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技術 (7S)−3,4−ジメトキシビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−カルボン酸の酵素的合成方法、ならびにイバブラジン及びその塩の合成における適用

出願人 レラボラトワールセルヴィエ
発明者 サンドリーヌ・ペドラゴサ・モローフランソワ・ルフロン
出願日 2014年2月27日 (6年8ヶ月経過) 出願番号 2014-036219
公開日 2014年9月18日 (6年2ヶ月経過) 公開番号 2014-168461
状態 特許登録済
技術分野 触媒を使用する低分子有機合成反応 その他のIN系複素環式化合物 微生物による化合物の製造 化合物または医薬の治療活性 突然変異または遺伝子工学 有機低分子化合物及びその製造 他の有機化合物及び無機化合物含有医薬
主要キーワード エナンチオ選択的加水分解 国際分類 欧州特許明細書 ニトリラーゼ酵素 イバブラジン エルレンマイヤー 酸化物形態 律動障害
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図面 (2)

課題

イバブラジン及びその薬学的に許容しうる酸とのその付加塩合成方法の提供。

解決手段

式(I)で表されるイバブラジン合成中間体化合物の合成方法。有機溶媒とpH5〜10を有する水性溶液との混合物中、溶媒混合物リットルあたり1〜500gの濃度の対応するラセミ体ニトリルを、コンピテント生物系を有する別の生物において過剰発現したロドコッカス・ロドクラウスニトリラーゼにより、1/1〜1/100のE/S比、25℃〜40℃の温度で、エナンチオ選択的酵素的加水分解を行う、合成方法。

概要

背景

概要

イバブラジン及びその薬学的に許容しうる酸とのその付加塩合成方法の提供。式(I)で表されるイバブラジン合成中間体化合物の合成方法。有機溶媒とpH5〜10を有する水性溶液との混合物中、溶媒混合物リットルあたり1〜500gの濃度の対応するラセミ体ニトリルを、コンピテント生物系を有する別の生物において過剰発現したロドコッカス・ロドクラウスニトリラーゼにより、1/1〜1/100のE/S比、25℃〜40℃の温度で、エナンチオ選択的酵素的加水分解を行う、合成方法。なし

目的

比較実施例B: 3,4−ジメトキシビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−カルボニトリルの酵素的加水分解のための、細菌及び真菌菌株のニトリラーゼのスクリーニング
多数の細菌性誘発剤プロピオニトリルベンゾニトリル、4−ブロモベンゾニトリル)を用いる研究では、プロピオニトリルが、3,4−ジメトキシビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−カルボニトリルとのニトリラーゼ活性最良の誘発を提供する

効果

実績

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請求項1

光学的に純粋な式(I):で示される化合物合成方法であって、式(IV):で示される、ラセミ体、すなわち光学的に純粋でない、ニトリルエナンチオ選択的酵素的加水分解による、コンピテント生物系を有する別の生物において過剰発現したロドコッカス・ロドクラウス(Rhodococcus rhodochrous)NCIMB 11216 のニトリラーゼを使用し、有機溶媒と、pH5〜10を有する水性溶液との混合物中、溶媒混合物リットルあたり式(IV)のニトリル1〜500gの濃度で、1/1〜1/100のE/S比で、25℃〜40℃の温度での、合成方法。

請求項2

コンピテント生物系を有する生物が、再編成したプラスミドを含む細菌である、請求項1記載の方法。

請求項3

ニトリラーゼを過剰発現している細菌を、細菌スラリー又は凍結乾燥の形態で直接使用する、請求項2記載の方法。

請求項4

有機溶媒が、ジメチルスルホキシドDMFアセトンアセトニトリルエタノールイソプロパノール、THF及びMTBEより選択される、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。

請求項5

下記:で示される二次的反応生成物である、立体配置(R)のニトリルが、酵素的加水分解法で再利用されるために、塩基の作用よってラセミ化されて、式(IV)のラセミニトリルを形成する、請求項1〜4のいずれか一項記載の合成方法。

