備えた第3の後続歯、であることを特徴とするものである。

0011

また、前記鋸刃において、前記先行歯の歯高寸法と前記第1後続歯の歯高寸法との間の歯高寸法であって、前記先行歯による切断溝を拡開する第2の先行歯を備えていることを特徴とするものである。

0012

また、前記鋸刃において、1つの鋸歯パターン内に、前記第1の後続歯を複数備えていることを特徴とするものである。

0013

また、前記鋸刃において、1つの鋸歯パターンにおける前記第2,第3の後続歯の総数は、前記第1の後続歯の個数と前記先行歯の個数との和に等しい、又は上記和より少ないことを特徴とするものである。

0014

また、前記鋸刃において、前記先行歯及び第1,第2,第3の後続歯は、同一形状の硬質チップを研削することによって形成してあることを特徴とするものである。

0015

また、前記鋸刃において、前記第2,第3の後続歯における前記突出刃部の突出量は0.20mm〜0.05mmの範囲であることを特徴とするものである。

0016

また、前記鋸刃において、前記第2,第3の後続歯は、前記1つの鋸歯パターンの後側に備えられていることを特徴とするものである。

0017

また、母材に適宜間隔に形成した複数の鋸歯の先端部に硬質チップを備えた鋸刃であって、ワークの切断加工時にワークに対して先行して切込みを行う先行歯と、当該先行歯による切断溝を拡開すべくワークの切削を行う第1の後続歯と、前記第1の後続歯によるワークの切断面の仕上げ加工を行う第2,第3の後続歯を備え、前記第1の後続歯は先端側が前記母材の厚さ方向に幅広の台形状であって、直線状の先端縁の両端部に面取り部を形成した構成であり、第2の後続歯は前記第1の後続歯と同一の歯高寸法であって、前記第1後続歯の一方の面取り部から、前記第1の後続歯の面取り部を形成する前の幅方向への突出量に相当する突出量でもって幅方向へ突出した突出刃部を備えた構成であり、第3の後続歯は前記第1の後続歯と同一の歯高寸法であって、前記第1後続歯の他方の面取り部から、前記第1の後続歯の面取り部を形成する前の幅方向への突出量に相当する突出量でもって幅方向へ突出した突出刃部を備えた構成であることを特徴とするものである。

発明の効果

0018

本発明によれば、第2,第3の後続歯は、第1の後続歯と同一歯高寸法であって、上記第1の後続歯における直線状の先端縁の両端部に形成した面取り部からそれぞれ反対側方向へ突出した突出刃部がワークの切断に寄与するものである。前記面取り部は小さな面取りであり、かつ前記突出刃部の突出量は小さなものであるから、前記第2,第3の後続歯に作用する切削抵抗は小さく、かつ鋸刃によるワークの切断時における左右方向への分力は小さく抑制されるものである。したがって、ワークの対向した切断面は、前記第2,第3の後続歯によって高精度に加工されるものである。

図面の簡単な説明

0019

本発明の実施形態に係る鋸刃における複数の鋸歯における基本的な構成は先行歯、第1,第2,第3の後続歯から構成されることを示す鋸刃の説明図である。
図1に示した鋸刃を、図1(A)に示した矢印X方向の反対方向に見た場合における各鋸歯の重なり合い、及び各鋸刃の歯高寸法の関係、形状を示した説明図である。
本発明の第2実施形態に係る鋸刃の説明図である。
第2の実施形態に係る鋸刃を、図2に準じて表わした説明図である。
第3の実施形態に係る鋸刃の説明図である。
第3の実施形態に係る鋸刃を、図2に準じて表わした説明図である。
複数の先行歯を備えた場合の鋸刃の説明図である。
鋸刃のピッチパターンアサリパターンの説明図である。
鋸刃のピッチパターン、アサリパターンの説明図である。
ワークの切断加工の実験に使用した鋸刃の説明図である。
実験結果を示す説明図である。

実施例

0020

以下、図面を用いて本発明の実施形態に係る鋸刃について説明するに、本発明は丸鋸刃及び帯鋸刃の両方に実施可能であるが、帯鋸刃に実施した場合について例示し説明することとする。

