図面 (/)

技術 ベーン型圧縮機

出願人 株式会社豊田自動織機
発明者 三ツ井翼稲垣雅洋小林和男鴻村哲志佐藤真一
出願日 2014年1月10日 (6年5ヶ月経過) 出願番号 2014-003533
公開日 2014年9月11日 (5年9ヶ月経過) 公開番号 2014-167290
状態 特許登録済
技術分野 回転型ポンプ(2) 回転型圧縮機の応用細部
主要キーワード 延設面 油貯留室 各吸入口 有底円筒 連通通路 フロントサイドプレート 周方向全周 容積減少
関連する未来課題
重要な関連分野

この項目の情報は公開日時点(2014年9月11日)のものです。
また、この項目は機械的に抽出しているため、正しく解析できていない場合があります

図面 (7)

課題

吸入効率を向上させるとともに、回転軸の軸方向において小型化することができるベーン型圧縮機を提供すること。

解決手段

吸入室20を、シリンダブロック14とリヤハウジング12との間に回転軸16の周方向に延在させ、吸入室20及び吸入ポート22を、回転軸16の径方向圧縮室21と重なるように配置した。これによれば、従来技術のようなシリンダブロック14に対して回転軸16の軸方向に並ぶ位置に形成される吸入室20を廃止又は縮小することができる。さらに、吸入ポート22、吸入室20、及び圧縮室21が径方向に重なるように整列して配置されることにより、冷媒ガスがベーン型圧縮機10内の熱により加熱されることなく、また、吸入経路屈曲されることなく、圧縮室21に吸入される。

概要

背景

例えば、特許文献1に開示されるベーン型圧縮機において、図5に示すように、ベーン型圧縮機100のハウジング101は、リヤハウジング102と、このリヤハウジング102の前端面に接合されたフロントハウジング103とから形成されている。リヤハウジング102の内部にはシリンダブロック104が収容されている。また、リヤハウジング102の内部において、シリンダブロック104の前端面にはフロントサイドプレート105が接合されるとともに、シリンダブロック104の後端面にはリヤサイドプレート106が接合されている。そして、シリンダブロック104の外周面と、この外周面に対向するリヤハウジング102の内周面と、フロントサイドプレート105及びリヤサイドプレート106におけるシリンダブロック104に対向する一方の端面との間には、吐出室107が区画されている。フロントサイドプレート105及びリヤサイドプレート106には、回転軸108が回転可能に支持されるとともに、回転軸108はシリンダブロック104内を貫通している。

図6に示すように、シリンダブロック104内において、回転軸108にはロータ109が回転軸108に一体回転可能に止着されている。ロータ109の外周面には、複数箇所放射状にベーン溝110が形成されるとともに、各ベーン溝110にはベーン111が出没可能に収容されている。そして、これらベーン111によってシリンダブロック104内には複数の圧縮室112が区画されている。シリンダブロック104には圧縮室112と吐出室107とを連通する吐出口113が形成されている。そして、圧縮室112で圧縮された冷媒ガスは、吐出弁114を押し退けて吐出口113を介して吐出室107へ吐出されるようになっている。

図5に示すように、フロントハウジング103の上部には吸入ポート115が形成されている。フロントハウジング103内には、吸入ポート115に連通する吸入室116が形成されている。さらに、フロントサイドプレート105には、吸入室116と連通する吸入口117が形成されている。また、シリンダブロック104には、シリンダブロック104を軸方向全体に亘って貫通する吸入通路118が形成されている。そして、吸入行程中の各圧縮室112と吸入室116とは、それぞれ吸入口117及び吸入通路118を介して連通される。

リヤハウジング102の上部には吐出ポート119が形成されている。また、リヤハウジング102の後側には、リヤサイドプレート106によって吐出領域120が区画されている。吐出領域120には、冷媒ガス中に含まれる潤滑油を分離する油分離器121が設けられている。油分離器121は、油分離室122と、この油分離室122の上部に設けられた油分離筒123とを有する。また、吐出領域120内において、油分離器121の外側には油貯留室124が区画されている。さらに、リヤサイドプレート106には、吐出室107と油分離室122とを連通する吐出通路125が形成されており、吐出通路125を介して吐出室107と油分離器121とが繋がれている。さらに、リヤサイドプレート106には、油貯留室124に貯留された潤滑油を、ベーン溝110に導くための油供給通路126が形成されている。