請求項6

塩基が、DBUである、請求項5記載の合成方法。

請求項7

ラセミ化工程が、インサイツで実施される、請求項5又は請求項6のいずれかに記載の合成方法。

請求項8

式(I)の酸が、1つ以上の酵素的加水分解サイクル後に単離される、請求項5〜7のいずれか一項記載の合成方法。

請求項9

式(III):で示される化合物の合成方法であって、請求項1〜8のいずれか一項に従って、式(IV):で示されるニトリルから出発して、これを加水分解して、光学的に純粋な式(I):で示される酸を形成し、次にこれを、光学的に純粋な式(XI):で示されるアミドに変換し、これの還元により、式(III)で示される化合物を得る、合成方法。

請求項10

式(III)の化合物を形成するための式(XI)の化合物の還元は、BH3、NaBH4又はLiAlH4により実施される、請求項9記載の合成方法。

請求項11

式(III)の化合物を、引き続き、式(XII):[式中、Xは、ハロゲン原子を表す]で示される化合物とカップリングするか、又は、式(XIII):[式中、R2は、CHO及びCHR3R4より選択される基を表し、R3及びR4は、各々、直鎖状もしく分岐鎖状(C1−C6)アルコキシ基を表すか、又はそれらを担持する炭素原子一緒になって、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソランもしくは1,3−ジオキセパン環を形成する]で示される化合物と、還元剤の存在下、還元的アミノ化反応に供するかのいずれかにより、イバブラジンを生成し、次にこれを薬学的に許容しうる酸との付加塩無水又は水和物の形態)に変換する、請求項9又は請求項10のいずれかに記載の合成方法。

請求項12

Xが、ヨウ素原子である、請求項11記載の合成方法。

請求項13

式(III)の化合物が、その塩酸塩の形態で還元的アミノ化反応において使用されて、イバブラジンを塩酸塩の形態で得る、請求項11記載の合成方法。

請求項14

式(XIII)の化合物との還元的アミノ化反応を、パラジウム担持炭素によって触媒される二水素の存在下で実施する、請求項10又は請求項13のいずれかに記載の合成方法。

技術分野

0001

本発明は、式(I):




で示される化合物酵素的合成方法に関し、そしてまた、
式(II):




で示されるイバブラジン、すなわち、3−{3−[{[(7S)−3,4−ジメトキシビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−イルメチル}(メチル)アミノ]−プロピル}−7,8−ジメトキシ−1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン薬学的に許容しうる酸とのその付加塩及びそれらの水和物の合成における、式(I)の化合物の適用に関する。

0002

イバブラジン、及び薬学的に許容しうる酸とのその付加塩、ならびにより特別にはその塩酸塩は、非常に有益な薬理学的及び治療的特性、特に徐脈特性を有しており、これらの特性により、それらの化合物は、狭心症心筋梗塞及び関連する律動障害のような心筋虚血の種々の臨床症状の治療又は予防において、ならびに律動障害、特に上室性律動障害が関与する種々の病態において、及び心不全において有用となっている。

0003

イバブラジン及び薬学的に許容しうる酸とのその付加塩、ならびにより特別にはその塩酸塩の調製及び治療的使用は、欧州特許明細書EP 0 534 859に記載されている。

0004

前記特許明細書は、式(III):




で示される化合物、すなわち(7S)−1−(3,4−ジメトキシビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−イル)N−メチルメタンアミンから出発する、イバブラジン塩酸塩の合成について記載している。

0005

式(III)の化合物は、イバブラジン及びその薬学的に許容しうる塩の合成において重要な中間体である。

0006

従来技術は、式(III)の化合物を得るための幾つかの方法を開示している。

0007

特許明細書 EP 0 534 859は、式(III)の化合物の合成であって、
式(IV):




で示されるニトリルの、テトラヒドロフラン中のBH3による還元
続く、塩酸の付加により、
式(V):




で示されるラセミアミンの塩酸塩を生成し、
これを、クロギ酸エチルと反応させて、
式(VI):