0021

図1を参照するに、本発明の第1の実施形態に係る鋸刃1Aは、母材(帯鋸刃の場合には帯状であり、丸鋸刃の場合には円板状である)3を備えており、この母材3には、一般的な鋸刃と同様に複数の鋸歯5,7,9,11が適宜間隔に、かつ適宜配置で備えられている。上記各鋸歯5,7,9,11のそれぞれの間にはガレット13が備えられている。そして、前記各鋸歯5,7,9,11の先端部には、例えば超硬合金等のごとき適宜材質の硬質チップ15,17,19,21が一体的に固定してある。

0022

前記鋸歯5は、ワーク(図示省略)の切断を行うときに、ワークに対して最初に切込みを行う先行歯(以後、先行歯5と称す)であって、前記母材3の基準位置から前記硬質チップ15の直線状の先端刃部15A(図2参照)までの歯高寸法が最も大きな鋸歯である。前記硬質チップ15は、ワークに対する切込み方向図1(A)において矢印Z方向)に対して直交するワークの切断方向X(帯鋸刃においては走行方向、丸鋸刃においては回転方向が相当する)から見た場合、先端側(前記先端刃部15A側)が幅広になる台形状の硬質チップを研削加工することによって形成してある。

0023

すなわち、前記硬質チップ15は、先端側が前記母材3の厚さ方向(図2において左右方向、図1(A)の矢印Xの反対方向から見ての左右方向、以後、左右方向とは、この左右方向を称することとする)に幅広になる台形状の硬質チップを研削加工することによって、図2(B)に示すように、幅方向の両側に、先端側が互に接近する傾斜面15Bが対称に形成してある。換言すれば、前記硬質チップ15の先端側は、先端側が幅狭になる台形状に形成してある。

0024

前記鋸歯7は、前記先行歯5によってワークに形成された幅がW1(図2(A)参照)の切断溝(切削溝)を、幅W2の切断溝に拡開する作用をなす第1の後続歯であって、前記先行歯5の歯高寸法よりも小さな歯高寸法に構成してある。この第1の後続歯7に備えた硬質チップ17の当初の形状は、前記先行歯5における硬質チップ15の当初の形状と同一形状である。そして、前記先行歯5よりも歯高寸法を小さくすべく研削加工することによって直線状の先端縁(切削刃部)17Aが形成してあり、この先端縁の両端部には面取り部17Bが形成してある。上記面取り部17Bは、前記先行歯5における前記傾斜面15Bと平行な傾斜面に形成してある。前記傾斜面15Bと前記面取り部17Bとの大きさを比較すると、面取り部17Bは極めて小さなものである。

0025

前記鋸歯9は、第2の後続歯であって、前記第1の後続歯7によってW2の幅に拡開された切断溝の一側をW3だけ僅かに拡開する作用をなすものである。鋸歯11は第3の後続歯であって、前記第1の後続歯7によってW2の幅に拡開された切断溝の他側をW3だけ僅かに拡開する作用をなすものである。

0026

前記第2,第3の後続歯9,11の歯高寸法は前記第1の後続歯7の歯高寸法と等しく構成してある。すなわち、鋸歯は4種類であって、歯高寸法は2種類に構成してある。そして、第2,第3の後続歯9,11における硬質チップ19,21の初期形状は前記先行歯5、第1の後続歯7における硬質チップ15,17の初期の形状と同一形状であって、研削加工を行うことにより、図2(C),(D)に示すごとき形状に形成してある。前記第2,第3の後続歯9,11における硬質チップ19,21は、図2(C),(D)に示すように、互に対称形状に形成してある。

0027

すなわち、第2後続歯9における硬質チップ19における先端縁19Aの一端部には、ワークの対向した一方の切断面の仕上げ加工を行うために、前記第1後続歯7における硬質チップ17の一方の面取り部17Bから幅方向に僅かに突出する鋭角の突出刃部19Bが形成してある。そして、上記先端縁19の他端部には、ワークの切断時にワークの他方の切断面に非接触状態を保持する逃げ面19Cが形成してある。第3後続歯11における硬質チップ21は、前記硬質チップ19と対称形状であるから、前記硬質チップ19における各部の機能と同様の機能を奏する部位には、硬質チップ19に準じた符号を付して示すこととして重複した説明は省略する。