そして、回転軸108が回転すると、ロータ109が回転し、冷媒ガスが吸入室116から吸入口117及び吸入通路118を介して吸入行程中の各圧縮室112に吸入される。そして、各圧縮室112に吸入された冷媒ガスは、圧縮行程中の圧縮室112の容積減少により圧縮される。圧縮された冷媒ガスは、各圧縮室112から吐出口113を介して吐出室107に吐出される。吐出室107に吐出された冷媒ガスは、吐出通路125を介して吐出領域120へ吐出される。吐出領域120に吐出された冷媒ガスは、油分離筒123の外周面に吹き付けられるとともに、油分離筒123の外周面を旋回しながら油分離室122の下方へ導かれる。このとき、遠心分離によって冷媒ガスから潤滑油が分離される。そして、冷媒ガスから分離された潤滑油は、油分離室122を介して油貯留室124に貯留される。油貯留室124に貯留された潤滑油は、油供給通路126を介してベーン溝110に導かれて、ベーン111とベーン溝110との摺動部分が潤滑油によって潤滑される。一方、潤滑油が分離された冷媒ガスは、油分離筒123の内部を上方へ移動し、吐出ポート119を介して外部(例えば外部冷媒回路)へ吐出される。

概要

吸入効率を向上させるとともに、回転軸の軸方向において小型化することができるベーン型圧縮機を提供すること。吸入室20を、シリンダブロック14とリヤハウジング12との間に回転軸16の周方向に延在させ、吸入室20及び吸入ポート22を、回転軸16の径方向で圧縮室21と重なるように配置した。これによれば、従来技術のようなシリンダブロック14に対して回転軸16の軸方向に並ぶ位置に形成される吸入室20を廃止又は縮小することができる。さらに、吸入ポート22、吸入室20、及び圧縮室21が径方向に重なるように整列して配置されることにより、冷媒ガスがベーン型圧縮機10内の熱により加熱されることなく、また、吸入経路屈曲されることなく、圧縮室21に吸入される。

目的

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、吸入効率を向上させるとともに、回転軸の軸方向において小型化することができるベーン型圧縮機を提供する

効果

実績

技術文献被引用数
0件
牽制数
1件

この技術が所属する分野

ライセンス契約や譲渡などの可能性がある特許掲載中! 開放特許随時追加・更新中 詳しくはこちら

請求項1

ハウジング内に筒状のシリンダブロックが収容されるとともに、前記シリンダブロックの内部にはベーンを有するロータ回転軸の回転に伴って回転可能に収容されており、前記シリンダブロックの内壁及び前記ベーンによって圧縮室が区画されており、前記ハウジングには、吸入ポートと、前記吸入ポートに連通する吸入室とが設けられるベーン型圧縮機であって、前記吸入室は、前記シリンダブロックと前記ハウジングとの間に前記回転軸の周方向に延在し、前記吸入室及び前記吸入ポートは、前記回転軸の径方向で前記圧縮室と重なって配置されていることを特徴とするベーン型圧縮機。

請求項2

前記圧縮室で圧縮された冷媒吐出される吐出室が、前記シリンダブロックと前記ハウジングとの間に形成されており、前記吸入室と前記吐出室とは、前記シリンダブロックと前記ハウジングとの間で前記回転軸の軸方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項1に記載のベーン型圧縮機。

請求項3

前記吸入室は、前記シリンダブロックの周方向全周に亘って形成されていることを特徴とする請求項2に記載のベーン型圧縮機。

請求項4

前記圧縮室で圧縮された冷媒が吐出される吐出室が、前記シリンダブロックと前記ハウジングとの間に形成されており、前記吸入室と前記吐出室とは、前記シリンダブロックと前記ハウジングとの間で、前記回転軸の軸方向に延びる隔壁により隔てられることで、前記シリンダブロックの周方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項1に記載のベーン型圧縮機。

請求項5

前記ハウジングと前記回転軸との間には軸封装置が介在されており、前記軸封装置は、前記ハウジングに形成された収容室内に収容されており、前記吸入室と前記収容室とが連通通路により連通していることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のベーン型圧縮機。

請求項6

前記シリンダブロックには、前記吸入室と連通する複数の吸入口が形成され、前記吸入室の冷媒は、前記吸入口を介して前記圧縮室に吸入されることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のベーン型圧縮機。

請求項7

前記シリンダブロックには、前記吸入口が二つ形成されており、各吸入口は、前記吸入ポートから前記吸入室を介して各吸入口に至る冷媒の経路の長さがそれぞれ同じ長さとなる位置に配置されていることを特徴とする請求項6に記載のベーン型圧縮機。