で示されるカルバマートを生成し、
これのLiAlH4による還元により、式(VII):




で示されるラセミメチル化アミンを生成し、
カンファースルホン酸を使用するこれの分割により、式(III)の化合物を得る、
式(III)の化合物の合成について記載している。

0008

この方法は、式(IV)のラセミニトリルから出発して、式(III)の化合物を2〜3%のわずかな低収率でしか得られない欠点を有している。この非常に低い収率は、式(VII)の第二級アミンの分割工程の低収率(4〜5%)が原因である。

0009

特許明細書 EP 2 166 004は、式(III)の化合物を得ることを記載しており、キラルクロマトグラフィーを使用して、式(IV)のラセミニトリルの光学的分割により、
光学的に純粋な式(IX):




で示されるニトリルを生成し、これを、NaBH4を用いるか又は加水分解性水素により還元して、式(VIII)の第一級アミンを生成する。次に、第一級アミンを上記と同じ反応順序(カルバマートへの変換、そして続く還元)を使用してメチル化することができる。それにより、式(III)の化合物を、式(IV)のラセミニトリルから出発して5工程にて、分解工程については収率45.6%で得ることができる。

0010

加水分解性ニトリラーゼ酵素酵素国際分類番号:EC 3.5.5.1)を用いることは、式(IV)のラセミニトリルから出発して式(I)の光学的に純粋な酸を直接得ることを可能にするために、かつそれによりラセミニトリルから出発して式(III)のメチル化アミンを得るための工程数を減らすことを可能にするために、有望に見えた。

0011

式(X):




で示されるニトリルは、Almac社によって市販されているNESK-1400スクリーニングキットニトリラーゼ基質として記載されている。

0012

しかし、これらと同じニトリラーゼを式(IV)のニトリルに使用すること(比較実施例Aを参照のこと)は、大部分の場合、結果としてアミドと酸の同時形成(ニトリルヒドラターゼ活性)をもたらし、それらが僅かな選択性を伴う低い活性しか有しないことを示したので、これを、式(III)の化合物の合成において中間体を得るための合成目的に利用することは困難である。

0013

したがって本発明の課題は、アミドの形成を最小限にしながら、式(IV)のラセミニトリルから出発して、式(I)の光学的に純粋な酸のエナンチオ選択的合成を可能にするニトリラーゼを見出すことであった。

0014

次に本出願者は、立体配置Sの、式(I)の酸の優先的形成を伴う様々な全微生物におけるニトリラーゼ活性証拠を見出した。試験した微生物のうち、ロドコッカス・ロドクラウス(Rhodococcus rhodocrous)だけは、(S)酸が、アミドの形成なしに、非常に良好なエナンチオ選択性を持って得られることを可能にした(比較実施例Bを参照のこと)。この活性は、ニトリラーゼの過剰発現によって向上した。

0015

驚くべきことに、この過剰発現したニトリラーゼを使用する酵素的加水分解は、式(X)の基質に対してエナンチオ選択的ではない(比較実施例Cを参照のこと)。

0016

より具体的には、本発明は、光学的に純粋な式(I):




で示される化合物の合成方法であって、
式(IV):




で示される、ラセミ体、すなわち光学的に純粋でない、ニトリルのエナンチオ選択的酵素的加水分解による、
細菌、酵母又は真菌のようなコンピテント生物系を有する別の生物において過剰発現したロドコッカス・ロドクラウスNCIMB 11216 のニトリラーゼを使用し、
有機溶媒と、pH5〜10を有する水性溶液との、好ましくはpH5〜10を有する緩衝液との混合物中、
1〜500g/Lの、好ましくは溶媒混合物リットルあたり式(IV)のニトリル2g〜100gの濃度で、
1/1〜1/100のE/S比で、
25℃〜40℃の温度での、
合成方法に関する。

図面の簡単な説明

0017

ロドコッカス・ロドクラウス(Rhodococcus rhodochrous)の過剰発現したニトリラーゼを使用するニトリルの酵素的加水分解における、6時間後のHPLCクロマトグラムを示す図である。
NIT115を使用するニトリルの酵素的加水分解における、5時間後のHPLCクロマトグラムを示す図である。