0028

ところで、前記第2,第3の後続歯9,11における硬質チップ19,21の初期状態の形状は、前記第1の後続歯7における硬質チップ17の初期状態の形状(面取り部17Bを形成する前の形状)と同一である。したがって、前記突出刃部19B,21Bの左右方向への突出量は、前記第1後続歯7における硬質チップ17に面取り部17Bを形成する前の左右方向(幅方向)への突出量に相当する突出量である。

0029

前述したごとき鋸刃1A(帯鋸刃)を帯鋸盤に装着して金属製のワークの切断を行う場合、鋸刃1Aは、図1に示す矢印X方向へ走行駆動され、ワークに対して矢印Z方向に切り込むことになる。上述のように、ワークに対して鋸刃1Aの切込みを行うとき、歯高寸法が最も大きな先行歯5がワークに対して最初に切込みを行うことになる。

0030

先行歯5がワークに対して切込みを行う際、当該先行歯5における硬質チップ15の形状は、鋸刃1Aの切断方向(図2において紙面に垂直な方向)に対して左右対称に傾斜面15Bが形成してあるので、ワークに対する先行歯5の切込みが良好に行われる。そして、上記硬質チップ15の先端刃部15Aがワークに切込むと、鋸刃1Aの切断方向への案内機能を奏し、切断方向に対して直交する方向(図2において左右方向)への振動を抑制するものである。すなわち、切曲がりを生じることなく直進性の良好な切断加工が行われる。

0031

前述のごとく、先行歯5がワークに切込んで、図2(A)に示す幅W1の切断溝を形成すると、次に第1後続歯7がワークに切込んで、前記切断溝をW2の幅に拡開する。そして、第2,第3の後続歯19,21における突出刃部19B,21Bが第1後続歯7における僅かな面取り部17Bから幅方向に突出して、切断溝の対向した切断面を、当該切断面に対する切込み量W3で切削し、ワークの切断溝の幅をW4に拡開することになる。

0032

前述のごとく、切断溝の幅をW2からW4へ拡開するとき、第2,第3の後続歯9,11が対向したワークの切断面に対する切込み量W3は、切断溝の幅W4に対して極めて小さな量であり、2W3/W4の比は約0.08に設定してある。したがって、第2,第3の後続歯9,11は切断溝幅W4の約4%(両側で約8%)の拡開をそれぞれ行うにすぎないものである。例えばW4=2.4mmの場合にはW3=0.1mmとなるものであって、対向した切断面に対する切込み量は小さなものである。よって、ワークの切断を行う際の第2,第3の後続歯9,11に作用する切削抵抗は、先行歯5、第1後続歯7の切削抵抗に比較すると極めて小さなものであり、かつ前記切断面に対して垂直な方向の分力(左右方向の分力)も小さなものであり、前記左右方向の分力に起因する振動を抑制することができるものである。

0033

したがって、鋸刃1Aによるワークの切断加工時に、ワークの切断溝を間にして対向した切断面を高精度に切断加工することができるものである。

0034

なお、前記第2,第3の後続歯9,11による切込み量W3は、上述に限ることなく、0.1mm以下に設定することも可能である。すなわち切込み量W3を小さくする程、左右方向の分力が小さくなり、切断面をより高精度に加工することができるものである。なお、摩耗等を考慮すると、0.03mm以上が望ましいものである。

0035

ところで、前記構成より理解されるように、先行歯5によって切断された幅W1の切断溝に対して、さらに切込んでW2の幅に拡開する機能は第1の後続歯7によるものである。そして、第2,第3の後続歯9,11は第1の後続歯7の歯高寸法と同一の歯高寸法であるから、ワークに対する切込みは幅W3の部分であって極めて小さなものである。換言すれば、第2,第3の後続歯9,11によるワークに対する切込み方向の仕事量は極めて小さなものである。