技術分野

0001

本発明は、ベーン型圧縮機に関する。

背景技術

0002

例えば、特許文献1に開示されるベーン型圧縮機において、図5に示すように、ベーン型圧縮機100のハウジング101は、リヤハウジング102と、このリヤハウジング102の前端面に接合されたフロントハウジング103とから形成されている。リヤハウジング102の内部にはシリンダブロック104が収容されている。また、リヤハウジング102の内部において、シリンダブロック104の前端面にはフロントサイドプレート105が接合されるとともに、シリンダブロック104の後端面にはリヤサイドプレート106が接合されている。そして、シリンダブロック104の外周面と、この外周面に対向するリヤハウジング102の内周面と、フロントサイドプレート105及びリヤサイドプレート106におけるシリンダブロック104に対向する一方の端面との間には、吐出室107が区画されている。フロントサイドプレート105及びリヤサイドプレート106には、回転軸108が回転可能に支持されるとともに、回転軸108はシリンダブロック104内を貫通している。

0003

図6に示すように、シリンダブロック104内において、回転軸108にはロータ109が回転軸108に一体回転可能に止着されている。ロータ109の外周面には、複数箇所放射状にベーン溝110が形成されるとともに、各ベーン溝110にはベーン111が出没可能に収容されている。そして、これらベーン111によってシリンダブロック104内には複数の圧縮室112が区画されている。シリンダブロック104には圧縮室112と吐出室107とを連通する吐出口113が形成されている。そして、圧縮室112で圧縮された冷媒ガスは、吐出弁114を押し退けて吐出口113を介して吐出室107へ吐出されるようになっている。

0004

図5に示すように、フロントハウジング103の上部には吸入ポート115が形成されている。フロントハウジング103内には、吸入ポート115に連通する吸入室116が形成されている。さらに、フロントサイドプレート105には、吸入室116と連通する吸入口117が形成されている。また、シリンダブロック104には、シリンダブロック104を軸方向全体に亘って貫通する吸入通路118が形成されている。そして、吸入行程中の各圧縮室112と吸入室116とは、それぞれ吸入口117及び吸入通路118を介して連通される。

0005

リヤハウジング102の上部には吐出ポート119が形成されている。また、リヤハウジング102の後側には、リヤサイドプレート106によって吐出領域120が区画されている。吐出領域120には、冷媒ガス中に含まれる潤滑油を分離する油分離器121が設けられている。油分離器121は、油分離室122と、この油分離室122の上部に設けられた油分離筒123とを有する。また、吐出領域120内において、油分離器121の外側には油貯留室124が区画されている。さらに、リヤサイドプレート106には、吐出室107と油分離室122とを連通する吐出通路125が形成されており、吐出通路125を介して吐出室107と油分離器121とが繋がれている。さらに、リヤサイドプレート106には、油貯留室124に貯留された潤滑油を、ベーン溝110に導くための油供給通路126が形成されている。

0006

そして、回転軸108が回転すると、ロータ109が回転し、冷媒ガスが吸入室116から吸入口117及び吸入通路118を介して吸入行程中の各圧縮室112に吸入される。そして、各圧縮室112に吸入された冷媒ガスは、圧縮行程中の圧縮室112の容積減少により圧縮される。圧縮された冷媒ガスは、各圧縮室112から吐出口113を介して吐出室107に吐出される。吐出室107に吐出された冷媒ガスは、吐出通路125を介して吐出領域120へ吐出される。吐出領域120に吐出された冷媒ガスは、油分離筒123の外周面に吹き付けられるとともに、油分離筒123の外周面を旋回しながら油分離室122の下方へ導かれる。このとき、遠心分離によって冷媒ガスから潤滑油が分離される。そして、冷媒ガスから分離された潤滑油は、油分離室122を介して油貯留室124に貯留される。油貯留室124に貯留された潤滑油は、油供給通路126を介してベーン溝110に導かれて、ベーン111とベーン溝110との摺動部分が潤滑油によって潤滑される。一方、潤滑油が分離された冷媒ガスは、油分離筒123の内部を上方へ移動し、吐出ポート119を介して外部(例えば外部冷媒回路)へ吐出される。

先行技術

0007

特開2010−38144号公報

発明が解決しようとする課題

0008

ところで、特許文献1のベーン型圧縮機100では、フロントハウジング103内に吸入室116が形成されている。すなわち、吸入室116は、シリンダブロック104に対して回転軸108の軸方向に並ぶ位置に形成されているため、この吸入室116が、ベーン型圧縮機100の体格を回転軸108の軸方向に大型化させる要因となっていた。また、シリンダブロック104に対して回転軸108の軸方向に並ぶ位置に吸入室116が配置されるため、フロントハウジング103の上部に形成される吸入ポート115からシリンダブロック104内の圧縮室112までの経路が長く且つ屈曲しており、経路を通過する間に加熱されることから、吸入効率が低下していた。

0009

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、吸入効率を向上させるとともに、回転軸の軸方向において小型化することができるベーン型圧縮機を提供することにある。