0018

本発明の態様に従って、ニトリラーゼは、例えば、大腸菌(Escherichia coli)、好ましくは E. coliBL21(DE3)、E. coli BL21(DE3)pLysS、E. coli BL21star(DE3)又はE. coli JM9(DE3)のような再編成したプラスミドを含む細菌中で過剰発現される。

0019

本発明の態様に従って、有機溶媒は、水と完全に又は部分的に混和性である溶媒、例えば、ジメチルスルホキシドDMFアセトンアセトニトリルアルコール(例えば、エタノール又はイソプロパノール)、又はエーテル(例えば、THF又はMTBE)である。

0020

本発明の別の態様に従って、有機溶媒は、例えば、炭化水素(例えば、ヘプタン又はオクタン)のように水と混和性でない。

0021

水性溶液は、好ましくは、pH約7を有する緩衝液である。

0022

本発明の態様に従って、ニトリラーゼを過剰発現している細菌を、細菌スラリー又は凍結乾燥の形態で、該方法において直接使用する。

0023

E/S比は、好ましくは、細菌スラリーの場合は1/1〜1/10、及び凍結乾燥の場合は1/10〜1/20である。

0024

本発明の別の態様に従って、ニトリラーゼは、精製した酵素の形態で使用される。

0025

本発明による酵素的加水分解の図解は、下記のようである:

0026

有利には、二次的反応生成物である、立体配置(R)のニトリルは、酵素的加水分解法で再利用されるために、有機塩基(例えば、DBU)又はミネラル塩基(例えば、水酸化ナトリウム水酸化カリウム炭酸カリウム又は炭酸ナトリウム)の作用よってラセミ化される。

0027

ラセミ化工程がインサイツで実施される場合、本発明による方法は、98%より多いee(鏡像体過剰率)を有する、式(I)のS酸を得ることを可能にする動的速度論的分割(DKR)方法である。

0028

式(I)の酸は、好ましくは1つ以上の酵素的加水分解サイクルの後に、反応媒体から単離される。

0029

定義
光学的に純粋な化合物とは、90%より大きい又は90%に等しい鏡像体過剰率を有する化合物であると理解される。

0030

光学的に純粋でないニトリルとは、90%未満の鏡像体過剰率を有するニトリルであると理解される。

0031

ラセミニトリルとは、55:45〜45:55の比率の2つの鏡像異性体の混合物の形態のニトリルであると理解される。

0032

ラセミ体、すなわち光学的に純粋でない、ニトリルのエナンチオ選択的加水分解とは、混合物の鏡像異性体のうちの1つの優先的加水分解であると理解される。

0033

コンピテント生物系とは、(a)目的の組換えタンパク質生物種が産生することができるように、生物種の遺伝子材料が遺伝子的組換えにより改変された生物種(宿主細胞)を指すと理解される。その目的のために構築された発現ベクター(プラスミド)は、目的の遺伝子をコードするDNAを宿主細胞に移入することができ、それにより機能タンパク質を効率的(過剰)に発現し得る。

0034

本発明の別の態様は、僅か2工程での式(III)の化合物の合成方法であって、光学的に純粋な式(I)の酸から出発し、これが、光学的に純粋な式(XI):




で示されるアミドに変換され、
これの、好ましくはBH3、NaBH4又はLiAlH4による還元により、式(III)の化合物を生成する、合成方法に関する。

0035

式(III)の化合物を、引き続き
式(XII):




[式中、Xは、ハロゲン原子、好ましくはヨウ素原子を表す]で示される化合物とカップリングするか、又は、
式(XIII):




[式中、
R2は、CHO及びCHR3R4より選択される基を表し、
R3及びR4は、各々、直鎖状もしく分岐鎖状(C1−C6)アルコキシ基を表すか、又はそれらを担持する炭素原子一緒になって、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソランもしくは1,3−ジオキセパン環を形成する]で示される化合物と、還元剤の存在下、還元的アミノ化反応に供するかのいずれかにより、
イバブラジンを生成し、次にこれを薬学的に許容しうる酸との付加塩(該塩は、無水又は水和物の形態である)に変換する。