0036

そして、前記第2,第3の後続歯9,11における突出刃部19B,21Bはそれぞれ片方の切断面に作用するのみであって、上記突出刃部19B,21Bの反対側にはそれぞれ逃げ面19C,21Cが形成してあるので、横方向からの強い衝撃や切削抵抗等を受けた場合に、前記反対側へ弾性変形し得るものである。したがって、ワークの切断時における歯欠けを防止でき、切断面の精度向上を図ることができるものである。すなわち、第2,第3の後続歯9,11は、対向した切断面をそれぞれ個別に仕上げ加工を行うものであるから、第2,第3の後続歯9,11は、ワークの対向した切断面間に挟圧されるようなことがないものである。

0037

よって、一方の後続歯9に左右方向の振動が生じた場合であっても、当該一方の後続歯9が左右方向に弾性変形して左右方向の振動を吸収することができる。すなわち、第2,第3の後続歯9,11は左右方向の振動が生じたような場合であっても、他方の後続歯に、当該振動の影響を付与するようなことがなく、ワークの切断面の切断精度向上を図ることができるものである。

0038

ところで、前記各特許文献に記載の構成の鋸刃においても、ワークの対向した切断面の加工を行う後続の各鋸歯は、ワークの切断面に対して個別に作用するので、切断面に対して直交する方向の分力(左右方向の分力)によって弾性変形し得るものである。しかし、前記各鋸歯は、先行歯によって加工した切断溝をさらに拡開すべく機能するものであって(各後続歯による切断幅の和は、先行歯の切断幅にほぼ等しい)、各後続の鋸歯には、大きな切削抵抗が作用するものである。よって、左右方向の分力も大きくなり、左右方向に振動を生じ易くなり、ワークの切断面を、面粗度(Rmax)30μm以下の高精度に加工することは難しいものである。

0039

既に理解されるように、ワークの対向した切断面をより高精度に切断加工するには、鋸刃の直線走行性が良好であり、かつ切断面を加工する鋸刃に作用する左右方向の分力を小さくして左右方向の振動を抑制することが必要である。この要望に対応して、前記鋸歯1Aにおける先行歯5はワークに対して最初に切込みを行い、第1の後続歯7における硬質チップ17の先端縁17Aから突出した先端刃部15Aを備えると共に左右両側に対称形の傾斜面15Bを備えた構成であるから、鋸刃の直線切削性が良好であり、左右方向への振動を効果的に抑制し得るものである。

0040

そして、前記鋸刃1Aにおける第1の後続歯17は、前記先行歯5によって切断された切断溝を拡開する作用をなすものであり、第2,第3の後続歯19,21は、切断溝を拡開する機能を抑制して、切断面の仕上げ加工機能を向上すべく左右方向の分力の発生を抑制した構成であるから、ワークの切断面を高精度に加工することができるものである。換言すれば、第2,第3の後続歯9,11は、ワークの切断面の仕上げ加工専用の鋸歯(切断面の拡開機能よりも切断面の精度向上機能を重視した鋸歯)であり、ワークの切断面をより高精度に切断することができるものである。

0041

図3,4は、本発明の第2実施形態に係る鋸刃1Bである。この第2の実施形態に係る鋸刃1Bにおいて、前記鋸刃1Aと同一機能を奏する構成要素には同一符号を付することとして、重複した説明は省略する。

0042

この第2の実施形態に係る鋸刃1Bは、前記鋸刃1Aの構成に対して第2の先行歯23を、第1の後続歯7と第2後続歯9との間に備えた構成である。この第2先行歯23の歯高寸法は、前記先行歯5の歯高寸法よりは小さく、前記第1後続歯7の歯高寸法よりも大きく設定してある。そして、第2先行歯23に備えた硬質チップ25には、前記先行歯5における硬質チップ15の先端刃部15Aよりも左右方向に幅広の先端刃部25Aを備えている。この先端刃部25Aの左右両端側は、前記硬質チップ15の傾斜面15Bから左右方向に突出してあり、上記左右両端側には、前記傾斜面15Bと平行な傾斜面25Bが形成してある。