課題を解決するための手段

0010

上記課題を解決するベーン型圧縮機は、ハウジング内に筒状のシリンダブロックが収容されるとともに、前記シリンダブロックの内部にはベーンを有するロータが回転軸の回転に伴って回転可能に収容されており、前記シリンダブロックの内壁及び前記ベーンによって圧縮室が区画されており、前記ハウジングには、吸入ポートと、前記吸入ポートに連通する吸入室とが設けられるベーン型圧縮機であって、前記吸入室は、前記シリンダブロックと前記ハウジングとの間に前記回転軸の周方向に延在し、前記吸入室及び前記吸入ポートは、前記回転軸の径方向で前記圧縮室と重なって配置されている。

0011

これによれば、吸入室及び吸入ポートが、回転軸の径方向で圧縮室と重なって配置されているため、従来技術のようなシリンダブロックに対して回転軸の軸方向に並ぶ位置に形成される吸入室を廃止又は縮小することができる。その結果、ベーン型圧縮機を回転軸の軸方向において小型化することができる。さらに、吸入ポート、吸入室、及び圧縮室が径方向に重なるように整列して配置されることにより、冷媒がベーン型圧縮機内の熱により加熱されることなく、また、吸入経路が屈曲されることなく、圧縮室に吸入されるため、吸入効率を向上させることができる。

0012

上記ベーン型圧縮機において、前記圧縮室で圧縮された冷媒が吐出される吐出室が、前記シリンダブロックと前記ハウジングとの間に形成されており、前記吸入室と前記吐出室とは、前記シリンダブロックと前記ハウジングとの間で前記回転軸の軸方向に並んで配置されていることが好ましい。

0013

これによれば、シリンダブロックの周方向において、吸入室を所望の位置に形成することができる。例えば、ベーン型圧縮機を車両に搭載する場合、ベーン型圧縮機の搭載スペース周りに配置される補機等と干渉してしまうことを避けるために、吸入ポートの配置位置が一義的に決められる場合がある。このような場合であっても、吸入ポートの配置位置に対応する位置に吸入室を形成することができ、ベーン型圧縮機の設計自由度を向上させることができる。

0014

上記ベーン型圧縮機において、前記吸入室は、前記シリンダブロックの周方向全周に亘って形成されていることが好ましい。
これによれば、吸入室が、シリンダブロックの周方向全周に亘って形成されていない場合に比べると、吸入室の容積を可能な限り確保することができる。

0015

上記ベーン型圧縮機において、前記圧縮室で圧縮された冷媒が吐出される吐出室が、前記シリンダブロックと前記ハウジングとの間に形成されており、前記吸入室と前記吐出室とは、前記シリンダブロックと前記ハウジングとの間で、前記回転軸の軸方向に延びる隔壁により隔てられることで、前記シリンダブロックの周方向に並んで配置されていることが好ましい。

0016

これによれば、シリンダブロックの周方向において、隔壁の位置を調整することにより、吸入室と吐出室との容積の割合を調整することができる。
上記ベーン型圧縮機において、前記ハウジングと前記回転軸との間には軸封装置が介在されており、前記軸封装置は、前記ハウジングに形成された収容室内に収容されており、前記吸入室と前記収容室とが連通通路により連通していることが好ましい。

0017

これによれば、吸入室に吸入された冷媒の一部を連通通路を介して収容室に導入することができる。その結果、収容室に導入された冷媒によって、軸封装置を冷却することができるとともに、回転軸と軸封装置との摺動部分の潤滑を良好なものとすることができる。

0018

上記ベーン型圧縮機において、前記シリンダブロックには、前記吸入室と連通する複数の吸入口が形成され、前記吸入室の冷媒は、前記吸入口を介して前記圧縮室に吸入されることが好ましい。

0019

これによれば、吸入効率をさらに向上させることができる。
上記ベーン型圧縮機において、前記シリンダブロックには、前記吸入口が二つ形成されており、各吸入口は、前記吸入ポートから前記吸入室を介して各吸入口に至る冷媒の経路の長さがそれぞれ同じ長さとなる位置に配置されていることが好ましい。

0020

これによれば、吸入ポートから吸入室に吸入された冷媒を、各吸入口に均等に流すことができる。よって、一方の吸入口に偏って冷媒が吸入されてしまうことで、吸入脈動が生じてしまうことを抑制することができる。

発明の効果

0021

この発明によれば、吸入効率を向上させるとともに、回転軸の軸方向において小型化することができる。

図面の簡単な説明

0022

実施形態におけるベーン型圧縮機を示す側断面図。
図1における1−1線断面図。
図1における2−2線断面図。
別の実施形態におけるベーン型圧縮機の縦断面図。
従来例におけるベーン型圧縮機を示す側断面図。
図5における3−3線断面図。