0036

式(III)の化合物はまた、薬学的に許容しうる酸とのその付加塩、好ましくはその塩酸塩の形態で還元的アミノ化反応において使用し得る。その場合、イバブラジンは、塩酸塩の形態で直接得られる。

0037

薬学的に許容しうる酸には、いかなる限定もするわけではないが、塩酸、臭化水素酸硫酸リン酸酢酸トリフルオロ酢酸乳酸ピルビン酸マロン酸コハク酸グルタル酸フマル酸酒石酸マレイン酸クエン酸アスコルビン酸シュウ酸メタンスルホン酸ベンゼンスルホン酸及びカンファー酸を挙げることができる。

0038

式(III)の化合物と式(XIII)の化合物との還元的アミノ化反応に使用し得る還元剤には、いかなる限定もするわけではないが、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムもしくはシアノ水素化ホウ素ナトリウムのような水素化ドナー化合物、及び特に担体形態又は酸化物形態の、パラジウム白金ニッケルルテニウムロジウム又はその化合物のような触媒の存在下での二水素を挙げることができる。式(III)の化合物と式(XIII)の化合物との還元的アミノ化反応に好ましい還元剤は、パラジウム担持炭素によって触媒される二水素である。

0039

本明細書に下記の実施例は本発明を例証する。

0040

略語
FAトリフルオロ酢酸
TLC薄層クロマトグラフィー
DBUジアザビシクロウンデセ
DKR 動的速度論的分割
DMFジメチルホルムアミド
DMSOジメチルスルホキシド
OD光学密度
Eエナンチオ選択的係数
ee鏡像体過剰率
eqモル当量
HPLC高速液体クロマトグラフィー
IPTイソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド
LB LB(溶原培地
MeOHメタノール
MTBEメチルtert−ブチルエーテル
op光学純度又はエナンチオマー純度
E/S比酵素/基質の比(g/g)
MR核磁気共鳴分光分析
MS質量分析
THFテトラヒドロフラン
TMSテトラメチルシラン

0041

実施例1: (7S)−3,4−ジメトキシビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−カルボン酸
ニトリラーゼの過剰発現:
ロドコッカス・ロドクラウスNCIMB 11216のニトリラーゼタンパク質は、タンパク質及びゲノムデータベースに記載されている。目的遺伝子の配列は、EMBL-BankのENA(European Nucleotide Archive/欧州ヌクレオチドアーカイブ)中の識別SVA(Sequence Version Archive/配列版アーカイブ)「EF467367」に列記されている。この配列は、UniProtKB/TrEMBL データベース中の参照「A4LA85」に対応している。発現ベクターpET28a-Nit1で形質転換された生産菌株E. coliBL21(DE3)を使用した。ニトリラーゼ過剰発現プロトコルは、Applied Biochemistry and Biotechnology 2010, Vol 160(2), pp 393-400に記載されている。それにより形質転換された細胞は、細菌スラリーの形態で直接使用されるか、又は使用前に凍結乾燥されるかのいずれかである。

0042

過剰発現したニトリラーゼを使用する酵素的加水分解
上記プロトコルに従って形質転換された細胞を、5.6×109細胞/mLの濃度で撹拌した(OD=1(600nm)での培養液1mLは、1.109細菌及び細菌スラリー約10mg又は凍結乾燥1.5mgに相当する)。リン酸緩衝液KH2PO4/Na2HPO4(1/15M、pH7)250mLの溶液に、E. coliの凍結乾燥1g及び2%DMSO(5mL)中の3,4−ジメトキシビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−カルボニトリル500mg(c=2g/L、10mM)を加えた。反応混合物を、220rpmで回転撹拌しながら、30℃で6時間保持した。