0043

すなわち、第2の実施形態に係る鋸刃1Bにおいては5枚の鋸歯(5,7,9,11,23)からなるアサリパターンに構成してあり、歯高寸法は3種類に構成してある。この鋸刃1Bにおいては、左右対称形状の硬質チップ(15,17,25)が3個となり、前記鋸刃1Aの場合(2個)に比較して多い構成であるから、左右方向の振動がより効果的に抑制されると共に、鋸刃1Bの直進性がより向上するものである。また、鋸歯数が多いことにより各鋸歯によってワークの切断を分担することとなり、各鋸歯の切削抵抗が減少し、振動が抑制されるものである。

0044

したがって、当該鋸刃1Bは、前記鋸刃1Aよりもワークの切断面の精度向上を図ることができると共に、各鋸歯の切削抵抗が抑制されることにより、鋸刃寿命の向上を図ることができ、高効率の切断加工を行うことができるものである。

0045

図5,6は、第3の実施形態に係る鋸刃1Cの構成を示すもので、前述した実施形態の鋸刃1A,1Bの構成と同一機能を奏する構成要素には同一符号を付することにし、重複した説明は省略する。

0046

この第3の実施形態に係る鋸刃1Cは、前記第2先行歯23の歯高寸法と前記第1後続歯7の歯高寸法との中間の歯高寸法の第3の先行歯27を備えると共に、前記第1後続歯7を2枚備えた構成である。前記第3先行歯27における硬質チップ29は、第2先行歯23における硬質チップ25の先端刃部25Aよりも左右方向に幅広の先端刃部29Aを備えている。そして、上記先端刃部29Aの左右両端側は、前記硬質チップ25の傾斜面25Bから左右方向に突出してあり、上記左右両端側には、前記傾斜面25Bと平行な傾斜面29Bが形成してある。

0047

上記構成より明らかなように、第3の実施形態に係る鋸刃1Cは、7枚の鋸歯(5,7,23,7,27,9,11)を順次備えたアサリパターンであって、歯高寸法は4種類の歯高寸法である。前記第3の先行歯27は、第2先行歯23によって拡開された切断溝をさらに拡開する作用をなすものである。すなわち、鋸刃1Cにおいては、歯高寸法が小さくなるほど先端刃部の左右方向の幅寸法が大きな構成であって、切削抵抗が各鋸歯(5,23,27,7)に分散されることとなり、各鋸歯の切削抵抗がより小さく抑制され、切削抵抗に起因する振動の発生を抑制し得るものである。

0048

上記鋸刃1Cの構成においては、左右対称形状の硬質チップの数がより多くなり、左右方向の振動がより効果的に抑制されると共に直進性がより向上するものである。そして、鋸刃1Cにおいては、第1後続歯7を複数備えていることにより、第2,第3の後続歯9,11のワークに対する切込み方向の切込み量をより小さくして切削抵抗をより小さくすることができる。したがって、切込み方向の切削抵抗をより小さくして、切削抵抗に起因する振動をより小さくすることができ、ワークの切断面の加工精度をより高精度な切断面とすることができるものである。

0049

すなわち、前記鋸刃1Cにおいては、第2,第3の後続歯9,11における硬質チップ19,21における先端縁19A,21Aのワークに対する切込み量はほぼになり、ワークに対する切込みは突出刃部19B,21Bのみとなり、ワークの切断面の仕上げ加工専用に使用される形態となるものである。したがって、切断面の切断精度がさらに向上するものである。

0050

既に理解されるように、硬質チップの先端部に先端刃部を備え、左右両側に傾斜面を備えた先行歯を、図7に示すように、4歯以上備える構成とすることにより、鋸刃に作用する切削抵抗を各鋸歯に分散して、各鋸歯の切削抵抗をより小さくすると共に直進性の向上を図ることができるものである。なお、先行歯の数は所望数とすることができる。

0051

また、図3に示した鋸刃1Bは、形状の異なる鋸歯5,7,23,9,11の5歯で構成されるアサリパターンである。そして、ピッチパターンは、図8に示すように、ピッチP1,P2,P3が繰り返される3枚のピッチパターンPP(3)とする。すなわち、この場合、ピッチパターンとアサリパターンでは、3×5=15枚パターンとなる。このように、ピッチパターン数とアサリパターン数とを異なる枚数として組合せることにより、複雑な歯形パターンを実現できるものである。