実施例

0023

以下、本発明を具体化した一実施形態を図1図3にしたがって説明する。
図1に示すように、ベーン型圧縮機10のハウジング11は、リヤハウジング12と、このリヤハウジング12の前端面(一端面)に接合されたフロントハウジング13とから形成されている。フロントハウジング13は、リヤハウジング12(ハウジング11)内に収容される筒状のシリンダブロック14を有する。よって、本実施形態では、シリンダブロック14はフロントハウジング13に一体化されている。

0024

シリンダブロック14の後端面には、サイドプレート15が接合されている。フロントハウジング13及びサイドプレート15には回転軸16が回転可能に支持されるとともに、回転軸16はシリンダブロック14内を貫通している。フロントハウジング13と回転軸16との間にはリップシール型の軸封装置17aが介在されている。軸封装置17aは、フロントハウジング13に形成された収容室17内に収容されている。軸封装置17aは、回転軸16の周面に沿った冷媒ガスの洩れを防止する。シリンダブロック14内において、回転軸16には円筒状をなすロータ18が回転軸16に一体回転可能に止着されている。ロータ18は、その前端面(一端面)がフロントハウジング13の端面と対向するとともに、後端面(他端面)がサイドプレート15に対向している。

0025

図2及び図3に示すように、シリンダブロック14の内周面は楕円状に形成されている。ロータ18の外周面には、複数箇所に放射状にベーン溝18aが形成されるとともに、各ベーン溝18aそれぞれにはベーン19が出没可能に収容されている。各ベーン溝18aには潤滑油が供給されるようになっている。

0026

そして、回転軸16の回転に伴うロータ18の回転によってベーン19の先端面がシリンダブロック14の内周面に接触すると、ロータ18の外周面と、シリンダブロック14の内壁と、隣り合うベーン19と、フロントハウジング13及びサイドプレート15との間に、複数の圧縮室21が区画されるようになっている。ベーン型圧縮機10において、ロータ18の回転方向に関して圧縮室21が容積を拡大する行程が吸入行程となり、圧縮室21が容積を減少する行程が圧縮行程となる。

0027

図1に示すように、リヤハウジング12の上部には、吸入ポート22が形成されている。また、シリンダブロック14の外周面には、シリンダブロック14の周方向全周に亘って凹部14aが形成されている。そして、凹部14a及びリヤハウジング12の内周面によって吸入ポート22に連通する吸入室20が区画されている。よって、吸入室20は、シリンダブロック14とリヤハウジング12との間に回転軸16の周方向に延在している。そして、吸入室20及び吸入ポート22は、回転軸16の径方向で圧縮室21と重なって配置されている。

0028

図2に示すように、シリンダブロック14には、吸入室20と連通する一対の吸入口23が形成されている。すなわち、本実施形態において、シリンダブロック14には吸入口23が二つ形成されている。各吸入口23は、吸入ポート22から吸入室20を介して各吸入口23に至る冷媒ガスの経路の長さがそれぞれ同じ長さとなる位置に配置されている。そして、吸入行程中の各圧縮室21と吸入室20とは、それぞれ吸入口23を介して連通される。

0029

図3に示すように、回転軸16を挟んだシリンダブロック14の外周面それぞれには、シリンダブロック14の外周面から凹む凹部14bが形成されている。各凹部14bは、シリンダブロック14の外周面から回転軸16に向けて延びる延設面141bと、延設面141bに対し交差しつつシリンダブロック14の外周面に向けて延びる取付面142bとから形成されている。そして、各延設面141b、取付面142b、及びリヤハウジング12の内周面によって一対の吐出室30が区画されている。よって、各吐出室30は、回転軸16の径方向におけるシリンダブロック14とリヤハウジング12との間に形成されている。

0030

シリンダブロック14には、各取付面142bに開口して圧縮行程中の圧縮室21と吐出室30とを連通する吐出口31が形成されている。各吐出口31は、取付面142bに取り付けられた吐出弁32により開閉可能となっている。そして、圧縮室21で圧縮された冷媒ガスは、吐出弁32を押し退けて吐出口31を介して吐出室30へ吐出される。

0031

図1に示すように、各吐出室30は、吸入室20よりもサイドプレート15側に位置している。吸入室20と各吐出室30とは、回転軸16の径方向におけるシリンダブロック14とリヤハウジング12との間で回転軸16の軸方向に並んで配置されている。また、フロントハウジング13には、吸入室20と収容室17とを連通する連通通路25が形成されている。