0043

測定すべき酸及びニトリルの鏡像体過剰率を許す条件下、反応をキラル相HPLCによりモニタリングした:
Chiralpak IBカラム
90%n−ヘキサン10%2−PrOH+0.1%TFA
1mL/分、30℃、288nm

0044

0045

6時間後のキラル相HPLCクロマトグラムを図1に示す。

0046

時間反応させた後、高酸性pH(pH2)を得るために、反応混合物を1M HClで酸性化し、次にジクロロメタン(2×100mL)で抽出した。有機相を取り除いた。トルエン(2×100mL)を使用する第2の抽出により、水相中に残っているすべての生成物回収することが可能になった。有機相を飽和NaCl溶液洗浄し、次に無水硫酸マグネシウムを使用して乾燥させた。溶媒の蒸発の後、粗生成物を得たが、これをシリカカラムフラッシュクロマトグラフィーにより、以下の条件下、精製した:
カラムタイプ:80g SiOH Macherey-Nagel
材料及び方法:Reveleris(登録商標
溶離剤均一濃度シクロヘキサン+1%酢酸/酢酸エチル+1%酢酸75/25)
検出:UV 288nm
流速:60mL/分
結果:
ニトリル(R):収率(収量)36%(179mg)、ee(R):96%
酸(S):収率(収量)39%(246mg)、ee(S):96%

0047

実施例2: (R)ニトリルのラセミ化による3,4−ジメトキシビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−カルボニトリル
(R)−(3,4−ジメトキシビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−イル)ニトリル100mg(0.53mmol)、イソプロパノール5mL及びDBU 121mg(1.5当量)を、冷却器及び磁気攪拌機を備えたフラスコに移した。65℃で2時間加熱し、次に周囲温度に戻るにまかせた。濾過して、標記化合物を得た。

0048

実施例3: (7S)−3,4−ジメトキシ−N−メチルビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−カルボキサミド
実施例1で得た(7S)−3,4−ジメトキシビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−カルボン酸(300mg)をTHF(3mL)に周囲温度で懸濁し、次にトリエチルアミン(200μL)を加えた。クロロギ酸エチル(150μL)を、混合物にゆっくりと加えた。反応混合物が沈殿した(混合物(I))。別のフラスコで、THF中の2M溶液としてメチルアミン(2.25mL)を水(1mL)及びトリエチルアミン(300μL)と一緒に撹拌した。撹拌を20分間維持し、次に得られた混合物を混合物(I)に加え、周囲温度で一晩撹拌した。次に反応混合物を蒸発させ、分取HPLCにより精製した。(7S)−3,4−ジメトキシ−N−メチルビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−カルボキサミドを収率60%で得た。
1H NMR(DMSO-d6, ppm /TMS) = 2.61 (m; 3H); 3.16 (m; 2H); 3.71 (s; 6H); 4.05 (m; 1H); 6.78 (s; 1H); 6.81 (s; 1H); 7.78 (br s; 1H).

0049

実施例4: (7S)−3,4−ジメトキシビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−イル]N−メチルメタンアミン
実施例3で得た(7S)−3,4−ジメトキシ−N−メチルビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−カルボキサミド(450mg)をテトラヒドロフラン(20mL)に懸濁し、次にテトラヒドロフラン中の2M LiAlH4溶液1.6mLを、反応混合物に周囲温度でゆっくり加えた。著しい気体の発生が観察され、反応混合物が清澄になった。反応混合物を還流温度で30分間加熱した。周囲温度に戻った後、加水分解し、次に酢酸エチルで抽出した。MgSO4で乾燥させ、次に蒸発させた。得られた残留物を、分取HPLC(溶離剤:水/アセトニトリル/トリフルオロ酢酸、98/2/0.2〜20/80/0.2)により30分間かけて精製して、標記生成物を収率46%で得た。
1H NMR(DMSO-d6, ppm /TMS) = 2.60 (m; 3H); 2.85 (m; 1H); 3.15 (m; 1H); 3.25 (dd; 1H); 3.30 (m; 1H); 3.62 (m; 1H); 3.70 (s; 6H); 6.82 (s; 1H); 6.89 (s; 1H); 8.48 (br s; 1H)