0052

図9は、図5に示した鋸刃1Cを、ピッチP1〜P6が繰り返される6枚のピッチパターンPP(6)とし、かつ7枚の鋸歯(5,7,23,7,27,9,13)からなるアサリパターンでは、6×7=42枚パターンとなるものである。

0053

ところで、鋸刃の構成とワークの切断面の表面粗さとの関係を調べるために、図10の(A)〜(D)に示すごとき鋸刃NO.1〜NO.4を作成して切断実験を行った。図10(A)に示すNO.1の鋸刃は、第1先行歯5、第2先行歯23及び左右両端側がワークの切断面に同時に作用する撥形鋸歯31を備えた構成である。そして、撥形鋸歯31が第2先行歯23から左右方向に突出してワークの切削を行う突出刃部の突出量を0.28mmとしてある(切断溝全幅の約23%の拡開を行う構成)。

0054

図10(B)〜図10(D)に示したNO.2〜NO.4の鋸刃は図4に示した鋸刃と同一の5枚歯の構成であって、鋸歯5,25,17は、NO.1の鋸刃における鋸歯5,23,31の歯高寸法と等しく構成してある。そして、NO.2の鋸刃における鋸歯17からの鋸歯19,21における突出刃部19B,21Bの左右方向への突出量は0.20mm(切断溝全幅の約17%の拡開を行う構成)である。同様の構成において、NO.3の鋸刃における突出刃部19B,21Bの左右方向の突出量は約8%、NO.4の鋸刃における突出量は約4%である。

0055

なお、図10(A)に示したWは、各歯の切り込み方向の仕事量である。この切り込み方向の仕事量で構成された長方形面積が突出刃部の仕事量であり、面積が小さいほど仕事量は小さいことを表している。

0056

上記構成のNO.1〜NO.4の各鋸刃を、同一材質、同一歯形形状でそれぞれ3本製作してサンプル1,2,3とした。そして、被削材としてアルミニウム角材(1.68m×1.68m)を、鋸速2000m/分、切込み速度300mm/分、帯鋸刃幅80mm、厚さ1.6mm、0.5/0.8Pの切削条件で切断を行い、切断面積が1,000,000cm2のときにおける表面粗さRa(μm)を測定した(測定方法:JISB0601−2001およびISOの標準規格)結果は図11に示すとおりであった。

0057

図11より明らかなように、NO.1の鋸刃においての表面粗さRaは平均約12μmであるのに対して、NO.2の鋸刃においては平均約4.7μmである。そして、NO.3の鋸刃においては、平均約3.0μmであり、NO.4の鋸刃においては平均約2.7μmである。

0058

なお、JIS B0601:1990による表面粗さの適用例によれば、Rmaxの粗さ区分6.3Sが、「良好な機械仕上り面」とされ、このRmaxはJIS B0601:2013による「20.各種表面粗さの値の対応表」の最大高さ(Rz)の値なので、Rmax6.3Sは三角記号の「▽▽▽」に相当し、かつ、算術平均粗さ(Ra)の3.2より高精度であることを意味している。言い換えれば、Raが3.0μm以下のNO.3とNO.4は「良好な機械仕上り面」を奏しているということである。

0059

したがって、鋸刃の切断方向(走行方向)から見た各鋸歯の構成が類似の構成であっても、第2,第3の後続歯における突出刃部19B,21Bの左右方向への突出量を小さくすることは、ワークの切断面をより高精度に切断加工するのに有効であることが分かる。また、仕上げ加工を行う鋸歯における左右両端側が対向した切断面に同時に作用する構成(NO.1の鋸刃)よりも、仕上げ加工を行う鋸歯における左右両端側の一方の端部側が対向した切断面の一方のみに作用する構成(NO.2〜NO.4の鋸刃)の方がより高精度に切断面を切断加工できるものである。

0060

以上のごとき説明より理解されるように、歯先に硬質チップを備えた鋸刃において、ワークの切断面をより高精度に切断加工を行うには、NO.3〜NO.4に示すように、先行歯の切断による切断溝の後続歯による拡開機能は切断溝における全幅の約8%以下の拡開を行う程度に小さく抑制することにより、切削抵抗に起因する左右方向の鋸刃の振動を抑制でき、ワークの切断面をより高精度に切断することができるものである。