0032

リヤハウジング12の上部には吐出ポート34が形成されている。また、リヤハウジング12の後側には、サイドプレート15によって吐出領域35が区画形成されている。吐出領域35内には、冷媒ガス中に含まれる潤滑油を分離するための油分離器36が配設されている。油分離器36は、有底円筒状のケース36aを有するとともに、ケース36aの開口側には円筒状の油分離筒36bが嵌合固定されている。ケース36aの下部には、ケース36a内と吐出領域35の底部側とを連通する油通路36cが形成されている。また、サイドプレート15及びケース36aには、吐出室30とケース36a内とを連通する連通路37が形成されている。さらに、サイドプレート15には、吐出領域35の底部側に貯留された潤滑油をベーン溝18aに導くための油供給通路15dが形成されている。

0033

次に、本実施形態の作用について説明する。
回転軸16が回転すると、ロータ18及びベーン19が回転し、ベーン型圧縮機10の外部(例えば外部冷媒回路)から吸入ポート22を介して吸入室20に冷媒ガスが吸入される。吸入室20に吸入された冷媒ガスは、各吸入口23を介して吸入行程中の各圧縮室21に吸入される。そして、各圧縮室21に吸入された冷媒ガスは、圧縮行程中の圧縮室21の容積減少により圧縮される。圧縮された冷媒ガスは、各圧縮室21から吐出口31を介して各吐出室30に吐出される。

0034

各吐出室30内の冷媒ガスは、連通路37を介してケース36a内に流出して、油分離筒36bの外周面に吹き付けられるとともに、油分離筒36bの外周面を旋回しながらケース36a内の下方へ導かれる。このとき、遠心分離によって、冷媒ガスから潤滑油が分離される。そして、冷媒ガスから分離された潤滑油はケース36aの底部側へ移動するとともに、油通路36cを介して吐出領域35の底部に貯留される。吐出領域35の底部に貯留された潤滑油は、油供給通路15dからベーン溝18aに導かれ、背圧としてベーン19を外周側に押し出す。そして、外周側に押し出されたベーン19によって圧縮室21が区画される。また、ベーン溝18aに導かれた潤滑油によって、ベーン19とベーン溝18aとの摺動部分が潤滑される。一方、油分離器36において、潤滑油が分離された冷媒ガスは、油分離筒36bの内部を上方へ移動し、吐出ポート34を介してベーン型圧縮機10の外部(例えば外部冷媒回路)へ吐出される。

0035

また、吸入ポート22から吸入室20に吸入された冷媒ガスの一部は、連通通路25を介して収容室17に導入される。そして、収容室17に導入された冷媒ガスによって、軸封装置17aが冷却されるとともに、回転軸16と軸封装置17aとの摺動部分の潤滑が良好なものとなる。

0036

上記構成のベーン型圧縮機10では、吸入室20が、回転軸16の径方向におけるシリンダブロック14とリヤハウジング12との間に形成されている。このため、従来技術のように、シリンダブロック14に対して回転軸16の軸方向に並ぶ位置に吸入室20を形成する必要が無く、ベーン型圧縮機10が回転軸16の軸方向において小型化される。さらに、吸入ポート22、吸入室20、及び圧縮室21が径方向に重なるように整列して配置されることにより、冷媒ガスがベーン型圧縮機10内の熱により加熱されることなく、また、吸入経路が屈曲されることなく、圧縮室21に吸入される。

0037

上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)吸入室20を、シリンダブロック14とリヤハウジング12との間に回転軸16の周方向に延在させ、吸入室20及び吸入ポート22を、回転軸16の径方向で圧縮室21と重なるように配置した。これによれば、従来技術のようなシリンダブロック14に対して回転軸16の軸方向に並ぶ位置に形成される吸入室20を廃止又は縮小することができる。その結果、ベーン型圧縮機10を回転軸16の軸方向において小型化することができる。さらに、吸入ポート22、吸入室20、及び圧縮室21が径方向に重なるように整列して配置されることにより、冷媒ガスがベーン型圧縮機10内の熱により加熱されることなく、また、吸入経路が屈曲されることなく、圧縮室21に吸入されるため、吸入効率を向上させることができる。

0038

(2)吸入室20と吐出室30とを、回転軸16の径方向におけるシリンダブロック14とリヤハウジング12との間で回転軸16の軸方向に並んで配置した。これによれば、シリンダブロック14の周方向において、吸入室20を所望の位置に形成することができる。例えば、ベーン型圧縮機10を車両に搭載する場合、ベーン型圧縮機10の搭載スペースの周りに配置される補機等と干渉してしまうことを避けるために、吸入ポート22の配置位置が一義的に決められる場合がある。このような場合であっても、吸入ポート22の配置位置に対応する位置に吸入室20を形成することができ、ベーン型圧縮機10の設計自由度を向上させることができる。