0050

実施例5: (7S)−3,4−ジメトキシビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−イル]N−メチルメタンアミン塩酸塩
テトラヒドロフラン中のBH3の1モル溶液20mLを、テトラヒドロフラン45mL中の実施例3で得た(7S)−3,4−ジメトキシ−N−メチルビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−カルボキサミド2.2g(10mmol)の混合物に、周囲温度で加えた。1時間の撹拌の後、テトラヒドロフラン中のBH3の溶液10mLを加えた。周囲温度で一晩撹拌した後、エタノール20mLを滴下し、気体の発生がなくなるまで(約1時間)、混合物を撹拌した。次にエタノール中の塩酸溶液20mLを滴下した。4時間の撹拌の後、得られた沈殿物(標記生成物1.2g)を濾別した。濾液濃縮し、酢酸エチル/エタノールの80/20の混合物中でそれを固体にすることにより、さらなる0.65gの標記生成物を得た。2つの沈殿物を合わせて、標記生成物1.85gを得た(収率:77%)。

0051

実施例6:イバブラジン塩酸塩
3−[2−(1,3−ジオキソラン−2−イル)エチル]−7,8−ジメトキシ−1,3−ジヒドロ−2H−3−ベンゾアゼピン−2−オン5.5kg、エタノール27.5リットル、及びパラジウム担持炭素550gを、オートクレーブに入れた。窒素で、次に水素でパージし、55℃に加熱し、次に理論上の水素の量が吸収されてしまうまで、55℃で5barの圧力下、水素化した。次に周囲温度に戻し、オートクレーブを減圧した。次に(7S)−3,4−ジメトキシビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−イル]N−メチルメタンアミン塩酸塩4kg、エタノール11リットル、水5.5リットル及びパラジウム担持炭素1kgを加えた。窒素で、次に水素でパージし、85℃に加熱し、次に理論上の水素の量が吸収されてしまうまで、85℃で30barの圧力下、水素化した。次に周囲温度に戻し、オートクレーブをパージし、次に反応混合物を濾過した;溶媒を留出させ、次にトルエン/1−メチル−2−ピロリジノンの混合物からの結晶化により、イバブラジン塩酸塩を単離した。それによりイバブラジン塩酸塩を、収率85%及び99%を越える化学純度で得た。

0052

比較実施例A: 3,4−ジメトキシビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−カルボニトリルの酵素的加水分解のための市販ニトリラーゼのスクリーニング
凍結乾燥の形態の、試験中のニトリラーゼ(15mg)を、管に量り入れ、次に0.1MKH2PO4緩衝液4mL(pH=7)、及びDMSO 100μLに溶解した3,4−ジメトキシビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−カルボニトリル(20mg)を加えた。インキュベーター(28℃、220rpm)に置いた。変換割合を、24時間後及び72時間後にHPLCにより測定した。ニトリラーゼNIT 101、NIT 102、NIT 103、NIT 104、NIT 105、NIT 106、NIT 108、NIT 109、NIT 111、NIT 112及びNIT 113 (Almac)は、24時間後、ニトリルを加水分解しなかった(酸の形成又はアミドの形成なし)。

0053

ニトリラーゼNIT 107、NIT 110、NIT 114及びNIT 115 (Almac)で得られた結果を以下の表に順に並べた:

0054

0055

分析条件
Phenomenex LUNA HST 50*3カラムC18(2) 2.5μm
8分間に亘り0%〜100%B 0.8mL/分 40℃
A(1000 水+25 ACN+1 TFA)
B(1000 ACN+25 水+1 TFA)