0061

ところで、既に理解されるように、第1後続歯7における硬質チップ17の左右の面取り部17Bから第2,第3の後続歯9,11における硬質チップ19,21の突出刃部19B,21Bを左右方向へ突出した構成とすることにより、ワークの対向した切断面を高精度に仕上げ加工することができるものである。この際、第1後続歯7は、左右両側に面取り部17Bを備えた構成であって直進性に優れているものであり、第1後続歯7による切断面の加工も比較的良好に行われるものである。

0062

すなわち、第1後続歯7によって比較的良好に切断加工された切断面を、第2,第3の後続歯9,11における突出刃部19B,21Bによって仕上げ加工を行うものであるから、切断面の切断精度がより向上するものである。

0063

ここで、上述のごとき構成を、鋸歯を左右方向振り出し(アサリ出し)を行ったアサリ出し鋸刃に適用することも考えられる。すなわち、上記アサリ出し鋸刃における左右の後続アサリ歯(面取りアサリ歯)に、前記第1後続歯7における硬質チップ17の面取り部17Bに相当する面取り部を形成する。そして、ワークの切断面の仕上げ加工を行う左右の後続仕上げアサリ歯におけるエッジ部を、前記面取りアサリ歯における面取り部から左右方向へ突出した構成とするものである。

0064

上記構成のアサリ出し鋸刃においては、先行歯によって切削した切削溝(切断溝)を、左右の前記面取りアサリ歯によって拡開する。そして、拡開された切断溝の左右両側に対向した切断面を、左右の後続仕上げアサリ歯によって仕上げ加工を行うことになる。

0065

既に理解されるように、左右の面取りアサリ歯が切断溝を拡開する際、上記面取りアサリ歯には大きな切削抵抗が作用し、かつ左右方向の分力が作用するものである。したがって、左右の面取りアサリ歯により切断されたワークの切断面は、左右の面取りアサリ歯に作用する左右方向の分力に起因する振動の悪影響を受けることとなり、凹凸面に切断加工され易いものである。

0066

上述のように、面取り部を備えた左右の面取りアサリ歯に振動を生じると、上記面取りアサリ歯における面取り部からの左右の後続仕上げアサリ歯におけるエッジ部の左右方向への突出量が変化することになる。このように、左右の後続仕上げアサリ歯におけるエッジ部の左右方向への突出量が変化すると、上記エッジ部に作用する切削抵抗が変化することとなり、左右の後続仕上げアサリ歯に作用する左右方向の分力が変化する。

0067

したがって、左右の後続仕上げアサリ歯は、左右方向に作用する分力の変化に起因して左右方向に振動し易くなるものであって、ワークの切断面をより高精度に加工することが難しくなるものである。よって、鋸歯を左右方向に振り出したアサリ出し鋸刃に、前述したごときバチアサリ歯の鋸刃の構成を適用することは難しいものである。

0068

すなわち、アサリ出し鋸刃は、左右方向の振動を生じ易い構成であり、バチアサリ歯の鋸刃は左右方向の振動を抑制して直進性の向上を図った構成であるから、構成が基本的に異なるものである。したがって、バチアサリ歯の鋸刃の構成を、アサリ出し鋸刃に適用すること、逆に、アサリ出し鋸刃の構成をバチアサリ歯の鋸歯に適用することは難しいものである。

0069

1A,1B,1C鋸刃
3母材
5鋸歯(先行歯)
7 鋸歯(第1の後続歯)
9 鋸歯(第2の後続歯)
11 鋸歯(第3の後続歯)
15硬質チップ
15A先端刃部
15B 傾斜面
17 硬質チップ
17A先端縁(切削刃部)
17B面取り部
19 硬質チップ
19A 先端縁
19B突出刃部
19C逃げ面
21 硬質チップ
21A 先端縁
21B 突出刃部
21C 逃げ面
23 第2の先行歯
25 硬質チップ
25A 先端刃部
25B 傾斜面
27 第3の先行歯
29 硬質チップ
W切り込み方向の仕事量

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