0039

(3)吸入室20を、シリンダブロック14の周方向全周に亘って形成した。これによれば、吸入室20が、シリンダブロック14の周方向全周に亘って形成されていない場合に比べると、吸入室20の容積を可能な限り確保することができる。

0040

(4)吸入室20と収容室17とを連通通路25により連通させた。これによれば、吸入室20に吸入された冷媒ガスの一部を、連通通路25を介して収容室17に導入することができる。その結果、収容室17に導入された冷媒ガスによって、軸封装置17aを冷却することができるとともに、回転軸16と軸封装置17aとの摺動部分の潤滑を良好なものとすることができる。

0041

(5)シリンダブロック14に、吸入室20と連通する一対の吸入口23を形成した。これによれば、吸入効率をさらに向上させることができる。
(6)各吸入口23は、吸入ポート22から吸入室20を介して各吸入口23に至る冷媒ガスの経路の長さがそれぞれ同じ長さとなる位置に配置されている。これによれば、吸入ポート22から吸入室20に吸入された冷媒ガスを、各吸入口23に均等に流すことができる。よって、一方の吸入口23に偏って冷媒ガスが吸入されてしまうことで、吸入脈動が生じてしまうことを抑制することができる。

0042

(7)吸入室20を、シリンダブロック14の周方向全周に亘って形成した。これによれば、吸入室20における各吸入口23よりも吸入ポート22とは反対側の空間をマフラー室として機能させることができる。その結果、吸入脈動をさらに抑制し易くすることができるとともに、騒音を抑制することができる。

0043

(8)吸入室20がシリンダブロック14の周方向全周に亘って形成されているため、吸入室20が、シリンダブロック14の周方向全周に亘って形成されていない場合に比べると、吸入室20に吸入される冷媒ガスによるシリンダブロック14の温度分布を、シリンダブロック14の周方向において均一にし易くすることができる。その結果、シリンダブロック14の温度分布が、シリンダブロック14の周方向において不均一になることで、シリンダブロック14が冷媒ガスの熱によって歪んでしまうことを抑制することができる。

0044

(9)本実施形態では、吸入室20が、回転軸16の径方向におけるシリンダブロック14とリヤハウジング12との間に形成されており、回転軸16から極力遠ざかっている。回転軸16は回転することで熱を持ち易い。しかし、吸入室20は、回転軸16から極力遠ざかった位置にあるため、吸入室20に吸入された冷媒ガスが回転軸16からの熱により加熱されてしまうことを抑制することができる。

0045

(10)本実施形態では、従来技術のように、フロントハウジング103とフロントサイドプレート105との間に吸入室116を形成する必要がなく、シリンダブロック104を貫通する吸入通路118も形成する必要がない。よって、フロントハウジング103、フロントサイドプレート105、及びシリンダブロック104を一つの部材(フロントハウジング13)で形成することができ、部品点数を削減することができる。

0046

なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
図4に示すように、吸入室20Aと吐出室30Aとが、回転軸16の径方向におけるシリンダブロック14Aとリヤハウジング12との間で、シリンダブロック14Aの周方向に並んで配置されていてもよい。シリンダブロック14Aの内周面は真円状に形成されている。そして、回転軸16の回転に伴うロータ18の回転によってベーン19の先端面がシリンダブロック14Aの内周面に接触すると、ロータ18の外周面と、シリンダブロック14Aの内周面と、隣り合うベーン19と、フロントハウジング13及びサイドプレート15との間に、圧縮室21Aが区画されるようになっている。ベーン型圧縮機10において、ロータ18の回転方向に関して圧縮室21Aが容積を拡大する行程が吸入行程となり、圧縮室21Aが容積を減少する行程が圧縮行程となる。

0047

シリンダブロック14Aの外周面には、当該外周面から回転軸16の径方向に突出し、且つ回転軸16の軸方向に延びる一対の隔壁40が形成されている。各隔壁40は、シリンダブロック14Aの周方向において、互いに180度離れた位置に配置されている。そして、回転軸16の径方向におけるシリンダブロック14Aとリヤハウジング12との間で、各隔壁40により隔てられることで、吸入室20Aと吐出室30Aとが、シリンダブロック14Aの周方向に並んで配置されている。

0048

シリンダブロック14Aには、吸入室20Aと連通する吸入口23Aが形成されている。そして、吸入行程中の圧縮室21Aと吸入室20Aとは、それぞれ吸入口23Aを介して連通される。シリンダブロック14Aの外周面には取付面141Aが形成されており、シリンダブロック14Aには、取付面141Aに開口して圧縮室21Aと吐出室30Aとを連通する吐出口31Aが形成されている。吐出口31Aは、取付面141Aに取り付けられた吐出弁32により開閉可能となっている。そして、圧縮室21Aで圧縮された冷媒ガスは、吐出弁32を押し退けて吐出口31Aを介して吐出室30Aへ吐出される。