0056

次にニトリラーゼNIT 115を別の試験で用いて、ニトリルの加水分解がエナンチオ選択的であるか測定した。

0057

ニトリラーゼNIT 115(12mg; Almac)を緩衝液6mL[2mg/mL]中で使用した。3,4−ジメトキシビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−カルボニトリルを加えて、その最終濃度4mg/mLに達した。エナンチオ選択性を、以下の分析条件を使用してHPLCにより測定した:
Chiralpak IC 250*4.6カラム
30%無水エタノール+0.1%TFA+70%ヘプタン+0.1%TFA
1mL/分 30℃ 288nm
注記: これらの条件下、酸の鏡像異性体を分離したが、ニトリルの鏡像異性体は分離しなかった。

0058

5時間反応させた後に得たクロマトグラムを、図2に示す。

0059

結果:エナンチオ選択性は観察されなかった。

0060

比較実施例B: 3,4−ジメトキシビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−カルボニトリルの酵素的加水分解のための、細菌及び真菌の菌株のニトリラーゼのスクリーニング
多数の細菌性誘発剤プロピオニトリルベンゾニトリル、4−ブロモベンゾニトリル)を用いる研究では、プロピオニトリルが、3,4−ジメトキシビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−カルボニトリルとのニトリラーゼ活性の最良の誘発を提供することを示した。細菌の菌株を、プロピオニトリル72mMで72時間誘発し、細胞を0.1Mリン酸緩衝液KH2PO4/K2HPO450mL(pH=7.3)(濃縮2回、濃度:1mLにつき細胞10mg)に取り、3,4−ジメトキシビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−カルボニトリルを2%DMSO中の10mMの濃度(v/v最終)で加えた。真菌の菌株をバレロニトリルで誘発した。

0061

すべての反応混合物を、220rpmにて、細菌の場合30℃で、及び真菌の場合27℃で撹拌し、以下に記載の方法に従って逆相HPLCにより及びキラル相HPLCにより、96時間モニターした:
逆相分
Phenomenex LUNA HST 50*3カラムC18(2) 2.5μm
8分間に亘り0%B〜100%B 0.8mL/分 40℃
A(1000 水+25 ACN+1 TFA)
B(1000 ACN+25 水+1 TFA)
キラル相分
Chiralpak IC 250*4.6カラム
30%無水エタノール+0.1%TFA+70%ヘプタン+0.1%TFA
1mL/分 30℃ 288nm

0062

得られた結果を以下の表に順に並べた:

0063

0064

比較実施例C:ロドコッカス・ロドクラウスNCIMB1216の過剰発現したニトリラーゼを使用する、ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−カルボニトリルの酵素的加水分解
LB+寒天カナマイシン上に置き、静置インキュベーション(37℃、24時間)(組換えE. coliのニトリラーゼの株11216)。
LB 5mL+カナマイシン(50mg/L)中で前培養、インキュベーション(37℃、180rpm、一晩)。
培養:LB 50mL及び前培養500μLを、隔壁なし(non-baffled)の250mL容量のエルレンマイヤー(Erlenmeyer)フラスコに移し、ODが0.6に等しくなるまで(すなわち、約4時間)インキュベーション(28℃、160rpm)。
IPTG(0.5mM)での誘導、インキュベーション(17℃、160rpm、一晩(17時間))。
活性試験培養物を4℃で、6000rpm、20分間遠心分離し、0.1Mリン酸緩衝液10mL(pH7)中のスラリーを再懸濁した。ビシクロ[4.2.0]オクタ−1,3,5−トリエン−7−カルボニトリル(10mM)+2%エタノールを加えた。220rpm、30℃でインキュベートした。
注記:遠心分離するとき、培養物が50mLを越えている場合、50mLを取り除き、そして培養物のスラリー50mLを用いて活性試験を実施すること。

0065

キラルクロマトグラフィーによる加水分解モニタリング:45分間及び2時間の時点で。
カラム:Phenomenex(登録商標)LUNA HST 50*3 C18(2) 2.5μm
溶離剤:A+B(8分間に亘り0〜100%B)
A:1000 水+25 ACN+1 TFA
B:1000 ACN+ 25水+1 TFA
0.8mL/分 40℃ UV 210nm

0066

結果:

0067

キラルクロマトグラフィーによるモニタリングは、反応がエナンチオ選択的ではないことを示す。

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