0049

上記構成によれば、シリンダブロック14Aの周方向において、隔壁40の位置を調整することにより、吸入室20Aと吐出室30Aとの容積の割合を調整することができる。また、吸入室20Aと吐出室30Aとを、回転軸16の径方向におけるシリンダブロック14とリヤハウジング12との間で回転軸16の軸方向に並んで配置する場合のように、吐出室30Aにおける回転軸16の軸方向の長さが、吸入室20A分だけ短くなってしまうことが無い。すなわち、例えば、従来技術のように、シリンダブロック14Aに対して回転軸16の軸方向に並ぶ位置に吸入室20Aが形成されているときの吐出室30Aにおける回転軸16の軸方向の長さと同じ長さとすることが可能となり、回転軸16の軸方向の長さが従来技術と同じ長さである吐出弁32を用いることができる。

0050

○ 実施形態において、シリンダブロック14とリヤハウジング12との間の吸入室20に加えて、フロントハウジング13内に吸入室を形成してもよい。この場合、吸入空間をより大きく確保することができ、吸入脈動を低減することができる。

0051

○ 実施形態において、吸入室20が、各吐出室30よりもサイドプレート15側に位置していてもよい。
○ 実施形態において、吸入室20が、シリンダブロック14の周方向全周に亘って形成されていなくてもよい。例えば、吸入室20が、シリンダブロック14の周方向において、350度の範囲に亘って形成されていてもよく、吸入室20が形成される範囲は適宜変更可能である。

0052

○ 実施形態において、連通通路25を削除してもよい。
○ 実施形態において、シリンダブロック14が、フロントハウジング13とは別体であってもよい。

0053

○ 実施形態において、吸入口23の数は特に限定されるものではない。
○ 実施形態において、各吸入口23が、吸入ポート22から吸入室20を介して各吸入口23に至る冷媒ガスの経路の長さがそれぞれ異なる長さとなる位置に配置されていてもよい。

0054

10…ベーン型圧縮機、11…ハウジング、14,14A…シリンダブロック、16…回転軸、17…収容室、17a…軸封装置、18…ロータ、19…ベーン、20,20A…吸入室、21,21A…圧縮室、22…吸入ポート、23,23A…吸入口、25…連通通路、30,30A…吐出室、40…隔壁。

ページトップへ

この技術を出願した法人

この技術を発明した人物

ページトップへ

関連する挑戦したい社会課題

該当するデータがありません

関連する公募課題

該当するデータがありません

ページトップへ

おススメ サービス

おススメ astavisionコンテンツ

新着 最近 公開された関連が強い技術

  • 東京瓦斯株式会社の「 圧縮機」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】吸込流路内の圧力の変動に対する応答性を高めつつ、消費電力を低減する。【解決手段】圧縮機(ガス圧縮機1)は、ケーシングに固有の内部容積比を持つ容積型の圧縮機本体10と、圧縮機本体10に流体を流入... 詳細

  • パナソニックIPマネジメント株式会社の「 冷凍サイクル装置」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】圧縮室内部に連通するインジェクション孔を備え、ピストンの旋回運動によりインジェクション孔が開閉する機構を有するロータリ圧縮機を搭載する冷凍サイクル装置において、圧力比が小さい部分負荷条件で圧縮... 詳細

  • 株式会社豊田自動織機の「 圧縮機」が 公開されました。( 2020/04/30)

    【課題】圧縮荷重に起因するロータの傾きを抑制できる圧縮機を提供すること。【解決手段】圧縮機10は、ハウジング11と、回転軸12と、ロータ面70,90及び背面74,94を有するロータ60,80と、シリン... 詳細

この 技術と関連性が強い人物

関連性が強い人物一覧

この 技術と関連する社会課題

該当するデータがありません

この 技術と関連する公募課題

該当するデータがありません

astavision 新着記事

サイト情報について

本サービスは、国が公開している情報(公開特許公報、特許整理標準化データ等)を元に構成されています。出典元のデータには一部間違いやノイズがあり、情報の正確さについては保証致しかねます。また一時的に、各データの収録範囲や更新周期によって、一部の情報が正しく表示されないことがございます。当サイトの情報を元にした諸問題、不利益等について当方は何ら責任を負いかねることを予めご承知おきのほど宜しくお願い申し上げます。

主たる情報の出典

特許情報…特許整理標準化データ(XML編)、公開特許公報、特許公報、審決公報、Patent Map Guidance System データ